JP2005070748A - 電子写真感光体、及びそれを用いたプロセスカートリッジ、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
省エネルギー型の帯電方式並びに画像形成装置を提供すること。
【解決手段】少なくとも感光体に帯電用の露光を行う工程、帯電用露光と同時又は露光後に、該感光体と接触している導電性電圧印加部材を介して該感光体に電圧を印加して該電圧印加部材より感光体表面に印加電圧と同極性の帯電を行う工程、帯電後、像露光を行って該感光体に静電荷潜像を形成する工程、該静電荷潜像をトナーで現像する工程、および現像された画像を転写体に転写する工程を有する画像形成方法に用いる電子写真感光体において、該電子写真感光体の層構成が、導電性支持体11上に少なくとも像露光に対して感度を有する感光層12と少なくとも帯電用露光で電荷を発生する電荷発生物質を含有する光電荷充電層13とを有し、且つ該光電荷充電層が感光体の表面にあるようにする。
【選択図】 図2
Description
本発明の別の目的は、前記感光体を用いた画像形成装置の提供であり、繰り返し使用においても異常画像の発生しない高耐久性及び高信頼性を有する、省エネルギー型の帯電方式並びに画像形成装置を提供することにある。更に、本発明は前記感光体を用いた取り扱い性が良好でコンパクトな設計が可能であるプロセスカートリッジを提供することをその課題とする。
(1)少なくとも感光体に帯電用の露光を行う工程、該帯電用の露光と同時又は露光後に、該感光体と接触している導電性電圧印加部材を介して該感光体に電圧を印加して該電圧印加部材より感光体表面に印加電圧と同極性の帯電を行う工程を有する画像形成方法に用いる電子写真感光体において、該電子写真感光体が導電性支持体上に少なくとも像露光に対して感度を有する感光層と少なくとも帯電用露光で電荷を発生する電荷発生物質を含有する光電荷充電層とを有し、且つ該光電荷充電層が感光体の表面にあることを特徴とする電子写真感光体。
(2)前記光電荷充電層に含有される電荷発生物質が有機顔料であることを特徴とする上記(1)に記載の電子写真感光体。
(3)前記有機顔料がアゾ顔料であることを特徴とする上記(2)に記載の電子写真感光体。
(4)前記アゾ顔料が下記一般式(I)で表されるアゾ顔料であることを特徴とする上記(3)に記載の電子写真感光体。
(5)前記アゾ顔料のCp1とCp2とが互いに異なるものであることを特徴とする上記(4)に記載の電子写真感光体。
(6)前記有機顔料がチタニルフタロシアニンであることを特徴とする上記(2)に記載の電子写真感光体。
(7)前記チタニルフタロシアニンが、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニンであることを特徴とする上記(6)に記載の電子写真感光体。
(8)前記チタニルフタロシアニンが、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、かつ前記7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にはピークを有さず、かつ26.3゜にピークを有さないことを特徴とする上記(7)に記載の電子写真感光体。
(9)前記光電荷充電層に電荷輸送物質を含有することを特徴とする上記(1)〜(8)の何れかに記載の電子写真感光体。
(10)前記電荷輸送物質が正孔輸送物質であることを特徴とする上記(9)に記載の電子写真感光体。
(11)前記正孔輸送物質が、少なくともトリアリールアミン構造を有する化合物であることを特徴とする上記(10)に記載の電子写真感光体。
(12)前記光電荷充電層に高分子電荷輸送性物質を含有することを特徴とする上記(9)に記載の電子写真感光体。
(13)前記高分子電荷輸送性物質が正孔輸送物質であることを特徴とする上記(12)に記載の電子写真感光体。
(14)前記高分子電荷輸送性物質が架橋構造を有することを特徴とする(12)に記載の電子写真感光体。
(15)前記光電荷充電層に用いられる有機顔料と感光層に用いられる有機顔料とが異な
るものであり、該光電荷充電層に用いられる有機顔料の最大吸収波長と該感光層に用いられる有機顔料の最大吸収波長とが、200nm以上離れていることを特徴とする上記(1)〜(14)の何れかに記載の電子写真感光体。
(16)前記光電荷充電層中にフィラーが含有されることを特徴とする上記(1)〜(15)の何れかに記載の電子写真感光体。
(17)前記感光層が少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とからなることを特徴とする上記(1)〜(16)の何れかに記載の電子写真感光体。
(18)前記導電性支持体がエンドレスベルト形状であることを特徴とする上記(1)〜(17)の何れかに記載の電子写真感光体。
(19)少なくとも、感光体と該感光体に帯電用の露光を行う手段、帯電用露光と同時又は露光後に該感光体と接触している導電性電圧印加部材を介して該感光体に電圧を印加して該電圧印加部材より該感光体表面に印加電圧と同極性の帯電を行うための電圧印加手段、帯電後像露光を行って該感光体に静電荷潜像を形成する像露光手段、該静電荷潜像をトナーで現像するための現像手段、および現像された画像を転写体に転写する手段を有する画像形成装置に於いて、該感光体が上記(1)〜(18)の何れかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
(20)前記帯電用の露光手段として400nm以上の波長の光源を用いることを特徴とする上記(19)に記載の画像形成装置。
(21)帯電用露光手段に用いられる光を光電荷充電層が80%以上吸収することを特徴とする上記(20)に記載の画像形成装置。
(22)帯電用露光手段に用いられる光の波長が、感光層に用いられる電荷発生物質の吸収の無い領域の光であることを特徴とする上記(19)〜(21)の何れかに記載の画像形成装置。
(23)静電荷潜像を形成する像露光手段による書き込み光が、光電荷充電層を50%以上透過することを特徴とする上記(19)〜(22)に記載の画像形成装置。
(24)静電荷潜像を形成する像露光手段による書き込み光の波長分布が、中心波長に対して±30nm以内に閉じ込められた略単色光源であり、光電荷充電層に含有される有機顔料が、書き込み光波長に吸収を有さないことを特徴とする上記(19)〜(23)の何れかに記載の画像形成装置。
(25)前記感光体の光電荷充電層が正極性電荷の輸送機能を有しており、電圧印加部材に負極性電圧が印加されることを特徴とする上記(19)〜(24)の何れかに記載の画像形成装置。
(26)感光体と、帯電用の露光手段、電圧印加手段、現像手段、クリーニング手段、除電手段及び転写手段から選ばれる少なくとも1つとを一体化し、着脱自在に設けたプロセスカートリッジであって、該感光体が上記(1)〜(18)の何れかに記載の感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
以下では、上記(1)〜(26)の発明を本発明(1)〜(26)という。
本発明(1):導電性支持体上に少なくとも像露光に対して感光する感光層と帯電用露光で電荷を発生する電荷発生物質又は電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する光電荷充電層を有し且つ光電荷充電層が感光体の表面にあることにより、感光体に帯電用露光と同時又は露光後に、該感光体と接触している導電性電圧印加部材を介して該感光体に電圧を印加して、光電荷充電層に印加電圧と同極性の電荷を充電し、感光体の劣化要因であるコロナ放電を伴わない帯電を行うことを可能にする感光体を提供することができると共に、環境に優しい帯電方法、画像形成装置を提供することができる。
本発明(2):光電荷充電層に含有される電荷発生物質が有機顔料であることで、帯電用の露光光源として、可視光を使用することができるため、紫外光による感光体の劣化が防止でき、長寿命な感光体の提供が可能になる。また、無機顔料と比較して吸収スペクトルのバラエティーに富み、感光体の設計が容易になる。
本発明(3):光電荷充電層に含有される有機顔料がアゾ顔料であることで光電荷充電の効率の高い感光体が提供可能となる。
本発明(4):特に一般式(I)で表されるアゾ顔料は電荷発生能力が高く、繰り返し使用における光疲労にも強く、光電荷充電効率が高い感光体を提供することが可能になる。
本発明(5):一般式(I)で表されるアゾ顔料の中でも、2つのカップラー成分の異なる非対称顔料は、極めて高い光キャリア発生能力を有し、光電荷充電効率が高い感光体が提供可能になる。
本発明(6):光電荷充電層に含有される有機顔料がチタニルフタロシアニンであることで光電荷充電効率が高い感光体が提供可能となる。
本発明(7):特定結晶のチタニルフタロシアニン(最大回折ピークを27.2度に有する)であることで、より光電荷充電効率が高い感光体が提供可能になる。
本発明(8):特に特定結晶の特定結晶のチタニルフタロシアニンであることで、より光電荷充電効率が高い感光体が提供可能になる。
本発明(9):光電荷充電層に電荷輸送物質を含有することで、より光電荷充電効率が高い感光体が提供可能になる。
本発明(10):光電荷充電層に含有される電荷輸送物質が正孔輸送物質であることで負極性電荷の光電荷充電効率が高い感光体が提供可能となる。
本発明(11):光電荷充電層に含有される正孔輸送物質が少なくともトリアリールアミン構造を有する化合物の1種以上であることで、高速な帯電が可能になる。
本発明(12):光電荷充電層に電荷輸送物質として高分子電荷輸送性物質を用いることで、感光体表面の摩耗やキズが少なくなり、均一な光電荷充電が安定して得られる耐久性の高い感光体が提供可能となる。
本発明(13):光電荷充電層に含有される高分子電荷輸送性物質が正孔輸送物質であることで負極性電荷の光電荷充電効率が高く、且つ、感光体表面の摩耗やキズが少なくなり、均一な光電荷充電が安定して得られる耐久性の高い感光体が提供可能となる。
本発明(14):光電荷充電層に架橋構造を有する高分子電荷輸送性物質が含有されることで、光電荷充電層の硬度が高くなり、感光体表面の摩耗やキズがより少なく、均一な光電荷充電が安定して得られる耐久性の高い感光体が提供可能となる。
本発明(15):光電荷充電層と感光層(電荷発生層)に含有される電荷発生物質の最大吸収ピークが200nm以上離れることで、互いの吸収領域が重ならず、効率の良い光電荷充電が可能になる。
本発明(16):光電荷充電層中にフィラーが含有されることで感光体表面の摩耗が少
なくなり、長寿命な感光体の提供が可能となる。
本発明(17):感光層が少なくとも電荷発生層と電荷輸送層からなることで高感度な光電荷充電用の感光体が提供可能となる。
本発明(18):感光体がフレキシブルなエンドレスベルト形状であることで、電圧印加手段と感光体間の幅広い接触を可能にし、均一で、安定な光電荷充電による帯電が可能となり、感光体表面と現像部材間の現像ニップ、感光体と転写部材間の転写ニップ等を安定確保して、画像流れ、画像ボケ、ざらつき、スジ状地汚れなどの異常画像の発生しない信頼性の高い画像形成装置を設計できる感光体の提供を可能にする。
本発明(19):画像流れ、画像ボケ、ざらつき、スジ状地汚れなどの異常画像の発生
しない、信頼性の高い画像が形成でき、且つ放電生成物の発生が無く、省エネルギーな画像形成装置が提供できる。
本発明(20):帯電用の露光手段として紫外線を用いずに、400nm以上の光源を用いることで感光体の劣化が少なく、信頼性の高い画像形成装置の提供が可能となる。
本発明(21)、(22)
帯電用露光を電荷発生層に吸収させないことで、効率の良い光電荷充電が可能な装置が提供できる。
本発明(23):書き込み用露光を光電荷充電層に吸収させないことで、光感度の低下しない装置が提供可能になる。
本発明(24):略単色光を用いることで、書き込み用露光を光電荷充電層に吸収させないことで、光感度の低下しない装置が提供可能になる。また、使用材料の選択の幅が広
がり、設計の自由度が大きくなる。
本発明(25):感光体の光電荷充電層が正極性電荷の輸送機能を有し、電圧印加手段に負極性電圧が印加されることによって、光電荷充電効率が高く、信頼性の高い高速な画像形成装置の提供ができる。
本発明(26):画像流れ、画像ボケ、ざらつき、スジ状地汚れなどの異常画像の発生しない、信頼性の高いプロセスカートリッジが提供できる。
(1)感光体表面に少なくとも露光で電荷を発生する電荷発生物質を含有する光電荷充電層を設けた感光体に、光電荷充電層が吸収する光を照射すると感光層表面には正負両極性の電荷が発生する(図3(a))。
(2)この電荷が再結合して消失する前に感光体表面に接触した電圧印加部材(以下、「帯電部材」と表記することがある)に電圧を印加すると、印加電圧と逆極性の電荷が電圧印加部材に移動し、光電荷充電層には電圧印加部材と同極性の電荷が充電される(図3(b))。
(3)感光体の導電性支持体側には印加電圧と逆極性の電荷が誘起され、感光層には電圧が均一にかかる(図3(c))。
(4)以上のように、本発明における帯電は、光電荷充電層に形成された内部電荷のみによって形成されるものであり、そのためには光電荷充電層に光を吸収して電荷を発生する電荷発生物質が含有されている必要がある。
(5)また、光電荷充電層に電荷発生物質と同時に電荷輸送物質を含有させることで、光電荷充電層中における正負電荷対の分離効率、電荷の移動速度が高められ、しかも光電荷充電層と電圧印加部材との間の電荷授受がスムースになり、電荷充電効率を高くする(結果として、高い感光体表面電位を得る)ことが可能となる。
(6)その後、原稿(入力信号)に従った静電潜像形成のための画像露光(以下、単に画像露光と表記する場合がある)を行うと、感光層の露光部は画像光の照射により発生した光電荷によって光電荷充電層内の電荷が中和され、感光体には静電潜像が形成される(図3(d))。
<光電荷充電層>
本発明の光電荷充電層13に用いられる電荷発生物質としては、従来、電子写真用の電荷発生物質として公知の材料を用いることができる。中でも、有機材料は有効に使用できる。これは、有機材料は化学構造によりその吸収波長を任意にコントロールすることが可能で、後述のように帯電用露光と画像形成用露光をいずれも感光体表面側から行う場合、光電荷充電層に用いられる電荷発生物質と、光電荷充電層の下層である感光層(電荷発生層)の電荷発生物質の吸収波長領域を異ならせることで、効率良く光キャリア発生を行わせることができるなどの利点を生み出すことができる。このため、無機材料に比較して有機材料は本発明に有効に使用できるものである。
すが、例えば電荷発生物質Cを感光層の電荷発生物質に用いたとする。ここで、電荷発生物質Aを光電荷充電層に用いる場合には、両者の吸収スペクトルの重なりが小さく、概ね700nm以上の画像露光を行えば、光電荷充電層に吸収されることはほとんどない。一方、電荷発生物質Bを光電荷充電層に用いた場合には、両者の吸収スペクトルの重なりが非常に大きく、画像露光波長が非常に限定されるばかりでなく、光電荷充電層での吸収が大きくなり、感光体の光感度が低下してしまう場合がある。このように、光電荷充電層と感光層に用いられる電荷発生物質の吸収スペクトルの分布は重要であり、図10に示すように両者の最大吸収ピーク波長が200nm以上離れている場合に良好な組み合わせとなる。
、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
また、光電荷充電層13には電荷輸送物質としての機能とバインダー樹脂の機能を持った高分子電荷輸送物質も良好に使用される。
これら高分子電荷輸送物質から構成される光電荷充電層13は、耐キズ性、耐摩耗性に優れたものである。
高分子電荷輸送物質としては、基本的には正孔輸送性、電子輸送性いずれの高分子電荷輸送物質も使用可能であるが、前述の理由から、光電荷充電層には正孔輸送性の高分子電荷輸送物質がより有効に使用されるものである。
正孔輸送性の高分子電荷輸送物質としては公知の材料が使用できるが、特に、トリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートが良好に用いられる。中でも、式(III)〜(XII)式で表わされる高分子電荷輸送物質が良好に用いられ、これらを以下に例示し、具体例を示す。
また、光電荷充電層に用いられる他の正孔輸送性の高分子電荷輸送物質としては、公知単量体の共重合物や、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマーも使用可能である。更に、例えば、特開平3−109406号公報、特開平5−216249号公報、特開2000−206723号公報、特開2001−34001号公報などに開示されているような、製膜時に電子供与性基を有するモノマーあるいはオリゴマーの状態で、製膜後に硬化反応あるいは架橋反応をさせることで、最終的に2次元、あるいは3次元の架橋構造を有する重合体も使用可能である。
一般に有機光導電性膜の機械強度はバインダー樹脂によって補強することが可能であるが、絶縁性の高分子樹脂を多くすると電荷輸送性が低下し、光キャリアーの発生効率が低下する。本発明の如く電荷輸送機能とバインダー樹脂機能を合わせ持った高分子電荷輸送物質を用いることで、光充電効率を低下させることなく、耐キズ性、耐摩耗性のより高い光電荷充電層の形成を可能にする。更に架橋型の高分子電荷輸送物質を用いることで、光電荷充電層の膜硬度がより高くなり、感光体の耐キズ性、耐摩耗性を更に高めることができる。このように、光電荷充電層に高分子電荷輸送物質を用いることは、より高耐久な光充電帯電用感光体を提供するに非常に有効である。
有機フィラ−材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコ−ン樹脂粉末、a−カーボン粉末等が挙げられ、無機フィラ−材料としては、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをド−プした酸化錫、錫をド−プした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などの無機材料が挙げられる。これらのフィラーの中で、フィラーの硬度の点から無機フィラーを用いることが耐摩耗性の向上に対し有利である。更に高画質化に有効なフィラーとしては、電気絶縁性が高いフィラーが好ましく、シリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等が特に有効に使用できる。これら電気絶縁性が高いフィラーは、電気絶縁性が高いフィラー同士あるいは他のフィラーとを2種類以上を混合することも可能である。
導電性支持体11としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、エンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
エチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
レン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、フッ素樹脂などの素材に前記導電
性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電
性支持体として良好に用いることができる。
本発明における感光層12は、単層型でも積層型でもよいが、ここでは説明の都合上、
まず積層型について述べる。図4に積層型感光層を用いた本発明の感光体の一例を示す。
この場合、感光体構成は導電性支持体11上に感光層として電荷発生層12aと電荷輸送
層12b, が設けられ、表面に光電荷充電層13が積層されている。更に導電性支持体と
感光層との間に下引き層14が設けられている。
極性の光電荷を生成する機能を有する。そのため電荷発生層は電荷発生物質を主成分とす
る層で、必要に応じてバインダ−樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機
系材料と有機系材料を用いることができる。
ル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモル
ファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でタ−ミネ
−トしたものや、ホウ素原子、リン原子等をド−プしたものが良好に用いられる。
アニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スク
エアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格
を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を
有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するア
ゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有す
るアゾ顔料、ジスチリルカルバゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラ
キノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェ
ニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔
料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾ−ル系顔料などが挙げられる。これらの電
荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダ−樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
電荷輸送層は、電荷発生層で生成した電荷を受け取り、その電荷を光電荷充電層との界面(ひいては感光体表面)まで輸送し、表面の帯電電荷と中和して、画像露光に対応した静電荷潜像を形成する機能を有する。そのために電荷輸送層は電荷輸送物質を主成分とした層であり、必要に応じて電荷輸送物質をバインダ−樹脂とともに溶解、塗工して形成される。必要に応じて使用できるバインダー樹脂としてはフィルム性の良いポリカ−ボネ−ト(ビスフェノ−ルAタイプ、ビスフェノ−ルZタイプ、ビスフェノールCタイプ等、あるいはこれら共重合体)、ポリアリレート、ポリスルフォン、ポリエステル、メタクリル樹脂、ポリスチレン、酢酸ビニル、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂などが用いられる。これらのバインダ−は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
次に下引き層14について説明する。
本発明の電子写真感光体には、必要に応じて導電性支持体と感光層との間に(感光層が
積層タイプの場合は、導電性支持体と電荷発生層との間に)下引き層を設けることができ
る。下引き層は、接着性を向上する、モアレ防止、電荷ブロッキング、上層の塗工性を改良する、残留電位を低減するなどの目的で設けられる。下引き層は一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤でもって塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。
(モノフェノ−ル系化合物)
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなど。
2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)など。
1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類など。
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネ−ト、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネ−ト、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネ−トなど。
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
図5は、本発明の実施例で画像形成に用いたもので、電子写真装置を説明するための概略図である。図5において、感光体1は、導電性支持体上に、少なくとも画像形成のための像露光に光感度を有する感光層と、少なくとも帯電用露光で電荷を発生する電荷発生物質を含有する光電荷充電層を有する感光体である。
感光体1上の残留トナーはクリーニングファーブラシやクリーニングブレードなどのクリーニング手段7により除去され、次の電子写真サイクルに移る。又必要によっては、除電ランプなどの除電手段8を用いて、帯電前に感光体表面の電荷を除電してもよい。
尚、ベルト状感光体と駆動、支持ローラ−とが一体で、装置への脱着が自在にできるようにユニット化することも可能である。
本発明の画像形成方法及び画像形成装置は、上記例に限定されるものではなく、少なくとも、電荷発生物質を含有した光電荷充電層を有する感光体に充電帯電を行い、露光により、静電潜像を形成する工程を含む画像形成装置であれば、どのようなものであってもかまわない。
尚、該カートリッジに搭載される感光体1は、導電性支持体上に少なくとも、感光層と電荷発生物質を含有した光電荷充電層を有する感光体である。
外径100mmΦのアルミ製円筒管上に、下記組成の下引き層塗工液を乾燥後の膜厚が3.5μmになるように浸漬法で塗工し、下引き層を形成した。
アルキッド樹脂(ベッコゾール1307-60-EL:大日本インキ化学工業) 3重量部
メラミン樹脂(スーパーベッカミンG-821-60:大日本インキ化学工業) 2重量部
酸化チタン(CR−EL:石原産業) 20重量部
メチルエチルケトン 100重量部
この下引き層上にチタニルフタロシアン顔料(XDスペクトルを図12に示す。CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、かつ前記7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にはピークを有さず、かつ26.3゜にピークを有さないチタニルフタロシアニン)を含む下記電荷発生層塗工液を浸漬塗工し、110℃、20分、加熱乾燥させ、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
なお、上記チタニルフタロシアン顔料は、特開2001−19871号公報の段落番号[0140]に記載の合成例1に準じて合成した。
チタニルフタロシアニン顔料 5重量部
ブチラール樹脂(エスレックBMS:積水化学) 2重量部
メチルエチルケトン 80重量部
次に、この電荷発生層上に下記構造式(1)の電荷輸送物質を含む電荷輸送層用塗工液を用いて浸漬塗工し、130℃、20分加熱乾燥させ、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
ビスフェーノルZ型ポリカーボネート(粘度平均分子量5万) 1重量部
下記構造式(1)の電荷輸送物質 1重量部
テトラヒドロフラン 10重量部
このように作製した電荷輸送層の上に、下記光電荷充電層塗工液をスプレー塗工法で塗布、室温乾燥後、160℃、20分加熱乾燥して、膜厚1μmの光電荷充電層を形成し、電荷充電帯電用の感光体を作製した。
下記構造式(2)のビスアゾ顔料 3重量部
下記構造式(3)の電荷輸送物質 3重量部
ビスフェーノルZ型ポリカーボネート(粘度平均分子量5万) 1重量部
THF 100重量部
シクロヘキサノン 40重量部
上述のようにして作製した電荷発生層用塗工液と光電荷充電層用塗工液をそれぞれ、石英ガラス基板上に感光体と同じ条件で塗布・乾燥して、各々の吸収スペクトルを市販の分光光度計(日立:UV−3100)にて吸収スペクトルを測定した。その結果、電荷発生層の吸収スペクトルは、図11に示すCGM Cの吸収スペクトルにほぼ一致し、最大吸収ピーク波長は800nmであった。また、光電荷充電層の吸収スペクトルは図11に示すCGM Aの吸収スペクトルにほぼ一致し、最大吸収ピーク波長は583nmであった。また、光電荷充電層の645nmの透過率は10%であった。更に、光電荷充電層は、780nmに吸収を有しなかった。
下記のようにして測定を行った。
200mm/sの速度で回転する感光体に、φ16mm、電気抵抗104Ω・cmのシリコンゴムローラを接触させ、連れ周り状態で−400Vの電圧を印加した時の帯電電位を測定した。帯電用露光光として645nmの波長領域のLEDを用いた。露光しない場合の帯電電位(VOFF)は−160V、LEDを点灯した場合の帯電電位(VON)は−270Vであった。
印加電圧を−400Vから+400V変化させた時のLED露光時と未露光時の帯電特性を図9に示す。LEDを露光しない場合に比べて、LED露光によって感光体の帯電が高くなっている。又、帯電電位は印加電圧に比例して増加しており、放電帯電特有の放電開始電圧Vthが観測されず、本発明の感光体は光電荷充電によって帯電していることを示唆している。
感光体1に、帯電用露光手段2によって645nmの波長領域のLED光(1μJ/cm2)を照射した直後に、電圧印加手段3の電圧印加部材として、直径8mmのステンレ
ス製軸上に体積抵抗率約104Ω・cmの導電性ウレタン弾性層を設けた導電性ローラーを用い、これを感光体表面に接触させて、−500Vの電圧を印加した。感光体の初期帯電電位は−350Vであった。画像露光手段4は、画像情報に従って帯電後の感光体に潜像を書き込むための装置であり、発振波長780nmのレーザー光とポリゴンミラーミラーを用いた光走査装置で、600dpiのドット画像を露光した。感光体1への全面露光時の露光部の電位は−20Vであった。現像手段としては負極性に帯電したトナーと磁性キャリアーからなる2成分現像剤を用いて反転現像を行った。転写は、導電性の帯電ローラーに正極性の電圧を印加し、紙上に転写した。クリーニングは、ファーブラシクリーニングを用いた。上記条件で画像を形成したところ、画像ボケがなく、中間調部も均一でざらつき感のない鮮明な画像が得られた。
感光体に645nmのLED光照射と−500Vの電圧印加および780nmのレーザーの全面露光のみを10000回繰り返して、強制疲労テストを行った後、25℃、50%、と30℃、85%の温湿度環境下で初期の画像形成と同様の方法で画像を作成したところ、いずれも画像ボケ、画像流れのない初期と同様の鮮明なドット画像が得られた。
実施例1の場合と同様に、−400Vの電圧を印加した時の帯電電位を測定した。露光しない場合の帯電電位(VOFF)は−160V、LEDを点灯した場合の帯電電位(VO
N)は−250Vであった。更にLEDを点灯して帯電させた感光体に780±10nmの光を0.5μJ/cm2露光したところ、帯電電位は光減衰し、露光部の電位(VL)は−10Vとなった。
更に、図5に示す画像形成装置で画像形成を行ったところ、−500Vの印加電圧で感
光体の初期帯電電位は−320Vであった。実施例1と同様に画像形成を行ったところ、画像ボケがなく、中間調部も均一でざらつき感のない鮮明な画像が得られた。
実施例1の場合と同様に、−400Vの電圧を印加した時の帯電電位を測定した。露光しない場合の帯電電位(VOFF)は−150V、LEDを点灯した場合の帯電電位(VON)は−180Vであった。更にLEDを点灯して帯電させた感光体に780±10nmの光を0.5μJ/cm2露光したところ、帯電電位は光減衰し、露光部の電位(VL)は−20Vとなった。
更に、図5に示す画像形成装置で画像形成を行ったところ、−500Vの印加電圧で感光体の初期帯電電位は−220Vであった。実施例1と同様に画像形成を行ったところ、画像ボケは発生しなかったが、実施例1と比較してやや画像濃度の低い画像が得られた。
この感光体を用いて、実施例1と同様の画像形成装置を用いて同じ条件で画像を形成したところ、画像ボケがなく、中間調部も均一でざらつき感のない鮮明な画像が得られた。更に実施例1と同様に−500Vの電圧印加と780nmのレーザーの全面露光のみを10000回繰り返して、強制疲労テストを行った後、25℃、50%、と30℃、85%の温湿度環境下で初期の画像形成と同様の方法で画像を形成したところ、いずれも画像ボケ、画像流れのない初期と同様の鮮明なドット画像が得られた。
この感光体を用いて、実施例1と同様に帯電特性測定装置用いてを測定したところ、帯電電位は印加電圧に比例して増加する電荷充電帯電特性を示し、−400Vの印加電圧でVOFF=−150V、VON=−300V、及びVL=−10Vであった。
実施例1と比較してコントラストの高い画像であった。
この感光体を用いて、実施例1と同様に帯電特性測定装置用いてを測定したところ、帯電電位は印加電圧に比例して増加する電荷充電帯電特性を示し、−400Vの印加電圧でVOFF=−140V、VON=−200V、及びVL=−10Vであった。
実施例1で光電荷充電層を設けなかった以外は実施例1と同様に感光体を作製した。
実施例1と同様に−400Vの電圧印加で帯電特性を測定したが、VOFF=0V、VON=+5Vであった。
次に実施例1で用いた画像形成装置の電圧印加ローラ−の代わりに、放電帯電用の非接触帯電ローラーを搭載し、放電により感光体表面に−350Vの帯電を行った以外は実施例1と同様に画像形成をしたところ、実施例1と同様に鮮明な初期画像が得られた。
その後、コロナ放電による−340Vの帯電と露光のみを10000回繰り返した後、25℃、50%、と30℃、85%の環境下で画像を形成したところ、25℃、50%RH環境下で画像が太くぼけていた。又30℃、90%RH環境下では、画像流れが発生し
た。
以上のように、本発明の導電性支持体上に少なくとも感光層と光電荷充電層で構成される感光体を用いて、光電荷充電による帯電を行えば、従来の放電帯電を用いた場合より、感光体の劣化が無く、画像ボケや画像流れが発生しにくい画像形成装置が提供できる。
この感光体を図6記載の画像形成装置で画像形成を行った。その際、エンドレスベルト感光体は直径25mmの2本のローラーで、支持駆動され100mm/sの速度で回転させた。帯電用露光光源は645nmのLED光(1μJ/cm2)、電圧印加部材としてφ16mm、電気抵抗104Ω・cmのシリコンゴムローラを接触させ、連れ周り状態で−500Vの電圧を印加した時の帯電電位を測定したところ、−400V帯電した。
このような装置を用いて画像を形成したところ、画像ボケのない、中間調画像部に於いてもざらつき感の無い均一で鮮明な画像が得られた。
前記構造式(2)のビスアゾ顔料 3重量部
前記構造式(3)の電荷輸送物質 3重量部
ビスフェーノルZ型ポリカーボネート(粘度平均分子量5万) 1重量部
アルミナ 2重量部
(平均一次粒径:0.3μm、「AA03」住友化学工業製)
テトラヒドロフラン 100重量部
シクロヘキサノン 40重量部
この感光体を用いて実施例1と同様に画像形成を行ったところ、鮮明な画像が得られた。
又この感光体に実施例1と同様に帯電と露光のみの繰り返し強制疲労テストを行った後に25℃・50%と30℃・85%の温湿度環境下で初期の画像形成と同様の方法で画像を形成したところ、いずれの環境下においても、画像ボケ、画像流れのない初期と同様の鮮明なドット画像が得られた。
外径100mmΦのアルミ製円筒管上に、下記組成の下引き層塗工液を乾燥後の膜厚が3.5μmになるように浸漬法で塗工し、下引き層を形成した。
アルキッド樹脂(ベッコゾール1307-60-EL:大日本インキ化学工業) 3重量部
メラミン樹脂(スーパーベッカミンG-821-60:大日本インキ化学工業) 2重量部
酸化チタン(CR−EL:石原産業) 20重量部
メチルエチルケトン 100重量部
この下引き層上に下記電荷発生層塗工液を浸漬塗工し、110℃、20分、加熱乾燥させ、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
下記構造式(8)のビズアゾ顔料 5重量部
ブチラール樹脂(エスレックBMS:積水化学) 2重量部
シクロヘキサノン 60重量部
メチルエチルケトン 20重量部
次に、この電荷発生層上に下記組成の電荷輸送層用塗工液を用いて浸積塗工し、130℃、20分加熱乾燥させ、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
ビスフェーノルZ型ポリカーボネート(粘度平均分子量5万) 1重量部
前記構造式(1)の電荷輸送物質 1重量部
テトラヒドロフラン 10重量部
このように作製した電荷輸送層の上に、下記組成の光電荷充電層塗工液をスプレー塗工法で塗布、室温乾燥後、160℃、20分加熱乾燥して、膜厚1μmの光電荷充電層を形成し、電荷充電帯電用の感光体を作製した。
チタニルフタロシアニン顔料 3重量部
(XDスペクトルを図12に示す)
前記構造式(3)の電荷輸送物質 3重量部
ビスフェーノルZ型ポリカーボネート(粘度平均分子量5万) 1重量部
THF 100重量部
シクロヘキサノン 40重量部
上述のように作製した電荷発生層用塗工液と光電荷充電層用塗工液をそれぞれ、石英ガラス基板上に感光体と同じ条件で塗布・乾燥して、各々の吸収スペクトルを市販の分光光度計(日立:UV−3100)にて吸収スペクトルを測定した。その結果、光電荷充電層の吸収スペクトルは、図11に示すCGM Cの吸収スペクトルにほぼ一致し、最大吸収ピーク波長は800nmであった。また、電荷発生層の吸収スペクトルは図11に示すCGM Aの吸収スペクトルにほぼ一致し、最大吸収ピーク波長は583nmであった。また、光電荷充電層の780nmの透過率は10%であった。
200mm/sの速度で回転する感光体に、780nmの波長領域のLD光(1μJ/cm2)をポリゴンミラーを介して照射した直後に、φ16mm、電気抵抗104Ω・cmのシリコンゴムローラを接触させ、連れ周り状態で−400Vの電圧を印加した時の帯電電位を測定した。帯電用露光光として780nmの波長領域のLDを用いた。露光しない場合の帯電電位(VOFF)は−150V、LDを点灯した場合の帯電電位(VON)は−290Vであった。
LDを点灯して帯電させた感光体に633nmのHe−Neレーザー光を1μJ/cm2露光したところ、帯電電位は光減衰し、露光部の電位(VL)は−10Vとなった。
像形成を行った。以下に画像形成方法を説明する。
帯電部材として、直径8mmのステンレス製軸上に体積抵抗率約104Ω・cmの導電性ウレタン弾性層を設けた導電性の電圧印加ローラー2を用い、感光体1表面に接触し、−500Vの電圧を印加した。感光体1の初期帯電電位は−370Vであった。露光装置(図示せず)は、画像情報に従って帯電後の感光体1に潜像を書き込むための装置であり、発振波長633nmのHe−Neレーザー光とポリゴンミラーを用いた光走査装置で、600dpiのドット画像を露光した。感光体への全面露光時の露光部の電位は−20Vであった。現像手段としては負極性に帯電したトナーと磁性キャリアーからなる2成分現像剤を用いて反転現像を行った。転写は、導電性の帯電ローラーに正極性の電圧を印加し、紙上に転写した。クリーニングは、ファーブラシクリーニングを用いた。上記条件で画像を形成したところ、画像ボケがなく、中間調部も均一でざらつき感のない鮮明な画像が得られた。
感光体に780nmのLD光照射と−500Vの電圧印加および633nmのHe−Neレーザー光の全面露光の10000回繰り返しテストを行った後、25℃、50%、と30℃、85%の温湿度環境下で初期の画像形成と同様の方法で画像を作成したところ、いずれも画像ボケ、画像流れのない初期と同様の鮮明なドット画像が得られた。
実施例10の場合と同様に、−400Vの電圧を印加した時の帯電電位を測定した。露光しない場合の帯電電位(VOFF)は−170V、LDを点灯した場合の帯電電位(VON)は−240Vであった。LDを点灯して帯電させた感光体に633nmのHe−Neレーザー光を1μJ/cm2露光したところ、帯電電位は光減衰し、露光部の電位(VL)は−10Vとなった。
更に、図7に示すプロセスカートリッジを用いた画像形成装置で画像形成を行ったところ、−500Vの印加電圧で感光体の初期帯電電位は−300Vであった。実施例1と同様に画像形成を行ったところ、画像ボケがなく、中間調部も均一でざらつき感のない鮮明な画像が得られた。画像コントラストは、実施例10の画像にやや劣る。
実施例10の場合と同様に、−400Vの電圧を印加した時の帯電電位を測定した。露光しない場合の帯電電位(VOFF)は−150V、LDを点灯した場合の帯電電位(VON)は−180Vであった。LDを点灯して帯電させた感光体に633nmのHe−Neレーザー光を1μJ/cm2露光したところ、帯電電位は光減衰し、露光部の電位(VL)は−10Vとなった。
更に、図7に示すプロセスカートリッジを用いた画像形成装置で画像形成を行ったところ、−500Vの印加電圧で感光体の初期帯電電位は−230Vであった。実施例1と同様に画像形成を行ったところ、画像ボケがなく、実施例10の画像と比較してやや画像濃度の低い画像が得られた。
実施例10の場合と同様に、−400Vの電圧を印加した時の帯電電位を測定した。露光しない場合の帯電電位(VOFF)は−150V、LDを点灯した場合の帯電電位(VON)は−270Vであった。LDを点灯して帯電させた感光体に633nmのHe−Neレーザー光を1μJ/cm2露光したところ、帯電電位は光減衰し、露光部の電位(VL)は−10Vとなった。
更に、図7に示すプロセスカートリッジを用いた画像形成装置で画像形成を行ったところ、−500Vの印加電圧で感光体の初期帯電電位は−340Vであった。実施例1と同様に画像形成を行ったところ、画像ボケがなく、中間調部も均一でざらつき感のない鮮明な画像が得られた。
実施例10の場合と同様に、−400Vの電圧を印加した時の帯電電位を測定した。露光しない場合の帯電電位(VOFF)は−150V、LDを点灯した場合の帯電電位(VON)は−220Vであった。LDを点灯して帯電させた感光体に633nmのHe−Neレーザー光を1μJ/cm2露光したところ、帯電電位は光減衰し、露光部の電位(VL)は−20Vとなった。
更に、図7に示すプロセスカートリッジを用いた画像形成装置で画像形成を行ったところ、−500Vの印加電圧で感光体の初期帯電電位は−300Vであった。実施例1と同様に画像形成を行ったところ、画像ボケがなく、実施例10と比較するとわずかに画像濃度の低い画像が得られた。
実施例14の場合と同様に、−400Vの電圧を印加した時の帯電電位を測定した。露光しない場合の帯電電位(VOFF)は−170V、LDを点灯した場合の帯電電位(VON)は−190Vであった。LDを点灯して帯電させた感光体に633nmのHe−Neレーザー光を1μJ/cm2露光したところ、帯電電位は光減衰し、露光部の電位(VL)は−40Vとなった。
更に、図7に示すプロセスカートリッジを用いた画像形成装置で画像形成を行ったところ、−500Vの印加電圧で感光体の初期帯電電位は−210Vであった。実施例1と同様に画像形成を行ったところ、画像ボケがなく、実施例14と比較するとかなり画像濃度の低い画像が得られた。
実施例15の場合と同様に、−400Vの電圧を印加した時の帯電電位を測定した。露光しない場合の帯電電位(VOFF)は−170V、LDを点灯した場合の帯電電位(VON)は−230Vであった。LDを点灯して帯電させた感光体に633nmのHe−Neレーザー光を1μJ/cm2露光したところ、帯電電位は光減衰し、露光部の電位(VL)は−40Vとなった。
更に、図7に示すプロセスカートリッジを用いた画像形成装置で画像形成を行ったところ、−500Vの印加電圧で感光体の初期帯電電位は−300Vであった。実施例1と同様に画像形成を行ったところ、画像ボケがなく、実施例15と比較すると画像濃度の高い画像が得られた。
実施例10の場合と同様に、−400Vの電圧を印加した時の帯電電位を測定した。露光しない場合の帯電電位(VOFF)は−150V、LDを点灯した場合の帯電電位(VON)は−280Vであった。LDを点灯して帯電させた感光体に633nmのHe−Neレーザー光を1μJ/cm2露光したところ、帯電電位は光減衰し、露光部の電位(VL)は−10Vとなった。
実施例10の場合と同様に強制疲労試験を実施したところ、感光体表面の色がわずかに変色し、表面が劣化している様子が観察された。またこれに伴い、強制劣化試験後は、わずかに画像ボケが観察された。
(光電荷充電層塗工液)
構造式(2)のビスアゾ顔料 3重量部
下記構造式(10)の高分子電荷輸送物質 3重量部
(GPCによる測定の結果、nはおよそ240と求められた。)
THF 100重量部
シクロヘキサノン 40重量部
更に、実施例9と同様に、1万枚の連続画像形成を行ったところ感光体表面に傷等が認められず、1万枚後の画像にも欠陥は認められなかった。
更に、実施例9と同様に、1万枚の連続画像形成を行ったところ感光体表面に傷等が認められず、1万枚後の画像にも欠陥は認められなかった。
光電荷充電層は下記の光電荷充電層塗工液を電荷輸送層表面にスプレー塗工によって塗布し、150℃で30分加熱乾燥を行って、約1μmの硬化膜を形成した。
(光電荷充電層塗工液)
構造式(2)のビスアゾ顔料 1.5重量部
メチルメタアクリレート-スチレン−n-ブチルメタアクリレート共重合樹脂
(平均分子量:15000,組成比:20/30/30(重量比 )) 0.06重量部
1,4−ブタンジオールジメタクリレート 0.5重量部
下記構造式(12)の電荷輸送性化合物 1重量部
ベンゾイルパーオキサイド 0.01重量部
THF 50重量部
シクロヘキサノン 15重量部
更に、実施例9と同様に、1万枚の連続画像形成を行ったところ感光体表面に傷等が認められず、1万枚後の画像にも欠陥は認められなかった。
2 帯電用露光手段
3 電圧印加手段、電圧印加ローラ
4 画像露光手段
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 除電手段、除電ローラ
9 転写紙
11 導電性支持体
12 感光層
12a 電荷発生層
12b 電荷輸送層
13 光電荷充電層
14 クリーニングブレード
15 トナー搬送コイル
16 現像剤セットケース
17 ドクターブレード
18 搬送スクリュー
19 現像スリーブ
20 LED光源
21 除電ローラ
22 表面電位計
Claims (26)
- 少なくとも感光体に帯電用の露光を行う工程、該帯電用の露光と同時又は露光後に、該感光体と接触している導電性電圧印加部材を介して該感光体に電圧を印加して該電圧印加部材より感光体表面に印加電圧と同極性の帯電を行う工程を有する画像形成方法に用いる電子写真感光体において、該電子写真感光体が導電性支持体上に少なくとも像露光に対して感度を有する感光層と少なくとも帯電用露光で電荷を発生する電荷発生物質を含有する光電荷充電層とを有し、且つ該光電荷充電層が感光体の表面にあることを特徴とする電子写真感光体。
- 前記光電荷充電層に含有される電荷発生物質が有機顔料であることを特徴とする請求項
1に記載の電子写真感光体。 - 前記有機顔料がアゾ顔料であることを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記アゾ顔料が下記一般式(I)で表されるアゾ顔料であることを特徴とする請求項3に記載の電子写真感光体。
- 前記アゾ顔料のCp1とCp2とが互いに異なるものであることを特徴とする請求項4に記載の電子写真感光体。
- 前記有機顔料がチタニルフタロシアニンであることを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記チタニルフタロシアニンが、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニンであることを特徴とする請求項6に記載の電子写真感光体。
- 前記チタニルフタロシアニンが、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、かつ前記7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にはピークを有さず、かつ26.3゜にピークを有さないことを特徴とする請求項7に記載の電子写真感光体。
- 前記光電荷充電層に電荷輸送物質を含有することを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の電子写真感光体。
- 前記電荷輸送物質が正孔輸送物質であることを特徴とする請求項9に記載の電子写真感光体。
- 前記正孔輸送物質が、少なくともトリアリールアミン構造を有する化合物であることを特徴とする請求項10に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷輸送性物質が高分子電荷輸送性物質であることを特徴とする請求項9に記載の電子写真感光体。
- 前記高分子電荷輸送性物質が正孔輸送物質であることを特徴とする請求項12に記載の電子写真感光体。
- 前記高分子電荷輸送性物質が架橋構造を有することを特徴とする請求項12に記載の電子写真感光体。
- 前記光電荷充電層に用いられる有機顔料と感光層に用いられる有機顔料とが異なるものであり、該光電荷充電層に用いられる有機顔料の最大吸収波長と該感光層に用いられる有機顔料の最大吸収波長とが、200nm以上離れていることを特徴とする請求項1〜14の何れかに記載の電子写真感光体。
- 前記光電荷充電層中にフィラーが含有されることを特徴とする請求項1〜15の何れかに記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とからなることを特徴とする請求項1〜16の何れかに記載の電子写真感光体。
- 前記導電性支持体がエンドレスベルト形状であることを特徴とする請求項1〜17の何れかに記載の電子写真感光体。
- 少なくとも、感光体と該感光体に帯電用の露光を行う手段、帯電用露光と同時又は露光後に該感光体と接触している導電性電圧印加部材を介して該感光体に電圧を印加して該電圧印加部材より該感光体表面に印加電圧と同極性の帯電を行うための電圧印加手段、帯電後像露光を行って該感光体に静電荷潜像を形成する像露光手段、該静電荷潜像をトナーで現像するための現像手段、および現像された画像を転写体に転写する手段を有する画像形成装置に於いて、該感光体が請求項1〜18の何れかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
- 前記帯電用の露光手段として400nm以上の波長の光源を用いることを特徴とする請求項19に記載の画像形成装置。
- 帯電用露光手段に用いられる光を光電荷充電層が80%以上吸収することを特徴とする請求項20に記載の画像形成装置。
- 帯電用露光手段に用いられる光の波長が、感光層に用いられる電荷発生物質の吸収の無い領域の光であることを特徴とする請求項19〜21の何れかに記載の画像形成装置。
- 静電荷潜像を形成する像露光手段による書き込み光が、光電荷充電層を50%以上透過することを特徴とする請求項19〜22に記載の画像形成装置。
- 静電荷潜像を形成する像露光手段による書き込み光の波長分布が、中心波長に対して±30nm以内に閉じ込められた略単色光源であり、光電荷充電層に含有される有機顔料が、書き込み光波長に吸収を有さないことを特徴とする請求項19〜23の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記感光体の光電荷充電層が正極性電荷の輸送機能を有しており、電圧印加部材に負極性電圧が印加されることを特徴とする請求項19〜24の何れかに記載の画像形成装置。
- 感光体と、帯電用の露光手段、電圧印加手段、現像手段、クリーニング手段、除電手段及び転写手段から選ばれる少なくとも1つとを一体化し、着脱自在に設けたプロセスカートリッジであって、該感光体が請求項1〜18の何れかに記載の感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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