JP3818589B2 - 電子写真感光体、及びそれを用いた画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体、画像形成装置、プロセスカートリッジ及びそれらを用いた画像形成方法に関するものである。
一般に「電子写真方法」とは、光導電性の感光体をまず暗所で例えばコロナ放電によって帯電させ、次いで像露光し、露光部のみの電荷を選択的に散逸せしめて静電潜像を得、この潜像部を染料、顔料などの着色剤と高分子物質などの結合剤とから構成される検電微粒子(トナー)で現像し可視化して画像を形成するようにした画像形成法の一つである。
【0002】
このような電子写真方法において感光体に要求される基本的な特性としては
(1)暗所で適当な電位に帯電できること、
(2)暗所において電荷の散逸が少ないこと、
(3)光照射によって速やかに電荷を散逸できること、
などが挙げられる。
【0003】
従来、電子写真方法において使用される感光体としては、導電性支持体上にセレンないしセレン合金を主体とする感光層を設けたもの、酸化亜鉛、硫化カドミウムなどの無機系光導電材料をバインダー中に分散させたもの、ポリ−N−ビニルカルバゾールとトリニトロフルオレノンあるいはアゾ顔料などの有機光導電材料を用いたもの、及び非晶質シリコーン系材料を用いたもの等が一般に知られているが、近年ではコストの低さ、感光体設計の自由度の高さ、低公害性等から有機系電子写真感光体が広く利用されるようになってきている。
【0004】
有機系電子写真感光体には、ポリビニルカルバゾール(PVK)に代表される光導電性樹脂型、PVK−TNF(2,4,7−トリニトロフルオレノン)に代表される電荷移動錯体型、フタロシアニン−バインダーに代表される顔料分散型、電荷発生物質と電荷輸送物質とを組み合わせて用いる機能分離型の感光体などが知られており、特に機能分離型の感光体が注目されている。
【0005】
この機能分離型の感光体における静電潜像形成のメカニズムは、感光体を帯電した後光照射すると、光は透明な電荷輸送層を通過し、電荷発生層中の電荷発生物質により吸収され、光を吸収した電荷発生物質は電荷担体を発生し、この電荷担体は電荷輸送層に注入され、帯電によって生じている電界にしたがって電荷輸送層中を移動し、感光体表面の電荷を中和することにより静電潜像を形成するものである。機能分離型感光体においては、主に紫外部に吸収を持つ電荷輸送物質と、主に可視部に吸収を持つ電荷発生物質とを組み合わせて用いることが知られており、上記基本特性を充分に満たすものが得られている。
【0006】
近年、電子写真プロセスの高速化、小型化が進むなか、感光体に対して上記特性以外に長期繰り返し使用に際しても高画質を保つことのできる信頼性及び高耐久化が強く要求される様になっている。
感光体は、電子写真プロセスにおいて、様々に機械的、化学的負荷を受けている。このような負荷により、感光体は、摩耗し、膜厚減少による異常画像が発生する。
【0007】
感光体の高耐久化手段として、保護層表面に潤滑性を付与する方法がある。例えば、表面層にフッ素変性シリコーンオイルを含有させることにより表面性を改善し、感光体表面の耐摩耗性を向上させる提案が記載されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。しかし、このようなオイル成分を感光層に添加して摩擦係数を下げる方法は、表面に移行した成分が直ぐに除去されてしまうために耐摩耗性の効果を持続することができていない。
【0008】
また、別の高耐久化手段として、感光体にフィラーを添加する技術、感光層表面にフィラーを分散させた表面保護層を設ける技術が提案されている(例えば、特許文献4〜8参照。)。これらのフィラーを含有した表面保護層の耐摩耗性は向上する。しかし、表面保護層中のフィラー分散状態(均一性、凝集性等)の影響により、微細ドット書き込みを行なった場合に、ドット周辺部にトナーが散り、異常画像になることが判明した。
【0009】
また、別の高耐久化手段としては、感光体の表面層に、架橋系樹脂を用いる手段がある。例えば、アクリル系架橋樹脂を用いたもの(例えば、特許文献9,10参照。)、ポリシロキサン架橋樹脂を用いたもの(例えば、特許文献11参照。)、ウレタン系架橋樹脂を用いたもの(例えば、特許文献12〜14参照。)等が提案されている。
これらの架橋樹脂を表面層に用いた場合、架橋樹脂の基本骨格だけでは、電荷輸送機能がないため、低感度であり、実機内における露光部電位が大きくなる。そのためにこれらの架橋樹脂表面層に電荷輸送機能を付与する方法がある。
【0010】
また、架橋樹脂中に電荷輸送物質を分散させたものが提案されている(例えば、特許文献15、16参照。)。また、特定構造の電荷輸送モノマーを繰り返し単位で有するアクリルまたはメタクリル酸エステル重合体を架橋樹脂中に分散させたものがある(例えば、特許文献17参照。)。これらの感光体は、架橋樹脂中で相溶性が悪く、表面層が白濁しやすい。また、架橋樹脂中に低分子電荷輸送物質や特定構造体を分散しており、長期的に使用した場合、架橋樹脂本来の耐摩耗性が発現されず。摩耗しやすいことが明らかとなった。
【0011】
また、前述の特許文献11、14では、架橋樹脂中に電荷輸送機能を有する骨格を架橋重合するものが提案されている。これらの電荷輸送輸送機能を有する骨格を架橋重合し形成された表面層は、電気特性的には良好であり、且つ機械的耐久性が良好であった。しかし厚膜化した場合は、架橋重合時に発生する膜の体積収縮により、クラック等の問題が発生した。
【0012】
また、感光層にトリアリールアミン構造を分岐鎖に有するポリカーボネートを含有する高分子電荷輸送物質を含有することを特徴とする電子写真感光体が提案されているが(例えば、特許文献18参照。)、特有なポリオール系ポリウレタン樹脂を用いた表面保護層についての記載はなかった。
【0013】
【特許文献1】
特開平07−295248号公報(第2頁第1欄第1行目〜第18行目の特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開平07−301936号公報(第2頁第1欄第1行目〜第15行目の特許請求の範囲)
【特許文献3】
特開平08−082940号公報(第2頁第1欄第1行目〜第25行目の特許請求の範囲)
【特許文献4】
特開平1−205171号公報(第1頁左下欄第4行目〜第8行目の特許請求の範囲)
【特許文献5】
特開平7−333881号公報(第2頁第1欄第2行目〜第5行目の請求項1、第2頁第1欄第16行目〜第23行目の請求項5及び6)
【特許文献6】
特開平8−15887号公報(第2頁第1欄第1行目〜第49行目の特許請求の範囲)
【特許文献7】
特開平8−123053号公報(第2頁第1欄第1行目〜第30行目の特許請求の範囲)
【特許文献8】
特開平8−146641号公報(第2頁第1欄第1行目〜第20行目の特許請求の範囲)
【特許文献9】
特許第2578548号公報(第1頁第1欄第1行目〜第2頁第3欄第15行目の請求項1乃至3)
【特許文献10】
特開平7−261441号公報(第2頁第1欄第2行目〜第8行目の請求項1)
【特許文献11】
特開2000−241998号公報(第2頁第1欄第2行目〜第35行目の請求項1乃至8)
【特許文献12】
特開平5−341550号公報(第2頁第1欄第1行目〜第21行目の特許請求の範囲)
【特許文献13】
特開平10−177268号公報(第2頁第1欄第2行目〜第2欄第46行目の請求項1乃至9)
【特許文献14】
特開平11−38665号公報(第2頁第1欄第2行目〜第3頁第3欄第13行目の請求項1乃至7)
【特許文献15】
特開昭56−48637号公報(第1頁左下欄第4行目〜第9行目の特許請求の範囲)
【特許文献16】
特開平4−15659号公報(第1頁左下欄第4行目〜第8行目の特許請求の範囲)
【特許文献17】
特開平5−66598号公報(第2頁第1欄第1行目〜第3頁第3欄第41行目の特許請求の範囲)
【特許文献18】
特開平9−319122号公報(第2頁第1欄第1行目〜第12頁第12欄第40行目の特許請求の範囲)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、長期的使用における耐摩耗性、耐傷性、画像安定性に優れた電子写真感光体、画像形成装置、プロセスカートリッジ及びそれらを用いた画像形成方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、上記課題は、本発明の(1)「導電性支持体上に少なくとも感光層及び表面保護層を有する電子写真感光体において、該表面保護層が少なくともイソシアネートとポリオールを架橋重合したウレタン樹脂と高分子電荷輸送材料を含有し、該高分子電荷輸送材料がトリフェニルアミン骨格を主鎖または/かつ側鎖に有するポリカーボネートの重合体であることを特徴とする電子写真感光体」、(2)「前記イソシアネートの官能基が、3官能以上であることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真感光体」、(3)「前記ポリオールが、下記構造のポリオールであることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の電子写真感光体;
【0016】
【化14】
(式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表わし、n=1〜5である。)」、(4)「前記ポリオールの分子量が、100以上150以下であることを特徴とする前記第(3)項に記載の電子写真感光体」、(5)「前記高分子電荷輸送物質として下記一般式1で表わされるトリアリールアミン構造を分岐鎖に有するポリカーボネートを含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の電子写真感光体;
【0017】
【化15】
式中、R1,R2,R3はそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、R4は水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基、R5,R6は置換もしくは無置換のアリール基、o,p,qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k,jは組成を表わし、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表わし、5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、または下記一般式で表わされる2価基を表わす。
【0018】
【化16】
式中、R101,R102は各々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表わす。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−,−S−,−SO−,−SO2−,−CO−,−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表わす。)または、
【0019】
【化17】
(式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R103、R104は置換または無置換のアルキル基又はアリール基を表わす。)を表わす。ここで、R101とR102,R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。」、(6)「前記高分子電荷輸送物質として下記一般式2で表わされるトリアリールアミン構造を分岐鎖に有するポリカーボネートを含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の電子写真感光体;
【0020】
【化18】
式中、R7,R8は置換もしくは無置換のアリール基、Ar1,Ar2,Ar3は同一又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、一般式1の場合と同じである。」、(7)「前記高分子電荷輸送物質として下記一般式3で表わされるトリアリールアミン構造を分岐鎖に有するポリカーボネートを含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の電子写真感光体;
【0021】
【化19】
式中、R9,R10は置換もしくは無置換のアリール基、Ar4,Ar5,Ar6 は同一又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、一般式1の場合と同じである」、(8)「前記高分子電荷輸送物質として、下記一般式4で表わされるトリアリールアミン構造を分岐鎖に有するポリカーボネートを含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載の電子写真感光体;
【0022】
【化20】
式中、R11,R12は置換もしくは無置換のアリール基、Ar7,Ar8,Ar9は同一又は異なるアリレン基、sは1〜5の整数を表わす。X,k,jおよびnは、一般式1の場合と同じである」、(9)「前記高分子電荷輸送物質として、下記一般式5で表わされるトリアリールアミン構造を主鎖に有するポリカーボネートを含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載の電子写真感光体;
【0023】
【化21】
式中、R13,R14は置換もしくは無置換のアリール基、Ar10,Ar11,Ar12は同一又は異なるアリレン基、X1,X2は置換もしくは無置換のエチレン基、又は置換もしくは無置換のビニレン基を表わす。X,k,jおよびnは、一般式1の場合と同じである」、(10)「前記高分子電荷輸送物質として、下記一般式6で表わされるトリアリールアミン構造を分岐鎖に有するポリカーボネートを含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(9)項のいずれかに記載の電子写真感光体;
【0024】
【化22】
式中、R15,R16,R17,R18は置換もしくは無置換のアリール基、Ar13,Ar14,Ar15,Ar16は同一又は異なるアリレン基、Y1,Y2,Y3は単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし、同一であっても異なってもよい。X,k,jおよびnは、一般式1の場合と同じである」、(11)「前記高分子電荷輸送物質として、下記一般式7で表わされるトリアリールアミン構造を主鎖に有するポリカーボネートを含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(10)項のいずれかに記載の電子写真感光体;
【0025】
【化23】
式中、R19,R20は水素原子、置換もしくは無置換のアリール基を表わし、R19とR20は環を形成していてもよい。Ar17,Ar18,Ar19は同一又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、一般式1の場合と同じである」、(12)「前記高分子電荷輸送物質として、下記一般式8で表わされるトリアリールアミン構造を主鎖に有するポリカーボネートを含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(11)項のいずれかに記載の電子写真感光体;
【0026】
【化24】
式中、R21は置換もしくは無置換のアリール基、Ar20,Ar21,Ar22,Ar23は同一又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、一般式1の場合と同じである」、(13)「前記高分子電荷輸送物質として、下記一般式9で表わされるトリアリールアミン構造を分岐鎖に有するポリカーボネートを含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(12)項のいずれかに記載の電子写真感光体;
【0027】
【化25】
式中、R22,R23,R24,R25は置換もしくは無置換のアリール基、Ar24,Ar25,Ar26,Ar27,Ar28は同一又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、一般式1の場合と同じである」、(14)「前記高分子電荷輸送物質として、下記一般式10で表わされるトリアリールアミン構造を主鎖に有するポリカーボネートを含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(13)項のいずれかに記載の電子写真感光体;
【0028】
【化26】
式中、R26,R27は置換もしくは無置換のアリール基、Ar29,Ar30,Ar31は同一又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、一般式1の場合と同じである」、(15)「前記表面保護層膜厚が、1.0〜8.0μmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(14)項のいずれかに記載の電子写真感光体」によって解決される。
【0029】
また、上記課題は、本発明の(16)「少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および電子写真感光体を具備してなる画像形成装置において、該電子写真感光体として、前記第(1)項乃至第(15)項のいずれかに記載の電子写真感光体を用いたことを特徴とする画像形成装置」、(17)「前記画像露光手段のLDあるいはLED等を使用することによって感光体上に静電潜像の書き込みが行なわれることを特徴とする前記第(16)項に記載の画像形成装置」、(18)「前記帯電手段が帯電部材を感光体に接触もしくは近接配置したものであることを特徴とする前記第(16)項又は第(17)項に記載の画像形成装置」、(19)「前記帯電部材の直流成分に交流成分を重畳し、感光体に帯電を与えることを特徴とする前記第(16)項乃至第(18)項のいずれかに記載の画像形成装置」によって解決される。
【0030】
また、上記課題は、本発明の(20)「少なくとも、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段のいずれか一つと電子写真感光体を一体化したプロセスカートリッジにおいて、該電子写真感光体が前記第(1)項乃至第(15)項のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ」によって解決される。
【0031】
また、上記課題は、本発明の(21)「少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および前記第(1)項乃至第(15)項のいずれかに記載の電子写真感光体を用いたことを特徴とする画像形成方法」によって解決される。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
導電性支持体上に少なくとも感光層及び表面保護層を有する電子写真感光体において、該表面保護層が少なくともイソシアネートとポリオールを架橋重合したウレタン樹脂と高分子電荷輸送材料を含有し、該高分子電荷輸送材料がトリフェニルアミン骨格を主鎖または/かつ側鎖に有するポリカーボネートの重合体であることを特徴とする電子写真感光体とする。
表面保護層を上記構造の膜とすることにより、長期的使用における感光体の耐摩耗性及び静電特性が向上し、画像安定性に優れた電子写真感光体、画像形成装置、プロセスカートリッジ、画像形成方法を提供することができる。
【0033】
イソシアネートとポリオールを架橋重合したウレタン樹脂は、機械的耐久性に優れる。しかし、このウレタン樹脂は、電荷輸送機能がないために、2μm以下の薄膜の保護層としては使用できるが、さらに耐久性を維持するために厚膜化が不可能であった。
このウレタン樹脂に電荷輸送機能を付与する方法としては、従来技術でも挙げた電荷輸送物質を添加する方法がある。しかし、これらの電荷輸送物質を添加する方法では、ウレタン樹脂本来の機械的耐久性低下が発生した。
一方、トリアリールアミン骨格を主鎖または/かつ側鎖に有するポリカーボネートの重合体である高分子電荷輸送材料は、低分子電荷輸送材料を結着樹脂中に分散した膜に比べて、機械的耐久性は向上するが、今後望まれているさらなる高耐久化に対して充分ではない。
【0034】
そこで、本発明のウレタン樹脂とトリアリールアミン骨格を主鎖または/かつ側鎖に有するポリカーボネートの重合体である高分子電荷輸送材料を混合した表面保護層とすることにより、本来のウレタン樹脂が持つ膜の弾性及び強靱性を低下させることなく、機械的耐久性が良好であり、且つ静電特性が向上した表面保護層とすることが可能となった。
これは、機械的耐久性の高く、電荷輸送機能を有するトリアリールアミン骨格を主鎖または/かつ側鎖に有するポリカーボネートの重合体である高分子電荷輸送材料樹脂鎖を覆い絡まるようにして、ウレタン樹脂の3次元ネットワークが形成されるために、ウレタン樹脂本来の機械的耐久性低下がなく、良好な電荷輸送機能と有する表面保護層となる。
【0035】
以下、本発明に用いられる電子写真感光体を図面に沿って説明する。
図1は、本発明の電子写真感光体の構成例を示す断面図であり、導電性支持体上に、電荷発生材料と電荷輸送材料を主成分とする単層感光層が設けられ、更に感光層上に表面保護層が設けられてなる。
【0036】
図2は、本発明の電子写真感光体の別の構成例を示す断面図であり、導電性支持体上に、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層と電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層とが積層された構成をとっており、更に電荷輸送層上に表面保護層が設けられてなる。
【0037】
図3は、本発明の電子写真感光体の別の構成例を示す断面図であり、導電性支持体上に、下引き層が設けられ、その上に電荷発生材料を主成分とする電荷発生層と電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層とが積層された構成をとっており、更に電荷輸送層上に表面保護層が設けられてなる。
【0038】
本発明の構成は、導電性支持体上に少なくとも、感光層、表面保護層を少なくとも有していれば、上記のその他の層等、任意に組み合わされていても構わない。
導電性支持体としては、体積抵抗1010 Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
【0039】
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものも、本発明の導電性支持体として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
【0040】
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、ポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体として良好に用いることができる。
【0041】
次に感光層について説明する。感光層は単層でも積層でもよいが、説明の都合上、先ず電荷発生層と電荷輸送層で構成される場合から述べる。
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層である。
電荷発生層には、公知の電荷発生物質を用いることが可能であり、その代表として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられ用いられる。これら電荷発生物質は、単独でも2種以上混合してもかまわない。
中でもアゾ顔料および/またはフタロシアニン顔料が有効に用いられる。特に下記構造式(1)で表わされるアゾ顔料、およびチタニルフタロシアニン(特にCuKαの特性X線(波長1.514Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン)が有効に使用できる。
【0042】
【化27】
式中、Cp1、Cp2はカップラー残基を表わし、同一でも異なっていても良い。R201、R202はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基のいずれかを表わし、同一でも異なっていても良い。またCp1、Cp2は下記(2)式で表わされ、
【0043】
【化28】
式中、R203は、水素原子、メチル基、エチル基などのアルキル基、フェニル基などのアリール基を表わす。R204、R205、R206、R207、R208はそれぞれ、水素原子、ニトロ基、シアノ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、トリフルオロメチル基、メチル基、エチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、水酸基を表わし、Zは置換もしくは無置換の芳香族炭素環または置換もしくは無置換の芳香族複素環を構成するのに必要な原子群を表わす。
【0044】
電荷発生層は、必要に応じて結着樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。
必要に応じて電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
【0045】
ここで用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセロソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良好に使用される。塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
【0046】
電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電荷輸送物質とがある。電荷輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
【0047】
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
また、電荷輸送物質としての機能とバインダー樹脂の機能を持った高分子電荷輸送物質も良好に使用される。高分子電荷輸送物質としては、公知の材料が使用できる。
【0048】
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0049】
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は解像度・応答性の点から、25μm以下とすることが好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)により異なるが、5μm以上が好ましい。
【0050】
ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。
【0051】
本発明の感光体においては電荷輸送層中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂に対して0〜30重量%程度が適当である。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は結着樹脂に対して、0〜1重量%が適当である。
【0052】
次に、感光層が単層構成の場合について述べる。上述した電荷発生物質を結着樹脂中に分散した感光体が使用できる。単層感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。さらに、この感光層には上述した電荷輸送材料を添加した機能分離タイプとしても良く、良好に使用できる。また、必要により、可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
【0053】
結着樹脂としては、先に電荷輸送層で挙げた結着樹脂をそのまま用いるほかに、電荷発生層で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。もちろん、先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜150重量部である。単層感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を必要ならば電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコートなどで塗工して形成できる。単層感光層の膜厚は、5〜25μm程度が適当である。
【0054】
本発明の感光体においては、導電性支持体と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
【0055】
これらの下引き層は前述の感光層の如く適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0056】
本発明の感光体においては、感光層保護の目的で、表面保護層が感光層の上に設けられる。
表面保護層に使用されるバインダー樹脂としては、少なくともイソシアネートとポリオールを架橋重合したウレタン樹脂とトリフェニルアミン骨格を主鎖または/かつ側鎖に有するポリカーボネートの重合体が用いられる。
イソシアネート材料は一般的なイソシアネート材料を用いることが可能である。しかし、感光体の表面保護層として用いるためには、経時により膜が変色しない、無黄変タイプのイソシアネート材料が好ましい。さらに、機械的耐久性が良好なイソシアネート材料としては、3官能以上のイソシアネート材料が好ましい。これらのイソシアネート材料を下記に例示する。
【0057】
【化29】
例示化合物1(HDIアダクト)
【0058】
【化30】
例示化合物2(IPDIアダクト)
【0059】
【化31】
例示化合物3(HDIトリマー)
これらのイソシアネート材料は単独もしくは混合して使用することができる。
【0060】
次に、ポリオール材料は、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオール、ポリカーボネート骨格を有するポリカーボネートジオールなどが用いられる。機械的耐久性の良好なポリオール材料としては、下記構造のポリオール材料が好ましい。
【0061】
【化32】
(式中、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表わし、n=1〜5である。)
さらに良好なポリオール材料としては、上記構造のポリオールの分子量が、100以上150以下であることが好ましい。
下記にこれらのポリオールの例を示す。
【0062】
【化33】
例示化合物4(分子量334.16)
【0063】
【化34】
例示化合物5(分子量176.25)
【0064】
【化35】
例示化合物6(分子量134.17)
【0065】
【化36】
例示化合物7(分子量106.12)
【0066】
【化37】
例示化合物8(分子量120.09)
【0067】
イソシアネートのNCO基数とポリオールのOH基数の比(NCO/OH比)は、1.0〜1.5程度が望ましい。
【0068】
保護層にはウレタン樹脂とトリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネート重合体が用いられる。これらのトリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネート重合体を、下記一般式(1)〜一般式(10)で、例示する。
【0069】
【化38】
式中、R1,R2,R3はそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、R4は水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基、R5,R6は置換もしくは無置換のアリール基、o,p,qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k,jは組成を表わし、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表わし、5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、または下記一般式で表わされる2価基を表わす。
【0070】
【化39】
式中、R101,R102は各々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表わす。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−,−S−,−SO−,−SO2−,−CO−,−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表わす。)または、
【0071】
【化40】
(式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R103、R104は置換または無置換のアルキル基又はアリール基を表わす。)を表わす。ここで、R101とR102,R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。
【0072】
【化41】
式中、R7,R8は置換もしくは無置換のアリール基、Ar1,Ar2,Ar3は同一又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、一般式1の場合と同じである。
【0073】
【化42】
式中、R9,R10は置換もしくは無置換のアリール基、Ar4,Ar5,Ar6は同一又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、(一般式1の場合と同じである。
【0074】
【化43】
式中、R11,R12は置換もしくは無置換のアリール基、Ar7,Ar8,Ar9は同一又は異なるアリレン基、pは1〜5の整数を表わす。 X,k,jおよびnは、一般式1の場合と同じである。
【0075】
【化44】
式中、R13,R14は置換もしくは無置換のアリール基、Ar10,Ar11,Ar12は同一又は異なるアリレン基、X1,X2は置換もしくは無置換のエチレン基、又は置換もしくは無置換のビニレン基を表わす。X,k,jおよびnは、一般式1の場合と同じである。
【0076】
【化45】
式中、R15,R16,R17,R18は置換もしくは無置換のアリール基、Ar13,Ar14,Ar15,Ar16は同一又は異なるアリレン基、Y1,Y2,Y3は単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし、同一であっても異なってもよい。X,k,jおよびnは、一般式1の場合と同じである。
【0077】
【化46】
式中、R19,R20は水素原子、置換もしくは無置換のアリール基を表わし、R19とR20は環を形成していてもよい。Ar17,Ar18,Ar19は同一又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、一般式1の場合と同じである。
【0078】
【化47】
式中、R21は置換もしくは無置換のアリール基、Ar20,Ar21,Ar22,Ar23は同一又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、一般式1の場合と同じである。
【0079】
【化48】
式中、R22,R23,R24,R25は置換もしくは無置換のアリール基、Ar24,Ar25,Ar26,Ar27,Ar28は同一又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、一般式1の場合と同じである。
【0080】
【化49】
式中、R26,R27は置換もしくは無置換のアリール基、Ar29,Ar30,Ar31は同一又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、一般式1の場合と同じである。
これらの高分子電荷輸送材料は、単独もしくは混合して使用することができる。
ウレタン樹脂と高分子電荷輸送材料の混合比(重量)は、1/3〜2/1程度であり、好ましくは2/3〜3/2程度である。
【0081】
表面保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当であり、好ましくは、1.0〜8.0μmの範囲である。長期的に繰り返し使用される感光体は、機械的に耐久性が高く、摩耗しにくいものとする。しかし実機内では、帯電部材などから、オゾン及びNOxガスなどが発生し、感光体の表面に付着する。こららの付着物が存在すると、画像流れが発生する。この画像流れを防止するためには、感光層をある一定速度以上に摩耗する必要がある。そのためには、長期的な繰り返し使用を考慮した場合、表面保護層は少なくとも1.0μm以上の膜厚であることが好ましい。また、膜厚が8.0μm以上では、残留電位上昇や微細ドット再現性の低下が考えられる。
【0082】
ここで用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセロソルブ、セロソルブアセテート、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられる。
【0083】
塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。製膜される膜の均一性、塗工時の下層への浸食性等を考慮した場合、微小開口部を有するノズルより塗工液を吐出し、霧化することにより生成した微小液滴を感光層上に付着させて塗膜を形成するスプレー塗工方法が好ましい。
【0084】
次に、図面を用いて本発明の電子写真方法ならびに電子写真装置を詳しく説明する。
図4は、本発明の電子写真プロセスおよび電子写真装置を説明するための概略図であり、下記するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図4において、感光体(1)は導電性支持体上に、少なくとも感光層と請求項1乃至11に記載の表面保護層が設けられてなる。感光体(1)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。帯電ローラー(8)、転写前チャージャ(12)、転写チャージャ(15a)、分離チャージャ(15b)、クリーニング前チャージャ(17)には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラを始めとする公知の手段が用いられる。帯電部材は、感光体に対し接触もしくは近接配置したものが良好に用いられる。また、帯電用部材により感光体に帯電を施す際、帯電部材に直流成分に交流成分を重畳した電界により感光体に帯電を与えることにより、帯電ムラを低減することが可能で効果的である。
転写手段には、一般に上記の帯電器が使用できるが、図に示されるように転写チャージャーと分離チャージャーを併用したものが効果的である。
【0085】
また、画像露光部(10)、除電ランプ(7)等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。好ましく発光ダイオード、半導体レーザーが用いられる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
かかる光源等は、図4に示される工程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光が照射される。
【0086】
さて、現像ユニット(11)により感光体(1)上に現像されたトナーは、転写紙(14)に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体(1)上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、ファーブラシ(18)およびブレード(19)により、感光体より除去される。クリーニングは、クリーニングブラシだけで行なわれることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
【0087】
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。
これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
【0088】
図5には、本発明による電子写真プロセスの別の例を示す。感光体(21)は導電性支持体上に、少なくとも感光層と請求項1乃至8記載の表面保護層が設けられてなる。駆動ローラ(22a),(22b)により駆動され、帯電器(23)による帯電、光源(24)による像露光、現像(図示せず)、帯電器(25)を用いる転写、光源(26)によるクリーニング前露光、ブラシ(27)によるクリーニング、光源(28)による除電が繰り返し行なわれる。図5においては、感光体(21)(勿論この場合は支持体が透光性である)に支持体側よりクリーニング前露光の光照射が行なわれる。
【0089】
以上の図示した電子写真プロセスは、本発明における実施形態を例示するものであって、もちろん他の実施形態も可能である。例えば、図5において支持体側よりクリーニング前露光を行なっているが、これは感光層側から行なってもよいし、また、像露光、除電光の照射を支持体側から行なってもよい。
一方、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、およびその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行なうこともできる。
【0090】
以上に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な例として、図6に示すものが挙げられる。感光体(30)は、導電性支持体上に、少なくとも感光層と表面保護層が設けられてなる。
【0091】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により説明するが、これにより本発明の態様が限定されるものではない。
実施例1
Al製支持体(外径30mmφ)に、乾燥後の膜厚が3.5μmになるように浸漬法で塗工し、下引き層を形成した。
・下引き層用塗工液
アルキッド樹脂
(ベッコゾール1307−60−EL:大日本インキ化学工業)
メラミン樹脂
(スーパーベッカミンG−821−60:大日本インキ化学工業)
酸化チタン(CR−EL:石原産業)
メチルエチルケトン
<混合比(重量)>
アルキッド樹脂/メラミン樹脂/酸化チタン/メチルエチルケトン=3/2/20/100
【0092】
この下引き層上に下記構造のビスアゾ顔料を含む電荷発生層塗工液に浸漬塗工し、加熱乾燥させ、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
・電荷発生層用塗工液
下記構造のビスアゾ顔料
【0093】
【化50】
ポリビニルブチラール(XYHL:UCC)
2−ブタノン
シクロヘキサノン
<混合比(重量)>
ビスアゾ顔料/ポリビニルブチラール/2−ブタノン/シクロヘキサノン=5/1/100/200
【0094】
この電荷発生層上に下記構造の低分子電荷輸送物質を含む電荷輸送層用塗工液を用いて、浸積塗工し、加熱乾燥させ、膜厚22μmの電荷輸送層とした。
・電荷輸送層用塗工液
ビスフェーノルZ型ポリカーボネート
下記構造の低分子電荷輸送物質
【0095】
【化51】
テトラヒドロフラン
<混合比(重量)>
ポリカーボネート/電荷輸送物質/テトラヒドロフラン=1/1/10
【0096】
この電荷輸送層上に下記塗工液を用いてスプレー塗工し、150℃加熱乾燥させ、膜厚5.0μmの表面保護層とした。
・表面保護層用塗工液
イソシアネート(タケネートD140N(IPDIアダクト):三井武田ケミカル社製)
ポリオール(LZR170(スチレン−アクリル共重合体):藤倉化成社製)
【0097】
【化52】
下記構造の高分子電荷輸送材料
【0098】
【化53】
アセトン
セロソルブアセテート
メチルイソブチルケトン
<混合条件>
NCO/OH=1.0
固形分濃度:10wt%
ウレタン樹脂/高分子電荷輸送材料混合比(重量)=1/1
溶剤混合比(重量):アセトン/セロソルブアセテート/メチルイソブチルケトン=4/4/1
【0099】
実施例2
表面保護層塗工液中のポリオールを下記構造のポリオールにすること以外は全て実施例1と同じにして感光体を作製した。
ポリオール(下記構造のポリオール:分子量334.16)
【0100】
【化54】
【0101】
実施例3
表面保護層塗工液中のポリオールを下記構造のポリオールにすること以外は全て実施例1と同じにして感光体を作製した。
ポリオール(下記構造のポリオール:分子量176.25)
【0102】
【化55】
【0103】
実施例4
表面保護層塗工液中のポリオールを下記構造のポリオールにすること以外は全て実施例1と同じにして感光体を作製した。
ポリオール(下記構造のポリオール:分子量134.17)
【0104】
【化56】
【0105】
実施例5
表面保護層塗工液中の高分子電荷輸送材料を下記構造の高分子電荷輸送材料にすること以外は全て実施例4と同じにして感光体を作製した。
【0106】
【化57】
【0107】
実施例6
表面保護層塗工液中の高分子電荷輸送材料を下記構造の高分子電荷輸送材料にすること以外は全て実施例4と同じにして感光体を作製した。
【0108】
【化58】
【0109】
実施例7
表面保護層塗工液中の高分子電荷輸送材料を下記構造の高分子電荷輸送材料にすること以外は全て実施例4と同じにして感光体を作製した。
【0110】
【化59】
【0111】
実施例8
表面保護層塗工液中の高分子電荷輸送材料を下記構造の高分子電荷輸送材料にすること以外は全て実施例4と同じにして感光体を作製した。
【0112】
【化60】
【0113】
実施例9
表面保護層塗工液中の高分子電荷輸送材料を下記構造の高分子電荷輸送材料にすること以外は全て実施例4と同じにして感光体を作製した。
【0114】
【化61】
【0115】
実施例10
表面保護層塗工液中の高分子電荷輸送材料を下記構造の高分子電荷輸送材料にすること以外は全て実施例4と同じにして感光体を作製した。
【0116】
【化62】
【0117】
実施例11
表面保護層塗工液中の高分子電荷輸送材料を下記構造の高分子電荷輸送材料にすること以外は全て実施例4と同じにして感光体を作製した。
【0118】
【化63】
【0119】
実施例12
表面保護層塗工液中の高分子電荷輸送材料を下記構造の高分子電荷輸送材料にすること以外は全て実施例4と同じにして感光体を作製した。
【0120】
【化64】
【0121】
実施例13
表面保護層塗工液中の高分子電荷輸送材料を下記構造の高分子電荷輸送材料にすること以外は全て実施例4と同じにして感光体を作製した。
【0122】
【化65】
【0123】
実施例14
表面保護層膜厚を7.0μmとすること以外は全て実施例4と同じにして感光体を作製した。
【0124】
実施例15
表面保護層膜厚を9.0μmとすること以外は全て実施例4と同じにして感光体を作製した。
【0125】
比較例1
表面保護層を設けないこと以外は全て実施例1と同じにして感光体を作製した。
【0126】
比較例2
表面保護層塗工液中に高分子電荷輸送材料を入れないこと以外は全て実施例1と同じにして感光体を作製した。
【0127】
比較例3
表面保護層塗工液中にイソシアネート及びポリオールを含有させないこと以外は全て実施例1と同じにして感光体を作製した。
【0128】
比較例4
表面保護層塗工液中に、高分子電荷輸送材料の代わりに下記構造の低分子電荷輸送材料を含有させること以外は全て実施例1と同じにして感光体を作製した。
【0129】
【化66】
【0130】
得られた感光体を、Ipsio Color 7100(AC/DC帯電、近接配置帯電ローラー)を用いて、モノクロ連続コピー10万枚(A4)通紙試験を行なった。そして、初期及びラン後の画像(ドット再現性)、摩耗量、露光部電位を測定した。結果を表1、2に示す。
【0131】
【表1】
【0132】
・ドット再現性(平均ビーム径を50μmとし、1ドット独立書き込みを行ない、現像後の感光体表面のドット再現性及びトナー飛散状況を光学顕微鏡を用いて評価した。)
○…良好
△…ドット太りがみられる
×…ドット太りにくわえ、トナー飛散もみられる
【0133】
【表2】
*実施例1、2、比較例2、3は、表面保護層が摩耗により消失したため、通紙試験を停止した。
*比較例1は、膜厚減少が大きかっため、5万枚通紙後の通紙試験を停止した。
【0134】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明より明らかなように、導電性支持体上に少なくとも感光層及び表面保護層を有する電子写真感光体において、該表面保護層が少なくともイソシアネートとポリオールを架橋重合したウレタン樹脂と高分子電荷輸送材料を含有し、該高分子電荷輸送材料がトリフェニルアミン骨格を主鎖または/かつ側鎖に有するポリカーボネートの重合体であることを特徴とする電子写真感光体とすることにより、機械的耐久性、電気特性、画像特性が良好な画像形成方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の構成例を示す断面図である。
【図2】本発明の電子写真感光体の他の構成例を示す断面図である。
【図3】本発明の電子写真感光体の他の構成例を示す断面図である。
【図4】本発明の電子写真プロセスおよび電子写真装置を説明するための概略図である。
【図5】本発明による電子写真プロセスの別の例である。
【図6】本発明のプロセスカートリッジを示す別の図である。
【符号の説明】
1 感光体
7 除電ランプ
8 帯電ローラ
9 イレーサー
10 画像露光部
11 現像ユニット
12 転写前チャージャ
13 レジストローラ
14 転写紙
15 転写体
15a 転写チャージャ
15b 分離チャージャ
17 クリーニング前チャージャ
18 ファーブラシ
19 ブレード
21 感光体
22a 駆動ローラ
22b 駆動ローラ
23 帯電チャージャ
24 像露光源
25 転写チャージャ
26 クリーニング前露光
27 クリーニングブラシ
28 除電光源
30 感光体
31 転写ローラ
32 現像ローラ
33 画像露光部
34 帯電部材
35 クリーニングブラシ
Claims (21)
- 導電性支持体上に少なくとも感光層及び表面保護層を有する電子写真感光体において、該表面保護層が少なくともイソシアネートとポリオールを架橋重合したウレタン樹脂と高分子電荷輸送材料を含有し、該高分子電荷輸送材料がトリフェニルアミン骨格を主鎖または/かつ側鎖に有するポリカーボネートの重合体であることを特徴とする電子写真感光体。
- 前記イソシアネートの官能基が、3官能以上であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記ポリオールの分子量が、100以上150以下であることを特徴とする請求項3に記載の電子写真感光体。
- 前記高分子電荷輸送物質として下記一般式1で表わされるトリアリールアミン構造を分岐鎖に有するポリカーボネートを含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記表面保護層膜厚が、1.0〜8.0μmであることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および電子写真感光体を具備してなる画像形成装置において、該電子写真感光体として、請求項1乃至15のいずれかに記載の電子写真感光体を用いたことを特徴とする画像形成装置。
- 前記画像露光手段のLDあるいはLED等を使用することによって感光体上に静電潜像の書き込みが行なわれることを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。
- 前記帯電手段が帯電部材を感光体に接触もしくは近接配置したものであることを特徴とする請求項16又は17に記載の画像形成装置。
- 前記帯電部材の直流成分に交流成分を重畳し、感光体に帯電を与えることを特徴とする請求項16乃至18のいずれかに記載の画像形成装置。
- 少なくとも、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段のいずれか一つと電子写真感光体を一体化したプロセスカートリッジにおいて、該電子写真感光体が請求項1乃至15のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および請求項1乃至15のいずれかに記載の電子写真感光体を用いたことを特徴とする画像形成方法。
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