JP2005107490A - 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、該感光層の表面層が、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化した架橋樹脂層であり、該表面層のダイナミック硬度(圧子:ベルコビッチ115)が20以上であり、かつ該表面層中にシリコーンオイルが分散されていることを特徴とする、電子写真感光体。
【選択図】 図1
Description
感光層の耐摩耗性を改良する技術としては、(1)表面層に硬化性バインダーを用いたもの(例えば、特許文献1参照)、(2)高分子型電荷輸送物質を用いたもの(例えば、特許文献2参照)、(3)表面層に無機フィラーを分散させたもの(例えば、特許文献3参照)等が挙げられる。これらの技術の内、(1)の硬化性バインダーを用いたものは、電荷輸送物質との相溶性が悪いためや重合開始剤、未反応残基などの不純物により残留電位が上昇し画像濃度低下が発生し易い傾向がある。また、(2)の高分子型電荷輸送物質を用いたもの、及び(3)の無機フィラーを分散させたものは、ある程度の耐摩耗性向上が可能であるものの、有機感光体に求められている耐久性を十二分に満足させるまでには至っていない。さらに(3)の無機フィラーを分散させたものは、無機フィラー表面に存在するトラップにより残留電位が上昇し、画像濃度低下が発生し易い傾向にある。これら(1)〜(3)の技術では、有機感光体に求められる電気的な耐久性、機械的な耐久性をも含めた総合的な耐久性を十二分に満足するには至っていない。
さらに、この感光体は、具体的には高分子バインダーを含有した状態でモノマーを反応させるため、硬化が充分に進行しないことや、硬化物とバインダー樹脂との相溶性の問題があり、硬化時に相分離による表面凹凸が生じクリーニング不良を引き起こす傾向が見られた。
しかし、この感光層は嵩高い正孔輸送性化合物が二つ以上の連鎖重合性官能基を有するため硬化物中に歪みが発生し内部応力が高くなり、表面層の荒れや経時におけるクラックが発生しやすい場合があり、充分な耐久性を有していない。
感光体の耐摩耗性とクリーニング特性を改良する技術として、表面層に潤滑性材料を添加する手段が知られている(例えば、特許文献7)。この表面層にはシリコーンオイルを添加されている。この表面層は、シリコーンオイルの潤滑効果により、クリーニング性や耐摩耗性向上が期待できるが、ここで用いられている樹脂では、シリコーンオイルが徐々にブリードアウトし、長期的な効果が期待できない。またシリコーンオイルの種類や添加量により、膜の機械的強度は変化し、表面層の耐傷性などの低下が問題となる。
更に、有機感光体の表面潤滑性と耐摩耗性の両立を目的として、硬化膜とした表面層に潤滑材として、飽和炭化水素系化合物を含有させる方法が知られている(特許文献8参照)。これは硬化膜中の感光層マトリックス材料に潤滑材である炭化水素系化合物が化学的に結合し、潤滑材が感光層マトリックス中に取り込まれ、潤滑材の表面へのブリードアウトを抑制し、低表面エネルギーの持続を実現していることは注目に値するが、感光層に嵩高い正孔輸送性化合物が二つ以上の連鎖重合性官能基を有するために、前述した感光層中の歪みが発生し、表面性の荒れや経時におけるクラックが発生する場合が生じ、充分な耐久性を有していないのが現実である。
(式中、R10は水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR11(R11は水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基又は置換又は無置換のアリール基)、ハロゲン化カルボニル基若しくはCONR12R13(R12及びR13は水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基又は置換又は無置換のアリール基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい)を表わし、Ar1、Ar2は置換もしくは無置換のアリーレン基を表わし、同一であっても異なってもよい。Ar3、Ar4は置換もしくは無置換のアリール基を表わし、同一であっても異なってもよい。X10は単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。Zは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、アルキレンオキシカルボニル基を表わす。m、nは0〜3の整数を表わす。)」、(7)「前記表面層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、下記一般式(III)で表わされる化合物の少なくとも一種以上であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の電子写真感光体;
(式中、o、p、qはそれぞれ0又は1の整数、Raは水素原子又はメチル基を表わし、Rb、Rcは水素原子以外の置換基で炭素数1〜6のアルキル基を表わし、同一又は異なっても良い。s、tは0〜3の整数を表わす。Zaは単結合、メチレン基、エチレン基、
を表わす。)」、(8)「シリコーンオイルが表面層塗工液の全固形分に対して、0.1〜20wt%であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載の電子写真感光体」、(9)「前記感光層が支持体側から電荷発生層、電荷輸送層、表面層の積層構成であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載の電子写真感光体」、(10)「前記感光層の電荷輸送層が高分子電荷輸送物質を含有することを特徴とする前記第(9)項に記載の電子写真感光体」、(11)「前記高分子電荷輸送物質がトリアリールアミン構造を主鎖又は側鎖に有するポリカーボネートであることを特徴とする前記第(10)項に記載の電子写真感光体」、(12)「該表面層にフィラー微粒子が含有されていることを特徴とする前記第(11)項に記載の電子写真感光体」、(13)「該表面層に含有されているフィラー微粒子が無機フィラーであることを特徴とする前記第(12)項に記載の電子写真感光体」、(14)「該表面層に含有されているフィラー微粒子が金属酸化物であることを特徴とする前記第(12)項又は第(13)項に記載の電子写真感光体」、(15)「該表面層に含有されているフィラー微粒子が酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化チタンから選ばれた一つであることを特徴とする前記第(12)項乃至第(14)項のいずれかに記載の電子写真感光体」、(16)「前記表面層の硬化手段が加熱又は光エネルギー照射手段であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(15)項のいずれかに記載の電子写真感光体」により解決される。
また、上記課題は、本発明の(17)「前記第(1)項乃至第(16)項のいずれかに記載の電子写真感光体を用いて、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行なうことを特徴とする画像形成方法」により解決される。
また、上記課題は、本発明の(18)「前記第(1)項乃至第(16)項のいずれかに記載の電子写真感光体を有することを特徴とする画像形成装置」により解決される。
また、上記課題は、本発明の(19)「前記第(1)項乃至第(16)項のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段および除電手段よりなる群から選ばれた少なくとも一つの手段を有するものであって、画像形成装置本体に着脱可能としたことを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ」により解決される。
したがって、本発明によれば、高い耐久性および長期にわたり高画質化を実現する感光体が提供でき、また、このような高耐久、高性能の感光体を用いることにより良好な画像を長期にわたり提供できる高性能で且つ信頼性の高い画像形成プロセス、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジが提供できる。
本発明は、上記したように、導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、該感光層の表面層が、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化した架橋樹脂層からなり、該表面層のダイナミック硬度(圧子:ベルコビッチ115)が20以上であるとともに、さらにこの表面層中にシリコーンオイルを分散状態で含有せしめた点に特徴を有する。これにより、耐摩耗性及び耐傷性が高く、クリーニング特性に優れ、かつ長期間にわたり高画質化を実現する電子写真感光体を得ることができる。
本発明の感光体は、表面層に、3官能以上のラジカル重合性モノマーを用いており、これにより3次元の網目構造が発達し、架橋度が非常に高い高硬度架橋表面層が得られ、高い耐摩耗性が達成される。これに対し、1官能及び2官能のラジカル重合性モノマーのみを用いた場合は、架橋表面層中の架橋結合が希薄となり飛躍的な耐摩耗性向上が達成されない。架橋表面層に高分子材料が含有されている場合、3次元網目構造の発達が阻害され架橋度の低下が起こり、本発明に比べ充分な耐摩耗性が得られない。更に、含有される高分子材料とラジカル重合性組成物(ラジカル重合性モノマーや電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物)の反応より生じた硬化物との相溶性が悪く、相分離から局部的な摩耗が生じ、表面の傷となって現れる。
また、本発明の感光体は、シリコーンオイルが分散され、3官能性ラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化した架橋樹脂層を、ダイナミック硬度(圧子:ベルコビッチ115)が20以上とすることにより、耐摩耗性、クリーニング性の向上、さらには耐傷性の向上が可能となるものである。ここで言うダイナミック硬度とは、島津製作所社製ダイナミック微小硬度計により測定される。圧子としてはベルコビッチ115圧子を用いて、押し込み試験を行ない、9.8mNの荷重を加えたときの最大変位より求められる。
ダイナミック硬度は以下の式で求められる。
ダイナミック硬度=3.8584×P/D2
ここでPは試験力、本発明の場合は9.8mN、D(μm)は押し込み最大変位量である。
しかも、このような架橋密度の高い高硬度の架橋樹脂層は、シリコンオイルを一層安定的に保持し、シリコーンオイルのブリードアウトを抑制し、その感光体表面の潤滑性は一層長期的に維持される。さらに、後記するように、本発明における3官能性ラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化した架橋樹脂層は、嵩高い電荷輸送性置換基を有していながら構造的歪みが少なく、このため、従来技術にみられるような、クラックの発生、表面あれ等が抑制される。したがって、これらにより、本発明の感光体表面は極めて長期間良好な状態に維持され、高耐久性でかつ高品質の画像を提供することができる。
本発明に用いられる電荷輸送性を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しておらず、且つラジカル重合性官能基を3個以上有するモノマーを指す。このラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であれば何れでもよい。
これらラジカル重合性官能基としては、例えば、下記に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基等が挙げられる。
(1)1−置換エチレン官能基としては、例えば以下の式で表わされる官能基が挙げられる。
これらの置換基を具体的に例示すると、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基等が挙げられる。
(2)1,1−置換エチレン官能基としては、例えば以下の式で表わされる官能基が挙げられる。
(ただし、式中、Yは、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基あるいはエトキシ基等のアルコキシ基、−COOR2基(R2は、水素原子、置換又は無置換のメチル基、エチル基等のアルキル基、置換又は無置換のベンジル、フェネチル基等のアラルキル基、置換又は無置換のフェニル基、ナフチル基等のアリール基、または−CONR3R4(R3およびR4は、水素原子、置換又は無置換のメチル基、エチル基等のアルキル基、置換又は無置換のベンジル基、ナフチルメチル基、あるいはフェネチル基等のアラルキル基、または置換又は無置換のフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表わし、互いに同一または異なっていてもよい。)、また、X2は上記式1のX1と同一の置換基及び単結合、アルキレン基を表わす。ただし、Y、X2の少なくとも何れか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、及び芳香族環である。)
これらの置換基を具体的に例示すると、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基等が挙げられる。
なお、これらX1,X2,Yについての置換基にさらに置換される置換基としては、例えばハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
これらのラジカル重合性官能基の中では、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用であり、3個以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物は、例えば水酸基がその分子中に3個以上ある化合物とアクリル酸(塩)、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステルを用い、エステル反応あるいはエステル交換反応させることにより得ることができる。また、3個以上のメタクリロイルオキシ基を有する化合物も同様にして得ることができる。また、ラジカル重合性官能基を3個以上有する単量体中のラジカル重合性官能基は、同一でも異なっても良い。
すなわち、本発明において使用する上記ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、ECH変性グリセロールトリアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、PO変性グリセロールトリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられ、これらは、単独又は2種類以上を併用しても差し支えない。
(一般式(I)及び(II)中、R10は水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR11(R11は水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基又は置換又は無置換のアリール基)、ハロゲン化カルボニル基若しくはCONR12R13(R12及びR13は水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基又は置換又は無置換のアリール基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい)を表わし、Ar1、Ar2は置換もしくは無置換のアリーレン基を表わし、同一であっても異なってもよい。Ar3、Ar4は置換もしくは無置換のアリール基を表わし、同一であっても異なってもよい。X10は単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。Zは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、アルキレンオキシカルボニル基を表わす。m、nは0〜3の整数を表わす。)
前記一般式(I)、(II)において、R10の置換基中、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等がそれぞれ挙げられ、これらは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等により置換されていても良い。
R10の置換基のうち、特に好ましいものは水素原子、メチル基である。
Ar3、Ar4は、置換もしくは無置換のアリール基であり、アリール基としては縮合多環式炭化水素基、非縮合環式炭化水素基及び複素環基が挙げられる。
該縮合多環式炭化水素基としては、好ましくは環を形成する炭素数が18個以下のもの、例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、及びナフタセニル基等が挙げられる。
また、前記Ar3、Ar4で表わされるアリール基は例えば以下に示すような置換基を有してもよい。
(1)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等。
(2)アルキル基。好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR14)。R14は(2)で示されたアルキル基と同様である。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
(5)アルキルメルカプト基又はアリールメルカプト基。具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)
(式中、R15及びR16は各々独立に水素原子、前記(2)で示したアルキル基、またはアリール基を表わす。アリール基としては、例えばフェニル基、ビフェニル基又はナフチル基が挙げられ、これらはC1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。R15及びR16は共同で環を形成してもよい)
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
(7)メチレンジオキシ基、又はメチレンジチオ基等のアルキレンジオキシ基又はアルキレンジチオ基等。
(8)置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等。
前記X10は単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。
置換もしくは無置換のアルキレン基としては、C1〜C12、好ましくはC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキレン基が挙げられ、これらのアルキレン基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチレン基、エチレン基、n−ブチレン基、i−プロピレン基、t−ブチレン基、s−ブチレン基、n−プロピレン基、トリフルオロメチレン基、2−ヒドロキエチレン基、2−エトキシエチレン基、2−シアノエチレン基、2−メトキシエチレン基、ベンジリデン基、フェニルエチレン基、4−クロロフェニルエチレン基、4−メチルフェニルエチレン基、4−ビフェニルエチレン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のシクロアルキレン基としては、C5〜C7の環状アルキレン基が挙げられ、これらの環状アルキレン基は、置換基として、フッ素原子、水酸基、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基を有していても良い。具体的にはシクロヘキシリデン基、シクロへキシレン基、3,3−ジメチルシクロヘキシリデン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、−CH2CH2O−基、−CH2CH2CH2O−基、−(OCH2CH2)h−O−基、又は−(OCH2CH2CH2)i−O−基等が挙げられる。
但し上記式中のh,iはそれぞれ1〜4の整数を表わす。
また、アルキレンエーテル基のアルキレン基はヒドロキシル基、メチル基、エチル基等の置換基を有してもよい。
ビニレン基は、
置換もしくは無置換のアルキレン基としは、前記Xのアルキレン基と同様なものが挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、前記Xのアルキレンエーテル基が挙げられる。
アルキレンオキシカルボニル基としては、カプロラクトン変性基が挙げられる。
(式中、o、p、qはそれぞれ0又は1の整数、Raは水素原子又はメチル基を表わし、Rb、Rcは水素原子以外の置換基で炭素数1〜6のアルキル基を表わし、同一又は異なっても良い。s、tは0〜3の整数を表わす。Zaは単結合、メチレン基、エチレン基、
を表わす。)
上記一般式(III)で表わされる化合物としては、Rb、Rcの置換基として、特にメチル基、エチル基である化合物が好ましい。
本発明により形成される架橋表面層は、クラック等の発生がなくかつ電気特性に優れる。その理由は、本発明で用いる上記一般式(I)及び(II)特に(III)の1官能性の電荷輸送構造を有するラジカル重合性化合物は、炭素−炭素間の二重結合が両側に開放されて重合するため、末端構造とはならず、連鎖重合体中に組み込まれ、3官能以上のラジカル重合性モノマーとの重合で架橋形成された重合体中では、高分子の主鎖中に存在し、かつ主鎖−主鎖間の架橋鎖中に存在(この架橋鎖には1つの高分子と他の高分子間の分子間架橋鎖と、1つの高分子内で折り畳まれた状態の主鎖のある部位と主鎖中でこれから離れた位置に重合したモノマー由来の他の部位とが架橋される分子内架橋鎖とがある)するが、主鎖中に存在する場合であってもまた架橋鎖中に存在する場合であっても、鎖部分から懸下するトリアリールアミン構造は、窒素原子から放射状方向に配置する少なくとも3つのアリール基を有し、バルキーであるが、鎖部分に直接結合しておらず鎖部分からカルボニル基等を介して懸下しているため立体的位置取りに融通性ある状態で固定されているので、これらトリアリールアミン構造は重合体中で相互に程よく隣接する空間配置が可能であるため、分子内の構造的歪みが少なく、また、電子写真感光体の表面層とされた場合に、電荷輸送経路の断絶を比較的免れた分子内構造を採りうるものと推測される。
これらの重合開始剤は1種又は2種以上を混合して用いてもよい。重合開始剤の含有量は、ラジカル重合性を有する総含有物100重量部に対し、0.5〜40重量部、好ましくは1〜20重量部である。
シリコーンオイルとしては、下記に示す一般式(IV)を基本骨格とするシリコーンオイルが好ましい。シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、ビニル変性シリコーンオイル、アルコキシ変性シリコーンオイル、異種官能基変性シリコーンオイル等が挙げられ、それらの中から、1種あるいはそれ以上が適宜選択される。
上記メチルフェニルシリコーンオイルの場合、R20〜R29はそれぞれ異なってもよく、メチル基あるいはフェニル基(但し、R20〜R29のすべてが、メチル基あるいはフェニル基のいずれかのみであることはない。)を表す。またフェニル基は置換基を有していても良い。
上記メチルハイドロジェンシリコーンオイルの場合、R20〜R29はそれぞれ異なってもよく、水素あるいはメチル基(但し、R20〜R29のすべてが水素あるいはメチル基のいずれかのみであることはない。)を表わす。
本発明で用いられるポリエーテル変性シリコーンオイルの場合、R20〜R29はそれぞれ異なってもよく、炭素数1〜3のアルキル基、あるいは基−R30−(C2H4O)s(C3H6O)t−R31(但し、R20〜R29のうち少なくとも一つは、基−R30−(C2H4O)s(C3H6O)t−R31である。なお、C2H4はエチレン基、C3H6はプロピレン基を表わす。)を表わし、R30はアルキレン基、R31はアルキル基、水酸基又は基−R32−OHを表わす。R32はアルキレン基である。g、hは0又は正の整数である(但し、s、tはともに0であることはない。)。
上記エポキシ変性シリコーンオイルの場合、R20〜R29はそれぞれ異なってもよく、炭素数1〜3のアルキル基あるいは下記式で表される置換基(但し、少なくとも一つは下記構造の置換基である。)を表し、下記式中、R33、R34は、アルキレン基を表わす。
上記アミノ変性シリコーンオイルの場合、R20〜R29はそれぞれ異なってもよく、炭素数1〜3のアルキル基、若しくは基−R35−NH−R36−NH2又は基−R37−NH2(但し、R20〜R29のうち少なくとも一つは基−R35−NH−R36−NH2又は−基R37−NH2である。)を表わし、式中R35〜R37はアルキレン基を表わす。
上記カルボキシル変性シリコーンオイルの場合、R20〜R29はそれぞれ異なってもよく、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、又は基−R38−COOH(但し、R20〜R29のうち少なくとも一つは基−R38−COOHである。)を表わし、R38は、アルキレン基を表わす。
上記メルカプト変性シリコーンオイルの場合、R20〜R29はそれぞれ異なってもよく、炭素数1〜3のアルキル基あるいは、基−R39−SH(但し、R20〜R29のうち少なくとも一つは基−R39−SHである。)を表わし、R39は、アルキレン基を表わす。
上記カルビノール変性シリコーンオイルの場合、R20〜R29はそれぞれ異なってもよく、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、あるいは基−R40−OH(但し、R20〜R29のうち少なくとも一つは基−R40−OHである。)を表わし、R40は、アルキレン基を表わす。
上記メタクリル変性シリコーンオイルの場合、R20〜R29はそれぞれ異なってもよく、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、若しくは基−R41−C(CH3)=CH2または基−R42−OCO−C(CH3)=CH2(但し、R20〜R29のうち少なくとも一つは基−R41−C(CH3)=CH2または基−R42−OCO−C(CH3)=CH2である)を表わし、R41、R42は、アルキレン基を表わす。
上記アルキル変性シリコーンオイルの場合、R20〜R29はそれぞれ異なってもよく、炭素数1以上のアルキル基(但し、R20〜R29のうち少なくとも一つは炭素数4以上のアルキル基である)を表わす。
上記フェノール変性シリコーンオイルの場合、R20〜R29はそれぞれ異なってもよく、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、又は下記構造の置換基(但し、R20〜R29のうち少なくとも一つは下記式で表される置換基である。)を表わし、下記式中R43は、アルキレン基を表わす。
上記脂肪酸エステル変性シリコーンオイルの場合、R20〜R29はそれぞれ異なってもよく、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、又は基−OCO−R44(但し、R20〜R29のうち少なくとも一つは基−OCO−R45である)を表わし、R44は、アルキル基を表わす。
上記ビニル変性シリコーンオイルの場合、R20〜R29はそれぞれ異なってもよく、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、フェニル基(置換基を有していても良い)、又は基−CH2=CH2(但し、R20〜R29のうち少なくとも一つは基−CH2=CH2である。)を表わす。
上記アルコキシ変性シリコーンオイルの場合、R20〜R29はそれぞれ異なってもよく、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1以上のアルコキシ基(但し、R20〜R29のうち少なくとも一つは炭素数4以上アルコキシ基である)を表わす。
本発明で用いられる異種官能基変性シリコーンオイルの場合、R20〜R29はそれぞれ異なってもよく、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、アミノ基、エポキシ基、又はポリエーテル基(但し、R20〜R29は、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、アミノ基、エポキシ基、又はポリエーテル基から選ばれた異種の置換基を少なくとも二つ含有する。)を表わす。
上記フッ素変性シリコーンオイルの場合、R20〜R29はそれぞれ異なってもよく、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、又は基−R45−CF3(但し、R20〜R29のうち少なくとも一つは基−R45−CF3である)を表わし、R45は、アルキレン基を表わす。
シリコーンオイルは塗工液に添加されるが、その添加量は、塗工液の全固形分に対して、0.1〜20wt%であることが好ましい。添加量が少ない場合は、その効果が充分に発揮されず、添加量が多い場合は、架橋時にこれらのシリコーンオイルが架橋阻害の原因となり、充分な架橋が進まなかったり、表面凹凸が大きくなったりする。
更に、本発明の塗工液は必要に応じて各種可塑剤(応力緩和や接着性向上の目的)、ラジカル反応性を有しない低分子電荷輸送物質などの添加剤が含有できる。これらの添加剤は公知のものが使用可能であり、可塑剤としてはジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂に使用されているものが利用可能で、その使用量は塗工液の総固形分に対し20重量%以下、好ましくは10%以下に抑えられる。
さらに本発明の塗工液には、さらなる耐摩耗性向上のために、フィラー微粒子を含有することが好ましい。
表面層中のフィラー材料濃度は、高いほど耐摩耗性が高いので良好であるが、高すぎる場合には残留電位の上昇、表面層の書き込み光透過率が低下し、副作用を生じる場合がある。従って、概ね全固形分に対して、50重量%以下、好ましくは30重量%以下程度である。
一般的には照射光強度は、300mW/cm2以上、1500mW/cm2以下が好ましく、300mW/cm2未満では充分な硬化が進まず、ダイナミック硬度が低くなる。1500mW/cm2より強いと反応の進行が不均一となり、架橋表面層の荒れが激しくなる。
照射時間は、照射光強度にもよるが、一般的には20秒以上、300秒以内が好ましい。照射時間が短い場合、充分な硬化が進まずに、ダイナミック硬度が低くなる。300秒を超えると、光照射による膜の劣化反応が問題となり、感光体の静電特性に対して影響を及ぼす。
それ以外の硬化手段としては、電子線を用いるものが挙げられる。また、これらの硬化手段を併用しても構わない。
硬化し、作製された表面架橋層は、有機溶媒に対して、不溶であることが好ましい。硬化が充分でない膜は、有機溶媒に対して、可溶であり、且つ架橋密度が低いため、ダイナミック硬度も低くなり、耐摩耗性、耐傷性が低くなる。
熱硬化の場合、加熱温度は100〜170℃が好ましく、例えば加熱手段として送風型オーブンを用い、加熱温度を150℃に設定した場合、加熱時間は20分〜3時間である。
硬化終了後は、残留溶媒低減のため100〜150℃で10分〜30分加熱して、本発明の感光体を得る。
<電子写真感光体の層構造について>
本発明に用いられる電子写真感光体を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の電子写真感光体を表わす断面図であり、導電性支持体上に、電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する感光層が設けられた単層構造の感光体である。図1(A)は感光層全体を架橋硬化することにより架橋表面層を形成した場合を示し、図1(B)は、架橋表面層を感光層の表面部分に設けた場合を示す。
図2は、導電性支持体上に、電荷発生機能を有する電荷発生層と、電荷輸送物機能を有する電荷輸送層とが積層された積層構造の感光体を示す図である。図2(A)は電荷輸送層全体を架橋硬化し架橋表面層とした場合であり、図2(B)は、電荷輸送層の表面部分に架橋表面層を設けた場合を示す。
導電性支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体として用いることができる。
次に感光層について説明する。感光層は積層構造でも単層構造でもよい。
積層構造の場合には、感光層は電荷発生機能を有する電荷発生層と電荷輸送機能を有する電荷輸送層とから構成される。また、単層構造の場合には、感光層は電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層である。
以下、積層構造の感光層及び単層構造の感光層のそれぞれについて述べる。
(電荷発生層)
電荷発生層は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
また、後者の具体例としては、例えば特開昭63−285552号公報、特開平05−19497号公報、特開平05−70595号公報、特開平10−73944号公報等に記載のポリシリレン重合体が例示される。
電荷発生層に併用できる低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
また、後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。また、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
電荷輸送層は電荷輸送機能を有する層で、本発明の電荷輸送性構造を有する架橋表面層は電荷輸送層として有用に用いられる。架橋表面層が電荷輸送層の全体である場合、前述の架橋表面層作製方法に記載したように電荷発生層上に本発明のラジカル重合性組成物(電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー及び電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物;以下同じ)とシリコーンオイル、あるいはさらにフィラー等を含有する塗工液を塗布、必要に応じて乾燥後、外部エネルギーにより硬化反応を開始させ、架橋表面層が形成される。このとき、架橋表面層の膜厚は、10〜30μm、好ましくは10〜25μmである。10μmより薄いと充分な帯電電位が維持できず、30μmより厚いと硬化時の体積収縮により下層との剥離が生じやすくなる。
また、架橋表面層が電荷輸送層の表面部分に形成され、電荷輸送層が積層構造である場合、電荷輸送層の下層部分は電荷輸送機能を有する電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成し、この上に上記本発明のラジカル重合性組成物とシリコーンオイル、あるいはさらにフィラー等を含有する塗工液を塗布し、外部エネルギーにより架橋硬化させる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。但し、高分子電荷輸送物質を用いる場合は、単独でも結着樹脂との併用も可能である。
電荷輸送層の下層部分の塗工に用いられる溶媒としては前記電荷発生層と同様なものが使用できるが、電荷輸送物質及び結着樹脂を良好に溶解するものが適している。これらの溶剤は単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。また、電荷輸送層の下層部分の形成には電荷発生層と同様な塗工法が可能である。
電荷輸送層の下層部分に併用できる可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
電荷輸送層の下層部分に併用できるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。
電荷輸送層の下層部分の膜厚は、5〜40μm程度が適当であり、好ましくは10〜30μm程度が適当である。
単層構造の感光層は電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層で、本発明の電荷輸送性構造を有する架橋表面層は電荷発生機能を有する電荷発生物質を含有させることにより、単層構造の感光層として有用に用いられる。上記の電荷発生層のキャスティング形成方法に記載したように、電荷発生物質をラジカル重合性組成物を含有する塗工液と共に分散し、電荷発生層上に塗布、必要に応じて乾燥後、外部エネルギーにより硬化反応を開始させ、架橋表面層が形成される。なお、電荷発生物質はあらかじめ溶媒と共に分散した液を本架橋表面層用塗工液に加えてもよい。このとき、架橋表面層の膜厚は、10〜30μm、好ましくは10〜25μmである。10μmより薄いと充分な帯電電位が維持できず、30μmより厚いと硬化時の体積収縮により導電性基体または下引き層との剥離が生じやすくなる。
本発明の感光体においては、架橋表面層が感光層の表面部分となる場合、架橋表面層への下層成分混入を抑える又は下層との接着性を改善する目的で中間層を設けることが可能である。この中間層はラジカル重合性組成物を含有する最表面層中に下部感光層組成物の混入により生ずる、硬化反応の阻害や架橋表面層の凹凸を防止する。また、下層の感光層と表面架橋層の接着性を向上させることも可能である。
中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく一般に用いられる塗工法が採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
本発明の感光体においては、導電性支持体と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、架橋表面層、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、中間層等の各層に酸化防止剤を添加することができる。
(フェノール系化合物)
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]グリコールエステル、トコフェロール類など。
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
本発明における酸化防止剤の添加量は、添加する層の総重量に対して0.01〜10重量%である。
次に、本発明で用いているダイナミック硬度の測定方法を説明する。
本発明のダイナミック硬度は、島津製作所社製ダイナミック微小表面硬度計(DUHW201S)により測定される。圧子としては、ベルコビッチ115圧子を用い、負荷速度0.0143g/sec、最大負荷荷重9.8mNで押し込み試験を行なう。ダイナミック硬度は、最大負荷荷重時における押し込み深さより、算出される。
ダイナミック硬度は以下の式で求められる。
ダイナミック硬度=3.8584×P/D2
ここでPは試験力、本発明の場合は9.8mN、D(μm)は押し込み最大変位量である。
本発明の感光体の架橋表面層のダイナミック硬度は、20以上である。ダイナミック硬度が20未満であるときは、膜強度が弱く、長期的使用により、感光体表面にスジ状の傷が入り、異常画像の発生要因となる。
次に図面に基づいて本発明の画像形成方法ならびに画像形成装置を詳しく説明する。
本発明の画像形成方法ならびに画像形成装置とは、上述した電荷輸送性架橋表面層を有し、該表面層がダイナミック硬度(圧子:ベルコビッチ115)20以上で、さらに表面層中にシリコーンオイルを分散状態で含有せしめた感光体を用いるものであり、例えば少なくとも上記感光体において帯電、画像露光、現像の過程を経た後、画像保持体(転写紙)へのトナー画像の転写、定着及び感光体表面のクリーニングというプロセスよりなる画像形成方法ならびに画像形成装置である。
なお、静電潜像を直接転写体に転写し現像する画像形成方法等では、感光体に配した上記プロセスを必ずしも有するものではない。
次に、転写体(9)を感光体(1)より分離する手段として分離チャージャ(11)、分離爪(12)が用いられる。その他分離手段としては、静電吸着誘導分離、側端ベルト分離、先端グリップ搬送、曲率分離等が用いられる。分離チャージャ(11)としては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、転写後感光体上に残されたトナーをクリーニングするためにファーブラシ(14)、クリーニングブレード(15)が用いられる。また、クリーニングをより効率的に行なうためにクリーニング前チャージャ(13)を用いてもよい。その他クリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独又は複数の方式を一緒に用いてもよい。
次に、必要に応じて感光体上の潜像を取り除く目的で除電手段が用いられる。除電手段としては除電ランプ(2)、除電チャージャが用いられ、それぞれ前記露光光源、帯電手段が利用できる。
次に、均一に帯電された感光体(1)上に静電潜像を形成するために画像露光部(5)による露光を行なう。この光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
次に、感光体(1)上に形成された静電潜像を可視化するために現像ユニット(6)により静電潜像の現像を行なう。現像方式としては、乾式トナーを用いた一成分現像法、二成分現像法、湿式トナーを用いた湿式現像法がある。感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
次に、感光体上で可視化されたトナー像は、転写チャージャ(10)により転写体(9)上に転写される。また、転写をより良好に行なうために転写前チャージャ(7)を用いてもよい。これらの転写手段としては、転写チャージャ、バイアスローラーを用いる静電転写方式、粘着転写法、圧力転写法等の機械転写方式、磁気転写方式が利用可能である。静電転写方式としては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、転写体(9)を、分離チャージャ(11)および分離爪(12)を用いて感光体(1)から分離する。その他の分離手段としては、静電吸着誘導分離、側端ベルト分離、先端グリップ搬送、曲率分離等が用いられる。分離チャージャ(11)としては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、転写後感光体上に残されたトナーは、ファーブラシ(14)およびクリーニングブレード(15)が用いて、クリーニングされ除去される。この場合、クリーニングをより効率的に行なうためにクリーニング前チャージャ(13)を用いてもよい。その他クリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独又は複数の方式を一緒に用いてもよい。
次に、必要に応じて感光体上の潜像を取り除く目的で除電手段が適用される。除電手段としては除電ランプ(2)、除電チャージャが用いられ、それぞれ前記露光光源、帯電手段が利用できる。
その他、感光体に近接していない原稿読み取り、給紙、定着、排紙等のプロセスは公知のものが使用できる。
この画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形態でそれら装置内に組み込まれ、着脱自在としたものであってもよい。プロセスカートリッジの一例を図4に示す。
画像形成装置用プロセスカートリッジとは、感光体(101)を内蔵し、他に帯電手段(102)、現像手段(104)、転写手段(106)、クリーニング手段(107)、除電手段(図示せず)の少なくとも一つを具備し、画像形成装置本体に着脱可能とした装置(部品)である。
本発明は、本架橋表面層を有した感光体と帯電、現像、転写、クリーニング、除電手段の少なくとも一つを一体化した画像形成装置用プロセスカートリッジを提供するものである。
以上の説明から明らかなように、本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも広く用いることができるものである。
本発明における電荷輸送性構造を有する化合物は、例えば特許第3164426号公報記載の方法にて合成される。また、下記にこの一例を示す。
(1)ヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(下記構造式B)の合成
メトキシ基置換トリアリールアミン化合物(下記構造式A)113.85g(0.3mol)と、ヨウ化ナトリウム138g(0.92mol)にスルホラン240mlを加え、窒素気流中で60℃に加温した。この液中にトリメチルクロロシラン99g(0.91mol)を1時間で滴下し、約60℃の温度で4時間半撹拌し反応を終了させた。この反応液にトルエン約1.5Lを加え室温まで冷却し、水と炭酸ナトリウム水溶液で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマト処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン:酢酸エチル=20:1)にて精製した。得られた淡黄色オイルにシクロヘキサンを加え、結晶を析出させた。この様にして下記構造式Bの白色結晶88.1g(収率=80.4%)を得た。
融点:64.0〜66.0℃
(2)トリアリールアミノ基置換アクリレート化合物(表1中の例示化合物No.54)
上記(1)で得られたヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(構造式B)82.9g(0.227mol)をテトラヒドロフラン400mlに溶解し、窒素気流中で水酸化ナトリウム水溶液(NaOH:12.4g,水:100ml)を滴下した。この溶液を5℃に冷却し、アクリル酸クロライド25.2g(0.272mol)を40分かけて滴下した。その後、5℃で3時間撹拌し反応を終了させた。この反応液を水に注ぎ、トルエンにて抽出した。この抽出液を炭酸水素ナトリウム水溶液と水で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマト処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン)にて精製した。得られた無色のオイルにn−ヘキサンを加え、結晶を析出させた。この様にして例示化合物No.54の白色結晶80.73g(収率=84.8%)を得た。
融点:117.5〜119.0℃
実施例1
Al製支持体(外径30mmφ)に、乾燥後の膜厚が3.5μmになるように浸漬法で塗工し、下引き層を形成した。
・下引き層用塗工液
アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
酸化チタン 40部
(CR−EL:石原産業)
メチルエチルケトン 50部
この下引き層上に下記構造のビスアゾ顔料を含む電荷発生層塗工液に浸漬塗工し、加熱乾燥させ、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
・電荷発生層用塗工液
下記構造のビスアゾ顔料 2.5部
ポリビニルブチラール(XYHL、UCC製) 0.5部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
この電荷発生層上に下記構造の電荷輸送層用塗工液を用いて、浸積塗工し、加熱乾燥させ、膜厚22μmの電荷輸送層とした。
・電荷輸送層用塗工液
ビスフェーノルZ型ポリカーボネート 10部
下記構造の低分子電荷輸送物質 10部
テトラヒドロフラン 80部
1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
(KF50、信越化学工業製)
電荷輸送層上に下記構成の架橋表面層塗工液を用いて、スプレー塗工し、メタルハライドランプ、照射強度:650mW/cm2、照射時間:90秒の条件で光照射を行ない、更に130℃で30分乾燥を加え4.0μmの架橋表面層を設け、本発明の電子写真感光体を得た。
・架橋表面層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 9部
トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:382、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 9部
(例示化合物No.54)
光重合開始剤 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
シリコーンオイル 1部
(東レ・ダウコーニング・シリコーン製SH200)
テトラヒドロフラン 80部
実施例1の架橋表面層の光照射条件を以下に示すようなものとすること以外は、実施例1と同じにして作製した。
照射光強度:650mW/cm2
照射時間:40秒
実施例1の架橋表面層の光照射条件を以下に示すようなものとすること以外は、実施例1と同じにして作製した。
照射光強度:1000mW/cm2
照射時間:30秒
実施例1の架橋表面層塗工液のシリコーンオイルとして下記シリコーンオイルを用いること以外は全て実施例1と同じにして感光体を作製した。
シリコーンオイル:信越化学製、KF50
実施例1の架橋表面層塗工液を下記構成のものとすること以外は全て実施例1と同じにして電子写真感光体を作製した。
・架橋表面層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 7部
トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:382、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 7部
(例示化合物No.54)
光重合開始剤 2部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
シリコーンオイル(信越化学製、KF50) 4部
テトラヒドロフラン 80部
実施例1の架橋表面層塗工液を下記構成のものとすること以外は全て実施例1と同じにして電子写真感光体を作製した。
・架橋表面層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 9部
トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:382、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 9部
(例示化合物No.54)
光重合開始剤 1.5部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
シリコーンオイル(東レ・シリコーン製、SH200) 0.5部
テトラヒドロフラン 80部
実施例1の架橋表面層塗工液を下記構成のものとすること以外は全て実施例1と同じにして電子写真感光体を作製した。
・架橋表面層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:382、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 10部
(例示化合物No.54)
光重合開始剤 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
シリコーンオイル(東レ・シリコーン製、SH200) 0.05部
テトラヒドロフラン 80部
実施例1の架橋表面層塗工液中の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物として例示化合物No.1を用いたこと以外は全て実施例1と同じにして電子写真感光体を作製した。膜厚は4.0μmとした。
実施例1の架橋表面層塗工液中の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物として例示化合物No.53を用いたこと以外は全て実施例1と同じにして電子写真感光体を作製した。膜厚は4.0μmとした。
実施例1の架橋表面層塗工液を下記構成のものとすること以外は全て実施例1と同じにして電子写真感光体を作製した。
・架橋表面層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 9部
トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:382、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 9部
(例示化合物No.54)
光重合開始剤 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
シリコーンオイル(東レ・シリコーン製、SH200) 1部
アルミナ微粒子(住友化学製、AA03) 5部
テトラヒドロフラン 80部
実施例10の架橋表面層塗工液材料のフィラーとしてシリカ微粒子(KMPX100:信越化学製)を用いること以外は全て実施例1と同じにして電子写真感光体を作製した。膜厚を4.0μmとした。
実施例10の架橋表面層塗工液材料のフィラーとして酸化チタン微粒子(CR97:石原産業製)を用いること以外は全て実施例1と同じにして電子写真感光体を作製した。膜厚は3.0μmとした
実施例1の架橋表面層塗工液を下記構成のものとすること以外は全て実施例1と同じにして電子写真感光体を作製した。膜厚は4.0μmとした。
・架橋表面層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 9部
トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:382、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 9部
(例示化合物No.54)
光重合開始剤 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
シリコーンオイル(東レ・シリコーン製、SH200) 1部
コロイダルシリカ 16.7部
(スノーテックス30、固形分30wt%、
溶媒:n−プロピルセロソルブ、日産化学)
テトラヒドロフラン 88部
実施例1の電荷輸送材料を下記構成とすること以外は全て実施例1と同じにして電子写真感光体を作成した。
下記構造の高分子電荷輸送物質 20部
実施例1の架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のモノマーに変えた以外は全て実施例1と同じにして電子写真感光体を作製した。膜厚は4.0μmとした。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPCA−60、日本化薬製)
分子量:1263、官能基数:6官能、分子量/官能基数=211
実施例1の架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のモノマーに変えた以外は全て実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。膜厚は4.0μmとした。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPCA−120、日本化薬製)
分子量:1947、官能基数:6官能、分子量/官能基数=325
実施例1の架橋表面層用塗工液に含有される1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を例示化合物No.97、9部に代え、光重合開始剤を下記熱重合開始剤に代え電荷輸送層上に同様に塗工後、送風型オーブンを用い70℃で30分加熱、更に150℃で1時間加熱し、架橋表面層を設け本発明の感光体を得た。膜厚は4.0μmとした。
熱重合開始剤 2部
2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシ)プロパン
(パーカドックス 12−EB20、化薬アクゾ製)
実施例1の架橋表面層塗工液に含有されるシリコーンオイルを添加しないこと以外は全て実施例1と同じにして電子写真感光体を作成した。
実施例1の架橋表面層塗工液に含有される1官能の電荷輸送構造を有するラジカル重合成化合物を下記構造のものとすること以外は全て実施例1と同じにして電子写真感光体を作成した。
実施例1の架橋表面層の光照射条件を以下に示すようなものとすること以外は、実施例1と同じにして作製した。
照射光強度:650mW/cm2
照射時間:20秒
実施例1の架橋表面層の光照射条件を以下に示すようなものとすること以外は、実施例1と同じにして作製した。
照射光強度:250mW/cm2
照射時間:90秒
実施例1の架橋表面層塗工液を下記構成のものとすること以外は全て実施例1と同じにして電子写真感光体を作製した。
・架橋表面層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 5部
トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:382、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 13部
(例示化合物No.54)
光重合開始剤 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
シリコーンオイル 1部
(東レ・ダウコーニング・シリコーン製、SH200)
テトラヒドロフラン 80部
実施例1の架橋表面層塗工液を下記構成のものとすること以外は全て実施例1と同じにして電子写真感光体を作製した。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 7部
トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:382、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 7部
(例示化合物No.54)
光重合開始剤 2部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
シリコーンオイル(信越化学製、KF995) 4部
テトラヒドロフラン 80部
実施例1の架橋表面層塗工液の代わりに下記構成表面塗工液とし、加熱乾燥して表面層とすること以外は全て実施例1と同じにして電子写真感光体を作製した。
・表面層塗工液
ビスフェーノルZ型ポリカーボネート 9部
下記構造の低分子電荷輸送物質 9部
架橋表面層を設けないこと以外は全て実施例1と同じにして作製した。
作製した膜のダイナミック硬度を測定した。結果を表4に示す。
作製した電子写真感光体を、リコー製imagio Neo270改造機(画像露光光源として655nmの半導体レーザー)を用いて、20万枚の実機通紙試験(A4、NBSリコー製MyPaper、スタート時帯電電位−700V)を実施し、摩耗特性、機内電位、クリーニングブレード挙動評価、画像特性評価(S3チャート評価)を行なった。結果をそれぞれ5〜8に示す。
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ
4 イレーサ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャ
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
101 感光ドラム
102 帯電装置
103 露光
104 現像装置
105 転写体
106 転写装置
107 クリーニングブレード
Claims (19)
- 導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、該感光層の表面層が、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化した架橋樹脂層であり、該表面層のダイナミック硬度(圧子:ベルコビッチ115)が20以上であり、かつ該表面層中にシリコーンオイルが分散されていることを特徴とする、電子写真感光体。
- 前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーの官能基が、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーにおける官能基数に対する分子量の割合(分子量/官能基数)が、250以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
- 前記表面層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の官能基が、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記最表面層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の電荷輸送構造が、トリアリールアミン構造であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記表面層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、下記一般式(I)又は(II)で表わされる化合物の少なくとも一種以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子写真感光体。
(式中、R10は水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR11(R11は水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基又は置換又は無置換のアリール基)、ハロゲン化カルボニル基若しくはCONR12R13(R12及びR13は水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基又は置換又は無置換のアリール基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい)を表わし、Ar1、Ar2は置換もしくは無置換のアリーレン基を表わし、同一であっても異なってもよい。Ar3、Ar4は置換もしくは無置換のアリール基を表わし、同一であっても異なってもよい。X10は単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。Zは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、アルキレンオキシカルボニル基を表わす。m、nは0〜3の整数を表わす。) - シリコーンオイルが表面層塗工液の全固形分に対して、0.1〜20wt%であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が支持体側から電荷発生層、電荷輸送層、表面層の積層構成であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記感光層の電荷輸送層が高分子電荷輸送物質を含有することを特徴とする請求項9に記載の電子写真感光体。
- 前記高分子電荷輸送物質がトリアリールアミン構造を主鎖又は側鎖に有するポリカーボネートであることを特徴とする請求項10に記載の電子写真感光体。
- 該表面層にフィラー微粒子が含有されていることを特徴とする請求項11に記載の電子写真感光体。
- 該表面層に含有されているフィラー微粒子が無機フィラーであることを特徴とする請求項12に記載の電子写真感光体。
- 該表面層に含有されているフィラー微粒子が金属酸化物であることを特徴とする請求項12又は13に記載の電子写真感光体。
- 該表面層に含有されているフィラー微粒子が酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化チタンから選ばれた一つであることを特徴とする請求項12乃至14のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記表面層の硬化手段が加熱又は光エネルギー照射手段であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 請求項1乃至16のいずれかに記載の電子写真感光体を用いて、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行なうことを特徴とする画像形成方法。
- 請求項1乃至16のいずれかに記載の電子写真感光体を有することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1乃至16のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段および除電手段よりなる群から選ばれた少なくとも一つの手段を有するものであって、画像形成装置本体に着脱可能としたことを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
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