JP2007248532A - 画像形成方法、画像形成装置および画像形成装置用プロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】超高解像度な画像形成が可能であり、高い耐久性のもとに高画質の画像が安定して得られる電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供する。特に、長期に繰り返す画像形成による感光層の摩耗が抑制され、電気特性が安定した感光体を用いた画像形成方法を提供する。
【解決手段】少なくとも、電子写真感光体を帯電し、画像露光し、潜像を形成し、トナーによって潜像を現像してトナー像を形成し、転写材へ転写し、転写材上のトナー像を定着手段によって定着する画像形成方法において、該電子写真感光体が支持体上に少なくとも架橋表面層を有する感光層を設けたものであり、該感光層が波長400nm〜450nmの光に感度を有し、且つ該架橋表面層が少なくとも1官能性の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとを架橋硬化することによって形成されたものであることを特徴とする画像形成方法。
【選択図】なし
【解決手段】少なくとも、電子写真感光体を帯電し、画像露光し、潜像を形成し、トナーによって潜像を現像してトナー像を形成し、転写材へ転写し、転写材上のトナー像を定着手段によって定着する画像形成方法において、該電子写真感光体が支持体上に少なくとも架橋表面層を有する感光層を設けたものであり、該感光層が波長400nm〜450nmの光に感度を有し、且つ該架橋表面層が少なくとも1官能性の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとを架橋硬化することによって形成されたものであることを特徴とする画像形成方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、電子写真方式を用いた複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成方法及びこれを用いた画像形成装置に関し、特に記録密度1200dpi(dot/inchの略称、以後dpiと記す)以上を可能にする超高解像度の電子写真感光体を用いた画像形成方法及び画像形成装置に関する。更に、高い耐久性のもとに高画質が安定して得られる画像形成方法、画像形成装置、画像形成装置用プロセスカートリッジに関する。
従来、電子写真方式を用いた電子写真感光体(以下、単に感光体ということがある)の光導電体として、大きく分けて無機或いは有機光導電体が知られている。ここにいう「電子写真方式」とは、感光体をまず暗所で、例えばコロナ放電によって帯電し、次いで像露光し、露光部のみの電荷を選択的に逸散させて静電潜像を得て、この潜像部を着色剤と高分子材料等で構成されるトナーで現像し、可視化して画像を形成するカールソンプロセスとよばれる画像形成方法をいう。
有機光導電体を用いた感光体は無機光導電体のものに比べ、感光波長域の選択の自由度、成膜性、可撓性、膜の透明性、量産性、毒性やコスト面等において利点を持つため、現在では主に感光体には有機光導電体が用いられている。
また、電子写真方式のプロセスにおいて繰り返し使用される感光体には、感度、受容電位、電位保持性、電位安定性、残留電位、分光感度特性等の静電特性が優れていることが要求される。
近年、電子写真方式を用いた情報処理システム機の発展は目覚ましいものがある。特にデジタル記録方式のプリンターは、画像品質、信頼性において向上が著しい。また、このデジタル記録方式はプリンターのみならず通常の複写機に応用されたデジタル複写機が開発されている。更に、デジタル複写機は、種々の情報処理機能が付加され、今後その需要が益々高まっていくと予想される。
現在これらの方式に用いられる電子写真感光体は、一般的には導電性支持体上に直接または中間層を介して電荷発生層を形成し、その上に電荷輸送層を設けた積層感光体が主流である。さらには、機械的もしくは化学的耐久性向上のため感光体表面に保護層を形成する。
このような積層感光体において、帯電された感光体が露光されると、光は電荷輸送層を透過し、電荷発生層中の電荷発生材料に吸収される。電荷発生材料はこの光を吸収して電荷担体を発生する。この電荷担体は電荷輸送層に注入され、電界に沿って電荷輸送層を移動して感光体の表面電荷を中和する。その結果感光体の表面に静電潜像が形成される。このような積層感光体には主として近赤外から可視域の光を吸収する電荷発生材料と、可視から紫外域の光を吸収する電荷輸送材料との組みあわせが多く用いられている。電荷輸送材料は、電荷発生材料が光を吸収して電荷担体を発生する光を透過することが必要である。
このようなデジタル記録方式に用いる光源としては、例えば、小型で安価な信頼性の高い半導体レーザ(LD)や発光ダイオード(LED)が使われている。現在最もよく使用されているLDの発振波長域は780〜800nm付近の近赤外光領域にある。また、代表的なLEDの発光波長は740nmにある。
一方、最近ではこのデジタル記録方式に用いる書込光源として400〜450nmに発振波長を有する紫色から青色の短波長LD、LEDが開発され、市場に出まわるようになった。
例えば、発振波長が近赤外域LDに比べ約半分近くになる短波長LDを書込光源として用いた場合、下式(1)で示されるように、感光体上におけるレーザービームのスポット径を理論上かなり小さくすることが可能である。したがって、これらは潜像の書込密度すなわち解像度を上げることに非常に有利なものである。
例えば、発振波長が近赤外域LDに比べ約半分近くになる短波長LDを書込光源として用いた場合、下式(1)で示されるように、感光体上におけるレーザービームのスポット径を理論上かなり小さくすることが可能である。したがって、これらは潜像の書込密度すなわち解像度を上げることに非常に有利なものである。
またこの短波長LD、LEDにより電子写真装置のコンパクト化、電子写真方式の高速化がはかれるなどの利点があるため、これら約400〜450nmのLD、LED発振光源に対応した高感度、高安定な電子写真感光体が要求されている。
ところで、現行の電子写真装置は300〜600dpiの解像度であり、写真調の画像を表現するには解像度が不足であった。より高解像な電子写真装置が望まれており、それに向けた開発が行なわれている。解像度を上げるためには最小ドット径を小さくすることが有効であり、そのためにはよりビーム径を小さくした画像露光手段と小さな静電潜像を可能にする電子写真感光体とそれを再現性よく現像する現像手段が必要になる。そのために、より微細なトナーが必要である。そして、現像されたドット画像を乱すことなく転写材に転写し且つ定着することも必要である。しかしながら、これらを全て満足する超高解像度の電子写真装置は未だ開発されていない。
前述のように、現在の画像露光手段において最もよく使われている発振波長780〜800nm付近のLDを用いた場合、ビームスポット径は約150〜60μm程度まで絞り込むことができるが、これを1200dpi相当のドット径である約20〜30μm、または2400dpi相当のドット径である約10〜15μmに絞り込むためには超高精度な光学部品や大きな光学部材が必要になり、コスト的にもスペース的にも実用化できるものではなかった。この解決のために、光源波長を短くすることが有効と考えられており、短波長レーザを使用した電子写真装置が提案されている(特許文献1参照)が、ビームスポット径を小さくしただけではこの超高解像度の画像は得られなかった。
また、従来の電子写真装置に使用されている積層感光体を使用した場合、400〜450nmのような非常に短波長の光では電荷輸送層に吸収されてしまい感度が低下してしまうという欠点を有する。それに対しては光吸収の比較的少ない電荷輸送材料を使用した電子写真装置が提案されている。このように電子写真感光体の電荷発生層にビーム径の小さい光を照射できるようにしてもなお超解像度の画像形成は困難であった。
また、画像形成プロセスの高速化、デジタル化に伴って光照射部位のエネルギー密度が高くなり、感光体の電荷発生層で発生する電荷密度は高くなる。高密度で発生した電荷は電荷輸送層中を感光体表面まで移動する間に面方向に拡散してしまい、折角ビーム径を絞っても感光体上に形成される静電潜像が大きくなってしまう。
この解決には電荷輸送層の膜厚を小さくすることが有効であるが、現状の1/2〜1/3にする必要がある。しかしながら、感光層が薄いと帯電安定性や寿命、及び導電性支持体の凹凸による電位ムラによるドット再現性の低下が起こり易い。また、感光層にピンホールや塗布欠陥があると、そこで絶縁破壊が生じて画像欠陥に繋がる場合がある。このように、単に従来の感光層の膜厚を小さくし、前記の短波長光にてビーム径を絞れば、そのまま高い解像度を実現できるというものではなく、非常に困難な課題が存在していた。
一方、電子写真装置に使用される感光体として、導電性支持体上に電荷発生材料と電荷輸送性材料とバインダーを主成分とする感光層を設けた単層型のものが知られている。この感光体は光照射による電荷発生が感光体表面部位で生じるため上記静電潜像の広がりは少なくなり、超高解像度電子写真用として有利である。しかしながら、積層感光体に比べ感度や残留電位特性が劣り、高速化が要求される電子写真装置への課題を残している。
また、導電性支持体上に電荷輸送層、電荷発生層の順に積層された逆層型感光体も知られている。この場合も電荷発生が感光体表面近傍で生じるため上記静電潜像の広がりは少なくなり、超高解像度電子写真用として有利である。例えば、特許文献2に発振波長400〜500nmのLDを光源として用いた電子写真装置が開示されている。
しかしながら、この感光体層構成では脆弱な薄膜の電荷発生層が最表面に形成されるため、これが帯電、現像、転写、クリーニング手段により機械的、化学的なハザードを受けやすくなり、繰り返し使用による感光体の劣化が著しいので実用的ではない。
しかしながら、この感光体層構成では脆弱な薄膜の電荷発生層が最表面に形成されるため、これが帯電、現像、転写、クリーニング手段により機械的、化学的なハザードを受けやすくなり、繰り返し使用による感光体の劣化が著しいので実用的ではない。
以上のように電子写真感光体として静電潜像の広がりを防ぐ構成の提案もされているが、トナー現像と転写を含めた画像形成プロセスの中で画像露光手段のビーム径と電子写真感光体の静電潜像の広がりを考慮しただけでは超高解像度な画像を形成し、高速で、耐久性に優れた電子写真装置は提供できていない。今のところ高耐久と1200dpi以上の超高解像度を両立する画像形成装置の提供はなされていない。
寿命を上げるために表面保護層を形成した逆層感光体の提案も行なわれている(特許文献3参照)が、ここではオゾン発生量を低下させた環境負荷の小さい電子写真装置の提供が狙いとなっており、超高解像電子写真装置用の感光体としての設計は行なわれていなかった。
更に、超高解像度でかつ高画質なカラー画像形成においては、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(Bk)のドットを重ね合わせること、且つ繰り返して行なわれる画像形成プロセスが、長期にわたって安定して動作することが必須である。即ち、色の再現性、階調性、ハイライト部の表現性などの基本性能が安定して持続できるだけでなく、地汚れ、黒ポチ、像流れなどの欠陥画像が発生しないことも従来以上に必須である。
例えば、未だ通常の画像形成プロセスでは、転写工程における100%のトナー転写率は実現していない。転写材にトナー像を転写した後の感光体に一部のトナーが残留する。この状態で繰り返し画像形成すると、次の画像形成プロセスにおいて悪影響が出る。即ち、潜像形成が乱されると、汚れのない高画質な画像を得ることができない。従って、充分に残留トナーを除去するクリーニング手段が必要となる。クリーニング手段にはファーブラシ、磁気ブラシまたはブレード等が代表的であるが、性能、構成等の点からブレードが主に用いられている。ブレード部材としては、板状のゴム弾性体が一般的である。このブレードクリーニングは感光体に強く当接するため、摺擦により感光体に機械的ハザードをくり返し与えることになる。
また、転写材である紙は硬いセルロースからなる繊維質、或いはカオリン等の粘土質を含むので、柔らかい有機光導電体からなる感光層は、紙が速度を持って接する転写工程で激しく擦られ、摩耗が促進されることがよく知られている。また、現像工程では例えば硬いキャリア粒子を含む現像剤に接触するので、ここでも柔らかい有機光導電性物質からなる感光層は摩耗するといわれている。更に、最近検討された接触帯電或いは近接帯電方式の帯電器は、従来の帯電器と比べて感光体表面に極めて近い場所に位置してコロナ放電するため、感光体により大きなダメージがあり、感光層表面の組成物の分子鎖が切断することがあるともいわれている。
このように、電子写真感光体の表面は、帯電器、現像器、転写手段、及びクリーニング器等により、化学的、電気的、機械的な外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。特に摺擦による感光体表面の摩耗或いは傷の発生、異物の混入及び紙詰まり処理時の衝撃に対する機械的耐久性が要求される。なかでも衝撃による傷や膜剥がれに対する耐久性については、より高くすることが求められている。
上記のような要求される様々な特性を満たすため、これまで種々のことが検討されてきた。
機械的耐久性に関しては、有機感光体の表面にBPZポリカーボネートをバインダー(結着樹脂)として用いることにより、表面の摩耗特性、トナーフィルミング特性が改善されることが報告されている。また、特許文献4では感光体の表面保護層として、コロイダルシリカ含有硬化性シリコーン樹脂を用いることが報告されている。
機械的耐久性に関しては、有機感光体の表面にBPZポリカーボネートをバインダー(結着樹脂)として用いることにより、表面の摩耗特性、トナーフィルミング特性が改善されることが報告されている。また、特許文献4では感光体の表面保護層として、コロイダルシリカ含有硬化性シリコーン樹脂を用いることが報告されている。
しかし、BPZポリカーボネートバインダーを用いた感光体では、なお耐摩耗特性が不足しており、充分な耐久性を有していない。一方、コロイダルシリカ含有硬化性シリコーン樹脂の表面層では耐摩耗特性は改善されるが、繰り返し使用時の電子写真特性が不充分であり、カブリや画像ボケが発生しやすく、やはりこれも耐久性が不充分である。
このような欠点を改善する方法として、特許文献5、特許文献6では有機ケイ素変性正孔輸送性化合物を、硬化性有機ケイ素系高分子中に結合させた樹脂層を、表面層として有する感光体を提案している。しかし、この技術では表面層が硬化されているために、感光体表面が研磨されることがない。その結果、高温高湿環境で吸着された水分を除去することができず、画像ボケの発生、或いは紙粉やトナーのフィルミングが生じやすく、筋状、或いは斑点状の画像欠陥を発生しやすい問題がある。
また、特許文献7には、1200dpi以上の超高解像度の画像を形成でき、且つ摩耗耐久性のある表面保護層を有する感光体が提案されている。しかし、この表面保護層に無機或いは有機のフィラーが含有されているため、レーザにて像露光すると光線が表面保護層内でフィラーにより散乱されレーザースポットが乱される場合ある。1200dpi以上の超高解像度の画像形成には基本的に不利な構成になる。また、フィラーを含む塗工液の分散が難しいので、分散状態がよくない塗工液が原因で表面保護層に問題が発生し易い。特に硬い無機フィラーを用いた場合、保護層表面に硬い突起等ミクロな不均一さが生じた場合、クレーニングに用いたブレードが欠けたり、トナーフィルミングが生じることが多い。
また、一方、画像形成装置の小型化から感光体の小径化が進み、機械の高速化やメンテナンスフリーの動きも加わり、有機感光体に対してより高い耐久性が切望されている。前述のように、有機感光体は現像システムやクリーニングシステムによる機械的な負荷により摩耗が発生しやすいという欠点を有しているが、更なる高画質化の要求からトナー粒子の小粒径化に伴いクリーニング性を上げるためクリーニングブレードのゴム硬度の上昇と当接圧力の上昇が余儀なくされている。
このような要求のもとで、高い耐久使用に供せられる感光体は、激しく摩耗し、その結果感度の劣化、帯電性の低下などの電気的特性を劣化させ、画像濃度低下、地肌汚れ等の異常画像の原因となる。また摩耗が局所的に発生した結果生じる傷は、クリーニング不良によるスジ状汚れ画像をもたらす。現状では感光体の寿命はこの摩耗或いは傷が律速となり、交換に至っているといわれている。
したがって、有機感光体の高いレベルの高耐久化においては前述の摩耗を低減することが不可欠であり、これが当分野でもっとも解決が迫られている課題である。
したがって、有機感光体の高いレベルの高耐久化においては前述の摩耗を低減することが不可欠であり、これが当分野でもっとも解決が迫られている課題である。
感光層の耐摩耗性を改良する技術としては、(1)架橋型電荷輸送層に硬化性バインダーを用いたもの(例えば、特許文献8参照)、(2)高分子型電荷輸送物質を用いたもの(例えば、特許文献9参照)、(3)架橋型電荷輸送層に無機フィラーを分散させたもの(例えば、特許文献10参照)等が挙げられる。
これらの技術の内、(1)の硬化性バインダーを用いたものは、電荷輸送物質との相溶性が悪いためや重合開始剤、未反応残基などの不純物により残留電位が上昇し画像濃度低下が発生し易い傾向がある。
これらの技術の内、(1)の硬化性バインダーを用いたものは、電荷輸送物質との相溶性が悪いためや重合開始剤、未反応残基などの不純物により残留電位が上昇し画像濃度低下が発生し易い傾向がある。
また、(2)の高分子型電荷輸送物質を用いたものは、ある程度の耐摩耗性向上が可能であるものの、有機感光体に求められている耐久性を十二分に満足させるまでには至っていない。また、高分子型電荷輸送物質は材料の重合、精製が難しく高純度なものが得にくいため材料間の電気的特性が安定しにくい。更に塗工液が高粘度となる等の製造上の問題を起こす場合もある。
さらに、(3)の無機フィラーを分散させたものは、通常の低分子電荷輸送物質を不活性高分子に分散させた感光体に比べ高い耐摩耗性が発揮されるが、無機フィラー表面に存在する電荷トラップにより残留電位が上昇し、画像濃度低下が発生し易い傾向にある。また、感光体表面の無機フィラーとバインター樹脂の凹凸が大きい場合には、クリーニング不良が発生し、トナーフィルミングや画像流れの原因となることがある。
これら(1)、(2)、(3)の技術では、有機感光体に求められる電気的な耐久性、機械的な耐久性をも含めた総合的な耐久性を十二分に満足するには至っていない。
さらに、(3)の無機フィラーを分散させたものは、通常の低分子電荷輸送物質を不活性高分子に分散させた感光体に比べ高い耐摩耗性が発揮されるが、無機フィラー表面に存在する電荷トラップにより残留電位が上昇し、画像濃度低下が発生し易い傾向にある。また、感光体表面の無機フィラーとバインター樹脂の凹凸が大きい場合には、クリーニング不良が発生し、トナーフィルミングや画像流れの原因となることがある。
これら(1)、(2)、(3)の技術では、有機感光体に求められる電気的な耐久性、機械的な耐久性をも含めた総合的な耐久性を十二分に満足するには至っていない。
更に、(1)の耐摩耗性と耐傷性を改良するために多官能のアクリレートモノマー硬化物を含有させた感光体も知られている(特許文献11参照)。しかし、この感光体においては、感光層上に設けた保護層にこの多官能のアクリレートモノマー硬化物を含有させる旨の記載があるものの、この保護層においては電荷輸送物質を含有せしめてもよいことが記載されているのみで具体的な記載はみられない。しかも、単に架橋型電荷輸送層に低分子の電荷輸送物を含有させた場合には、上記硬化物との相溶性の問題があり、これにより低分子電荷輸送物質の析出、白濁現象が起こり、露光部電位の上昇により画像濃度が低下するばかりでなく機械強度も低下してしまうことがあった。
さらに、この感光体は、具体的には高分子バインダーを含有した状態でモノマーを反応させるため、3次元網目構造が充分に発達せず、架橋結合密度が希薄となるため飛躍的な耐摩耗性を発揮できるまでには至っていない。
これらに換わる感光層の耐摩耗技術として、炭素−炭素二重結合を有するモノマーと、炭素−炭素二重結合を有する電荷輸送剤及びバインダー樹脂からなる塗工液を用いて形成した電荷輸送層を設けることが知られている(例えば、特許文献12参照)。このバインダー樹脂は電荷発生層と硬化型電荷輸送層の接着性を向上させ、さらに厚膜硬化時の膜の内部応力を緩和させる役割を果たしていると考えられ、炭素−炭素二重結合を有し、上記電荷輸送剤に対して反応性を有するものと、上記二重結合を有せず反応性を有しないものに大別される。この感光体は耐摩耗性と良好な電気的特性を両立しており注目されるが、バインダー樹脂として反応性を有しないものを使用した場合においては、バインダー樹脂と、上記モノマーと電荷輸送剤との反応により生成した硬化物との相溶性が悪く、架橋型電荷輸送層中で層分離が生じ、傷やトナー中の外添剤及び紙粉の固着の原因となることがある。また、上記したように、3次元網目構造が充分に進行せず、架橋結合密度が希薄となるため飛躍的な耐摩耗性を発揮できるまでには至っていない。加えて、この感光体において使用される上記モノマーとして具体的に記載されているものは2官能性のものであり、これらの点で耐摩耗性の点では未だ満足するには至らなかった。また、反応性を有するバインダーを使用した場合においても、硬化物の分子量は増大するものの分子間架橋結合数は少なく、上記電荷輸送物質の結合量と架橋密度との両立は難しく、電気特性及び耐摩耗性も充分とはいえないものであった。
また、同一分子内に二つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を硬化した化合物を含有する感光層も知られている(例えば、特許文献13参照)。この感光層は架橋結合密度を高められるため高い硬度を有するが、嵩高い正孔輸送性化合物が二つ以上の連鎖重合性官能基を有するため硬化物中に歪みが発生し内部応力が高くなり、架橋表面層が長期間の使用においてクラックや剥がれが発生しやすい場合がある。
これら従来技術における電荷輸送性構造を化学結合させた架橋感光層を有する感光体においても、現状では充分な総合特性を有しているとはいえるものでなかった。
本発明が解決しようとする課題は、1200dpi以上さらには2400dpiの超高解像度な画像形成が可能であり、高い耐久性のもとに高画質が安定して得られる電子写真感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置等を提供することである。特に、長期にくり返す画像形成による感光層の摩耗が抑制され、電気特性が安定した感光体を用いた画像形成方法を提供することである。更に、長期にくり返す画像形成による画像ボケ、フルミング、黒ポチなどの画像欠陥が抑制された画像形成方法を提供することである。
すなわち、上記課題は本発明の下記の(1)〜(19)によって解決される。
(1)「少なくとも、電子写真感光体を帯電し、画像露光し、潜像を形成し、トナーによって潜像を現像してトナー像を形成し、転写材へ転写し、転写材上のトナー像を定着手段によって定着する画像形成方法において、該電子写真感光体が支持体上に少なくとも表面に架橋表面層を有する感光層を設けたものであり、該感光層が波長400〜450nmの光に感度を有し、且つ該架橋表面層が少なくとも1官能性の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物と電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとを架橋硬化することによって形成されたものであることを特徴とする画像形成方法」;
(2)「前記感光層が、少なくとも電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋表面層からなる積層タイプで構成されることを特徴とする前記(1)に記載の画像形成方法」;
(3)「前記感光層が、電荷発生機能および電荷輸送機能を有する層、及び架橋表面層で構成されることを特徴とする前記(1)に記載の画像形成方法」;
(4)「前記感光層が、支持体側から波長400〜450nmの光に感度を有する電荷発生層、電荷輸送層、架橋表面層の順に設けられた積層タイプで構成されることを特徴とする前記(2)に記載の画像形成方法」;
(5)「前記感光層が、支持体側から電荷輸送層、波長400〜450nmの光に感度を有する電荷発生層、架橋表面層の順に設けられた積層タイプで構成されることを特徴とする前記(2)に記載の画像形成方法」;
(6)「前記架橋表面層の膜厚が1〜10μmであることを特徴とする前記(2)〜(5)のいずれかに記載の画像形成方法」;
(7)「前記架橋表面層の膜厚が2〜8μmであることを特徴とする前記(6)に記載の画像形成方法」;
(8)「前記感光層が、支持体側から電荷輸送層、波長400〜450nmの光に感度を有する電荷発生層を積層した感光層であり、かつ該電荷発生層が架橋表面層であることを特徴とする前記(1)に記載の画像形成方法」;
(9)「前記架橋表面層が正孔又は/及び電子輸送材料を含有することを特徴とする前記(8)に記載の画像形成方法」;
(10)「前記架橋表面層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーおよび1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物のラジカル重合官能基が、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれかに記載の画像形成方法」;
(11)「前記画像露光を行なう画像露光手段の書き込み光源が波長400〜450nmの範囲に発振波長を有する半導体レーザーもしくは発光ダイオードであることを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに記載の画像形成方法」;
(12)「前記書き込み光源のビーム径が10〜40μmであることを特徴とする前記(11)に記載の画像形成方法」;
(13)「前記トナーが、平均粒径2〜8μmのトナーであることを特徴とする前記(1)〜(12)のいずれかに記載の画像形成方法」;
(14)「感光体の摩耗性を制御する機構を有することを特徴とする前記(1)〜(13)のいずれかに記載の画像形成方法」;
(15)「感光体の摩耗性を制御する機構が、潤滑剤、低表面エネルギー部材を電子写真感光体に塗布および/または供給する機構であることを特徴とする前記(14)に記載の画像形成方法」;
(16)「前記(1)〜(15)のいずれかに記載の画像形成方法に用いる電子写真感光体であって、前記電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーが下記一般式(A)で表わされる化合物であることを特徴とする電子写真感光体。
(1)「少なくとも、電子写真感光体を帯電し、画像露光し、潜像を形成し、トナーによって潜像を現像してトナー像を形成し、転写材へ転写し、転写材上のトナー像を定着手段によって定着する画像形成方法において、該電子写真感光体が支持体上に少なくとも表面に架橋表面層を有する感光層を設けたものであり、該感光層が波長400〜450nmの光に感度を有し、且つ該架橋表面層が少なくとも1官能性の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物と電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとを架橋硬化することによって形成されたものであることを特徴とする画像形成方法」;
(2)「前記感光層が、少なくとも電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋表面層からなる積層タイプで構成されることを特徴とする前記(1)に記載の画像形成方法」;
(3)「前記感光層が、電荷発生機能および電荷輸送機能を有する層、及び架橋表面層で構成されることを特徴とする前記(1)に記載の画像形成方法」;
(4)「前記感光層が、支持体側から波長400〜450nmの光に感度を有する電荷発生層、電荷輸送層、架橋表面層の順に設けられた積層タイプで構成されることを特徴とする前記(2)に記載の画像形成方法」;
(5)「前記感光層が、支持体側から電荷輸送層、波長400〜450nmの光に感度を有する電荷発生層、架橋表面層の順に設けられた積層タイプで構成されることを特徴とする前記(2)に記載の画像形成方法」;
(6)「前記架橋表面層の膜厚が1〜10μmであることを特徴とする前記(2)〜(5)のいずれかに記載の画像形成方法」;
(7)「前記架橋表面層の膜厚が2〜8μmであることを特徴とする前記(6)に記載の画像形成方法」;
(8)「前記感光層が、支持体側から電荷輸送層、波長400〜450nmの光に感度を有する電荷発生層を積層した感光層であり、かつ該電荷発生層が架橋表面層であることを特徴とする前記(1)に記載の画像形成方法」;
(9)「前記架橋表面層が正孔又は/及び電子輸送材料を含有することを特徴とする前記(8)に記載の画像形成方法」;
(10)「前記架橋表面層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーおよび1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物のラジカル重合官能基が、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれかに記載の画像形成方法」;
(11)「前記画像露光を行なう画像露光手段の書き込み光源が波長400〜450nmの範囲に発振波長を有する半導体レーザーもしくは発光ダイオードであることを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに記載の画像形成方法」;
(12)「前記書き込み光源のビーム径が10〜40μmであることを特徴とする前記(11)に記載の画像形成方法」;
(13)「前記トナーが、平均粒径2〜8μmのトナーであることを特徴とする前記(1)〜(12)のいずれかに記載の画像形成方法」;
(14)「感光体の摩耗性を制御する機構を有することを特徴とする前記(1)〜(13)のいずれかに記載の画像形成方法」;
(15)「感光体の摩耗性を制御する機構が、潤滑剤、低表面エネルギー部材を電子写真感光体に塗布および/または供給する機構であることを特徴とする前記(14)に記載の画像形成方法」;
(16)「前記(1)〜(15)のいずれかに記載の画像形成方法に用いる電子写真感光体であって、前記電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーが下記一般式(A)で表わされる化合物であることを特徴とする電子写真感光体。
(17)「前記電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーが、異なる構造を有する複数のラジカル重合性モノマーからなり、少なくともそのうちの一種が前記一般式(A)で表わされる化合物であることを特徴とする前記(16)に記載の電子写真感光体」;
(18)「前記(1)〜(15)のいずれかに記載の画像形成方法を適用したことを特徴とする画像形成装置」;
(19)「前記(18)に記載の画像形成装置に用いる画像形成装置用プロセスカートリッジであって、電子写真感光体と、帯電手段、画像露光手段、現像手段及び転写手段及びクリーニング手段から選ばれた少なくとも一つの手段とを一体的に形成し、画像形成装置本体に着脱自在としたことを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ」。
本発明によれば、感光層が波長400〜450nmの光に感度を有し、電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化した架橋構造を有する架橋表面層を有する感光層を設けた電子写真感光体により、高耐久、高性能な感光体が達成される。この感光体を用いることにより良好な画像を長期にわたり維持できる画像形成方法を提供できる。更に、微小ドットを再現性よく画像形成することができ、且つ優れた耐刷性を有することから1200dpiまたは2400dpiといった超高解像度な画像を形成でき、且つ高耐久な部品交換頻度の少ない電子写真感光体を用いた画像形成装置、およびプロセスカートリッジを提供することができる。
本発明における画像形成方法は、高画質を達成するため、超高解像度な画像形成の要求を満たす電子写真感光体を備えるとともに、高い耐久性のもとにトナー現像と転写が安定していることを実現したものである。即ち、高画質を達成するため露光手段および感光層を工夫するとともに、機械的強度が高い架橋表面層を積層することにより、高い耐久性を実現したものである。摩耗量を適切に制御した架橋表面層を採用したので、感光体の膜厚変化が長期のくり返しにも関わらず極めて少ない。そのため感光体の静電容量の変化を少なくし、トナーの現像と転写の安定性を実現したものである。
架橋表面層が全く削れないと画像形成プロセス中に発生するオゾン、NOX等を原因とした低抵抗物質の堆積による画質の低下があるのでこれら除去しその影響をなくする最小限の膜厚減少は必要である。本発明における架橋表面層は、極めて僅かに感光層が摩耗するため、フィルミング、画像ボケが防止された高品質な画像を得ることができる。そして、架橋表面層は平滑且つ緻密で機械的強度が高いので、点欠陥が少なく、また発生しない。
一般に、感光体に使われる有機材料の誘電率は約2から10以下であるが、たとえばルチル型酸化チタンは110程度であり、これが含有された架橋表面層を積層すると、感光層と架橋表面層の誘電率は1桁以上異なっており、繰り返しによる摩耗で架橋表面層の膜厚が変化した場合、静電容量が大きく変化し、電子写真感光体の特性、特にトナーの現像と転写の変化となり画像の安定性が得られない。しかし、本発明の架橋表面層は誘電率の大きいフィラーを含まないため、膜厚減少に伴う静電容量の変化による副作用がない画像形成が可能である。また、長期繰り返し使用した感光体に1200dpi以上のドット画像を形成してもドットの乱れがないという予期せぬ効果が見られた。その理由が未だ明確ではないが、誘電率が大きいフィラーが含有された場合に予想される潜像の電気力線の乱れが少ないことに関係するものと思われる。更に、誘電率の比較的小さいフィラーであっても、長期繰り返し使用によるフィラーの脱離があるとこれが研磨材として感光体を削る副作用がある場合もあるが、本発明の架橋表面層は誘電率の小さなフィラーも含まないため、これも回避できる利点がある。
更に、本発明の架橋表面層は、架橋硬化した架橋密度が高い架橋表面層であるため、平滑であり、緻密である。その結果、ピンホールが極めて少なく、傷が付き難いので、点欠陥のない画像を形成できる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明に用いる電子写真感光体の感光層としては、例えば、図1に示すように、導電性支持体(101)上に電荷発生層(102)を形成し、この電荷発生層上に電荷輸送層(103)が形成されているものが挙げられる。そしてこの電荷輸送層上に架橋表面層(104)が設けられる。ここでは、中間層は図示していない。
本発明に用いる電子写真感光体の感光層としては、例えば、図1に示すように、導電性支持体(101)上に電荷発生層(102)を形成し、この電荷発生層上に電荷輸送層(103)が形成されているものが挙げられる。そしてこの電荷輸送層上に架橋表面層(104)が設けられる。ここでは、中間層は図示していない。
この構成を採る場合は、架橋表面層および電荷輸送層は、書き込み光源に対して充分な透過率を持つことが要求される。さらに具体的には、390〜460nm波長領域の単色光に対して50%以上の透過率を示すことが望ましい。また電荷発生層で発生したキャリアが電荷輸送層および架橋表面層を移動していく過程で拡散し、超高解像度の画像形成を阻害するのを防ぐため、電荷輸送層および架橋表面層の膜厚はなるべく薄くしたほうがよい。ただし、架橋表面層は高耐久化を達成するためには、通常1〜10μm、好ましくは2〜8μmを必要とするものであり、電荷輸送層(103)は現像などの条件にもよるが、5〜15μmが適切である。
また電荷輸送機能は、正孔輸送機能と電子輸送機能がある。電荷輸送層に電荷輸送機能材料を用いる場合、これら材料は単独でも両機能材料を混合して使用してもよいが、架橋表面層にも電荷輸送機能を持たせる場合には、電荷輸送層と同じ機能を持たせるほうがよい。更に、図4に示すように、架橋型表面層が電荷輸送層を兼ねることもできる。この場合、架橋型表面層の膜厚は、通常10〜17μmが好ましい。
本発明に用いる感光体は、また図2に示すように導電性支持体(101)上に電荷輸送層(103)を形成し、この電荷輸送層上に電荷発生層(102)、次いで架橋表面層(104)を設けた構成とすることもできる。この構成を採る場合は、架橋表面層は、書き込み光源に対して充分な透過率を持つことが要求される。また、この構成では電荷発生層で発生したキャリアが電荷輸送層および/または架橋表面層を移動していく過程で拡散し、超高解像度の画像形成を阻害するのを防ぐため、架橋表面層の膜厚はなるべく薄くしたほうがよい。ただし、架橋表面層は高耐久化を達成するためには、通常1〜10μm、好ましくは2〜8μmを必要とするものである。電荷輸送層は図1の構成の場合ほど薄くする必要はないが、5〜25μmが適切である。
この構成で、架橋表面層にも電荷輸送機能を持たせる場合には、電荷輸送層と逆の電荷移動機能を持たせるほうがよい。また、電荷輸送層に両機能材料を混合して使用した場合には、混合して使用するか、または、感光体の帯電極性により適切な機能を設計するのがよい。具体的には、マイナス帯電のときには、正孔輸送機能を有する材料、プラス帯電のときには電子輸送機能を有する材料を用いるのがよい。
さらに本発明に用いる感光体は、図3に示すように導電性支持体(101)上に電荷発生機能および電荷輸送機能を持つ層(105)を形成し、次いで架橋表面層(104)を設けた構成とすることもできる。この構成を採る場合は、架橋表面層は、書き込み光源に対して充分な透過率を持つことが要求される。またこの構成では電荷発生機能および電荷輸送機能を持つ層で発生したキャリアがこの層及び/又は架橋表面層を移動していく過程で拡散し、超高解像度の画像形成を阻害するのを防ぐため、架橋表面層の膜厚はなるべく薄くしたほうがよい。ただし、架橋表面層は高耐久化を達成するためには、通常1〜10μm、好ましくは2〜8μm、更に好ましくは2〜5μmを必要とするものである。また、ここでの電荷発生機能および電荷輸送機能を持つ層は図1の構成の場合ほど薄くする必要はないが、5〜25μmが適切である。
この構成で、架橋表面層にも電荷輸送機能を持たせる場合には、層(105)の電荷輸送機能と逆の機能を持たせるほうがよい。また、層(105)に両機能材料を混合して使用した場合には、混合して使用するか、または、感光体の帯電極性により適切な機能を設計するのがよい。具体的には、マイナス帯電のときには、正孔輸送機能を有する材料、プラス帯電のときには電子輸送機能を有する材料を用いるのがよい。
また、本発明に用いる感光体は、図2に示す架橋表面層(104)が電荷発生層(102)を兼ねた構成の感光層であってもよい。即ち、図2の架橋表面層に波長400〜450nmの光に感度を有する電荷発生材料を含有させることができる。これを図5に示す。架橋された表面層が電荷発生層を兼ねるので、光の吸収により表面近くの潜像生成過程で電荷が拡散しないために解像度の低下がないことが有利になる。更に、この架橋表面層に、正孔輸送性材料又は/及び電子輸送性材料を含有させることができる。ここでの架橋表面層の膜厚は通常1〜10μm、好ましくは2〜8μmである。電荷輸送層の膜厚は5〜25μmであり、好ましくは10〜20μmである。
各層の構成要素について以下に説明する。
導電性支持体としては、アルミニウム、ニッケル、銅、チタン、金、ステンレス等の金属板、金属ドラムまたは金属箔、アルミニウム、ニッケル、銅、チタン、金、酸化錫、酸化インジウムなどを蒸着したプラスチックフィルム或いは導電性物質を塗布した紙、プラスチックなどのフィルムまたはドラム等が挙げられる。上記以外の材料として鉄、銀、亜鉛、鉛、錫、アンチモン、インジウムなどの金属や合金、あるいは前記金属の酸化物、カーボン、導電性ポリマーなども挙げられ、上述のように導電性材料をそのまま成形加工することや、適宜の基体上に上記導電性材料を塗布、蒸着、エッチング、プラズマ処理等の手段で成膜することによって得られた導電性支持体を使用することができる。
導電性支持体としては、アルミニウム、ニッケル、銅、チタン、金、ステンレス等の金属板、金属ドラムまたは金属箔、アルミニウム、ニッケル、銅、チタン、金、酸化錫、酸化インジウムなどを蒸着したプラスチックフィルム或いは導電性物質を塗布した紙、プラスチックなどのフィルムまたはドラム等が挙げられる。上記以外の材料として鉄、銀、亜鉛、鉛、錫、アンチモン、インジウムなどの金属や合金、あるいは前記金属の酸化物、カーボン、導電性ポリマーなども挙げられ、上述のように導電性材料をそのまま成形加工することや、適宜の基体上に上記導電性材料を塗布、蒸着、エッチング、プラズマ処理等の手段で成膜することによって得られた導電性支持体を使用することができる。
導電性支持体の表面粗さはRz値で0.02〜1.5μmが好ましい。導電性支持体の表面粗さが0.02μmより小さい場合には、レーザ光の散乱が小さくなりモアレ等の画像欠陥を生じやすくなったり、感光層との接着性が弱くなり剥離をおこして白抜け等の画像欠陥を起こしたりする。また、表面粗さが1.5μmを越える場合には、感光層表面の電位ムラを起こしてドット再現性が低下したり、異常放電によるピンホールが感光層に生成し、黒ポチ等の画像欠陥が発生したりする。
導電性支持体上に必要に応じて形成させる下引き層としては一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、モアレ防止、抵抗値の最適化等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。これらの下引き層は適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。更にシランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。
この他、本発明の下引き層には、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。
下引き層の表面粗さはRz値で0.02〜1.5μmが好ましい。下引き層の表面粗さが0.02μmより小さい場合には、レーザ光の散乱が小さくなりモアレ等の画像欠陥を生じやすくなったり、電荷発生層との接着性が弱くなり剥離をおこして白抜け等の画像欠陥を起こしたりする。また、表面粗さが1.5μmを越える場合には、感光層表面の電位ムラを起こしてドット再現性が低下したり、異常放電によるピンホールが感光層に生成し、黒ポチ等の画像欠陥が発生したりする。
また、下引き層には上記説明の微粉末顔料のような粒子をバインダー中に分散させたものがより好ましい。本発明の電子写真感光体は、400〜450nmの短波長レーザ光を書込光源として使用されるものであるが、長波長レーザ光に比べて散乱されやすくなるとはいえ、透明な中間層を使用した場合には、導電性支持体からの反射光或いは下引き層からの反射光等による感光層内での干渉が起こり、モアレ等の異常画像を生ずる。このようなモアレ防止には、支持体の表面粗さや下引き層の表面粗さを大きくして防止することができるが、解像性やドット再現性等との両立が難しくなる。
その解決のためには下引き層に粒子を分散させ、透過光を散乱させることが有効である。従って、導電性支持体の表面凹凸及び下引き層の表面凹凸による散乱効果と下引き層内粒子による散乱効果を合わせることで、高解像性と異常画像のない高画質性を容易に両立させることができる。
また、下引き層の膜厚は1〜10μmが適当である。下引き層の膜厚が1μmより薄い場合は、光散乱が不充分となり、モアレ等の異常画像を起こしやすくなる。また、膜厚が10μmを越える場合は、残留電位の発生やその蓄積性が大きくなり、感光体電位変動が大きくなる。
電荷発生層は、電荷発生材料と適当な溶媒に、必要に応じてバインダー樹脂を加え溶解もしくは分散し、塗布して乾燥させることにより設けることができる。電荷発生層用分散液の分散方法としては、例えば、ボールミル、超音波、ホモミキサー等が挙げられ、また塗布手段としては、ディッピング塗工法、ブレード塗工法、スプレー塗工法等が挙げられる。
電荷発生材料を分散し、感光層を形成する場合、層中への分散性をよくするために、その電荷発生材料は平均粒径が1μm以下が好ましく、より好ましくは0.5μm以下のものが好ましい。また、高画質、小径ドット再現性のためにも平均粒径はなるべく小さな方がよい。ただし、上記の粒径があまりに小さいとかえって凝集しやすく、再凝集により分散液の保存性が悪くなったり、層の抵抗が上昇したり、結晶欠陥が増えて感度及び繰り返し特性が低下したり、或いは微細化する上で限界があるので、平均粒径の下限を0.01μmとするのが好ましい。
電荷発生層の膜厚は、0.1〜2μmが好ましい。
電荷発生層の膜厚は、0.1〜2μmが好ましい。
電荷発生材料は、400〜450nmの波長に感度を示す従来公知の材料が使用でき、例えば以下に示すような顔料が挙げられる。有機顔料としては、例えば、シーアイピグメントブルー25(カラーインデックスCI 21180)、シーアイピグメントレッド41(CI 21200)、シーアイアシッドレッド52(CI 45100)、シーアイベーシックレッド3(CI 45210)、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−95033号公報に記載)、ジスチリルベンゼン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−133445号公報に記載)、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−132347号公報に記載)、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−21728号公報に記載)、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−12742号公報に記載)、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−22834号公報に記載)、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−17733号公報に記載)、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−2129号公報に記載)、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−14967号公報に記載)、ベンズアントロン骨格を有するアゾ顔料などのアゾ顔料。例えば、シーアイピグメントブルー16(CI 74100)、Y型オキソチタニウムフタロシアニン(特開昭64−17066号公報)、A(β)型オキソチタニウムフタロシアニン、B(α)型オキソチタニウムフタロシアニン、I型オキソチタニウムフタロシアニン(特開平11−21466号公報に記載)、II型クロロガリウムフタロシアニン(飯島他、日本化学会第67春季年回、1B4、04(1994))、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン(大門他、日本化学会第67春季年回、1B4、05(1994))、X型無金属フタロシアニン(米国特許第3,816,118号)などのフタロシアニン系顔料、シーアイバットブラウン5(CI 73410)、シーアイバットダイ(CI 73030)などのインジコ系顔料、アルゴスカーレットB(バイエル社製)、インタンスレンスカーレットR(バイエル社製)などのペリレン顔料などが挙げられる。なお、これらの電荷発生材料は単独あるいは2種類以上が併用されてもよい。
電荷発生層の分散液或いは溶液を調製する際に使用する溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼン、1、2−ジクロルエタン、1、1、1−トリクロルエタン、ジクロルメタン、1、1、2−トリクロルエタン、トリクロルエチレン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジオキサン等を挙げることができる。
バインダー樹脂としては、絶縁性がよい従来から知られているバインダー樹脂であれば何でも使用でき、特に限定はない。例えば、ポリエチレン、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリスチレン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリプロピレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂等の付加重合型樹脂、重付加型樹脂、重縮合型樹脂、ならびにこれらの樹脂の繰り返し単位のうち2つ以上を含む共重合体樹脂、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂等の絶縁性樹脂のほか、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。これらのバインダー樹脂は単独または2種類以上の混合物として用いることができる。バインダー樹脂の量は、電荷発生材料1重量部に対し0〜5重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜3重量部が適当である。
電荷輸送層としては、従来公知のものが使用できる。電荷輸送層が電荷発生層より表層側に積層される場合には、400〜450nm波長域範囲の単色光を透過する必要がある。その場合の好ましい例としては以下のようである。
電荷輸送層に用いられるバインダー樹脂としては、例えば具体的にポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。中でもバインダー樹脂が下記一般式(1)及び/または一般式(2)で示されるものやポリアリレート樹脂またはポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂のポリマーアロイ樹脂やポリアリレート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂とのポリマーアロイ樹脂が好適である。
(式(1)及び(2)中、R4、R5、R6、R7はそれぞれ独立して水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、ハロゲン原子、又は置換もしくは無置換のアリール基を表わす。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基を表わし、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表わす。)または、
具体的には以下に示す構造のものがあげられるがこれらに限定されるものではない。
また、本発明の電荷輸送層に用いられる電荷輸送材料には正孔輸送材料と電子輸送材料があり、これらには以下のものが挙げられる。(以下、電荷輸送材料を電荷輸送物質、正孔輸送材料を正孔輸送物質、電子輸送材料を電子輸送物質と呼ぶこともある。)
正孔輸送材料としては、例えば、ポリ−N−カルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、及び以下の一般式(3)〜(20)で示される化合物がある。
正孔輸送材料としては、例えば、ポリ−N−カルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、及び以下の一般式(3)〜(20)で示される化合物がある。
一般式(3)で表わされる化合物には、例えば、9−エチルカルバゾール−3−アルデヒド−1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、9−エチルカルバゾール−3−アルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、9−エチルカルバゾール−3−アルデヒド−1、1−ジフェニルヒドラゾンなどがある。
一般式(4)で表わされる化合物には、例えば、4−ジエチルアミノスチリル−β−アルデヒド−1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、4−メトキシナフタレン−1−アルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾンなどがある。
一般式(5)で表わされる化合物には、例えば、4−メトキシベンズアルデヒド−1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、2、4−ジメトキシベンズアルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1、1−ジフェニルヒドラゾン、4−メトキシベンズアルデヒド−1−(4−メトキシ)フェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド−1、1−ジフェニルヒドラゾンなどがある。
一般式(6)で表わされる化合物には、例えば、1、1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、トリス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、1、1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、2,2’−ジメチル−4,4’−ビス(ジエチルアミノ)−トリフェニルメタンなどがある。
一般式(7)で表わされる化合物には、例えば、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、9−ブロム−10−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセンなどがある。
一般式(8)で表わされる化合物には、例えば、9−(4−ジメチルアミノベンジリデン)フルオレン、3−(9−フルオレニリデン)−9−エチルカルバゾールなどがある。
一般式(8)で表わされる化合物には、例えば、9−(4−ジメチルアミノベンジリデン)フルオレン、3−(9−フルオレニリデン)−9−エチルカルバゾールなどがある。
一般式(9)で表わされる化合物には、例えば、1、2−ビス(4−ジエチルアミノスチリル)ベンゼン、1、2−ビス(2、4−ジメトキシスチリル)ベンゼンなどがある。
一般式(10)で表わされる化合物には、例えば、3−スチリル−9−エチルカルバゾール、3−(4−メトキシスチリル)−9−エチルカルバゾールなどがある。
一般式(10)で表わされる化合物には、例えば、3−スチリル−9−エチルカルバゾール、3−(4−メトキシスチリル)−9−エチルカルバゾールなどがある。
一般式(11)で表わされる化合物には、例えば、4−ジフェニルアミノスチルベン、4−ジベンジルアミノスチルベン、4−ジトリルアミノスチルベン、1−(4−ジフェニルアミノスチリル)ナフタレン、1−(4−ジエチルアミノスチリル)ナフタレンなどがある。
一般式(12)で表わされる化合物には、例えば、4’−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベン、4’−ビス(4−メチルフェニル)アミノ−α−フェニルスチルベンなどがある。
一般式(12)で表わされる化合物には、例えば、4’−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベン、4’−ビス(4−メチルフェニル)アミノ−α−フェニルスチルベンなどがある。
一般式(13)で表わされる化合物には、例えば、1−フェニル−3−(4−ジエチルアミノスチリル)−5−(4−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリンなどがある。
一般式(14)で表わされる化合物には、例えば、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−N,N−ジフェニルアミノ−5−(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4−ジメチルアミノフェニル)−5−(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールなどがある。
一般式(14)で表わされる化合物には、例えば、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−N,N−ジフェニルアミノ−5−(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4−ジメチルアミノフェニル)−5−(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールなどがある。
一般式(15)で表わされる化合物には、例えば、2−N,N−ジフェニルアミノ−5−(N−エチルカルバゾール−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4−ジエチルアミノフェニル)−5−(N−エチルカルバゾール−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾールなどがある。
一般式(16)で表わされるベンジジン化合物には、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン、3,3’−ジメチル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミンなどがある。
一般式(17)で表わされるビフェニリルアミン化合物には、例えば、4’−メトキシ−N,N−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン、4’−メチル−N,N−ビス(4−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン、4’−メトキシ−N,N−ビス(4−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン、N,N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4−アミンなどがある。
一般式(18)で表わされるトリアリールアミン化合物には、例えば、1−ジフェニルアミノピレン、1−ジ(p−トリルアミノ)ピレン、N,N−ジ(p−トリル)−1−ナフチルアミン、N,N−ジ(p−トリル)−1−フェナントリルアミン、9,9−ジメチル−2−(ジ−p−トリルアミノ)フルオレン、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−フェナントレン−9,10−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(3−メチルフェニル)−m−フェニレンジアミンなどがある。
一般式(19)で表わされるジオレフィン芳香族化合物には、例えば、1、4−ビス(4−ジフェニルアミノスチリル)ベンゼン、1、4−ビス[4−ジ(p−トリル)アミノスチリル]ベンゼンなどがある。
一般式(20)で表わされるスチリルピレン化合物には、例えば、1−(4−ジフェニルアミノスチリル)ピレン、1−[4−ジ(p−トリル)アミノスチリル]ピレンなどがある。
なお、電子輸送材料としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−インデノ4H−インデノ[1、2−b]チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどを挙げることができ、さらに下記一般式(21)、(22)に挙げる電子輸送物質を好適に使用することができる。これらの電荷輸送物質は単独または2種類以上混合して用いられる。
本発明に用いる感光体の電荷輸送層には、高分子型電荷輸送材料を用いることができる。高分子型電荷輸送材料としては例えば、ポリ−N−カルバゾール誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アセトフェノン誘導体(特開平7−325409号公報に記載)、ジスチリルベンゼン誘導体、ジフェネチルベンゼン誘導体(特開平9−127713号公報に記載)、α−フェニルスチルベン誘導体(特開平9−297419号公報に記載)、ブタジエン誘導体(特開平9−80783号公報に記載)、水素化ブタジエン(特開平9−80784号公報に記載)、ジフェニルシクロヘキサン誘導体(特開平9−80772号公報に記載)、ジスチリルトリフェニルアミン誘導体(特開平9−222740号公報に記載)、ジフェニルジスチリルベンゼン誘導体(特開平9−265197号、同9−265201号公報に記載)、スチルベン誘導体(特開平9−211877号公報に記載)、m−フェニレンジアミン誘導体(特開平9−304956号、同9−304957号公報に記載)、レゾルシン誘導体(特開平9−329907号公報に記載)、トリアリールアミン誘導体(特開昭64−9964号、特開平7−199503号、特開平8−176293号、特開平8−208820号、特開平8−253568号、特開平8−269446号、特開平3−221522号、特開平4−11627号、特開平4−183719号、特開平4−124163号、特開平4−320420号、特開平4−316543号、特開平5−310904号、特開平7−56374号、特開平8−62864号各公報、米国特許5,428,090号、同5,486,439号各明細書)などが挙げられる。これらの電荷輸送材料は単独または2種類以上混合して用いてもよい。
これら高分子型電荷輸送材料の一例(P1〜P27)を以下に挙げるが、形式は単重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体の形式であっても、これに限定されるものではない。
電荷輸送材料の量はバインダー樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。電荷輸送層形成で用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。
感光層が、電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層及び架橋表面層の場合、感光層の下層部分は電荷発生機能を有する電荷発生物質と電荷輸送機能を有する電荷輸送物質とバインダー樹脂を適当な溶媒に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤等を添加することもできる。電荷発生物質の分散方法、それぞれ電荷発生物質、電荷輸送物質は前記電荷発生層、電荷輸送層において既に述べたものと同様なものが使用できる。バインダー樹脂としては、先に電荷輸送層の項で挙げたバインダー樹脂のほかに、電荷発生層で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよい。また、先に挙げた高分子電荷輸送物質も使用可能で、架橋表面層への下層感光層組成物の混入を低減できる点で有用である。
電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層中に含有される電荷発生物質は、層全量に対し1〜30重量%が好ましく、バインダー樹脂は全量の20〜80重量%、電荷輸送物質は10〜70重量%が良好に用いられる。
また、感光層が、電荷輸送層及び電荷発生層を兼ねた架橋表面層の構成の場合、架橋表面層には低分子電荷輸送物質を含有させることができる。
架橋表面層に併用できる低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
架橋表面層に併用できる低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
正孔輸送物質としては、以下に表わされる電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。正孔輸送物質としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
架橋表面層としては電荷輸送層等よりも上層に形成されるため、当然400〜450nm波長域範囲の単色照射光をできるだけ吸収しないことが必要である。
架橋表面層を少なくとも硬化型樹脂からなる層で構成するには、材料の分野で知られている種々の架橋反応がある。反応としては、ラジカル重合、イオン重合、熱重合、光重合、放射線重合などがよく知られている。本発明では、熱又は/及び光を用いたラジカル重合が好ましい。
架橋表面層には電荷輸送機能を併せて持たせるために電荷輸送機能を有する材料を架橋反応させるとよい。これらについては後に詳述する。
また、表面エネルギーの低い硬化した架橋表面層を実現させるために、たとえば、特開平11−95474号公報、特開2000−131860号公報などに開示される方法でシリコーン構造、パーフルオロアルキル構造、長鎖アルキル構造などを有する材料を架橋反応させてもよい。
感光体の摩耗性を制御する機構としては、特開平8−20226、特開平11−212398、特開平11−219087、特開平11−311928、特開2000−047523、特開2000−098838、特開2000−147946号公報などに記載の方法がある。これらの中には潤滑剤としてステアリン酸亜鉛、シリコーンオイル、フッ素系のオイル、フッ素を含有する高分子などが例示され、これら潤滑剤を感光体表面に塗布および、または供給し極薄膜を形成することにより低表面エネルギーとし、低摩耗および高画質な電子写真装置が提供される。
本発明は、感光層の最表面層として電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を含有する塗工液を塗布、硬化した架橋表面層を設けたものであり、高耐久性を有し、かつ長期間にわたり高画質化を実現する電子写真感光体が達成されるものである。
この理由としては以下の要因が挙げられる。
本発明の感光体は、3官能以上のラジカル重合性モノマーを用いることにより3次元の網目構造が発達し、架橋度が非常に高い高硬度表面層が得られ、高い耐摩耗性が達成される。これに対し、1官能及び2官能のラジカル重合性モノマーのみを用いた場合は、架橋表面層中の架橋結合が希薄となり飛躍的な耐摩耗性向上が達成されない。架橋表面層を形成する塗布液に高分子材料が含有されている場合、3次元網目構造の発達が阻害され架橋度の低下が起こり、本発明に比べ充分な耐摩耗性が得られない。更に、含有される高分子材料とラジカル重合性組成物(ラジカル重合性モノマーや電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物)の反応より生じた硬化物との相溶性が悪く、相分離から局部的な摩耗が生じ、表面の傷となって現れる。また、本発明の架橋表面層の塗工液は1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を含有しており、これが上記3官能以上のラジカル重合性モノマー硬化時に架橋結合中に取り込まれる。これに対し、官能基を有しない低分子電荷輸送物質を架橋表面層中に含有させた場合、その相溶性の低さから低分子電荷輸送物質の析出や白濁現象が起こり、架橋表面層の機械的強度も低下する。2官能以上の電荷輸送性化合物を用いた場合は複数の結合で架橋構造中に固定されるが、電荷輸送性構造が非常に嵩高いため硬化樹脂中に歪みが発生し架橋表面層の内部応力が高くなり、キャリア付着等でクラックや傷の発生が頻発する。
本発明の感光体は、3官能以上のラジカル重合性モノマーを用いることにより3次元の網目構造が発達し、架橋度が非常に高い高硬度表面層が得られ、高い耐摩耗性が達成される。これに対し、1官能及び2官能のラジカル重合性モノマーのみを用いた場合は、架橋表面層中の架橋結合が希薄となり飛躍的な耐摩耗性向上が達成されない。架橋表面層を形成する塗布液に高分子材料が含有されている場合、3次元網目構造の発達が阻害され架橋度の低下が起こり、本発明に比べ充分な耐摩耗性が得られない。更に、含有される高分子材料とラジカル重合性組成物(ラジカル重合性モノマーや電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物)の反応より生じた硬化物との相溶性が悪く、相分離から局部的な摩耗が生じ、表面の傷となって現れる。また、本発明の架橋表面層の塗工液は1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を含有しており、これが上記3官能以上のラジカル重合性モノマー硬化時に架橋結合中に取り込まれる。これに対し、官能基を有しない低分子電荷輸送物質を架橋表面層中に含有させた場合、その相溶性の低さから低分子電荷輸送物質の析出や白濁現象が起こり、架橋表面層の機械的強度も低下する。2官能以上の電荷輸送性化合物を用いた場合は複数の結合で架橋構造中に固定されるが、電荷輸送性構造が非常に嵩高いため硬化樹脂中に歪みが発生し架橋表面層の内部応力が高くなり、キャリア付着等でクラックや傷の発生が頻発する。
更に、本発明の感光体は良好な電気的特性を有し、このため長期間にわたり高画質化が実現される。これは1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を用い、架橋結合間にペンダント状に固定化したことに起因する。上記のように官能基を有しない電荷輸送物質は析出、白濁現象が起こり、感度の低下、残留電位の上昇等繰り返し使用における劣化が著しい。2官能以上の電荷輸送性化合物を用いた場合は複数の結合で架橋構造中に固定されるため、電荷輸送時の中間体構造(カチオンラジカル)が安定して保てず、電荷のトラップによる感度の低下、残留電位の上昇が起こる。これらの電気的特性の劣化は、画像濃度低下、文字の細り等の画像として現れる。
更に、本発明の感光体においては、架橋表面層の表面粗さRzが1μm以下のときに先に示した効果が充分に発揮される。表面粗さRzが1μmを上回る場合、クリーニングブレードにおいて微小なトナーのすり抜けが発生しやすくなり、地肌汚れ、スジ状画像の原因となる。また、膜の強度が高いことで摩耗が少なく、凹部に付着した紙粉、帯電器から発生した酸化性ガス及び感光体表面の劣化物の充分に除去できない場合がある。このため高湿環境で画像流れ、文字太りが起こりやすくなる。
次に本発明の架橋表面層塗布液の構成材料について説明する。
本発明に用いられる電荷輸送性を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有するアクセプターユニットなどの電子輸送構造を有しておらず、且つラジカル重合性官能基を3個以上有する単量体を指す。このラジカル重合性官能基としては、(1)ビニル基に芳香環やオレフィン基(スチレン、イソプレンなど)、カルボニル基(ビニルケトン、アクリル誘導体)、シアノ基(アクリルニトリル)、チオエーテル基(ビニルスルフィド)などの置換基が結合した1−置換エチレン、(2)塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、メタクリル酸エステル、メタクリルアミド、α−シアノアクリル酸エステルなどの1,1−ジ置換オレフィン、(3)炭酸ビニレン、マレイミド誘導体、ジフルオロエチレンなどの特殊な1,2−ジ置換オレフィン、(4)ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン化合物が挙げられ、異種の置換基を混合して用いてもよい。これらのラジカル重合性官能基の中で特にアクリレート、メタクリレートが有用である。
本発明に用いられる電荷輸送性を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有するアクセプターユニットなどの電子輸送構造を有しておらず、且つラジカル重合性官能基を3個以上有する単量体を指す。このラジカル重合性官能基としては、(1)ビニル基に芳香環やオレフィン基(スチレン、イソプレンなど)、カルボニル基(ビニルケトン、アクリル誘導体)、シアノ基(アクリルニトリル)、チオエーテル基(ビニルスルフィド)などの置換基が結合した1−置換エチレン、(2)塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、メタクリル酸エステル、メタクリルアミド、α−シアノアクリル酸エステルなどの1,1−ジ置換オレフィン、(3)炭酸ビニレン、マレイミド誘導体、ジフルオロエチレンなどの特殊な1,2−ジ置換オレフィン、(4)ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン化合物が挙げられ、異種の置換基を混合して用いてもよい。これらのラジカル重合性官能基の中で特にアクリレート、メタクリレートが有用である。
電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとしては、以下のものが例示されるが、これらの化合物に限定されるものではない。
トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、ECH変性グリセロールトリアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、PO変性グリセロールトリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどである。単独又は2種類以上を併用してもよい。通常3官能以上のモノマーを複数混合して用いる。
トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、ECH変性グリセロールトリアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、PO変性グリセロールトリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどである。単独又は2種類以上を併用してもよい。通常3官能以上のモノマーを複数混合して用いる。
本発明に用いられる3官能以上の電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーのうち、前記一般式(A)で表わされるアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基のラジカル重合性官能基を5個以上有するモノマーが、少なくとも一種含有されることが発明の目的を達成するために好ましい。
また、前記一般式(A)中のR77は、本発明の目的を達成するために、単結合、ヒドロキシ基置換アルキレンエーテル基が好ましい。
また、前記一般式(A)中のR77は、本発明の目的を達成するために、単結合、ヒドロキシ基置換アルキレンエーテル基が好ましい。
5個以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物は、例えば水酸基がその分子中に5個以上ある化合物とアクリル酸(塩)、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステルを用い、エステル反応あるいはエステル交換反応させることにより得ることができる。また、5個以上のメタクリロイルオキシ基を有する化合物も同様にして得ることができる。また、ラジカル重合性官能基を5個以上有する単量体中のラジカル重合性官能基は、同一でも異なってもよい。
前記一般式(A)で表わされる電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーとしてはR71〜R76に関して、3個のアクリロイルオキシ基及び3個の水素基を有する化合物、4個のアクリロイルオキシ基及び2個の水素基を有する化合物、5個のアクリロイルオキシ基及び1個の水素基を有する化合物、6個のアクリロイルオキシ基を有する化合物、3個のメタクリロイルオキシ基及び3個の水素基を有する化合物、4個のメタクリロイルオキシ基及び2個の水素基を有する化合物、5個のメタクリロイルオキシ基及び1個の水素基を有する化合物、6個のメタクリロイルオキシ基を有する化合物などが例示でき、さらに詳しくは以下のものが例示されるが、これらの化合物に限定されるものではない。
これらは、単独又は2種類以上を併用しても差し支えない。
これらのモノマーは収率が優れる、製造コストが低い及び生産性が高いなどの理由から多価アルコールのエステル化により製造されることが例示でき、さらに、これらのモノマーを2種以上、さらに詳しくは2種、3種又は4種を併用する場合であって、6個のラジカル重合性官能基を有するモノマーを用いるときには、収率が優れるという点で、エステル化により6個のラジカル重合性官能基を有するモノマー、及びエステル化されずに水素基が残存した5個以下のラジカル重合性官能基を有するモノマーとの混合物を用いることが好ましい。更にその配合率は、同様に収率が優れるという点で該6個のラジカル重合性官能基を有するモノマーを20〜99重量%含有することが好ましく、より好ましくは30〜97重量%、更に好ましくは40〜95重量%である。同様の理由により、5個のラジカル重合性官能基を有するモノマーを用いるときには、このモノマーを20〜99重量%含有することが好ましく、より好ましくは30〜97重量%、さらに好ましくは40〜95重量%であり、同様の理由により4個のラジカル重合性官能基を有するモノマーを用いるときには、このモノマーを0.01〜30重量%含有することが好ましく、より好ましくは0.1〜20重量%、更に好ましくは3〜5重量%であり、同様の理由により3個のラジカル重合性官能基を有するモノマーを用いるときには、このモノマーを0.01〜30重量%含有することが好ましく、より好ましくは0.1〜20重量%、更に好ましくは3〜5重量%である。
これらのモノマーは収率が優れる、製造コストが低い及び生産性が高いなどの理由から多価アルコールのエステル化により製造されることが例示でき、さらに、これらのモノマーを2種以上、さらに詳しくは2種、3種又は4種を併用する場合であって、6個のラジカル重合性官能基を有するモノマーを用いるときには、収率が優れるという点で、エステル化により6個のラジカル重合性官能基を有するモノマー、及びエステル化されずに水素基が残存した5個以下のラジカル重合性官能基を有するモノマーとの混合物を用いることが好ましい。更にその配合率は、同様に収率が優れるという点で該6個のラジカル重合性官能基を有するモノマーを20〜99重量%含有することが好ましく、より好ましくは30〜97重量%、更に好ましくは40〜95重量%である。同様の理由により、5個のラジカル重合性官能基を有するモノマーを用いるときには、このモノマーを20〜99重量%含有することが好ましく、より好ましくは30〜97重量%、さらに好ましくは40〜95重量%であり、同様の理由により4個のラジカル重合性官能基を有するモノマーを用いるときには、このモノマーを0.01〜30重量%含有することが好ましく、より好ましくは0.1〜20重量%、更に好ましくは3〜5重量%であり、同様の理由により3個のラジカル重合性官能基を有するモノマーを用いるときには、このモノマーを0.01〜30重量%含有することが好ましく、より好ましくは0.1〜20重量%、更に好ましくは3〜5重量%である。
さらに詳しくは、同様の理由により5個のアクリロイルオキシ基及び1個の水素基を有する化合物30〜70重量%、好ましくは40〜60重量%並びに6個のアクリロイルオキシ基を有する化合物70〜30重量%、好ましくは60〜40重量%を含有する混合物、5個のアクリロイルオキシ基及び1個の水素基を有する化合物30〜65重量%、好ましくは40〜55重量%、6個のアクリロイルオキシ基を有する化合物65〜30重量%、好ましくは55〜40重量%、並びに、以下に列挙する化合物の中から選択される1種、2種、3種又は4種が0.01〜5重量%、好ましくは1〜3重量%を含有する混合物、
・1個のアクリロイルオキシ基及び5個の水素基を有する化合物
・2個のアクリロイルオキシ基及び4個の水素基を有する化合物
・3個のアクリロイルオキシ基及び3個の水素基を有する化合物
・4個のアクリロイルオキシ基及び2個の水素基を有する化合物
5個のメタクリロイルオキシ基及び1個の水素基を有する化合物30〜70重量%、好ましくは40〜60重量%並びに6個のメタクリロイルオキシ基を有する化合物70〜30重量%、好ましくは60〜40重量%を含有する混合物、5個のメタクリロイルオキシ基及び1個の水素基を有する化合物30〜65重量%、好ましくは40〜55重量%、6個のメタクリロイルオキシ基を有する化合物65〜30重量%、好ましくは55〜40重量%、並びに、以下に列挙する化合物の中から選択される1種、2種、3種又は4種が0.01〜5重量%、好ましくは1〜3重量%を含有する混合物が例示できる。
・1個のメタクリロイルオキシ基及び5個の水素基を有する化合物
・2個のメタクリロイルオキシ基及び4個の水素基を有する化合物
・3個のメタクリロイルオキシ基及び3個の水素基を有する化合物
・4個のメタクリロイルオキシ基及び2個の水素基を有する化合物
・1個のアクリロイルオキシ基及び5個の水素基を有する化合物
・2個のアクリロイルオキシ基及び4個の水素基を有する化合物
・3個のアクリロイルオキシ基及び3個の水素基を有する化合物
・4個のアクリロイルオキシ基及び2個の水素基を有する化合物
5個のメタクリロイルオキシ基及び1個の水素基を有する化合物30〜70重量%、好ましくは40〜60重量%並びに6個のメタクリロイルオキシ基を有する化合物70〜30重量%、好ましくは60〜40重量%を含有する混合物、5個のメタクリロイルオキシ基及び1個の水素基を有する化合物30〜65重量%、好ましくは40〜55重量%、6個のメタクリロイルオキシ基を有する化合物65〜30重量%、好ましくは55〜40重量%、並びに、以下に列挙する化合物の中から選択される1種、2種、3種又は4種が0.01〜5重量%、好ましくは1〜3重量%を含有する混合物が例示できる。
・1個のメタクリロイルオキシ基及び5個の水素基を有する化合物
・2個のメタクリロイルオキシ基及び4個の水素基を有する化合物
・3個のメタクリロイルオキシ基及び3個の水素基を有する化合物
・4個のメタクリロイルオキシ基及び2個の水素基を有する化合物
また、本発明に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとしては、架橋表面層中に緻密な架橋結合を形成するために官能基割合(分子量/官能基数)が250以下であることが望ましい。また、架橋表面層塗布液中の電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーの含有量は、全固形分に対し20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%である。含有量が20重量%未満では架橋表面層の3次元架橋結合密度が少なく、従来の熱可塑性バインダー樹脂を用いた場合に比べ飛躍的な耐摩耗性向上が達成されない。また、80重量%を超えると電荷輸送性化合物の含有量が低下し、電気的特性の劣化が生じる。使用されるプロセスによって要求される耐摩耗性や電気特性が異なるため一概には言えないが、両特性のバランスを考慮すると30〜70重量%の範囲が最も好ましい。
本発明に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有するアクセプターユニットなどの電子輸送構造を有しており、且つ1個のラジカル重合性官能基を有する化合物を指す。このラジカル重合性官能基としては、先のラジカル重合性モノマーで示したものが挙げられ、特にアクリレート、メタクリレートが有用である。また、電荷輸送性構造としてはトリアリールアミノ構造が効果が高く、中でも一般式(23)又は(24)の構造で示される化合物を用いた場合、感度、残留電位等の電気的特性が良好に持続される。
一般式(23)、(24)の具体例:
前記一般式(23)、(24)において、Ar3、Ar4は置換もしくは無置換のアリール基を表わし、アリール基としては縮合多環式炭化水素基、非縮合環式炭化水素基及び複素環基が挙げられる。
該縮合多環式炭化水素基としては、好ましくは環を形成する炭素数が18個以下のもの例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、及びナフタセニル基等が挙げられる。
前記一般式(23)、(24)において、Ar3、Ar4は置換もしくは無置換のアリール基を表わし、アリール基としては縮合多環式炭化水素基、非縮合環式炭化水素基及び複素環基が挙げられる。
該縮合多環式炭化水素基としては、好ましくは環を形成する炭素数が18個以下のもの例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、及びナフタセニル基等が挙げられる。
該非縮合環式炭化水素基としては、ベンゼン、ジフェニルエーテル、ポリエチレンジフェニルエーテル、ジフェニルチオエーテル及びジフェニルスルホン等の単環式炭化水素化合物の1価基、あるいはビフェニル、ポリフェニル、ジフェニルアルカン、ジフェニルアルケン、ジフェニルアルキン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン、1,1−ジフェニルシクロアルカン、ポリフェニルアルカン、及びポリフェニルアルケン等の非縮合多環式炭化水素化合物の1価基、あるいは9,9−ジフェニルフルオレン等の環集合炭化水素化合物の1価基が挙げられる。
複素環基としては、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、及びチアジアゾール等の1価基が挙げられる。
複素環基としては、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、及びチアジアゾール等の1価基が挙げられる。
また、前記Ar3、Ar4で表わされるアリール基は例えば以下に示すような置換基を有してもよい。
(1)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等。
(2)アルキル基、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で、置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(1)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等。
(2)アルキル基、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で、置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR2)であり、R2は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基であり、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
(5)アルキルメルカプト基またはアリールメルカプト基であり、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基であり、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
(5)アルキルメルカプト基またはアリールメルカプト基であり、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)
(式中、R3及びR4は各々独立に水素原子、(2)で定義したアルキル基、またはアリール基を表わす。アリール基としては、例えばフェニル基、ビフェニル基又はナフチル基が挙げられ、これらはC1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。R3及びR4は共同で環を形成してもよい。)
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
(7)メチレンジオキシ基、又はメチレンジチオ基等のアルキレンジオキシ基又はアルキレンジチオ基等が挙げられる。
(8)置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等。
(8)置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等。
前記Ar1、Ar2で表わされるアリーレン基としては、前記Ar3、Ar4で表わされるアリール基から誘導される2価基である。
前記Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。
前記Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。
置換もしくは無置換のアルキレン基としては、C1〜C12、好ましくはC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキレン基であり、これらのアルキレン基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチレン基、エチレン基、n−ブチレン基、i−プロピレン基、t−ブチレン基、s−ブチレン基、n−プロピレン基、トリフルオロメチレン基、2−ヒドロキエチレン基、2−エトキシエチレン基、2−シアノエチレン基、2−メトキシエチレン基、ベンジリデン基、フェニルエチレン基、4−クロロフェニルエチレン基、4−メチルフェニルエチレン基、4−ビフェニルエチレン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のシクロアルキレン基としては、C5〜C7の環状アルキレン基であり、これらの環状アルキレン基にはフッ素原子、水酸基、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基を有していてもよい。具体的にはシクロヘキシリデン基、シクロへキシレン基、3,3−ジメチルシクロヘキシリデン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコールを表わし、アルキレンエーテル基アルキレン基はヒドロキシル基、メチル基、エチル基等の置換基を有してもよい。
ビニレン基は、
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコールを表わし、アルキレンエーテル基アルキレン基はヒドロキシル基、メチル基、エチル基等の置換基を有してもよい。
ビニレン基は、
前記Zは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、アルキレンオキシカルボニル基を表わす。
置換もしくは無置換のアルキレン基としは、前記Xのアルキレン基と同様なものが挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、前記Xのアルキレンエーテル基が挙げられる。
アルキレンオキシカルボニル基としては、カプロラクトン変性基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレン基としは、前記Xのアルキレン基と同様なものが挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、前記Xのアルキレンエーテル基が挙げられる。
アルキレンオキシカルボニル基としては、カプロラクトン変性基等が挙げられる。
本発明に用いる電荷輸送性構造を有する1官能ラジカル重合性化合物の具体例を以下に示すが、これらの構造の化合物に限定されるものではない。
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の具体例(No.1〜160)
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の具体例(No.1〜160)
また、本発明に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物は、架橋表面層の電荷輸送性能を付与するために重要で、架橋表面層塗工液の全固形分に対し20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%が含有される。含有量が20重量%未満では架橋表面層の電荷輸送性能が充分に保てず、繰り返しの使用で感度低下、残留電位上昇などの電気特性の劣化が現れる。また、80重量%を超えると電荷輸送構造を有しない3官能モノマーの含有量が低下し、架橋結合密度の低下を招き高い耐摩耗性が発揮されない。使用されるプロセスによって要求される電気特性や耐摩耗性が異なるため一概には言えないが、両特性のバランスを考慮すると30〜70重量%の範囲が最も好ましい。
先に述べたように、2官能以上の電荷輸送構造を有するラジカル重合性モノマーは、電荷移動のトラップや架橋膜の内部応力増加の原因となるため、含有させない方が望ましい。
先に述べたように、2官能以上の電荷輸送構造を有するラジカル重合性モノマーは、電荷移動のトラップや架橋膜の内部応力増加の原因となるため、含有させない方が望ましい。
本発明の表面層は、少なくとも前記一般式(A)で表わされる電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物を硬化させた架橋表面層であるが、表面層の塗工時の粘度調整、架橋表面層の応力緩和、低表面自由エネルギー化や摩擦係数低減などの機能付与の目的で1〜4官能のラジカル重合性モノマー及びラジカル重合性オリゴマーを併用することができる。この併用により、電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー又は表面層用塗工液の低粘度化により塗膜の平滑性が向上し、ひいては架橋表面層の平滑化、歪み低減が図られる。これにより実使用上において、クリーニング性向上やクラック抑制に繋がる。この理由により、3官能のラジカル重合性モノマーの併用が好ましい。これらのラジカル重合性モノマー、オリゴマーとしては、公知のものが利用でき、これらのラジカル重合性モノマー、オリゴマーの割合は、架橋表面層全量に対し1〜80重量%が好ましく、より好ましくは5〜60重量%、更に好ましく10〜40重量%はである。更に、これらのラジカル重合性モノマーの粘度としては1000mPa・s、25℃以下が好ましく、より好ましくは800mPa・s、25℃以下が例示できる。
本発明の架橋表面層塗工液は、電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を含有したものであるが、これ以外に塗工液の粘度調整、架橋表面層の応力緩和、低表面エネルギー化や摩擦係数低減などの機能付与の目的で1官能及び2官能のラジカル重合性モノマー、機能性モノマー及びラジカル重合性オリゴマーを併用することができる。
これらのラジカル重合性モノマー、オリゴマーとしては、公知のものが利用でき、例えば、1官能のラジカルモノマーとしては、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソブチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールアクリレート、セチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ステアリルアクリレート、スチレンモノマーなど、2官能のラジカル重合性モノマーとしては、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、EO変性ビスフェノールFジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどが挙げられる。
機能性モノマーとしては、オクタフルオロペンチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、2−パーフルオロイソノニルエチルアクリレートなどのフッ素原子を置換したもの、特公平5−60503号公報、特公平6−45770号公報記載のシロキサン繰り返し単位:20〜70のアクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、メタクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、アクリロイルポリジメチルシロキサンプロピル、アクリロイルポリジメチルシロキサンブチル、ジアクリロイルポリジメチルシロキサンジエチルなどのポリシロキサン基を有するビニルモノマー、アクリレート及びメタクリレートが挙げられる。
ラジカル重合性オリゴマーとしては、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系オリゴマーが挙げられる。
但し、1官能及び2官能のラジカル重合性モノマーやラジカル重合性オリゴマーを多量に含有させると架橋表面層の3次元架橋結合密度が実質的に低下し、耐摩耗性の低下を招く。このためこれらのモノマーやオリゴマーの含有量は、3官能以上のラジカル重合性モノマー100重量部に対し20重量部以下が好ましく、より好ましくは10重量部以下に制限される。
但し、1官能及び2官能のラジカル重合性モノマーやラジカル重合性オリゴマーを多量に含有させると架橋表面層の3次元架橋結合密度が実質的に低下し、耐摩耗性の低下を招く。このためこれらのモノマーやオリゴマーの含有量は、3官能以上のラジカル重合性モノマー100重量部に対し20重量部以下が好ましく、より好ましくは10重量部以下に制限される。
また、本発明の架橋表面層はラジカル重合性モノマーを含有した塗工液を塗布後、外部からエネルギーを与え硬化させるものであるが、必要に応じてこの架橋反応を効率よく進行させるために塗工液中に重合開始剤が含有される。
熱重合開始剤としては、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルベルオキサイド、t−ブチルヒドロベルオキサイド、クメンヒドロベルオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどの過酸化物系開始剤、アゾビスイソブチルニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸などのアゾ系開始剤が挙げられる。
光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、などのアセトフェノン系またはケタール系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、などのベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン、などのベンゾフェノン系光重合開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、などのチオキサントン系光重合開始剤、その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物、が挙げられる。また、光重合促進効果を有するものを単独または上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。
例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、などが挙げられる。
例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、などが挙げられる。
これらの重合開始剤は1種又は2種以上を混合して用いてもよい。重合開始剤の含有量は、ラジカル重合性を有する総含有物100重量部に対し、0.5〜40重量部が好ましく、より好ましくは1〜20重量部である。
更に、本発明の塗工液は必要に応じて各種可塑剤(応力緩和や接着性向上の目的)、レベリング剤、ラジカル反応性を有しない低分子電荷輸送物質などの添加剤が含有できる。
これらの添加剤は公知のものが使用可能であり、可塑剤としてはジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂に使用されているものが利用可能で、その使用量は塗工液の総固形分に対し20重量%以下が好ましく、より好ましくは10重量%以下に抑えられる。また、レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが利用でき、その使用量は塗工液の総固形分に対し3重量%以下が適当である。
これらの添加剤は公知のものが使用可能であり、可塑剤としてはジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂に使用されているものが利用可能で、その使用量は塗工液の総固形分に対し20重量%以下が好ましく、より好ましくは10重量%以下に抑えられる。また、レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが利用でき、その使用量は塗工液の総固形分に対し3重量%以下が適当である。
本発明の架橋表面層塗工液は、ラジカル重合性モノマーが液体である場合、これに他の成分を溶解して塗布することも可能であるが、必要に応じて溶媒により希釈して塗布される。このとき用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン,シクロヘキサノンなどのケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテルなどのエーテル系、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン系、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテートなどのセロソルブ系などが挙げられる。これらの溶媒は単独または2種以上を混合して用いてもよい。溶媒による希釈率は組成物の溶解性、塗工法、目的とする膜厚により変わり、任意である。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行なうことができる。
本発明においては、かかる塗工液を塗布後、外部からエネルギーを与え硬化させ、架橋表面層を形成するものであるが、このとき用いられる外部エネルギーとしては熱、光、放射線がある。熱のエネルギーを加える方法としては、空気、窒素などの気体、蒸気、あるいは各種熱媒体を用い塗工表面側あるいは支持体側から加熱することによって行なわれる。加熱温度は100℃以上、170℃以下が好ましく、100℃未満では反応速度が遅く、完全に反応が終了しない。170℃より高温では反応が不均一に進行し架橋表面層中に大きな歪みが発生する。硬化反応を均一に進めるために、100℃未満の比較的低温で加熱後、更に100℃以上に加温し反応を完結させる方法も有効である。
光のエネルギーとしては主に紫外光に発光波長をもつ高圧水銀灯やメタルハライドランプなどのUV照射光源が利用できるが、ラジカル重合性含有物や光重合開始剤の吸収波長に合わせ可視光光源の選択も可能である。照射光量は50mW/cm2以上、1000mW/cm2以下が好ましく、50mW/cm2未満では硬化反応に時間を要する。1000mW/cm2より強いと反応の進行が不均一となり、架橋表面層の荒れが激しくなる。放射線のエネルギーとしては電子線を用いるものが挙げられる。これらのエネルギーの中で、反応速度制御の容易さ、装置の簡便さから熱及び光のエネルギーを用いたものが有用である。
本発明の架橋表面層の膜厚は、感光層の層構造で述べたように、架橋表面層が用いられる感光体の層構造によって異なる。
本発明は更に架橋表面層の表面粗さRzが1μm以下であることが好ましい。架橋表面層が摩耗耐久性と共に高い平滑性を有するため、高い画像品質が長期にわたって形成可能である。
本発明の架橋表面層の表面粗さRzは、JIS B0601−1994規格に準じて測定された十点平均粗さであり、本発明ではサーフコム1400D(東京精密製)を用いて測定しているが、これと同等の性能を有するいかなる装置で測定された値でもよい。
本発明は更に架橋表面層の表面粗さRzが1μm以下であることが好ましい。架橋表面層が摩耗耐久性と共に高い平滑性を有するため、高い画像品質が長期にわたって形成可能である。
本発明の架橋表面層の表面粗さRzは、JIS B0601−1994規格に準じて測定された十点平均粗さであり、本発明ではサーフコム1400D(東京精密製)を用いて測定しているが、これと同等の性能を有するいかなる装置で測定された値でもよい。
架橋表面層の表面粗さは、(1)架橋表面層塗工液に含有される組成物、それらの含有割合、(2)塗工液の希釈溶媒、固形分濃度、(3)塗工方法、(4)硬化手段、条件、(5)下層の溶解性、などによって影響を受け、またそれらが相互に関係するためその方向性は一様でないが、以下のような傾向がみられる。
架橋表面層塗工液に含有される組成物については、2官能以上の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を含有すると、電荷輸送性構造の嵩高さから硬化反応時に内部応力が発生し表面に凹凸が発生しやすくなる。また、塗工液にバインダー樹脂などの高分子材料を含有させると、ラジカル重合性組成物(ラジカル重合性モノマー及び電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物)の硬化反応より生成した高分子との相溶性の悪さから相分離が生じ、架橋層表面の凹凸が激しくなる。これらの点で塗工液中に2官能以上の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物やバインダー樹脂などの高分子材料を含有させることは好ましくない。
塗工液の希釈溶媒については、下層を容易に溶解する溶媒を多量に用いると下層の樹脂バインダーや低分子電荷輸送物質などの組成物が架橋表面層に混入し、硬化反応の妨げになるばかりでなく、上記と同様な理由から架橋表面の乱れの原因となる。逆に、下層を全く溶解しない溶媒を使用した場合、架橋表面層と下層の接着性が低下し、硬化反応時の体積収縮から架橋表面層にクレーター状のはじきが現れ凹凸が激しくなる。これらの対策としては、混合溶媒を使用し下層の溶解性をコントロールする、液組成や塗工法により塗工最表面層に含有される溶媒量を低減する、下層に高分子電荷輸送物質などを用い下層成分の混入を抑える、下層と架橋表面層の間に溶解性の低い中間層や良好な接着性の中間層を設ける、などが挙げられる。
本発明の架橋表面層においては、電気的特性を維持するため嵩高い電荷輸送性構造を含有させ且つ高強度化のため架橋結合密度を高める必要がある。このような塗工表面層の硬化にあたっては、非常に高いエネルギーを外部から加え急激に反応を進めると、硬化が不均一に進行し架橋膜表面の凹凸が激しくなる。このため加熱条件、光の照射強度、重合開始剤量により反応速度制御が可能な熱や光の外部エネルギーを用いたものが好ましい。
<中間層について>
本発明の感光体においては、架橋表面層が感光層の表面部分となる場合、架橋表面層と下層感光層との間に中間層を設けることが可能である。この中間層はラジカル重合性組成物を含有する架橋表面層中に下層感光層組成物の混入により生ずる、硬化反応の阻害や架橋表面層の凹凸を防止する。また、下層感光層と架橋表面層の接着性を向上させることも可能である。
本発明の感光体においては、架橋表面層が感光層の表面部分となる場合、架橋表面層と下層感光層との間に中間層を設けることが可能である。この中間層はラジカル重合性組成物を含有する架橋表面層中に下層感光層組成物の混入により生ずる、硬化反応の阻害や架橋表面層の凹凸を防止する。また、下層感光層と架橋表面層の接着性を向上させることも可能である。
中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく一般に用いられる塗工法が採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
<各層への酸化防止剤の添加について>
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、架橋表面層、感光層、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、中間層等の各層に酸化防止剤を添加することができる。
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、架橋表面層、感光層、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、中間層等の各層に酸化防止剤を添加することができる。
本発明に用いることができる酸化防止剤として、下記のものが挙げられる。
◎フェノ−ル系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、トコフェロール類など。
◎フェノ−ル系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、トコフェロール類など。
◎パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
◎ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
◎ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
◎有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネ−ト、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
◎有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネ−ト、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
◎有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
本発明における酸化防止剤の添加量は、添加する層の総重量に対して0.01〜10重量%が好ましい。
本発明における酸化防止剤の添加量は、添加する層の総重量に対して0.01〜10重量%が好ましい。
<画像形成方法及び装置について>
次に図面に基づいて本発明の画像形成方法ならびに画像形成装置を詳しく説明する。
本発明の画像形成方法ならびに画像形成装置とは、平滑な電荷輸送性架橋表面層を有する感光体を用い、例えば少なくとも感光体に帯電、画像露光、潜像形成、現像の過程を経た後、画像保持体(転写紙)へのトナー画像の転写、定着というプロセスよりなる画像形成方法ならびに画像形成装置である。
次に図面に基づいて本発明の画像形成方法ならびに画像形成装置を詳しく説明する。
本発明の画像形成方法ならびに画像形成装置とは、平滑な電荷輸送性架橋表面層を有する感光体を用い、例えば少なくとも感光体に帯電、画像露光、潜像形成、現像の過程を経た後、画像保持体(転写紙)へのトナー画像の転写、定着というプロセスよりなる画像形成方法ならびに画像形成装置である。
図6は、画像形成装置の一例を示す概略図である。感光体を平均的に帯電させる手段として、帯電チャージャ(3)が用いられる。この帯電手段としては、コロトロンデバイス、スコロトロンデバイス、固体放電素子、針電極デバイス、ローラー帯電デバイス、導電性ブラシデバイス等が用いられ、公知の方式が全て使用可能である。
次に、均一に帯電された感光体上に静電潜像を形成するために画像露光部(5)が用いられる。画像露光手段としては、書き込み光源の波長が400〜450nmの範囲に発振波長を有する半導体レーザもしくは発光ダイオードが使用された物である。半導体レーザを使用した場合、像露光手段の主要構成は半導体レーザ(LD)、アパーチャー、コリメートレンズ、主CYL、副CYL、ポリゴンミラー、走査レンズ1、走査レンズ2、ミラーから構成される。LDの制御は画周波数65MHz以上であり、好ましくは100MHz以上であり、さらに好ましくは130MHz以上である。また、温度補償制御がされ、ポリゴンミラーの回転数は50Krpm以上好ましくは60Krpm以上である。光源はマルチビームで使用されるのが好ましく、少なくとも2チャンネル、好ましくは4チャンネル以上が使用される。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
次に、感光体上に形成された静電潜像を可視化するために現像ユニットが用いられる。
現像手段としては、従来公知の現像装置が使用できる。乾式トナーを用いた一成分現像法、二成分現像法、湿式トナーを用いた湿式現像法がある。感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。例えば、乾式トナーを用いた接触現像方式や非接触現像方式が挙げられる。非接触現像方式とは電子写真感光体と現像剤担持体の間に現像剤層厚以上の間隙を空け、電界を印加し、顕画化する方法をいう。現像電圧はDCあるいはACあるいはDC+ACでもよい。AC現像とは電子写真感光体と現像剤担持体を対向させ交互電界を印加して顕画化する方法をいう。
現像手段としては、従来公知の現像装置が使用できる。乾式トナーを用いた一成分現像法、二成分現像法、湿式トナーを用いた湿式現像法がある。感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。例えば、乾式トナーを用いた接触現像方式や非接触現像方式が挙げられる。非接触現像方式とは電子写真感光体と現像剤担持体の間に現像剤層厚以上の間隙を空け、電界を印加し、顕画化する方法をいう。現像電圧はDCあるいはACあるいはDC+ACでもよい。AC現像とは電子写真感光体と現像剤担持体を対向させ交互電界を印加して顕画化する方法をいう。
その際、使用されるトナーの平均粒径は2〜8μmが好ましく、粉砕型トナーであっても重合型トナーであってもよい。重合トナーの場合、モノマー及び着色剤を含有する組成物、もしくはプレポリマー及び着色剤を含有する組成物を液体媒体中で重合する方法により生成されたトナー、または必要に応じそのトナーを物理的又は化学的に処理したトナー及びこれらのトナーを含有する現像剤を表わす。
次に、感光体上で可視化されたトナー像を転写体に転写するために転写チャージャ(10)が用いられる。また、転写をより良好に行なうために転写前チャージャ(7)を用いてもよい。これらの転写手段としては、転写チャージャ、バイアスローラーを用いる静電転写方式、粘着転写法、圧力転写法等の機械転写方式、磁気転写方式が利用可能である。静電転写方式としては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、転写体を感光体より分離する手段として分離チャージャ(11)、分離爪(12)が用いられる。その他分離手段としては、静電吸着誘導分離、側端ベルト分離、先端グリップ搬送、曲率分離、等が用いられる。分離チャージャとしては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、転写後感光体上に残されたトナーをクリーニングするためにファーブラシ(14)、クリーニングブレード(15)が用いられる。また、クリーニングをより効率的に行なうためにクリーニング前チャージャ(13)を用いてもよい。その他クリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独でまた複数の方式を一緒に用いてもよい。
次に、転写後感光体上に残されたトナーをクリーニングするためにファーブラシ(14)、クリーニングブレード(15)が用いられる。また、クリーニングをより効率的に行なうためにクリーニング前チャージャ(13)を用いてもよい。その他クリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独でまた複数の方式を一緒に用いてもよい。
次に、必要に応じて感光体上の潜像を取り除く目的で除電手段が用いられる。除電手段としては除電ランプ(2)、除電チャージャが用いられ、それぞれ前記露光光源、帯電手段が利用できる。
その他、感光体に近接していない原稿読み取り、給紙、定着、排紙等のプロセスは公知のものが全て使用できる。
その他、感光体に近接していない原稿読み取り、給紙、定着、排紙等のプロセスは公知のものが全て使用できる。
感光体の摩耗性を制御する機構(図示せず)は、例えば、電子写真感光体の表面に潤滑剤、低表面エネルギー部材を塗布及び/又は供給する機構であり、これのレイアウトは特に場所を選ばないが、クリーニングから帯電までの間に設けるのが適している。この感光体の摩耗性を制御する材料の代表例としてはポリテトラフルオロエチレン(PTFE、商品例:テフロン(登録商標))、四フッ化エチレンとパーフルロロアルキルビニルエーテルとの共重合体(PFA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレンとエチレンとの共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、テトラフルオロエチレンとオキサフルオロプロピレンとの共重合体(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリトリフルオロクロルエチレン(PTFCE)、ジクロルジフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂;ポリフルオロカーボン、ポリテトラフルオロエチレン等の繊維の加工物等を挙げることができる。この中でも特に、ポリテトラフルオロエチレンが有効な材料である。
本発明は、このような画像形成手段に本発明に係る電子写真感光体を用いる画像形成方法及び画像形成装置である。
この画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形態でそれら装置内に組み込まれ、着脱自在としたものであってもよい。プロセスカートリッジの一例を図7に示す。
画像形成装置用プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段の少なくとも一つを一体化し、着脱可能とした装置(部品)である。本発明は、平滑な電荷輸送性架橋表面層を有する感光体と帯電、現像、転写、クリーニング、除電手段の少なくとも一つを一体化した画像形成装置用プロセスカートリッジを提供するものである。
この画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形態でそれら装置内に組み込まれ、着脱自在としたものであってもよい。プロセスカートリッジの一例を図7に示す。
画像形成装置用プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段の少なくとも一つを一体化し、着脱可能とした装置(部品)である。本発明は、平滑な電荷輸送性架橋表面層を有する感光体と帯電、現像、転写、クリーニング、除電手段の少なくとも一つを一体化した画像形成装置用プロセスカートリッジを提供するものである。
実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。尚、実施例中において使用する「部」及び「%」は、すべて重量基準である。
<1官能の電荷輸送性構造を有する化合物の合成例>
本発明における1官能の電荷輸送性構造を有する化合物は、例えば特許第3164426号公報記載の方法にて合成される。また、下記にこの一例を示す。
(1)ヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(構造式B)の合成
メトキシ基置換トリアリールアミン化合物(構造式A)113.85g(0.3mol)と、ヨウ化ナトリウム138g(0.92mol)にスルホラン240mlを加え、窒素気流中で60℃に加温した。この液中にトリメチルクロロシラン99g(0.91mol)を1時間で滴下し、約60℃の温度で4時間半撹拌し反応を終了させた。この反応液にトルエン約1.5Lを加え室温まで冷却し、水と炭酸ナトリウム水溶液で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマト処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン:酢酸エチル=20:1)にて精製した。得られた淡黄色オイルにシクロヘキサンを加え、結晶を析出させた。このようにして下記構造式Bの白色結晶88.1g(収率=80.4%)を得た。
融点:64.0〜66.0℃
本発明における1官能の電荷輸送性構造を有する化合物は、例えば特許第3164426号公報記載の方法にて合成される。また、下記にこの一例を示す。
(1)ヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(構造式B)の合成
メトキシ基置換トリアリールアミン化合物(構造式A)113.85g(0.3mol)と、ヨウ化ナトリウム138g(0.92mol)にスルホラン240mlを加え、窒素気流中で60℃に加温した。この液中にトリメチルクロロシラン99g(0.91mol)を1時間で滴下し、約60℃の温度で4時間半撹拌し反応を終了させた。この反応液にトルエン約1.5Lを加え室温まで冷却し、水と炭酸ナトリウム水溶液で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマト処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン:酢酸エチル=20:1)にて精製した。得られた淡黄色オイルにシクロヘキサンを加え、結晶を析出させた。このようにして下記構造式Bの白色結晶88.1g(収率=80.4%)を得た。
融点:64.0〜66.0℃
(2)トリアリールアミノ基置換アクリレート化合物(例示化合物No.54)
上記(1)で得られたヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(構造式B)82.9g(0.227mol)をテトラヒドロフラン400mlに溶解し、窒素気流中で水酸化ナトリウム水溶液(NaOH:12.4g,水:100ml)を滴下した。この溶液を5℃に冷却し、アクリル酸クロライド25.2g(0.272mol)を40分かけて滴下した。その後、5℃で3時間撹拌し反応を終了させた。この反応液を水に注ぎ、トルエンにて抽出した。この抽出液を炭酸水素ナトリウム水溶液と水で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマト処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン)にて精製した。得られた無色のオイルにn−ヘキサンを加え、結晶を析出させた。このようにして例示化合物No.54の白色結晶80.73g(収率=84.8%)を得た。
融点:117.5〜119.0℃
上記(1)で得られたヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(構造式B)82.9g(0.227mol)をテトラヒドロフラン400mlに溶解し、窒素気流中で水酸化ナトリウム水溶液(NaOH:12.4g,水:100ml)を滴下した。この溶液を5℃に冷却し、アクリル酸クロライド25.2g(0.272mol)を40分かけて滴下した。その後、5℃で3時間撹拌し反応を終了させた。この反応液を水に注ぎ、トルエンにて抽出した。この抽出液を炭酸水素ナトリウム水溶液と水で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマト処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン)にて精製した。得られた無色のオイルにn−ヘキサンを加え、結晶を析出させた。このようにして例示化合物No.54の白色結晶80.73g(収率=84.8%)を得た。
融点:117.5〜119.0℃
また、実施例又は比較例の電子写真感光体の孤立ドット形状再現性、実機耐久試験は以下の方法にて行なった。
(孤立ドット形状の再現性試験)
得られた電子写真感光体を用い、帯電ローラーにて帯電し、像露光光源に発振波長405nmのLDを搭載しビーム系をアパーチャーで調節できる光学系、現像手段として2成分の現像ユニット及びパターンジェネレーターを取り付けた作像実験機によりビーム径を絞り、20μm(約1200dpi相当、円形)の孤立ドット画像を感光体上に形成した。感光体の初期帯電を−600Vで行ない、平均粒径4μmトナーを使用した。次いで、これを接着テープに転写し、顕微鏡観察し、CCDカメラにより読み取り、画像解析した。
孤立ドットの形状再現性を、初期と1万枚印刷後について評価した。結果を表6に示す。形状が円形に近く、且つ輪郭が明瞭なほど良好である。トナー散りがあるもの、太っているもの、逆に小さくなっているものほど評価が下がる。
◎:極めて良好
○:良好
△:少し乱れあり
×:トナー散り、太り、輪郭不明確等の乱れあり
得られた電子写真感光体を用い、帯電ローラーにて帯電し、像露光光源に発振波長405nmのLDを搭載しビーム系をアパーチャーで調節できる光学系、現像手段として2成分の現像ユニット及びパターンジェネレーターを取り付けた作像実験機によりビーム径を絞り、20μm(約1200dpi相当、円形)の孤立ドット画像を感光体上に形成した。感光体の初期帯電を−600Vで行ない、平均粒径4μmトナーを使用した。次いで、これを接着テープに転写し、顕微鏡観察し、CCDカメラにより読み取り、画像解析した。
孤立ドットの形状再現性を、初期と1万枚印刷後について評価した。結果を表6に示す。形状が円形に近く、且つ輪郭が明瞭なほど良好である。トナー散りがあるもの、太っているもの、逆に小さくなっているものほど評価が下がる。
◎:極めて良好
○:良好
△:少し乱れあり
×:トナー散り、太り、輪郭不明確等の乱れあり
(実機耐久性試験)
また、上記電子写真感光体をリコー社製Imagio MF2200(ただし、画像露光光源を405nmに発振波長を持つLDとした)に装着し、常温常湿(23℃60%)の環境下、耐久試験を行なった。初期の暗部電位−600Vに設定して1万枚印刷後の暗部と明部の表面電位を測定した。また1万枚印刷後の感光体の減少膜厚を測定した。
また、上記電子写真感光体をリコー社製Imagio MF2200(ただし、画像露光光源を405nmに発振波長を持つLDとした)に装着し、常温常湿(23℃60%)の環境下、耐久試験を行なった。初期の暗部電位−600Vに設定して1万枚印刷後の暗部と明部の表面電位を測定した。また1万枚印刷後の感光体の減少膜厚を測定した。
(画像評価)
画像特性については、ドット画像と文字からなる印字面積率20%のテストチャートにて評価した。テストチャートには地汚れを見る印刷されていない部分と、以下の解像度を見る部分がある。
<解像度と地汚れ>
主走査、副走査とも書込み密度1200dpi、600ライン/inchの1ドット独立網点画像を出力した。地汚れ濃度ムラを3段階で目視評価し、解像度を網点再現性にて評価した。
地汚れ
○:なし
△:僅かにあり
×:全面に発生
解像度
○:良好
△:少し低下
×:著しく低下
次いで、1万枚印刷後に感光体を取り出し、再び上記の作像実験機にて、1ドット画像を形成し、ドット形状を顕微鏡観察した。この測定結果を併せて表6に示す。
画像特性については、ドット画像と文字からなる印字面積率20%のテストチャートにて評価した。テストチャートには地汚れを見る印刷されていない部分と、以下の解像度を見る部分がある。
<解像度と地汚れ>
主走査、副走査とも書込み密度1200dpi、600ライン/inchの1ドット独立網点画像を出力した。地汚れ濃度ムラを3段階で目視評価し、解像度を網点再現性にて評価した。
地汚れ
○:なし
△:僅かにあり
×:全面に発生
解像度
○:良好
△:少し低下
×:著しく低下
次いで、1万枚印刷後に感光体を取り出し、再び上記の作像実験機にて、1ドット画像を形成し、ドット形状を顕微鏡観察した。この測定結果を併せて表6に示す。
<実施例1>
φ30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布、乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、14μmの電荷輸送層を形成した。この電荷輸送層上に下記組成の架橋表面層用塗工液をスプレー塗工し、メタルハライドランプ:160W/cm、照射距離:120mm、照射強度:600mW/cm2、照射時間:60秒の条件で光照射を行ない、更に130℃で30分乾燥を加え2μmの架橋表面層を設け、電子写真感光体を得た。得られた感光体を用い、上記の画像形成を行ない評価した。
φ30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布、乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、14μmの電荷輸送層を形成した。この電荷輸送層上に下記組成の架橋表面層用塗工液をスプレー塗工し、メタルハライドランプ:160W/cm、照射距離:120mm、照射強度:600mW/cm2、照射時間:60秒の条件で光照射を行ない、更に130℃で30分乾燥を加え2μmの架橋表面層を設け、電子写真感光体を得た。得られた感光体を用い、上記の画像形成を行ない評価した。
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
6部
メラミン樹脂(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
4部
酸化チタン 40部
メチルエチルケトン 50部
アルキッド樹脂(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
6部
メラミン樹脂(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
4部
酸化チタン 40部
メチルエチルケトン 50部
〔電荷発生層用塗工液〕
下記構造式(a)のビスアゾ顔料 2.5部
ポリビニルブチラール(XYHL、UCC製) 0.5部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
下記構造式(a)のビスアゾ顔料 2.5部
ポリビニルブチラール(XYHL、UCC製) 0.5部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
〔電荷輸送層用塗工液〕
ビスフェノールZポリカーボネート(パンライトTS−2050、帝人化成製)
10部
下記構造式(b)の低分子電荷輸送物質 7部
テトラヒドロフラン 100部
1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液
(KF50−100CS、信越化学工業製) 0.2部
酸化防止剤(ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート) 0.02部
ビスフェノールZポリカーボネート(パンライトTS−2050、帝人化成製)
10部
下記構造式(b)の低分子電荷輸送物質 7部
テトラヒドロフラン 100部
1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液
(KF50−100CS、信越化学工業製) 0.2部
酸化防止剤(ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート) 0.02部
〔架橋表面層用塗工液〕
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー
トリメチロールプロパントリアクリレート 10部
(カヤラッドTMPTA、東京化成製、25℃における粘度:105mPs・s)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 10部
(例示化合物No.54)
光重合開始剤 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン 100部
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー
トリメチロールプロパントリアクリレート 10部
(カヤラッドTMPTA、東京化成製、25℃における粘度:105mPs・s)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 10部
(例示化合物No.54)
光重合開始剤 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン 100部
<実施例2>
実施例1と同様にアルミニウムシリンダー上に下引き層を形成した。次にY型オキシチタニウムフタロシアニン1.5部およびポリエステル樹脂(東洋紡績社製バイロン200)1部の0.5%ジクロロメタン溶液500部をボールミル中で粉砕混合し、得られた分散液を前記下引き層上に塗工し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。次に電荷輸送材料として下記構造式(c)で示される電荷輸送材料10部とポリカーボネート樹脂(帝人社製パンライトC−1400)10部をテトラヒドロフランに溶解し、この電荷輸送層塗工液を前記電荷発生層上に塗工し、膜厚15μmの電荷輸送層を形成した。
実施例1と同様にアルミニウムシリンダー上に下引き層を形成した。次にY型オキシチタニウムフタロシアニン1.5部およびポリエステル樹脂(東洋紡績社製バイロン200)1部の0.5%ジクロロメタン溶液500部をボールミル中で粉砕混合し、得られた分散液を前記下引き層上に塗工し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。次に電荷輸送材料として下記構造式(c)で示される電荷輸送材料10部とポリカーボネート樹脂(帝人社製パンライトC−1400)10部をテトラヒドロフランに溶解し、この電荷輸送層塗工液を前記電荷発生層上に塗工し、膜厚15μmの電荷輸送層を形成した。
実施例1の架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のモノマーに換えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。得られた感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーとして以下の混合物
下記式のジトリメチロールプロパンテトラアクリレート 10部
(SR−355、化薬サートマー製、25℃における粘度500mPs・s)
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーとして以下の混合物
下記式のジトリメチロールプロパンテトラアクリレート 10部
(SR−355、化薬サートマー製、25℃における粘度500mPs・s)
<実施例3>
実施例1の架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のモノマーに、光重合開始剤を下記化合物に換え、電荷輸送層を13μmにし、架橋表面層を3μmにした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。得られた電子写真感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーとして以下の混合物
下記式のペンタエリスリトールテトラアクリレート 10部
(SR−295、化薬サートマー製、40℃における粘度200mPs・s)
実施例1の架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のモノマーに、光重合開始剤を下記化合物に換え、電荷輸送層を13μmにし、架橋表面層を3μmにした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。得られた電子写真感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーとして以下の混合物
下記式のペンタエリスリトールテトラアクリレート 10部
(SR−295、化薬サートマー製、40℃における粘度200mPs・s)
<実施例4>
実施例1の架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のモノマーに換え、電荷輸送層を11μmにし、架橋表面層を5μmにした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。得られた感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー
下記式のジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(ペンタアクリレートとヘキサアクリレートの重量比1:1の混合物)、
(カヤラッドDPHA、日本化薬製、25℃における粘度6200mPs・s)
10部
実施例1の架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のモノマーに換え、電荷輸送層を11μmにし、架橋表面層を5μmにした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。得られた感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー
下記式のジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(ペンタアクリレートとヘキサアクリレートの重量比1:1の混合物)、
(カヤラッドDPHA、日本化薬製、25℃における粘度6200mPs・s)
10部
<実施例5>
実施例1の架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のモノマーに換え、電荷輸送層を8μmにし、架橋表面層を8μmにした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。得られた感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(SR−502、化薬サートマー製)
分子量:692、官能基数:3官能、分子量/官能基数=231
実施例1の架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のモノマーに換え、電荷輸送層を8μmにし、架橋表面層を8μmにした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。得られた感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(SR−502、化薬サートマー製)
分子量:692、官能基数:3官能、分子量/官能基数=231
<実施例6>
実施例1の架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のモノマーに換え、電荷輸送層を5μmにし、架橋表面層を10μmにした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。得られた感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(カヤラッドDPCA−120、日本化薬製)
分子量:1947、官能基数:6官能、分子量/官能基数=325
実施例1の架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のモノマーに換え、電荷輸送層を5μmにし、架橋表面層を10μmにした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。得られた感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(カヤラッドDPCA−120、日本化薬製)
分子量:1947、官能基数:6官能、分子量/官能基数=325
<実施例7>
実施例1の架橋表面層用塗工液に含有される1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を例示化合物No.127、10部に換え、電荷輸送層の膜厚を10μmに換えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。得られた感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
実施例1の架橋表面層用塗工液に含有される1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を例示化合物No.127、10部に換え、電荷輸送層の膜厚を10μmに換えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。得られた感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
<実施例8>
実施例1の架橋表面層用塗工液に含有される1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を例示化合物No.94、10部に換え、光重合開始剤を下記熱重合開始剤に換え電荷輸送層上に同様に塗工後、送風型オーブンを用い70℃で30分加熱、更に150℃で1時間加熱し、電荷輸送層の膜厚を11μmに換え、2μmの架橋表面層を設け電子写真感光体を得た。得られた感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
熱重合開始剤 1部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(東京化成製)
実施例1の架橋表面層用塗工液に含有される1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を例示化合物No.94、10部に換え、光重合開始剤を下記熱重合開始剤に換え電荷輸送層上に同様に塗工後、送風型オーブンを用い70℃で30分加熱、更に150℃で1時間加熱し、電荷輸送層の膜厚を11μmに換え、2μmの架橋表面層を設け電子写真感光体を得た。得られた感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
熱重合開始剤 1部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(東京化成製)
<実施例9>
実施例8の架橋表面層用塗工液に含有される1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を例示化合物No.138、10部に換え、電荷輸送層の膜厚を12μmに換えた以外は実施例8と同様に電子写真感光体を作製した。得られた感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
実施例8の架橋表面層用塗工液に含有される1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を例示化合物No.138、10部に換え、電荷輸送層の膜厚を12μmに換えた以外は実施例8と同様に電子写真感光体を作製した。得られた感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
<実施例10>
実施例2の架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー量を6部、1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物量を14部に換えた以外は実施例2と同様に電子写真感光体を作製した。得られた感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
実施例2の架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー量を6部、1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物量を14部に換えた以外は実施例2と同様に電子写真感光体を作製した。得られた感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
<実施例11>
実施例2の架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー量を14部、1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物量を6部に換えた以外は実施例2と同様に電子写真感光体を作製した。得られた感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
実施例2の架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー量を14部、1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物量を6部に換えた以外は実施例2と同様に電子写真感光体を作製した。得られた感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
<実施例12>
実施例1の電荷輸送層用塗工液として下記組成の高分子電荷輸送物質(P9)を含有した液を用い、同様な電荷発生層上に塗布、乾燥して14μmの電荷輸送層を形成した。この電荷輸送層上に実施例1と同様にして架橋表面層を設け電子写真感光体を作製した。得られた感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
(電荷輸送層用塗工液)
下記構造式の高分子電荷輸送物質(P9) 15部
実施例1の電荷輸送層用塗工液として下記組成の高分子電荷輸送物質(P9)を含有した液を用い、同様な電荷発生層上に塗布、乾燥して14μmの電荷輸送層を形成した。この電荷輸送層上に実施例1と同様にして架橋表面層を設け電子写真感光体を作製した。得られた感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
(電荷輸送層用塗工液)
下記構造式の高分子電荷輸送物質(P9) 15部
<実施例13>
実施例1の電荷輸送層上に、中間層としてポリアミド樹脂層(アルコール可溶性ナイロン、CM8000、東レ製)0.5μmをスプレー塗工にて設け、この上に実施例1と同様にして1μmの架橋表面層を設け電子写真感光体を作製した。得られた感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
実施例1の電荷輸送層上に、中間層としてポリアミド樹脂層(アルコール可溶性ナイロン、CM8000、東レ製)0.5μmをスプレー塗工にて設け、この上に実施例1と同様にして1μmの架橋表面層を設け電子写真感光体を作製した。得られた感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
<実施例14>
実施例1の電荷発生層上に、下記組成の架橋表面層用塗工液をスプレー塗工し、光照射時間を120秒とした以外は実施例1と同様にして15μmの架橋表面層を設け電子写真感光体を作製した。得られた感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
〔架橋表面層用塗工液〕
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(SR−502、化薬サートマー製)
分子量:692、官能基数:3官能、分子量/官能基数=231
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 10部
(例示化合物No.54)
光重合開始剤 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン 60部
シクロヘキサノン 20部
1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
(KF50−100CS、信越化学工業製)
実施例1の電荷発生層上に、下記組成の架橋表面層用塗工液をスプレー塗工し、光照射時間を120秒とした以外は実施例1と同様にして15μmの架橋表面層を設け電子写真感光体を作製した。得られた感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
〔架橋表面層用塗工液〕
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(SR−502、化薬サートマー製)
分子量:692、官能基数:3官能、分子量/官能基数=231
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 10部
(例示化合物No.54)
光重合開始剤 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン 60部
シクロヘキサノン 20部
1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
(KF50−100CS、信越化学工業製)
<実施例15>
実施例1と同様にアルミニウムシリンダー上に下引き層を形成した。
次に、電荷輸送材料として下記構造式(h)で示される電荷輸送材料5部、下記構造式(i)の電荷輸送材料5部とポリカーボネート樹脂(帝人社製パンライトC−1400)10部をテトラヒドロフランに溶解し、この塗工液を下引き層上に塗布し、80℃で2分間、ついで130℃で20分間乾燥して18μmの電荷輸送層を形成した。
実施例1と同様にアルミニウムシリンダー上に下引き層を形成した。
次に、電荷輸送材料として下記構造式(h)で示される電荷輸送材料5部、下記構造式(i)の電荷輸送材料5部とポリカーボネート樹脂(帝人社製パンライトC−1400)10部をテトラヒドロフランに溶解し、この塗工液を下引き層上に塗布し、80℃で2分間、ついで130℃で20分間乾燥して18μmの電荷輸送層を形成した。
<実施例16>
φ30mmのアルミニウムシリンダー表面を陽極酸化処理した後封孔処理をおこなった。この上に前記構造式(h)で示される電荷輸送材料10部とポリスチレン樹脂(三洋化成工業社製:SBM−700)10部をテトラヒドロフランに溶解し、この電荷輸送層塗工液をアルミニウムシリンダー上に塗布し、80℃で2分間、ついで130℃で20分間乾燥して厚さ19μmの電荷輸送層を形成した。
次いで前記構造式(a)で示されるビスアゾ化合物7.5部およびフェノキシ樹脂(ユニオンカーバイト社製PKHH)2.5部の1.5%メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(重量比4/1)溶液833部をボールミル中で粉砕混合し電荷発生材料の分散液を得た。次いで、この分散液を電荷輸送層上にスプレー塗布し、自然乾燥して電荷発生層を形成した。次いで、電荷輸送材料として下記構造式(k)で示される化合物3部と下記構造式(l)で示される電荷輸送材料1部を以下の架橋表面層用塗工液に混合し、電荷輸送層上にスプレー塗工した。同様に塗工後、メタルハライドランプ:160W/cm、照射距離:120mm、照射強度:600mW/cm2、照射時間:60秒の条件で光照射を行ない、送風型オーブンを用い70℃で30分加熱し、更に150℃で1時間加熱し、2μmの架橋表面層を設け電子写真感光体を得た。
φ30mmのアルミニウムシリンダー表面を陽極酸化処理した後封孔処理をおこなった。この上に前記構造式(h)で示される電荷輸送材料10部とポリスチレン樹脂(三洋化成工業社製:SBM−700)10部をテトラヒドロフランに溶解し、この電荷輸送層塗工液をアルミニウムシリンダー上に塗布し、80℃で2分間、ついで130℃で20分間乾燥して厚さ19μmの電荷輸送層を形成した。
次いで前記構造式(a)で示されるビスアゾ化合物7.5部およびフェノキシ樹脂(ユニオンカーバイト社製PKHH)2.5部の1.5%メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(重量比4/1)溶液833部をボールミル中で粉砕混合し電荷発生材料の分散液を得た。次いで、この分散液を電荷輸送層上にスプレー塗布し、自然乾燥して電荷発生層を形成した。次いで、電荷輸送材料として下記構造式(k)で示される化合物3部と下記構造式(l)で示される電荷輸送材料1部を以下の架橋表面層用塗工液に混合し、電荷輸送層上にスプレー塗工した。同様に塗工後、メタルハライドランプ:160W/cm、照射距離:120mm、照射強度:600mW/cm2、照射時間:60秒の条件で光照射を行ない、送風型オーブンを用い70℃で30分加熱し、更に150℃で1時間加熱し、2μmの架橋表面層を設け電子写真感光体を得た。
〔架橋表面層用塗工液〕
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
トリメチロールプロパントリアクリレート(カヤラッドTMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 10部
(例示化合物No.94)
熱重合開始剤(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、東京化成製) 1部
テトラヒドロフラン 100部
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
トリメチロールプロパントリアクリレート(カヤラッドTMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 10部
(例示化合物No.94)
熱重合開始剤(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、東京化成製) 1部
テトラヒドロフラン 100部
得られた電子写真感光体を用い、実施例1と同様にして、感光体の膜厚減少量を測り、孤立ドット形状の再現性、実機耐久性を評価した。ただし、帯電器の極性を正にして感光体を帯電した。電位は初期+600Vであり、正帯電性の4μmトナーを用い、現像バイアスを正の適正値に設定して反転現像にてドットを現像した。
更に、実施例16で得られた感光体について、感光体の摩耗性を制御する方法として、特開2000−47523号公報に記載のクリーニング装置の上端位置に潤滑剤塗布装置を取り付けた実験用の電子写真複写機を用い、潤滑剤としてフルオロシリコーン(ELS507、旭化成社製)を使用した。その結果、正帯電を用いた反転現像方式において、1万枚の印刷後においても、暗部電位+585V及び明部電位+75Vであり、ドット形状再現性、画像評価の結果にも異常は認められなかった。また、摩耗耐久性も満足できるものであった。
更に、実施例16で得られた感光体について、感光体の摩耗性を制御する方法として、特開2000−47523号公報に記載のクリーニング装置の上端位置に潤滑剤塗布装置を取り付けた実験用の電子写真複写機を用い、潤滑剤としてフルオロシリコーン(ELS507、旭化成社製)を使用した。その結果、正帯電を用いた反転現像方式において、1万枚の印刷後においても、暗部電位+585V及び明部電位+75Vであり、ドット形状再現性、画像評価の結果にも異常は認められなかった。また、摩耗耐久性も満足できるものであった。
<実施例17>
実施例16と同様にして、アルミニウムシリンダー上に電荷輸送層まで形成した。ただし、電荷輸送層の膜厚を19μmにし、以下のように架橋表面層を設けた。
前記構造式(a)で示されるビスアゾ化合物7.5部およびフェノキシ樹脂(ユニオンカーバイト社製PKHH)2.5部の1.5%メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(重量比4/1)溶液833部をボールミル中で粉砕混合し電荷発生材料の分散液を得た。
次いで、この分散液10部に電荷輸送材料として前記構造式(k)で示される化合物3.5部と前記構造式(l)で示される電荷輸送材料0.5部を以下の架橋表面層用塗工液に混合し、電荷輸送層上にスプレー塗工した。同様に塗工後、メタルハライドランプ:160W/cm、照射距離:120mm、照射強度:600mW/cm2、照射時間:60秒の条件で光照射を行ない、送風型オーブンを用い70℃で30分加熱し、更に150℃で1時間加熱し、5μmの架橋表面層を設け電子写真感光体を得た。得られた感光体を用い、実施例16と同様の画像形成を行ない評価した。
実施例16と同様にして、アルミニウムシリンダー上に電荷輸送層まで形成した。ただし、電荷輸送層の膜厚を19μmにし、以下のように架橋表面層を設けた。
前記構造式(a)で示されるビスアゾ化合物7.5部およびフェノキシ樹脂(ユニオンカーバイト社製PKHH)2.5部の1.5%メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(重量比4/1)溶液833部をボールミル中で粉砕混合し電荷発生材料の分散液を得た。
次いで、この分散液10部に電荷輸送材料として前記構造式(k)で示される化合物3.5部と前記構造式(l)で示される電荷輸送材料0.5部を以下の架橋表面層用塗工液に混合し、電荷輸送層上にスプレー塗工した。同様に塗工後、メタルハライドランプ:160W/cm、照射距離:120mm、照射強度:600mW/cm2、照射時間:60秒の条件で光照射を行ない、送風型オーブンを用い70℃で30分加熱し、更に150℃で1時間加熱し、5μmの架橋表面層を設け電子写真感光体を得た。得られた感光体を用い、実施例16と同様の画像形成を行ない評価した。
〔架橋表面層用塗工液〕
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
トリメチロールプロパントリアクリレート(カヤラッドTMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 7部
(例示化合物No.94)
熱重合開始剤(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、東京化成製) 1部
テトラヒドロフラン 100部
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
トリメチロールプロパントリアクリレート(カヤラッドTMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 7部
(例示化合物No.94)
熱重合開始剤(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、東京化成製) 1部
テトラヒドロフラン 100部
<実施例18>
実施例4の電荷輸送層の膜厚を13μmにし、架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のモノマーに換え、架橋表面層の膜厚を3μmにした以外は実施例4と同様に電子写真感光体を作成した。得られた感光体を用い、実施例4と同様の画像形成を行ない評価した。
〔架橋表面層用塗工液〕
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーとしての混合物
・トリメチロールプロパントリアクリレート 5部
(カヤラッドTMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
・下記式のジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5部
(ペンタアクリレートとヘキサアクリレートの重量比1:1の混合物)、
(カヤラッドDPHA、日本化薬製、25℃における
粘度6200mPs・s)
実施例4の電荷輸送層の膜厚を13μmにし、架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のモノマーに換え、架橋表面層の膜厚を3μmにした以外は実施例4と同様に電子写真感光体を作成した。得られた感光体を用い、実施例4と同様の画像形成を行ない評価した。
〔架橋表面層用塗工液〕
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーとしての混合物
・トリメチロールプロパントリアクリレート 5部
(カヤラッドTMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
・下記式のジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5部
(ペンタアクリレートとヘキサアクリレートの重量比1:1の混合物)、
(カヤラッドDPHA、日本化薬製、25℃における
粘度6200mPs・s)
<実施例19>
実施例6の電荷輸送層の膜厚を13μmにし、架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のモノマーに換え、架橋表面層の膜厚を3μmにした以外は実施例6と同様に電子写真感光体を作成した。得られた感光体を用い、実施例6と同様の画像形成を行ない評価した。
〔架橋表面層用塗工液〕
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーとしての混合物
・下記式のカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5部
(カヤラッドDPCA−120、日本化薬製、
25℃における粘度:1700mPa・s)
実施例6の電荷輸送層の膜厚を13μmにし、架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のモノマーに換え、架橋表面層の膜厚を3μmにした以外は実施例6と同様に電子写真感光体を作成した。得られた感光体を用い、実施例6と同様の画像形成を行ない評価した。
〔架橋表面層用塗工液〕
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーとしての混合物
・下記式のカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5部
(カヤラッドDPCA−120、日本化薬製、
25℃における粘度:1700mPa・s)
<実施例20>
実施例6の電荷輸送層の膜厚を13μmにし、架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のモノマーに換え、架橋表面層の膜厚を3μmにした以外は実施例6と同様に電子写真感光体を作成した。得られた感光体を用い、実施例6と同様の画像形成を行ない評価した。
〔架橋表面層用塗工液〕
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーとして以下の混合物
・カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5部
(カヤラッドDPCA−120、日本化薬製、
25℃における粘度:1700mPa・s)
・ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート 2.5部
(SR−355、化薬サートマー製、25℃における粘度500mPs・s)
・トリメチロールプロパントリアクリレート 2.5部
(カヤラッドTMPTA、東京化成製、25℃における粘度:105mPs・s)
実施例6の電荷輸送層の膜厚を13μmにし、架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のモノマーに換え、架橋表面層の膜厚を3μmにした以外は実施例6と同様に電子写真感光体を作成した。得られた感光体を用い、実施例6と同様の画像形成を行ない評価した。
〔架橋表面層用塗工液〕
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーとして以下の混合物
・カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5部
(カヤラッドDPCA−120、日本化薬製、
25℃における粘度:1700mPa・s)
・ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート 2.5部
(SR−355、化薬サートマー製、25℃における粘度500mPs・s)
・トリメチロールプロパントリアクリレート 2.5部
(カヤラッドTMPTA、東京化成製、25℃における粘度:105mPs・s)
<比較例1>
実施例1において、下記組成の最表面層用塗工液を電荷輸送層上に塗布し、80℃で2分間、ついで130℃で20分間乾燥して厚さ2μmの表面層を形成した以外、同様にして電子写真感光体を作製した。得られた感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
〔最表面層用塗工液〕
例示化合物(P9)で示される高分子型電荷輸送材料 8部
ポリテトラフルオロエチレン粒子(平均1次粒径0.3μm) 3部
テトラヒドロフラン 40部
シクロヘキサノン 140部
実施例1において、下記組成の最表面層用塗工液を電荷輸送層上に塗布し、80℃で2分間、ついで130℃で20分間乾燥して厚さ2μmの表面層を形成した以外、同様にして電子写真感光体を作製した。得られた感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
〔最表面層用塗工液〕
例示化合物(P9)で示される高分子型電荷輸送材料 8部
ポリテトラフルオロエチレン粒子(平均1次粒径0.3μm) 3部
テトラヒドロフラン 40部
シクロヘキサノン 140部
<比較例2>
実施例2と同様にアルミニウムシリンダー上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を形成した。但し、電荷輸送層の膜厚は10μmにした。次に下記構造式(d)で示される電荷輸送材料3部、酸化防止剤としてのジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート0.03部、ポリスチレン樹脂(三洋化成:SBM−700)5部、フィラーとして酸化チタン微粒子(石原産業社製CR97)2部、THF40部及びシクロヘキサノン140部の保護層塗工液を電荷輸送層上に塗布し、厚さ約2μmの保護層を形成し電子写真感光体を作製した。得られた感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
実施例2と同様にアルミニウムシリンダー上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を形成した。但し、電荷輸送層の膜厚は10μmにした。次に下記構造式(d)で示される電荷輸送材料3部、酸化防止剤としてのジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート0.03部、ポリスチレン樹脂(三洋化成:SBM−700)5部、フィラーとして酸化チタン微粒子(石原産業社製CR97)2部、THF40部及びシクロヘキサノン140部の保護層塗工液を電荷輸送層上に塗布し、厚さ約2μmの保護層を形成し電子写真感光体を作製した。得られた感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
<比較例3>
実施例2と同様にアルミニウムシリンダー上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を形成した。但し、電荷輸送層の膜厚は10μmにした。次に下記構造式(f)で示される電荷輸送材料45部、下記構造式(g)示される電荷輸送材料5部、下記構造式(e)で示される熱重合開始剤0.4部、クロルメタン30部およびトルエン70部の保護層塗工液を電荷輸送層上に塗布し、140度で2時間熱硬化反応を行ない厚さ約2μmの保護層を形成し電子写真感光体を作製した。得られた感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
実施例2と同様にアルミニウムシリンダー上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を形成した。但し、電荷輸送層の膜厚は10μmにした。次に下記構造式(f)で示される電荷輸送材料45部、下記構造式(g)示される電荷輸送材料5部、下記構造式(e)で示される熱重合開始剤0.4部、クロルメタン30部およびトルエン70部の保護層塗工液を電荷輸送層上に塗布し、140度で2時間熱硬化反応を行ない厚さ約2μmの保護層を形成し電子写真感光体を作製した。得られた感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
<比較例4>
実施例1の架橋表面層を設けず、電荷輸送層の厚みを25μmにした以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。得られた感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
実施例1の架橋表面層を設けず、電荷輸送層の厚みを25μmにした以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。得られた感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
<比較例5>
実施例1の架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のモノマーに換え、電荷輸送層を13μmにし、架橋表面層を3μmにした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。得られた電子写真感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
〔架橋表面層用塗工液〕
電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー 10部
実施例1の架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のモノマーに換え、電荷輸送層を13μmにし、架橋表面層を3μmにした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。得られた電子写真感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
〔架橋表面層用塗工液〕
電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー 10部
<比較例6>
実施例4の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を前記構造式(f)で示される電荷輸送材料に換え、電荷輸送層を13μmにし、架橋表面層を3μmにした以外は実施例4と同様に電子写真感光体を作製した。得られた電子写真感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
実施例4の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を前記構造式(f)で示される電荷輸送材料に換え、電荷輸送層を13μmにし、架橋表面層を3μmにした以外は実施例4と同様に電子写真感光体を作製した。得られた電子写真感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
<比較例7>
実施例1の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を前記構造式(g)で示される電荷輸送材料に換え、電荷輸送層を13μmにし、架橋表面層を3μmにした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。得られた電子写真感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
実施例1の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を前記構造式(g)で示される電荷輸送材料に換え、電荷輸送層を13μmにし、架橋表面層を3μmにした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。得られた電子写真感光体を用い、実施例1と同様の画像形成を行ない評価した。
実施例1〜20及び比較例1〜7における表面層の原材料及び形成条件について下記表5に示す。また各評価結果を表6に示す。
<実施例21>
公知の製造方法による体積平均粒径2〜12μmのトナーを用意した。実施例1における孤立ドット作像実験機を用いて、トナーの平均粒径を変えた以外実施例1と同様にして発振波長405nmのレーザースポット径を20μmに絞って感光体に露光し、これらのトナーにて現像し、孤立ドットを形成した。このドット再現性を表7に示す。
公知の製造方法による体積平均粒径2〜12μmのトナーを用意した。実施例1における孤立ドット作像実験機を用いて、トナーの平均粒径を変えた以外実施例1と同様にして発振波長405nmのレーザースポット径を20μmに絞って感光体に露光し、これらのトナーにて現像し、孤立ドットを形成した。このドット再現性を表7に示す。
<実施例22>
公知の製造方法による体積平均粒径3μm、4μm(いずれも平均円形度0.96〜0.98)のトナーを用意した。実施例1において、トナーの平均粒径を変え、発振波長405nmの円形レーザースポット径を10μm(2400dpi相当)〜40μm(600dpi相当)に絞った以外同様にして感光体に露光し、潜像形成し、このトナーにて現像し、孤立ドットを形成した。このドット形状再現性を表8に示す。
公知の製造方法による体積平均粒径3μm、4μm(いずれも平均円形度0.96〜0.98)のトナーを用意した。実施例1において、トナーの平均粒径を変え、発振波長405nmの円形レーザースポット径を10μm(2400dpi相当)〜40μm(600dpi相当)に絞った以外同様にして感光体に露光し、潜像形成し、このトナーにて現像し、孤立ドットを形成した。このドット形状再現性を表8に示す。
表6の結果より、実施例1〜20で示される本発明の架橋表面層を有する感光体は耐摩耗性が高く且つ良好な電気的特性を有し、経時において良好な画像が得られる。一方、比較例1〜7の場合、最表面層塗工液の組成物や硬化条件により、表面の均一性、耐摩耗性または電気的特性が劣り、いずれも耐久性が低い。
また、実施例21(表7)により、2〜8μmの体積平均粒径を有するトナーであればドットの再現性が良好であることが判明した。更に、実施例22(表8)により、発振波長405nmのレーザ露光を用いて10〜40μmのスポットを形成し、現像し、2400dpi相等の超高画質画像の形成が良好に行なわれることが判明した。
また、実施例21(表7)により、2〜8μmの体積平均粒径を有するトナーであればドットの再現性が良好であることが判明した。更に、実施例22(表8)により、発振波長405nmのレーザ露光を用いて10〜40μmのスポットを形成し、現像し、2400dpi相等の超高画質画像の形成が良好に行なわれることが判明した。
(図6及び図7)
1 感光体
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ
4 イレーサ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャ
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
101 感光ドラム
102 帯電装置
103 露光
104 現像装置
105 転写体
106 転写装置
107 クリーニングブレード
1 感光体
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ
4 イレーサ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャ
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
101 感光ドラム
102 帯電装置
103 露光
104 現像装置
105 転写体
106 転写装置
107 クリーニングブレード
Claims (19)
- 少なくとも、電子写真感光体を帯電し、画像露光し、潜像を形成し、トナーによって潜像を現像してトナー像を形成し、転写材へ転写し、転写材上のトナー像を定着手段によって定着する画像形成方法において、該電子写真感光体が支持体上に少なくとも表面に架橋表面層を有する感光層を設けたものであり、該感光層が波長400〜450nmの光に感度を有し、且つ該架橋表面層が少なくとも1官能性の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物と電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとを架橋硬化することによって形成されたものであることを特徴とする画像形成方法。
- 前記感光層が、少なくとも電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋表面層からなる積層タイプで構成されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 前記感光層が、電荷発生機能および電荷輸送機能を有する層、及び架橋表面層で構成されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 前記感光層が、支持体側から波長400〜450nmの光に感度を有する電荷発生層、電荷輸送層、架橋表面層の順に設けられた積層タイプで構成されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成方法。
- 前記感光層が、支持体側から電荷輸送層、波長400〜450nmの光に感度を有する電荷発生層、架橋表面層の順に設けられた積層タイプで構成されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成方法。
- 前記架橋表面層の膜厚が1〜10μmであることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記架橋表面層の膜厚が2〜8μmであることを特徴とする請求項6に記載の画像形成方法。
- 前記感光層が、支持体側から電荷輸送層、波長400〜450nmの光に感度を有する電荷発生層を積層した感光層であり、かつ該電荷発生層が架橋表面層であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 前記架橋表面層が正孔又は/及び電子輸送材料を含有することを特徴とする請求項8に記載の画像形成方法。
- 前記架橋表面層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーおよび1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物のラジカル重合官能基が、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記画像露光を行なう画像露光手段の書き込み光源が波長400〜450nmの範囲に発振波長を有する半導体レーザーもしくは発光ダイオードであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記書き込み光源のビーム径が10〜40μmであることを特徴とする請求項11に記載の画像形成方法。
- 前記トナーが、平均粒径2〜8μmのトナーであることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の画像形成方法。
- 感光体の摩耗性を制御する機構を有することを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の画像形成方法。
- 感光体の摩耗性を制御する機構が、潤滑剤、低表面エネルギー部材を電子写真感光体に塗布および/または供給する機構であることを特徴とする請求項14に記載の画像形成方法。
- 請求項1〜15のいずれかに記載の画像形成方法に用いる電子写真感光体であって、前記電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーが下記一般式(A)で表わされる化合物であることを特徴とする電子写真感光体。
- 前記電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーが、異なる構造を有する複数のラジカル重合性モノマーからなり、少なくともそのうちの一種が前記一般式(A)で表わされる化合物であることを特徴とする請求項16に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜15のいずれかに記載の画像形成方法を適用したことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項18に記載の画像形成装置に用いる画像形成装置用プロセスカートリッジであって、電子写真感光体と、帯電手段、画像露光手段、現像手段及び転写手段及びクリーニング手段から選ばれた少なくとも一つの手段とを一体的に形成し、画像形成装置本体に着脱自在としたことを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
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JP2006068253A JP2007248532A (ja) | 2006-03-13 | 2006-03-13 | 画像形成方法、画像形成装置および画像形成装置用プロセスカートリッジ |
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