JP3818585B2 - 電子写真感光体、及びそれを用いた画像形成方法 - Google Patents

電子写真感光体、及びそれを用いた画像形成方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体、画像形成装置、プロセスカートリッジ及びそれらを用いた画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に「電子写真方法」とは、光導電性の感光体をまず暗所で例えばコロナ放電によって帯電させ、次いで像露光し、露光部のみの電荷を選択的に散逸せしめて静電潜像を得、この潜像部を染料、顔料などの着色剤と高分子物質などの結合剤とから構成される検電微粒子(トナー)で現像し可視化して画像を形成するようにした画像形成法の一つである。
このような電子写真方法において感光体に要求される基本的な特性としては
(1)暗所で適当な電位に帯電できること、(2)暗所において電荷の散逸が少ないこと、(3)光照射によって速やかに電荷を散逸できること、などが挙げられる。
【0003】
従来、電子写真方法において使用される感光体としては、導電性支持体上にセレンないしセレン合金を主体とする感光層を設けたもの、酸化亜鉛、硫化カドミウムなどの無機系光導電材料をバインダー中に分散させたもの、ポリ−N−ビニルカルバゾールとトリニトロフルオレノンあるいはアゾ顔料などの有機光導電材料を用いたもの、及び非晶質シリコーン系材料を用いたもの等が一般に知られているが、近年ではコストの低さ、感光体設計の自由度の高さ、低公害性等から有機系電子写真感光体が広く利用されるようになってきている。
【0004】
有機系電子写真感光体には、ポリビニルカルバゾール(PVK)に代表される光導電性樹脂型、PVK−TNF(2,4,7−トリニトロフルオレノン)に代表される電荷移動錯体型、フタロシアニン−バインダーに代表される顔料分散型、電荷発生物質と電荷輸送物質とを組み合わせて用いる機能分離型の感光体などが知られており、特に機能分離型の感光体が注目されている。
この機能分離型の感光体における静電潜像形成のメカニズムは、感光体を帯電した後光照射すると、光は透明な電荷輸送層を通過し、電荷発生層中の電荷発生物質により吸収され、光を吸収した電荷発生物質は電荷担体を発生し、この電荷担体は電荷輸送層に注入され、帯電によって生じている電界にしたがって電荷輸送層中を移動し、感光体表面の電荷を中和することにより静電潜像を形成するものである。機能分離型感光体においては、主に紫外部に吸収を持つ電荷輸送物質と、主に可視部に吸収を持つ電荷発生物質とを組み合わせて用いることが知られており、上記基本特性を充分に満たすものが得られている。
【0005】
近年、電子写真プロセスの高速化、小型化が進む中、感光体に対して上記特性以外に長期繰り返し使用に際しても高画質を保つことのできる信頼性及び高耐久化が強く要求される様になっている。
感光体は、電子写真プロセスにおいて、様々な機械的、化学的負荷を受けている。このような負荷により、感光体は、摩耗し、膜厚減少による異常画像が発生する。感光体を高耐久化する手段としては、感光体表面に保護層を設ける方法が知られている。
【0006】
感光体の高耐久化手段として、保護層表面に潤滑性を付与する方法があり、表面層にフッ素変性シリコーンオイルを含有させることにより表面性を改善し、感光体表面の耐摩耗性を向上させる提案が記載されている(例えば、特許文献1〜3参照)。しかし、このようなオイル成分を感光層に添加して摩擦係数を下げる方法は、表面に移行した成分が直ぐに除去されてしまうために耐摩耗性の効果を持続することができていない。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−295248号公報(第2頁右欄第11行目〜第16行目)
【特許文献2】
特開平7−301936号公報(第2頁右欄第30行目〜第36行目)
【特許文献3】
特開平8−82940号公報(第2頁右欄第13行目〜第20行目)
【0008】
また別の高耐久化手段としては、表面保護層樹脂として、架橋系樹脂を用いる手段がある。アクリル系架橋樹脂を用いたもの(例えば特許文献4、5参照)、ポリシロキサン架橋樹脂を用いたもの(例えば、特許文献6参照)、ウレタン系架橋樹脂を用いたもの(例えば特許文献7〜9参照)がある。これらの架橋膜は、表面保護層のない感光層の耐摩耗性と比較すると良好であった。
【0009】
【特許文献4】
特許第2578548号公報
【特許文献5】
特開平7−261441号公報(請求項1、第2頁右欄第27行目〜第35行目)
【特許文献6】
特開2000−241998号公報(請求項1、第3頁左欄第17行目〜第19行目)
【特許文献7】
特開平5−341550号公報(請求項1)
【特許文献8】
特開平10−177268号公報(請求項1、第4頁左欄第17行目〜第28行目)
【特許文献9】
特開平11−38665号公報(請求項1、第4頁右欄第23行目〜第4頁左欄47行目)
【0010】
ウレタン系架橋樹脂の耐摩耗性を向上させる手段としては、樹脂中のウレタン架橋密度を高くする方法が提案されている。前記特許文献9等に記載のウレタン系架橋樹脂では、イソシアネートの官能基数を3以上のものを用いるとしており、イソシアネートの官能基数が多くなることにより、架橋密度が高くなり、耐摩耗性は向上する。またイソシアネートと架橋するポリオールの官能基数を多くしたり、構造を小さくすることが考えられる。前記特許文献9等で例示されている分子量300以下の3官能の芳香環を有するポリオールを用いた場合、架橋密度が高くなり、耐摩耗性の向上が望まれる。本発明者が、例示されているグリコール化合物やビスフェノール化合物などのポリオールを検討したところ、例示されている2官能のポリオールは、膜の成膜性が悪く、耐摩耗性が良好ではなかった。また例示されている3官能のポリオールは、従来のイソシアネートに比べて耐摩耗性は良好になった。しかしこれらのウレタン樹脂は、今後望まれているさらなる高耐久化の中で、充分な耐摩耗性を有していなかった。
【0011】
また別の高耐久化手段として、感光体にフィラーを添加する技術、感光層表面にフィラーを分散させた表面保護層を設ける技術が提案されている(例えば、特許文献10〜14参照)。これらのフィラーを含有した表面保護層の耐摩耗性は向上する。しかし、表面保護層中のフィラー分散状態(均一性、凝集性等)の影響により、微細ドット書き込みを行なった場合に、ドット周辺部にトナーが散り、異常画像になることが判明した。
【0012】
【特許文献10】
特開平1−205171号公報(請求項1、第1頁右欄第11行目〜第15行目)
【特許文献11】
特開平7−333881号公報(請求項1、第2頁右欄第24行目〜第35行目)
【特許文献12】
特開平8−15887号公報(請求項1、第3頁左欄第12行目〜第15行目)
【特許文献13】
特開平8−123053号公報(請求項1、第3頁左欄第16行目〜第20行目)
【特許文献14】
特開平8−146641号公報(請求項1、第2頁右欄第13行目〜第23行目)
【0013】
感光体は、耐摩耗性以外に、耐傷性の問題がある。電子写真プロセスでは、現像部での現像剤の接触は、転写部での紙との接触、またクリーニング部でのクリーニング部材との接触により、局所的に機械的負荷を受け、感光体周方向に傷が入る。従来の表面保護層がない感光体では、局所的な傷が入っても、感光層全体が摩耗速度が大きいため、傷周辺部が摩耗し、顕在化しにくく、特に問題となることはなかった。
しかし、上記表面保護層を設けることにより、感光体表面層の耐摩耗性は向上する。そのために局所的な機械的負荷により入った感光体周方向の傷は、表面層の耐摩耗性が高いことから、顕在化しやすくなる。この局所的な傷の部分は、クリーニングされにくく、トナー、紙粉、帯電器から発生したオゾン及びNOx生成物及び反応物が蓄積されやすくなる。そのため、この傷部分では、スジ状の異常画像が発生しやすくなる。
【0014】
先に例示した表面保護層は、表面保護層のない感光層と比較すると、耐摩耗性は向上する。しかし耐摩耗性が向上したことにより、耐傷性に対して充分な特性を有していないことが判明した。
また本発明者らは、耐摩耗性及び耐傷性に良好な手段として、下記構造のポリオール材料を用いたウレタン系架橋樹脂が非常に良好な特性を示すことが判明した。
【0015】
【化2】
Figure 0003818585
しかしこのポリオール単独で使用した場合、架橋条件によって、膜が不均一になりやすい。これはポリオールの構造が小さいことから、架橋時の体積収縮が樹脂膜中で緩和されにくく、膜厚が不均一になりやすい。また電荷輸送機能を有する構造体との相溶性もあまり良好でない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、長期的使用における耐摩耗性、耐傷性、画像安定性に優れた電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、画像形成装置、プロセスカートリッジ及びそれらを用いた画像形成方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記課題は、本発明の(1)「導電性支持体上に少なくとも感光層及び表面保護層を有する電子写真感光体であって、該表面保護層が少なくともウレタン樹脂を含有し、該ウレタン樹脂が、少なくともイソシアネートとポリオールの架橋重合体であり、且つポリオールが下記構造式(I)のポリオール(1)と官能基数が2以上であり且つ数平均分子量1000以上のポリオール(2)を含有することを特徴とする電子写真感光体;
【0018】
【化3】
Figure 0003818585
(式中、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表わし、n=1〜5である。)」、(2)「前記ウレタン樹脂を架橋形成するイソシアネートが官能基数3以上のイソシアネートであることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真感光体」、(3)「前記ウレタン樹脂を架橋形成する構造式(I)のポリオール(1)の分子量が、100以上150以下であることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の電子写真感光体」、(4)「前記ウレタン樹脂を架橋形成する官能基数が2以上であり且つ数平均分子量1000以上のポリオール(2)が、ポリカーボネートジオールであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項の何れかに記載の電子写真感光体」、(5)「前記表面保護層膜厚が、0.5〜3μmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項の何れかに記載の電子写真感光体」、(6)「前記感光層が電荷発生層及び電荷輸送層を積層した構成であることを特徴とした前記第(1)項乃至第(5)項の何れかに記載の電子写真感光体」、(7)「前記表面保護層に電荷輸送材料を含有していることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項の何れかに記載の電子写真感光体」、(8)「前記表面保護層を形成するウレタン樹脂中に、電荷輸送材料を架橋重合していることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項の何れかに記載の電子写真感光体」、(9)「前記表面保護層に含有される電荷輸送材料が、トリアリールアミン骨格を有することを特徴とする前記第(7)項又は第(8)項に記載の電子写真感光体」、(10)「前記表面保護層膜厚が、0.5〜8.0μmであることを特徴とする前記第(7)項乃至第(9)項の何れかに記載の電子写真感光体」によって解決される。
【0019】
また、上記課題は、本発明の(11)「前記表面保護層が、微小開口部を有するノズルより塗工液を吐出し、霧化することにより生成した微小液滴を感光層上に付着させて塗膜を形成するスプレー塗工方法で製膜することを特徴とする前記第(1)項乃至第(10)項の何れかに記載の電子写真感光体の製造方法」によって解決される。
【0020】
また、上記課題は、本発明の(12)「少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および電子写真感光体を具備してなる画像形成装置であって、該電子写真感光体として、前記第(1)項乃至第(10)項の何れかに記載の電子写真感光体を用いたことを特徴とする画像形成装置」、(13)「前記画像露光手段のLDあるいはLED等を使用することによって感光体上に静電潜像の書き込みが行なわれることを特徴とする前記第(12)項に記載の画像形成装置」、(14)「前記帯電手段が帯電部材を感光体に接触もしくは近接配置したものであることを特徴とする前記第(12)項又は第(13)項に記載の画像形成装置」、(15)「前記帯電部材の直流成分に交流成分を重畳し、感光体に帯電を与えることを特徴とする前記第(12)項乃至第(14)項の何れかに記載の画像形成装置」によって解決される。
【0021】
また、上記課題は、本発明の(16)「少なくとも、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段のいずれか一つと電子写真感光体を一体化したプロセスカートリッジであって、該電子写真感光体が前記第(1)項乃至第(10)項の何れかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ」によって解決される。
【0022】
また、上記課題は、本発明の(17)「少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および前記第(1)項乃至第(10)項の何れかに記載の電子写真感光体を用いたことを特徴とする画像形成方法」によって解決される。
【0023】
以下、本発明を詳細に説明する。
導電性支持体上に少なくとも感光層及び表面保護層を有する電子写真感光体において、該表面保護層が少なくともウレタン樹脂を含有し、該ウレタン樹脂が、少なくともイソシアネートとポリオールの架橋重合体であり、且つポリオールが下記構造式(I)のポリオール(1)と官能基数が2以上であり且つ数平均分子量1000以上のポリオール(2)を含むことを特徴とする電子写真感光体とする。
【0024】
【化4】
Figure 0003818585
(式中、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表わし、n=1〜5である。)
【0025】
表面保護層を上記構造の膜とすることにより、表面保護層の成膜性が良好となり、長期的使用における感光体の耐摩耗性及び耐傷性が向上し、画像安定性に優れた電子写真感光体、画像形成装置、プロセスカートリッジ、画像形成方法を提供することができる。
このように本発明者らが鋭意検討した結果、表面保護層は、イソシアネートと3官能以上のポリオールを架橋したウレタン重合体を含有することにより向上し、さらには、3官能のポリオールが前記構造のポリオール(1)を用いた場合、さらに耐摩耗性、耐傷性が向上することが判明した。
本発明のウレタン樹脂は、イソシアネートと3官能のポリオール(1)を用いることにより、3次元的に架橋し、膜強度が大きくなる。さらに前記構造のポリオールを用いることにより、さらにイソシアネートとポリオールの架橋密度は大きくなり、膜硬度に大きく影響を与えるイソシアネート骨格を多く膜中に取り込むことが可能であり、前記構造のポリオール(1)とすることにより膜の弾性を向上させることが可能となる。その結果、膜中の樹脂の絡み合いが多くなり、膜硬度、膜弾性、膜靭性が向上し、耐摩耗性、耐傷性が向上するものと考えられる。
しかし、構造式(I)のポリオール(1)を単独に使用した場合、架橋条件によって、膜が不均一になりやすい。これはポリオール(1)の構造が小さいことから、架橋時の体積収縮が樹脂膜中で緩和されにくく、膜厚が不均一になりやすいためと思われる。
そのために架橋樹脂構造中に架橋時の体積収縮を緩和する構造を取り込むと、これにより、解消できることが見い出された。
【0026】
さらに、本発明者らが鋭意検討した結果、官能基数が2以上であり且つ数平均分子量1000以上のポリオール構造を樹脂中に取り込むことにより、架橋時の体積収縮を緩和し、均一な膜を形成することが可能となることが判明した。
また官能基数が2以上であり且つ数平均分子量1000以上のポリオール骨格を膜中に取り込むことにより、さらに高硬度で、且つ弾性力のあり、強靱な膜が形成され、それによって、さらに耐摩耗性及び耐傷性が向上することが見い出された。
また官能基数が2以上であり且つ数平均分子量1000以上のポリオール骨格を膜中に取り込むことにより、本発明の表面保護層に電荷輸送機能を持たせるために添加する物質の膜中での相溶性を向上させることが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に用いられる電子写真感光体を図面に沿って説明する。
図1は、本発明の電子写真感光体の構成例を示す断面図であり、導電性支持体上に、電荷発生材料と電荷輸送材料を主成分とする単層感光層が設けられ、更に感光層上に表面保護層が設けられてなる。
図2は、本発明の電子写真感光体の別の構成例を示す断面図であり、導電性支持体上に、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層と電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層とが積層された構成をとっており、更に電荷輸送層上に表面保護層が設けられてなる。
図3は、本発明の電子写真感光体の別の構成例を示す断面図であり、導電性支持体上に、下引き層が設けられ、その上に電荷発生材料を主成分とする電荷発生層と電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層とが積層された構成をとっており、更に電荷輸送層上に表面保護層が設けられてなる。
【0028】
本発明の構成は、導電性支持体上に少なくとも、感光層、表面保護層を少なくとも有していれば、上記のその他の層等、任意に組み合わされていても構わない。
導電性支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
【0029】
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものも、本発明の導電性支持体として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
【0030】
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、ポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体として良好に用いることができる。
【0031】
次に感光層について説明する。感光層は単層でも積層でもよいが、説明の都合上、先ず電荷発生層と電荷輸送層で構成される場合から述べる。
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層である。
電荷発生層には、公知の電荷発生物質を用いることが可能であり、その代表として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられ用いられる。これら電荷発生物質は、単独でも2種以上混合してもかまわない。
中でもアゾ顔料および/またはフタロシアニン顔料が有効に用いられる。特に下記構造式(1)で表わされるアゾ顔料、およびチタニルフタロシアニン(特にCuKαの特性X線(波長1.514Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン)が有効に使用できる。
【0032】
【化5】
Figure 0003818585
式中、Cp、Cpはカップラー残基を表わし、同一でも異なっていても良い。R201、R202はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基のいずれかを表わし、同一でも異なっていても良い。またCp、Cpは下記(2)式で表わされ、
【0033】
【化6】
Figure 0003818585
式中、R203は、水素原子、メチル基、エチル基などのアルキル基、フェニル基などのアリール基を表わす。R204、R205、R206、R207、R208はそれぞれ、水素原子、ニトロ基、シアノ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、トリフルオロメチル基、メチル基、エチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、水酸基を表わし、Zは置換もしくは無置換の芳香族炭素環または置換もしくは無置換の芳香族複素環を構成するのに必要な原子群を表わす。
電荷発生層は、必要に応じて結着樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。
【0034】
必要に応じて電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
【0035】
ここで用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセロソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良好に使用される。塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
【0036】
電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電荷輸送物質とがある。電荷輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ[1,2−b]チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
【0037】
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
【0038】
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0039】
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は解像度・応答性の点から、25μm以下とすることが好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)により異なるが、5μm以上が好ましい。
ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。
【0040】
本発明の感光体においては電荷輸送層中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂に対して0〜30重量%程度が適当である。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は結着樹脂に対して、0〜1重量%が適当である。
【0041】
次に、感光層が単層構成の場合について述べる。上述した電荷発生物質を結着樹脂中に分散した感光体が使用できる。単層感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。さらに、この感光層には上述した電荷輸送材料を添加した機能分離タイプとしても良く、良好に使用できる。また、必要により、可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
【0042】
結着樹脂としては、先に電荷輸送層で挙げた結着樹脂をそのまま用いる他に、電荷発生層で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。もちろん、先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜150重量部である。単層感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を必要ならば電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコートなどで塗工して形成できる。単層感光層の膜厚は、5〜25μm程度が適当である。
【0043】
本発明の感光体においては、導電性支持体と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
【0044】
これらの下引き層は前述の感光層の如く適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Alを陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0045】
本発明の感光体においては、感光層保護の目的で、表面保護層が感光層の上に設けられる。
表面保護層に使用されるバインダー樹脂としては、少なくともウレタン樹脂を含有し、該ウレタン樹脂が、少なくともイソシアネートとポリオールの架橋重合体であり、且つポリオールが下記構造式(I)のポリオール(1)と官能基数が2以上であり且つ数平均分子量1000以上のポリオール(2)を用いていればいい。さらには、このウレタン重合体以外の樹脂を含有していてもよい。
【0046】
【化7】
Figure 0003818585
(式中、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表わし、n=1〜5である。)
【0047】
イソシアネート材料としては、一般的なイソシアネート材料が用いられることが可能である。しかし感光体の表面保護層として用いられるために、経時により膜が変色しないものが好ましい。この無黄変タイプのイソシアネート材料として下記構造のものが好ましい。これらのイソシアネート材料は、単独もしくは混合して使用することができる。
【0048】
【化8】
Figure 0003818585
【0049】
【化9】
Figure 0003818585
【0050】
【化10】
Figure 0003818585
【0051】
次に、ポリオールは下記構造式(I)のポリオール(1)と官能基数が2以上であり且つ数平均分子量1000以上のポリオール(2)を使用する。
構造式(I)のポリオール(1)の例を示す。
【0052】
【化11】
Figure 0003818585
(式中、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表わし、n=1〜5である。)
【0053】
【化12】
Figure 0003818585
【0054】
【化13】
Figure 0003818585
【0055】
【化14】
Figure 0003818585
【0056】
【化15】
Figure 0003818585
構造式(I)のポリオール(1)は、分子量が100以上150以下のポリオールが好ましい。
【0057】
次に官能基数が2以上であり且つ数平均分子量1000以上のポリオール(2)を説明する。
官能基数が2以上であり、且つ数平均分子量が1000以上のポリオール(2)は、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオール、ポリカーボネート骨格を有するポリカーボネートなどが挙げられる。この中で、特にポリカーボネートジオール骨格は、膜中に含有することにより、膜の弾性力が向上し、耐摩耗性がさらに良好になる。
【0058】
ポリカーボネートジオールは、下記構造式(2)で示すような基本骨格を有する。
【0059】
【化16】
Figure 0003818585
Rは一般的には、炭化水素基である。ポリカーボネートジオールは大きく分けて、脂肪族系及び芳香族系に分けられる。
ポリカーボネートジオールの例を示す。
【0060】
【化17】
Figure 0003818585
【0061】
【化18】
Figure 0003818585
【0062】
【化19】
Figure 0003818585
【0063】
【化20】
Figure 0003818585
【0064】
【化21】
Figure 0003818585
【0065】
【化22】
Figure 0003818585
【0066】
【化23】
Figure 0003818585
【0067】
【化24】
Figure 0003818585
【0068】
【化25】
Figure 0003818585
【0069】
ポリオールの構造式(I)のポリオール(1)と官能基数が2以上であり且つ数平均分子量が1000以上のポリオール(2)の重量混合比が、10/1〜1/2程度が望ましい。10/1を越える膜では、塗工後、過熱架橋時の膜の体積収縮緩和ができず、膜の成膜性に問題がある。一方、1/2より小さい膜では、膜を形成するイソシアネート骨格を有する構造体が減少し、且つ架橋密度が減少することにより、耐摩耗性、耐傷性が低下する。またポリカーボネートジオールを用いた場合は、重量混合比が、1/2よりも小さい膜とした場合、膜の弾性は非常に大きくなるが、膜硬度が低下し、耐摩耗性が低下する。
また、低分子量の3官能性ポリオール(1)と高分子量のポリオール(2)とはOH基当量比が200/1〜10/1の範囲にあることが好ましい。
【0070】
イソシアネートのNCO基数とポリオールのOH基数の比(NCO/OH比)は、0.8〜1.5程度が望ましい。
表面保護層には、残留電位の低減のために、電荷輸送材料を含有することが好ましい。この電荷輸送材料は、前記の電荷輸送材料等が用いられる。さらに良好な電荷輸送材料としては、構造体中に官能基を有し、イソシアネート及びポリオール材料と架橋反応するものが好ましい。特に官能基が多官能で、且つヒドロキシ基及びイソシアネート基を有するものが好ましい。さらには電荷輸送材料の構造中にトリフェニルアミン骨格を有するものが好ましい。下記に官能基を有する電荷輸送材料の例を示す。
【0071】
【化26】
Figure 0003818585
【0072】
【化27】
Figure 0003818585
【0073】
【化28】
Figure 0003818585
【0074】
【化29】
Figure 0003818585
【0075】
【化30】
Figure 0003818585
【0076】
【化31】
Figure 0003818585
【0077】
表面保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当である。表面保護層中に電荷輸送材料を含有させる場合には、0.5〜8.0μmの範囲であることが好ましく、電荷輸送材料を含有させない場合は、0.5〜3.0μmであることが好ましい。表面保護層中に電荷輸送材料を含有しない場合は、残留電位が大きくなり、厚膜化が不可能となる。それに対して、電荷輸送材料を含有させた場合は、表面保護層を設けることによる残留電位上昇および変動が押さえられる。表面保護層中に長期的に繰り返し使用される感光体は、機械的に耐久性が高く、摩耗しにくいものとする。しかし実機内では、帯電部材などから、オゾン及びNOxガスなどが発生し、感光体の表面に付着する。これらの付着物が存在すると、画像流れが発生する。この画像流れを防止するためには、感光層をある一定速度以上に摩耗する必要がある。そのためには、長期的な繰り返し使用を考慮した場合、表面保護層は少なくとも0.5μm以上の膜厚であることが好ましい。また表面保護層膜厚の上限は、電荷輸送材料の有無により異なるが、大きい場合は、残留電位上昇や微細ドット再現性の低下が考えられる。
【0078】
ここで用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセロソルブ、セロソルブアセテート、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられる。
【0079】
塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。製膜される膜の均一性、塗工時の下層への浸食性等を考慮した場合、微小開口部を有するノズルより塗工液を吐出し、霧化することにより生成した微小液滴を感光層上に付着させて塗膜を形成するスプレー塗工方法が好ましい。
【0080】
次に、図面を用いて本発明の電子写真方法ならびに電子写真装置を詳しく説明する。
図4は、本発明の電子写真プロセスおよび電子写真装置を説明するための概略図であり、下記するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図4において、感光体(1)は導電性支持体上に、少なくとも感光層と表面保護層が設けられてなる。感光体(1)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。帯電ローラ(8)、転写前チャージャ(12)、転写チャージャ(15a)、分離チャージャ(15b)、クリーニング前チャージャ(17)には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ)、帯電ローラを始めとする公知の手段が用いられる。帯電部材は、感光体に対し接触もしくは近接配置したものが良好に用いられる。また、帯電用部材により感光体に帯電を施す際、帯電部材に直流成分に交流成分を重畳した電界により感光体に帯電を与えることにより、帯電ムラを低減することが可能で効果的である。
転写手段には、一般に上記の帯電器が使用できるが、図に示されるように転写チャージャと分離チャージャを併用したものが効果的である。
【0081】
また、画像露光部(10)、除電ランプ(7)等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。好ましく発光ダイオード、半導体レーザーが用いられる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
かかる光源等は、図4に示される工程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光が照射される。
【0082】
さて、現像ユニット(11)により感光体(1)上に現像されたトナーは、転写紙(14)に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体(1)上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、ファーブラシ(18)およびブレード(19)により、感光体より除去される。クリーニングは、クリーニングブラシだけで行なわれることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
【0083】
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。
これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
【0084】
図5には、本発明による電子写真プロセスの別の例を示す。感光体(21)は導電性支持体上に、少なくとも感光層と表面保護層が設けられてなる。駆動ローラ(22a),(22b)により駆動され、帯電器(23)による帯電、光源(24)による像露光、現像(図示せず)、帯電器(25)を用いる転写、光源(26)によるクリーニング前露光、ブラシ(27)によるクリーニング、光源(28)による除電が繰り返し行なわれる。図5においては、感光体(21)(勿論この場合は支持体が透光性である)に支持体側よりクリーニング前露光の光照射が行なわれる。
【0085】
以上の図示した電子写真プロセスは、本発明における実施形態を例示するものであって、もちろん他の実施形態も可能である。例えば、図5において支持体側よりクリーニング前露光を行なっているが、これは感光層側から行なってもよいし、また、像露光、除電光の照射を支持体側から行なってもよい。
一方、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、およびその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行なうこともできる。
【0086】
以上に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な例として、図6に示すものが挙げられる。感光体(30)は、導電性支持体上に、少なくとも感光層と表面保護層が設けられてなる。
【0087】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により説明するが、これにより本発明の態様が限定されるものではない。
(実施例1)
Al製支持体(外径30mmφ)に、乾燥後の膜厚が3.5μmになるように浸漬法で塗工し、下引き層を形成した。
<下引き層用塗工液>
アルキッド樹脂 3部
(ベッコゾール1307−60−EL:大日本インキ化学工業)
メラミン樹脂 2部
(スーパーベッカミンG−821−60:大日本インキ化学工業)
酸化チタン(CR−EL:石原産業) 20部
メチルエチルケトン 100部
この下引き層上に下記構造のビスアゾ顔料を含む電荷発生層塗工液に浸漬塗工し、加熱乾燥させ、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
<電荷発生層用塗工液>
下記構造のビスアゾ顔料 5部
【0088】
【化32】
Figure 0003818585
ポリビニルブチラール(XYHL:UCC) 1部
2−ブタノン 100部
シクロヘキサノン 200部
この電荷発生層上に下記構造の低分子電荷輸送物質を含む電荷輸送層用塗工液を用いて、浸積塗工し、加熱乾燥させ、膜厚22μmの電荷輸送層とした。
<電荷輸送層用塗工液>
ビスフェーノルZ型ポリカーボネート 1部
下記構造の低分子電荷輸送物質 1部
【0089】
【化33】
Figure 0003818585
テトラヒドロフラン 10部
この電荷輸送層上に下記塗工液を用いてスプレー塗工し、150℃加熱乾燥させ、膜厚1.3μmの表面保護層とした。
<表面保護層用塗工液>
イソシアネート
(スミジュールHT(HDIアダクト):住化バイエルン社製)
ポリオール(1)(下記構造のポリオール:分子量176.25)
【0090】
【化34】
Figure 0003818585
ポリオール(2)
(LZR170<スチレン−アクリル共重合体>:藤倉化成社製)
【0091】
【化35】
Figure 0003818585
l=28、m=42、n=30(数平均分子量1000以上、重量平均分子量約31000)
テトラヒドロフラン
シクロヘキサノン
<混合条件>
NCO/OH:1.0
ポリオール(1)/ポリオール(2)重量混合比:1/1
固形分濃度:10wt%
溶剤混合比:テトラヒドロフラン/シクロヘキサノン=7/2
【0092】
(実施例2)
表面保護層中のポリオール(1)に下記構造のものを用いること以外は全て実施例1と同じにして作製した。
【0093】
【化36】
Figure 0003818585
分子量 134.17
【0094】
(実施例3)
表面保護層中のポリオール(1)に下記構造のものを用いること以外は全て実施例1と同じにして作製した。
【0095】
【化37】
Figure 0003818585
分子量 260.41
【0096】
(実施例4)
表面保護層中のイソシアネートに下記イソシアネートを用いること以外は全て実施例1と同じにして作製した。
タケネートD140N(IPDIアダクト):三井武田ケミカル社製)
【0097】
(実施例5)
表面保護層中のポリオール(2)を下記構造のポリオールを用いること以外は全て実施例1と同じにして作製した。
【0098】
【化38】
Figure 0003818585
m=4or6 数平均分子量1000
【0099】
(実施例6)
表面保護層中のポリオール(2)を下記構造のポリオールを用いること以外は全て実施例1と同じにして作製した。
【0100】
【化39】
Figure 0003818585
m=5or6 数平均分子量1200
【0101】
(実施例7)
表面保護層中のポリオール(2)を下記構造のポリオールを用いること以外は全て実施例1と同じにして作製した。
【0102】
【化40】
Figure 0003818585
数平均分子量 1500
【0103】
(実施例8)
表面保護層の膜厚を0.3μmにすること以外は全て実施例2と同じにして,作成した。
【0104】
(実施例9)
表面保護層の膜厚を2.7μmにすること以外は全て実施例2と同じにして,作成した。
【0105】
(実施例10)
表面保護層の膜厚を3.5μmにすること以外は全て実施例2と同じにして、作成した。
【0106】
(実施例11)
表面保護層中のイソシアネートに下記イソシアネートを用いること以外は全て実施例2と同じにして作製した。
タケネートD170(HDIトリマー):三井武田ケミカル社製
【0107】
(比較例1)
表面保護層塗工液中のポリオールをポリオール(1)のみにすること以外は全て実施例2と同じにして作製した。
【0108】
(比較例2)
表面保護層塗工液中のポリオールをポリオール(2)のみにすること以外は全て実施例2と同じにして作製した。
【0109】
(比較例3)
表面保護層塗工液中のポリオールをポリオール(2)のみにすること以外は全て実施例6と同じにして作製した。
【0110】
(比較例4)
表面保護層塗工液中のポリオール(2)を下記構造のポリオールにすること以外は全て実施例1と同じにして作製した。
【0111】
【化41】
Figure 0003818585
m=4or6 数平均分子量700
【0112】
(比較例5)
表面保護層層塗工液中のポリオール(1)を下記構造のポリオールにすること以外は全て実施例1と同じにして作製した。
【0113】
【化42】
Figure 0003818585
分子量:404.54
【0114】
(比較例6)
表面保護層中のポリオールに下記構造のものを用いること以外は全て実施例1と同じにして作製した.
【0115】
【化43】
Figure 0003818585
分子量:62.06
【0116】
(比較例7)
表面保護層のポリオールに下記構造のものを用いること以外は全て実施例1と同じにして作製した。
【0117】
【化44】
Figure 0003818585
分子量:304.47
【0118】
(実施例12)
表面保護層中の材料に下記構造のものを用いること以外は全て実施例1と同様にして作製した。
イソシアネート
(スミジュールHT(HDIアダクト):住化バイエルン社製)
ポリオール(1)(下記構造のポリオール:分子量134.17)
【0119】
【化45】
Figure 0003818585
ポリオール(2)
(LZR170<スチレン-アクリル共重合体>:藤倉化成社製)
下記電荷輸送材料
【0120】
【化46】
Figure 0003818585
<混合条件>
NCO/OH=1.0
ポリオール/電荷輸送材料重量混合比 : 1/1
ポリオール(1)/ポリオール(2)重量混合比 : 1/1
【0121】
(実施例13)
表面保護層の膜厚を0.3μmにすること以外は全て実施例12と同様にして作製した。
【0122】
(実施例14)
表面保護層の膜厚を5.0μmにすること以外は全て実施例12と同様にして作製した。
【0123】
(実施例15)
表面保護層の膜厚を7.5μmにすること以外は全て実施例12と同様にして作製した。
【0124】
(実施例16)
表面保護層の膜厚を9.0μmにすること以外は全て実施例12と同様にして作製した。
【0125】
(比較例8)
表面保護層を設けないこと以外はすべて実施例1と同様にして作製した。
【0126】
実施例2、比較例1、比較例2、比較例3の感光体の表面保護層膜厚を測定した。測定点は、感光体上の任意の30点を渦電流式膜厚測定法で測定した。そのときの平均値と標準偏差を表1に示す。(この場合は標準偏差が小さいほど、表面保護層膜厚ムラが小さいといえる。)
【0127】
【表1】
Figure 0003818585
【0128】
次に作製した感光体を、Ipsio Color 8000(リコー社製)を用いて、5万枚(A4)連続通紙試験を行なった。そして、画像評価、機内電位測定(露光部電位)、摩耗量測定を行なった。結果を表2〜表6に示す。
【0129】
<摩耗量>
摩耗量測定を行なった結果を表2−1、表2−2に示す。
【0130】
【表2−1】
Figure 0003818585
【0131】
【表2−2】
Figure 0003818585
【0132】
実施例8、13、比較例2、3、4、5、6は、通紙試験過程で表面保護層が消失、その後の通紙試験は中断した。
比較例6サンプルは、5000枚通紙により、膜が消失し。中断した。
【0133】
<機内電位(露光部電位)>
機内電位(露光部電位)を測定した結果を表3−1、表3−2に示す。
【0134】
【表3−1】
Figure 0003818585
【0135】
【表3−2】
Figure 0003818585
【0136】
<ハーフトーン画像評価>
黒ハーフトーン画像をとり、目視で評価した。結果を表4−1、表4−2に示す。
【0137】
【表4−1】
Figure 0003818585
【0138】
【表4−2】
Figure 0003818585
◎…非常に良好
○…良好
△…局所的な濃度ムラ発生
×…全面濃度ムラ発生
【0139】
<白画像評価>
白画像をとり、目視により、スジ画像評価を行なった。結果を表5−1、表5−2に示す。
【0140】
【表5−1】
Figure 0003818585
【0141】
【表5−2】
Figure 0003818585
○…良好
△…僅かな黒スジ画像発生
×…全面黒スジ画像発生
比較例8は黒スジ画像の発生は比較的良好であったが、全面地肌汚れが発生した。
【0142】
<ドット再現性評価>
1ドット独立書き込みを行ない、現像後の感光体表面のドット再現性及びトナー飛散状況を光学顕微鏡を用いて評価した。結果を表6−1、表6−2に示す。
【0143】
【表6−1】
Figure 0003818585
【0144】
【表6−2】
Figure 0003818585
○…良好
△…ドット太りがみられる
×…トナー飛散がみられる
【0145】
【発明の効果】
以上、詳細且つ具体的な説明より明らかなように、導電性支持体上に少なくとも感光層及び表面保護層を有する電子写真感光体において、該表面保護層が少なくともウレタン樹脂を含有し、該ウレタン樹脂が、少なくともイソシアネートと下記構造式(I)のポリオールを架橋した重合体を含有することを特徴とする電子写真感光体とすることにより、長期的使用における機械的耐久性(耐摩耗性、耐傷性)、画像安定性に優れた電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、画像形成装置、プロセスカートリッジ及びそれらを用いた画像形成方法を提供することができる。
【0146】
【化47】
Figure 0003818585
(式中、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表わし、n=1〜5である。)
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の構成例を示す断面図である。
【図2】本発明の電子写真感光体の他の構成例を示す断面図である。
【図3】本発明の電子写真感光体の他の構成例を示す断面図である。
【図4】本発明の電子写真プロセスおよび電子写真装置を説明するための概略図である。
【図5】本発明による電子写真プロセスの別の例である。
【図6】本発明のプロセスカートリッジを示す別の図である。
【符号の説明】
1 感光体
7 除電ランプ
8 帯電ローラ
9 イレーサー
10 画像露光部
11 現像ユニット
12 転写前チャージャ
13 レジストローラ
14 転写紙
15 転写体
15a 転写チャージャ
15b 分離チャージャ
17 クリーニング前チャージャ
18 ファーブラシ
19 ブレード
21 感光体
22a 駆動ローラ
22b 駆動ローラ
23 帯電チャージャ
24 像露光源
25 転写チャージャ
26 クリーニング前露光
27 クリーニングブラシ
28 除電光源
30 感光体
31 転写ローラ
32 現像ローラ
33 画像露光部
34 帯電部材
35 クリーニングブラシ

Claims (17)

  1. 導電性支持体上に少なくとも感光層及び表面保護層を有する電子写真感光体であって、該表面保護層が少なくともウレタン樹脂を含有し、該ウレタン樹脂が、少なくともイソシアネートとポリオールの架橋重合体であり、且つポリオールが下記構造式(I)のポリオール(1)と官能基数が2以上であり且つ数平均分子量1000以上のポリオール(2)を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0003818585
    (式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表わし、n=1〜5である。)
  2. 前記ウレタン樹脂を架橋形成するイソシアネートが官能基数3以上のイソシアネートであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記ウレタン樹脂を架橋形成する構造式(I)のポリオール(1)の分子量が、100以上150以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記ウレタン樹脂を架橋形成する官能基数が2以上であり且つ数平均分子量1000以上のポリオール(2)が、ポリカーボネートジオールであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電子写真感光体。
  5. 前記表面保護層膜厚が、0.5〜3μmであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の電子写真感光体。
  6. 前記感光層が電荷発生層及び電荷輸送層を積層した構成であることを特徴とした請求項1乃至5の何れかに記載の電子写真感光体。
  7. 前記表面保護層に電荷輸送材料を含有していることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の電子写真感光体。
  8. 前記表面保護層を形成するウレタン樹脂中に、電荷輸送材料を架橋重合していることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の電子写真感光体。
  9. 前記表面保護層に含有される電荷輸送材料が、トリアリールアミン骨格を有することを特徴とする請求項7又は8に記載の電子写真感光体。
  10. 前記表面保護層膜厚が、0.5〜8.0μmであることを特徴とする請求項7乃至9の何れかに記載の電子写真感光体。
  11. 前記表面保護層が、微小開口部を有するノズルより塗工液を吐出し、霧化することにより生成した微小液滴を感光層上に付着させて塗膜を形成するスプレー塗工方法で製膜することを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の電子写真感光体の製造方法。
  12. 少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および電子写真感光体を具備してなる画像形成装置であって、該電子写真感光体として、請求項1乃至10の何れかに記載の電子写真感光体を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  13. 前記画像露光手段のLDあるいはLED等を使用することによって感光体上に静電潜像の書き込みが行なわれることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 前記帯電手段が帯電部材を感光体に接触もしくは近接配置したものであることを特徴とする請求項12又は13に記載の画像形成装置。
  15. 前記帯電部材の直流成分に交流成分を重畳し、感光体に帯電を与えることを特徴とする請求項12乃至14の何れかに記載の画像形成装置。
  16. 少なくとも、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段のいずれか一つと電子写真感光体を一体化したプロセスカートリッジであって、該電子写真感光体が請求項1乃至10の何れかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  17. 少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および請求項1乃至10の何れかに記載の電子写真感光体を用いたことを特徴とする画像形成方法。
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