JP2006003897A - 画像形成部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像形成部材の表面に形成され、ポリアミドからなるオーバーコート層において、オーバーコート層の摩擦抵抗を小さくすること。
【解決手段】画像形成部材は、基材1と、内部に分散させた電荷輸送物質を含む電荷輸送層と、前記電荷輸送層の上に位置するオーバーコート層7と、を備え、前記オーバーコート層がポリアミドおよび無機酸化物を含む。無機酸化物は、シリカ、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化スズ、およびそれらの混合物からなる群より選択される。
【選択図】なし
【解決手段】画像形成部材は、基材1と、内部に分散させた電荷輸送物質を含む電荷輸送層と、前記電荷輸送層の上に位置するオーバーコート層7と、を備え、前記オーバーコート層がポリアミドおよび無機酸化物を含む。無機酸化物は、シリカ、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化スズ、およびそれらの混合物からなる群より選択される。
【選択図】なし
Description
本発明は、画像形成部材に関する。
最新型の画像形成システムの多くのものが、小さな直径の感光体ドラムを用いている。小さな直径のドラムを使用する場合には、感光体の寿命が重視される。コピー機およびプリンタにおいて感光体の寿命に限界を与える主な要因は摩耗である。
感光体ドラムの寿命を長引かせるための1つのアプローチ方法は、画像形成表面、たとえば、感光体の電荷輸送層の上に保護オーバーコートを形成させる方法である。このオーバーコート層は、多くの要求を満たさねばならないが、そのようなものとしては、ホール輸送、画像流れ(image deletion)抵抗性、摩耗抵抗性、コーティングの際に下側層に不安(perturbation)を与えないこと等が挙げられる。
しかしながら、ある種のポリカーボネート(例えば、Z−タイプ300)および電荷輸送材料、例えば、ビス−N,N−(3,4−ジメチルフェニル)−N−(4−ビフェニル)アミンやN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1'−ビフェニル)−4,4'−ジアミンを含む、ある種の感光体電荷輸送層に対する、このオーバーコートの接着性は、いくつかの乾燥条件下では大幅に低下する。その一方で、約110℃より低い乾燥条件下では、電荷輸送層に対するオーバーコートの接着性は良好であるが、オーバーコートの摩耗速度が高かった。したがって、オーバーコートが接着性と摩耗速度の両方の目標を達成するための、乾燥条件の幅は受け入れがたいほど狭いものであった。
特許文献1(フラー(Fuller)等)には、アミドの窒素原子に結合したアルコキシメチルまたはアルコキシアルキルメチル基を有するアルコール可溶性のアクリレート化ポリアミド、架橋触媒、およびヒドロキシ官能化芳香族ジアミンとヒドロキシ官能化トリアリールアミンの混合物、を含む感光体の架橋可能なコーティング組成物が開示されている。
特許文献2(レンファー(Renfer)等)には、正孔輸送のための少なくとも2つのヒドロキシ官能基を有するヒドロキシアリールアミン化合物、ビス−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−フェニルメタンおよび架橋させたポリアミド成膜性バインダを有するオーバーコート層を含む画像形成部材が開示されている。
特許文献3(シャンク(Schank)等)には、基材、電荷発生層、電荷輸送層、および低分子の正孔輸送用の、少なくとも2つのヒドロキシ官能基を有するアリールアミン、モノヒドロキシまたはマルチヒドロキシトリフェニルメタンを含むオーバーコート層、および、ヒドロキシアリールアミンおよびモノヒドロキシまたはマルチヒドロキシトリフェニルメタンのようなヒドロキシ官能基と水素結合を形成することが可能なポリアミド成膜性バインダを含む、電子写真画像形成部材が開示されている。このオーバーコート層は、アルコール溶媒を使用して加工することができる。この電子写真画像形成部材は、電子写真画像形成プロセスにおいて使用することができる。エルバミド(ELVAMIDE,登録商標)ポリアミド、およびN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−(1,1'−ビフェニル)−4,4'−ジアミンおよびビス−[2−メチル−4−(N−2−ヒドロキシエチル−N−エチル−アミノフェニル)]−フェニルメタン、を含む具体的な物質がその特許に開示されている。
ポリアミドのオーバーコートを使用することが原因で問題が発生したが、それには感光体オーバーコートの耐摩耗性の低下も含まれる。改良された小粒子のエマルジョン凝集トナーを使用すると、さらにクリーニングの問題も起きてきた。より詳しくは、現在使用されているオーバーコートでは、エマルジョン凝集トナーおよびクリーニングブレードに対しての摩擦が大きい点で問題がある。その結果として、そのようなエマルジョン凝集トナーは、現在使用されているオーバーコートの表面から、公知のクリーニングブレード構造を用いて除去するのは困難である。本明細書に記載された感光体オーバーコートには、表面エネルギーの低い無機酸化物を担持していて、それらの酸化物が実施形態において、感光体オーバーコートの上に凹凸のある表面(texturized surface)を形成している。その凹凸層が、実施形態において、トナーとオーバーコート表面の接触面積を減少させて、それにより、クリーニングブレードを用いてトナーを容易に除去することが可能となっている。
本明細書に開示されているのは、画像形成部材(感光体部材と呼ばれることもある)、感光体、光導電体などであって、それらは、静電写真装置、たとえば、プリンタ、コピー機、その他の複写機器、およびデジタル装置に有用である。具体的な実施形態においては、本発明の画像形成部材は、少なくとも1種のタイプのフィラーを含む、外側コーティング層を有する。実施形態においては、このフィラー入りオーバーコート層には、たとえばシリカ、二酸化チタン、およびそれらの混合物のような金属フィラーが含まれる。このフィラー入りオーバーコート層は、実施形態において、画像形成部材に、より長い寿命、改良された硬度、疎水性および平滑性、より大きな接触角、および、より低い表面エネルギーおよび摩擦を与える。このフィラー入りオーバーコート層は、実施形態において、小粒子のエマルジョン凝集トナーを用いると、耐摩耗性とクリーニング性が改良された画像形成部材を与える。実施形態において、このフィラー入りオーバーコート層は、通常のトナーを用いた場合でも良好な性能を示す。さらに、このフィラー入りオーバーコート層は、実施形態において、下側層への良好な接着性を有し、100,000サイクルを超える引っ掻き抵抗性を有している。実施形態において、印刷品質は、A、BおよびCゾーンのいずれにおいても18,000コピーでも安定している。さらに、実施形態において、このフィラー入りオーバーコート層は、バイアス荷電ロールシステム(bias charging roll system)における調節ドラムよりも摩耗性が5.4倍も良好で、スコロトロン荷電システムでは、170万サイクルを超えるであろうと考えられる。
本発明の実施形態には、基材と、内部に分散させた電荷輸送物質を含む電荷輸送層と、電荷輸送層の上に位置するオーバーコート層とを備える画像形成部材が含まれるが、ここで、前記オーバーコート層には、ポリアミドおよび金属材料が含まれる。
他の実施形態としては、さらに、基材と、内部に分散させた電荷輸送物質を含む電荷輸送層と、電荷輸送層の上に位置するオーバーコート層とを備える画像形成部材が含まれるが、ここで前記オーバーコート層には、ポリアミド、無機酸化物、架橋剤、画像流れ調節剤(deletion control agent)および電荷輸送分子が含まれる。。
さらに、他の実施形態としては、記録媒体の上に画像を形成させるための画像形成装置が含まれ、それには、a)その上に静電潜像を受像するための電荷保持表面を有する感光体部材、ここでその感光体部材には、基材、その中に電荷輸送物質を含む電荷輸送層、および電荷輸送層の上に位置するオーバーコート層を含み、ここで、前記オーバーコート層には、ポリアミドを含む、b)現像剤物質を電荷保持性表面に塗布して、静電潜像を現像させ、その電荷保持性表面の上に現像した画像を形成させるための現像成分、c)現像された画像を電荷保持性表面から他の部材またはコピー基材へ転写するための転写成分、および、d)現像された画像をコピー基材に定着させるための定着部材、が含まれる。
図1を参照すると、典型的な静電写真複製装置においては、コピーされるオリジナルの光画像が、静電潜像の形で感光体部材の上に記録され、次いでその潜像を、通常トナーと呼ばれている、エレクトロスコピック(electroscopic)な熱可塑性樹脂粒子を塗布することによって、可視化する。具体的には、帯電器12に電源11から供給される電圧をかける手段によって、感光体10の表面に電荷を与える。次いでその感光体を、光学システム、またはレーザーや発光ダイオードのような画像入力装置13からの光により像様に露光させて、その上に静電潜像を形成させる。通常、その静電潜像を現像ステーション14からの現像剤混合物と接触させることにより、現像する。現像は、磁気ブラシ、パウダー・クラウド(powder cloud)またはその他公知の現像法を使用して、実施することができる。
その光導電性表面の上にトナー粒子を画像の形状に付着させてから、転写手段15によりコピーシート16に転写させるが、その転写は加圧転写であっても、静電転写であってもよい。実施形態においては、その現像された画像を中間転写部材に転写させてから、それをコピーシートに転写することも可能である。
現像された画像の転写が完了したら、コピーシート16を、図1において定着ロールおよび加圧ロールとして示している、定着ステーション19に送るが、そこでは、コピーシート16を定着部材20と加圧部材21との間を通過させることによって現像された画像をコピーシート16に定着させ、それにより耐久的な画像を形成させる。定着は他の定着部材によって実施することも可能で、たとえば、定着ベルトに圧力をかけて加圧ローラーに接触させたり、定着ローラーを加圧したベルトに接触させたり、あるいはその他の類似のシステムを用いてもよい。感光体10は、転写が済むと、クリーニングステーション17に進むが、そこでは、感光体10の上に残っているトナーをすべて、(図1に示すような)ブレード22、ブラシ、またはその他のクリーニング装置を使用することによって、それから除く。
電子写真画像形成部材は、当業者には周知である。電子写真画像形成部材は、各種適切な方法を用いて調製することができる。図2を参照すると、典型的には、軟質または硬質の基材1に導電性表面またはコーティング2を具備する。
その基材は不透明であっても、実質的に透明であってもよく、また、要求される機械的性質を有する各種好適な物質を含んでいてもよい。したがってこの基材には、たとえば無機または有機組成物のような、非導電性または導電性物質の層が含まれていてもよい。非導電性物質としては、この目的のために知られている各種の樹脂を用いることができるが、そのようなものとしては、薄いウェブとして可撓性のある、たとえばポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタンなどが挙げられる。導電性基材は各種の金属であってよく、たとえば、アルミニウム、ニッケル、鉄、銅など、あるいは、先に述べたようなポリマー材料で、導電性物質、たとえば炭素、金属粉など、または有機導電性物質などを充填したものが挙げられる。電気絶縁性または導電性基材は、エンドレスな可撓性ベルト、ウェブ、硬質円筒、シートなどの形態とすることができる。基材層の厚みは、所望する強度や、経済性への配慮など、多くの因子に応じて決める。したがって、ドラムの場合には、この層の実質的な厚みは、たとえば、最大で数センチメートル、最小で1ミリメートル未満の厚みとすることができる。同様にして、可撓性のベルトも、実質的な厚みをたとえば約250マイクロメートル、あるいは最小でその厚みを50マイクロメートル未満とすることができるが、ただし、最終的な電子写真デバイスに悪影響が出ないようにする。
基材層が導電性でないような実施形態においては、その表面に、導電性コーティング2を設けて、導電性を付与することができる。導電性コーティングは、光学的な透過性、所望する可撓性の程度、経済的観点などに応じて、実質的には広い範囲でその厚みを変化させることができる。したがって、可撓性のある光応答性(photoresponsive)画像形成デバイスでは、その導電性コーティングの厚みは、約20オングストローム〜約750オングストロームの間、または約100オングストローム〜約200オングストロームの間として、導電性、可撓性および光透過性の組合せがベストとなるようにする。可撓性導電性コーティングは、たとえば基材の上に形成された導電性金属層であってもよく、それには、各種好適なコーティング方法、たとえば真空蒸着法や電着法などが使用できる。典型的な金属としては、アルミニウム、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、バナジウムおよびハフニウム、チタン、ニッケル、ステンレス鋼、クロム、タングステン、モリブデンなどが挙げられる。
任意層である正孔阻止層3は、基材1またはコーティングに適用されてもよい。近接する光導電層8(または電子写真画像形成層8)と下にある基材1の導電性表面2との間で、ホールに対する電気的なバリアーを形成することが可能な、各種の好適な、従来からの阻止層を使用することができる。
任意層である接着層4を正孔阻止層3に塗布することができる。当業者周知の各種好適な接着層を使用することができる。典型的な接着層材料としては、たとえばポリエステル、ポリウレタンなどが挙げられる。接着層の厚みを、約0.05マイクロメートル(500オングストローム)〜約0.3マイクロメートル(3,000オングストローム)の間とすると、満足のいく結果が得られる。接着層コーティング混合物を正孔阻止層に塗布するための、従来からの方法としては、スプレー法、ディップコーティング法、ロールコーティング法、巻線ロッドコーティング法、グラビアコーティング法、バード(Bird)アプリケータコーティング法などが挙げられる。付着させたコーティングの乾燥は、各種好適な従来からの方法で実施できるが、そのような方法としてはたとえば、オーブン乾燥法、赤外線照射乾燥法、空気乾燥法などが挙げられる。
少なくとも1層の電子写真画像形成層8を、接着層4、阻止層3または基材1の上に形成させる。電子写真画像形成層8は、単一の層(図2における7)として、当業者公知のように、電荷発生と電荷輸送の両方の機能を持たせてもよいし、或いは、複数の層、たとえば電荷発生層5、電荷輸送層6、およびオーバーコート層7から構成してもよい。
電荷発生層5は、導電性表面に塗布することもできるし、あるいは、基材1と電荷発生層5の間にある他の層の上に塗布することもできる。電荷阻止層または正孔阻止層3は、場合によっては、電荷発生層5を塗布する前に導電性表面に塗布することもできる。必要があれば接着層4を、電荷阻止層または正孔阻止層3と電荷発生層5との間に使用することができる。電荷発生層5は通常、阻止層3の上に塗布し、電荷輸送層6を電荷発生層5の上に形成させる。その構造では、電荷輸送層6の上または下に電荷発生層5を有し、電荷輸送層6の上にオーバーコート層7を有する。
電荷発生層には、真空蒸発または蒸着によって作成された、セレン、およびセレンとヒ素、テルル、ゲルマニウムなどとの合金、水素化非晶質ケイ素、およびケイ素とゲルマニウム、炭素、酸素、窒素との化合物などの非晶質膜が含まれる。電荷発生剤層には、結晶質セレンおよびその合金の無機顔料、第II−VI族の化合物、および有機顔料たとえばキナクリドン、多環顔料たとえばジブロモアントアントロン顔料、ペリレンおよびペリノンジアミン、多核芳香族キノン、アゾ顔料たとえばビス−、トリス−およびテトラキス−アゾ、などが含まれていてよく、それらは成膜性ポリマーバインダの中に分散され、溶媒コーティング法によって加工される。
フタロシアニンは、赤外線露光システムを使用したレーザープリンタで使用するための、光発生材料として使用されてきた。低コストの半導体レーザーダイオード露光デバイスに露光させる感光体では、赤外線に対する感度が求められる。フタロシアニンの吸収スペクトルと光感度は、その化合物の中心にある金属原子によって決まる。多くの金属フタロシアニンが報告されているが、たとえば、オキシバナジウムフタロシアニン、クロロアルミニウムフタロシアニン、銅フタロシアニン、オキシチタンフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、マグネシウムフタロシアニン、および金属を含まないフタロシアニンなどが挙げられる。フタロシアニンは多くの結晶形で存在し、光発生に強い影響を有している。
電荷発生(光発生)バインダ層の中のマトリックスとしては、各種の適当なポリマー成膜性バインダ物質が使用できる。典型的なポリマー成膜性物質としては、たとえば、米国特許第3,121,006号明細書に記載されているようなものが挙げられる。したがって、典型的な有機ポリマー成膜性バインダとしては、熱可塑性および熱硬化性樹脂があり、それらの例を挙げれば、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリアリールエーテル、ポリアリールスルホン、ポリブタジエン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ酢酸ビニル、ポリシロキサン、ポリアクリレート、ポリビニルアセタール、ポリアミド、ポリイミド、アミノ樹脂、フェニレンオキシド樹脂、テレフタル酸樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリスチレンとアクリロニトリルとのコポリマー、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニルとのコポリマー、アクリレートコポリマー、アルキド樹脂、セルロース系成膜剤、ポリ(アミドイミド)、スチレン−ブタジエンコポリマー、塩化ビニリデン−塩化ビニルコポリマー、酢酸ビニル−塩化ビニリデンコポリマー、スチレン−アルキド樹脂、ポリビニルカルバゾールなどがある。これらのポリマーは、ブロックコポリマー、ランダムコポリマー、交互コポリマーなどであってもよい。
光発生組成物または顔料は、樹脂バインダ組成物中に、各種の量で存在させることができる。しかしながら一般的には、約5容積パーセント〜約90容積パーセントの光発生顔料を、約10容積パーセント〜約95容積パーセントの樹脂バインダの中に分散させるか、または、約20容積パーセント〜約30容積パーセントの光発生顔料を、約70容積パーセント〜約80容積パーセントの樹脂バインダ組成物の中に分散させる。1つの実施形態においては、約8容積パーセントの光発生顔料を約92容積パーセントの樹脂バインダ組成物の中に分散させる。光発生層は、真空昇華法によって設けることもできるが、その場合には、バインダは存在しない。
光発生層コーティング混合物を混合し、その後に塗布するためには、各種の好適な従来からの方法を用いることができる。典型的な塗布方法の例を挙げれば、スプレー法、ディップコーティング法、ロールコーティング法、巻線ロッドコーティング法、真空昇華法などがある。いくつかの用途においては、発生層を点または線のパターンで設けることもできる。溶媒コーティング層の溶媒を除去するためには、各種の好適な従来からの方法を用いることができるが、そのようなものとしてはたとえば、オーブン乾燥法、赤外線照射乾燥法、空気乾燥法などが挙げられる。
電荷輸送層6には、成膜性があり電気的に不活性なポリマー、たとえばポリカーボネートの中に溶解されるかまたは分子的に分散された電気輸送用の低分子23が含まれていてもよい。本明細書で用いる場合、「溶解される」という用語は、その低分子がポリマー中に溶解されて均一な相を形成して、溶液となっている状態にあると、本明細書では定義される。本明細書で用いる場合、「分子的に分散された」という用語は、ポリマー中に分散された電荷輸送用の低分子として、その低分子がポリマー中に分子スケールで分散されている状態にあると、本明細書では定義される。各種好適な電荷輸送用または電気的に活性な低分子を、本発明の電荷輸送層に使用することができる。電荷輸送用の「低分子」という表現は、輸送層の中で光発生された自由電荷を、輸送層の中を横切って輸送することを可能とするモノマーとして、本明細書では定義される。典型的な電荷輸送用の低分子の例を挙げれば、ピラゾリン、たとえば1−フェニル−3−(4'−ジエチルアミノスチリル)−5−(4"−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、ジアミン、たとえばN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1'−ビフェニル)−4,4'−ジアミン、ヒドラゾン、たとえばN−フェニル−N−メチル−3−(9−エチル)カルバジルヒドラゾンおよび4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,2−ジフェニルヒドラゾン、およびオキサジアゾール、たとえば2,5−ビス(4−N,N’−ジエチルアミノフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール、スチルベンなどがある。しかしながら、高速処理を伴う機械の中でのサイクルアップ(cycle-up)を避けるためには、電荷輸送層には、ジ−またはトリ−アミノ−トリフェニルメタンを実質的に含まない(約2パーセント未満)ようにするべきである。先にも述べたように、好適な電気的に活性な低分子電荷輸送用化合物を、電気的に不活性なポリマー成膜性物質の中に、溶解させるかまたは分子的に分散させる。顔料から電荷発生層の中に高効率で正孔を注入し、それらを極めて短い移動時間で電荷輸送層を横切って輸送することを可能とするような低分子の電荷輸送用化合物としては、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1'−ビフェニル)−4,4'−ジアミンが挙げられる。所望により、電荷輸送層の中の電荷輸送物質には、ポリマー性の電荷輸送物質、または低分子電荷輸送物質とポリマー性の電荷輸送物質との組合せを含ませることもできる。
オーバーコート層を塗布する目的で使用されるアルコール溶媒には不溶性の、各種の好適な電気的に不活性な樹脂バインダを本発明の電荷輸送層の中で用いることができる。不活性な樹脂バインダの典型例としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル、ポリアリーレート、ポリアクリレート、ポリエーテル、ポリスルホンなどを挙げることができる。分子量はたとえば、約20,000〜約150,000までの間で変化させることができる。バインダの例を挙げれば、ポリカーボネートたとえばポリ(4,4’−イソプロピリデン−ジフェニレン)カーボネート(これは、ビスフェノールA−ポリカーボネートとも呼ばれる)、ポリ(4,4’−シクロヘキシリジンジフェニレン)カーボネート(ビスフェノール−Zポリカーボネートとも呼ばれる)、ポリ(4,4’−イソプロピリデン−3,3’−ジメチル−ジフェニル)カーボネート(これは、ビスフェノール−C−ポリカーボネートとも呼ばれる)などがある。適切な電荷輸送ポリマーならばどのようなものであっても、本発明の電荷輸送層にも使用することが可能である。電荷輸送用のポリマーは、本発明のオーバーコート層を塗布するために使用されるアルコール溶媒には、不溶性でなければならない。それら電気的に活性な電荷輸送用のポリマー材料は、電荷発生物質から光発生された正孔の注入を支持することができなければならないし、またそれらの正孔を層の中を通過させて輸送できるものでなければならない。
各種の好適な従来からの方法を用いて、電荷輸送層のコーティング混合物を混合し、次いで電荷発生層に塗布することができる。典型的な塗布方法の例を挙げれば、スプレー法、ディップコーティング法、ロールコーティング法、巻線ロッドコーティング法などがある。付着させたコーティングの乾燥は、各種好適な従来からの方法で実施できるが、そのような方法としてはたとえば、オーブン乾燥法、赤外線照射乾燥法、空気乾燥法などが挙げられる。
電荷輸送層の厚みは一般的には、約10〜約50マイクロメートルの間とするが、ただしこの範囲から外れた厚みを使用してもよい。正孔輸送層は、正孔輸送層の上に置かれた静電荷が、光をあてない場合には、伝導されない程度の絶縁材とすべきであって、その程度は、その上に静電潜像が生成、保持されるのを防止するのに充分なものとする。一般的には、正孔輸送層と電荷発生層の間の厚みの比率を、約2:1〜200:1までとするが、場合によっては400:1まで大きくすることができる。電荷輸送層は、可視光線や、使用目的とする範囲の照射に対しては実質的に非吸収性であるが、光導電層、すなわち電荷発生層から光発生された正孔の注入を可能とし、また、それらの正孔をそれ自体の中を通過させて、活性層の表面上で表面電荷を選択的に放電させることを可能とするという点においては、電気的に「活性」である。
実施形態においては、オーバーコート層7を電荷輸送層6の上にコーティングする。実施形態においては、オーバーコート層における樹脂としてポリアミド樹脂を使用する。実施形態においては、そのポリアミドはアルコール可溶性のポリアミドである。実施形態においては、そのポリアミドには、メトキシ、エトキシおよびヒドロキシペンダント基からなる群より選択されるペンダント基を含む。実施形態においては、そのペンダント基は、メチレンメトキシペンダント基である。実施形態においては、そのポリアミドは次式(化1)の構造を有する。
ここで、R1、R2およびR3は、約1〜約15個の炭素、または約1〜約10個の炭素、または約1〜約5個の炭素を有するアルキル基、たとえばメチル、エチル、プロピル、ブチルなどであり、nは、約50〜約1,000、または約150〜約500、または約270の数値である。本明細書で用いるのに適した、市販されているアルコール可溶性のポリアミドポリマーの典型例を挙げれば、ラッカミド(LUCKAMIDE,登録商標)5003(大日本インキ化学工業(株)(Dai Nippon Ink)から)、ナイロン(NYLON,登録商標)8、CM4000(登録商標)およびCM8000(登録商標)(いずれも東レ株式会社(Toray Industries, Ltd.,)から)の商品名で販売されているもの、およびその他のポリアミド、たとえば、ソレンソン(Sorenson)およびキャンベル(Campbell)『プレパラティブ・メソッズ・オブ・ポリマー・ケミストリー(Preparative Methods of Polymer Chemistry)』第2版(ジョン・ワイリー・アンド・ソンズ・インコーポレーテッド(John Wiley & Sons, Inc.)、1968年)p.76に記載されている方法に従って調製したものなど、およびそれらの混合物がある。実施形態においては、それらのポリアミドは、メトキシ、エトキシおよびヒドロキシ基を有していて、それにはN−メトキシメチル、N−エトキシメチル、およびN−ヒドロキシメチルペンダント基も含まれる。本明細書で有用なその他のポリアミドとしては、米国特許第6,132,913号明細書および同第6,071,659号明細書に記載、開示されているものも挙げられるが、これらの特許の全ての開示を、ここに引用することにより、参照として取り入れたものとする。
好適なポリアミドのその他の例としては、デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(DuPont de Nemours & Company)からのエルバミド(ELVAMIDE,登録商標)が挙げられる。これらは、そのポリマー骨格のアミド基の窒素原子に結合したメトキシメチル基は有していない。エルバミド(ELVAMIDE,登録商標)の1例としては次式(化2)を有するものがある。
ここで、R1、R2およびR3は、同一であっても異なっていてもよいが、約1〜約15個の炭素、または約1〜約10個の炭素、または約1〜約5個の炭素を有するアルキル基、たとえばメチル、エチル、プロピル、ブチルなどであり、nは、約50〜約1,000、または約150〜約500、または約270の数値である。実施形態においては、式IIにおけるR1、R2およびR3は、約6個未満の炭素原子を含むアルキレン基であって、アルキル基の合計数の約20〜約60パーセントを含む。エルバミド(ELVAMIDE,登録商標)は、パラホルムアルデヒドおよびアクリル酸と反応させることによって化学的に変性して、アクリルオキシ−メチル変性エルバミド(ELVAMIDE,登録商標)とすることができる。
ポリアミドは、オーバーコート層の中に、全固形分の約20〜約90パーセント、または約40〜約60質量パーセントの量で存在させる。
画像流れ調節剤(図2の9)をオーバーコート層の中に存在させることができる。画像流れ(deletion)は、コロトロンの酸化の影響のため、または感光体表面の導電性を上げるバイアス荷電ロール(BCR)からの放散物のために起きる可能性がある。本発明の画像流れ調節剤は、この導電性の変化を最小限に抑制するものである。正孔輸送用の組成物に用いた場合に効果のある、公知のタイプの画像流れ調節剤としては、置換基を含む窒素含有トリフェニルメタンで、たとえば、ビス−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−フェニルメタンなどが挙げられる。その他の画像流れ調節剤としては、たとえば、ヒンダードフェノール、たとえばブチル化ヒドロキシトルエンなどが挙げられる。
しかしながら、上述の画像流れ調節剤は、ポリアミドベースの、正孔輸送層と共に用いる場合には、効果的に画像流れ調節をすることができない。荷電用にコロトロンを使用する高速機械の中でその感光体を使用した場合や、高度に耐摩耗性の層のために酸化された導電性の化学種が蓄積しやすくなっている場合には、この問題が一段と大きくなる。テトラキスメチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)メタン[すなわち、イルガノックス(Irganox)1010]、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン(BDETPM)、ビス−[2−メチル−4−(N−2−ヒドロキシエチル−N−エチル−アミノフェニル)]−フェニルメタン、ビス(ジエチルアミノ)トリフェニルメタン、ビス−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−フェニルメタン、およびそれらの混合物などの画像流れ調節分子を、アリールアミン電荷輸送用化学種と共に、電荷輸送層に加えることが行われてきた。しかしながら、ポリアミドベースのオーバーコートの場合には、それら公知の画像流れ調節用添加剤では不十分であることがわかってきた。画像流れは、ポリアミドのオーバーコートの場合に最も目立つが、その理由は、極端な摩耗抵抗性があるからである(BCRの場合で10nm/キロサイクル、スコロトロン荷電の場合で4nm/キロサイクル)。酸化された表面が、顕著には摩耗されないので、ポリアミドオーバーコートでの画像流れは、摩耗速度が大きいために光導電体の表面が常に更新されているポリカーボネート電荷輸送層の場合よりも、目立つ。
画像流れ調節化合物は、ポリアミドオーバーコート中に、全固形分の約5〜約40パーセント、または約10〜約30パーセント、または約15〜約20質量パーセントの量で存在させることができる。
電荷輸送分子23または電荷調節剤23は、画像流れ調節分子に加えて、外側のオーバーコート層の中に存在させることができる。例を挙げれば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4−4’−ジアミン(DHTBD)、PTAP(N−[3−ヒドロキシフェニル]−N−[4−メチルフェニル]−N−フェニルアミン)、DTAP(N−[3−ヒドロキシフェニル]−N,N−ビス[4−メチルフェニル]アミン)などがある。電荷輸送分子は、オーバーコート層の中に、全固形分の、約50〜約99パーセント、または約30〜約90パーセント、または約60〜約80質量パーセントの量で存在させることができる。
オーバーコートと組み合わせて、架橋剤を使用して、ポリマー、たとえばポリアミドの架橋を促進し、それによって強固な結合を作ることも可能である。好適な架橋剤の例を挙げれば、シュウ酸、トリオキサン、p−トルエンスルホン酸、リン酸、硫酸、サイメル(Cymel)303(ヘキサメトキシメチルメラミン、サイテック・インダストリーズ・インコーポレーテッド(Cytec Industries Inc.)から入手可能)など、およびそれらの混合物がある。実施形態においては、架橋剤はシュウ酸である。架橋剤は、全ポリマー含量の、約1〜約20パーセント、または約5〜約10パーセント、または約8〜約9質量パーセントの量で使用することができる。
追加のフィラー18、たとえば無機物質、たとえば無機酸化物をオーバーコート層に添加することもできる。フィラーを添加することによって、特に小粒子のエマルジョン凝集トナーで用いる場合には、耐摩耗性やクリーニング性が改良される。好適なフィラーの例としては、無機酸化物たとえば、TiO2、シリカ、ZrO2、ZnOまたはSnO2などが挙げられる。この無機酸化物はオーバーコート層の中に、オーバーコート層中の全固形分の約20〜約70、または約30〜約60質量パーセントの量で存在させることができる。
無機酸化物は、ポリアミド、特にラッカミド(LUCKAMIDE,登録商標)の中に極めて良好に分散する。さらに、ポリアミドが接着促進剤として働いて、オーバーコートの接着性を、15g/cmより高いものにする。
外側層には、2種以上のポリアミドを使用してもよい。たとえば、エルバミド(ELVAMIDE,登録商標)とラッカミド(LUCKAMIDE,登録商標)の両方を使用することも可能であるし、あるいは、これらおよび/または他のポリアミドを組み合わせて使用してもよい。エルバミド(ELVAMIDE,登録商標)とラッカミド(LUCKAMIDE,登録商標)の両方を使用する場合には、エルバミド(ELVAMIDE,登録商標)はラッカミド(LUCKAMIDE,登録商標)バインダとは相溶性が無く、直径が0.3マイクロメートル未満の微少な粒子として分散される。
形成されるオーバーコート層は平滑で、その寿命の間、そのRaは約0.01〜約0.1、または約0.04〜約0.06ミクロンである。
外側層の接触角は、その寿命の間、約85〜約95、または約89〜約91度である。
トナー、たとえばエマルジョン凝集トナーの間の摩擦は、公知の電荷輸送層に比較すると、非常に低い。
選択される連続のオーバーコート層の厚みは、採用するシステムの中での荷電(たとえば、バイアス荷電ロール)、クリーニング(たとえば、ブレードまたはウェブ)、現像(たとえば、ブラシ)、転写(たとえば、バイアス転写ロール)などにおける摩耗性によって決められるもので、最大約20マイクロメートルまでとすることができる。実施形態においては、その厚みは、約1マイクロメートル〜約20マイクロメートル、または約3〜約15マイクロメートルである。各種の好適な従来からの方法を用いて、オーバーコート層のコーティング混合物を混合し、次いで電荷発生層に塗布することができる。典型的な塗布方法の例を挙げれば、スプレー法、ディップコーティング法、ロールコーティング法、巻線ロッドコーティング法などがある。付着させたコーティングの乾燥は、各種好適な従来からの方法で実施できるが、そのような方法としてはたとえば、オーブン乾燥法、赤外線照射乾燥法、空気乾燥法などが挙げられる。乾燥させた本発明のオーバーコーティングは、画像形成の際に正孔を輸送しなければならず、またあまりにも高いフリーキャリヤー濃度を有していてはならない。オーバーコートの中のフリーキャリヤー濃度は、暗失活を増加させる。実施形態においては、オーバーコートをした層での暗失活は、オーバーコートをしていないデバイス暗失活とほぼ同じとすべきである。
〔実施例1〕
(オーバーコート層無しの感光体の調製)
電子写真画像形成部材を、直径3cm、長さ31cmの17本のアルミニウムドラムの粗表面上に電荷阻止層をディップコーティングすることにより、調製した。阻止層用のコーティング混合物は、92質量パーセントのブタノール、メタノールおよび水の溶媒混合物の中に溶解させた、8質量パーセントのポリアミド(ナイロン6)の溶液であった。ブタノール、メタノールおよび水混合物の百分率は、それぞれ、55、36および9質量パーセントであった。コーティング浴での引き上げ速度を約30cm/分として、このコーティングを塗布した。強制空気循環炉で乾燥させると、それぞれの阻止層は、1.5マイクロメートルの厚みを有していた。乾燥させた阻止層に、電荷発生層をコーティングしたが、それには、2.5質量パーセントのヒドロキシルガリウムフタロシアニン顔料粒子、2.5質量パーセントのポリビニルブチラールバインダポリマー、および95質量パーセントのシクロヘキサノン溶媒が含まれていた。コーティング浴での引き上げ速度を約30cm/分として、このコーティングを塗布した。強制空気循環炉で乾燥させると、それぞれの阻止層は、0.2マイクロメートルの厚みを有していた。ついでそのドラムに電荷輸送層をコーティングしたが、それに含まれていたのは、ポリカーボネートバインダ(PcZ400)の中に分散させたN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1;−ビフェニル−4,4'−ジアミンである。電荷輸送コーティング混合物は、8質量パーセントのN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1;−ビフェニル−4,4'−ジアミン、12質量パーセントのバインダおよび80質量パーセントのモノクロロベンゼン溶媒からなっていた。それぞれの輸送層の乾燥時厚みは、20マイクロメートルであった。
(オーバーコート層無しの感光体の調製)
電子写真画像形成部材を、直径3cm、長さ31cmの17本のアルミニウムドラムの粗表面上に電荷阻止層をディップコーティングすることにより、調製した。阻止層用のコーティング混合物は、92質量パーセントのブタノール、メタノールおよび水の溶媒混合物の中に溶解させた、8質量パーセントのポリアミド(ナイロン6)の溶液であった。ブタノール、メタノールおよび水混合物の百分率は、それぞれ、55、36および9質量パーセントであった。コーティング浴での引き上げ速度を約30cm/分として、このコーティングを塗布した。強制空気循環炉で乾燥させると、それぞれの阻止層は、1.5マイクロメートルの厚みを有していた。乾燥させた阻止層に、電荷発生層をコーティングしたが、それには、2.5質量パーセントのヒドロキシルガリウムフタロシアニン顔料粒子、2.5質量パーセントのポリビニルブチラールバインダポリマー、および95質量パーセントのシクロヘキサノン溶媒が含まれていた。コーティング浴での引き上げ速度を約30cm/分として、このコーティングを塗布した。強制空気循環炉で乾燥させると、それぞれの阻止層は、0.2マイクロメートルの厚みを有していた。ついでそのドラムに電荷輸送層をコーティングしたが、それに含まれていたのは、ポリカーボネートバインダ(PcZ400)の中に分散させたN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1;−ビフェニル−4,4'−ジアミンである。電荷輸送コーティング混合物は、8質量パーセントのN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1;−ビフェニル−4,4'−ジアミン、12質量パーセントのバインダおよび80質量パーセントのモノクロロベンゼン溶媒からなっていた。それぞれの輸送層の乾燥時厚みは、20マイクロメートルであった。
〔実施例2〕
(その上にオーバーコート層を有する感光体の調製)
実施例1からのドラム数本に、保護層コーティング溶液を用いて、オーバーコーティングした。この組成物は以下のようにして調製した。0.7グラムのメトキシメチル基含有ポリアミド(ラッカミド(LUCKAMIDE,登録商標)5003、大日本インキ化学工業(株)(Dai Nippon Ink)から入手可能)、0.3グラムのエルバミド(ELVAMIDE,登録商標)8063(E.I.デュポン(E. I. Dupont)から入手可能)、メタノール(3.5グラム)および1−プロパノール(3.5グラム)を全部、2オンスの褐色瓶の中に共に入れて、マグネチックスターラーで撹拌しながら、水浴中で約60℃に加温した。30分以内に、溶液が得られた。次いでその溶液を、放冷により25℃とした。次いで、0.08グラムのシュウ酸を加え、その混合物を40℃に加温した。次いで、0.9グラムのN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−[1,1'−ビフェニル]−4,4'−ジアミン(DHTPD)を添加し、撹拌して、完全な溶液とした。別途に、0.08グラムのサイメル(Cymel,登録商標)303(ヘキサメトキシメチルメラミン、サイテック・インダストリーズ・インコーポレーテッド(Cytec Industries Inc.)から入手可能)および0.2グラムのビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4−メトキシフェニルメタンおよび1グラムのテトラヒドロフランを含む溶液を調製しておいて、それをポリマー溶液に加えた。0.45グラムのTiO2(MT400)、0.05グラムのシリカ(アエロジル(Aerosil)R104)および20グラムの直径3mmのガラスビーズを、さらに加えた。
(その上にオーバーコート層を有する感光体の調製)
実施例1からのドラム数本に、保護層コーティング溶液を用いて、オーバーコーティングした。この組成物は以下のようにして調製した。0.7グラムのメトキシメチル基含有ポリアミド(ラッカミド(LUCKAMIDE,登録商標)5003、大日本インキ化学工業(株)(Dai Nippon Ink)から入手可能)、0.3グラムのエルバミド(ELVAMIDE,登録商標)8063(E.I.デュポン(E. I. Dupont)から入手可能)、メタノール(3.5グラム)および1−プロパノール(3.5グラム)を全部、2オンスの褐色瓶の中に共に入れて、マグネチックスターラーで撹拌しながら、水浴中で約60℃に加温した。30分以内に、溶液が得られた。次いでその溶液を、放冷により25℃とした。次いで、0.08グラムのシュウ酸を加え、その混合物を40℃に加温した。次いで、0.9グラムのN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−[1,1'−ビフェニル]−4,4'−ジアミン(DHTPD)を添加し、撹拌して、完全な溶液とした。別途に、0.08グラムのサイメル(Cymel,登録商標)303(ヘキサメトキシメチルメラミン、サイテック・インダストリーズ・インコーポレーテッド(Cytec Industries Inc.)から入手可能)および0.2グラムのビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4−メトキシフェニルメタンおよび1グラムのテトラヒドロフランを含む溶液を調製しておいて、それをポリマー溶液に加えた。0.45グラムのTiO2(MT400)、0.05グラムのシリカ(アエロジル(Aerosil)R104)および20グラムの直径3mmのガラスビーズを、さらに加えた。
その2オンスの褐色瓶を、4日連続してロールミルにかけた。よく混合したTiO2−シリカのオーバーコートの分散体を、次いで、0.5ミクロンのフィルターを使用して濾過した。ディップコーティング装置で、引き上げ速度を250ミリメートル/分として、厚み6マイクロメートルのオーバーコートを塗布した。オーバーコートしたドラムを120℃で35分かけて、乾燥させた。
〔実施例3〕
(上記実施例で得られた感光体についての、印刷試験)
実施例1からのドラム1本(オーバーコート層なしの標準的な感光体)および実施例2からのドラム1本(オーバーコートありの感光体)について、ゼロックス・ドキュカラー(Xerox Docucolor)12/50コピー機を使用し、Bゾーン条件72°F(22.2℃9、湿度50%で印刷試験を行った。毎日合計で4,000枚の連続カラープリントを、3日間印刷させた。時間間隔を変えて、印刷物を取り出して解析に用いた。マクベス・スペクトロデンシトメーター(Macbeth Spectrodensitometer)を使用して、取り出した印刷物のベタ領域濃度(solid area density)を測定した。図5に示した結果から、TiO2−シリカオーバーコートによって、16,000枚のカラー印刷のすべてにおいてカラー品質および画像品質が維持され、またオーバーコート感光体と標準の感光体の間では、カラー品質と画像品質には有意な差がないということがわかる。
(上記実施例で得られた感光体についての、印刷試験)
実施例1からのドラム1本(オーバーコート層なしの標準的な感光体)および実施例2からのドラム1本(オーバーコートありの感光体)について、ゼロックス・ドキュカラー(Xerox Docucolor)12/50コピー機を使用し、Bゾーン条件72°F(22.2℃9、湿度50%で印刷試験を行った。毎日合計で4,000枚の連続カラープリントを、3日間印刷させた。時間間隔を変えて、印刷物を取り出して解析に用いた。マクベス・スペクトロデンシトメーター(Macbeth Spectrodensitometer)を使用して、取り出した印刷物のベタ領域濃度(solid area density)を測定した。図5に示した結果から、TiO2−シリカオーバーコートによって、16,000枚のカラー印刷のすべてにおいてカラー品質および画像品質が維持され、またオーバーコート感光体と標準の感光体の間では、カラー品質と画像品質には有意な差がないということがわかる。
〔実施例4〕
(上記実施例で得られた感光体についての印刷試験)
実施例1からのドラム1本(オーバーコート層なしの標準的な感光体)および実施例2からのドラム1本(オーバーコートした感光体)について、ゼロックス・ドキュカラー(Xerox Docucolor)12/50コピー機を使用し、Aゾーン条件80°F(26.7℃)、湿度85%で印刷試験を行った。毎日合計で4,000枚の連続カラープリントを、3日間、合計で16,000枚の印刷をさせた。時間間隔を変えて、印刷物を取り出して解析に用いた。マクベス・スペクトロデンシトメーター(Macbeth Spectrodensitometer)を使用して、取り出した印刷物のベタ領域濃度を測定した。図4に示した結果から、TiO2−シリカオーバーコートによって、16,000枚のカラー印刷のすべてにおいてカラー品質および画像品質が維持され、また本発明のオーバーコート感光体と標準の感光体の間では、カラー品質と画像品質には有意な差がないということがわかる。
(上記実施例で得られた感光体についての印刷試験)
実施例1からのドラム1本(オーバーコート層なしの標準的な感光体)および実施例2からのドラム1本(オーバーコートした感光体)について、ゼロックス・ドキュカラー(Xerox Docucolor)12/50コピー機を使用し、Aゾーン条件80°F(26.7℃)、湿度85%で印刷試験を行った。毎日合計で4,000枚の連続カラープリントを、3日間、合計で16,000枚の印刷をさせた。時間間隔を変えて、印刷物を取り出して解析に用いた。マクベス・スペクトロデンシトメーター(Macbeth Spectrodensitometer)を使用して、取り出した印刷物のベタ領域濃度を測定した。図4に示した結果から、TiO2−シリカオーバーコートによって、16,000枚のカラー印刷のすべてにおいてカラー品質および画像品質が維持され、また本発明のオーバーコート感光体と標準の感光体の間では、カラー品質と画像品質には有意な差がないということがわかる。
〔実施例5〕
(上記実施例で得られた感光体についての印刷試験)
実施例1からのドラム1本(オーバーコート層なしの標準的な感光体)および実施例2からのドラム1本(オーバーコートした感光体)について、ゼロックス・ドキュカラー(Xerox Docucolor)12/50コピー機を使用し、Cゾーン条件15°F(−9.4℃)、湿度52%で印刷試験を行った。毎日合計で4,000枚の連続カラープリントを、3日間、合計で16,000枚の印刷をさせた。時間間隔を変えて、印刷物を取り出して解析に用いた。マクベス・スペクトロデンシトメーター(Macbeth Spectrodensitometer)を使用して、取り出した印刷物のベタ領域濃度を測定した。図6に示した結果から、TiO2−シリカオーバーコートによって、16,000枚のカラー印刷のすべてにおいてカラー品質および画像品質が維持され、また本発明のオーバーコート感光体と標準の感光体の間では、カラー品質と画像品質には有意な差がないということがわかる。
(上記実施例で得られた感光体についての印刷試験)
実施例1からのドラム1本(オーバーコート層なしの標準的な感光体)および実施例2からのドラム1本(オーバーコートした感光体)について、ゼロックス・ドキュカラー(Xerox Docucolor)12/50コピー機を使用し、Cゾーン条件15°F(−9.4℃)、湿度52%で印刷試験を行った。毎日合計で4,000枚の連続カラープリントを、3日間、合計で16,000枚の印刷をさせた。時間間隔を変えて、印刷物を取り出して解析に用いた。マクベス・スペクトロデンシトメーター(Macbeth Spectrodensitometer)を使用して、取り出した印刷物のベタ領域濃度を測定した。図6に示した結果から、TiO2−シリカオーバーコートによって、16,000枚のカラー印刷のすべてにおいてカラー品質および画像品質が維持され、また本発明のオーバーコート感光体と標準の感光体の間では、カラー品質と画像品質には有意な差がないということがわかる。
〔実施例6〕
(上記実施例からの感光体についてのバイアス荷電ローラーを用いた摩耗速度試験)
上記の、実施例1のオーバーコートなしの感光体と実施例2のオーバーコートしたドラムとについて、荷電のためのバイアス荷電ローラーを含む摩擦構造における摩耗速度の試験を行った。摩耗速度は、ナノメートル/回転のキロサイクル(nm/Kc)の単位として求めた。較正標準の再現性は、約±2nm/Kcであった。実施例1のオーバーコートなしのドラムの摩耗は、約65nm/Kcであった。実施例2のオーバーコートしたドラムの摩耗は、12〜15nm/Kcの間であった。その結果として、6ミクロンの厚みのオーバーコートを有する感光体は、500,000回転サイクルさせることができるが、これは、実施例1からのオーバーコートなしのドラムで実施できる回転サイクルの数よりも約4倍多い。
(上記実施例からの感光体についてのバイアス荷電ローラーを用いた摩耗速度試験)
上記の、実施例1のオーバーコートなしの感光体と実施例2のオーバーコートしたドラムとについて、荷電のためのバイアス荷電ローラーを含む摩擦構造における摩耗速度の試験を行った。摩耗速度は、ナノメートル/回転のキロサイクル(nm/Kc)の単位として求めた。較正標準の再現性は、約±2nm/Kcであった。実施例1のオーバーコートなしのドラムの摩耗は、約65nm/Kcであった。実施例2のオーバーコートしたドラムの摩耗は、12〜15nm/Kcの間であった。その結果として、6ミクロンの厚みのオーバーコートを有する感光体は、500,000回転サイクルさせることができるが、これは、実施例1からのオーバーコートなしのドラムで実施できる回転サイクルの数よりも約4倍多い。
〔実施例7〕
(上記実施例からの感光体についての、スコロトロンを用いた摩耗速度試験)
実施例1のオーバーコートなしの感光体と実施例2のオーバーコートしたドラムとについて、スコロトロン荷電システムを含む摩擦構造における摩耗速度の試験を行った。摩耗速度は、ナノメートル/回転サイクルのキロサイクル(nm/kc)の単位として求めた。実施例1のオーバーコートなしのドラムの摩耗速度は、約15nm/kcであったのに対して、実施例2のオーバーコートしたドラムの摩耗速度は、3〜5nm/kcの間であった。その結果として、6ミクロンの厚みのオーバーコートを有する感光体は、170万回転サイクルさせることができるが、これは、実施例1からのオーバーコートなしのドラムで実施できる回転サイクルの数よりも約2〜3倍多い。
(上記実施例からの感光体についての、スコロトロンを用いた摩耗速度試験)
実施例1のオーバーコートなしの感光体と実施例2のオーバーコートしたドラムとについて、スコロトロン荷電システムを含む摩擦構造における摩耗速度の試験を行った。摩耗速度は、ナノメートル/回転サイクルのキロサイクル(nm/kc)の単位として求めた。実施例1のオーバーコートなしのドラムの摩耗速度は、約15nm/kcであったのに対して、実施例2のオーバーコートしたドラムの摩耗速度は、3〜5nm/kcの間であった。その結果として、6ミクロンの厚みのオーバーコートを有する感光体は、170万回転サイクルさせることができるが、これは、実施例1からのオーバーコートなしのドラムで実施できる回転サイクルの数よりも約2〜3倍多い。
〔実施例8〕
(オーバーコートした感光体についての接着性試験)
実施例2のオーバーコートしたドラムについて、改良型フィナット(FINAT)引張試験機を使用して、電荷輸送層とオーバーコート層との間の接着性を試験したが、この試験機は、積層物の剥離を、角度150度、掴み具の分離速度300mm/分で、精度±2%で測定できるものである。約1インチ×8インチの標準テープの細片を、電荷輸送層から一端をわずかに剥離させたオーバーコート層の表面に貼り付けた。そのオーバーコート層を、剥離角度150度で、電荷輸送層から剥離させることが可能である。300mm/分の剥離速度の場合の、幅1インチあたりの、剥離力(g/cmで表す)の最終的な結果は、2インチ間隔で5点以上の読みの平均値から求めた。実施例2から得られた、オーバーコートしたドラムにおける読み平均値は、妥当な接着力、20g/cmであった。
(オーバーコートした感光体についての接着性試験)
実施例2のオーバーコートしたドラムについて、改良型フィナット(FINAT)引張試験機を使用して、電荷輸送層とオーバーコート層との間の接着性を試験したが、この試験機は、積層物の剥離を、角度150度、掴み具の分離速度300mm/分で、精度±2%で測定できるものである。約1インチ×8インチの標準テープの細片を、電荷輸送層から一端をわずかに剥離させたオーバーコート層の表面に貼り付けた。そのオーバーコート層を、剥離角度150度で、電荷輸送層から剥離させることが可能である。300mm/分の剥離速度の場合の、幅1インチあたりの、剥離力(g/cmで表す)の最終的な結果は、2インチ間隔で5点以上の読みの平均値から求めた。実施例2から得られた、オーバーコートしたドラムにおける読み平均値は、妥当な接着力、20g/cmであった。
〔実施例9〕
(上記実施例からの感光体についての接触角試験)
デバイス表面上における水の接触角を、周囲温度(約23℃)で、コンタクト・アングル・システム・OCA(Contact Angle System OCA)(データフィジックス・インストルメンツ・GmbH(Dataphysics Instruments GmbH)モデルOCA15)を用いて測定した。液相には脱イオン水を使用した。それぞれのデバイスについて、少なくとも10点の測定を行い、それらの平均値を記録した。実施例2からのデバイスは、98〜100度の平均接触角を有していたが、それに比べて、実施例1のデバイスでは、平均接触角が89〜91度であった。次式の状態方程式から計算される表面エネルギーは、
それぞれ、実施例2からのデバイスでは、22〜24erg/cm2、実施例1からのデバイスでは28〜30erg/cm2となったが、ここで、γsvおよびγlvは、それぞれ、固体表面および液体表面の表面エネルギーであり、θは接触角、そしてβは定数である。一般的には、表面エネルギーが低いほど、トナーの転写とクリーニングがより容易となる。
(上記実施例からの感光体についての接触角試験)
デバイス表面上における水の接触角を、周囲温度(約23℃)で、コンタクト・アングル・システム・OCA(Contact Angle System OCA)(データフィジックス・インストルメンツ・GmbH(Dataphysics Instruments GmbH)モデルOCA15)を用いて測定した。液相には脱イオン水を使用した。それぞれのデバイスについて、少なくとも10点の測定を行い、それらの平均値を記録した。実施例2からのデバイスは、98〜100度の平均接触角を有していたが、それに比べて、実施例1のデバイスでは、平均接触角が89〜91度であった。次式の状態方程式から計算される表面エネルギーは、
〔実施例10〕
(上記実施例で得られた感光体についての摩擦試験)
実施例1および2それぞれからのドラム1本ずつについて、エマルジョン凝集(EA)トナーと、実施例2のオーバーコートしたデバイスからのオーバーコート層の表面との間、または、実施例1のオーバーコートなしの感光体からの電荷輸送層の表面との間、の摩擦を試験した。摩擦は、ワザウ・コーポレーション(Wazau Corporation)からの摩擦試験機RPG型を使用して、測定した。試験方法では、表面にEAトナーを付着させたスライディングブロックを、デバイスの表面の抵抗に対して、一定の速度で移動させた。発生する摩擦力の大きさを、フォースメーターを用いて測定した。この場合もまた、EAトナーとオーバーコート層との間の摩擦は、実施例2からの電荷輸送層の場合よりもはるかに低いものであった。
(上記実施例で得られた感光体についての摩擦試験)
実施例1および2それぞれからのドラム1本ずつについて、エマルジョン凝集(EA)トナーと、実施例2のオーバーコートしたデバイスからのオーバーコート層の表面との間、または、実施例1のオーバーコートなしの感光体からの電荷輸送層の表面との間、の摩擦を試験した。摩擦は、ワザウ・コーポレーション(Wazau Corporation)からの摩擦試験機RPG型を使用して、測定した。試験方法では、表面にEAトナーを付着させたスライディングブロックを、デバイスの表面の抵抗に対して、一定の速度で移動させた。発生する摩擦力の大きさを、フォースメーターを用いて測定した。この場合もまた、EAトナーとオーバーコート層との間の摩擦は、実施例2からの電荷輸送層の場合よりもはるかに低いものであった。
〔実施例11〕
(上記実施例で得られた感光体についての荷電試験)
実施例1および2からのデバイスそれぞれを、電子写真(xerographic)スキャナーに搭載した。電子写真(xerographic)スキャナーは当業者には公知のもので、荷電と放電をさせながらサンプルを回転させる手段からなる。サンプル上の電荷は、デバイスのまわりに正確に位置決めして配置した静電プローブを使用することにより、測定できる。サンプルを、負電位500ボルトに荷電させた。デバイスを回転させて、初期の荷電電位をプローブ1で測定した。次いでサンプルを、強度既知の単色光に露光させて、その表面電位をプローブ2および3により測定した。最後に、適切な強度と波長を有する消去用光源に露光させて、残存電位があるかどうかを電圧プローブ4により測定した。電子写真(xerographic)スキャナー用のコンピュータのコントロール下でこのプロセスを繰り返し、データを蓄積した。電圧プローブ2と3における電位を、光エネルギーの関数としてプロットすることにより、PIDC(photo induced discharge curve,光誘導放電曲線)が得られた。このスキャナーのデータから、サンプルの電荷受容および暗失活も求めた。PIDCは、3種の異なった環境、すなわち、Aゾーン(80゜F(26.7℃)、湿度85%)、Bゾーン(72゜F(22.2℃)、湿度50%)およびCゾーン(15゜F(−9.4℃)、湿度52%)で、測定したが、それらの結果を図3に示す。
(上記実施例で得られた感光体についての荷電試験)
実施例1および2からのデバイスそれぞれを、電子写真(xerographic)スキャナーに搭載した。電子写真(xerographic)スキャナーは当業者には公知のもので、荷電と放電をさせながらサンプルを回転させる手段からなる。サンプル上の電荷は、デバイスのまわりに正確に位置決めして配置した静電プローブを使用することにより、測定できる。サンプルを、負電位500ボルトに荷電させた。デバイスを回転させて、初期の荷電電位をプローブ1で測定した。次いでサンプルを、強度既知の単色光に露光させて、その表面電位をプローブ2および3により測定した。最後に、適切な強度と波長を有する消去用光源に露光させて、残存電位があるかどうかを電圧プローブ4により測定した。電子写真(xerographic)スキャナー用のコンピュータのコントロール下でこのプロセスを繰り返し、データを蓄積した。電圧プローブ2と3における電位を、光エネルギーの関数としてプロットすることにより、PIDC(photo induced discharge curve,光誘導放電曲線)が得られた。このスキャナーのデータから、サンプルの電荷受容および暗失活も求めた。PIDCは、3種の異なった環境、すなわち、Aゾーン(80゜F(26.7℃)、湿度85%)、Bゾーン(72゜F(22.2℃)、湿度50%)およびCゾーン(15゜F(−9.4℃)、湿度52%)で、測定したが、それらの結果を図3に示す。
〔実施例12〕
(上記実施例で得られた感光体についての荷電試験)
実施例1からの数本のドラムを、実施例2に記載したオーバーコート溶液を用いてオーバーコートした。オーバーコートをコーティングするプロセスで、引き上げ速度を変えることにより、4ミクロンから19ミクロンの範囲のオーバーコート厚さを得た。次いでそれらのドラムについて、実施例11の記載にならって、PIDCを測定した。図7に、オーバーコート層を存在させることによる、残留電圧に対する厚みの効果を示す。オーバーコートが厚すぎると、最後には、高い残留電圧のために、画像品質が低下する可能性がある。
(上記実施例で得られた感光体についての荷電試験)
実施例1からの数本のドラムを、実施例2に記載したオーバーコート溶液を用いてオーバーコートした。オーバーコートをコーティングするプロセスで、引き上げ速度を変えることにより、4ミクロンから19ミクロンの範囲のオーバーコート厚さを得た。次いでそれらのドラムについて、実施例11の記載にならって、PIDCを測定した。図7に、オーバーコート層を存在させることによる、残留電圧に対する厚みの効果を示す。オーバーコートが厚すぎると、最後には、高い残留電圧のために、画像品質が低下する可能性がある。
1 基材、2 導電性表面、3 正孔阻止層、4 接着層、5 電荷発生層、6 電荷輸送層、7 オーバーコート層、8 光導電層、10 感光体、11 電源、12 帯電器、13 画像入力装置、14 現像ステーション、15 転写手段、16 コピーシート、17 クリーニングステーション、19 定着ステーション、20 定着部材、21 加圧部材、22 ブレード、23 電荷輸送分子(電荷調節剤)。
Claims (5)
- 基材と、
内部に分散させた電荷輸送物質を含む電荷輸送層と、
前記電荷輸送層の上に位置するオーバーコート層と、を備え、
前記オーバーコート層がポリアミドおよび無機酸化物を含む画像形成部材。 - 基材と、
内部に分散させた電荷輸送物質を含む電荷輸送層と、
前記電荷輸送層の上に位置するオーバーコート層と、を備え、
前記オーバーコート層がポリアミド、無機酸化物、架橋剤、画像流れ調節剤および電荷輸送分子を含む画像形成部材。 - 前記無機酸化物が、シリカ、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化スズ、およびそれらの混合物からなる群より選択される請求項1に記載の画像形成部材。
- 前記ポリアミドがアルコール可溶性のポリアミドである請求項1に記載の画像形成部材。
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