JP5412883B2 - 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ Download PDF

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本発明は、電子写真方式において使用される電子写真感光体並びにこれを使用した画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジに関する。
近年、無機感光体に代って有機感光体(OPC)が、良好な性能や様々な利点を有することから、複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ及びこれらの複合機に多く用いられている。このようにOPCが多用される理由としては、例えば、(1)光吸収波長域の広さ及び吸収量の大きさ等の光学特性、(2)高感度、安定な帯電特性等の電気的特性、(3)材料の選択範囲の広さ、(4)製造の容易さ、(5)低コスト、(6)無毒性、等の性能や利点が挙げられる。
このような情勢の中で、画像形成装置の小型化に伴って感光体の小径化が進み、機械の高速化やメンテナンスフリーの要請も加わり、感光体の高耐久化が切望されるようになっている。
しかしながら、前記有機感光体は、表面層が低分子電荷輸送材料と不活性高分子を主成分として構成されているため、一般に柔らかく、電子写真プロセスにおいて繰り返し使用された場合、現像システムやクリーニングシステムによる機械的な負荷により摩耗が発生しやすいという欠点を有している。また、高画質化を達成するため、トナー粒子を小粒径化するのに伴って、クリーニング性を向上させる必要が生じている。その対策として、クリーニングブレードのゴム硬度を高めて当接圧力を上昇させることが避けられず、これによって感光体の摩耗が促進される要因となっている。このような感光体の摩耗は、感度の劣化、帯電性の低下などの電気的特性を劣化させて、画像濃度の低下、地肌汚れ等の異常画像の原因となる。更に、摩耗が局所的に発生した傷は、クリーニング不良によるスジ状汚れ画像をもたらす。そして、現状では感光体の寿命はこの摩耗や傷が律速となり、交換に至っている。
上記のように、電子写真方式の画像形成方法においては、その主要部材である有機感光体の耐久性向上、即ち長寿命化の努力が続けられている。これまで有機感光体の寿命は、繰り返し使用による静電的な要因による劣化、感光体面に接触する紙、クリーニングブレード、分離爪などによって引き起こされる表面の傷、感光層の機械的強度に依存した摩耗により左右されてきた。近年、感光体材料の改良により静電的な耐久性は改善されてきているが、機械的強度については表面層のバインダーとして用いられているポリカーボネートを凌ぐ素材が見いだされておらず、未だ有効な技術手段はほとんど提案されていないのが現状である。
そこで、感光層の耐摩耗性を改良する技術としては、例えば、(a)表面層に硬化性バインダーを用いる方法(特許文献1参照)、(b)高分子型電荷輸送物質を用いる方法(特許文献2参照)、(c)表面層に無機フィラーを分散させる方法(特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、及び特許文献9参照)などが提案されている。
しかし、前記(a)の硬化性バインダーを用いたものは、電荷輸送物質との相溶性が悪いこと、あるいは重合開始剤、未反応残基などの不純物によって残留電位が上昇し、画像濃度低下が発生し易い傾向がある。また、前記(b)の高分子型電荷輸送物質を用いたもの、及び前記(c)の無機フィラーを分散させたものは、ある程度の耐摩耗性向上が可能であるものの、有機感光体に求められる耐久性を十二分に満足させるまでには至っていない。また、前記(c)の無機フィラーを分散させたものは、無機フィラーとバインダーの間に直接的な結合を有していないので、無機フィラー表面に存在するトラップにより残留電位が上昇し、画像濃度低下が発生し易い傾向にあり、更に無機フィラーの光散乱が避けられないので、高画質の実現も困難である。したがって、上記(a)、(b)、及び(c)の技術では、有機感光体に求められる電気的な耐久性、機械的な耐久性をも含めた総合的な耐久性について十分満足できるものではない。
また、最近熱硬化性ウレタン樹脂を主成分とする保護膜を有する感光体が種々提案されている(例えば、特許文献10〜15参照)。これらの技術は架橋したウレタン樹脂の優れた耐摩耗性で感光体の使用寿命をある程度延長させたが、処方が複雑、作製工程が面倒、表面局部に傷をつけやすく、更に保護層が一旦消失すると感光体が急激に摩耗してしまうケースが多いので、実用のレベルに至っていない。
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、長期的使用においても静電的な耐久性を維持するとともに、耐クラック性、耐摩耗性、耐傷性などの機械的強度が確保され、画像濃度低下や地肌汚れなどがない画像安定性に優れた電子写真感光体と、これを用いた画像形成装置、プロセスカートリッジ及びそれらを用いた画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下の〔1〕〜〔9〕に記載する発明によって上記課題が解決されることを見出し本発明に至った。以下、本発明について具体的に説明する。
〔1〕:上記課題は、導電性支持体上に、少なくとも電荷発生層、電荷輸送層が順次設けられた積層型の電子写真感光体であって、
前記電荷輸送層が、トリアリールアミン構造を含まないポリオール化合物(A)と、官能基数2以上のイソシアネート化合物(B)と、水酸基とトリアリールアミン構造を含む化合物(C)との反応により生成した硬化樹脂中に、前記イソシアネート化合物(B)と反応する官能基を持たず、トリアリールアミン構造を含む電荷輸送性化合物(D)を含有してなるものであり、且つ、化合物(C)の含有量Dcと化合物(D)の含有量Ddが、関係式;Dc≦Ddを満たすことを特徴とする電子写真感光体により解決される。
〔2〕:上記〔1〕に記載の電子写真感光体において、記イソシアネート化合物(B)と反応する官能基が、活性水素を有する基であることを特徴とする。
〔3〕:上記〔1〕または〔2〕に記載の電子写真感光体において、前記ポリオール化合物(A)が、分子構造単位として少なくともスチレン構造を有することを特徴とする。
〔4〕:上記〔1〕乃至〔3〕のいずれかに記載の電子写真感光体において、前記イソシアネート化合物(B)が、芳香族イソシアネート化合物であることを特徴とする。
〔5〕:上記〔1〕乃至〔4〕のいずれかに記載の電子写真感光体において、前記水酸基とトリアリールアミン構造を含む化合物(C)が、下記一般式(1)または下記一般式(2)で示される化合物であることを特徴とする。
Figure 0005412883
[式(1)中、R1は水素原子、水酸基、水酸基を1つ以上含有するアルキル基、水酸基以外の置換基があってもよいアルキル基を表し、R2 、R3は、水酸基、水酸基を1つ以上含有するアルキル基、水酸基を1つ以上含有するアルコキシ基、水酸基を1つ以上含有するポリアルキレンオキシ基を表し、同一でも異なっていてもよい。Ar1 、Ar2、Ar3 は置換もしくは無置換の芳香族2価基を表す。]
Figure 0005412883
[式(2)中、R4、R5は水素原子、水酸基、水酸基を1つ以上含有するアルキル基、水酸基以外の置換基があってもよいアルキル基を表し、R6 、R7は、水素原子、水酸基を1つ以上含有するアルキル基を表し、同一でも異なっていてもよい。Ar4 、Ar5、Ar6、Ar7、Ar8は置換もしくは無置換の芳香族2価基を表す。]
〔6〕:上記〔1〕乃至〔5〕のいずれかに記載の電子写真感光体において、前記トリアリールアミン構造を含む電荷輸送性化合物(D)が、下記一般式(3)で示される電荷輸送性化合物であることを特徴とする。
Figure 0005412883
[式(3)中、R8 、R9 は、水酸基以外の置換基があってもよい芳香族炭化水素基、水酸基以外の置換基があってもよいアルキル基を表し、同一でも異なっていてもよい。また、R8 、R9は互いに結合し窒素原子を含む複素環を形成してもよい。Ar9は置換もしくは無置換の芳香族2価基を表し 、Ar10は置換もしくは無置換の芳香族2価基または芳香族1価基を表す。ただし、式中の2個のAr10が同時に1価であることはない。l′、m′はそれぞれ0〜3の整数を表す。ただし、l′、m′が同時に0となることはない。n′は1〜3の整数を表す。]
〔7〕:上記課題は、〔1〕乃至〔6〕のいずれかに記載の電子写真感光体を用いて、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行なうことを特徴とする画像形成方法により解決される。
〔8〕:上記課題は、〔1〕乃至〔6〕のいずれかに記載の電子写真感光体を備えたことを特徴とする画像形成装置により解決される。
〔9〕:上記課題は、〔1〕乃至〔6〕のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段および除電手段よりなる群から選ばれた少なくとも一つの手段を有するものであって、画像形成装置本体に着脱可能としたことを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジにより解決される。
本発明によれば、積層型の電子写真感光体における電荷輸送層を、トリアリールアミン構造を含まないポリオール化合物(A)と、官能基数2以上のイソシアネート化合物(B)と、水酸基とトリアリールアミン構造を含む化合物(C)との反応(架橋反応)により生成した硬化樹脂(熱硬化型ウレタン樹脂)中に、前記イソシアネート化合物(B)と反応する官能基を持たず、トリアリールアミン構造を含む電荷輸送性化合物(D)を含有する構成とし、且つ、化合物(C)と化合物(D)の含有量を規定(Dc≦Dd)することによって、静電的な耐久性を維持しつつ、従来の電子写真感光体の高耐久化を阻害する要因となっていた機械的耐久のレベルを、大幅に改善することができる。
すなわち、本発明の電子写真感光体は、長期的使用においても、耐クラック性、耐摩耗性、耐傷性などの機械的強度が確保され、画像濃度低下や地肌汚れなどがなく、高画質画像が安定して得られる(画像安定性に優れている)。
本発明の子写真感光体を用いれば、長期間の使用においても終始高濃度、高画質の画像が安定して得られる画像形成装置及び画像形成方法を提供することができる。ここで、プロセスカートリッジとすれば、保存、搬送等が容易であり、交換を短時間に行うことができるなど取扱性にも優れている。
本発明に係る電子写真感光体の構成例を示す概略断面図である。 本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明に係る画像形成装置用プロセスカートリッジの一例を示す概略図である。
前述のように本発明における電子写真感光体は、導電性支持体上に、少なくとも電荷発生層、電荷輸送層が順次設けられた積層型の電子写真感光体であって、
前記電荷輸送層が、トリアリールアミン構造を含まないポリオール化合物(A)と、官能基数2以上のイソシアネート化合物(B)と、水酸基とトリアリールアミン構造を含む化合物(C)との反応により生成した硬化樹脂中に、前記イソシアネート化合物(B)と反応する官能基を持たず、トリアリールアミン構造を含む電荷輸送性化合物(D)を含有してなるものであり、且つ、化合物(C)の含有量Dcと化合物(D)の含有量Ddが、関係式;Dc≦Ddを満たすことを特徴とするものである。
ここで、前記電荷輸送性化合物(D)において持たない官能基[前記イソシアネート化合物(B)と反応する官能基]とは、活性水素を有する基であり、例えば、水酸基、アミノ基、あるいはメルカプト基、アミド基などが挙げられる。電荷輸送性化合物(D)が活性水素を有する基を含有する場合には、これらの基がイソシアネート化合物(B)と反応して、電荷輸送性化合物(D)が硬化樹脂(熱硬化型ウレタン樹脂)中に組み込まれてしまい、分子の自由運動が束縛されて電荷輸送機能が十分発揮できなくなる。本発明においては、電荷輸送性化合物(D)がイソシアネート化合物(B)と反応しないことが重要である。
一般に知られているイソシアネートとポリオールを架橋重合したウレタン樹脂は、機械的耐久性に優れているが電荷輸送機能を持っていないために、電子写真感光体の電荷輸送層に用いる場合には、別途に電荷輸送材料を添加しなければならない。例えば、前記イソシアネートと反応する官能基を持たない電荷輸送性化合物のみを一般に知られているウレタン樹脂に添加する場合、相分離が発生しやすく均一な膜(電荷輸送層)が形成できない。一方、イソシアネートと反応できる水酸基等の官能基を含有する電荷輸送性化合物を添加する場合、架橋反応により均一な膜(電荷輸送層)が形成できるが、電荷輸送機能を持つ分子構造単位が固定され、分子の自由運動が束縛されて電荷輸送効率が悪くなり、電荷輸送層としての機能を良好に発揮できるものは形成できない。
本発明では、水酸基とトリアリールアミン構造を含む化合物(C)を電荷輸送層に含有させることにより、この組成分が、前記トリアリールアミン構造を含む電荷輸送性化合物(D)と、硬化樹脂(熱架橋ウレタン樹脂)を相溶化させる役割を担い、本来のウレタン樹脂が持つ膜の弾性及び強靱性を低下させることなく、機械的耐久性が良好であり、且つ静電特性が向上した電荷輸送層とすることが可能となった。
すなわち、水酸基とトリアリールアミン構造を含む化合物(C)を用いるので、イソシアネート化合物(B)との架橋反応に加えて、前記電荷輸送性化合物(D)との間の分子間吸引力(ベンゼン環同士に由来する吸引力)を持つことにより、熱硬化型ウレタン樹脂と電荷輸送性化合物(D)との相溶化剤の機能を果たして、相分離が生じない均一で安定した熱硬化型ウレタン樹脂(熱架橋型ウレタン樹脂)の電荷輸送層が形成できる。つまり、前記電荷輸送性化合物(D)はトリアリールアミン構造を含む化合物であり、イソシアネート化合物(B)との架橋反応は起こらず、相溶化剤の効果があるトリアリールアミン構造を含む化合物(C)を介して、硬化樹脂(熱架橋型ウレタン樹脂)中に均一に分散される。
本発明における前記トリアリールアミン構造を含まないポリオール化合物(A)と、官能基数2以上のイソシアネート化合物(B)と、水酸基とトリアリールアミン構造を含む化合物(C)との架橋反応により生成した熱硬化型ウレタン樹脂は、優れた機械的強度(耐摩耗性、耐傷性、耐クラック性など)を有する。このような熱架橋ウレタン樹脂は、従来用いられていたポリカーボネートのような熱可塑樹脂に比べて良好な機械的耐久性が優れている。
この熱硬化型ウレタン樹脂を積層型電子写真感光体(以降、「感光体」と略称することがある。)の電荷輸送層用バインダーとすれば、感光体の耐摩耗性、耐傷性、耐クラック性を向上することができる。つまり、積層型感光体の電荷輸送層の耐摩耗性が高くなれば、感光体の使用寿命の延長が可能となる。
上記のように、前記熱硬化型ウレタン樹脂中に、前記イソシアネート化合物(B)と反応する官能基を持たず、トリアリールアミン構造を含む電荷輸送性化合物(D)を含有させることにより、良好な電荷輸送機能を発揮し、電荷輸送層として十分な機能することができるが、この際、電荷輸送性化合物(D)の含有量Ddを、水酸基とトリアリールアミン構造を含む化合物(C)の含有量Dcより大きくすることにより、電荷輸送機能を十分に発揮でき、優れた電気特性を持つ電荷輸送層が形成できる。
また、トリアリールアミン構造を含まないポリオール化合物(A)を用いることにより、生成する熱硬化型ウレタン樹脂の強度を確保することができる。そして、官能基数2以上のイソシアネート化合物(B)を用いるので、ポリオール化合物(A)との架橋反応によって強固な3次元の架橋樹脂が形成できる。
すなわち、前記本発明の構成要件を満たすことによって、静電的な耐久性を維持しつつ、耐クラック性、耐摩耗性、耐傷性などの機械的強度が確保され、これにより、摺擦物(紙、クリーニングブレード等)による外力に対しても表面の傷などの発生がなく、また残留電位上昇なども抑制されて、画像濃度低下や地肌汚れなどがない画像安定性に優れた電子写真感光体が提供される。
次に、本発明の構成材料について説明する。
官能基数2以上のイソシアネート化合物(B)としては、次のようなイソシアネート材料が用いられる。例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、HDIイソシアネート体、HDIビウレット体、XDIトリメチロールプロパンアダクト体、IPDIトリメチロールプロパンアダクト体、IPDIイソシアヌレート体等が挙げられる。
耐摩耗性及びトリアリールアミン構造を含む電荷輸送性化合物(D)との相溶性を考慮した場合、2官能以上の芳香族のイソシアネート化合物が好適である。つまり、イソシアネート化合物(B)が芳香族イソシアネート化合物であれば、架橋反応により生成する熱硬化型ウレタン樹脂(架橋型ウレタン樹脂)は、トリアリールアミン構造を含む電荷輸送性化合物(D)との相溶性が良好となり、化合物(D)の分散安定性に有利である。
これらのイソシアネート化合物は、単独もしくは混合して使用することができる。
本発明の電荷輸送層に用いられるポリオール化合物(A)としては、トリアリールアミン構造を含まず、官能基数が2以上であればよく、電荷輸送性化合物(D)と相溶性がよいことから、ヒドロキシエチル基が導入されたスチレン系共重合体が好適である。すなわち、分子構造単位の主成分としてスチレン構造(以降、「スチレン構造体」と呼称することがある。)を含有すれば、架橋反応により生成する熱硬化型ウレタン樹脂(架橋型ウレタン樹脂)は、トリアリールアミン構造を含む電荷輸送性化合物(D)との相溶性が良好となり、化合物(D)の分散安定性に有利である。また、スチレン構造体を含有するポリオール化合物の誘電率は低く、前記架橋型ウレタン樹脂により形成された電荷輸送層の電気特性は優れたものとなる。
このようなポリオール化合物(A)の例として、例えば、FR4941、FR4942、FR4943、FR4944、FR−4946(三菱レイヨン社製)、アクリディックA−801、A−807(DIC社製)、LZR−170(藤倉化成社製)が挙げられる。
なお、ポリオール化合物(A)としては前記に限らず、はジオールや3価以上のポリオールが用いられる。下記にこれらのポリオールを例示する。
ジオールとしては、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。
3価以上のポリオールとしては、多価脂肪族アルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
これらのポリオール材料は、単独もしくは混合して使用することができる。
前記イソシアネート化合物(B)のNCO基数とポリオール化合物(A)のOH基数の比(NCO/OH比)は、1.0〜1.5程度が望ましい。
また、前記水酸基とトリアリールアミン構造を含む化合物(C)は、下記一般式(1)または下記一般式(2)で示される化合物であることが好ましい。
Figure 0005412883
[式(1)中、R1は水素原子、水酸基、水酸基を1つ以上含有するアルキル基、水酸基以外の置換基があってもよいアルキル基を表し、R2 、R3は、水酸基、水酸基を1つ以上含有するアルキル基、水酸基を1つ以上含有するアルコキシ基、水酸基を1つ以上含有するポリアルキレンオキシ基を表し、同一でも異なっていてもよい。Ar1 、Ar2、Ar3 は置換もしくは無置換の芳香族2価基を表す。]
Figure 0005412883
[式(2)中、R4、R5は水素原子、水酸基、水酸基を1つ以上含有するアルキル基、水酸基以外の置換基があってもよいアルキル基を表し、R6 、R7は、水素原子、水酸基を1つ以上含有するアルキル基を表し、同一でも異なっていてもよい。Ar4 、Ar5、Ar6、Ar7、Ar8は置換もしくは無置換の芳香族2価基を表す。]
上記一般式(1)または一般式(2)で示される水酸基とトリアリールアミン構造を含む化合物(C)を用いれば、トリアリールアミン構造を含む電荷輸送性化合物(D)との相溶性を持つことから、熱硬化型ウレタン樹脂(熱架橋ウレタン樹脂)と電荷輸送性化合物(D)との相溶化剤としての機能が発揮でき、均一で安定した電荷輸送層の形成が実現できる。
前記一般式(1)または前記一般式(2)で示される水酸基とトリアリールアミン構造を含む化合物(C)の具体例を下記表1〜表6に示す。なお、下記化合物(C)は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
Figure 0005412883
Figure 0005412883
Figure 0005412883
Figure 0005412883
Figure 0005412883
Figure 0005412883
また、前記トリアリールアミン構造を含む電荷輸送性化合物(D)は下記一般式(3)で示される電荷輸送性化合物であることが好ましい。
Figure 0005412883
[式(3)中、R8 、R9 は、水酸基以外の置換基があってもよい芳香族炭化水素基、水酸基以外の置換基があってもよいアルキル基を表し、同一でも異なっていてもよい。また、R8 、R9は互いに結合し窒素原子を含む複素環を形成してもよい。Ar9は置換もしくは無置換の芳香族2価基を表し 、Ar10は置換もしくは無置換の芳香族2価基または芳香族1価基を表す。ただし、式中の2個のAr10が同時に1価であることはない。l′、m′はそれぞれ0〜3の整数を表す。ただし、l′、m′が同時に0となることはない。n′は1〜3の整数を表す。]
すなわち、前記一般式(3)で示される電荷輸送性化合物に含まれるトリアリールアミン構造が、優れた電荷輸送機能を持つので、前記ポリオール化合物(A)、イソシアネート化合物(B)、化合物(C)との架橋反応により生成した硬化樹脂(熱硬化型ウレタン樹脂)中に含有させることで、電気特性の良好な電荷輸送層が形成できる。
なお、本発明の電荷輸送層に用いられる電荷輸送性化合物(D)以外に、必要に応じて電荷輸送性能を損なわない範囲で以下に示す電子供与性物質を混合して用いてもよい。
例えば、イソシアネートと反応する官能基を持たない次の誘導体;オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。
本発明の電荷輸送層に用いられる電荷輸送性化合物(D)の具体例としては、限定されるものではないが下記構造式(D−1)〜(D−23)に示す例示化合物が挙げられる。なお、これらの電荷輸送性化合物(D)は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
Figure 0005412883
Figure 0005412883
Figure 0005412883
Figure 0005412883
Figure 0005412883
前述のように、トリアリールアミン構造を含む電荷輸送性化合物(D)の含有量Ddは、相溶化剤の機能をしている水酸基とトリアリールアミン構造を含む化合物(C)の含有量Dcを上回る又は同量であることが好ましい。電荷輸送性化合物(D)の含有量Ddが化合物(C)の含有量Dcを下回ると形成される電荷輸送層の電荷輸送機能が低下する恐れがある。
次に、本発明の電子写真感光体の層構造について図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る電子写真感光体の構成例を示す概略断面図であり、導電性支持体上(201)に、電荷発生機能を有する電荷発生層(202)と、電荷輸送機能を有する電荷輸送層(203)とが順次積層された積層構造の感光体である。ここで、前記電荷輸送層が、ポリオール化合物(A)と、イソシアネート化合物(B)と、水酸基とトリアリールアミン構造を含む化合物(C)との架橋反応により生成した熱硬化型ウレタン樹脂中に、イソシアネート化合物(B)と反応する官能基を持たず、トリアリールアミン構造を含む電荷輸送性化合物(D)を含有するものであり、且つ、化合物(C)の含有量Dcと化合物(D)の含有量Ddが、関係式;Dc≦Ddを満たすものである。
なお、図1は一例であり、本発明における電子写真感光体は、導電性支持体上に、少なくとも電荷発生層、電荷輸送層が順次設けられた積層型の構成であればよく、必要により下引き層や中間層を設けても構わない。
<導電性支持体について>
導電性支持体(1)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体として用いることができる。
この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、また、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。
また、同時に用いられる結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。
このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体として良好に用いることができる。
<電荷発生層について>
電荷発生層(2)は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。また、電荷発生層のバインダー樹脂として上述のバインダー樹脂の他に、電荷輸送機能を有する高分子電荷輸送物質、例えば、アリールアミン骨格やベンジジン骨格やヒドラゾン骨格やカルバゾール骨格やスチルベン骨格やピラゾリン骨格等を有するポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリシロキサン、アクリル樹脂等の高分子材料やポリシラン骨格を有する高分子材料等を用いることができる。
電荷発生層を形成する方法としては、大きく分けて真空薄膜作製法と、溶液分散系からのキャスティング法とが挙げられる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
また、後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。また、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
<電荷輸送層について>
電荷輸送層(3)は電荷輸送機能を有する層であり、本発明における電荷輸送層はポリオール化合物(A)とイソシアネート化合物(B)と水酸基とトリアリールアミン構造を含む化合物(C)との架橋反応により生成した熱硬化型ウレタン樹脂中に、イソシアネート化合物(B)と反応する官能基を持たず、トリアリールアミン構造を含む電荷輸送性化合物(D)を含有してなる。
例えば、電荷発生層上に、化合物(A)、化合物(B)、化合物(C)及び化合物(D)を含有する塗工液を塗布し、必要に応じて乾燥後、加熱により硬化反応(熱架橋反応)させて硬化樹脂(熱硬化型ウレタン樹脂)とすることにより、電荷輸送層が形成される。このとき、電荷輸送層の膜厚は、5〜40μm程度が適当であり、好ましくは10〜30μm程度が適当である。5μmより薄いと充分な帯電電位が維持できず、40μmより厚いと硬化時の体積収縮により下層との剥離が生じやすくなる。
電荷輸送性化合物(D)の量Ddは、結着樹脂[ポリオール化合物(A)とイソシアネート化合物(B)の合計)]100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは30〜150重量部が適当である。なお、水酸基とトリアリールアミン構造を含む化合物(C)の含有量Dcは、関係式;Dc≦Ddを満たすことが必要である。
<画像形成方法及び装置について>
本発明における画像形成方法は、前記本発明の電子写真感光体を用いて、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行なうことを特徴とするものである。また、本発明における画像形成は、前記本発明の電子写真感光体を備えたことを特徴とするものである。
以下に、図面に基づいて本発明の画像形成方法ならびに画像形成装置を詳しく説明する。
本発明の画像形成方法は、本発明の電子写真感光体(前記構成からなり、平滑な電荷輸送性架橋表面層を有する)を用い、例えば、少なくとも感光体に帯電、画像露光、現像の過程を経た後、画像保持体(転写紙)へのトナー画像の転写、定着及び感光体表面のクリーニング等のプロセスを実施して画像形成するものであり、画像形成装置は、これらのプロセスを実施可能な手段を備えてなるものである。場合により、静電潜像を直接転写体に転写して現像する画像形成方法等では、感光体に配した前記プロセスを必ずしも有するものではない。
図2は、本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略図である。
感光体(1)を平均的に帯電させる手段として、帯電チャージャ(3)が用いられる。この帯電手段としては、コロトロンデバイス、スコロトロンデバイス、固体放電素子、針電極デバイス、ローラー帯電デバイス、導電性ブラシデバイス等が用いられ、公知の方式が使用可能である。
ここで、感光体(1)は、前記本発明の電子写真感光体構成、すなわち、導電性支持体上に、少なくとも電荷発生層、電荷輸送層〔ポリオール化合物(A)と、イソシアネート化合物(B)と、水酸基とトリアリールアミン構造を含む化合物(C)との架橋反応により生成した熱硬化型ウレタン樹脂中に、イソシアネート化合物(B)と反応する官能基を持たず、トリアリールアミン構造を含む電荷輸送性化合物(D)を含有する。〕が順次設けられた積層型の感光体である。
次に、均一に帯電された感光体(1)上に静電潜像を形成するため、画像露光部(5)が用いられる。この光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
次に、感光体(1)上に形成された静電潜像を可視化するため、現像ユニット(6)が用いられる。現像方式としては、乾式トナーを用いた一成分現像法、二成分現像法、湿式トナーを用いた湿式現像法がある。感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
次に、感光体(1)上で可視化されたトナー像を転写体(9)上に転写するため、転写チャージャ(10)が用いられる。また、転写をより良好に行なうために転写前チャージャ(7)を用いてもよい。これらの転写手段としては、転写チャージャ、バイアスローラーを用いる静電転写方式、粘着転写法、圧力転写法等の機械転写方式、磁気転写方式が利用可能である。静電転写方式としては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、転写体(9)を感光体(1)から分離する手段として、分離チャージャ(11)、分離爪(12)が用いられる。その他分離手段としては、静電吸着誘導分離、側端ベルト分離、先端グリップ搬送、曲率分離等が用いられる。分離チャージャ(11)としては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、転写後の感光体(1)上に残されたトナーをクリーニングするため、ファーブラシ(14)、クリーニングブレード(15)が用いられる。また、クリーニングをより効率的に行なうためにクリーニング前チャージャ(13)を用いてもよい。その他クリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独または複数の方式を一緒に用いてもよい。
次に、必要に応じて感光体(1)上の潜像を取り除く目的で、除電手段が用いられる。除電手段としては除電ランプ(2)、除電チャージャが用いられ、それぞれ前記露光光源、帯電手段が利用できる。その他、感光体に近接していない原稿読み取り、給紙、定着、排紙等のプロセスは公知のものが使用できる。
本発明は、このような画像形成手段に本発明に係る電子写真感光体を用いる画像形成方法および画像形成装置である。なお、図2中、符号4はイレーサ、符号8はレジストローラを示す。
上記画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形態でそれら装置内に組み込まれ、着脱自在としたものであってもよい。
すなわち、本発明における画像形成装置用プロセスカートリッジは、前記本発明の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段および除電手段よりなる群から選ばれた少なくとも一つの手段を有するものであって、画像形成装置本体に着脱可能としたことを特徴とするものである。
本発明に係る画像形成装置用プロセスカートリッジの一例を図3の概略図に示す。
画像形成装置用プロセスカートリッジとは、感光体(101)を内蔵し、他に帯電手段(102)、現像手段(104)、転写手段(106)、クリーニング手段(107)、除電手段(図示せず)の少なくとも一つを具備し、画像形成装置本体に着脱可能とした装置(部品)である。
図3に例示される装置による画像形成プロセスについて示すと、感光体(101)は、矢印方向に回転しながら、帯電手段(102)による帯電、露光手段(103)による露光により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成され、この静電潜像は、現像手段(104)でトナー現像され、該トナー現像は転写手段(106)により、転写体(105)に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の感光体表面は、クリーニング手段(107)によりクリーニングされ、さらに除電手段(図示せず)により除電されて、再び以上の操作を繰り返すものである。
なお、前記本発明の画像形成装置用プロセスカートリッジにおける電子写真感光体は、導電性支持体上に、少なくとも電荷発生層、電荷輸送層〔ポリオール化合物(A)と、イソシアネート化合物(B)と、水酸基とトリアリールアミン構造を含む化合物(C)との架橋反応により生成した熱硬化型ウレタン樹脂中に、イソシアネート化合物(B)と反応する官能基を持たず、トリアリールアミン構造を含む電荷輸送性化合物(D)を含有する。〕が順次設けられて構成されている。
以上の説明から明らかなように、本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用可能であるのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンターおよびレーザー製版等の電子写真応用分野にも広く用いることができるものである。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中において使用する「部」は、すべて重量部を表す。
[実施例1]
下記のようにして、下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を調製し、各塗工液を導電性支持体(Al製支持体)上に順次塗布し、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を形成して積層型の電子写真感光体(「感光体」と略称する。)を作成した。
先ず、Al製支持体(外径30mmφ)に、乾燥後の膜厚が3.5μmになるように浸漬法で塗工し、下引き層を形成した。
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂(ベッコゾール1307−60−EL、
大日本インキ化学工業製): 6部
メラミン樹脂(スーパーベッカミン G−821−60、
大日本インキ化学工業製): 4部
酸化チタン(CR−EL:石原産業): 40部
メチルエチルケトン: 50部
上記形成した下引き層上に、下記電荷発生層塗工液を浸漬塗工した後、加熱乾燥させ、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
〔電荷発生層用塗工液〕
下記構造式(I)で示されるビスアゾ顔料: 2.5部
ポリビニルブチラール(XYHL、UCC製): 0.5部
シクロヘキサノン: 200部
メチルエチルケトン: 80部
Figure 0005412883
上記形成した電荷発生層上に、下記電荷輸送層用塗工液を用いて、乾燥膜厚25μmになるように浸積塗工した後、130℃で90分加熱処理して透明な電荷輸送層を設け、本実施例の電子写真感光体を得た。
〔電荷輸送層用塗工液〕
下記構造式(II)で示されるポリオール化合物(FR4944、
三菱レイヨン社製): 6.1部
トリレンジイソシアネート(東京化成社製): 1.7部
テトラヒドロフラン: 36.4部
例示化合物D3−7: 2.0部
例示化合物D−21の電荷輸送性化合物: 3.0部
Figure 0005412883
[式(II)中、l=25、m=2、n=9を表す。](重量平均分子量約74000、数平均分子量約27000)
[実施例2]
実施例1において電荷輸送性化合物を例示化合物D−15に変えた以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
[実施例3]
実施例1において電荷輸送性化合物を例示化合物D−16に変えた以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
[実施例4]
実施例1において電荷輸送性化合物を下記構造式(III)で示される化合物に変えた以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
Figure 0005412883
[実施例5]
実施例1において電荷輸送層用塗工液を下記の処方に変えた以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
〔電荷輸送層用塗工液〕
前記構造式(II)で示されるポリオール化合物
(FR4944、三菱レイヨン社製): 6.1部
トリレンジイソシアネート(東京化成社製): 1.3部
テトラヒドロフラン: 37.2部
例示化合物D3−7: 1.0部
例示化合物D−21の電荷輸送性化合物: 4.0部
[実施例6]
実施例1において電荷輸送層用塗工液を下記の処方に変えた以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
〔電荷輸送層用塗工液〕
下記構造式(IV)で示される化合物ポリオール化合物
[粘度1500〜2000mpa・s(30℃);
(BA−P8、日本乳化剤社製)]: 2.9部
トリレンジイソシアネートのアダクト体(コロネートL、
日本ポリウレタン社製): 5.7部
テトラヒドロフラン: 43.8部
例示化合物D3−7: 2.4部
例示化合物D−21の電荷輸送性化合物: 3.6部
Figure 0005412883
[実施例7]
実施例1において電荷輸送層用塗工液を下記の処方に変えた以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
〔電荷輸送層用塗工液〕
前記構造式(II)で示されるポリオール化合物
(FR4944、三菱レイヨン社製): 5.1部
ジフェニルメタンジイソシアネート(東京化成社製): 2.1部
テトラヒドロフラン: 36.6部
例示化合物D3−7: 2.0部
例示化合物D−21の電荷輸送性化合物: 3.0部
[実施例8]
実施例1において電荷輸送層用塗工液を下記の処方に変えた以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
〔電荷輸送層用塗工液〕
前記構造式(II)で示されるポリオール化合物
(FR4944、三菱レイヨン社製): 5.3部
トリレンジイソシアネート(東京化成社製): 1.9部
テトラヒドロフラン: 36.6部
例示化合物D2−7: 2.0部
例示化合物D−21の電荷輸送性化合物: 3.0部
[実施例9]
実施例1において電荷輸送層用塗工液を下記の処方に変えた以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
〔電荷輸送層用塗工液〕
前記構造式(II)で示されるポリオール化合物
(FR4944、三菱レイヨン社製): 4.4部
下記構造式(V)で示されるイソシアネート化合物
[デュラネート(24A−100、旭化成ケミカル社製)]: 2.7部
テトラヒドロフラン: 36.3部
例示化合物D3−7: 2.0部
例示化合物D−21の電荷輸送性化合物: 3.0部
Figure 0005412883
[実施例10]
実施例1において電荷輸送層用塗工液を下記の処方に変えた以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
〔電荷輸送層用塗工液〕
前記構造式(II)で示されるポリオール化合物
(FR4944、三菱レイヨン社製): 6.1部
トリレンジイソシアネート(東京化成社製): 1.8部
テトラヒドロフラン: 39.9部
例示化合物D3−7: 2.7部
例示化合物D−21の電荷輸送性化合物: 2.7部
[比較例1]
実施例1において電荷輸送層用塗工液を下記のものに変えた以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
〔電荷輸送層用塗工液〕
ビスフェーノルZ型ポリカーボネート: 10部
下記構造式(III)で示される低分子電荷輸送物質 7部
テトラヒドロフラン: 80部
Figure 0005412883
[比較例2]
実施例1において電荷輸送層用塗工液を下記のものに変えた以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
〔電荷輸送層用塗工液〕
前記構造式(II)で示されるポリオール化合物
(FR4944、三菱レイヨン社製): 6.1部
トリレンジイソシアネート(東京化成社製): 2.5部
テトラヒドロフラン: 43.8部
例示化合物D3−7: 6.0部
[比較例3]
実施例1において電荷輸送層用塗工液を下記のものに変えた以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
〔電荷輸送層用塗工液〕
前記構造式(II)で示されるポリオール化合物
(FR4944、三菱レイヨン社製): 6.1部
トリレンジイソシアネート(東京化成社製): 1.0部
テトラヒドロフラン: 36.3部
例示化合物D−21の電荷輸送性化合物: 5.0部
[比較例4]
実施例1において電荷輸送層用塗工液を下記の処方に変えた以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
〔電荷輸送層用塗工液〕
前記構造式(II)で示されるポリオール化合物
(FR4944、三菱レイヨン社製): 5.3部
トリレンジイソシアネート(東京化成社製): 1.8部
テトラヒドロフラン: 36.3部
例示化合物D3−7: 3.0部
例示化合物D−21の電荷輸送性化合物: 2.0部
上記実施例1〜10及び比較例1〜4で得られた感光体を、リコー製imagio MF2200改造機(画像露光光源として655nmの半導体レーザーを使用)にセットして、5万枚の実機通紙試験(A4、NBSリコー製Mypaper、スタート時帯電電位−700V)を実施し、感光体の摩耗特性、耐クラック性、実機機内電位及び画像評価を行った。
なお、耐クラック評価は、実機通紙試験を終えた感光体を30℃、85%RHの環境下で2週間保管し、感光体表面におけるクラック発生の有無を目視で判断した。また、感光体の最表層膜状態の評価は目視で行い、感光体表面を視察して透明均一に成膜できているかを評価した。これらの結果をそれぞれ下記表7及び下記表8に示す。表7における耐クラック性、スジ画像、画像濃度の評価基準は下記による。
耐クラック性:○→発生なし、△→1〜4箇所以内、×→4箇所以上
スジ画像:○→良好、△→局部的に発生、×→画像全面に発生
画像濃度:○→良好、△→わずかに画像濃度低下、×→画像濃度低下
Figure 0005412883
Figure 0005412883
上記評価により以下の結果が得られた。
本発明の実施例1〜10の場合には、耐クラック性、画像濃度、スジ画像、最表層の膜状態、摩耗量において一部△の評価のあるものもあるが実用上問題のないレベルであり、いずれも良好な結果が得られた。
一方、比較例1の場合には、感光体の電荷輸送層の樹脂成分として、ビスフェーノルZ型ポリカーボネートを用い、ウレタン樹脂としなかったので、膜の機械強度が低く、摩耗量が大きく、耐クラック性も悪かった。
また、比較例2の場合には、官能基を持たないトリアリールアミン構造を含む電荷輸送性化合物(D)を感光体の電荷輸送層に含有しないので、電荷輸送機能が十分に発揮できず、また、感光体は摩耗量が少なかったが、スジ画像が発生した他、明部電位の異常上昇も激しかった。
また、比較例3の場合には、感光体の電荷輸送層に電荷輸送性化合物を含有するが、水酸基とトリアリールアミン構造を含む化合物(C)を含有しないので、生成するウレタン樹脂と、電荷輸送性化合物(D−21)との相溶性が悪く、架橋反応を阻害して強固な電荷輸送層が形成できなかった。感光体の摩耗量も大きく、電荷輸送性化合物の析出による画像濃度低下も発生した。
また、比較例4の場合には、感光体の電荷輸送層にトリアリールアミン構造を含まないポリオール化合物、官能基数2以上のイソシアネート化合物、水酸基とトリアリールアミン構造を含む化合物(例示化合物D3−7)及び、トリアリールアミン構造を含む電荷輸送性化合物(イソシアネート化合物と反応する官能基を持たない)(例示化合物D−21)を含有するが、水酸基とトリアリールアミン構造を含む化合物(例示化合物D3−7)の含有量がトリアリールアミン構造を含む電荷輸送性化合物(例示化合物D−21)より多いため、電荷輸送機能が不十分となり、また、感光体の摩耗量は少なかったが、スジ画像も発生し、明部電位の異常上昇も発生した。
したがって、本発明の積層型の電子写真感光体(導電性支持体上に、少なくとも電荷発生層、電荷輸送層が順次設けられた感光体)の電荷輸送層が、トリアリールアミン構造を含まないポリオール化合物(A)と、官能基数2以上のイソシアネート化合物(B)と、水酸基とトリアリールアミン構造を含む化合物(C)との反応により生成した硬化樹脂中に、前記イソシアネート化合物(B)と反応する官能基を持たず、トリアリールアミン構造を含む電荷輸送性化合物(D)を含有し、しかも、化合物(D)の含有量Ddを、化合物(C)の含有量Dc以上とすることによって、良好な画像形成を長期間維持できる長寿命で且つ高性能な感光体を提供できることが判明した。また併せて、本発明の感光体を用いた画像形成プロセス、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジが高性能、高信頼性を有していることが判明した。
以上、詳細且つ具体的な説明から明らかなように、本発明の構成とされた電子写真感光体によれば、耐クラック性、耐傷性、耐摩耗性に優れ、従来の電子写真感光体の高耐久化を阻害する要因となっていた機械的耐久のレベルを、大幅に改善することができる。また、この電子写真感光体を用いることにより、長期間の使用においても終始高濃度、高画質の画像が安定して得られる画像形成装置及び画像形成方法を提供することができる。
1 感光体
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ
4 イレーサ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャ
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
101 感光ドラム
102 帯電装置
103 露光
104 現像装置
105 転写体
106 転写装置
107 クリーニングブレード
201 導電性支持体上
202 電荷発生層
203 電荷輸送層
特開昭56−48637号公報 特開昭64−1728号公報 特開平4−281461号公報 特開昭61−132954号公報 特開平2−240655号公報 特開平7−261440号公報 特開平5−306335号公報 特開平6−32884号公報 特開平6−282094号公報 特開2003−316055号公報 特許第3060866号公報 特許第3818585号公報 特許第3818589号公報 特許第3936628号公報 特開2008−26694号公報

Claims (9)

  1. 導電性支持体上に、少なくとも電荷発生層、電荷輸送層が順次設けられた積層型の電子写真感光体であって、
    前記電荷輸送層が、トリアリールアミン構造を含まないポリオール化合物(A)と、官能基数2以上のイソシアネート化合物(B)と、水酸基とトリアリールアミン構造を含む化合物(C)との反応により生成した硬化樹脂中に、前記イソシアネート化合物(B)と反応する官能基を持たず、トリアリールアミン構造を含む電荷輸送性化合物(D)を含有してなるものであり、且つ、化合物(C)の含有量Dcと化合物(D)の含有量Ddが、関係式;Dc≦Ddを満たすことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 記イソシアネート化合物(B)と反応する官能基が、活性水素を有する基であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記ポリオール化合物(A)が、分子構造単位として少なくともスチレン構造を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記イソシアネート化合物(B)が、芳香族イソシアネート化合物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 前記水酸基とトリアリールアミン構造を含む化合物(C)が、下記一般式(1)または下記一般式(2)で示される化合物であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真感光体。
    Figure 0005412883
    [式(1)中、R1は水素原子、水酸基、水酸基を1つ以上含有するアルキル基、水酸基以外の置換基があってもよいアルキル基を表し、R2、R3は、水酸基、水酸基を1つ以上含有するアルキル基、水酸基を1つ以上含有するアルコキシ基、水酸基を1つ以上含有するポリアルキレンオキシ基を表し、同一でも異なっていてもよい。Ar1、Ar2、Ar3は置換もしくは無置換の芳香族2価基を表す。]
    Figure 0005412883
    [式(2)中、R4、R5は水素原子、水酸基、水酸基を1つ以上含有するアルキル基、水酸基以外の置換基があってもよいアルキル基を表し、R6、R7は、水素原子、水酸基を1つ以上含有するアルキル基を表し、同一でも異なっていてもよい。Ar4、Ar5、Ar6、Ar7、Ar8は置換もしくは無置換の芳香族2価基を表す。]
  6. 前記トリアリールアミン構造を含む電荷輸送性化合物(D)が、下記一般式(3)で示される電荷輸送性化合物であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子写真感光体。
    Figure 0005412883
    [式(3)中、R8、R9は、水酸基以外の置換基があってもよい芳香族炭化水素基、水酸基以外の置換基があってもよいアルキル基を表し、同一でも異なっていてもよい。また、R8、R9は互いに結合し窒素原子を含む複素環を形成してもよい。Ar9は置換もしくは無置換の芳香族2価基を表し、Ar10は置換もしくは無置換の芳香族2価基または芳香族1価基を表す。ただし、式中の2個のAr10が同時に1価であることはない。l′、m′はそれぞれ0〜3の整数を表す。ただし、l′、m′が同時に0となることはない。n′は1〜3の整数を表す。]
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の電子写真感光体を用いて、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行なうことを特徴とする画像形成方法。
  8. 請求項1乃至6のいずれかに記載の電子写真感光体を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1乃至6のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段および除電手段よりなる群から選ばれた少なくとも一つの手段を有するものであって、画像形成装置本体に着脱可能としたことを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
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