JP3961178B2 - 積層型感光体、感光体帯電露光方法及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成のために静電潜像が形成される積層型感光体、感光体帯電露光方法及び複写機、ファクシミリ、プリンタなどの画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の帯電方式はコロナ放電を用いたものが主流である。しかし、コロナ放電は空気中に電界をかけることから、オゾンやNOxなどの有害物質を大量に発生する欠点を有する他、その帯電効率が低く、電気量を無駄に使ってしまう欠点がある。また、4kV近い電圧源が必要なこともコストを増大させる原因となり、かつ、危険性をもはらむ。近年の環境に対する配慮から、このようなシステムを改善することは急務である。これらを背景に、コロナ放電が少ないローラ帯電方式や電荷注入型のブラシ帯電方式、内部分極型帯電方式などが研究されている。以下に各々の特徴を述べる。
【0003】
a.ローラ(ブレード)帯電器などの接触型帯電方式
ローラ帯電はコロトロンなどに比べ遥かにオゾン発生量は低減している。しかし、原理的に感光体・ローラ間の狭ギャップに電圧を加え、コロナ放電させていることから、オゾン発生をゼロにはできない。また、オゾンが感光体近傍で発生することから、オゾンによる感光体劣化は課題として残る。ローラの抵抗を下げ、放電を防止する方法も考えられているが、感光体上に存在するピンホールに電荷が集中し、感光体に電圧が印加できなくなる。これにより、白抜けなどの不具合が発生する。
【0004】
また、ブレード形状の場合、特開平8−6282号公報に見られるように、感光体に接触していない領域の抵抗を高くするなど、放電を回避する方法が考えられている。しかし、ブレードの場合、ローラの転がり摩擦に比べ、遥かに摩擦係数が大きくなることから、これによる感光体の摩耗などの不具合が懸念される。
【0005】
b.ブラシ帯電器などによる電荷注入方式
電荷注入方式は放電を起こすことなく、直接電荷を感光体に注入する方法である。このため、オゾンを発生することなく、原理的には効率的に帯電を施すことができる方式である。しかし、感光体にはピンホールが存在するため、直接メタルを接触させると、電荷集中が起き、均一に帯電を施すことはできない。また、これを防ぐために中抵抗の部材を接触させて注入を行うと、放電が発生したり、注入速度が非常に遅くなる。感光体表面を改質し、注入効率を上げる方法などが試みられてはいるが(例えば、特開平6−3921号公報参照)、現在のところ、課題が多い。
【0006】
c.内部分極型帯電方式
持続性内部分極方式は、感光体で生成されている光電荷を外部電界によって分極し、それを持続させることで感光体上に潜像を形成する方式である。この持続性内部分極像(光エレクトレット)方式は、古くから静電像(ゼログラフィ)と同様に盛んに研究されてきた。また、この原理を利用して、帯電を施す方法も古くから考えられてきた。この帯電方式は原理的にオゾンフリーとなり、かつ、また電荷注入で起きるピンホールの問題や不均一性、放電などの不具合は解消できると思われる。
【0007】
近年においても、オゾンなど環境問題が取り上げられ、この方式の帯電方式について報告がなされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、現状の内部分極型帯電方式では、例えば特開平8−76559号公報や特開平9−26681号公報に示される光生成帯電方式のように、感光体としては、既存のものを用いている。このような状態では図12に示すように、正帯電になり、現在主流である負帯電の電子写真プロセスを利用することができない不具合がある。図12において、積層型感光体101は、基体102上に電荷発生層(CGL)103と電荷輸送層(CTL)104とを積層してなる。105は帯電時に照射する光を示し、106は帯電時に電源107に基づく電圧を基体102との間に印加することにより電界を生じさせるための対向電極である。また、帯電時には、光105を照射する動作と対向電極106による電界を作用させる動作とは同時に行われるが、図12では便宜上、(a)(b)に分けて図示するものとする。図12(a)では光105の照射により電荷発生層103に正電荷(ホール)108aと負電荷(電子)108bとが対で発生している様子を示し、図12(b)では電界の作用により正電荷108aが電荷輸送層104を経て表層側に移動している様子を示している。
【0009】
また、このような構造では、帯電時には正電荷(ホール)が移動し、露光時には負電荷(電子)が移動するようなCTL(電荷移動層)が必要となる。現状では、このような両極性の電荷が移動できる有機層は開発されていない。仮に開発されたとしても、原理的にどちらの極性の電荷も動きやすく、かつ、暗減衰を抑え込むことができるように移動度を制限することは矛盾し、このような構造では高効率な分極を形成することは困難であると思われる。また、この構造では電荷発生領域と帯電を形成する電荷が存在する領域とが離れており、この距離を移動しなければならない。この移動時に電荷が消滅する確率が高く、非効率的である。
【0010】
逆に、負帯電させるためには図13に示すように、単層型の感光体を用いる方法も考えられている。図13において、単層感光体111は、基体112上に感光体113を設けてなる。114は帯電時に照射する光を示し、115は帯電時に電源116に基づく電圧を基体112との間に印加することにより電界を生じさせるための対向電極である。また、帯電時には、光114を照射する動作と対向電極115による電界を作用させる動作とは同時に行われるが、図13では便宜上、(a)(b)に分けて図示するものとする。図13(a)では光114の照射により感光体113に正電荷(ホール)117aと負電荷(電子)117bとが対で発生している様子を示し、図13(b)では電界の作用により正電荷117aを基体112側に移動させている様子を示している。しかし、単層感光体111は帯電能力などが劣るので、積層型感光体を利用することが望まれる。
【0011】
さらに、従来の電子写真プロセスは帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、除電装置等の多くの装置が複雑に組み込まれている。現状ではそれらの装置は必要不可欠である。今後は装置をシンプルにすることが望まれる。そこで、帯電方法を変えることで、これらの電子写真プロセスを簡便にすることが期待される。例えば、従来にあっては、高速複写機等では除電ランプが用いられていた。除電ランプは、現像プロセスで感光体上に残された電荷が、次の帯電でもなくなくなることなく、上乗せされることを避けるために用いられる。そのためにLEDや蛍光管などの発光装置をつける必要があり、製造コストが高くなる一因となっている。よって、今後、除電プロセスの要らない作像プロセスが求められる。
【0012】
そこで、本発明は,基本的には、従来の電子写真プロセスに則した負極性の帯電を、高効率でかつ帯電能力を落とすことなく内部分極型帯電方式で実現し得る積層型感光体を提供することを目的とする。
【0013】
また、このような積層型感光体を用いることにより、従来の電子写真プロセスを利用することができる上に除電装置を省略し得る画像形成装置を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、感光体材料には多くの技術蓄積があり、新規の材料を開発することは非常に困難である点を考慮して、既存の感光体構成を流用して、より効率よく感光体を帯電し潜像を形成し得る感光体帯電露光方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項6記載の積層型感光体は、請求項1〜5の任意の1に記載の感光体帯電露光方法により帯電露光される積層型感光体であって、帯電時の光照射により電荷を発生する第1の電荷発生層と、露光時の光照射により電荷を発生する第2の電荷発生層とを備える。
【0016】
従って、帯電に寄与する電荷が生成される領域と、露光に寄与する電荷が生成される領域とを、第1の電荷発生層と第2の電荷発生層として分離する。これにより、帯電時には表層側の第1の電荷発生層で電荷を発生し、電圧を加え電界を作用させることで分極する。露光時には第2の電荷発生層で発生した電荷で分極を中和する。このように、帯電、露光の何れのプロセスとも、移動するのはホールとなり、負の極性で帯電を実現することが可能となる。また、除電は第1の電荷発生層で発生した電荷を用いることができ、発生領域と除電用電荷発生領域とが同じことから、非常に高効率な除電が可能となる。また、残電位が存在していても、光照射後電圧を印加することから、従来必要とされていた除電機能は必要としない。
【0017】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の積層型感光体において、帯電極性と感光体内部での電荷移動度が大きい方の電荷の極性とが異なる場合、前記第1の電荷発生層が前記第2の電荷発生層に対して、少なくとも表面側に配設されている。
【0018】
作像プロセスでは帯電及び露光を効率よく行う必要があり、そのためには、帯電、露光の各々の時に発生した電荷をできるだけ効率よく利用できるようにする必要があるが、全体の電荷移動度は、その大きさが大きい方の極性の電荷で決定されることから、この移動度が大きい極性の電荷の方が長い距離を動くようにすることで、効率のよい作像プロセスを実現できることとなる。
【0019】
請求項8記載の発明は、請求項6記載の積層型感光体において、帯電極性と感光体内部での電荷移動度が大きい方の電荷の極性とが同じ場合、前記第1の電荷発生層が前記第2の電荷発生層に対して、少なくとも奥側に配設されている。
【0020】
作像プロセスでは帯電及び露光を効率よく行う必要があり、そのためには、帯電、露光の各々の時に発生した電荷をできるだけ効率よく利用できるようにする必要があるが、全体の電荷移動度は、その大きさが大きい方の極性の電荷で決定されることから、この移動度が大きい極性の電荷の方が長い距離を動くようにすることで、効率のよい作像プロセスを実現できることとなる。
【0021】
請求項9記載の発明は、請求項6ないし8の何れか一に記載の積層型感光体において、前記第1の電荷発生層と前記第2の電荷発生層との間に電荷輸送層を有する。
【0022】
請求項6記載の発明の感光体構造において、膜厚を大きくすると、電荷の移動度が低減し、時間内に帯電及び露光を施すことが困難になる。また、帯電、露光を施す機能だけは満足するように膜厚を薄くすることも可能ではあるが、膜厚を薄くすると、暗減衰が大きくなり、又は、膜厚に依存する感光体の電気容量が低下し、十分な電荷を蓄積できないこととなるが、第1の電荷発生層と第2の電荷発生層との間に電荷輸送層を介在させることにより、膜厚を薄くせずに、電荷の移動度を向上させ、十分な電荷を蓄積させることで帯電能力を向上させることができる。
【0023】
請求項10記載の発明は、請求項6ないし9の何れか一に記載の積層型感光体において、表層に保護層を有する。
【0024】
従って、感光体表面が摩擦によって削られるようなことがあっても、表層に保護層を有するので、耐摩耗性が向上する。特に、第1の電荷発生層を薄膜としたときには、効果的となる。
【0025】
請求項11記載の発明は、請求項6ないし9の何れか一に記載の積層型感光体において、前記第1の電荷発生層中に電荷輸送力を高める電荷輸送剤を分散させてなる。
【0026】
従って、感光体表面が摩擦によって削られるようなことがあっても、機能が低下しないようにするには、第1の電荷発生層を厚膜にする必要があるが、厚くすると電気伝導性が低減してしまうことから、第1の電荷発生層中に電荷輸送力を高める電荷輸送剤を分散させることで、その層厚を厚くしても電気伝導性が低減することがなく電荷輸送が可能となる。
【0027】
請求項12記載の発明は、請求項6ないし11の何れか一に記載の積層型感光体において、基体と前記第2の電荷発生層との間に下引き層を有する。
【0028】
従って、基体と第2の電荷発生層との間に下引き層を有するので、既存の感光体の場合と同様に、暗減衰を低減させることができる。
【0029】
請求項1記載の発明の感光体帯電露光方法は、前記積層型感光体に対して内部分極型帯電方式により光を照射しながら電界を作用させて帯電し、帯電された前記感光体を選択的な露光光により露光することにより静電潜像を形成する感光体帯電露光方法において、帯電用の光源波長をλ1、露光用の光源波長をλ2としたとき、波長λ1の第1の電荷発生層に対する吸収係数α1(λ1)、および波長λ2の第1の電荷発生層に対する吸収係数α1(λ2)に対し
α1(λ1)>α1(λ2)
なる関係が成り立つようにした。
帯電は「内部に帯電用の光源を備えた中空シリンダ状の透明基体の表面に導電性透明膜及びその上に絶縁性透明薄膜を形成してなるローラを積層型感光体に接触させ、前記導電性透明膜に印加される電圧により積層型感光体に電界を作用させつつ、帯電装置の内側から絶縁性透明薄膜と積層型感光体との接触部に前記光源により照射」して行う。
【0030】
光の侵入は深さ方向に対し、I(t)=I0exp(−αt)
I:光量、I0:初期値、t:距離、α:吸収係数なる式が成り立つ。つまり、光は吸収係数αに規定される侵入長を持つ。吸収係数αが小さければ同じ光量でもより深くまで光が到達する。帯電用の光源波長をλ1、露光用の光源波長をλ2とした場合、波長λでの第1の電荷発生層に対する吸収係数α1(λ)に対し、α1(λ1)>α1(λ2)の関係が成り立つようにすることで、帯電時の第1の電荷発生層に対する吸収係数αが大きいので、より表面近傍で光を吸収することになる。これにより、相対的に帯電時には表面で電荷を生成させ、露光時に奥側で電荷を生成させることができる。これにより、効率よく分極でき、帯電能力を向上させることができる。
【0031】
即ち、帯電を施すことで、感光体は分極する。より効率のよい分極をするためには、より表面側に電荷を蓄積することが望まれる。また、通常使われる感光体においては、ホールと電子の移動度は大きく異なる。そのため、帯電時と露光時での電荷移動はどちらかの電荷が支配的に行われる。
例えば、今説明のために、感光体内部での電荷移動がホールの方が支配的であると考える。この場合、露光時に移動できる電荷がホールとなるため、自動的に帯電極性は負となる。この負帯電を施すためには、表面で電荷を生成し、ホールを奥方向にドリフトさせることである。これにより、残された電子が表面に局在し、負帯電状態が形成される。この場合、電子はほとんど動かないと考えられる。
そのため、効率的に帯電させるためには、できるだけ表面で、電荷を生成させる必要がある。また、作像のための露光時には光照射した領域で、ホールと「帯電に関与している表面の電子」とを対消滅させるが、露光で生成されるホールと電子は同数と考えられ、その場で対消滅を起こす可能性もある。
多くのホールがこのような対消滅を起こしてしまうと、表面の電子を消滅させることができなくなる。作像のための露光では、露光によって生成した電子を効率的に感光体の基体に流し、より多くのホールを表面にドリフトさせなければならない。しかし、電子の移動度が小さいため、プロセス時間内に移動できる距離は限られてくる。そこで、効率よく、電子を感光体の基体に流すには、作像のための露光で光生成される領域をできるだけ奥の基体に近い領域で行う必要がある。
このように、帯電時にはできるだけ表面で光生成を行い、露光時にはできるだけ奥で光生成を行う必要がある。内部分極型帯電の作像プロセスにおいて、より効率よく行うためには、先の2つの生成領域において、先のような大小関係が成り立てばよい。つまり、相対的に帯電時が表面側で、露光時が奥側となればよい。
【0034】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の感光体帯電露光方法において、前記光源波長λ1,λ2が300nm<λ1,λ2<900nmを満足する。
【0035】
従って、請求項1記載の感光体帯電露光方法を実現する上で、生産上、光源には低コスト、小型、省電力が求められ、その条件を満たすには光源として半導体レーザを用いることが望まれるが、半導体レーザを用いることで、使用できる波長の範囲が限定されるため、光源波長λ1,λ2が300nm<λ1,λ2<900nmを満足するようにすれば達成し得る。
【0036】
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の感光体帯電露光方法において、前記光源波長λ1を600nm〜700nmとし、前記光源波長λ2を700nm〜800nmとする。
【0037】
感光体材料には多くの技術蓄積があり、新規の材料を開発することは非常に困難であるが、600nm〜700nmなる光源波長λ1は従来のアナログ用で一般的であり、700nm〜800nmなる光源波長λ2は従来のデジタル用で一般的であることから、従来の感光体材料を流用することができる。
【0039】
請求項6ないし12の何れか一に記載の積層型感光体では、帯電時、表面にある第1の電荷発生層で生成される電荷が利用される。これにより、効率よく帯電を施すことができるが、逆に露光時には問題が残る。これは露光する時にも、表面の第1の電荷発生層で電荷が発生することである。あくまでも、作像用の露光時には第1の電荷発生層の帯電に関与している電子(負帯電の場合)を対消滅することが目的である。
説明中の例では帯電は負極性であるので、露光時には感光体表面側の電子を消滅させるためのホールのみが必要であって電子は不要である。そのため、光は奥側に配設されている第2の電荷発生層まで入射し、そこで、電荷を生成し、ホールのみを第1の電荷発生層にドリフトさせることが望まれる。
また、第2の電荷発生層は奥側の金属製の基体と近いことから、第2の電荷発生層で光生成した電子は短時間で基体側に流れ出すことができる。これによって露光を高速で行える。このように効率よく「作像用の露光」を行うためには、第1の電荷発生層では電荷を発生せずに通過し、第2の電荷発生層においてのみ電荷を発生することが望まれる。
請求項1ないし5の感光体帯電露光プロセスでは、帯電と「作像用の露光」とで用いる光の波長を異ならせ、これらの波長に対する第1の電荷発生層における吸収係数に前記大小関係を満足させることにより、帯電、露光の効率を向上させている。
【0040】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の感光体帯電露光方法において、前記第1の電荷発生層の吸収係数α1(λ2)及び前記第2の電荷発生層の吸収係数α2(λ2)をα1(λ2)<α2(λ2)なる関係が成り立つようにした。
【0041】
請求項1記載の発明では、作像用の露光光が感光体表面の第1の電荷発生層で吸収されることは原理的に少なくなくなるものの、このような効果をより顕著に得るためには、波長λ2の露光光での吸収を第1の電荷発生層、第2の電荷発生層ともにコントロールする必要がある。第1の電荷発生層の吸収係数α1(λ2)及び第2の電荷発生層の吸収係数α2(λ2)がα1(λ2)<α2(λ2)なる関係が成り立つようにすることで実現できる。
これにより、この条件に則した任意の感光体、光源において、帯電・露光の効率が向上する。
【0042】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の感光体帯電露光方法において、前記第1の電荷発生層の吸収係数α1(λ1),α1(λ2)と前記第2の電荷発生層の吸収係数α2(λ2)、α2(λ1)とを、Qs<Q1<Q3
但し、Qs=CVs、C:感光体の容量、Vs:現像に必要な電位、
Q1=η1(λ1)×t1×I0×∫0 d1exp(−α1(λ1)t)dt、
Q3=η2(λ2)×t2×I2×∫0 d2exp(−α2(λ2)t)dt、
I2≒I1×exp(−α(λ2)d1)、
I0:帯電光量、I1:露光光量、d1:第1の電荷発生層の膜厚、d2:第2の電荷発生層の膜厚、η1(λ1):第1の電荷発生層における波長λ1の時の量子効率、η2(λ2):第2の電荷発生層における波長λ2の時の量子効率、t1:帯電用の光照射時間、t2:露光用の光照射時間、
なる関係が成り立つようにした。
【0043】
従って、一連の作像プロセスを行うために、最低限の帯電量が規定されるが、逆に必要以上の帯電及び露光を行うことは消費電力上、避けるべきである。このような理由から、上記の如く、最適な帯電量及び露光量が求められる。
【0044】
即ち、電荷の寿命は感光体によって異なるが、通常用いられるOPC(有機感光体)ではその寿命が1s程度とそのプロセス時間である数msに比べはるかに長い。よって、ここではこの寿命によって減少する量は加味しないものとする。また、加味するとしても、その寿命は電荷輸送層において、露光、帯電とも大きな違いはなく、その差分を考慮する今回の計算では省略できる。電荷量Qは、その第1の電荷発生層の吸収係数α1及び量子効率η1、厚さd1によって決定できる。露光によって生成される電荷量Q3も同様にその層の特性によって決定される。求める電荷Q2とQ3は本発明中に記載した式で記述できる。この電荷Q2,Q3が、Qs<Q2<Q3なる条件を満たすことにより、帯電、露光及び現像が可能になる。また、この条件を満たしていれば、任意の感光体、光源において、作像プロセスが可能となる。
【0045】
請求項13記載の発明の画像形成装置は、請求項6ないし12の何れか一に記載の積層型感光体と、内部に帯電用の光源を備えた中空シリンダ状の透明基体の表面に導電性透明膜及びその上に絶縁性透明薄膜を形成してなるローラを積層型感光体に接触させ、前記導電性透明膜に印加される電圧により積層型感光体に電界を作用させつつ、帯電装置の内側から前記絶縁性透明薄膜と積層型感光体との接触部に前記光源により照射して帯電を行うローラ型の帯電装置と、この帯電装置により帯電済みの前記積層型感光体を画像信号に対応する選択的な露光光により露光する露光装置と、露光光による露光により前記積層型感光体に形成された静電潜像を現像する現像装置と、現像された前記積層型感光体上の可視像を転写媒体上に転写する転写装置と、を備える。
従って、請求項6ないし12の何れか一に記載の積層型感光体によれば、負極性の帯電が可能なため、従来の電子写真プロセスを利用することができる上に除電装置を省略し得る画像形成装置を提供できる。
【0046】
請求項14記載の発明の画像形成方法は、単層感光体に対して内部分極型帯電方式により光を照射しながら電界を作用させて帯電し、帯電された前記感光体を選択的な露光光により露光することにより静電潜像を形成する感光体帯電露光方法において、帯電用の光源波長をλ1、露光用の光源波長をλ2(但し、λ1≠λ2)としたとき、波長λでの前記感光体の吸収係数α(λ)に対し、α(λ1)>α(λ2)なる関係が成り立つようにした。
請求項15記載の発明の画像形成方法は、前記単層感光体の厚さをdとしたとき、α(λ1)>1/d>α(λ2)なる関係が成り立つようにした。
請求項14記載の発明での条件を満たせば、原理的には帯電、露光の効率はよくなる。
現実には、感光体には厚みがあり、その厚みの中でより効率のよい条件が必要である。請求項15に示すように感光体の厚さをdとしたとき、α(λ1)>1/d>α(λ2)なる関係が成り立つようにすることでこの条件が満たされる。
即ち、感光体の膜厚に対し、波長λ1の光は表面で電荷を生成し、波長λ2の光は十分に奥まで光が入射することが可能となり、請求項14記載の発明の作用が任意の感光体厚みで可能になり、効率のよい作像プロセスを実現できる。
【0047】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図6に基づいて説明する。
【0048】
まず、本実施の形態の積層型感光体1の原理的構造及びこの積層型感光体1を用いた作像プロセスにおける帯電・露光動作の原理を図1及び図2に基づいて説明する。
【0049】
本実施の形態の積層型感光体1は、金属製の基体2上に下引き層3、第2の電荷発生層4、電荷輸送層5、第1の電荷発生層6及び表面保護層7を順次積層させてなる。即ち、帯電に寄与する電荷が生成される領域と、露光に寄与する電荷が生成される領域とを第1の電荷発生層6と第2の電荷発生層4として分離して設けてなり、従来の積層型感光体との対比では内部に存在する電荷発生層を第2の電荷発生層とし、表層側に第1の電荷発生層を付加した形となっている。各層構成の詳細は後述する。
【0050】
このような積層型感光体1を用いた帯電プロセスでは、図2(a)(なお、図2では表面保護層7を省略している)に示すように、基体2と表面側に対向接触させた外部電極8との間に電源9によって電圧を印加して積層型感光体1の積層方向に電界を作用させた状態で、帯電用の光源(後述する)により波長λ1(例えば、780nm又は650nm)の光10を同時に照射することより、表層側の第1の電荷発生層6で正電荷(ホール)11aと負電荷(電子)11bとを対で発生させ、電界の作用により分極させ、正電荷(ホール)11aを内層側に移動させる。露光時には、図2(b)に示すように、露光用の光源により波長λ2(例えば、780nm)の露光光12を選択的に照射することにより、第2の電荷発生層4で発生した正電荷(ホール)11aで分極を中和する。このように、帯電、露光の何れのプロセスとも、電荷輸送層5を移動するのは正電荷(ホール)11aとなり、積層型感光体1の表面を負極性に帯電し得ることが分かる。
【0051】
これにより、図3に示すように、一般的なデジタル複写機等における場合と同様な電子写真プロセスを利用した画像形成装置、ここでは、デジタル複写機を構成することができる。図3において、積層型感光体1は回転駆動自在なドラム状に形成され、この積層型感光体1の周囲に電子写真プロセスに従い、内部分極型帯電方式の帯電装置21、半導体レーザ等を書き込み光源として用いた露光装置22、現像装置23、転写紙24に対する転写装置25、除電ランプ26及びクリーニング装置27が設けられている。28は定着装置である。
【0052】
もっとも、従来の除電プロセスは電荷発生層(奥側に位置する第2の電荷発生層4に相当する)で光電荷を発生させることで、残電位を消滅させていたが、本実施の形態では前述したような積層型感光体1を用いることで、除電は第1の電荷発生層6で発生した電荷を用いることができ、発生領域と除電用電荷発生領域が同じことから、非常に高効率な除電ができる。また、従来はコロナ電荷が表面の電位状態に無関係に降り注ぐため、残電位が存在している場合、その嵩上げ分は消滅しないため、積極的に除電する必要があったが、本実施の形態によれば、残電位が存在していても、光照射後に電圧を印加することから、除電ランプ26は必ずしも必要とせず、省略することもできる。
【0053】
次に、積層型感光体1及び帯電装置21の詳細について説明する。
【0054】
A.積層型感光体1
a.表面保護層7
透明で機械強度の高いものを利用する。材料としては、市販のポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、アクリル、エポキシ、シリコン、アルキド、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の樹脂を用いることができる。さらに強度及び分散性を向上させるための検討を行なった結果、アクリロイル基を1分子中に3個以上もった光硬化型アクリル系モノマー中に導電性粒子を分散させ、これを感光体の感光層上に塗布、光硬化させることによって形成した表面層を用いることで、膜強度が飛躍的に向上した。
【0055】
b.第1の電荷発生層6この層には従来アナログ用に用いられてきた可視光領域(500〜700nm)に吸収ピークがある感光材料が用いられている。電荷発生剤としてはチアピリリウム塩や多環キノン系、ペリレン系、インジゴ誘導体又はビスアゾ顔料系などが用いられる。これらをポリビニルプチラール樹脂などのバインダ材料に入れる。膜厚は0.5μm程度でスプレー塗工法によって形成した。光10の波長λ1が780nmの場合、吸収係数αは1/2(μm−1)程度である。これにより光10の侵入長(光の強度が1/eになる長さ)は2μm程度である。
【0056】
c.電荷輸送層5
この電荷輸送層5には従来から一般的なホール輸送用の材料が用いられている。電荷輸送剤としてはオキサジアゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、オキサゾール誘導体、トリアリールアミン誘導体、ジフェニルメタン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリシラン誘導体などである。バインダとしてはポリカーボネイト樹脂、ポリエステル樹脂を利用した。移動剤の濃度は50%程度とした。膜厚は20μm程度でディッピングコーティング法によって形成した。
【0057】
d.第2の電荷発生層4この第2の電荷発生層4には従来のデジタル用に用いられてきた長波長(780nm)のものが用いられている。電荷発生剤として、スクエアリリウム色素、無金属フタロシアニン系、金属フタロシアニン系、アズレニウム塩色素、スクワリン酸誘導体及びトリスアゾ顔料等である。これらをポリビニルプチラール樹脂などのバインダ材料に入れた。膜厚は0.5μm程度でディッピングコーティング法によって形成した。光12の波長λ2が780nmの場合、吸収係数αは1/10(μm−1)程度である。これにより光12の侵入長は10μm程度である。
【0058】
e.下引き層3
下引き層3は感光体の帯電性を改善し、また、基体2に対する感光層の接着性や塗布性を向上することを目的としている。用いる材料としては、例えば、単層構成ではポリエチレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステル、メラニン樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリイミドなど樹脂、又はそれらの共重合体などが挙げられる。また、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール及びエチルセルロースなども用いられる。また、Ag,Cu,Ni,Au,Biなどの金属やカーボンで実現される導電性粒子を接着剤に分散させた膜も有効である。酸化スズ又はアルミナによって表面処理された酸化チタンを含有する層も有効である。また、アルミナで被覆された酸化チタン微粒子やチタンネート系カップリング剤によって表面処理された酸化チタン、シラン化合物、フッ素含有シラン化合物によって表面処理された金属酸化物粒子を接着剤に分散した層などが用いられる。
【0059】
f.基体2
基体2は導電性があり、機械強度が高く、低製造コスト、膜の密着性がよいなどの特性を有するものがよい。そこで、一般的な金属が用いられ、例えば、Al,SUS,Fe,Ni,Cu,Mg,Agなどが挙げられるが、本実施の形態では、Alを用いた。また、アクリル等の絶縁性材料上に金属膜を形成することによって代替品として用いることもできる。
【0060】
B.帯電装置21
帯電装置21は、図4に拡大して示すように、電圧印加装置31と帯電用の光源32とからなる。
【0061】
a.電圧印加装置31
透明基体33の表面に導電性透明膜34及びその上に絶縁性透明薄膜35を形成してなる。また、電源9による電圧印加のために導電性透明膜34から電極を取れるようにする(即ち、導電性透明膜34は外部電極8に相当する)。透明基体33にはガラスやプラスチック等を用い得るが、その汎用性や機械強度などからアクリル製樹脂が用いられ、円筒状に成形されている。これにより、帯電装置21はローラ型として構成されている。この円筒状の透明基体33の直径は20mmとされ、その厚さ(肉厚)は十分な強度を得られる5mmとされている。円筒とその円筒支持体36との間の摩擦は小さくし、自由に回転できるようにする。また、円筒支持体36にも可動性をもたせ、被帯電体である積層型感光体1と帯電装置21の絶縁性透明薄膜35とが常に十分な圧力で接触するように構成されている。
【0062】
透明基体33上の表面には透明で導電性があり、かつ適当な弾性があるものを導電性透明膜34として作り込む。本実施の形態では、透明導電性微粒子を弾性透明母体に分散する方法が用いられている。これは、微粒子で導電性を保持し、母材で弾性を保つと言うものである。本実施の形態では、ITO、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化イリジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ酸化ジリコニウムなどの透明導電性材料を粉砕し、μmオーダの微粒子にし、これを透明なポリカーボネイト、ポリウレタン、アクリル、エポキシ、シリコーン、アルキド、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体などの母材に十分に分散させることにより形成されている。導電性は1×104Ω/cm程度あればよい。
【0063】
b.帯電用の光源32
帯電用の光源32にはランプ光やレーザ光なども考えられるが、本実施の形態では、図5及び図6に示すように、多数のLED37を並べたLEDアレイ38が用いられている。LEDアレイは、近年複写機のなどの高密度書き込み系として応用されており、技術的な蓄積も多い。本実施の形態での帯電用の光源32としては被帯電体である積層型感光体1に十分な光10を均一に照射することができればよく、書き込み系のように個々のLED37のスポット径を小さくする必要はない。そのため、従来書き込み系に使われているように微細なLEDを横一列に並べる必要もない。よって、本実施の形態で用いるLEDアレイ38は図6に示すように6行30列程度のアレイ構造とした。この時、干渉縞などが出ないように工夫も必要である。このため、本実施の形態では、図5に示すように、LED37と積層型感光体1との間にLED37の光10が効率よく積層型感光体1を照射するようにレンズ機能を持った光学系39,40が組み込まれている。41はLEDアレイ基板、42は光源32の基体、43は透明導電膜である。これを図4に示すように、ローラ形状の透明基体33の内部に固定し、常に積層型感光体1の表面を照射するようにする。LED37が発する光10の波長λ1は780nmである。
【0064】
C.動作方法
本実施の形態では、波長λ1=780nmの光10の照射と同時に帯電装置21を積層型感光体1の表面に接触させ、電源9により導電性透明膜34に電圧を印加することで帯電を施す。光照射はLED37に電流を流し発光させる。照射時間は積層型感光体1の回転速度とLEDアレイ38の幅とから一意に決まる。光量は100lx程度になるように調整した。導電性透明膜34に対する印加電圧は600Vとした。この時、積層型感光体1の基体2はアースに落とす。電圧印加時間はニップ幅が2mm程度なので、約0.02sになる。これにより、500Vの帯電を得ることができたものである。
【0065】
なお、本実施の形態では、帯電極性(負帯電)と積層型感光体1内部での電荷移動度の大きい方の電荷(正電荷=ホール11a)の極性とが異なるため、第1の電荷発生層6を第2の電荷発生層4よりも表面側に配設させたが、両極性が同じ場合には、第1の電荷発生層6を第2の電荷発生層4よりも奥側(内部側)に配設させるようにすればよい。
【0066】
本発明の第二の実施の形態を図7に基づいて説明する。第一の実施の形態で示した部分と同一又は相当する部分には同一符号を用いて示し、説明も省略する(以降の各実施の形態でも順次同様とする)。
【0067】
本実施の形態の積層型感光体51は、積層型感光体1との対比では、電荷輸送層5及び表面保護層7が省略された単純構造とされている。ここに、電荷輸送層5を有しない分、第1の電荷発生層6の膜厚は10μm程度でディッピングコーティング法によって形成されている。光10の波長λ1が780nmの場合、吸収係数αは0.2(μm-1)程度である。これにより光10の侵入長は5μm程度である。第2の電荷発生層4の膜厚は10μm程度でディッピングコーティング法によって形成されている。光12の波長λ2が780nmの場合、吸収係数αは1(μm-1)程度である。これにより光12の侵入長は1μm程度である。
【0068】
本発明の第三の実施の形態を図8及び図9に基づいて説明する。本実施の形態では、基体52上に下引き層53を介して電荷発生層54のみを積層させてなる単層感光体55を用いるものである。そして、このような単層感光体55に照射する帯電時の光源波長λ1と露光時の光源波長λ2とを異ならせることを特徴としている。
【0069】
まず、本実施の形態では、正帯電とする。正帯電は帯電装置でのオゾンの発生が少ないことなどから注目されている。しかし、有機系感光体(OPC)では、満足な特性を得ることが難しく、開発が遅れている。有機系感光体ではフタロシアニン系、ピリリウム塩などの単層構造がある。また、正帯電の感光体にはa−Si:Hに見られる無機感光体があり、本実施の形態ではa−Si:H系の感光体を用いた。a−Si:Hは無機物であるため、機械強度が高く、耐摩耗性が高い。また、無機半導体、特にSiはドーピングが容易にでき、正帯電用にはP型の層を1層入れることで、暗減衰の少ない良質な感光体が作れる。膜厚は100μm程度で有機に比べると若干厚めになる。これは誘電率が高いことによっており、膜厚で静電容量を稼いでいる。また、吸収係数は波長λ1=650nmに対し1(μm-1 )、波長λ2=780nmに対し各々0.005(μm-1 )になるように、感度増感などでコントロールした。下引き層53は第一、二の実施の形態の場合に準じた。
【0070】
また、本実施の形態では、帯電に用いる光源32の光10の波長λ1を650nmとし、露光光12の波長λ2は780nmとしている。それ以外は第一、二の実施の形態の場合に準ずる。より一般的には、波長λでの感光体の吸収係数α(λ)に対し、α(λ1)>α(λ2)なる関係が成り立つように設定されている。
【0071】
光の侵入は深さ方向に対し、
I(t)=I0exp(−αt)
I:光量、I0:初期値、t:距離、α:吸収係数
なる式が成り立つ。つまり、光は吸収係数αに規定される侵入長を持つ。
【0072】
次に、動作方法について説明する。帯電時に照射する光10の波長λ1が650nmであり、吸収係数αが大きいため、図9に示すように表面での吸収が大きい。このため、表面での電荷発生が多い。この表面近傍で生成された電子・ホール対のホールだけを外部印加電圧によってドリフトする。これによって、表面に電子が残され、これが帯電に寄与する。その他、照射時間など詳細は第一、二の実施の形態の場合に準ずる。露光時に照射する露光光12の波長λ2は780nmとした。このため、図9中に示すように吸収が小さく、光は奥の方まで侵入する。奥で生成された電子とホールはドリフトし、ホールは表面の電子と対消滅し、除電する。このように露光する領域を任意に選択することによって、所望の静電潜像を得ることができる。
【0073】
即ち、吸収係数αが小さければ同じ光量でもより深くまで光が到達することから、α(λ1)>α(λ2)の関係が成り立つようにすることで、帯電時の吸収係数αが大きく、より表面近傍で光を吸収することになる。これにより、相対的に帯電時には表面で電荷を生成させ、露光時に奥側で電荷を生成させることができる。これにより、効率よく分極でき、帯電能力を向上させることができる。
【0074】
なお、本実施の形態に関し、上記の条件α(λ1)>α(λ2)を満たせば、原理的には帯電、露光の効率はよくなるものの、現実的には、感光体(電荷発生層54)には厚みがあり、その厚みの中でより効率のよい条件が必要であるが、感光体の厚さをdとしたとき、α(λ1)>1/d>α(λ2)なる関係が成り立つようにすることでこの条件が満たされる。即ち、感光体(電荷発生層54)の膜厚に対し、波長λ1の光は表面で電荷を生成し、波長λ2の光は十分に奥まで光が入射することが可能となる。
【0075】
また、本実施の形態では、波長λ1=650nm、λ2=780nmとしたが、一般論としては、これらの波長λ1,λ2が
300nm<λ1,λ2<900nm
を満足すればよい。即ち、このような波長範囲とすることにより、生産上、光源には低コスト、小型、省電力が求められ、その条件を満たすには光源として半導体レーザを用いることが望まれるが、この要件が満たされることとなる。
【0076】
より具体的には、波長λ1=650nm、λ2=780nmである如く、波長λ1を600nm〜700nmとし、波長λ2を700nm〜800nmとすれば、各々アナログ用、デジタル用で一般的であることから、従来の感光体材料を流用することができる。
【0077】
本発明の第四の実施の形態を図10に基づいて説明する。本実施の形態では、感光体としては第一の実施の形態に示した積層型感光体1を用い、帯電・露光プロセスとしては第三の実施の形態に示した方法(即ち、帯電用の光10の波長λ1と露光光12の波長λ2とを異ならせる方法)を用いるようにしたものである。具体的には、帯電時の光源32の波長λ1=650nm、露光装置22の光源による露光光12の波長λ2=780nmとされている。このときの光の吸収は、図10に示すように設計されている。これに合わせて各々の波長λ1=650nm,λ2=780nmに対する吸収係数α(λ1),α(λ2)はともに2(μm−1)となるように設計されている。さらに、積層型感光体1の第1の電荷発生層6及び第2の電荷発生層4は感度ピーク波長が各々650nm,780nmになるようにコントロールされている。
【0078】
即ち、効率よい帯電、露光を行うために、第1の電荷発生層6と第2の電荷発生層4を有する積層型感光体1と、帯電時の波長λ1と露光時の波長λ2とを異ならせる方式とを組合せることで、その相乗作用に伴い、露光時には多くの光が奥まで入り、金属基体表面近傍で電荷を生成することが可能になり、帯電、露光の効率を向上させることができる。
【0079】
この場合、露光光12が積層型感光体1表面の第1の電荷発生層6で吸収されることは原理的に少なくなくなるものの、このような効果をより顕著に得るためには、波長λ2の露光光12での吸収を第1の電荷発生層6、第2の電荷発生層1ともにコントロールする必要がある。この点に関しては、第1の電荷発生層6の吸収係数α1(λ2)及び第2の電荷発生層4の吸収係数α2(λ2)がα1(λ2)<α2(λ2)なる関係が成り立つようにすることで実現できる。これにより、この条件に則した任意の感光体、光源において、帯電・露光の効率を向上させることができる。
【0080】
より一般的な条件としては、第1の電荷発生層6の吸収係数α1(λ1),α1(λ2)と第2の電荷発生層4の吸収係数α2(λ2)、α2(λ1)とを、
Qs<Q1<Q3
なる関係が成り立つように設定することが望ましい。
【0081】
但し、Qs=CVs
C:感光体1の容量、Vs:現像に必要な電位
Q1=η1(λ1)×t1×I0×∫0 d1exp(−α1(λ1)t)dt
Q3=η2(λ2)×t2×I2×∫0 d2exp(−α2(λ2)t)dt
I2≒I1×exp(−α(λ2)d1)
I0:帯電光量、I1:露光光量、
d1:第1の電荷発生層6の膜厚、d2:第2の電荷発生層4の膜厚、
η1(λ1):第1の電荷発生層6における波長λ1の時の量子効率、
η2(λ2):第2の電荷発生層4における波長λ2の時の量子効率
t1:帯電用の光照射時間
t2:露光用の光照射時間
である。
【0082】
即ち、一連の作像プロセスを行うために、最低限の帯電量が規定されるが、逆に必要以上の帯電及び露光を行うことは消費電力上、避けるべきである。このような理由から、上記の如く、最適な帯電量及び露光量が求められる。
【0083】
電荷の寿命は感光体によって異なるが、通常用いられるOPC(有機感光体)ではその寿命が1s程度とそのプロセス時間である数msに比べはるかに長い。よって、ここではこの寿命によって減少する量は加味しないものとする。また、加味するとしても、その寿命は電荷輸送層において、露光、帯電とも大きな違いはなく、その差分を考慮する今回の計算では省略できる。電荷量Qは、その第1の電荷発生層6の吸収係数α1及び量子効率η1、厚さd1によって決定できる。露光によって生成される電荷量Q3も同様にその層の特性によって決定される。求める電荷Q2とQ3は上述の式で記述できる。この電荷Q2,Q3が、Qs<Q2<Q3なる条件を満たすことにより、帯電、露光及び現像が可能になる。また、この条件を満たしていれば、任意の感光体、光源において、作像プロセスが可能となる。
【0084】
本発明の第五の実施の形態を図11に基づいて説明する。
本実施の形態の積層型感光体61では、積層型感光体1と対比すると、表面保護層7が省略されている。このため、最表層の第1の電荷発生層6が摩耗により削れることが予想される。そのため、本実施の形態の第1の電荷発生層6の膜厚は20μmとした。
第1の電荷発生層6の膜厚を厚くすることで、電気伝導性が低減し、電荷輸送が低下する。そこで、本実施の形態では、第一の実施の形態中で説明したような電荷輸送剤をこの第1の電荷発生層6に分散させてなる。これによって膜厚を厚くした第1の電荷発生層6においても、電荷が輸送される。電荷輸送剤は、第一の実施の形態中で説明した量とほぼ同程度でよい。これによって、帯電、露光とも問題なく行えたものである。
【0085】
【発明の効果】
請求項6記載の発明の積層型感光体によれば、帯電に寄与する電荷が生成される領域と、露光に寄与する電荷が生成される領域とを、第1の電荷発生層と第2の電荷発生層として分離してなるので、帯電時には第1の電荷発生層で電荷を発生し、かつ、電圧を加え電界を作用させることで分極し、露光時には第2の電荷発生層で発生した電荷で分極を中和することで、帯電、露光の何れのプロセスとも、移動するのはホールとなり、負の極性で帯電を実現することが可能となる。また、除電は第1の電荷発生層で発生した電荷を用いることができ、発生領域と除電用電荷発生領域とが同じことから、非常に高効率な除電が可能となり、仮に、残電位が存在していても、光照射後に電圧を印加することから、除電機能を必ずしも必要としない感光体を提供することができる。
【0086】
請求項7及び8記載の発明によれば、請求項6記載の積層型感光体を実現する上で、帯電及び露光を効率よく行う必要があり、そのためには、帯電、露光の各々の時に発生した電荷をできるだけ効率よく利用できるようにする必要があるが、全体の電荷移動度は、その大きさが大きい方の極性の電荷で決定されることから、この移動度が大きい極性の電荷の方が長い距離を動くようにすることで、効率のよい作像プロセスを実現できることとなる。
【0087】
請求項9記載の発明によれば、請求項6ないし8の何れか一に記載の積層型感光体において、第1の電荷発生層と第2の電荷発生層との間に電荷輸送層を介在させることにより、膜厚を薄くせずに、電荷の移動度を向上させ、十分な電荷を蓄積させることで帯電能力を向上させることができる。
【0088】
請求項10記載の発明によれば、請求項6ないし9の何れか一に記載の積層型感光体において、感光体表面が摩擦によって削られるようなことがあっても、表層に保護層を有するので、耐摩耗性を向上させることができる。
【0089】
請求項11記載の発明によれば、請求項6ないし9の何れか一に記載の積層型感光体において、感光体表面が摩擦によって削られるようなことがあっても、機能が低下しないようにするには、第1の電荷発生層を厚膜にする必要があるが、厚くすると電気伝導性が低減してしまうことから、第1の電荷発生層中に電荷輸送力を高める電荷輸送剤を分散させてなるので、その層厚を厚くしても電気伝導性が低減することがなく電荷輸送が可能となる。
【0090】
請求項12記載の発明によれば、請求項6ないし11の何れか一に記載の積層型感光体において、基体と第2の電荷発生層との間に下引き層を有するので、既存の感光体の場合と同様に、暗減衰を低減させることができる。
【0091】
請求項1記載の発明の感光体帯電露光方法によれば、帯電用の光源波長をλ1、露光用の光源波長をλ2としたとき、波長λ1の第1の電荷発生層に対する吸収係数α1(λ1)、および波長λ2の第1の電荷発生層に対する吸収係数α1(λ2)に対しα1(λ1)>α1(λ2)なる関係が成り立つようにしたので、帯電時の第1の電荷発生層に対する吸収係数αが大きく、より表面近傍で光を吸収することになり、相対的に帯電時には表面で電荷を生成させ、露光時に奥側で電荷を生成させることができ、よって、効率よく分極でき、帯電能力を向上させることができる。
【0093】
請求項2記載の発明によれば、請求項2記載の感光体帯電露光方法を実現する上で、生産上、光源には低コスト、小型、省電力が求められ、その条件を満たすには光源として半導体レーザを用いることが望まれるが、300nm<λ1,λ2<900nmを満足することで、半導体レーザを用いることができる。
【0094】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または2に記載の感光体帯電露光方法において、感光体材料には多くの技術蓄積があり、新規の材料を開発することは非常に困難であるが、600nm〜700nmなる光源波長λ1は従来のアナログ用で一般的であり、700nm〜800nmなる光源波長λ2は従来のデジタル用で一般的であることから、従来の感光体材料を流用することができる。
【0096】
請求項4記載の発明によれば、請求項1記載の感光体帯電露光方法において、露光が感光体表面の第1の電荷発生層で吸収されることは原理的に少なくなくなるものの、このような効果をより顕著に得るためには、波長λ2の露光光での吸収を第1の電荷発生層、第2の電荷発生層ともにコントロールする必要があるが、第1の電荷発生層の吸収係数α1(λ2)及び第2の電荷発生層の吸収係数α2(λ2)がα1(λ2)<α2(λ2)なる関係が成り立つようにすることで実現でき、これにより、この条件に則した任意の感光体、光源において、帯電・露光の効率を向上させることができる。
【0097】
請求項5記載の発明によれば、請求項1記載の感光体帯電露光方法において、一連の作像プロセスを行うために、最低限の帯電量が規定されるが、逆に必要以上の帯電及び露光を行うことは消費電力上、避けるべきであることから、電荷Q2,Q3が、Qs<Q2<Q3なる条件を満たすことにより、帯電、露光及び現像が可能になり、かつ、この条件を満たしていれば、任意の感光体、光源において、作像プロセスが可能となる。
【0098】
請求項13記載の発明の画像形成装置によれば、請求項6ないし12の何れか一に記載の「負極性の帯電が可能な積層型感光体」を用いるようにしたので、従来の電子写真プロセスを利用することができる上に除電装置を省略し得る画像形成装置を提供することができる。
請求項14記載の発明の感光体帯電露光方法によれば、帯電用の光源波長をλ1、露光用の光源波長をλ2(但し、λ1≠λ2)としたとき、波長λでの単層感光体の吸収係数α(λ)に対し、α(λ1)>α(λ2)なる関係が成り立つようにしたので、帯電時の吸収係数αが大きく、より表面近傍で光を吸収することになり、相対的に帯電時には表面で電荷を生成させ、露光時に奥側で電荷を生成させることができ、よって、効率よく分極でき、帯電能力を向上させることができる。
請求項15記載の発明の感光体帯電露光方法によれば、請求項14記載の感光体帯電露光方法において、現実的には、単層感光体には厚みがあり、その厚みの中でより効率のよい条件が必要であるが、感光体の厚さをdとしたとき、α(λ1)>1/d>α(λ2)なる関係が成り立つようにしたので、この条件が満たされ、感光体の膜厚に対し、波長λ1の光は表面で電荷を生成し、波長λ2の光は十分に奥まで光が入射することが可能となり、請求項14記載の発明の作用が任意の感光体厚みで可能になり、効率のよい作像プロセスを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の積層型感光体を示す原理的な断面構造図である。
【図2】帯電及び露光プロセスの原理を説明するための断面構造図である。
【図3】画像形成装置の原理的な構成図である。
【図4】帯電装置を示す原理的な断面構造図である。
【図5】その光源構造を示す概略的な縦断側面図である。
【図6】その光源構造を示す底面図である。
【図7】本発明の第二の実施の形態の積層型感光体を示す原理的な断面構造図である。
【図8】本発明の第三の実施の形態の単層感光体を示す原理的な断面構造図である。
【図9】その光の侵入程度を波長との関係で示す特性図である。
【図10】本発明の第四の実施の形態の光の侵入程度を波長との関係で示す特性図である。
【図11】本発明の第五の実施の形態の積層型感光体を示す原理的な断面構造図である。
【図12】積層型感光体を用いた従来の帯電及び露光プロセスの原理を説明するための断面構造図である。
【図13】単層感光体を用いた従来の帯電及び露光プロセスの原理を説明するための断面構造図である。
【符号の説明】
1 積層型感光体
2 基体
3 下引き層
4 第2の電荷発生層
5 電荷輸送層
6 第1の電荷発生層
7 表面層
10 帯電用の光
11 電荷
12 露光光
21 帯電装置
22 露光装置
23 現像装置
24 転写媒体
25 転写装置
32 光源
51 積層型感光体
55 感光体
61 積層型感光体
Claims (15)
- 帯電時の光照射により電荷を発生する第1の電荷発生層と、露光時の光照射により電荷を発生する第2の電荷発生層とを備える積層型感光体に対して、内部分極型帯電方式により光を照射しながら電界を作用させて帯電し、帯電された前記感光体を選択的な露光光により露光することにより静電潜像を形成する感光体帯電露光方法において、
内部に帯電用の光源を備えた中空シリンダ状の透明基体の表面に導電性透明膜及びその上に絶縁性透明薄膜を形成してなるローラを積層型感光体に接触させ、前記導電性透明膜に印加される電圧により積層型感光体に電界を作用させつつ、帯電装置の内側から前記絶縁性透明薄膜と積層型感光体との接触部に前記光源により照射して帯電を行い、
帯電用の光源波長をλ1、露光用の光源波長をλ2としたとき、波長λ1の第1の電荷発生層に対する吸収係数α1(λ1)、および波長λ2の第1の電荷発生層に対する吸収係数α1(λ2)に対し
α1 ( λ1 ) >α1 ( λ2 )
なる関係が成り立つようにしたことを特徴とする感光体帯電露光方法。 - 前記光源波長λ1,λ2が300nm<λ1,λ2<900nmを満足することを特徴とする請求項1記載の感光体帯電露光方法。
- 前記光源波長λ1を600nm〜700nmとし、前記光源波長λ2を700nm〜800nmとすることを特徴とする請求項1または2に記載の感光体帯電露光方法。
- 波長λ2の、前記第1の電荷発生層に対する吸収係数α1 ( λ2 ) 及び前記第2の電荷発生層に対する吸収係数α2 ( λ2 ) を、α1 ( λ2 ) <α2 ( λ2 ) なる関係が成り立つようにしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載の感光体帯電露光方法。
- 前記第1の電荷発生層の吸収係数α1 ( λ1 ) ,α1 ( λ2 ) と前記第2の電荷発生層の吸収係数α2 ( λ2 ) 、α2 ( λ1 ) とを、
Qs<Q1<Q3
但し、Qs=CVsC:感光体の容量、Vs:現像に必要な電位
Q1=η1 ( λ1 ) ×t1×I 0 ×∫ 0 d1 exp( −α1 ( λ1 ) t ) dt
Q3=η2 ( λ2 ) ×t2×I 2 ×∫ 0 d2 exp( −α2 ( λ2 ) t ) dt
I 2 ≒I 1 × exp( −α ( λ2 ) d1 ) 、I 0 :帯電光量、I 1 :露光光量、d1:第1の電荷発生層の膜厚、d2:第2の電荷発生層の膜厚、η1 ( λ1 ) :第1の電荷発生層における波長λ1の時の量子効率、η2 ( λ2 ) :第2の電荷発生層における波長λ2の時の量子効率、t1:帯電用の光照射時間、t2:露光用の光照射時間、
なる関係が成り立つようにしたことを特徴とする請求項1記載の感光体帯電露光方法。 - 請求項1〜5の任意の1に記載の感光体帯電露光方法により帯電露光される積層型感光体であって、
帯電時の光照射により電荷を発生する第1の電荷発生層と、露光時の光照射により電荷を発生する第2の電荷発生層とを備えることを特徴とする積層型感光体。 - 帯電極性と感光体内部での電荷移動度が大きい方の電荷の極性とが異なる場合、前記第1の電荷発生層が前記第2の電荷発生層に対して、少なくとも表面側に配設されていることを特徴とする請求項6記載の積層型感光体。
- 帯電極性と感光体内部での電荷移動度が大きい方の電荷の極性とが同じ場合、前記第1の電荷発生層が前記第2の電荷発生層に対して、少なくとも奥側に配設されていることを特徴とする請求項6記載の積層型感光体。
- 前記第1の電荷発生層と前記第2の電荷発生層との間に電荷輸送層を有することを特徴とする請求項6ないし8の何れか1に記載の積層型感光体。
- 表層に保護層を有することを特徴とする請求項6ないし9の何れか1に記載の積層型感光体。
- 前記第1の電荷発生層中に電荷輸送力を高める電荷輸送剤を分散させてなることを特徴とする請求項6ないし9の何れか1に記載の積層型感光体。
- 基体と前記第2の電荷発生層との間に下引き層を有することを特徴とする請求項6ないし11の何れか1に記載の積層型感光体。
- 請求項6ないし12の何れか1に記載の積層型感光体と、内部に帯電用の光源を備えた中空シリンダ状の透明基体の表面に導電性透明膜及びその上に絶縁性透明薄膜を形成してなるローラを積層型感光体に接触させ、前記導電性透明膜に印加される電圧により積層型感光体に電界を作用させつつ、帯電装置の内側から前記絶縁性透明薄膜と積層型感光体との接触部に前記光源により照射して帯電を行うローラ型の帯電装置と、この帯電装置により帯電済みの前記積層型感光体を画像信号に対応する選択的な露光光により露光する露光装置と、露光光による露光により前記積層型感光体に形成された静電潜像を現像する現像装置と、現像された前記積層型感光体上の可視像を転写媒体上に転写する転写装置と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
- 単層感光体に対して内部分極型帯電方式により光を照射しながら電界を作用させて帯電し、帯電された前記感光体を選択的な露光光により露光することにより静電潜像を形成する感光体帯電露光方法において、帯電用の光源波長をλ1、露光用の光源波長をλ2(但し、λ1≠λ2)としたとき、波長λでの前記感光体の吸収係数α(λ)に対し、α(λ1)>α(λ2)なる関係が成り立つようにしたことを特徴とする感光体帯電露光方法。
- 前記単層感光体の厚さをdとしたとき、α(λ1)>1/d>α(λ2)なる関係が成り立つようにしたことを特徴とする請求項14記載の感光体帯電露光方法。
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