JP2017116841A - 電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ、及び電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】機械的耐久性と静電的特性とを両立する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法を提供することにある。
【解決手段】支持体と、該支持体上に形成された電荷輸送層と、該電荷輸送層上に形成された保護層と、を有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、該製造方法が、該電荷輸送層を形成する工程と、保護層用塗布液を用いて該電荷輸送層上に塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて保護層を形成する工程と、を有し、該保護層用塗布液が(α)重合性化合物と、それぞれ特定の量の(β)キシレンおよびトルエンからなる群より選択される少なくとも1種、(γ)シクロペンタノンおよびシクロヘキサノンからなる群より選択される少なくとも1種、並びに、(δ)テトラヒドロフランと、を含有し、該電荷輸送層が、電荷輸送物質と、特定の構造を有するポリカーボネート樹脂、または特定の構造を有するポリエステル樹脂を含有する。
【選択図】なし
【解決手段】支持体と、該支持体上に形成された電荷輸送層と、該電荷輸送層上に形成された保護層と、を有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、該製造方法が、該電荷輸送層を形成する工程と、保護層用塗布液を用いて該電荷輸送層上に塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて保護層を形成する工程と、を有し、該保護層用塗布液が(α)重合性化合物と、それぞれ特定の量の(β)キシレンおよびトルエンからなる群より選択される少なくとも1種、(γ)シクロペンタノンおよびシクロヘキサノンからなる群より選択される少なくとも1種、並びに、(δ)テトラヒドロフランと、を含有し、該電荷輸送層が、電荷輸送物質と、特定の構造を有するポリカーボネート樹脂、または特定の構造を有するポリエステル樹脂を含有する。
【選択図】なし
Description
本発明は、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ、及び電子写真装置に関する。
近年、電子写真装置ユーザーの多様化が進み、出力される画像には従来のものよりも高画質、高安定性が求められている。それに伴って電子写真装置に搭載される電子写真感光体についても上記特性のさらなる向上が求められている。
画像品質を安定的に維持するためには、長期にわたる繰り返し印刷を行っても静電疲労したりすることがないなどの静電的耐久性に優れることや、感光体表面が摩耗したり、傷が形成されたりすることがないなどの機械的耐久性に優れることが重要である。
機械的耐久性と静電的耐久性とを両立する技術として、特許文献1には、電子写真感光体が、電荷発生層と、電荷輸送物質及び結着樹脂を含有する電荷輸送層と、特定の保護層と、を有し、テトラヒドロフランおよびシクロペンタノンの含有量を特定の含有量とする技術が開示されている。該特定の保護層は、フィラーと、ポリカルボン酸化合物と、電荷輸送性構造を有する重合性化合物および電荷輸送性構造を有さない重合性化合物を含む硬化性樹脂と、を含有する。該特定の含有量とは、該電子写真感光体の全層の固形分量に対して、テトラヒドロフランについて50ppm以上10000ppm以下であり、シクロペンタノンについて1ppm以上100ppm以下である。
また、特許文献2には、耐摩耗性の向上および露光部電位のジョブ内変動を抑制するための技術として、電子写真感光体の感光層の表面層にフィラー及び特定の量の芳香族炭化水素を含有する技術が開示されている。
近年、電子写真装置が使用される用途も広がり、オフィスでの使用に限られず、軽印刷としての使用も増えてきており、電子写真感光体としても、高い静電的安定性と機械的耐久性とが求められる。
しかしながら、特許文献1の技術を用いた場合にも機械的耐久性が不足する場合があることが明らかになった。また、特許文献2の技術を用いた場合にも、同様の課題が生じる場合があることが明らかになった。
しかしながら、特許文献1の技術を用いた場合にも機械的耐久性が不足する場合があることが明らかになった。また、特許文献2の技術を用いた場合にも、同様の課題が生じる場合があることが明らかになった。
本発明の目的は、機械的耐久性と静電的特性とを両立する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法、並びに、該電子写真感光体の製造方法により製造された電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
本発明に係る電子写真感光体の製造方法は、支持体と、該支持体上に形成された電荷輸送層と、該電荷輸送層上に形成された保護層と、を有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、
該製造方法が、該電荷輸送層を形成する工程と、保護層用塗布液を用いて該電荷輸送層上に塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて該保護層を形成する工程と、を有し、
該保護層用塗布液が
(α)重合性化合物
(β)キシレンおよびトルエンからなる群より選択される少なくとも1種
(γ)シクロペンタノンおよびシクロヘキサノンからなる群より選択される少なくとも1種
(δ)テトラヒドロフラン
を含有し、
該保護層用塗布液中の該(γ)の含有量が、該保護層用塗布液中の全溶剤に対して1質量%以上30質量%以下であり、
該保護層用塗布液中の該(δ)の含有量が、該保護層用塗布液中の全溶剤に対して70質量%以上96質量%以下であり、
該保護層用塗布液中の該(β)の含有量が、該保護層用塗布液中の該(γ)と該(δ)との含有量の和に対して2質量%以上20質量%以下であり、
該電荷輸送層が、電荷輸送物質と、式(B)で示される構造を有するポリカーボネート樹脂または式(C)で示される構造を有するポリエステル樹脂を含有する
ことを特徴とする。
(R11〜R14およびR21〜R24は、それぞれ独立に水素原子、メチル基またはエチル基を示し、X1およびX2は、それぞれ独立に単結合、置換もしくは無置換のシクロヘキシリデン基、または式(D)で示される2価の基を示す。Y1は、フェニレン基またはジフェニルエーテル基を示す。)
(R31およびR32は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基またはフェニル基を示す。)
また、本発明に係るプロセスカートリッジは、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段と、を一体に支持し、電子写真装置の本体に着脱自在であることを特徴とする。
さらに、本発明に係る電子写真装置は、上記電子写真感光体の製造方法で製造された電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする。
該製造方法が、該電荷輸送層を形成する工程と、保護層用塗布液を用いて該電荷輸送層上に塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて該保護層を形成する工程と、を有し、
該保護層用塗布液が
(α)重合性化合物
(β)キシレンおよびトルエンからなる群より選択される少なくとも1種
(γ)シクロペンタノンおよびシクロヘキサノンからなる群より選択される少なくとも1種
(δ)テトラヒドロフラン
を含有し、
該保護層用塗布液中の該(γ)の含有量が、該保護層用塗布液中の全溶剤に対して1質量%以上30質量%以下であり、
該保護層用塗布液中の該(δ)の含有量が、該保護層用塗布液中の全溶剤に対して70質量%以上96質量%以下であり、
該保護層用塗布液中の該(β)の含有量が、該保護層用塗布液中の該(γ)と該(δ)との含有量の和に対して2質量%以上20質量%以下であり、
該電荷輸送層が、電荷輸送物質と、式(B)で示される構造を有するポリカーボネート樹脂または式(C)で示される構造を有するポリエステル樹脂を含有する
ことを特徴とする。
また、本発明に係るプロセスカートリッジは、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段と、を一体に支持し、電子写真装置の本体に着脱自在であることを特徴とする。
さらに、本発明に係る電子写真装置は、上記電子写真感光体の製造方法で製造された電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、機械的耐久性と静電的特性とを両立する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法、並びに、該電子写真感光体の製造方法により製造された電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することができる。
本発明の電子写真感光体の製造方法は、支持体と、該支持体上に形成された電荷輸送層と、該電荷輸送層上に形成された保護層と、を有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、該製造方法が、該電荷輸送層を形成する工程と、保護層用塗布液を用いて該電荷輸送層上に塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて該保護層を形成する工程と、を有し、該保護層用塗布液が(α)重合性化合物、(β)キシレンおよびトルエンからなる群より選択される少なくとも1種、(γ)シクロペンタノンおよびシクロヘキサノンからなる群より選択される少なくとも1種、(δ)テトラヒドロフランを含有し、該保護層用塗布液中の該(γ)の含有量が、該保護層用塗布液中の全溶剤に対して1質量%以上30質量%以下であり、該保護層用塗布液中の該(δ)の含有量が、該保護層用塗布液中の全溶剤に対して70質量%以上96質量%以下であり、該保護層用塗布液中の該(β)の含有量が、該保護層用塗布液中の該(γ)と該(δ)との含有量の和に対して2質量%以上20質量%以下であり、該電荷輸送層が式(B)で示される構造を有するポリカーボネート樹脂または式(C)で示される構造を有するポリエステル樹脂を含有することを特徴とする。
(R11〜R14およびR21〜R24は、それぞれ独立に水素原子、メチル基またはエチル基を示し、X1およびX2は、それぞれ独立に単結合、置換もしくは無置換のシクロヘキシリデン基、または式(D)で示される2価の基を示す。Y1は、フェニレン基またはジフェニルエーテル基を示す。)
(R31およびR32は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基またはフェニル基を示す。)
特許文献1に開示された技術に対する本発明の特徴は、保護層用塗布液中に、(β)キシレンおよびトルエンからなる群より選択される少なくとも1種を特定の量含有させていることである。また、特許文献2に開示された技術に対する本発明の特徴は、保護層用塗布液中に(γ)シクロペンタノンおよびシクロヘキサノンからなる群より選択される少なくとも1種を特定の量含有させることである。
本発明者らは、保護層用塗布液に(α)、および、特定の量の(β)、(γ)、(δ)を含有することにより機械的耐久性が向上する理由を以下のように推測している。
(α)、(γ)、(δ)を含有する保護層用塗布液を電荷輸送層上に塗布した場合、(γ)、(δ)は電荷輸送層を非常によく溶かすため、重合に関与しない電荷輸送層中の結着樹脂や電荷輸送物質が保護層中に多く溶け出す。それにより(α)重合性化合物の重合反応の阻害が起こり、本来得られるべき機械的強度が得られない場合がある。一方、(β)は(γ)、(δ)と比較すると電荷輸送層の溶解性が低い。また、(γ)、(δ)に対して(β)を特定量含有させて電荷輸送層の溶解性をさらに適正化することによって、保護層中に溶けだす電荷輸送層中の結着樹脂や電荷輸送物質の量が最適化され、硬化(重合反応)阻害が起きにくくなっているものと考えている。
〈保護層を形成する工程、保護層用塗布液について〉
本発明に係る電子写真感光体の製造方法は、保護層用塗布液を用いて電荷輸送層上に塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて保護層を形成する工程を有する。本発明に係る電子写真感光体の製造方法は、電荷輸送層を形成する工程に続けて保護層を形成する工程を行うことが好ましい。
本発明に係る電子写真感光体の製造方法は、保護層用塗布液を用いて電荷輸送層上に塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて保護層を形成する工程を有する。本発明に係る電子写真感光体の製造方法は、電荷輸送層を形成する工程に続けて保護層を形成する工程を行うことが好ましい。
保護層用塗布液は、下記(α)〜(δ)を含有する。
(α)重合性化合物
(β)キシレンおよびトルエンからなる群より選択される少なくとも1種
(γ)シクロペンタノンおよびシクロヘキサノンからなる群より選択される少なくとも1種
(δ)テトラヒドロフラン
(α)重合性化合物
(β)キシレンおよびトルエンからなる群より選択される少なくとも1種
(γ)シクロペンタノンおよびシクロヘキサノンからなる群より選択される少なくとも1種
(δ)テトラヒドロフラン
〈(α)重合性化合物について〉
重合性化合物としては、例えば、アクリロイルオキシ基やスチリル基などの連鎖重合性官能基を有する化合物や、ヒドロキシ基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、エポキシ基などの逐次重合性官能基を有する化合物が挙げられる。
重合性化合物としては、例えば、アクリロイルオキシ基やスチリル基などの連鎖重合性官能基を有する化合物や、ヒドロキシ基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、エポキシ基などの逐次重合性官能基を有する化合物が挙げられる。
耐摩耗性と電荷輸送能力との両立の観点から、(α)重合性化合物として電荷輸送性構造を有する重合性化合物を用いることが好ましいが、電荷輸送性構造を有さない重合性化合物を含有していてもよい。(α)が電荷輸送性構造を有する重合性化合物と、電荷輸送性構造を有さない重合性化合物と、を含むことがより好ましい。また、(α)は保護層用塗布液に対し5質量%以上、40質量%以下含有することが好ましい。
前記式(A)、(A’)中、Fn1、Fn2は水素原子及びメチル基のいずれかを示し、sは0〜3の整数を示し、置換基の数である。Fn3は重合性の官能基を有する置換基を示す。
重合性の官能基としてはアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基がより好ましい。
重合性の官能基としてはアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基がより好ましい。
〈(β)について〉
(β)はキシレンおよびトルエンからなる群より選択される少なくとも1種より選択される。電荷輸送層の溶出の観点から、(β)の保護層用塗布液中の含有量は、後述する(γ)と(δ)との含有量の和に対して2質量%以上20質量%以下の範囲である。(β)としてキシレンまたはトルエンをそれぞれ単独で用いても構わないし、混合して用いても構わない。(β)はキシレンを50質量%以上100質量%以下含むことがより好ましい。
(β)はキシレンおよびトルエンからなる群より選択される少なくとも1種より選択される。電荷輸送層の溶出の観点から、(β)の保護層用塗布液中の含有量は、後述する(γ)と(δ)との含有量の和に対して2質量%以上20質量%以下の範囲である。(β)としてキシレンまたはトルエンをそれぞれ単独で用いても構わないし、混合して用いても構わない。(β)はキシレンを50質量%以上100質量%以下含むことがより好ましい。
〈(γ)について〉
(γ)はシクロペンタノンおよびシクロヘキサノンからなる群より選択される少なくとも1種より選択される。(γ)としてシクロペンタノンまたはシクロヘキサノンをそれぞれ単独で用いても構わないし、混合して用いても構わない。電荷輸送層の溶出の観点から、保護層用塗布液中の(γ)の含有量は、保護層用塗布液中の全溶剤に対して1質量%以上30質量%以下の範囲である。さらには、(γ)が、シクロペンタノンを50質量%以上100質量%以下含むことがより好ましい。
(γ)はシクロペンタノンおよびシクロヘキサノンからなる群より選択される少なくとも1種より選択される。(γ)としてシクロペンタノンまたはシクロヘキサノンをそれぞれ単独で用いても構わないし、混合して用いても構わない。電荷輸送層の溶出の観点から、保護層用塗布液中の(γ)の含有量は、保護層用塗布液中の全溶剤に対して1質量%以上30質量%以下の範囲である。さらには、(γ)が、シクロペンタノンを50質量%以上100質量%以下含むことがより好ましい。
〈(δ)テトラヒドロフランについて〉
電荷輸送層の溶出の観点から、保護層用塗布液中の(δ)の含有量が、保護層用塗布液中の全溶剤に対して70質量%以上96質量%以下であることが好ましい。
電荷輸送層の溶出の観点から、保護層用塗布液中の(δ)の含有量が、保護層用塗布液中の全溶剤に対して70質量%以上96質量%以下であることが好ましい。
〈(β)と(γ)との含有量比について〉
保護層用塗布液中の(β)の含有量と、保護層用塗布液中の(γ)の含有量と、の比((β)の含有量/(γ)の含有量)が0.1以上5以下であることがより好ましい。この比がかかる範囲であると、電荷輸送層中の結着樹脂や電荷輸送物質が溶け出す量が最適化され、保護層の硬化(重合反応の)阻害をさらに抑制できると共に、電子写真感光体の電位がより安定する。
保護層用塗布液中の(β)の含有量と、保護層用塗布液中の(γ)の含有量と、の比((β)の含有量/(γ)の含有量)が0.1以上5以下であることがより好ましい。この比がかかる範囲であると、電荷輸送層中の結着樹脂や電荷輸送物質が溶け出す量が最適化され、保護層の硬化(重合反応の)阻害をさらに抑制できると共に、電子写真感光体の電位がより安定する。
〈電荷輸送層について〉
電荷輸送層は少なくとも結着樹脂と、電荷輸送物質と、により構成される。本発明における結着樹脂とは、下記式(B)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂または下記式(C)で示される繰り返し構造単位を有するポリエステル樹脂であることが好ましい。
電荷輸送層は少なくとも結着樹脂と、電荷輸送物質と、により構成される。本発明における結着樹脂とは、下記式(B)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂または下記式(C)で示される繰り返し構造単位を有するポリエステル樹脂であることが好ましい。
式(B)中、R11〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基またはエチル基を示す。X1は、単結合、置換もしくは無置換のシクロヘキシリデン基、または、下記式(D)で示される2価の基を示す。
式(C)中、R21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基またはエチル基を示す。X2は、単結合、置換もしくは無置換のシクロヘキシリデン基、または、下記式(D)で示される2価の基を示す。Y1は、フェニレン基またはジフェニルエーテル基を示す。Y1は、m−フェニレン基、p−フェニレン基または2つのp−フェニレン基が酸素原子を介して結合した2価の基であることがより好ましい。
式(D)中、R31およびR32は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基またはフェニル基を示す。
R11〜R14およびR21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基またはエチル基を示す。Zは無置換のシクロヘキシリデン基、または1〜3個のアルキル基で置換したシクロヘキシリデン基を示す。1〜3個のアルキル基は、それぞれ独立にメチル基、エチル基またはブチル基であることが好ましい。Y1は、フェニレン基またはジフェニルエーテル基を示す。
ポリカーボネート樹脂Bの繰り返し構造単位は上記の(B−1)〜(B−11)の構造単位のうち、1種の重合体でも、2種以上の共重合体であってもよい。上記したように、これらの中でも式(B’)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂Bである、式(B−4)、(B−5)、(B−6)、(B−7)で示される繰り返し構造単位を有するポリエステル樹脂が特に好ましい。
ポリエステル樹脂Cの繰り返し構造単位は上記の(C−1)〜(C−12)の構造単位のうち、1種の重合体でも、2種以上の共重合体であってもよい。これらの中でも式(C’)で示される繰り返し構造単位を有するポリエステル樹脂Cである、式(C−4)、(C−5)、(C−6)、(C−7)、(C−12)で示される繰り返し構造単位を有するポリエステル樹脂が特に好ましい。
上記ポリカーボネート樹脂B、および上記ポリエステル樹脂Cのその共重合形態は、ブロック共重合、ランダム共重合、交互共重合などいずれの形態であってもよい。
これらのポリカーボネート樹脂B、およびポリエステル樹脂Cの平均重量分子量としては、20000以上300000以下が好ましく、50000以上250000以下がより好ましい。本発明における樹脂の重量平均分子量とは、特開2007−79555号公報に記載の方法により測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量である。
本発明における電荷輸送物質としては特に制限はなく、周知慣用されている電荷輸送物質を1種類以上用いることができる。電荷輸送物質として具体的には、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物、エナミン化合物などが挙げられる。
好ましくは下記構造式(E−1)〜(E−8)で示される化合物である。中でも(E−1)〜(E−3)、(E−8)の構造を有する電荷輸送物質であることがより好ましい。また、分子量が3000以下であることが好ましい。
〈電子写真感光体の構成〉
次に、本発明に係る電子写真感光体の構成について説明する。
本発明に係る電子写真感光体は、支持体と、該支持体上に形成された電荷発生層および電荷輸送層と、該電荷輸送層上に形成された保護層と、を有する電子写真感光体である。また、感光層は、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順で積層された構成を有する積層型(機能分離型)感光層(順層型感光層)になっている。すなわち、電荷輸送層と保護層とが直接接している。また、複数の電荷発生層を積層した構成としてもよいし、複数の電荷輸送層を積層した構成としてもよい。
次に、本発明に係る電子写真感光体の構成について説明する。
本発明に係る電子写真感光体は、支持体と、該支持体上に形成された電荷発生層および電荷輸送層と、該電荷輸送層上に形成された保護層と、を有する電子写真感光体である。また、感光層は、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順で積層された構成を有する積層型(機能分離型)感光層(順層型感光層)になっている。すなわち、電荷輸送層と保護層とが直接接している。また、複数の電荷発生層を積層した構成としてもよいし、複数の電荷輸送層を積層した構成としてもよい。
(支持体)
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)であることが好ましい。支持体の材料としては、例えば、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、亜鉛、チタン、鉛、ニッケル、スズ、アンチモン、インジウム、クロム、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属(合金)が挙げられる。また、支持体の材料として、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金を用いて真空蒸着によって形成した被膜を有する金属製支持体やプラスチック製支持体を用いることもできる。
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)であることが好ましい。支持体の材料としては、例えば、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、亜鉛、チタン、鉛、ニッケル、スズ、アンチモン、インジウム、クロム、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属(合金)が挙げられる。また、支持体の材料として、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金を用いて真空蒸着によって形成した被膜を有する金属製支持体やプラスチック製支持体を用いることもできる。
また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子などの導電性粒子をプラスチックや紙に含浸させた支持体や、導電性結着樹脂で形成された支持体を用いることもできる。
支持体の表面は、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制を目的として、例えば、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理を施してもよい。
(導電層)
支持体と、後述の下引き層との間には、例えば、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制や、支持体の傷の被覆を目的として、導電層を設けてもよい。導電層は、カーボンブラック、導電性顔料、抵抗調節顔料を結着樹脂とともに溶剤に分散処理することによって得られる導電層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。また、導電層用塗布液には、例えば、加熱、紫外線照射、放射線照射により硬化重合する化合物を添加してもよい。
支持体と、後述の下引き層との間には、例えば、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制や、支持体の傷の被覆を目的として、導電層を設けてもよい。導電層は、カーボンブラック、導電性顔料、抵抗調節顔料を結着樹脂とともに溶剤に分散処理することによって得られる導電層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。また、導電層用塗布液には、例えば、加熱、紫外線照射、放射線照射により硬化重合する化合物を添加してもよい。
導電層に用いられる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エチルセルロース樹脂、エチレン−アクリル酸コポリマー、エポキシ樹脂、カゼイン樹脂、シリコーン樹脂、ゼラチン樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂が挙げられる。
導電性顔料および抵抗調節顔料としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀、ステンレスなどの金属(合金)の粒子や、これらをプラスチックの粒子の表面に蒸着したものが挙げられる。また、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズがドープされている酸化インジウム、アンチモンやタンタルがドープされている酸化スズなどの金属酸化物の粒子を用いることもできる。これらは、1種のみ用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、導電性顔料および抵抗調節顔料には、表面処理を施すことができる。表面処理剤としては、例えば、界面活性剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤が用いられる。
さらに、光散乱を目的として、シリコーン樹脂微粒子やアクリル樹脂微粒子などの粒子を導電層用塗布液に添加してもよい。また、レベリング剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、整流性材料などの添加剤を導電層用塗布液に含有させてもよい。
導電層の膜厚は、0.2μm以上40μm以下であることが好ましく、1μm以上35μm以下であることがより好ましく、5μm以上30μm以下であることがより好ましい。
(下引き層)
支持体または導電層と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、感光層の接着性改良、支持体からの電荷注入性改良を目的として、下引き層(中間層)を設けてもよい。下引き層は、結着樹脂、および溶剤を混合することによって得られる下引き層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることによって下引き層を形成することができる。
支持体または導電層と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、感光層の接着性改良、支持体からの電荷注入性改良を目的として、下引き層(中間層)を設けてもよい。下引き層は、結着樹脂、および溶剤を混合することによって得られる下引き層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることによって下引き層を形成することができる。
下引き層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、エチルセルロース樹脂、メチルセルロース樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロンおよびN−アルコキシメチル化ナイロンなど)、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
下引き層の膜厚は、0.05μm以上40μm以下であることが好ましい。
下引き層には、金属酸化物粒子を含有させてもよい。下引き層に用いられる金属酸化物粒子は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属酸化物を含有することが好ましい。上記の金属酸化物を含有する金属酸化物粒子の中でも、酸化亜鉛を含有する金属酸化物粒子がより好ましい。
金属酸化物粒子は、その表面がシランカップリング剤などの表面処理剤で処理されていてもよい。
金属酸化物粒子は、その表面がシランカップリング剤などの表面処理剤で処理されていてもよい。
分散方法としては、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ロールミル、振動ミル、アトライター、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
下引き層には、例えば、下引き層の表面粗さの調整、または下引き層のひび割れ軽減を目的として、有機樹脂粒子や、レベリング剤をさらに含有させてもよい。有機樹脂粒子としては、シリコーン粒子などの疎水性有機樹脂粒子や、架橋型ポリメタクリレート樹脂(PMMA)粒子などの親水性有機樹脂粒子を用いることができる。
下引き層には、各種添加物を含有させることができる。添加物としては、例えば金属、導電性物質、電子輸送性物質、金属キレート化合物、シランカップリング剤などの有機金属化合物が挙げられる。
(電荷発生層)
電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤とともに分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、これを乾燥させることによって形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜としてもよい。
電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤とともに分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、これを乾燥させることによって形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜としてもよい。
感光層に用いられる電荷発生物質としては、例えば、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、スクワリリウム色素、チアピリリウム塩、トリフェニルメタン色素、キナクリドン顔料、アズレニウム塩顔料、シアニン染料、アントアントロン顔料、ピラントロン顔料、キサンテン色素、キノンイミン色素、スチリル色素が挙げられる。
これら電荷発生物質は、1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。これらの中でも、感度の観点から、オキシチタニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましい。さらに、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの中でも、CuKβ特性X線回折におけるブラッグ角2θの7.4°±0.3°および28.2°±0.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が好ましい。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、尿素樹脂が挙げられる。これらの中でも、ブチラール樹脂が好ましい。これらは、単独、混合または共重合体として、1種または2種以上用いることができる。
分散方法としては、例えば、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ロールミル、アトライターを用いた方法が挙げられる。
電荷発生層における電荷発生物質と結着樹脂との割合は、結着樹脂1質量部に対して電荷発生物質が0.3質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
電荷発生層には、必要に応じて、例えば、増感剤、レベリング剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、整流性材料を添加することもできる。
電荷発生層の膜厚は、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。
(電荷輸送層、電荷輸送層を形成する工程)
電荷発生層上には、電荷輸送層が形成される。電荷輸送層は、電荷輸送物質と結着樹脂とを溶剤に溶解させて得られる電荷輸送層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
電荷発生層上には、電荷輸送層が形成される。電荷輸送層は、電荷輸送物質と結着樹脂とを溶剤に溶解させて得られる電荷輸送層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
電荷輸送物質としては、前述したように、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物、エナミン化合物、前記式(E)の部分構造を有する電荷輸送物質が例示される。他の電荷輸送物質としては、ピレン化合物、N−アルキルカルバゾール化合物、ヒドラゾン化合物、N,N−ジアルキルアニリン化合物、ジフェニルアミン化合物、トリフェニルアミン化合物、トリフェニルメタン化合物、ピラゾリン化合物、ブタジエン化合物が挙げられる。これら電荷輸送物質は、1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。これら電荷輸送物質の中でも、前記式(E)の部分構造を有するものが好ましく、(E−1)〜(E−3)、(E−8)で示される化合物を含むことがより好ましい。
電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、上記式(B)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂Bまたは上記式(C)で示される繰り返し構造単位を有するポリエステル樹脂Cであることが好ましい。これらの結着樹脂の中でも式(B−4)、(B−5)、(B−6)、(B−7)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂が好ましい。
また、電荷輸送層中には上記ポリカーボネート樹脂Bまたはポリエステル樹脂Cと共に、他の結着樹脂を含有してもよい。他の結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリビニルカルバゾール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリサルホン樹脂、塩化ビニリデン、アクリロニトリル共重合体、ポリビニルベンザール樹脂が挙げられる。これらは、単独、混合または共重合体として、1種または2種以上用いることができる。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤は、例えば、アルコール系溶剤、スルホキシド溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
本発明に係る電荷輸送層は、必要に応じて、例えば劣化防止剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤)、可塑剤、レベリング剤、有機微粒子、無機微粒子を添加することもできる。
劣化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系耐光安定剤、硫黄原子含有酸化防止剤、リン原子含有酸化防止剤が挙げられる。
有機微粒子としてはフッ素原子含有樹脂微粒子、ポリスチレン微粒子、ポリエチレン樹脂粒子のような高分子樹脂粒子が挙げられる。
無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナのような金属酸化物が挙げられる。
劣化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系耐光安定剤、硫黄原子含有酸化防止剤、リン原子含有酸化防止剤が挙げられる。
有機微粒子としてはフッ素原子含有樹脂微粒子、ポリスチレン微粒子、ポリエチレン樹脂粒子のような高分子樹脂粒子が挙げられる。
無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナのような金属酸化物が挙げられる。
(保護層、保護層を形成する工程)
電荷輸送層上に形成する保護層は、上記したように重合性化合物(α)を溶剤(β)〜(δ)に溶解、または分散させて得られる保護層用塗布液の塗膜を電荷輸送層上に形成し、塗膜を架橋または重合反応を用いて硬化(重合)させて形成する。
電荷輸送層上に形成する保護層は、上記したように重合性化合物(α)を溶剤(β)〜(δ)に溶解、または分散させて得られる保護層用塗布液の塗膜を電荷輸送層上に形成し、塗膜を架橋または重合反応を用いて硬化(重合)させて形成する。
硬化させる反応としては、例えば、ラジカル重合、イオン重合、熱重合、光重合、放射線重合(電子線重合)、プラズマCVD法、光CVD法などが挙げられる。
また、保護層には、導電性粒子や電荷輸送物質を添加してもよい。導電性粒子としては、上記導電層に用いられる導電性顔料を用いることができる。電荷輸送物質としては、上記電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質を用いることができる。
また、保護層には、有機樹脂粒子や無機粒子を含有させてもよい。有機樹脂粒子としては、フッ素原子含有樹脂粒子、アクリル樹脂粒子が挙げられる。無機粒子としては、アルミナ、シリカ、チタニアが挙げられる。
さらに、保護層には、導電性粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤などを添加してもよい。
さらに、保護層には、導電性粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤などを添加してもよい。
保護層の膜厚は、0.1μm以上30μm以下であることが好ましく、1μm以上10μm以下であることがより好ましい。
(各層の塗布方法)
上記各層の塗布液を塗布する方法としては、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法を用いることができる。これらの中でも浸漬塗布法、スプレーコーティング法が好ましい。
上記各層の塗布液を塗布する方法としては、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法を用いることができる。これらの中でも浸漬塗布法、スプレーコーティング法が好ましい。
〈プロセスカートリッジおよび電子写真装置の構成〉
図1に、本発明の電子写真感光体の製造方法で製造された電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の例を示す。
図1において、円筒状の電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向(図1における時計回り方向)に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。電子写真感光体1の表面は、回転過程において、帯電手段3(一次帯電手段:例えば、帯電ローラーなど)により、正または負の所定電位に均一に帯電される。次いで、帯電された電子写真感光体1の表面には、露光手段(画像露光手段)(不図示)から露光光(画像露光光)4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成されていく。露光光4は、例えば、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段から出力される、目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調された光である。
図1に、本発明の電子写真感光体の製造方法で製造された電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の例を示す。
図1において、円筒状の電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向(図1における時計回り方向)に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。電子写真感光体1の表面は、回転過程において、帯電手段3(一次帯電手段:例えば、帯電ローラーなど)により、正または負の所定電位に均一に帯電される。次いで、帯電された電子写真感光体1の表面には、露光手段(画像露光手段)(不図示)から露光光(画像露光光)4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成されていく。露光光4は、例えば、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段から出力される、目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調された光である。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5内に収容された現像剤(トナー)で現像(正規現像または反転現像)され、電子写真感光体の表面にはトナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段(例えば、転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材P上に転写されていく。このとき、転写材Pは、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて、電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に給送される。また、転写手段6には、トナーの保有電荷とは逆極性のバイアス電圧がバイアス電源(不図示)から印加される。
トナー像が転写された転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて、定着手段8へ搬送されてトナー像の定着処理を受けることにより、画像形成物(プリント、コピー)として電子写真装置外へプリントアウトされる。
トナー像が転写材Pに転写された後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段7により、転写残りの現像剤(転写残トナー)などの付着物の除去を受けて清浄される。
さらに、電子写真感光体1の表面には、前露光手段(不図示)から前露光が照射され、除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図1に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光手段は必ずしも必要ではない。
さらに、電子写真感光体1の表面には、前露光手段(不図示)から前露光が照射され、除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図1に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光手段は必ずしも必要ではない。
本発明においては、上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数の構成要素を容器に納めて一体に支持してプロセスカートリッジを形成してもよい。このプロセスカートリッジを電子写真装置の本体に対して着脱自在に構成することができる。例えば、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7から選択される少なくとも1つとを一体に支持してカートリッジ化する。そして、電子写真装置の本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置の本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9とすることができる。
露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光であってもよい。または、センサーで原稿を読み取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動もしくは液晶シャッターアレイの駆動などにより放射される光であってもよい。
以下、具体的な実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
・電子写真感光体の製造例
(感光体1の製造例)
直径30mm、長さ357.5mmのアルミニウムシリンダーを支持体(円筒状支持体)とした。
次に、酸化スズで被覆されている硫酸バリウム粒子(商品名:パストランPC1、三井金属鉱業(株)製)60部、酸化チタン粒子(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製)15部、レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライト J−325、DIC(株)(旧:大日本インキ化学工業(株))製、固形分70質量%)43部、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング(株)(旧:東レ・シリコーン(株))製)0.015部、シリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社(旧:東芝シリコーン(株))製)3.6部、2−メトキシ−1−プロパノール50部、および、メタノール50部を、ボールミルに入れ、20時間分散処理することによって、導電層用塗布液を調製した。この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を1時間140℃で加熱し、硬化させることによって、膜厚15μmの導電層を形成した。
(感光体1の製造例)
直径30mm、長さ357.5mmのアルミニウムシリンダーを支持体(円筒状支持体)とした。
次に、酸化スズで被覆されている硫酸バリウム粒子(商品名:パストランPC1、三井金属鉱業(株)製)60部、酸化チタン粒子(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製)15部、レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライト J−325、DIC(株)(旧:大日本インキ化学工業(株))製、固形分70質量%)43部、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング(株)(旧:東レ・シリコーン(株))製)0.015部、シリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社(旧:東芝シリコーン(株))製)3.6部、2−メトキシ−1−プロパノール50部、および、メタノール50部を、ボールミルに入れ、20時間分散処理することによって、導電層用塗布液を調製した。この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を1時間140℃で加熱し、硬化させることによって、膜厚15μmの導電層を形成した。
次に、共重合ナイロン(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)10部およびメトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、ナガセケムテックス(株)(旧:帝国化学産業(株))製)30部を、メタノール400部/n−ブタノール200部の混合溶剤に溶解させることによって、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚0.45μmの下引き層を形成した。
次に、CuKβ特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°および28.2°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)20部、下記構造式(1)で示されるカリックスアレーン化合物0.2部、
ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)10部、および、シクロヘキサノン600部を、直径1mmガラスビーズを用いたサンドミルに入れた。そして、4時間分散処理した後、酢酸エチル700部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を電荷輸送層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を15分間80℃で乾燥させることによって、膜厚0.17μmの電荷発生層を形成した。
次に、上記式(E−1)で示される化合物72部(電荷輸送物質)、上記式(E−3)で示される化合物8部(電荷輸送物質)、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ビスフェノールZ型のポリカーボネート(B−4)構造を有する)100部を、混合キシレン600部およびジメトキシメタン200部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。
次に、構造式(A−1)で示される電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物4部、電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性化合物(KAYARAD TMPTA、日本化薬製、分子量:296、官能基数3官能、分子量/官能基数=99)4部、光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュア184、BASF社(旧:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社)製)0.5部をテトラヒドロフラン50部、シクロペンタノン1部、キシレン1.2部の混合溶剤に溶解させることにより保護層用塗布液を調整した。
得られた保護層用塗布液を用いて、電荷輸送層上にスプレー塗工法により塗布して塗膜を形成した。次いで、2分間自然乾燥した後、メタルハライドランプを用い、照射距離50mm、照射強度500mW/cm2で温度は45℃に保ちながら50秒照射し、自然乾燥後の塗膜を硬化させた。さらに130℃で20分乾燥させ、膜厚5μmの保護層を形成した。
保護層用塗布液の詳細を表1に示す。得られた電子写真感光体を「感光体1」とする。
保護層用塗布液の詳細を表1に示す。得られた電子写真感光体を「感光体1」とする。
(感光体2〜12の製造例)
感光体1の製造例において(α)、(β)、(γ)、(δ)を表1に示すように変更した以外はすべて感光体1の製造例と同様にして電子写真感光体を作製した。保護層用塗布液の詳細を表1に示す。得られた電子写真感光体を「感光体2〜感光体12」とする。
感光体1の製造例において(α)、(β)、(γ)、(δ)を表1に示すように変更した以外はすべて感光体1の製造例と同様にして電子写真感光体を作製した。保護層用塗布液の詳細を表1に示す。得られた電子写真感光体を「感光体2〜感光体12」とする。
(感光体13の製造例)
感光体1の製造例と同様に電荷発生層まで形成した後、式(E−8)で示される化合物100部(電荷輸送物質)、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ビスフェノールZ型のポリカーボネート)100部を、混合キシレン600部およびジメトキシメタン200部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。
感光体1の製造例と同様に電荷発生層まで形成した後、式(E−8)で示される化合物100部(電荷輸送物質)、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ビスフェノールZ型のポリカーボネート)100部を、混合キシレン600部およびジメトキシメタン200部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。
次に、感光体1の製造例と同様に膜厚5μmの保護層を形成した。保護層用塗布液の詳細を表1に示す。得られた電子写真感光体を「感光体13」とする。
(感光体14の製造例)
感光体1の製造例と同様に電荷発生層まで形成した後、式(E−1)で示される化合物72部(電荷輸送物質)、式(E−3)で示される化合物8部(電荷輸送物質)、式(B−6)で示されるポリカーボネート(粘度平均分子量Mv:60000)100部を、混合キシレン600部およびジメトキシメタン200部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。
感光体1の製造例と同様に電荷発生層まで形成した後、式(E−1)で示される化合物72部(電荷輸送物質)、式(E−3)で示される化合物8部(電荷輸送物質)、式(B−6)で示されるポリカーボネート(粘度平均分子量Mv:60000)100部を、混合キシレン600部およびジメトキシメタン200部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。
次に、感光体1の製造例と同様に膜厚5μmの保護層を形成した。保護層用塗布液の詳細を表1に示す。得られた電子写真感光体を「感光体14」とする。
(感光体15の製造例)
感光体1の製造例と同様に電荷発生層まで形成した後、式(E−1)で示される化合物72部(電荷輸送物質)、式(E−3)で示される化合物8部(電荷輸送物質)、式(C−12)で示されるポリエステル(粘度平均分子量Mv:100000)100部を、混合キシレン600部およびジメトキシメタン200部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。
感光体1の製造例と同様に電荷発生層まで形成した後、式(E−1)で示される化合物72部(電荷輸送物質)、式(E−3)で示される化合物8部(電荷輸送物質)、式(C−12)で示されるポリエステル(粘度平均分子量Mv:100000)100部を、混合キシレン600部およびジメトキシメタン200部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。
次に、感光体1の製造例と同様に膜厚5μmの保護層を形成した。保護層用塗布液の詳細を表1に示す。得られた電子写真感光体を「感光体15」とする。
(感光体16の製造例)
感光体1の製造例と同様に電荷発生層まで形成した後、式(E−1)で示される化合物72部(電荷輸送物質)、式(E−2)で示される化合物8部(電荷輸送物質)、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ビスフェノールZ型のポリカーボネート)100部を、混合キシレン600部およびジメトキシメタン200部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。
感光体1の製造例と同様に電荷発生層まで形成した後、式(E−1)で示される化合物72部(電荷輸送物質)、式(E−2)で示される化合物8部(電荷輸送物質)、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ビスフェノールZ型のポリカーボネート)100部を、混合キシレン600部およびジメトキシメタン200部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。
次に、感光体1の製造例と同様に膜厚5μmの保護層を形成した。保護層用塗布液の詳細を表1に示す。得られた電子写真感光体を「感光体16」とする。
(感光体101〜感光体104の製造例)
感光体1の製造例において(α)、(β)、(γ)、(δ)を表1に示すように変更した以外はすべて感光体1の製造例と同様にして電子写真感光体を作製した。詳細を表1に示す。得られた電子写真感光体を「感光体101〜感光体104」とする。
感光体1の製造例において(α)、(β)、(γ)、(δ)を表1に示すように変更した以外はすべて感光体1の製造例と同様にして電子写真感光体を作製した。詳細を表1に示す。得られた電子写真感光体を「感光体101〜感光体104」とする。
(実施例1)
・電子写真感光体の実機評価
(実施例A−1)
感光体−1を、評価装置であるキヤノン(株)製の電子写真装置(複合機)(商品名:iR−ADV C5255)の改造機のシアンステーションに装着し、以下のように試験および評価を行った。
・電子写真感光体の実機評価
(実施例A−1)
感光体−1を、評価装置であるキヤノン(株)製の電子写真装置(複合機)(商品名:iR−ADV C5255)の改造機のシアンステーションに装着し、以下のように試験および評価を行った。
〈画像評価〉
23℃/50%RH環境下で、上記評価装置のシアンステーションにおいて、電子写真感光体の暗部電位(Vd)が−700V、明部電位(Vl)が−200Vになるように帯電装置および画像露光装置の条件を設定し、電子写真感光体の初期電位を調整した。
次に、シアン濃度30%のスクリーン画像をハーフトーン画像として出力し、画像欠陥が無いことを確認した。
23℃/50%RH環境下で、上記評価装置のシアンステーションにおいて、電子写真感光体の暗部電位(Vd)が−700V、明部電位(Vl)が−200Vになるように帯電装置および画像露光装置の条件を設定し、電子写真感光体の初期電位を調整した。
次に、シアン濃度30%のスクリーン画像をハーフトーン画像として出力し、画像欠陥が無いことを確認した。
〈削れ性評価〉
23℃/10%RH環境下で、上記評価装置を設置して電子写真感光体の暗部電位(Vd)が−700V、明部電位(Vl)が−200Vになるように帯電装置および画像露光装置の条件を設定した。次に、A4用紙横の印字率1%の画像(評価用チャート)を5枚間欠で200000枚出力した後に干渉膜厚計を用いて保護層の膜厚を測定し、削れ量を下記に示すように評価した。結果を表2に示す。
A:200000枚耐久後の削れ量が2.5μm以下である。
B:200000枚耐久後の削れ量が2.5μmより大きく、3.0μm以下である。
C:200000枚耐久後の削れ量が3.0μmより大きく、3.5μm以下である。
D:200000枚耐久後の削れ量が4μm以上である。
23℃/10%RH環境下で、上記評価装置を設置して電子写真感光体の暗部電位(Vd)が−700V、明部電位(Vl)が−200Vになるように帯電装置および画像露光装置の条件を設定した。次に、A4用紙横の印字率1%の画像(評価用チャート)を5枚間欠で200000枚出力した後に干渉膜厚計を用いて保護層の膜厚を測定し、削れ量を下記に示すように評価した。結果を表2に示す。
A:200000枚耐久後の削れ量が2.5μm以下である。
B:200000枚耐久後の削れ量が2.5μmより大きく、3.0μm以下である。
C:200000枚耐久後の削れ量が3.0μmより大きく、3.5μm以下である。
D:200000枚耐久後の削れ量が4μm以上である。
〈電位変動〉
23℃/10%RH環境下で、上記評価装置を設置して電子写真感光体の暗部電位(Vd)が−700V、明部電位(Vl)が−200Vになるように帯電装置および画像露光装置の条件を設定した。次に、A4用紙横のシアン濃度30%のスクリーン画像をハーフトーン画像として連続で1000枚出力した後に明部電位の測定を行い、初期電位(−200V)との差をΔVlとして計算し、下記のように評価した。
A+ :ΔVlが20V以下である。
A:ΔVlが20Vより大きく40V以下である。
23℃/10%RH環境下で、上記評価装置を設置して電子写真感光体の暗部電位(Vd)が−700V、明部電位(Vl)が−200Vになるように帯電装置および画像露光装置の条件を設定した。次に、A4用紙横のシアン濃度30%のスクリーン画像をハーフトーン画像として連続で1000枚出力した後に明部電位の測定を行い、初期電位(−200V)との差をΔVlとして計算し、下記のように評価した。
A+ :ΔVlが20V以下である。
A:ΔVlが20Vより大きく40V以下である。
Claims (9)
- 支持体と、該支持体上に形成された電荷輸送層と、該電荷輸送層上に形成された保護層と、を有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、
該製造方法が、該電荷輸送層を形成する工程と、保護層用塗布液を用いて該電荷輸送層上に塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて該保護層を形成する工程と、を有し、
該保護層用塗布液が
(α)重合性化合物
(β)キシレンおよびトルエンからなる群より選択される少なくとも1種
(γ)シクロペンタノンおよびシクロヘキサノンからなる群より選択される少なくとも1種
(δ)テトラヒドロフラン
を含有し、
該保護層用塗布液中の該(γ)の含有量が、該保護層用塗布液中の全溶剤に対して1質量%以上30質量%以下であり、
該保護層用塗布液中の該(δ)の含有量が、該保護層用塗布液中の全溶剤に対して70質量%以上96質量%以下であり、
該保護層用塗布液中の該(β)の含有量が、該保護層用塗布液中の該(γ)と該(δ)との含有量の和に対して2質量%以上20質量%以下であり、
該電荷輸送層が、電荷輸送物質と、式(B)で示される構造を有するポリカーボネート樹脂、または式(C)で示される構造を有するポリエステル樹脂と、を含有する
ことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
- 前記(γ)が、シクロペンタノンを50質量%以上100質量%以下含む請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記(β)が、キシレンを50質量%以上100質量%以下含む請求項1または2に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記(β)の含有量と前記(γ)の含有量との比(前記(β)の含有量/前記(γ)の含有量)が0.1以上5以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記(α)が、電荷輸送性構造を有する重合性化合物と、電荷輸送性構造を有さない重合性化合物と、を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法で製造された電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段と、を一体に支持し、電子写真装置の本体に着脱自在であるプロセスカートリッジ。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法で製造された電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015254328A JP2017116841A (ja) | 2015-12-25 | 2015-12-25 | 電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ、及び電子写真装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015254328A JP2017116841A (ja) | 2015-12-25 | 2015-12-25 | 電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ、及び電子写真装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2017116841A true JP2017116841A (ja) | 2017-06-29 |
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ID=59234123
Family Applications (1)
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JP2015254328A Pending JP2017116841A (ja) | 2015-12-25 | 2015-12-25 | 電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ、及び電子写真装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2017116841A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110554584A (zh) * | 2018-05-31 | 2019-12-10 | 佳能株式会社 | 电子照相感光构件、处理盒和电子照相设备 |
-
2015
- 2015-12-25 JP JP2015254328A patent/JP2017116841A/ja active Pending
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