JP4523510B2 - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
即ち、帯電ローラは、感光体との間で放電現象を起し、両者の間のバイアス差により感光体表面に帯電を施すものであるが、帯電前の感光体表面電荷が不均一であると、次回帯電時にその履歴を残してしまう。
上述した除電方法のうち、光除電以外の方法は、次のような課題を有している。導電性ブラシ等による電荷リークの方法は、感光体表面に当接させる部材が必要であり、感光体及び当接部材の摩耗が生じ、高耐久化を望むことができない。また、電荷リークさせる方法は感光体表面や当接部材表面の汚染によって、その効果が低下してしまう場合がある。また、高速化に際しては、電荷の移動時間を考慮すると、十分な効果が期待できない。
即ち、ポジ・ポジ現像においては、転写後の光除電においては、通常感光体全面に光照射がなされるものの、文字等の書き込み部に対応した領域のみが実質的に除電される。このため、感光体の全面積に対して、高々10%程度の領域である。
しかしながら、特許文献1あるいは特許文献2に用いられる感光体は、無機系の感光体であり、後述するように有機系電荷発生物質を用いた感光体とは、本質的に光キャリア発生機構が異なるため、無機系の技術(光除電)を有機系感光体にそのまま利用(水平展開)することができない。また、使用する現像方式が、ポジ・ポジ現像に対応する時代のものであり、光除電の影響度合いがネガ・ポジ現像と全く異なる。更に、除電光の波長として、500nm以上の領域の波長光を含む。
なお、特許文献1あるいは特許文献2の技術を適用して実験を行った結果では、残留電位上昇を抑制する効果が十分ではなかった。
しかしながら、色素増感させた感光体の元の材料(例えば、ポリビニルカルバゾール)等は、可視域に吸収を持たないため、可視域に吸収を有する色素で増感するものである。従って、上記の技術は色素に吸収が無く、ポリビニルカルバゾールに吸収を有する波長領域で除電を行うことになる。
この場合、この波長帯での光キャリア発生効率が低く、除電を効率よくできないばかりでなく、ポリビニルカルバゾールの光劣化等を生じることになるため、必ずしも有効な手段になり得ない場合が存在した。また、使用する現像方式が、ポジ・ポジ現像に対応する時代のものであり、光除電の影響度合いがネガ・ポジ現像と全く異なる。このため、本発明が対象とするところのネガ・ポジ現像に用いる場合にはその効果が十分でなかった。
しかしながら、比較的高速の画像形成装置では、低感度もしくは実質的に光感度を有さない領域の光で除電を行った場合には、除電機能が不十分であり、異常画像の抑制ができない場合が生じる。除電光に対しては十分な光感度を有することが重要であって、特許文献4の技術では、現在の画像形成措置には対応できない。また、特許文献4では、除電波長の特定がなされていない。
しかし、除電光の波長として、500nm以上の領域の波長光を含む。特許文献5あるいは6の技術を適用して実験を行った結果では、残留電位上昇を抑制する効果が十分ではなかった。
しかし、特許文献7の技術を適用して実験を行った結果では、残留電位上昇を抑制する効果が十分ではなかった。
しかし、通常、実用的な有機顔料は可視域に吸収ピークが存在するため、特許文献8の技術では、残留電位上昇を抑制する十分な効果を獲得することはできない。
この技術は、使用する感光体材料によって除電波長が異なることになり、除電波長の特定ができない。また、有機顔料は通常、可視域に吸収ピークが存在し、分光感度ピークもこれに伴って可視域に存在する。このため、特許文献9の技術では、500nm以下の波長による除電技術が生み出されない。
この技術は、単層感光体の繰り返し使用において、感光層バルクに発生する残留電荷を除去するために行われるものである。即ち、単層感光体の場合には、電荷発生材料がバルクに均一に分散されており、吸収率の高い波長においては、感光層の表面近傍で照射光は吸収される。単層感光体の高解像度化はこの現象を利用しており、書き込み光を感光層の吸収率の大きい波長を用いることによって、照射エネルギーを低減化すると共に、感光層表面近傍だけで光キャリア発生させる。
更に他の例として、フタロシアニン化合物を含有する感光体に対して、蛍光灯による除電を行うことが記載されている(例えば、特許文献12参照。)。
蛍光灯には幾つかの輝線が含まれているが、この他に500〜650nmにかけての大きな発光が存在する。光照射量(発光量)は、図1の面積に依存することになるから、感光体に照射される蛍光灯の光は、実質的には上記波長域(500〜650nm)の光がメインに照射されていることになる。
特許文献11及び12においては、680nmの赤色LED光による除電と蛍光灯照射による除電を比較している。図1のスペクトルから、両者の比較は680nmの赤色LED光による除電と、500〜650nmにかけての発光による除電が比較されていることになる。フタロシアニンのソーレー帯に相当する光はゼロではないから、ソーレー帯に光が照射されていることは事実であるにしても、それ以外の光の成分の方が大きく、ソーレー帯でない領域の吸収が大きいことになる。
しかしながら、近年のネガ・ポジ現像に使用され、かつ非常に高耐久化を狙う場合には、使用するプロセス条件が確立されておらず、材料の有する優位性を必ずしも十分に引き出されているものではなかった。
即ち、本発明は、静電潜像担持体(感光体)の繰り返し使用における残留電位上昇を抑制し、高耐久で高精細な画像形成が可能な画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
即ち、検討方法は以下の通りである。
画像形成装置における繰り返し使用において、感光体の静電特性以外の形状・物性に影響をなるべく与えないように、現像、転写およびクリーニング部材を外した状態とし、帯電、書き込み、除電だけを印加する状態で、感光体の静電疲労試験を以下により実施した。
(b)書き込みを行わず、除電光のみで表面電荷を消去して、感光体の通過電荷量を測定した。
上記(a)、(b)の条件で測定を行って感光体の残留電位を評価し、以下の知見を得た。
(2)感光体の通過電荷量は、画像形成1サイクルにおける光照射量に依存する。書き込み、除電に依らず、光照射量(正確には感光体光吸収量)に依存する。
(3)ネガ・ポジ現像の場合には、光照射量のうち、大半は光除電により照射量が与えられる。
この状態で静電疲労試験を実施すると、感光体の残留電位上昇量が非常に小さくなり、書き込み率に依存した大きさになり、除電の影響は全く現れなくなった。
(4)除電前に感光体表面電位を低下させておくと、残留電位上昇が起こりにくくなる。言い換えれば、除電突入時に感光体表面電位が低ければ、除電光の照射は、残留電位上昇に寄与しない。
(5)逆バイアスを印加し、除電前に感光体表面電位を低下させた場合でも、上記(1)と同じく、感光体通過電荷量で残留電位上昇量が整理できる。
(1)〜(5)から、残留電位上昇は感光体の通過電荷量に依存するが、そのほとんどが除電工程にて生成されており、除電工程を如何に制御するかが、残留電位上昇をコントロールする1つの鍵となる。
帯電電位を大きく上昇させる場合には、感光体へのハザードが大きくなる。大きく低下させる場合には、地肌ポテンシャル(感光体帯電電位−現像バイアス)が小さくなったり、現像ポテンシャル(現像バイアス−感光体露光部電位)が小さくなったりして、画像形成条件(特に現像条件)が非常に狭くなり、システムの余裕度が小さくなる。
露光量を大きく変化させることは以下の変化をもたらす。
露光量を小さくした場合には、画像濃度が足りなくなったり、コントラストが取れない場合が存在する。一方、露光量を大きくした場合には、ドットが潰れると行った現象が起こる。
従って、ターゲットとする画像形成装置に搭載される感光体の通過電荷量は、極端に大きく変化せず、光照射量に大きく依存することになる。
前述のように一般に、現在のデジタル書き込みを行う画像形成装置は、ネガ・ポジ現像を使用しており、これは実際の原稿の書き込み率のほとんどが10%以下であることから、書き込み光源へのストレスを低減することを目的としている。
しかしながら、感光体側から考えてみると、次の画像形成サイクルの前に、感光体の表面電位をキャンセル(平滑化)しておかないと、次の帯電時に影響が出るため、通常は光除電によって、次工程の帯電前に感光体の表面電位をできる限り低減する。
ここまでは、ネガ・ポジ現像を用いた画像形成装置における通常の状態であり、連続して全面書き込みを行うような原稿ばかり出力するような場合を除けば、基本的には全てのネガ・ポジ現像を使用した画像形成装置に共通して言えることである。しかしながら上述のように、感光体の静電疲労に関するプロセス側からの解析は未だそれほど行われていないのが実情であった。
一般的には、感光体の長手方向にほぼ均一な光を照射するために、LEDアレイあるいは蛍光灯のような光源が用いられる。過去には、蛍光灯が主に用いられてきたが、電荷輸送層に吸収がある領域の光を含むため、以下の課題を有していた。
(1)電荷輸送層に光の一部が吸収されてしまうため、電荷発生層に十分な光が届かない場合が存在し、光量を非常に大きくしなければならない場合が存在した。
(2)電荷輸送物質が除電光を吸収した結果、電荷輸送物質が劣化し、感光体の静電特性に影響を与える場合が存在した。
本発明者は、特定の電荷発生物質(多環キノン顔料及びフタロシアニン)を使用することにより、これを用いた感光体の繰り返し使用における静電特性の劣化を大きく制御できることを見いだした。
即ち、前記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、本発明者は、少なくとも電荷発生層と電荷輸送層からなる積層感光層を有する静電潜像担持体における電荷発生層に少なくとも特定の多環キノン顔料とフタロシアニンを含有し、かつ、除電光源に500nmより短波長の波長領域にのみ発光強度を有する光源を使用することによって上記問題点を解決できることを見いだし本発明を完成するに至った。具体的な解決手段は以下の通りである。
前記静電潜像形成手段は、前記静電潜像担持体表面を帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体表面に静電潜像を形成する露光器とを有し、
該露光器は、発振波長が780nmのレーザーダイオードを有し、
前記除電手段は、500nmよりも短波長の波長領域にのみ発光強度を有する光を照射する光源を有し、
前記電荷発生層は、下記式(4)、(1−4)及び(3−5)のいずれかで表される多環キノン顔料から選ばれる少なくとも1つと、フタロシアニンを含有することを特徴とする画像形成装置である。
該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、
該可視像を記録媒体に転写する転写工程と、
記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程と、
静電潜像担持体の残留電荷を光除電する除電工程とを少なくとも有する画像形成方法であって、
前記静電潜像形成工程は、前記静電潜像担持体表面を帯電器で帯電させた後、発振波長が780nmのレーザーダイオードを有した露光器による露光で静電潜像を形成する工程であり、
前記除電工程は、500nmよりも短波長の波長領域にのみ発光強度を有する光を照射して除電する工程であると共に、前記静電潜像形成工程において静電潜像が形成される静電潜像担持体の前記電荷発生層は、下記式(4)、(1−4)及び(3−5)のいずれかで表される多環キノン顔料から選ばれる少なくとも1つと、フタロシアニンを含有することを特徴とする画像形成方法に係るものである。
この静電潜像担持体と、発振波長が780nmのレーザーダイオードを有した露光器を有する静電潜像形成手段と、現像手段、転写手段、定着手段、及び静電潜像担持体の残留電荷を500nmよりも短波長の波長領域にのみ発光強度を有する照射光源を用いて光除電する除電手段とを少なくとも有する構成とすれば、静電潜像担持体を繰り返し使用した場合でも残留電位の上昇が抑制されて残像などがなく、高耐久で安定した画像出力が可能な画像形成装置が提供される。
また、上記画像形成装置を用いた画像形成方法により、繰り返し使用においても高精細で高品質の画像が長期間安定して得られる。
前述のように、本発明の画像形成装置は、支持体上に前記一般式(1)、(2)及び(3)のいずれかで表される多環キノン顔料のうち1つとフタロシアニンを含有する電荷発生層と電荷輸送層とからなる感光層(積層感光層)を有する静電潜像担持体と、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段、定着手段、及び静電潜像担持体の残留電荷を光除電する500nmよりも短波長の光源を有する除電手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
なお、画像形成装置において、静電潜像形成手段は静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、現像手段は静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成し、転写手段は可視像を記録媒体に転写し、定着手段は記録媒体に転写された転写像を定着させ、除電手段は500nmよりも短波長側の領域に発光スペクトルを有する光源によって静電潜像担持体に除電光を照射する。
該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、
該可視像を記録媒体に転写する転写工程と、
記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程と、
静電潜像担持体の残留電荷を500nmよりも短波長の光を照射して除電する除電工程とを少なくとも含んでなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含んでなる。
従って、本発明における500nmよりも短波長の除電光とは、500nm以上の長波長側の光を含まない光であることを示している(以降、500nm未満の除電光と記す場合がある。)。
説明のため、有機材料の光キャリア発生機構を図2に示す。これまでに知られている有機材料の光キャリア発生機構は、そのほとんどが図2に示すような2段階(光励起→中間体の生成→フリーキャリアの生成)からなる反応に基づく。この際、電荷発生物質は光吸収してより高い励起状態に励起されるものの、中間体の生成はある一定のエネルギーレベルから起る。この一定のエネルギーレベルが、最低励起一重項状態(S1)である。基底状態(S0)と最低励起一重項状態(S1)の間よりも小さなエネルギー(長い波長の光)を照射された場合には、光キャリアはほとんど生成しない。
このような無機系のモデルは、無機系感光体のキャリア発生効率が励起光に対する波長依存性を示す結果からも支持されている。
即ち、上述のように除電工程における光キャリア発生において、有機系感光体の場合には除電光波長に対するキャリア発生量は変らないが(量子効率の波長依存性がない)、キャリア1つが発生した際の余剰エネルギーが波長依存性を有する。つまり、除電波長が短いほど、感光体内部に発生する余剰エネルギー量が多くなる。
従って、本発明のように500nmよりも短波長の除電光を照射した場合に、有機系感光体では、従来のような可視光領域の除電を行う場合と比較して、キャリア発生量は変らないものの、余剰エネルギーを多く獲得することができる。この余剰エネルギーを利用して、感光層内にトラップされた電荷を脱トラップする活性化エネルギーとして利用するものである。
前記静電潜像担持体としては、電荷発生層に少なくとも前記(1)、(2)及び(3)で示される多環キノン顔料のうち1つとフタロシアニンを含有することを必須要件とする以外は、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。前記支持体としては、導電性を有する導電性支持体が好ましい。
本発明に用いられる静電潜像担持体(電子写真感光体)について、図面を用いて詳しく説明する。
導電性支持体(31)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、エンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
封孔処理に引き続き、陽極酸化皮膜の洗浄処理が行われる。これは、封孔処理により付着した金属塩等の過剰なものを除去することが主な目的である。これが支持体(陽極酸化皮膜)表面に過剰に残存すると、この上に形成する塗膜の品質に悪影響を与えるだけでなく、一般的に低抵抗成分が残ってしまうため、逆に地汚れの発生原因にもなってしまう。洗浄は純水1回の洗浄でも構わないが、通常は多段階の洗浄を行う。この際、最終の洗浄液が可能な限りきれい(脱イオンされた)ものであることが好ましい。また、多段階の洗浄工程のうち1工程に接触部材による物理的なこすり洗浄を施すことが好ましい。以上のようにして形成される陽極酸化皮膜の膜厚は、5〜15μm程度が好ましい。これより薄すぎる場合には陽極酸化皮膜としてのバリア性の効果が充分でなく、これより厚すぎる場合には電極としての時定数が大きくなり過ぎて、残留電位の発生や感光体のレスポンスが低下する場合がある。
次に、中間層(39)について述べる。
中間層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶媒で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが好ましい。
このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。
電荷ブロッキング層(43)は、感光体帯電時に電極(導電性支持体(31))に誘起される逆極性の電荷が、支持体から感光層に注入するのを防止する機能を有する層である。負帯電の場合には正孔注入防止、正帯電の場合には電子注入防止の機能を有する。
電荷ブロッキング層としては、酸化アルミ層に代表される陽極酸化被膜、SiOに代表される無機系の絶縁層、金属酸化物のガラス質ネットワークから形成される層、ポリフォスファゼンからなる層、アミノシラン反応生成物からなる層、この他に絶縁性の結着剤樹脂からなる層、硬化性の結着剤樹脂からなる層等が挙げられる。中でも湿式塗工法で形成可能な絶縁性の結着樹脂あるいは硬化性の結着樹脂から構成される層が良好に使用できる。
使用できる結着剤樹脂としては、ポリアミド、ポリエステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂例えば、活性水素(−OH基、−NH2基、−NH基等の水素)を複数個含有する化合物とイソシアネート基を複数個含有する化合物及び/又はエポキシ基を複数個含有する化合物とを熱重合させた熱硬化性樹脂等も使用できる。
モアレ防止層45は、レーザー光のようなコヒーレント光による書き込みを行う際に、感光層内部での光干渉によるモアレ像の発生を防止する機能を有する層である。基本的には、前記書き込み光の光散乱を起す機能を有する。このような機能を発現するために、モアレ防止層は屈折率の大きな材料を有することが有効である。一般には、無機顔料と結着樹脂(バインダー樹脂)を含有し、無機顔料がバインダー樹脂に分散された構成からなる。特に、無機顔料の中でも白色の顔料が有効に使用され、例えば、酸化チタン、フッ化カルシウム、酸化カルシウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムなどが良好に用いられる。中でも、隠蔽力の大きな酸化チタンが最も有効に使用できる。
バインダー樹脂としては、熱硬化型樹脂が良好に使用される。特に、アルキッド/メラミン樹脂の混合物が最も良好に使用される。この際、アルキッド/メラミン樹脂の混合比は、モアレ防止層の構造及び特性を決定する重要な因子である。両者の比(重量比)が5/5〜8/2の範囲が良好な混合比の範囲として挙げることができる。5/5よりもメラミン樹脂がリッチであると、熱硬化の際に体積収縮が大きくなり塗膜欠陥を生じやすくなったり、感光体の残留電位を大きくする方向にあり望ましくない。また、8/2よりもアルキッド樹脂がリッチであると、感光体の残留電位低減には効果があるものの、バルク抵抗が低くなりすぎて地汚れが悪くなる方向になり望ましくない。
本発明で規定する範囲外の粒径比の場合、即ち平均粒径の大きな酸化チタン(T1)の平均粒径に対する他方の酸化チタン(T2)の平均粒径の比が小さすぎる場合(0.2≧D2/D1)は、酸化チタン表面での活性が増加し電子写真感光体としたときの静電的安定性が著しく損なわれるようになる。また、一方の酸化チタン(T1)の平均粒径に対する他方の酸化チタン(T2)の平均粒径の比が大きすぎる場合(D2/D1>0.5)は、導電性基体に対する隠蔽力が低下し、モアレや異常画像に対する抑制力が低下する。ここで言う平均粒径は、水系で強分散を行なったときに得られる粒度分布測定から得られる。
次に、感光層について説明する。
本発明における感光層は、電荷発生層(35)と、電荷輸送層(37)の積層構造により構成される。
即ち、電荷発生層(35)は、電荷発生物質として少なくとも前記一般式(1)、(2)及び(3)で示される多環キノン顔料から選ばれる少なくとも1つと、フタロシアニンを主成分として含有する層であり、多環キノン顔料とフタロシアニンを必要に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上又は中間層上に塗布し、乾燥することにより形成される。
この理由に関しては明らかではないが、粉砕あるいは混合、ミリング処理を同時に行うことにより、2種の顔料間での相互作用が生じやすくなり、電荷発生効率が向上し、光感度が向上するものと考えられる。このように2種の顔料を同時にミリング処理をすることは、何れかの顔料を増感する作用を生じる場合があり、極めて有効な技術である。
前記一般式(1)、(2)及び(3)中、Xが表すハロゲン原子としてはフッ素、塩素及び臭素などの原子が挙げられ、アルキル基としてはメチル、エチル及びプロピルなどの基が挙げられ、アシル基としてはアセチル、プロピオニル及びベンゾイルなどの基が挙げられる。
本発明の電荷発生物質として使用される前記一般式(1)、(2)及び(3)で示される多環キノン顔料の好適な例を下記表1、2、3にそれぞれ示す。
感光層に含有される電荷発生物質の平均粒子サイズをコントロールするための方法は、電荷発生物質を分散した後、0.25μmより大きい粗大粒子を取り除く方法が挙げられる。
しかしながら、この方法では微量の粗大粒子を検出できない場合があるため、より詳細に求めるには、電荷発生物質粉末、あるいは分散液を直接、電子顕微鏡にて観察し、その大きさを求めることが重要である。
その結果を図10に示す。図10における「A」が図8に示す分散液に対応し、「B」が図9に示す分散液に対応する。両者を比較すると、粒度分布に関してはほとんど差が認められない。また、両者の平均粒径値は、「A」が0.29μm、「B」が0.28μmと求められ、測定誤差を加味した上では、両者に全くの差異が認められない。
従って、公知の平均粒径(粒子サイズ)の規定だけでは、微量な粗大粒子の残存を検出できずに、昨今の高解像度のネガ・ポジ現像には対応できていないことが理解される。この微量な粗大粒子の存在は、塗工液を顕微鏡レベルで観察することにより、初めて認識できたものである。
分散液の作製に関しては一般的な方法が用いられ、前記一般式(1)、(2)及び(3)で示される多環キノン顔料及びフタロシアニンを必要に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル、超音波などを用いて分散することで得られるものである。この際、バインダー樹脂は感光体の静電特性などにより、また溶媒は顔料へのぬれ性、顔料の分散性などにより選択すればよい。
具体的には、上述のように作製した分散液を有効孔径が5μm以下のフィルター、より好ましくは3μm以下のフィルターにて濾過する操作を行ない、分散液を完成させるというものである。この方法によっても、粒子サイズの小さな(0.25μm以下、好ましくは0.2μm以下)顔料粒子のみを含む分散液を作製することができ、これを用いた感光体を画像形成装置に搭載使用することにより、本願の効果をより一層顕著にするものである。
電荷輸送層(37)は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は5〜100μm程度とすることが好ましい。
また、トリアリールアミン骨格を有する電荷輸送物質の中でも、下記(5)式で表される電荷輸送物質は特に有効に使用される。この材料の合成方法は、特開平2−36156号公報に記載されている。また、同公報に例示されている材料を使用することが可能である。
尚、一般式(II)は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
尚、一般式(III)は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
尚、一般式(IV)は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
尚、一般式(V)は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
尚、一般式(VII)は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
X,k,jおよびnは、上記式(I)の場合と同じである。
尚、一般式(VIII)は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
尚、一般式(IX)は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
尚、一般式(X)は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
架橋構造の形成に関しては、1分子内に複数個の架橋性官能基を有する反応性モノマーを使用し、光や熱エネルギーを用いて架橋反応を起こさせ、3次元の網目構造を形成するものである。この網目構造がバインダー樹脂として機能し、高い耐摩耗性を発現するものである。
通常、電子写真プロセスにおいては、帯電電位(未露光部電位)は一定であるため、繰り返し使用により感光体の表面層が摩耗すると、その分だけ感光体にかかる電界強度が高くなってしまう。この電界強度の上昇に伴い、地汚れの発生頻度が高くなるため、感光体の耐摩耗性が高いことは、地汚れに対して有利である。
これら電子供与性基を有する重合体から構成される電荷輸送層は、自身が高分子化合物であるため成膜性に優れ、低分子分散型高分子からなる電荷輸送層に比べ、電荷輸送部位を高密度に構成することが可能で電荷輸送能に優れたものである。このため、高分子電荷輸送物質を用いた電荷輸送層8を有する感光体には高速応答性が期待できる。
可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂に対して0〜30重量%程度が適当である。
レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいは、オリゴマーが使用され、その使用量は結着樹脂に対して、0〜1重量%が適当である。
上述のような高分子電荷輸送物質を含有する電荷輸送層においても、除電光を30%以上、好ましくは50%以上透過することは重要なことである。
本発明の電子写真感光体には、感光層保護の目的で、保護層が感光層の上に設けられることもある。近年、日常的にコンピュータの使用が行なわれるようになり、プリンタによる高速出力とともに、装置の小型も望まれている。したがって、保護層を設け、耐久性を向上させることによって、本発明の高感度で異常欠陥のない感光体を有用に用いることができる。
先に、保護層中にフィラーを添加する構成について説明する。
保護層に使用される材料としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。中でも、ポリカーボネートもしくはポリアリレートが最も良好に使用できる。
一方、系のpH値によってゼータ電位は大きく変動し、あるpH値において電位はゼロとなり等電点を持つことになる。従って、系の等電点からできるだけ遠ざけて、ゼータ電位の絶対値を高めることによって分散系の安定化が図られることになる。
ここで、本発明におけるフィラーのpHは、ゼータ電位から等電点におけるpH値を記載した。この際、ゼータ電位の測定は、大塚電子(株)製レーザーゼータ電位計にて測定した。
また、pHが5以上のフィラーあるいは誘電率が5以上のフィラーを単独で使用することはもちろん、pHが5以下のフィラーとpHが5以上のフィラーとを2種類以上を混合したり、誘電率が5以下のフィラーと誘電率が5以上のフィラーとを2種類以上混合したりして用いることも可能である。また、これらのフィラーの中でも高い絶縁性を有し、熱安定性が高い上に、耐摩耗性が高い六方細密構造であるα型アルミナは、画像ボケの抑制や耐摩耗性の向上の点から特に有用である。
本発明においては、特開平5−113688号公報(図1)に示された測定装置と同様の構成の装置を用いて、フィラーの比抵抗値を測定し、この値を用いた。測定装置において、電極面積は4.0cm2である。測定前に片側の電極に4kgの荷重を1分間かけ、電極間距離が4mmになるように試料量を調節する。測定の際は、上部電極の重量(1kg)の荷重状態で測定を行ない、印加電圧は100Vにて測定する。106Ω・cm以上の領域は、HIGH RESISTANCE METER(横河ヒューレットパッカード)、それ以下の領域についてはデジタルマルチメーター(フルーク)により測定した。これにより得られた比抵抗値を本発明でいうところの比抵抗値と定義するものである。
例えば、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸等、あるいはこれらとシランカップリング剤との混合処理や、Al2O3、TiO2、ZrO2、シリコーン、ステアリン酸アルミニウム等、あるいはそれらの混合処理がフィラーの分散性及び画像ボケの点からより好ましい。
シランカップリング剤による処理は、画像ボケの影響が強くなるが、上記の表面処理剤とシランカップリング剤との混合処理を施すことによりその影響を抑制できる場合がある。
これらフィラー材料は、適当な分散機を用いることにより分散できる。また、保護層の透過率の点から使用するフィラーは一次粒子レベルまで分散され、凝集体が少ないほうが好ましい。
電荷輸送物質は、電荷輸送層の説明のところに記載した材料を用いることができる。電荷輸送物質として、低分子電荷輸送物質を用いる場合には、保護層中における濃度傾斜を設けても構わない。耐摩耗性向上のため、表面側を低濃度にすることは有効な手段である。
ここでいう濃度とは、保護層を構成する全材料の総重量に対する低分子電荷輸送物質の重量の比を表し、濃度傾斜とは上記重量比において表面側において濃度が低くなるような傾斜を設けることを示す。また、高分子電荷輸送物質を用いることは、感光体の耐久性を高める点で非常に有利である。
このような保護層の形成法としては通常の塗布法が採用される。尚、上述した保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当である。
架橋構造の形成に関しては、1分子内に複数個の架橋性官能基を有する反応性モノマーを使用し、光や熱エネルギーを用いて架橋反応を起こさせ、3次元の網目構造を形成するものである。この網目構造がバインダー樹脂として機能し、高い耐摩耗性を発現するものである。
架橋型保護層の中でも下記のような特定の構成からなる保護層は、特に有効に使用される。
特定の架橋型保護層は、3官能以上のラジカル重合性モノマーを硬化した架橋構造を有するために3次元の網目構造が発達して、架橋密度が非常に高い高硬度かつ高弾性の表面層が得られ、しかも均一で平滑性も高く、高い耐摩耗性、耐傷性が達成される。
このように感光体表面の架橋密度、即ち単位体積当りの架橋結合数を増加させることが重要であるが、硬化反応において瞬時に多数の結合を形成させるため体積収縮による内部応力が発生する。この内部応力は架橋型保護層の膜厚が厚くなるほど増加するため保護層全層を硬化させると、クラックや膜剥がれが発生しやすくなる。この現象は初期的に現れなくても、電子写真プロセス上で繰り返し使用され帯電、現像、転写、クリーニングのハザード及び熱変動の影響を受けることにより、経時で発生しやすくなることもある。
これに対し、本発明の感光体は、電荷輸送層上に3次元の網目構造が発達した架橋密度の高い架橋型保護層を好ましくは1μm以上、10μm以下の膜厚で設けることで、上記のクラックや膜剥がれが発生せず、且つ非常に高い耐摩耗性が達成される。かかる架橋型保護層の膜厚を2μm以上、8μm以下の膜厚にすることにより、さらに上記問題に対する余裕度が向上することに加え、更なる耐摩耗性向上に繋がる高架橋密度化の材料選択が可能となる。
このため、架橋型保護層に高分子材料を多量に含有させる必要がなく、この時生ずる、高分子材料とラジカル重合性組成物(ラジカル重合性モノマーや電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物)の反応より生じた硬化物との不相溶が原因の傷やトナーフィルミングも起こりにくい。
これは架橋型保護層の構成材料として1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を用い、架橋結合間にペンダント状に固定化したことに起因する。
上記のように官能基を有さない電荷輸送物質は析出、白濁現象が起こり、感度の低下、残留電位の上昇等繰り返し使用における電気的特性の劣化が著しい。2官能以上の電荷輸送性化合物を主成分として用いた場合は複数の結合で架橋構造中に固定されるため、電荷輸送時の中間体構造(カチオンラジカル)が安定して保てず、電荷のトラップによる感度の低下、残留電位の上昇が起こりやすい。これらの電気的特性の劣化は、画像濃度低下、文字細り等の画像として現れる。更に、本発明の感光体においては、下層の電荷輸送層として従来感光体の電荷トラップの少ない高移動度な設計が適応可能で、架橋型保護層の電気的副作用を最小限に抑えることができる。
本発明の架橋型保護層は、前述のように電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化することにより形成され、層全体としては3次元の網目構造が発達し高い架橋密度を有するが、上記成分以外の含有物、例えば、1又は2官能モノマー、高分子バインダー、酸化防止剤、レベリング剤、可塑剤などの添加剤及び下層からの溶解混入成分などや硬化条件により、局部的に架橋密度が希薄になったり、高密度に架橋した微小な硬化物の集合体として形成されることがある。そして、このような架橋型保護層は、硬化物間の結合力は弱く有機溶剤に対し溶解性を示し、かつ電子写真プロセス中で繰り返し使用される中で、局部的な摩耗や微小な硬化物単位での脱離が発生しやすくなる。
しかし、本発明のように架橋型保護層を有機溶剤に対し不溶性にせしめることにより、本来の3次元の網目構造が発達し高い架橋度を有することに加え、連鎖反応が広い範囲で進行し硬化物が高分子量化するため、飛躍的な耐摩耗性の向上が達成される。
本発明に用いられる電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーとは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造や、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しておらず、かつラジカル重合性官能基を3個以上有するモノマーを指す。このラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であれば何れでもよい。これらラジカル重合性官能基としては、例えば、1−置換エチレン官能基、あるいは1,1−置換エチレン官能基等が挙げられる。
CH2=CH−X1− …(10)
CH2=C(Y)−X2− …(11)
なお、これらX1、X2、Yについての置換基にさらに置換される置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
即ち、本発明において使用する上記ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシ変性(以後EO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシ変性(以後PO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンカプロラクトン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、グリセロールエピクロロヒドリン変性(以後ECH変性)トリアクリレート、グリセロールEO変性トリアクリレート、グリセロールPO変性トリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、リン酸EO変性トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられ、これらは、単独又は2種類以上を併用しても差し支えない。
前記一般式(6)、(7)において、R1の置換基中、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等がそれぞれ挙げられ、これらは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等により置換されていてもよい。R1の置換基のうち、特に好ましいものは水素原子、メチル基である。
該縮合多環式炭化水素基としては、好ましくは環を形成する炭素数が18個以下のもの、例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、及びナフタセニル基等が挙げられる。
複素環基としては、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、及びチアジアゾール等の1価基が挙げられる。
具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。
具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレン基としては、C1〜C12、好ましくはC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキレン基であり、これらのアルキレン基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。
具体的にはメチレン基、エチレン基、n−ブチレン基、i−プロピレン基、t−ブチレン基、s−ブチレン基、n−プロピレン基、トリフルオロメチレン基、2−ヒドロキエチレン基、2−エトキシエチレン基、2−シアノエチレン基、2−メトキシエチレン基、ベンジリデン基、フェニルエチレン基、4−クロロフェニルエチレン基、4−メチルフェニルエチレン基、4−ビフェニルエチレン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレン基としては、前記Xのアルキレン基と同様なものが挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基としては、前記Xのアルキレンエーテル2価基が挙げられる。
アルキレンオキシカルボニル2価基としては、カプロラクトン2価変性基が挙げられる。
この架橋鎖には1つの高分子と他の高分子間の分子間架橋鎖と、1つの高分子内で折り畳まれた状態の主鎖のある部位と主鎖中でこれから離れた位置に重合したモノマー由来の他の部位とが架橋される分子内架橋鎖とがある。
そして、主鎖中に存在する場合であってもまた架橋鎖中に存在する場合であっても、鎖部分から懸下するトリアリールアミン構造は、窒素原子から放射状方向に配置する少なくとも3つのアリール基を有し、バルキーであるが、鎖部分に直接結合しておらず鎖部分からカルボニル基等を介して懸下しているため、立体的位置取りに融通性ある状態で固定されているので、これらトリアリールアミン構造は重合体中で相互に程よく隣接する空間配置が可能であり、分子内の構造的歪みが少なく、また、電子写真感光体の表面層とされた場合に、電荷輸送経路の断絶を比較的免れた分子内構造を採りうるものと推測される。
但し、1官能及び2官能のラジカル重合性モノマーやラジカル重合性オリゴマーを多量に含有させると架橋型保護層の3次元架橋結合密度が実質的に低下し、耐摩耗性の低下を招く。このため、これらのモノマーやオリゴマーの含有量は、3官能以上のラジカル重合性モノマー100重量部に対し50重量部以下、好ましくは30重量部以下であればより好ましい。
その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物及びイミダゾール系化合物等が挙げられる。
これらの添加剤は公知のものが使用可能であり、可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂に使用されているものが利用できる。その使用量は、塗工液の総固形分に対して20重量%以下、好ましくは10重量%以下に抑えられる。
また、レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが利用でき、その使用量は塗工液の総固形分に対し3重量%以下が適当である。
かかる塗工液は、ラジカル重合性モノマーが液体である場合、これに他の成分を溶解して塗布することも可能であるが、必要に応じて溶媒により希釈して塗布される。
熱のエネルギーを加える方法としては、空気、窒素などの気体、蒸気、あるいは各種熱媒体、赤外線、電磁波を用い塗工表面側あるいは支持体側から加熱することによって行われる。加熱温度は100℃以上、170℃以下が好ましく、100℃未満では反応速度が遅く、完全に硬化反応が終了しない傾向がある。170℃を超える高温では硬化反応が不均一に進行し架橋型保護層中に大きな歪みや多数の未反応残基、反応停止末端が発生する。
硬化反応を均一に進めるために、100℃未満の比較的低温で加熱後、更に100℃以上に加温し反応を完結させる方法も有効である。
照射光量は、50mW/cm2以上、1000mW/cm2以下が好ましく、50mW/cm2未満では硬化反応に時間を要する。1000mW/cm2より強いと反応の進行が不均一となり、架橋型保護層表面に局部的な皺が発生したり、多数の未反応残基、反応停止末端が生ずる。また、急激な架橋により内部応力が大きくなり、クラックや膜剥がれの原因となる。
10μmより厚い場合、前述のようにクラックや膜剥がれが発生しやすくなり、8μm以下ではその余裕度が更に向上するため架橋密度を高くすることが可能で、更に耐摩耗性を高める材料選択や硬化条件の設定が可能となる。
一方、ラジカル重合反応は酸素阻害を受けやすい。即ち、大気に接した表面では酸素によるラジカルトラップの影響で架橋が進まなかったり、不均一になりやすい。この影響が顕著に現れるのは表層1μm未満の場合で、この膜厚以下の架橋型保護層は耐摩耗性の低下や不均一な摩耗が起りやすい。
また、架橋型保護層塗工時において下層の電荷輸送層成分の混入が生じ、特に、架橋型保護層の塗布膜厚が薄いと層全体に混入物が拡がり、硬化反応の阻害や架橋密度の低下をもたらす。
即ち、溶解性が高い感光体は液滴の中心部分が凹状になり周囲が逆に盛り上がる現象、電荷輸送物質が析出し結晶化による白濁やくもり生ずる現象、表面が膨潤しその後収縮することで皺が発生する現象などの変化が見られる。それに対し、不溶性の感光体は上記のような現象がみられず、滴下前と全く変化が現れない。
具体的には、テトラヒドロフラン、テトラヒドロフランとメタノール混合溶媒、酢酸エチル、メチルエチルケトン、エチルセロソルブなどが有用であるが、塗工法と合せて選択される。また、固形分濃度に関しては、同様な理由で低すぎる場合、有機溶剤に対し可溶性となりやすい。逆に、膜厚や塗工液粘度の制限から上限濃度の制約を受ける。具体的には、10〜50重量%の範囲で用いることが望ましい。
例えば、塗工液として、3つのアクリロイルオキシ基を有するアクリレートモノマーと、1つのアクリロイルオキシ基を有するトリアリールアミン化合物を使用する場合、これらの使用割合は7:3〜3:7であり、また、重合開始剤をこれらアクリレート化合物全量に対し3〜20重量%添加し、更に溶媒を加えて塗工液を調製する。
例えば、架橋型保護層の下層となる電荷輸送層において、電荷輸送物質としてトリアリールアミン系ドナー、バインダー樹脂としてポリカーボネートが使用され、かつ表面層をスプレー塗工により形成する場合、上記塗工液の溶媒としては、テトラヒドロフラン、2−ブタノン、酢酸エチル等が好ましく、その使用割合は、アクリレート化合物全量に対し3倍量〜10倍量である。
UV照射の場合には、メタルハライドランプ等を用いるが、照度は50mW/cm2以上、1000mW/cm2以下、時間としては5秒から5分程度が好ましく、ドラム温度は50℃を越えないように制御する。
熱硬化の場合には、加熱温度は100〜170℃が好ましう。例えば、加熱手段として送風型オーブンを用い、加熱温度を150℃に設定した場合、加熱時間は20分〜3時間である。
硬化終了後は、更に残留溶媒低減のため、100〜150℃で10分〜30分加熱して、本発明の感光体を得る。
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2'−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3'−ビス(4'−ヒドロキシ−3'−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類など。
N−フェニル−N'−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジメチル−N,N'−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
ジラウリル−3,3'−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3'−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3'−チオジプロピオネートなど。
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
一方、感光体を高耐久化した場合には、このような局所的な変化量が小さく、結果的に画像上の欠陥として現われにくくなるため、高耐久化を実現すると共に、出力画像の安定性をも増すことになり、非常に有効である。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
なお、前記電界強度は、下記数式(1)で表される。
電界強度(V/μm)=SV/G …(1)
ただし、前記数式(1)中、SVは、現像位置における静電潜像担持体の未露光部における表面電位(V)を表す。Gは、少なくとも感光層(電荷発生層及び電荷輸送層)を含む感光層の膜厚(μm)を表す。
使用する光源(書き込み光)の解像度により、形成される静電潜像ひいてはトナー像の解像度が決定され、解像度が高いほど鮮明な画像が得られる。しかしながら、解像度を高くして書き込みを行うとそれだけ書き込みに時間がかかることになるため、書き込み光源が1つであると書き込みがドラム線速(プロセス速度)の律速になってしまう。従って、書き込み光源が1つの場合には2400dpi程度の解像度が上限となる。書き込み光源が複数の場合には、それぞれが書き込み領域を負担すればよく、実質的には「2400dpi×書き込み光源個数」が上限となる。これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザーは照射エネルギーが高く、良好に使用される。
近年では、400〜410nmの波長領域にレーザー発振するLDも開発され、これを用いた光学系が開発されており、本発明にも有益に用いることができる。現在の書き込み光の使用できる波長下限値は、電荷輸送層や保護層を構成する材料によって異なるが、概ね350nm程度である。新たな材料、レーザーの開発によってこの下限値は短波長化するものである。
前記現像は、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成することにより行うことができる。前記トナーは、感光体の帯電極性と同極性のトナーを用いられ、反転現像(ネガ・ポジ現像)によって、静電潜像が現像される。また、トナーのみで現像を行う1成分方式と、トナー及びキャリアからなる2成分現像剤を使用した2成分方式の2通りの方法があるが、いずれの場合にも良好に使用できる。
前記転写手段は、前記可視像を記録媒体に転写する手段であるが、感光体表面から記録媒体に可視像を直接転写する方法と、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する方法がある。いずれの態様も良好に使用することができるが、高画質化に際して転写による悪影響が大きいような場合には、転写回数が少ない前者(直接転写)の方法が好ましい。
感光体の画像形成装置中の動作として、メイン帯電器により所望の帯電電位に帯電され、原稿に応じた入力信号に基づき光書き込みが行われる。なお、帯電電位としては、ほとんどの場合負帯電されることが多い。
この際、書き込みが行われた部分には光キャリアが発生し、表面電荷を中和する(電位減衰する)。この時、光キャリア発生量に依存した電荷量が感光体膜厚方向に流れる。一方、光書き込みが行われない領域(非書き込み部)は、現像工程及び転写工程を経て、除電工程に進む(必要に応じて、その前にクリーニング工程が施される)。ここで、感光体の表面電位がメイン帯電により施された電位に近い状態(暗減衰分は除く)であると、光書き込みが行われた領域とほぼ同じ量の電荷量が感光体膜厚方向に流れることになる。一般的に、現在の原稿は書き込み率が低いため、この方式であると、繰り返し使用における感光体の通過電荷量は除電工程で流れる電流がほとんどと言うことになる。なお、書き込み率が10%であるとすると、除電工程で流れる電流は、全体の9割を占めることになる。
感光体の残留電位が上昇すると、本発明で使用されるネガ及びポジ現像では、画像濃度が低下することになり、大きな問題となる。従って、画像形成装置内での感光体の長寿命化(高耐久化)を狙うためには、如何に感光体の通過電荷量を小さくするかという課題が存在する。
感光体の通過電荷は、感光体表面に帯電された電位(これにより生じた電界)により、光照射が行われることにより、発生した光キャリアが移動することにより生じる。従って、感光体表面電位を光以外の手段で減衰させることができれば、感光体1回転(画像形成1サイクル)あたりの通過電荷量を低減することができる。
以上のような制御を加えることは、本発明における効果を顕著なものとして、有効に使用できるものである。
前記定着は、記録媒体に転写された可視像を、定着装置を用いて定着され、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合せ、などが挙げられる。前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電手段としては、500nm未満(好ましくは480nm未満、より好ましくは450nm未満)の波長を有し、前記静電潜像担持体に対し除電を行うことが出来ればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等が好適に挙げられる。
半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等の光源には、500nm未満に発振波長を有する半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等、あるいは蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、キセノンランプ等と発光が500nm未満に制限できるような適当な光学フィルターと組み合せたもの等を用いることができる。
前記光学フィルターとは、所望の波長域の光(500nm未満)のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
もう1つは、ワイドギャップ半導体を用いるもので、SHG利用のデバイスと比べ、装置の小型化が可能である。ZnSe系半導体(特開平7−321409号公報、特開平6−334272号公報等参照)や、GaN系半導体(特開平8−88441号公報、特開平7−335975号公報等参照)を用いたLDが、その発光効率の高さから、以前から多くの研究の対象となっている。また、比較的最近の技術として、日亜化学工業から、GaN系半導体を用いたLD(405nm発振)が実用化され、上記の技術よりも格段に進んだ書き込み系が開発され、本発明にも有益に用いることができる。
また、上記材料を用いたLEDランプ等も上市されており、これらも有効に使用することができる。
〔クリーニング手段〕
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル手段は、前記クリーニング手段により除去した前記電子写真用カラートナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、例えば、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
図11は、本発明の画像形成装置及び電子写真プロセスを説明するための概略図であり、後に示すような変形例も本発明の範疇に属するものである。
また上述のように発振波長が、450nmより短波長のレーザー光を用いることは有効な手段である。
現像ユニット(6)では、感光体の帯電極性と同極性のトナーが使用され、反転現像(ネガ・ポジ現像)によって静電潜像が現像される。先の画像露光部に使用する光源によっても異なるが、近年使用するデジタル光源の場合には、一般的に画像面積率が低いことに対応して、書込部分にトナー現像を行う反転現像方式が光源の寿命等を考慮すると有利である。また、トナーのみで現像を行う1成分方式と、トナー及びキャリアからなる2成分現像剤を使用した2成分方式の2通りの方法があるが、いずれの場合にも良好に使用できる。
なお、転写時の電圧/電流印加方式としては、定電圧方式、定電流方式のいずれの方式も用いることが可能であるが、転写電荷量を一定に保つことができ、安定性に優れた定電流方式がより望ましい。特に、転写部材に電荷を供給する電源供給用部材(高圧電源)から出力された電流のうち、転写部材に関連する部分に流れ、感光体に流れ込まない電流を差し引くことにより、感光体への電流値を制御する方法が好ましい。
このような転写部材は、構成上、本発明の構成を満足できるものであれば、公知のものを使用することができる。
また、前述のように転写電流を制御することで、転写後の感光体表面電位(書き込み光の未露光部)を低下させておくことは、画像形成1サイクルあたりの感光体通過電荷量を低減することが出来、本発明においては有効に使用される。
半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等の光源には、500nm未満に発振波長を有する半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等、あるいは蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、キセノンランプ等と発光が500nm以下に制限できるような適当な光学フィルターと組み合わせたもの等を用いることができる。前記光学フィルターとは、所望の波長域の光(500nm未満)のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
使用する波長の下限値としては、感光体に使用される電荷輸送層や保護層の透過率によって異なるが、概ね300〜350nmが下限となる。
図11中の符号において、8はレジストローラ、11は分離チャージャー、12は分離爪である。
図12において、符号(16Y)、(16M)、(16C)、(16K)はドラム状の感光体であり、感光体は支持体上に少なくとも少なくとも前記一般式(1)、(2)及び(3)で示される多環キノン顔料から選ばれる少なくとも1つとフタロシアニンを含有する電荷発生層と、電荷輸送層からなる積層感光層が設けられてなる。
そして、現像手段(19Y)、(19M)、(19C)、(19K)により潜像を現像してトナー像が形成される。現像手段(19Y)、(19M)、(19C)、(19K)は、それぞれY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)のトナーで現像を行う現像手段で、4つの感光体(16Y)、(16M)、(16C)、(16K)上で作られた各色のトナー像は転写紙上で重ねられる。
感光体上のトナー像は、転写部材(21Y)、(21M)、(21C)、(21K)に印加された転写バイアスと感光体(16Y)、(16M)、(16C)、(16K)との電位差から形成される電界により、転写紙(26)上に転写される。そして4つの転写部を通過して4色のトナー像が重ねられた記録紙(26)は定着装置(24)に搬送され、トナーが定着されて、図示しない排紙部に排紙される。
また、転写部で転写されずに各感光体(16Y)、(16M)、(16C)、(16K)上に残った残留トナーは、クリーニング装置(20Y)、(20M)、(20C)、(20K)で回収される。
なお、図12の例では画像形成要素は転写紙搬送方向上流側から下流側に向けて、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の色の順で並んでいるが、この順番に限るものではなく、色順は任意に設定されるものである。また、黒色のみの原稿を作成する際には、黒色以外の画像形成要素((25Y)、(25M)、(25C))が停止するような機構を設けることは本発明に特に有効に利用できる。
また、先に述べたように転写後の感光体表面が、主帯電器により帯電させた極性側に100V以下に帯電させることが好ましく、逆極性側に帯電させることがより好ましく、逆極性側に100V以下に帯電させることが特に好ましい。これにより、感光体の繰り返し使用における残留電位の上昇を低減化することができる。
プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な例として、図13に示すものが挙げられる。感光体(101)は支持体上に前記一般式(1)、(2)及び(3)で示される多環キノン顔料から選ばれる少なくとも1つとフタロシアニンを含有する電荷発生層と、電荷輸送層からなる積層感光層が設けられてなる。
画像露光部(103)には、前述のように好ましくは600dpi以上の解像度で書き込みが行うことのできる光源が用いられ、帯電器(帯電手段)(102)には、任意の帯電器が用いられる。図13中、104は少なくとも1つの現像スリーブを有する現像手段、105は転写体、106は転写手段、107はクリ−ニング手段、108は500nmよりも短波長(好ましくは480nm未満、より好ましくは450nm未満)の光源を有する除電手段(除電部材)である。
また、下記実施例1〜52のうち、実施例15〜19及び44は、本発明の範囲に属しない参考例に相当する例である。
尚、チタニルフタロシアニンは、特公平7−97221号公報、特許第3005052号公報に記載の方法に準じて作製したものである。また、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンは、特許第3166293号公報、特許第3123185号公報等に記載の方法に準じて作製したものである。
特公平7−97221号公報、合成例2に従って、α型チタニルフタロシアニン結晶を合成した。即ち、フタロジニトリル40gと四塩化チタン18g及びα−クロロナフタレン500mlの混合物を窒素気流下240〜250℃で3時間加熱攪拌して反応を完結させた。その後、漏過し、生成物であるジクロロチタニウムフタロシアニンを収得した。得られたジクロロチタニウムフタロシアニンと濃アンモニア水300mlの混合物を1時間加熱還流し、α型チタニルフタロシアニンを得た。
更に、特公平7−97221号公報、合成例1に従って、チタニルフタロシアニン結晶を合成した。即ち、先に合成したα型チタニルフタロシアニン10部と、磨砕助剤として食塩5乃至20部、分散媒としてアセトフェノン10部をサンドグラインダーに入れ、60℃〜120℃の範囲で10時間磨砕した。この場合、高温でグライングすると、β型結晶形を示し易くなり、また、分解し易くなる。容器より取り出し、水及びメタノールで磨砕助剤、分散媒を取り除いた後、2%の希硫酸水溶液で精製し、ろ過、水洗、乾燥して鮮明な緑味の青色結晶を得た。これを顔料1とする。
X線管球:Cu
電圧:50kV
電流:30mA
走査速度:2°/分
走査範囲:3°〜40°
時定数:2秒
特許第3005052号公報、合成例1に従って、チタニルフタロシアニン結晶を合成した。即ち、α−クロルナフタレン100g中、o−フタロジニトリル5.0g、四塩化チタン2.0gを200℃にて3時間加熱攪拌した後、50℃まで冷却して析出した結晶を濾別、ジクロロチタニウムフタロシアニンのペーストを得た。次に、これを100℃に加熱したN、N′−ジメチルホルムアミド100mlで攪拌下洗浄、次いで60℃のメタノール100mlで2回洗浄を繰り返し、濾別した。更に、得られたペーストを脱イオン水100ml中80℃で1時間攪拌、濾別して青色のオキシチタニウムフタロシアニン結晶を得た。
次に、この結晶を濃硫酸150gに溶解させ、20℃の脱イオン水1500ml中に攪拌下で滴下して再析出させて濾過し十分に水洗した後、非晶質のオキシチタニウムフタロシアニンを得た。このようにして得られた非晶質のオキシチタニウムフタロシアニン4.0gをメタノール100ml中室温(22℃)下、8時間懸濁攪拌処理し、濾別、減圧乾燥して低結晶性のオキシチタニウムフタロシアニンを得た。次に、このオキシチタニウムフタロシアニン2.0gにn−ブチルエーテル40mlを加え、1mmφのガラスビーズと共にミリング処理を室温(22℃)下20時間行なった。
この分散液より固形分を取り出し、メタノール、次いで水で十分に洗浄、乾燥してチタニルフタロシアニンを得た。これを顔料2とする。
特開2001−19871号公報に準じて、顔料を作製した。即ち、1,3−ジイミノイソインドリン29.2gとスルホラン200mlを混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド20.4gを滴下する。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行った。反応終了後、放冷した後、析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、次にメタノールで数回洗浄し、更に80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。
粗チタニルフタロシアニンを20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の氷水に撹拌しながら滴下し、析出した結晶を濾過し、次いで、洗浄液が中性になるまでイオン交換水(pH:7.0、比伝導度:1.0μS/cm)により水洗いを繰り返し(洗浄後のイオン交換水のpH値は6.8、比伝導度は2.6μS/cmであった)、チタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキ(水ペースト)を得た。得られたこのウェットケーキ(水ペースト)40gをテトラヒドロフラン200gに投入し、4時間攪拌を行った後、濾過を行い、乾燥して、チタニルフタロシアニン粉末を得た。これを顔料3とする。
特許第3166293号公報、合成例及び実施例1に準じて、ヒドロキシガリウムフタロシアニンを合成した。
即ち、1,3−ジイミノイソインドリン30部および三塩化ガリウム9.1部をキノリン230部中に添加し、200℃において3時間反応させた後、生成物を濾別した。次いで、アセトン、メタノールで洗浄し、湿ケーキを乾燥してクロロガリウムフタロシアニン結晶28部を得た。
次いで、上記クロロガリウムフタロシアニン結晶3部を濃硫酸60部に0℃にて溶解後、この溶液を5℃の蒸留水450部中に滴下して結晶を析出させた。蒸留水、希アンモニア水等で洗浄後、乾燥してヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶2.5部を得た。
更に、上記ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶0.5部をジメチルホルムアミド15部および直径1mmのガラスビーズ30部と共に24時間ミリングした後、結晶を分離した。次いで、メタノールで洗浄後、乾燥して、目的のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。これを顔料4とする。
特許第3123185号公報、合成例及び実施例2に準じて、クロロガリウムフタロシアニンを合成した。
即ち、1,3−ジイミノイソインドリン30部及び三塩化ガリウム9.1部をキノリン230部中に添加し、200℃において3時間反応させた後、生成物を濾過し、アセトン、メタノールで洗浄した。次いで、湿ケーキを乾燥してクロロガリウムフタロシアニン結晶を得た。このクロロガリウムフタロシアニン結晶を、自動乳鉢で3時間乾式磨砕し、更にクロロガリウムフタロシアニン0.5部を、1mmφガラスビーズ60部と共に、室温下、水/クロロベンゼン1:10の混合溶媒20部中で24時間ボールミリング処理した後、瀘別し、メタノール10部で洗浄し、乾燥してクロロガリウムフタロシアニン結晶を得た。これを顔料5とする。
(分散液作製例1)
下記組成の処方にて、下記に示す条件にて分散を行い、電荷発生層用塗工液として、分散液を作製した。
〈組成〉
下記構造式(4)の多環キノン顔料: 3部
チタニルフタロシアニン(顔料1): 7部
ポリビニルブチラール(積水化学製:BM−S): 4部
テトラヒドロフラン: 100部
分散液作製例1で使用したチタニルフタロシアニン(顔料1)に変えて、チタニルフタロシアニン(顔料2)を用いた以外は、分散液作製例1と同様に分散液を作製した(分散液2とする)。
分散液作製例1で使用したチタニルフタロシアニン(顔料1)に変えて、チタニルフタロシアニン(顔料3)を用いた以外は、分散液作製例1と同様に分散液を作製した(分散液3とする)。
分散液作製例1で使用したチタニルフタロシアニン(顔料1)に変えて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(顔料4)を用いた以外は、分散液作製例1と同様に分散液を作製した(分散液4とする)。
分散液作製例1で使用したチタニルフタロシアニン(顔料1)に変えて、クロロガリウムフタロシアニン(顔料5)を用いた以外は、分散液作製例1と同様に分散液を作製した(分散液5とする)。
分散液作製例3で使用した多環キノンを下記構造式(1−4)のものに変更した以外は、分散液作製例3と同様に分散液を作製した(分散液6とする)。
分散液作製例3で使用した多環キノン顔料を下記構造(3−5)のものに変更した以外は、分散液作製例3と同様に分散液を作製した(分散液7とする)。
分散液作製例3で作製した分散液3を、アドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−3−CS(有効孔径3μm)を用いて、濾過を行なった。濾過に際しては、ポンプを使用し、加圧状態で濾過を行なった(分散液8とする)。
分散液作製例8で使用したフィルターを、アドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−5−CS(有効孔径5μm)に変えた以外は、分散液作製例8と同様に加圧濾過を行ない、分散液を作製した(分散液9とする)。
(感光体作製例1)
φ30mmのアルミドラム(JIS 1050)上に、下記組成の中間層塗工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥し、3.5μmの中間層、0.5μmの電荷発生層、25μmの電荷輸送層を形成し、積層感光体を作製した(電子写真感光体1とする)。
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm): 112部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、大日本インキ化学工業製]: 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、大日本インキ化学工業製]: 18.7部
2−ブタノン: 260部
電荷発生層塗工液として、上記で作製した分散液1を用いた。
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製): 10部
下記構造式(g)の電荷輸送物質: 7部
塩化メチレン: 80部
以上のように作製した電子写真感光体1を前記図11に示すような画像形成装置に搭載し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材としてスコロトロン帯電器、転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として428nmLED(ローム製:半値幅65nm)を用いた。試験前のプロセス条件が下記になるように設定し、書き込み率6%のチャート(A4全面に対して、画像面積として6%相当の文字が平均的に書かれている)を用い、連続3万枚印刷を行った。
感光体帯電電位(未露光部電位):−900V
現像バイアス: −650V(ネガ・ポジ現像)
除電後表面電位(書き込み光未露光部):−100V
測定方法としては、図11に示す現像部位置に、表面電位計を搭載し、感光体を−900Vに帯電した後、上記半導体レーザーでベタ書込みを行ない、現像部位における未露光部表面電位及び露光部電位を測定した。結果を下記表5に示す。
また、電荷輸送層の透過率を測定するために、電子写真感光体1における電荷輸送層のみを、ポリエチレンテレフタレートフィルムを巻き付けたφ30mmのアルミドラムに、電子写真感光体1の場合と同じ条件で形成した。これを適当な大きさに切り出し、電荷輸送層を形成していないポリエチレンテレフタレートフィルムを比較対象として、市販の分光光度計(島津:UV−3100)を用いて、除電光波長における透過率を測定した。結果を表5に示す。
実施例1における除電光源として、472nmLED(星和電機製:半値幅15nm)に変更した以外は、実施例1と同様に評価を行った。除電後の感光体表面電位が、実施例1の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を下記表5に示す。
実施例1における除電光源として、502nmLED(星和電機製:半値幅15nm)に変更した以外は、実施例1と同様に評価を行った。除電後の感光体表面電位が、実施例1の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を下記表5に示す。
実施例1における除電光源として、591nmLED(ローム製:半値幅15nm)に変更した以外は、実施例1と同様に評価を行った。除電後の感光体表面電位が、実施例1の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を下記表5に示す。
実施例1における除電光源として、630nmLED(ローム製:半値幅20nm)に変更した以外は、実施例1と同様に評価を行った。除電後の感光体表面電位が、実施例1の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を下記表5に示す。
実施例1における除電光源として、蛍光灯(図1に示す発光スペクトルを有する)に変更した以外は、実施例1と同様に評価を行った。除電後の感光体表面電位が、実施例1の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を下記表5に示す。
実施例1における除電光源として、428nmLED(ローム製:半値幅65nm)及び630nmLED(ローム製:半値幅20nm)の2つを用いてほぼ同等の光量を同時に照射するように変更した以外は、実施例1と同様に評価を行った。除電後の感光体表面電位が、実施例1の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を下記表5に示す。
また、発光分布が広く、500nm以上の長波長光の成分を含む場合(比較例4)では、実施例ほどの明確な効果が得られていない。また、露光波長の異なる2種類の光源を用いた場合(比較例5)では、短波長光源による除電の効果が低減されていることが分る。
感光体作製例1において、電荷発生層塗工液として、先に作製した分散液2を用いた以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(電子写真感光体2とする)。
実施例1において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体2を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。結果を下記表6に示す。
実施例2において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体2を用いた以外は、実施例2と同様に評価を行った。結果を下記表6に示す。
比較例1において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体2を用いた以外は、比較例1と同様に評価を行った。結果を下記表6に示す。
比較例2において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体2を用いた以外は、比較例2と同様に評価を行った。結果を下記表6に示す。
比較例3において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体2を用いた以外は、比較例3と同様に評価を行った。結果を下記表6に示す。
比較例4において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体2を用いた以外は、比較例4と同様に評価を行った。結果を下記表6に示す。
比較例5において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体2を用いた以外は、比較例5と同様に評価を行った。結果を下記表6に示す。
感光体作製例1において、電荷発生層塗工液として、先に作製した分散液3を用いた以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(電子写真感光体3とする)。
実施例1において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体3を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。結果を下記表7に示す。
実施例2において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体3を用いた以外は、実施例2と同様に評価を行った。結果を下記表7に示す。
比較例1において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体3を用いた以外は、比較例1と同様に評価を行った。結果を下記表7に示す。
比較例2において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体3を用いた以外は、比較例2と同様に評価を行った。結果を下記表7に示す。
比較例3において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体3を用いた以外は、比較例3と同様に評価を行った。結果を下記表7に示す。
比較例4において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体3を用いた以外は、比較例4と同様に評価を行った。結果を下記表7に示す。
比較例5において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体3を用いた以外は、比較例5と同様に評価を行った。結果を下記表7に示す。
感光体作製例1において、電荷発生層塗工液として、先に作製した分散液4を用いた以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(電子写真感光体4とする)。
実施例1において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体4を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。結果を下記表8に示す。
実施例2において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体4を用いた以外は、実施例2と同様に評価を行った。結果を下記表8に示す。
比較例1において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体4を用いた以外は、比較例1と同様に評価を行った。結果を下記表8に示す。
比較例2において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体4を用いた以外は、比較例2と同様に評価を行った。結果を下記表8に示す。
比較例3において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体4を用いた以外は、比較例3と同様に評価を行った。結果を下記表8に示す。
比較例4において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体4を用いた以外は、比較例4と同様に評価を行った。結果を下記表8に示す。
比較例5において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体4を用いた以外は、比較例5と同様に評価を行った。結果を下記表8に示す。
感光体作製例1において、電荷発生層塗工液として、先に作製した分散液5を用いた以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(電子写真感光体5とする)。
実施例1において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体5を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。結果を下記表9に示す。
実施例2において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体5を用いた以外は、実施例2と同様に評価を行った。結果を下記表9に示す。
比較例1において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体5を用いた以外は、比較例1と同様に評価を行った。結果を下記表9に示す。
比較例2において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体5を用いた以外は、比較例2と同様に評価を行った。結果を下記表9に示す。
比較例3において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体5を用いた以外は、比較例3と同様に評価を行った。結果を下記表9に示す。
比較例4において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体5を用いた以外は、比較例4と同様に評価を行った。結果を下記表9に示す。
比較例5において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体5を用いた以外は、比較例5と同様に評価を行った。結果を下記表9に示す。
感光体作製例1において、電荷発生層塗工液として、先に作製した分散液6を用いた以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(電子写真感光体6とする)。
実施例1において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体6を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。結果を下記表10に示す。
実施例2において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体6を用いた以外は、実施例2と同様に評価を行った。結果を下記表10に示す。
比較例1において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体6を用いた以外は、比較例1と同様に評価を行った。結果を下記表10に示す。
比較例2において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体6を用いた以外は、比較例2と同様に評価を行った。結果を下記表10に示す。
比較例3において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体6を用いた以外は、比較例3と同様に評価を行った。結果を下記表10に示す。
比較例4において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体6を用いた以外は、比較例4と同様に評価を行った。結果を下記表10に示す。
比較例5において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体6を用いた以外は、比較例5と同様に評価を行った。結果を下記表10に示す。
感光体作製例1において、電荷発生層塗工液として、先に作製した分散液7を用いた以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(電子写真感光体7とする)。
実施例1において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体7を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。結果を下記表11に示す。
実施例2において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体7を用いた以外は、実施例2と同様に評価を行った。結果を下記表11に示す。
比較例1において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体7を用いた以外は、比較例1と同様に評価を行った。結果を下記表11に示す。
比較例2において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体7を用いた以外は、比較例2と同様に評価を行った。結果を下記表11に示す。
比較例3において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体7を用いた以外は、比較例3と同様に評価を行った。結果を下記表11に示す。
比較例4において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体7を用いた以外は、比較例4と同様に評価を行った。結果を下記表11に示す。
比較例5において、使用した電子写真感光体1の代りに、電子写真感光体7を用いた以外は、比較例5と同様に評価を行った。結果を下記表11に示す。
感光体作製例3において、電荷輸送層塗工液として、下記組成の電荷輸送層塗工液を用いた以外は、感光体作製例3と同様に感光体を作製した(電子写真感光体8とする)。
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製): 10部
下記構造式(h)の電荷輸送物質: 7部
塩化メチレン: 80部
以上のように作製した電子写真感光体8を前記図11に示すような画像形成装置に搭載し、画像露光光源を407nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材としてスコロトロン帯電器、転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として下記のものを用いた。試験前のプロセス条件が下記になるように設定し、書き込み率6%のチャートを用い、連続3万枚印刷を行った。
感光体帯電電位(未露光部電位):−900V
現像バイアス:−650V(ネガ・ポジ現像)
除電後表面電位(書き込み光未露光部):−100V
除電光源:キセノンランプに分光器を組み合わせて461nmの単色光を作り、これを光ファイバーによって画像形成装置に導き、スリット状の光を除電部にて感光体表面に照射した。
測定方法としては、図11に示す現像部位置に、表面電位計を搭載し、感光体を−900Vに帯電した後、上記半導体レーザーでベタ書込みを行ない、現像部位における未露光部表面電位及び露光部電位を測定した。結果を下記表12に示す。
更に、3万枚出力後に上記電位計測を行った後に、図14に示すようなチャート(手前半分がストライプ、後半分がハーフトーン)を出力し、ハーフトーン部における画像のムラを観察した。
また、電荷輸送層の透過率を測定するために、電子写真感光体8における電荷輸送層のみを、ポリエチレンテレフタレートフィルムを巻き付けたφ30mmのアルミドラムに、電子写真感光体8の場合と同じ条件で形成した。これを適当な大きさに切り出し、電荷輸送層を形成していないポリエチレンテレフタレートフィルムを比較対象として、市販の分光光度計(島津:UV−3100)を用いて、除電光波長における透過率を測定した。結果を表12に示す。
実施例15における除電光波長を分光器によって443nmに変更した以外は、実施例15と同様に評価を行った。結果を下記表12に示す。
実施例15における除電光波長を分光器によって437nmに変更した以外は、実施例15と同様に評価を行った。結果を下記表12に示す。
実施例15における除電光波長を分光器によって433nmに変更した以外は、実施例15と同様に評価を行った。結果を下記表12に示す。
実施例15における除電光波長を分光器によって429nmに変更した以外は、実施例15と同様に評価を行った。結果を下記表12に示す。
また、図14のチャート出力において、実施例15〜17のハーフトーン部は全く正常な画像を形成したが、実施例18及び19においては、問題にならないレベルではあったが、ハーフトーン部にストライプに対応した僅かな残像が認められた。この程度は、実施例19の方が実施例18よりも悪かった。
上記の結果から、500nm未満の除電光を照射することにより、繰り返し使用後の露光部電位上昇を抑制することができるが、電荷輸送層の除電光に対する透過率が30%未満であると、僅かに副作用を生じる場合があることが分る。
感光体作製例3における電荷発生層塗工液(分散液3)を、分散液8に変更した以外は、感光体作製例3と同様に感光体を作製した(電子写真感光体9とする)。
感光体作製例3における電荷発生層塗工液(分散液3)を、分散液9に変更した以外は、感光体作製例3と同様に感光体を作製した(電子写真感光体10とする)。
実施例5と同じ条件で、電子写真感光体3の代りに電子写真感光体9を用いて評価を行った。また、3万枚の画像出力後に、白ベタの画像を出力して、地汚れの評価を実施した。実施例5の結果と併せて下記表13に示す。
実施例5と同じ条件で、電子写真感光体3の代りに電子写真感光体10を用いて評価を行った。また、3万枚の画像出力後に、白ベタの画像を出力して、地汚れの評価を実施した。結果を下記表13に示す。
感光体作製例3における電荷輸送層塗工液を下記組成からなる構造式(i)のものに変更した以外は、感光体作製例3と同様に感光体を作製した(電子写真感光体11とする)。
下記構造式(i)の高分子電荷輸送物質: 10部
(重量平均分子量:約140000)
感光体作製例3における電荷輸送層の膜厚を22μmとし、電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を塗布乾燥し、3μmの保護層を設けた以外は感光体作製例3と同様に感光体を作製した(電子写真感光体12とする)。
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製): 10部
下記構造式(g)の電荷輸送物質: 7部
アルミナ微粒子
(比抵抗:2.5×1012Ω・cm、平均一次粒径:0.4μm): 4部
シクロヘキサノン: 500部
テトラヒドロフラン: 150部
感光体作製例12における保護層塗工液中のアルミナ微粒子を以下のものに変更した以外は、感光体作製例12と同様に感光体を作製した(電子写真感光体13とする)。
酸化チタン微粒子:4部 (比抵抗:1.5×1010Ω・cm、平均一次粒径:0.5μm)
感光体作製例12における保護層塗工液中のアルミナ微粒子を以下のものに変更した以外は、感光体作製例12と同様に感光体を作製した(電子写真感光体14とする)。
酸化錫−酸化アンチモン粉末:4部(比抵抗:106Ω・cm、平均1次粒径0.4μm)
感光体作製例12における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例12と同様に電子写真感光体を作製した(電子写真感光体15とする)。
下記構造式(i)の高分子電荷輸送物質: 17部
(重量平均分子量:約140000)
アルミナ微粒子: 4部
(比抵抗:2.5×1012Ω・cm、平均一次粒径:0.4μm)
シクロヘキサノン: 500部
テトラヒドロフラン: 150部
感光体作製例12における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例12と同様に電子写真感光体を作製した(電子写真感光体16とする)。
メチルトリメトキシシラン: 100部
3%酢酸: 20部
下記構造式(k)の電荷輸送性化合物: 35部
酸化防止剤(サノール LS2626:三共化学社製): 1部
硬化剤(ジブチル錫アセテート): 1部
2−プロパノール: 200部
感光体作製例12における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例12と同様に電子写真感光体を作製した(電子写真感光体17とする)。
メチルトリメトキシシラン: 100部
3%酢酸: 20部
下記構造式(k)の電荷輸送性化合物: 35部
アルミナ微粒子: 15部
(比抵抗:2.5×1012Ω・cm、平均一次粒径:0.4μm)
酸化防止剤(サノール LS2626:三共化学社製): 1部
ポリカルボン酸化合物 BYK P104:ビックケミー社製:0.4部
硬化剤(ジブチル錫アセテート): 1部
2−プロパノール: 200部
感光体作製例12における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例12と同様に電子写真感光体を作製した(電子写真感光体18とする)。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー: 10部
{トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99}
下記構造式(No.54)の1官能の電荷輸送性構造を有する
ラジカル重合性化合物: 10部
光重合開始剤: 1部
[1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)]
テトラヒドロフラン: 100部
感光体作製例18において、保護層塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のラジカル重合性モノマーに変更した以外は、すべて感光体作製例18と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体19とする)。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー(*):10部
(*)[ペンタエリスリトールテトラアクリレート(SR−295、化薬サートマー製)、分子量;352、官能基数;4官能、分子量/官能基数=88]
感光体作製例18の保護層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記の電荷輸送性構造を有さない2官能のラジカル重合性モノマー10部に換えた以外は、すべて感光体作製例18と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体20とする)。
電荷輸送性構造を有さない2官能のラジカル重合性モノマー(*):10部
(*)[1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(和光純薬製)、分子量:226、官能基数:2官能、分子量/官能基数=113]
感光体作製例18において、保護層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のラジカル重合性モノマーに換えた以外は、すべて感光体作製例18と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体21とする)。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー(*):10部
(*)[カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPCA−120、日本化薬製)、分子量:1947、官能基数:6官能、分子量/官能基数=325)
(感光体作製例22)
感光体作製例18の保護層用塗工液に含有される1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を下記構造式(m)に示される2官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物10部に換えた以外は感光体作製例18と同様に電子写真感光体を作製した(電子写真感光体22とする)。
感光体作製例18において、保護層用塗工液を下記組成に変更した以外は、感光体作製例18と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体23とする)。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー: 6部
{トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)、分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99}
下記構造式(No.54)の1官能の電荷輸送性構造を有する
ラジカル重合性化合物: 14部
光重合開始剤: 1部
[1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)]
テトラヒドロフラン: 100部
感光体作製例18において、保護層用塗工液を下記組成に変更した以外は、感光体作製例18と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体24とする)。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー: 14部
{トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)、分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99}
下記構造式(No.54)の1官能の電荷輸送性構造を有する
ラジカル重合性化合物: 6部
光重合開始剤: 1部
[1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)]
テトラヒドロフラン: 100部
感光体作製例18において、保護層用塗工液を下記組成に変更した以外は、感光体作製例18と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体25とする)。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー: 2部
{トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)、分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99}
下記構造式(No.54)の1官能の電荷輸送性構造を有する
ラジカル重合性化合物: 18部
光重合開始剤: 1部
[1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)]
テトラヒドロフラン: 100部
感光体作製例18において、保護層用塗工液を下記組成に変更した以外は、感光体作製例18と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体26とする)。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー: 18部
{トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)、分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99}
下記構造式(No.54)の1官能の電荷輸送性構造を有する
ラジカル重合性化合物: 2部
光重合開始剤: 1部
[1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)]
テトラヒドロフラン: 100部
以上のように作製した電子写真感光体3を図11に示すような画像形成装置に搭載し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材としてスコロトロン帯電器、転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として472nm(星和電機製:半値幅15nm)を用いた。試験前のプロセス条件が下記になるように設定し、書き込み率6%のチャートを用い、連続5万枚印刷を行った。
感光体帯電電位(未露光部電位):−900V
現像バイアス:−650V(ネガ・ポジ現像)
除電後表面電位(書き込み光未露光部):−100V
(1)表面電位測定
評価は、5万枚の画像印刷前後における感光体露光部電位を測定した。
測定方法としては、前記図11に示す現像部位置に、表面電位計を搭載し、感光体を−900Vに帯電した後、上記半導体レーザーでベタ書込みを行ない、現像部位における未露光部表面電位及び露光部電位を測定した。結果を下記表14に示す。
また、5万枚の画像出力後(表面電位測定終了後)に、白ベタの画像を出力して、地汚れの評価を実施した(22℃−50%RH)。地汚れ評価は、前述の4段階のランク評価にて、評価を実施した。結果を下記表14に示す。
更に、地汚れ評価後に、低温低湿環境下(10℃、15%RH)で、図15に示すようなテストチャートを用い、実施例1と同じ条件下で、黒ベタ部から白ベタ部の方向で画像出力し、連続50枚の印刷を実施し、クリーニング性の評価を実施した。この際、50枚目の白ベタ部の画像を目視にて評価した。
評価は4段階にて行ない、極めて良好なもの(クリーニング不良全くなし)を◎、良好なもの(うっすらと黒スジが入るレベル、長手方向で1〜2カ所)を○、やや劣るもの(うっすらと黒スジが入るレベル、長手方向で3〜4カ所)を△、非常に悪いもの(明確に黒スジが入るレベル)を×で表した。結果を下記表14に示す。
先のクリーニング性試験に引き続き、高温高湿環境(30℃−90%RH)にて、更に1000枚の通紙試験(先の6%チャーと使用)を行い、1000枚通紙後に1ドット画像評価(独立ドットを書き込んだ画像を出力)を実施した。1ドット画像を光学顕微鏡で観察し、ドット輪郭の明確さをランク評価した。ランク評価は4段階にて行ない、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表した。結果を下記表14に示す。
感光体初期膜厚を測定し、上記(1)〜(4)の試験を全て終了した後に再び膜厚を測定した。全ての試験前後における膜厚の差(摩耗量)を評価した。尚、膜厚の測定は、感光体長手方向の両端5cmを除き、1cm間隔に測定し、その平均値を膜厚とした。
また、電荷輸送層の透過率を測定するために、電子写真感光体11における電荷輸送層のみを、ポリエチレンテレフタレートフィルムを巻き付けたφ30mmのアルミドラムに、電子写真感光体11の場合と同じ条件で形成した。これを適当な大きさに切り出し、電荷輸送層を形成していないポリエチレンテレフタレートフィルムを比較対象として、市販の分光光度計(島津:UV−3100)を用いて、除電光波長における透過率を測定した。結果を表14に示す。
実施例22と同じ条件で、上述のように作製した電子写真感光体11〜26を評価した。尚、電子写真感光体の表面層が保護層である場合は、以下のように保護層透過率を求めた。電子写真感光体12〜26における保護層のみを、ポリエチレンテレフタレートフィルムを巻き付けたφ30mmのアルミドラムに、電子写真感光体12〜26の場合と同じ条件で形成した。これを適当な大きさに切り出し、保護層を形成していないポリエチレンテレフタレートフィルムを比較対象として、市販の分光光度計(島津:UV−3100)を用いて、除電光波長における保護層の透過率を測定した。
結果を下記表14に示す。
表14には実施例番号に対応する使用した電子写真感光体番号も併せて記載する。
保護層を設けた場合でも、500nmよりも短波長の光源にて除電を行うことにより、残留電位上昇防止の効果が認められる。
高分子電荷輸送物質(トリアリールアミン構造を主鎖もしくは側鎖に有するポリカーボネート)を含む電荷輸送層を設けること(実施例23)により、低分子分散系(実施例22よりも耐摩耗性が向上する。
保護層を設けることにより(実施例24〜38)、設けない場合(実施例22)に比べて、耐摩耗性が向上する。
無機顔料(金属酸化物)を含有する保護層を設けた場合(実施例24〜26)のうち、比抵抗が1010Ω・cm以上の無機顔料(金属酸化物)を含有することにより、高温高湿下でもドット再現性がそれほど低下しない(実施例25、26)。
架橋構造を保護層中に有することにより、有さない場合よりも耐摩耗性が向上する。更に、電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成された保護層を用いた場合には、より高い耐摩耗性が得られる(実施例30、31、33、35〜38)。
またこれら電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成された保護層を用いた場合には、クリーニング性も良好である。
実施例30における除電光源として、502nmLED(星和電機製:半値幅15nm)に変更した以外は、実施例30と同様に露光部電位及び保護層透過率を測定し評価を行った。
除電後の感光体表面電位が、実施例30の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を下記表15に示す。
実施例30における除電光源として、591nmLED(ローム製:半値幅15nm)に変更した以外は、実施例30と同様に露光部電位及び保護層透過率を測定し評価を行った。
除電後の感光体表面電位が、実施例30の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を下記表15に示す。
実施例30における除電光源として、630nmLED(ローム製:半値幅20nm)に変更した以外は、実施例30と同様に露光部電位及び保護層透過率を測定し評価を行った。
除電後の感光体表面電位が、実施例30の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を下記表15に示す。
実施例30における除電光源として、蛍光灯(図1に示す発光スペクトルを有する)に変更した以外は、実施例30と同様に露光部電位及び保護層透過率を測定し評価を行った。
除電後の感光体表面電位が、実施例30の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を下記表15に示す。
また、発光分布が広く、500nm以上の長波長光の成分を含む場合(比較例39)では、実施例ほどの明確な効果が得られていない。
以上のように作製した電子写真感光体18を前記図11に示すような画像形成装置に搭載し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材としてスコロトロン帯電器、転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として下記のものを用いた。試験前のプロセス条件が下記になるように設定し、書き込み率6%のチャートを用い、連続5万枚印刷を行った。
感光体帯電電位(未露光部電位):−900V
現像バイアス:−650V(ネガ・ポジ現像)
除電後表面電位(書き込み光未露光部):−100V
除電光源:キセノンランプに分光器を組み合わせて450nmの単色光を作り、これを光ファイバーによって画像形成装置に導き、スリット状の光を除電部にて感光体表面に照射した。
測定方法としては、前記図11に示す現像部位置に、表面電位計を搭載し、感光体を−900Vに帯電した後、上記半導体レーザーでベタ書込みを行ない、現像部位における未露光部表面電位及び露光部電位を測定した。結果を下記表16に示す。
更に、5万枚出力後に上記電位計測を行った後に、図14に示すようなチャート(手前半分がストライプ、後半分がハーフトーン)を出力し、ハーフトーン部における画像のムラを観察した。
実施例39における除電光波長を分光器によって400nmに変更した以外は、実施例39と同様に評価を行った。結果を下記表16に示す。
実施例39における除電光波長を分光器によって393nmに変更した以外は、実施例39と同様に評価を行った。結果を下記表16に示す。
実施例39における除電光波長を分光器によって390nmに変更した以外は、実施例39と同様に評価を行った。結果を下記表16に示す。
実施例39における除電光波長を分光器によって385nmに変更した以外は、実施例39と同様に評価を行った。結果を下記表16に示す。
また、図14のチャート出力において、実施例39〜41のハーフトーン部は全く正常な画像を形成したが、実施例42及び43においては、問題にならないレベルではあったが、ハーフトーン部にストライプに対応した僅かな残像が認められた。この程度は、実施例43の方が実施例42よりも悪かった。
上記の結果から、500nm未満の除電光を照射することにより、繰り返し使用後の露光部電位上昇を抑制することができるが、保護層の除電光に対する透過率が30%未満であると、僅かに副作用を生じる場合があることが分る。
実施例5において、画像露光光源を408nmの半導体レーザーに変更した以外は、実施例5と同様に評価を行った。結果を表7の場合と併せて示す。
また、直径60μmの1ドット画像を形成し、実施例5の場合と比較(ドット形成状態を、150倍の顕微鏡にて観察)を行った。
感光体作製例3における中間層を、電荷ブロッキング層とモアレ防止層の積層構成とした。それぞれの下記組成の電荷ブロッキング層塗工液、モアレ防止層塗工液を塗布乾燥して、1.0μmの電荷ブロッキング層、3.5μmのモアレ防止層とした以外は、感光体作製例3と同様に感光体を作製した(電子写真感光体27とする)。
N−メトキシメチル化ナイロン(鉛市:ファインレジンFR−101): 4部
メタノール: 70部
n−ブタノール: 30部
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm): 126部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、大日本インキ化学工業製]: 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、大日本インキ化学工業製]: 18.7部
2−ブタノン: 100部
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
感光体作製例27において、電荷ブロッキング層の膜厚を0.3μmとした以外は、感光体作製例27と同様に感光体を作製した(電子写真感光体28とする)。
感光体作製例27において、電荷ブロッキング層の膜厚を1.8μmとした以外は、感光体作製例27と同様に感光体を作製した(電子写真感光体29とする)。
感光体作製例27において、電荷ブロッキング層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例27と同様に感光体を作製した(電子写真感光体30とする)。
アルコール可溶性ナイロン(東レ:アミランCM8000): 4部
メタノール: 70部
n−ブタノール: 30部
感光体作製例27において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例27と同様に感光体を作製した(電子写真感光体31とする)。
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm): 252部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、大日本インキ化学工業製]: 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、大日本インキ化学工業製]: 18.7部
2−ブタノン: 100部
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
感光体作製例27において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例27と同様に感光体を作製した(電子写真感光体32とする)。
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm): 84部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、大日本インキ化学工業製]: 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、大日本インキ化学工業製]: 18.7部
2−ブタノン: 100部
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
以上のように作製した電子写真感光体27〜32を、実施例22と同じ条件下で5万枚のランニング試験を行った(評価方法、項目も同じ)。結果を実施例22の場合と比較して、下記表18に示す。
先に作製した電子写真感光体3を図13に示すようなプロセスカートリッジに装着し、図12に示すような画像形成装置に搭載し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材として接触ローラー帯電器、転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として428nmLED(ローム製:半値幅65nm)を用いた。試験前のプロセス条件が下記になるように設定し、書き込み率6%のチャート(A4全面に対して、画像面積として6%相当の文字が平均的に書かれている)を用い、連続3万枚印刷を行った。
感光体帯電電位(未露光部電位):−900V
現像バイアス:−650V(ネガ・ポジ現像)
除電後表面電位(書き込み光未露光部):−100V
測定方法としては、図12に示す現像部位置に、表面電位計を搭載し、感光体を−900Vに帯電した後、上記半導体レーザーでベタ書込みを行ない、現像部位における未露光部表面電位及び露光部電位を測定した。結果を下記表19に示す。
また、3万枚の印刷前後において、ISO/JIS−SCID画像N1(ポートレート)を出力して、カラー色の再現性について評価した。
実施例51における除電光源として、472nmLED(星和電機製:半値幅15nm)に変更した以外は、実施例51と同様に評価を行った。除電後の感光体表面電位が、実施例51の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を下記表19に示す。
実施例51における除電光源として、502nmLED(星和電機製:半値幅15nm)に変更した以外は、実施例51と同様に評価を行った。除電後の感光体表面電位が、実施例51の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を下記表19に示す。
実施例51における除電光源として、591nmLED(ローム製:半値幅15nm)に変更した以外は、実施例51と同様に評価を行った。除電後の感光体表面電位が、実施例51の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を下記表19に示す。
実施例51における除電光源として、630nmLED(ローム製:半値幅20nm)に変更した以外は、実施例51と同様に評価を行った。除電後の感光体表面電位が、実施例51の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を下記表19に示す。
実施例51における除電光源として、蛍光灯(図1に示す発光スペクトルを有する)に変更した以外は、実施例51と同様に評価を行った。除電後の感光体表面電位が、実施例51の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を下記表19に示す。
実施例42における除電光源として、428nmLED(ローム製:半値幅65nm)及び630nmLED(ローム製:半値幅20nm)の2つを用いてほぼ同等の光量を同時に照射するように変更した以外は、実施例51と同様に評価を行った。除電後の感光体表面電位が、実施例51の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を下記表19に示す。
また、発光分布が広く、500nm以上の長波長光の成分を含む場合(比較例43)では、実施例ほどの明確な効果が得られていない。また、露光波長の異なる2種類の光源を用いた場合(比較例44)では、短波長光源による除電の効果が低減されていることが分る。
テストチャートの結果から、実施例51、52の場合には、3万枚印刷後においても、初期とほぼ同等の画像を出力したが、比較例40〜44の場合には、3万枚印刷後に、カラーバランスが多少崩れた画像になった。
2 除電ランプ
3 帯電器(帯電部材)
5 画像露光部
6 現像ユニット
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャー
11 分離チャージャー
12 分離爪
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
16Y、16M、16C、16K 感光体
17Y、17M、17C、17K 帯電器(帯電部材)
18Y、18M、18C、18K 露光器(露光部)
19Y、19M、19C、19K 現像手段(現像部材)
20Y、20M、20C、20K クリーニング部材
21Y、21M、21C、21K 転写ブラシ
22 転写搬送ベルト
23 レジストローラ
24 定着装置
25Y、25M、25C、25K 画像形成要素
26 転写紙
27Y、27M、27C、27K 除電部材
101 感光体
102 帯電器(帯電手段)
103 画像露光部
104 現像手段
105 転写体
106 転写手段
107 クリーニング手段
108 除電手段(除電部材)
31 導電性支持体
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
39 中間層
41 保護層
43 電荷ブロッキング層
45 モアレ防止層
Claims (22)
- 支持体上に電荷発生層と電荷輸送層とからなる感光層を有する静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段と、静電潜像担持体の残留電荷を光除電する除電手段とを少なくとも有する画像形成装置において、
前記静電潜像形成手段は、前記静電潜像担持体表面を帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体表面に静電潜像を形成する露光器とを有し、
該露光器は、発振波長が780nmのレーザーダイオードを有し、
前記除電手段は、500nmよりも短波長の波長領域にのみ発光強度を有する光を照射する光源を有し、
前記電荷発生層は、下記式(4)、(1−4)及び(3−5)のいずれかで表される多環キノン顔料から選ばれる少なくとも1つと、フタロシアニンを含有することを特徴とする画像形成装置。
- 前記フタロシアニンが、チタニルフタロシアニンであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記フタロシアニンが、ヒドロキシガリウムフタロシアニンであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記フタロシアニンが、クロロガリウムフタロシアニンであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記電荷輸送層が、光除電の照射光を30%以上透過することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記電荷輸送層に、トリアリールアミン構造を有する電荷輸送物質を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記電荷輸送物質が、下記式(5)で表される電荷輸送物質であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
(式中、R301、R303及びR304は水素原子、アミノ基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、メチレンジオキシ基、無置換のアルキル基、ハロゲン原子又は置換もしくは無置換のアリール基を、R302は水素原子、アルコキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子を表す。またk、l、m及びnは1、2、3又は4の整数であり、各々が2、3又は4の整数の時は前記R301、R302、R303及びR304は同一でも異なっていてもよい。) - 前記電荷輸送層が、トリアリールアミン構造を主鎖及び側鎖の少なくともいずれかに含むポリカーボネートを含有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記電荷輸送層上に、保護層を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記保護層が、光除電の照射光を30%以上透過することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
- 前記保護層が、比抵抗1010Ω・cm以上の無機顔料あるいは金属酸化物から選択される少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項9又は10に記載の画像形成装置。
- 前記保護層が、少なくとも電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーと、1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成されたものであることを特徴とする請求項9又は10に記載の画像形成装置。
- 前記保護層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、下記一般式(6)又は(7)の少なくとも一種以上であることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
〔式(6)、(7)中、R1は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR7(R7は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を示す。)、ハロゲン化カルボニル基若しくは−CONR8R9(R8及びR9は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。)を表し、Ar1、Ar2は置換もしくは無置換のアリーレン基を表し、同一であっても異なってもよい。Ar3、Ar4は置換もしくは無置換のアリール基を表し、同一であっても異なってもよい。Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表す。Zは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基、アルキレンオキシカルボニル2価基を表す。m、nは0〜3の整数を表す。〕 - 前記保護層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、下記一般式(8)の少なくとも一種以上であることを特徴とする請求項12又は13に記載の画像形成装置。
(式中、o、p、qはそれぞれ0又は1の整数、Raは水素原子、メチル基を表し、Rb、Rcは水素原子以外の置換基で炭素数1〜6のアルキル基を表し、複数の場合は異なってもよい。s、tは0〜3の整数を表す。Zaは単結合、メチレン基、エチレン基、あるいは下記式(a)、(b)又は(c)を表す。)
- 前記保護層の硬化手段が、加熱又は光エネルギー照射手段であることを特徴とする請求項12乃至14のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記静電潜像担持体において、支持体と電荷発生層の間に中間層が設けられ、
該中間層が、支持体から感光層への電荷注入を防止する電荷ブロッキング層と、感光層内部でのモアレ発生を防止するモアレ防止層から構成されたことを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記電荷ブロッキング層が絶縁性材料からなり、その膜厚が2.0μm未満、0.3μm以上であることを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。
- 前記モアレ防止層が無機顔料とバインダー樹脂を含有し、該無機顔料とバインダー樹脂の容積比が1/1乃至3/1の範囲であることを特徴とする請求項16又は17に記載の画像形成装置。
- 少なくとも静電潜像担持体、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段、及び除電手段を有する画像形成要素を複数備えたことを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載の画像形成装置。
- 静電潜像担持体と、静電潜像形成手段、現像手段、除電手段及びクリーニング手段から選択される1つ以上の手段とが一体となり、装置本体と着脱自在なプロセスカートリッジを搭載していることを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載の画像形成装置。
- 支持体上に電荷発生層と電荷輸送層とからなる感光層を有する静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、
該可視像を記録媒体に転写する転写工程と、
記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程と、
静電潜像担持体の残留電荷を光除電する除電工程とを少なくとも有する画像形成方法であって、
前記静電潜像形成工程は、前記静電潜像担持体表面を帯電器で帯電させた後、発振波長が780nmのレーザーダイオードを有した露光器による露光で静電潜像を形成する工程であり、
前記除電工程は、500nmよりも短波長の波長領域にのみ発光強度を有する光を照射して除電する工程であると共に、前記静電潜像形成工程において静電潜像が形成される静電潜像担持体の前記電荷発生層は、下記式(4)、(1−4)及び(3−5)のいずれかで表される多環キノン顔料から選ばれる少なくとも1つと、フタロシアニンを含有することを特徴とする画像形成方法。
- 前記静電潜像形成工程、現像工程、転写工程、及び除電工程を有する画像形成工程を複数備えたことを特徴とする請求項21に記載の画像形成方法。
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