JP2001166503A - 積層型感光体、感光体帯電露光方法及び画像形成装置 - Google Patents

積層型感光体、感光体帯電露光方法及び画像形成装置

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JP2001166503A
JP2001166503A JP34827399A JP34827399A JP2001166503A JP 2001166503 A JP2001166503 A JP 2001166503A JP 34827399 A JP34827399 A JP 34827399A JP 34827399 A JP34827399 A JP 34827399A JP 2001166503 A JP2001166503 A JP 2001166503A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の電子写真プロセスに則した負極性の帯
電を、高効率でかつ帯電能力を落とすことなく内部分極
型帯電方式で実現し得る積層型感光体を提供する。 【解決手段】 帯電に寄与する電荷が生成される領域
と、露光に寄与する電荷が生成される領域とを、第1の
電荷発生層6と第2の電荷発生層4として分離した積層
型感光体1とすることで、帯電時には第1の電荷発生層
6で電荷11a,11bを発生し、かつ、電圧を加え電
界を作用させることで分極し、露光時には第2の電荷発
生層4で発生した電荷11aで分極を中和することで、
帯電、露光何れのプロセスとも、移動するのはホール1
1aとなり、負の極性で帯電を実現することが可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成のために
静電潜像が形成される積層型感光体、感光体帯電露光方
法及び複写機、ファクシミリ、プリンタなどの画像形成
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の帯電方式はコロナ放電を用いたも
のが主流である。しかし、コロナ放電は空気中に電界を
かけることから、オゾンやNOxなどの有害物質を大量
に発生する欠点を有する他、その帯電効率が低く、電気
量を無駄に使ってしまう欠点がある。また、4kV近い
電圧源が必要なこともコストを増大させる原因となり、
かつ、危険性をもはらむ。近年の環境に対する配慮か
ら、このようなシステムを改善することは急務である。
これらを背景に、コロナ放電が少ないローラ帯電方式や
電荷注入型のブラシ帯電方式、内部分極型帯電方式など
が研究されている。以下に各々の特徴を述べる。
【0003】a.ローラ(ブレード)帯電器などの接触
型帯電方式 ローラ帯電はコロトロンなどに比べ遥かにオゾン発生量
は低減している。しかし、原理的に感光体・ローラ間の
狭ギャップに電圧を加え、コロナ放電させていることか
ら、オゾン発生をゼロにはできない。また、オゾンが感
光体近傍で発生することから、オゾンによる感光体劣化
は課題として残る。ローラの抵抗を下げ、放電を防止す
る方法も考えられているが、感光体上に存在するピンホ
ールに電荷が集中し、感光体に電圧が印加できなくな
る。これにより、白抜けなどの不具合が発生する。
【0004】また、ブレード形状の場合、特開平8−6
282号公報に見られるように、感光体に接触していな
い領域の抵抗を高くするなど、放電を回避する方法が考
えられている。しかし、ブレードの場合、ローラの転が
り摩擦に比べ、遥かに摩擦係数が大きくなることから、
これによる感光体の摩耗などの不具合が懸念される。
【0005】b.ブラシ帯電器などによる電荷注入方式 電荷注入方式は放電を起こすことなく、直接電荷を感光
体に注入する方法である。このため、オゾンを発生する
ことなく、原理的には効率的に帯電を施すことができる
方式である。しかし、感光体にはピンホールが存在する
ため、直接メタルを接触させると、電荷集中が起き、均
一に帯電を施すことはできない。また、これを防ぐため
に中抵抗の部材を接触させて注入を行うと、放電が発生
したり、注入速度が非常に遅くなる。感光体表面を改質
し、注入効率を上げる方法などが試みられてはいるが
(例えば、特開平6−3921号公報参照)、現在のと
ころ、課題が多い。
【0006】c.内部分極型帯電方式 持続性内部分極方式は、感光体で生成されている光電荷
を外部電界によって分極し、それを持続させることで感
光体上に潜像を形成する方式である。この持続性内部分
極像(光エレクトレット)方式は、古くから静電像(ゼ
ログラフィ)と同様に盛んに研究されてきた。また、こ
の原理を利用して、帯電を施す方法も古くから考えられ
てきた。この帯電方式は原理的にオゾンフリーとなり、
かつ、また電荷注入で起きるピンホールの問題や不均一
性、放電などの不具合は解消できると思われる。
【0007】近年においても、オゾンなど環境問題が取
り上げられ、この方式の帯電方式について報告がなされ
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、現状の内部
分極型帯電方式では、例えば特開平8−76559号公
報や特開平9−26681号公報に示される光生成帯電
方式のように、感光体としては、既存のものを用いてい
る。このような状態では図12に示すように、正帯電に
なり、現在主流である負帯電の電子写真プロセスを利用
することができない不具合がある。図12において、積
層型感光体101は、基体102上に電荷発生層(CG
L)103と電荷輸送層(CTL)104とを積層して
なる。105は帯電時に照射する光を示し、106は帯
電時に電源107に基づく電圧を基体102との間に印
加することにより電界を生じさせるための対向電極であ
る。また、帯電時には、光105を照射する動作と対向
電極106による電界を作用させる動作とは同時に行わ
れるが、図12では便宜上、(a)(b)に分けて図示
するものとする。図12(a)では光105の照射によ
り電荷発生層103に正電荷(ホール)108aと負電
荷(電子)108bとが対で発生している様子を示し、
図12(b)では電界の作用により正電荷108aが電
荷輸送層104を経て表層側に移動している様子を示し
ている。
【0009】また、このような構造では、帯電時には正
電荷(ホール)が移動し、露光時には負電荷(電子)が
移動するようなCTL(電荷移動層)が必要となる。現
状では、このような両極性の電荷が移動できる有機層は
開発されていない。仮に開発されたとしても、原理的に
どちらの極性の電荷も動きやすく、かつ、暗減衰を抑え
込むことができるように移動度を制限することは矛盾
し、このような構造では高効率な分極を形成することは
困難であると思われる。また、この構造では電荷発生領
域と帯電を形成する電荷が存在する領域とが離れてお
り、この距離を移動しなければならない。この移動時に
電荷が消滅する確率が高く、非効率的である。
【0010】逆に、負帯電させるためには図13に示す
ように、単層型の感光体を用いる方法も考えられてい
る。図13において、単層感光体111は、基体112
上に感光体113を設けてなる。114は帯電時に照射
する光を示し、115は帯電時に電源116に基づく電
圧を基体112との間に印加することにより電界を生じ
させるための対向電極である。また、帯電時には、光1
14を照射する動作と対向電極115による電界を作用
させる動作とは同時に行われるが、図13では便宜上、
(a)(b)に分けて図示するものとする。図13
(a)では光114の照射により感光体113に正電荷
(ホール)117aと負電荷(電子)117bとが対で
発生している様子を示し、図13(b)では電界の作用
により正電荷117aを基体112側に移動させている
様子を示している。しかし、単層感光体111は帯電能
力などが劣るので、積層型感光体を利用することが望ま
れる。
【0011】さらに、従来の電子写真プロセスは帯電装
置、露光装置、現像装置、転写装置、除電装置等の多く
の装置が複雑に組み込まれている。現状ではそれらの装
置は必要不可欠である。今後は装置をシンプルにするこ
とが望まれる。そこで、帯電方法を変えることで、これ
らの電子写真プロセスを簡便にすることが期待される。
例えば、従来にあっては、高速複写機等では除電ランプ
が用いられていた。除電ランプは、現像プロセスで感光
体上に残された電荷が、次の帯電でもなくなくなること
なく、上乗せされることを避けるために用いられる。そ
のためにLEDや蛍光管などの発光装置をつける必要が
あり、製造コストが高くなる一因となっている。よっ
て、今後、除電プロセスの要らない作像プロセスが求め
られる。
【0012】そこで、本発明は,基本的には、従来の電
子写真プロセスに則した負極性の帯電を、高効率でかつ
帯電能力を落とすことなく内部分極型帯電方式で実現し
得る積層型感光体を提供することを目的とする。
【0013】また、このような積層型感光体を用いるこ
とにより、従来の電子写真プロセスを利用することがで
きる上に除電装置を省略し得る画像形成装置を提供する
ことを目的とする。
【0014】また、本発明は、感光体材料には多くの技
術蓄積があり、新規の材料を開発することは非常に困難
である点を考慮して、既存の感光体構成を流用して、よ
り効率よく感光体を帯電し潜像を形成し得る感光体帯電
露光方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の積
層型感光体は、帯電時の光照射により電荷を発生する第
1の電荷発生層と、露光時の光照射により電荷を発生す
る第2の電荷発生層とを備える。
【0016】従って、帯電に寄与する電荷が生成される
領域と、露光に寄与する電荷が生成される領域とを、第
1の電荷発生層と第2の電荷発生層として分離する。こ
れにより、帯電時には表層側の第1の電荷発生層で電荷
を発生し、電圧を加え電界を作用させることで分極す
る。露光時には第2の電荷発生層で発生した電荷で分極
を中和する。このように、帯電、露光の何れのプロセス
とも、移動するのはホールとなり、負の極性で帯電を実
現することが可能となる。また、除電は第1の電荷発生
層で発生した電荷を用いることができ、発生領域と除電
用電荷発生領域とが同じことから、非常に高効率な除電
が可能となる。また、残電位が存在していても、光照射
後電圧を印加することから、従来必要とされていた除電
機能は必要としない。
【0017】請求項2記載の発明は、請求項1記載の積
層型感光体において、帯電極性と感光体内部での電荷移
動度が大きい方の電荷の極性とが異なる場合、前記第1
の電荷発生層が前記第2の電荷発生層に対して、少なく
とも表面側に配設されている。
【0018】従って、請求項1記載の発明を実現する上
で、帯電及び露光を効率よく行う必要があり、そのため
には、帯電、露光の各々の時に発生した電荷をできるだ
け効率よく利用できるようにする必要があるが、全体の
電荷移動度は、その大きさが大きい方の極性の電荷で決
定されることから、この移動度が大きい極性の電荷の方
が長い距離を動くようにすることで、効率のよい作像プ
ロセスを実現できることとなる。
【0019】請求項3記載の発明は、請求項1記載の積
層型感光体において、帯電極性と感光体内部での電荷移
動度が大きい方の電荷の極性とが同じ場合、前記第1の
電荷発生層が前記第2の電荷発生層に対して、少なくと
も奥側に配設されている。
【0020】従って、請求項1記載の発明を実現する上
で、帯電及び露光を効率よく行う必要があり、そのため
には、帯電、露光の各々の時に発生した電荷をできるだ
け効率よく利用できるようにする必要があるが、全体の
電荷移動度は、その大きさが大きい方の極性の電荷で決
定されることから、この移動度が大きい極性の電荷の方
が長い距離を動くようにすることで、効率のよい作像プ
ロセスを実現できることとなる。
【0021】請求項4記載の発明は、請求項1ないし3
の何れか一に記載の積層型感光体において、前記第1の
電荷発生層と前記第2の電荷発生層との間に電荷輸送層
を有する。
【0022】請求項1記載の発明の感光体構造におい
て、膜厚を大きくすると、電荷の移動度が低減し、時間
内に帯電及び露光を施すことが困難になる。また、帯
電、露光を施す機能だけは満足するように膜厚を薄くす
ることも可能ではあるが、膜厚を薄くすると、暗減衰が
大きくなり、又は、膜厚に依存する感光体の電気容量が
低下し、十分な電荷を蓄積できないこととなるが、第1
の電荷発生層と第2の電荷発生層との間に電荷輸送層を
介在させることにより、膜厚を薄くせずに、電荷の移動
度を向上させ、十分な電荷を蓄積させることで帯電能力
を向上させることができる。
【0023】請求項5記載の発明は、請求項1ないし4
の何れか一に記載の積層型感光体において、表層に保護
層を有する。
【0024】従って、感光体表面が摩擦によって削られ
るようなことがあっても、表層に保護層を有するので、
耐摩耗性が向上する。特に、第1の電荷発生層を薄膜と
したときには、効果的となる。
【0025】請求項6記載の発明は、請求項1ないし4
の何れか一に記載の積層型感光体において、前記第1の
電荷発生層中に電荷輸送力を高める電荷輸送剤を分散さ
せてなる。
【0026】従って、感光体表面が摩擦によって削られ
るようなことがあっても、機能が低下しないようにする
には、第1の電荷発生層を厚膜にする必要があるが、厚
くすると電気伝導性が低減してしまうことから、第1の
電荷発生層中に電荷輸送力を高める電荷輸送剤を分散さ
せることで、その層厚を厚くしても電気伝導性が低減す
ることがなく電荷輸送が可能となる。
【0027】請求項7記載の発明は、請求項1ないし6
の何れか一に記載の積層型感光体において、基体と前記
第2の電荷発生層との間に下引き層を有する。
【0028】従って、基体と第2の電荷発生層との間に
下引き層を有するので、既存の感光体の場合と同様に、
暗減衰を低減させることができる。
【0029】請求項8記載の発明の感光体帯電露光方法
は、感光体に対して内部分極型帯電方式により光を照射
しながら電界を作用させて帯電し、帯電された前記感光
体を選択的な露光光により露光することにより静電潜像
を形成する感光体帯電露光方法において、帯電用の光源
波長をλ1、露光用の光源波長をλ2(但し、λ1≠λ
2)としたとき、波長λでの前記感光体の吸収係数α
(λ)に対し、 α(λ1)>α(λ2) なる関係が成り立つようにした。
【0030】光の侵入は深さ方向に対し、 I(t)=I0exp(−αt) I:光量、I0:初期値、t:距離、α:吸収係数 なる式が成り立つ。つまり、光は吸収係数αに規定され
る侵入長を持つ。吸収係数αが小さければ同じ光量でも
より深くまで光が到達する。帯電用の光源波長をλ1、
露光用の光源波長をλ2とした場合、波長λでの感光体
の吸収係数α(λ)に対し、α(λ1)>α(λ2)の関係
が成り立つようにすることで、帯電時の吸収係数αが大
きいので、より表面近傍で光を吸収することになる。こ
れにより、相対的に帯電時には表面で電荷を生成させ、
露光時に奥側で電荷を生成させることができる。これに
より、効率よく分極でき、帯電能力を向上させることが
できる。
【0031】即ち、帯電を施すことで、感光体は分極す
る。より効率のよい分極をするためには、より表面側に
電荷を蓄積することが望まれる。また、通常使われる感
光体においては、ホールと電子の移動度は大きく異な
る。そのため、帯電時と露光時での電荷移動はどちらか
の電荷が支配的に行われる。例えば、今説明のために、
感光体内部での電荷移動がホールの方が支配的であると
考える。この場合、露光時に移動できる電荷がホールと
なるため、自動的に帯電極性は負となる。この負帯電を
施すためには、表面で電荷を生成し、ホールを奥方向に
ドリフトさせることである。これにより、残された電子
が表面に局在し、負帯電状態が形成される。この場合、
電子はほとんど動かないと考えられる。そのため、効率
的に帯電させるためには、できるだけ表面で、電荷を生
成させる必要がある。また、露光時には光照射した領域
で、ホールと帯電に関与している表面の電子と対消滅を
起こす。しかし、露光して生成される電荷はホールと電
子は同数と考えられ、その場で対消滅を起こす可能性も
ある。多くのホールがこの対消滅を起こしてしまうと、
表面の電子を消滅させることができなくなる。効率よく
露光するためには、露光によって生成した電子を感光体
の基体に流し、より多くのホールを表面にドリフトさせ
なければならない。しかし、電子の移動度が小さいた
め、プロセス時間内に移動できる距離は限られてくる。
そこで、効率よく、電子を感光体の基体に流すには、光
生成される領域をできるだけ奥の基体に近い領域で行う
必要がある。このように、帯電時にはできるだけ表面で
光生成を行い、露光時にはできるだけ奥で光生成を行う
必要がある。内部分極型帯電の作像プロセスにおいて、
より効率よく行うためには、先の2つの生成領域におい
て、先のような大小関係が成り立てばよい。つまり、相
対的に帯電時が表面側で、露光時が奥側となればよい。
【0032】請求項9記載の発明は、請求項8記載の感
光体帯電露光方法において、前記感光体の厚さをdとし
たとき、 α(λ1)>1/d>α(λ2) なる関係が成り立つようにした。
【0033】従って、請求項8記載の発明での条件を満
たせば、原理的には帯電、露光の効率はよくなる。しか
し、現実的には、感光体には厚みがあり、その厚みの中
でより効率のよい条件が必要であるが、感光体の厚さを
dとしたとき、α(λ1)>1/d>α(λ2)なる関係が
成り立つようにすることでこの条件が満たされる。即
ち、感光体の膜厚に対し、波長λ1の光は表面で電荷を
生成し、波長λ2の光は十分に奥まで光が入射すること
が可能となり、請求項8記載の発明の作用が任意の感光
体厚みで可能になり、効率のよい作像プロセスを実現で
きる。
【0034】請求項10記載の発明は、請求項8又は9
記載の感光体帯電露光方法において、前記光源波長λ
1,λ2が 300nm<λ1,λ2<900nm を満足する。
【0035】従って、請求項8又は9記載の感光体帯電
露光方法を実現する上で、生産上、光源には低コスト、
小型、省電力が求められ、その条件を満たすには光源と
して半導体レーザを用いることが望まれるが、半導体レ
ーザを用いることで、使用できる波長の範囲が限定され
るため、光源波長λ1,λ2が300nm<λ1,λ2
<900nmを満足するようにすれば達成し得る。
【0036】請求項11記載の発明は、請求項8ないし
10の何れか一に記載の感光体帯電露光方法において、
前記光源波長λ1を600nm〜700nmとし、前記
光源波長λ2を700nm〜800nmとする。
【0037】感光体材料には多くの技術蓄積があり、新
規の材料を開発することは非常に困難であるが、600
nm〜700nmなる光源波長λ1は従来のアナログ用
で一般的であり、700nm〜800nmなる光源波長
λ2は従来のデジタル用で一般的であることから、従来
の感光体材料を流用することができる。
【0038】請求項12記載の発明は、請求項8ないし
11の何れか一に記載の感光体帯電露光方法において、
前記感光体として請求項1ないし7の何れか一に記載の
積層型感光体を用いる。
【0039】従って、請求項1ないし7の何れか一に記
載の積層型感光体では、帯電時、表面にある第1の電荷
発生層で生成される電荷が利用される。これにより、効
率よく帯電を施すことができるが、逆に露光時には問題
が残る。これは露光する時にも、表面の第1の電荷発生
層で電荷が発生することである。あくまでも、露光時に
は第1の電荷発生層の帯電に関与している電子(負帯電
の場合)を対消滅することが目的である。露光時にはホ
ールのみが必要であって電子は不要である。そのため、
光は奥側に配設されている第2の電荷発生層まで入射
し、そこで、電荷を生成し、ホールのみを第1の電荷発
生層にドリフトさせることが望まれる。また、第2の電
荷発生層は奥側の金属製の基体と近いことから、電子
(正帯電の場合)は短時間で基体側に流れ出すことがで
きる。これによって露光が高速で行える。このように効
率よく露光を行うためには、第1の電荷発生層で電荷を
発生せずに通過し、第2の電荷発生層においてのみ電荷
を発生することが望まれる。一方、請求項8ないし11
での感光体帯電露光プロセスでは、帯電と露光で用いる
光の波長を異ならせている。これにより露光が表面近傍
で吸収される量を低減でき、奥側まで光が入射できる。
しかし、光の侵入長は吸収係数αで、一意に決まるプロ
ファイルを示す。感光体を同じ素材1層の構造では、い
くら吸収係数αをコントロールしても、表面と奥側での
光の吸収量とを逆転することは不可能である。本来なら
ば、露光時には全ての光が奥まで入り、金属基体表面近
傍で電荷を生成することが望まれる。効率よい帯電、露
光を行うために、請求項1ないし7記載の発明では電荷
発生層を第1,第2の電荷発生層の2層構造にし、請求
項8ないし11記載の発明では露光・帯電の光源波長を
異ならせることで、実現しようとしているが、上記のよ
うに各々の理由で限界があることから、両者を組合せる
ことで、これらを相補的に解決し得る。即ち、露光時に
は多くの光が奥まで入り、金属基体表面近傍で電荷を生
成することが可能になり、帯電、露光の効率が向上す
る。
【0040】請求項13記載の発明は、請求項12記載
の感光体帯電露光方法において、前記第1の電荷発生層
の吸収係数α1(λ2)及び前記第2の電荷発生層の吸収
係数α2(λ2)を α1(λ2)<α2(λ2) なる関係が成り立つようにした。
【0041】従って、請求項12記載の発明によれば、
露光光が感光体表面の第1の電荷発生層で吸収されるこ
とは原理的に少なくなくなるものの、このような効果を
より顕著に得るためには、波長λ2の露光光での吸収を
第1の電荷発生層、第2の電荷発生層ともにコントロー
ルする必要があるが、第1の電荷発生層の吸収係数α1
(λ2)及び第2の電荷発生層の吸収係数α2(λ2)がα
1(λ2)<α2(λ2)なる関係が成り立つようにするこ
とで実現できる。これにより、この条件に則した任意の
感光体、光源において、帯電・露光の効率が向上する。
【0042】請求項14記載の発明は、請求項11記載
の感光体帯電露光方法において、前記第1の電荷発生層
の吸収係数α1(λ1),α1(λ2)と前記第2の電荷発
生層の吸収係数α2(λ2)、α2(λ1)とを、 Qs<Q1<Q3 但し、Qs=CVs C:感光体の容量、Vs:現像に必要な電位 Q1=η1(λ1)×t1×I0×∫0 d1exp(−α1(λ1)
t)dt Q3=η2(λ2)×t2×I2×∫0 d2exp(−α2(λ2)
t)dt I2≒I1×exp(−α(λ2)d1) I0:帯電光量、I1:露光光量、 d1:第1の電荷発生層の膜厚、d2:第2の電荷発生
層の膜厚 η1(λ1):第1の電荷発生層における波長λ1の時の
量子効率 η2(λ2):第2の電荷発生層における波長λ2の時の
量子効率 t1:帯電用の光照射時間 t2:露光用の光照射時間 なる関係が成り立つようにした。
【0043】従って、一連の作像プロセスを行うため
に、最低限の帯電量が規定されるが、逆に必要以上の帯
電及び露光を行うことは消費電力上、避けるべきであ
る。このような理由から、上記の如く、最適な帯電量及
び露光量が求められる。
【0044】即ち、電荷の寿命は感光体によって異なる
が、通常用いられるOPC(有機感光体)ではその寿命
が1s程度とそのプロセス時間である数msに比べはる
かに長い。よって、ここではこの寿命によって減少する
量は加味しないものとする。また、加味するとしても、
その寿命は電荷輸送層において、露光、帯電とも大きな
違いはなく、その差分を考慮する今回の計算では省略で
きる。電荷量Qは、その第1の電荷発生層の吸収係数α
1及び量子効率η1、厚さd1によって決定できる。露
光によって生成される電荷量Q3も同様にその層の特性
によって決定される。求める電荷Q2とQ3は本発明中
に記載した式で記述できる。この電荷Q2,Q3が、Q
s<Q2<Q3なる条件を満たすことにより、帯電、露
光及び現像が可能になる。また、この条件を満たしてい
れば、任意の感光体、光源において、作像プロセスが可
能となる。
【0045】請求項15記載の発明の画像形成装置は、
請求項1ないし7の何れか一に記載の積層型感光体と、
帯電用の光源を備えて光を照射しながら前記積層型感光
体に電界を作用させて帯電させる帯電装置と、この帯電
装置により帯電済みの前記積層型感光体を画像信号に対
応する選択的な露光光により露光する露光装置と、露光
光による露光により前記積層型感光体に形成された静電
潜像を現像する現像装置と、現像された前記積層型感光
体上の可視像を転写媒体上に転写する転写装置と、を備
える。
【0046】従って、請求項1ないし7の何れか一に記
載の積層型感光体によれば、負極性の帯電が可能なた
め、従来の電子写真プロセスを利用することができる上
に除電装置を省略し得る画像形成装置を提供できる。
【0047】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施の形態を図1
ないし図6に基づいて説明する。本実施の形態は、請求
項1ないし5,7及び15記載の発明に相当する。
【0048】まず、本実施の形態の積層型感光体1の原
理的構造及びこの積層型感光体1を用いた作像プロセス
における帯電・露光動作の原理を図1及び図2に基づい
て説明する。
【0049】本実施の形態の積層型感光体1は、金属製
の基体2上に下引き層3、第2の電荷発生層4、電荷輸
送層5、第1の電荷発生層6及び表面保護層7を順次積
層させてなる。即ち、帯電に寄与する電荷が生成される
領域と、露光に寄与する電荷が生成される領域とを第1
の電荷発生層6と第2の電荷発生層4として分離して設
けてなり、従来の積層型感光体との対比では内部に存在
する電荷発生層を第2の電荷発生層とし、表層側に第1
の電荷発生層を付加した形となっている。各層構成の詳
細は後述する。
【0050】このような積層型感光体1を用いた帯電プ
ロセスでは、図2(a)(なお、図2では表面保護層7
を省略している)に示すように、基体2と表面側に対向
接触させた外部電極8との間に電源9によって電圧を印
加して積層型感光体1の積層方向に電界を作用させた状
態で、帯電用の光源(後述する)により波長λ1(例え
ば、780nm又は650nm)の光10を同時に照射
することより、表層側の第1の電荷発生層6で正電荷
(ホール)11aと負電荷(電子)11bとを対で発生
させ、電界の作用により分極させ、正電荷(ホール)1
1aを内層側に移動させる。露光時には、図2(b)に
示すように、露光用の光源により波長λ2(例えば、7
80nm)の露光光12を選択的に照射することによ
り、第2の電荷発生層4で発生した正電荷(ホール)1
1aで分極を中和する。このように、帯電、露光の何れ
のプロセスとも、電荷輸送層5を移動するのは正電荷
(ホール)11aとなり、積層型感光体1の表面を負極
性に帯電し得ることが分かる。
【0051】これにより、図3に示すように、一般的な
デジタル複写機等における場合と同様な電子写真プロセ
スを利用した画像形成装置、ここでは、デジタル複写機
を構成することができる。図3において、積層型感光体
1は回転駆動自在なドラム状に形成され、この積層型感
光体1の周囲に電子写真プロセスに従い、内部分極型帯
電方式の帯電装置21、半導体レーザ等を書き込み光源
として用いた露光装置22、現像装置23、転写紙24
に対する転写装置25、除電ランプ26及びクリーニン
グ装置27が設けられている。28は定着装置である。
【0052】もっとも、従来の除電プロセスは電荷発生
層(奥側に位置する第2の電荷発生層4に相当する)で
光電荷を発生させることで、残電位を消滅させていた
が、本実施の形態では前述したような積層型感光体1を
用いることで、除電は第1の電荷発生層6で発生した電
荷を用いることができ、発生領域と除電用電荷発生領域
が同じことから、非常に高効率な除電ができる。また、
従来はコロナ電荷が表面の電位状態に無関係に降り注ぐ
ため、残電位が存在している場合、その嵩上げ分は消滅
しないため、積極的に除電する必要があったが、本実施
の形態によれば、残電位が存在していても、光照射後に
電圧を印加することから、除電ランプ26は必ずしも必
要とせず、省略することもできる。
【0053】次に、積層型感光体1及び帯電装置21の
詳細について説明する。
【0054】A.積層型感光体1 a.表面保護層7 透明で機械強度の高いものを利用する。材料としては、
市販のポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタ
ン、アクリル、エポキシ、シリコン、アルキド、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体等の樹脂を用いることができ
る。さらに強度及び分散性を向上させるための検討を行
なった結果、アクリロイル基を1分子中に3個以上もっ
た光硬化型アクリル系モノマー中に導電性粒子を分散さ
せ、これを感光体の感光層上に塗布、光硬化させること
によって形成した表面層を用いることで、膜強度が飛躍
的に向上した。
【0055】b.第1の電荷発生層6 この層には従来アナログ用に用いられてきた可視光領域
(500〜700nm)に吸収ピークがある感光材料が
用いられている。電荷発生剤としてはチアピリリウム塩
や多環キノン系、ペリレン系、インジゴ誘導体又はビス
アゾ顔料系などが用いられる。これらをポリビニルプチ
ラール樹脂などのバインダ材料に入れる。膜厚は0.5
μm程度でスプレー塗工法によって形成した。光10の
波長λ1が780nmの場合、吸収係数αは2(μ
-1)程度である。これにより光10の侵入長(光の強
度が1/eになる長さ)は2μm程度である。
【0056】c.電荷輸送層5 この電荷輸送層5には従来から一般的なホール輸送用の
材料が用いられている。電荷輸送剤としてはオキサジア
ゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、
トリフェニルメタン誘導体、オキサゾール誘導体、トリ
アリールアミン誘導体、ジフェニルメタン誘導体、スチ
ルベン誘導体、ブタジエン誘導体、ポリビニルカルバゾ
ール、ポリシラン誘導体などである。バインダとしては
ポリカーボネイト樹脂、ポリエステル樹脂を利用した。
移動剤の濃度は50%程度とした。膜厚は20μm程度
でディッピングコーティング法によって形成した。
【0057】d.第2の電荷発生層4 この第2の電荷発生層4には従来のデジタル用に用いら
れてきた長波長(780nm)のものが用いられてい
る。電荷発生剤として、スクエアリリウム色素、無金属
フタロシアニン系、金属フタロシアニン系、アズレニウ
ム塩色素、スクワリン酸誘導体及びトリスアゾ顔料等で
ある。これらをポリビニルプチラール樹脂などのバイン
ダ材料に入れた。膜厚は0.5μm程度でディッピング
コーティング法によって形成した。光12の波長λ2が
780nmの場合、吸収係数αは10(μm-1)程度で
ある。これにより光12の侵入長は10μm程度であ
る。
【0058】e.下引き層3 下引き層3は感光体の帯電性を改善し、また、基体2に
対する感光層の接着性や塗布性を向上することを目的と
している。用いる材料としては、例えば、単層構成では
ポリエチレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹
脂、ポリエステル、メラニン樹脂、シリコン樹脂、ポリ
ビニルブチラール、ポリイミドなど樹脂、又はそれらの
共重合体などが挙げられる。また、カゼイン、ゼラチ
ン、ポリビニルアルコール及びエチルセルロースなども
用いられる。また、Ag,Cu,Ni,Au,Biなど
の金属やカーボンで実現される導電性粒子を接着剤に分
散させた膜も有効である。酸化スズ又はアルミナによっ
て表面処理された酸化チタンを含有する層も有効であ
る。また、アルミナで被覆された酸化チタン微粒子やチ
タンネート系カップリング剤によって表面処理された酸
化チタン、シラン化合物、フッ素含有シラン化合物によ
って表面処理された金属酸化物粒子を接着剤に分散した
層などが用いられる。
【0059】f.基体2 基体2は導電性があり、機械強度が高く、低製造コス
ト、膜の密着性がよいなどの特性を有するものがよい。
そこで、一般的な金属が用いられ、例えば、Al,SU
S,Fe,Ni,Cu,Mg,Agなどが挙げられる
が、本実施の形態では、Alを用いた。また、アクリル
等の絶縁性材料上に金属膜を形成することによって代替
品として用いることもできる。
【0060】B.帯電装置21 帯電装置21は、図4に拡大して示すように、電圧印加
装置31と帯電用の光源32とからなる。
【0061】a.電圧印加装置31 透明基体33の表面に導電性透明膜34及びその上に絶
縁性透明薄膜35を形成してなる。また、電源9による
電圧印加のために導電性透明膜34から電極を取れるよ
うにする(即ち、導電性透明膜34は外部電極8に相当
する)。透明基体33にはガラスやプラスチック等を用
い得るが、その汎用性や機械強度などからアクリル製樹
脂が用いられ、円筒状に成形されている。これにより、
帯電装置21はローラ型として構成されている。この円
筒状の透明基体33の直径は20mmとされ、その厚さ
(肉厚)は十分な強度を得られる5mmとされている。
円筒とその円筒支持体36との間の摩擦は小さくし、自
由に回転できるようにする。また、円筒支持体36にも
可動性をもたせ、被帯電体である積層型感光体1と帯電
装置21の絶縁性透明薄膜35とが常に十分な圧力で接
触するように構成されている。
【0062】透明基体33上の表面には透明で導電性が
あり、かつ適当な弾性があるものを導電性透明膜34と
して作り込む。本実施の形態では、透明導電性微粒子を
弾性透明母体に分散する方法が用いられている。これ
は、微粒子で導電性を保持し、母材で弾性を保つと言う
ものである。本実施の形態では、ITO、酸化亜鉛、酸
化チタン、酸化アンチモン、酸化イリジウム、アンチモ
ンやタンタルをドープした酸化スズ酸化ジリコニウムな
どの透明導電性材料を粉砕し、μmオーダの微粒子に
し、これを透明なポリカーボネイト、ポリウレタン、ア
クリル、エポキシ、シリコーン、アルキド、塩化ビニル
-酢酸ビニル共重合体などの母材に十分に分散させるこ
とにより形成されている。導電性は1×104Ω/cm
程度あればよい。
【0063】b.帯電用の光源32 帯電用の光源32にはランプ光やレーザ光なども考えら
れるが、本実施の形態では、図5及び図6に示すよう
に、多数のLED37を並べたLEDアレイ38が用い
られている。LEDアレイは、近年複写機のなどの高密
度書き込み系として応用されており、技術的な蓄積も多
い。本実施の形態での帯電用の光源32としては被帯電
体である積層型感光体1に十分な光10を均一に照射す
ることができればよく、書き込み系のように個々のLE
D37のスポット径を小さくする必要はない。そのた
め、従来書き込み系に使われているように微細なLED
を横一列に並べる必要もない。よって、本実施の形態で
用いるLEDアレイ38は図6に示すように6行30列
程度のアレイ構造とした。この時、干渉縞などが出ない
ように工夫も必要である。このため、本実施の形態で
は、図5に示すように、LED37と積層型感光体1と
の間にLED37の光10が効率よく積層型感光体1を
照射するようにレンズ機能を持った光学系39,40が
組み込まれている。41はLEDアレイ基板、42は光
源32の基体、43は透明導電膜である。これを図4に
示すように、ローラ形状の透明基体33の内部に固定
し、常に積層型感光体1の表面を照射するようにする。
LED37が発する光10の波長λ1は780nmであ
る。
【0064】C.動作方法 本実施の形態では、波長λ1=780nmの光10の照
射と同時に帯電装置21を積層型感光体1の表面に接触
させ、電源9により導電性透明膜34に電圧を印加する
ことで帯電を施す。光照射はLED37に電流を流し発
光させる。照射時間は積層型感光体1の回転速度とLE
Dアレイ38の幅とから一意に決まる。光量は100l
x程度になるように調整した。導電性透明膜34に対す
る印加電圧は600Vとした。この時、積層型感光体1
の基体2はアースに落とす。電圧印加時間はニップ幅が
2mm程度なので、約0.02sになる。これにより、
500Vの帯電を得ることができたものである。
【0065】なお、本実施の形態では、帯電極性(負帯
電)と積層型感光体1内部での電荷移動度の大きい方の
電荷(正電荷=ホール11a)の極性とが異なるため、
第1の電荷発生層6を第2の電荷発生層4よりも表面側
に配設させたが、両極性が同じ場合には、第1の電荷発
生層6を第2の電荷発生層4よりも奥側(内部側)に配
設させるようにすればよい。
【0066】本発明の第二の実施の形態を図7に基づい
て説明する。第一の実施の形態で示した部分と同一又は
相当する部分には同一符号を用いて示し、説明も省略す
る(以降の各実施の形態でも順次同様とする)。本実施
の形態は、請求項1ないし3及び7記載の発明に相当す
る。
【0067】本実施の形態の積層型感光体51は、積層
型感光体1との対比では、電荷輸送層5及び表面保護層
7が省略された単純構造とされている。ここに、電荷輸
送層5を有しない分、第1の電荷発生層6の膜厚は10
μm程度でディッピングコーティング法によって形成さ
れている。光10の波長λ1が780nmの場合、吸収
係数αは0.2(μm-1)程度である。これにより光1
0の侵入長は5μm程度である。第2の電荷発生層4の
膜厚は10μm程度でディッピングコーティング法によ
って形成されている。光12の波長λ2が780nmの
場合、吸収係数αは1(μm-1)程度である。これによ
り光12の侵入長は1μm程度である。
【0068】本発明の第三の実施の形態を図8及び図9
に基づいて説明する。本実施の形態は、請求項8ないし
11記載の発明に相当する。本実施の形態では、基体5
2上に下引き層53を介して電荷発生層54のみを積層
させてなる単層感光体55を用いるものである。そし
て、このような単層感光体55に照射する帯電時の光源
波長λ1と露光時の光源波長λ2とを異ならせることを
特徴としている。
【0069】まず、本実施の形態では、正帯電とする。
正帯電は帯電装置でのオゾンの発生が少ないことなどか
ら注目されている。しかし、有機系感光体(OPC)で
は、満足な特性を得ることが難しく、開発が遅れてい
る。有機系感光体ではフタロシアニン系、ピリリウム塩
などの単層構造がある。また、正帯電の感光体にはa−
Si:Hに見られる無機感光体があり、本実施の形態で
はa−Si:H系の感光体を用いた。a−Si:Hは無
機物であるため、機械強度が高く、耐摩耗性が高い。ま
た、無機半導体、特にSiはドーピングが容易にでき、
正帯電用にはP型の層を1層入れることで、暗減衰の少
ない良質な感光体が作れる。膜厚は100μm程度で有
機に比べると若干厚めになる。これは誘電率が高いこと
によっており、膜厚で静電容量を稼いでいる。また、吸
収係数は波長λ1=650nmに対し1(μm-1 )、
波長λ2=780nmに対し各々0.005(μm
-1 )になるように、感度増感などでコントロールし
た。下引き層53は第一、二の実施の形態の場合に準じ
た。
【0070】また、本実施の形態では、帯電に用いる光
源32の光10の波長λ1を650nmとし、露光光1
2の波長λ2は780nmとしている。それ以外は第
一、二の実施の形態の場合に準ずる。より一般的には、
波長λでの感光体の吸収係数α(λ)に対し、α(λ1)>
α(λ2)なる関係が成り立つように設定されている。
【0071】光の侵入は深さ方向に対し、 I(t)=I0exp(−αt) I:光量、I0:初期値、t:距離、α:吸収係数 なる式が成り立つ。つまり、光は吸収係数αに規定され
る侵入長を持つ。
【0072】次に、動作方法について説明する。帯電時
に照射する光10の波長λ1が650nmであり、吸収
係数αが大きいため、図9に示すように表面での吸収が
大きい。このため、表面での電荷発生が多い。この表面
近傍で生成された電子・ホール対のホールだけを外部印
加電圧によってドリフトする。これによって、表面に電
子が残され、これが帯電に寄与する。その他、照射時間
など詳細は第一、二の実施の形態の場合に準ずる。露光
時に照射する露光光12の波長λ2は780nmとし
た。このため、図9中に示すように吸収が小さく、光は
奥の方まで侵入する。奥で生成された電子とホールはド
リフトし、ホールは表面の電子と対消滅し、除電する。
このように露光する領域を任意に選択することによっ
て、所望の静電潜像を得ることができる。
【0073】即ち、吸収係数αが小さければ同じ光量で
もより深くまで光が到達することから、α(λ1)>α
(λ2)の関係が成り立つようにすることで、帯電時の吸
収係数αが大きく、より表面近傍で光を吸収することに
なる。これにより、相対的に帯電時には表面で電荷を生
成させ、露光時に奥側で電荷を生成させることができ
る。これにより、効率よく分極でき、帯電能力を向上さ
せることができる。
【0074】なお、本実施の形態に関し、上記の条件α
(λ1)>α(λ2)を満たせば、原理的には帯電、露光の
効率はよくなるものの、現実的には、感光体(電荷発生
層54)には厚みがあり、その厚みの中でより効率のよ
い条件が必要であるが、感光体の厚さをdとしたとき、
α(λ1)>1/d>α(λ2)なる関係が成り立つように
することでこの条件が満たされる。即ち、感光体(電荷
発生層54)の膜厚に対し、波長λ1の光は表面で電荷
を生成し、波長λ2の光は十分に奥まで光が入射するこ
とが可能となる。
【0075】また、本実施の形態では、波長λ1=65
0nm、λ2=780nmとしたが、一般論としては、
これらの波長λ1,λ2が 300nm<λ1,λ2<900nm を満足すればよい。即ち、このような波長範囲とするこ
とにより、生産上、光源には低コスト、小型、省電力が
求められ、その条件を満たすには光源として半導体レー
ザを用いることが望まれるが、この要件が満たされるこ
ととなる。
【0076】より具体的には、波長λ1=650nm、
λ2=780nmである如く、波長λ1を600nm〜
700nmとし、波長λ2を700nm〜800nmと
すれば、各々アナログ用、デジタル用で一般的であるこ
とから、従来の感光体材料を流用することができる。
【0077】本発明の第四の実施の形態を図10に基づ
いて説明する。本実施の形態は、請求項12ないし14
記載の発明に相当する。本実施の形態では、感光体とし
ては第一の実施間の形態に示した積層型感光体1を用
い、帯電・露光プロセスとしては第三の実施の形態に示
した方法(即ち、帯電用の光10の波長λ1と露光光1
2の波長λ2とを異ならせる方法)を用いるようにした
ものである。具体的には、帯電時の光源32の波長λ1
=650nm、露光装置22の光源による露光光12の
波長λ2=780nmとされている。このときの光の吸
収は、図10に示すように設計されている。これに合わ
せて各々の波長λ1=650nm,λ2=780nmに
対する吸収係数α(λ1),α(λ2)はともに2(μ
-1)となるように設計されている。さらに、積層型感
光体1の第1の電荷発生層6及び第2の電荷発生層4は
感度ピーク波長が各々650nm,780nmになるよ
うにコントロールされている。
【0078】即ち、効率よい帯電、露光を行うために、
第1の電荷発生層6と第2の電荷発生層4を有する積層
型感光体1と、帯電時の波長λ1と露光時の波長λ2と
を異ならせる方式とを組合せることで、その相乗作用に
伴い、露光時には多くの光が奥まで入り、金属基体表面
近傍で電荷を生成することが可能になり、帯電、露光の
効率を向上させることができる。
【0079】この場合、露光光12が積層型感光体1表
面の第1の電荷発生層6で吸収されることは原理的に少
なくなくなるものの、このような効果をより顕著に得る
ためには、波長λ2の露光光12での吸収を第1の電荷
発生層6、第2の電荷発生層1ともにコントロールする
必要がある。この点に関しては、第1の電荷発生層6の
吸収係数α1(λ2)及び第2の電荷発生層4の吸収係数
α2(λ2)がα1(λ2)<α2(λ2)なる関係が成り立
つようにすることで実現できる。これにより、この条件
に則した任意の感光体、光源において、帯電・露光の効
率を向上させることができる。
【0080】より一般的な条件としては、第1の電荷発
生層6の吸収係数α1(λ1),α1(λ2)と第2の電荷
発生層4の吸収係数α2(λ2)、α2(λ1)とを、 Qs<Q1<Q3 なる関係が成り立つように設定することが望ましい。
【0081】但し、Qs=CVs C:感光体1の容量、Vs:現像に必要な電位 Q1=η1(λ1)×t1×I0×∫0 d1exp(−α1(λ1)
t)dt Q3=η2(λ2)×t2×I2×∫0 d2exp(−α2(λ2)
t)dt I2≒I1×exp(−α(λ2)d1) I0:帯電光量、I1:露光光量、 d1:第1の電荷発生層6の膜厚、d2:第2の電荷発
生層4の膜厚、 η1(λ1):第1の電荷発生層6における波長λ1の時
の量子効率、 η2(λ2):第2の電荷発生層4における波長λ2の時
の量子効率 t1:帯電用の光照射時間 t2:露光用の光照射時間 である。
【0082】即ち、一連の作像プロセスを行うために、
最低限の帯電量が規定されるが、逆に必要以上の帯電及
び露光を行うことは消費電力上、避けるべきである。こ
のような理由から、上記の如く、最適な帯電量及び露光
量が求められる。
【0083】電荷の寿命は感光体によって異なるが、通
常用いられるOPC(有機感光体)ではその寿命が1s
程度とそのプロセス時間である数msに比べはるかに長
い。よって、ここではこの寿命によって減少する量は加
味しないものとする。また、加味するとしても、その寿
命は電荷輸送層において、露光、帯電とも大きな違いは
なく、その差分を考慮する今回の計算では省略できる。
電荷量Qは、その第1の電荷発生層6の吸収係数α1及
び量子効率η1、厚さd1によって決定できる。露光に
よって生成される電荷量Q3も同様にその層の特性によ
って決定される。求める電荷Q2とQ3は上述の式で記
述できる。この電荷Q2,Q3が、Qs<Q2<Q3な
る条件を満たすことにより、帯電、露光及び現像が可能
になる。また、この条件を満たしていれば、任意の感光
体、光源において、作像プロセスが可能となる。
【0084】本発明の第五の実施の形態を図11に基づ
いて説明する。本実施の形態は、請求項6記載の発明に
相当する。本実施の形態の積層型感光体61では、積層
型感光体1と対比すると、表面保護層7が省略されてい
る。このため、最表層の第1の電荷発生層6が摩耗によ
り削れることが予想される。そのため、本実施の形態の
第1の電荷発生層6の膜厚は20μmとした。第1の電荷
発生層6の膜厚を厚くすることで、電気伝導性が低減
し、電荷輸送が低下する。そこで、本実施の形態では、
第一の実施の形態中で説明したような電荷輸送剤をこの
第1の電荷発生層6に分散させてなる。これによって膜
厚を厚くした第1の電荷発生層6においても、電荷が輸
送される。電荷輸送剤は、第一の実施の形態中で説明し
た量とほぼ同程度でよい。これによって、帯電、露光と
も問題なく行えたものである。
【0085】
【発明の効果】請求項1記載の発明の積層型感光体によ
れば、帯電に寄与する電荷が生成される領域と、露光に
寄与する電荷が生成される領域とを、第1の電荷発生層
と第2の電荷発生層として分離してなるので、帯電時に
は第1の電荷発生層で電荷を発生し、かつ、電圧を加え
電界を作用させることで分極し、露光時には第2の電荷
発生層で発生した電荷で分極を中和することで、帯電、
露光の何れのプロセスとも、移動するのはホールとな
り、負の極性で帯電を実現することが可能となる。ま
た、除電は第1の電荷発生層で発生した電荷を用いるこ
とができ、発生領域と除電用電荷発生領域とが同じこと
から、非常に高効率な除電が可能となり、仮に、残電位
が存在していても、光照射後に電圧を印加することか
ら、除電機能を必ずしも必要としない感光体を提供する
ことができる。
【0086】請求項2及び3記載の発明によれば、請求
項1記載の積層型感光体を実現する上で、帯電及び露光
を効率よく行う必要があり、そのためには、帯電、露光
の各々の時に発生した電荷をできるだけ効率よく利用で
きるようにする必要があるが、全体の電荷移動度は、そ
の大きさが大きい方の極性の電荷で決定されることか
ら、この移動度が大きい極性の電荷の方が長い距離を動
くようにすることで、効率のよい作像プロセスを実現で
きることとなる。
【0087】請求項4記載の発明によれば、請求項1な
いし3の何れか一に記載の積層型感光体において、第1
の電荷発生層と第2の電荷発生層との間に電荷輸送層を
介在させることにより、膜厚を薄くせずに、電荷の移動
度を向上させ、十分な電荷を蓄積させることで帯電能力
を向上させることができる。
【0088】請求項5記載の発明によれば、請求項1な
いし4の何れか一に記載の積層型感光体において、感光
体表面が摩擦によって削られるようなことがあっても、
表層に保護層を有するので、耐摩耗性を向上させること
ができる。
【0089】請求項6記載の発明によれば、請求項1な
いし4の何れか一に記載の積層型感光体において、感光
体表面が摩擦によって削られるようなことがあっても、
機能が低下しないようにするには、第1の電荷発生層を
厚膜にする必要があるが、厚くすると電気伝導性が低減
してしまうことから、第1の電荷発生層中に電荷輸送力
を高める電荷輸送剤を分散させてなるので、その層厚を
厚くしても電気伝導性が低減することがなく電荷輸送が
可能となる。
【0090】請求項7記載の発明によれば、請求項1な
いし6の何れか一に記載の積層型感光体において、基体
と第2の電荷発生層との間に下引き層を有するので、既
存の感光体の場合と同様に、暗減衰を低減させることが
できる。
【0091】請求項8記載の発明の感光体帯電露光方法
によれば、帯電用の光源波長をλ1、露光用の光源波長
をλ2(但し、λ1≠λ2)としたとき、波長λでの感
光体の吸収係数α(λ)に対し、α(λ1)>α(λ2)なる
関係が成り立つようにしたので、帯電時の吸収係数αが
大きく、より表面近傍で光を吸収することになり、相対
的に帯電時には表面で電荷を生成させ、露光時に奥側で
電荷を生成させることができ、よって、効率よく分極で
き、帯電能力を向上させることができる。
【0092】請求項9記載の発明によれば、請求項8記
載の感光体帯電露光方法において、現実的には、感光体
には厚みがあり、その厚みの中でより効率のよい条件が
必要であるが、感光体の厚さをdとしたとき、α(λ1)
>1/d>α(λ2)なる関係が成り立つようにしたの
で、この条件が満たされ、感光体の膜厚に対し、波長λ
1の光は表面で電荷を生成し、波長λ2の光は十分に奥
まで光が入射することが可能となり、請求項8記載の発
明の作用が任意の感光体厚みで可能になり、効率のよい
作像プロセスを実現することができる。
【0093】請求項10記載の発明によれば、請求項8
又は9記載の感光体帯電露光方法を実現する上で、生産
上、光源には低コスト、小型、省電力が求められ、その
条件を満たすには光源として半導体レーザを用いること
が望まれるが、300nm<λ1,λ2<900nmを
満足することで、半導体レーザを用いることができる。
【0094】請求項11記載の発明によれば、請求項8
ないし10の何れか一に記載の感光体帯電露光方法にお
いて、感光体材料には多くの技術蓄積があり、新規の材
料を開発することは非常に困難であるが、600nm〜
700nmなる光源波長λ1は従来のアナログ用で一般
的であり、700nm〜800nmなる光源波長λ2は
従来のデジタル用で一般的であることから、従来の感光
体材料を流用することができる。
【0095】請求項12記載の発明によれば、請求項8
ないし11の何れか一に記載の感光体帯電露光方法にお
いて、感光体として請求項1ないし7の何れか一に記載
の積層型感光体を用いるようにしたので、その相乗効果
により、露光時には多くの光が奥まで入り、金属基体表
面近傍で電荷を生成することが可能になり、帯電、露光
の効率を向上させることができる。
【0096】請求項13記載の発明によれば、請求項1
2記載の感光体帯電露光方法において、露光が感光体表
面の第1の電荷発生層で吸収されることは原理的に少な
くなくなるものの、このような効果をより顕著に得るた
めには、波長λ2の露光光での吸収を第1の電荷発生
層、第2の電荷発生層ともにコントロールする必要があ
るが、第1の電荷発生層の吸収係数α1(λ2)及び第2
の電荷発生層の吸収係数α2(λ2)がα1(λ2)<α2
(λ2)なる関係が成り立つようにすることで実現でき、
これにより、この条件に則した任意の感光体、光源にお
いて、帯電・露光の効率を向上させることができる。
【0097】請求項14記載の発明によれば、請求項1
1記載の感光体帯電露光方法において、一連の作像プロ
セスを行うために、最低限の帯電量が規定されるが、逆
に必要以上の帯電及び露光を行うことは消費電力上、避
けるべきであることから、電荷Q2,Q3が、Qs<Q
2<Q3なる条件を満たすことにより、帯電、露光及び
現像が可能になり、かつ、この条件を満たしていれば、
任意の感光体、光源において、作像プロセスが可能とな
る。
【0098】請求項15記載の発明の画像形成装置によ
れば、請求項1ないし7の何れか一に記載の負極性の帯
電が可能な積層型感光体を用いるようにしたので、従来
の電子写真プロセスを利用することができる上に除電装
置を省略し得る画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の積層型感光体を示
す原理的な断面構造図である。
【図2】帯電及び露光プロセスの原理を説明するための
断面構造図である。
【図3】画像形成装置の原理的な構成図である。
【図4】帯電装置を示す原理的な断面構造図である。
【図5】その光源構造を示す概略的な縦断側面図であ
る。
【図6】その光源構造を示す底面図である。
【図7】本発明の第二の実施の形態の積層型感光体を示
す原理的な断面構造図である。
【図8】本発明の第三の実施の形態の単層感光体を示す
原理的な断面構造図である。
【図9】その光の侵入程度を波長との関係で示す特性図
である。
【図10】本発明の第四の実施の形態の光の侵入程度を
波長との関係で示す特性図である。
【図11】本発明の第五の実施の形態の積層型感光体を
示す原理的な断面構造図である。
【図12】積層型感光体を用いた従来の帯電及び露光プ
ロセスの原理を説明するための断面構造図である。
【図13】単層感光体を用いた従来の帯電及び露光プロ
セスの原理を説明するための断面構造図である。
【符号の説明】
1 積層型感光体 2 基体 3 下引き層 4 第2の電荷発生層 5 電荷輸送層 6 第1の電荷発生層 7 表面層 10 帯電用の光 11 電荷 12 露光光 21 帯電装置 22 露光装置 23 現像装置 24 転写媒体 25 転写装置 32 光源 51 積層型感光体 55 感光体 61 積層型感光体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 明繁 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 庄子 浩義 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H003 AA18 BB11 CC07 DD03 2H068 AA01 AA28 AA34 AA35 AA39 AA41 FA12 FB07

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯電時の光照射により電荷を発生する第
    1の電荷発生層と、露光時の光照射により電荷を発生す
    る第2の電荷発生層とを備えることを特徴とする積層型
    感光体。
  2. 【請求項2】 帯電極性と感光体内部での電荷移動度が
    大きい方の電荷の極性とが異なる場合、前記第1の電荷
    発生層が前記第2の電荷発生層に対して、少なくとも表
    面側に配設されていることを特徴とする請求項1記載の
    積層型感光体。
  3. 【請求項3】 帯電極性と感光体内部での電荷移動度が
    大きい方の電荷の極性とが同じ場合、前記第1の電荷発
    生層が前記第2の電荷発生層に対して、少なくとも奥側
    に配設されていることを特徴とする請求項1記載の積層
    型感光体。
  4. 【請求項4】 前記第1の電荷発生層と前記第2の電荷
    発生層との間に電荷輸送層を有することを特徴とする請
    求項1ないし3の何れか一に記載の積層型感光体。
  5. 【請求項5】 表層に保護層を有することを特徴とする
    請求項1ないし4の何れか一に記載の積層型感光体。
  6. 【請求項6】 前記第1の電荷発生層中に電荷輸送力を
    高める電荷輸送剤を分散させてなることを特徴とする請
    求項1ないし4の何れか一に記載の積層型感光体。
  7. 【請求項7】 基体と前記第2の電荷発生層との間に下
    引き層を有することを特徴とする請求項1ないし6の何
    れか一に記載の積層型感光体。
  8. 【請求項8】 感光体に対して内部分極型帯電方式によ
    り光を照射しながら電界を作用させて帯電し、帯電され
    た前記感光体を選択的な露光光により露光することによ
    り静電潜像を形成する感光体帯電露光方法において、 帯電用の光源波長をλ1、露光用の光源波長をλ2(但
    し、λ1≠λ2)としたとき、波長λでの前記感光体の
    吸収係数α(λ)に対し、 α(λ1)>α(λ2) なる関係が成り立つようにしたことを特徴とする感光体
    帯電露光方法。
  9. 【請求項9】 前記感光体の厚さをdとしたとき、 α(λ1)>1/d>α(λ2) なる関係が成り立つようにしたことを特徴とする請求項
    8記載の感光体帯電露光方法。
  10. 【請求項10】 前記光源波長λ1,λ2が 300nm<λ1,λ2<900nm を満足することを特徴とする請求項8又は9記載の感光
    体帯電露光方法。
  11. 【請求項11】 前記光源波長λ1を600nm〜70
    0nmとし、前記光源波長λ2を700nm〜800n
    mとすることを特徴とする請求項8ないし10の何れか
    一に記載の感光体帯電露光方法。
  12. 【請求項12】 前記感光体として請求項1ないし7の
    何れか一に記載の積層型感光体を用いることを特徴とす
    る請求項8ないし11の何れか一に記載の感光体帯電露
    光方法。
  13. 【請求項13】 前記第1の電荷発生層の吸収係数α1
    (λ2)及び前記第2の電荷発生層の吸収係数α2(λ2)
    を α1(λ2)<α2(λ2) なる関係が成り立つようにしたことを特徴とする請求項
    12記載の感光体帯電露光方法。
  14. 【請求項14】 前記第1の電荷発生層の吸収係数α1
    (λ1),α1(λ2)と前記第2の電荷発生層の吸収係数
    α2(λ2)、α2(λ1)とを、 Qs<Q1<Q3 但し、Qs=CVs C:感光体の容量、Vs:現像に必要な電位 Q1=η1(λ1)×t1×I0×∫0 d1exp(−α1(λ1)
    t)dt Q3=η2(λ2)×t2×I2×∫0 d2exp(−α2(λ2)
    t)dt I2≒I1×exp(−α(λ2)d1) I0:帯電光量、I1:露光光量、 d1:第1の電荷発生層の膜厚、d2:第2の電荷発生
    層の膜厚 η1(λ1):第1の電荷発生層における波長λ1の時の
    量子効率 η2(λ2):第2の電荷発生層における波長λ2の時の
    量子効率 t1:帯電用の光照射時間 t2:露光用の光照射時間 なる関係が成り立つようにしたことを特徴とする請求項
    11記載の感光体帯電露光方法。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし7の何れか一に記載の
    積層型感光体と、 帯電用の光源を備えて光を照射しながら前記積層型感光
    体に電界を作用させて帯電させる帯電装置と、 この帯電装置により帯電済みの前記積層型感光体を画像
    信号に対応する選択的な露光光により露光する露光装置
    と、 露光光による露光により前記積層型感光体に形成された
    静電潜像を現像する現像装置と、 現像された前記積層型感光体上の可視像を転写媒体上に
    転写する転写装置と、を備えることを特徴とする画像形
    成装置。
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