JP4249681B2 - 画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Description

本発明は静電複写機、レーザープリンタなどの電子写真プロセスを用いる画像形成装置及びプロセスカートリッジに関するものである。
電子写真プロセスを用いる画像形成装置の感光体としては、それまでのセレン膜を真空蒸着法により作製した無機感光体に比べ、コストが低い、毒性が殆どない、成膜性が容易であるなどの多くのメリットがあるので、いわゆる有機感光体が主流となっている。この有機感光体の中でも、導電性基体上にいわゆる電荷発生層、電荷輸送層を積層した積層タイプが主流となっている。
しかし、有機感光体は、繰り返し使用によって膜削れが発生しやすく、感光層の膜削れが進むと、感光体の帯電電位の低下や光感度の劣化、感光体表面のキズなどによる地汚れ、画像濃度低下あるいは画質劣化が促進される傾向が強いことで耐摩耗性や耐傷性の向上が望まれていた。
さらに、近年では電子写真装置の高速化あるいは装置の小型化に伴う感光体の小径化によって、さらに高速化やフルカラー化、メンテナンスフリーの動きもあって感光体の耐摩耗性向上が必要不可欠なものになってきている。したがって、有機系の電子写真感光体においては、特に高画質化と高耐久化を両立させることが最重要課題として挙げられている。
これに対し、電荷輸送層中に種々の物質を添加することで感光体表面の物性を改善し、画質としての耐久性を向上させることが試みられている。
例えば、特許文献1及び特許文献2には、感光層中にエポキシ化合物と、特定の構造を有するヒンダートアミン化合物又は特定の構造を有するヒンダートフェノール化合物を、含有させることで、繰り返し使用しても帯電電位、残留電位等の電気特性が変化せず、また感度、文字太り、画像ボケ等の画像特性も安定して変化しない耐久性の優れた電子写真感光体を得ることができると開示されている。
また、特許文献3には、感光層の表面層に潤滑剤としてポリ四フッ化エチレン粉体を含有させ、かつ、ジ低級アルキルアミノフェニル基を有し、(C(CP−NRの構造式を有する4,4−ジフェニル−1,1−ジ(P−ジ低級アルキル置換アミノフェニル)−ブタジエンを電荷輸送物質として含有させることで摺擦による表面の摩耗やひっかき傷の発生等に対して耐久性を有し、かつ、画像ボケのない高品位の画像が得られる高耐久性を有する電子写真感光体、クリーニング性が良好で感光体表面層へのトナー付着のない高耐久性を有する電子写真感光体を得ることができると開示されている。
また、特許文献4には、導電性支持体上に少なくとも感光層、フィラーを含有する保護層を順次形成してなる電子写真感光体において、前記感光層に有機硫黄系化合物を含有させ、且つ前記保護層にヒンダードアミン構造とヒンダードフェノール構造の両構造を有する化合物を含有させることで、繰り返し使用しても残留電位上昇、あるいは画像ボケなどの異常画像が発生せず、長期にわたり高画質な画像が安定に得られる高耐久の感光体を得ることができると開示されている。
しかしながら、これらの公知技術のいずれも、感光体の帯電電位の低下や光感度の劣化、感光体表面のキズなどによる地汚れ、画像濃度低下あるいは画質劣化の防止、特に高画質化と高耐久化の両立という点で不充分なものであった。
例えば、特許文献3に記載の方法では、ポリ四フッ化エチレン粉体は低表面エネルギーのポリマーであることから溶媒に不溶であり、分散性も不良であることから、平滑な感光体表面を得ることが困難である。また、分散剤等で分散性を向上させることはできるが、得られた塗膜は、屈折率が小さいことから光散乱が生じ易く、それによる潜像の劣化を生じる問題があり、また画像ボケも発生しやすい。
また、特許文献4に記載の方法では、画質の高耐久化に対する効果は有するものの、本発明に示す高画質化に対応した画像形成装置に使用される感光体に対しては充分なものではなく、特に高温高湿下で画質の低下が激しくなるものであった。
また、感光層の耐摩耗性を改良する技術としては、(1)架橋型電荷輸送層に硬化性バインダーを用いたもの(例えば、特許文献5参照。)、(2)高分子型電荷輸送物質を用いたもの(例えば、特許文献6参照。)、(3)架橋型電荷輸送層に無機フィラーを分散させたもの(例えば、特許文献7参照。)等が挙げられる。これらの技術の内、(1)の硬化性バインダーを用いたものは、電荷輸送物質との相溶性が悪いためや重合開始剤、未反応残基などの不純物により残留電位が上昇し画像濃度低下が発生し易い傾向がある。また、(2)の高分子型電荷輸送物質を用いたものは、ある程度の耐摩耗性向上が可能であるものの、有機感光体に求められている耐久性を十二分に満足させるまでには至っていない。また、高分子型電荷輸送物質は材料の重合、精製が難しく高純度なものが得にくいため材料間の電気的特性が安定しにくい。更に塗工液が高粘度となる等の製造上の問題を起こす場合もある。(3)の無機フィラーを分散させたものは、通常の低分子電荷輸送物質を不活性高分子に分散させた感光体に比べ高い耐摩耗性が発揮されるが、無機フィラー表面に存在する電荷トラップにより残留電位が上昇し、画像濃度低下が発生し易い傾向にある。また、感光体表面の無機フィラーとバインター樹脂の凹凸が大きい場合には、クリーニング不良が発生し、トナーフィルミングや画像流れの原因となることがある。これら(1)、(2)、(3)の技術では、有機感光体に求められる電気的な耐久性、機械的な耐久性、画質上の耐久性も含めた総合的な耐久性を十二分に満足するには至っていない。
さらに、(1)の耐摩耗性と耐傷性を改良するために多官能のアクリレートモノマー硬化物を含有させた感光体も知られている(特許文献8参照)。しかし、この感光体においては、感光層上に設けた保護層にこの多官能のアクリレートモノマー硬化物を含有させる旨の記載があるものの、この保護層においては電荷輸送物質を含有せしめてもよいことが記載されているのみで具体的な記載はなく、しかも、単に架橋型電荷輸送層に低分子の電荷輸送物を含有させた場合には、上記硬化物との相溶性の問題があり、これにより、低分子電荷輸送物質の析出、白濁現象が起こり、露光部電位の上昇により画像濃度が低下するばかりでなく機械強度も低下してしまうことがあった。
さらに、この感光体は、具体的には高分子バインダーを含有した状態でモノマーを反応させるため、3次元網目構造が充分に進行せず、架橋結合密度が希薄となるため飛躍的な耐摩耗性を発揮できるまでには至っていない。
これらに換わる感光層の耐摩耗技術として、炭素−炭素二重結合を有するモノマーと、炭素−炭素二重結合を有する電荷輸送材及びバインダー樹脂からなる塗工液を用いて形成した電荷輸送層を設けることが知られている(例えば、特許文献9参照。)。このバインダー樹脂は電荷発生層と硬化型電荷輸送層の接着性を向上させ、さらに厚膜硬化時の膜の内部応力を緩和させる役割を果たしていると考えられ、炭素−炭素二重結合を有し、上記電荷輸送剤に対して反応性を有するものと、上記二重結合を有せず反応性を有しないものに大別される。この感光体は耐摩耗性と良好な電気的特性を両立しており注目されるが、バインダー樹脂として反応性を有しないものを使用した場合においては、バインダー樹脂と、上記モノマーと電荷輸送剤との反応により生成した硬化物との相溶性が悪く、架橋型電荷輸送層中で相分離が生じ、傷やトナー中の外添剤及び紙粉の固着の原因となることがある。また、上記したように、3次元網目構造が充分に進行せず、架橋結合密度が希薄となるため飛躍的な耐摩耗性を発揮できるまでには至っていない。加えて、この感光体において使用される上記モノマーとして具体的に記載されているものは2官能性のものであり、これらのことから耐摩耗性の点では未だ満足するには至らなかった。また、反応性を有するバインダーを使用した場合においても、硬化物の分子量は増大するものの分子間架橋結合数は少なく、上記電荷輸送物質の結合量と架橋密度との両立は難しく、電気特性及び耐摩耗性も充分とはいえないものであった。
また、同一分子内に二つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を硬化した化合物を含有する感光層も知られている(例えば、特許文献10参照。)。この感光層は架橋結合密度を高められるため高い硬度を有するが、嵩高い正孔輸送性化合物が二つ以上の連鎖重合性官能基を有するため硬化物中に歪みが発生し内部応力が高くなり、架橋表面層が長期間の使用においてクラックや剥がれが発生しやすい場合がある。
さらに、同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物の重合体を含み、且つ感光層の膜厚が5〜15μmの範囲のものを製作することも知られている。(特許文献11参照。)但し、膜厚の限定理由は、耐磨耗性、耐傷性に加えて、繰り返し使用時における帯電電位低下や残留電位の上昇などの感光体静電特性の安定性に関するものであり、画質に関する記述・効果は全く記載されていない。また書き込み光源との組み合わせについても何ら記載されていない。
また、耐摩耗性向上に対して、高耐久性の有機ケイ素系バインダー樹脂含有の感光層乃至表面保護層を設けることが実用化されているが、有機ケイ素系バインダーは吸湿しやすく、画質の低下、特にフィルミングによる画像ボケ、画像流れ等の欠点も生じてしまう。
高画質化と高耐久化の両立させることが困難な課題である理由は、次のように考えられる。
前述したように、高耐摩耗性を実現しようとする試みはこれまで数多くなされており、それによって有機系電子写真感光体の飛躍的な耐摩耗性の向上が実現されてきた。しかし、それに伴い画像ボケ等の異常画像の発生が顕著に見られる問題が顕在化されてきた。しかし、感光体の耐摩耗性の向上に伴い、帯電生成物の除去が困難となり、画像ボケが高耐久化を妨げる大きな問題として挙げられるようになった。
即ち、従来の感光体は、耐摩耗性が低かったことから帯電生成物が感光体表面に堆積しても摩耗によって除去されたことにより、画像ボケは特に大きな問題にはならなかった。画像ボケは、感光体の表面抵抗が低下し、電荷の横移動が生じることによって静電潜像がぼやけてしまうことによるものであり、この表面抵抗の低下は、感光体を帯電する際に発生するオゾンやNOxガス、及びそれらと大気中の水分とによって生成されるイオン種(以降、帯電生成物と称する)が感光体上に付着、堆積されることによって主に引き起こされる。また、耐摩耗性の向上に伴い感光体表面に発生した傷が除去されにくくなるので、傷部分に帯電生成物が堆積すると、より除去されにくくなる。
さらに、帯電生成物の付着とは別に、耐摩耗性が向上するにつれて感光体表面が帯電等のハザードにさらされる時間・回数も飛躍的に増加する。このため感光体表面物質がハザードによりイオン化やさらには結合の切断等により変質してしまうことも生じている。この場合画像ボケには至らずとも局所的な抵抗の低下が生じ、ドットの拡大や階調性の低下をひき起こすことになる。これらの現象は、水分がこれら反応を加速させるのか、抵抗低下の媒体になっているのかは不明であるが、特に高温高湿下で顕著となる。いずれにしてもこのような感光体表面性の画質に対する影響は、高画質が要求されるに伴い大きくなり、摩耗の耐久性と画質の耐久性とを両立させることが大きな課題となる。
一方、前述のとおり、画像ボケの発生は帯電によって発生するオゾンやNOx、及び帯電生成物等が感光体に付着、堆積されることに起因していると考えられることから、画像ボケの発生は帯電によるところが非常に大きく、それらの影響を軽減することは画像ボケの発生を抑制させることにつながる。
電子写真装置における帯電手段としては、感光体に非接触の状態で帯電を付与するコロトロンやスコロトロン等のコロナ帯電、及び感光体に接触して帯電を付与する帯電ローラーや帯電ブラシ等に大きく分類される。コロナ帯電方式は簡易な方式である反面、オゾンやNOxの発生量が非常に多く、それは環境上だけでなく感光体の静電特性及び画像特性に対しても大きな悪影響を及ぼしていた。また、これらのコロナ帯電器を用いた場合には装置の小型化に対しても少なからず弊害をもたらしていた。さらに、高速フルカラー印刷に有効な複数の感光体によって並列処理を行なうタンデム方式の電子写真装置に対しては、複数の帯電器を必要とすることからオゾンやNOxの発生量が著しく増加することにより適用することが難しく、電子写真システムに対する適用範囲が非常に狭いものであった。
一方、帯電ローラーや帯電ブラシ等の接触帯電方式は、これらの帯電部材が感光体に接触していることによって、要求される電位に対しより低い印加電圧で達成することが可能であり、それによってオゾンやNOxの発生量が大幅に軽減される。従って、画像ボケに対しては優位性がある上に、コロナ帯電に比べると帯電の均一性についても優れており、高耐久化及び高画質化に対しては有利な方法であると言える。しかし、これらの帯電部材が感光体に接触していることによって、トナーや異物が帯電部材に付着し、帯電部材が汚染されることによって帯電性が低下したり、帯電部材から汚染物質が再付着することによって感光体表面の汚染が促進されたり、帯電部材の汚染によって感光体の摩耗あるいは偏摩耗が促進されたり、帯電部材によって感光体表面が押さえつけられていることによって感光体表面の異物の除去効率が低下したり、さらに感光体への帯電ローラー跡の残存、あるいは帯電ローラーの変形によって異常画像が発生したりする不具合が生じていた。
これに対し、帯電部材を感光体に対して近接配置させる方法は、接触帯電と同等にオゾンやNOxガスの発生量を削減することが可能となる上、帯電部材と感光体とが画像形成領域において直接接触しないために、接触帯電方式の上記不具合を軽減することが可能であることから、高耐久化及び高画質化に対し特に有効な方法であるように思える。また、この方法は帯電部材が汚染されにくいだけでなく、汚染物質が付着しても除去しやすくなるため、簡単に帯電部材をクリーニングすることができ、それによって帯電部材さらには感光体の高耐久化が実現されることになる。
しかし、帯電部材と感光体とを近接配置させるにはギャップの精度が問題となり、帯電安定性が幾分低下する傾向が見られ、帯電安定性を向上させるためには直流成分に交流成分を重畳させることによって解決できるが、それにより帯電生成物の発生量が増加し、画像ボケが起こりやすくなる不具合が生じる。また、従来の(電荷輸送層に特別な最表層を設けてない)一般的な感光体では、帯電部材が感光体に近接配置されることによって、感光体表面の放電破壊がより発生しやすくなり、それが異常画像として現れ、実際には帯電部材を近接配置させても予想どおりの高耐久化が実現されないことが判った。
感光体の交換や除湿装置を必要としない高耐久化、高画質化を同時に実現し、かつ小型化、省エネルギー化を達成する電子写真装置を実現するためには、感光体の耐摩耗性の向上と同時に、画像ボケの発生を抑制する必要があり、画像ボケを抑制させるためには帯電部材からのオゾンやNOxガスの発生量を抑制するとともに、帯電部材の汚染を抑制することが重要である。そのような帯電手段として帯電部材が感光体に対し近接配置された構成が有効なように思われるが、上記の理由により画像ボケの影響や感光体表面の放電破壊の影響が軽減されるどころか、その影響がむしろ増加しており、高画質化に対し充分な効果が得られていないのが実情である。従って、高寿命で長期に渡り画質の安定性を維持することが可能であり、かつ消費電力の低減や装置の小型化が可能な電子写真装置が熱望される。
特開平10−198053号公報 特開平10−301303号公報 特開平8−160648号公報 特開平2002−139859号公報 特開昭56−48637号公報 特開昭64−1728号公報 特開平4−281461号公報 特許第3262488号公報 特許第3194392号公報 特開2000−66425号公報 特開2001−166501号公報
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、耐摩耗性の向上と同時に画像ボケ等の異常画像の抑制等を実現し、かつ帯電部材の汚染を軽減することによってそれらの効果をさらに高め、高耐久性を有しかつ画質安定性が高い電子写真装置を提供することにある。
上記課題は、本発明の(1)〜()によって解決される。
(1)「少なくとも電子写真感光体表面に近接配置された非接触方式の帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、及び電子写真感光体を具備してなる画像形成装置において、前記電子写真感光体が、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層及び架橋型電荷輸送層を順次積層した感光体であり、該架橋型電荷輸送層が少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化することにより形成される構造のものであることを特徴とする画像形成装置」;
(2)「前記架橋型電荷輸送層の膜厚が1μm以上、10μm以下であることを特徴とする前記第(1)項に記載の画像形成装置」;
(3)「前記架橋型電荷輸送層の膜厚が2μm以上、8μm以下であることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の画像形成装置」;
(4)「前記架橋型電荷輸送層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーおよび1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物のラジカル重合官能基が、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の画像形成装置」;
(5)「前記帯電手段として、帯電ローラーを用いることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の画像形成装置」;
(6)「前記帯電ローラーに対し、直流成分にさらに交流成分を重畳した電圧を印可することによって、電子写真感光体に帯電を与えることを特徴とする前記第(5)項に記載の画像形成装置」;
(7)「前記帯電ローラーと前記電子写真感光体表面との画像形成領域における空隙が、100μm以下であることを特徴とする前記第(5)項又は第(6)項に記載の画像形成装置」;
(8)「前記電子写真感光体と、少なくとも感光体表面に近接配置された非接触方式の帯電手段、帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段から選ばれる1つの手段とが一体となり、装置本体と着脱自在なカートリッジを搭載していることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載の画像形成装置」;
(9)「電子写真感光体と、少なくとも感光体表面に近接配置された非接触方式の帯電手段、帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段から選ばれる1つの手段とが一体となり、画像形成装置本体と着脱自在なカートリッジであって、該電子写真感光体が、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層及び架橋型電荷輸送層が順次積層され、該架橋型電荷輸送層が少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化することにより形成される構造のものであることを特徴とするプロセスカートリッジ」。
以下の発明の詳細かつ具体的な開示から、本発明に依れば、オゾンやNOxガスの発生量が低減されるとともに、画像ボケもなく、極めて高耐久かつ異常画像のない電子写真装置を提供できることがわかる。
具体的に述べると、電子写真感光体として電荷発生層、電荷輸送層、架橋型電荷輸送層を積層した感光体における架橋型電荷輸送層として、平滑かつ耐摩耗性の高い表面層を得ることが可能となり、筋状傷や偏摩耗が原因と見られる、画像上の筋状汚れが発生を抑制できることがわかる。
さらに、クラックや膜剥がれが発生せず、且つ耐摩耗性、耐傷性が高く、合わせて良好な電気特性を有する、高耐久、高性能な感光体が得られ、したがって、この感光体を用いることにより良好な画像を長期にわたり提供できる高性能で且つ信頼性の高い画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジが提供できる。
さらに、少ないとはいえ帯電部材より発生するオゾンやNOxガスによる影響と帯電生成物の感光体への付着、堆積による影響による画像ボケに対し、高温高湿化を含めてそれらの影響を同時に軽減することが可能となった。従って、ドラムヒータ等の除湿装置を必要とせずに画像ボケの影響を抑制することが可能となったことから、電子写真装置の小型化や消費電力の低減に対しても有効である。
本発明に係る電子写真感光体の部分について図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の電子写真感光体を表わす断面図であり、導電性支持体(31)上に、電荷発生機能を有する電荷発生層(35)と、電荷輸送物機能を有する電荷輸送層(37)とさらに架橋型電荷輸送層(39)が積層された積層構造の感光体である。
<導電性支持体について>
導電性支持体(31)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体(31)として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体(31)として用いることができる。
この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、また、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、ポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の電子写真感光体の導電性支持体(31)として良好に用いることができる。
<感光層について>
(電荷発生層)
電荷発生層(35)は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層(35)に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。また、電荷発生層のバインダー樹脂として上述のバインダー樹脂の他に、電荷輸送機能を有する高分子電荷輸送物質、例えば、アリールアミン骨格やベンジジン骨格やヒドラゾン骨格やカルバゾール骨格やスチルベン骨格やピラゾリン骨格等を有するポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリシロキサン、アクリル樹脂等の高分子材料やポリシラン骨格を有する高分子材料等を用いることができる。
前者の具体的な例としては、特開平01−001728号公報、特開平01−009964号公報、特開平01−013061号公報、特開平01−019049号公報、特開平01−241559号公報、特開平04−011627号公報、特開平04−175337号公報、特開平04−183719号公報、特開平04−225014号公報、特開平04−230767号公報、特開平04−320420号公報、特開平05−232727号公報、特開平05−310904号公報、特開平06−234836号公報、特開平06−234837号公報、特開平06−234838号公報、特開平06−234839号公報、特開平06−234840号公報、特開平06−234841号公報、特開平06−239049号公報、特開平06−236050号公報、特開平06−236051号公報、特開平06−295077号公報、特開平07−056374号公報、特開平08−176293号公報、特開平08−208820号公報、特開平08−211640号公報、特開平08−253568号公報、特開平08−269183号公報、特開平09−062019号公報、特開平09−043883号公報、特開平09−71642号公報、特開平09−87376号公報、特開平09−104746号公報、特開平09−110974号公報、特開平09−110976号公報、特開平09−157378号公報、特開平09−221544号公報、特開平09−227669号公報、特開平09−235367号公報、特開平09−241369号公報、特開平09−268226号公報、特開平09−272735号公報、特開平09−302084号公報、特開平09−302085号公報、特開平09−328539号公報等に記載の電荷輸送性高分子材料が挙げられる。
また、後者の具体例としては、例えば特開昭63−285552号公報、特開平05−19497号公報、特開平05−70595号公報、特開平10−73944号公報等に記載のポリシリレン重合体が例示される。
また、電荷発生層(35)には低分子電荷輸送物質を含有させることができる。
電荷発生層(35)に併用できる低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
正孔輸送物質としては、以下に表わされる電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。正孔輸送物質としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層(35)を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが主に挙げられる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
また、後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。また、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
(電荷輸送層について)
電荷輸送層(37)は電荷輸送機能を有する層で、電荷輸送機能を有する電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層(35)上に塗布、乾燥することにより形成させる。
電荷輸送物質としては、前記電荷発生層(35)で記載した電子輸送物質、正孔輸送物質及び高分子電荷輸送物質を用いることができる。前述したように高分子電荷輸送物質を用いることにより、架橋型電荷輸送層塗工時の下層の溶解性を低減でき、とりわけ有用である。
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。但し、高分子電荷輸送物質を用いる場合は、単独でも結着樹脂との併用も可能である。
電荷輸送層の塗工に用いられる溶媒としては前記電荷発生層と同様なものが使用できるが、電荷輸送物質及び結着樹脂を良好に溶解するものが適している。これらの溶剤は単独で使用しても2種以上混合して使用してもよい。また、電荷輸送層(37)の形成には電荷発生層(35)と同様な塗工法が可能である。
また、必要により可塑剤、レベリング剤を添加することもできる。
電荷輸送層に併用できる可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
電荷輸送層に併用できるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。
本発明において電荷輸送層の膜厚は、架橋型電荷輸送層5〜40μm程度が適当であり、好ましくは10〜30μm程度が適当である。このようにして形成された電荷輸送層上に、前述の架橋型電荷輸送層塗工液を塗布し、必要に応じて乾燥後、熱や光照射の外部エネルギーにより硬化反応を開始させ、架橋型電荷輸送層が形成される。
<架橋型電荷輸送層(39)について>
架橋型電荷輸送層(39)は電荷輸送機能を有する架橋構造を有する層で、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷輸送層(37)上に塗布、乾燥することにより形成させる。
本発明の架橋型電荷輸送層(39)塗布液の構成材料について説明する。
本発明に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しておらず、且つラジカル重合性官能基を3個以上有するモノマーを指す。このラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であれば何れでもよい。これらラジカル重合性官能基としては、例えば、下記に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基等が挙げられる。
(1)1−置換エチレン官能基としては、例えば以下の式で表わされる官能基が挙げられる。
Figure 0004249681
ただし、式中、Xは、置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、−CON(R10)−基(R10は、水素、メチル基、エチル基等のアルキル基、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を表わす。)、または−S−基を表わす。
これらの置換基を具体的に例示すると、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基等が挙げられる。
(2)1,1−置換エチレン官能基としては、例えば以下の式で表わされる官能基が挙げられる。
Figure 0004249681
(ただし、式中、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基あるいはエトキシ基等のアルコキシ基、−COOR11基(R11は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル、フェネチル基等のアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基)、または−CONR1213(R12およびR13は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、あるいはフェネチル基等のアラルキル基、または置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表わし、互いに同一または異なっていてもよい。)、また、Xは上記式10のXと同一の置換基及び単結合、アルキレン基を表わす。ただし、Y,Xの少なくとも何れか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、及び芳香族環である。)
これらの置換基を具体的に例示すると、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基等が挙げられる。
なお、これらX、Yについての置換基にさらに置換される置換基としては、例えばハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
これらのラジカル重合性官能基の中では、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用であり、3個以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物は、例えば水酸基がその分子中に3個以上ある化合物とアクリル酸(塩)、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステルを用い、エステル反応あるいはエステル交換反応させることにより得ることができる。また、3個以上のメタクリロイルオキシ基を有する化合物も同様にして得ることができる。また、ラジカル重合性官能基を3個以上有する単量体中のラジカル重合性官能基は、同一でも異なってもよい。
電荷輸送性構造を有しない3官能以上の具体的なラジカル重合性モノマーとしては、以下のものが例示されるが、これらの化合物に限定されるものではない。
すなわち、本発明において使用する上記ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシ変性(以後EO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシ変性(以後PO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンカプロラクトン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、グリセロールエピクロロヒドリン変性(以後ECH変性)トリアクリレート、グリセロールEO変性トリアクリレート、グリセロールPO変性トリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、リン酸EO変性トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられ、これらは単独又は2種類以上を併用しても差し支えない。
また、本発明に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとしては、架橋型電荷輸送層中に緻密な架橋結合を形成するために、該モノマー中の官能基数に対する分子量の割合(分子量/官能基数)は250以下が望ましい。また、この割合が250より大きい場合、架橋型電荷輸送層は柔らかく耐摩耗性が幾分低下するため、上記例示したモノマー等中、EO、PO、カプロラクトン等の変性基を有するモノマーにおいては、極端に長い変性基を有するものを単独で使用することは好ましくはない。また、架橋型電荷輸送層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーの成分割合は、架橋型電荷輸送層全量に対し20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%である。モノマー成分が20重量%未満では架橋型電荷輸送層の3次元架橋結合密度が少なく、従来の熱可塑性バインダー樹脂を用いた場合に比べ飛躍的な耐摩耗性向上が達成されない。また、80重量%以上では電荷輸送性化合物の含有量が低下し、電気的特性の劣化が生じる。使用されるプロセスによって要求される電気特性や耐摩耗性が異なり、それに伴い本感光体の架橋型電荷輸送層の膜厚も異なるため一概には言えないが、両特性のバランスを考慮すると30〜70重量%の範囲が最も好ましい。
本発明の架橋型電荷輸送層(39)に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しており、且つ1個のラジカル重合性官能基を有する化合物を指す。このラジカル重合性官能基としては、先のラジカル重合性モノマーで示したものが挙げられ、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用である。また、電荷輸送性構造としてはトリアリールアミン構造が効果が高く、中でも下記一般式(1)又は(2)の構造で示される化合物を用いた場合、感度、残留電位等の電気的特性が良好に持続される。
Figure 0004249681
Figure 0004249681
(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR(Rは水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基)、ハロゲン化カルボニル基若しくはCONR(R及びRは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい)を表わし、Ar、Arは置換もしくは未置換のアリーレン基を表わし、同一であっても異なってもよい。Ar、Arは置換もしくは未置換のアリール基を表わし、同一であっても異なってもよい。Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。Zは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基、アルキレンオキシカルボニル2価基を表わす。m、nは0〜3の整数を表わす。)
以下に、一般式(1)、(2)の具体例を示す。
前記一般式(1)、(2)において、Rの置換基中、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等がそれぞれ挙げられ、これらは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等により置換されていてもよい。
の置換基のうち、特に好ましいものは水素原子、メチル基である。
置換もしくは未置換のAr、Arはアリール基であり、アリール基としては縮合多環式炭化水素基、非縮合環式炭化水素基及び複素環基が挙げられる。
該縮合多環式炭化水素基としては、好ましくは環を形成する炭素数が18個以下のもの、例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、及びナフタセニル基等が挙げられる。
該非縮合環式炭化水素基としては、ベンゼン、ジフェニルエーテル、ポリエチレンジフェニルエーテル、ジフェニルチオエーテル及びジフェニルスルホン等の単環式炭化水素化合物の1価基、あるいはビフェニル、ポリフェニル、ジフェニルアルカン、ジフェニルアルケン、ジフェニルアルキン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン、1,1−ジフェニルシクロアルカン、ポリフェニルアルカン、及びポリフェニルアルケン等の非縮合多環式炭化水素化合物の1価基、あるいは9,9−ジフェニルフルオレン等の環集合炭化水素化合物の1価基が挙げられる。
該複素環基としては、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、及びチアジアゾール等の1価基が挙げられる。
また、前記Ar、Arで表わされるアリール基は例えば以下に示すような置換基を有してもよい。
(1)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等。
(2)アルキル基、好ましくは、C〜C12とりわけC〜C、さらに好ましくはC〜Cの直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜Cのアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR)であり、Rは(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基であり、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C〜Cのアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
(5)アルキルメルカプト基またはアリールメルカプト基であり、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)
Figure 0004249681
(式中、R及びRは各々独立に水素原子、前記(2)で定義したアルキル基、またはアリール基を表わす。アリール基としては、例えばフェニル基、ビフェニル基又はナフチル基が挙げられ、これらはC〜Cのアルコキシ基、C〜Cのアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。R及びRは共同で環を形成してもよい)
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
(7)メチレンジオキシ基、又はメチレンジチオ基等のアルキレンジオキシ基又はアルキレンジチオ基等が挙げられる。
(8)置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等。
前記Ar、Arで表わされるアリーレン基としては、前記Ar、Arで表わされるアリール基から誘導される2価基である。
前記Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。
置換もしくは無置換のアルキレン基としては、C〜C12、好ましくはC〜C、さらに好ましくはC〜Cの直鎖または分岐鎖のアルキレン基であり、これらのアルキレン基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜Cのアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C〜Cのアルキル基もしくはC〜Cのアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチレン基、エチレン基、n−ブチレン基、i−プロピレン基、t−ブチレン基、s−ブチレン基、n−プロピレン基、トリフルオロメチレン基、2−ヒドロキエチレン基、2−エトキシエチレン基、2−シアノエチレン基、2−メトキシエチレン基、ベンジリデン基、フェニルエチレン基、4−クロロフェニルエチレン基、4−メチルフェニルエチレン基、4−ビフェニルエチレン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のシクロアルキレン基としては、C〜Cの環状アルキレン基であり、これらの環状アルキレン基にはフッ素原子、水酸基、C〜Cのアルキル基、C〜Cのアルコキシ基を有していてもよい。具体的にはシクロヘキシリデン基、シクロへキシレン基、3,3−ジメチルシクロヘキシリデン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコールを表わし、アルキレンエーテル基アルキレン基はヒドロキシル基、メチル基、エチル基等の置換基を有してもよい。
ビニレン基は、
Figure 0004249681
または
Figure 0004249681
で表わされ、
は水素、アルキル基(前記(2)で定義されるアルキル基と同じ)、アリール基(前記Ar、Arで表わされるアリール基と同じ)、aは1または2、bは1〜3を表わす。
前記Zは置換もしくは未置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基、アルキレンオキシカルボニル2価基を表わす。
置換もしくは未置換のアルキレン基としは、前記Xのアルキレン基と同様なものが挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基としては、前記Xのアルキレンエーテル基の2価基が挙げられる。
アルキレンオキシカルボニル2価基としては、カプロラクトン変性2価基が挙げられる。
また、本発明の1官能の電荷輸送構造を有するラジカル重合性化合物として更に好ましくは、下記一般式(3)の構造の化合物が挙げられる。
Figure 0004249681
(式中、o、p、qはそれぞれ0又は1の整数、Raは水素原子、メチル基を表わし、Rb、Rcは水素原子以外の置換基で炭素数1〜6のアルキル基を表わし、複数の場合は異なってもよい。s、tは0〜3の整数を表わす。Zaは単結合、メチレン基、エチレン基、
Figure 0004249681
Figure 0004249681
または、
Figure 0004249681
を表わす。)
上記一般式で表わされる化合物としては、Rb、Rcの置換基として、特にメチル基、エチル基である化合物が好ましい。
本発明で用いる上記一般式(1)及び(2)特に(3)の1官能性の電荷輸送構造を有するラジカル重合性化合物は、炭素−炭素間の二重結合が両側に開放されて重合するため、末端構造とはならず、連鎖重合体中に組み込まれ、3官能以上のラジカル重合性モノマーとの重合で架橋形成された重合体中では、高分子の主鎖中に存在し、かつ主鎖−主鎖間の架橋鎖中に存在(この架橋鎖には1つの高分子と他の高分子間の分子間架橋鎖と、1つの高分子内で折り畳まれた状態の主鎖のある部位と主鎖中でこれから離れた位置に重合したモノマー由来の他の部位とが架橋される分子内架橋鎖とがある)するが、主鎖中に存在する場合であってもまた架橋鎖中に存在する場合であっても、鎖部分から懸下するトリアリールアミン構造は、窒素原子から放射状方向に配置する少なくとも3つのアリール基を有し、バルキーであるが、鎖部分に直接結合しておらず鎖部分からカルボニル基等を介して懸下しているため立体的位置取りに融通性ある状態で固定されているので、これらトリアリールアミン構造は重合体中で相互に程よく隣接する空間配置が可能であるため、分子内の構造的歪みが少なく、また、電子写真感光体の表面層とされた場合に、電荷輸送経路の断絶を比較的免れた分子内構造を採りうるものと推測される。
本発明の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の具体例を以下に示すが、これらの構造の化合物に限定されるものではない。
Figure 0004249681
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また、本発明に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物は、架橋型電荷輸送層の電荷輸送性能を付与するために重要で、この成分は架橋型電荷輸送層に対し20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%である。この成分が20重量%未満では架橋型電荷輸送層の電荷輸送性能が充分に保てず、繰り返しの使用で感度低下、残留電位上昇などの電気特性の劣化が現れる。また、80重量%以上では電荷輸送構造を有しない3官能モノマーの含有量が低下し、架橋結合密度の低下を招き高い耐摩耗性が発揮されない。使用されるプロセスによって要求される電気特性や耐摩耗性が異なり、それに伴い本感光体の架橋型電荷輸送層の膜厚も異なるため一概には言えないが、両特性のバランスを考慮すると30〜70重量%の範囲が最も好ましい。
本発明の架橋型電荷輸送層は、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化したものであるが、これ以外に塗工時の粘度調整、架橋型電荷輸送層の応力緩和、低表面エネルギー化や摩擦係数低減などの機能付与の目的で1官能及び2官能のラジカル重合性モノマー及びラジカル重合性オリゴマーを併用することができる。これらのラジカル重合性モノマー、オリゴマーとしては、公知のものが利用できる。
1官能のラジカルモノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソブチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールアクリレート、セチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ステアリルアクリレート、スチレンモノマーなどが挙げられる。
2官能のラジカル重合性モノマーとしては、例えば、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ビスフェノールA−EO変性ジアクリレート、ビスフェノールF−EO変性ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどが挙げられる。
機能性モノマーとしては、例えば、オクタフルオロペンチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、2−パーフルオロイソノニルエチルアクリレートなどのフッ素原子を置換したもの、特公平5−60503号公報、特公平6−45770号公報記載のシロキサン繰り返し単位:20〜70のアクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、メタクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、アクリロイルポリジメチルシロキサンプロピル、アクリロイルポリジメチルシロキサンブチル、ジアクリロイルポリジメチルシロキサンジエチルなどのポリシロキサン基を有するビニルモノマー、アクリレート及びメタクリレートが挙げられる。
ラジカル重合性オリゴマーとしては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系オリゴマーが挙げられる。但し、1官能及び2官能のラジカル重合性モノマーやラジカル重合性オリゴマーを多量に含有させると架橋型電荷輸送層の3次元架橋結合密度が実質的に低下し、耐摩耗性の低下を招く。このためこれらのモノマーやオリゴマーの含有量は、3官能以上のラジカル重合性モノマー100重量部に対し50重量部以下、好ましくは30重量部以下に制限される。
また、本発明の架橋型電荷輸送層は少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化したものであるが、必要に応じてこの硬化反応を効率よく進行させるために架橋型電荷輸送層塗布液中に重合開始剤を含有させてもよい。
熱重合開始剤としては、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルベルオキサイド、t−ブチルヒドロベルオキサイド、クメンヒドロベルオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシ)プロパンなどの過酸化物系開始剤、アゾビスイソブチルニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸などのアゾ系開始剤が挙げられる。
光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、などのアセトフェノン系またはケタール系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、などのベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン、などのベンゾフェノン系光重合開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、などのチオキサントン系光重合開始剤、その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物、が挙げられる。また、光重合促進効果を有するものを単独または上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、などが挙げられる。
これらの重合開始剤は1種又は2種以上を混合して用いてもよい。重合開始剤の含有量は、ラジカル重合性を有する総含有物100重量部に対し、0.5〜40重量部、好ましくは1〜20重量部である。
さらに、本発明の架橋型電荷輸送層塗工液は必要に応じて各種可塑剤(応力緩和や接着性向上の目的)、レベリング剤、ラジカル反応性を有しない低分子電荷輸送物質などの添加剤が含有できる。これらの添加剤は公知のものが使用可能であり、可塑剤としてはジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂に使用されているものが利用可能で、その使用量は塗工液の総固形分に対し20重量%以下、好ましくは10%以下に抑えられる。また、レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが利用でき、その使用量は塗工液の総固形分に対し3重量%以下が適当である。
本発明の架橋型電荷輸送層は、少なくとも上記の電荷輸送構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を含有する塗工液を後に記載の電荷輸送層上に塗布、硬化することにより形成される。かかる塗工液はラジカル重合性モノマーが液体である場合、これに他の成分を溶解して塗布することも可能であるが、必要に応じて溶媒により希釈して塗布される。このとき用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテルなどのエーテル系、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン系、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテートなどのセロソルブ系などが挙げられる。これらの溶媒は単独または2種以上を混合して用いてもよい。溶媒による希釈率は組成物の溶解性、塗工法、目的とする膜厚により変わり、任意である。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行なうことができる。
本発明においては、かかる架橋型電荷輸送層塗工液を塗布後、外部からエネルギーを与え硬化させ、架橋型電荷輸送層を形成するものであるが、このとき用いられる外部エネルギーとしては熱、光、放射線がある。熱のエネルギーを加える方法としては、空気、窒素などの気体、蒸気、あるいは各種熱媒体、赤外線、電磁波を用い塗工表面側あるいは支持体側から加熱することによって行なわれる。加熱温度は100℃以上、170℃以下が好ましく、100℃未満では反応速度が遅く、完全に硬化反応が終了しない。170℃より高温では硬化反応が不均一に進行し架橋型電荷輸送層中に大きな歪みや多数の未反応残基、反応停止末端が発生する。硬化反応を均一に進めるために、100℃未満の比較的低温で加熱後、更に100℃以上に加温し反応を完結させる方法も有効である。光のエネルギーとしては主に紫外光に発光波長をもつ高圧水銀灯やメタルハライドランプなどのUV照射光源が利用できるが、ラジカル重合性含有物や光重合開始剤の吸収波長に合わせ可視光光源の選択も可能である。照射光量は50mW/cm以上、1000mW/cm以下が好ましく、50mW/cm未満では硬化反応に時間を要する。1000mW/cmより強いと反応の進行が不均一となり、架橋型電荷輸送層表面に局部的な皺が発生したり、多数の未反応残基、反応停止末端が生ずる。また、急激な架橋により内部応力が大きくなり、クラックや膜剥がれの原因となる。放射線のエネルギーとしては電子線を用いるものが挙げられる。これらのエネルギーの中で、反応速度制御の容易さ、装置の簡便さから熱及び光のエネルギーを用いたものが有用である。
本発明の架橋型電荷輸送層の膜厚は、請求項に示すように1μm以上、10μm以下、さらには2μm以上、8μm以下である好ましい。10μmより厚い場合、前述のようにクラックや膜剥がれが発生しやすくなり、8μm以下ではその余裕度がさらに向上するため架橋密度を高くすることが可能で、さらに耐摩耗性を高める材料選択や硬化条件の設定が可能となる。一方、ラジカル重合反応は酸素阻害を受けやすく、すなわち大気に接した表面では酸素によるラジカルトラップの影響で架橋が進まなかったり、不均一になりやすい。この影響が顕著に現れるのは表層1μm以下で、この膜厚以下の架橋型電荷輸送層は耐摩耗性の低下や不均一な摩耗が起こりやすい。また、架橋型電荷輸送層塗工時において下層の電荷輸送層成分の混入が生ずる。架橋型電荷輸送層の塗布膜厚が薄いと層全体に混入物が拡がり、硬化反応の阻害や架橋密度の低下をもたらす。これらの理由から、本発明の架橋型電荷輸送層は1μm以上の膜厚で良好な耐摩耗性、耐傷性を有するが、繰り返しの使用において局部的に下層の電荷輸送層まで削れた部分ができるとその部分の摩耗が増加し、帯電性や感度変動から中間調画像の濃度むらが発生しやすい。従って、耐摩耗性を維持するという観点を含め、より長寿命、高画質化のためには架橋型電荷輸送層の膜厚を2μm以上にすることが望ましい。
架橋型電荷輸送層塗工液の組成物としては、前述した電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマー及び1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物以外に、ラジカル重合性官能基を有しないバインダー樹脂、酸化防止剤、可塑剤等の添加剤を多量に含有させると、架橋密度の低下、反応により生じた硬化物と上記添加物との相分離が生じ、有機溶剤に対し可溶性となる。具体的には塗工液の総固形分に対し上記総含有量を20重量%以下に抑えることが重要である。また、架橋密度を希薄にさせないために、1官能または2官能のラジカル重合性モノマー、反応性オリゴマー、反応性ポリマーにおいても、総含有量を3官能ラジカル重合性モノマーに対し20重量%以下とすることが望ましい。さらに、2官能以上の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を多量に含有させると、嵩高い構造体が複数の結合により架橋構造中に固定されるため歪みを生じやすく、微小な硬化物の集合体となりやすい。このことが原因で有機溶剤に対し可溶性となることがある。化合物構造によって異なるが、2官能以上の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の含有量は1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物に対し10重量%以下にすることが好ましい。更に電荷発生層、電荷輸送層、架橋型電荷輸送層を順次積層した構成において、最表面の架橋型電荷輸送層が有機溶剤に対し不溶性であることが、耐摩耗性、耐傷性が達成させることから好ましい。本発明の構成において、架橋型電荷輸送層を有機溶剤に対し不溶性にするには、(1)架橋型電荷輸送層塗工液の組成物、それらの含有割合の調整、(2)架橋型電荷輸送層塗工液の希釈溶媒、固形分濃度の調整、(3)架橋型電荷輸送層の塗工方法の選択、(4)架橋型電荷輸送層の硬化条件の制御、(5)下層の電荷輸送層の難溶解性化など、これらをコントロールすることが重要であるが、一つの因子で達成される訳ではない。
架橋型電荷輸送層塗工液の希釈溶媒に関しては、蒸発速度の遅い溶剤を用いた場合、残留する溶媒が硬化の妨げとなったり、下層成分の混入量を増加させることがあり、不均一硬化や硬化密度低下をもたらす。このため有機溶剤に対し、可溶性となりやすい。具体的には、テトラヒドロフラン、テトラヒドロフランとメタノール混合溶媒、酢酸エチル、メチルエチルケトン、エチルセロソルブなどが有用であるが、塗工法と合わせて選択される。また、固形分濃度に関しては、同様な理由で低すぎる場合、有機溶剤に対し可溶性となりやすい。逆に膜厚、塗工液粘度の制限から上限濃度の制約をうける。具体的には、10〜50重量%の範囲で用いることが望ましい。架橋型電荷輸送層の塗工方法としては、同様な理由で塗工膜形成時の溶媒含有量、溶媒との接触時間を少なくする方法が好ましく、具体的にはスプレーコート法、塗工液量を規制したリングコート法が好ましい。また、下層成分の混入量を抑えるためには、電荷輸送層として高分子電荷輸送物質を用いること、架橋型電荷輸送層の塗工溶媒に対し不溶性の中間層を設けることも有効である。
架橋型電荷輸送層の硬化条件としては、加熱または光照射のエネルギーが低いと硬化が完全に終了せず、有機溶剤に対し溶解性があがる。逆に非常に高いエネルギーにより硬化させた場合、硬化反応が不均一となり未架橋部やラジカル停止部の増加や微小な硬化物の集合体となりやすい。このため有機溶剤に対し溶解性となることがある。有機溶剤に対し不溶性化するには、熱硬化の条件としては100〜170℃、10分〜3時間が好ましく、UV光照射による硬化条件としては50〜1000mW/cm、5秒〜5分で且つ温度上昇を50℃以下に制御し、不均一な硬化反応を抑えることが望ましい。
本発明の構成において架橋型電荷輸送層を有機溶剤に対し不溶性にする手法について例示すると、例えば、塗工液として、3つのアクリロイルオキシ基を有するアクリレートモノマーと、一つのアクリロイルオキシ基を有するトリアリールアミン化合物を使用する場合、これらの使用割合は7:3から3:7であり、また、重合開始剤をこれらアクリレート化合物全量に対し3〜20重量%添加し、さらに溶媒を加えて塗工液を調製する。例えば、架橋型電荷輸送層の下層となる電荷輸送層において、電荷輸送物質としてトリアリールアミン系ドナー、及びバインダー樹脂として、ポリカーボネートを使用し、表面層をスプレー塗工により形成する場合、上記塗工液の溶媒としては、テトラヒドロフラン、2−ブタノン、酢酸エチル等が好ましく、その使用割合は、アクリレート化合物全量に対し3倍量〜10倍量である。
次いで、例えば、アルミシリンダー等の支持体上に、下引き層、電荷発生層、上記電荷輸送層を順次積層した感光体上に、上記調製した塗工液をスプレー等により塗布する。その後、自然乾燥又は比較的低温で短時間乾燥し(25〜80℃、1〜10分間)、UV照射あるいは加熱して硬化させる。
UV照射の場合、メタルハライドランプ等を用いるが、照度は50mW/cm以上、1000mW/cm以下が好ましく、例えば500mW/cmのUV光を照射する場合、例えば硬化に際し、複数のランプからドラム周方向を均一30秒程度照射すればよい。このときドラム温度は50℃を越えないように制御する。
熱硬化の場合、加熱温度は100〜170℃が好ましく、例えば加熱手段として送風型オーブンを用い、加熱温度を150℃に設定した場合、加熱時間は20分〜3時間である。
硬化終了後は、さらに残留溶媒低減のため100〜150℃で10分〜30分加熱して、本発明の電子写真感光体を得る。
本発明の感光体の最表面層の形成においては、3官能以上のラジカル重合性モノマーを用いるものであり、これにより3次元の網目構造が発達し、架橋度が非常に高い高硬度表面層が得られ、高い耐摩耗性が達成される。これに対し、1官能及び2官能のラジカル重合性モノマーのみを用いた場合は、架橋表面層中の架橋結合が希薄となり飛躍的な耐摩耗性向上が達成されない。架橋表面層に高分子材料が含有されている場合、3次元網目構造の発達が阻害され架橋度の低下が起こり、本発明に比べ充分な耐摩耗性が得られない。更に、含有される高分子材料とラジカル重合性組成物(ラジカル重合性モノマーや電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物)の反応より生じた硬化物との相溶性が悪く、相分離から局部的な摩耗が生じ、表面の傷となって現れる。また、本発明の最表面相の形成においては、上記3官能性ラジカル重合性モノマーに加え、さらに1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を含有しており、これが上記3官能以上のラジカル重合性モノマー硬化時に架橋結合中に取り込まれる。これに対し、官能基を有しない低分子電荷輸送物質を架橋表面層中に含有させた場合、その相溶性の低さから低分子電荷輸送物質の析出や白濁現象が起こり、架橋表面層の機械的強度も低下する。一方、2官能以上の電荷輸送性化合物を主成分として用いた場合は複数の結合で架橋構造中に固定されるが、電荷輸送性構造が非常に嵩高いため硬化樹脂中に歪みが発生し架橋表面層の内部応力が高くなり、キャリア付着等でクラックや傷の発生が頻発する。
さらに、本発明の感光体は良好な電気的特性を有し、このため長期間にわたり高画質化が実現される。これは1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を用い、架橋結合間にペンダント状に固定化したことに起因する。上記のように官能基を有しない電荷輸送物質は析出、白濁現象が起こり、感度の低下、残留電位の上昇等繰り返し使用における劣化が著しい。2官能以上の電荷輸送性化合物を主成分として用いた場合は複数の結合で架橋構造中に固定されるため、電荷輸送時の中間体構造(カチオンラジカル)が安定して保てず、電荷のトラップによる感度の低下、残留電位の上昇が起こる。これらの電気的特性の劣化は、画像濃度低下、文字の細り等の画像として現れる。
表面層塗工液に含有される組成物においては、2官能以上の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物、あるいはバインダー樹脂を含有させることも感光体表面の平滑性、電気特性、あるいは耐久性を損なわない範囲であれば可能である。しかし、2官能以上の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を含有すると、電荷輸送性構造の嵩高さから硬化反応時に内部応力が発生し表面に凹凸が発生しやすくなる。また、塗工液にバインダー樹脂などの高分子材料を含有させると、ラジカル重合性組成物(ラジカル重合性モノマー及び電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物)の硬化反応より生成した高分子との相溶性の悪さから相分離が生じ、架橋層表面の凹凸が激しくなる。したがって、2官能以上の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物、あるいはバインダー樹脂は使用しない方が好ましい。
さらには、架橋型とすることで前述のように耐摩耗性が極めて良好なものにあることと併せ、電荷輸送層自体のガラス転移温度が上昇し、熱(昇温時)による機械物性の変化が極めて小さくなっていること、表面物性自体も変化が小さくなっていることが考えられる。また一般には、ガラス転移温度が上がることにより樹脂の機械的強度の向上は発現されてくるが、高すぎるガラス転移点は、電子写真プロセスの感光体の表面層に必要とされる靭性が低下し、脆性が高くなり、耐摩耗性の低下や、クリーニングブレードとの間でキズの発生を引き起こしたりしてしまい、寿命を縮めてしまうことがあるが、本発明にしめす架橋型の電荷輸送層は、前述したように硬度の上昇させる一方、弾性率を低下させるものではなく、逆に弾性率や靭性は増加することがわかっており、この点からも極めて優れた表面層であることがわかっている。
請求項に示すように、感光体表面に近接配置された非接触方式の帯電手段との組合せにおいて良好な特性を示す理由については、上述のように架橋構造を有することで緻密な膜構造を持っていることで、熱の影響を受けにくくなっていることおよび帯電のハザードに対して少々のハザードによっても影響を受けにくいこと、架橋構造を構成するモノマーを特定のものを用いることで硬化樹脂中での内部応力が小さく、特定の部位に帯電の影響を受けた場合に置いても周囲に広がることがないこと、また平滑なかつ耐傷性の高い表面性を得ることが可能であり、帯電によって発生したいわゆる帯電生成物や汚染物質が付着した場合においても、傷等に入ることなくまたクリーニングブレード等で容易に除去することが可能となる等が考えられる。
<中間層について>
本発明の感光体においては、電荷輸送層と架橋型電荷輸送層の間に、架橋型電荷輸送層への電荷輸送層成分混入を抑える又は両層間の接着性を改善する目的で中間層を設けることが可能である。このため、中間層としては架橋型電荷輸送層塗工液に対し不溶性または難溶性であるものが適しており、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく一般に用いられる塗工法が採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
<下引き層について>
本発明の感光体においては、導電性支持体(31)と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Alを陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
<各層への酸化防止剤の添加について>
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、架橋型電荷輸送層、電荷輸送層、電荷発生層、下引き層、中間層等の各層に酸化防止剤を添加することができる。
本発明に用いることができる酸化防止剤として、下記のものが挙げられる。
(フェノール系化合物)
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、トコフェロール類などが挙げられる。
(パラフェニレンジアミン類)
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
(ハイドロキノン類)
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなどが挙げられる。
(有機硫黄化合物類)
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなどが挙げられる。
(有機燐化合物類)
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなどが挙げられる。
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
本発明における酸化防止剤の添加量は、添加する層の総重量に対して0.01〜10重量%である。
次に図面を用いて本発明の電子写真方法ならびに電子写真装置を詳しく説明する。
本発明における電子写真装置は、電子写真感光体に少なくとも帯電、露光、現像等の過程を経て感光体上にトナー画像を形成した後、画像保持体(転写紙)へのトナー画像の転写、定着及び感光体表面のクリーニングという過程を繰り返すことによって画像形成を行なうことが可能な電子写真装置において、電子写真感光体の表面層が架橋型電荷輸送層からなり、該架橋型電荷輸送層が少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化することにより形成されたものであり、かつ感光体に対し帯電部材が近接配置されてなることを特徴とする電子写真装置である。上記プロセスは、電子写真装置における画像形成プロセスの一例であって、場合によっては、上記プロセスを必ずしも有するものではなく、また別な手段を付与することも可能である。
図2は、本発明の電子写真装置を説明するための概略図である。感光体(1)は本発明の感光体が用いられている。感光体(1)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。
帯電部材(3)は、主として帯電ローラーデバイスが用いられ、かつ感光体と帯電部材とが画像形成領域において非接触となるように近接配置されてなる。感光体に対し帯電部材が近接配置させる方法としては、感光体の非画像形成領域にギャップを設ける必要があるが、それは例えば、ギャップ材を帯電部材に設けたり、感光体側に設けたり、あるいは感光体の両端にセットされるフランジ部に設けることによって形成することが可能であり、本発明においては感光体と帯電部材とが近接配置されていれば如何なる方法でも可能である。
図3に帯電部材にギャップ材を設けた一例を図示した。このようにギャップ材を使用する場合、ギャップ材は絶縁性である必要があり、耐摩耗性の高い材料が有効に用いられる。ギャップ材はテープ状、シール状もしくはチューブ状等、如何なる形態のものでも使用できる。ギャップの厚さは、10〜200μmが好ましく、20〜100μmがより好ましく、さらに好ましくは40〜80μmである。ギャップがこれよりも小さい場合には、帯電部材と感光体の接触が多くなり、近接配置させたメリットが得られず画質劣化の影響が増加し、ギャップがこれよりも大きい場合には帯電の安定性が低下し帯電ムラが発生する場合があり、また要求される帯電レベルを維持させるための印可電圧を増加させる必要が生じ、それによって帯電生成物の発生量の更なる増加により画像ボケの影響が増大する恐れがある。
また、帯電部材には直流成分に交流成分を重畳して感光体に帯電を付与することが可能である。交流成分を重畳することによって、帯電ムラを低減することが可能となり、それによって画像濃度ムラやコントラストの低下を抑制することが可能となり有用である。
次に、均一に帯電された感光体上に静電潜像を形成するために画像露光部(5)が用いられる。この光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
次に、感光体上に形成された静電潜像を可視化するために現像ユニット(6)が用いられる。現像方式としては、乾式トナーを用いた一成分現像法、二成分現像法、湿式トナーを用いた湿式現像法がある。感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
次に、感光体上で可視化されたトナー像を転写体上に転写するために転写チャージャ(10)が用いられる。また、転写をより良好に行なうために転写前チャージャ(7)を用いてもよい。これらの転写手段としては、転写チャージャ、バイアスローラーを用いる静電転写方式、粘着転写法、圧力転写法等の機械転写方式、磁気転写方式が利用可能である。静電転写方式としては、帯電手段も利用可能である。
次に、転写体を感光体より分離する手段として分離チャージャ(11)、分離爪(12)が用いられる。その他分離手段としては、静電吸着誘導分離、側端ベルト分離、先端グリップ搬送、曲率分離、等が用いられる。分離チャージャとしては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、転写後感光体上に残されたトナーをクリーニングするためにファーブラシ(14)、クリーニングブレード(15)が用いられる。また、クリーニングをより効率的に行なうためにクリーニング前チャージャ(13)を用いてもよい。その他クリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独でまた複数の方式を併用してもよい。
次に、必要に応じて感光体上の潜像を取り除く目的で除電手段が用いられる。除電手段としては除電ランプ(2)、除電チャージャが用いられ、それぞれ前記露光光源、帯電手段が利用できる。
その他、感光体に近接していない原稿読み取り、給紙、定着、排紙等のプロセスは公知のものが使用できる。
以上の図示した電子写真プロセスは、本発明における実施形態を例示するものであって、もちろん他の実施形態も可能である。例えば、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、およびその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行なうこともできる。
この画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形態でそれら装置内に組み込まれ、着脱自在としたものであってもよい。
図4は、電子写真装置用プロセスカートリッジの1例を示す概略図である。図中(101)の感光ドラムの最表面層は本発明による少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化することにより形成された架橋型電荷輸送層からなる。電子写真装置用プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段の少なくとも一つを一体化し、着脱可能とした装置(部品)である。本発明は、前記感光体の最表面層が少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化することにより形成された架橋型電荷輸送層からなり、かつ前記感光体に対し帯電部材が近接配置されてなることを特徴とする電子写真装置用プロセスカートリッジを含む電子写真装置を提供するものである。
〔1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の合成例〕
本発明における1官能の電荷輸送性構造を有する化合物は、例えば特許第3164426号公報記載の方法にて合成される。また、下記にこの一例を示す。
[1]ヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(下記構造式B)の合成
メトキシ基置換トリアリールアミン化合物(下記構造式A)113.85g(0.3mol)と、ヨウ化ナトリウム138g(0.92mol)にスルホラン240mlを加え、窒素気流中で60℃に加温した。この液中にトリメチルクロロシラン99g(0.91mol)を1時間かけて滴下し、約60℃の温度で4時間半撹拌し反応を終了させた。この反応液にトルエン約1.5Lを加え室温まで冷却し、水と炭酸ナトリウム水溶液で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン:酢酸エチル=20:1)にて精製した。得られた淡黄色オイルにシクロヘキサンを加え、結晶を析出させた。この様にして下記構造式Bの白色結晶88.1g(収率=80.4%)を得た。
融点:64.0〜66.0℃
Figure 0004249681
Figure 0004249681
Figure 0004249681
[2]トリアリールアミノ基置換アクリレート化合物(表1中の例示化合物No.54)
上記[1]で得られたヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(構造式B)82.9g(0.227mol)をテトラヒドロフラン400mlに溶解し、窒素気流中で水酸化ナトリウム水溶液(NaOH:12.4g、水:100ml)を滴下した。この溶液を5℃に冷却し、アクリル酸クロライド25.2g(0.272mol)を40分かけて滴下した。その後、5℃で3時間撹拌し反応を終了させた。この反応液を水に注ぎ、トルエンにて抽出した。この抽出液を炭酸水素ナトリウム水溶液と水で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン)にて精製した。得られた無色のオイルにn−ヘキサンを加え、結晶を析出させた。この様にして例示化合物No.54の白色結晶80.73g(収率=84.8%)を得た。
融点:117.5〜119.0℃
Figure 0004249681
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中において使用する「部」は、すべて重量部を表わす。
<実施例1>
〔下引層〕
φ30mm×340mmのアルミニウムシリンダー上にポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ製)の5%メタノール溶液を浸漬法で塗布し、0.3μm厚の下引層を設けた。なお、アルミニウムシリンダーには、モアレが発生しないような切削処理を施した。
〔電荷発生層〕
次に、CuKαのX線回折における回折角2θ±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°及び27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン顔料を10部、ポリカーボネートZ樹脂(重量平均分子量28,000)10部及びシクロヘキサン60部を1φガラスビーズを用いたサンドミル装置で20時間分散した。この分散液にメチルエチケトン100部を加えた溶液を、上記下引層上に塗布し、乾燥することによって電荷発生層を形成した。膜厚は0.12μmであった。
〔電荷輸送層〕
次に下記式、
Figure 0004249681
で示されるトリアリールアミン化合物7部と、
Figure 0004249681
で示されるスチリル化合物3部をポリカーボネートZ樹脂(重量平均分子量80,000)10部及びモノクロルベンゼン60部に溶解した。この溶液を上記電荷発生層上に塗布し、乾燥することによって電荷輸送層を形成した。乾燥後の膜厚は20μmであった。
〔架橋型電荷輸送層〕
さらにこの電荷輸送層上に下記組成の架橋型電荷輸送層用塗工液をスプレー塗工し、20分自然乾燥した後、メタルハライドランプ:160W/cm、照射距離:120mm、照射強度:500mW/cm、照射時間:60秒の条件で光照射を行ない塗布膜を硬化させた。更に130℃で20分乾燥を加え5.3μmの架橋型電荷輸送層用を設け、本発明の電子写真感光体を得た。
(架橋型電荷輸送層用塗工液)
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 10部
(例示化合物No.54)
光重合開始剤 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン 100部
<実施例2>
実施例1の架橋型電荷輸送層の膜厚を1.3μmにした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
<実施例3>
実施例1の架橋型電荷輸送層の膜厚を7.7μmにした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
<実施例4>
実施例1の架橋型電荷輸送層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のモノマーに換え、1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を例示化合物No.138、10部に換え、架橋型電荷輸送層の膜厚を5.4μmにした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート
(SR−295,化薬サートマー製)
分子量:352、官能基数:4官能、分子量/官能基数=88
<実施例5>
実施例4の架橋型電荷輸送層の膜厚を1.4μmにした以外は実施例4と同様に電子写真感光体を作製した。
<実施例6>
実施例4の架橋型電荷輸送層の膜厚を7.7μmにした以外は実施例4と同様に電子写真感光体を作製した。
<実施例7>
実施例1の架橋型電荷輸送層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のモノマーに換え、光重合開始剤を下記の化合物1部に換え、架橋型電荷輸送層の膜厚を5.0μmにした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPCA−60、日本化薬製)
分子量:1263、官能基数:6官能、分子量/官能基数=211
光重合開始剤 1部
2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン
(イルガキュア651、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
<実施例8>
実施例7の架橋型電荷輸送層の膜厚を9.6μmにした以外は実施例7と同様に電子写真感光体を作製した。
<実施例9>
実施例7の架橋型電荷輸送層の膜厚を1.9μmにした以外は実施例7と同様に電子写真感光体を作製した。
<実施例10>
実施例7の架橋型電荷輸送層の膜厚を2.4μmにした以外は実施例7と同様に電子写真感光体を作製した。
<比較例1>
実施例1において、架橋型電荷輸送層を設けず、電荷輸送層の膜厚を25μmとした以外は実施例1と同様にして比較例1の電子写真感光体を作製した。
<比較例2>
実施例1において、電荷輸送層上に、架橋型電荷輸送層を設けず、下記構造式
Figure 0004249681
で示されるアクリル系硬化性モノマー25部、2−メチルチオキサントン2.0部及びトルエン300部を混合した溶液をスプレー塗布し、乾燥後、高圧水銀灯にて800mW/cmの光強度で20秒間紫外線照射することによって膜厚2.0μmの保護層を形成した以外は実施例1と同様にして比較例2の電子写真感光体を作製した。
<比較例3>
実施例1において電荷輸送層まで作製、この電荷輸送層上に下記組成の接着層用塗布液を塗布して100℃、30分の加熱処理を行い、膜厚0.3μmの接着層を形成した。
〔接着層用塗工液〕
シリルアクリレート(PC−7A:信越化学工業社製) 6部
2−ブタノン 200部
さらにこの接着層上に下記のようにして保護層を設けた。
〈保護層〉
この上にメチルシロキサン単位80モル%、メチル−フェニルシロキサン単位20モル%からなるポリシロキサンのメタノール溶液にモレキュラーシーブ4Aを添加し、15時間静置し脱水処理した。この溶液10部をトルエン10部に溶解し、これにメチルトリメトキシシラン1部、ジブチル錫アセテート0.2部を加え均一な溶液にした。この溶液を乾燥膜厚3μmの保護層として塗布して、120℃、1時間の加熱硬化を行い、比較例3の電子写真感光体を作製した。
<比較例4>
実施例1の架橋型電荷輸送層用塗工液に含有される1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を下記構造式の2官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物10部に換えた以外は実施例1と同様に比較例4の電子写真感光体を作製した。
2官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 10部
Figure 0004249681
以上のようにして作製された実施例の電子写真感光体1〜10及び比較の電子写真感光体1〜4を、電子写真プロセス用カートリッジ(ただし、クリーニング前露光はなし)に装着し、帯電手段を改造したリコー製imagioMF2730改造機を用い、画像評価を行った。帯電手段の改造としては帯電ローラーの両端部(非画像形成領域)には50μm厚のPETテープを巻き付け固定し、感光体に対し帯電部材を近接配置させた。また、帯電ローラーにはAC(1.35kHz、1.8kV(peak to peak))+DC(−850V)を印加した。
画像評価は、連続してトータル6万枚の印刷を行い、6万枚印刷後において25℃50%RH環境下及び30℃90%RH環境下にて画像評価を行った。また、初期及び連続10万枚印刷後における膜厚差より摩耗量の評価を行った。これらの結果を表4に示す。なお、画像のレベルは下記に示す記号によって分類した。
◎:画質低下が認められず良好なレベル
○:画質低下が認められるが問題のないレベル
△:明らかに画質低下が確認できるレベル
×:画質低下が顕著で画像判別が困難なレベル
摩耗量は、渦電流方式膜厚計(フィッシャースコープ mms 膜厚測定装置)にて、初期及び連続10万枚印刷後の膜厚を測定し、その膜厚差より求めた。
Figure 0004249681
*架橋型電荷輸送層形成時におてクラックやまく剥がれが発生したため、評価できず。
本発明で用いられる感光体の一例を示す断面図である。 本発明の電子写真プロセスを用いる画像形成装置の説明図である。 本発明の近接配置された非接触方式の帯電手段の一例を示す概略図である。 本発明によるプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。
符号の説明
1 感光体
2 除電ランプ
3 帯電ローラ(帯電手段)
5 画像露光部(露光手段)
6 現像ユニット(現像手段)
7 転写前チャージャ
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャ(転写手段)
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
31 導電性支持体
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
39 架橋型電荷輸送層
101 感光ドラム
102 帯電装置(帯電手段)
103 露光(露光手段)
104 現像装置(現像手段)
105 転写体
106 転写装置
107 クリーニングブレード


Claims (9)

  1. 少なくとも電子写真感光体表面に近接配置された非接触方式の帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、及び電子写真感光体を具備してなる画像形成装置において、前記電子写真感光体が、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層及び架橋型電荷輸送層を順次積層した感光体であり、該架橋型電荷輸送層が少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化することにより形成される構造のものであることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記架橋型電荷輸送層の膜厚が1μm以上、10μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記架橋型電荷輸送層の膜厚が2μm以上、8μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記架橋型電荷輸送層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーおよび1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物のラジカル重合官能基が、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記帯電手段として、帯電ローラーを用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記帯電ローラーに対し、直流成分にさらに交流成分を重畳した電圧を印可することによって、電子写真感光体に帯電を与えることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記帯電ローラーと前記電子写真感光体表面との画像形成領域における空隙が、100μm以下であることを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成装置。
  8. 前記電子写真感光体と、少なくとも感光体表面に近接配置された非接触方式の帯電手段、帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段から選ばれる1つの手段とが一体となり、装置本体と着脱自在なカートリッジを搭載していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 電子写真感光体と、少なくとも感光体表面に近接配置された非接触方式の帯電手段、帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段から選ばれる1つの手段とが一体となり、画像形成装置本体と着脱自在なカートリッジであって、該電子写真感光体が、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層及び架橋型電荷輸送層が順次積層され、該架橋型電荷輸送層が少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化することにより形成される構造のものであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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