JP2007272192A - 電子写真感光体およびそれを用いた画像形成方法、並びに画像形成装置、画像形成装置用プロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体およびそれを用いた画像形成方法、並びに画像形成装置、画像形成装置用プロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】感光体表面層の耐摩耗性、耐傷性を向上させるために架橋性材料を用いる場合において、その機械的耐久性を低下させることなく酸化性ガス耐久性を向上させることによって、感光体の繰り返し使用による摩耗や傷などの、画像形成装置の出力画質に関わる欠陥が生じないとともに、画像濃度ムラが生じにくい、長期に亘って高画質画像を形成することができる電子写真感光体を提供する。
【解決手段】導電性支持体上に、感光層、表面層を順に有する電子写真感光体において、表面層が特定の電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーと、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を、熱、光、電離性放射線の何れかを用いて硬化することにより形成されたものであるとともに、感光層および/又は表面層中に特定の構造を有するアミンを含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は複写機やレーザープリンター及び普通ファクシミリ等の電子写真感光体、およびそれを用いた画像形成装置用プロセスカートリッジ、画像形成装置および画像形成方法に関する。具体的には画質、耐久安定性に優れた電子写真感光体、それを用いた画像形成装置用プロセスカートリッジ、画像形成装置および画像形成方法に関する。
近年、電子写真感光体(以下、単に感光体ともいう)には有機感光体が広く用いられている。有機感光体は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した材料が開発しやすいこと、環境汚染のない材料を選択できること、製造コストが安いことなどの理由により、無機感光体に対して有利な点が多い。しかしながら、有機感光体は物理的・化学的強度が弱く、長期に亘る使用により摩耗や傷が発生しやすいなどの欠点も有する。
電子写真方式の画像形成装置とは一般に、電子写真感光体と、電子写真感光体を帯電させる帯電器と、帯電器によって帯電させられた電子写真感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成器と、潜像形成器によって形成された静電潜像の画像部にトナーを付着させる現像器と、画像部に付着したトナーを被転写物に転写を行なう転写手段とを一体に備えたものであり、必要に応じて転写されずに感光体表面に残留したトナーを除去するクリーニング器を具備させたものもある。転写後に感光体表面に残留するトナーは画質劣化の一因となるので、多くの画像形成装置でクリーニング器が採用されている。
クリーニング器としては一般にブラシ、磁気ブラシおよびブレード等が用いられている。ブラシクリーニングはポリエステル、アクリル系の繊維が使用され、ループ状や直毛状等の形状、繊維の硬度及び太さなどを変化させることにより最適化を行なったうえで使用されている。しかしながら、ブラシクリーニングは微粉トナーが繊維間をすり抜けるなどするため、トナーの十分な除去が困難である。また、ブラシへの電界陰火によって静電的にトナーを除去する磁気ブラシ方式も提案されているが、静電気力により飛散したトナーが再度感光体に付着するなどの現象が生じるため、本手法によっても十分なクリーニングは難しい。従って、現在のクリーニング手段としては、残留トナーの除去性、コスト及び小径化等から弾性ブレードを用いたブレードクリーニングが主流である。ブレードクリーニングにおいては感光体表面層がクリーニングブレードおよびトナー等と当接して摺動するために、感光体表面に機械的な摩耗や傷が生じやすい。
上記のような装置構成部材の特性から、感光体の表面には物理的な外力が直接加えられるため、感光体に対してはそれらへの耐久性が要求されてきた。
これに対して、感光体最表面に保護層を設けると共に、保護層中に無機微粒子を分散させることで機械的耐久性を向上させる研究例が多く報告されている。例えば、特開2002−139859号公報(特許文献1)などには、導電性支持体上に少なくとも感光層、フィラーを含有する保護層を順次形成してなる電子写真感光体が提案されている。
また、別の手段として、感光体表面の硬度を上げることで改善する研究例も多く報告されている。例えば、特開2001−125286号公報および特開2001−324857号公報(特許文献2及び3)においては、帯電器として磁気ブラシ型を適用した場合に、感光体上に不随意に磁性粒子の転写が生じ、その粒子が転写部やクリーニング部で感光体に強く押しつけられることにより傷が付くことを防ぐために感光体表面層の硬度を上げることが提案されている。また、特開2003−98708号公報(特許文献4)ではブレード型クリーニング方式を適用した場合の感光体表面摩耗を抑制するために感光体の硬度を上げることが提案されている。
上記のような感光体の表面硬度を上昇させるための具体的な手段として、熱硬化型樹脂、UV硬化型樹脂などの架橋性材料を感光体表面層の構成成分とすることが提案されている。例えば、表面層のバインダー成分として熱硬化性樹脂を適用することにより、表面層の耐摩耗性、耐傷性を向上させる手法が、特開平5−181299号公報、特開2002−6526号公報および特開2002−82465号公報(特許文献5〜7)で提案されている。また、特開2000−284514号公報、特開2000−284515号公報、特開2001−194813号公報(特許文献8〜10)などでは電荷輸送物質として架橋構造を有するシロキサン樹脂を用いることで、耐摩耗性、耐傷性を向上させることが提案されている。さらに特許第3194392号公報、特許第3286704号公報(特許文献11及び12)などでは、耐摩耗性、耐傷性を向上させるために、バインダー、電荷輸送物質ともに炭素−炭素の二重結合を有するモノマー、炭素―炭素二重結合を有する電荷輸送物質およびバインダー樹脂を用いる手法が報告されている。
しかしながら、ここで示した報告に記載しているものでも十分な機械的耐久性が得られなかったり、電子写真感光体として具備すべき電気特性が不十分であるなど、課題も多い。例えば、特許第3286704号公報(特許文献12)では耐摩耗性と耐傷性を改良するために多官能のアクリレートモノマーを表面層の組成物として用いたものが記載されている。しかし、電荷輸送性材料に関する具体的な記載がなく、単に表面層に低分子の電荷輸送性材料を含有させた場合には、上記モノマーの硬化物との相溶性に問題が生じることもあり、場合によっては低分子成分のブリードなどが生じたり、表面層の機械的耐久性の低下などを引き起こすなどの不具合を生じることがあった。また、相溶性向上のためにポリカーボネート樹脂を含有させる記載もあるが、多官能アクリルモノマーの表面層中の含有量が低下してしまうために所望の機械的耐久性を得ることができないといったことがあり、十分な耐摩耗性を達成することができていない。さらに、表面層に電荷輸送性材料を含まない場合については表面層を薄膜とすることも可能である旨の記載がある。しかしながら、ここで示されているような表面層を有する感光体の場合は、その表面層が摩耗消失するまでが寿命の目安とされており、表面層が薄膜の場合は摩耗消失するまでの時間が短いために、長寿命感光体とは言いがたい。
また、炭素−炭素二重結合を有するモノマー、炭素−炭素二重結合を有する電荷輸送性材料、およびバインダー樹脂からなる塗工液を用いて形成した電荷輸送層を設けることが特許第3194392号公報(特許文献11)に記載されている。本特許においては、バインダーとしては炭素−炭素二重結合を有し、電荷輸送性材料に対する反応性を持つ化合物であってもよいし、炭素−炭素二重結合を有さず、電荷輸送性材料に対して反応性を有さない化合物であってもよい。この特許文献に記載の感光体は耐摩耗性と電気特性を両立しており、注目に値するが、バインダー樹脂として反応性を有しない化合物を用いた場合には、前記モノマーと電荷輸送材料との反応により生じた硬化物との相溶性が悪く、層分離などによる表面平滑性の低下やそれに伴うクリーニング性不良、画質低下が生じる。また、反応性を有するものであってもこの特許文献に具体例として示されている化合物は2官能のものであり、十分な架橋密度を得にくかった。こういった理由により、耐摩耗性の点では未だ満足するには至っていない。
このように、所望の機械的耐久性を得るためには、表面層を構成する材料について十分に検討を重ねる必要がある。
また、上述のような課題を克服し、優れた機械的耐久性を有する感光体を得たとしても、画像濃度ムラなど画質に関わる新たな問題が生じる。すなわち、表面層を架橋させるために、熱もしくは光エネルギーを負荷する必要があるが、感光体を構成する材料(電荷発生材料、電荷輸送材料が挙げられる)への影響も無視できない。例えば、電荷発生材料として広く用いられているチタニルフタロシアニン系顔料などは、熱を負荷することによって吸着水が離脱するために電荷発生能が低下することが知られている。また、電荷輸送性材料として広く用いられているトリフェニルアミン系材料などは、紫外線などの短波長光において吸収を有するものが多く、そのため錯体形成や変性などによる電荷輸送能の低下や電荷トラップの形成などを引き起こす恐れがある。また有機感光体においては、その構成材料が熱・光に強くないために酸化性ガス耐久性低下による画像濃度ムラといった画質に関わる問題が生じることが懸念される。特に機械的耐久性に優れた感光体を用いた場合は、画像濃度ムラはその発生メカニズムのために大きな問題となりうる。
画像濃度ムラとしては、例えば酸化性ガスによる感光体の帯電性低下や、イオン性物質が感光体表面に堆積することによる最表面での抵抗低下などによる画質の低下が確認されている。前者に関しては、帯電プロセスにおいて、所望の帯電電位まで電位をあげることができず、低電位部では画像濃度が増加してしまうといった現象で現れる。一方、後者に関しては、露光プロセスにおいて形成された静電潜像が、感光体表面抵抗の低さのために維持することができず、画像濃度が低下してしまうといった現象で現れる。
これらの画像濃度ムラの発生メカニズムについてははっきりとはわかっていないが、以下に示すようなことが原因と考えられている。
前者の感光体を構成する積層体の帯電性低下に関しては、帯電器などで生成される酸化性ガスが感光体内部まで拡散し、材料の劣化などにより生じると考えられている。本発明のような架橋性表面層は成膜の際に架橋収縮を生じるためにガス透過性が高いと考えられるため、これまで用いられていたような熱可塑性材料を主成分とした感光体とは異なり、内部まで材料劣化が生じやすいと考えられる。
後者の、感光体最表面の抵抗低下に関しては、帯電器によって生成された酸化性ガス由来のイオン性物質が感光体表面に堆積、吸湿することにより感光体最表面の抵抗低下が生じ、静電潜像上の電荷が感光体表面上を横に移動することが主原因と考えられている。これまでの感光体は機械的耐久性に乏しかったため、クリーニングブレードなどの機械的外力によって表面に堆積したイオン性物質が感光体の摩耗と共に除去されやすかった。このため、画像濃度ムラはほとんど顕在化せず、現象として認識された場合であっても短時間の内に回復するため大きな問題とはならなかった。しかしながら、機械的耐久性に優れた感光体を用いた場合には、感光体表面が削れにくく、堆積したイオン性物質などが除去しにくくなる。このためにこれまでとは異なり、現象が顕在化しやすく、使用によってもほとんど回復しないと考えられる。
このような出力画像に対する欠陥を改善するために、特開2004−317944号公報(特許文献13)では電荷輸送層に酸化防止剤を添加することが公開されている。また、特開2004−240047号公報(特許文献14)では特に架橋性を有する表面層に酸化防止剤を添加することが公開されている。このような酸化防止能のみを有する添加剤を用いた場合には、その特性発現は酸化防止剤の添加量に依存するため、十分な効果を得るためには相当量の添加が必要になる。しかしながら、前述の公開技術に示されているような添加剤は電荷輸送性を有していないため、添加量に比例して電荷輸送性の低下が生じやすい。また、一般に酸化防止剤はそれ自体が酸化性ガス等と相互作用を生じるように電荷受容性が高くなるように設計されている。このため、本発明に示すようなラジカル重合性反応を主として架橋させる材料を用いている場合には架橋阻害を起こしやすい。これら特性のため、酸化防止剤を添加した場合には酸化防止機能と架橋性・電荷輸送性が相反則の関係を示し、優れた電荷輸送性、耐摩耗性、酸性ガス耐久性のいずれも有するような電子写真感光体の設計が極めて難しく、いずれかの特性に特化した電子写真感光体を設計せざるを得ないのが現状である。
このように、本発明のような架橋性表面層を積層することにより、機械的耐久性を有した感光体は耐摩耗性は非常に優れ長期間の使用に耐えうる反面、高画質化に対しては不利となりうる。そのため、高耐久感光体を得るためには前述のような材料劣化への対策を十分にとる必要がある。
材料劣化への対策としては、例えば用いる開始剤をエネルギー付加が少なくなるものを選択することが挙げられる。熱硬化性材料を用いた表面層を形成する場合には、例えば半減期温度が低い開始剤を用いるなどの手段が有効と考えられる。また光硬化性材料を用いた場合には、低照度でも開始剤効率が十分に高い開始剤を用いたり、低露光量でもラジカル発生量が十分多い開始剤を用いるなどの手段が有効と考えられる。しかしながら、このような開始剤を用いる場合、架橋密度の高い膜が得にくかったり、また選択できる開始剤が限定されるなどの理由により、所望の機械的耐久性を有する表面層を得られないなどの問題があり積極的に用いられていないのが現状である。
このように、機械的耐久性を向上するための手段については未だに課題が多いうえに、酸化性ガス耐久性の改善に関する報告はほとんどなく、対策が十分でないのが現状である。
特開2002−139859号公報 特開2001−125286号公報 特開2001−324857号公報 特開2003−98708号公報 特開平5−181299号公報 特開2002−6526号公報 特開2002−82465号公報 特開2000−284514号公報 特開2000−284515号公報 特開2001−194813号公報 特許第3194392号公報 特許第3286704号公報 特開2004−317944号公報 特開2004−240047号公報
本発明は上記従来技術の有する課題に鑑みて成されたものであり、感光体表面層の耐摩耗性、耐傷性を向上させるために架橋性材料を用いる場合において、その機械的耐久性を低下させることなく酸化性ガス耐久性を向上させることによって、感光体の繰り返し使用による摩耗や傷などの、画像形成装置の出力画質に関わる欠陥が生じないとともに、画像濃度ムラが生じにくい、しかも画像濃度の安定した、長期に亘って高画質画像を形成することができる電子写真感光体を提供することを目的とする。
即ち、上記課題は本発明の下記の(1)〜(14)によって解決される。
(1)「導電性支持体上に、少なくとも感光層、表面層を順に有する電子写真感光体において、該表面層が少なくとも下記一般式(1)で示される電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーと、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を、熱、光、電離性放射線の少なくとも何れかを用いて硬化することにより形成されたものであるとともに、該感光層および/又は該表面層中に下記一般式(2)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする電子写真感光体。
Figure 2007272192
(式中、R11、R12、R13、14、R15、R16は水素又は
Figure 2007272192
を示し、R17は単結合、アルキレン基、アルキレンエーテル基、ポリオキシアルキレン基、ヒドロキシル基置換アルキレンエーテル基、(メタ)アクリロイルオキシ基置換アルキレンエーテル基、又はオキシアルキレンカルボニル基、ポリ(オキシアルキレンカルボニル)基を示し、R18は水素又はメチル基を示す。但し、R11〜R16が同時に4つ以上が水素であることはない。)
Figure 2007272192
(式中、R、Rは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。但し、R、Rのいずれか1つは置換もしくは無置換の芳香環基である。また、R、Rは互いに結合し、窒素原子を含む置換もしくは無置換の複素環基を形成してもよい。Arは置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。)」;
(2)「前記表面層に用いる電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーとして、前記一般式(1)で示されるラジカル重合性モノマーと、3官能または4官能のラジカル重合性モノマーとを混合して用いることを特徴とする前記(1)に記載の電子写真感光体」;
(3)「前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の官能基が、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする前記(1)又は(2)のいずれかに記載の電子写真感光体」;
(4)「前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の電荷輸送構造が、トリアリールアミン構造であることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の電子写真感光体」;
(5)「前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の官能基数が1つであることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の電子写真感光体」;
(6)「前記表面層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、下記一般式(3)又は(4)で示される化合物の一種以上であることを特徴とする前記(5)に記載の電子写真感光体。
Figure 2007272192
Figure 2007272192
〔式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR(Rは水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表わす。)、ハロゲン化カルボニル基若しくはCONR(R及びRは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。)を表わし、Ar、Arは置換もしくは無置換のアリーレン基を表わし、同一であっても異なってもよい。Ar、Arは置換もしくは無置換のアリール基を表わし、同一であっても異なってもよい。Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。Zは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、アルキレンオキシカルボニル基を表わす。m、nは0〜3の整数を表わす。〕」;
(7)「前記表面層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、下記一般式(5)で示される化合物の一種以上であることを特徴とする前記(5)に記載の電子写真感光体。
Figure 2007272192
(式中、o、p、qはそれぞれ0又は1の整数、Raは水素原子、メチル基を表わし、Rb、Rcは水素原子以外の置換基で炭素数1〜6のアルキル基を表わし、複数の場合は異なってもよい。s、tは0〜3の整数を表わす。Zaは単結合、メチレン基、エチレン基、
Figure 2007272192
を表わす。)」;
(8)「前記表面層の硬化手段が加熱又は光エネルギー照射手段であることを特徴とする前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の電子写真感光体」;
(9)「前記表面層の硬化手段が光エネルギー照射手段であることを特徴とする前記(8)に記載の電子写真感光体」;
(10)「前記表面層の膜厚が1〜15μmであることを特徴とする前記(1)乃至(9)のいずれかに記載の電子写真感光体」;
(11)「前記感光層が、少なくとも電荷発生層および電荷輸送層を積層した構造であることを特徴とする前記(1)乃至(10)のいずれかに記載の電子写真感光体」;
(12)「前記(1)乃至(11)のいずれかに記載の電子写真感光体を用いて、少なくとも電子写真感光体を帯電させる帯電プロセスと、帯電プロセスによって帯電させられた電子写真感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成プロセスと、潜像形成プロセスによって形成された静電潜像にトナーを付着させる現像プロセスと、現像プロセスによって形成されたトナー像を被転写体に転写させる転写プロセスとを繰り返し行なうことを特徴とする画像形成方法」;
(13)「前記(1)乃至(11)のいずれかに記載の電子写真感光体と、電子写真感光体を帯電させる帯電器と、帯電器によって帯電させられた電子写真感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成器と、潜像形成器によって形成された静電潜像にトナーを付着させる現像器と、現像器よって形成されたトナー像を被転写体に転写させる転写器とを有する画像形成装置」;
(14)「前記(1)乃至(11)のいずれかに記載の電子写真感光体と、少なくとも電子写真感光体を帯電させる帯電器と、帯電器によって帯電させられた電子写真感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成器と、潜像形成器によって形成された静電潜像にトナーを付着させる現像器と、現像器よって形成されたトナー像を被転写体に転写させる転写器と、転写後に電子写真感光体表面に残留したトナーを電子写真感光体表面から除去するクリーニング器からなる群から選ばれた一つの手段を有するものであって、画像形成装置本体に着脱可能としたことを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ」。
本発明の、導電性支持体上に、少なくとも感光層、表面層を順に有する電子写真感光体において、該表面層が少なくとも前記一般式(1)で示される電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーと、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化することにより形成されたものであるとともに、該感光層および/又は該表面層中に前記一般式(2)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする電子写真感光体は、機械的耐久性、耐クラック性、耐摩耗性に優れ、長期に亘って画像濃度ムラ等のない優れた画質を維持することが可能であると共に、帯電器等で生じる酸化性ガスに対しても耐久性が優れる。また、本発明の感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置、及び画像形成装置用プロセスカートリッジは、高性能、高信頼性を有している。
繰り返し使用による摩耗や傷の発生を抑えるためには感光体表面の硬度、弾性仕事率等に代表される機械的強度が大きいことが有効であり、これら特性を大きくするために種々の手法、材料が開発されている。機械的強度を上げるためには、分子が相互に結合する架橋性材料を用いることが一般的に知られている。架橋性材料は官能基構造、分子構造、官能基数等を選択することにより様々な特性を発現させることが可能であり、所望の機械的強度だけでなく、電子写真感光体として必要とされる電気的特性も考慮した分子設計が可能であることから、電子写真感光体向け材料として最近注目されている。
架橋性材料を感光体の表面層に用いることによって、機械的耐久性を飛躍的に向上させることが可能であり、これによって摩耗や傷により生じる画像欠陥を大幅に低減することができる。しかしながら、架橋時に熱や光などのエネルギーを付与する必要が有り、そのために感光層を構成する材料が劣化するために、電気特性の低下や酸化性ガス耐久性の低下などを引き起こすことがある。これは画像濃度ムラといった新たな問題を引き起こすことが懸念される。
一般に、画像濃度ムラのメカニズムとしては、帯電器などでの放電現象によって生成するNOなどの酸化性ガスや、酸化性ガスが周囲の化合物と反応することにより生成されたイオン性物質等が感光体に吸着もしくは堆積し、感光体のバルクまたは表面抵抗を低下させることによって生ずるものと考えられている。これまでの電子写真感光体は機械的耐久性に乏しく、クリーニング部材などの機械的な外力によって容易に表面をリフェイスすることが可能であったために顕在化しにくい、もしくは顕在化しても僅かの時間で回復するためにほとんど問題とならなかった。
しかしながら、本発明のような機械的耐久性に優れた表面層を有する電子写真感光体は、機械的な外力によってもほとんど摩耗が生じず、長期に亘って感光層表面に傷や欠陥が生じにくい反面、酸化性ガスやイオン性物質などを表面やバルクから除去しにくいために酸化性ガスへの耐久性が低い場合には画質の劣化が顕在化しやすい。
本発明はこれらの問題点を改善するために成されたものであり、下記一般式(1)で示される電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーと、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を架橋させた表面層を有し、感光層および/又は表面層中に下記一般式(2)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種以上の化合物を添加することによって、機械的耐久性、酸化性ガス耐久性ともに極めて優れ、長期に亘って画質に関わる欠陥の生じにくい感光体を提供することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
Figure 2007272192
(式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16は水素又は
Figure 2007272192
を示し、R17は単結合、アルキレン基、アルキレンエーテル基、ポリオキシアルキレン基、ヒドロキシル基置換アルキレンエーテル基、(メタ)アクリロイルオキシ基置換アルキレンエーテル基、又はオキシアルキレンカルボニル基、ポリ(オキシアルキレンカルボニル)基を示し、R18は水素又はメチル基を示す。但し、R11〜R16が同時に4つ以上が水素であることはない。)
Figure 2007272192
(式中、R、Rは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。但し、R、Rのいずれか1つは置換もしくは無置換の芳香環基である。また、R、Rは互いに結合し、窒素原子を含む置換もしくは無置換の複素環基を形成してもよい。Arは置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。)
《電子写真感光体の構成》
本実施形態の感光体は、導電性支持体上に少なくとも感光層、表面層をこの順に有することを特徴とする積層体である。感光層としては電荷発生機能と電荷輸送機能を有していれば単層構造をとっても多層構造をとってもよい。実施態様の一例を図1〜図3を用いて説明する。
図1に示した電子写真感光体の断面図は、感光層が単層の場合の一例であり、導電性支持体(31)上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層(34)および表面層(35)が設けられている。ここで記載の表面層(36)は以下に記載する架橋性表面層を示している。
図2および図3に示した電子写真感光体の断面図は、感光層が積層の場合の例であり、導電性支持体上に電荷発生機能を担う電荷発生層と、電荷輸送機能を担う電荷輸送層とを分離して積層した態様のものである。本態様をとる場合は、図示するとおり導電性支持体上への電荷発生層と電荷輸送層の積層順番は特に限定されることはなく、用途に応じて使い分けることが可能であり、感光体最表面には表面層が積層される。
《機能性添加剤の詳細な説明》
本発明のような表面層を設けた場合、耐傷性、耐摩耗性を有するために使用による感光体表面の変化(傷つき、摩耗)は非常に少なく、長期に亘って初期の状態を維持することが可能となる。その反面、帯電器などで生成されるオゾンやNOなどの酸化性ガスによって画質の劣化(画像濃度ムラ)が生じやすい欠点がある。
酸化性ガスによる画像濃度ムラのメカニズムは、帯電器によって生成した酸化性ガス由来のイオン性物質が感光体表面に堆積し、吸湿することにより感光体最表面の抵抗が低下することにより、静電潜像上の電荷が感光体表面上を横に移動するためと考えられている。
これまで一般に用いられていた電子写真感光体は、機械的耐久性に乏しかったため、クリーニングブレードなどで負荷される機械的外力によって摩耗が生じ、最表面に堆積したイオン性物質を容易に除去できたため、画像濃度ムラが顕在化しにくいものであった。しかしながら、機械的耐久性に優れた電子写真感光体を用いた場合には、感光体表面が摩耗しにくく、表面に堆積したイオン性物質の除去が非常に困難となるため、画像濃度ムラが顕在化しやすい。特に架橋性材料を用いて表面層を形成する場合は、架橋による体積収縮のために表面層の自由体積が大きくなり、比較的層内部までイオン性物質や酸化性ガスの影響を受けやすい。このため画像濃度ムラが顕在化しやすく、加えて回復が遅くなるといった、これまでにみられなかった不具合が生じる。この酸化性ガスによって引き起こされる課題を解決するためには、本発明においては、感光層および/又は表面層に、前記一般式(2)表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種を含有させることが効果的である。
前記一般式(2)で表わされるジアミン化合物は特公昭62−13382号公報、米国特許第4223144号、第3271383号、第3291788号で染料中間体もしくは高分子化合物の前駆体として記載されている。該化合物は、感光体を繰り返し使用する際の画像品質維持に有効である。その理由は、現時点では明らかになっていないが、化学構造内に含まれるアルキルアミノ基が塩基性の強い基であるので、画像濃度ムラの原因物質と考えられている酸化性ガスやイオン性物質に対しての中和効果が推測される。また、芳香族炭化水素環基置換アミノ基は、電荷輸送能が優れる官能基であることが知られており[高橋ら、電子写真学会誌、25巻、3号、16頁、1986年]、本発明に用いられるジアミン化合物はこの基を含むことから電荷輸送能の高い化合物であることがわかる。更には、他の電荷輸送物質と併用することにより高感度、並びに繰り返し安定性等がさらに増すことも見い出されている。
前記一般式(2)で表わされるジアミン化合物は、文献(E.ElceandA.S.Hay,Polymer,Vol.37 No.9,1745(1996))に記載の方法によって容易に製造することができる。すなわち、下記一般式(6)で表わされるジハロゲン化物と、下記一般式(7)で表わされる第二級アミン化合物とを塩基性化合物の存在下、室温から100℃程度の温度において反応させることにより得ることができる。
Figure 2007272192
(式中、Arは置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Bはハロゲン原子を表わす。)
Figure 2007272192
(式中、R、Rは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。但し、R、Rのいずれか1つは置換もしくは無置換の芳香環基である。また、R、Rは互いに結合し、窒素原子を含む置換もしくは無置換の複素環基を形成してもよい。)
上記塩基性化合物の具体例としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、及びナトリウムメチラート、カリウム−t−ブトキシドなどを挙げることができる。また反応溶媒としてはジオキサン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリルなどを挙げることができる。
前記一般式(2)及び(7)の説明にある、R、Rのアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、及びウンデカニル基などを挙げることができる。また、前記一般式(2)及び(6)の説明にある、R、R、Arの芳香環基としてはベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、アントラセン、フルオレン及びピレンなどの芳香族環、並びにピリジン、キノリン、チオフェン、フラン、オキサゾール、オキサジアゾール、カルバゾールなど芳香族複素環の基が挙げられる。また、これらの置換基としては、上記アルキル基の具体例で挙げたもの、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、またはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のハロゲン原子、前記芳香族炭化水素基、及びピロリジン、ピペリジン、ピペラジンなどの複素環の基などが挙げられる。更に、R、Rが互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成する場合、その複素環基としてはピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基などに芳香族炭化水素基が縮合した縮合複素環基を挙げることができる。
以下に、前記一般式(2)で表わされる化合物の好ましい例を挙げる。但し、本発明は、これらの化合物に限定されるものではない。
Figure 2007272192
Figure 2007272192
Figure 2007272192
注)化合物No.35〜37において、R、Rの欄に示した基は
−NR基である。
これらの化合物は、感光層もしくは表面層中へ添加してもよいし、感光層と表面層の両方に同時に添加してもよい。感光層が電荷発生層と電荷輸送層からなるような多層構造を有する場合であっても、いずれの層へ適用してもよいし、2層以上の層に適用してもよい。添加量としては、所望の感光体電気特性および機械特性を満足する量であれば特に限定されないが、具体的には添加する層の全量に対して0.01〜150重量%が好ましい。添加量が0.01重量%未満の場合は所望の酸化性ガス耐久性が得にくい。また添加量が150重量%を超える場合には十分な酸化性ガス耐久性が得られる一方で、所望の機械的耐久性や電気特性が得られないことが有り好ましくない。
《表面層の詳細な説明》
次に、本発明の架橋表面層の構成材料について説明する。
<電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーの説明>
本発明に用いられる電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーは、前記一般式(1)で表わされ、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基のラジカル重合性官能基を5個以上有するモノマーが本発明の目的を達成するために好ましい。
また、前記一般式(1)中のR17は、本発明の目的を達成するために、単結合、ヒドロキシル基置換アルキレンエーテル基が好ましい。
5個以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物は、例えば水酸基がその分子中に5個以上ある化合物とアクリル酸(塩)、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステルを用い、エステル反応あるいはエステル交換反応させることにより得ることができる。また、5個以上のメタクリロイルオキシ基を有する化合物も同様にして得ることができる。また、ラジカル重合性官能基を5個以上有する単量体中のラジカル重合性官能基は、同一でも異なってもよい。
前記一般式(1)で表わされる電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーとしてはR11からR16に関して、3個のアクリロイルオキシ基及び3個の水素基を有する化合物、4個のアクリロイルオキシ基及び2個の水素基を有する化合物、5個のアクリロイルオキシ基及び1個の水素基を有する化合物、6個のアクリロイルオキシ基を有する化合物、3個のメタクリロイルオキシ基及び3個の水素基を有する化合物、4個のメタクリロイルオキシ基及び2個の水素基を有する化合物、5個のメタクリロイルオキシ基及び1個の水素基を有する化合物、6個のメタクリロイルオキシ基を有する化合物などが例示でき、さらに詳しくは以下のものが例示されるが、これらの化合物に限定されるものではない。
Figure 2007272192
Figure 2007272192
これらは、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用しても差し支えない。
これらのモノマーは収率が優れる、製造コストが低い及び生産性が高いなどの理由から多価アルコールのエステル化により製造されることが例示でき、さらに、これらのモノマーを2種以上、さらに詳しくは2種、3種又は4種を併用する場合であって、6個のラジカル重合性官能基を有するモノマーを用いるときには、収率が優れるという点で、エステル化により6個のラジカル重合性官能基を有するモノマー、及びエステル化されずに水素基が残存した5個以下のラジカル重合性官能基を有するモノマーとの混合物を用いることが好ましい。
更にその配合率は、同様に収率が優れるという点で該6個のラジカル重合性官能基を有するモノマーを20〜99重量%含有することが好ましく、より好ましくは30〜97重量%、更に好ましくは40〜95重量%である。同様の理由により、5個のラジカル重合性官能基を有するモノマーを用いるときには、このモノマーを20〜99重量%含有することが好ましく、より好ましくは30〜97重量%、さらに好ましくは40〜95重量%であり、同様の理由により4個のラジカル重合性官能基を有するモノマーを用いるときには、このモノマーを0.01〜30重量%含有することが好ましく、より好ましくは0.1〜20重量%、更に好ましくは3〜5重量%であり、同様の理由により3個のラジカル重合性官能基を有するモノマーを用いるときには、このモノマーを0.01〜30重量%含有することが好ましく、より好ましくは0.1〜20重量%、更に好ましくは3〜5重量%である。
さらに詳しくは、同様の理由により5個のアクリロイルオキシ基及び1個の水素基を有する化合物30〜70重量%、好ましくは40〜60重量%並びに6個のアクリロイルオキシ基を有する化合物70〜30重量%、好ましくは60〜40重量%を含有する混合物、5個のアクリロイルオキシ基及び1個の水素基を有する化合物30〜65重量%、好ましくは40〜55重量%、6個のアクリロイルオキシ基を有する化合物65〜30重量%、好ましくは55〜40重量%、並びに、以下に列挙する化合物の中から選択される1種、2種、3種又は4種が0.01〜5重量%、好ましくは1〜3重量%を含有する混合物、
・1個のアクリロイルオキシ基及び5個の水素基を有する化合物
・2個のアクリロイルオキシ基及び4個の水素基を有する化合物
・3個のアクリロイルオキシ基及び3個の水素基を有する化合物
・4個のアクリロイルオキシ基及び2個の水素基を有する化合物
5個のメタクリロイルオキシ基及び1個の水素基を有する化合物30〜70重量%、好ましくは40〜60重量%並びに6個のメタクリロイルオキシ基を有する化合物70〜30重量%、好ましくは60〜40重量%を含有する混合物、5個のメタクリロイルオキシ基及び1個の水素基を有する化合物30〜65重量%、好ましくは40〜55重量%、6個のメタクリロイルオキシ基を有する化合物65〜30重量%、好ましくは55〜40重量%、並びに、以下に列挙する化合物の中から選択される1種、2種、3種又は4種が0.01〜5重量%、好ましくは1〜3重量%を含有する混合物が例示できる。
・1個のメタクリロイルオキシ基及び5個の水素基を有する化合物
・2個のメタクリロイルオキシ基及び4個の水素基を有する化合物
・3個のメタクリロイルオキシ基及び3個の水素基を有する化合物
・4個のメタクリロイルオキシ基及び2個の水素基を有する化合物
また、架橋表面層に用いられる前記一般式(1)で表わされる電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーの成分割合は、架橋表面層全量に対し3〜95重量%が好ましく、より好ましくは5〜80重量%、更に好ましくは10〜70重量%である。このモノマー成分が3重量%以上では架橋表面層の3次元架橋結合密度が高く、従来の熱可塑性バインダー樹脂を用いた場合に比べ飛躍的な耐摩耗性向上が達成される。また、95重量%以下では電荷輸送性化合物の含有量が高く、電気的特性の劣化が生じ難い。
本発明の表面層を形成するにあたり、塗工液の粘度調整、表面層の表面平滑性維持、架橋収縮によるクラック防止、表面自由エネルギー低減を目的として1〜4官能のラジカル重合性モノマー及びラジカル重合性オリゴマーを併用してもよい。ここで、官能基数が1もしくは2の化合物を多量に添加することは表面層の機械的耐久性を引き起こすことが懸念されることから、3官能以上のラジカル重合性モノマー及びラジカル重合性オリゴマーを併用することが好ましい。これらの化合物としては公知のものを用いることができる。また併用する1〜4官能のラジカル重合性モノマーおよび/又はラジカル重合性オリゴマーの配合割合としては、表面層全量に対して1〜80重量%が好ましく、より好ましくは5〜60重量%、さらに好ましくは10〜40重量%がよい。1〜4官能のラジカル重合性モノマーおよび/又はラジカル重合性オリゴマーを塗工液の粘度調整のために用いる場合は、その化合物の粘度が25℃において1000mPa・s以下が好ましく、より好ましくは800mPa・sがよい。
1〜4官能のラジカル重合性モノマーとしては、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ECH変性トリメチロールプロパントリアクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、ECH変性グリセロールトリアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、PO変性グリセロールトリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソブチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールアクリレート、セチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ステアリルアクリレート、スチレンモノマー、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、EO変性ビスフェノールFジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどが挙げられ、その中でもトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、HPA変性トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ECH変性トリメチロールプロパントリアクリレートが例示されるが、本発明においてはこれに限定されるものではない。なおエチレンオキシ変性をEO変性、プロピレンオキシ変性をPO変性、エピクロロヒドリン変性をECH変性、アルキレン変性をHPA変性と記載している。
ラジカル重合性オリゴマーとしては、例えばエポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系オリゴマーが挙げられる。
<電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーの説明>
本発明に用いられる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物としては、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しており、且つラジカル重合性官能基を有する化合物を指す。このラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であれば何れでもよい。
これらラジカル重合性官能基としては、例えば、下記に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基等が挙げられる。
1−置換エチレン官能基としては、例えば以下の式で表わされる官能基が挙げられる。
Figure 2007272192
〔ただし、式中、Xは、置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、−CON(R20)−基(R20は、水素、メチル基、エチル基等のアルキル基、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を表わす。)、または−S−基を表わす。〕
これらの置換基を具体的に例示すると、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基等が挙げられる。
1,1−置換エチレン官能基としては、例えば以下の式で表わされる官能基が挙げられる。
Figure 2007272192
〔ただし、式中、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基あるいはエトキシ基等のアルコキシ基、−COOR21基(R21は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル、フェネチル基等のアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表わす。)または−CONR2223(R22およびR23は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、あるいはフェネチル基等のアラルキル基、または置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表わし、互いに同一または異なっていてもよい。)、また、Xは上記式のXと同一の基及び単結合、アルキレン基を表わす。ただし、Y、Xの少なくとも何れか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、及び芳香族環である。〕
これらの基を具体的に例示すると、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基等が挙げられる。
なお、これらX、X、Yについての置換基にさらに置換される置換基としては、例えばハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
これらのラジカル重合性官能基の中では、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用である。また、長期に亘って良好な電気特性を有するためにはラジカル重合性官能基数が1であることが好ましい。2官能以上の電荷輸送性化合物を主成分として用いた場合は、電荷輸送性構造を有する部位が複数の結合で架橋構造中に固定されるため、電荷輸送時の中間体構造(カチオンラジカル)が安定して保てず、電荷のトラップによる感度の低下、残留電位の上昇が起こりやすい。これらの電気特性の劣化は画像濃度低下、文字の細り等の現象として現れることがある。
電荷輸送性構造としてはトリアリールアミン構造が効果が高い。さらに、下記一般式(3)又は(4)で示される化合物を用いた場合、感度、残留電位等の電気的特性が良好に持続される。
Figure 2007272192
Figure 2007272192
〔式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR(Rは水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表わす。)、ハロゲン化カルボニル基若しくはCONR(R及びRは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。)を表わし、Ar、Arは置換もしくは無置換のアリーレン基を表わし、同一であっても異なってもよい。Ar、Arは置換もしくは無置換のアリール基を表わし、同一であっても異なってもよい。Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。Zは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、アルキレンオキシカルボニル基を表わす。m、nは0〜3の整数を表わす。〕
以下に、一般式(3)、(4)における置換基の具体例を示す。
前記一般式(3)、(4)において、Rの置換基中、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等がそれぞれ挙げられ、これらは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等により置換されていてもよい。
の置換基のうち、特に好ましいものは水素原子、メチル基である。
置換もしくは無置換のAr、Arはアリール基であり、アリール基としては縮合多環式炭化水素基、非縮合環式炭化水素基及び複素環基が挙げられる。
該縮合多環式炭化水素基としては、好ましくは環を形成する炭素数が18個以下のもの、例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、及びナフタセニル基等が挙げられる。
該非縮合環式炭化水素基としては、ベンゼン、ジフェニルエーテル、ポリエチレンジフェニルエーテル、ジフェニルチオエーテル及びジフェニルスルホン等の単環式炭化水素化合物の1価基、あるいはビフェニル、ポリフェニル、ジフェニルアルカン、ジフェニルアルケン、ジフェニルアルキン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン、1,1−ジフェニルシクロアルカン、ポリフェニルアルカン、及びポリフェニルアルケン等の非縮合多環式炭化水素化合物の1価基、あるいは9,9−ジフェニルフルオレン等の環集合炭化水素化合物の1価基が挙げられる。
複素環基としては、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、及びチアジアゾール等の1価基が挙げられる。
また、前記Ar、Arで表わされるアリール基は、例えば以下に示すような置換基を有してもよい。
(1)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等。
(2)アルキル基;
好ましくは、C〜C12とりわけC〜C、さらに好ましくはC〜Cの直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜Cのアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。
具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR30);
(式中、R30は(2)で定義したアルキル基を表わす。)
具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基;
アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C〜Cのアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
(5)アルキルメルカプト基またはアリールメルカプト基;
具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)以下の式で表わされる置換基;
Figure 2007272192
(式中、Rd及びReは各々独立に水素原子、前記(2)で定義したアルキル基、またはアリール基を表わす。アリール基としては、例えばフェニル基、ビフェニル基又はナフチル基が挙げられ、これらはC〜Cのアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。Rd及びReは共同で環を形成してもよい。)
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
(7)メチレンジオキシ基、又はメチレンジチオ基等のアルキレンジオキシ基又はアルキレンジチオ基等。
(8)置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等。
前記Ar、Arで表わされるアリーレン基としては、前記Ar、Arで表わされるアリール基から誘導される2価基が挙げられる。
前記Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。
置換もしくは無置換のアルキレン基としては、C〜C12、好ましくはC〜C、さらに好ましくはC〜Cの直鎖または分岐鎖のアルキレン基であり、これらのアルキレン基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜Cのアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチレン基、エチレン基、n−ブチレン基、i−プロピレン基、t−ブチレン基、s−ブチレン基、n−プロピレン基、トリフルオロメチレン基、2−ヒドロキエチレン基、2−エトキシエチレン基、2−シアノエチレン基、2−メトキシエチレン基、ベンジリデン基、フェニルエチレン基、4−クロロフェニルエチレン基、4−メチルフェニルエチレン基、4−ビフェニルエチレン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のシクロアルキレン基としては、C〜Cの環状アルキレン基であり、これらの環状アルキレン基にはフッ素原子、水酸基、C〜Cのアルキル基、C〜Cのアルコキシ基を有していてもよい。具体的にはシクロヘキシリデン基、シクロへキシレン基、3,3−ジメチルシクロヘキシリデン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基等のアルキレンオキシ基、エチレングリコール、プロピレングリコール等から誘導されるアルキレンジオキシ基、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール等から誘導されるジまたはポリ(オキシアルキレン)オキシ基等が挙げられ、アルキレンエーテル基のアルキレン基はヒドロキシル基、メチル基、エチル基等の置換基を有してもよい。
ビニレン基としては、以下の一般式で表わされる置換基が挙げられる。
Figure 2007272192
〔式中、Rfは水素、アルキル基(前記(2)で定義されるアルキル基と同じ)、アリール基(前記Ar、Arで表わされるアリール基と同じ)、aは1または2、bは1〜3を表わす。〕
前記Zは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、アルキレンオキシカルボニル基を表わす。
置換もしくは無置換のアルキレン基としは、前記Xのアルキレン基と同様なものが挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、前記Xのアルキレンエーテル基が挙げられる。
アルキレンオキシカルボニル基としては、カプロラクトン変性基が挙げられる。
また、本発明の1官能の電荷輸送構造を有するラジカル重合性化合物として更に好ましくは、下記一般式(5)の構造の化合物が挙げられる。
Figure 2007272192
(式中、o、p、qはそれぞれ0又は1の整数、Raは水素原子、メチル基を表わし、Rb、Rcは水素原子以外の置換基で炭素数1〜6のアルキル基を表わし、複数の場合は異なってもよい。s、tは0〜3の整数を表わす。Zaは単結合、メチレン基、エチレン基、
Figure 2007272192
を表わす。)
上記一般式(5)で表わされる化合物としては、Rb、Rcの置換基として、特にメチル基、エチル基である化合物が好ましい。
本発明で用いる上記一般式(3)及び(4)、特に(5)の1官能性の電荷輸送構造を有するラジカル重合性化合物は、炭素−炭素間の二重結合が両側に開放されて重合するため、末端構造とはならず、連鎖重合体中に組み込まれ、一般式(1)で示される電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーとの重合で架橋形成された重合体中では、高分子の主鎖中に存在し、かつ主鎖−主鎖間の架橋鎖中に存在(この架橋鎖には1つの高分子と他の高分子間の分子間架橋鎖と、1つの高分子内で折り畳まれた状態の主鎖のある部位と主鎖中でこれから離れた位置に重合したモノマー由来の他の部位とが架橋される分子内架橋鎖とがある)するが、主鎖中に存在する場合であってもまた架橋鎖中に存在する場合であっても、鎖部分から懸下するトリアリールアミン構造は、窒素原子から放射状方向に配置する少なくとも3つのアリール基を有し、バルキーであるが、鎖部分に直接結合しておらず鎖部分からカルボニル基等を介して懸下しているため立体的位置取りに融通性ある状態で固定されているので、これらトリアリールアミン構造は重合体中で相互に程よく隣接する空間配置が可能であるため、分子内の構造的歪みが少なく、また、電子写真感光体の表面層とされた場合に、電荷輸送経路の断絶を比較的免れた分子内構造を採りうるものと推測される。
本発明の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の具体例を以下に示すが、これらの構造の化合物に限定されるものではない。
Figure 2007272192
Figure 2007272192
Figure 2007272192
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Figure 2007272192
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また、本発明に用いられる電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物は、架橋表面層の電荷輸送性能を付与するために重要で、この成分は架橋表面層全量に対し20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%である。この成分が20重量%未満では架橋表面層の電荷輸送性能が充分に保てず、繰り返しの使用で感度低下、残留電位上昇などの電気特性の劣化が現れる。また、80重量%を超えると前記一般式(1)で表わされる電荷輸送構造を有しないラジカル重合性モノマーの含有量が低下し、架橋結合密度の低下を招き高い耐摩耗性が発揮されない。使用されるプロセスによって要求される電気特性や耐摩耗性が異なるため一概には言えないが、両特性のバランスを考慮すると30〜70重量%の範囲が最も好ましい。
<開始剤の説明>
また、本発明の表面層は、少なくとも前記一般式(1)で示される電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー及び電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(好ましくは1官能)を、熱、光、電離性放射線の少なくとも何れかを用いて同時に硬化させた架橋表面層であるが、熱エネルギーや光エネルギーを用いて架橋表面層を形成する場合には、必要に応じてこの架橋反応を効率よく進行させるために架橋表面層中に重合開始剤を使用してもよい。電離性放射線を用いた架橋を行う場合は、通常重合開始剤を用いることなく架橋反応を得ることが可能であるが、電離性放射線照射後に残存する未硬化成分を硬化させるために、後処理として熱エネルギー及び/又は光エネルギーを付与することも可能であるが、その場合でも下記に示す重合開始剤を添加すると効果的である。
熱重合開始剤としては、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルベルオキサイド、t−ブチルヒドロベルオキサイド、クメンヒドロベルオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどの過酸化物系開始剤、アゾビスイソブチルニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸などのアゾ系開始剤が挙げられる。
光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、などのアセトフェノン系またはケタール系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、などのベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン、などのベンゾフェノン系光重合開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、などのチオキサントン系光重合開始剤、ビス(シクロペンタジエニル)−ジ−クロロ−チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ジ−フェニル−チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,3,4,5,6ペンタフルオロフェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピロール−1−イル)フェニル)チタニウムなどのチタノセン系光重合開始剤、その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物、が挙げられる。
また、光重合促進効果を有するものを単独または上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、などが挙げられる。
これらの重合開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。重合開始剤の含有量は、ラジカル重合性を有する総含有物100重量部に対し、0.5〜40重量部、好ましくは1〜20重量部である。
<フィラー添加の説明>
本発明の表面層は、少なくとも前記一般式(1)で示される電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー及び電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(好ましくは1官能)を同時に硬化させた架橋表面層であるが、これ以外に耐摩耗性の向上を目的としてフィラー微粒子を含有させることができる。
フィラーの平均一次粒径は、0.01〜0.5μmであることが表面層の光透過率や耐摩耗性の点から好ましい。フィラーの平均一次粒径が0.01μm未満の場合は、分散性の低下等を引き起こし、耐摩耗性の向上効果が充分に発揮されず、0.5μmを超える場合には、分散液中においてフィラーの沈降性が促進されたり、トナーのフィルミングが発生したりする可能性がある。
表面層中のフィラー材料濃度は、高いほど耐摩耗性が高いので良好であるが、高すぎる場合には残留電位の上昇、表面層の書き込み光透過率が低下し、副作用を生じる場合がある。従って、概ね全固形分に対して、50重量%以下、好ましくは30重量%以下程度である。
また更に、これらのフィラーは少なくとも一種の表面処理剤で表面処理させることが可能であり、そうすることがフィラーの分散性の面から好ましい。フィラーの分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、更には耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。表面処理剤としては、従来用いられている表面処理剤を使用することができるが、フィラーの絶縁性を維持できる表面処理剤が好ましい。
表面処理量については、用いるフィラーの平均一次粒径によって異なるが、フィラー重量に対して3〜30重量%が適しており、5〜20重量%がより好ましい。表面処理量がこれよりも少ないとフィラーの分散効果が得られず、また多すぎると残留電位の著しい上昇を引き起こす。これらフィラー材料は単独もしくは2種類以上混合して用いられる。
<その他添加剤の説明>
更に、本発明の塗工液は必要に応じて各種可塑剤(応力緩和や接着性向上の目的)、レベリング剤、ラジカル反応性を有しない低分子電荷輸送物質などの添加剤が含有できる。これらの添加剤は公知のものが使用可能であり、可塑剤としてはジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂に使用されているものが利用可能で、その使用量は塗工液の総固形分100重量部に対し20重量部以下、好ましくは10重量部以下に抑えられる。また、レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが利用でき、その使用量は塗工液の総固形分に対し3重量部以下が適当である。
<膜作製方法について>
本発明の表面層は、少なくとも電荷輸送性構造を有しない前記一般式(1)で示されるラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(好ましくは1官能)とを含有する塗工液を、後述する感光層上に塗布、硬化することにより形成される。塗布に用いられる塗工液はラジカル重合性モノマーが液体である場合、これに他の成分を溶解して塗布することも可能であるが、必要に応じて溶媒により希釈して塗布される。ここで用いられる溶剤としては、通常用いられるものであれば特に限定されない。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテルなどのエーテル系、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン系、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテートなどのセロソルブ系などが挙げられる。これらの溶媒は単独または2種以上を混合して用いてもよい。
表面層形成の際に用いる塗工方法としては、一般に用いられている塗工方法であれば特に限定されない。塗工液の粘性、所望とする表面層の膜厚などによって適宜塗工方法を選択するとよい。例えば、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などが例示される。
本発明においては、かかる塗工液を塗布後、外部からエネルギーを与えることにより、表面層を硬化させる。このとき用いられる外部エネルギーとしては、熱エネルギー、光エネルギー、電離性放射線を用いたエネルギーを用いることが可能であるが、電離性放射線を用いた場合には、そのエネルギー浸入深さ、エネルギー強度のために、電子写真感光体の構成材料の劣化に伴う電子写真特性の低下が懸念されることから、好ましくは熱エネルギー、光エネルギーを用いて硬化すると良い。また、光エネルギーを用いた硬化は製造時に使用する溶剤量低減や架橋に必要なエネルギーの低減、さらには架橋膜の強度増加が期待できるため、より好ましくは光エネルギーを用いると良く、効果的に架橋させるために前記いずれか2つの手段を併用しても良い。
熱エネルギーとしては、空気、窒素などの気体、蒸気、あるいは各種熱媒体、赤外線、電磁波を用いることができ、塗工面側あるいは支持体側から加熱することによって行なわれる。加熱温度は100℃以上、170℃以下が好ましい。100℃未満の場合、反応速度が遅いために生産性が低下するとともに、未反応の材料が膜中に残留する原因となる。一方、170℃より高い温度で処理した場合、架橋による膜の収縮が大きくなり、表面にゆず肌状の欠陥や亀裂が生じたり、隣接層との界面で剥離が生じることがある。また、感光層中の揮発性成分が外部に霧散するなどした場合には、所望の電気特性を得られなくなるなどのことがあるため好ましくない。架橋による収縮が大きい樹脂を使用する際には、100℃未満の低温で予備架橋した後に100℃以上の高温で架橋を完結させる方法も有効である。
光エネルギーとしては、主に超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアークメタルハライドランプ等の光源を利用してもよく、好ましくは使用する電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーや電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(好ましくは1官能)、さらには併用する光重合開始剤の吸収特性を考慮して選定することがよい。使用光源の発光照度としては、一般に365nmの波長を基準として50〜2000mW/cmの照度で露光されるのがよい。また、最大発光波長近傍における照度測定が可能である場合は、上記照度域で露光することがさらに好ましい。照度が小さい場合には硬化に要する時間が多くなるため、生産性の観点から好ましくない。一方、照度が大きい場合には硬化収縮が起こりやすく、表面にゆず肌状の欠陥や亀裂が生じたり、隣接層との界面で剥離が生じることがある。
電離性放射線とは、物質に電離作用を及ぼすことができる放射線であり、アルファ線や電子線に代表される直接電離性放射線や、X線や中性子線に代表される間接電離性照射線が挙げられる。本発明において用いることのできる電離性放射線は一般に用いられるものであれば特に限定されないが、人体への影響を鑑みた場合、好ましくは電子線が良い。電子線照射装置としては、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器等を用いた装置を使用すると良い。電子線の照射量は用いる材料、架橋性表面層の厚みに応じて適宜決定すると良いが、通常100〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーを持つ電子を0.1〜30Mrad程度照射すると好ましい。照射量が0.1Mrad未満の場合、電子線が架橋性表面層内部まで到達することができず、層深部の硬化不良が生じる恐れがあり好ましくない。又、照射量が30Mradを超えると、電子線が後述する電荷輸送層や電荷発生層に到達し、各層の構成材料に影響を及ぼす恐れがあるため好ましくない。
UV照射時または電離性放射線照射時には光源からの生じる熱線などの影響により、感光体表面層の温度が上昇する。感光体表面温度が上昇しすぎると、表面層の硬化収縮が起こりやすいこと、隣接層中に含まれる低分子成分が表面層に移行するために、硬化阻害などが生じたり、電子写真感光体としての電気特性が低下するなど好ましくない。そのためUV照射時の感光体表面温度は100℃以下、好ましくは80℃以下にするとよい。冷却方法としては感光体内部への助冷剤封入、感光体内部の気体や液体による冷却などを使用することができる。
硬化後の表面層に対して、必要に応じて後加熱をしてもよい。例えば、膜中に残留溶媒が多く残留している場合などは、電気的特性の低下や経時劣化の原因となりうるため、後加熱により残留溶媒を揮発させることが好ましい。
表面層の膜厚としては、感光層の保護の観点から1〜15μmが好ましく、より好ましくは3〜10μmがよい。表面層が薄い場合には感光体への当接部材による機械的摩耗や帯電器などによる近接放電などから感光層を保護できなくなるだけでなく、膜形成時にレベリングされにくくなるために、膜表面がゆず肌状になることがある。一方、表面層が厚い場合には感光体全層が厚くなり、電荷の拡散による画像の再現性が低下するため好ましくない。
<接着層について>
表面層/感光層間での接着性不良による層間剥離を防ぐことを目的として、必要に応じて両層間に接着層を設けてもよい。
接着層としては前記ラジカル重合性モノマーを用いてもよいし、非架橋系の高分子化合物を用いてもよい。非架橋系の高分子化合物としてはポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられるがこれに限定されない。また、ラジカル重合性モノマーと非架橋系高分子化合物はいずれを用いる場合についても単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。さらには、十分な接着性が得られるならばラジカル重合性モノマーと非架橋系高分子化合物を併用してもよい。もちろん、本明細書に記載の電荷輸送材料を用いても、併用してもよい。また、接着性を向上することを目的とすれば、適宜添加剤を用いてもよい。
接着層は所定の配合に処方された化合物をテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒に溶解・分散した塗工液を浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成できる。接着層の膜厚は、0.1〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜3μmが最も適当である。
《感光層について》
次に感光層について説明する。前記のとおり、感光層は機能分離型積層構造であってもよいし、単層構造をとってもよい。積層構造の場合には、感光層は一般に電荷発生層と電荷輸送層から形成される。また、単層構造の場合には感光層は電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層である。以下、積層構造の感光層および単層構造の感光層のそれぞれについて述べる。
<電荷発生層について>
電荷発生層は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリアリールアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。バインダー樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部が好ましく、より好ましくは10〜300重量部が適当である。バインダー樹脂の添加は、分散前あるいは分散後どちらでも構わない。
電荷発生層を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。また、後者のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより形成できる。また、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
<電荷輸送層について>
電荷輸送層は、電荷輸送機能を有する層で、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を主成分とする層である。
電荷輸送物質としては、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
バインダー樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。また、バインダー樹脂として、電荷輸送機能を有する高分子電荷輸送物質、例えば、アリールアミン骨格やベンジジン骨格やヒドラゾン骨格やカルバゾール骨格やスチルベン骨格やピラゾリン骨格等を有するポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリシロキサン、アクリル樹脂等の高分子材料やポリシラン骨格を有する高分子材料等を用いることも可能であり、有用である。
電荷輸送物質の量はバインダー樹脂100重量部に対し、20〜300重量部が好ましく、より好ましくは40〜150重量部が適当である。但し、高分子電荷輸送物質を用いる場合は、単独で使用してもよいし、バインダー樹脂と併用してもよい。
ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。これらは単独で使用しても2種以上混合して使用してもよい。
また、必要により可塑剤、レベリング剤を添加することもできる。電荷輸送層に用いられる可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。電荷輸送層に併用できるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。
電荷輸送層の膜厚は解像度・応答性の点から、30μm以下とすることが好ましく、25μm以下がより好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)に異なるが、5μm以上が好ましい。
<感光層が単層の場合>
単層構造の感光層は電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層である。感光層は電荷発生物質および電荷輸送物質およびバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
バインダー樹脂としては先に電荷輸送層で挙げたバインダー樹脂のほかに、電荷発生層で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよい。もちろん、先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。バインダー樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜150重量部である。感光層は、電荷発生物質、バインダー樹脂を電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成できる。
感光層の膜厚は、5〜25μm程度が適当である。
<下引き層について>
本発明の感光体においては、導電性支持体と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Alを陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。
下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
<その他添加剤について>
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、表面層、感光層、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、中間層等の各層に酸化防止剤を添加することができる。
本発明に用いることができる酸化防止剤として、下記のものが挙げられる。
<フェノール系化合物>
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3′−ビス(4′−ヒドロキシ−3′−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類など。
<パラフェニレンジアミン類>
N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジメチル−N,N′−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
<ハイドロキノン類>
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
<有機硫黄化合物類>
ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3′−チオジプロピオネートなど。
<有機燐化合物類>
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
本発明における酸化防止剤の添加量は、添加する層の総重量に対して、好ましくは0.01〜10重量部である。
<導電性支持体について>
導電性支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当なバインダー樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、また、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられるバインダー樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱架橋性樹脂または光架橋性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体とバインダー樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、ポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体として良好に用いることができる。
<保護物質について>
電子写真感光体の低表面エネルギー化によるクリーニング性向上や、電気的・機械的ハザードからの保護を目的として、電子写真感光体の表面に保護物質を塗布してもよい。
保護物質としては電子写真感光体表面に均一に塗布できるものであれば種々の材料を使うことが可能であるが、ワックス、シリコーンオイル、脂肪酸塩のような材料が有効である。脂肪酸塩は電子写真感光体の電気特性の低下を引き起こさずに感光体表面に薄層均一塗布が可能であることから特に有効である。脂肪酸としてはウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペンダデシル酸、ステアリン酸、ヘプタデシル酸、アラキン酸、モンタン酸、オレイン酸、アラキドン酸、カプリル酸、カプリン酸、カプロン酸などが挙げられ、その金属塩としては亜鉛、鉄、銅、マグネシウム、アルミニウム、カルシウムなどの金属との塩が挙げられる。
さらに保護物質としてはステアリン酸亜鉛のようなラメラ結晶紛体を使用すると好適である。ラメラ結晶は両親媒性分子が自己組織化した層状構造を有しており、せん断力が加わると層間にそって結晶が割れて滑りやすい。この作用が低摩擦係数化に効果があるのであるが、放電からの感光体表面保護の観点から見た場合にも、せん断力を受けて均一に感光体表面を覆っていくラメラ結晶の特性は少量の保護物質によって効果的に感光体表面を覆うことができるので保護物質として望ましい。
保護物質の塗布方法については特に限定されないが、例えば、クリーニング部材など感光体に当接する部材にあらかじめ保護物質を塗布させておく方法や、専用の塗布部材をプロセスカートリッジと一体とする方法が挙げられる。専用の塗布部材を設ける場合は長期に亘って安定した量を塗布することができるため好ましい。
《画像形成装置の構成について》
次に図面に基づいて本発明の画像形成装置を詳しく説明する。
本発明の画像形成装置とは、本発明の架橋表面層を有した電子写真感光体を用い、例えば少なくとも感光体に帯電、画像露光、現像の過程を経た後、画像保持体(転写紙)へのトナー画像の転写の各手段よりなり、さらに必要により定着及び感光体表面のクリーニングという手段よりなるものである。
場合により、静電潜像を直接転写体に転写し現像する画像形成装置では、感光体に配した上記手段を必ずしも有するものではない。
図4は、画像形成装置の一例を示す概略図である。感光体を平均的に帯電させる手段として、帯電チャージャ(3)が用いられる。この帯電手段としては、コロトロンデバイス、スコロトロンデバイス、固体放電素子、針電極デバイス、ローラー帯電デバイス、導電性ブラシデバイス等が用いられ、公知の方式が使用可能である。
次に、均一に帯電された感光体(1)上に静電潜像を形成するために画像露光部(5)が用いられる。この光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
次に、感光体(1)上に形成された静電潜像を可視化するために現像ユニット(6)が用いられる。現像方式としては、乾式トナーを用いた一成分現像法、二成分現像法、湿式トナーを用いた湿式現像法がある。感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
次に、感光体上で可視化されたトナー像を転写体(9)上に転写するために転写チャージャ(10)が用いられる。また、転写をより良好に行なうために転写前チャージャ(7)を用いてもよい。これらの転写手段としては、転写チャージャ、バイアスローラーを用いる静電転写方式、粘着転写法、圧力転写法等の機械転写方式、磁気転写方式が利用可能である。静電転写方式としては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、転写体(9)を感光体(1)より分離する手段として分離チャージャ(11)、分離爪(12)が用いられる。その他分離手段としては、静電吸着誘導分離、側端ベルト分離、先端グリップ搬送、曲率分離等が用いられる。分離チャージャ(11)としては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、転写後感光体上に残されたトナーをクリーニングするためにファーブラシ(14)、クリーニングブレード(15)が用いられる。また、クリーニングをより効率的に行なうためにクリーニング前チャージャ(13)を用いてもよい。その他クリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独又は複数の方式を一緒に用いてもよい。
次に、必要に応じて感光体上の潜像を取り除く目的で除電手段が用いられる。除電手段としては除電ランプ(2)、除電チャージャが用いられ、それぞれ前記露光光源、帯電手段が利用できる。
その他、感光体に近接していない原稿読み取り、給紙、定着、排紙等の手段は公知のものが使用できる。
また本発明は、このような画像形成手段に本発明に係る電子写真感光体を用いる画像形成方法及び画像形成装置用プロセスカートリッジに関するものである。
この画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形態でそれら装置内に組み込まれ、着脱自在としたものであってもよい。プロセスカートリッジの一例を図5に示す。
画像形成装置用プロセスカートリッジとは、感光体(101)を内蔵し、他に帯電手段(102)、現像手段(104)、転写手段(106)、クリーニング手段(107)、除電手段(図示せず)の少なくとも一つを具備し、画像形成装置本体に着脱可能とした装置(部品)である。
図5に例示される装置による画像形成方法について示すと、感光体(101)は、矢印方向に回転しながら、帯電手段(102)による帯電、露光手段(103)による露光により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成され、この静電潜像は、現像手段(104)でトナー現像され、該トナー現像は転写手段(106)により、転写体(105)に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の感光体表面は、クリーニング手段(107)によりクリーニングされ、さらに除電手段(図示せず)により除電されて、再び以上の操作を繰り返すものである。
次に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、部及び%は重量基準である。
<実施例1>
《感光体の作製方法》
φ30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布、乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、18μmの電荷輸送層を形成した。
〔下引き層用塗工液〕
・アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
・メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
・酸化チタン 40部
・メチルエチルケトン 50部
〔電荷発生層用塗工液〕
・下記構造式(1)のビスアゾ顔料 2.5部
・ポリビニルブチラール(XYHL、UCC製) 0.5部
・シクロヘキサノン 200部
・メチルエチルケトン 80部
Figure 2007272192
〔電荷輸送層用塗工液〕
・ビスフェノールZポリカーボネート 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成製)
・下記構造式(2)の低分子電荷輸送物質 7部
・テトラヒドロフラン 100部
・1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 1部
(KF50−100CS、信越化学工業製)
Figure 2007272192
ついで、下記組成の表面層塗工液を前記導電性支持体/下引き層/電荷発生層/電荷輸送層からなる積層体上に塗布した後にメタルハライドランプを用いて、照度:500mW/cm、照射時間:20秒の条件で光照射を行なうことで表面層を架橋させ、5.2μmの表面硬化膜を得た。この後、130℃30分の乾燥を行なうことにより、導電性支持体/下引き層/電荷発生層/電荷輸送層/表面層からなる電子写真感光体を得た。
〔表面層用塗工液〕
・電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー 95部
下記式のジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPHA,日本化薬社製)
Figure 2007272192
(a=5,b=1の化合物とa=6、b=0の化合物の重量比1:1の混合物)
・1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 95部
(例示化合物 No.54)
・一般式(2)で示される化合物 6部
(例示化合物 No.2)
・光重合開始剤 10部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュアI−184,チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・テトラヒドロフラン 1200部
<実施例2>
実施例1の表面層用塗工液に用いた電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーを下記のものに変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
・電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー 95部
下記式のカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPCA−120,日本化薬社製)
Figure 2007272192
<実施例3>
実施例1の表面層用塗工液に用いた電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーを下記のものに変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
・電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー 95部
下記〈1〉及び〈2〉を重量比1:1で用いた2種混合モノマー
〈1〉下記式のジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPHA,日本化薬社製)
Figure 2007272192
〈2〉トリメチロールプロパントリアクリレート
(TMPTA,東京化成社製)
Figure 2007272192
<実施例4>
実施例1の表面層用塗工液に用いた電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーを下記のものに変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
・電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー 95部
下記〈1〉及び〈2〉を重量比1:1で用いた2種混合モノマー
〈1〉下記式のカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPCA−120,日本化薬社製)
Figure 2007272192
〈2〉下記式のトリメチロールプロパントリアクリレート
(TMPTA,東京化成社製)
Figure 2007272192
<実施例5〜8>
実施例1〜4で用いた一般式(2)で示される化合物を表1に示した例示化合物4に変更した以外は実施例1〜4と同様にして電子写真感光体を作製した。
・一般式(2)で示される化合物 6部
(例示化合物 No.4)
<実施例9〜12>
実施例1〜4で用いた一般式(2)で示される化合物を表1に示した例示化合物17に変更した以外は実施例1〜4と同様にして電子写真感光体を作製した。
・一般式(2)で示される化合物 6部
(例示化合物 No.17)
<実施例13>
実施例4の電荷輸送層用塗工液と表面層用塗工液を下記のものに変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
〔電荷輸送層用塗工液〕
・ビスフェノールZポリカーボネート 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成製)
・前記構造式(2)の低分子電荷輸送物質 7部
・一般式(2)で示される化合物 0.2部
(例示化合物 No.2)
・テトラヒドロフラン 100部
・1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 1部
(KF50−100CS、信越化学工業製)
〔表面層用塗工液〕
・電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー 95部
下記〈1〉及び〈2〉を重量比1:1で用いた2種混合モノマー
〈1〉カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPCA−120,日本化薬社製)
〈2〉トリメチロールプロパントリアクリレート
(TMPTA,東京化成社製)
・1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 95部
(例示化合物 No.54)
・光重合開始剤 10部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュアI−184,チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・テトラヒドロフラン 1200部
<実施例14>
実施例13で用いた一般式(2)で示される化合物を表1に示した例示化合物4に変更した以外は実施例13と同様にして電子写真感光体を作製した。
・一般式(2)で示される化合物 0.2部
(例示化合物 No.4)
<実施例15>
実施例13で用いた一般式(2)で示される化合物を表1に示した例示化合物17に変更した以外は実施例13と同様にして電子写真感光体を作製した。
・一般式(2)で示される化合物 0.2部
(例示化合物 No.17)
<実施例16>
実施例1の電荷輸送層用塗工液と表面層用塗工液を下記のものに変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
〔電荷輸送層用塗工液〕
・ビスフェノールZポリカーボネート 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成製)
・前記構造式(2)の低分子電荷輸送物質 7部
・一般式(2)で示される化合物 0.2部
(例示化合物 No.2)
・テトラヒドロフラン 100部
・1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 1部
(KF50−100CS、信越化学工業製)
〔表面層用塗工液〕
・電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー 95部
下記〈1〉及び〈2〉を重量比1:1で用いた2種混合モノマー
〈1〉カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPCA−120,日本化薬社製)
〈2〉トリメチロールプロパントリアクリレート
(TMPTA,東京化成社製)
・1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 95部
(例示化合物 No.54)
・一般式(2)で示される化合物 6部
(例示化合物 No.2)
・光重合開始剤 10部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュアI−184,チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・テトラヒドロフラン 1200部
<実施例17>
実施例1の表面層用塗工液に用いた電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を下記のものに変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
・下記構造式の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 95部
Figure 2007272192
<実施例18>
実施例3の表面層塗工液に用いた光重合開始剤を下記熱重合開始剤に変更し、実施例3と同様の手法で表面層を塗布することによって得た導電性支持体/下引き層/電荷発生層/電荷輸送層/表面層からなる積層体を135℃60分の加熱によって表面層を架橋させることによって、電子写真感光体を得た。
・熱重合開始剤 10重量部
1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)
(OTAZO−15、大塚化学社製)
<実施例19>
実施例3で用いた表面層塗工液組成物のうち、光重合開始剤添加せずに作製した表面層塗工液を用いて、実施例3と同様の手法で表面層を塗布することによって得た導電性支持体/下引き層/電荷発生層/電荷輸送層/表面層からなる積層体を、電子線照射装置を用いて加速電圧150keV、照射量5Mradの条件で電子線を照射することで表面層を架橋した。電子線照射後に130℃30分間の加熱を行うことによって、電子写真感光体を得た。
<比較例1>
実施例1の表面層用塗工液を下記のものに変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー 95部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPHA,日本化薬社製)
・1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 95部
(例示化合物 No.54)
・光重合開始剤 10部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュアI−184,チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・テトラヒドロフラン 1200部
<比較例2>
比較例1の表面層用塗工液に用いた電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーを下記のものに変更した以外は比較例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
・電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー 95部
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPCA−120,日本化薬社製)
<比較例3>
比較例1の表面層用塗工液に用いた電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーを下記のものに変更した以外は比較例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
・電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー 95部
下記〈1〉及び〈2〉を重量比1:1で用いた2種混合モノマー
〈1〉ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPHA,日本化薬社製)
〈2〉トリメチロールプロパントリアクリレート
(TMPTA,東京化成社製)
<比較例4>
比較例1の表面層用塗工液に用いた電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーを下記のものに変更した以外は比較例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
・電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー 95部
下記〈1〉及び〈2〉を重量比1:1で用いた2種混合モノマー
〈1〉カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPCA−120,日本化薬社製)
〈2〉トリメチロールプロパントリアクリレート
(TMPTA,東京化成社製)
<比較例5>
比較例1の表面層用塗工液を下記のものに変更した以外は比較例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 95部
(例示化合物 No.54)
・光重合開始剤 5部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュアI−184,チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・テトラヒドロフラン 600部
<比較例6>
比較例1の表面層用塗工液に用いた電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーを下記のものに変更した以外は比較例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー 95部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPHA,日本化薬社製)
・一般式(2)で示される化合物 3部
(例示化合物 No.2)
・光重合開始剤 5部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュアI−184,チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・テトラヒドロフラン 600部
<比較例7>
実施例1の表面層用塗工液に用いた電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーを下記のものに変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
・電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー 95部
下記構造式の2官能アクリレート
(KAYARAD NPGDA,日本化薬社製)
Figure 2007272192
<比較例8>
実施例1の表面層用塗工液に用いた電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物に変えて下記電荷輸送性構造を有する化合物に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
・下記構造式の電荷輸送性構造を有する化合物 95部
Figure 2007272192
前述のとおり作製した実施例1〜19および比較例1〜8の電子写真感光体について、下記試験を実施した。
《表面粗さ測定》
表面粗さ測定は、サーフコム1400D(東京精密製)を用い、表面粗さRz(十点平均粗さ、JIS B0601−1982規格)を評価長さ2.5mm、基準長さ0.5mmに対し測定した。測定箇所は軸方向のドラムの両端から80mmとドラム中央の3点、周方向90度の4通り、合計12点を測定しその平均値をドラムの表面粗さRzとした。前述の方法で作成した感光体について表面粗さを測定した結果を表4に示す。
《実機による通紙ランニング》
実機による通紙ランニングは、電子写真用プロセスカートリッジに前記感光体を装着し、リコー製Imagio MF2200改造機にプロセスカートリッジを装填して試験を行なった。ここで用いた画像形成装置においては、画像露光光源を655nmの半導体レーザーを用い、帯電方式としてはコロナ帯電方式(スコロトロン型)とした。試験方法としては、暗部電位を−800Vに設定した後に連続してトータル10万枚の印刷を行ない、初期画像及び10万枚の画像及び明部電位、暗部電位の測定を行なった。また、初期、5万枚、10万枚印刷後における感光体の膜厚を測定し、初期膜厚からの減少量を摩耗量として比較を行なった。前述の方法で作成した感光体を本試験方法にて評価した結果を表5に示す。
《酸化性ガス曝露試験》
酸化性ガス耐久性の評価方法としては、前記実施例1〜19および比較例1〜8に示した感光体を別に準備し、NOガス濃度50ppm、NOガス濃度15ppmの雰囲気に調整したチャンバー内に4日間静置することでガス曝露を実施した。ガス曝露終了後、前述の画像形成装置を用いて画像濃度50%のハーフトーンを出力し、ガス曝露前後での画像濃度変化を確認した。実施例1〜4、8、12、13、16、18〜19および比較例1〜4の感光体について、本試験方法で評価した結果を表6に示す。
Figure 2007272192
表4の結果から、実施例1〜19の感光体についてはいずれも良好な平滑性を有していた。特に3官能のアクリルモノマーを併用した実施例3〜4、7〜8、11〜16、19については非常に表面性の優れた感光体を得ることができた。また、実施例17〜18の感光体については若干表面性が劣るものの、使用に際しては問題はなかった。
一方、比較例1〜4および6〜7についてはいずれも良好な平滑性を有していた。比較例5の感光体については架橋がうまく行なわれず、結果として試験に供することができなかった。また、比較例8の感光体については表面性がよくなく、欠陥が目視で容易に確認することができた。
Figure 2007272192
表5の結果から明らかなように、実施例1〜17、19の感光体においては実機ラン開始から10万枚終了に至るまで、機内電位に大きな変動は見られず、また摩耗量についても極めて少ないことが示された。実施例18においては若干露光部電位および摩耗量が大きくなる傾向が見られた。原因は定かではないが、本実施例で使用した重合開始剤の影響と考えられるが、十分な耐摩耗性が示されており、電位変動も使用範囲内であった。また、比較例1〜4の感光体についても同様に機内電位の変動は小さく摩耗量も極めて少ないことが示されている。一方、比較例6の感光体については、ランニング初期から明部電位が高く、画像濃度が低い結果となり、実使用には適していない。また、比較例7〜8の感光体については、摩耗量が大きく、高耐久性感光体とは言い難い結果であった。
Figure 2007272192
表6の結果から明らかなように、一般式(2)に記載の化合物を層中に含まない比較例1〜4の感光体については、ガス曝露による画像濃度変化が確認されたのに対して、一般式(2)に記載の化合物を層中に含む感光体についてはガス曝露前後で画像濃度に変化がほとんど見られなかった。
本発明における電子写真感光体の感光層が単層の場合の一例を示す断面図である。 本発明における電子写真感光体の感光層が積層の場合の例を示す断面図である。 本発明における電子写真感光体の感光層が積層の場合の別の例を示す断面図である。 本発明における画像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明におけるプロセスカートリッジの一例を示す図である。
符号の説明
1 感光体
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ
4 イレーサ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャ
8 レジストローラ
9 転写体
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
101 感光体
102 帯電手段
103 露光手段
104 現像手段
105 転写体
106 転写手段
107 クリーニング手段

Claims (14)

  1. 導電性支持体上に、少なくとも感光層、表面層を順に有する電子写真感光体において、該表面層が少なくとも下記一般式(1)で示される電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーと、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を、熱、光、電離性放射線の少なくとも何れかを用いて硬化することにより形成されたものであるとともに、該感光層および/又は該表面層中に下記一般式(2)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 2007272192
    (式中、R11、R12、R13、14、R15、R16は水素又は
    Figure 2007272192
    を示し、R17は単結合、アルキレン基、アルキレンエーテル基、ポリオキシアルキレン基、ヒドロキシル基置換アルキレンエーテル基、(メタ)アクリロイルオキシ基置換アルキレンエーテル基、又はオキシアルキレンカルボニル基、ポリ(オキシアルキレンカルボニル)基を示し、R18は水素又はメチル基を示す。但し、R11〜R16が同時に4つ以上が水素であることはない。)
    Figure 2007272192
    (式中、R、Rは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。但し、R、Rのいずれか1つは置換もしくは無置換の芳香環基である。また、R、Rは互いに結合し、窒素原子を含む置換もしくは無置換の複素環基を形成してもよい。Arは置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。)
  2. 前記表面層に用いる電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーとして、前記一般式(1)で示されるラジカル重合性モノマーと、3官能または4官能のラジカル重合性モノマーとを混合して用いることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の官能基が、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の電子写真感光体。
  4. 前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の電荷輸送構造が、トリアリールアミン構造であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の官能基数が1つであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真感光体。
  6. 前記表面層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、下記一般式(3)又は(4)で示される化合物の一種以上であることを特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体。
    Figure 2007272192
    Figure 2007272192
    〔式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR(Rは水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表わす。)、ハロゲン化カルボニル基若しくはCONR(R及びRは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。)を表わし、Ar、Arは置換もしくは無置換のアリーレン基を表わし、同一であっても異なってもよい。Ar、Arは置換もしくは無置換のアリール基を表わし、同一であっても異なってもよい。Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。Zは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、アルキレンオキシカルボニル基を表わす。m、nは0〜3の整数を表わす。〕
  7. 前記表面層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、下記一般式(5)で示される化合物の一種以上であることを特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体。
    Figure 2007272192
    (式中、o、p、qはそれぞれ0又は1の整数、Raは水素原子、メチル基を表わし、Rb、Rcは水素原子以外の置換基で炭素数1〜6のアルキル基を表わし、複数の場合は異なってもよい。s、tは0〜3の整数を表わす。Zaは単結合、メチレン基、エチレン基、
    Figure 2007272192
    を表わす。)
  8. 前記表面層の硬化手段が加熱又は光エネルギー照射手段であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の電子写真感光体。
  9. 前記表面層の硬化手段が光エネルギー照射手段であることを特徴とする請求項8に記載の電子写真感光体。
  10. 前記表面層の膜厚が1〜15μmであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の電子写真感光体。
  11. 前記感光層が、少なくとも電荷発生層および電荷輸送層を積層した構造であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の電子写真感光体。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載の電子写真感光体を用いて、少なくとも電子写真感光体を帯電させる帯電プロセスと、帯電プロセスによって帯電させられた電子写真感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成プロセスと、潜像形成プロセスによって形成された静電潜像にトナーを付着させる現像プロセスと、現像プロセスによって形成されたトナー像を被転写体に転写させる転写プロセスとを繰り返し行なうことを特徴とする画像形成方法。
  13. 請求項1乃至11のいずれかに記載の電子写真感光体と、電子写真感光体を帯電させる帯電器と、帯電器によって帯電させられた電子写真感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成器と、潜像形成器によって形成された静電潜像にトナーを付着させる現像器と、現像器よって形成されたトナー像を被転写体に転写させる転写器とを有する画像形成装置。
  14. 請求項1乃至11のいずれかに記載の電子写真感光体と、少なくとも電子写真感光体を帯電させる帯電器と、帯電器によって帯電させられた電子写真感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成器と、潜像形成器によって形成された静電潜像にトナーを付着させる現像器と、現像器よって形成されたトナー像を被転写体に転写させる転写器と、転写後に電子写真感光体表面に残留したトナーを電子写真感光体表面から除去するクリーニング器からなる群から選ばれた一つの手段を有するものであって、画像形成装置本体に着脱可能としたことを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
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