JP4615426B2 - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
従って、帯電前の感光体表面電位(表面電荷)を如何に均一化するかが鍵であり、除電工程は高画質化のためには非常に重要な役割を担うようになってきた。
上述のように、近年ではデジタル方式の画像形成装置が主流となっており、上述した理由から、その際に用いられる現像方式としてはネガ・ポジ現像が用いられる。従来用いられていたアナログ方式におけるポジ・ポジ現像の場合と比べて、除電における意味合いが非常に大きく異なっている。
更に、特許文献12には、フタロシアニン化合物を含有する感光体に対して、蛍光灯による除電を行うことが記載されている。
画像形成装置における繰り返し使用において、感光体の静電特性以外の形状・物性に影響をなるべく与えないように、現像、転写およびクリーニング部材を外した状態で、帯電、書き込み、除電だけを印加する状態で、感光体の静電疲労試験を実施した。
(1)書き込み光による書き込み率を変化させ、その際の感光体通過電荷量を測定した。
(2)書き込みを行わず、除電光のみで表面電荷を消去して、感光体の通過電荷量を測定した。
(1)感光体の残留電位上昇は、感光体の通過電荷量に依存する。書き込み率を変えた場合でも、通過電荷量で整理すると残留電位上昇量が一様に揃う。
(2)感光体の通過電荷量は、画像形成1サイクルにおける光照射量に依存する。書き込み、除電に依らず、光照射量(正確には感光体光吸収量)に依存する。
(3)ネガ・ポジ現像の場合には、光照射量のうち、大半は光除電により照射量が与えられる。
この状態で静電疲労試験を実施すると、感光体の残留電位上昇量が非常に小さくなり、書き込み率に依存した大きさになり、除電の影響は全く現れなくなった。
(4)除電前に感光体表面電位を低下させておくと、残留電位上昇が起こりにくくなる。言い換えれば、除電突入時に感光体表面電位が低ければ、除電光の照射は、残留電位上昇に寄与しない。
(5)逆バイアスを印加し、除電前に感光体表面電位を低下させた場合でも、上記(1)と同じく、感光体通過電荷量で残留電位上昇量が整理できる。
(1)〜(5)から、残留電位上昇は感光体の通過電荷量に依存するが、そのほとんどが除電工程にて生成されており、除電工程を如何に制御するかが、残留電位上昇をコントロールする一つの鍵となる。
従って、ターゲットとする画像形成装置に搭載される感光体の通過電荷量は、極端に大きく変化せず、光照射量に大きく依存することになる。
(1)電荷輸送層に光の一部が吸収されてしまうため、電荷発生層に十分な光が届かない場合が存在し、光量を非常に大きくしなければならない場合が存在した。
(2)電荷輸送物質が除電光を吸収した結果、電荷輸送物質が劣化し、感光体の静電特性に影響を与える場合が存在した。
上述のような知見を得て、本発明者は本発明を完成するに至った。
本発明者は、特定の電荷輸送層(電荷輸送層が除電光に対して30%以上の透過率を有する)を使用することにより、これを用いた感光体の繰り返し使用における静電特性の劣化を大きく制御できることを見いだした。
(1)静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、静電潜像担持体の残留電荷を光除電する除電手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記除電手段が500nmよりも短波長の光を照射する除電手段であると共に、画像書き込み光源が655nmもしくは780nmの半導体レーザーであり、前記静電潜像担持体が、支持体と、該支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とからなる感光層を有し、該電荷発生層中に有機電荷発生物質を含有し、かつ電荷輸送層が除電光に対して30%以上の透過率を有することを特徴とする画像形成装置。
(3)前記アゾ顔料のCp1とCp2が互いに異なるものであることを特徴とする前記第(2)項に記載の画像形成装置。
(6)前記保護層が除電光を30%以上透過することを特徴とする前記第(5)項に記載の画像形成装置。
(7)前記保護層が、比抵抗1010Ω・cm以上の無機顔料及び金属酸化物から選択される少なくともいずれかを含むことを特徴とする前記第(5)項又は第(6)項に記載の画像形成装置。
(8)前記保護層が、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成されることを特徴とする前記第(5)項又は第(6)項に記載の画像形成装置。
(13)前記電荷ブロッキング層が絶縁性材料からなり、その膜厚が2.0μm未満、0.3μm以上であることを特徴とする前記第(12)項に記載の画像形成装置。
(14)前記モアレ防止層が無機顔料とバインダー樹脂を含有し、両者の容積比が1/1乃至3/1の範囲であることを特徴とする前記第(12)項又は第(13)項に記載の画像形成装置。
(16)静電潜像担持体と、静電潜像形成手段、現像手段、除電手段及びクリーニング手段から選択される1つ以上の手段とが一体となり、装置本体と着脱自在なプロセスカートリッジを搭載していることを特徴とする前記第(1)項乃至第(15)項のいずれかに記載の画像形成装置。
従って、本発明における除電光としての500nmよりも短波長の除電光とは、500nm以上の長波長側の光を含まない光であることを示している(以降、500nm未満の除電光と記す場合がある)。
図2には、有機材料(有機電荷発生物質)の光キャリア発生機構を示す。ここまでに知られている有機材料の光キャリア発生機構は、そのほとんどが図2に示すような2段階(光励起→中間体の生成→フリーキャリアの生成)からなる反応に基づく。この際、有機電荷発生物質は光吸収し、より高い励起状態に励起されるものの、中間体の生成はある一定のエネルギーレベルから起こる。この一定のエネルギーレベルが、最低励起一重項状態(S1)である。基底状態(S0)と最低励起一重項状態(S1)の間よりも小さなエネルギー(長い波長の光)を照射された場合には、光キャリアはほとんど生成しない。
このモデルは、有機系感光体の光キャリア発生効率の波長依存性がない結果から、支持されている。
光励起により、バンドギャップに相当するエネルギーを得た電子は、価電子帯で自由に動けることが出来、フリーキャリアとして存在する。この際、伝導帯の領域では、直接イオン化して、フリーキャリアになるのが特徴である。従って、図2のようにエネルギーギャップよりも大きなエネルギーを得た場合、キャリア発生効率(イオン解離効率)が向上するが、余剰エネルギーは生じない。この点が、有機系感光体の光キャリア発生機構と大きく異なる点である。
このような無機系のモデルは、無機系感光体のキャリア発生効率が励起光に対する波長依存性を示す結果からも支持されている。
即ち、上述のように除電工程における光キャリア発生において、有機系感光体の場合には除電光波長に対するキャリア発生量は変わらないが(量子効率の波長依存性がない)、キャリア1つが発生した際の余剰エネルギーが波長依存性を有する。つまり、除電光波長が短いほど、感光体内部に発生する余剰エネルギー量が多くなる。
従って、本発明のように500nmよりも短波長の除電光を照射した場合に、有機系感光体では、従来のような可視光領域の除電を行う場合と比較して、キャリア発生量が変わらないものの、余剰エネルギーを多く獲得することが出来る。この余剰エネルギーを利用して、感光層内にトラップされた電荷を脱トラップする活性化エネルギーとして利用するものである。
本発明の画像形成装置は、少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とからなる積層感光層を有する静電潜像担持体における電荷発生層に有機電荷発生物質を含有し、かつ電荷輸送層が除電光に対して30%以上の透過率を有する静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段、500nmよりも短波長の光源を有する除電手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
前記静電潜像担持体としては、電荷発生層に有機電荷発生物質を含有し、かつ電荷輸送層が除電光に対して30%以上の透過率を有することを必須要件とする以外は、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。前記支持体としては、導電性を有する導電性支持体が好ましい。
図4は、本発明に用いられる電子写真感光体の構成例を示す断面図であり、支持体(31)上に、電荷発生物質として少なくとも有機電荷発生物質を主成分とする電荷発生層(35)と、除電光に対して30%以上の透過率を有する電荷輸送層(37)とが、積層された構成をとっている。
中でも、成膜性、環境安定性、溶剤耐性の点などから、ポリアミドが最も良好に用いられる。
有機電荷発生物質としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
即ち、出来る限り粒子を微細にした分散液を作製後、適当なフィルターで濾過してしまう方法である。分散液の作製に関しては一般的な方法が用いられ、有機電荷発生物質を必要に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル、超音波などを用いて分散することで得られるものである。この際、バインダー樹脂は感光体の静電特性などにより、また溶媒は顔料へのぬれ性、顔料の分散性などにより選択すればよい。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は5〜100μm程度とすることが好ましい。
本発明に用いられる有効な保護層としては、大別すると、2つのタイプが挙げられる。1つは、バインダー樹脂中にフィラーを添加した構成である。いま1つは、架橋型バインダーを用いたものである。
保護層に使用される材料としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。中でも、ポリカーボネートもしくはポリアリレートが最も良好に使用できる。
ここで、本発明におけるフィラーのpHは、ゼータ電位から等電点におけるpH値を記載した。この際、ゼータ電位の測定は、大塚電子(株)製レーザーゼータ電位計にて測定した。
このような保護層の形成法としては通常の塗布法が採用される。尚、上述した保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当である。
架橋構造の形成に関しては、1分子内に複数個の架橋性官能基を有する反応性モノマーを使用し、光や熱エネルギーを用いて架橋反応を起こさせ、3次元の網目構造を形成するものである。この網目構造がバインダー樹脂として機能し、高い耐摩耗性を発現するものである。
特定の架橋型保護層とは、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成される保護層である。3官能以上のラジカル重合性モノマーを硬化した架橋構造を有するため3次元の網目構造が発達し、架橋密度が非常に高い高硬度且つ高弾性な表面層が得られ、かつ均一で平滑性も高く、高い耐摩耗性、耐傷性が達成される。この様に感光体表面の架橋密度すなわち単位体積あたりの架橋結合数を増加させることが重要であるが、硬化反応において瞬時に多数の結合を形成させるため体積収縮による内部応力が発生する。この内部応力は架橋型保護層の膜厚が厚くなるほど増加するため保護層全層を硬化させると、クラックや膜剥がれが発生しやすくなる。この現象は初期的に現れなくても、電子写真プロセス上で繰り返し使用され帯電、現像、転写、クリーニングのハザード及び熱変動の影響を受けることにより、経時で発生しやすくなることもある。
本発明に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しておらず、且つラジカル重合性官能基を3個以上有するモノマーを指す。このラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であれば何れでもよい。これらラジカル重合性官能基としては、例えば、下記に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基等が挙げられる。
CH2=CH−X1− ・・・・式10
(ただし、式10中、X1は、置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、−CON(R10)−基(R10は、水素、メチル基、エチル基等のアルキル基、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を表す。)、または−S−基を表す。)
これらの官能基を具体的に例示すると、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基等が挙げられる。
CH2=C(Y)−X2− ・・・・式11
(ただし、式11中、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基あるいはエトキシ基等のアルコキシ基、−COOR11基(R11は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル、フェネチル基等のアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、または−CONR12R13(R12およびR13は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、あるいはフェネチル基等のアラルキル基、または置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表し、互いに同一または異なっていてもよい。)、また、X2は上記式10のX1と同一の置換基及び単結合、アルキレン基を表す。ただし、Y、X2の少なくとも何れか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、及び芳香族環である。)
これらの官能基を具体的に例示すると、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基等が挙げられる。
すなわち、本発明において使用する上記ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシ変性(以後EO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシ変性(以後PO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンカプロラクトン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、グリセロールエピクロロヒドリン変性(以後ECH変性)トリアクリレート、グリセロールEO変性トリアクリレート、グリセロールPO変性トリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、リン酸EO変性トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられ、これらは、単独又は2種類以上を併用しても差し支えない。
前記一般式(1)、(2)において、R1の置換基中、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等がそれぞれ挙げられ、これらは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等により置換されていても良い。
R1の置換基のうち、特に好ましいものは水素原子、メチル基である。
該縮合多環式炭化水素基としては、好ましくは環を形成する炭素数が18個以下のもの、例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、及びナフタセニル基等が挙げられる。
複素環基としては、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、及びチアジアゾール等の1価基が挙げられる。
(1)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等。
(2)アルキル基、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基であり、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
(5)アルキルメルカプト基またはアリールメルカプト基であり、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
(8)置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等。
前記Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。
置換もしくは無置換のアルキレン基としては、前記Xのアルキレン基と同様なものが挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基としては、前記Xのアルキレンエーテル2価基が挙げられる。
アルキレンオキシカルボニル2価基としては、カプロラクトン2価変性基が挙げられる。
上記一般式で表わされる化合物としては、Rb、Rcの置換基として、特にメチル基、エチル基である化合物が好ましい。
但し、1官能及び2官能のラジカル重合性モノマーやラジカル重合性オリゴマーを多量に含有させると架橋型保護層の3次元架橋結合密度が実質的に低下し、耐摩耗性の低下を招く。このためこれらのモノマーやオリゴマーの含有量は、3官能以上のラジカル重合性モノマー100重量部に対し50重量部以下、好ましくは30重量部以下であればより好ましい。
UV照射の場合、メタルハライドランプ等を用いるが、照度は50mW/cm2以上、1000mW/cm2以下、時間としては5秒から5分程度が好ましく、ドラム温度は50℃を越えないように制御する。
熱硬化の場合、加熱温度は100〜170℃が好ましく、例えば加熱手段として送風型オーブンを用い、加熱温度を150℃に設定した場合、加熱時間は20分〜3時間である。
硬化終了後は、さらに残留溶媒低減のため100〜150℃で10分〜30分加熱して、本発明の感光体を得る。
保護層の透過率は電荷輸送層と同様な方法で測定される。即ち、感光体に使用する保護層を単独で形成し、これを市販の分光光度計により分光吸収スペクトルを測定する。スペクトルから画像形成装置に使用する除電光の波長における透過率を求めることにより得られる。
この様な場合に透過率は、電荷輸送層と保護層を積層した状態の塗膜を上述のように分光吸収スペクトルを測定することにより求めることが出来る。
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2'−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3'−ビス(4'−ヒドロキシ−3'−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類など。
N−フェニル−N'−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジメチル−N,N'−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
ジラウリル−3,3'−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3'−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3'−チオジプロピオネートなど。
(有機燐化合物類)
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
<数式(1)>
電界強度(V/μm)=SV/G
ただし、前記数式(1)中、SVは、現像位置における静電潜像担持体の未露光部における表面電位の絶対値(V)を表す。Gは、少なくとも感光層(電荷発生層及び電荷輸送層)を含む感光層の膜厚(μm)を表す。
使用する光源(書き込み光)の解像度により、形成される静電潜像ひいてはトナー像の解像度が決定され、解像度が高いほど鮮明な画像が得られる。しかしながら、解像度を高くして書き込みを行うとそれだけ書き込みに時間がかかることになるため、書き込み光源が1つであると書き込みがドラム線速(プロセス速度)の律速になってしまう。従って、書き込み光源が1つの場合には2400dpi程度の解像度が上限となる。書き込み光源が複数の場合には、それぞれが書き込み領域を負担すれば良く、実質的には「2400dpi×書き込み光源個数」が上限となる。これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザーは照射エネルギーが高く、良好に使用される。
前記現像は、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成することにより行うことができる。前記トナーは、感光体の帯電極性と同極性のトナーを用いられ、反転現像(ネガ・ポジ現像)によって、静電潜像が現像される。また、トナーのみで現像を行う1成分方式と、トナー及びキャリアからなる2成分現像剤を使用した2成分方式の2通りの方法があるが、いずれの場合にも良好に使用できる。
前記転写手段は、前記可視像を記録媒体に転写する手段であるが、感光体表面から記録媒体に可視像を直接転写する方法と、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する方法がある。いずれの態様も良好に使用することができるが、高画質化に際して転写による悪影響が大きいような場合には、転写回数が少ない前者(直接転写)の方法が好ましい。
この通過電荷量とは、感光体の膜厚方向を流れる電荷量に相当する。感光体の画像形成装置中の動作として、メイン帯電器により所望の帯電電位に帯電され(ほとんどの場合負帯電される)、原稿に応じた入力信号に基づき光書き込みが行われる。この際、書き込みが行われた部分は光キャリアが発生し、表面電荷を中和する(電位減衰する)。この時、光キャリア発生量に依存した電荷量が感光体膜厚方向に流れる。一方、光書き込みが行われない領域(非書き込み部)は、現像工程及び転写工程を経て、除電工程に進む(必要に応じて、その前にクリーニング工程が施される)。ここで、感光体の表面電位がメイン帯電により施された電位に近い状態(暗減衰分は除く)であると、光書き込みが行われた領域とほぼ同じ量の電荷量が感光体膜厚方向に流れることになる。一般的に、現在の原稿は書き込み率が低いため、この方式であると、繰り返し使用における感光体の通過電荷量は除電工程で流れる電流がほとんどと言うことになる(書き込み率が10%であるとすると、除電工程で流れる電流は、全体の9割を占めることになる)。
以上のような制御を加えることは、本発明における効果を顕著なものとして、有効に使用できるものである。
前記定着は、記録媒体に転写された可視像を、定着装置を用いて定着され、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせ、などが挙げられる。前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電手段としては、500nm未満(好ましくは480nm未満、より好ましくは450nm未満)の波長を有し、前記静電潜像担持体に対し除電を行うことが出来れば良く、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等が好適に挙げられる。
また、上記材料を用いたLEDランプ等も上市されており、これらも有効に使用することが出来る。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記制御手段は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
図11は、本発明の画像形成装置を説明するための概略図であり、後に示すような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図11において、静電潜像担持体としての感光体(1)は支持体上に少なくとも有機系電荷発生物質を含有する電荷発生層と、除電光に対して30%以上の透過率を有する電荷輸送層からなる積層感光層が設けられてなる。感光体(1)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
また上述のように発振波長が、450nmより短波長のレーザー光を用いることは有効な手段である。
現像ユニット(6)では、感光体の帯電極性と同極性のトナーが使用され、反転現像(ネガ・ポジ現像)によって、静電潜像が現像される。先の画像露光部に使用する光源によっても異なるが、近年使用するデジタル光源の場合には、一般的に画像面積率が低いことに対応して、書込部分にトナー現像を行う反転現像方式が光源の寿命等を考慮すると有利である。また、トナーのみで現像を行う1成分方式と、トナー及びキャリアからなる2成分現像剤を使用した2成分方式の2通りの方法があるが、いずれの場合にも良好に使用できる。
このような転写部材は、構成上、本発明の構成を満足できるものであれば、公知のものを使用することができる。
使用する波長の下限値としては、感光体に使用される電荷輸送層や保護層の透過率によって異なるが、概ね300〜350nmが下限となる。
また、現像ユニット(6)により感光体(1)上に現像されたトナーは、転写紙(9)に転写されるが、感光体(1)上に残存するトナーが生じた場合、ファーブラシ(14)及びクリーニングブレード(15)により、感光体より除去される。クリーニングは、クリーニングブラシだけで行われることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
図12において、符号(16Y)、(16M)、(16C)、(16K)はドラム状の感光体であり、感光体は支持体上に少なくとも有機系電荷発生物質を含有する電荷発生層と、除電光に対して30%以上の透過率を有する電荷輸送層からなる積層感光層が設けられてなる。
続いて、500nmよりも短波長の光源を有する除電部材(27Y)、(27M)、(27C)、(27K)により、感光体上の余分な残留電荷が除去される。この後再び、帯電器で均一に帯電が施されて、次の画像形成が行われる。
まず、本発明に用いたアゾ顔料及びチタニルフタロシアニン結晶の合成方法について述べる。以下の実施例で使用するアゾ顔料は、特公平60−29109号公報及び特許第3026645号公報に記載の方法に準じて作製したものである。また、チタニルフタロシアニン結晶は、以下に示すように特開2001−19871号公報及び特開2004−83859号公報に準じて作製した。
(合成例1)
特開2001−19871号公報、合成例1に準じて、顔料を作製した。即ち、1,3−ジイミノイソインドリン29.2gとスルホラン200mlを混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド20.4gを滴下する。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行った。反応終了後、放冷した後、析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、次にメタノールで数回洗浄し、更に80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。粗チタニルフタロシアニンを20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の氷水に撹拌しながら滴下し、析出した結晶を濾過し、次いで、洗浄液が中性になるまでイオン交換水(pH:7.0、比伝導度:1.0μS/cm)により水洗いを繰り返し(洗浄後のイオン交換水のpH値は6.8、比伝導度は2.6μS/cmであった)、チタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキ(水ペースト)を得た。得られたこのウェットケーキ(水ペースト)40gをテトラヒドロフラン200gに投入し、4時間攪拌を行った後、濾過を行い、乾燥して、チタニルフタロシアニン粉末を得た。これを顔料1とする。
前記ウェットケーキの固形分濃度は、15質量%であった。結晶変換溶媒は、前記ウェットケーキに対する質量比で33倍の量を用いた。なお、合成例1の原材料には、ハロゲン含有化合物を使用していない。
X線管球:Cu
電圧:50kV
電流:30mA
走査速度:2°/分
走査範囲:3°〜40°
時定数:2秒
−チタニルフタロシアニン結晶の合成−
特開2004−83859号公報、実施例1の方法に従って、チタニルフタロシアニン顔料の水ペーストを合成し、次のように結晶変換を行い、先の合成例1よりも一次粒子の小さなフタロシアニン結晶を得た。
先の合成例1で得られた結晶変換前の水ペースト60質量部にテトラヒドロフラン400質量部を加え、室温下でホモミキサー(ケニス、MARKIIfモデル)により強烈に撹拌(2000rpm)し、ペーストの濃紺色の色が淡い青色に変化したら(撹拌開始後20分)、撹拌を停止し、直ちに減圧濾過を行った。濾過装置上で得られた結晶をテトラヒドロフランで洗浄し、顔料のウェットケーキを得た。これを減圧下(5mmHg)、70℃で2日間乾燥して、チタニルフタロシアニン結晶8.5質量部を得た。これを顔料2とする。合成例2の原材料には、ハロゲン含有化合物を使用していない。前記ウェットケーキの固形分濃度は、15質量%であった。結晶変換溶媒は、前記ウェットケーキに対する質量比で44倍の量を用いた。
合成例1で作製した顔料1を下記組成の処方にて、下記に示す条件にて分散を行い電荷発生層用塗工液として、分散液を作製した。
チタニルフタロシアニン顔料(顔料1) 15部
ポリビニルブチラール(積水化学製:BX−1) 10部
2−ブタノン 280部
市販のビーズミル分散機に直径0.5mmのPSZボールを用い、ポリビニルブチラールを溶解した2−ブタノン及び顔料を全て投入し、ローター回転数1200r.p.m.にて30分間分散を行い、分散液を作製した。これを分散液1とした。
分散液作製例1で使用した顔料1に変えて、合成例2で作製した顔料2を使用して、分散液作製例1と同じ条件にて分散液を作製した。これを分散液2とした。
分散液作製例1で作製した分散液1を、アドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−1−CS(有効孔径1μm)を用いて、濾過を行った。濾過に際しては、ポンプを使用し、加圧状態で濾過を行った。これを分散液3とした。
分散液作製例3で使用したフィルターを、アドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−3−CS(有効孔径3μm)に変えた以外は、分散液作製例3と同様に加圧濾過を行い分散液を作製した。これを分散液4とした。
下記組成の処方にて、下記に示す条件にて分散を行い、電荷発生層用塗工液として、分散液を作製した。
下記構造のアゾ顔料 5部
シクロヘキサノン 250部
2−ブタノン 100部
ボールミル分散機に直径10mmのPSZボールを用い、ポリビニルブチラールを溶解した溶媒およびアゾ顔料を全て投入し、回転数85r.p.m.にて7日間分散を行ない、分散液を作製した(分散液5とする)。
分散液作製例5で使用したアゾ顔料を下記構造のものに変更した以外は、分散液作製例5と同様に分散液を作製した(分散液6とする)。
φ30mmのアルミドラム(JIS 1050)上に、下記組成の中間層塗工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥し、3.5μmの中間層、0.5μmの電荷発生層、25μmの電荷輸送層を形成し、積層感光体を作製した(電子写真感光体1とする)。
◎中間層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 112部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 260部
◎電荷発生層塗工液
先に作製した分散液1を用いた。
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
以上のように作製した電子写真感光体1を図11に示すような画像形成装置に搭載し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材としてスコロトロン帯電器、転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として428nmLED(ローム製:半値幅65nm)を用いた。試験前のプロセス条件が下記になるように設定し、書き込み率6%のチャート(A4全面に対して、画像面積として6%相当の文字が平均的に書かれている)を用い、連続3万枚印刷を行った。
感光体帯電電位(未露光部電位): −900V
現像バイアス: −650V(ネガ・ポジ現像)
除電後表面電位(書き込み光未露光部): −100V
測定方法としては、図11に示す現像部位置に、表面電位計を搭載し、感光体を−900Vに帯電した後、上記半導体レーザーでベタ書込みを行ない、現像部位における未露光部表面電位及び露光部電位を測定した。結果を表3に示す。
実施例1における除電光源として、472nmLED(星和電機製:半値幅15nm)に変更した以外は、実施例1と同様に評価を行った。除電後の感光体表面電位が、実施例1の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を表3に示す。
実施例1における除電光源として、502nmLED(星和電機製:半値幅15nm)に変更した以外は、実施例1と同様に評価を行った。除電後の感光体表面電位が、実施例1の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を表3に示す。
実施例1における除電光源として、591nmLED(ローム製:半値幅15nm)に変更した以外は、実施例1と同様に評価を行った。除電後の感光体表面電位が、実施例1の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を表3に示す。
実施例1における除電光源として、630nmLED(ローム製:半値幅20nm)に変更した以外は、実施例1と同様に評価を行った。除電後の感光体表面電位が、実施例1の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を表3に示す。
実施例1における除電光源として、蛍光灯(図1に示す発光スペクトルを有する)に変更した以外は、実施例1と同様に評価を行った。除電後の感光体表面電位が、実施例1の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を表3に示す。
尚、比較例4において用いた除電光は、図1に示すように単色光ではなく、電荷輸送層透過率は、波長により変化するため特に表記せず、「−」とした。以下蛍光灯を用いた場合は電荷輸送層透過率を同様に「−」とした。
実施例1における除電光源として、428nmLED(ローム製:半値幅65nm)及び630nmLED(ローム製:半値幅20nm)の2つを用いてほぼ同等の光量を同時に照射するように変更した以外は、実施例1と同様に評価を行った。除電後の感光体表面電位が、実施例1の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を表3に示す。
また、発光分布が広く、500nm以上の長波長光の成分を含む場合(比較例4)では、実施例ほどの明確な効果が得られていない。また、露光波長の異なる2種類の光源を用いた場合(比較例5)では、短波長光源による除電の効果が低減されていることが分かる。
感光体作製例1において、電荷発生層塗工液として、先に作製した分散液2を用いた以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(電子写真感光体2とする)。
実施例1において、使用した電子写真感光体1の代わりに、電子写真感光体2を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。結果を表4に示す。
(実施例4)
実施例2において、使用した電子写真感光体1の代わりに、電子写真感光体2を用いた以外は、実施例2と同様に評価を行った。結果を表4に示す。
比較例1において、使用した電子写真感光体1の代わりに、電子写真感光体2を用いた以外は、比較例1と同様に評価を行った。結果を表4に示す。
(比較例7)
比較例2において、使用した電子写真感光体1の代わりに、電子写真感光体2を用いた以外は、比較例2と同様に評価を行った。結果を表4に示す。
比較例3において、使用した電子写真感光体1の代わりに、電子写真感光体2を用いた以外は、比較例3と同様に評価を行った。結果を表4に示す。
(比較例9)
比較例4において、使用した電子写真感光体1の代わりに、電子写真感光体2を用いた以外は、比較例4と同様に評価を行った。結果を表4に示す。
(比較例10)
比較例5において、使用した電子写真感光体1の代わりに、電子写真感光体2を用いた以外は、比較例5と同様に評価を行った。結果を表4に示す。
感光体作製例1における電荷発生層塗工液(分散液1)を、分散液3に変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(電子写真感光体3とする)。
(感光体作製例4)
感光体作製例1における電荷発生層塗工液(分散液1)を、分散液4に変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(電子写真感光体4とする)。
実施例1と同じ条件で、電子写真感光体1の代わりに電子写真感光体3を用いて評価を行った。また、3万枚の画像出力後に、白ベタの画像を出力して、地汚れの評価を実施した。実施例1及び3の結果と併せて表5に示す。
(実施例6)
実施例1と同じ条件で、電子写真感光体1の代わりに電子写真感光体4を用いて評価を行った。また、3万枚の画像出力後に、白ベタの画像を出力して、地汚れの評価を実施した。結果を表5に示す。
地汚れ評価は、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。ランクは、4段階にて行い、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。
感光体作製例1における電荷輸送層塗工液を、下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(電子写真感光体5とする)。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
以上のように作製した電子写真感光体5を図11に示すような画像形成装置に搭載し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材としてスコロトロン帯電器、転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として下記のものを用いた。試験前のプロセス条件が下記になるように設定し、書き込み率6%のチャート(A4全面に対して、画像面積として6%相当の文字が平均的に書かれている)を用い、連続3万枚印刷を行った。
感光体帯電電位(未露光部電位): −900V
現像バイアス: −650V(ネガ・ポジ現像)
除電後表面電位(書き込み光未露光部): −100V
除電光源:キセノンランプに分光器を組み合わせて410nmの単色光を作り、これ
を光ファイバーによって画像形成装置に導き、スリット状の光を除電部に
て感光体表面に照射した。
測定方法としては、図11に示す現像部位置に、表面電位計を搭載し、感光体を−900Vに帯電した後、上記半導体レーザーでベタ書込みを行ない、現像部位における未露光部表面電位及び露光部電位を測定した。
また、実施例1と同様に、除電光波長における電荷輸送層の透過率を測定した。
結果を表6に示す。
実施例7における除電光波長を、404nmに変更した以外は、実施例7と同様に評価を行った。結果を表6に示す。
(比較例11)
実施例7における除電光波長を、401nmに変更した以外は、実施例7と同様に評価を行った。結果を表6に示す。
感光体作製例1における電荷輸送層塗工液を、下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(電子写真感光体6とする)。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
以上のように作製した電子写真感光体6を用い、除電光波長を440nmとした以外は、実施例7と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
(実施例10)
実施例9における除電光波長を、435nmに変更した以外は、実施例9と同様に評価を行った。結果を表7に示す。
実施例9における除電光波長を、433nmに変更した以外は、実施例9と同様に評価を行った。結果を表7に示す。
感光体作製例1における電荷輸送層の膜厚を22μmとし、電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を塗布乾燥し、3μmの保護層を設けた以外は感光体作製例1と同様に感光体を作製した(電子写真感光体7とする)。
◎保護層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
(比抵抗:2.5×1012Ω・cm、平均一次粒径:0.4μm)
シクロヘキサノン 500部
テトラヒドロフラン 150部
感光体作製例7における保護層塗工液中のアルミナ微粒子を以下のものに変更した以外は、感光体作製例7と同様に感光体を作製した(電子写真感光体8とする)。
酸化チタン微粒子 4部
(比抵抗:1.5×1010Ω・cm、平均一次粒径:0.5μm)
感光体作製例7における保護層塗工液中のアルミナ微粒子を以下のものに変更した以外は、感光体作製例7と同様に感光体を作製した(電子写真感光体9とする)。
酸化錫−酸化アンチモン粉末 4部
(比抵抗:106Ω・cm、平均一次粒径0.4μm)
感光体作製例7における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例7と同様に電子写真感光体を作製した(電子写真感光体10とする)。
◎保護層塗工液
下記構造式の高分子電荷輸送物質 17部
(重量平均分子量:約140000)
(比抵抗:2.5×1012Ω・cm、平均一次粒径:0.4μm)
シクロヘキサノン 500部
テトラヒドロフラン 150部
感光体作製例7における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例7と同様に電子写真感光体を作製した(電子写真感光体11とする)。
◎保護層塗工液
メチルトリメトキシシラン 100部
3%酢酸 20部
下記構造の電荷輸送性化合物 35部
硬化剤(ジブチル錫アセテート) 1部
2−プロパノール 200部
感光体作製例7における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例7と同様に電子写真感光体を作製した(電子写真感光体12とする)。
◎保護層塗工液
メチルトリメトキシシラン 100部
3%酢酸 20部
下記構造の電荷輸送性化合物 35部
(比抵抗:2.5×1012Ω・cm、平均一次粒径:0.4μm)
酸化防止剤(サノール LS2626:三共化学社製) 1部
ポリカルボン酸化合物 BYK P104:ビックケミー社製 0.4部
硬化剤(ジブチル錫アセテート) 1部
2−プロパノール 200部
感光体作製例7における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例7と同様に電子写真感光体を作製した(電子写真感光体13とする)。
◎保護層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
{トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99}
下記構造の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 10部
(例示化合物No.54)
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン 100部
保護層は、スプレー塗工してから20分間自然乾燥した後、メタルハライドランプ:160W/cm、照射強度:500mW/cm2、照射時間:60秒の条件で光照射を行うことによって塗布膜を硬化させた。
感光体作製例13において、保護層塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のラジカル重合性モノマーに変更した以外は、すべて感光体作製例13と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体14とする)。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
(ペンタエリスリトールテトラアクリレート(SR−295、化薬サートマー製)
分子量:352、官能基数:4官能、分子量/官能基数=88)
感光体作製例13の保護層塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記の電荷輸送性構造を有さない2官能のラジカル重合性モノマー10部に換えた以外は、すべて感光体作製例13と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体15とする)。
電荷輸送性構造を有さない2官能のラジカル重合性モノマー 10部
(1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(和光純薬製)
分子量:226、官能基数:2官能、分子量/官能基数=113)
感光体作製例13において、保護層塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のラジカル重合性モノマーに換えた以外は、すべて感光体作製例13と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体16とする)。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
(カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPCA−120、日本化薬製)
分子量:1947、官能基数:6官能、分子量/官能基数=325)
感光体作製例13の保護層塗工液に含有される1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を下記構造式に示される2官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物10部に換えた以外は感光体作製例13と同様に電子写真感光体を作製した(電子写真感光体17とする)。
感光体作製例13において、保護層塗工液を下記組成に換えた以外は、感光体作製例13と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体18とする)。
◎保護層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 6部
{トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99}
下記構造の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 14部
(例示化合物No.54)
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン 100部
感光体作製例13において、保護層塗工液を下記組成に換えた以外は、感光体作製例13と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体19とする)。
◎保護層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 14部
{トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99}
下記構造の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 6部
(例示化合物No.54)
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン 100部
感光体作製例13において、保護層塗工液を下記組成に換えた以外は、感光体作製例13と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体20とする)。
◎保護層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 2部
{トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99}
下記構造の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 18部
(例示化合物No.54)
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン 100部
感光体作製例13において、保護層塗工液を下記組成に換えた以外は、感光体作製例13と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体21とする)。
◎保護層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 18部
{トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99}
下記構造の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 2部
(例示化合物No.54)
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン 100部
以上のように作製した電子写真感光体1を図11に示すような画像形成装置に搭載し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材としてスコロトロン帯電器、転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として472nm(星和電機製:半値幅15nm)を用いた。試験前のプロセス条件が下記になるように設定し、書き込み率6%のチャートを用い、連続5万枚印刷を行った。
感光体帯電電位(未露光部電位): −900V
現像バイアス: −650V(ネガ・ポジ現像)
除電後表面電位(書き込み光未露光部): −100V
また、実施例1と同様に、除電光波長における電荷輸送層の透過率を測定した。
(1)表面電位測定
評価は、5万枚の画像印刷前後における感光体露光部電位を測定した。
測定方法としては、図11に示す現像部位置に、表面電位計を搭載し、感光体を−900Vに帯電した後、上記半導体レーザーでベタ書込みを行ない、現像部位における未露光部表面電位及び露光部電位を測定した。結果を表8に示す。
また、5万枚の画像出力後(表面電位測定終了後)に、白ベタの画像を出力して、地汚れの評価を実施した(22℃−50%RH)。地汚れ評価は、前述の4段階のランク評価にて、評価を実施した。結果を表8に示す。
更に、地汚れ評価後に、低温低湿環境下(10℃、15%RH)で、図16に示すようなテストチャートを用い、実施例1と同じ条件下で、黒ベタ部から白ベタ部の方向で画像出力し、連続50枚の印刷を実施し、クリーニング性の評価を実施した。この際、50枚目の白ベタ部の画像を目視にて評価した。評価は4段階にて行ない、極めて良好なもの(クリーニング不良全くなし)を◎、良好なもの(うっすらと黒スジが入るレベル、長手方向で1〜2カ所)を○、やや劣るもの(うっすらと黒スジが入るレベル、長手方向で3〜4カ所)を△、非常に悪いもの(明確に黒スジが入るレベル)を×で表わした。結果を表8に示す。
先のクリーニング性試験に引き続き、高温高湿環境(30℃−90%RH)にて、更に1000枚の通紙試験(先の6%チャーと使用)を行い、1000枚通紙後に1ドット画像評価(独立ドットを書き込んだ画像を出力)を実施した。1ドット画像を光学顕微鏡で観察し、ドット輪郭の明確さをランク評価した。ランク評価は4段階にて行ない、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。結果を表8に示す。
感光体初期膜厚を測定し、上記(1)〜(4)の試験を全て終了した後に再び膜厚を測定した。全ての試験前後における膜厚の差(摩耗量)を評価した。尚、膜厚の測定は、感光体長手方向の両端5cmを除き、1cm間隔に測定し、その平均値を膜厚とした。
実施例11と同じ条件で、上述のように作製した電子写真感光体7〜21を評価した。結果を表8に示す。表8には実施例番号に対応する使用した電子写真感光体番号も併せて記載する。
また、除電光波長における保護層透過率(%)を測定するために、各電子写真感光体の保護層塗工液を用い、ポリエチレンテレフタレートフィルムを巻き付けたφ30mmのアルミドラム(JIS 1050)を準備し、保護層だけ設けた。これを適当な大きさに切り出して、市販の分光光度計(島津:UV−3100)にて、保護層の除電光波長における透過率を測定した。結果を表8に示す。
保護層を設けた場合でも、500nmよりも短波長の光源にて除電を行うことにより、残留電位上昇防止の効果が認められる。
保護層を設けることにより(実施例12〜26)、設けない場合(実施例11)に比べて、耐摩耗性が向上する。
無機顔料(金属酸化物)を含有する保護層を設けた場合(実施例12〜14)のうち、比抵抗が1010Ω・cm以上の無機顔料(金属酸化物)を含有することにより、高温高湿下でもドット再現性がそれほど低下しない(実施例12、13)。
架橋構造を保護層中に有することにより、有さない場合よりも耐摩耗性が向上する。更に、電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成された保護層を用いた場合には、より高い耐摩耗性が得られる(実施例18、19、21、23〜26)。
またこれら電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成された保護層を用いた場合には、クリーニング性も良好である。
実施例21における除電光源として、502nmLED(星和電機製:半値幅15nm)に変更した以外は、実施例21と同様に露光部電位を測定し評価を行った。除電後の感光体表面電位が、実施例21の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を表9に示す。
実施例21における除電光源として、591nmLED(ローム製:半値幅15nm)に変更した以外は、実施例21と同様に露光部電位を測定し評価を行った。除電後の感光体表面電位が、実施例21の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を表9に示す。
実施例21における除電光源として、630nmLED(ローム製:半値幅20nm)に変更した以外は、実施例21と同様に露光部電位を測定し評価を行った。除電後の感光体表面電位が、実施例21の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を表9に示す。
実施例21における除電光源として、蛍光灯(図1に示す発光スペクトルを有する)に変更した以外は、実施例21と同様に露光部電位を測定し評価を行った。除電後の感光体表面電位が、実施例21の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を表9に示す。
また、発光分布が広く、500nm以上の長波長光の成分を含む場合(比較例16)では、実施例ほどの明確な効果が得られていない。
感光体作製例16における電荷輸送層塗工液を、下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例16と同様に感光体を作製した(電子写真感光体22とする)。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
以上のように作製した電子写真感光体22を図11に示すような画像形成装置に搭載し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材としてスコロトロン帯電器、転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として下記のものを用いた。試験前のプロセス条件が下記になるように設定し、書き込み率6%のチャート(A4全面に対して、画像面積として6%相当の文字が平均的に書かれている)を用い、連続5万枚印刷を行った。
評価項目は、実施例21と同じ評価を実施した。結果を表10に示す。
感光体帯電電位(未露光部電位): −900V
現像バイアス: −650V(ネガ・ポジ現像)
除電後表面電位(書き込み光未露光部): −100V
除電光源: キセノンランプに分光器を組み合わせて410nmの単色光を作り、こ
れを光ファイバーによって画像形成装置に導き、スリット状の光を除電部
にて感光体表面に照射した。
実施例27における除電光波長を、404nmに変更した以外は、実施例27と同様に評価を行った。結果を表10に示す。
実施例27における除電光波長を、401nmに変更した以外は、実施例27と同様に評価を行った。結果を表10に示す。
感光体作製例22における電荷輸送層塗工液を、下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例22と同様に感光体を作製した(電子写真感光体23とする)。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
以上のように作製した電子写真感光体23を用い、除電光波長を440nmとした以外は、実施例27と同様の評価を行った。結果を表10に示す。
(実施例30)
実施例29における除電光波長を、435nmに変更した以外は、実施例29と同様に評価を行った。結果を表10に示す。
実施例29における除電光波長を、432nmに変更した以外は、実施例29と同様に評価を行った。結果を表10に示す。
以上のように作製した電子写真感光体16を図11に示すような画像形成装置に搭載し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材としてスコロトロン帯電器、転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として下記のものを用いた。試験前のプロセス条件が下記になるように設定し、書き込み率6%のチャートを用い、連続5万枚印刷を行った。
感光体帯電電位(未露光部電位): −900V
現像バイアス: −650V(ネガ・ポジ現像)
除電後表面電位(書き込み光未露光部): −100V
除電光源: キセノンランプに分光器を組み合わせて450nmの単色光を作り、こ
れを光ファイバーによって画像形成装置に導き、スリット状の光を除電部
にて感光体表面に照射した。
また、除電光波長における電荷輸送層及び保護層の透過率を測定した。
測定方法としては、図11に示す現像部位置に、表面電位計を搭載し、感光体を−900Vに帯電した後、上記半導体レーザーでベタ書込みを行ない、現像部位における未露光部表面電位及び露光部電位を測定した。結果を表11に示す。
更に、5万枚出力後に上記電位計測を行った後に、図17に示すようなチャート(手前半分がストライプ、後半分がハーフトーン)を出力し、ハーフトーン部における画像のムラを観察した。
実施例31における除電光波長を分光器によって400nmに変更した以外は、実施例31と同様に評価を行った。結果を表11に示す。
(実施例33)
実施例31における除電光波長を分光器によって393nmに変更した以外は、実施例31と同様に評価を行った。結果を表11に示す。
実施例31における除電光波長を分光器によって390nmに変更した以外は、実施例31と同様に評価を行った。結果を表11に示す。
(実施例35)
実施例31における除電光波長を分光器によって385nmに変更した以外は、実施例31と同様に評価を行った。結果を表11に示す。
また、図17のチャート出力において、実施例31〜33のハーフトーン部は全く正常な画像を形成したが、実施例34及び35においては、問題にならないレベルではあったが、ハーフトーン部にストライプに対応した僅かな残像が認められた。この程度は、実施例35の方が実施例34よりも悪かった。
上記の結果から、500nm未満の除電光を照射することにより、繰り返し使用後の露光部電位上昇を抑制することが出来るが、保護層の除電光に対する透過率が30%未満であると、僅かに副作用を生じる場合があることが分かる。
感光体作製例1における中間層を、電荷ブロッキング層とモアレ防止層の積層構成とした。それぞれの下記組成の電荷ブロッキング層塗工液、モアレ防止層塗工液を塗布乾燥して、1.0μmの電荷ブロッキング層、3.5μmのモアレ防止層とした以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(電子写真感光体24とする)。
◎電荷ブロッキング層塗工液
N−メトキシメチル化ナイロン(鉛市:ファインレジンFR−101) 4部
メタノール 70部
n−ブタノール 30部
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 126部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1.5/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
感光体作製例24において、電荷ブロッキング層の膜厚を0.3μmとした以外は、感光体作製例24と同様に感光体を作製した(電子写真感光体25とする)。
(感光体作製例26)
感光体作製例24において、電荷ブロッキング層の膜厚を1.8μmとした以外は、感光体作製例24と同様に感光体を作製した(電子写真感光体26とする)。
感光体作製例24において、電荷ブロッキング層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例24と同様に感光体を作製した(電子写真感光体27とする)。
◎電荷ブロッキング層塗工液
アルコール可溶性ナイロン(東レ:アミランCM8000) 4部
メタノール 70部
n−ブタノール 30部
感光体作製例24において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例24と同様に感光体を作製した(電子写真感光体28とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 252部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、3/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
感光体作製例24において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例24と同様に感光体を作製した(電子写真感光体29とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 84部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
以上のように作製した電子写真感光体24〜29を、実施例11と同じ条件下で5万枚のランニング試験を行った(評価方法、項目も同じ)。結果を実施例11の場合と比較して、表12に示す。
尚、実施例36〜41において、電子写真感光体の電荷輸送層の除電光波長における透過率は、すべて実施例11と同様100%であった。
実施例1において、画像露光光源を407nmの半導体レーザー(日亜化学製)に変更した以外は、実施例1と同様に評価を行った。結果を実施例1の場合と併せて表13に示す。
また、直径60μmの1ドット画像を形成し、実施例1の場合と比較(ドット形成状態を、150倍の顕微鏡にて観察)を行った。
感光体作製例1における電荷発生層塗工液(分散液1)を分散液5に変更し、電荷輸送層塗工液を以下の組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に電子写真感光体を作製した(電子写真感光体30とする)。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
先に作製した電子写真感光体30を図13に示すようなプロセスカートリッジに装着し、図12に示すような画像形成装置に搭載し、画像露光光源を655nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材として接触ローラー帯電器、転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として428nmLED(ローム製:半値幅 65nm)を用いた。試験前のプロセス条件が下記になるように設定し、書き込み率6%のチャート(A4全面に対して、画像面積として6%相当の文字が平均的に書かれている)を用い、連続3万枚印刷を行った。
感光体帯電電位(未露光部電位): −900V
現像バイアス: −650V(ネガ・ポジ現像)
除電後表面電位(書き込み光未露光部): −100V
また、実施例1と同様に除電光波長における電荷輸送層の透過率を測定した。
測定方法としては、図12に示す現像部位置に、表面電位計を搭載し、感光体を−900Vに帯電した後、上記半導体レーザーでベタ書込みを行ない、現像部位における未露光部表面電位及び露光部電位を測定した。結果を表14に示す。
また、3万枚の印刷前後において、ISO/JIS−SCID画像N1(ポートレート)を出力して、カラー色の再現性について評価した。
実施例43における除電光源として、472nmLED(星和電機製:半値幅15nm)に変更した以外は、実施例43と同様に評価を行った。除電後の感光体表面電位が、実施例43の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を表14に示す。
実施例43における除電光源として、502nmLED(星和電機製:半値幅15nm)に変更した以外は、実施例43と同様に評価を行った。除電後の感光体表面電位が、実施例43の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を表14に示す。
(比較例20)
実施例43における除電光源として、591nmLED(ローム製:半値幅15nm)に変更した以外は、実施例43と同様に評価を行った。除電後の感光体表面電位が、実施例43の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を表14に示す。
実施例43における除電光源として、630nmLED(ローム製:半値幅20nm)に変更した以外は、実施例43と同様に評価を行った。除電後の感光体表面電位が、実施例43の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を表14に示す。
(比較例22)
実施例43における除電光源として、蛍光灯(図1に示す発光スペクトルを有する)に変更した以外は、実施例43と同様に評価を行った。除電後の感光体表面電位が、実施例43の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を表14に示す。
実施例43における除電光源として、428nmLED(ローム製:半値幅65nm)及び630nmLED(ローム製:半値幅20nm)の2つを用いてほぼ同等の光量を同時に照射するように変更した以外は、実施例43と同様に評価を行った。除電後の感光体表面電位が、実施例43の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を表14に示す。
また、発光分布が広く、500nm以上の長波長光の成分を含む場合(比較例22)では、実施例ほどの明確な効果が得られていない。また、露光波長の異なる2種類の光源を用いた場合(比較例23)では、短波長光源による除電の効果が低減されていることが分かる。
テストチャートの結果から、実施例43、44の場合には、3万枚印刷後においても、初期とほぼ同等の画像を出力したが、比較例19〜24の場合には、3万枚印刷後に、カラーバランスが多少崩れた画像になった。
感光体作製例30における電荷発生層塗工液(分散液5)を分散液6に変更した以外は、感光体作製例30と同様に電子写真感光体を作製した(電子写真感光体31とする)。
実施例43において、使用した電子写真感光体30の代わりに、電子写真感光体31を用いた以外は、実施例43と同様に評価を行った。結果を表15に示す。
(実施例46)
実施例44において、使用した電子写真感光体30の代わりに、電子写真感光体31を用いた以外は、実施例44と同様に評価を行った。結果を表15に示す。
比較例19において、使用した電子写真感光体30の代わりに、電子写真感光体31を用いた以外は、比較例19と同様に評価を行った。結果を表15に示す。
(比較例25)
比較例20において、使用した電子写真感光体30の代わりに、電子写真感光体31を用いた以外は、比較例20と同様に評価を行った。結果を表15に示す。
比較例21において、使用した電子写真感光体30の代わりに、電子写真感光体31を用いた以外は、比較例21と同様に評価を行った。結果を表15に示す。
(比較例27)
比較例22において、使用した電子写真感光体30の代わりに、電子写真感光体31を用いた以外は、比較例22と同様に評価を行った。結果を表15に示す。
比較例23において、使用した電子写真感光体30の代わりに、電子写真感光体31を用いた以外は、比較例23と同様に評価を行った。結果を表15に示す。
また、発光分布が広く、500nm以上の長波長光の成分を含む場合(比較例27)では、実施例ほどの明確な効果が得られていない。また、露光波長の異なる2種類の光源を用いた場合(比較例28)では、短波長光源による除電の効果が低減されていることが分かる。
テストチャートの結果から、実施例45、46の場合には、3万枚印刷後においても、初期とほぼ同等の画像を出力したが、比較例24〜28の場合には、3万枚印刷後に、カラーバランスが多少崩れた画像になった。
また、表14に記載した実施例43の露光部表面電位と、表15に記載の実施例45の露光部表面電位を比較すると、実施例43の露光部表面電位の方が低い。実施例43に使用したアゾ顔料のカップラー成分の非対称化が高感度化に寄与していることが分かる。
感光体作製例30における電荷輸送層塗工液を、下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例30と同様に感光体を作製した(電子写真感光体32とする)。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
以上のように作製した電子写真感光体32を図13に示すような画像形成装置に搭載し、画像露光光源を655nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材として接触ローラー帯電器、転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として下記のものを用いた。試験前のプロセス条件が下記になるように設定し、書き込み率6%のチャート(A4全面に対して、画像面積として6%相当の文字が平均的に書かれている)を用い、連続3万枚印刷を行った。
評価項目は、実施例43と同じ評価を実施した。結果を表16に示す。
感光体帯電電位(未露光部電位): −900V
現像バイアス: −650V(ネガ・ポジ現像)
除電後表面電位(書き込み光未露光部): −100V
除電光源:キセノンランプに分光器を組み合わせて410nmの単色光を作り、これ
を光ファイバーによって画像形成装置に導き、スリット状の光を除電部に
て感光体表面に照射した。
実施例47における除電光波長を、404nmに変更した以外は、実施例47と同様に評価を行った。結果を表16に示す。
実施例47における除電光波長を、401nmに変更した以外は、実施例47と同様に評価を行った。結果を表16に示す。
感光体作製例32における電荷輸送層塗工液を、下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例32と同様に感光体を作製した(電子写真感光体33とする)。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
以上のように作製した電子写真感光体33を用い、除電光波長を440nmとした以外は、実施47と同様の評価を行った。結果を表17に示す。
(実施例50)
実施例49における除電光波長を、435nmに変更した以外は、実施例49と同様に評価を行った。結果を表17に示す。
実施例49における除電光波長を、433nmに変更した以外は、実施例49と同様に評価を行った。結果を表17に示す。
実施例45において、画像露光光源を407nmの半導体レーザー(日亜化学製)に変更した以外は、実施例45と同様に評価を行った。結果を実施例35の場合と併せて表18に示す。
また、直径60μmの1ドット画像を形成し、実施例45の場合と比較(ドット形成状態を、150倍の顕微鏡にて観察)を行った。
2 除電ランプ
3 帯電器
5 画像露光部
6 現像ユニット
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
16Y、16M、16C、16K 感光体
17Y、17M、17C、17K 帯電部材
18Y、18M、18C、18K 露光部
19Y、19M、19C、19K 現像部材
20Y、20M、20C、20K クリーニング部材
21Y、21M、21C、21K 転写ブラシ
22 転写搬送ベルト
23 レジストローラ
24 定着装置
25Y、25M、25C、25K 画像形成要素
26 転写紙
27Y、27M、27C、27K 除電部材
31 導電性支持体
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
39 中間層
41 保護層
43 電荷ブロッキング層
45 モアレ防止層
101 感光体
102 帯電手段
103 露光
104 現像手段
105 転写体
106 転写手段
107 クリーニング手段
108 除電手段
Claims (18)
- 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、静電潜像担持体の残留電荷を光除電する除電手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記除電手段が500nmよりも短波長の光を照射する除電手段であると共に、画像書き込み光源が655nmもしくは780nmの半導体レーザーであり、前記静電潜像担持体が、支持体と、該支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とからなる感光層を有し、該電荷発生層中に有機電荷発生物質を含有し、かつ電荷輸送層が除電光に対して30%以上の透過率を有することを特徴とする画像形成装置。
- 前記有機電荷発生物質が下記(I)式で表されるアゾ顔料であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記アゾ顔料のCp1とCp2が互いに異なるものであることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記有機電荷発生物質がCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、該7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記電荷輸送層上に保護層を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記保護層が除電光を30%以上透過することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
- 前記保護層が、比抵抗1010Ω・cm以上の無機顔料及び金属酸化物から選択される少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成装置。
- 前記保護層が、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成されることを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成装置。
- 前記保護層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、下記一般式(1)又は(2)の少なくとも一種以上であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
- 前記保護層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、下記一般式(3)の少なくとも一種以上であることを特徴とする請求項8又は9に記載の画像形成装置。
- 前記保護層の硬化手段が加熱又は光エネルギー照射手段であることを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記潜像担持体において、支持体と電荷発生層の間に中間層が設けられ、該中間層が電荷ブロッキング層とモアレ防止層からなることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記電荷ブロッキング層が絶縁性材料からなり、その膜厚が2.0μm未満、0.3μm以上であることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
- 前記モアレ防止層が無機顔料とバインダー樹脂を含有し、両者の容積比が1/1乃至3/1の範囲であることを特徴とする請求項12又は13に記載の画像形成装置。
- 少なくとも静電潜像担持体、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段、及び除電手段を有する画像形成要素を複数備えたことを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の画像形成装置。
- 静電潜像担持体と、静電潜像形成手段、現像手段、除電手段及びクリーニング手段から選択される1つ以上の手段とが一体となり、装置本体と着脱自在なプロセスカートリッジを搭載していることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の画像形成装置。
- 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、該可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程と、静電潜像担持体の残留電荷を光除電する除電工程とを少なくとも有する画像形成方法であって、前記除電工程が500nmよりも短波長の光を照射する除電工程であると共に、画像書き込み光源が655nmもしくは780nmの半導体レーザーであり、前記静電潜像担持体が、支持体と、該支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とからなる感光層を有し、該電荷発生層中に有機電荷発生物質を含有し、かつ電荷輸送層が除電光に対して30%以上の透過率を有することを特徴とする画像形成方法。
- 少なくとも静電潜像形成工程、現像工程、転写工程、及び除電工程を有する画像形成工程を複数備えたことを特徴とする請求項17に記載の画像形成方法。
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