JP2001166501A - 電子写真感光体、電子写真装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、電子写真装置及びプロセスカートリッジ

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JP2001166501A
JP2001166501A JP35319799A JP35319799A JP2001166501A JP 2001166501 A JP2001166501 A JP 2001166501A JP 35319799 A JP35319799 A JP 35319799A JP 35319799 A JP35319799 A JP 35319799A JP 2001166501 A JP2001166501 A JP 2001166501A
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aryl group
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JP35319799A
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Akio Maruyama
晶夫 丸山
Hironori Uematsu
弘規 植松
Norihiro Kikuchi
憲裕 菊地
Shoji Amamiya
昇司 雨宮
Michiyo Sekiya
道代 関谷
Hiroyuki Tanaka
博幸 田中
Kazunari Nakamura
一成 中村
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐磨耗性、耐傷性、かつ耐析出性が良好な電子
写真感光体であって、且つ、繰り返し使用時における残
留電位の上昇などの感光体特性の変化や劣化が非常に少
なく、繰り返し使用時にも安定した性能を発揮すること
ができる電子写真感光体を提供する。 【解決手段】導電性支持体上に感光層を有する電子写真
感光体において、該電子写真感光体の感光層が、同一分
子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性
化合物の重合体を含み、且つ感光層の膜厚が5〜15μ
mの範囲のものを製作する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体、
該電子写真感光体を備えた電子写真装置及びプロセスカ
ートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体に、セレン、硫化
カドミウム、酸化亜鉛等の無機光導電性物質が広く用い
られていた。一方、有機光導電性物質を用いた電子写真
感光体としてはポリ−N−ビニルカリバゾールに代表さ
れる光導電性ポリマーや2,5−ビス(p−ジエチルア
ミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールのよう
な低分子の有機光導電性物質を用いたもの、更には、か
かる有機光導電性物質と各種染料や顔料を組み合わせた
もの等が知られている。
【0003】有機光導電性物質を用いた電子写真感光体
は成膜性がよく、塗工によって生産できるため、極めて
生産性が高く安価な電子写真感光体を提供できる利点を
有している。また、使用する染料や顔料等の選択によ
り、感光波長域を自在にコントロールできる等の利点を
有し、これまで幅広い検討がなされてきた。特に最近で
は、有機光導電性染料や顔料を含有した電荷発生層と光
導電性ポリマーや低分子の有機光導電性物質を含有した
電荷輸送層を積層した機能分離型感光体の開発により、
従来の有機電子写真感光体の欠点とされていた感度や耐
久性に著しい改善がなされてきており、これが有機電子
写真感光体の主流となってきている。一方、当然のこと
ながら電子写真感光体には適用される電子写真プロセス
に応じた感度、電気的特性、さらには光学的特性を備え
ていることが要求される。特に繰り返し使用される感光
体にあっては、その感光体表面には帯電、画像露光、ト
ナー現像、紙への転写、クリーニング処理といった電気
的、機械的外力が直接加えられるため、それらに対する
耐久性が要求される。具体的には、摺擦による表面の磨
耗や傷の発生に対する耐久性、帯電による表面劣化、例
えば、転写効率や滑り性の低下、さらには感度低下、電
位低下などの電気特性の劣化に対する耐久性も要求され
る。一般に感光体の表面は薄い樹脂層であり、樹脂の特
性が非常に重要である。上述の諸条件をある程度満足す
る樹脂として近年アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂
などが実用化されているが、前述したような特性のすべ
てがこれらの樹脂で満足されるわけではなく、特に感光
体の高耐久化を図る上では該樹脂の被膜硬度は十分高い
とは言い難い。これらの樹脂を表面層形成用の樹脂とし
て用いた場合でも繰り返し使用時において表面層の磨耗
が起こり、さらに傷が発生するという問題点があった。
さらに、近年の有機電子写真感光体の高感度化に対する
要求から電荷輸送物質などの低分子量化合物が比較的大
量に添加される場合が多いが、この場合それら低分子量
物質の可塑剤的な作用により膜強度が著しく低下し、一
層繰り返し使用時の表面層の磨耗や傷発生が問題となっ
ている。また電子写真感光体を長期にわたって保存する
際に前述の低分子量成分が析出してしまい、層分離する
といった問題も発生している。これらの問題点を解決す
る手段として、硬化性の樹脂を電荷輸送層用の樹脂とし
て用いる試みが、例えば特開平2−127652号公報
などに開示されている。このように、電荷輸送層用の樹
脂に硬化性の樹脂を用い電荷輸送層を硬化、架橋するこ
とによって機械的強度が増し、繰り返し使用時の耐削れ
性及び耐傷性は大きく向上する。しかしながら硬化性樹
脂を用いても、低分子量成分はあくまでも結着樹脂中に
おいて可塑剤として作用するので、先に述べたような析
出や層分離の問題は根本的な解決にはなっていない。ま
た有機電荷輸送物質と結着樹脂とで構成される電荷輸送
層においては電荷輸送能の樹脂に対する依存度が大き
く、例えば、硬度が十分に高い硬化性樹脂では、電荷輸
送能が十分ではなく繰り返し使用時に残留電位の上昇が
見られるなど、両者を満足させるまでには至っていな
い。また、特開平05−216249号公報、特開平0
7−72640号公報などにおいては、電荷移動層に炭
素−炭素二重結合を有するモノマーを含有させ、電荷移
動材の炭素−炭素二重結合と熱あるいは光のエネルギー
によって反応させて電荷移動層硬化膜を形成した電子写
真感光体が開示されているが、電荷輸送材はポリマー主
骨格にペンダント状に固定化されているだけであり、先
の可塑的な作用を十分に排除出来ないため機械的強度が
十分ではない。また、電荷輸送能の向上のために電荷輸
送材の濃度を高くすると、架橋密度が低くなり十分な機
械的強度を確保することが出来ない。さらには重合時に
必要とされる開始剤類の電子写真特性への影響も懸念さ
れる。また別の解決手段として、例えば、特開平08−
248649号公報などにおいて、熱可塑性高分子主鎖
中に電荷輸送能を有する基を導入し電荷輸送層を形成さ
せた電子写真感光体が開示されている。これは従来の分
子分散型の電荷輸送層と比較して析出や層分離に対して
は効果があり、機械的強度も向上するが、あくまでも熱
可塑性樹脂であり、その機械的強度には限界があり、樹
脂の溶解性などを含めたハンドリングや生産性の面で十
分であるとは言い難い。以上述べたことを背景にして、
本発明者らは、高い機械的強度と電荷輸送能の両立を達
成するための検討を重ねた。その結果、同一分子内に2
つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物の
重合体を含有する感光層から成る感光体によって機械的
強度と電荷輸送能の両立がほぼ達成されるを確認した。
しかしながら、上記同一分子内に2つ以上の連鎖重合性
官能基を有する正孔輸送性化合物の重合体を含有する感
光層から成る感光体においても、ある使用環境、すなわ
ち15℃以下、湿度15%以下の低温低湿環境において
は繰り返し使用において残留電位が上昇し、さらには露
光部の電位が変動し画像濃度が安定しないという現象が
見られた。上記現象は低温低湿環境にのみ発現する現象
であったが、電子写真装置においていかなる環境におい
ても良好な画像を安定して供給できるようにするために
は、ぜひ解決する必要がある問題であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、従来
の樹脂を表面層として使用した電子写真感光体の有する
問題点を解決し、膜強度を高くすることによって耐磨耗
性および耐傷性を向上させ、かつ耐析出性が良好な電子
写真感光体を提供することにあり、且つ、いかなる使用
環境においても繰り返し使用時における残留電位の上昇
などの感光体特性の変化や劣化が非常に少なく、繰り返
し使用時にも安定した性能を発揮することができる電子
写真感光体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、導電性支持体上に感光層を有する電子写
真感光体において該電子写真感光体の感光層が、同一分
子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性
化合物の重合体を含み、且つ感光層の膜厚が5〜15μ
mの範囲である電子写真感光体が前述の課題を解決する
ものであることを見いだした。従って、本発明は、上記
電子写真感光体、および該電子写真感光体を有するプロ
セスカートリッジおよび電子写真装置である。
【0006】次に本発明の電子写真感光体の構成を詳細
に説明する。本発明の感光体は感光層に同一分子内に2
つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物の
重合体を含有する。まず、本発明における正孔輸送性化
合物の連鎖重合性官能基について説明する。本発明にお
ける連鎖重合とは、高分子化合物の生成反応を大きく連
鎖重合と逐次重合に分けた場合の前者の重合反応形態を
示し、詳しくは、例えば、技報堂出版三羽忠広著の「基
礎 合成樹脂の化学(新版)」1995年7月25日
(1版8刷)p24に説明されているように、その形態
が主にラジカルあるいはイオンをなどの中間体を経由し
て反応が進行する不飽和重合、開環重合そして異性化重
合などのことをいう。前記式(1)における連鎖重合性
官能基P1 及びP2 とは、前述の反応形態が可能な官能
基を意味するが、ここではその大半を占め応用範囲の広
い不飽和重合あるいは開環重合性官能基の具体例を示
す。不飽和重合とは、ラジカル、イオンなどによって不
飽和基、例えばC=C、C≡C、C=O、C=N、C≡
Nなどが重合する反応であるが、主にはC=Cである。
不飽和重合性官能基の具体例を表1に示すがこれらに限
定されるものではない。
【0007】
【表1】
【0008】表中、Rは置換基を有してもよいメチル
基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル
基、置換基を有してもよいベンジル基、フェネチル基、
ナフチルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のア
ラルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、ナフチ
ル基及びアンスリル基等のアリール基または水素原子を
示す。
【0009】開環重合とは、炭素環、オクソ環、窒素ヘ
テロ環などのひずみを有した不安定な環状構造が触媒の
作用で活性化し、開環すると同時に重合を繰り返し鎖状
高分子物を生成する反応であるが、この場合基本的には
イオンが活性種として作用するものが大部分である。該
開環重合性官能基の具体例を表2に示すが、これらに限
定されるものではない。
【0010】
【表2】
【0011】表中、Rは置換基を有してもよいメチル
基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル
基、置換基を有してもよいベンジル基、フェネチル基、
ナフチルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のア
ラルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、ナフチ
ル基及びアンスリル基等のアリール基または水素原子を
示す。
【0012】上記で説明したような本発明に係わる連鎖
重合性官能基の中でも、下記の一般式(11)[化2
3]〜(13)[化25]で示されるものが好ましい。
【0013】
【化23】
【0014】式中、Eは水素原子、フッ素、塩素、臭素
等のハロゲン原子、置換基を有してもよいメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、置換基
を有してもよいベンジル基、フェネチル基、ナフチルメ
チル基、フルフリル基、チエニル基等のアラルキル基、
置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル基、アンス
リル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基等のア
リール基、CN基、ニトロ基、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基等のアルコキシ基、−COOR 26、C
ONR2728を示す。
【0015】Wは置換基を有してもよい2価のフェニレ
ン、ナフチレン、アントラセニレン等のアリーレン基、
置換基を有してもよいメチレン、エチレン、ブチレン等
の2価のアルキレン基、−COO−、−CH2−、−O
−、−OO−、−S−または−CONR29−で示され
る。R26、R27、R28及びR29は水素原子、フッ素、塩
素、臭素等のハロゲン原子、置換基を有してもよいメチ
ル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、置換基を
有してもよいベンジル基、フェネチル基等のアラルキル
基及び置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル基、
アンスリル基等のアリール基を示し、R27とR 28は互い
に同一であっても異なっていてもよい。また、fは0ま
たは1を示す。
【0016】E及びW中で有してもよい置換基として
は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子また
はニトロ基またはシアノ基または水酸基またはメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基ま
たはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコ
キシ基またはフェノキシ基、ナフトキシ基等のアリール
オキシ基またはベンジル基、フェネチル基、ナフチルメ
チル基、フルフリル基、チエニル基等のアラルキル基ま
たはフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、ピレニル
基等のアリール基等が挙げられる。
【0017】
【化24】
【0018】式中、R30およびR31は水素原子、置換基
を有してもよいメチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基等のアルキル基、置換基を有してもよいベンジル
基、フェネチル基等のアラルキル基、または置換基を有
してもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を示
し、nは1〜10の整数を示す。
【0019】
【化25】
【0020】式中、R32およびR33は水素原子、置換基
を有してもよいメチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基等のアルキル基、置換基を有してもよいベンジル
基、フェネチル基等のアラルキル基、または置換基を有
してもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を示
し、式中nは0または1から10以下の整数を示す。
【0021】尚、上記一般式(12)及び(13)のR
30、R31、R32およびR33が有してもよい置換基として
はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、また
はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアル
キル基、またはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基
等のアルコキシ基、またはフェノキシ基、ナフトキシ基
等のアリールオキシ基、またはベンジル基、フェネチル
基、ナフチルメチル基、フルフリル基、チエニル基等の
アラルキル基、またはフェニル基、ナフチル基、アンス
リル基、ピレニル基等のアリール基等が挙げられる。
【0022】また、上記一般式(11)〜(13)の中
でも、更に特に好ましい連鎖重合性官能基としては、下
記式(14)〜(20)で示されるものが挙げられる。
【0023】
【化26】
【0024】
【化27】
【0025】
【化28】
【0026】
【化29】
【0027】
【化30】
【0028】
【化31】
【0029】
【化32】
【0030】さらに上記式(14)[化26]〜(2
0)[化32]の中でも、(14)[化26]のアクリ
ロイルオキシ基および(15)[化27]のメタクリロ
イルオキシ基が重合特性などの点から特に好ましい。
【0031】次に本発明における正孔輸送性物質につい
て説明する。
【0032】本発明の「連鎖重合性官能基を有する正孔
輸送性化合物」とは、上記で説明した連鎖重合性基が下
記で説明する正孔輸送性化合物に官能基として好ましく
は2つ以上化学結合している化合物をいう。この場合そ
れらの連鎖重合性官能基はすべて同一であっても異なっ
ていてもよい。
【0033】それらの連鎖重合性官能基を少なくとも2
つ有する正孔輸送性化合物としては下記の一般式(1)
[化33]である場合が好ましい。
【0034】
【化33】
【0035】式中、P1 およびP2 は連鎖重合性官能基
を示し、P1 とP2 は同一であっても異なっていてもよ
い。Zは置換基を有してもよい有機基を示す。a、bお
よびdは0または1以上の整数を示す。a+b×dは2
以上の整数を示す。また、aが2以上の場合P1 は同一
であっても異なっていてもよく、d が2以上の場合P
2 は同一であっても異なっていてもよく、また 、bが
2以上の場合Z及びP2 は同一であっても異なっていて
もよい。
【0036】式(1)において、「aが2以上の場合P
1 は同一であっても異なっていてもよく」とは、それぞ
れ異なるn種類の連鎖重合性官能基をP11,P12
13,P 14,P15・・・・P1nと示した場合、例えばa
=3のとき正孔輸送性化合物Aに直接結合する重合性官
能基P1 は3つとも同じものでも、2つ同じで1つは違
うもの(例えば、P11とP11とP12とか)でも、それぞ
れ3つとも異なるもの(例えば、P12とP15とP17
か)でもよいということを意味するものである。「dが
2以上の場合P2 は同一であっても異なっていてもよ
く」というのも、「bが2以上の場合、Z及びP2 は同
一であっても異なっていてもよい」というのもこれと同
様なことを意味するものである。
【0037】上記一般式(1)のAは正孔輸送性基を示
し、正孔輸送性を示すものであればいずれのものでもよ
く、P1 やZとの結合部位を水素原子に置き換えた水素
付加化合物(正孔輸送化合物)として示せば、例えば、
オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダ
ゾール誘導体、トリフェニルアミンなどのトリアリール
アミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)ア
ントラセン、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフ
ェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピ
ラゾリン、フェニルヒドラゾン類、チアゾール誘導体、
トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘
導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導
体、チオフェン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導
体などが挙げられる。
【0038】更に上記正孔輸送化合物の中でも、下記一
般式(2)[化34]、(3)[化35]、(4)[化
36]、(5)[化37]および(7)[化38]で示
される化合物、あるいは下記一般式(8)で示される基
を有する縮合環炭化水素または下記一般式(8)で示さ
れる基を有する縮合複素環であるものが好ましい。その
中でも、一般式(2)、(3)及び(4)で示される化
合物である場合が特に好ましい。
【0039】
【化34】
【0040】上記一般式(2)中、R1 、R2 およびR
3 は置換基を有してもよいメチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基等の炭素原子数10以下のアルキル基、
置換基を有してもよいベンジル基、フェネチル基、ナフ
チルメチル基、フルフリル基、チエニル基等のアラルキ
ル基または置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル
基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チ
オフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベ
ンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル
基、ベンゾフリル基及びベンゾチオフェニル基等のアリ
ール基を示す。
【0041】但し、R1 、R2 およびR3 うち少なくと
も2つはアリール基を示し、R1 、R2 およびR3 はそ
れぞれ同一であっても異なっていてもよい。
【0042】更に、その中でもR1 、R2 およびR3
すべてがアリール基であるものが特に好ましい。
【0043】また、上記一般式(2)のR1 またはR2
またはR3 のうち任意の2つはそれぞれ直接もしくは結
合基を介して結合してもよく、その結合基としては、メ
チレン、エチレン、プロピレン等のアルキレン基、酸
素、硫黄原子などのヘテロ原子、CH=CH基等が挙げ
られる。
【0044】
【化35】
【0045】上記一般式(3)中、R4 、R5 、R8
びR9 は置換基を有してもよいメチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基等の炭素原子数10以下のアルキル
基、置換基を有してもよいベンジル基、フェネチル基、
ナフチルメチル基、フルフリル基、チエニル基等のアラ
ルキル基または置換基を有してもよいフェニル基、ナフ
チル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル
基、チオフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル
基、ベンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジ
ニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ジベ
ンゾフリル基、ジベンゾチオフェニル基等のアリール基
を示し、R4 、R5 、R8 及びR9 はそれぞれ同一であ
っても異なっていてもよい。R6 及びR7 は置換基を有
してもよいメチレン基、エチレン基及びプロピレン基等
の炭素原子数10以下のアルキレン基又は置換基を有し
てもよいアリーレン基(ベンゼン、ナフタレン、アント
ラセン、フェナンスレン、ピレン、チオフェン、フラ
ン、ピリジン等より2個の水素原子を取り除いた基)を
示し、R6 及びR7 は同一であっても異なっていてもよ
い。Qは置換基を有してもよい有機基を示す。
【0046】更にその中でも、上記一般式(3)中のR
4 、R5 、R8 及びR9 のうち少なくとも2つが置換基
を有してもよいアリール基であり、かつ、R6 及びR7
が置換基を有してもよいアリーレン基である場合が好ま
しく、R4 、R5 、R8 及びR9 が全てアリール基であ
る場合が特に好ましい。
【0047】また、上記一般式(3)のR4 またはR5
またはR6 のうち任意の2つあるいはR7 またはR8
たはR9 のうち任意の2つはそれぞれ直接もしくは結合
基を介して結合してもよく、その結合基としては、メチ
レン、エチレン、プロピレン等のアルキレン基、酸素、
硫黄原子などのヘテロ原子、CH=CH基等が挙げられ
る。
【0048】
【化36】
【0049】上記一般式(4)中、m1 は0又は1を示
し、m1 =1である場合が好ましく、R10〜R13は置換
基を有してもよいメチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基等の炭素原子数10以下のアルキル基、置換基を
有してもよいベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチ
ル基、フルフリル基、チエニル基等のアラルキル基また
は置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル基、アン
スリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チオフェニ
ル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキノ
リル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル基、ベンゾ
フリル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフリル基、
ジベンゾチオフェニル基等のアリール基を示し、R10
13はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。A
1 は置換基を有してもよいアリーレン基(ベンゼン、
ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、
チオフェン、フラン、ピリジン、キノリン、ベンゾキノ
リン、カルバゾール、フェノチアジン、ベンゾフラン、
ベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェ
ン等より2個の水素原子を取り除いた基)を示し、Ar
2 はm1 =0の場合、フェニル基、ナフチル基、アンス
リル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チオフェニル
基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキノリ
ル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル基、ベンゾフ
リル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフリル基及び
ジベンゾチオフェニル基等のアリール基を示し、m1
1の場合上記Ar1 と同様なアリーレン基を示す。な
お、m1 =1の場合は、Ar1 とAr2 は同一であって
も異なっていてもよい。
【0050】更にその中でも、上記一般式(4)中のR
10及びR11が置換基を有してもよいアリール基である場
合が好ましく、R10〜R13が4つとも全てアリール基で
ある場合が特に好ましい。
【0051】また、上記一般式(4)のR10とR11また
はR12とR13は又はAr1 とAr2はそれぞれ直接もし
くは結合基を介して結合してもよく、その結合基として
は、メチレン、エチレン、プロピレン等のアルキレン
基、カルボニル基、酸素、硫黄原子などのヘテロ原子、
CH=CH基等が挙げられる。
【0052】
【化37】
【0053】但し上記一般式(5)[化37]中、Ar
3、Ar4およびR14のうち少なくとも一つは、下記一般
式(6)[化38]の置換基を少なくとも一つ以上有す
る。
【0054】
【化38】
【0055】上記一般式(5)及び(6)中、Ar3
Ar4およびAr5 は置換基を有してもよいフェニル
基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピ
レニル基、チオフェニル基、フリル基、ピリジル基、キ
ノリル基、ベンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノ
チアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル
基、ジベンゾフリル基、ジベンゾチオフェニル基等のア
リール基を示し、R14、R15およびR16は置換基を有し
てもよいメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等
の炭素原子数10以下のアルキル基、置換基を有しても
よいベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フ
ルフリル基、チエニル基等のアラルキル基、置換基を有
してもよいフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フ
ェナンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル
基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、カル
バゾリル基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、ベ
ンゾチオフェニル基、ジベンゾフリル基、ジベンゾチオ
フェニル基等のアリール基または水素原子を示す(但し
14が水素原子である場合は除く)。尚、Ar3および
Ar4とR15およびR16はそれぞれ同一であっても異な
っていてもよい。
【0056】更にその中でも、R14及びR16がアリール
基である場合が特に好ましい。
【0057】また、R14またはAr3 またはAr4のう
ち任意の2つ、またはAr5 およびR16はそれぞれ直接
もしくは結合基を介して結合してもよく、その結合基と
しては、メチレン、エチレン、プロピレン等のアルキレ
ン基、酸素、硫黄原子などのヘテロ原子、CH=CH基
等が挙げられる。n1 は0または1〜2の整数を示す。
【0058】
【化39】
【0059】但し、上記一般式(7)[化39]は、下
記一般式(8)[化40]の置換基を少なくとも一つ以
上有する。
【0060】
【化40】
【0061】上記一般式(7)及び(8)中、Ar6
よびAr7 は置換基を有してもよいフェニル基、ナフチ
ル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、
チオフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、
ベンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル
基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾ
フリル基、ジベンゾチオフェニル基等のアリール基を示
し、R17、R18、R19およびR20は置換基を有してもよ
いメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素
原子数10以下のアルキル基、置換基を有してもよいベ
ンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリ
ル基、チエニル基等のアラルキル基、置換基を有しても
よいフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナン
スリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基、ピ
リジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、カルバゾリ
ル基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチ
オフェニル基、ジベンゾフリル基、ジベンゾチオフェニ
ル基等のアリール基または水素原子を示す(但しR17
よびR18が水素原子である場合は除く。)。尚、R 17
18およびR19とR20はそれぞれ同一であっても異なっ
ていてもよい。
【0062】その中でも、R20がアリール基である場合
が好ましく、更にR17とR18がアリール基である場合が
特に好ましい。
【0063】また、R17またはR18またはAr6 のうち
任意の2つ、またはAr7 およびR20はそれぞれ直接も
しくは結合基を介して結合してもよく、その結合基とし
ては、メチレン、エチレン、プロピレン等のアルキレン
基、酸素、硫黄原子などのヘテロ原子、CH=CH基等
が挙げられる。n2 は0または1〜2の整数を示す。
【0064】更に一般式(8)で示される基を有する化
合物としては、置換基を有してもよい、ナフタレン、ア
ントラセン、フェナンスレン、ペレン、フルオレン、フ
ルオランセン、アズレン、インデン、ペリレン、クリセ
ン及びコロネン等の縮合環炭化水素又は置換基を有して
もよいベンゾフラン、インドール、カルバゾール、ベン
ズカルバゾール、アクリジン、フェノチアジン及びキノ
リン等の縮合複素環が挙げられる。
【0065】また、上記一般式(1)中のZおよび上記
一般式(3)中のQは、置換基を有してもよいアルキレ
ン、置換基を有してもよいアリーレン、CR21=CR22
(R 21及びR22はアルキル基、アリール基または水素原
子を示し、R21及びR22は同一であっても異なっていて
もよい。)、C=O、S=O、SO2、酸素原子または
硫黄原子から成る群から選ばれた一つあるいは任意に組
み合わされた有機基を示す。その中でも下記一般式
(9)[化41]で示されるものが好ましく、下記一般
式(10)[化42]で示されるものが特に好ましい。
【0066】
【化41】
【0067】
【化42】
【0068】上記一般式(9)中、X1 〜X3 は置換基
を有してもよいメチレン基、エチレン基、プロピレン基
等の炭素原子数20以下ののアルキレン、(CR23=C
24m2、C=O、S=O、SO2 、酸素原子または硫
黄原子を示し、Ar8 及びAr9 は置換基を有してもよ
い2価のアリーレン(ベンゼン、ナフタレン、アントラ
セン、フェナンスレン、ピレン、チオフェン、フラン、
ピリジン、キノリン、ベンゾキノリン、カルバゾール、
フェノチアジン、ベンゾフラン、チオフェン、ジベンゾ
フラン、チオフェン等より2個の水素原子をとった2価
の基を示す。)を示す。R23及びR24は置換基を有して
もよいメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル
基、置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル基、チ
オフェニル基等のアりール基または水素原子を示し、R
23及びR24は同一であっても異なっていてもよい。m2
は1〜5の整数を示し、p、q、r、s及びtは0また
は1〜10の整数を示すが、同時に0であることはな
い。
【0069】上記一般式(10)中、X4 及びX5
(CH2m3、(CH=CR25m4、C=O、または酸
素原子を示し、Ar10は置換基を有してもよい2価のア
リーレン(ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェ
ナンスレン、ピレン、チオフェン、フラン、ピリジン、
キノリン、ベンゾキノリン、カルバゾール、フェノチア
ジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフラ
ン、チオフェン等より2個の水素原子をとった基を示
す。)を示す。R25は置換基を有してもよいメチル基、
エチル基、プロピル基等のアルキル基、置換基を有して
もよいフェニル基、ナフチル基、チオフェニル基等のア
リール基または水素原子を示す。m3 は1〜10の整数
を示し、m4 は1〜5の整数を示す。u、v及びwは0
または1〜10の整数を示すが、特に0または1〜5の
整数のときが特に好ましい。但しu、v及びwは同時に
0であることはない。
【0070】尚、上記一般式(2)〜(13)のR4
33、Ar1 〜Ar10、X1 〜X5、Z及びQがそれぞ
れ有してもよい置換基としては、フッ素、塩素、臭素、
ヨウ素等のハロゲン原子またはニトロ基またはシアノ基
または水酸基またはメチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基等のアルキル基またはメトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基等のアルコキシ基またはフェノキシ
基、ナフトキシ基等のアリールオキシ基またはベンジル
基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基、
チエニル基等のアラルキル基またはフェニル基、ナフチ
ル基、アンスリル基、ピレニル基等のアリール基等が挙
げられる。また、一般式(1)のR1〜R3が有してもよ
い置換基としては、アリール基を除いた上記置換基及び
ジフェニルアミノ基及びジ(p−トリル)アミノ基等の
ジアリールアミノ基等が挙げられる。
【0071】また、本発明における同一分子内に二つ以
上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物は、酸
化電位が1.2(V)以下であることが好ましい。つま
り前記式(1)で示される連鎖重合性官能基を有する正
孔輸送性化合物および正孔輸送性化合物の水素付加物
は、酸化電位が1.2(V)以下であることが好まし
く、特には0.4〜1.2(V)であることが望まし
い。それは、酸化電位が1.2(V)越えると電荷発生
材料よりの電荷(正孔)の注入が起こりにく残留電位の
上昇、感度悪化及び繰り返し使用時の電位変動が大きく
なる等の問題が生じ、また0.4(V)未満では帯電能
低下等の問題の他に、化合物自体が容易に酸化されるた
めに劣化しやすく、それに起因した感度悪化、画像ボケ
及び繰り返し使用時の電位変動が大きくなる等の問題が
生じる為である。尚、ここで述べている酸化電位は、以
下の方法によって測定される。
【0072】(酸化電位の測定法)飽和カロメル電極を
参照電極とし、電解液に0.1N (n-Bu)4N+ClO4 -アセトニ
トリル溶液を用い、ポテンシャルスイーパによって作用
電極(白金)に印加する電位をスイープし得られた電流
―電位曲線がピークを示したときの電位を酸化電位とし
た。詳しくは、サンプルを0.1N (n-Bu)4N+ClO4 -アセト
ニトリル溶液に5〜10mmol%程度の濃度になるように
溶解する。そしてこのサンプル溶液に作用電極によって
電圧を加え、電圧を低電位(0 V)から高電位(+1.5
V)に直線的に変化させた時の電流変化を測定し、電流
―電位曲線を得る。この電流―電位曲線において電流値
がピーク(ピークが複数ある場合には最初のピーク)を
示したときのピークトップの位置の電位を酸化電位とし
た。
【0073】また更に、上記連鎖重合性官能基を有する
正孔輸送性化合物は正孔輸送能として1×10-7(cm2/
V・sec)以上のドリフト移動度を有しているものが好ま
しい(但し、印加電界:5×104V/cm)。1×10-7
(cm2/V・sec)未満では電子写真感光体として露光後現
像までに正孔が十分に移動できないため見かけ上感度が
低減し、残留電位も高くなってしまう問題が発生する場
合がある。
【0074】以下表3〜91に本発明に係わる、連鎖重
合性官能基を有する正孔輸送性化合物の代表例を挙げる
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【0077】
【表5】
【0078】
【表6】
【0079】
【表7】
【0080】
【表8】
【0081】
【表9】
【0082】
【表10】
【0083】
【表11】
【0084】
【表12】
【0085】
【表13】
【0086】
【表14】
【0087】
【表15】
【0088】
【表16】
【0089】
【表17】
【0090】
【表18】
【0091】
【表19】
【0092】
【表20】
【0093】
【表21】
【0094】
【表22】
【0095】
【表23】
【0096】
【表24】
【0097】
【表25】
【0098】
【表26】
【0099】
【表27】
【0100】
【表28】
【0101】
【表29】
【0102】
【表30】
【0103】
【表31】
【0104】
【表32】
【0105】
【表33】
【0106】
【表34】
【0107】
【表35】
【0108】
【表36】
【0109】
【表37】
【0110】
【表38】
【0111】
【表39】
【0112】
【表40】
【0113】
【表41】
【0114】
【表42】
【0115】
【表43】
【0116】
【表44】
【0117】
【表45】
【0118】
【表46】
【0119】
【表47】
【0120】
【表48】
【0121】
【表49】
【0122】
【表50】
【0123】
【表51】
【0124】
【表52】
【0125】
【表53】
【0126】
【表54】
【0127】
【表55】
【0128】
【表56】
【0129】
【表57】
【0130】
【表58】
【0131】
【表59】
【0132】
【表60】
【0133】
【表61】
【0134】
【表62】
【0135】
【表63】
【0136】
【表64】
【0137】
【表65】
【0138】
【表66】
【0139】
【表67】
【0140】
【表68】
【0141】
【表69】
【0142】
【表70】
【0143】
【表71】
【0144】
【表72】
【0145】
【表73】
【0146】
【表74】
【0147】
【表75】
【0148】
【表76】
【0149】
【表77】
【0150】
【表78】
【0151】
【表79】
【0152】
【表80】
【0153】
【表81】
【0154】
【表82】
【0155】
【表83】
【0156】
【表84】
【0157】
【表85】
【0158】
【表86】
【0159】
【表87】
【0160】
【表88】
【0161】
【表89】
【0162】
【表90】
【0163】
【表91】
【0164】本発明において連鎖重合性官能基を有する
正孔輸送性化合物の代表的な合成方法を以下に示す。
【0165】(合成例1:化合物No.6の合成)以下のル
ートに従い合成した。
【0166】
【化43】
【0167】化合物( 50g : 0.47 mol)、化合物
( 406g : 1.4 mol)、無水炭酸カリウム( 193g )及
び銅粉(445g)を1,2-ジクロロベンゼン1.2kgと共に180
〜190℃で加熱撹拌を15時間行った。反応液を濾過
後、減圧下で溶媒を除去し、残留物をシリカゲルカラム
を用いカラム精製を行い、化合物を132 g得た。
【0168】化合物( 120g : 0.28mol)をメチルセ
ルソルブ 1.5kgに加え、室温で撹拌しながらナトリウム
メチラート(150g)をゆっくり添加した。添加終了後そ
のまま室温で1時間撹拌した後、更に70〜80℃で10時
間加熱撹拌を行った。反応液を水にあけ、希塩酸で中和
後、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、減圧下で溶媒を除去した。シリカゲルカラム
を用いて残留物のカラム精製を行い、化合物を78 g得
た。
【0169】化合物( 70g : 0.2mol )及びトリエチ
ルアミン( 40g : 0.4mol)を、乾燥THF400mlに
加え、0〜5℃に冷却後、塩化アクリロイル( 55g :
0.6mol )をゆっくり滴下した。滴下終了後ゆっくり室
温に戻し、室温でそのまま4時間撹拌を行った。反応液
を水にあけ、中和後、酢酸エチルで抽出し、有機層を無
水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を除去した。シリカゲル
カラムを用いて残留物のカラム精製を行い、化合物
(化合物No.6)を42 g得た。
【0170】(合成例2:化合物No.71の合成)上記合
成例1で得られた化合物(10g : 29mmol)を乾燥TH
F50mlに加え、0〜5℃に冷却後、油性水素化ナトリウ
ム(約60%) 3.5gをゆっくり添加した。添加終了後室温に
戻し、1時間撹拌した後再び0〜5℃に冷却し、アリル
ブロマイド(17.5g : 145mmol)をゆっくり滴下した。
滴下終了後そのまま1時間撹拌し、その後室温に戻し、
更に5時間撹拌を行った。反応液を水にあけ、中和後、
トルエンで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥
後溶媒を除去した。シリカゲルカラムを用いて残留物の
カラム精製を行い、目的化合物(化合物No.71)を5.6g
得た。
【0171】(合成例3:化合物No.55の合成)上記合
成例2で得られた化合物No.71 3.0gをジクロロメタン20
mlに溶解後0〜5℃に冷却し、m-クロロ過安息香酸(〜
70%)5.2gをゆっくり添加しそのまま1時間撹拌後室温
に戻し12時間撹拌を行った。反応液を水にあけジクロ
ロメタンで抽出を行った。有機層を無水硫酸ナトリウム
で乾燥後溶媒を除去し、シリカゲルカラムを用いて残留
物のカラム精製を行い、目的化合物(化合物No.55)を
2.1g得た。
【0172】(合成例4:化合物No.152の合成)以
下のルートに従い合成した。
【0173】
【化44】
【0174】化合物( 70 g : 0.35mol)、化合物
( 98 g : 0.42 mol)、無水炭酸カリウム( 73g )及
び銅粉(111 g)を1,2-ジクロロベンゼン 600 gと共に1
80〜190℃での加熱撹拌を10時間行った。反応液を濾
過後、減圧下で溶媒を除去し、シリカゲルカラムを用い
て残留物のカラム精製を行い、化合物を86.2 g得た。
【0175】化合物( 80g : 0.26mol)をN,N-ジメチ
ルフォルムアミド 300gに加え室温で撹拌しながらエタ
ンチオールナトリウム塩(約90%:62g)をゆっくり添加
した。添加終了後そのまま室温で1時間撹拌し、その後
更に還流下でで3時間加熱撹拌を行った。冷却後反応液
を水にあけ、希塩酸で弱酸性にし、酢酸エチルで抽出
し、有機層を更に1.2Mの水酸化ナトリウム水溶液で抽出
し、水層を希塩酸で酸性にして酢酸エチルで抽出し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧下で溶媒を除去した。シ
リカゲルカラムを用いて残留物のカラム精製を行い、化
合物を64 g得た。
【0176】化合物を(60g : 0.21 mol)をN,N-ジメ
チルフォルムアミド 300gに加え室温で撹拌しながら苛
性ソーダ(8.3 g)をゆっくり添加した。添加終了後そ
のまま室温で30分間撹拌し、その後1,2-ジヨードエタン
(31.7g : 0.1mol)をゆっくり滴下した。滴下終了後、
30分間撹拌し、その後更に70℃で5時間加熱撹拌を行っ
た。反応液を水にあけ、トルエンで抽出を行い、有機層
を更に水洗後無水硫酸ナトリウムで乾燥し減圧下で溶媒
を除去した。シリカゲルカラムを用いて残留物のカラム
精製を行い、化合物を49.1 g得た。
【0177】DMF182gを0〜5℃に冷却後、10℃を越
えないように温度を維持しながらオキシ塩化リン63.6g
をゆっくり滴下した。滴下終了後15分間そのまま撹拌
し、その後化合物( 42.2g : 0.07mol)/DMF102g
溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後そのまま30分間
撹拌し、その後室温に戻し2時間撹拌し、更に80〜85℃
に加熱し15時間撹拌を行った。反応液を約15%の酢
酸ナトリウム水溶液1.5kgにあけ、12時間撹拌を行っ
た。それを中和後、トルエンを用いて抽出し、有機層を
無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を除去し、シリカゲル
カラムを用いて残留物のカラム精製を行い、化合物
23g得た。
【0178】乾燥THF100mlに水素化リチウムアルミ
ニウム0.89gを加え、室温で撹拌しているところへ化合
(15g : 0.023mol)/乾燥THF100ml溶液をゆっ
くり滴下した。滴下終了後室温で4時間撹拌し、その後
5%塩酸水溶液200mlをゆっくり滴下した。滴下終了後ト
ルエンで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後
溶媒を除去し、シリカゲルカラムを用いて残留物のカラ
ム精製を行い、化合物を13.6g得た。
【0179】化合物( 10g : 0.015mol )及びトリエ
チルアミン( 6.1g : 0.06mol)を乾燥THF120 mlに加
え、0〜5℃に冷却後、塩化アクリロイル( 4.1g : 0.
045mol )をゆっくり滴下した。滴下終了後ゆっくり室
温に戻し、室温でそのまま6時間撹拌を行った。反応液
を水にあけ、中和後、酢酸エチルで抽出し、有機層を無
水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を除去した。シリカゲル
カラムを用いて残留物のカラム精製を行い、化合物
(化合物N0.33)を6.4 g得た(酸化電位:0.88V)。
【0180】(合成例5:化合物No.263の合成)以
下のルートに従い合成した。
【0181】
【化45】
【0182】化合物( 50 g : 0.123mol)、化合
( 62.4 g : 0.369mol)、無水炭酸カリウム( 25.
5g )及び銅粉(32 g)を1,2-ジクロロベンゼン 200 g
と共に180〜190℃での加熱撹拌を18時間行った。反応
液を濾過後、減圧下で溶媒を除去し、残留物をトルエン
/メタノール混合溶媒で2回再結晶を行い、化合物
60.2 g得た。
【0183】DMF242gを0〜5℃に冷却後、10℃を越
えないように温度を維持しながらオキシ塩化リン(84.8
g : 553.2mmol)をゆっくり滴下した。滴下終了後15
分間そのまま撹拌し、その後化合物( 45.0g : 92.2m
mol)/DMF135g溶液をゆっくり滴下した。滴下終了
後そのまま30分間撹拌し、その後室温に戻し2時間撹
拌し、更に80〜85℃に加熱し8時間撹拌を行った。反応
液を約15%の酢酸ナトリウム水溶液2.5kgにあけ、1
2時間撹拌を行った。それを中和した後、トルエンを用
いて抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒
を除去し、シリカゲルカラムを用いて残留物のカラム精
製を行い、化合物を40.5g得た。
【0184】乾燥THF100mlに水素化リチウムアルミ
ニウム0.89gを加え、室温で撹拌しているところへ化合
(37g : 68mmol)/乾燥THF600ml溶液をゆっく
り滴下した。滴下終了後室温で4時間撹拌し、その後5
%塩酸水溶液500mlをゆっくり滴下した。滴下終了後トル
エンで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶
媒を除去し、シリカゲルカラムを用いて残留物のカラム
精製を行い、化合物を26.3g得た。
【0185】化合物( 20g : 36mmol )及びトリエチ
ルアミン(12.8g : 126mol)を、乾燥THF130 mlに加
え0〜5℃に冷却後、塩化アクリロイル( 9.8g : 108m
mol)をゆっくり滴下した。滴下終了後ゆっくり室温に
戻し室温でそのまま6時間撹拌を行った。反応液を水に
あけ中和後、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後溶媒を除去した。シリカゲルカラムを
用いて残留物のカラム精製を行い、化合物(化合物N
o.24)を11.2 g得た(酸化電位:0.80V)。
【0186】本発明においては、前記同一分子内に2つ
以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重
合させることで、その感光層中において、正孔輸送能を
有する化合物は少なくとも2つ以上の架橋点をもって3
次元架橋構造の中に共有結合を介して取り込まれる。前
記正孔輸送性化合物はそれのみを重合・架橋させる、あ
るいは他の連鎖重合性基を有する化合物と混合させるこ
とのいずれもが可能であり、その種類/比率はすべて任
意である。ここでいう他の連鎖重合性基を有する化合物
とは、連鎖重合性基を有する単量体あるいはオリゴマー
/ポリマーのいずれもが含まれる。正孔輸送性化合物の
官能基とその他の連鎖重合性化合物の官能基が同一の基
あるいは互いに重合可能な基である場合には、両者は共
有結合を介した共重合3次元架橋構造をとることが可能
である。両者の官能基が互いに重合しない官能基である
場合には、感光層は少なくとも2つ以上の3次元硬化物
の混合物あるいは主成分の3次元硬化物中に他の連鎖重
合性化合物単量体あるいはその硬化物を含んだものとし
て構成されるが、その配合比率/製膜方法をうまくコン
トロールすることで、IPN(Inter Penetrating Ne
twork)すなわち相互進入網目構造を形成することも可
能である。
【0187】また、前記正孔輸送性化合物と連鎖重合性
基を有しない単量体あるいはオリゴマー/ポリマーや連
鎖重合性以外の重合性基を有する単量体あるいはオリゴ
マー/ポリマーなどから感光層を形成してもよい。
【0188】さらに場合によっては3次元架橋構造に化
学結合的に組み込まれない、すなわち、連鎖重合性官能
基を有しない正孔輸送性化合物を含有することも可能で
ある。また、その他の各種添加剤、フッ素原子含有樹脂
微粒子などの潤剤その他を含有してもよい。
【0189】本発明の感光体の構成は、導電性支持体上
に感光層として電荷発生物質を含有する電荷発生層およ
び電荷輸送物質を含有する電荷輸送層をこの順に積層し
た構成、また電荷発生物質と電荷輸送物質を同一層中に
分散した単層からなる構成のいずれの構成をとることも
可能である。前者の積層型においては電荷輸送層が二層
以上の構成も可能である。これらいずれの場合において
も、先の連鎖重合性基を有する正孔輸送性化合物の重合
体を感光層が含有していればよい。ただし、電子写真感
光体としての特性、特に残留電位などの電気的特性およ
び耐久性の点より、電荷発生層/電荷輸送層をこの順に
積層した機能分離型の感光体構成で少なくとも電荷輸送
層に前記連鎖重合性基を有する正孔輸送性化合物の重合
体が含有されていることが好ましく、本発明の利点も電
荷輸送能を低下させることなく表面層の高耐久化が可能
になった点にある。
【0190】本発明の感光体の感光層の膜厚は5μm以
上、15μm以下である。感光層の膜厚が5μm以下に
なると、繰り返し使用時の帯電性の低下が起こり、暗部
電位が徐々に低下するという問題が発生し、15μm以
上では本発明の解決すべき問題点である低温低湿度環境
における繰り返し使用時での残留電位の上昇、明部電位
の変動が起き、繰り返しで安定した画像供給ができなく
なる。
【0191】更に、上述の電位変動をより安定化させる
ためには、感光層の膜厚は7μm以上13μm以下であ
ることが更に望ましい。
【0192】次に本発明による電子写真感光体の製造方
法を具体的に示す。
【0193】電子写真感光体の支持体としては導電性を
有するものであればよく、例えば、アルミニウム、銅、
クロム、ニッケル、亜鉛およびステンレスなどの金属や
合金をドラムまたはシート状に成形したもの、アルミニ
ウムおよび銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラ
ミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウムおよ
び酸化錫などをプラスチックフィルムに蒸着したもの、
導電性物質を単独または結着樹脂とともに塗布して導電
層を設けた金属、またプラスチックフィルムおよび紙な
どが挙げられる。
【0194】本発明においては導電性支持体の上にはバ
リアー機能と接着機能をもつ下引き層を設けることがで
きる。
【0195】下引き層は感光層の接着性改良、塗工性改
良、支持体の保護、支持体上の欠陥の被覆、支持体から
の電荷注入性改良、また感光層の電気的破壊に対する保
護などのために形成される。下引き層の材料としてはポ
リビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、
ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−
アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メト
キシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、にかわおよ
びゼラチンなどがしられている。これらはそれぞれに適
した溶剤に溶解されて支持体上に塗布される。その際の
膜厚としては0.1〜2μmが好ましい。
【0196】本発明の感光体が機能分離型の感光体であ
る場合には、電荷発生層および電荷輸送層を積層する。
電荷発生層に用いる電荷発生物質としては、セレン−テ
ルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、また各種の
中心金属および結晶系、具体的には、例えば、α、β、
γ、εおよびX型などの結晶型を有するフタロシアニン
化合物、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン
顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔
料、モノアゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、
非対称キノシアニン顔料、キノシアニンおよび特開昭5
4−143645号公報に記載のアモルファスシリコー
ンなどが挙げられる。
【0197】機能分離型感光体の場合、電荷発生層は前
記電荷発生物質を0.3〜4倍量の結着樹脂および溶剤
とともにホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振
動ボールミル、サンドミル、アトライターおよびロール
ミルなどの方法でよく分散し、分散液を塗布し、乾燥し
て形成するか、または前記電荷発生物質の蒸着膜など、
単独組成の膜として形成する。その膜厚は5μm以下で
あることが好ましく、特に0.1〜2μmの範囲である
ことが好ましい。
【0198】結着樹脂を用いる場合の例は、スチレン、
酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタク
リル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチ
レン、などのビニル化合物の重合体および共重合体、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカー
ボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレ
ンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノ
ール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂な
どが挙げられる。
【0199】本発明における前記連鎖重合性官能基を有
する正孔輸送性化合物は、前述した電荷発生層上に電荷
輸送層として、もしくは電荷発生層上に電荷輸送物質と
結着樹脂からなる電荷輸送層を形成した後に第2の電荷
輸送層として用いることができる。いずれの場合も前記
表面層の形成方法は、前記正孔輸送性化合物を含有する
溶液を塗布後、重合反応をさせるのが一般的であるが、
前もって該正孔輸送性化合物を含む溶液を反応させて硬
化物を得た後に再度溶剤中に分散あるいは溶解させたも
のなどを用いて、表面層を形成することも可能である。
これらの溶液を塗布する方法は、例えば、浸漬コーティ
ング法、スプレイコーティング法、カーテンコーティン
グ法およびスピンコーティング法などが知られている
が、効率性/生産性の点からは浸漬コーティング法が好
ましい。また蒸着、プラズマその他の公知の製膜方法が
適宜選択できる。
【0200】本発明において連鎖重合性基を有する正孔
輸送性化合物は、熱や可視光、紫外線等の光、更に放射
線により重合・硬化させることができる。従って、本発
明における感光層の形成は、感光層用の塗工液に前記連
鎖重合性基を有する正孔輸送性化合物と必要によっては
重合開始剤を含有させ、該塗工液を用いて形成した塗工
膜に熱、光又は放射線を照射することによって該連鎖重
合性基を有する正孔輸送性化合物を重合させる。尚、本
発明においては、その中でも放射線によって該連鎖重合
性基を有する正孔輸送性化合物を重合、硬化させること
が好ましい。放射線による重合の最大の利点は重合開始
剤を必要としない点であり、これにより非常に高純度な
三次元感光層の作製が可能となり、良好な電子写真特性
が確保される点である。また、短時間でかつ効率的な重
合反応であるがゆえに生産性も高く、さらには放射線の
透過性の良さから、厚膜時や添加剤などの遮蔽物質が膜
中に存在する際の硬化阻害の影響が非常に小さいことな
どが挙げられる。ただし、連鎖重合性基の種類や中心骨
格の種類によっては重合反応が進行しにくい場合があ
り、その際には影響のない範囲内での重合開始剤の添加
は可能である。この際使用する放射線とは電子線および
γ線である。電子線照射をする場合、加速器としてはス
キャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム
型、パルス型およびラミナー型などいずれの形式も使用
することが出来る。電子線を照射する場合に、本発明の
感光体においては電気特性および耐久性能を発現させる
上で照射条件が非常に重要である。本発明において、加
速電圧は250KV以下が好ましく、最適には150K
V以下である。また線量は1Mradから100Mra
dの範囲が好ましく、より好ましくは3Mradから5
0Mradの範囲である。加速電圧が上記を越えると、
感光体特性に対する電子線照射のダメージが増加する傾
向にある。また、線量が上記範囲よりも少ない場合には
硬化が不十分となりやすく、線量が多い場合には感光体
特性の劣化がおこりやすいので注意が必要である。
【0201】前記連鎖重合性基を有する正孔輸送性化合
物を電荷輸送層として用いた場合の前記正孔輸送性化合
物の量は、重合硬化後の電荷輸送層膜の全質量に対し
て、前記式(1)で示される連鎖重合性官能基を有する
正孔輸送性化合物の水素付加物が分子量換算で20%以
上、好ましくは40%以上含有されていることが望まし
い。それ以下であると電荷輸送能が低下し、感度低下お
よび残留電位の上昇などの問題点が生ずる。
【0202】前記正孔輸送性化合物を電荷発生層/電荷
輸送層上に第2の電荷輸送層として用いた場合、その下
層に当たる電荷輸送層は、適当な電荷輸送物質、例え
ば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリスチリルアン
トラセンなどの複素環や縮合多環芳香族を有する高分子
化合物や、ピラゾリン、イミダゾール、オキサゾール、
トリアゾール、カルバゾールなどの複素環化合物、トリ
フェニルメタンなどのトリアリールアルカン誘導体、ト
リフェニルアミンなどのトリアリールアミン誘導体、フ
ェニレンジアミン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘
導体、スチルベン誘導体、ヒドラゾン誘導体などの低分
子化合物などを適当な結着樹脂(前述の電荷発生層用樹
脂の中から選択できる)とともに溶剤に分散/溶解した
溶液を前述の公知の方法によって塗布、乾燥して形成す
ることができる。この場合の電荷輸送物質と結着樹脂の
比率は、両者の全質量を100とした場合に電荷輸送物
質の質量が30〜100が望ましく、好ましくは50〜
100の範囲で適宜選択される。電荷輸送物質の量がそ
れ以下であると、電荷輸送能が低下し、感度低下および
残留電位の上昇などの問題点が生ずる。この場合にも感
光層の膜厚は5〜15μmの範囲であり、この時の感光
層の膜厚とは電荷発生層、電荷輸送層及び第2の電荷輸
送層各々の膜厚を合計した膜厚である。
【0203】単層型感光層の場合は、前記正孔輸送性化
合物を含む溶液中に同時に電荷発生物質が含まれること
になり、この溶液を適当な下引き層あるいは中間層を設
けてもよい導電性支持体上に塗布後重合させて形成され
る場合と、導電性支持体上に設けられた電荷発生物質お
よび電荷輸送物質から構成される単層型感光層上に前記
正孔輸送性化合物を含有する溶液を塗布後、重合させる
場合のいずれもが可能である。
【0204】本発明における感光層には、各種添加剤を
添加することができる。該添加剤とは酸化防止剤および
紫外線吸収剤などの劣化防止剤や、フッ素原子含有樹脂
微粒子などの潤剤その他である。
【0205】図1に本発明の電子写真感光体を有するプ
ロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を
示す。図において、1はドラム上の本発明の電子写真感
光体であり、軸2を中止に矢印方向に所定の周速度で回
転駆動される。電子写真感光体1は、回転過程におい
て、一次帯電手段3によりその周面に正または負の所定
電位の均一帯電を受け、次いでスリット露光やレーザー
ビーム走査露光などの像露光手段(不図示)からの画像
露光光4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面に
静電潜像が順次形成されていく。形成された静電潜像
は、次いで現像手段5によりトナー現像され、現像され
たトナー現像像は、不図示の給紙部から電子写真感光体
1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と同期
取り出されて給紙された転写材7に、転写手段6により
順次転写されていく。像転写を受けた転写材7は、感光
体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を
うけることにより複写物(コピー)として装置外へプリ
ントアウトされり。像転写後の電子写真感光体1の表面
は、クリーニング手段9によって転写残りトナーの除去
を受けて清浄面化され、さらに前露光手段(不図示)か
らの前露光光10により助電処理された後、繰り返し画
像形成に使用される。なお、一次帯電手段3が帯電ロー
ラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は
必ずしも必要ではない。本発明においては、上述の電子
写真感光体1、一次帯電手段3、現像手段5およびクリ
ーニング手段9などの構成要素のうち、複数のものをプ
ロセスカートリッジとして一体に結合して構成しこのプ
ロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンタ
ーなどの電子写真装置本体に対して着脱可能に構成して
もよい。例えば、一次帯電手段3、現像手段5およびク
リーニング手段9の少なくとも一つを電子写真感光体1
とともに一体に支持してカートリッジ化して、装置本体
のレール12などの案内手段を用いて装置本体に着脱可
能なプロセスカートリッジ11とすることができる。ま
た、画像露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンタ
ーである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるい
はセンサーで原稿を読みとり、信号化し、この信号に従
って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆
動および液晶シャッターアレイの駆動などにより照射さ
れる光である。
【0206】本発明の電子写真感光体は電子写真複写機
に利用するのみならず、レーザービームプリンター、C
RTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンターお
よびレーザー製版などの電子写真応用分野にも広く用い
ることができる。
【0207】
【実施例】(実施例1)まず導電層用の塗料を以下の手
順で調整した。10%の酸化アンチモンを含有する酸化
スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50部(質量部、
以下同様)、フェノール樹脂25部、メチルセロソルブ
20部、メタノール5部およびシリコーンオイル(ポリ
ジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平
均分子量3000)0.002部を、φ1mmガラスビ
ーズを用いたサンドミル装置で、2時間分散して調整し
た。この塗料を30φのアルミニウムシリンダー上に浸
漬塗布方法で塗布し、140℃で30分間乾燥して、膜
厚20μmの導電層を形成した。次に、N−メトキシメ
チル化ナイロン5部をメタノール95部中に溶解し、中
間層用塗料を調整した。この塗料を前記の導電層上に浸
漬コーティング法によって塗布し、100℃で20分間
乾燥して、0.6μmの中間層を形成した。
【0208】次に下記(21)[化46]のビスアゾ顔
料5部、ポリビニルブチラール樹脂2部およびシクロヘ
キサノン60部を、φ1mmガラスビーズを用いたサン
ドミル装置で24時間分散し、さらにテトラヒドロフラ
ン60部を加えて電荷発生層用塗料とした。この塗料を
前記の中間層の上に浸漬コーティング法で塗布して、1
00℃で15分間乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生
層を形成した。
【0209】
【化46】
【0210】次いで、表4の化合物例No.6の正孔輸送
性化合物60部をモノクロロベンゼン50部およびジク
ロロメタン30部の混合溶媒中に溶解し、電荷輸送層用
塗料を調整した、この塗料を前記の電荷発生層上にコー
ティングし、加速電圧150KV、線量30Mradの
条件で電子線を照射し樹脂を硬化し、膜厚10μmの電
荷輸送層を形成し、電子写真感光体を得た。
【0211】作製した電子写真感光体について、初期の
電子写真特性、温度15℃、湿度10%環境での繰り返
し使用時の電位安定性を評価した。初期の電子写真特性
および耐久性は、この感光体をキヤノン(株)製LBP
−SXに装着して評価した。初期の感光体特性[暗部電
位Vd、光減衰感度(暗部電位−600V設定で−12
0Vに光減衰させるために必要な光量)および残留電位
sl(光減衰感度の光量の3倍の光量を照射したときの
電位)]は23℃/50%の環境で測定し、さらに15
℃/10%の環境にてこの感光体をキヤノン(株)製L
BP−SXからクリーナーと現像器を取り除いた機械に
装着して10000枚分の非通紙耐久試験を行い、暗部
電位、明部電位及び残留電位各々の変化値△Vd、△Vl
(初期にVl が−120Vとなる光量と同量の光量を
耐久後に照射したときのVl の変化量)および△Vsl
求めた。
【0212】結果を表92に示すが、本発明の感光体で
は初期の感光体特性が良好であり、低温低湿度環境にお
ける繰り返し使用時においても感光体特性にはほとんど
変化がみられず、非常に安定した良好な特性を示してい
る。
【0213】
【表92】
【0214】
【表93】
【0215】(実施例2〜5)実施例1の正孔輸送性化
合物No.6を、各々、表33の化合物No.152、表4
9の化合物No.235、表55の化合物No.263、
表61の化合物No.291に変えた以外は、実施例1
と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。その結果
を表92に示す。
【0216】(実施例6)実施例1と同様にして基体、
導電層、下引き層を形成した。次に、CuKαのX線回
折におけるブラック角2θ±0.2度が9.0度、1
4.2度、23.9度及び27.1度に強いピ−クを有
するオキシチタニウムフタロシアニンを3部、ポリビニ
ルブチラ−ル(商品名エスレックBM2、積水化学
(株)製)3部及びシクロヘキサノン35部をφ1mm
ガラスビ−ズを用いたサンドミル装置で2時間分散し
て、その後に酢酸エチル60部を加えて電荷発生層用塗
料を調製した。この塗料を前記の中間層の上に浸漬塗布
方法で塗布して50℃で10分間乾燥し、膜厚0.2μ
mの電荷発生層を形成した。次にこの電荷発生層の上に
実施例4と同様の電荷輸送層用塗料を用いて浸漬コーテ
ィング法により塗布した後、加速電圧150KV、線量
40Mradの条件で電子線を照射し樹脂を硬化し、8
μmの膜厚の電荷輸送層を形成した。
【0217】この感光体を実施例1と同様に評価した結
果を表92に示す。
【0218】(実施例7〜9及び比較例1〜4)実施例
6において電荷輸送層の膜厚を表94に示した膜厚に変
えた以外は実施例6と同様にして実施例7〜9及び比較
例1〜4の電子写真感光体を作製し、評価した。
【0219】
【表94】
【0220】評価の結果、表92及び表93に示すよう
に感光層膜厚(電荷発生層0.2μm+電荷輸送層膜
厚)が5μm以下の比較例1、2では繰り返し使用時の
暗部電位Vd の減衰が大きく、感光層膜厚15μm以上
の比較例3、4では繰り返し使用時Vd は安定していた
ものの残留電位Vsl及び明部電位Vlが上昇する傾向が
強いのに対して、感光層膜厚が5〜15μmの範囲に形
成された実施例7〜9ではVd、Vl、Vslともに低温低
湿度環境における繰り返し使用においても非常に安定で
あった。
【0221】(実施例10〜12、比較例5〜8)実施
例2において電荷輸送層の膜厚を表95に示した膜厚に
変えた以外は実施例2と同様にして実施例10〜12及
び比較例5〜8の電子写真感光体を作製し、評価した。
【0222】
【表95】
【0223】評価の結果、表92及び表93に示すよう
に本材料の組み合わせにおいても感光層膜厚(電荷発生
層0.2μm+電荷輸送層膜厚)が5μm以下の比較例
5、6では繰り返し使用時の暗部電位Vdの減衰が大き
く、感光層膜厚15μm以上の比較例7、8では繰り返
し使用時Vdは安定していたものの残留電位Vsl及び明
部電位Vlが上昇する傾向が強いのに対して、感光層膜
厚が5〜15μmの範囲に形成された実施例10〜12
ではVd、Vl、Vslともに低温低湿度環境における繰り
返し使用においても非常に安定であり、本発明の感光層
の適正膜厚は本発明の材料構成において材料の組み合わ
せを変えた場合にも一致した傾向を示している。
【0224】(実施例13〜17)実施例6において電
子線の照射条件を表96に示したように変えた以外は実
施例6と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。結
果、繰り返し使用時の安定性は良好であったが、加速電
圧300KV及び線量150、200Mradの条件で
は、初期の電子写真特性において、感度のダウンや残留
電位の上昇が見られた。
【0225】
【表96】
【0226】(比較例9)実施例6において電荷発生層
を形成した後、下記構造式(22)[化47]のスチリ
ル化合物20部
【0227】
【化47】
【0228】および下記構造式(23)[化48]の繰
り返し単位を有するポリカーボネート樹脂10部
【0229】
【化48】
【0230】をモノクロロベンゼン50部およびジクロ
ロメタン20部の混合溶媒中に溶解して調整した電荷輸
送層用塗料を用いて、前記電荷発生層上に電荷輸送層を
形成し比較例9の感光体を得た。このときの電荷輸送層
の膜厚は8μmであった。この感光体を実施例6と同様
に評価し、結果を表93に示す。表93に見られるよう
に同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正
孔輸送性化合物を重合、硬化したものを含有しない比較
例9の感光体では初期の特性は満足するが、繰り返し使
用時において暗部電位Vdが減衰し、Vl、Vslも変動が
大きく、安定性に劣る結果となった。
【0231】(実施例18)実施例6と同様にして電荷
発生層まで形成した。次いで、表45の化合物例No.2
12の正孔輸送性化合物60部および下記式(24)
[化49]
【0232】
【化49】
【0233】の光重合開始剤0.6部をモノクロロベン
ゼン30部およびジクロロメタン30部の混合溶媒中に
溶解し、電荷輸送層用塗料を調整した。この塗料を前記
の電荷発生層上にコーティングし、メタルハライドラン
プを用いて500mW/cmの光強度で硬化させるこ
とによって膜厚10μmの電荷輸送層を形成し、電子写
真感光体を得た。この感光体を実施例1と同様に評価し
その結果を表93に記した。初期特性及び低温低湿度環
境における繰り返し使用時の電位安定性共に実用に耐え
うるものであった。
【0234】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は特に低温低湿
度環境での繰り返し使用時の電位の安定性に優れた効果
を有する。さらに、感度、残留電位などの電子写真特性
も非常に良好であり常に安定した性能を発揮することが
できる。
【0235】また、該電子写真感光体の効果は、該電子
写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写
真装置においても当然に発揮され、長期間高画質が維持
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカー
トリッジを有する電子写真装置の概略構成の例を示す図
である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体 2 軸 3 一次帯電手段 4 画像露光光 5 現像手段 6 転写手段 7 転写材 8 像定着手段 9 クリーニング手段 10 前露光光 11 プロセスカートリッジ 12 装置本体のレール
フロントページの続き (72)発明者 菊地 憲裕 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 雨宮 昇司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 関谷 道代 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 田中 博幸 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 中村 一成 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA13 AA20 BA12 BA13 BA22 BB03 BB06 BB10 BB30 BB60 FA03 FA27

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、該感光層が同一分子内に2つ以上の
    連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物の重合体を
    含有し、且つ感光層の膜厚が5μm以上、15μm以下
    であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、該感光層が同一分子内に2つ以上の
    連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物の重合体を
    含有し、且つ感光層の膜厚が7μm以上、13μm以下
    であることを特徴とする電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 該感光層が電荷発生層、電荷輸送層をこ
    の順に積層した構成であり、少なくとも該電荷輸送層が
    同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔
    輸送性化合物の重合体を含有することを特徴とする請求
    項1または2のいずれかに記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記連鎖重合性官能基を有する正孔輸送
    性化合物が、下記一般式(1)[化1]である請求項1
    〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。 【化1】 (式中、Aは正孔輸送性基を示し、P1 およびP2 は連
    鎖重合性官能基を示し、P1 とP2 は同一であっても異
    なっていてもよく、Zは置換基を有してもよい有機基を
    示し、a、bおよびdは0または1以上の整数を示し、
    a+b×dは2以上の整数を示し、aが2以上の場合P
    1 は同一であっても異なっていてもよく、d が2以上
    の場合P2 は同一であっても異なっていてもよく、また
    bが2以上の場合、Z及びP2 は同一であっても異な
    っていてもよい。)
  5. 【請求項5】 上記一般式(1)[化1]のAのAとP
    1 およびZとの結合部位を水素原子に置き換えた正孔輸
    送性化合物が下記一般式(2)[化2]で示される請求
    項4記載の電子写真感光体。 【化2】 (式中、R1 、R2 およびR3 は置換基を有してもよい
    アルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基または
    置換基を有してもよいアリール基を示し、少なくともそ
    のうち2つはアリール基を示し、R1 、R2 およびR3
    はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
  6. 【請求項6】 上記一般式(1)[化1]のAのAとP
    1 およびZとの結合部位を水素原子に置き換えた正孔輸
    送性化合物が下記一般式(3)[化3]で示される請求
    項4記載の電子写真感光体。 【化3】 (式中、R4 、R5 、R8 及びR9 は置換基を有しても
    よいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基ま
    たは置換基を有してもよいアリール基を示し、R 4 、R
    5 、R8 及びR9 は同一であっても異なっていてもよ
    く、R6 及びR7 は置換基を有してもよいアルキレン基
    又は置換基を有してもよいアリーレン基を示し、R6
    びR7 は同一であっても異なっていてもよく、Qは置換
    基を有してもよい有機基を示す。)
  7. 【請求項7】 上記一般式(1)[化1]のAのAとP
    1 およびZとの結合部位を水素原子に置きかえた正孔輸
    送性化合物が下記一般式(4)[化4]で示される請求
    項4記載の電子写真感光体。 【化4】 (式中、R10、R11、R12およびR13は置換基を有して
    もよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基
    または置換基を有してもよいアリール基を示し、また、
    10、R11、R12およびR13はそれぞれ同一であっても
    異なっていてもよく、Ar1 およびAr2 は置換基を有
    してもよい2価のアリーレン基を示し、それぞれ同一で
    あっても異なっていてもよく、m1 は0または1を示
    す。)
  8. 【請求項8】 上記一般式(1)[化1]のAのAとP
    1 およびZとの結合部位を水素原子に置き換えた正孔輸
    送性化合物が下記一般式(5)[化5]で示される請求
    項4記載の電子写真感光体。 【化5】 (式中、Ar3 およびAr4 は置換基を有してもよいア
    リール基を示し、Ar3およびAr4 は同一であっても
    異なっていてもよく、R14は置換基を有してもよいアル
    キル基、置換基を有してもよいアラルキル基または置換
    基を有してもよいアリール基を示し、Ar3 、Ar4
    よびR14のうち少なくとも一つは、下記一般式(6)
    [化6]の置換基を少なくとも一つ以上有する。 【化6】 (式中、R15およびR16は置換基を有してもよいアルキ
    ル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有
    してもよいアリール基および水素原子を示し、R 15およ
    びR16は同一であっても異なっていてもよく、Ar5
    置換基を有してもよいアリール基を示し、n1 は0また
    は1〜2の整数を示す。))
  9. 【請求項9】 上記一般式(1)[化1]のAのAとP
    1 およびZとの結合部位を水素原子に置き換えた正孔輸
    送性化合物が縮合環炭化水素又は縮合複素環又は下記一
    般式(7)[化7]で示される請求項4記載の電子写真
    感光体。 【化7】 (式中、R17およびR18は置換基を有してもよいアルキ
    ル基、置換基を有してもよいアラルキル基または置換基
    を有してもよいアリール基を示し、R17およびR 18は同
    一であっても異なっていてもよく、Ar6 は置換基を有
    してもよいアリール基を示す。但し、上記縮合環炭化水
    素、縮合複素環及び上記一般式(7)[化7]は、下記
    一般式(8)[化8]の置換基を少なくとも一つ以上有
    する。 【化8】 (式中、R19およびR20は置換基を有してもよいアルキ
    ル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有
    してもよいアリール基および水素原子を示し、R 19およ
    びR20は同一であっても異なっていてもよく、Ar7
    置換基を有してもよいアリール基を示し、n2 は0また
    は1〜2の整数を示す。))
  10. 【請求項10】 上記一般式(1)[化1]のZ又は一
    般式(3)[化3]のQが置換基を有してもよいアルキ
    レン、置換基を有してもよいアリーレン、CR21=CR
    22(R21及びR22は置換基を有してもよいアルキル基、
    置換基を有してもよいアリール基または水素原子を示
    し、R21及びR22は同一であっても異なっていてもよ
    い。)、C=O、S=O、SO2、酸素原子または硫黄
    原子から成る群から選ばれた一つあるいは任意に組み合
    わされた有機基を示す請求項4〜9のいずれかに記載の
    電子写真感光体。
  11. 【請求項11】 上記一般式(1)[化1]のZ又は一
    般式(3)[化3]のQが下記一般式(9)[化9]で
    示される請求項4〜10のいずれかに記載の電子写真感
    光体。 【化9】 (式中、X1〜X3は置換基を有してもよいアルキレン
    基、(CR23=CR24m2、C=O、S=O、SO2
    酸素原子または硫黄原子を示し、Ar8およびAr9は置
    換基を有してもよいアリーレン基を示し、R23及びR24
    は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有しても
    よいアリール基または水素原子を示し、R23及びR24
    同一であっても異なっていてもよく、m2 は1〜5の整
    数を示し、p、q、r、s及びtは0または1〜10の
    整数を示すが、同時に0であることはない。)
  12. 【請求項12】 上記一般式(1)[化1]のZ又は一
    般式(3)[化3]のQが下記一般式(10)[化1
    0]で示される請求項4〜11のいずれかに記載の電子
    写真感光体。 【化10】 (式中、Ar10は置換基を有してもよい2価のアリーレ
    ン基を示し、X4 およびX5 は(CH2m3、(CH=
    CR25m4、C=O、または酸素原子を示し、R2 5は置
    換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよい
    アリール基または水素原子を示し、m3 は1〜10の整
    数を示し、m4 は1〜5の整数を示し、u、v及びwは
    0または1〜10の整数を示すが、同時に0であること
    はない。)
  13. 【請求項13】 上記一般式(2)[化2]のR1 、R
    2 およびR3 が置換基を有してもよいアリール基である
    請求項5、10、11および12のいずれかに記載の電
    子写真感光体。
  14. 【請求項14】 上記一般式(3)[化3]のR4 、R
    5 、R8 及びR9 のうち少なくとも2つが置換基を有し
    てもよいアリール基であり、かつ、R6 及びR7 が置換
    基を有してもよいアリーレン基である請求項6、10、
    11および12のいずれかに記載の電子写真感光体。
  15. 【請求項15】 上記一般式(3)[化3]のR4 、R
    5 、R8 及びR9 が置換基を有してもよいアリール基で
    ある請求項14に記載の電子写真感光体。
  16. 【請求項16】 上記一般式(4)[化4]のR10及び
    11が置換基を有してもよいアリール基である請求項
    7、10、11および12のいずれかに記載の電子写真
    感光体。
  17. 【請求項17】 上記一般式(4)[化4]のm1 が1
    であり、かつ、R10、R11、R12およびR13が置換基を
    有してもよいアリール基である請求項16に記載の電子
    写真感光体。
  18. 【請求項18】 上記一般式(5)[化5]のR14が置
    換基を有してもよいアリール基である請求項8、10、
    11および12のいずれかに記載の電子写真感光体。
  19. 【請求項19】 上記一般式(6)[化6]のR16が置
    換基を有してもよいアリール基である請求項18に記載
    の電子写真感光体。
  20. 【請求項20】 上記一般式(8)[化8]のR20が置
    換基を有してもよいアリール基である請求項9、10、
    11および12のいずれかに記載の電子写真感光体。
  21. 【請求項21】 上記一般式(7)[化7]のR17およ
    びR18が置換基を有してもよいアリール基である請求項
    20に記載の電子写真感光体。
  22. 【請求項22】 連鎖重合性基P1 、P2 の一方又は両
    方が下記一般式(11)[化11]で示される不飽和重
    合性官能基である請求項4〜21のいずれかに記載の電
    子写真感光体。 【化11】 (式中、Eは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有して
    もよいアルキル基および置換基を有してもよいアリール
    基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR26
    (R26は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよ
    いアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基およ
    び置換基を有してもよいアリール基を示す。)、CON
    2728(R27、R28は水素原子、ハロゲン原子、置換
    基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいア
    ラルキル基および置換基を有してもよいアリール基を示
    し、互いに同一であっても異なっていてもよい。)を示
    し、Wは置換基を有してもよい2価のアリール基または
    置換基を有してもよい2価のアルキレン基、−COO
    −、−CH2−、−O−、−OO−、−S−、−CON
    29−(R29は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有し
    てもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル
    基または置換基を有してもよいアリール基を示す。)を
    示し、fは0または1を示す。)
  23. 【請求項23】 連鎖重合性基P1 、P2 の一方又は両
    方が下記一般式(12)[化12]で示される環状エー
    テル基である請求項4〜22のいずれかに記載の電子写
    真感光体。 【化12】 (式中、R30およびR31は水素原子、置換基を有しても
    よいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、
    または置換基を有してもよいアリール基を示し、nは1
    〜10以下の整数を示す。)
  24. 【請求項24】 連鎖重合性基P1 、P2 の一方又は両
    方が下記一般式(13)[化13]で示される脂環式エ
    ポキシ基である請求項4〜22のいずれかに記載の電子
    写真感光体。 【化13】 (式中、R32およびR33は水素原子、置換基を有しても
    よいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、
    または置換基を有してもよいアリール基を示し、nは0
    または1〜10以下の整数を示す。)
  25. 【請求項25】 連鎖重合性基P1 、P2 の一方又は両
    方が下記式(14)[化14]〜(20)[化20]の
    いずれかである請求項4〜22のいずれかに記載の電子
    写真感光体。 【化14】 【化15】 【化16】 【化17】 【化18】 【化19】 【化20】
  26. 【請求項26】 同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官
    能基を有する正孔輸送性化合物の化合物の酸化電位が
    0.4〜1.2(V)である請求項4〜25のいずれか
    に記載の電子写真感光体。
  27. 【請求項27】 前記感光層が電子線による重合反応を
    利用して形成された感光層であることを特徴とする請求
    項4〜26のいずれかに記載の電子写真感光体。
  28. 【請求項28】 該電子線の加速電圧が250KV以下
    である請求項27に記載の電子写真感光体。
  29. 【請求項29】 該電子線の線量が1〜100Mrad
    である請求項27または28のいずれかに記載の電子写
    真感光体。
  30. 【請求項30】 連鎖重合性基P1 、P2 の一方又は両
    方が下記式(14)[化21]あるいは(15)[化2
    2]のいずれかである請求項4〜29のいずれかに記載
    の電子写真感光体。 【化21】 【化22】
  31. 【請求項31】 請求項1〜30のいずれかに記載の電
    子写真感光体を用いる電子写真装置。
  32. 【請求項32】 請求項1〜30のいずれかに記載の電
    子写真感光体を用いるプロセスカートリッジ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008170977A (ja) * 2006-12-11 2008-07-24 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ
JP2008203697A (ja) * 2007-02-22 2008-09-04 Ricoh Co Ltd 電子写真装置及びプロセスカートリッジ
US7517625B2 (en) 2004-09-06 2009-04-14 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus and process cartridge

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