JP2006138932A - 電子写真感光体、これを用いた画像形成方法、画像形成装置、及び画像形成用プロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、これを用いた画像形成方法、画像形成装置、及び画像形成用プロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】高い耐摩耗性と優れた電気的特性の両立を図った電子写真感光体、これを用いた画像形成方法、画像形成装置、及び画像形成装置用プロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】導電性支持体1上に、電荷発生層3と、電荷輸送層4とを、順次積層した構成の感光層2を有し、感光層2の表面側の一部が、下記式(1)で表される傾斜構造を有しているものとする。
(D/R)n<(D/R)m・・・(1)
但し、(D/R)nと(D/R)mは、それぞれ感光層の最表面からの距離n地点とm地点の電荷輸送材料(D)とバインダー樹脂(R)の重量比を表す。また、n<mである。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐摩耗性に優れ、かつ電気的特性が良好な感光層を備え、高耐久性を有し、長期間に亘り高画質化を実現可能な電子写真感光体、これを用いた画像形成方法、画像形成装置、及び画像形成装置用プロセスカートリッジに関するものである。
近年、有機感光体(OPC)は、その高い性能や、様々な利点を有していることから、無機感光体に代わり、複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ、及びこれらの複合機に多く用いられている。
すなわち、有機感光体は、(1)光吸収波長域の広さ及び吸収量の大きさ等の光学特性、(2)高感度、安定な帯電特性等の電気的特性、(3)材料の選択範囲の広さ、(4)製造の容易さ、(5)低コスト、(6)無毒性、等の観点から優れた性能を有している。
一方、近年の画像形成装置の小型化への要望から、感光体の小径化が進み、機械の高速化やメンテナンスフリーの動きも加わり感光体の高耐久化への要求が高まってきた。
かかる観点から検討すると、有機感光体は、表面層が低分子電荷輸送材料と不活性高分子を主成分としているため、一般的に柔らかく、電子写真プロセスにおいて繰り返し使用された場合、現像システムやクリーニングシステムによる機械的な負荷により摩耗が発生しやすいという欠点を有していると言える。
更には、高画質化の要求が高まっていることから、トナー粒子の小粒径化が進み、これに伴い、クリーニング性の向上を図るため、クリーニングブレードのゴム硬度の上昇と当接圧力の上昇が余儀なくされているが、これが感光体の摩耗を進行させる原因となっている。
このような感光体の摩耗は、感度や帯電性等、電気的特性を劣化させ、画像濃度低下、地肌汚れ等の異常画像の原因となる。
また、摩耗が局所的に起こったことにより発生した傷は、クリーニング不良によるスジ状の汚れ画像の原因となる。
従って、有機感光体の高耐久性の向上を図るためには、上述したような摩耗量を低減化させることが不可欠な課題である。
感光層の耐摩耗性を向上させる技術としては、(1)表面層に硬化性バインダーを用いたもの(例えば、特許文献1参照。)、(2)高分子型電荷輸送物質を用いたもの(例えば、特許文献2参照。)、(3)表面層に無機フィラーを分散させたもの(例えば、特許文献3〜9参照。)等が挙げられる。
上記従来技術のうち、(1)の硬化性バインダーを用いたものは、電荷輸送物質との相溶性が悪く、また重合開始剤、未反応残基等の不純物により残留電位が上昇し画像濃度低下が発生し易い傾向があるという問題を有している。
(2)の高分子型電荷輸送物質を用いたもの、及び(3)の無機フィラーを分散させたものは、ある程度の耐摩耗性向上効果が得られるものの、耐久性については充分な性能を満足させるまでには至っていない。
(3)の無機フィラーを分散させたものは、無機フィラーとバインダーの間に結合を持っていないので、無機フィラー表面に存在するトラップにより残留電位が上昇し、画像濃度低下が発生し易い傾向にあるという問題がある。更に、無機フィラーの光散乱を避けられないので、高画質の実現も困難である。
上述したように、上記(1)〜(3)に挙げた従来技術においては、有機感光体に求められる電気的な耐久性、機械的な耐久性をも含めた総合的な耐久性を充分に満足するには至っていなかった。
また、従来においては、感光体の電荷輸送層を二層構造とし、濃度勾配をもたせたものについての技術開示がなされている(例えば、特許文献10、11参照。)。
しかし、特許文献10の技術については表層付近にも電荷輸送材料が含有しているため、耐磨耗向上効果が充分には得られず、特許文献11の技術については感光層が傾斜構造を形成しないものが実施例として挙げられているため、耐磨耗向上効果が充分に発揮できないものであると考えられる。
特開昭56−48637号公報 特開昭64−1728号公報 特開平4−281461号公報 特開昭61−132954号公報 特開平2−240655号公報 特開平7−261440号公報 特開平5−306335号公報 特開平6−32884号公報 特開平6−282094号公報 特開平5−66577号公報 特開2004−93794号公報
そこで、上述したような従来の技術上の課題の解決を図るべく、電子写真感光体を構成する感光層についての検討を行い、高い耐摩耗性と優れた電気的特性の両立を図った電子写真感光体、これを用いた画像形成方法、画像形成装置、及び画像形成装置用プロセスカートリッジを提供することとした。
本発明においては、上述したような従来における技術上の課題の解決を図るべく、下記の提案を行った。
本発明は、導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層とを、順次積層した構成の感光層を有する電子写真感光体、これを具備する画像形成装置、画像形成装置用プロセスカートリッジ、及び画像形成方法についての提案を行うものであるが、特に、感光層についての構造の特定を行うものである。
すなわち、少なくとも感光層の表面側の一部が、下記式(1)で表される傾斜構造を有しているものとする。
(D/R)n<(D/R)m・・・(1)
但し、(D/R)nと(D/R)mは、それぞれ感光層の最表面からの距離n地点とm地点の電荷輸送材料(D)とバインダー樹脂(R)の重量比を表す。また、n<mである。
通常、電子写真感光体を構成する感光層の最表層は、主に電荷輸送材料と、バインダー樹脂から成っている。
電荷輸送材料はキャリア輸送の役割を持つが、バインダー樹脂は感光体の耐摩耗性に寄与する。
電荷輸送材料とバインダー樹脂の重量比D/Rが小さくなると、感光層中のバインダー樹脂含有率が高くなり、耐摩耗性が向上する。他方においてD/Rが大きくなると、感光層中の電荷輸送材料含有率が高くなり、キャリア輸送効率が向上する。
また、電荷発生材料と接触する電荷輸送材料が多いほど、キャリア発生効率が大きくなるという研究結果(電子写真学会誌,第35巻,第2号,P110,1996)がある。
よって、感光層の最表層から下層に向かうに従ってD/Rが連続的に高くなるような傾斜構造としたことにより、最表層近傍においてバインダー樹脂の機能により耐摩耗性が発揮され、電荷発生層に近いところにおいて電荷輸送性が充分に発揮され、耐摩耗性と電気特性との両立が図られた。
以下、本発明の電子写真感光体、これを用いた画像形成方法、並びに画像形成装置、及び画像形成装置用プロセスカートリッジについて、図面を参照して説明する。
図1は、電子写真感光体の一例の概略構成図を示す。
なお、本発明は下記に示す例に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲において従来公知の構成を付加することができるものとする。
電子写真感光体10は、導電性支持体1上に、感光層2が形成された構成を有し、感光層2は、電化発生機能を有する電荷発生層3と、電荷輸送物機能を有する電荷輸送層4とが積層された構成を有しているものとする。
電荷輸送層4は、下層4aと上層4bにより構成されてなり、成膜段階においては、下層4aは電荷輸送材料とバインダー樹脂とから形成することとし、上層4bはバインダー樹脂のみによって形成する。
但し、下層4a中の電荷輸送材料が上層4bのバインダー樹脂層へ浸入するので、電荷輸送層4は、層の深さ方向において構成材料が連続的に変化する傾斜構造を有している。
先ず、導電性支持体1について説明する。
導電性支持体1としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等の金属、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を蒸着、またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等の板、及びそれらを押し出し、引き抜き等の工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩等の表面処理を施した管等を適用できる。
また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として適用できる。
その他、所定の支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものも、導電性支持体1として適用できる。
この場合、導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、また、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀等の金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITO等の金属酸化物粉体等が挙げられる。
また、結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。
このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエン等に分散して塗布することにより形成できる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)等の素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けたものも、導電性支持体1として適用できる。
次に、感光層2を構成する電荷発生層3について説明する。
電荷発生層3は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層であり、必要に応じてバインダー樹脂を併用して形成してもよい。
電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料が適用できる。
無機系材料としては、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。
アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが好適である。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。
上述した電荷発生物質は、単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
電荷発生層3の形成に用いられるバインダー樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド等が挙げられる。
これらは、単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
上記のバインダー樹脂の他に、電荷輸送機能を有する高分子電荷輸送物質、例えば、アリールアミン骨格やベンジジン骨格やヒドラゾン骨格やカルバゾール骨格やスチルベン骨格やピラゾリン骨格等を有するポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリシロキサン、アクリル樹脂等の高分子材料や、ポリシラン骨格を有する高分子材料等も適用できる。
電荷輸送機能を有する高分子電荷輸送物質の具体的な例としては、特開平01−001728号公報、特開平01−009964号公報、特開平01−013061号公報、特開平01−019049号公報、特開平01−241559号公報、特開平04−011627号公報、特開平04−175337号公報、特開平04−183719号公報、特開平04−225014号公報、特開平04−230767号公報、特開平04−320420号公報、特開平05−232727号公報、特開平05−310904号公報、特開平06−234836号公報、特開平06−234837号公報、特開平06−234838号公報、特開平06−234839号公報、特開平06−234840号公報、特開平06−234841号公報、特開平06−239049号公報、特開平06−236050号公報、特開平06−236051号公報、特開平06−295077号公報、特開平07−056374号公報、特開平08−176293号公報、特開平08−208820号公報、特開平08−211640号公報、特開平08−253568号公報、特開平08−269183号公報、特開平09−062019号公報、特開平09−043883号公報、特開平09−71642号公報、特開平09−87376号公報、特開平09−104746号公報、特開平09−110974号公報、特開平09−110976号公報、特開平09−157378号公報、特開平09−221544号公報、特開平09−227669号公報、特開平09−235367号公報、特開平09−241369号公報、特開平09−268226号公報、特開平09−272735号公報、特開平09−302084号公報、特開平09−302085号公報、 特開平09−328539号公報等に記載されている電荷輸送性高分子材料が挙げられる。
ポリシラン骨格を有する高分子材料の具体的な例としては、特開昭63−285552号公報、特開平05−19497号公報、特開平05−70595号公報、特開平10−73944号公報等に記載されているポリシリレン重合体が挙げられる。
また、電荷発生層3には、低分子電荷輸送物質を含有させてもよい。
低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
正孔輸送物質としては、以下の電子供与性物質が適用できる。例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。
これらの正孔輸送物質は、単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
電荷発生層3の形成方法としては、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが挙げられる。
真空薄膜作製法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
また、キャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより形成できる。
また、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法等を用いて行うことができる。
電荷発生層3の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
次に、感光層2を構成する電荷輸送層4について説明する。
電荷輸送層4は、電荷輸送機能を有する層であり、下記式(1)で表されるような層の深さ方向によって構成が連続的に変化する傾斜構造を有しているものとする。
(D/R)n<(D/R)m・・・(1)
但し、(D/R)nと(D/R)mは、それぞれ感光層の最表面からの距離n地点とm地点の電荷輸送材料(D)とバインダー樹脂(R)の重量比を表し、n<mであるものとする。
電荷輸送材料とバインダー樹脂の重量比D/Rは、0.01<D/R<100が好ましい。これが0.01以下であると、電荷輸送材料含有量が極端に少ないので、得られる感光体の電気特性が劣化する。
一方、100以上であると、バインダー樹脂含有量が極端に少ないので、得られる感光体の耐摩耗性と強度が不充分となる。
好適には、0.1<D/R<10であるものとする。
傾斜構造を有する層の形成方法について説明する。
(1)高温アニーリング法
電荷発生層3の上に電荷輸送材料とバインダー樹脂からなる電荷輸送層4の下層4aを塗布し、その上に更に上層4bとする樹脂層を塗布する。
その後、樹脂のガラス転移温度(Tg)に近い温度でアニーリングし、激しいブラン運動を加え、下層4a中の低分子の電荷輸送材料を比較的に柔らかい上層4bの樹脂に浸入させ、最表層からD/R(電荷輸送材料とバインダー樹脂の重量比)が連続的に高くなる傾斜構造の電荷輸送層を形成する。
アニーリングの温度はバインダー樹脂のTgより1℃〜50℃低く選定することが好ましい。アニーリングの温度はTgより50℃以上低くすると、ブラン運動の効果が得られなくなり、電荷輸送材料が樹脂層に浸入し難く、理想的な傾斜構造にならない。
一方、Tgより高い場合、感光体の層構成が崩れるおそれがある。
アニーリングの時間が5分〜60分とすることが好適である。
5分より短くなると、アニーリングの効果が不充分となる。60分より長くすると、電荷輸送材料劣化するおそれがある。よって10分〜40分とすることが望ましい。
(2)溶媒の飽和蒸気中に保持する方法
電荷発生層3の上に電荷輸送材料とバインダー樹脂からなる電荷輸送層4の下層4aを塗布し、その上に更に上層4bとする樹脂層を塗布する。
塗布直後、溶媒の飽和蒸気中に保持して樹脂の乾燥時間を延長し、電荷輸送材料を上層4bの樹脂層に充分に浸入させる。
その後、通常の乾燥をしても良いし、上記(1)のアニーリングを行ってもよい。
これにより、最表層側からD/R(電荷輸送材料とバインダー樹脂の重量比)が連続的に高くなる傾斜構造の電荷輸送層4を形成できる。
飽和蒸気用溶媒は樹脂を溶解できるものであれば、公知のものをいずれも使用できるが、樹脂層の塗工溶媒と同種であることが好ましい。また、保持時間が5分〜60分が好ましい。5分より短くなると電荷輸送材料の樹脂層への浸入効果が充分に得られなくなり、一方、60分より長くなると感光体の層構成が崩れるおそれがあるためである。保持時間は、特に10分〜30分が望ましい。
電荷輸送材料としては、前述した電荷発生層3の形成に適用できる電子輸送物質と正孔輸送物質を、同様に用いることができる。
バインダー樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送材料の量は、下層4aのバインダー樹脂100重量部に対し、50〜500重量部とすることが好適である。50重量部より少なくなると、上層4bへの電荷輸送材料の浸入量が不充分となってしまい、最終的に得られる感光体としての電気特性が劣化してしまう。一方、500重量部より多くすると、下層4a中のバインダー樹脂量が不充分となるので、実用上充分な感光体の強度が得られなくなる。このことから、100〜300重量部とすることが最も望ましい。
電荷輸送層4の下層4a部分の塗工に用いられる溶媒としては、前記電荷発生層3と同様のものを使用できるが、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を良好に溶解するものが好適である。
溶剤は単独で用いてもよく、二種以上を混合して使用しても良い。
また、電荷輸送層の下層4a部分の形成には電荷発生層と同様な塗工法を適用できる。
上層4b形成用の樹脂は特に限定されない。溶媒で溶解できる樹脂であれば、従来公知のものをいずれも使用可能である。
電荷輸送層3と下層4aとの良好な接着性を得るために、電荷輸送層4の下層4aのバインダー樹脂と同種のものであることが望ましい。
電荷輸送層4には、必要により可塑剤、レベリング剤を添加してもよい。
下層4a部分の可塑剤としては、例えばジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂可塑剤が使用でき、使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度とすることが好適である。
下層4a部分のレベリング剤としては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが適用でき、使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度とすることが好適である。
下層4aの膜厚は、5〜40μm程度が適当であり、更には10〜30μm程度が好適である。
上層4bの膜厚は、1〜20μm、好ましくは2〜10μmである。1μmより薄いと膜厚ムラによって耐久性がバラツキ、20μmより厚いと電荷輸送層全体の膜厚が厚くなり電荷の拡散から画像の再現性が低下するためである。
本発明の電子写真感光体10においては、導電性支持体1と感光層2との間に、所定の下引き層(図示せず)を設けてもよい。
下引き層は一般的には樹脂を主成分とする層であるが、上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。
このような樹脂としては、例えばポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。
また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減化等のために、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
下引き層は、感光層2と同様に従来口の任意の溶媒、及び塗工法を用いて形成することができる。
更に下引き層には、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を適用してもよい。
その他、下引き層には、Al23を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも使用できる。
また、下引き層の膜厚は0〜5μmが好適である。
また、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止するために、電荷発生層3、電荷輸送層4、下引き層、中間層等の各層には酸化防止剤を添加することが好ましい。
次に、本発明の画像形成方法、及び画像形成装置について図を参照して説明する。
本発明の画像形成装置は、上述したような、本発明の電子写真感光体10を必須の構成要素とするものであり、本発明の画像形成方法は、少なくとも感光体に対する帯電、画像露光、現像を行う各過程を経た後、画像保持体(転写紙)へのトナー画像の転写、定着、及び感光体表面のクリーニングというプロセスよりなるものとする。
図2は、本発明の電子写真感光体を具備する画像形成装置の一例の概略構成図を示す。
この画像形成装置30は、電子写真感光体10を平均的に帯電させる手段として、帯電チャージャ13を備えている。
この帯電手段としては、コロトロンデバイス、スコロトロンデバイス、固体放電素子、針電極デバイス、ローラー帯電デバイス、導電性ブラシデバイス等が用いられ、公知の方式が使用可能である。
次に、均一に帯電された電子写真感光体10上に静電潜像を形成するために画像露光部15を用いる。この光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等の発光物全般が適用できる。
所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルター等の各種フィルターを用いる。
次に、電子写真感光体10上に形成された静電潜像を可視化するために現像ユニット16を用いる。
現像方式としては、乾式トナーを用いた一成分現像法、二成分現像法、湿式トナーを用いた湿式現像法が挙げられる。電子写真感光体10に正(負)帯電を施し、画像露光を行うと、電子写真感光体10の表面上には、正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
次に、電子写真感光体10上で可視化されたトナー像を、ガイド18により案内された転写体19上に転写するために転写チャージャ20を用いる。
また、転写をより良好に行うために、転写前チャージャ17を用いてもよい。
転写手段としては、転写チャージャ、バイアスローラーを用いる静電転写方式、粘着転写法、圧力転写法等の機械転写方式、磁気転写方式がいずれも利用可能である。
静電転写方式としては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、転写体19を電子写真感光体10より分離する手段として、分離チャージャ21、分離爪22を用いる。
その他の分離手段としては、静電吸着誘導分離、側端ベルト分離、先端グリップ搬送、曲率分離等を適用できる。
分離チャージャ21としては、前記帯電手段を利用することが可能である。
次に、転写後に、電子写真感光体10上に残されたトナーをクリーニングするために、ファーブラシ24、及びクリーニングブレード25を用いる。
また、クリーニングをより効率的に行うために、クリーニング前にチャージャ23を用いてもよい。
その他のクリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等が挙げられるが、これらは、単独で行ってもよく、複数の方式を組み合わせて行ってもよい。
必要に応じて感光体上の潜像を取り除く目的で除電手段を用いる。
除電手段としては、除電ランプ12、除電チャージャを適用するものとし、それぞれ前記露光光源や帯電手段を利用できる。
その他、電子写真感光体10に近接していない原稿読み取り、給紙、定着、排紙等のプロセスは公知のものを適用できる。
上述した画像形成装置30は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形態でそれら装置内に組み込まれ、着脱自在としたものであってもよい。プロセスカートリッジの一例を図3に示す。
画像形成装置用プロセスカートリッジ100は、感光体101を内蔵し、帯電手段102、現像手段104、転写手段106、クリーニング手段107、除電手段(図示せず)の少なくとも一つを具備し、画像形成装置本体に着脱可能とした装置(部品)であるものとする。
図3に示す画像形成装置用プロセスカートリッジ100による画像形成プロセスについて説明する。
感光体101は、時計廻り方向に回転しながら、帯電手段102による帯電、露光手段103による露光により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成され、この静電潜像は、現像手段104でトナー現像され、このトナー現像は転写手段106により、転写体105に転写され、プリントアウトされる。
次に、像転写後の感光体表面は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、さらに除電手段(図示せず)により除電される。
本発明によれば、前記特定の層構造を有する電子写真感光体と、これを具備し、帯電、現像、転写、クリーニング、除電の各手段の少なくとも一つを一体化した画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供するものである。
上述したことから明らかなように、本発明は、電子写真複写機に利用することができるのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも広く利用することができる。
次に、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中において使用する「部」は、重量部を表わすものとする。
〔実施例1〕
アルミ板上に、メタノール/ブタノール混合溶媒に溶解したポリアミド樹脂(CM-8000:東レ社製商品名)溶液をドクターブレードで塗布し、自然乾燥して0.3μmの中間層を形成した。
この中間層上に、電荷発生物質として下記式(2)で表されるビスアゾ化合物を、シクロヘキサノンと、2−ブタノンの混合溶媒中で、ボールミルにより粉砕し分散液を得る。これをドクターブレードで塗布し、自然乾燥して0.5μmの電荷発生層3を形成した。
Figure 2006138932
次に、電荷発生層3上に、下記組成の塗工液をドクターブレードで塗布し、自然乾燥し、膜厚12μmの電荷輸送層4の下層4a部分を形成した。
下記式(3)の電荷輸送材料:9.0部
Figure 2006138932
ポリカーボネート樹脂:7.7部
(パンライトTS2050、帝人化成社製商品名)
テトラヒドロフラン:100部
次に、電荷輸送層4の下層4a上に、下記組成の塗工液をドクターブレードで塗布し、自然乾燥し、膜厚8μmの電荷輸送層4の上層4b部分を形成した。
更に130℃で30分間のアニーリングを行い、傾斜構造を有する電荷輸送層4を形成して感光体10を作製した。
ポリカーボネート樹脂:17.6部
(パンライトTS2050、帝人化成社製)
テトラヒドロフラン:100部
上述したようにして作製した電子写真感光体について、市販の静電複写紙試験装置[(株)川口電機製作所製SP428型]を用いて、暗所で−6kVのコロナ放電を20秒間行って帯電せしめた後、感光体の表面電位Vm(V)を測定した。更に、20秒間暗所に放置し、その後、表面電位V0(V)を測定した。
次に、タングステンランプ光を感光体表面での照度が、5.3luxになるように照射して、V0が1/2になるまでの時間(秒)を求め、露光量E1/2(lux・sec)を算出した。測定結果を以下に示す。
m=−1614V
0=−1498V
1/2=1.15lux・sec
〔実施例2〕
上記実施例1におけるアニーリングの時間を60分間に変えた。
その他の条件は、実施例1と同様として、傾斜構造電荷輸送層を有する感光体を作製し、実施例1と同様に電気特性の評価を行った。測定結果を、以下に示す。
m=−1522V
0=−1388V
1/2=1.08lux・sec
〔実施例3〕
上記実施例1において、電荷輸送層4の上層4b部分を形成した直後、テトラヒドロフランの飽和蒸気に30分間保持し、更に130℃で30分間のアニーリングを行い、傾斜構造を有する電荷輸送層を形成して感光体を作製した。
作製した感光体は、上記実施例1と同様に、電気特性の評価を行った。測定結果を以下に示す。
m=−1554V
0=−1386V
1/2=1.01lux・sec
〔比較例1〕
上記実施例1と同様にして形成した電荷発生層3上に、下記組成の電荷輸送層塗工液をドクターブレードで塗布し、自然乾燥し、20μmの電荷輸送層を形成して感光体を作製した。
下記式(3)の電荷輸送物質:5.64部
Figure 2006138932
ポリカーボネート樹脂:8.05部
(パンライトTS2050、帝人化成社製商品名)
テトラヒドロフラン:100部
〔比較例2〕
以下に示す塗工液を電荷輸送層4の上層4b部分塗工液として用い、ドクターブレードで塗布、自然乾燥し、膜厚8μmの電荷輸送層の上層4b部分を形成した。更に100℃(ポリカーボネートのTgは171℃)で10分間のアニーリングを行い、電荷輸送層上層部分を形成した。その他の条件は実施例1と同様として感光体を作製した。
下記式(3)電荷輸送材料:5.0部
Figure 2006138932
ポリカーボネート樹脂:7.7部
(パンライトTS2050、帝人化成社製商品名)
テトラヒドロフラン:100部
(テーバー摩耗試験による摩耗量測定)
上記実施例1〜3、比較例1、2で作製した感光体を試料として、テーバー摩耗試験を行った。
工業規格JIS K 7204(1995)に従って、テーバー摩耗試験機(東洋精機社製商品名CS-5摩耗輪)を使用し、荷重1kgで3000回転の摩耗試験を行い、3000回転後の摩耗量を測定した。測定結果を下記表1に示す。
(IR測定)
上記実施例1〜3、比較例1、2で作製した感光体を、ウルトラミクロトームにて斜めに切断し、得られた斜面についてμATR法によるIR測定を行った。
ウルトラミクロトームにて作製した傾斜面上における測定位置を、図4に示す。
なお、図中のカッコ内の数字は、斜面距離から算出した深さである。
IRスペクトルの測定には、パーキンエルマー社製FT−IRを用い、ATR結晶はGeで測定ピッチは約80μm、積算は256回行った。
得られたスペクトルより、D/R(電荷輸送材料とバインダー樹脂の重量比)を評価するのに適した吸収を選択し、比率の変化を観察した。
具体的には、実施例1〜3、比較例1、2で使われたポリカーボネート樹脂の特徴的な吸収として、1774cm-1を、電荷輸送材料の特徴的な吸収として1596cm-1を選択し、これら吸収の強度比を算出した。
定量方法については、D/R既知の標準試料による検量線法にて行った。各サンプル感光体のD/Rを下記表1に示す。
Figure 2006138932
上記表1から明らかなように、実施例1〜3で得られた感光体の感光層は、最表層から電荷輸送材料とバインダー樹脂の重量比が連続的に高くなる傾斜構造を有している。これらにおいては、比較例1、2に比較して、飛躍的に耐摩耗性の向上効果が得られたことが明らかになった。
本発明の電子写真感光体の概略断面図を示す。 画像形成装置の概略構成図を示す。 画像形成装置用プロセスカートリッジの概略構成図を示す。 μATR法によるIR測定の模式図を示す。
符号の説明
1 導電性支持体
2 感光層
3 電荷発生層
4 電荷輸送層
4a 下層
4b 上層
10 電子写真感光体
12 除電ランプ
13 帯電チャージャ
15 画像露光部
16 現像ユニット
17 転写前チャージャ
18 ガイド
19 転写体
20 転写チャージャ
21 分離チャージャ
22 分離爪
23 チャージャ
24 ファーブラシ
25 クリーニングブレード
100 画像形成装置用プロセスカートリッジ
101 感光体
102 帯電手段
104 現像手段
106 転写手段
107 クリーニング手段

Claims (4)

  1. 導電性支持体上に、電荷発生層と、電荷輸送層とを、順次積層した構成の感光層を有する電子写真感光体であって、
    少なくとも、前記感光層の表面側の一部が、
    下記式(1)で表される傾斜構造を有していることを特徴とする電子写真感光体。
    (D/R)n<(D/R)m・・・(1)
    但し、(D/R)nと(D/R)mは、それぞれ感光層の最表面からの距離n地点とm地点の電荷輸送材料(D)とバインダー樹脂(R)の重量比を表す。また、n<mである。
  2. 導電性支持体上に、電荷発生層と、電荷輸送層とを、順次積層した構成の感光層を有する電子写真感光体を用いて、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を、繰り返し行うことを特徴とする画像形成方法であって、
    少なくとも、前記感光層の表面側の一部が、下記式(1)で表される傾斜構造を有している電子写真感光体を用いたことを特徴とする画像形成方法。
    (D/R)n<(D/R)m・・・(1)
    但し、(D/R)nと(D/R)mは、それぞれ感光層の最表面からの距離n地点とm地点の電荷輸送材料(D)とバインダー樹脂(R)の重量比を表す。また、n<mである。
  3. 導電性支持体上に、電荷発生層と、電荷輸送層とを、順次積層した構成の感光層を有する電子写真感光体を具備する画像形成装置であって、
    少なくとも、前記感光層の表面側の一部が、下記式(1)で表される傾斜構造を有していることを特徴とする画像形成装置。
    (D/R)n<(D/R)m・・・(1)
    但し、(D/R)nと(D/R)mは、それぞれ感光層の最表面からの距離n地点とm地点の電荷輸送材料(D)とバインダー樹脂(R)の重量比を表す。また、n<mである。
  4. 導電性支持体上に、電荷発生層と、電荷輸送層とを、順次積層した構成の感光層を有する電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段よりなる群から選ばれた少なくとも一つの手段を有する画像形成装置用プロセスカートリッジであって、
    少なくとも、前記感光層の表面側の一部が、下記式(1)で表される傾斜構造を有していることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
    (D/R)n<(D/R)m・・・(1)
    但し、(D/R)nと(D/R)mは、それぞれ感光層の最表面からの距離n地点とm地点の電荷輸送材料(D)とバインダー樹脂(R)の重量比を表す。また、n<mである。



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