JP4523511B2 - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
特に情報をデジタル信号に変換して光によって情報記録を行う光プリンターは、そのプリント品質、信頼性において向上が著しい。
このデジタル記録技術はプリンターのみならず通常の複写機にも応用され、所謂デジタル複写機が開発されている。
また、従来からあるアナログ複写にこのデジタル記録技術を搭載した複写機は、種々様々な情報処理機能が付加されるため今後その需要が益々高まっていくと予想される。
さらに、パーソナルコンピュータの普及及び性能の向上にともない、画像及びドキュメントのカラー出力を行うためのデジタルカラープリンターの進歩も急激に進んでいる。
これは、従来の画像形成装置で出力される画像(原稿)のほとんどが、文字が中心であり、出力される画像(紙)に対して、書き込み率が低い(5〜10%程度)であることに起因する。
アナログからデジタルへの変換は、ポジ・ポジ現像からネガ・ポジ現像に推移したとも言え、この大きな違いは、原稿に対して全面に光を照射し、これを感光体に照射していたことから、文字等の情報分だけを感光体に書き込むことに変化した点が挙げられる。
これは、上述のように書き込み率が低いため、書き込み光源の寿命を考慮して、原稿情報部分(全体の10%以下程度)だけの使用に留めれば、光源の出力時間が1/10になることを利用している。
ネガ・ポジ現像を用いた画像形成装置においては、書き込み光源によって書き込まれなかった部分(非画像部、地肌部)は、現像及び転写後においても静電潜像担持体(以下、「電子写真感光体」、「感光体」、「光導電性絶縁体」と称することがある)の表面電荷が残存するため、次の帯電に際して影響を及ぼす場合があり、除電が行われている。
除電に際しては、光を用いて光キャリアを発生させ表面電荷を打ち消す方法(光除電)と、導電性のブラシ等を感光体に接触させ電荷をリークさせてしまう方法や、逆バイアスを印加して表面電荷をキャンセルする方法などが用いられている。
上述のように、過去の原稿では文字が中心のものであったが、写真画像、カラー化された絵、グラフなどが入力されるようになってきた。このような色々なパターンの入力信号が存在する場合、画像形成における1サイクル前の履歴を確実に消去しておかないと、次の画像形成に影響がある場合が出てきた。
多くの場合は、残像と呼ばれる異常画像の発生である。残像は、画像形成プロセスの中で感光体が帯電を施された状態において、既に不均一な状態が形成されており、ここに感光体のある面積全面一様に書き込みが行われたような場合(特に中間調)、本来ならば書き込み後の帯電電位がほぼ均一になるのに対して、帯電前の感光体帯電状態の履歴を残しているため、不均一な帯電分布になる。この状態で静電潜像が形成され、これが現像部により現像が行われると、不均一な現像が行われることになり、前回の画像形成サイクルで形成した潜像があたかも残ってしまうような現象を生じるものである。
いま1つは、画像形成装置のコンパクト化あるいはカラー化によるタンデム化により、帯電ローラの使用が増えてきたことによる。帯電ローラは、感光体との間で放電現象を起こし、両者の間のバイアス差により感光体表面に帯電を施すが、帯電前の感光体表面電荷が不均一であると、次回帯電時にその履歴を残してしまう。
従って、帯電前の感光体表面電位(表面電荷)を如何に均一化するかが鍵であり、除電工程は高画質化のためには非常に重要な役割を担うようになってきた。
導電性ブラシ等による電荷リークの方法は、感光体表面に当接させる部材が必要であり、感光体及び当接部材の摩耗が生じ、高耐久化を望むことが出来ない。
また、電荷リークさせる方法は感光体表面や当接部材表面の汚染によって、その効果が低下してしまう場合がある。また、高速化に際しては、電荷の移動時間を考慮すると、充分な効果が期待できない。
逆バイアスを印加する方法は、バイアスの印加条件が弱すぎる場合には均一化が充分に行われず、強すぎる場合には感光体表面に逆帯電を施してしまう。通常の感光体は、正電荷しか移動できないため、表面が正電荷で荷電された場合にはこれをキャンセルすることが出来ない。
従って、次回帯電時に負帯電を施す場合には、まずこの正電荷をキャンセルした後に、負帯電を施すことになる。
このことは帯電器の容量不足を更に生み出すことになる。また、正帯電された場合には、感光層内にトラップを形成しやすくなり、感光体の残留電位を生み出しやすくなり、結果として感光体の寿命を短くしてしまう。
即ち、ポジ・ポジ現像においては、転写後の光除電においては、通常感光体全面に光照射がなされるものの、文字等の書き込み部に対応した領域のみが実質的に除電される。このため、感光体の全面積に対して、高々10%程度の領域である。
一方、ネガ・ポジ現像においては、感光体未露光部(書き込みの行われない部分)が実質的に除電されるため、上記と同じ原稿であれば、感光体の全面積に対して90%近い領域が実質的に除電されることになる。ここで言う、「実質的に除電」とは、光除電を行う場所において、感光体が表面電荷を有しており、除電部材の光照射によって、感光体内部で光キャリアが発生し、それによって感光体の表面電荷が打ち消されることを意味している。
即ち、従来用いられてきたポジ・ポジ現像とネガ・ポジ現像においては、感光体の表面電荷を打ち消す割合が全く異なる(逆の履歴になる)ことを意味しており、ポジ・ポジ現像の場合に比べて、除電による影響は、最低10倍程度は異なることになる。しかしながら、感光体への除電工程での影響(特に除電光波長など)に関する検討は、あまり行われておらず、従来のまま使用されてきたのが実情である。
しかしながら、下記特許文献1あるいは特許文献2に用いられる感光体は、無機系の感光体であり、後述するように有機系電荷発生物質を用いた感光体とは、本質的に光キャリア発生機構が異なるため、無機系の技術(光除電)を有機系感光体にそのまま水平展開できない。また、使用する現像方式が、ポジ・ポジ現像の時代であり、光除電の影響度合いがネガ・ポジ現像と全く異なる。更に、除電光の波長として、500nm以上の領域の波長光を含む。特許文献1あるいは特許文献2の技術を適用して実験を行った結果では、残留電位上昇を抑制する効果が充分ではなかった。
しかしながら、色素増感させた感光体の元の材料(例えば、ポリビニルカルバゾール)等は、可視域に吸収を持たないため、可視域に吸収を有する色素で増感するものである。
従って、この技術は色素に吸収が無く、ポリビニルカルバゾールに吸収を有する波長領域で除電を行うことになる。この場合、この波長帯での光キャリア発生効率が低く、除電を効率よく出来ないばかりでなく、ポリビニルカルバゾールの光劣化等を生じることになるため、必ずしも有効な手段になり得ない場合が存在した。
また、使用する現像方式が、ポジ・ポジ現像の時代であり、光除電の影響度合いがネガ・ポジ現像と全く異なる。このため、本発明が対象とするところのネガ・ポジ現像に用いる場合にはその効果が充分でなかった。
しかしながら、比較的高速の画像形成装置では、低感度もしくは実質的に光感度を有さない領域の光で除電を行った場合には、除電機能が不充分であり、異常画像の抑制が出来ない場合が生じる。
除電光に対しては充分な光感度を有することが重要であって、特許文献4の技術では、現在の画像形成措置には対応できない。また、特許文献4では、除電波長の特定がなされていない。
しかし特許文献7の技術を適用して実験を行った結果では、残留電位上昇を抑制する効果が充分ではなかった。
しかし、通常、実用的な有機顔料は可視域に吸収ピークが存在するため、特許文献8の技術では、残留電位上昇を抑制する充分な効果を獲得することは出来ない。
しかし、この技術は、使用する感光体材料によって除電波長が異なることになり、除電波長の特定が出来ない。また、有機顔料は通常、可視域に吸収ピークが存在し、分光感度ピークもこれに伴って可視域に存在する。このため、特許文献9の技術では、500nm以下の波長による除電技術が生み出されない。
しかしこの技術は、単層感光体の繰り返し使用において、感光層バルクに発生する残留電荷を除去するために行われるものである。即ち、単層感光体の場合には、電荷発生材料がバルクに均一に分散されており、吸収率の高い波長においては、感光層の表面近傍で照射光は吸収される。単層感光体の高解像度化はこの現象を利用しており、書き込み光を感光層の吸収率の大きい波長を用いることによって、照射エネルギーを低減化すると共に、感光層表面近傍だけで光キャリア発生させる。このため、感光体表面に帯電される極性とは逆の極性の電荷の移動距離は小さくて済むことになり、電荷の移動距離を小さくすることで、クーロン反発による拡散を防いでいる。
一方、バルク内部は照射光がほとんど届かないため、感光体表面に帯電される極性と同じ極性の電荷が、感光層バルクにトラップされて、残留電位となった場合にはこれをキャンセルすることが出来ない。このため、除電光においては、バルク深くまで透過する波長の光を用いて、バルクの深いところ(電極に近いところ、感光層の中央付近など)で、光キャリアを生成させることで、これをキャンセルするものである。
これに対し、積層感光体の電荷発生層は、単層感光層とは異なり膜厚が非常に薄い。
また、書き込み光に対する吸収率は最大吸収波長でも90%以下である(言い換えれば、書き込み光は電荷発生層を10%以上は透過してしまう)。このため、書き込み光の波長が異なっても、電荷発生は電荷発生層バルク全域で起こるという本質に変化はない。
従って、積層感光体の場合には、特許文献10に記載された様な効果は起こらない。
また同公報には、これを実現するために蛍光灯を除電光源とすることが記載されている。
更に、フタロシアニン化合物を含有する感光体に対して、蛍光灯による除電を行うことが提案されている(例えば、特許文献12参照。)。
蛍光灯には幾つかの輝線が含まれているが、この他に500〜650nmにかけての大きな発光が存在する。光照射量(発光量)は、図1の面積に依存することになるから、感光体に照射される蛍光灯の光は、実質的には上記波長域(500〜650nm)の光がメインに照射されていることになる。
下記特許文献11及び12においては、680nmの赤色LED光による除電と蛍光灯照射による除電を比較している。
図1のスペクトルから、両者の比較は680nmの赤色LED光による除電と、500〜650nmにかけての発光による除電が比較されていることになる。
フタロシアニンのソーレー帯に相当する光はゼロではないから、ソーレー帯に光が照射されていることは事実であるにしても、それ以外の光の成分の方が大きく、ソーレー帯でない領域の吸収が大きいことになる。
デジタル機における高画質化は2つの課題があり、1つは如何に静電潜像を微小ドットで均一に形成するかであり、もう1つは各種異常画像を如何に低減するかである。また、高耐久化に関しては、感光体の寿命を延ばすことが最も有効な方法である。
これらを解決するためのアプローチ方法は色々あると考えられるが、両者に共通して言えることは、これら画像形成装置に使用される感光体の静電疲労による劣化を如何に小さくするかということである。具体的には、繰り返し使用時の残留電位(露光部電位)の上昇を如何に抑えるかということである。
しかしながら、感光体の静電疲労は感光体処方、あるいはプロセス条件によって大きく異なるものであり、感光体の開発側から考えると、プロセス条件ごとに対応を迫られる。
このような状況の下で、プロセス条件から感光体の静電疲労に関する検討はほとんどなされていなかった。
しかしながら、近年のネガ・ポジ現像に使用され、かつ非常に高耐久化を狙う場合には、使用するプロセス条件が確立されておらず、材料の有する優位性を必ずしも充分に引き出されているものではなかった。
即ち、本発明は、高耐久で高精細な画像を形成するため、感光体の繰り返し使用における残留電位上昇を抑制し、高耐久で高精細な画像形成が可能な画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
検討方法としては、以下の通りである。
画像形成装置における繰り返し使用において、感光体の静電特性以外の形状・物性に影響をなるべく与えないように、現像、転写およびクリーニング部材を外した状態で、帯電、書き込み、除電だけを印加する状態で、感光体の静電疲労試験を実施した。
(1)書き込み光による書き込み率を変化させ、その際の感光体通過電荷量を測定した。
(2)書き込みを行わず、除電光のみで表面電荷を消去して、感光体の通過電荷量を測定した。
この時、(1)、(2)の各種条件を行って、感光体の残留電位を評価することで、以下の知見を得た。
(1)感光体の残留電位上昇は、感光体の通過電荷量に依存する。書き込み率を変えた場合でも、通過電荷量で整理すると残留電位上昇量が一様に揃う。
(2)感光体の通過電荷量は、画像形成1サイクルにおける光照射量に依存する。書き込み、除電に依らず、光照射量(正確には感光体光吸収量)に依存する。
(3)ネガ・ポジ現像の場合には、光照射量のうち、大半は光除電により照射量が与えられる。
この状態で静電疲労試験を実施すると、感光体の残留電位上昇量が非常に小さくなり、書き込み率に依存した大きさになり、除電の影響は全く現れなくなった。
以上のことから、以下のことが言える。
(4)除電前に感光体表面電位を低下させておくと、残留電位上昇が起こりにくくなる。言い換えれば、除電突入時に感光体表面電位が低ければ、除電光の照射は、残留電位上昇に寄与しない。
(5)逆バイアスを印加し、除電前に感光体表面電位を低下させた場合でも、上記(1)と同じく、感光体通過電荷量で残留電位上昇量が整理できる。
(1)〜(5)から、残留電位上昇は感光体の通過電荷量に依存するが、そのほとんどが除電工程にて生成されており、除電工程を如何に制御するかが、残留電位上昇をコントロールする一つの鍵となる。
例えば、帯電電位を大きく変化させることは以下の変化をもたらす。帯電電位を大きく上昇させる場合には、感光体へのハザードが大きくなる。大きく低下させる場合には、地肌ポテンシャル(感光体帯電電位−現像バイアス)が小さくなったり、現像ポテンシャル(現像バイアス−感光体露光部電位)が小さくなったりして、画像形成条件(特に現像条件)が非常に狭くなり、システムの余裕度が小さくなる。
露光量を大きく変化させることは以下の変化をもたらす。露光量を小さくした場合には、画像濃度が足りなくなったり、コントラストが取れない場合が存在する。一方、露光量を大きくした場合には、ドットが潰れると行った現象が起こる。
感光体の静電容量(膜厚)やキャリア発生効率は、感光体の材料そのものを大きく換えない限り、大きく変化しないものであるが、現状の高速・高耐久・高安定の画像形成装置に使用できる感光体用の主材料(電荷発生物質や電荷輸送物質)には限りがあって、これを全く違う材料に変更することは困難を極める。
従って、ターゲットとする画像形成装置に搭載される感光体の通過電荷量は、極端に大きく変化せず、光照射量に大きく依存することになる。
一般に、現在のデジタル書き込みを行う画像形成装置は、ネガ・ポジ現像を使用している。
これは、実際の原稿の書き込み率のほとんどが10%以下であることに起因しており、書き込み光源へのストレスを低減することを目的としている。しかしながら、感光体側から考えてみると、次の画像形成サイクルの前に、感光体の表面電位をキャンセル(平滑化)しておかないと、次の帯電時に影響が出るため、通常は光除電によって、次工程の帯電前に感光体の表面電位を出来る限り低減する。
ここまでは、ネガ・ポジ現像を用いた画像形成装置における通常の状態であり、連続して全面書き込みを行うような原稿ばかり出力するような場合を除けば、基本的には全てのネガ・ポジ現像を使用した画像形成装置に共通して言えることである。しかしながら上述のように、感光体の静電疲労に関するプロセス側からの解析は未だそれほど行われていないのが実情であった。
除電光は、感光体(電荷発生層)が吸収を有する波長であれば、その機能を発現する。一般的には、感光体の長手方向にほぼ均一な光を照射するために、LEDアレイあるいは蛍光灯のような光源が用いられる。過去には、蛍光灯が主に用いられてきたが、電荷輸送層に吸収がある領域の光を含むため、以下の課題を有していた。
(1)電荷輸送層に光の一部が吸収されてしまうため、電荷発生層に十分な光が届かない場合が存在し、光量を非常に大きくしなければならない場合が存在した。
(2)電荷輸送物質が除電光を吸収した結果、電荷輸送物質が劣化し、感光体の静電特性に影響を与える場合が存在した。
その結果、従来良好であると考えられてきた赤色の除電は、それよりも短波長の光を照射するよりも、残留電位を上昇させることを突き止めた。また、波長依存性を細かく見ていくと、500nmよりも短波長側の光で除電を行うことにより、残留電位の上昇を大幅に抑制できることを見いだした。この実験では、除電時の単位時間あたりの感光体通過電荷量を揃えて実験を行っているため、感光体(電荷発生物質)の分光吸収スペクトルのプロフィールによって、感光体への除電光照射量は変化するが、感光層の光吸収量は変化していない。従って、上述の結果は除電光の波長依存性の影響によるものであることが理解された。
上述のような知見を得て、本発明者は本発明を完成するに至った。
また、画像形成におけるプロセス側の制御技術(手段)によって、上述のように残留電位上昇を抑制することが出来ることが分かったが、使用する感光体の静電疲労に対する耐久性が悪いものであると、その効果が十分に発揮されない。
本発明者は、特定の電荷発生物質(後述する式(2)のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド顔料)を使用することにより、これを用いた感光体の繰り返し使用における静電特性の劣化を大きく制御できることを見いだした。
前記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、本発明者は、少なくとも電荷発生層と電荷輸送層からなる積層感光層を有する静電潜像担持体における電荷発生層に少なくとも、後述する特定の化学式により示されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド顔料を含有させ、かつ、除電光源に500nmより短波長の波長領域にのみ発光強度を有する光源を使用することによって、画像形成装置における感光体の繰り返し使用時における残留電位上昇を抑制することを見いだし、異常画像の少ない画像形成が安定して行えることを見いだし、上記問題点を解決できることを知見した。
またk、l、m、及びnは、1、2、3又は4の整数であり、各々が2、3又は4の整数の時は前記 R301、R302、R303及びR304は同一でも異なっていてもよい。
Ar3、Ar4は置換もしくは無置換のアリール基を表し、同一であっても異なってもよい。
Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表す。
Zは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基、アルキレンオキシカルボニル2価基を表わす。m、nは0〜3の整数を表す。
s、tは0〜3の整数を表す。
Zaは単結合、メチレン基、エチレン基、下記式(8)、(9)、(10)を表す。
従って、上記特許文献1に記載された方法では、高耐久化・高画質化を意識して、残留電位上昇を抑制する技術としては、まだ不充分である。
500nm未満の除電光を用いることにより、感光体の繰り返し使用における残留電位上昇を抑制できる詳細なメカニズムは以下のように考えられている。
有機材料の光キャリア発生機構は、そのほとんどが図2に示すような2段階(光励起→中間体の生成→フリーキャリアの生成)からなる反応に基づく。
この際、電荷発生物質は光吸収し、より高い励起状態に励起されるものの、中間体の生成はある一定のエネルギーレベルから起こる。この一定のエネルギーレベルが、最低励起一重項状態(S1)である。基底状態(S0)と最低励起一重項状態(S1)の間よりも小さなエネルギー(長い波長の光)を照射された場合には、光キャリアはほとんど生成しない。
この際、S*とS1のエネルギー差に相当するエネルギーは、熱的に緩和される(図では、余剰エネルギーと示している)。
このモデルは、有機系感光体の光キャリア発生効率の波長依存性がない結果から、支持されている。
この際、この光キャリアがある種のトラップに落ち込み、残留電位を形成する。
このトラップの深さは、室温により与えられる活性化エネルギーよりも大きいため、通常の使用では脱トラップできずに、残留電位として蓄積される。
このため、この余剰エネルギーが、脱トラップに作用することにより、残留電位上昇を抑制できるものと考えている。
光励起により、バンドギャップに相当するエネルギーを得た電子は、価電子帯で自由に動けることが出来、フリーキャリアとして存在する。この際、伝導帯の領域では、直接イオン化して、フリーキャリアになるのが特徴である。
従って、図2のようにエネルギーギャップよりも大きなエネルギーを得た場合、キャリア発生効率(イオン解離効率)が向上するが、余剰エネルギーは生じない。この点が、有機系感光体の光キャリア発生機構と大きく異なる点である。
上記の有機系感光体と無機系感光体の光キャリア発生機構の違いを考慮すると、本発明における除電光波長における効果の違いを考察できる。
即ち、上述のように除電工程における光キャリア発生において、有機系感光体の場合には除電光波長に対するキャリア発生量は変わらないが(量子効率の波長依存性がない)、キャリア1つが発生した際の余剰エネルギーが波長依存性を有する。つまり、除電波長が短いほど、感光体内部に発生する余剰エネルギー量が多くなる。
従って、本発明のように500nmよりも短波長の除電光を照射した場合に、有機系感光体では、従来のような可視光領域の除電を行う場合と比較して、キャリア発生量が変わらないものの、余剰エネルギーを多く獲得することが出来る。この余剰エネルギーを利用して、感光層内にトラップされた電荷を脱トラップする活性化エネルギーとして利用するものである。
本発明の画像形成装置は、少なくとも電荷発生層と電荷輸送層からなる積層感光層を有する静電潜像担持体における電荷発生層において、少なくとも一般式(1)で示されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド顔料を含有する静電潜像担持体を有し、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段と、500nmよりも短波長の光源を有する除電手段とを少なくとも具備しており、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有しているものとする。
前記静電潜像担持体としては、電荷発生層に少なくとも前記一般式(1)で示されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド顔料を含有することを必須要件とする以外は、その材質、形状、構造、大きさ等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。前記支持体としては、導電性を有する導電性支持体が好ましい。
図4は、本発明に用いられる電子写真感光体の構成例を示す断面図であり、支持体31上に、電荷発生物質として、少なくとも前記一般式(1)で示されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド顔料を主成分とする電荷発生層35と、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層37とが、積層された構成となっている。
また、エンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITO等の金属酸化物粉体が挙げられる。
また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性、熱硬化性樹脂、または光硬化性樹脂が挙げられる。
このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエン等に分散して塗布することにより設けることができる。
ここでいうアルミニウムとは、純アルミニウム系あるいはアルミニウム合金のいずれをも含むものである。
具体的には、JIS 1000番台、3000番台、6000番台のアルミニウムあるいはアルミニウム合金が最も適している。
陽極酸化皮膜は各種金属、各種合金を電解質溶液中において陽極酸化処理したものであるが、中でもアルミニウムもしくはアルミニウム合金を電解質溶液中で陽極酸化処理を行ったアルマイトと呼ばれる被膜が本発明に用いる感光体には最も適している。
特に、反転現像(ネガ及びポジ現像)に用いた際に発生する点欠陥(黒ポチ、地汚れ)を防止する点で優れている。
陽極酸化処理は、クロム酸、硫酸、蓚酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸などの酸性浴中において行われる。このうち、硫酸浴による処理が最も適している。一例を挙げると、硫酸濃度:10〜20%、浴温:5〜25℃、電流密度:1〜4A/dm2、電解電圧:5〜30V、処理時間:5〜60分程度の範囲で処理が行われるが、これに限定するものではない。このように作製される陽極酸化皮膜は、多孔質であり、また絶縁性が高いため、表面が非常に不安定な状況である。このため、作製後の経時変化が存在し、陽極酸化皮膜の物性値が変化しやすい。これを回避するため、陽極酸化皮膜を更に封孔処理することが好ましい。
封孔処理には、フッ化ニッケルや酢酸ニッケルを含有する水溶液に陽極酸化皮膜を浸漬する方法、陽極酸化皮膜を沸騰水に浸漬する方法、加圧水蒸気により処理する方法などがある。このうち、酢酸ニッケルを含有する水溶液に浸漬する方法が最も好ましい。封孔処理に引き続き、陽極酸化皮膜の洗浄処理が行われる。これは、封孔処理により付着した金属塩等の過剰なものを除去することが主な目的である。これが支持体(陽極酸化皮膜)表面に過剰に残存すると、この上に形成する塗膜の品質に悪影響を与えるだけでなく、一般的に低抵抗成分が残ってしまうため、逆に地汚れの発生原因にもなってしまう。洗浄は純水1回の洗浄でも構わないが、通常は多段階の洗浄を行う。この際、最終の洗浄液が可能な限りきれい(脱イオンされた)ものであることが好ましい。また、多段階の洗浄工程のうち1工程に接触部材による物理的なこすり洗浄を施すことが好ましい。
以上のようにして形成される陽極酸化皮膜の膜厚は、5〜15μm程度が好ましい。これより薄すぎる場合には陽極酸化皮膜としてのバリア性の効果が充分でなく、これより厚すぎる場合には電極としての時定数が大きくなりすぎて、残留電位の発生や感光体のレスポンスが低下する場合がある。
中間層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶媒で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが好ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。
また、中間層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
中でも、中間層に酸化チタンを含有する場合、本発明の効果を顕著にするものであり、最も有効に使用できる。また、この酸化チタンを含有する中間層が以降に示す電荷発生層と接触した状態で存在する場合には、最も効果が顕著になり、その感光体構成が最も適当である。
これらの中間層は、後述の感光層の如く適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の中間層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。
この他、本発明の中間層には、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。中間層の膜厚は0〜5μmが適当である。
中でも湿式塗工法で形成可能な絶縁性の結着樹脂あるいは硬化性の結着樹脂から構成される層が良好に使用できる。電荷ブロッキング層は、その上にモアレ防止層や感光層を積層するものであるから、これらを湿式塗工法で設ける場合には、これらの塗工溶媒により塗膜が侵されない材料あるいは構成からなることが肝要である。
また、オイルフリーアルキド樹脂とアミノ樹脂例えば、ブチル化メラミン樹脂等を熱重合させた熱硬化性樹脂、さらにまた、不飽和結合を有するポリウレタン、不飽和ポリエステル等の不飽和結合を有する樹脂と、チオキサントン系化合物、メチルベンジルフォルメート等の光重合開始剤との組合せ等の光硬化性樹脂も結着剤樹脂として使用できる。
また、整流性のある導電性高分子や、帯電極性に合わせてアクセプター(ドナー)性の樹脂・化合物などを加えて、基体からの電荷注入を制抑するなどの機能を持たせても良い。
電荷ブロッキング層が厚くなると、帯電と露光の繰返しによって、特に低温低湿で残留電位の上昇が著しく、また、膜厚が薄すぎるとブロッキング性の効果が小さくなる。
また電荷ブロッキング層には、必要に応じて硬化(架橋)に必要な薬剤、溶剤、添加剤、硬化促進材等を加えて、常法により、ブレード塗工、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート法などにより基体上に形成される。塗布後は乾燥や加熱、光等の硬化処理により乾燥あるいは硬化させる。
基本的には、前記書き込み光の光散乱を起こす機能を有する。
このような機能を発現するために、モアレ防止層は屈折率の大きな材料を有することが有効である。
一般には、無機顔料とバインダー樹脂を含有し、無機顔料がバインダー樹脂に分散された構成からなる。特に、無機顔料の中でも白色の顔料が有効に使用され、例えば、酸化チタン、フッ化カルシウム、酸化カルシウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムなどが良好に用いられる。中でも、隠蔽力の大きな酸化チタンが最も有効に使用出来る。
また、この酸化チタンを含有するモアレ防止層が電荷発生層と接触する構成にすることにより、その効果は更に顕著に高まるものであり、最も有効な感光体構成である。
また、機能分離型中間層を有する感光体では支持体31からの電荷注入を電荷ブロッキング層にて防止するものであるから、モアレ防止層においては少なくとも感光体表面に帯電される電荷とは同極性の電荷を移動できる機能を有することが残留電位防止の観点から好ましい。
このため、例えば負帯電型感光体の場合、モアレ防止層には電子伝導性を付与することが望ましく、使用する無機顔料に電子伝導性を有するものを使用するか、導電性のものを使用することが望ましい。
あるいは、モアレ防止層に電子伝導性の材料(例えば、アクセプター)等を使用することは本発明の効果を一層顕著なものにするものである。
バインダー樹脂としては、熱硬化型樹脂が良好に使用される。
特に、アルキッド/メラミン樹脂の混合物が最も良好に使用される。
この際、アルキッド/メラミン樹脂の混合比は、モアレ防止層の構造及び特性を決定する重要な因子である。両者の比(重量比)が5/5〜8/2の範囲が良好な混合比の範囲として挙げられる。5/5よりもメラミン樹脂がリッチであると、熱硬化の際に体積収縮が大きくなり塗膜欠陥を生じやすくなったり、感光体の残留電位を大きくする方向にあり望ましくない。
また、8/2よりもアルキッド樹脂がリッチであると、感光体の残留電位低減には効果があるものの、バルク抵抗が低くなりすぎて地汚れが悪くなる方向になり望ましくない。
一方、容積比が3/1を超える領域では、バインダー樹脂における結着能が劣るだけでなく、塗膜の表面性が悪化し、上層の感光層の成膜性に悪影響を与える場合がある。
この影響は感光層が積層タイプで構成され、電荷発生層のような薄層を形成する場合に深刻な問題になり得るものである。
また容積比が3/1を超える場合には、無機顔料表面をバインダー樹脂が覆い尽くせない場合が存在し、電荷発生物質と直接接触することで、熱キャリア生成の確率が大きくなり、地汚れに対して悪影響を与える場合がある。
このためには、用いる2種の酸化チタンの平均粒径の比が一定の範囲内(0.2<D2/D1≦0.5)にあることが重要である。
本発明で規定する範囲外の粒径比の場合、すなわち平均粒径の大きな酸化チタン(T1)の平均粒径に対する他方の酸化チタン(T2)の平均粒径の比が小さすぎる場合(0.2≧D2/D1)は、酸化チタン表面での活性が増加し電子写真感光体としたときの静電的安定性が著しく損なわれるようになる。
また、一方の酸化チタン(T1)の平均粒径に対する他方の酸化チタン(T2)の平均粒径の比が大きすぎる場合(D2/D1>0.5)は、導電性基体に対する隠蔽力が低下し、モアレや異常画像に対する抑制力が低下する。ここで言う平均粒径は、水系で強分散を行ったときに得られる粒度分布測定から得られる。
また、粒径の小さい方の酸化チタン(T2)の平均粒径(D2)の大きさが重要な因子であり、0.05μm<D2<0.20μmであることが重要である。0.05μm以下の場合には隠蔽力が低下し、モアレを発生させる場合がある。一方、0.20μm以上の場合には、モアレ防止層の酸化チタンの充填率を低下させ、地汚れ抑制効果が充分に発揮できない。
また、2種の酸化チタンの混合比率(重量比)も重要な因子である。T2/(T1+T2)が0.2よりも小さい場合には、酸化チタンの充填率がそれほど大きくなく、地汚れ抑制効果が十分に発揮出来ない。一方、0.8よりも大きな場合には、隠蔽力が低下し、モアレを発生させる場合がある。従って、0.2≦T2/(T1+T2)≦0.8であることが重要である。
塗布後は乾燥や加熱、光等の硬化処理により乾燥あるいは硬化させる。
感光層は電荷発生物質として、少なくとも前記一般式(1)で示されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド顔料を含有する電荷発生層35と、電荷輸送層37の積層構成で構成される。
電荷発生層35は、電荷発生物質として、前記一般式(1)で示されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド顔料を主成分とする層である。
前記一般式(1)で示されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド顔料を必要に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波等を用いて分散し、これを導電性支持体上又は中間層上に塗布し、乾燥することにより形成される。
バインダー樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
一般式(1)中、Cが表すアルキル基としてはメチル、エチル及びプロピル等の基が挙げられ、アルコキシ基としてはメトキシ、エトキシ及びプロポキシ等の基が挙げられ、芳香族炭化水素基としてはフェニル、ナフチル、アンスリル及びピレニル等の基が挙げられる。
上記基が有してもよい置換基としては、メチル、エチル、プロピル、及びブチル等のアルキル基、メトキシ、エトキシ、及びプロポキシ等のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等のハロゲン原子、ジメチルアミノ、及びジエチルアミノ等のジアルキルアミノ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、及びハロメチル基等が挙げられる。
感光層に含有される電荷発生物質の粒子サイズをコントロールするための方法は、電荷発生物質を分散した後、0.25μmより大きい粗大粒子を取り除いてしまう方法である。
ここでいう平均粒子サイズとは、体積平均粒径であり、超遠心式自動粒度分布測定装置:CAPA−700(堀場製作所製)により求めたものである。
この際、累積分布の50%に相当する粒子径(Median径)として算出されたものである。
しかしながら、この方法では微量の粗大粒子を検出できない場合があるため、より詳細に求めるには、電荷発生物質粉末、あるいは分散液を直接、電子顕微鏡にて観察し、その大きさを求めることが重要である。
分散液の更なる観察により、微小欠陥に関して検討した結果、上記現象は次のように理解された。
通常、平均粒子サイズを測定するような方法においては、極端に大きな粒子が数%以上も存在するような場合には、その存在が検出できるものであるが、全体の1%以下程度のような微量になってくると、その測定は検出限界以下になってしまう。
その結果として、平均粒子サイズの測定だけでは粗大粒子の存在が検出されずに、上述のような微小欠陥に関する解釈を困難にしていた。
同一条件における分散時間の短い分散液の写真を図8に示すが、分散時間の長い図9と比較して、粗大粒子が残っている様子が観測される。
図8中の黒い粒が粗大粒子である。
その結果を図10に示す。
図10における「A」が図8に示す分散液に対応し、「B」が図9に示す分散液に対応する。
両者を比較すると、粒度分布に関してはほとんど差が認められない。
また、両者の平均粒径値は、「A」が0.29μm、「B」が0.28μmと求められ、測定誤差を加味した上では、両者に全くの差異が認められない。
従って、公知の平均粒径(粒子サイズ)の規定だけでは、微量な粗大粒子の残存を検出できずに、昨今の高解像度のネガ・ポジ現像には対応できていないことが理解される。
この微量な粗大粒子の存在は、塗工液を顕微鏡レベルで観察することにより、初めて認識できたものである。
分散液の作製に関しては一般的な方法が用いられ、前記一般式(1)で示されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド顔料を必要に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル、超音波などを用いて分散することで得られる。
この際、バインダー樹脂は感光体の静電特性等により、また溶媒は顔料へのぬれ性、顔料の分散性等により選択すればよい。
すなわち、できる限り粒子を微細にした分散液を作製後、適当なフィルターで濾過してしまう方法である。
この方法では、残存する目視では観察できない(あるいは粒径測定では検出できない)微量な粗大粒子をも取り除くことができ、また粒度分布を揃えるという点からも非常に有効な手段である。
具体的には、上述のように作製した分散液を有効孔径が5μm以下のフィルター、より好ましくは3μm以下のフィルターにて濾過する操作を行い、分散液を完成させるというものである。
この方法によっても、粒子サイズの小さな(0.25μm以下、好ましくは0.2μm以下)ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド顔料粒子のみを含む分散液を作製することができ、これを用いた感光体を画像形成装置に搭載使用することにより、本願の効果をより一層顕著にするものである。
この際、濾過される分散液の粒子サイズが大きすぎたり、粒度分布が広すぎたりする場合には、濾過によるロスが大きくなったり、濾過の目詰まりを生じて濾過が不可能になったりする場合がある。このため、濾過前の分散液においては、平均粒子サイズが0.3μm以下で、その標準偏差が0.2μm以下に到達するまで分散を行った方が望ましい。
平均粒子サイズが0.3μm以上である場合には濾過によるロスが大きくなり、標準偏差が0.2μm以上である場合には濾過時間が非常に長くなったりする不具合点を生じる場合がある。
この結果、分散機などにより分散された電荷発生物質粒子が、希釈等により再凝集する可能性が非常に大きく、上述のように分散終了後、特定サイズ以下のフィルターで濾過を行うことにより、このような凝集物を取り除くことができる。
この際、分散液がチキソトロピーな状態にあるため、使用するフィルターの有効孔径よりも小さなサイズの粒子まで除去される。または、構造粘性を示す液をフィルター処理によりニュートン性に近い状態に変えることもできる。このようにして、電荷発生物質の粗大粒子を取り除いてやることにより、本発明の効果を著しく向上させるものである。
従って、有効孔径が5μm以下のフィルターを使用すべきである。
より好ましくは3μm以下の有効孔径を有するフィルターを使用することである。
この有効孔径に関しては、細かいほど粗大粒子の除去に効果があるものであるが、あまり細かすぎると、必要な顔料粒子そのものも濾過されてしまうため、適切なサイズが存在する。
また、細かすぎた場合には、濾過に時間がかかり、フィルターが目詰まりを起こしたり、ポンプ等を使用して送液する場合には負荷がかかりすぎる等の問題を生じる。
なお、ここで使用されるフィルターの材質は、当然のことながら濾過する分散液に使用される溶媒に対して耐性のあるものが使用される。
また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート、及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物、及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジエン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。
これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
具体的には、テトラヒドロフランやジオキソラン、ジオキサン等の環状エーテルやトルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、及びそれらの誘導体が良好に用いられる。
電荷輸送層をこのような条件にするためには、除電光に対して適正な電荷輸送材料を選択して、電荷輸送層を形成することが重要である。
上述する電荷輸送物質の中でも、トリアリールアミン骨格を有する電荷輸送物質は、480nm未満の除電光を透過しやすく、かつ移動度も大きいため、本発明の感光体に使用する電荷輸送物質としては好適である。
また、トリアリールアミン骨格を有する電荷輸送物質の中でも、下記式(4)で表される電荷輸送物質は特に有効に使用される。
またk、l、m、及びnは、1、2、3又は4の整数であり、各々が2、3又は4の整数の時は前記 R301、R302、R303及びR304は同一でも異なっていてもよい。
また、同公報に例示されている材料を使用することが可能である。
これら高分子電荷輸送物質から構成される電荷輸送層は耐摩耗性に優れたものである。高分子電荷輸送物質としては、公知の材料が使用できるが、特に、トリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートが良好に用いられる。
特に、下記式(11)〜(22)で表わされる高分子電荷輸送物質が良好に用いられ、これらを以下に例示し、具体例を示す。
尚、上記式(11)は、2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
なお、式(14)は、2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
X,k,jおよびnは、上記式(11)の場合と同じである。
なお、式(15)は、2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
なお、式(16)は、2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
X,k,jおよびnは、式(11)の場合と同じである。
なお、式(17)は、2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
X,k,jおよびnは、上記式(11)の場合と同じである。
なお、式(18)は、2の共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
X,k,jおよびnは、上記式(11)の場合と同じである。
なお、式(19)は、2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
X,k,jおよびnは、上記式(11)の場合と同じである。
なお、式(20)は、2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
X,k,jおよびnは、上記式(11)の場合と同じである。
なお、式(21)は、2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
X,k,jおよびnは、上記式(11)の場合と同じである。
なお、式(22)は、2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
更に電荷輸送層の構成として、架橋構造からなる電荷輸送層も有効に使用される。架橋構造の形成に関しては、1分子内に複数個の架橋性官能基を有する反応性モノマーを使用し、光や熱エネルギーを用いて架橋反応を起こさせ、3次元の網目構造を形成するものである。この網目構造がバインダー樹脂として機能し、高い耐摩耗性を発現するものである。
このような網目構造を有する電荷輸送層は、耐摩耗性が高い反面、架橋反応時に体積収縮が大きく、あまり厚膜化するとクラックなどを生じる場合がある。このような場合には、電荷輸送層を積層構造として、下層(電荷発生層側)には低分子分散ポリマーの電荷輸送層を使用し、上層(表面側)に架橋構造を有する電荷輸送層を形成しても良い。
この電界強度の上昇に伴い、地汚れの発生頻度が高くなるため、感光体の耐摩耗性が高いことは、地汚れに対して有利である。これら電子供与性基を有する重合体から構成される電荷輸送層は、自身が高分子化合物であるため成膜性に優れ、低分子分散型高分子からなる電荷輸送層に比べ、電荷輸送部位を高密度に構成することが可能で電荷輸送能に優れたものである。このため、高分子電荷輸送物質を用いた電荷輸送層8を有する感光体には高速応答性が期待できる。
その他の電子供与性基を有する重合体としては、公知単量体の共重合体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマーや、電子供与性基を有する架橋重合体などを用いることも可能である。
上述のような高分子電荷輸送物質を含有する電荷輸送層においても、除電光を30%以上、好ましくは50%以上透過することは重要なことである。
保護層に使用される材料としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。中でも、ポリカーボネートもしくはポリアリレートが最も良好に使用できる。
また、感光体の保護層に用いられるフィラー材料のうち有機性フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコン樹脂粉末、a−カーボン粉末等が挙げられ、無機性フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウム等の金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、チタン酸カリウムなどの無機材料が挙げられる。特に、フィラーの硬度の点からは、この中でも無機材料を用いることが有利である。特に、無機顔料や金属酸化物が好ましく、シリカ、酸化チタン、アルミナが有効に使用できる。
更に、画像ボケが発生しにくいフィラーとしては、電気絶縁性が高いフィラー(比抵抗が1010Ω・cm以上)が好ましく、フィラーのpHが5以上を示すものやフィラーの誘電率が5以上を示すものが特に有効に使用できる。また、pHが5以上のフィラーあるいは誘電率が5以上のフィラーを単独で使用することはもちろん、pHが5以下のフィラーとpHが5以上のフィラーとを2種類以上を混合したり、誘電率が5以下のフィラーと誘電率が5以上のフィラーとを2種類以上混合したりして用いることも可能である。また、これらのフィラーの中でも高い絶縁性を有し、熱安定性が高い上に、耐摩耗性が高い六方細密構造であるα型アルミナは、画像ボケの抑制や耐摩耗性の向上の点から特に有用である。
フィラーのような粉体は、充填率によりその比抵抗値が異なるので、一定の条件下で測定する必要がある。
本発明においては、特開平5−113688号公報(図1)に示された測定装置と同様の構成の装置を用いて、フィラーの比抵抗値を測定し、この値を用いた。測定装置において、電極面積は4.0cm2である。測定前に片側の電極に4kgの荷重を1分間かけ、電極間距離が4mmになるように試料量を調節する。測定の際は、上部電極の重量(1kg)の荷重状態で測定を行い、印加電圧は100Vにて測定する。106Ω・cm以上の領域は、HIGH RESISTANCE METER(横河ヒューレットパッカード)、それ以下の領域についてはデジタルマルチメーター(フルーク)により測定した。これにより得られた比抵抗値を本発明でいうところの比抵抗値と定義するものである。
更に、これらのフィラーは少なくとも一種の表面処理剤で表面処理させることが可能であり、そうすることがフィラーの分散性の面から好ましい。フィラーの分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さらには耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。表面処理剤としては、従来用いられている表面処理剤すべてを使用することができるが、フィラーの絶縁性を維持できる表面処理剤が好ましい。例えば、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸等、あるいはこれらとシランカップリング剤との混合処理や、Al2O3、TiO2、ZrO2、シリコーン、ステアリン酸アルミニウム等、あるいはそれらの混合処理がフィラーの分散性及び画像ボケの点からより好ましい。シランカップリング剤による処理は、画像ボケの影響が強くなるが、上記の表面処理剤とシランカップリング剤との混合処理を施すことによりその影響を抑制できる場合がある。表面処理量については、用いるフィラーの平均一次粒径によって異なるが、3〜30wt%が適しており、5〜20wt%がより好ましい。表面処理量がこれよりも少ないとフィラーの分散効果が得られず、また多すぎると残留電位の著しい上昇を引き起こす。これらフィラー材料は単独もしくは2種類以上混合して用いられる。フィラーの表面処理量に関しては、上述のようにフィラー量に対する使用する表面処理剤の重量比で定義される。
これらフィラー材料は、適当な分散機を用いることにより分散できる。また、保護層の透過率の点から使用するフィラーは一次粒子レベルまで分散され、凝集体が少ないほうが好ましい。
このような保護層の形成法としては通常の塗布法が採用される。尚、上述した保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当である。
架橋構造の形成に関しては、1分子内に複数個の架橋性官能基を有する反応性モノマーを使用し、光や熱エネルギーを用いて架橋反応を起こさせ、3次元の網目構造を形成するものである。この網目構造がバインダー樹脂として機能し、高い耐摩耗性を発現するものである。
このような網目構造を有する保護層は、耐摩耗性が高い反面、架橋反応時に体積収縮が大きく、あまり厚膜化するとクラックなどを生じる場合がある。このような場合には、保護層を積層構造として、下層(感光層側)には低分子分散ポリマーの保護層を使用し、上層(表面側)に架橋構造を有する保護層を形成しても良い。
架橋型保護層の中でも下記のような特定の構成からなる保護層は、特に有効に使用される。
特定の架橋型保護層とは、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成される保護層である。3官能以上のラジカル重合性モノマーを硬化した架橋構造を有するため3次元の網目構造が発達し、架橋密度が非常に高い高硬度且つ高弾性な表面層が得られ、かつ均一で平滑性も高く、高い耐摩耗性、耐傷性が達成される。この様に感光体表面の架橋密度すなわち単位体積あたりの架橋結合数を増加させることが重要であるが、硬化反応において瞬時に多数の結合を形成させるため体積収縮による内部応力が発生する。この内部応力は架橋型保護層の膜厚が厚くなるほど増加するため保護層全層を硬化させると、クラックや膜剥がれが発生しやすくなる。この現象は初期的に現れなくても、電子写真プロセス上で繰り返し使用され帯電、現像、転写、クリーニングのハザード及び熱変動の影響を受けることにより、経時で発生しやすくなることもある。
さらに、保護層全層にわたる厚膜を光エネルギー照射により硬化する場合、電荷輸送性構造による吸収から内部への光透過が制限され、硬化反応が十分に進行しない現象が起こることがある。本発明の架橋型保護層においては、好ましくは10μm以下の薄膜とすることにより内部まで均一に硬化反応が進行し、表面と同様に内部でも高い耐摩耗性が維持される。また、本発明の架橋型保護層の形成においては、上記3官能性ラジカル重合性モノマーに加え、さらに1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を含有しており、これが上記3官能以上のラジカル重合性モノマー硬化時に架橋結合中に取り込まれる。これに対し、官能基を有しない低分子電荷輸送物質を架橋表面層中に含有させた場合、その相溶性の低さから低分子電荷輸送物質の析出や白濁現象が起こり、架橋表面層の機械的強度も低下する。一方、2官能以上の電荷輸送性化合物を主成分として用いた場合は複数の結合で架橋構造中に固定され架橋密度はより高まるが、電荷輸送性構造が非常に嵩高いため硬化樹脂構造の歪みが非常に大きくなり、架橋型保護層の内部応力が高まる原因となる。
本発明に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾール等の正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しておらず、且つラジカル重合性官能基を3個以上有するモノマーを指す。このラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であれば何れでもよい。これらラジカル重合性官能基としては、例えば、下記に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基等が挙げられる。
CH2=CH−X1− ・・・(A)
但し、式A中、X1は、置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、−CON(R10)−基(R10は、水素、メチル基、エチル基等のアルキル基、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を表す。)、または−S−基を表す。
これらの官能基を具体的に例示すると、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基等が挙げられる。
CH2=C(Y)−X2− ・・・(B)
但し、式B中、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基あるいはエトキシ基等のアルコキシ基、−COOR11基(R11は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル、フェネチル基等のアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、または−CONR12R13(R12およびR13は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、あるいはフェネチル基等のアラルキル基、または置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表し、互いに同一または異なっていてもよい。)、また、X2は上記式10のX1と同一の置換基及び単結合、アルキレン基を表す。ただし、Y、X2の少なくとも何れか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、及び芳香族環である。
なお、これらX1、X2、Yについての置換基にさらに置換される置換基としては、例えばハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
すなわち、本発明において使用する上記ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシ変性(以後EO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシ変性(以後PO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンカプロラクトン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、グリセロールエピクロロヒドリン変性(以後ECH変性)トリアクリレート、グリセロールEO変性トリアクリレート、グリセロールPO変性トリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、リン酸EO変性トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられ、これらは、単独又は2種類以上を併用しても差し支えない。
また、電荷輸送性構造としてはトリアリールアミン構造が高い効果を有し、中でも下記一般式(5)、(6)の構造で示される化合物を用いた場合、感度、残留電位等の電気的特性が良好に持続される。
前記一般式において、R1の置換基中、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等がそれぞれ挙げられ、これらは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等により置換されていても良い。
R1の置換基のうち、特に好ましいものは水素原子、メチル基である。
該縮合多環式炭化水素基としては、好ましくは環を形成する炭素数が18個以下のもの、例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、及びナフタセニル基等が挙げられる。
複素環基としては、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、及びチアジアゾール等の1価基が挙げられる。
(1)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等。
(2)アルキル基、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR2)であり、R2は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基であり、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
(5)アルキルメルカプト基またはアリールメルカプト基であり、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
(8)置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等。
前記Ar1、Ar2で表わされるアリーレン基としては、前記Ar3、Ar4で表されるアリール基から誘導される2価基である。
置換もしくは無置換のアルキレン基としては、C1〜C12、好ましくはC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキレン基であり、これらのアルキレン基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチレン基、エチレン基、n−ブチレン基、i−プロピレン基、t−ブチレン基、s−ブチレン基、n−プロピレン基、トリフルオロメチレン基、2−ヒドロキエチレン基、2−エトキシエチレン基、2−シアノエチレン基、2−メトキシエチレン基、ベンジリデン基、フェニルエチレン基、4−クロロフェニルエチレン基、4−メチルフェニルエチレン基、4−ビフェニルエチレン基等が挙げられる。
具体的にはシクロヘキシリデン基、シクロへキシレン基、3,3−ジメチルシクロヘキシリデン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコールを表わし、アルキレンエーテル基アルキレン基はヒドロキシル基、メチル基、エチル基等の置換基を有してもよい。
ビニレン基は、
置換もしくは無置換のアルキレン基としては、前記Xのアルキレン基と同様なものが挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基としては、前記Xのアルキレンエーテル2価基が挙げられる。
アルキレンオキシカルボニル2価基としては、カプロラクトン2価変性基が挙げられる。
s、tは0〜3の整数を表わす。Zaは単結合、メチレン基、エチレン基、下記式(8)、(9)、(10)を表す。
この成分が20重量%未満では架橋型保護層の電荷輸送性能が充分に保てず、繰り返しの使用で感度低下、残留電位上昇などの電気特性の劣化が現れる傾向がある。また、80重量%を超えると電荷輸送性構造を有しない3官能モノマーの含有量が低下し、架橋結合密度の低下を招き高い耐摩耗性が発揮しにくい傾向がある。
使用されるプロセスによって要求される電気特性や耐摩耗性が異なり、それに伴い本発明の感光体の架橋型保護層の膜厚も異なるため一概には言えないが、両特性のバランスを考慮すると30〜70重量%の範囲が最も好ましい。
但し、1官能及び2官能のラジカル重合性モノマーやラジカル重合性オリゴマーを多量に含有させると架橋型保護層の3次元架橋結合密度が実質的に低下し、耐摩耗性の低下を招く。このためこれらのモノマーやオリゴマーの含有量は、3官能以上のラジカル重合性モノマー100重量部に対し50重量部以下、好ましくは30重量部以下であればより好ましい。
熱重合開始剤としては、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルベルオキサイド、t−ブチルヒドロベルオキサイド、クメンヒドロベルオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシ)プロパンなどの過酸化物系開始剤、アゾビスイソブチルニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸等のアゾ系開始剤が挙げられる。
例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
これらの添加剤は公知のものが使用可能であり、可塑剤としてはジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂に使用されているものが利用可能で、その使用量は塗工液の総固形分に対し20重量%以下、好ましくは10重量%以下に抑えられる。また、レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが利用でき、その使用量は塗工液の総固形分に対し3重量%以下が適当である。
かかる塗工液はラジカル重合性モノマーが液体である場合、これに他の成分を溶解して塗布することも可能であるが、必要に応じて溶媒により希釈して塗布される。このとき用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテル等のエーテル系、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ系等が挙げられる。これらの溶媒は単独または2種以上を混合して用いてもよい。
溶媒による希釈率は組成物の溶解性、塗工法、目的とする膜厚により変わり、任意である。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行うことができる。
この影響が顕著に現れるのは表層1μm未満の場合で、この膜厚以下の架橋型保護層は耐摩耗性の低下や不均一な摩耗が起こりやすい。また、架橋型保護層塗工時において下層の電荷輸送層成分の混入が生じ、特に、架橋型保護層の塗布膜厚が薄いと層全体に混入物が拡がり、硬化反応の阻害や架橋密度の低下をもたらす。これらの理由から、本発明の架橋型保護層は1μm以上の膜厚で良好な耐摩耗性、耐傷性を有するが、繰り返しの使用において局部的に下層の電荷輸送層まで削れた部分できるとその部分の摩耗が増加し、帯電性や感度変動から中間調画像の濃度むらが発生しやすい。従って、より長寿命、高画質化のためには架橋型保護層の膜厚を2μm以上にすることが望ましい。
この有機溶剤に対する溶解性を試験する方法としては、感光体表面層上に高分子物質に対する溶解性の高い有機溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン等を1滴滴下し、自然乾燥後に感光体表面形状の変化を実体顕微鏡で観察することで判定できる。溶解性が高い感光体は液滴の中心部分が凹状になり周囲が逆に盛り上がる現象、電荷輸送物質が析出し結晶化による白濁やくもり生ずる現象、表面が膨潤しその後収縮することで皺が発生する現象などの変化がみられる。それに対し、不溶性の感光体は上記のような現象がみられず、滴下前と全く変化が現れない。
逆に膜厚、塗工液粘度の制限から上限濃度の制約をうける。具体的には、10〜50重量%の範囲で用いることが望ましい。架橋型保護層の塗工方法としては、同様な理由で塗工膜形成時の溶媒含有量、溶媒との接触時間を少なくする方法が好ましく、具体的にはスプレーコート法、塗工液量を規制したリングコート法が好ましい。また、下層成分の混入量を抑えるためには、電荷輸送層として高分子電荷輸送物質を用いること、感光層(もしくは電荷輸送層)と架橋型保護層の間に、架橋型保護層の塗工溶媒に対し不溶性の中間層を設けることも有効である。
UV照射の場合、メタルハライドランプ等を用いるが、照度は50mW/cm2以上、1000mW/cm2以下、時間としては5秒から5分程度が好ましく、ドラム温度は50℃を越えないように制御する。
熱硬化の場合、加熱温度は100〜170℃が好ましく、例えば加熱手段として送風型オーブンを用い、加熱温度を150℃に設定した場合、加熱時間は20分〜3時間である。
硬化終了後は、さらに残留溶媒低減のため100〜150℃で10分〜30分加熱して、本発明の感光体を得る。
上述のように、感光層上に保護層を形成する場合、適正な保護層を選定しないと除電光が感光層に十分に届かずに、除電作用が明確には働かない場合が存在する。また、保護層が除電光を吸収することにより、劣化しやすくなり、逆に残留電位上昇を生み出す場合が存在する。従って、上述したいずれの保護層においても、除電光に対する透過率が30%以上、好ましくは50%以上、更に望ましくは85%以上であることが望ましい。
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2'−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3'−ビス(4'−ヒドロキシ−3'−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類等。
N−フェニル−N'−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジメチル−N,N'−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミン等。
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノン等。
ジラウリル−3,3'−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3'−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3'−チオジプロピオネート等。
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィン等。
例えば、日本語の文書等における検印の存在などである。検印のようなものは通常、画像領域の端のほうに位置され、また使用される色も限定される。ランダムな画像が常に書き込まれているような状態においては、画像形成要素中の感光体には、平均的に画像書き込み、現像、転写が行なわれることになるが、上述のように特定の部分に数多くの画像形成が繰り返されたり、特定の画像形成要素ばかり使用された場合には、その耐久性のバランスを欠くことにつながる。このような状態で表面の耐久性(物理的・化学的・機械的)の小さな感光体が使用された場合には、この差が顕著になり、画像上の問題になりやすい。一方、感光体を高耐久化した場合には、このような局所的な変化量が小さく、結果的に画像上の欠陥として現われにくくなるため、高耐久化を実現すると共に、出力画像の安定性をも増すことになり、非常に有効である。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器(感光体表面と帯電器との間に100μm以下の空隙を有する近接方式の非接触帯電器を含む)等が挙げられる。
前記帯電器により静電潜像担持体に印加される電界強度としては、20〜60V/μmが好ましく、30〜50V/μmがより好ましい。感光体に印加される電界強度は高いほどドット再現性が良好になるが、電界強度が高すぎると感光体の絶縁破壊や現像時のキャリア付着等の問題が発生する場合がある。
なお、前記電界強度は、下記数式(1)で表される。
<数式(1)>
電界強度(V/μm)=SV/G
但し、前記数式(1)中、SVは、現像位置における静電潜像担持体の未露光部における表面電位(V)を表す。Gは、少なくとも感光層(電荷発生層及び電荷輸送層)を含む感光層の膜厚(μm)を表す。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。前記露光器の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記露光器の光源としては、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等の高輝度が確保できる光源が使用される。
使用する光源(書き込み光)の解像度により、形成される静電潜像ひいてはトナー像の解像度が決定され、解像度が高いほど鮮明な画像が得られる。しかしながら、解像度を高くして書き込みを行うとそれだけ書き込みに時間がかかることになるため、書き込み光源が1つであると書き込みがドラム線速(プロセス速度)の律速になってしまう。従って、書き込み光源が1つの場合には2400dpi程度の解像度が上限となる。書き込み光源が複数の場合には、それぞれが書き込み領域を負担すれば良く、実質的には「2400dpi×書き込み光源個数」が上限となる。これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザーは照射エネルギーが高く、良好に使用される。
また、露光器の光源波長として、450nmよりも短波長の光源を用いることにより、より精細な静電潜像が形成されるため、本発明においては有効に使用される。このような波長範囲にレーザー発振させる技術としては第2高調波発生(SHG)を用いてレーザー光の波長を2分の1にする方法や、ワイドギャップ半導体を用いるものが挙げられる。近年では、400〜410nmの波長領域にレーザー発振するLDも開発され、これを用いた光学系が開発されており、本発明にも有益に用いることができる。現在の書き込み光の使用できる波長下限値は、電荷輸送層や保護層を構成する材料によって異なるが、概ね350nm程度である。新たな材料、レーザーの開発によってこの下限値は短波長化するものである。
前記現像は、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成することにより行うことができる。前記トナーは、感光体の帯電極性と同極性のトナーを用いられ、反転現像(ネガ・ポジ現像)によって、静電潜像が現像される。また、トナーのみで現像を行う1成分方式と、トナー及びキャリアからなる2成分現像剤を使用した2成分方式の2通りの方法があるが、いずれの場合にも良好に使用できる。
前記転写手段は、前記可視像を記録媒体に転写する手段であるが、感光体表面から記録媒体に可視像を直接転写する方法と、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する方法がある。いずれの態様も良好に使用することができるが、高画質化に際して転写による悪影響が大きいような場合には、転写回数が少ない前者(直接転写)の方法が好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。なお、転写手段としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写手段の中から適宜選択することができ、例えば、記録媒体の搬送も同時に行うことのできる転写搬送ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
また、転写チャージャーは転写ベルト、転写ローラを用いることも可能であるが、オゾン発生量の少ない転写ベルトや転写ローラ等の接触型を用いることが望ましい。なお、転写時の電圧/電流印加方式としては、定電圧方式、定電流方式のいずれの方式も用いることが可能であるが、転写電荷量を一定に保つことができ、安定性に優れた定電流方式がより望ましい。このような転写部材は、構成上、本発明の構成を満足できるものであれば、公知のものを使用することができる。
この通過電荷量とは、感光体の膜厚方向を流れる電荷量に相当する。感光体の画像形成装置中の動作として、メイン帯電器により所望の帯電電位に帯電され(ほとんどの場合負帯電される)、原稿に応じた入力信号に基づき光書き込みが行われる。この際、書き込みが行われた部分は光キャリアが発生し、表面電荷を中和する(電位減衰する)。この時、光キャリア発生量に依存した電荷量が感光体膜厚方向に流れる。一方、光書き込みが行われない領域(非書き込み部)は、現像工程及び転写工程を経て、除電工程に進む(必要に応じて、その前にクリーニング工程が施される)。ここで、感光体の表面電位がメイン帯電により施された電位に近い状態(暗減衰分は除く)であると、光書き込みが行われた領域とほぼ同じ量の電荷量が感光体膜厚方向に流れることになる。一般的に、現在の原稿は書き込み立が低いため、この方式であると、繰り返し使用における感光体の通過電荷量は除電工程で流れる電流がほとんどと言うことになる(書き込み率が10%であるとすると、除電工程で流れる電流は、全体の9割を占めることになる)。
この通過電荷は、感光体を構成する材料の劣化を引き起こす等、感光体静電特性に大きく影響を及ぼす。その結果、通過電荷量に依存して、特に感光体の残留電位を上昇させる。感光体の残留電位が上昇すると、本発明で使用されるネガ及びポジ現像では、画像濃度が低下することになり、大きな問題となる。従って、画像形成装置内での感光体の長寿命化(高耐久化)を狙うためには、如何に感光体の通過電荷量を小さくするかという課題が存在する。
これに対して、光除電を行わないという考え方もあるが、メイン帯電器の帯電器能力が大きくないと、帯電の安定化が図れず、残像のような問題を生じる場合がある。感光体の通過電荷は、感光体表面に帯電された電位(これにより生じた電界)により、光照射が行われることにより、発生した光キャリアが移動することにより生じる。従って、感光体表面電位を光以外の手段で減衰させることが出来れば、感光体1回転(画像形成1サイクル)あたりの通過電荷量を低減することができる。
このためには、転写工程において転写バイアスを調整することにより、感光体通過電荷量を調整することが有効である。即ち、メイン帯電により帯電され、書き込みが行われない非書き込み部は、暗減衰量を除き、帯電された電位に近い状態で転写工程に突入する。この際、メイン帯電器により帯電された極性側の絶対値として100V以下まで低減することにより、引き続く除電工程に突入しても光キャリア発生がほとんど行われず、通過電荷が生じない。この値は、0Vより近いほど好ましい。
更には、転写バイアスの調整により、メイン帯電により施される帯電極性とは逆極性に感光体表面電位が帯電するように転写バイアスを印加させることにより、光キャリアが絶対に発生しないため、より望ましい。但し、逆極性にまで帯電するような転写条件では、場合により転写チリを多く発生させたり、次の画像形成プロセス(サイクル)のメイン帯電が追いつかない場合が出てくる。その場合には、残像のような不具合が発生する場合があるため、逆極性の絶対値として100V以下であることが好ましい。
以上のような制御を加えることは、本発明における効果を顕著なものとして、有効に使用できるものである。
前記定着は、記録媒体に転写された可視像を、定着装置を用いて定着され、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせ、などが挙げられる。前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電手段としては、500nm未満(好ましくは480nm未満、より好ましくは450nm未満)の波長を有し、前記静電潜像担持体に対し除電を行うことが出来れば良く、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等が好適に挙げられる。
半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等の光源には、500nm未満に発振波長を有する半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等、あるいは蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、キセノンランプ等と発光が500nm未満に制限できるような適当な光学フィルターと組み合わせたもの等を用いることができる。前記光学フィルターとは、所望の波長域の光(500nm未満)のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルター等の各種フィルターを用いることもできる。
ZnSe系半導体(特開平7−321409号公報、特開平6−334272号公報等参照)や、GaN系半導体(特開平8−88441号公報、特開平7−335975号公報等参照)を用いたLDが、その発光効率の高さから、以前から多くの研究の対象となっている。また、比較的最近の技術として、日亜化学工業から、GaN系半導体を用いたLD(405nm発振)が実用化され、上記の技術よりも格段に進んだ書き込み系が開発され、本発明にも有益に用いることができる。
また、上記材料を用いたLEDランプ等も上市されており、これらも有効に使用することが出来る。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル手段は、前記クリーニング手段により除去した前記電子写真用カラートナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、例えば、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
図11において、静電潜像担持体としての感光体1は支持体上に少なくとも前記一般式(1)で示されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド顔料を含有する電荷発生層と、電荷輸送層からなる積層感光層が設けられてなる。感光体1はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
帯電器3には、ワイヤー方式の帯電器やローラ形状の帯電器が用いられる。高速帯電が必要とされる場合にはスコロトロン方式の帯電器が良好に使用され、コンパクト化や後述の感光体を複数使用するタンデム方式の画像形成装置においては、酸性ガス(NOx、SOx等)やオゾン発生量の少ないローラ形状の帯電器が有効に使用される。この帯電器により、感光体には帯電が施されるが、感光体に印加される電界強度は高いほどドット再現性が良好になるため、20V/μm以上の電界強度が印加されることが望ましい。
しかしながら、感光体の絶縁破壊や現像時のキャリア付着の問題を生み出す可能性があり、上限値は概ね60V/μm以下、より好ましくは50V/μm以下である。
光源(書き込み光)の解像度により、形成される静電潜像ひいてはトナー像の解像度が決定され、解像度が高いほど鮮明な画像が得られる。しかしながら、解像度を高くして書き込みを行うとそれだけ書き込みに時間がかかることになるため、書き込み光源が1つであると書き込みがドラム線速(プロセス速度)の律速になってしまう。従って、書き込み光源が1つの場合には1200dpi程度の解像度が上限となる。書き込み光源が複数の場合には、それぞれが書き込み領域を負担すれば良く、実質的には「1200dpi×書き込み光源個数」が上限となる。これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザーは照射エネルギーが高く、良好に使用される。
また上述のように発振波長が、450nmより短波長のレーザー光を用いることは有効な手段である。
現像ユニット6では、感光体の帯電極性と同極性のトナーが使用され、反転現像(ネガ・ポジ現像)によって、静電潜像が現像される。
先の画像露光部に使用する光源によっても異なるが、近年使用するデジタル光源の場合には、一般的に画像面積率が低いことに対応して、書込部分にトナー現像を行う反転現像方式が光源の寿命等を考慮すると有利である。
また、トナーのみで現像を行う1成分方式と、トナー及びキャリアからなる2成分現像剤を使用した2成分方式の2通りの方法があるが、いずれの場合にも良好に使用できる。
なお、転写時の電圧/電流印加方式としては、定電圧方式、定電流方式のいずれの方式も用いることが可能であるが、転写電荷量を一定に保つことができ、安定性に優れた定電流方式がより望ましい。
特に、転写部材に電荷を供給する電源供給用部材(高圧電源)から出力された電流のうち、転写部材に関連する部分に流れ、感光体に流れ込まない電流を差し引くことにより、感光体への電流値を制御する方法が好ましい。
転写電流は、感光体に静電的に付着しているトナーを引きはがし、被転写体(転写紙もしくは中間転写体など)へ移行させるために与える必要電荷量に基づく電流である。転写残などの転写不良を回避するためには、転写電流を大きくすれば良いことになるが、ネガ及びポジ現像を用いた場合には、感光体の帯電極性と逆極性の帯電を与えることになり、感光体の静電疲労が著しいものとなる。転写電流は大きいほど、感光体−トナー間の静電付着力を上回る電荷量を与えられるため有利であるが、ある閾値を越えると転写部材−感光体間で放電現象を生じてしまい、微細に現像されたトナー像を散らせる結果になる。このため、上限値としてはこの放電現象を起こさない範囲ということになる。この閾値は転写部材−感光体間の空隙(距離)、両者を構成する材料などによって変わるものであるが、概ね200μA以下程度で使用することにより、放電現象を回避できる。従って、転写電流の上限値は200μA程度である。
1つは図11に示すような感光体表面に現像されたトナー像を転写紙に直接転写する方法と、もう1つはいったん感光体から中間転写体にトナー像が転写され、これを転写紙に転写する方法である。いずれの場合にも本発明において用いることができる。
このような転写部材は、構成上、本発明の構成を満足できるものであれば、公知のものを使用することができる。
また、前述のように転写電流を制御することで、転写後の感光体表面電位(書き込み光の未露光部)を低下させておくことは、画像形成1サイクルあたりの感光体通過電荷量を低減することが出来、本発明においては有効に使用される。
半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等の光源には、500nm未満に発振波長を有する半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等、あるいは蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、キセノンランプ等と発光が500nm以下に制限できるような適当な光学フィルターと組み合わせたもの等を用いることができる。前記光学フィルターとは、所望の波長域の光(500nm未満)のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルター等の各種フィルターを用いることもできる。
使用する波長の下限値としては、感光体に使用される電荷輸送層や保護層の透過率によって異なるが、概ね300〜350nmが下限となる。
図11中、8はレジストローラ、11は分離チャージャー、12は分離爪である。
また、現像ユニット6により感光体1上に現像されたトナーは、転写紙9に転写されるが、感光体1上に残存するトナーが生じた場合、ファーブラシ14及びブレード15により、感光体より除去される。クリーニングは、クリーニングブラシだけで行われることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
図12において、符号16Y、16M、16C、16Kはドラム状の感光体であり、感光体は支持体上に、少なくとも前記一般式(1)で示されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド顔料を含有する電荷発生層と、電荷輸送層からなる積層感光層が設けられてなる。
帯電器17Y、17M、17C、17Kは、感光体表面を均一に帯電するための帯電装置を構成する帯電器である。この帯電器17Y、17M、17C、17Kと現像手段19Y、19M、19C、19Kの間の感光体表面側より、露光器18Y、18M、18C、18Kからのレーザー光が照射され、感光体16Y、16M、16C、16Kに静電潜像が形成されるようになっている。そして、このような感光体16Y、16M、16C、16Kを中心とした4つの画像形成要素25Y、25M、25C、25Kが、転写材搬送手段である転写搬送ベルト22に沿って並置されている。転写搬送ベルト22は各画像形成ユニット25Y、25M、25C、25Kの現像手段19Y、19M、19C、19Kとクリーニング部材20Y、20M、20C、20Kの間で感光体16Y、16M、16C、16Kに当接しており、転写搬送ベルト22の感光体側の裏側に当たる面(裏面)には転写バイアスを印加するための転写帯電器21Y、21M、21C、21Kが配置されている。各画像形成要素25Y、25M、25C、25Kは現像装置内部のトナーの色が異なることであり、その他は全て同様の構成となっている。
まず、各画像形成要素25Y、25M、25C、25Kにおいて、感光体16Y、16M、16C、16Kに静電潜像が形成されるようになっている。そして、このような感光体16Y、16M、16C、16Kが回転し、帯電器17Y、17M、17C、17Kにより、感光体が帯電される。
この際、高精細の潜像を形成するためには、感光体の電界強度が20V/μm以上(60Vμm以下、好ましくは50V/μm以下)になるように帯電が施される。
この書き込み光源としては前述の様に、任意の感光体に適した光源が用いられる。この場合にも書き込み光源1つに対して2400dpiの書き込みが概ね上限となる。この場合にも、上述のように発振波長が、450nmより短波長のレーザー光を用いることは有効な手段である。
転写紙26は給紙コロ(図示せず)によりトレイから送り出され、一対のレジストローラ23で一旦停止し、上記感光体上への画像形成とタイミングを合わせて転写搬送ベルト22に送られる。転写搬送ベルト22上に保持された転写紙26は搬送されて、各感光体16Y、16M、16C、16Kとの当接位置(転写部)で各色トナー像の転写が行われる。
そして4つの転写部を通過して4色のトナー像が重ねられた記録紙26は定着装置24に搬送され、トナーが定着されて、図示しない排紙部に排紙される。
続いて、500nmよりも短波長の光源を有する除電部材27Y、27M、27C、27Kにより、感光体上の余分な残留電荷が除去される。この後再び、帯電器で均一に帯電が施されて、次の画像形成が行われる。
感光体101は支持体上に少なくとも前記一般式(1)で示されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド顔料を含有する電荷発生層と、電荷輸送層からなる積層感光層が設けられてなる。
画像露光部103には、前述のように好ましくは600dpi以上の解像度で書き込みが行うことのできる光源が用いられ、帯電器102には、任意の帯電器が用いられる。
図13中、104は少なくとも1つの現像スリーブを有する現像手段、105は転写体、106は転写手段、107はクリ−ニング手段、108は500nmよりも短波長(好ましくは480nm未満、より好ましくは450nm未満)の光源を有する除電部材である。
また、下記実施例1〜41のうち、実施例1〜11,29〜33及び40〜41は、本発明の範囲に属しない参考例に相当する例である。
(分散液作製例1)
下記組成の処方にて、下記に示す条件にて分散を行い、電荷発生層用塗工液として、分散液を作製した。
下記構造のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド顔料:5部
テトラヒドロフラン:100部
ビーズミル分散機に直径1mmのPSZボールを用い、ポリビニルブチラールを溶解した溶媒、及びナフタレンテトラカルボン酸ジイミド顔料を全て投入し、3時間分散を行い、100部のシクロヘキサノンを加えて、希釈して分散液を作製した(分散液1とする)。
分散液作製例1で使用したナフタレンテトラカルボン酸ジイミド顔料を下記構造のものに変更した。その他の条件は、分散液作製例1と同様に分散液を作製した(分散液2とする)。
分散液作製例1で作製した分散液2を、アドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−3−CS(有効孔径3μm)を用いて濾過した。
濾過に際しては、ポンプを使用し、加圧状態で濾過を行った(分散液3とする)。
分散液作製例3で使用したフィルターを、アドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−5−CS(有効孔径5μm)に変えた。その他の条件は、分散液作製例3と同様に加圧濾過を行い、分散液を作製した(分散液4とする)。
φ30mmのアルミドラム(JIS 1050)上に、下記組成の中間層塗工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥し、3.5μmの中間層、0.5μmの電荷発生層、25μmの電荷輸送層を形成し、積層感光体を作製した(電子写真感光体1とする)。
◎中間層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm):112部
アルキッド樹脂:33.6部
[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、大日本インキ化学工業製]メラミン樹脂:18.7部
[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、大日本インキ化学工業製]2−ブタノン:260部
先に作製した分散液1を用いた。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製):10部
下記構造式の電荷輸送物質:7部
以上のように作製した電子写真感光体1を図11に示すような画像形成装置に搭載し、画像露光光源を407nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材としてスコロトロン帯電器、転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として428nmLED(ローム製:半値幅 65nm)を用いた。
試験前のプロセス条件が下記になるように設定し、書き込み率6%のチャート(A4全面に対して、画像面積として6%相当の文字が平均的に書かれている)を用い、連続3万枚印刷を行った。
現像バイアス:−650V(ネガ・ポジ現像)
除電後表面電位(書き込み光未露光部):−100V
測定方法としては、図11に示す現像部位置に、表面電位計を搭載し、感光体を−900Vに帯電した後、上記半導体レーザーでベタ書込みを行い、現像部位における未露光部表面電位及び露光部電位を測定した。結果を下記表2に示す。
また、電荷輸送層の透過率を測定するために、電子写真感光体1における電荷輸送層のみを、ポリエチレンテレフタレートフィルムを巻き付けたφ30mmのアルミドラムに、電子写真感光体1の場合と同じ条件で形成した。これを適当な大きさに切り出し、電荷輸送層を形成していないポリエチレンテレフタレートフィルムを比較対象として、市販の分光光度計(島津:UV−3100)を用いて、除電光波長における透過率を測定した。結果を表2に示す。
実施例1における除電光源として、472nmLED(星和電機製:半値幅15nm)に変更した。その他の条件は、実施例1と同様に評価を行った。
除電後の感光体表面電位が、実施例1の場合と同じになるように、除電光量を調整した。
結果を下記表2に示す。
実施例1における除電光源として、502nmLED(星和電機製:半値幅15nm)に変更した。その他の条件は、実施例1と同様に評価を行った。
除電後の感光体表面電位が、実施例1の場合と同じになるように、除電光量を調整した。
結果を下記表2に示す。
実施例1における除電光源として、591nmLED(ローム製:半値幅15nm)に変更した。その他の条件は、実施例1と同様に評価を行った。
除電後の感光体表面電位が、実施例1の場合と同じになるように、除電光量を調整した。
結果を下記表2に示す。
実施例1における除電光源として、630nmLED(ローム製:半値幅20nm)に変更した。その他の条件は、実施例1と同様に評価を行った。
除電後の感光体表面電位が、実施例1の場合と同じになるように、除電光量を調整した。
結果を下記表2に示す。
実施例1における除電光源として、蛍光灯(図1に示す発光スペクトルを有する)に変更した。その他の条件は、実施例1と同様に評価を行った。
除電後の感光体表面電位が、実施例1の場合と同じになるように、除電光量を調整した。
結果を下記表2に示す。
実施例1における除電光源として、428nmLED(ローム製:半値幅65nm)及び630nmLED(ローム製:半値幅20nm)の2つを用いてほぼ同等の光量を同時に照射するように変更した。その他の条件は、実施例1と同様に評価を行った。
除電後の感光体表面電位が、実施例1の場合と同じになるように、除電光量を調整した。
結果を下記表2に示す。
また、発光分布が広く、500nm以上の長波長光の成分を含む場合(比較例4)では、実施例ほどの明確な効果が得られていない。また、露光波長の異なる2種類の光源を用いた場合(比較例5)では、短波長光源による除電の効果が低減されていることが分かる。
感光体作製例1において使用した電荷発生層塗工液に代えて、先に作製した分散液2を用いた。その他の条件は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(電子写真感光体2とする)。
また、電荷輸送層の透過率を測定するために、電子写真感光体2における電荷輸送層のみを、ポリエチレンテレフタレートフィルムを巻き付けたφ30mmのアルミドラムに、電子写真感光体2の場合と同じ条件で形成した。これを適当な大きさに切り出し、電荷輸送層を形成していないポリエチレンテレフタレートフィルムを比較対象として、市販の分光光度計(島津:UV−3100)を用いて、除電光波長における透過率を測定した。結果を表3に示す。
実施例1において使用した電子写真感光体1の代わりに、電子写真感光体2を用いた。
その他の条件は、実施例1と同様に評価を行った。
結果を下記表3に示す。
実施例2において使用した電子写真感光体1の代わりに、電子写真感光体2を用いた。
その他の条件は、実施例2と同様に評価を行った。
結果を下記表3に示す。
比較例1において使用した電子写真感光体1の代わりに、電子写真感光体2を用いた。
その他の条件は、比較例1と同様に評価を行った。
結果を下記表3に示す。
比較例2において使用した電子写真感光体1の代わりに、電子写真感光体2を用いた。
その他の条件は、比較例2と同様に評価を行った。
結果を下記表3に示す。
比較例3において使用した電子写真感光体1の代わりに、電子写真感光体2を用いた。
その他の条件は、比較例3と同様に評価を行った。
結果を下記表3に示す。
比較例4において使用した電子写真感光体1の代わりに、電子写真感光体2を用いた。
その他の条件は、比較例4と同様に評価を行った。
結果を下記表3に示す。
中でも、450nm未満にした場合(実施例3)は、実施例4よりも更に効果が顕著であることが分かる。
また、発光分布が広く、500nm以上の長波長光の成分を含む場合(比較例9)では、実施例ほどの明確な効果が得られていない。
感光体作製例1において用いた電荷輸送層塗工液に代えて、下記組成の電荷輸送層塗工液を用いた。その他の条件は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(電子写真感光体3とする)。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製):10部
下記構造式の電荷輸送物質:7部
以上のようにして作製した電子写真感光体3を、図11に示すような画像形成装置に搭載し、画像露光光源として407nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)を用い、帯電部材としてスコロトロン帯電器、転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として下記のものを用いた。試験前のプロセス条件が下記になるように設定し、書き込み率6%のチャートを用い、連続3万枚印刷を行った。
現像バイアス:−650V(ネガ・ポジ現像)
除電後表面電位(書き込み光未露光部):−100V
除電光源:キセノンランプに分光器を組み合わせて461nmの単色光を作り、これを光ファイバーによって画像形成装置に導き、スリット状の光を除電部にて感光体表面に照射した。
評価は、3万枚の画像印刷前後における感光体露光部電位を測定した。
測定方法としては、図11に示す現像部位置に、表面電位計を搭載し、感光体を−900Vに帯電した後、上記半導体レーザーでベタ書込みを行い、現像部位における未露光部表面電位及び露光部電位を測定した。
結果を下記表4に示す。
更に、3万枚出力後に上記電位計測を行った後に、図14に示すようなチャート(手前半分がストライプ、後半分がハーフトーン)を出力し、ハーフトーン部における画像のムラを観察した。
また、電荷輸送層の透過率を測定するために、電子写真感光体3における電荷輸送層のみを、ポリエチレンテレフタレートフィルムを巻き付けたφ30mmのアルミドラムに、電子写真感光体4の場合と同じ条件で形成した。これを適当な大きさに切り出し、電荷輸送層を形成していないポリエチレンテレフタレートフィルムを比較対象として、市販の分光光度計(島津:UV−3100)を用いて、除電光波長における透過率を測定した。結果を表4に示す。
実施例5における除電光波長を分光器によって443nmに変更した。
その他の条件は、実施例5と同様に評価を行った。
結果を下記表4に示す。
実施例5における除電光波長を分光器によって437nmに変更した。
その他の条件は、実施例5と同様に評価を行った。
結果を下記表4に示す。
実施例5における除電光波長を分光器によって433nmに変更した。
その他の条件は、実施例5と同様に評価を行った。
結果を下記表4に示す。
実施例5における除電光波長を分光器によって429nmに変更した。
その他の条件は、実施例5と同様に評価を行った。
結果を下記表4に示す。
また、図14のチャート出力において、実施例5〜7のハーフトーン部は全く正常な画像を形成したが、実施例8及び9においては、問題にならないレベルではあったが、ハーフトーン部にストライプに対応した僅かな残像が認められた。この程度は、実施例9の方が実施例8よりも悪かった。
上記の結果から、500nm未満の除電光を照射することにより、繰り返し使用後の露光部電位上昇を抑制することが出来るが、電荷輸送層の除電光に対する透過率が30%未満であると、僅かに副作用を生じる場合があることが分かる。
感光体作製例1における電荷発生層塗工液(分散液1)を、分散液3に変更した。
その他の条件は、感光体作製例1と同様にして感光体を作製した(電子写真感光体4とする)。
感光体作製例1における電荷発生層塗工液(分散液1)を、分散液4に変更した。
その他の条件は、感光体作製例1と同様にして感光体を作製した(電子写真感光体5とする)。
実施例1と同じ条件で、電子写真感光体1の代わりに電子写真感光体4を用いて評価を行った。
また、3万枚の画像出力後に、白ベタの画像を出力して、地汚れの評価を実施した。
実施例1の結果と併せて下記表5に示す。
実施例1と同じ条件で、電子写真感光体1の代わりに電子写真感光体5を用いて評価を行った。
また、3万枚の画像出力後に、白ベタの画像を出力して、地汚れの評価を実施した。
結果を下記表5に示す。
ランクは、4段階で行うこととし、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。
感光体作製例1における電荷輸送層塗工液を下記の組成のものに変更した。
その他の条件は、感光体作製例1と同様にして感光体を作製した(電子写真感光体6とする)。
◎電荷輸送層塗工液
下記組成の高分子電荷輸送物質:10部
(重量平均分子量:約140000)
塩化メチレン:100部
感光体作製例1における電荷輸送層の膜厚を22μmとし、電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を塗布乾燥し、3μmの保護層を設けた。その他の条件は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(電子写真感光体7とする)。
◎保護層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製):10部
下記構造式の電荷輸送物質:7部
(比抵抗:2.5×1012Ω・cm、平均一次粒径:0.4μm)
シクロヘキサノン:500部
テトラヒドロフラン:150部
感光体作製例7における保護層塗工液中のアルミナ微粒子を以下のものに変更した。
その他の条件は、感光体作製例7と同様に感光体を作製した(電子写真感光体8とする)。
酸化チタン微粒子:4部
(比抵抗:1.5×1010Ω・cm、平均一次粒径:0.5μm)
感光体作製例7における保護層塗工液中のアルミナ微粒子を以下のものに変更した。
その他の条件は、感光体作製例7と同様にして感光体を作製した(電子写真感光体9とする)。
酸化錫−酸化アンチモン粉末:4部
(比抵抗:106Ω・cm、平均1次粒径0.4μm)
感光体作製例7における保護層塗工液を下記組成のものに変更した。その他の条件は、感光体作製例7と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体10とする)。
◎保護層塗工液
下記構造式の高分子電荷輸送物質:17部
(重量平均分子量:約140000)
(比抵抗:2.5×1012Ω・cm、平均一次粒径:0.4μm)
シクロヘキサノン:500部
テトラヒドロフラン:150部
感光体作製例7における保護層塗工液を下記組成のものに変更した。
その他の条件は、感光体作製例7と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体11とする)。
◎保護層塗工液
メチルトリメトキシシラン:100部
3%酢酸:20部
下記構造の電荷輸送性化合物:35部
硬化剤(ジブチル錫アセテート):1部
2−プロパノール:200部
感光体作製例7における保護層塗工液を下記組成のものに変更した。
その他の条件は、感光体作製例7と同様に電子写真感光体を作製した(電子写真感光体12とする)。
◎保護層塗工液
メチルトリメトキシシラン:100部
3%酢酸:20部
下記構造の電荷輸送性化合物:35部
(比抵抗:2.5×1012Ω・cm、平均一次粒径:0.4μm)
酸化防止剤(サノール LS2626:三共化学社製):1部
ポリカルボン酸化合物 BYK P104:ビックケミー社製:0.4部
硬化剤(ジブチル錫アセテート):1部
2−プロパノール:200部
感光体作製例7における保護層塗工液を下記組成のものに変更した。その他の条件は、感光体作製例7と同様に電子写真感光体を作製した(電子写真感光体13とする)。
◎保護層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー:10部
{トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)、分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99}
下記構造の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物:10部
(例示化合物No.54)
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン:100部
感光体作製例13において、保護層塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のラジカル重合性モノマーに変更した。
その他の条件は、感光体作製例13と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体14とする)。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー:10部
(ペンタエリスリトールテトラアクリレート(SR−295、化薬サートマー製)、分子量:352、官能基数:4官能、分子量/官能基数=88)
感光体作製例13の保護層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記の電荷輸送性構造を有さない2官能のラジカル重合性モノマー10部に変更した。
その他の条件は、感光体作製例13と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体15とする)。
電荷輸送性構造を有さない2官能のラジカル重合性モノマー:10部
(1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(和光純薬製)、分子量:226、官能基数:2官能、分子量/官能基数=113)
感光体作製例13において、保護層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを、下記のラジカル重合性モノマーに代えた。
その他の条件は、感光体作製例13と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体16とする)。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー:10部
(カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPCA−120、日本化薬製)、分子量:1947、官能基数:6官能、分子量/官能基数=325)
感光体作製例13の保護層用塗工液に含有される1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を下記構造式に示される2官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物10部に代えた。
その他の条件は、感光体作製例13と同様に電子写真感光体を作製した(電子写真感光体17とする)。
感光体作製例13において、保護層用塗工液を下記組成に代えた。
その他の条件は、感光体作製例13と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体18とする)。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー:6部
{トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)、分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99}
下記構造の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物:14部
(例示化合物No.54)
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン:100部
感光体作製例13において、保護層用塗工液を下記組成に代えた。
その他の条件は、感光体作製例13と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体19とする)。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー:14部
{トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)、分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99}
下記構造の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物:6部
(例示化合物No.54)
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン:100部
感光体作製例13において、保護層用塗工液を下記組成に代えた。
その他の条件は、感光体作製例13と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体20とする)。
◎保護層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー:2部
{トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)、分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99}
下記構造の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物:18部
(例示化合物No.54)
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン:100部
感光体作製例13において、保護層用塗工液を下記組成に代えた。
その他の条件は、感光体作製例13と同様にして電子写真感光体を作製した(電子写真感光体21とする)。
◎保護層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー:18部
{トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)、分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99}
下記構造の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物:2部
(例示化合物No.54)
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン:100部
以上のように作製した電子写真感光体1を、図11に示すような画像形成装置に搭載し、画像露光光源として655nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材としてスコロトロン帯電器、転写部材として転写ベルトをそれぞれ用い、除電光源として472nm(星和電機製:半値幅15nm)を用いた。
試験前のプロセス条件が下記になるように設定し、書き込み率6%のチャートを用い、連続5万枚印刷を行った。
感光体帯電電位(未露光部電位):−900V
現像バイアス:−650V(ネガ・ポジ現像)
除電後表面電位(書き込み光未露光部):−100V
(1)表面電位測定
評価は、5万枚の画像印刷前後における感光体露光部電位を測定した。
測定方法としては、図11に示す現像部位置に、表面電位計を搭載し、感光体を−900Vに帯電した後、上記半導体レーザーでベタ書込みを行い、現像部位における未露光部表面電位及び露光部電位を測定した。結果を下記表6に示す。
(2)地汚れ評価
また、5万枚の画像出力後(表面電位測定終了後)に、白ベタの画像を出力して、地汚れの評価を実施した(22℃、−50%RH)。地汚れ評価は、前述の4段階のランク評価にて、評価を実施した。結果を下記表6に示す。
(3)クリーニング性評価
更に、地汚れ評価後に、低温低湿環境下(10℃、15%RH)で、図15に示すようなテストチャートを用い、実施例1と同じ条件下で、黒ベタ部から白ベタ部の方向で画像出力し、連続50枚の印刷を実施し、クリーニング性の評価を実施した。この際、50枚目の白ベタ部の画像を目視にて評価した。評価は4段階にて行い、極めて良好なもの(クリーニング不良全くなし)を◎、良好なもの(うっすらと黒スジが入るレベル、長手方向で1〜2カ所)を○、やや劣るもの(うっすらと黒スジが入るレベル、長手方向で3〜4カ所)を△、非常に悪いもの(明確に黒スジが入るレベル)を×で表わした。結果を下記表6に示す。
(4)ドット再現性評価
先のクリーニング性試験に引き続き、高温高湿環境(30℃、−90%RH)にて、更に1000枚の通紙試験(先の6%チャーと使用)を行い、1000枚通紙後に1ドット画像評価(独立ドットを書き込んだ画像を出力)を実施した。1ドット画像を光学顕微鏡で観察し、ドット輪郭の明確さをランク評価した。ランク評価は4段階にて行い、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。結果を下記表6に示す。
(5)摩耗量評価
感光体初期膜厚を測定し、上記(1)〜(4)の試験を全て終了した後に再び膜厚を測定した。
全ての試験前後における膜厚の差(摩耗量)を評価した。尚、膜厚の測定は、感光体長手方向の両端5cmを除き、1cm間隔に測定し、その平均値を膜厚とした。
また、電荷輸送層の透過率を測定するために、電子写真感光体6における電荷輸送層のみを、ポリエチレンテレフタレートフィルムを巻き付けたφ30mmのアルミドラムに、電子写真感光体6の場合と同じ条件で形成した。これを適当な大きさに切り出し、電荷輸送層を形成していないポリエチレンテレフタレートフィルムを比較対象として、市販の分光光度計(島津:UV−3100)を用いて、除電光波長における透過率を測定した。結果を表6に示す。
実施例12と同じ条件で、上述のように作製した電子写真感光体6〜21を評価した。
なお、電子写真感光体の表面層が保護層である場合は、以下のように保護層透過率を求めた。電子写真感光体7〜21における保護層のみを、ポリエチレンテレフタレートフィルムを巻き付けたφ30mmのアルミドラムに、電子写真感光体7〜21の場合と同じ条件で形成した。これを適当な大きさに切り出し、保護層を形成していないポリエチレンテレフタレートフィルムを比較対象として、市販の分光光度計(島津:UV−3100)を用いて、除電光波長における保護層の透過率を測定した。
結果を下記表6に示す。
表6には実施例番号に対応する使用した電子写真感光体番号も併せて記載する。
保護層を設けた場合でも、500nmよりも短波長の光源にて除電を行うことにより、残留電位上昇防止の効果が認められる。
高分子電荷輸送物質(トリアリールアミン構造を主鎖もしくは側鎖に有するポリカーボネート)を含む電荷輸送層を設けること(実施例13)により、低分子分散系(実施例12)よりも耐摩耗性が向上する。
保護層を設けることにより(実施例14〜28)、設けない場合(実施例12)に比べて、耐摩耗性が向上する。
無機顔料(金属酸化物)を含有する保護層を設けた場合(実施例14〜16)のうち、比抵抗が1010Ω・cm以上の無機顔料(金属酸化物)を含有することにより、高温高湿下でもドット再現性がそれほど低下しない(実施例14、15)。
架橋構造を保護層中に有することにより、有さない場合よりも耐摩耗性が向上する。更に、電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成された保護層を用いた場合には、より高い耐摩耗性が得られる(実施例20、21、23、25〜28)。
またこれら電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成された保護層を用いた場合には、クリーニング性も良好である。
実施例20において適用した除電光源を、502nmLED(星和電機製:半値幅15nm)に変更した。その他の条件は、実施例20と同様に露光部電位及び保護層透過率を測定し評価を行った。
除電後の感光体表面電位が、実施例20の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を表7に示す。
実施例20において適用した除電光源を、591nmLED(ローム製:半値幅15nm)に変更した。その他の条件は、実施例20と同様に露光部電位及び保護層透過率を測定し評価を行った。
除電後の感光体表面電位が、実施例20の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を表7に示す。
実施例20において適用した除電光源として、630nmLED(ローム製:半値幅20nm)に変更した。その他の条件は、実施例20と同様に露光部電位及び保護層透過率を測定し評価を行った。
除電後の感光体表面電位が、実施例20の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を表7に示す。
実施例20において適用した除電光源として、蛍光灯(図1に示す発光スペクトルを有する)に変更した。その他の条件は、実施例20と同様に露光部電位及び保護層透過率を測定し評価を行った。
除電後の感光体表面電位が、実施例20の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を表7に示す。
また、発光分布が広く、500nm以上の長波長光の成分を含む場合(比較例13)では、実施例ほどの明確な効果が得られないことが分かった。
以上のように作製した電子写真感光体13を、図11に示すような画像形成装置に搭載し、画像露光光源として407nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材としてスコロトロン帯電器、転写部材として転写ベルトをそれぞれ用い、除電光源として下記のものを用いた。
試験前のプロセス条件が下記になるように設定し、書き込み率6%のチャートを用い、連続5万枚印刷を行った。
感光体帯電電位(未露光部電位):−900V
現像バイアス:−650V(ネガ・ポジ現像)
除電後表面電位(書き込み光未露光部):−100V
除電光源:キセノンランプに分光器を組み合わせて450nmの単色光を作り、これを光ファイバーによって画像形成装置に導き、スリット状の光を除電部にて感光体表面に照射した。
測定方法としては、図11に示す現像部位置に、表面電位計を搭載し、感光体を−900Vに帯電した後、上記半導体レーザーでベタ書込みを行い、現像部位における未露光部表面電位及び露光部電位を測定した。結果を下記表8に示す。
更に、5万枚出力後に上記電位計測を行った後に、図14に示すようなチャート(手前半分がストライプ、後半分がハーフトーン)を出力し、ハーフトーン部における画像のムラを観察した。
実施例29における除電光波長を分光器によって400nmに変更した。その他の条件は、実施例29と同様に評価を行った。結果を表8に示す。
実施例29における除電光波長を分光器によって393nmに変更した。その他の条件は、実施例29と同様に評価を行った。結果を表8に示す。
実施例29における除電光波長を分光器によって390nmに変更した。その他の条件は、実施例29と同様に評価を行った。結果を表8に示す。
実施例29における除電光波長を分光器によって385nmに変更した。その他の条件は、実施例29と同様に評価を行った。結果を表8に示す。
また、図14のチャート出力において、実施例29〜31のハーフトーン部は全く正常な画像を形成したが、実施例32及び33においては、問題にならないレベルではあったが、ハーフトーン部にストライプに対応した僅かな残像が認められた。この程度は、実施例33の方が実施例32よりも悪かった。
上記の結果から、500nm未満の除電光を照射することにより、繰り返し使用後の露光部電位上昇を抑制することができるが、保護層の除電光に対する透過率が30%未満であると、僅かに副作用を生じる場合があることが分かった。
感光体作製例1における中間層を、電荷ブロッキング層とモアレ防止層の積層構成とした。
それぞれの下記組成の電荷ブロッキング層塗工液、モアレ防止層塗工液を塗布乾燥して、1.0μmの電荷ブロッキング層、3.5μmのモアレ防止層とした以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した(電子写真感光体22とする)。
◎電荷ブロッキング層塗工液
N−メトキシメチル化ナイロン(鉛市:ファインレジンFR−101):4部
メタノール:70部
n−ブタノール:30部
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm):126部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、大日本インキ化学工業製]:33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、大日本インキ化学工業製]:18.7部
2−ブタノン:100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1.5/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
感光体作製例22において、電荷ブロッキング層の膜厚を0.3μmとした以外は、感光体作製例22と同様に感光体を作製した(電子写真感光体23とする)。
感光体作製例22において、電荷ブロッキング層の膜厚を1.8μmとした以外は、感光体作製例22と同様に感光体を作製した(電子写真感光体24とする)。
感光体作製例22において、電荷ブロッキング層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例22と同様に感光体を作製した(電子写真感光体25とする)。
◎電荷ブロッキング層塗工液
アルコール可溶性ナイロン(東レ:アミランCM8000):4部
メタノール:70部
n−ブタノール:30部
感光体作製例22において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例22と同様に感光体を作製した(電子写真感光体26とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm):252部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、大日本インキ化学工業製]:33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、大日本インキ化学工業製]:18.7部
2−ブタノン:100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、3/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
感光体作製例22において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例22と同様に感光体を作製した(電子写真感光体27とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm):84部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、大日本インキ化学工業製]:33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、大日本インキ化学工業製]:18.7部
2−ブタノン:100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
以上のように作製した電子写真感光体を、実施例12と同じ条件下で5万枚のランニング試験を行った(評価方法、項目も同じ)。結果を実施例12の場合と比較して、表9に示す。
先に作製した電子写真感光体1を図13に示すようなプロセスカートリッジに装着し、図12に示すような画像形成装置に搭載し、画像露光光源を407nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)とし、帯電部材として接触ローラー帯電器、転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として428nmLED(ローム製:半値幅 65nm)を用いた。
試験前のプロセス条件が下記になるように設定し、書き込み率6%のチャート(A4全面に対して、画像面積として6%相当の文字が平均的に書かれている)を用い、連続3万枚印刷を行った。
感光体帯電電位(未露光部電位):−900V
現像バイアス:−650V(ネガ・ポジ現像)
除電後表面電位(書き込み光未露光部):−100V
測定方法としては、図12に示す現像部位置に、表面電位計を搭載し、感光体を−900Vに帯電した後、上記半導体レーザーでベタ書込みを行い、現像部位における未露光部表面電位及び露光部電位を測定した。
結果を下記表10に示す。
また、3万枚の印刷前後において、ISO/JIS−SCID画像N1(ポートレート)を出力して、カラー色の再現性について評価した。
実施例40における除電光源として、472nmLED(星和電機製:半値幅15nm)に変更した以外は、実施例40と同様に評価を行った。
除電後の感光体表面電位が、実施例40の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を下記表10に示す。
実施例40における除電光源として、502nmLED(星和電機製:半値幅15nm)に変更した以外は、実施例40と同様に評価を行った。
除電後の感光体表面電位が、実施例40の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を下記表10に示す。
実施例40における除電光源として、591nmLED(ローム製:半値幅15nm)に変更した以外は、実施例40と同様に評価を行った。
除電後の感光体表面電位が、実施例40の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を下記表10に示す。
実施例40における除電光源として、630nmLED(ローム製:半値幅20nm)に変更した以外は、実施例40と同様に評価を行った。
除電後の感光体表面電位が、実施例40の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を下記表10に示す。
実施例40における除電光源として、蛍光灯(図1に示す発光スペクトルを有する)に変更した以外は、実施例40と同様に評価を行った。
除電後の感光体表面電位が、実施例40の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を下記表10に示す。
実施例40における除電光源として、428nmLED(ローム製:半値幅65nm)及び630nmLED(ローム製:半値幅20nm)の2つを用いてほぼ同等の光量を同時に照射するように変更した以外は、実施例40と同様に評価を行った。
除電後の感光体表面電位が、実施例40の場合と同じになるように、除電光量を調整した。結果を下記表10に示す。
更に450nm未満とした場合(実施例40)には、更にその効果が顕著であることが分かった。
また、発光分布が広く、500nm以上の長波長光の成分を含む場合(比較例17)では、実施例ほどの明確な効果が得られなかった。
また、露光波長の異なる2種類の光源を用いた場合(比較例18)では、短波長光源による除電の効果が低減されていることが分かった。
テストチャートの結果から、実施例40、41の場合には、3万枚印刷後においても、初期とほぼ同等の画像を出力したが、比較例14〜18の場合には、3万枚印刷後に、カラーバランスが多少崩れた画像になった。
2 除電ランプ
3 帯電部材
5 画像露光部
6 現像ユニット
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャー
11 分離チャージャー
12 分離爪
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
16Y,16M,16C,16K 感光体
17Y,17M,17C,17K 帯電部材
18Y,18M,18C,18K 露光部
19Y,19M,19C,19K 現像部材
20Y,20M,20C,20K クリーニング部材
21Y,21M,21C,21K 転写ブラシ
22 転写搬送ベルト
23 レジストローラ
24 定着装置
25Y,25M,25C,25K 画像形成要素
26 転写紙
27Y,27M,27C,27K 除電部材
31 導電性支持体
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
39 中間層
41 保護層
43 電荷ブロッキング層
45 モアレ防止層
101 感光体
102 帯電手段
103 露光
104 現像手段
105 転写体
106 転写手段
107 クリーニング手段
108 除電手段
Claims (19)
- 静電潜像担持体と、
当該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像をトナーを用いて現像して、可視像を形成する現像手段と、
前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、
前記静電潜像担持体の残留電荷を光除電する除電手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記静電潜像形成手段は、前記静電潜像担持体表面を帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体表面に静電潜像を形成する露光器とを有し、
該露光器は、発振波長が655nmのレーザーダイオードを有し、
前記除電手段は、500nmよりも短波長の波長領域にのみ発光強度を有する光を照射するものであり、
前記静電潜像担持体が、支持体と、当該支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とからなる感光層を有し、
前記電荷発生層中に、少なくとも下記式(2)で示されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド顔料が含有されていることを特徴とする画像形成装置。
- 前記電荷輸送層が除電光を30%以上透過することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記電荷輸送層に含有される電荷輸送物質がトリアリールアミン構造を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記電荷輸送物質が、下記式(4)で表される化合物であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
但し、R301、R303、及びR304は水素原子、アミノ基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、メチレンジオキシ基、無置換のアルキル基、ハロゲン原子又は置換もしくは無置換のアリール基を、R302は水素原子、アルコキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子を表わす。
またk、l、m、及びnは、1、2、3又は4の整数であり、各々が2、3又は4の整数の時は前記 R301、R302、R303及びR304は同一でも異なっていてもよい。 - 前記電荷輸送層が、トリアリールアミン構造を、主鎖及び側鎖の少なくともいずれかに含むポリカーボネートを含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに一項に記載の画像形成装置。
- 前記電荷輸送層上に、保護層を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記保護層が除電光を30%以上透過することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記保護層が、比抵抗1010Ω・cm以上の無機顔料及び金属酸化物から選択される少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置。
- 前記保護層が、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化することにより形成されることを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置。
- 前記保護層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、下記一般式(5)又は(6)の少なくとも一種以上であることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
上記一般式(5)、(6)中、R1は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR7(R7は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基)、ハロゲン化カルボニル基若しくはCONR8R9(R8及びR9は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい)を表し、Ar1、Ar2は置換もしくは無置換のアリーレン基を表わし、同一であっても異なってもよい。
Ar3、Ar4は置換もしくは無置換のアリール基を表し、同一であっても異なってもよい。
Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表す。
Zは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基、アルキレンオキシカルボニル2価基を表わす。m、nは0〜3の整数を表す。 - 前記保護層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、下記一般式(7)の少なくとも一種以上であることを特徴とする請求項9又は10に記載の画像形成装置。
但し、上記式(7)中、o、p、qは、それぞれ0又は1の整数、Raは水素原子、メチル基を表し、Rb、Rcは水素原子以外の置換基で炭素数1〜6のアルキル基を表し、複数の場合は異なっても良い。
s、tは0〜3の整数を表す。
Zaは単結合、メチレン基、エチレン基、下記式(8)、(9)、(10)を表す。
- 前記保護層の硬化手段が、加熱又は光エネルギー照射手段であることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記潜像担持体において、支持体と電荷発生層の間に中間層が設けられ、当該中間層が電荷ブロッキング層とモアレ防止層からなることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記電荷ブロッキング層が絶縁性材料からなり、その膜厚が0.3μm以上、2.0μm未満であることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
- 前記モアレ防止層が無機顔料とバインダー樹脂を含有し、両者の容積比が1/1乃至3/1の範囲であることを特徴とする請求項13又は14に記載の画像形成装置。
- 少なくとも静電潜像担持体、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段、及び除電手段を有する画像形成要素を複数備えたことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 静電潜像担持体と、静電潜像形成手段、現像手段、除電手段及びクリーニング手段から選択される1つ以上の手段とが一体となり、装置本体と着脱自在なプロセスカートリッジを搭載していることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
当該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、
当該可視像を記録媒体に転写する転写工程と、
記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程と、
静電潜像担持体の残留電荷を光除電する除電工程とを少なくとも有する画像形成方法であって、
前記静電潜像形成工程は、前記静電潜像担持体表面を帯電器で帯電させた後、発振波長が655nmのレーザーダイオードを有した露光器による露光で静電潜像を形成する工程であり、
前記除電工程は、500nmよりも短波長の波長領域にのみ発光強度を有する光を照射する除電工程であると共に、前記静電潜像担持体が、支持体と、当該支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とからなる感光層を有し、当該電荷発生層中に当該支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とからなる感光層を有し、当該電荷発生層中に少なくとも下記式(2)で示されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド顔料が含有されていることを特徴とする画像形成方法。
- 少なくとも静電潜像形成工程、現像工程、転写工程、及び除電工程を有する画像形成工程を複数備えたことを特徴とする請求項18に記載の画像形成方法。
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