JP2006064954A - 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】長期間、帯電器下の画像濃度変化や画像ムラ等の画像欠陥が発生しにくく、高安定な電子写真感光体、それを用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供する。
【解決手段】導電性支持体及び該導電性支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体において、感光層の最外表面を構成する表面層を、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を放射線照射により重合又は架橋して硬化した化合物を含有する硬化性表面層とし、感光層中に下記一般式(1)で表されるピリジン構造を有する化合物及び特定のピラジン構造を有する化合物の1種を含有させる。
Figure 2006064954

【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
電子写真感光体には、セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛等の無機光導電物質が広く用いられている。一方、有機光導電物質を用いた電子写真感光体としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールに代表される光導電性ポリマーや2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールのような低分子の有機光導電性物質を用いたもの、更に、かかる有機光導電性物質と各種染料や顔料を組み合わせたもの等が知られている。
有機導電性物質を用いた電子写真感光体は成膜性が良く、塗工によって生産できるため、極めて生産性が高く、安価な電子写真感光体を提供できる利点を有している。また、使用する染料や顔料等の選択により、感光波長域を自在にコントロールすることができる等の利点を有し、これまで幅広い検討がなされてきている。
特に最近では、有機導電性染料や顔料を含有した電荷発生層と、光導電性ポリマーや低分子の有機光導電性物質を含有した電荷輸送層とを積層した機能分離型感光体の開発により、従来の有機電子写真感光体の欠点とされていた感度や、耐久性に著しい改善がなされてきており、これが電子写真感光体の主流となってきている。
一方、当然のことながら、電子写真感光体には適用される電子写真プロセスに応じた感度、電気特性、更には光学特性を備えていることが要求される。特に、繰り返し使用される感光体にあっては、その感光体表面には、帯電、画像露光、トナー現像、紙への転写、残トナーのクリーニング処理といった、電気的、機械的外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が求められる。具体的には、摺擦による表面の摩耗や、傷の発生に対する耐久性、帯電による表面劣化、例えば転写効率や滑り性の低下、更には感度劣化、帯電電位の低下等の電気特性の劣化に対する耐久性が要求される。
一般に、電子写真感光体は、導電性支持体上に薄い樹脂層が形成された構成であり、樹脂の特性が感光体の性能において非常に重要となる。
前述の諸条件をある程度満足する樹脂として、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等が近年実用化されているが、前述したような特性のすべてがこれらの樹脂で満足されるわけではなく、特に感光体の高耐久化を図る上では、前記樹脂の被膜硬度は十分に高いとは言い難い。これらの樹脂を表面層形成用の樹脂として用いた場合でも、繰り返し使用時において表面層の摩耗が起こり、さらに傷が発生するという問題点がある。
さらに、近年の有機電子写真感光体の高感度化に対する要求から、電荷輸送物質等の低分子量化合物が比較的大量に添加される場合が多いが、この場合、低分子量化合物の可塑剤的な作用により、膜強度が著しく低下し、繰り返し使用時の表面層の摩耗や傷発生が一層問題となっている。また、電子写真感光体を長期にわたって保存する際に、低分子量化合物成分が析出してしまい、層分離するといった問題も発生している。
これらの問題点を解決する手段として、硬化性樹脂を電荷輸送層用樹脂として用いる試みが提案されている(例えば、特許文献1参照)。電荷輸送層用樹脂に硬化性樹脂を用い
、電荷輸送層を硬化、架橋することによって、機械的強度が増し、繰り返し使用時の耐摩耗性及び耐傷性は大きく向上する。
しかしながら、硬化性樹脂を用いても、電荷輸送物質等の低分子量化合物成分は結着樹脂中において可塑剤として作用するため、先に述べたような析出や層分離の問題は根本的な解決になっていない。また、電荷輸送物質と結着樹脂とで構成される電荷輸送層においては、電荷輸送能は樹脂に対する依存度が大きく、例えば硬度が十分に高い硬化性樹脂では電荷輸送能が十分ではなく、繰り返し使用時に残留電位の上昇が見られることがあり、電荷輸送能と層の強度、両者を満足させるまでには至っていない。
電荷移動層に炭素―炭素二重結合を有するモノマーを含有させ、電荷移動材の炭素―炭素二重結合と熱又は光エネルギーによって反応させて、電荷移動層硬化膜を形成した電子写真感光体が提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
しかし、電荷輸送材はポリマー主骨格にペンダント状に固定化されているだけであり、先の可塑的な作用を十分に排除できないため機械的強度が十分ではない。また、電荷輸送能の向上のために電荷輸送材の濃度を高くすると、架橋密度が低くなり、十分な機械的強度を確保することができない。さらには重合時に必要とされる開始剤類の電子写真特性への影響も懸念される。
別の解決手段として、主鎖中に電荷輸送能を有する基を導入した熱可塑性高分子を用いて、電荷輸送層を形成させた電子写真感光体が提案されている(例えば、特許文献4参照)。従来の分子分散型の電荷輸送層と比較して、析出や層分離に対しては効果があり、機械的強度も向上するが、あくまでも熱可塑性樹脂であることから、その機械的強度には限界があり、樹脂の溶解性等を含めたハンドリングや、生産性の面で十分であるとは言い難い。
これらの問題点を改善する目的で、同一分子内に連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物及び/又は前記正孔輸送性化合物を重合、硬化した化合物を含有する感光体を用い、高い機械的強度と電荷輸送能の両立を達成することが提案されている(例えば、特許文献5及び6参照)。しかしながら、前記正孔輸送性化合物を重合、硬化する際に、更に高いエネルギーの線源を用いる必要があり、高エネルギー線照射による電子写真感光体の帯電不良、光感度の低下、残留電位の増大等、電子写真特性の悪化が問題となる場合がある。
電子写真感光体の表面改質又は形成を目的とした、電子写真感光体表面に照射される高エネルギー線は、電子写真感光体の耐久性を向上させる為にはそのエネルギー強度を増大することが好ましいが、その一方、被照射物である電子写真感光体の感度や残留電位の上昇といった電子写真特性を劣化させる要因となっており、特に各種メモリー現象を悪化させる可能性を有している。
一方、感光体の寿命が長くなるのに伴い、感光体を連続して使用した後、長期間複写機内に放置すると、コロナ放電を行う帯電器に近接した感光体の部位の帯電能が見かけ上低下する、所謂休止メモリー現象がおこり、画像上にスジ状のヌケ(正現像では白帯、反転現像では黒帯になる)が発生するという問題がある。
このような状況の中、電子写真画像の高画質化を目的として感光層の総膜厚を薄膜化した場合、高耐久化の組み合わせで休止メモリー等の悪化が非常に顕著となり、問題が大きくなる傾向にある。このようメモリーや画像ボケ等改善させる目的で、特定の添加剤を感光層へ添加する試みが成されている(例えば、特許文献7参照)。
特開平2−127652号公報 特開平5−216249号公報 特開平7−72640号公報 特開平8−248649号公報 特開2000−66424号公報 特開2000−66425号公報 特開平5−119488号公報
本発明の課題は、電荷輸送能及び機械的強度の両者を満足した、長期間の耐久使用に耐えうる電子写真感光体を提供することである。
また、本発明の別の課題は、長期間の耐久使用後に電子写真装置が休止された状態で装置内に放置されていた場合でも、帯電手段下の画像濃度変化や画像ムラ等の画像欠陥が発生しにくく長期間にわたり安定な感光体を提供することである。
本発明等は、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、電子写真感光体の感光層の最外表面を構成する表面層を、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を放射線照射により重合又は架橋して硬化した化合物を含有した硬化性表面層とし、電子写真感光体の感光層中に特定の化合物を含有させることで、電荷輸送能及び機械的強度の両者を満足した電子写真感光体が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)導電性支持体及び導電性支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体において、前記電子写真感光体の表面層が少なくとも連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を放射線照射により重合又は架橋して硬化した化合物を含有する硬化性表面層であり、前記感光層は下記一般式(1)で表されるピリジン構造を有する化合物及び下記一般式(2)で表されるピラジン構造を有する化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする電子写真感光体。
Figure 2006064954
(式中、R、R、R、R、及びRは、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよい複素環基、シアノ基又はニトロ基を示すし、R、R、R、R、及びRは同一であっても異なっていてもよい。また、隣接する二つの基が共同で閉環構造をなしてもよい。)
Figure 2006064954
(式中、R、R、R、及びRは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有しても良いアルコキシ基、置換基を有してもよい複素環基、シアノ基又はニトロ
基を示す。R、R、R、及びRは同一であっても異なっていてもよい。また、隣接する二つの基が共同で閉環構造をなしてもよい。)
(2)前記連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物は、同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物である(1)に記載の電子写真感光体。
(3)前記連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物は、下記一般式(3)で表される化合物である(2)に記載の電子写真感光体。
Figure 2006064954
(式中、Aは正孔輸送性基を示す。P及びPは連鎖重合性官能基を示す。PとPは同一でも異なっても良い。Zは置換基を有しても良い有機残基を示し、Yは水素原子を示す。a、b及びdは0又は1以上の整数を示す。但し、a=0の場合はb+dは3以上の整数、b又はdが0の場合はaは2以上の整数、その他の場合はa+b+dは3以上の整数を示す。また、aが2以上の場合Pは同一でも異なっても良く、dが2以上の場合Pは同一でも異なっても良く、またbが2以上の場合、Zは同一でも異なっても良い。)
(4)前記一般式(3)のP及びZとの結合部位を水素原子に置き換えた正孔輸送性基Aが下記一般式(4)で表される(3)に記載の電子写真感光体。
Figure 2006064954
(上記式中、R10、R11及びR12は置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアラルキル基又は置換基を有しても良いアリール基を示す。但し、R10、R11及びR12のうち少なくとも2つはアリール基を示す。また、R10、R11及びR12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、2つが共同で閉環構造を成してもよい)
(5)前記連鎖重合性官能基が下記式(5)で表される不飽和重合性官能基である(1)〜(4)のいずれかに記載の電子写真感光体。
Figure 2006064954
(上記式中、Eは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、シアノ基、ニトロ基、置換基を有してもよいアルコキシ基、−COOR13(R13は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基)、CONR1415(R14及びR15は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を示し、R14及びR15は互いに同一であっても異なっていてもよい)を示す;Wは置換基を有してもよいアリーレン基、置換基を有してもよい2価のアルキレン基、−COO−、−CH−、−O−、−OO−、−S−、−CONR16−(R16は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有しても良いアリール基)を示す;fは0又は1を示す。)
(6)前記不飽和重合性官能基は、下記式(6)〜(10)のいずれかである(5)に記載の電子写真感光体。
Figure 2006064954
(7)前記放射線が電子線であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の電子写真感光体。
(8)前記感光層は、導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層を順に積層した積層型感光層であり、前記電荷輸送層中に正孔輸送性化合物の重合物を含有する(1)〜(7)のいずれかに記載の電子写真感光体。
(9)前記電荷輸送層は、非硬化型の第一層と硬化型の第二層の積層型であり、前記硬化型の第二層が前記硬化性表面層である(8)に記載の電子写真感光体。
(10)前記感光層は総膜厚が23μm以下である(1)〜(9)のいずれかに記載の電子写真感光体。
(11)前記感光層は総膜厚が18μm以下である(1)〜(9)のいずれかに記載の電子写真感光体。
(12)前記ピリジン構造を有する化合物及び/又は前記ピラジン構造を有する化合物の総添加量は、前記感光層全体の0.001〜20質量%である(1)〜(11)のいずれかに記載の電子写真感光体。
(13)前記硬化性表面層は、前記連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を放射線照射し、その後不活性ガス雰囲気で加熱することにより、重合又は架橋して硬化した化合物を含有することを特徴とする(1)〜(12)のいずれかに記載の電子写真感光体。
(14)帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくともひとつの手段と本発明の電子写真感光体とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
(15)前記プロセスカートリッジは、コロナ帯電法を用いた帯電手段を有する電子写真装置に用いることを特徴とする(14)に記載のプロセスカートリッジ。
(16)(1)〜(13)のいずれかに記載の電子写真感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
(17)前記帯電手段がコロナ帯電法を用いた帯電手段であることを特徴とする(16)に記載の電子写真装置。
本発明により、電荷輸送能及び機械的強度の両者を満足した、長期間の耐久使用に耐えうる電子写真感光体を提供することができる。
また、本発明により、長期間の耐久使用後に電子写真装置が休止された状態で装置内に放置されていた場合でも、帯電手段下の画像濃度変化や画像ムラ等の画像欠陥が発生しにくく長期間にわたり安定な感光体を提供することができる。
電子写真感光体を連続して使用した後に、コロナ帯電法を用いる帯電手段を有する複写機内に長期間放置した場合、帯電手段に近接した感光体の部位の帯電能が見かけ上低下する、所謂休止メモリー現象は、特に、感光層の膜厚と相関する。具体的には、感光層の膜厚23μm以上の厚膜の領域では比較的軽微であるが、感光層が薄膜になるほど顕著に電位差が生じ、画像上の濃度ムラが大きくなるという傾向を有している。
しかし一方で、電子写真装置の高画質化のための方策として感光層の薄膜化が提案されている。感光層を薄膜化することにより、感光層の静電容量を高め、静電潜像を高精細化し画質を向上させることができる。
感光層の薄膜化することによる電子写真装置の高画質化を目的として、感光層を薄膜化した際に特異的に発生する諸問題の解決が急務となっている。
このような問題を改善するべく、本発明者等は鋭意検討した結果、特定の硬化型表面層を有する電子写真感光体において、特定の構造を有する化合物を添加することで、効果的に改善することを見出した。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体及び導電性支持体上に設けられた感光層を有し、該感光層の最外表面を構成する表面層は、少なくとも連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を放射線照射により重合又は架橋して硬化した化合物を含有する硬化性表面層であり、前記感光層は下記一般式(1)で表されるピリジン構造を有する化合物及び下記一般式(2)で表されるピラジン構造を有する化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする。
Figure 2006064954
(上記式中、R、R、R、R、及びRは、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよい複素環基、シアノ基又はニトロ基を示すし、R、R、R、R、及びRは同一であっても異なっていてもよい。また、隣接する二つの基が共同で閉環構造をなしてもよい。)
Figure 2006064954
(上記式中、R、R、R、及びRは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有しても良いアルコキシ基、置換基を有してもよい複素環基、シアノ基又はニトロ基を示す。R、R、R、及びRは同一であっても異なっていてもよい。また、隣接する二つの基が共同で閉環構造をなしてもよい。)
前記式(1)、(2)におけるハロゲン基としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の鎖状のアルキル基やシクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基が挙げられる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピレニル基等が挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基等が挙げられる。複素環基としては、フリル基、チオフェニル基等が挙げられる。これらが有してもよい置換基としては、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコシ基等が挙げられる。
前記一般式(1)及び一般式(2)で表される化合物の具体例を表1−1〜1−3に示すが、これらに限定されるものではない。なお、表1−1〜1−3中、化合物例No.1−1〜1−31は前記一般式(1)で表される化合物であり、化合物例No.2−1〜2−31は前記一般式(2)で表される化合物である。
Figure 2006064954
Figure 2006064954

Figure 2006064954
なお、前記式(1)、(2)において「隣接する二つの基が共同で閉環構造をなしてもよい」とは、例えば、表1中の化合物例No.1−1〜1−10等が挙げられる。
本発明の電子写真装置に用いられる電子写真感光体は、感光層の最外表面を構成する層として硬化性表面層を有する。該硬化性表面層は、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を放射線照射により重合又は架橋することにより硬化した化合物を含有する。以下、「連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物」について詳しく説明する。
本発明において、硬化性表面層の強度をより高くするために、正孔輸送性化合物は、連鎖重合性官能基を同一分子内に2つ以上有することが好ましい。
前記連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物は、下記式(3)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2006064954
(上記式中、Aは正孔輸送性基を示す。P及びPは連鎖重合性官能基を示す。PとPは同一でも異なっても良い。Zは置換基を有しても良い有機残基を示し、Yは水素原子を示す。a、b及びdは0又は1以上の整数を示す。但し、a=0の場合はb+dは3以上の整数、b又はdが0の場合はaは2以上の整数、その他の場合はa+b+dは3以上の整数を示す。また、aが2以上の場合Pは同一でも異なっても良く、dが2以上の場合Pは同一でも異なっても良く、またbが2以上の場合、Zは同一でも異なっても良い。)
上記一般式(3)のP及びZとの結合部位を水素原子に置き換えた正孔輸送性基Aが下記一般式(4)で表されるものである。
Figure 2006064954
(上記式中、R10、R11及びR12は置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアラルキル基又は置換基を有しても良いアリール基を示す。但し、R10、R11及びR12のうち少なくとも2つはアリール基を示す。また、R10、R11及びR12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
また、前記連鎖重合性官能基は、下記一般式(5)で表される不飽和重合性官能基であることが好ましい。
Figure 2006064954
(上記式中、Eは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR13(R13は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいア
ラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基)、CONR1415(R14及びR15は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を示し、R14及びR15は互いに同一であっても異なっていてもよい)を示す;Wは置換基を有してもよいアリーレン基、置換基を有してもよい2価のアルキレン基、−COO−、−CH−、−O−、−OO−、−S−、−CONR16−(R16は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有しても良いアリール基)を示す;fは0又は1を示す。)
上記一般式(4)及び(5)中に有してもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の鎖状のアルキル基やシクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基が挙げられる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピレニル基等が挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル等が挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基等が挙げられる。これらが有してもよい置換基としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコシ基等が挙げられる。
前記式(5)で表される不飽和重合性官能基として、具体的には、下記式(6)〜(10)が好ましく挙げられる。
Figure 2006064954
以下に、本発明に用いられる連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物の具体例を表2−1〜表2−10に示す。本発明における連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物は、これらに限定されるものではない。
Figure 2006064954
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本発明における硬化性表面層は、前記連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を含む硬化性表面層用塗料を作製し、該塗料を目的の塗布面に塗布し、放射線照射により重合又は架橋して重合を進行させる工程を設けることにより、3次元的に硬化することになり溶剤等に不溶、不融の強靭な成膜層として形成される。放射線としては、電子線が好ましい。
なお、本発明における硬化性表面層は、不活性ガス雰囲気で放射線照射した後、不活性ガス雰囲気で加熱する工程を設けることがより好ましい。こうすることにより、酸素による重合阻害作用を取り除くことができる。不活性ガスとしては、窒素、アルゴン等が挙げられる。
電子写真感光体を連続して使用した後に、コロナ帯電法を用いる帯電手段を有する複写機内に長期間放置した場合、帯電手段に近接した感光体の部位の帯電能が見かけ上低下する、所謂休止メモリー現象は、特に、感光層の膜厚と相関する。具体的には、感光層の総膜厚23μm以上の厚膜の領域では比較的軽微であるが、感光層が薄膜になるほど顕著に電位差が生じ、画像上の濃度ムラが大きくなるという傾向を有している。しかし、本発明における電子写真感光体は、感光層に前記一般式(1)で表されるピリジン構造を有する
化合物及び前記一般式(2)で表されるピラジン構造を有する化合物の少なくとも1種を含有させることで、感光層の総膜厚が薄くとも上記問題を生じない。
本発明における感光層の総膜厚とは、光導電性に関する電荷発生物質、電荷輸送物質を含む層の膜厚全てを対象とし、正孔輸送性化合物を重合又は架橋して硬化した化合物を含有する硬化性表面層も感光層の総膜厚として含む。
光導電性に直接関与しない導電層、バリヤー層等の下引き層は感光層の総膜厚には含まれない。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体と該導電性支持体上に、一つ又は複数から構成される感光層を有する。本発明における電子写真感光体の感光層の総膜厚は、23μm以下であることが好ましい。より好ましくは18μm以下である。
本発明の電子写真感光体は、電荷発生物質と電荷輸送物質を同一層中に分散した単層型感光層の構成をとることも、電荷発生物質を含有する電荷発生層及び電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を順に積層した積層型感光層のいずれの構成をとることも可能であるが、感光層の最外表面を構成する表面層は、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を放射線照射により重合又は架橋して硬化した化合物を含有する構成とする。単層型感光層の場合、光キャリアの生成と移動が同一層内で行われ、また感光層そのものが硬化性表面層となる。
一方、積層型感光層では、光キャリアを生成する電荷発生層と生成したキャリアが移動する電荷輸送層とが積層された構成をとる。電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層した積層型感光層を有する感光体の場合、電荷輸送層が感光体の最外表面を構成する硬化性表面層であってもよいし、又は、前記電荷輸送層、電荷発生層をこの順に積層した積層型感光層を有する場合、電荷発生層が感光体の最外表面を構成する硬化性表面層であってもよい。なお、電荷輸送層は非硬化型の第一層と硬化型の第二層の積層型であることも好ましい。
上記一般式(1)で表されるピリジン構造を有する化合物及び下記一般式(2)で表されるピラジン構造を有する化合物の少なくとも1種が本発明の電子写真感光体の感光層に含まれるが、感光層が積層型感光層の場合は、これら化合物は電荷輸送層に含有されることが好ましい。電荷輸送層が非硬化型の第一層と硬化型の第二層の積層型の場合には、どちらに含有されていても、又は両方に含有されていてもよい。
上記一般式(1)で表されるピリジン構造を有する化合物及び下記一般式(2)で表されるピラジン構造を有する化合物は、感光層全体の0.001〜20質量%、より好ましくは0.01〜10質量%含有されることが好ましい。
本発明の電子写真感光体の導電性支持体は、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、亜鉛、チタン、鉛、ニッケル、スズ、アンチモン、インジウム等の金属や合金、又は前記金属の酸化物、カーボン、導電性高分子等の導電性材料が使用可能である。形状は円筒状、円柱状等のドラム形状と、ベルト状、シート状のものが適用できる。前記導電性材料は、そのまま成形加工される場合、塗料として用いられる場合、蒸着される場合や、エッチング、プラズマ処理により加工される場合もある。前記導電性材料が塗料として用いられる場合、導電性支持体は前記金属、合金はもちろん、紙、プラスチック等に該塗料を塗布したものを用いることが可能である。
導電性支持体上に、導電性支持体のムラや欠陥の被覆を目的として、及び画像入力がレ
ーザー光の場合には散乱による干渉縞防止を目的として導電層を設けることが好適である。導電層は、カーボンブラック、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、亜鉛、チタン、鉛、ニッケル、スズ、アンチモン、インジウム等の等の金属、これらの金属酸化物等の導電性粉体を、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアミド−イミド、ナイロン、ポリサルフォン、ポリアリルエーテル、ポリアセタール、ブチラール樹脂等のバインダー樹脂中に分散して形成することができる。導電層の好ましい膜厚は0.1〜50μmであり、より好ましくは0.5〜30μmである。
また、導電性支持体又は導電層と感光層との間に下引き層を設けてもよい。下引き層は、界面での電荷注入制御や接着層として機能する。下引き層は、主にバインダー樹脂から成るが、導電層に用いられる前記金属や合金、又はそれらの酸化物、塩類、界面活性剤等を含んでもよい。下引き層を形成するバインダー樹脂の具体例としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアミド−イミド、ナイロン、ポリサルフォン、ポリアリルエーテル、ポリアセタール、ブチラール樹脂等が挙げられる。下引き層の膜厚は、薄すぎると電荷注入を抑制する作用が小さく画像欠陥が発生しやすくなり、厚すぎると電荷の支持体側への抜けが悪くなり感度低下、残留電位の上昇等が生じるという理由から好ましくは0.05〜7μmであり、より好ましくは0.1〜2μmである。
本発明における感光層が積層型感光層の層構成である場合には、電荷発生層及び電荷輸送層を積層する。しかしながら、前述のように成膜する順序は特に制限されるものではない。
電荷発生層には電荷発生物質が用いられる。電荷発生物質としては、一般的な電荷発生物質を用いることが可能である。電荷発生物質として一般に、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、各種の中心金属及び結晶型を有するフタロシアニン化合物(具体的には例えばα、β、γ、ε及びX型等の結晶型を有するフタロシアニン化合物)、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、モノアゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、非対称キノシアニン顔料、キノシアニン及びa−Si等が挙げられる。
電荷発生層には、電荷発生物質以外に、バインダー樹脂を用いることも可能である。バインダー樹脂の具体例として、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアミド−イミド、ナイロン、ポリサルフォン、ポリアリルエーテル、ポリアセタール、ブチラール樹脂、ベンザール樹脂等が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は0.001〜6μmが好ましく、より好ましくは0.01〜2μmである。電荷発生層に含有される電荷発生物質の量は、質量比で10〜100質量%が好ましく、より好ましくは50〜90質量%である。
電荷発生層を本発明の電子写真感光体の最外表面に位置する場合、電荷発生層のバインダー樹脂として硬化性表面層を形成するためのバインダー樹脂を用いる。そのようなバイ
ンダー樹脂として、前記連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物をモノマーとして用い、該モノマーを放射線照射により重合又は架橋して硬化した化合物が挙げられる。電荷発生層は、電荷発生物質及び前記連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を含有する塗料を塗布後、放射線照射、必要によりその後、不活性ガス雰囲気で加熱することにより、重合又は架橋して硬化させて形成させる。
電荷輸送層には電荷輸送物質が用いられる。電荷輸送物質の例としては、ピレン化合物、N−アルキルカルバゾール化合物、ヒドラゾン化合物、N,N−ジアルキルアニリン化合物、ジフェニルアミン化合物、トリフェニルアミン化合物、トリフェニルメタン化合物、ピラゾリン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物等が挙げられる。また、電荷輸送物質以外に、バインダー樹脂を用いることも可能である。
電荷輸送層の厚さは好ましくは5〜70μm、より好ましくは10〜30μmである。しかし、本発明中に記されているように高画質化のためには、感光層の総膜厚は薄くしたほうが好ましい。したがって、高画質化のために、感光層全体の膜厚は好ましくは23μm以下、より好ましくは18μm以下の膜厚にすることが好ましい。
電荷輸送層中に含まれる電荷輸送物質の量は、質量比で好ましくは20〜100質量%であり、より好ましくは30〜90質量%である。
本発明において、電荷輸送層は非硬化型の第一層と硬化型の第二層の積層型であることも好ましい。
電荷輸送層を、電子写真感光体の最外表面を構成する硬化性表面層とする場合、又は電荷輸送層の第二層を電子写真感光体の最外表面を構成する硬化性表面層とする場合、電荷輸送層のバインダー樹脂として、硬化性表面層を形成するためのバインダー樹脂を用いる。そのようなバインダー樹脂として、前記連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物をモノマーとして用い、該モノマーを放射線照射により重合又は架橋して硬化した化合物が挙げられる。電荷輸送層は、電荷輸送物質及び前記連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を含有する塗料を塗布後、放射線照射、必要によりその後、不活性ガス雰囲気で加熱することにより、重合又は架橋して硬化させて形成させる。
感光層を単層型感光層とする場合、電荷発生物質と電荷輸送物質を同一層内に含有する。電荷発生物質及び電荷輸送物質の具体例は、上記積層型感光層に用いるものと同様である。単層型感光層を、感光体の最外表面を構成する硬化性表面層とする場合、単層型感光層のバインダー樹脂として、硬化性表面層を形成するためのバインダー樹脂を用いる。そのようなバインダー樹脂として、前記連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物をモノマーとして用い、該モノマーを放射線照射により重合又は架橋して硬化した化合物が挙げられる。単層型感光層は、電荷輸送物質及び前記連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を含有する塗料を塗布後、放射線照射、必要によりその後、不活性ガス雰囲気で加熱することにより、重合又は架橋して硬化させて形成させる。
単層型感光層は8〜40μmの厚さが好ましく、より好ましくは12〜30μmであるが、高画質化のために感光層の膜厚は好ましくは23μm以下、より好ましくは18μm以下の膜厚にすることが好ましい。なお、単層型感光層には、電荷発生物質や電荷輸送物質等の光導電性物質を好ましくは20〜100質量%含有させるが、より好ましくは30〜100質量%である。
感光層を構成する各層には、酸化防止剤や光劣化防止剤等各種添加剤を用いてもよい。また、硬化性表面層にはその滑性や撥水性を改善する目的で各種フッ素化合物やシラン化
合物、金属酸化物等又はそれらの微粒子等を含有してもよい。これらの分散性を改善する目的で分散剤や界面活性剤を用いてもよい。硬化性表面層におけるこれら添加物の含有量は好ましくは1〜70質量%、より好ましくは5〜50質量%である。
本発明における電子写真感光体の製造方法としては、蒸着、塗布等の方法が用いられる。塗布による方法は、薄膜から厚膜まで広い範囲で、しかもさまざまな組成の膜が形成可能である。具体的には、バーコーター、ナイフコーター、浸漬塗布、スプレー塗布、ビーム塗布、静電塗布、ロールコーター、アトライター、粉体塗布等で塗布し、形成する。
硬化性表面層においては、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を含有する塗料を上記のいずれかの方法で塗布後、放射線照射により、必要によりその後、不活性ガス雰囲気で加熱することにより、硬化形成させることが好ましい。
なお、本発明において、感光層の総膜厚は従来公知の方法によって制御することができ、また、従来公知の方法によって測定することができる。
図1に、本発明の電子写真装置の一つの実施の形態として、上記電子写真感光体を用いた転写式電子写真装置の概略構成例を示す。
図1において、1は像担持体としての本発明におけるドラム型電子写真感光体であり、軸1aを中心に矢印で示される方向に所定の周速度で回転駆動される。前記感光体1は回転過程でコロナ帯電法を用いる帯電手段2により、その周面に正又は負の所定電位の均一帯電を受け、次いで露光部にての像露光手段(不示図)により光像露光(スリット露光・レーザービーム走査露光等)Lを受ける。これにより感光体1周面に露光像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
その静電潜像はついで現像手段3でトナー現像されたトナー像が転写手段4により不図示の給紙部から感光体1と転写手段4との間に感光体1の回転と同期取り出されて給紙された転写材7の面に順次転写されていく。
像転写を受けた転写材7は感光体1から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けて複写物(コピー)として機外へ出力される。
像転写後の感光体1の表面はクリーニング手段5にて転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段6の前露光光により除電処理されて繰り返して像形成に使用される。
光像露光Lは、電子写真装置を複写機やプリンターとして使用する場合には、原稿からの反射光や透過光、又は原稿を読取り信号化し、この信号によりレーザービームの走査、LEDアレイの駆動、又は液晶シャッターアレイの駆動等により行われる。ファクシミリのプリンターとして使用する場合には、光像露光Lは受信データをプリントするための露光になる。
本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター、レーザー製版等、電子写真応用分野にも広く用いることができる。
上述の帯電手段2、現像手段3、クリーニング手段5、像露光手段等の構成要素のうち、複数のものを感光体1と一体に支持して装置ユニットとして構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在としたプロセスカートリッジも本発明の範囲内である。
図2に、本発明のプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。例えば、感光体1とコロナ帯電手段2とクリーニング手段5とを一体化してひとつのプロセスカートリッジ11とし、装置本体のレール12等の案内手段を用いて着脱自在の構成にしても良い。このとき、上記のプロセスカートリッジの方に現像手段等を伴って構成しても良い。
本発明の電子写真感光体は、コロナ帯電法を用いた帯電手段と組み合わせて用いられた電子写真装置内に、長期間の耐久使用後に電子写真装置が休止された状態で放置された場合であっても、帯電手段に近接した感光体の部位の帯電能が見かけ上低下する、所謂休止メモリー現象が起こらない。
[実施例1]
実施例1に用いる電子写真感光体を以下の通りに作製した。まず、長さ357.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS A3003アルミニウムの合金)を引き抜き加工により作製した。このシリンダーを洗剤(商品名:ケミコールCT、常盤化学(株)製)を含む純水中で超音波洗浄を行い、続いて洗剤を洗い流す洗い流し工程を経た後、さらに純水中で超音波洗浄を行って脱脂処理した。
アンチモンをドープした酸化スズの被覆膜を有する酸化チタン粉体(クロノスECT−62、チタン工業(株)製)60質量部と酸化チタン粉体(titone SR−1T、堺化学(株)製)60質量部、レゾール型フェノール樹脂(フェノライトJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70%)70質量部と、2−メトキシ−1−プロパノール50質量部、メタノール50質量部とからなる溶液を約20時間、ボールミルで分散した。この分散液に含有するフィラーの平均粒径は、0.25μmであった。
このようにして調合した分散液を前記のアルミニウムシリンダー上に浸漬法によって塗布し、140℃で30分間加熱硬化することにより、厚み15μmの導電層を形成した。
次に、共重合ナイロン樹脂(アミランCM8000、東レ(株)製)10質量部及びメトキシメチル化ナイロン樹脂(トレジンEF30T、帝国化学産業(株)製)30質量部をメタノール500質量部とブタノール250質量部の混合液に溶解した塗料を、前記導電層の上に浸漬塗布し、90℃で10分間加熱乾燥して厚み0.5μmの下引き層を形成した。
次に、CuKa線回折スペクトルにおけるブラッグ角2q±0.2°の7.4°、及び28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料4質量部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)2質量部、シクロヘキサノン90質量部からなる混合溶液を、直径1mmガラスビーズを用いてサンドミルで10時間分散した後、酢酸エチル110質量部を加えて電荷発生層用塗料を調製した。この塗料を上記の下引き層上に浸漬塗布し、80℃で10分間加熱乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記構造式(11)で表されるトリアリールアミン系化合物35質量部、前記一般式(2)で表される本発明のピラジン構造を有する化合物として、表1−2に示される化合物例No.2−3を0.5質量部、ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールZ型、ユーピロンZ200、粘度平均分子量20000、三菱エンジニアリングプラスティックス(株)製)50質量部、モノクロロベンゼン320質量部及びジメトキシメタン50質量部に溶解して調製した第一の電荷輸送層用塗料を、上記電荷発生層上に浸漬塗布し、11
0℃で1時間加熱乾燥して、膜厚10μmの第一の電荷輸送層を形成した。
Figure 2006064954
次いで、表2−6中の化合物例No.116で示される連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物30質量部をn−プロピルアルコール65質量部に溶解し、第二の電荷輸送層用塗料を調整した。この塗料を用いて前記第一の電荷輸送層上に硬化性表面層として第二の電荷輸送層を浸漬塗布法により塗工した。その後窒素中において加速電圧150kV、線量50kGy(5Mrad)の条件で電子線を照射した。引き続いて感光体の温度が150℃になる条件で3分間加熱処理を行った。このときの酸素濃度は80ppmであった。さらに、感光体を大気中で120℃、1時間加熱処理を行って、膜厚5μmの硬化性表面層である第二の電荷輸送層を形成した。感光層の総膜厚は15.2μmであった。
このようにして得られた電子写真感光体を、下記に示す電子写真複写機を用いて評価した。GP−405(キヤノン(株)製)を外部からコロナ帯電器に電源が供給できるように改造した複写機を用いた。さらにGP−405のドラムカートリッジをコロナ帯電器が装着できるように改造し、コロナ帯電器として電子写真複写機GP−55(キヤノン(株)製)用の帯電器を装着した。このドラムカートリッジに上記電子写真感光体を装着して改造したGP−405に装着して以下のように電位、画像等の特性を評価した。
帯電器の電源駆動を外部電源から供給できるように接続し、電源として米国、トレック社製の高圧電源コントロールシステム、Model 610Cを用いて、放電電流量:700μA、定電流制御スコロトロングリッド印加電圧:600Vになるように調整し、電子写真感光体の暗部電位(Vd)、明部電位(Vl)をそれぞれ約−550(V)、約−180(V)になるように電位の条件を設定し、電子写真感光体の初期電位を記録した。
電子写真感光体の表面電位の測定は、電子複写機本体から現像ユニットを取り外し、代わりに電位測定用プローブを現像位置に固定することにより測定を行った。その際、転写ユニットは電子写真感光体に非接触、紙は通紙とした。
次に2枚間欠モード、A4縦で50000枚耐久画像パターンのコピーを行った。耐久終了後、Vd及びVlを測定して電位の値を記録した。その後、電子写真感光体を複写機内に放置し、14時間後の表面電位を測定した。放置の間、感光体のコロナ帯電器直下に位置していた部分をマーキングしておき、他の部分(帯電器の直下でなかった部分)との差(ΔVd、ΔVl)を電位計の出力するチャートより読み取った。また、同時にハーフトーンチャートを出力して帯電器下の画像濃度の違いからメモリー出現の有無と程度を評価した。
評価結果を表3に示す。表3に見られるように、本発明の電子写真感光体は、多数枚数印字後に長時間休止後コロナ帯電器下に発生する休止メモリーの発生がなく、長期にわたり安定した画質を維持することができる。
[実施例2]
実施例1において、一般式(2)で表されるピラジン構造を有する化合物(表1−2に示される化合物例No.2−3)の添加量を2.0質量部に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製、評価した。結果を表3に示す。
[実施例3]
実施例1において、一般式(2)で表されるピラジン構造を有する化合物(表1−2に示される化合物例No.2−3)の添加量を3.0質量部に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表3に示す。
[実施例4]
実施例1において、一般式(2)で表されるピラジン構造を有する化合物として、表1−2に示される化合物例No.2−3の代わりに表1−1に示される化合物例No.1−17に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表3に示す。
[実施例5]
実施例1において、一般式(2)で表されるピラジン構造を有する化合物として、表1−2に示される化合物例No.2−3の代わりに表1−1に示される化合物例No.1−17とし、添加量を3.0質量部にした以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表3に示す。
[実施例6]
実施例1において、一般式(2)で表されるピラジン構造を有する化合物(表1−2に示される化合物例No.2−3)の代わりに、表1−1に示される化合物例No.1−18を0.5質量部及び表1−2に示される化合物例No.2−2を1.0質量部、混合して用いた以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表3に示す。
[実施例7]
実施例1において、第一の電荷輸送層の膜厚を12μmに変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。感光層の総膜厚は17.2μmであった。
[実施例8]
実施例1において、第一の電荷輸送層の膜厚を13μmに変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。感光層の総膜厚は18.2μmであった。
[実施例9]
実施例1において、第一の電荷輸送層の膜厚を15μmに変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。感光層の総膜厚は20.2μmであった。
[実施例10]
実施例1と同様に導電層、下引き層及び電荷発生層を形成した。電荷輸送物質として下記構造式(12)で表されるトリアリールアミン系化合物を30質量部、及びビスフェノールZ型ポリカーボネート(ビスフェノールZ型、ユーピロンZ200、粘度平均分子量20000、三菱エンジニアリングプラスティックス(株)製)50質量部をモノクロロベンゼン320質量部及びジメトキシメタン50質量部に溶解して、第一の電荷輸送層用塗料を調製した。この塗料を前記の電荷発生層の上に浸漬塗布方法で塗布して、110℃で1時間加熱乾燥して膜厚10μmの第一の電荷輸送層を形成した。
Figure 2006064954
次いで、表2−2中の化合物例No.31で示される連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物30質量部及び一般式(1)で表されるピリジン構造を有する化合物(表1−1で示される化合物例No.1−15)1.0質量部を、エタノール45質量部及びイソプロピルアルコール20質量部の混合溶媒中に溶解し、第二の電荷輸送層用塗料を調整した。この塗料を前記第一の電荷輸送層上に浸漬塗布し、加速電圧150kV、照射線量50kGy(5Mrad)の条件で電子線を照射し、さらに感光体を大気中で120℃、1時間加熱処理を行って硬化させ、膜厚5μmの第二の電荷輸送層を形成した。感光層の総膜厚は15.2μmであった。
得られた電子写真感光体を用いて、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。
[実施例11]
実施例10において、一般式(1)で表されるピリジン構造を有する化合物(表1−1に示される化合物例No.1−15)の添加量を2.0質量部に変更した以外は実施例10と同様にして電子写真感光体を作製、評価した。結果を表3に示す。
[実施例12]
実施例10において、一般式(1)で表されるピリジン構造を有する化合物(表1−1に示される化合物例No.1−15)の添加量を4.0質量部に変更した以外は実施例10と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表3に示す。
[実施例13]
実施例10において、表1−1に示されるピリジン構造を有する化合物例No.1−15の代わりに、表1−2に示されるピラジン構造を有する化合物例No.2−7に変更した以外は実施例10と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表3に示す。
[実施例14]
実施例10において、表1−1に示されるピリジン構造を有する化合物例No.1−15の代わりに、表1−3に示されるピラジン構造を有する化合物例No.2−20に変更した以外は実施例10と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表3に示す。
[実施例15]
実施例10において、一般式(1)で表されるピリジン構造を有する化合物(表1−1に示される化合物例No.1−15)の代わりに、一般式(2)で表されるピラジン構造を有する化合物(表1−3に示される化合物例No.2−18を1.0質量部及び表1−3に示される化合物例No.2−26を1.0質量部)を、混合して用いた以外は実施例10と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表3に示す。
[実施例16]
実施例10において、第一の電荷輸送層の膜厚を12μmに変更した以外は実施例10と同様に電子写真感光体を作製した。感光層の総膜厚は17.2μmであった。結果を表3に示す。
[実施例17]
実施例10において、第一の電荷輸送層の膜厚を13μmに変更した以外は実施例10と同様に電子写真感光体を作製した。感光層の総膜厚は18.2μmであった。結果を表3に示す。
[実施例18]
実施例10において、第一の電荷輸送層の膜厚を15μmに変更した以外は実施例10と同様に電子写真感光体を作製した。感光層の総膜厚は20.2μmであった。結果を表3に示す。
[実施例19]
実施例1と同様に導電層、下引き層及び電荷発生層を形成した。次いで、表2−8中のNo.150で示される連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物55質量部、一般式(2)で表されるピラジン構造を有する化合物として表1−3中の化合物例No.2−21を0.3質量部、及びモノクロロベンゼン35質量部、ジメトキシメタン10質量部の混合溶媒中に溶解し、電荷輸送層用塗料を調整した。この塗料を用いて前記電荷発生層上に浸漬塗布法により塗工したのち、窒素中において加速電圧150kV、線量100kGy(10Mrad)の条件で電子線を照射した後、引き続いて感光体の温度が150℃になる条件で3分間加熱処理を行った。このときの酸素濃度は80ppmであった。さらに、感光体を大気中で120℃、1時間加熱処理を行って、膜厚12.3μmの単一の電荷輸送層を形成した。
感光層の総膜厚は12.5μmであった。得られた電子写真感光体を実施例1と同様に評価した。結果を表3に示す。
[実施例20]
実施例19において、一般式(2)で表されるピラジン構造を有する化合物(表1−3に示される化合物例No.2−21)の添加量を1.2質量部に変更した以外は実施例19と同様にして電子写真感光体を作製、評価した。結果を表3に示す。
[実施例21]
実施例19において、一般式(2)で表されるピラジン構造を有する化合物(表1−3に示される化合物例No.2−21)の添加量を2.4質量部に変更した以外は実施例19と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表3に示す。
[実施例22]
実施例19において、一般式(2)で表されるピラジン構造を有する化合物(表1−3に示される化合物例No.2−21)の代わりに、表1−1に示されるピリジン構造を有する化合物例No.1−5に変更し、添加量を1.2質量部にした以外は実施例19と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表3に示す。
[実施例23]
実施例19において、一般式(2)で表されるピラジン構造を有する化合物(表1−3に示される化合物例No.2−21)の代わりに、表1−1に示されるピリジン構造を有
する化合物例No.1−13に変更し、添加量を1.2質量部にした以外は実施例19と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表3に示す。
[実施例24]
実施例19において、一般式(2)で表されるピラジン構造を有する化合物(表1−3に示される化合物例No.2−21)の代わりに、表1−1に示される化合物例No.1−19を0.5質量部及び表1−3に示される化合物例No.2−14を0.5質量部、混合して用いた以外は実施例19と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表3に示す。
[実施例25]
実施例19において、電荷輸送層の膜厚を13.0μmに変更した以外は実施例19と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。感光層の総膜厚は13.2μmであった。結果を表3に示す。
[実施例26]
実施例19において、電荷輸送層の膜厚を16.6μmに変更した以外は実施例19と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。感光層の総膜厚は16.8μmであった。結果を表3に示す。
[実施例27]
実施例19において、電荷輸送層の膜厚を18.4μmに変更した以外は実施例19と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。感光層の総膜厚は18.6μmであった。結果を表3に示す。
[比較例1]
実施例1において、一般式(2)で表されるピラジン構造を有する化合物(表1−2に示される化合物例No.2−3)を添加しなかった以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表4に示す。
[比較例2]
実施例7において、一般式(2)で表されるピラジン構造を有する化合物(表1−2に示される化合物例No.2−3)を添加しなかった以外は実施例7と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表4に示す。
[比較例3]
実施例8において、一般式(2)で表されるピラジン構造を有する化合物(表1−2に示される化合物例No.2−3)を添加しなかった以外は実施例8と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表4に示す。
[比較例4]
実施例9において、一般式(2)で表されるピラジン構造を有する化合物(表1−2に示される化合物例No.2−3)を添加しなかった以外は実施例9と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表4に示す。
[比較例5]
実施例1において、第一の電荷輸送層の膜厚が20μmになるように作製し、一般式(2)で表されるピラジン構造を有する化合物(表1−2に示される化合物例No.2−3)を添加しなかった以外は実施例1と同様に感光体を作製し、評価した。電子写真感光体
の感光層の総膜厚は25.2μmであった。結果を表4に示す。
[比較例6]
実施例1において、一般式(2)で表されるピラジン構造を有する化合物(表1−2に示される化合物例No.2−3)に代えて、下記構造式(13)で表される化合物に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表4に示す。
Figure 2006064954
[比較例7]
実施例19において、一般式(2)で表されるピラジン構造を有する化合物(表1−3に示される化合物例No.2−21)を添加しなかった以外は実施例19と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表4に示す。
[比較例8]
実施例25において、一般式(2)で表されるピラジン構造を有する化合物(表1−3に示される化合物例No.2−21)を添加しなかった以外は実施例25と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表4に示す。
[比較例9]
実施例26において、一般式(2)で表されるピラジン構造を有する化合物(表1−3に示される化合物例No.2−21)を添加しなかった以外は実施例26と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表4に示す。
[比較例10]
実施例27において、一般式(2)で表されるピラジン構造を有する化合物(表1−3に示される化合物例No.2−21)を添加しなかった以外は実施例27と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表4に示す。
[比較例11]
実施例19において、電荷輸送層の膜厚が23.5μmになるように作製し、一般式(2)で表されるピラジン構造を有する化合物(表1−3に示される化合物例No.2−21)を添加しなかった以外は実施例19と同様に感光体を作製し、評価した。電子写真感光体の感光層の総膜厚は23.7μmであった。結果を表4に示す。
[比較例12]
実施例19において、一般式(2)で表されるピラジン構造を有する化合物(表1−3に示される化合物例No.2−21)に代えて、実施例1の第一の電荷輸送層に用いた前記構造式(11)に示す化合物に変更して添加した以外は実施例19と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表4に示す。
Figure 2006064954
Figure 2006064954
本発明の電子写真装置の一つの実施の形態の概略構成図である。 本発明のプロセスカートリッジの一つの実施の形態の概略構成図である。
符号の説明
1:電子写真感光体
1a:軸
2:帯電手段
3:現像手段
4:転写手段
5:クリーニング手段
6:前露光手段
7:転写材
8:定着手段
10:前露光光
11:プロセスカートリッジ
12:レール
L:露光光

Claims (17)

  1. 導電性支持体及び該導電性支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体において、前記電子写真感光体の表面層が連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を放射線照射により重合又は架橋して硬化した化合物を含有する硬化性表面層であり、前記感光層は下記一般式(1)で表されるピリジン構造を有する化合物及び下記一般式(2)で表されるピラジン構造を有する化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 2006064954
    (式中、R、R、R、R、及びRは、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよい複素環基、シアノ基又はニトロ基を示し、R、R、R、R、及びRは同一であっても異なっていてもよい。また、隣接する二つの基が共同で閉環構造をなしてもよい。)
    Figure 2006064954
    (式中、R、R、R、及びRは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有しても良いアルコキシ基、置換基を有してもよい複素環基、シアノ基又はニトロ基を示す。R、R、R、及びRは同一であっても異なっていてもよい。また、隣接する二つの基が共同で閉環構造をなしてもよい。)
  2. 前記連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物は、同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物は、下記一般式(3)で表される化合物である請求項2に記載の電子写真感光体。
    Figure 2006064954
    (式中、Aは正孔輸送性基を示す。P及びPは連鎖重合性官能基を示す。PとPは同一でも異なっても良い。Zは置換基を有しても良い有機残基を示し、Yは水素原子を
    示す。a、b及びdは0又は1以上の整数を示す。但し、a=0の場合はb+dは3以上の整数、b又はdが0の場合はaは2以上の整数、その他の場合はa+b+dは3以上の整数を示す。また、aが2以上の場合Pは同一でも異なっても良く、dが2以上の場合Pは同一でも異なっても良く、またbが2以上の場合、Zは同一でも異なっても良い。)
  4. 前記一般式(3)のP及びZとの結合部位を水素原子に置き換えた正孔輸送性基Aが下記一般式(4)で表される請求項3に記載の電子写真感光体。
    Figure 2006064954
    (式中、R10、R11及びR12は置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアラルキル基又は置換基を有しても良いアリール基を示す。但し、R10、R11及びR12のうち少なくとも2つはアリール基を示す。また、R10、R11及びR12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、2つが共同で閉環構造を成してもよい)
  5. 前記連鎖重合性官能基が下記式(5)で表される不飽和重合性官能基である請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
    Figure 2006064954
    (式中、Eは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、シアノ基、ニトロ基、置換基を有してもよいアルコキシ基、−COOR13(R13は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基)、CONR1415(R14及びR15は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を示し、R14及びR15は互いに同一であっても異なっていてもよい)を示す;Wは置換基を有してもよいアリーレン基、置換基を有してもよい2価のアルキレン基、−COO−、−CH−、−O−、−OO−、−S−、−CONR16−(R16は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有しても良いアリール基)を示す;fは0又は1を示す。)
  6. 前記不飽和重合性官能基は、下記式(6)〜(10)のいずれかである請求項5に記載の電子写真感光体。
    Figure 2006064954
  7. 前記放射線が電子線であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  8. 前記感光層は、導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層を順に積層した積層型感光層であり、前記電荷輸送層が前記硬化性表面層であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  9. 前記電荷輸送層は、非硬化型の第一層と硬化型の第二層の積層型であり、前記硬化型の第二層が前記硬化性表面層である請求項8に記載の電子写真感光体。
  10. 前記感光層は総膜厚が23μm以下である請求項1〜9のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  11. 前記感光層は総膜厚が18μm以下である請求項1〜9のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  12. 前記ピリジン構造を有する化合物及び/又は前記ピラジン構造を有する化合物の総添加量は、前記感光層全体の0.001〜20質量%である請求項1〜11のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  13. 前記硬化性表面層は、前記連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を不活性ガス雰囲気で放射線照射し、その後不活性ガス雰囲気で加熱することにより、重合又は架橋して硬化した化合物を含有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  14. 帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくともひとつの手段と請求項1〜13のいずれか一項に記載の電子写真感光体とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  15. 前記プロセスカートリッジは、コロナ帯電法を用いた帯電手段を有する電子写真装置に用いることを特徴とする請求項14に記載のプロセスカートリッジ。
  16. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の電子写真感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
  17. 前記帯電手段がコロナ帯電法を用いた帯電手段であることを特徴とする請求項16に記載の電子写真装置。
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