JP3981096B2 - フタロシアニン混晶体及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、電子写真方式を用いたコピー機やプリンタにおいて、特に高感度で、またデジタル光入力に適した感光体として使用可能なフタロシアニン混晶体の製造方法及びフタロシアニン混晶体に関するものである。
カールソン法をはじめとする電子写真法は、原稿像をアナログ的に描写することを主眼において開発されてきた。従って、入力光の明暗を忠実にトナー像の明暗として再現するために、そこで用いられる感光体としては、入力光量(の対数値)に対して線形に相似する光電流が流れる特性を有することが求められてきた。そのため、この様な特性(低γ特性)を有する物質を感光体の材料として選択することが原則的であった。
そのため電子写真法の初期段階における単純な光導電体に近いものからはじまり、セレン(Se)系のアモルファス層や、シリコン(Si)系のアモルファス層、Se系のアモルファス層と類似すべく作られた酸化亜鉛(ZnO)の結着層等が、感光層として使用されてきた。更に近年では、特に有機半導体を使用したいわゆる機能分離型の感光層を使用するまでに展開してきている。
ところが、近年、電子写真技術とコンピュータ技術が結合し、プリンタやファクシミリ記録の方式が電子写真記録方式に急激に移行している。また、通常のコピーマシーンであっても、反転、切り取り、白抜き等の画像処理を可能とすることが望まれてきた。
そのため、電子写真の記録方式を従来のPPC用アナログ記録形式からデジタル記録形式へ変更することが望まれている。さらに、前記した様に、アナログ概念に基づく伝統的な電子写真法に用いられている感光体用の感光剤は、低γ特性を有している。従って、この特性上、コンピュータのデータ出力用のプリンタ、または画像をデジタル処理するデジタルコピー等、入力されたデジタル光信号をデジタル像として描写する必要がある電子写真には不向きである。すなわち、コンピュータや画像処理装置から当該電子写真装置に達するまでの信号路におけるデジタル信号の劣化や、書き込み用の光ビームを集光させ、または、原稿像を結像させるための光学系による収差までをも、これらの感光剤を用いた感光体は忠実に描写してしまい、本来のデジタル画像を再現し得ないからである。
また、この様なデジタル記録形式で使用される光源は、アルゴンレーザ、ヘリウムネオンレーザ等のガスレーザや、半導体レーザ、発光ダイオードなどがある。これらの中でも半導体レーザはサイズ及びコストの点から現在広く用いられており、感光体も半導体レーザの発光波長(近赤外付近)に対して高感度なことが望ましい。
すなわち、デジタル記録形式に用いる感光体には、入力光量に対して線形に相似した光電流が流れるのではなく、ある光量まではほとんど流れないが、所定の光量を越えると基底電位(残留電位)に達するまで一気に流れるといった特性(高γ特性と呼ぶ)が要求される。
従って、この分野に利用できる高感度で且つ高γ特性を有する感光体材料の提供が強く渇望されている。
こうした中、特開平1−169454号公報には、デジタル光入力用感光体の概念が開示されている。しかしながら、このデジタル光入力用感光体に使用できる材料に関しては、
具体的に述べられていない。
また、特開平3−37662号公報に記載されているチタニルフタロシアニン、更に特開平2−84661号公報に記載されているフタロシアニン混晶体であっても、γ特性があまり高くない点及び残留電位が高い点から、上記デジタル光入力用感光体用の感光剤として使用するためには今一つ不十分である。
特開平1−169454号公報 特開平3−37662号公報 特開平2−84661号公報
本発明は、この現状に鑑みなされたもので、高感度なデジタル光入力用感光体に用いられるのに適したフタロシアニン混晶体の製造方法及び特に感光体材料として好ましいフタロシアニン混晶体を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、フタロシアニン系化合物の少なくとも2種以上を酸に溶解させて、これを水と有機溶媒の混合液中で混晶体として析出させることで得られるフタロシアニン混晶体が、高いγ特性を有し、デジタル光入力感光体として十分使用できること、及びフタロシアニン混晶体のうち、特定の出発物質を用い、且つX線回折スペクトルにおいて特定のブラッグ角(2θ±0.2゜)にピークを有し、更に特定のブラッグ角における2つのピーク比がある条件を満たすフタロシアニン混晶体が感光体材料として優れることを見出し本発明を完成させた。
すなわち本発明は、フタロシアニン系化合物の少なくとも2種類以上を酸に溶解させ、これを水と比誘電率20以下の有機溶媒の混合液中に添加し、フタロシアニン混晶体として析出させることを特徴とするフタロシアニン混晶体の製造方法及び、水素フタロシアニンとチタニルフタロシアニンとからなるフタロシアニン混晶体であって、X線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2゜)6.8゜、7.4゜、15.0゜、24.7゜、26.2゜、27.2゜にピークを有し、かつ6.8゜のピーク強度に対する27.2゜のピーク強度の比が1以上であることを特徴とするフタロシアニン混晶体である。
本発明の製造方法により得られるフタロシアニン混晶体は、これを用いて感光層を作成した場合に、光入力に対して特異な光電力の流れ方を示す。すなわち、光電流の(ある閾値に対する)大小に従ってデジタル的に光電流を流す。従って、デジタル記録形式の電子写真に使用するデジタル光入力感光体に用いられるのに適している。なお、本発明の製造方法により得られるフタロシアニン混晶体を用いた感光層は、入力光がアナログ光であっても、それをA/D変換してデジタル信号として出力することができる。従って、従来のPPC(アナログ光入力)用感光体に使用してもエッジのシャープな高画質画像を実現できるものである。
以下、本発明を詳細に説明する。<1>フタロシアニン系化合物本発明の製造方法において原料として用いられるフタロシアニン系化合物とは、フタロシアニン(本発明において水素フタロシアニンと呼ぶ)及びフタロシアニンの中心部の2つの水素イオンが金属イオンあるいは金属酸化物イオンによって置換された化合物であり、例えば、水素フタロシアニン、銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、バナジルフタロシアニン、ジルコニルフタロシアニン、ニオビルフタロシアニン等を挙げることができるが、本発明におい
ては、水素フタロシアニン、銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、バナジルフタロシアニンが好ましく用いられる。
上記フタロシアニン系化合物の合成方法については、モーザー及びトーマスの「フタロシアニン化合物」(MOSER and THOMAS, "Phthalocianine Compounds")に公知の合成方法が記載されており、この方法等に従って合成すれば上記化合物は容易に得られる。
例えば、チタニルフタロシアニンの場合、o−フタロニトリルと四塩化チタンを加熱融解、または、これらをα−クロロナフタレンなどの有機溶媒の存在下で加熱する方法、1,3−ジイミノイソインドリンとテトラブトキシチタンをN−メチルピロリドンなどの有機溶媒中で加熱する方法により収率よく得られる。
また、水素フタロシアニンの場合は、上記方法において、金属化合物を用いないことにより合成することができる。銅フタロシアニン、バナジルフタロシアニンの場合は、上記方法において、金属化合物として四塩化チタン、テトラブトキシチタン等の代わりに塩化銅、五酸化バナジウム等を用いて合成することができる。
この様に合成されたフタロシアニン系化合物中には外側のベンゼン環の水素原子が塩素等に置換された塩素置換体フタロシアニン等が含有されていてる場合があるが、これらの化合物を含有したものについても上記フタロシアニン系化合物として本発明に用いることができる。
本発明のフタロシアニン混晶体の製造方法においては、原料の上記フタロシアニン系化合物の2種類以上を用いる。例えば、これらのうちの2種類を用いる場合、水素フタロシアニンと銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、またはバナジルフタロシアニンの組合せ、銅フタロシアニンとチタニルフタロシアニンまたはバナジルフタロシアニンの組合せ、チタニルフタロシアニンとバナジルフタロシアニン、ジルコニルフタロシアニン、またはニオビルフタロシアニンの組合せ、バナジルフタロシアニンとニオビルフタロシアニンまたはジルコニルフタロシアニンの組合せ、ジルコニルフタロシアニンとニオビルフタロシアニンの組合せ等を挙げることができる。
またフタロシアニン系化合物の3種類を用いる場合には、例えば、水素フタロシアニンとチタニルフタロシアニンとバナジルフタロシアニンの組合せ、水素フタロシアニンとチタニルフタロシアニンと銅フタロシアニンの組合せ、水素フタロシアニンとバナジルフタロシアニンと銅フタロシアニンの組合せ、チタニルフタロシアニンとバナジルフタロシアニンと銅フタロシアニンの組合せ、チタニルフタロシアニンとバナジルフタロシアニンとニオビルフタロシアニンの組合せ、チタニルフタロシアニンとバナジルフタロシアニンとジルコニルフタロシアニンの組合せ、チタニルフタロシアニンとジルコニルフタロシアニンとニオビルフタロシアニンの組合せ、バナジルフタロシアニンとジルコニルフタロシアニンとニオビルフタロシアニンの組合せ等を挙げることができる。
さらに、上記各フタロシアニン系化合物の組合せの中でも、チタニルフタロシアニンを含む組合せが好ましく、より好ましい組合せとして、チタニルフタロシアニンと水素フタロシアニンの組合せ、及びチタニルフタロシアニンとバナジルフタロシアニンの組合せを挙げることができる。
上記各組合せにおいて、用いられるフタロシアニン系化合物の混合割合は任意であるが、例えば、2種を用いる場合には、モル比で、0.1:99.9〜99.9:0.1、好ましくは2.5:97.5〜97.5:2.5、更に好ましくは5:95〜95:5、特には10:90〜90:10の割合で配合することができる。この様に混合比を適切な範囲に限定していくことにより、γ特性をより向上させることができる。
上記フタロシアニン系化合物の好ましい組合せから得られるフタロシアニン混晶体として、水素フタロシアニンとチタニルフタロシアニンの混晶体を得る場合、混晶体全体に占めるチタニルフタロシアニンのモル分率が95〜40%であることが好ましく(この場合、水素フタロシアニンのモル分率は、5〜60%)、より好ましくは95〜50%、特に95〜60%、更には90〜60%であることがより好ましい。ここで、チタニルフタロシアニンのモル分率が多すぎると、γ特性が低くなることがあり、少なすぎると帯電特性が悪化し、実用性に乏しくなることがある。
上記フタロシアニン系化合物を組み合わせて得られる混晶体における各フタロシアニン系化合物のモル分率は、得られた混晶体のX線回折スペクトルを用いて判別することができる。すなわち、水素フタロシアニンとチタニルフタロシアニンの混晶体は、ブラッグ角(2θ±0.2゜)6.8゜、7.4゜、15.0゜、24.7゜、26.2゜、27.2゜にピークを有するが、6.8゜におけるピーク強度に対する27.2゜におけるピーク強度の比が1以上であれば、水素フタロシアニンとチタニルフタロシアニンの組成モル分率はそれぞれ概ね上述の範囲内である。ここで、本発明におけるX線回折スペクトルは粉末法により測定し、その測定条件は以下の通りである。
ターゲット : Cu Kα線発散スリット : 1゜散乱スリット : 1゜受光スリット : 0.2mmステップ角度 : 0.06゜計数時間 : 1秒
<2>フタロシアニン混晶体の製造方法
本発明の製造方法においては、フタロシアニン混晶体は上記フタロシアニン系化合物の2種類以上を酸に溶解させ、これを水と比誘電率20以下の有機溶媒の混合液中に添加しフタロシアニン混晶体として析出させることにより得られる。
ここで本発明の製造方法において用いる酸としては、上記フタロシアニン系化合物を溶解させることができる酸であれば特に制限はなく、例えば、硫酸、ポリリン酸等の無機酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等のアルキルスルホン酸等を好ましく挙げることができるが、本発明の製造方法においては、硫酸がより好ましく用いられる。
本発明の製造方法において用いる酸の量であるが、原料のフタロシアニン系化合物の混合物を溶解できる範囲であれば特に制限はないが、用いるフタロシアニン系化合物の種類、組合せに関係なくフタロシアニン系化合物の合計量1gに対して好ましくは5〜100g、更に好ましくは10〜50gの範囲で用いられる。また、溶解時の温度としては、−20〜80℃が好ましく、−10〜50℃が更に好ましい。
上記条件でフタロシアニン系化合物の混合物は酸に溶解され、水と比誘電率20以下の有機溶媒の混合液中でフタロシアニン混晶体として析出する。ここで用いる有機溶媒は、比誘電率が20以下、好ましくは1〜15、更に好ましくは2〜12のものである。比誘電率が20より大きい有機溶媒を用いると、極性が大きすぎるために、感光体材料としての性能を阻害する結晶が成長するようになり、高γ特性を有する混晶体を得ることができなくなる。
上記比誘電率が20以下の有機溶媒としては、例えば、以下の有機化合物が挙げられる。なお、各化合物名の後の括弧内には、その化合物の20℃における比誘電率を示す。
炭素数4〜12、好ましくは炭素数5〜8の脂肪族炭化水素類(1.7〜2.0)、炭素数4〜12、好ましくは炭素数5〜8の脂環式炭化水素類(2.0〜2.5)、ベンゼン(2.3)、トルエン(2.4)、キシレン(2.3〜2.7)、エチルベンゼン(2.6)等の芳香族炭化水素類、クロロペンタン(6.6)、塩化ブチル(7.4)、塩化
プロピル(7.7)、テトラクロロエタン(2.3)、ジクロロエタン(10.7)、四塩化炭素(2.2)、クロロホルム(4.8)、塩化メチレン(7.8)、臭化ブチル(7.1)、臭化プロピル(8.1)、臭化エチル(9.4)、臭化メチル(9.8)等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、クロロベンゼン(5.7)、ジクロロベンゼン(2.4〜9.9)、ブロモベンゼン(5.4)、ジブロモベンゼン(2.6〜7.4)等のハロゲン化芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン(18.5)、ペンタノン(15.4)、ヘキサノン(16.4)、メチルシクロヘキサノン(14.0)、シクロヘキサノン(18.3)等のケトン類、ジブチルエーテル(3.1)、ジヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(16.0)、エチレングリコールジメチルエーテル(5.5)、テトラヒドロフラン(THF、7.4)、ジオキサン(2.2)等のエーテル類、酢酸メチル(6.7)、酢酸エチル(6.0)、酢酸プロピル(6.0)、酢酸ブチル(5.0)、プロピオン酸メチル(5.5)、プロピオン酸エチル(5.6)、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル(4.8)、シュウ酸ジエチル(1.8)、マロン酸ジエチル(7.9)等のエステル類、ジプロピルアミン(3.1)、ブチルアミン(4.9)、ジブチルアミン(3.0)、ペンチルアミン、エチルヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン(4.7)、ジシクロヘキシルアミン、アニリン(7.1)、トルイジン(5.0〜6.3)、ピペリジン(5.8)、ピリジン(12.3)、モルフォリン(7.4)等のアミン類等が挙げられる。
上記有機溶媒のうち、本発明においては、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジプロピルケトン、エチルアミン、酢酸エチル等が好ましく用いられ、さらに、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、エチルアミン、酢酸エチル等がより好ましく用いられる。
水と上記有機溶媒との混合液における水の配合割合であるが、混合液全量に対して5〜95重量%の配合率であることが好ましく、更に10〜80重量%の配合率がより好ましい。
ここで、上述の様な水と有機溶媒の混合液にフタロシアニン系化合物を酸に溶解した溶液を添加する際に、水と有機溶媒とを上記割合で混合したとき解け合わずに2層に分離する場合には、撹拌等で均一に分散させた水と有機溶媒の混合液中にフタロシアニン系化合物の酸溶液を添加する、あるいはフタロシアニン系化合物の酸溶液を水と有機溶媒の混合液に添加した後、反応液全体を撹拌する等の処置をとることが好ましい。また、上記処理のいずれかの段階で反応液に適当な界面活性剤を加えれば、その界面活性作用により水と有機溶媒の分散系をより作り易くすることができる。
また、水と有機溶媒が均一に解け合っている混合液を用いる場合においても、処理時間を短縮するために、撹拌を行うのが一般的である。撹拌方法としては、一般的な撹拌装置が用いられる他、ホモミキサー、ペイントミキサー、ボールミル、サンドミル、アトライター、ディスパーザー、超音波分散装置等を用いてもよい。
ここで、上記処理に用いる水と有機溶媒混合物の量であるが、フタロシアニン系化合物の酸溶液に対して2〜100倍量(容量)であることが好ましく、より好ましくは、3〜80倍量、更に好ましくは5〜50倍量である。水と有機溶媒の混合液の量がフタロシアニン系化合物の酸溶液の2倍より少ないと温度制御が困難になることがあり、またこれが100倍より多いと操作効率が下がることがある。
更に、水と有機溶媒の混合液にフタロシアニン系化合物を酸に溶解した溶液を添加する際、添加の方法としては、滴下が好ましい。処理液の温度は、−20℃〜80℃であるこ
とが好ましく、より好ましくは0〜60℃、更に、0〜40℃がより好ましい。ここで上記処理において、撹拌を行う理由の一つは、この温度制御のためでもあり、撹拌がない場合は温度制御が困難なことがある。また、上記処理において処理時間は、1分〜120時間、好ましくは5分〜50時間、更に好ましくは10分〜24時間である。
この様にして、上記2種類以上のフタロシアニン系化合物を酸に溶解させた溶液を、水と比誘電率が20以下の有機溶媒との混合液に添加することにより、電子写真感光体に用いるのに適した高γ特性を有するフタロシアニン混晶体が得られる。
また、上記混合液中に析出したフタロシアニン混晶体を、濾過等で混合液より取り出した後、必要に応じてメタノール、水等で十分洗浄し、乾燥などの処理を行うことも可能である。
<3>本発明によるフタロシアニン混晶体を用いた電子写真感光体
本発明によるフタロシアニン混晶体を用いて、電子写真感光体を製造するには、導電性支持体上にフタロシアニン混晶体を含有する感光層を設ければよい。具体的には、上記フタロシアニン混晶体を、通常、電子写真感光体の製造に用いられる結着剤樹脂、必要に応じて溶剤等とともに、通常の方法で、例えば、ボールミル、アトライター等の混練分散機で均一に分散させ、エアードクターコーター、プレートコーター、ロッドコーター、リバースコーター、スプレーコーター、ホットコーター、スクイーズコーター、グラビアコーター等を用いて、導電性支持体上に塗布し、その後、十分な帯電電位が付与されるようになるまで適当な乾燥を行い溶剤をとばして感光層(光導電性層)を形成させ、電子写真感光体とする方法が挙げられる。
上記電子写真感光体の製造に用いる結着剤樹脂は、フタロシアニン混晶体と共に感光層を形成するものであり、例えば、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、キシレン樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート樹脂、繊維素誘導体などの体積固体抵抗が107Ωcm以上の絶縁性を有する結着剤樹脂、あるいはポリビニルカルバゾール等の半導電性を有する結着剤樹脂が挙げられる。
溶剤は、導電性支持体上に、上記フタロシアニン混晶体と結着剤樹脂の混合物を塗布する際に、主に粘度を調整する役割で用いられるものであり、例えば、トルエン、シクロヘキサノン、キシレンが挙げられる。
また、上記電子写真感光体を構成する導電性支持体としては、通常用いられるアルミニウム等の金属、あるいは、導電処理した紙またはプラスチック等を挙げることができる。更に、支持体の形状もドラム状、ベルト状等任意である。
上記感光層を構成する、結着剤樹脂と感光性材料(光導電性材料)である本発明のフタロシアニン混晶体の組成比は、重量比で概ね1:1〜10:1とすることができる。従って、例えば、感光性材料として酸化亜鉛を用いた感光層の場合の結着剤樹脂と酸化亜鉛の重量比が概ね1:5であるのに比べ、感光層中の結着剤樹脂の割合が多く、被膜の物理的強度があり、可撓性に富む電子写真感光体とすることができる。また、感光体の諸特性を改善する目的で、下引き層、オーバーコート層を設けることも可能である。更に、安定性等を改善する目的で、酸化防止剤等の添加剤を加えることも可能である。
上記の様にして得られる本発明のフタロシアニン混晶体を用いた電子写真感光体は、従来の電子写真感光体に比べ、特異的な光電流の流れ方をするためデジタル光入力用感光体として用いることができる。
すなわち、従来に電子写真感光体では、上述した様に、入力光量(の対数値)に対して線形に対応した量の光電流が流れる。これに対して、本発明のフタロシアニン混晶体を用いた電子写真感光体では、ある入力光量までは光電流が流れず、あるいは流れても極く少量であり、前記ある入力光量を越えた直後から急激に光電流が流れ出す。これは、画像階調をドット面積によって表現するようなデジタル記録方式の電子写真感光体に要求される光感度特性と一致するものである。
なぜなら、レーザースポットを光学系で正確に変調したとしても、高度な収差補正をしない限り、光学系は必然的に収差を伴う。従って、光学系のスポットそのものに光量の分布が生じること及びハローが生じること等は原理的に避けられない。
そのため、光エネルギー(入力光量)の変化を段階的にひろう従来の電子写真感光体では光量変化によってドットパターンの濃度が変化し、また、わずかなスポットのにじみによってもドットパターンの外縁が変化する。以上のドットパターンの変化が、ノイズとしてカブリの原因になるのである。本発明のフタロシアニン混晶体を用いた電子写真感光体は、この様なドットパターンの変化をキャンセルすることができるので、本発明のフタロシアニン混晶体は、デジタル光入力感光体に有利な感光材料である。
以下、実施例により本発明を説明する。はじめに、本発明に用いるフタロシアニン系化合物の製造例を説明する。
<製造例1> チタニルフタロシアニンの製造
1,3−ジイミノイソインドリン58g、テトラブトキシチタン51gをα−クロロナフタレン300mL中で210℃にて5時間反応後、α−クロロナフタレン、ジメチルホルムアミド(DMF)の順で洗浄した。その後、熱DMF、熱水、メタノールで洗浄、乾燥して51gのチタニルフタロシアニンを得た。
<製造例2> 水素フタロシアニンの製造
1,3−ジイミノイソインドリン58gをα−クロロナフタレン300mL中で210℃にて5時間反応後、α−クロロナフタレン、DMFの順で洗浄した。その後、熱DMF、熱水、メタノールで洗浄、乾燥して42gの水素フタロシアニンを得た。
<製造例3> 銅フタロシアニンの製造
無水フタル酸54g、尿素93g、塩化第二銅15.3g、モリブデン酸アンモニウム0.6gをニトロベンゼン450mL中で190℃にて5時間反応後、ニトロベンゼン、メタノールの順で洗浄した。その後、1N塩酸水溶液1000mLの中で1時間煮沸し、熱時濾過した。十分な水で濾液が中性となるまで洗浄した後、更に1N水酸化ナトリウム水溶液1000mLの中で1時間煮沸した。直ちに熱時濾過し、十分な水で濾液が中性となるまで洗浄、乾燥して42gの銅フタロシアニンを得た。
<製造例4> バナジルフタロシアニンの製造法
1,3−ジイミノイソインドリン58g、五酸化バナジウム28gをα−クロロナフタレン300mL中で210℃にて5時間反応後、α−クロロナフタレン、DMFの順で洗浄した。その後、熱DMF、熱水、メタノールで洗浄、乾燥して42gのバナジルフタロシアニンを得た。
次に、上記各製造例で得られたフタロシアニン系化合物を用いて製造された本発明のフタロシアニン混晶体の実施例について説明する。
<実施例1〜10>
表1に示す各割合のフタロシアニン系化合物の混合物を、0℃に冷却した酸の中に加え、引き続き0℃で1時間撹拌して完全に溶解させた。このフタロシアニン系化合物の酸溶液を0℃に冷却した表1に示す各組成の水と有機溶媒との混合液中に添加した。室温で2時間撹拌後、析出したフタロシアニン混晶体を混合液より濾別し、メタノール、水の順で
洗浄した。洗浄水の中性を確認した後、洗浄水よりフタロシアニン混晶体を濾別し乾燥した。
<比較例1−7>
表2に示す原料(上記各製造例で得られたフタロシアニン系化合物)及び処理液(硫酸、水と有機溶媒の混合液)を用いて実施例と同様の操作を行い、比較例1〜3の単一のフタロシアニン系化合物からなる結晶体、比較例4の析出を水のみで行ったフタロシアニン混晶体、比較例5の析出を有機溶媒のみで行ったフタロシアニン混晶体、比較例6の硫酸による溶解を行わなずに得られたフタロシアニン系化合物の混合物を得た。また、比較例7には、水素フタロシアニンとチタニルフタロシアニンのモル比が適当でない混晶体を得た。

<X線回折スペクトル>
上記実施例、比較例において、水素フタロシアニンとチタニルフタロシアニンを原料とする結晶体である実施例2、3、4及び比較例2、3、7について、以下に示す条件でX線回折スペクトル(図1〜図6)を得た。
機種 : 日本電子 JDX−3500管電圧 : 40kv管電流 : 200mAターゲット : Cu Kα線発散スリット : 1゜散乱スリット : 1゜受光スリット : 0.2mmステップ角度 : 0.06゜計数時間 : 1秒
得られたX線回折の各スペクトルについて、ブラッグ角(2θ±0.2゜)のピーク及び6.8゜のピーク強度に対する27.2゜のピーク強度の比を求めた。結果を表3に示す。
この結果から明らかなように、実施例2、3、4については、ブラッグ角(2θ±0.2゜)6.8゜、7.4゜、15.0゜、24.7゜、26.2゜、27.2゜にピークを有し、且つ6.8゜におけるピーク強度に対する27.2゜におけるピーク強度の比が1以上であるが、比較例2は、水素フタロシアニンの単結晶体でありブラッグ角(2θ±0.2゜)に27.2゜のピークがなく、比較例3は、チタニルフタロシアニンの単結晶体でありブラッグ角(2θ±0.2゜)に6.8゜のピークがない。また、比較例7では、水素フタロシアニンとチタニルフタロシアニンのモル分率が、適当ではなく、6.8゜におけるピーク強度に対する27.2゜におけるピーク強度の比が1より小さい。
<本発明により得られたフタロシアニン混晶体の評価>
上記各実施例及び各比較例で得られたフタロシアニン組成物を用いて以下のような感光体を作製し、光感度特性を評価した。
実施例1で得られたフタロシアニン混晶体0.8gをポリエステル樹脂溶液(アルマテックスP645、三井東圧製)2.8g、メラミン樹脂(コーバン20HS、三井東圧製)1g及びシクロヘキサン14gからなる組成物に、ガラスビーズ30gと共にいれ、ペイントミキサーにより6時間分散し、感光体塗液を得た。次に、この感光体塗液を厚さ90ミクロンのアルミニウム箔上に、乾燥膜厚が15ミクロンになるようにコートし、120℃で1時間静置して、感光体を作製した。同様にして、他の各実施例及び比較例で得られたフタロシアニン組成物を用いた各感光体を作製した。
上記で得られた各感光体の光感度特性を感光体評価装置(シンシア−55、ジェンテック社製)を用いて評価した。まず、感光体を+6.0KVの電圧でコロナ帯電させ、感光体の表面電位が急激に低下する屈曲点の時間(秒)を測定しこれを暗減衰時間とした。
次に、光強度が異なった780nmの単色光をコロナ帯電させた感光体に各々照射し、各光強度に対する光減衰時間曲線(照射時間に対する表面電位の特性曲線)を各々測定し、その曲線から得られた一定時間照射(ここでは0.075秒)後における表面電位を、各々光エネルギーに対してプロットした。これをγカーブと称する。
表面電位を初期帯電とほぼ同じ程度に維持できる光エネルギーのうち最大の光エネルギーをE1(γカーブにおける立ち下がり点の光エネルギー)、表面電位を残留電位程度(約30V)までに低下させることのできる光エネルギーのうち最小の光エネルギーをE2(γカーブにおける立ち上がり点の光エネルギー)とした。ここで、E1の値は光感度性能を示し、この値が小さい程、光感度がよいことになる。また、E2の値とE1の値の差(E2−E1)ΔEはγ特性を示し、この値が小さい程、高γ特性であることになり、こういった感光体がデジタル光入力用感光体となり得る。測定の結果を表4に示す。
なお、本評価の方法では、ΔEが5μJ/cm2以下の値をとる感光体がデジタル感光体として使用可能であり、またΔEが5μJ/cm2より大きい値をとる感光体がアナログ感光体として使用可能であることになる。
この結果から明らかなように、各実施例で得られたフタロシアニン混晶体を用いた感光体は、何れもΔEの値が5μJ/cm2以下であり、デジタル光入力用感光体として使用可能である。また、比較例1〜3の単一のフタロシアニン系化合物からなる結晶体、比較例4の析出を水のみで行ったフタロシアニン混晶体、比較例5の析出を有機溶媒のみで行ったフタロシアニン混晶体、比較例6の硫酸による溶解を行わなずに得られたフタロシアニン系化合物の混合物を用いた感光体、比較例7のモル分率が適当ではない混晶体は、何れもΔEの値が5μJ/cm2を越えるものであり、デジタル光入力用感光体には、適さないことがわかる。
実施例2で得られたフタロシアニン混晶体のX線回折スペクトルを示す図 実施例3で得られたフタロシアニン混晶体のX線回折スペクトルを示す図 実施例4で得られたフタロシアニン混晶体のX線回折スペクトルを示す図 比較例2で得られた水素フタロシアニン結晶体のX線回折スペクトルを示す図 比較例3で得られたチタニルフタロシアニン結晶体のX線回折スペクトルを示す図 比較例7で得られたフタロシアニン混晶体のX線回折スペクトルを示す図

Claims (2)

  1. 水素フタロシアニンと、チタニルフタロシアニンとからなるフタロシアニン混晶体であって、水素フタロシアニンとチタニルフタロシアニンの各々のモル分率が5〜60%と95〜40%であり、X線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2゜)6.8゜、7.4゜、15.0゜、24.7゜、26.2゜、27.2゜にピークを有し、かつ6.8゜のピーク強度に対する27.2゜のピーク強度の比が1以上であることを特徴とするフタロシアニン混晶体。
  2. 水素フタロシアニンとチタニルフタロシアニンを各々のモル分率が5〜60%と95〜40%となるように酸に溶解させ、これを水と比誘電率20以下の有機溶媒の混合液中に添加し、フタロシアニン混晶体として析出させることを特徴とするフタロシアニン混晶体の製造方法。
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