JP2008310030A - 画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法 - Google Patents

画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、転写後の感光体へのトナーの残留を長期的に抑制すると共に、高画質な画像を形成することが可能な画像形成装置及び画像形成方法並びに該画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
【解決手段】画像形成装置100は、正規現像方式の画像形成装置であって、感光体1A及び1Bと、感光体1A及び1Bを帯電させる帯電装置2A及び2Bと、帯電された感光体1A及び1Bに静電潜像を形成する露光装置3A及び3Bと、静電潜像をトナーで現像する現像装置4A及び4Bを有し、現像装置4Aは、感光体3Aに形成された静電潜像をトナーで現像する現像ユニット4a、4b及び4cを有し、感光体1A及び1Bは、静電潜像が形成される領域が、静電潜像が形成されてから現像されるまでのプロセス時間Tedに対する、感光体1のトランジットタイムtの比が1.0以上1.3以下である。
【選択図】図3

Description

本発明は、画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法に関する。
電子写真方式を利用した複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置では、帯電装置を用いて、電子写真感光体(以下、感光体という)の表面を一様に帯電し、帯電された感光体の表面を原稿画像あるいは入力した画像信号に対応するように露光して、静電潜像を形成する。次に、現像装置を用いて、静電潜像を現像してトナー像を形成し、転写装置を用いて、トナー像を転写材に転写した後、定着装置を用いて、トナー像が転写材上に固着画像として定着され、出力される。さらに、クリーニング装置を用いて、感光体の表面に残留したトナーを除去する。トナーを除去する際には、クリーニング部材を感光体に押し当ててトナーをせき止め、廃トナー容器に掻き落として捕集するが、ブレード型のクリーニング部材が用いられている。このようなクリーニング部材は、直接感光体に当接させるため、トナーの捕集性に優れ、長期的にクリーニング性が持続し、多量のトナーが残留した場合も良好なクリーニング性を発揮する。しかしながら、感光体の摩耗(短命化)、廃トナーの処理が必要になること、クリーニング装置を具備するために画像形成装置が必然的に大きくなること等の問題がある。
そこで、エコロジー、感光体の寿命、画像形成装置の小型化、トナーの有効活用等の観点から、廃トナーレスのシステムとして、現像同時クリーニング(又はクリーナーレス)が知られている。現像同時クリーニングは、転写後に感光体上に残留したトナーを次工程以降の現像時に、かぶり取りバイアス(現像器に印加する直流電圧と感光体の表面電位間の電位差である、かぶり取り電位差)を印加して回収する方法である。この方法は、転写後の感光体上に残留したトナーを、現像器(現像装置)を用いて、感光体上から除去し、現像器に回収して再利用する装置構成にしたトナーリサイクルプロセスである。これにより、残留したトナーは、現像器に回収されて次工程以後に再利用されるため、廃トナーをなくし、メンテナンスを容易にすることができる。また、クリーナーレスであるため、スペース面での利点も大きく、画像形成装置を小型化することができる。しかしながら、現像同時クリーニングでは、現像方法として、トナーの極性と感光体の帯電極性が同極性である反転現像が用いられている。このため、従来の正規現像を用いたアナログ式の複写装置等については、現像同時クリーニングを適用することが原理的に不可能である。また、露光手段として、レーザやLEDアレイを用いる場合、背景部に相当する部位を露光する、いわゆるバックスキャンに対しては、現像同時クリーニングを適用することが原理的に不可能である。
このため、トナーの帯電極性と感光体の帯電極性が逆極性である正規現像を用いたシステムに対しても適用可能な現像同時クリーニングが望まれており、例えば、特許文献1には、像担持体の弾性変形を利用した現像同時クリーニングが開示されている。しかしながら、高品位な画質を長期的に維持することが困難である。
また、引用文献2には、転写後の像担持体をトナー像の帯電極性と逆極性に帯電する第1帯電手段と、第1帯電手段による帯電後かつ現像手段による現像前に、像担持体の電位の極性を変化させることなく残留トナーをトナー像の帯電極性と同極性に帯電する第2帯電手段を備える画像形成装置が開示されている。しかしながら、2個の帯電手段が存在するため、部材大に装置の大型化が必要となる。
さらに、実質的にクリーニング装置を用いない現像同時クリーニングでは、感光体の表面をトナー及びトナー担持体により擦る構成が必須であり、長期間使用すると、トナーの劣化、トナー担持体の表面の劣化、感光体の表面の劣化や磨耗等が発生しやすい。また、プロセススピードの速い現像同時クリーニングでは、転写後に感光体に残留したトナーの回収性を高めるための回収前のトナーの帯電制御、回収されたトナーを再利用するにあたっての現像の安定性保持が不十分である。
特開2001−175084号公報 特許第3155915号公報
本発明は、上記の従来技術が有する問題に鑑み、転写後の像担持体へのトナーの残留を長期的に抑制すると共に、高画質な画像を形成することが可能な画像形成装置及び画像形成方法並びに該画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、正規現像方式の画像形成装置であって、複数の像担持体と、該像担持体を帯電させる帯電手段と、該帯電された像担持体に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーで現像する現像手段を有し、該現像手段は、該複数の像担持体の一つに形成された静電潜像をトナーで現像する現像ユニットを複数有する現像手段を少なくとも一つ含み、該複数の像担持体は、該静電潜像が形成される領域が、該静電潜像が形成されてから該現像されるまでの時間に対する、該像担持体のトランジットタイムの比が1.0以上1.3以下であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記静電潜像形成手段は、前記像担持体上に複数のレーザ光束を走査する走査光学手段を有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記走査光学手段は、3個以上の面発光レーザを有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、前記走査光学手段は、前記3個以上の面発光レーザからなる2次元アレイを有することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置において、前記像担持体は、一般式
Figure 2008310030
(式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシル基、シアノ基又はハロゲン基であり、X及びYは、それぞれ独立に、一般式
Figure 2008310030
(式中、Rは、水素原子、アリール基又はアルキル基であり、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、アルキル基、アルコキシル基、シアノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロ基、ハロゲン基又はハロアルキル基であり、Zは、置換若しくは無置換の炭素環式芳香族基又は置換若しくは無置換の複素環式芳香族基である。)
で示される官能基である。)
で示される化合物を含有する感光層を有することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像形成装置において、前記X及びYが異なることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置において、前記像担持体は、CuKαの特性X線を用いたX線回折スペクトルにおいて、回折角2θ±0.2°が9.4゜、9.6゜及び24.0゜にピークが存在し、27.2°に存在するピークの強度が最大であり、7.3°に最小角度のピークが存在し、該7.3°に存在するピーク及び該9.4゜に存在するピークの間にピークが存在せず、26.3゜にピークが存在しないチタニルフタロシアニンの結晶を含有する感光層を有することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像形成装置において、前記像担持体は、最外層に保護層を有することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の画像形成装置において、前記保護層は、比抵抗が1010Ω・cm以上であるフィラーを含有することを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項8又は9に記載の画像形成装置において、前記保護層は、少なくとも電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物と、電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物を硬化することにより形成されていることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の画像形成装置において、前記電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物は、一般式
Figure 2008310030
(式中、Rは、水素原子、ハロゲン基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアルコキシル基、シアノ基、ニトロ基、一般式
−COOR
(式中、Rは、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアラルキル基又は置換若しくは無置換のアリール基である。)
で示される官能基、一般式
−COY
(式中、Yは、ハロゲン基である。)
で示される官能基又は一般式
−CONR
(式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアラルキル基又は置換若しくは無置換のアリール基である。)
で示される官能基であり、Ar及びArは、それぞれ独立に、置換又は無置換のアリーレン基であり、Ar及びArは、それぞれ独立に、置換又は無置換のアリール基であり、Xは、単結合、置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、置換若しくは無置換のオキシアルキレン基、オキシ基、チオ基又はビニレン基であり、Zは、置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のオキシアルキレン基又は一般式
−COOR
(式中、Rは、アルキレン基である。)
で示される官能基であり、mは、0以上3以下の整数であり、nは、0又は1である。)
で示される化合物を一種以上含有することを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項10に記載の画像形成装置において、前記電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物は、一般式
Figure 2008310030
(式中、Rは、水素原子又はメチル基であり、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が1以上6以下のアルキル基であり、s及びtは、それぞれ独立に、0以上3以下の整数であり、Zは、単結合、メチレン基、エチレン基又は構造式
Figure 2008310030
で示される官能基であり、Phは、フェニレン基であり、o、p及びqは、それぞれ独立に、0又は1である。)
で示される化合物を一種以上含有することを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項10乃至12のいずれか一項に記載の画像形成装置において、前記硬化する際に、加熱又は光照射を行うことを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の画像形成装置において、前記像担持体をクリーニングするクリーニング手段を有さないことを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の画像形成装置の本体に着脱自在であるプロセスカートリッジであって、前記像担持体を少なくとも有することを特徴とする。
請求項16に記載の発明は、正正規現像方式の画像形成方法であって、複数の像担持体を帯電させる帯電工程と、該帯電された像担持体に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、該静電潜像をトナーで現像する現像工程を有し、該現像工程は、該複数の像担持体の一つに形成された静電潜像をトナーで現像する工程を複数有する現像工程を少なくとも一つ含み、該複数の像担持体は、該静電潜像が形成される領域が、該静電潜像が形成されてから該現像されるまでの時間に対する、該像担持体のトランジットタイムの比が1.0以上1.3以下であることを特徴とする。
請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の画像形成方法において、前記帯電された像担持体に1200dpi以上の解像度で静電潜像を形成することを特徴とする。
請求項18に記載の発明は、請求項16又は17に記載の画像形成方法において、前記静電潜像を形成する際に、前記像担持体上に複数のレーザ光束を走査することを特徴とする。
請求項19に記載の発明は、請求項18に記載の画像形成方法において、3個以上の面発光レーザアレイを用いて、前記像担持体上に複数のレーザ光束を走査することを特徴とする。
請求項20に記載の発明は、請求項19に記載の画像形成方法において、3個以上の面発光レーザアレイからなる2次元アレイを用いて、前記像担持体上に複数のレーザ光束を走査することを特徴とする。
本発明によれば、転写後の像担持体へのトナーの残留を長期的に抑制すると共に、高画質な画像を形成することが可能な画像形成装置及び画像形成方法並びに該画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジを提供することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の画像形成装置は、正規現像方式の画像形成装置であって、複数の像担持体と、像担持体を帯電させる帯電手段と、帯電された像担持体に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、静電潜像をトナーで現像する現像手段を有し、現像手段は、複数の像担持体の一つに形成された静電潜像をトナーで現像する現像ユニットを複数有する現像手段を少なくとも一つ含み、像担持体の静電潜像が形成される領域が、静電潜像が形成されてから現像されるまでのプロセス時間Tedに対する、像担持体のトランジットタイムtの比t/Tedが1.0〜1.3である。これにより、転写後の像担持体へのトナーの残留を長期的に抑制することができる。さらに、像担持体を均一に帯電することが可能となり、転写後の像担持体に残留したトナーを回収するクリーニング装置を有さない画像形成装置においても高画質画像を形成することができる。
本発明において、静電潜像形成手段は、像担持体上に複数のレーザビームを走査する走査光学手段を有するマルチビーム走査光学系であることが好ましい。これにより、プロセススピードが速い高速機でも長期的に高画質画像を形成することができる。また、像担持体は、最外層に保護層を有することが好ましい。これにより、耐摩耗性を向上させることができる。したがって、本発明の画像形成装置によれば、画像の高画質化、画像形成速度の高速化及び装置の小型化を実現することが可能であり、画像形成プロセスを繰り返しても良好な品質の画像が得られる。例えば、本発明の画像形成装置によれば、記録密度が1200dpi(dot/inch)以上の高解像度の画像を長期に亘って形成することも可能である。
レーザビームプリンター、デジタル複写機等の画像形成装置に用いられる露光手段としては、画像信号に応じたレーザビームを半導体レーザから出力させ、それを回転多面鏡(ポリゴンミラー)に反射させて感光体の表面に照射することにより静電潜像を形成する手段が挙げられる。このようなレーザビームを用いた露光手段の場合、単一のレーザビームによって出力画像の高画質化及び高速化を実現するためには、レーザビームの走査速度を高めることが必要となる。しかしながら、回転多面鏡の回転速度には限界があるため、出力画像の高精細化及び高速化を実現することが困難である。そこで、感光体上に複数のレーザビームを走査する方法(以下、マルチビーム方式という)が知られている。マルチビーム方式の画像形成装置は、以下の(1)〜(3)の利点から、画像形成プロセスの高速化に有効であると考えられている。
(1)n本(nは、2以上の整数)のレーザビームを用いた場合に、レーザビームの走査速度とプリントスピードを、1本のレーザビームを用いた場合と等しく設定した場合、走査線の密度をn倍にすることができ、高解像度の画像を形成することが可能となる。
(2)n本(nは、2以上の整数)のレーザビームを用いた場合に、レーザビームの走査速度と走査線の密度を、1本のレーザビームを用いた場合と等しく設定した場合、プリントスピードをn倍に高速化することが可能となる。
(3)n本(nは、2以上の整数)のレーザビームを用いた場合に、プリントスピードとレーザビームの走査密度を1本のレーザビームを用いた場合と等しく設定した場合、各レーザビームの走査速度を低くすること、即ち、レーザビームを反射して反射ビームを感光体の表面に照射することにより静電潜像を形成するための回転多面鏡の回転数を1/n倍にすることができるため、回転多面鏡を回転駆動するための機構を簡略化してコストダウンすることが可能となる。
このようなマルチビーム方式の画像形成装置としては、光の共振する方向が基板面に対して平行である端面発光レーザを有するものが知られている(例えば、特開2002−303997号公報参照)。しかしながら、端面発光レーザは、走査線の間隔を微小に調整することが困難であるため、レーザビームの本数を増やすことが容易ではなく、画像の高画質化及び画像形成速度の高速化が不十分となることがある。
また、マルチビーム方式の画像形成装置としては、光の共振する方向が基板面に対して垂直である面発光レーザ(VCSEL)を有するものが知られている(例えば、特開平5−294005号公報参照)。このような画像形成装置は、走査するレーザビームの本数(レーザビームによって同時に走査される走査線の本数)を増加させることができる。このとき、光源として、3個以上のVCSELを用いることが好ましく、3個以上のVCSELからなる2次元アレイを用いることがさらに好ましい。これにより、3個以上のレーザビームをそれぞれ偏向して感光体上で同時に走査すると、1回の主走査で3個以上の走査線の走査を行うことができ、その結果、画像の高画質化及び画像形成速度の高速化を達成することができる。
一方、有機感光体は、一般に、プロセス時間Tedが長い領域では、現像時の露光部の電位がほぼ一定であるが、Tedを短縮すると、ある点(屈曲点)から現像時の露光部の電位が上昇する。このようなプロセス時間Tedに対する現像時の露光部の電位の関係を求めると、図1に示すように、屈曲点が存在する。便宜上、この屈曲点におけるプロセス時間Tedをトランジットタイムtとする。図1より、プロセス時間Tedが短い側程、プロセス時間Tedを短縮することによる現像時の露光部の電位の上昇が急激になることがわかる。本発明においては、t/Tedを1.0〜1.3とすることにより、トナーの転写性を向上させることができ、カブリ等の不良画像の出力を抑制することができる。なお、このような不良画像は、プリント速度を速くすると解消されることが多いことからも、感光体の表面電位の光減衰の時間応答性に起因するものと考えられる。
感光体の表面電位の光減衰の時間応答性は、感光体の特性評価装置(特開2000−275872号公報参照)を用いて評価される。これにより、プロセス時間Tedを設定して、レーザダイオード(LD)から出力される感光体の露光量に対する現像時の露光部の電位の関係(光減衰曲線)を評価することができる。さらに、プロセス時間Tedと現像時の露光部の電位の関係、即ち、感光体の表面電位の光減衰の時間応答性を評価することができる。
なお、感光体の表面電位の光減衰の時間応答性を評価する方法としては、タイムオブフライト(TOF)法も知られている(例えば、特開平10−115944号公報、特開2001−312077号公報参照)。しかしながら、感光体における電荷輸送と、TOF法による電荷輸送は、前者が露光後、時々刻々と層中の電界強度が変化していくのに対して、後者は電界強度が一定である違いがある。さらに、積層型感光体における、露光による電荷発生層からの電荷発生及び電荷発生層から電荷輸送層への注入挙動が電荷輸送にもたらす影響もTOF法では反映されない。
また、感光体の表面電位の光減衰の時間応答性を直接評価する方法としては、ゼログラフィックタイムオブフライト(XTOF)法も知られている(例えば、特開2000−305289号公報参照)。この方法は、高速表面電位計を用いて、パルス光を照射した後の感光体の表面電位の変化を計測する方法であるが、測定に用いる光源が画像形成装置の露光手段と異なる場合が多い。
図2に、感光体の表面電位の光減衰の時間応答性の評価装置の一例を示す。この評価装置は、評価対象の感光体1、帯電装置2(スコロトロン帯電器)、LD及びNDフィルターを備え、感光体1に(露光)光3Lを照射する露光装置3及び感光体1の表面電位を測定する電位計9(電位プローブ)を有する。なお、電位計9は、実機における現像装置に相当するところに配設されている。感光体1は、矢印方向に回転駆動される直径が30mmの電子写真感光体である。また、感光体1が45°回転することにより、光3Lが照射される露光位置から電位計9により電位が測定される位置に到達するように設計されている。このため、感光体1の表面の移動速度を270mm/秒になるように設定した場合、プロセス時間Tedは、
30π×(45°/360°)/270×1000≒44[ミリ秒]
となる。
以下、図1に示す表面電位の光減衰の時間応答性を有する感光体に正極性のトナー、即ち、ポジトナーを適用した場合について説明する。プロセス時間Tedがトランジットタイムt以下である、即ち、t/Tedが1以上である場合、感光体の露光部の電位(絶対値)が十分低下していない状態で現像される。このため、不十分な現像コントラストでポジトナーが現像されることになる。このとき、プロセススピードの速い画像形成装置では、現像されてから転写されるまでの間に、露光部の電位は、電界等の影響を受けながら低下する。その結果、現像されたポジトナーの、転写時における感光体との間に働くクーロン力は、現像時よりも低下することになる。このため、トナーが被転写体上に転写されやすくなり、帯電が安定に行われるようになり、正規現像方式の画像形成装置の小型化等における問題を解決することができる。さらに、t/Tedを1.3以下とすることにより、より効果的にトナーを被転写体上に転写させることができる。
本発明においては、感光体の未露光部にトナーが現像され、被転写体に転写されるが、t/Tedを1.0〜1.3とすることにより、転写時の感光体とトナーのクーロン力が低下して、被転写体に転写されるトナーを多くすることができ、トナーの転写性を安定に制御することができる。さらに、転写工程と、次の帯電工程の間に、感光体をクリーニングするクリーニング工程を有さない、クリーナーレスとすることができる。
図3に、本発明の画像形成装置の一例として、2ドラム方式のフルカラープリンタを示す。なお、図3において、図2と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。画像形成装置100は、転写式電子写真プロセスを利用した正規現像方式のレーザービームプリンタ(デジタル複写機)である。画像形成装置100は、感光体1A及び1Bを備え、感光体1A及び1Bは、駆動装置(不図示)により所定の回転速度で矢印Aの向きに回転可能となっている。さらに、感光体1Aの回転方向に沿って、それぞれ帯電装置2A、現像装置4A及び中間転写体5が配置されていると共に、感光体1Bの回転方向に沿って、それぞれ帯電装置2B、現像装置4B及び中間転写体5が配置されている。帯電装置2A及び2Bは、接触帯電方式であり、それぞれ感光体1A及び1Bの外周面を一様に、トナーと逆極性(負極性)に帯電させる帯電ローラを備える。また、帯電装置2A及び2Bの略上方には、それぞれ露光装置3A及び3B(レーザビーム走査装置)が配置されている。詳細は、後述するが、露光装置3A及び3Bは、光源から射出される複数のレーザビームを、形成すべき画像に応じて変調すると共に、主走査方向に偏向し、それぞれ帯電装置2A及び2Bにより帯電された感光体1A及び1Bの外周面上を感光体1A及び1Bの軸線と平行に走査して、静電潜像を形成する。現像装置4Aは、感光体1A上に形成された静電潜像をイエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各色の現像剤で現像する現像ユニット4a、4b及び4cを有する現像ロータリであり、現像装置4Bは、感光体1B上に形成された静電潜像をブラック(Bk)の現像剤で現像する現像ユニット4dを有する。また、中間転写体5は、外周面が感光体1A及び1Bの外周面に接触するように配置されており、感光体1A及び1Bの外周面上に形成されたトナー像は、中間転写体5の画像形成面に一次転写される。これにより、感光体1A及び1Bの回転に伴い、帯電、露光、現像及び一次転写の各工程が順次行われ、各色のトナー像が中間転写体5上に転写される。さらに、中間転写体5を挟んで感光体1A及び1Bの反対側には、転写ローラを備えた転写装置6が配置されている。ローラ(不図示)によって搬送された被転写媒体P(用紙)は、中間転写体5と転写装置6の間に送り込まれ、中間転写体5の画像形成面に形成されたトナー像が転写装置6によって被転写媒体Pに二次転写される。転写装置6よりも被転写媒体Pの搬送方向の下流側には、定着ローラ対を備えた定着装置7が配置されており、トナー像が転写された被転写媒体Pは、トナー像が定着装置7によって溶融定着された後、画像形成装置100の機体外に排出され、排紙トレイ(不図示)上に載置される。また、感光体1Aを挟んで現像装置4Aの反対側には、感光体1Aの外周面を除電させる除電装置8Aが配置されており、感光体1Bを挟んで現像装置4Bの反対側には、感光体1Bの外周面を除電させる除電装置8Bが配置されている。これにより、感光体1A及び1Bが繰り返し使用される場合に、感光体1A及び1Bの残留電位が次のサイクルに持ち込まれる現象を抑制することができるので、画像品質をさらに向上させることができる。
次に、現像装置4A及び4Bにおける現像及び一次転写について説明する。感光体1Aが現像装置4A内のイエロー(Y)の現像ユニット4aと対向する位置で、イエロー(Y)の現像剤により感光体1A上の静電潜像が現像される。次に、駆動装置(不図示)により感光体1Aが回転し、感光体1Aが中間転写体5と対向する位置で、感光体1A上のイエロー(Y)のトナー像が、トナーと逆極性(負極性)の転写バイアスが印加された中間転写体5上に一次転写される。ここで、駆動手段(不図示)によって現像装置4Aは、約120°回転し、マゼンタ(M)の現像に備える。さらに、イエロー(Y)の現像と同様に、マゼンタ(M)の現像が行われる。このとき、中間転写体5上に、イエロー(Y)のトナー像と、マゼンタ(M)のトナー像が重ね合わされるように制御される。さらに、シアン(C)、ブラック(Bk)についても上記と同様に現像が行われる。このとき、ブラック(Bk)の現像は、感光体1B及び現像装置4Bを用いて行われるが、現像装置4Bは、駆動手段を有さない。以上のようにして、中間転写体5上にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)4色のトナー像が重ね合わされる。
図4に、本発明の画像形成装置の他の例を示す。なお、画像形成装置200は、現像装置4Aが現像ユニット4a及び4bを有する現像ロータリであり、現像装置4Bが現像ユニット4c及び4dを有する現像ロータリである以外は、画像形成装置100と同一の構成である。このとき、感光体1A又は1B上のトナー像が中間転写体5上に一次転写された後に、駆動手段(不図示)によって現像装置4A又は4Bは、約180°回転し、次の現像に備える。
このように、複数のレーザビームを感光体上に走査させて静電潜像を形成させるマルチビーム方式の露光装置3A及び3Bと共に、前述の特性を有する感光体1A及び1Bを有する画像形成装置を用いることによって、画像品質の向上、画像形成速度の高速化及び装置の小型化を実現することが可能であり、長期に亘って画像形成プロセスを繰り返しても良好な画質の画像が得られる。
次に、本発明の画像形成装置の構成要素について説明する。
露光装置は、n本(nは、2以上の整数)のレーザビームを射出する面発光レーザアレイ(不図示)を備えている。なお、面発光レーザがアレイ化されている面発光レーザアレイは、例えば、数十本のレーザビームを射出するように構成することができ、面発光レーザを1列に配置する以外に、2次元に(例えば、マトリクス状に)配置することも可能である。
レーザビームの発生源である発光点が2次元に配置されている2次元アレイとしては、例えば、所定の間隔で、主走査方向に3行、副走査方向に3列の9個の発光点が2次元に配置されているものが挙げられる。また、主走査方向に配置されている発光点は、副走査方向に配置されている発光点との距離を3等分した距離を1ステップとし、副走査方向に1ステップずつ段階的にずれるように配置されている。すなわち、副走査方向に限ってみれば、1ステップ毎に発光点が配置されていることになる。このように副走査方向に段階的にずらして発光点を配置することにより、全ての発光点が異なる走査線を走査することができるようになっている。これにより、レーザアレイは9本の走査線を同時に走査することができる。
また、面発光レーザアレイの発光点は、3行以上、3列以上に並んでいることが好ましく、4行以上、4列以上がさらに好ましく、6行以上、6列以上が特に好ましい。これにより、形成する画像の高画質化(高解像度化)及び画像形成速度の高速化をより確実に実現することが可能となる。
さらに、露光装置は、2本以上のレーザビームをそれぞれ独立に感光体上に走査させることが好ましいが、高画質化及び高速化をより有効に得る観点から、ビーム数は、3本以上がさらに好ましい。
これにより、面発光レーザアレイから、変調信号に応じたタイミングでオンオフされると共に、オン時の光量が駆動量設定信号に対応する光量とされたn本のレーザビームが射出され、感光体の外周面上を走査することで、感光体の外周面上に静電潜像が形成される。
帯電装置の帯電方式としては、帯電ロール、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電チューブ等による接触帯電方式、コロトロン、スコロトロン等の非接触方式を用いることができる。中でも、帯電装置がそれぞれ感光体の表面に対して適度な空隙を有して近接配置されたもの等の接触帯電方式の帯電装置は、画像形成装置の小型化の観点から好ましい。なお、接触帯電方式は、感光体の表面に接触させた導電性部材に電圧を印加することにより、感光体の表面を帯電させるものである。導電性部材の形状としては、ブラシ状、ブレード状、ピン電極状、ローラ状等が挙げられるが、ローラ状が好ましい。ローラ状の導電性部材は、感光体に接触させることにより、特に駆動手段を有さなくても、感光体と同じ周速度で回転し、帯電装置として機能する。なお、ローラ状の導電性部材に駆動手段を取り付け、感光体とは異なる周速度で回転させてもよい。また、導電性部材に印加する電圧は、直流及び交流のいずれでもよく、直流電圧と交流電圧を重畳したものでもよい。
本発明においては、感光体が優れた機械的強度を有するため、接触帯電方式を用いても、優れた耐久性を示す。
現像装置としては、公知の現像装置を用いることができ、複数の現像ユニットが感光体の回転方向に順次配置されている構成であってもよく、複数のトナー像を感光体上で重ね合わせてもよい。現像剤としては、トナーからなる一成分現像剤、トナー及びキャリアからなる二成分現像剤等を用いることができるが、画質の向上の点から、二成分現像剤が好ましい。また、トナーとしては、特に限定されないが、例えば、粉砕法による不定形トナー、重合法による球形トナーを用いることができる。
転写装置としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器、コロトロン転写帯電器等の公知の転写帯電器が挙げられる。中でも、転写帯電補償能力に優れる点から、接触型転写帯電器が好ましい。なお、本発明においては、転写帯電器の他に、剥離帯電器等を併用することもできる。また、転写方式としては、例えば、感光体上のトナー像を被転写媒体に直接転写する直接転写方式、感光体上のトナー像を中間転写体に一次転写した後、被転写媒体に二次転写する中間転写方式が挙げられる。
除電装置としては、例えば、タングステンランプ、LED等が挙げられる。また、光除電プロセスに用いる光質としては、例えば、タングステンランプ等の白色光、LED光等の赤色光が挙げられる。光除電プロセスにおける照射光の強度は、感光体の半減露光感度を示す光量の数倍〜30倍程度であることが好ましい。
このように、帯電、露光、現像、転写及び除電の各工程を順次行うことによって画像形成が繰り返し行われる。ここで、前述の特性を有する感光体は、耐摩耗性と電気特性が充分に高水準で達成されたものであるため、接触帯電装置と共に用いた場合であっても、カブリ等の画質欠陥の発生を抑制することができる。したがって、長期に亘って繰り返し使用される場合であっても、感光体の摩耗を充分に抑制することができ、画像品質の優れたフルカラー画像を高速で形成することが可能な画像形成装置が得られる。
なお、本発明の画像形成装置は、図3及び図4の構成に限定されず、例えば、プロセスカートリッジを備えていてもよい。プロセスカートリッジを用いることによって、メンテナンスを簡便に行うことができる。
本発明のプロセスカートリッジは、複数の感光体を少なくとも有し、本発明の画像形成装置の本体に装着されるものである。
図5及び図6に、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す。なお、図5及び図6において、図2〜図4と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。プロセスカートリッジ300は、感光体1A及び1B、帯電装置2A及び2B(スコロトロン帯電器)、現像装置4A及び4B、中間転写体5、転写装置6、露光のための開口部301A、301B、302A及び302Bを、取り付けレール(不図示)を用いて組み合わせ、一体化したものである。同様に、プロセスカートリッジ400は、感光体1A及び1B、帯電装置2A及び2B(スコロトロン帯電器)、現像装置4A及び4B、中間転写体5、転写装置6、露光のための開口部401A、401B、402A及び402Bを、取り付けレール(不図示)を用いて組み合わせ、一体化したものである。さらに、プロセスカートリッジ300及び400は、露光装置3A及び3B、転写装置6、定着装置7、除電装置(A及び8Bと、図示しない他の構成要素からなる画像形成装置の本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置の本体と共に画像形成装置を構成する。
図7及び図8に、本発明で用いられる感光体の一例を示す。本発明で用いられる感光体は、導電性基体上に少なくとも感光層が形成されているが、感光層は、単層型及び電荷発生層と電荷輸送層が積層されている積層型のいずれであってもよい。図7に示す感光体は、導電性支持体500上に、下引き層501、感光層504及び保護層505が順次積層されている。また、図8に示す感光体は、導電性支持体500上に、下引き層501、電荷発生層502、電荷輸送層503及び保護層505が順次積層されている。このような感光体は、最外層に保護層505が形成されているため、耐摩耗性が向上し、膜厚の変動を抑制することができ、長期的に均一な画像が得られる。
次に、感光体の構成要素について説明する。
電荷発生層502は、電荷発生物質を含有し、必要に応じて、結着樹脂をさらに含有してもよい。電荷発生物質としては、例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、一般式
Figure 2008310030
(式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシル基、シアノ基又はハロゲン基であり、X及びYは、それぞれ独立に、一般式
Figure 2008310030
(式中、Rは、水素原子、アリール基又はアルキル基であり、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、アルキル基、アルコキシル基、シアノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロ基、ハロゲン基又はハロアルキル基であり、Zは、置換若しくは無置換の炭素環式芳香族基又は置換若しくは無置換の複素環式芳香族基である。)
で示されるカプラー残基である。)
で示されるアゾ系顔料、特に、XとYが相異なるアシンメトリーなアゾ系顔料が好ましい。また、フタロシアニン系顔料、特に、CuKαの特性X線を用いたX線回折スペクトルにおいて、回折角2θ±0.2°が9.4゜、9.6゜及び24.0゜にピークが存在し、27.2°に存在するピークの強度が最大であり、7.3°に最小角度のピークが存在し、7.3°に存在するピーク及び9.4゜に存在するピークの間にピークが存在せず、26.3゜にピークが存在しないチタニルフタロシアニンの結晶が好ましい。
結着樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、フェノキシ樹脂等の付加重合型樹脂、重付加型樹脂、重縮合型樹脂、スチレン−アクリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等の絶縁性共重合体、ポリ(N−ビニルカルバゾール)等の高分子有機半導体等が挙げられ、二種以上併用してもよい。なお、結着樹脂の添加量は、電荷発生物質100質量部に対して、0〜500質量部であることが好ましく、10〜300質量部がさらに好ましい。
電荷発生層502は、電荷発生物質及び溶媒、必要に応じて、結着樹脂を含有する溶液又は分散液を導電性支持体500上に塗布、乾燥することにより形成される。なお、電荷発生層502は、膜厚が0.01〜5μmであることが好ましく、0.1〜2μmがさらに好ましい。
電荷発生物質及び結着樹脂を溶媒に溶解又は分散させる方法としては、例えば、ボールミル、アトライター、サンドミル等が挙げられる。この場合、電荷発生物質の結晶形が分散過程により変化しないような条件で行うことが好ましい。また、電荷発生物質は、平均粒径が0.5μm以下であることが好ましく、0.3μm以下がさらに好ましく、0.15μm以下が特に好ましい。
溶媒としては、例えば、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、非ハロゲン溶媒が、環境に対する負荷低減等の観点から好ましい。非ハロゲン溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン等の環状エーテル、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素及びそれらの誘導体が挙げられる。
電荷発生層502の塗工法としては、スプレーコーティング法、ビームコーティング法、ディッピングコーティング法等が挙げられる。
電荷輸送層503は、電荷輸送物質(正孔輸送物質又は電子輸送物質)及び結着樹脂を含有する。正孔輸送物質としては、例えば、ポリ(N−ビニルカルバゾール)及びその誘導体、ポリ(γ−カルバゾリルエチルグルタメート)及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジエン誘導体、ピレン誘導体、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等の電子供与性物質が挙げられ、二種以上併用してもよい。また、電子輸送物質としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられ、二種以上併用してもよい。
結着樹脂としては、電荷発生層502と同様の樹脂を用いることができる。なお、電荷輸送物質の添加量は、結着樹脂100質量部に対して、20〜300質量部であることが好ましく、40〜150質量部がさらに好ましい。
電荷輸送層503は、ガスバリアー性及び耐環境性の向上を目的として、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の低分子化合物及びレベリング剤等の添加剤をさらに含有してもよい。なお、これらの添加剤は、二種以上併用してもよい。このとき、低分子化合物の添加量は、高分子化合物に対して、0.1〜50重量%であることが好ましく、0.1〜20重量%がさらに好ましい。また、レベリング剤の添加量は、高分子化合物に対して、0.001〜5重量%であることが好ましい。
電荷輸送層503は、結着樹脂及び電荷輸送物質、必要に応じて、添加剤を含有する溶液又は分散液を電荷発生層502上に塗布、乾燥することにより形成される。なお、電荷輸送層503は、膜厚が5〜30μmであることが好ましく、10〜25μmがさらに好ましい。
電荷輸送物質、結着樹脂及び添加剤を溶媒に溶解又は分散させる方法としては、電荷発生層502と同様の方法を用いることができる。また、電荷輸送層503の塗工方法としては、電荷発生層502と同様の方法を用いることができる。
感光層504は、前述した電荷発生物質、電荷輸送物質(正孔輸送物質、電子輸送物質)及び結着樹脂等を含有する。また、感光層504は、ガスバリアー性及び耐環境性の向上を目的として、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の低分子化合物およびレベリング剤等の添加剤をさらに含有してもよい。なお、これらの添加剤は、二種以上併用してもよい。このとき、低分子化合物の添加量は、高分子化合物に対して、0.1〜50重量%であることが好ましく、0.1〜20重量%がさらに好ましい。また、レベリング剤の添加量は、高分子化合物に対して、0.001〜5重量%であることが好ましい。
感光層504は、キャスティング法等を用いて形成することができ、膜厚が5〜100μmであることが好ましく、10〜30μmがさらに好ましい。
保護層505は、フィラー分散型の保護層Aと架橋型の保護膜Bの2つのタイプに大別される。
保護層Aは、結着樹脂、電荷輸送物質及びフィラー(導電性微粒子)を含有する。
結着樹脂としては、例えば、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。また、硬化剤を併用してもよい。
電荷輸送物質としては、電荷輸送層503と同様のものを用いることができるが、中でも、感光体の機械的耐久性及び電荷輸送能を向上させる点から、高分子電荷輸送物質が好ましい。
フィラーとしては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化スズ被膜酸化チタン、スズ被膜酸化インジウム、アンチモン被膜酸化スズ又は酸化ジルコニウム等の金属又は金属酸化物が挙げられ、二種以上併用してもよい。
フィラーは、体積平均粒径が0.1〜2μmであることが好ましく、0.3〜1μmがさらに好ましい。体積平均粒径が0.1μm未満であると、機械的耐久性が不十分となって、高画質な画像を長期に亘って安定に形成できないことがあり、2μmを超えると、保護層Aの特性が低下したり、保護層Aを形成しにくくなったりすることがある。
フィラーは、比抵抗が1010Ω・cm以上であることが好ましい。このようなフィラーとしては、例えば、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、シリカ等が挙げられ、中でも、六方最密構造であり、熱安定性及び硬度特性が高いα−アルミナが画像ボケ等の画像品質の低下を抑制する観点から好ましい。
フィラーの比抵抗は、例えば、特開平5−94049号公報(第1図)、特開平5−113688号公報(第1図)に記載されたものと同様の構成の測定装置を用いて、測定することができる。
保護層A中のフィラーの含有量は、5〜50重量%であることが好ましく、10〜40重量%がさらに好ましい。この含有量が5重量%未満であると、感光体の耐摩耗性が不十分になることがあり、50重量%を超えると、感光体の感度等が低下することがある。
保護層Aは、フィラーの分散性、結着樹脂との接着性、表面平滑性の向上を目的として、添加剤をさらに含有してもよい。フィラーの分散性の向上に関しては、カップリング剤、レベリング剤等により、フィラーの表面改質を行うことが好ましい。さらに、結着樹脂として、硬化型樹脂を用いることが好ましい。
また、保護層Aは、ガスバリアー性及び耐環境性の向上を目的として、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の低分子化合物及びレベリング剤等の添加剤をさらに含有してもよい。なお、これらの添加剤は、二種以上併用してもよい。このとき、低分子化合物の添加量は、高分子化合物に対して、0.1〜50重量%であることが好ましく、0.1〜20重量%がさらに好ましい。また、レベリング剤の添加量は、高分子化合物に対して、0.001〜5重量%であることが好ましい。
ここで、滑剤は、感光体と帯電部材の摩擦、感光体と被転写媒体の摩擦を低減し、画像形成装置の力的負荷を軽減することができる。また、感光体の表面の離型性が向上し、トナーの付着を抑制することができる。滑剤としては、臨界表面張力の低い、フッ素樹脂、シリコーン樹脂又はポリオレフィン樹脂を用いることが好ましく、ポリテトラフルオロエチレン樹脂が特に好ましい。この場合、保護層A中の滑剤の含有量は、2〜50重量%が好ましく、5〜40重量%がさらに好ましい。この含有量が2重量%未満であると、滑剤の効果を十分に発揮できないことがあり、50重量%を超えると、画像の分解能、感光体の感度が低下することがある。
保護層Aは、結着樹脂、電荷輸送物質、フィラー及び溶媒、必要に応じて、添加剤を含有する分散液を電荷輸送層503又は感光層504上に塗布、乾燥することにより形成される。なお、保護層Aは、膜厚が1〜15μmであることが好ましく、1〜9μmがさらに好ましい。膜厚が1μm未満であると、耐久性が不十分となって、高画質な画像を長期に亘って安定して形成できないことがあり、15μmを超えると、解像度が低下したり、感光体の感度が低下したりすることがある。
結着樹脂、電荷輸送物質、フィラー及び添加剤を溶媒に分散させる方法としては、電荷発生層502と同様の方法を用いることができる。また、保護層Aの塗工方法としては、電荷発生層502と同様の方法を用いることができる。
溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族類、クロロベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化物類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
保護層Bは、少なくとも電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物と、電荷輸送性構造を有さない1官能のラジカル重合性化合物を硬化することにより形成されている。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物のラジカル重合性官能基は、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基であることが好ましい。3個以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物は、例えば、3個以上の水酸基を有する化合物と、アクリル酸(塩)、アクリル酸ハロゲン化物、アクリル酸エステル等を用いて、エステル化反応又はエステル交換反応させることにより得られる。また、3個以上のメタクリロイルオキシ基を有する化合物も同様にして得られる。なお、電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物が有するラジカル重合性官能基は、同一であっても異なっていてもよい。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、ECH変性グリセロールトリアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、PO変性グリセロールトリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレート等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
また、電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物は、保護層B中に緻密な架橋構造を形成するために、ラジカル重合性官能基数に対する分子量の比が250以下であることが望ましい。この比が250を超えると、保護層Bが柔化して、感光体の耐摩耗性が低下することがある。このため、HPA、EO、PO等の変性基を有する3官能以上のラジカル重合性化合物の変性基の分子量が大きいものを単独で用いることは好ましくない。
また、電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物の添加量は、保護層Bの総重量に対して、20〜80%が好ましく、30〜70%がさらに好ましい。この添加量が20%未満では、保護層Bの3次元架橋密度が小さいため、耐摩耗性が低下することがあり、80%を超えると、電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物の含有量が低下して、電気特性が不十分となることがある。
電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物は、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有することが好ましい。また、電荷輸送性構造としては、例えば、トリアリールアミン構造、ヒドラゾン構造、ピラゾリン構造、カルバゾール構造等の正孔輸送性構造又は縮合多環キノン構造、ジフェノキノン構造、シアノ基、ニトロ基等を有する電子吸引性芳香環等の電子輸送性構造が挙げられるが、中でも、トリアリールアミン構造が好ましい。
本発明において、電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物は、一般式(1)
Figure 2008310030
(式中、Rは、水素原子、ハロゲン基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアルコキシル基、シアノ基、ニトロ基、一般式
−COOR
(式中、Rは、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアラルキル基又は置換若しくは無置換のアリール基である。)
で示される官能基、一般式
−COY
(式中、Yは、ハロゲン基である。)
で示される官能基又は一般式
−CONR
(式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアラルキル基又は置換若しくは無置換のアリール基である。)
で示される官能基であり、Ar及びArは、それぞれ独立に、置換又は無置換のアリーレン基であり、Ar及びArは、それぞれ独立に、置換又は無置換のアリール基であり、Xは、単結合、置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、置換若しくは無置換のオキシアルキレン基、オキシ基、チオ基又はビニレン基であり、Zは、置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のオキシアルキレン基又は一般式
−COOR
(式中、Rは、アルキレン基である。)
で示される官能基であり、mは、0〜3の整数であり、nは、0又は1である。)
で示される化合物を一種以上含有することが好ましい。これにより、感度、残留電位等の電気特性を良好に持続することができる。
以下に、一般式(1)で示される化合物における置換基の具体例を示す。
の中で、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基が挙げられる。アルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が挙げられる。これらは、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシル基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基で置換されていてもよい。中でも、水素原子又はメチル基が好ましい。
Ar及びArのアリール基としては、例えば、縮合多環式炭化水素基、非縮合環式炭化水素基、複素環基が挙げられる。
縮合多環式炭化水素基は、環を形成する炭素数が18以下であることが好ましく、例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基等が挙げられる。
非縮合環式炭化水素基としては、ベンゼン、ジフェニルエーテル、ポリエチレンジフェニルエーテル、ジフェニルチオエーテル、ジフェニルスルホン等の単環式炭化水素化合物の1価基、ビフェニルアルカン、ポリフェニルアルカン、ジフェニルアルカン、ジフェニルアルケン、ジフェニルアルキン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン、1,1−ジフェニルシクロアルカン、ポリフェニルアルカン、ポリフェニルアルケン等の非縮合多環式炭化水素化合物の1価基、9,9−ジフェニルフルオレン等の環集合炭化水素化合物の1価基が挙げられる。
複素環基としては、例えば、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、チアジアゾール等の1価基が挙げられる。
また、Ar及びArのアリール基は、以下に示すような置換基を有してもよい。
(1)ハロゲン基、シアノ基、ニトロ基等。
(2)アルキル基
〜C12、好ましくは、C〜C、さらに好ましくは、C〜Cの直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、さらに、フルオロ基、水酸基、シアノ基、C〜Cのアルコキシル基、フェニル基又はハロゲン基、C〜Cのアルキル基若しくはC〜Cのアルコキシ基で置換されたフェニル基を有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基が挙げられる。
(3)アルコキシル基(−OR)
(式中、Rは、(2)で定義したアルキル基である。)
具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、イソブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が挙げられ、C〜Cのアルコキシル基、C〜Cのアルキル基又はハロゲン基を有していてもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
(5)アルキルメルカプト基又はアリールメルカプト基
具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基が挙げられる。
(6)アミノ基(−NR
(式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、(2)で定義したアルキル基又はアリール基である。アリール基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基が挙げられ、C〜Cのアルコキシ基、C〜Cのアルキル基又はハロゲン基を有してもよい。また、R及びRは、共同で環を形成してもよい。)
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリールアミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基が挙げられる。
(7)アルキレンジオキシ基又はアルキレンジチオ基等。
具体的には、メチレンジオキシ基又はメチレンジチオ基が挙げられる。
(8)置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等。
Ar及びArのアリーレン基としては、Ar及びArのアリール基から誘導される2価基が挙げられる。
Xのアルキレン基は、C〜C12、好ましくは、C〜C、さらに好ましくは、C〜Cの直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり、さらに、フルオロ基、水酸基、シアノ基、C〜Cのアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン基、C〜Cのアルキル基若しくはC〜Cのアルコキシ基で置換されたフェニル基を有してもよい。具体的には、メチレン基、エチレン基、n−ブチレン基、イソプロピレン基、t−ブチレン基、s−ブチレン基、n−プロピレン基、トリフルオロメチレン基、2−ヒドロキエチレン基、2−エトキシエチレン基、2−シアノエチレン基、2−メトキシエチレン基、ベンジリデン基、フェニルエチレン基、4−クロロフェニルエチレン基、4−メチルフェニルエチレン基、4−ビフェニルエチレン基が挙げられる。
Xのシクロアルキレン基は、C〜Cの環状アルキレン基であり、フルオロ基、水酸基、C〜Cのアルキル基又はC〜Cのアルコキシ基を有してもよい。具体的には、シクロヘキシリデン基、シクロへキシレン基、3,3−ジメチルシクロヘキシリデン基が挙げられる。
Xのオキシアルキレン基としては、例えば、チレンオキシ基、プロピレンオキシ基等のオキシアルキレン基、エチレングリコール、プロピレングリコール等から誘導されるアルキレンジオキシ基、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール等から誘導されるビス(オキシアルキレン)オキシ基又はポリ(オキシアルキレン)オキシ基が挙げられる。オキシアルキレン基のアルキレン基は、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基等を有してもよい。
Xのビニレン基としては、一般式
Figure 2008310030
(式中、Rは、水素原子、アルキル基((2)で定義されるアルキル基と同じ)又はアリール基(Ar及びArのアリール基と同じ)であり、aは、1又は2であり、bは、1〜3の整数である。)
で示される官能基が挙げられる。
のアルキレン基及びオキシアルキレン基としては、Xと同様のものが挙げられる。また、Zの一般式
−COOR
(式中、Rは、アルキレン基である。)
で示される官能基としては、カプロラクトン変性基が挙げられる。
本発明において、電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物は、一般式(2)
Figure 2008310030
(式中、Rは、水素原子又はメチル基であり、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が1〜6のアルキル基であり、s及びtは、それぞれ独立に、0〜3の整数であり、Zは、単結合、メチレン基、エチレン基又は構造式
Figure 2008310030
で示される官能基であり、Phは、フェニレン基であり、o、p及びqは、それぞれ独立に、0又は1である。)
で示される化合物を一種以上含有することがさらに好ましい。なお、s又はtが2又は3である場合は、複数のR又はRは、同一であっても異なってもよい。このとき、R及びRは、それぞれ独立に、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
本発明において、一般式(1)、特に(2)で示される化合物は、電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物と共重合することにより、硬化樹脂の主鎖中に組み込まれると共に、主鎖−主鎖間の架橋鎖中に組み込まれる。なお、架橋には、1つの高分子と他の高分子との間に形成される分子間架橋と、1つの高分子内で折り畳まれた状態の主鎖のある部位と他の部位とが架橋される分子内架橋とがある。このとき、電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物が主鎖中に存在する場合であっても、架橋鎖中に存在する場合であっても、鎖部分から懸下するトリアリールアミン構造は嵩高い。しかしながら、トリアリールアミン構造は、鎖部分に直接結合しておらず、鎖部分からカルボニル基等を介して懸下しているため、立体的位置取りに融通性がある状態で固定されており、硬化樹脂中で相互に程よく隣接する空間配置とすることが可能である。このため、分子内の構造的歪みが少なく、保護層B中で、電荷輸送経路の断絶を比較的免れた分子内構造を採りうるものと推測される。
本発明で用いられる電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物の具体例を以下に示すが、これらの化合物に限定されるものではない。
Figure 2008310030
Figure 2008310030
Figure 2008310030
Figure 2008310030
Figure 2008310030
Figure 2008310030
Figure 2008310030
Figure 2008310030
Figure 2008310030
Figure 2008310030
Figure 2008310030
Figure 2008310030
電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物の添加量は、保護層Bの総重量に対して、20〜80%であることが好ましく、30〜70%がさらに好ましい。この添加量が20%未満であると、保護層Bの電荷輸送性が不十分となり、感度の低下、残留電位の上昇等の電気特性が低下することがあり、80%を超えると、電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物の含有量と共に、架橋密度が低下して、耐摩耗性が不十分となることがある。
また、保護層Bを形成する場合、硬化反応を効率的に進行させるために、必要に応じて、重合開始剤を添加してもよい。重合開始剤としては、熱重合開始剤、光重合開始剤を用いることができる。
熱重合開始剤としては、例えば、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(パーオキシベンゾイル)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物系開始剤、アゾビスイソブチルニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩、4,4'−アゾビス−4−シアノ吉草酸等のアゾ系開始剤が挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のアセトフェノン系又はケタール系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニルエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン等のベンゾフェノン系光重合開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤が挙げられる。その他の光重合開始剤としては、例えば、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物が挙げられる。また、光重合反応を促進させる効果を有する化合物を単独又は光重合開始剤と併用して用いることもできる。このような化合物としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4'−ジメチルアミノベンゾフェノンが挙げられ、2種以上併用してもよい。
重合開始剤の添加量は、ラジカル重合性化合物に対して、0.5〜40重量%であることが好ましく、1〜20重量%がさらに好ましい。
保護層Bは、電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物及び電荷輸送性構造を有さない1官能のラジカル重合性化合物、必要に応じて、重合開始剤を含有する溶液又は分散液を電荷輸送層503又は感光層504上に塗布した後に、外部エネルギーを付与して硬化させることにより形成される。
外部エネルギーを付与する方法としては、例えば、加熱、光照射が挙げられる。加熱方法としては、空気、窒素等の気体、蒸気、あるいは各種熱媒体、赤外線、電磁波を用いる方法が挙げられる。このとき、塗布面側及び導電性支持体500側のいずれから加熱してもよい。加熱温度は、100〜170℃であることが好ましい。加熱温度が100℃未満であると、硬化反応が十分に進行しないことがあり、170℃を超えると、硬化反応が不均一に進行して、保護層B中に大きな歪みや多数の未反応残基、反応停止末端が生成することがある。なお、硬化反応を均一に進行させるためには、100℃未満の温度で加熱した後、100℃以上に加温することが好ましい。光照射する際には、主に紫外光領域に発光波長をもつ高圧水銀灯、メタルハライドランプ等のUV照射光源を用いることができるが、ラジカル重合性化合物や光重合開始剤の吸収波長によっては、可視光光源を用いてもよい。照射光量は、50〜1000mW/cmであることが好ましい。照射光量が50mW/cm未満であると、硬化反応に時間を要することがあり、1000mW/cmを超えると、硬化反応が不均一に進行して、保護層Bの表面に局部的な皺が発生し、多数の未反応残基、反応停止末端が生成することがある。また、急激な架橋により内部応力が大きくなって、クラックや膜剥がれの原因となることがある。これら以外の外部エネルギーとしては、電子線等の放射線が挙げられる。なお、硬化反応の速度制御の容易性、装置の簡便性の観点から、外部エネルギーとしては、熱又は光が好ましい。
なお、保護層Bは、膜厚が1〜10μmであることが好ましく、2〜8μmがさらに好ましい。膜厚が1μm未満であると、膜厚ムラによって耐久性が変動することがあり、10μmを超えると、電荷輸送層及び保護層Bの総膜厚が大きくなるため、電荷の拡散から画像の再現性が低下することがある。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物、電荷輸送性構造を有さない1官能のラジカル重合性化合物及び重合開始剤を溶媒に溶解又は分散させる方法としては、電荷発生層502と同様の方法を用いることができる。また、保護層Bの塗工方法としては、電荷発生層502と同様の方法を用いることができる。
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテル等のエーテル系、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化物系、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ系が挙げられ、二種以上併用してもよい。
導電性支持体500としては、例えば、アルミニウム、ステンレス等の金属;アルミニウム合金又は酸化インジウム−酸化スズ合金の被膜層を有するプラスチック;導電性粒子を含侵させた紙又はプラスチック;導電性ポリマーを有するプラスチックが挙げられる。また、導電性支持体500の形状としては、円筒状シリンダー、フィルム等が挙げられる。
電荷発生層502又は感光層504の接着性の向上、塗工性の改良、電気的破壊に対する保護及び導電性支持体500の保護、欠陥の被覆、電荷注入性の改良を目的として、導電性支持体500上に下引き層501を設けることが好ましい。
下引き層501は、樹脂、必要に応じて、金属微粉末を含有する溶液又は分散液を導電性支持体500上に塗布、乾燥することにより形成される。なお、下引き層501は、膜厚が0.1〜10μmであることが好ましく、0.1〜5μmがさらに好ましい。
樹脂としては、一般的な有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂を用いることが好ましい。このような樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の硬化型樹脂が挙げられ、二種以上併用してもよい。
金属微粉末としては、例えば、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
樹脂及び金属微粉末を溶媒に溶解又は分散させる方法としては、電荷発生層502と同様の方法を用いることができる。また、下引き層501の塗工方法としては、電荷発生層502と同様の方法を用いることができる。
さらに、下引き層501としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を用いて、例えば、ゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層も用いることができる。また、アルミナを陽極酸化により設けたもの、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物、酸化ケイ素、酸化スズ、酸化チタン、ITO、セリア等の無機物を真空薄膜作製法により設けたものも、下引き層501として用いることができる。
[下引き層塗布液の調製]
アルキド樹脂のベッコゾール 1307−60−EL(大日本インキ化学工業社製)3質量部、メラミン樹脂のスーパーベッカミン G−821−60(大日本インキ化学工業社製)2質量部、酸化チタンのタイペークCR−EL、石原産業社製)20質量部及び2−ブタノン100質量部を分散混合し、下引き層塗布液を調製した。
[電荷発生層塗布液1の調製]
ボールミル分散機中に、予め混合したポリビニルブチラール樹脂のXYHL(UCC社製)0.25質量部、シクロヘキサノン200質量部及び2−ブタノン80質量部と、構造式
Figure 2008310030
で示される電荷発生物質2.5質量部と、直径10mmのPSZボールを投入し、85rpmで7日間分散させ、電荷発生層塗布液1を調製した。
[電荷発生層塗布液2の調製]
図9に示すX線回折スペクトルを有するチタニルフタロシアニン8質量部、ポリビニルブチラール樹脂のXYHL(UCC社製)5質量部及び2−ブタノン400質量部を均一に分散させ、電荷発生層塗布液2を調製した。
[電荷輸送層塗布液の調製]
構造式
Figure 2008310030
で示されるトリフェニルアミン系化合物(A)7質量部、粘度平均分子量が50000のポリカーボネート樹脂(ビスフェノールZ型)パンライトTS−2050(帝人化成社製)10質量部、反応性シリコーンオイルの1質量%のテトラヒドロフラン溶液KF50−100CS(信越化学工業社製)0.2質量部及びテトラヒドロフラン80質量部を分散混合し、電荷輸送層塗布液を調製した。
[保護層塗布液1の調製]
トリフェニルアミン系化合物(A)3質量部、ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールZ型)パンライトTS−2050(帝人化成社製)4質量部、平均一次粒径が0.3μm、屈折率が1.7、比抵抗が1010Ω・cm以上の酸化アルミニウムのスミコランダムAA−03(住友化学工業社製)0.7質量部、テトラヒドロフラン280質量部及びシクロヘキサノン80質量部を分散混合し、保護層塗布液1を調製した。
[保護層塗布液2の調製]
分子量が296、分子量/官能基数が99のトリメチロールプロパントリアクリレートのKAYARAD TMPTA(日本化薬社製)5質量部、分子量が1947、分子量/官能基数が325のカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのKAYARAD DPCA−120(日本化薬社製)5質量部、電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物(No.54)10質量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンのIRGACURE 184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)1質量部、反応性シリコーン化合物のBYK−UV3570(ビックケミー・ジャパン社製)0.02質量部及びテトラヒドロフラン120質量部を分散混合し、保護層塗布液2を調製した。
[感光体1の作製]
直径30mm、長さ340mmのアルミニウムシリンダーに、下引き層塗布液、電荷発生層塗布液1、電荷輸送層塗布液及び保護層塗布液1を順次スプレー塗布により積層して、感光体1を作製した。なお、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層及び保護層の膜厚をそれぞれ3.5μm、0.2μm、22μm及び5μmとした。また、スプレー塗布条件は、スプレーガンの開度を3/8、塗布液の吐出圧を2.0kgf/cm、被塗布物の回転数を120rpm、塗布速度を7.14mm/秒、スプレーガンのヘッドと被塗布物の距離を50mm、塗布回数を2回とした。
[感光体2の作製]
電荷発生層塗布液1の代わりに、電荷発生層塗布液2を用いたこと以外は、感光体1と同様にして感光体2を作製した。
[感光体3の作製]
保護層塗布液1の代わりに、保護層塗布液2を用い、保護層塗布液2の塗布及び硬化条件を以下のように変更したこと以外は、感光体2と同様にして感光体3を作製した。なお、スプレー塗布条件は、スプレーガンの開度を3.7/8、塗布液の吐出圧を3.0kgf/cm、被塗布物の回転数を168rpm、塗布速度を10.7mm/秒、スプレーガンのヘッドと被塗布物の距離を50mm、塗布回数を1回とした。また、硬化条件は、光源をメタルハライドランプ、光源のパワーを160W/cm 100%、光源と被塗布物の距離を110mm、被塗布物の回転数を25rpm、照射時間を240秒、被塗布物の温度を30℃とした。
[感光体4の作製]
電荷発生層塗布液2の代わりに、電荷発生層塗布液1を用いたこと以外は、感光体3と同様にして感光体4を作製した。
[トナー1の作製]
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン4.0mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1.0mol、テレフタル酸4.5mol、無水トリメリット酸0.5mol及び酸化ジブチルスズ4gを230℃、8.3kPaの窒素雰囲気下で8時間反応させ、軟化点120℃のポリエステル樹脂を得た。
次に、上記のポリエステル樹脂100質量部、カーボンブラックのMA100(三菱化学社製)5質量部、スチレンアクリル系ポリマーのFCA−201−PS(藤倉化成社製)4質量部及びワックスのユーメックス110TS(三洋化成工業社製)4質量部を予め混合し、2軸押出機を用いて、溶融混錬を行った。得られた溶融混練物を粗砕し、トナー粗砕物を得た。さらに、トナー粗砕物を衝突式気流粉砕機で微粉砕した後、風力分級し、平均粒径が約9μmの母体粒子を得た。得られた母体粒子100質量部に対して、シリカ微粒子のRA200HS(日本アエロジル社製)1.05質量部を外添し、トナー1を作製した。
[現像剤1の作製]
体積平均粒径が40μmのフェライトにシリコーン樹脂をコートしたキャリア100質量部に、5質量部のトナー1を混合して現像剤1を作製した。
[トナー2の作製]
スチレン70.1質量部、アクリル酸n−ブチル19.9質量部及びメタクリル酸10.9質量部を均一に溶解させ、モノマー溶液1を調製した。次に、攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、冷却管を備えた5L用のセパラブルフラスコに、イオン交換水3010g及び非イオン界面活性剤のナロアクティーN200(三洋化成工業社製)7.08gを投入し、窒素気流下において、攪拌しながら、80℃に昇温した。さらに、イオン交換水200gに過硫酸カリウム9.2gを溶解させた溶液を加え、75℃に加温した後、モノマー溶液1を1時間かけて滴下した。滴下終了後、75℃で2時間加熱、攪拌することにより、重合(第1段重合)を行い、樹脂粒子分散液1を調製した。
攪拌装置を備えたフラスコに、スチレン122.9質量部、アクリル酸n−ブチル49.7質量部、メタクリル酸16.3質量部及び構造式
Figure 2008310030
で示される離型剤(A)96.0質量部を投入し、80℃に加温して、均一に溶解させ、モノマー溶液2を調製した。次に、攪拌装置、温度センサー、冷却管を備えた5L用のセパラブルフラスコに、イオン交換水1340g及び非イオン界面活性剤のナロアクティーN200(三洋化成工業社製)5.7gを溶解させた。さらに、80℃に加温した後、循環経路を有する機械式分散機クレアミックス(CLEARMIX)(エム・テクニック社製}を用いて、モノマー溶液2と2時間分散混合し、分散粒径が646nmの乳化粒子(油滴)を有する乳化液を調製した。次に、イオン交換水1460mLと、イオン交換水254mLに過硫酸カリウム6.51gを溶解させた溶液と、3−メルカプトプロピオン酸n−オクチル0.75gと、樹脂粒子分散液1を加え、80℃で3時間加熱、攪拌することにより、重合(第2段重合)を行い、樹脂粒子分散液2を調製した。
樹脂粒子分散液2に、イオン交換水346mLに重合開始剤のVA−057(和光純薬工業社製)8.87gを溶解させた溶液を添加し、さらに、スチレン322.3質量部、アクリル酸n−ブチル121.9質量部、メタクリル酸35.5質量部、構造式
Figure 2008310030
で示されるアミノアクリル(メタ)アクリルアミド系化合物4.5質量部及びn−オクチルメルカプタン6.4質量部の混合物を95℃で1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間加熱、攪拌することにより、重合(第3段重合)を行った後、28℃に冷却し、外層用樹脂粒子分散液を調製した。
攪拌装置を備えたフラスコに、スチレン172.9質量部、アクリル酸n−ブチル55.0質量部、メタクリル酸23.1質量部及び離型剤(A)96.0質量部を投入し、80℃に加温して、均一に溶解させ、モノマー溶液3を調製した。次に、攪拌装置、温度センサー、冷却管を備えた5L用のセパラブルフラスコに、イオン交換水1340g及び構造式
Figure 2008310030
で示されるアニオン性界面活性剤(A)2.5gを溶解させた。さらに、80℃に加温した後、機械式分散機クレアミックス(CLEARMIX)(エム・テクニック社製)を用いて、モノマー溶液3と2時間分散混合し、分散粒径が482nmの乳化粒子(油滴)を有する乳化液を調製した。次に、イオン交換水1460mLを添加した後、イオン交換水142mLに過硫酸カリウム7.5gを溶解させた溶液と、n−オクタンチオール6.74gを加え、80℃で3時間加熱、攪拌することにより重合(第1段重合)を行い、樹脂粒子分散液3を調製した。
樹脂粒子分散液3に、イオン交換水220mLに過硫酸カリウム11.6gを溶解させた溶液を添加し、さらに、スチレン291.2質量部、アクリル酸n−ブチル132.2質量部、メタクリル酸42.9質量部及びn−オクタンチオール7.51質量部の混合物を80℃で1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間加熱、攪拌することにより、重合(第2段重合)を行った後、28℃に冷却し、樹脂粒子分散液4を調製した。
イオン交換水1600mLにアニオン性界面活性剤(A)59.0gを溶解させた後、攪拌しながら、280.0gのイエロー顔料C.I.Pigment Yellow74を徐々に添加し、さらに、機械式分散機クレアミックス(CLEARMIX)(エム・テクニック社製)を用いて分散処理し、着色剤分散液を調製した。
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、冷却管を備えた四つ口フラスコ中に、259.3g(固形分換算)の樹脂粒子分散液4と、イオン交換水1120gと、着色剤分散液237gを投入し、攪拌した。さらに、30℃に加温した後、5Mの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを10に調整した。次に、30℃で攪拌しながら、イオン交換水55.3mLに塩化マグネシウム6水和物55.3gを溶解させた溶液を10分間かけて投入した。3分間静置した後、60分間かけて徐々に昇温させながら最終的に90℃で、樹脂粒子と着色剤の塩析、融着を行った。加熱、攪拌を続けながら、コールターカウンターTA−II(ベックマン・コールター社製)を用いて、粒径を測定し、体積平均粒径が5.5μmになったところで、イオン交換水100mLに塩化ナトリウム15.3gを溶解させた溶液を添加して、粒子の成長を停止させ、着色粒子分散液を調製した。
外層用樹脂粒子分散液87.5g(固形分換算)に、5Mの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを8に調整した。
一方、着色粒子分散液を1時間以上加熱、攪拌することにより形状制御を行い、平均円形度が0.944になったところで、pHを調整した外層用樹脂粒子分散液を添加し、着色粒子の表面に外層用樹脂粒子を融着させた。次に、イオン交換水500gに塩化ナトリウム123.9gを溶解させた水溶液を加え、95℃で2時間攪拌した。さらに、8℃/分の条件で徐々に冷却させながら最終的に30℃で、塩酸を添加してpH2に調整し、攪拌を停止し、母体粒子分散液を調製した。母体粒子は、平均円形度が0.964であった。
母体粒子分散液を遠心脱水機にかけた後、固形分に対して、20倍質量のイオン交換水を用いて洗浄し、さらに、減圧乾燥機で水分量が4質量%になるまで乾燥して、母体粒子を得た。
母体粒子に、疎水性シリカのR805(日本アエロジル社製)0.8質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池化工社製)の回転翼の周速を30m/秒に設定し、25分間混合した。次に、目開き45μmの篩を用いて粗粒を除去し、トナー2を作製した。
[現像剤2の作製]
体積平均粒径が40μmのフェライトにシリコーン樹脂をコートしたキャリア100質量部に、6質量部のトナー2を混合して現像剤2を作製した。
[感光体のトランジットタイムtの測定]
図2に示す評価装置を用いて、プロセス時間Tedの多点計測により、光減衰曲線を得た。次に、得られた光減衰曲線において、感光体の表面電位の急峻な光減衰が生じなくなるような露光量を決定した。さらに、この露光量について、露光部の電位をプロセス時間Tedに対してプロットし、プロセス時間Tedの短時間側で露光部の電位が立ち上がり始める時間(トランジットタイムt)を求めた。表1に、感光体1〜4のトランジットタイムtを示す。
Figure 2008310030
なお、測定条件は、感光体の表面における線速度を270mm/秒、露光光の波長を655nm、副走査方向の解像度を1200dpi、除電電圧を8V、感光体の帯電電位を−800Vとした。また、プロセス時間Tedの調節は、感光体の中心軸から見たときの現像位置に相当する表面電位プローブと露光位置がなす角度θ[°]を変化させることで調整した。このとき、プロセス時間Ted[秒]は、感光体の円周長をL[mm]、感光体の表面における線速度をv[mm/秒]とすると、式
ed=L×(θ/360)/v
[実施例1]
図3に示す画像形成装置として、1200dpiレーザービームプリンタを用意し、プロセス時間Tedを65ミリ秒に改造した。このとき、露光装置は、発光点が3×3の二次元に配置され、レーザビーム数が9本の面発光レーザアレイを備え、その走査線数を1200dpiとした。また、帯電方式を、ゴムローラを当接する接触帯電とした。なお、本実施例では、現像剤1及び感光体1を用いた。
このような画像形成装置に適合するようにプロセス条件設定を行った。なお、感光体の帯電電位は、暗部電位を−800Vとした。
次に、印字面積比率が6%の文字原稿をA4横送りで10k(=10000)枚連続でプリントアウトして耐久試験を行い、以下の評価を行った。
(1)画像濃度
一辺が5mmの正方形のベタ黒画像を形成し、画像濃度測定機RD918(Macbeth社製)を用いて、画像濃度を測定し、評価した。なお、画像濃度が非常に良好(1.3以上)であるものをA、良好(1.2以上1.3未満)であるものをB、普通(1.1以上1.2未満)であるものをC、悪い(1.1未満)であるものをDとして、判定した。
(2)解像度
静電潜像の電界によって電界が閉じやすく、再現しにくい1200dpiの21μm小径孤立ドットの再現性によって、解像度を評価した。なお、100個中の欠損が5個以下であるものをA、6〜10個であるものをB、11〜20個であるものをC、21個以上であるものをDとして、判定した。
(3)転写性
ベタ黒画像を形成した時の感光体上に残留したトナーを、マイラーテープによりテーピングしてはぎ取り、はぎ取ったマイラーテープを紙上に貼ったものの画像濃度から、マイラーテープのみを紙上に貼ったものの画像濃度を差し引いた数値から転写性を評価した。このとき、画像濃度は、(1)と同様に測定した。なお、転写性が非常に良好(0.05未満)であるものをA、良好(0.05以上0.07未満)であるものをB、普通(0.07以上0.1未満)であるものをC、悪い(0.1以上)ものをDとして、判定した。
(4)カブリ
ベタ白画像を形成した時の感光体上に残留したトナーを、マイラーテープによりテーピングしてはぎ取り、はぎ取ったマイラーテープを紙上に貼ったものの画像濃度から、マイラーテープのみを紙上に貼ったものの画像濃度を差し引いた数値からカブリを評価した。このとき、画像濃度は、(1)と同様に測定した。なお、カブリが非常に良好(0.05未満)であるものをA、良好(0.05以上0.07未満)であるものをB、普通(0.07以上0.1未満)であるものをC、悪い(0.1以上)ものをDとして、判定した。
(5)画像汚れ
定着後の画像を目視で観察して画像汚れを評価した。なお、画像汚れが未発生であるものをA、かすかに発生しているものをB、ある程度発生しているものをC、著しく発生しているものをDとして、判定した。
また、転写性、カブリ、解像度及び帯電ローラ汚れについて評価を行った。
(6)帯電ローラ汚れ
帯電ローラ上の単位面積当たりのトナー重量(mg/cm)を測定し、帯電ローラ汚れを評価した。なお、帯電ローラ汚れが未発生(0.1mg/cm未満)であるものをA、かすかに発生(0.1mg/cm以上0.3mg/cm未満)しているものをB、ある程度発生(0.3mg/cm以上0.5mg/cm未満)しているものをC、著しく発生(0.5mg/cm以上)しているものをDとして、判定した。
(7)現像ローラとのマッチング
耐久試験が終了した後、現像ローラの表面に残留したトナーの固着の発生状況とプリントアウトした画像への影響を目視で観察し、現像ローラとのマッチングを評価した。なお、現像ローラとのマッチングが非常に良好(トナーの固着が発生しない)であるものをA、良好(トナーの固着がほとんど発生しない)であるものをB、普通(トナーの固着があるが、画像への影響が少ない)であるものをC、悪い(トナーの固着が多く、画像ムラを生じる)ものをDとして、判定した。
(8)感光体とのマッチング
耐久試験が終了した後、感光体の表面の傷やトナーの固着の発生状況とプリントアウトした画像への影響を目視で観察し、感光体とのマッチングを評価した。なお、感光体とのマッチングが非常に良好(感光体の表面の傷やトナーの固着が発生しない)であるものをA、良好(わずかに感光体の表面の傷の発生が見られるが、画像への影響はない)であるものをB、普通(トナーの固着や感光体の表面の傷があるが、画像への影響が少ない)であるものをC、悪い(トナーの固着が多く、縦スジ状の画像欠陥を生じる)ものをDとして、判定した。
(9)定着装置とのマッチング
耐久試験が終了した後、定着ローラの表面の傷やトナーの固着の発生状況とプリントアウトした画像への影響を目視で観察し、定着装置とのマッチングを評価した。なお、定着装置とのマッチングが非常に良好(定着ローラの表面の傷やトナーの固着が発生しない)であるものをA、良好(わずかにトナーの固着が見られるものの、画像への影響はない)であるものをB、普通(トナーの固着や定着ローラの表面の傷があるが、画像への影響が少ない)であるものをC、悪い(トナーの固着が多く、画像欠陥を生じる)ものをDとして、判定した。
[実施例2及び3]
プロセス時間Tedを、それぞれ70ミリ秒及び80ミリ秒に改造した以外は、実施例1と同様にして評価を行った。
[比較例1〜4]
プロセス時間Tedを、それぞれ50ミリ秒、60ミリ秒、90ミリ秒及び110ミリ秒に改造した以外は、実施例1と同様にして評価を行った。
[実施例4〜6]
感光体1の代わりに、感光体2を用い、現像剤1の代わりに、現像剤2を用い、図3に示す画像形成装置の代わりに、図4に示す画像形成装置を用い、プロセス時間Tedを、それぞれ65ミリ秒、75ミリ秒及び80ミリ秒に改造した以外は、実施例1と同様にして評価を行った。
[比較例5〜8]
プロセス時間Tedを、それぞれ55ミリ秒、60ミリ秒、90ミリ秒及び100ミリ秒に改造した以外は、実施例4と同様にして評価を行った。
[実施例7〜9]
感光体2の代わりに、感光体3を用い、図4に示す画像形成装置の代わりに、図5に示す画像形成装置を用い、プロセス時間Tedを、それぞれ65ミリ秒、70ミリ秒及び80ミリ秒に改造した以外は、実施例4と同様にして評価を行った。
[比較例9〜12]
プロセス時間Tedを、50ミリ秒、60ミリ秒、90ミリ秒及び110ミリ秒に改造した以外は、実施例7と同様にして評価を行った。
[実施例10〜12]
感光体1の代わりに、感光体4を用い、図3に示す画像形成装置の代わりに、図6に示す画像形成装置を用い、プロセス時間Tedを、65ミリ秒、75ミリ秒及び80ミリ秒に改造し対外は、実施例1と同様にして評価を行った。
[比較例13〜16]
プロセス時間Tedを、55ミリ秒、60ミリ秒、90ミリ秒及び100ミリ秒に改造した以外は、実施例10と同様にして評価を行った。
以上の評価結果を表2に示す。
Figure 2008310030
実施例1〜12では、1.0≦t/Ted≦1.3を満たすことにより、トナーの残留が長期的に抑制され、高濃度でカブリのない高品質の画像が得られた。その結果、クリーナーレスプロセスが達成された。
プロセス時間に対する感光体の露光部の電位の変化を示す図である。 感光体の表面電位の光減衰の時間応答性の評価装置の一例を示す図である。 本発明の画像形成装置の一例を示す断面図である。 本発明の画像形成装置の他の例を示す断面図である。 本発明のプロセスカートリッジの一例を示す断面図である。 本発明のプロセスカートリッジの他の例を示す断面図である。 本発明で用いられる感光体の一例を示す断面図である。 本発明で用いられる感光体の他の例を示す断面図である。 実施例のチタニルフタロシアニンのX線回折スペクトルを示す図である。
符号の説明
1、1A、1B 感光体
2、2A、2B 帯電装置
3、3A、3B 露光装置
3L (露光)光
4A、4B 現像装置
4a、4b、4c、4d 現像ユニット
5 中間転写体
6 転写装置
7 定着装置
8A、8B 除電装置
9 電位計
P 被転写媒体
100、200 画像形成装置
300、400 プロセスカートリッジ
301、302、401、402 開口部
500 導電性支持体
501 下引き層
502 電荷発生層
503 電荷輸送層
504 感光層
505 保護層

Claims (20)

  1. 正規現像方式の画像形成装置であって、
    複数の像担持体と、該像担持体を帯電させる帯電手段と、該帯電された像担持体に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーで現像する現像手段を有し、
    該現像手段は、該複数の像担持体の一つに形成された静電潜像をトナーで現像する現像ユニットを複数有する現像手段を少なくとも一つ含み、
    該複数の像担持体は、該静電潜像が形成される領域が、該静電潜像が形成されてから該現像されるまでの時間に対する、該像担持体のトランジットタイムの比が1.0以上1.3以下であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記静電潜像形成手段は、前記像担持体上に複数のレーザ光束を走査する走査光学手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記走査光学手段は、3個以上の面発光レーザを有することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記走査光学手段は、前記3個以上の面発光レーザからなる2次元アレイを有することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記像担持体は、一般式
    Figure 2008310030
    (式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシル基、シアノ基又はハロゲン基であり、X及びYは、それぞれ独立に、一般式
    Figure 2008310030
    (式中、Rは、水素原子、アリール基又はアルキル基であり、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、アルキル基、アルコキシル基、シアノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロ基、ハロゲン基又はハロアルキル基であり、Zは、置換若しくは無置換の炭素環式芳香族基又は置換若しくは無置換の複素環式芳香族基である。)
    で示される官能基である。)
    で示される化合物を含有する感光層を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記X及びYが異なることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記像担持体は、CuKαの特性X線を用いたX線回折スペクトルにおいて、回折角2θ±0.2°が9.4゜、9.6゜及び24.0゜にピークが存在し、27.2°に存在するピークの強度が最大であり、7.3°に最小角度のピークが存在し、該7.3°に存在するピーク及び該9.4゜に存在するピークの間にピークが存在せず、26.3゜にピークが存在しないチタニルフタロシアニンの結晶を含有する感光層を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  8. 前記像担持体は、最外層に保護層を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  9. 前記保護層は、比抵抗が1010Ω・cm以上であるフィラーを含有することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記保護層は、少なくとも電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物と、電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物を硬化することにより形成されていることを特徴とする請求項8又は9に記載の画像形成装置。
  11. 前記電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物は、一般式
    Figure 2008310030
    (式中、Rは、水素原子、ハロゲン基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアルコキシル基、シアノ基、ニトロ基、一般式
    −COOR
    (式中、Rは、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアラルキル基又は置換若しくは無置換のアリール基である。)
    で示される官能基、一般式
    −COY
    (式中、Yは、ハロゲン基である。)
    で示される官能基又は一般式
    −CONR
    (式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアラルキル基又は置換若しくは無置換のアリール基である。)
    で示される官能基であり、Ar及びArは、それぞれ独立に、置換又は無置換のアリーレン基であり、Ar及びArは、それぞれ独立に、置換又は無置換のアリール基であり、Xは、単結合、置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、置換若しくは無置換のオキシアルキレン基、オキシ基、チオ基又はビニレン基であり、Zは、置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のオキシアルキレン基又は一般式
    −COOR
    (式中、Rは、アルキレン基である。)
    で示される官能基であり、mは、0以上3以下の整数であり、nは、0又は1である。)
    で示される化合物を一種以上含有することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 前記電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物は、一般式
    Figure 2008310030
    (式中、Rは、水素原子又はメチル基であり、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が1以上6以下のアルキル基であり、s及びtは、それぞれ独立に、0以上3以下の整数であり、Zは、単結合、メチレン基、エチレン基又は構造式
    Figure 2008310030
    で示される官能基であり、Phは、フェニレン基であり、o、p及びqは、それぞれ独立に、0又は1である。)
    で示される化合物を一種以上含有することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  13. 前記硬化する際に、加熱又は光照射を行うことを特徴とする請求項10乃至12のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  14. 前記像担持体をクリーニングするクリーニング手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  15. 請求項1乃至14のいずれか一項に記載の画像形成装置の本体に着脱自在であるプロセスカートリッジであって、
    前記像担持体を少なくとも有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  16. 正規現像方式の画像形成方法であって、
    複数の像担持体を帯電させる帯電工程と、
    該帯電された像担持体に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
    該静電潜像をトナーで現像する現像工程を有し、
    該現像工程は、該複数の像担持体の一つに形成された静電潜像をトナーで現像する工程を複数有する現像工程を少なくとも一つ含み、
    該複数の像担持体は、該静電潜像が形成される領域が、該静電潜像が形成されてから該現像されるまでの時間に対する、該像担持体のトランジットタイムの比が1.0以上1.3以下であることを特徴とする画像形成方法。
  17. 前記帯電された像担持体に1200dpi以上の解像度で静電潜像を形成することを特徴とする請求項16に記載の画像形成方法。
  18. 前記静電潜像を形成する際に、前記像担持体上に複数のレーザ光束を走査することを特徴とする請求項16又は17に記載の画像形成方法。
  19. 3個以上の面発光レーザアレイを用いて、前記像担持体上に複数のレーザ光束を走査することを特徴とする請求項18に記載の画像形成方法。
  20. 3個以上の面発光レーザアレイからなる2次元アレイを用いて、前記像担持体上に複数のレーザ光束を走査することを特徴とする請求項19に記載の画像形成方法。
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