JP2010230981A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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Akiya Sugiura
聡哉 杉浦
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整 滝本
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Abstract

【課題】耐久性に優れると共に、細線再現性及び濃度ムラを抑制する電子写真感光体を提供すること。
【解決手段】導電性基体、該導電性基体上に設けられた感光層と、を少なくとも有し、最表面層が、無機粒子とフッ素樹脂粒子とを少なくとも含有し、前記無機粒子が、1μm以上3μm以下の二次粒子径を持つ粒子であり、前記フッ素樹脂粒子が、2μm以下の二次粒子径を持つ粒子である電子写真感光体。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関するものである。
電子写真方式は、複写機及びレーザービームプリンター等の画像形成装置において利用されている。該画像形成装置において用いられる電子写真感光体としては、有機の光導電性材料を用いた有機電子写真感光体が主流となっており、電子写真感光体の構成も電荷輸送材料や電荷発生材料を別個の層として積層した機能分離型の電子写真感光体へと変遷し、性能が向上している。
ところで、電子写真感光体について、例えば、特許文献1には、アミノ基を有するシロキサン化合物とケイ素原子含有粒子及びフッ素原子含有粒子の少なくとも1種の粒子とが含有されていることを特徴とする電子写真感光体が提案されている。
また、特許文献2には、感光層の最上層に体積平均粒径0.05μm以上1.5μm以下である無機粒子を含有された電子写真感光体が提案されている。
また、特許文献3には、表面層に導電性金属粒体又はフッ素樹脂を含有させ耐磨耗性を向上させた電子写真感光体が提案されている。
また、特許文献4には、分散助剤としてフッ素系グラフトポリマーを添加し、最表面層に添加するフッ素樹脂粒子の分散性を改善した電子写真感光体が提案されている。
特開平08−254850号公報 特許3859086号明細書 特開平06−250460号公報 特開昭63−221355号公報
本発明の課題は、最表面層に含ませる無機粒子及びフッ素樹脂粒子の分散状態を考慮しない場合に比べ、耐久性に優れると共に、細線再現性及び濃度ムラを抑制する電子写真感光体を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
導電性基体と、該導電性基体上に設けられた感光層と、を少なくとも有し、
最表面層が、無機粒子とフッ素樹脂粒子とを少なくとも含有し、
前記無機粒子が、1μm以上3μm以下の二次粒子径を持つ粒子であり、
前記フッ素樹脂粒子が、2μm以下の二次粒子径を持つ粒子である電子写真感光体。
請求項2に係る発明は、
前記無機粒子が、二酸化ケイ素粒子である請求項1に記載の電子写真感光体。
請求項3に係る発明は、
前記無機粒子が、有機化合物で表面処理されてなる粒子である請求項1に記載の電子写真感光体。
請求項4に係る発明は、
前記有機化合物が、シリコーンオイルである請求項3に記載の電子写真感光体。
請求項5に係る発明は、
前記導電性基体と前記感光層との間に下引層を有し、
前記下引き層が、結着樹脂と導電性粒子とを少なくとも含有する請求項1に記載の電子写真感光体。
請求項6に係る発明は、
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、前記電子写真感光体に形成された静電潜像をトナーにより現像する現像手段、及び、前記電子写真感光体の表面に残存したトナーを除去するトナー除去手段からなる群より選ばれる少なくとも一種の手段と、を備え、画像形成装置に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
請求項7に係る発明は、
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体に静電潜像形成する静電潜像手段と、前記電子写真感光体に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
請求項1に係る発明によれば、最表面層に含ませる無機粒子及びフッ素樹脂粒子の分散状態を考慮しない場合に比べ、耐久性に優れると共に、細線再現性及び濃度ムラを抑制する電子写真感光体が提供される。
請求項2に係る発明によれば、無機粒子として二酸化ケイ素粒子を適用しても、耐久性に優れると共に、細線再現性及び濃度ムラを抑制する電子写真感光体が提供される。
請求項3に係る発明によれば、有機化合物で表面処理がなされていない無機粒子を適用した場合に比べ、耐久性に優れると共に、細線再現性及び濃度ムラを抑制する電子写真感光体が提供される。
請求項4に係る発明によれば、シリコーンオイル以外の有機化合物で表面処理がなされている無機粒子を適用した場合に比べ、耐久性に優れると共に、細線再現性及び濃度ムラを抑制する電子写真感光体が提供される。
請求項5に係る発明によれば、最表面層の磨耗が進んで下引き層が分極し易い構成であっても、最表面層に含ませる無機粒子及びフッ素樹脂粒子の分散状態を考慮しない場合に比べ、下引き層の分極に起因する画像欠陥が抑制される。
請求項6に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、細線再現性及び濃度ムラが抑制された画像を繰り返し形成するプロセスカートリッジが提供される。
請求項7に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、細線再現性及び濃度ムラが抑制された画像を繰り返し形成する画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る電子写真感光体を示す模式断面図である。 他の本実施形態に係る電子写真感光体を示す模式断面図である。 他の本実施形態に係る電子写真感光体を示す模式断面図である。 他の本実施形態に係る電子写真感光体を示す模式断面図である。 本実施形態に係る画像形成装置を示す模式図である。 他の本実施形態に係る画像形成装置を示す模式図である。 他の本実施形態に係る画像形成装置を示す模式図である。 他の本実施形態に係る画像形成装置を示す模式図である。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
(電子写真感光体)
本実施形態に係る電子写真感光体は、導電性基体と、該導電性基体上に設けられた感光層と、を少なくとも有する。そして、本実施形態に係る電子写真感光体は、最表面層が、1μm以上3μm以下の二次粒子径を持つ無機粒子と、2μm以下の二次粒子径を持つフッ素樹脂粒子と、を少なくとも含有して構成される。当該無機粒子とフッ素樹脂粒子が含まれる層は、最表面層であり、感光層の上層に保護層が設けられる形態では当該保護層が最表面層に該当し、感光層が最表面層となる形態では当該感光層(又は当該感光層を構成する層の最も外側に設ける上層)が最表面層に該当する。
ここで、従来、最表面層に表面摩擦力を低減されるために配合されるフッ素樹脂粒子と、最表面層の硬度を向上させるために配合する無機粒子とは、いずれの電子写真感光体、つまり最表面層の耐久性を向上させるための添加剤であるが、フッ素樹脂粒子と無機粒子との互いの耐久性改善効果は、加法性が成り立たない場合が多い。互いの粒子を混合することで、細線再現性や濃度ムラ等の画質欠陥の問題が発生しやすくなる。
そこで、検討したところ、フッ素樹脂粒子は、細かく分散すればするほど、最表面層の表面摩擦力を低減する効果が大きく、耐久性(耐摩耗性)も向上する傾向にあり、画質欠陥についても、良化する傾向にある。具体的には、フッ素樹脂粒子は、一次粒径で分散できているものが望ましく、二次凝集状態になっている場合でも二次粒子径が上記範囲の状態になっていることが望ましいことがわかった。
一方、無機粒子は、適用される画像形成装置等にもよるが、分散性が悪く、凝集状態が形成されている状態ほど、高い耐久性を示すことがわかった。また、画質結果については、凝集状態の度合いの影響を受けず、いずれも良好であることがわかった。そのため、耐久性の観点から凝集状態を最適化し、具体的には、無機粒子は、二次凝集径が上記範囲の状態になっていることが望ましいことがわかった。二次凝集径が大きければ、耐久性の向上が期待されるが、上記範囲を超えると傷等の問題が生じる。
耐久性を向上させる上で、無機粒子が凝集状態であることがよい理由については不明であるが、クリーニングブレード等が電子写真感光体表面に接するとき、過度な荷重が周囲の樹脂にかからない状態を形成している等の理由が推測される。
このため、本実施形態に係る電子写真感光体では、上記構成とすることで、耐久性に優れると共に、細線再現性及び濃度ムラが抑制されると考えられる。
最表面層に含有する無機粒子は、1μm以上3μm以下の二次粒子径を持つ粒子であるが、望ましくは1μm以上2μm以下の二次粒子径を持つ粒子であり、より望ましくは1μm以上1.5μm以下の二次凝集粒径を持つ粒子である。
この無機粒子は、最表面層に一次粒子が2つ以上凝集した凝集粒子の状態で分散・含有されており、その凝集状態の二次粒子径(即ち凝集径)が上記範囲となっている。
なお、無機粒子の一次粒子(凝集していない状態の粒子径)は、0.01μm以上0.3μm以下であることがよい。
無機粒子の二次粒子径又は一次粒子径は、感光体の最表面層から試料片を得て、これをSEM(走査型電子顕微鏡)により例えば倍率5000倍以上で観察し、一次粒子又は凝集粒子の状態の無機粒子のそれぞれの最大径を測定し、これを50個の粒子について行った平均値とする。なお、SEMとして日本電子製JSM-6700Fを使用し、加速電圧5kVの2次電子画像を観察する。
無機粒子としては、金属酸化物粒子が好適に挙げられる。金属酸化物粒子としては、二酸化ケイ素粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、及び酸化マグネシウム粒子等の中から1種又は2種以上を選択するのが望ましい。これらの中でも、無機粒子としては、二酸化ケイ素粒子、アルミナ粒子が望ましく、特に、二酸化ケイ素粒子がよい。理由は定かではないが、この二酸化ケイ素粒子は、フッ素樹脂粒子と併用すると当該フッ素樹脂粒子の分散性を悪化させ易いが、無機粒子として二酸化ケイ素粒子を適用しても、耐久性に優れると共に、細線再現性及び濃度ムラが抑制される。
無機粒子は、有機化合物で表面処理されていることがよい。ここで、表面処理とは、粒子表面に有機化合物物理的に吸着させる処理や、化学的に結合させる処理等を含む。有機化合物で表面処理されてなる無機粒子を適用することで、フッ素樹脂粒子の分散性が阻害され難くなると考えられることから、無機粒子及びフッ素樹脂粒子が上記分散状態となり易くなり、耐久性に優れると共に、細線再現性及び濃度ムラが抑制される。
無機粒子を表面処理する有機化合物としては、例えば、シラン化合物、シリコーンオイルが好適に挙げられる。
シラン化合物としては、例えば、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジメチルシロキサン、メチルフェニルシロキサン、ジフェニルシロキサン、アミノシラン、アルキルシラン、メタクリロキシシラン、フェニルシランやナフチルシランやピリジルシラン等の芳香族シラン、等が挙げられる。
シリコーンオイルとしては、例えば、ポリシロキサンが好適に挙げられる。ポリシロキサンは、変性されているポリシロキサンでもよい。具体的には、ポリシロキサンとしては、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、カルビノール変性、メタクリル変性、メルカプト変性、フェノール変性等の反応性官能基で変性させたものでも、フッ素、有機基等で変性されていてもよい。
有機化合物の無機粒子に対する処理量は、例えば、0.01質量%以上10質量%以下が望ましく、より望ましくは0.05質量%以上5質量%以下であり、さらに望ましくは0.1質量%以上3質量%以下である。
無機粒子の含有量は、最表面層の固形分全量に対して1質量%以上20質量%以下であることが望ましい。なお、この無機粒子の含有量が少なすぎると、膜強度が得られ難くなることがある。また、当該含有量が多すぎると、光透過性の低下及び膜強度の低下が起こり易くなることがある。
一方、最表面層に含有するフッ素樹脂粒子は、2μm以下の二次粒子径を持つ粒子であるが、望ましくは1μm以下の粒径を持つ粒子であり、より望ましくは0.5μm以下の粒径を持つ粒子である。なお、この粒径の下限は、凝集が進みやすくなる観点から例えば0.05μm以上が望ましく、より望ましくは0.1μm以上である。
このフッ素樹脂粒子は、一次粒子、一次粒子が2つ以上凝集した凝集状態、又はこれらの混合状態で分散・含有されており、少なくとも凝集粒子の状態での二次粒子径が上記範囲となっている。
なお、フッ素樹脂粒子の一次粒子(凝集していない状態の粒子径)は、0.1μm以上0.3μm以下であることがよい。
フッ素樹脂粒子の二次粒径又は一次粒子は、感光体の最表面層から試料片を得て、これをSEM(走査型電子顕微鏡)により例えば倍率5000倍以上で観察し、一次粒子、又は凝集粒子の状態のフッ素樹脂粒子のそれぞれの最大径を測定し、これを50個の粒子について行った平均値とする。なお、SEMとして日本電子製JSM-6700Fを使用し、加速電圧5kVの2次電子画像を観察する。
フッ素樹脂粒子としては、例えば、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂及びそれらの共重合体の粒子の中から1種又は2種以上を選択するのが望ましい。これらの中も、フッ素樹脂粒子としては、特に、4フッ化エチレン樹脂粒子、フッ化ビニリデン樹脂粒子が望ましい。
フッ素樹脂粒子は、分散剤としてフッ素系グラフトポリマーを併用することがよい。この分散剤の量は、特に規定するものではないが、フッ素樹脂粒子に対して0.1質量%以上10質量%以下であることがよい。
フッ素樹脂粒子の含有量は、最表面層の固形分全量に対して2質量%以上15質量%以下であることが望ましい。なお、このフッ素樹脂粒子の含有量が少なすぎると、表面摩擦力低減効果が生じ難くなることがある。また、当該含有量が多すぎると、分散性の悪化が起り光透過性の低下及び膜強度の低下が起こり易くなることがある。
本実施形態に係る電子写真感光体において、無機粒子及びフッ素樹脂粒子を上記分散・配合状態とするためには、特に制限はないが、特に無機粒子としてシリコーンオイルで表面処理されてなる粒子を適用することがよい。より具体的には、シリコーンオイルを無機粒子の表面にのみ存在(吸着)させ、遊離させない状態(望ましくは遊離量が10ppm以下)の最表面層形成用分散液を作製して、最表面層を形成することがよい。この理由は、以下の通りである。
ここで、フッ素樹脂粒子と無機粒子を混合させた場合、耐久性の加法性が成り立たたず、さらに細線再現性や濃度ムラ等の画質欠陥が発生しやすくなった原因は、無機粒子と混合することで、フッ素樹脂粒子が凝集状態になり易くなるためであると推測される。
なぜ、フッ素樹脂粒子の分散性が悪化するかは定かではないが、通常、膜表面のトルクを調整、及び塗膜形成時の凹みや柚肌(オレンジピール)等の塗膜欠陥抑制の目的で添加するシリコーンオイルがフッ素樹脂粒子の分散性を阻害しているものと推測される。そして、フッ素樹脂粒子の分散性を安定化させるために、分散助剤としてフッ素系グラフトポリマーを添加した系であっても、その分散液に無機粒子とシリコーンオイルを添加すると、フッ素樹脂粒子の分散状態は安定せず、凝集が引き起り、耐久性が悪化し易くなる。
シリコーンオイルは、通常、主材料(例えば電荷輸送性材料や樹脂)を溶媒に溶解させ、添加粒子の分散を実施したあと、最後に添加剤として入れるのが一般的な方法である。しかし、シリコーンオイルを添加することで、フッ素樹脂粒子の分散状態が著しく悪化することがわかってきた。原因は不明であるが、シリコーンオイルが分散助剤の働きを阻害していると推測する。
そこで、無機粒子とフッ素樹脂粒子とシリコーンオイルとを混合させた系で、フッ素系粒子の凝集を抑制して分散すると共に、無機粒子の凝集状態を形成する手段いついて、検討を行った。
まず、フッ素樹脂粒子と無機粒子を混合して一緒に分散させた場合、無機粒子は凝集体が形成されるが、フッ素樹脂粒子を均一に分散することはできない。そこに、シリコーンオイルを添加した場合、無機粒子に特に変化はないが、フッ素樹脂粒子の分散状態はさらに悪化する。
一方、フッ素樹脂粒子と無機粒子を各々個別に分散した場合は、フッ素樹脂粒子は均一に分散されるが、金属酸化物粒子の凝集体は小さく、例えば1μm以上の二次粒径にはいたらない場合が多い。その後、フッ素樹脂粒子の分散液と無機粒子の分散液を混合させることで、フッ素樹脂粒子は分散性が悪化し1μm以上の二次粒子径の粒子が見られるようになる。
無機粒子は、凝集が成長し狙いの例えば1μm以上の二次粒子径に成長し、狙いの凝集状態が形成される。しかしながら、この状態で、シリコーンオイルを添加することで、フッ素樹脂粒子の分散はさらに阻害され、凝集が悪化するため、狙いの状態は形成でき難い。
両者の分散液を混合することで無機粒子の二次粒子径が増大する理由については、確かではないが、フッ素系寿粒子の分散助剤が無機粒子の分散を阻害していると推測される。また、フッ素樹脂粒子の分散が悪化する理由は、無機粒子、無機粒子の表面処理剤にあり、さらに最後に加えるシリコーンオイルが原因となると推測される。
そこで、シリコーンオイルを添加しながら、フッ素樹脂粒子の分散を阻害しない系について、検討を行った結果、フッ素樹脂粒子と無機粒子を個別に分散しながら、シリコーンオイルを無機粒子に吸着させて無機粒子から離脱させず分散液中に存在しない状態を形成後、フッ素樹脂粒子を混合させることで、フッ素樹脂粒子の分散を阻害することなく、シリコーンオイルを添加した分散液が作製された。
上述のように、シリコーンオイルは、フッ素樹脂粒子の分散性やその分散助剤の働きを阻害していると考える。しかしながら、シリコーンオイルを無機粒子と事前に混合させることで、無機粒子の表面に吸着してシリコーンオイルが遊離しない状態が形成される。シリコーンオイルは無機粒子に吸着した状態でも、元々の目的である膜表面のトルクを調整、及び塗膜形成時の凹みや柚肌(オレンジピール)等の塗膜欠陥抑制の機能を満たす。
上記理由から、本実施形態に係る電子写真感光体においては、無機粒子及びフッ素樹脂粒子を上記分散・配合状態とするためには、特に無機粒子としてシリコーンオイルで表面処理されてなる粒子を適用することがよく、より具体的には、シリコーンオイルを無機粒子の表面にのみ存在(吸着)させ、遊離させない状態の最表面層形成用分散液を作製して、最表面層を形成することがよいと考えられる。
以下、本実施形態に係る電子写真感光体について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付することとし、重複する説明は省略する。
図1は、本実施形態に係る電子写真用感光体を示す模式断面図である。図2乃至図4はそれぞれ他の本実施形態に係る電子写真感光体を示す模式断面図である。
図1に示す電子写真感光体7Aは、いわゆる機能分離型感光体(又は積層型感光体)であり、導電性基体4上に下引層1が設けられ、その上に電荷発生層2、及び電荷輸送層3が順次形成された構造を有するものである。電子写真感光体7Aにおいては、電荷発生層2及び電荷輸送層3により感光層が構成されている。
そして、図1に示す電子写真感光体7Aにおいては、電荷輸送層3が導電性基体4から最も遠い側に配置される最表面層となっている。
図2に示す電子写真感光体7Bは、電荷発生材料と電荷輸送材料とを同一の層(単層型感光層6(電荷発生/電荷輸送層))に含有するものである。
具体的には、図2に示す電子写真感光体7Cにおいては、導電性基体4上に下引層1が設けられ、その上に単層型感光層6が形成された構造を有するものである。
そして、図2に示す電子写真感光体7Bにおいては、単層型感光層6が導電性基体4から最も遠い側に配置される最表面層となっている。
図3に示す電子写真感光体7Cは、電荷発生層2と電荷輸送層3とに機能が分離された機能分離型感光体である。
具体的には、図3に示す電子写真感光体7Cにおいては、導電性基体4上に下引層1が設けられ、その上に、電荷発生層2、電荷輸送層3及び保護層5が順次形成された構造を有するものである。電子写真感光体7Cにおいては、電荷発生層2及び電荷輸送層3により感光層が構成されている。
そして、図3に示す電子写真感光体7Cにおいては、保護層5が導電性基体4から最も遠い側に配置される最表面層となっている。
図4に示す電子写真感光体7Dは、電荷発生材料と電荷輸送材料とを同一の層(単層型感光層6(電荷発生/電荷輸送層))に含有するものである。
具体的には、図4に示す電子写真感光体7Dにおいては、導電性基体4上に下引層1が設けられ、その上に単層型感光層6、保護層5が順次形成された構造を有するものである。
そして、図4に示す電子写真感光体7Dにおいては、保護層5が導電性基体4から最も遠い側に配置される最表面層となっている。
なお、図1乃至図4に示す電子写真感光体において、下引層1は設けてもよいし、設けなくてもよい。また、図1又は図3に示す電子写真感光体において、電荷発生層2と電荷輸送層3は積層順序が逆であってもよい。
以下、本実施形態に係る電子写真感光体における各要素について説明する。以下、符号を省略して説明する。
まず、導電性基体について説明する。
導電性基体としては、従来から使用されているものであれば、如何なるものを使用してもよい。例えば、薄膜(例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属類、及びアルミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)等の膜)を設けたプラスチックフィルム等、導電性付与剤を塗布又は含浸させた紙、導電性付与剤を塗布又は含浸させたプラスチックフィルム等が挙げられる。基体2の形状は円筒状に限られず、シート状、プレート状としてもよい。
導電性基体として金属パイプを用いる場合、表面は素管のままであってもよいし、予め鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、サンドブラスト、ウエットホーニングなどの処理が行われていてもよい。
次に、下引き層について説明する。
下引き層は、導電性基体表面における光反射の防止、導電性基体から感光層への不要なキャリアの流入の防止などの目的で、必要に応じて設けられる。
下引き層は、例えば、結着樹脂と、必要に応じてその他添加物とを含んで構成される。
下引き層に含まれる結着樹脂としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂などの公知の高分子樹脂化合物、また電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂やポリアニリン等の導電性樹脂などが挙げられる。これらの中でも、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が望ましく用いられ、特にフェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが望ましく用いられる。
下引き層には、シリコン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物等の金属化合物等を含有してもよい。
シリコン化合物の例としてはビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシランなどである。これらのなかでも特に望ましく用いられるシリコン化合物はビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤が挙げられる。
有機ジルコニウム化合物の例として、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシドなどが挙げられる。
有機チタン化合物の例としてはテトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2-エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレートなどが挙げられる。
有機アルミニウム化合物の例としてはアルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)などが挙げられる。
金属化合物と結着樹脂との比率は、特に制限されず、所望する電子写真感光体特性を得られる範囲で任意に設定される。
下引き層には、表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子を添加してもよい。樹脂粒子としては、シリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂粒子等が挙げられる。なお、表面粗さ調整のために下引き層を形成後、その表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、ウエットホーニング、研削処理等が用いられる。
ここで、下引き層の構成として特に好適には、結着樹脂と導電性粒子とを少なくとも含有する構成である。なお、導電性とは、例えば体積抵抗率が10Ω・cm未満を意味する。
下引き層は上記構成とし導電性を付与すると、最表面層の磨耗が進んで、電子写真感光体にかかる電解強度が増し、下引き層内の分極が進み、電気的劣化が生じ易くなる。すると、下引き層内の分極に起因して、例えば、色点、カブリ、又は濃度ムラ等の画像欠陥が生じることがある。
これに対し、本実施形態に係る電子写真感光体において、無機粒子及びフッ素樹脂粒子を上記分散・配合状態で含ませた最表面層を有することで、上記最表面層の磨耗が進んで下引き層が分極し易い構成であっても、下引き層の分極に起因する画像欠陥が抑制される。この理由は、定かではないが、最表面層の磨耗が進み、電子写真感光体にかかる電界強度が増しても、最表面層の上記無機粒子表面の電荷が、下引き層内の分極によって起こる感光層‐電荷発生層の界面の残留電荷を相殺することで、下引き層内の分極による劣化の速度が遅くなるためであると考えられる。
導電性粒子としては、例えば、金属粒子(アルミニウム、銅、ニッケル、銀などの粒子)、導電性金属酸化物粒子(酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛などの粒子)、導電性物質粒子(カーボンファイバ、カーボンブラック、グラファイト粉末の粒子)等が挙げられる。これらの中でも、導電性金属酸化物粒子が好適である。導電性粒子は、2種以上混合して用いてもよい。
また、導電性粒子は、疎水化処理剤(例えばカップリング剤)等により表面処理を施して、抵抗調整して用いてもよい。
導電性粒子の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、10質量%以上80質量%以下であることが望ましく、より望ましくは40質量%以上80質量%以下である。
下引き層の形成の際には、上記成分を溶媒に加えた下引き層形成用塗布液が使用される。かかる溶媒としては、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n―ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤、などの有機溶剤が挙げられる。これらの溶剤は単独又は2種以上混合して用いてもよい。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤として結着樹脂を溶解するものであれば、いかなるものでも使用してよい。
また、下引き層形成用塗布液中に粒子を分散させる方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。ここで、高圧ホモジナイザーとしては、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
下引き層形成用塗布液を導電性基体上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。
下引き層4の膜厚は、15μm以上が望ましく、20μm以上50μm以下がより望ましい。
ここで、図示は省略するが、電気特性向上、画質向上、画質維持性向上、感光層接着性向上などのために、下引き層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。中間層に用いられる結着樹脂としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの高分子樹脂化合物のほかに、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、シリコン原子などを含有する有機金属化合物などが挙げられる。これらの化合物は、単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いてもよい。中でも、ジルコニウムもしくはシリコンを含有する有機金属化合物は残留電位が低く環境による電位変化が少なく、また繰り返し使用による電位の変化が少ないなど点から好適である。
中間層の形成の際には、上記成分を溶媒に加えた中間層形成用塗布液が使用される。中間層の形成に使用される溶媒としては、公知の有機溶剤、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n―ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状若しくは直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤が挙げられる。これら溶剤は、単独又は2種以上混合して用いてもよい。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤として結着樹脂を溶かす溶剤であれば、いかなるものでも使用してよい。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
なお、中間層は上層の塗布性改善の他に、電気的なブロッキング層の役割も果たすが、膜厚が大きすぎる場合には電気的な障壁が強くなりすぎて減感や繰り返しによる電位の上昇を引き起こすことがある。したがって、中間層を形成する場合には、0.1μm以上3μm以下の膜厚範囲に設定することがよい。また、この場合の中間層を下引き層として使用してもよい。
次に、電荷発生層について説明する。
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂中とを含んで構成される。かかる電荷発生材料としては、無金属フタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、チタニルフタロシアニン等のフタロシアニン顔料が挙げられ、特に、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.4゜、16.6゜、25.5゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.7゜、9.3゜、16.9゜、17.5゜、22.4゜及び28.8゜に強い回折ピークを有する無金属フタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも9.6゜、24.1゜及び27.2゜に強い回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶が挙げられる。その他、電荷発生材料としては、キノン顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、ビスベンゾイミダゾール顔料、アントロン顔料、キナクリドン顔料等が挙げられる。また、これらの電荷発生材料は、単独又は2種以上を混合して用いてもよい。
電荷発生層を構成する結着樹脂としては、例えば、ビスフェノールAタイプあるいはビスフェノールZタイプ等のポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリビニルアセテート樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられる。これらの結着樹脂は、単独又は2種以上混合して用いてもよい。
電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、10:1乃至1:10の範囲が望ましい。
電荷発生層の形成の際には、上記成分を溶剤に加えた電荷発生層形成用塗布液が使用される。かかる溶剤としては、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤、などの有機溶剤が挙げられる。これらの溶剤は単独又は2種以上混合して用いてもよい。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤として結着樹脂を溶解すれば、いかなるものでも使用してよい。
電荷発生層形成用塗布液中に粒子(例えば電化発生材料)を分散させる方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
電荷発生層形成用塗布液を下引き層上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、望ましくは0.01μm以上5μm以下、より望ましくは0.05μm以上2.0μm以下の範囲に設定される。
次に、電荷輸送層について説明する。
電荷輸送層は、電荷輸送材料と、必要に応じて結着樹脂と、を含んで構成される。そして、電荷輸送層が最表面層に該当する場合、上記如く、電荷輸送層は、無機粒子及びフッ素樹脂粒子を上記分散・配合状態を含む。
電荷輸送材料としては、例えば、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、N,N′−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、トリ(p−メチルフェニル)アミニル−4−アミン、ジベンジルアニリン等の芳香族第3級アミノ化合物、N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4′−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4′−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体などの正孔輸送物質、クロラニル、ブロアントラキノン等のキノン系化合物、テトラアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物等の電子輸送物質、及び上記した化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体などが挙げられる。これらの電荷輸送材料は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電荷輸送層を構成する結着樹脂としては、例えば、ビスフェノールAタイプあるいはビスフェノールZタイプ等のポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、塩素ゴム等の絶縁性樹脂、及びポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマー等があげられる。これらの結着樹脂は、単独又は2種以上混合して用いてもよい。
電荷輸送層は、上記成分を溶剤に加えた電荷輸送層形成用塗布液を用いて形成される。電荷輸送層の形成に使用される溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤、また、これらの溶剤は単独あるいは2種以上混合して用いてもよい。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤として結着樹脂を溶解すれば、いかなるものでも使用してよい。
電荷輸送材料と上記結着樹脂との配合比は10:1乃至1:5が望ましい。
電荷輸送層形成用塗布液中に粒子(例えば無機粒子やフッ素樹脂粒子)を分散させる方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
電荷輸送層層形成用塗布液を電荷発生層上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法を用いられる。
電荷輸送層の膜厚は、望ましくは5μm以上50μm以下、より望ましくは10μm以上40μm以下の範囲に設定される。
次に、保護層について説明する。
保護層は、例えば、硬化性樹脂と必要に応じて電荷輸送性材料とを含む硬化性樹脂組成物の硬化物で構成される。そして、電荷輸送層が最表面層に該当する場合、上記如く、電荷輸送層は、無機粒子及びフッ素樹脂粒子を上記分散・配合状態を含む。
硬化性樹脂は、加熱や光等により重合して高分子の網目構造を形成し、硬化してもとに戻らなくなる架橋性の樹脂である。硬化性樹脂としては、特に、熱硬化性樹脂が好適である。
熱硬化性樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、ポリイミド樹脂、硬化性アクリル樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの熱硬化性樹脂は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
電荷輸送性材料としては、特に制限はないが、硬化性樹脂と相溶するものが望ましく、さらに、用いる硬化性樹脂と化学結合を形成するものがより望ましい。
硬化性樹脂と化学結合を形成する反応性官能基を有する電荷輸送性有機化合物としては、例えば、−OH、−OCH、−NH、−SH、及び−COOHから選択される置換基の少なくとも1つを持つものが好適に挙げられる。特に、特定の電荷輸送性材料としては、−OH、−OCH、−NH、−SH、及び−COOHから選択される置換基を少なくとも2つ(さらには3つ以上)持つものが好適に挙げられる。
特定の電荷輸送性材料としては、下記一般式(I)で示される化合物であることが望ましい。
F−((−R−X)n1(Rn2−Y)n3 (I)
一般式(I)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1以上5以下の直鎖状若しくは分鎖状のアルキレン基を示し、n1は0又は1を示し、n2は0又は1を示し、n3は1以上4以下の整数を示す。Xは酸素、NH、又は硫黄原子を示し、Yは−OH、−OCH、−NH、−SH、又は−COOHを示す。
一般式(I)中、Fを示す正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基における正孔輸送能を有する化合物としては、アリールアミン誘導体が好適に挙げられる。アリールアミン誘導体としては、トリフェニルアミン誘導体、テトラフェニルベンジジン誘導体が好適に挙げられる。
そして、一般式(I)で示される化合物は、下記一般式(II)で示される化合物であることが望ましい。一般式(II)で示される化合物は、特に、電荷移動度、酸化などに対する安定性等に優れる。


一般式(II)中、Ar乃至Arは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に置換若しくは未置換のアリール基を示し、Arは置換若しくは未置換のアリール基又は置換若しくは未置換のアリーレン基を示し、Dは−(−R−X)n1(Rn2−Yを示し、cはそれぞれ独立に0又は1を示し、kは0又は1を示し、Dの総数は1以上4以下である。また、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1以上5以下の直鎖状若しくは分鎖状のアルキレン基を示し、n1は0又は1を示し、n2は0又は1を示し、Xは酸素、NH、又は硫黄原子を示し、Yは−OH、−OCH、−NH、−SH、又は−COOHを示す。
一般式(II)中、Dを示す「−(−R−X)n1(Rn2−Y」は、一般式(I)と同様であり、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1以上5以下の直鎖状若しくは分鎖状のアルキレン基である。また、n1として望ましくは、1である。また、n2として望ましくは、1である。また、Xとして望ましくは、酸素である。また、Yとして望ましくは水酸基である。
なお、一般式(II)におけるDの総数は、一般式(I)におけるn3に相当し、望ましくは、2以上4以下であり、さらに望ましくは3以上4以下である。つまり、一般式(I)や一般式(II)において、Dの総数を、望ましくは一分子中に2以上4以下、さらに望ましくは3以上4以下とすると、架橋密度が上がり、より強度の高い架橋膜が得られ、特にブレードクリーナーを用いた際の電子写真感光体の回転トルクが低減され、ブレードへのダメージの抑制や、電子写真感光体の磨耗が抑制される。この詳細は不明であるが、反応性官能基の数が増すことで、架橋密度の高い硬化膜が得られ、電子写真感光体の極表面の分子運動が抑制されてブレード部材表面分子との相互作用が弱まるためと推測される。
一般式(II)中、Ar乃至Arとしては、下記式(1)乃至(7)のうちのいずれかであることが望ましい。なお、下記式(1)乃至(7)は、各Ar乃至Arに連結され得る「−(D)」と共に示す。


式(1)乃至(7)中、Rは水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルキル基もしくは炭素数1以上4以下のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、炭素数7以上10以下のアラルキル基からなる群より選ばれる1種を表し、R10乃至R12はそれぞれ水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、炭素数7以上10以下のアラルキル基、ハロゲン原子からなる群より選ばれる1種を表し、Arは置換又は未置換のアリーレン基を表し、D及びcは一般式(II)における「D」、「c」と同様であり、sはそれぞれ0又は1を表し、tは1以上3以下の整数を表す。
ここで、式(7)中のArとしては、下記式(8)又は(9)で表されるものが望ましい。


[式(8)、(9)中、R13及びR14はそれぞれ水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、炭素数7以上10以下のアラルキル基、ハロゲン原子からなる群より選ばれる1種を表し、tは1以上3以下の整数を表す。]
また、式(7)中のZ’としては、下記式(10)乃至(17)のうちのいずれかで表されるものが望ましい。


[式(10)乃至(17)中、R15及びR16はそれぞれ水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基もしくは炭素数1以上4以下のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、炭素数7以上10以下のアラルキル基、ハロゲン原子からなる群より選ばれる1種を表し、Wは2価の基を表し、q及びrはそれぞれ1以上10以下の整数を表し、tはそれぞれ1以上3以下の整数を表す。]
上記式(16)乃至(17)中のWとしては、下記(18)乃至(26)で表される2価の基のうちのいずれかであることが望ましい。但し、式(25)中、uは0以上3以下の整数を表す。


また、一般式(II)中、Arは、kが0のときはAr乃至Arの説明で例示された上記(1)乃至(7)のアリール基であり、kが1のときはかかる上記(1)乃至(7)のアリール基から特定の水素原子を除いたアリーレン基である。
一般式(I)で示される化合物の具体例としては、以下に示す化合物I−1乃至I−34が挙げられる。なお、上記一般式(I)で示される化合物は、これらにより何ら限定されるものではない。







保護層には、放電ガス耐性、機械強度、耐傷性、粒子分散性、粘度コントロール、トルク低減、磨耗量コントロール、ポットライフの延長等の目的で種々の樹脂を用いてもよい。
当該目的の樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールやアセトアセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルアセタール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂(たとえば積水化学社製エスレックB、K等)、ポリアミド樹脂、セルロ−ス樹脂等が挙げられる。特に、電気特性を向上させる観点から、ポリビニルアセタール樹脂が望ましい。
上記樹脂の重量平均分子量は2000乃至100000が望ましく、5000乃至50000がさらに望ましい。重量平均分子量は2000より小さいと所望の効果が得られなくなる傾向があり、100000より大きいと溶解度が低くなり添加量が限られてしまったり、塗布時に製膜不良の原因になったりする傾向がある。添加量は1質量%以上40質量%以下が望ましく、さらに望ましくは1質量%以上30質量%以下であり、5質量%以上20質量%以下が最も望ましい。添加量が1質量%よりも少ない場合は所望の効果が得られにくくなり、40質量%よりも多くなると高温高湿下(例えば28℃、80%RH)での画像ボケが発生しやすくなる恐れがある。また、上記の樹脂は単独で用いてもよいが、それらを混合して用いてもよい。
保護層は、上記成分を含有する保護層形成用塗布液を、例えば、下層(例えば電荷輸送層や単層型感光層)上に塗布し、必要に応じて熱、酸などによる重合又は架橋によって、硬化させることで形成される。
保護層形成用塗布液には、その調製時に、触媒を添加してもよい。触媒としては、塩酸、酢酸、硫酸などの無機酸、蟻酸、プロピオン酸、シュウ酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸などの有機酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、アンモニア、トリエチルアミンなどのアルカリ触媒が用いることがよい。
保護層形成用塗布液は、無溶媒で調整するか、必要に応じてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類等の他、種々の溶媒が使用される。なお、電子写真感光体の生産に一般的に使用される浸漬塗布法を適用するためには、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、又はそれらの混合系溶剤が望ましい。また、使用される溶媒の沸点は50℃以上150℃以下のものが望ましく、それらを任意に混合して使用してもよい。
なお、溶剤としてアルコール系溶剤、ケトン系溶剤、又はそれらの混合系溶剤が望ましいことから、使用される保護層の形成に使用される電荷輸送材料としては、それらの溶剤に可溶であることが望ましい。
また、溶媒量は任意に設定されるが、少なすぎると構成材料が析出しやすくなるため、保護層形成用塗布液中に含まれる固形分の合計1質量部に対し望ましくは0.5質量部以上30質量部以下、より望ましくは1質量部以上20質量部以下とすることが望ましい。
保護層形成用塗布液中に粒子(例えば無機粒子やフッ素樹脂粒子)を分散させる方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
保護層形成用塗布液を用いて保護層を形成する際の塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法を用いてもよい。なお、塗布の際には1回の塗布により必要な膜厚が得られない場合、複数回重ね塗布することにより必要な膜厚が得られる。複数回の重ね塗布を行なう場合、加熱処理は塗布の度に行なってもよいし、複数回重ね塗布した後でもよい。
保護層形成用塗布液を硬化させる際の反応温度及び反応時間は特に制限されないが、形成される保護層の機械的強度及び化学的安定性の点から、反応温度は望ましくは60℃以上、より望ましくは80℃以上200℃以下であり、反応時間は望ましくは10分以上5時間以下である。また、硬化性樹脂組成物の硬化により得られる保護層を高湿度状態に保つことは、保護層の特性の安定化を図る上で有効である。さらには、用途に応じてヘキサメチルジシラザンやトリメチルクロロシランなどを用いて保護層に表面処理を施して疎水化してもよい。
保護層の膜厚は、0.5μm以上15μm以下が望ましく、1μm以上10μm以下がより望ましく、1μm以上5μm以下がさらに望ましい。
次に、単層型感光層について説明する。
単層型の感光層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含んで構成され、必要に応じて電荷輸送性材料を含む。そして、電荷輸送層が最表面層に該当する場合、上記如く、電荷輸送層は、無機粒子及びフッ素樹脂粒子を上記分散・配合状態を含む。
単層型感光層中の電荷発生材料の含有量は、10質量%以上85質量%以下程度、望ましくは20質量%以上50質量%以下である。また、電荷輸送材料の含有量は5質量%以上50質量%以下とすることが望ましい。
単層型感光層の膜厚は5μm以上50μm以下程度が望ましく、10μm以上40μm以下とするのがさらに望ましい。
なお、複写機中で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは光、熱による感光体の劣化を防止する目的で、感光層を構成する層や保護層中に酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の添加剤を添加してもよい。例えば、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン及びそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等があげられる。光安定剤の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチルピペリジン等の誘導体が挙げられる。
また、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として、感感光層を構成する層や保護層には、少なくとも1種の電子受容性物質を添加してもよい。電子受容物質としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸等や、上記保護層に用いる硬化性樹脂が挙げられる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系やCl,CN,NO等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特に望ましい。
また、感光層を構成する層や保護層中には、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として、少なくとも1種の電子受容性物質を添加してもよい。
電子受容性物質としては、例えば、無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸等が挙げられる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系や、Cl、CN、NO等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特によい。
なお、実施形態に係る電子写真感光体においては、より高い解像度を得る観点から、感光層及び保護層の合計の膜厚は50μm以下であることが望ましく、40μm以下であることがより望ましい。
(画像形成装置及びプロセスカートリッジ)
図5は、本実施形態に係る画像形成装置を示す模式図である。図5に示す画像形成装置100は、画像形成装置本体(図示せず)に、上述した本実施形態に係る電子写真感光体1を備えるプロセスカートリッジ20と、露光装置30と、転写装置40と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置30はプロセスカートリッジ20の開口部から電子写真感光体1に露光する位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体1に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその少なくとも一部が電子写真感光体1に接触するように配置されている。
プロセスカートリッジ20は、ケース内に電子写真感光体1とともに帯電装置21、現像装置25、クリーニング装置27及び繊維状部材(平ブラシ状)29を、組み合わせて一体化したものである。なお、一体化したものを収納するケースには、露光のための開口部が設けられている。
ここで、帯電装置21は、電子写感光体1を接触方式により帯電させるものである。また、現像装置25は、電子写真感光体1上の静電潜像を現像してトナー像を形成するものである。
以下、現像装置25に使用されるトナーについて説明する。かかるトナーとしては、平均形状係数(形状係数=ML/A×π/4×100の個数平均、ここでMLはトナー粒子の最大長を表し、Aはトナー粒子の投影面積を表す)が100以上150以下であることが望ましく、100以上140以下であることがより望ましい。さらに、トナーとしては、体積平均粒子径が2μm以上12μm以下であることが望ましく、3μm以上12μm以下であることがより望ましく、3μm以上9μm以下であることがさらに望ましい。この如く平均形状係数及び体積平均粒子径を満たすトナーを用いることにより、他のトナーと比べ、高い現像、転写性、及び高画質の画像が得られる。
トナーは、上記平均形状係数及び体積平均粒子径を満足する範囲のものであれば特に製造方法により限定されるものではないが、例えば、結着樹脂、着色剤及び離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を加えて混練、粉砕、分級する混練粉砕法;混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力又は熱エネルギーにて形状を変化させる方法;結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤及び離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法;結着樹脂を得るための重合性単量体と、着色剤及び離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法;結着樹脂と、着色剤及び離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液とを水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等により製造されるトナーが使用される。
また、上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法等、公知の方法を使用してもよい。なお、トナーの製造方法としては、形状制御、粒度分布制御の観点から水系溶媒にて製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法が望ましく、乳化重合凝集法が特に望ましい。
トナー母粒子は、結着樹脂、着色剤及び離型剤からなり、必要であれば、シリカや帯電制御剤を含有して構成される。
トナー母粒子に使用される結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類等の単独重合体及び共重合体、ジカルボン酸類とジオール類との共重合によるポリエステル樹脂等が挙げられる。
特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル樹脂等が挙げられる。さらに、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等が挙げられる。
また、着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示される。
離型剤としては、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロピィシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして例示される。
また、帯電制御剤としては、公知のものが使用されるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤が用いられ得る。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点で水に溶解しにくい素材を使用することが望ましい。また、トナーとしては、磁性材料を内包する磁性トナー及び磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
現像装置25に用いるトナーとしては、上記トナー母粒子及び上記外添剤をヘンシェルミキサー又はVブレンダー等で混合することによって製造される。また、トナー母粒子を湿式にて製造する場合は、湿式にて外添してもよい。
現像装置25に用いるトナーには滑性粒子を添加してもよい。滑性粒子としては、グラファイト、二硫化モリブデン、滑石、脂肪酸、脂肪酸金属塩等の固体潤滑剤や、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を有するシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の如く脂肪族アミド類やカルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の如く植物系ワックス、ミツロウの如く動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の如く鉱物、石油系ワックス、及びそれらの変性物が使用される。これらは、1種を単独で、又は2種以上を併用して使用される。但し、体積平均粒径としては0.1μm以上10μm以下の範囲が望ましく、上記化学構造のものを粉砕して、粒径をそろえてもよい。トナーへの添加量は望ましくは0.05質量%以上2.0質量%以下、より望ましくは0.1質量%以上1.5質量%以下の範囲である。
現像装置25に用いるトナーには、電子写真感光体表面の付着物、劣化物除去の目的等で、無機粒子、有機粒子、該有機粒子に無機粒子を付着させた複合粒子等を加えてもよい。
無機粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の各種無機酸化物、窒化物、ホウ化物等が好適に使用される。
また、上記無機粒子を、テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネート等のチタンカップリング剤、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトエリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤等で処理を行ってもよい。また、シリコーンオイル、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩によって疎水化処理したものも望ましく使用される。
有機粒子としては、スチレン樹脂粒子、スチレンアクリル樹脂粒子、ポリエステル樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子等が挙げられる。
粒子径としては、体積平均平均粒子径で望ましくは5nm以上1000nm以下、より望ましくは5nm以上800nm以下、さらに望ましくは5nm以上700nm以下でのものが使用される。体積平均粒子径が、上記下限値未満であると、研磨能力に欠ける傾向があり、他方、上記上限値を超えると、電子写真感光体表面に傷を発生しやすくなる傾向がある。また、上述した粒子と滑性粒子との添加量の和が0.6質量%以上であることが望ましい。
トナーに添加されるその他の無機酸化物としては、粉体流動性、帯電制御等の為、1次粒径が40nm以下の小径無機酸化物を用い、更に付着力低減や帯電制御の為、それより大径の無機酸化物を添加することが望ましい。これらの無機酸化物粒子は公知のものを使用してもよいが、精密な帯電制御を行なう為にはシリカと酸化チタンを併用することが望ましい。また、小径無機粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性を上げる効果が大きくなる。さらに、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩や、ハイドロタルサイト等の無機鉱物を添加することも放電精製物を除去するために望ましい。
また、電子写真用カラートナーはキャリアと混合して使用されるが、キャリアとしては、鉄粉、ガラスビーズ、フェライト粉、ニッケル粉又はそれ等の表面に樹脂コーティングを施したものが使用される。また、キャリアとの混合割合は、任意に設定される。
クリーニング装置27は、繊維状部材(ロール形状)27aと、クリーニングブレード(ブレード部材)27bとを備える。
クリーニング装置27は、繊維状部材27a及びクリーニングブレード27bが設けられているが、クリーニング装置としてはどちらか一方を備えるものでもよい。繊維状部材27aとしては、ロール形状の他に歯ブラシ状(平ブラシ状)としてもよい。また、繊維状部材27aは、クリーニング装置本体に固定してもよく、回転するように支持されていてもよく、さらに感光体軸方向にオシレーションするように支持されていてもよい。繊維状部材27aとしては、ポリエステル、ナイロン、アクリル等や、トレシー(東レ社製)等の極細繊維からなる布状のもの、ナイロン、アクリル、ポリオレフィン、ポリエステル等の樹脂繊維を基材状又は絨毯状に植毛したブラシ状のもの等が挙げられる。また、繊維状部材27aとしては、上述したものに、導電性粉末やイオン導電剤を配合して導電性を付与したり、繊維一本一本の内部又は外部に導電層が形成されたもの等を用いてもよい。導電性を付与した場合、その抵抗値としては繊維単体で10Ω以上10Ω以下のものが望ましい。また、繊維状部材27aの繊維の太さは、望ましくは30d(デニール)以下、より望ましくは20d以下であり、繊維の密度は望ましくは2万本/inch以上、より望ましくは3万本/inch以上である。
クリーニング装置27には、クリーニングブレード、クリーニングブラシで感光体表面の付着物(例えば、放電生成物)を除去することが求められる。この目的を長期に渡って達成すると共にクリーニング部材の機能を安定化させるために、クリーニング部材には、金属石鹸、高級アルコール、ワックス、シリコーンオイルなどの潤滑性物質(潤滑成分)を供給することが望ましい。
例えば、繊維状部材27aとしてロール状のものを用いる場合、金属石鹸、ワックス等の潤滑性物質と接触させ、電子写真感光体表面に潤滑成分を供給することが望ましい。クリーニングブレード27bとしては、通常のゴムブレードが用いられる。このようにクリーニングブレード27bとしてゴムブレードを使用する場合には、電子写真感光体表面に潤滑成分を供給することは、ブレードの欠けや磨耗を抑制することに特に効果的である。
以上説明したプロセスカートリッジ20は、画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。
露光装置30としては、帯電した電子写真感光体1を露光して静電潜像を形成させるものであればよい。また、露光装置30の光源としては、マルチビーム方式の面発光レーザを用いることが望ましい。
転写装置40としては、電子写真感光体1上のトナー像を被転写媒体(中間転写体50)に転写するものであればよく、例えば、ロール形状の通常使用されるものが使用される。
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等のベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体50の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものが用いられる。なお、この中間転写体を備えていない直接転写方式の画像形成装置もあるが、本実施形態に係る電子写真感光体はこの如く画像形成装置に好適である。
なお、被転写媒体とは、電子写真感光体1上に形成されたトナー像を転写する媒体であれば特に制限はない。例えば、電子写真感光体1から直接、紙等に転写する場合は紙等が被転写媒体であり、また、中間転写体50を用いる場合には中間転写体が被転写媒体になる。
図6は、他の本実施形態に係る画像形成装置を示す模式図である。図6に示す画像形成装置110は、電子写真感光体1が画像形成装置本体に固定され、帯電装置22、現像装置25及びクリーニング装置27がそれぞれカートリッジ化されており、それぞれ帯電カートリッジ、現像カートリッジ、クリーニングカートリッジとして独立して備えられている。なお、帯電装置22は、コロナ放電方式により帯電させる帯電装置を備えている。
画像形成装置110においては、電子写真感光体1とそれ以外の各装置が分離されており、帯電装置22、現像装置25及びクリーニング装置27が画像形成装置本体にビス、かしめ、接着又は溶接により固定されることなく、引き出し、押しこみによる操作にて脱着自在である。
本実施形態に係る電子写真感光体は耐久性に優れるため、カートリッジ化することが不要となる場合がある。したがって、帯電装置22、現像装置25又はクリーニング装置27をそれぞれ本体にビス、かしめ、接着又は溶接により固定されることなく、引き出し、押しこみによる操作にて脱着自在な構成とすることで、1プリント当りの部材コストが低減される。また、これらの装置のうち2つ以上を一体化したカートリッジとして着脱自在とすることもでき、それにより1プリント当りの部材コストがさらに低減される。
なお、画像形成装置110は、帯電装置22、現像装置25及びクリーニング装置27がそれぞれカートリッジ化されている以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
図7は、他の本実施形態に係る画像形成装置を示す模式図である。画像形成装置120は、プロセスカートリッジ20を4つ搭載したタンデム方式のカラー画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ20がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
図8は、他の本実施形態に係る画像形成装置を示す模式図である。図8に示した画像形成装置130は、1つの電子写真感光体で複数の色のトナー画像を形成させる、所謂4サイクル方式の画像形成装置である。画像形成装置130は、駆動装置(図示せず)により特定の回転速度で図中の矢印Aの方向に回転される感光体ドラム1を備えており、感光体ドラム1の上方には、感光体ドラム1の外周面を帯電させる帯電装置22が設けられている。
また、帯電装置22の上方には面発光レーザアレイを露光光源として備える露光装置30が配置されている。露光装置30は、光源から射出される複数本のレーザービームを、形成すべき画像に応じて変調すると共に、主走査方向に偏向し、感光体ドラム1の外周面上を感光体ドラム1の軸線に沿って走査させる。これにより、帯電した感光体ドラム1の外周面上に静電潜像が形成される。
感光体ドラム1の側方には現像装置25が配置されている。現像装置25は回転するように配置されたローラ状の収容体を備えている。この収容体の内部には4個の収容部が形成されており、各収容部には現像器25Y,25M,25C,25Kが設けられている。現像器25Y,25M,25C,25Kは各々現像ローラ26を備え、内部に各々イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),黒(K)の色のトナーを貯留している。
画像形成装置130でのカラーの画像の形成は、感光体ドラム1が4回画像形成することにより行われる。すなわち、感光体ドラム1が4回画像形成する間、帯電装置22は感光体ドラム1の外周面の帯電、露光装置30は、形成すべきカラー画像を表すY,M,C,Kの画像データのうちの何れかに応じて変調したレーザビームを感光体ドラム1の外周面上で走査させることを、感光体ドラム1が1回画像形成する毎にレーザビームの変調に用いる画像データを切替えながら繰り返す。また現像装置25は、現像器25Y,25M,25C,25Kの何れかの現像ローラ26が感光体ドラム1の外周面に対応している状態で、外周面に対応している現像器を作動させ、感光体ドラム1の外周面に形成された静電潜像を特定の色に現像し、感光体ドラム1の外周面上に特定色のトナー像を形成させることを、感光体ドラム1が1画像形成する毎に、静電潜像の現像に用いる現像器が切り替わるように収容体を回転させながら繰り返す。これにより、感光体ドラム1が1画像形成転する毎に、感光体ドラム1の外周面上には、Y,M,C,Kのトナー像が順次形成されることになる。
また、感光体ドラム1の下方には無端の中間転写ベルト50が配設されている。中間転写ベルト50はローラ51,53,55に巻掛けられており、外周面が感光体ドラム1の外周面に接触するように配置されている。ローラ51,53,55は図示しないモータの駆動力が伝達されて回転し、中間転写ベルト50を図中矢印B方向に回転させる。
中間転写ベルト50を挟んで感光体ドラム1の反対側には転写装置(転写器)40が配置されており、感光体ドラム1の外周面上に順次形成されたY,M,C,Kのトナー像は1色づつ転写装置40によって中間転写ベルト50の画像形成面に転写され、最終的には、Y,M,C,K全ての画像が中間転写ベルト50上に積層される。
また、感光体ドラム1を挟んで現像装置25の反対側には、感光体ドラム1の外周面に潤滑剤供給装置29及びクリーニング装置27が配置されている。感光体ドラム1の外周面上に形成されたトナー像が中間転写ベルト50に転写されると、潤滑剤供給装置29により感光体ドラム1の外周面に潤滑剤が供給され、当該外周面のうち転写されたトナー像を保持していた領域がクリーニング装置27により清浄化される。
中間転写ベルト50よりも下方側には給紙装置60が配置されており、給紙装置60内には記録材料としての用紙P(被転写体)が多数枚積層された状態で収容されている。図中、給紙装置60の左斜め上方には取り出しローラ61が配置されており、取り出しローラ61による用紙Pの取り出し方向下流側にはローラ対63、ローラ65が順に配置されている。積層状態で最も上方に位置している記録紙は、取り出しローラ61が回転されることにより給紙装置60から取り出され、ローラ対63、ローラ65によって搬送される。
また、中間転写ベルト50を挟んでローラ55の反対側には転写装置42が配置されている。ローラ対63、ローラ65によって搬送された用紙Pは、中間転写ベルト50と転写器42の間に送り込まれ、中間転写ベルト50の画像形成面に形成されたトナー像が転写装置42によって転写される。転写装置42よりも用紙Pの搬送方向下流側には、定着ローラ対を備えた定着装置44が配置されており、トナー像が転写された用紙Pは、転写されたトナー像が定着装置44によって溶融定着された後に画像形成装置130の機体外へ排出され、排紙受け(図示せず)上に載る。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。
(実施例1)
−電子写真感光体の作製−
まず、3−アミノプロピルトリエトキシシラン5質量部、トリブトキシジルコニウムアセチルアセトネート(オルガノチックスZC540、松本交商社製)30質量部、ポリビニルブチラール樹脂(BMS、積水化学製)5質量部、n−ブチルアルコール60質量部からなる混合物を、全固形物質がなくなるまで溶解させて、下引き層の塗布液を得た。
この塗布液を浸漬塗布法にて直径30mm、長さ404mm、肉厚1mmのアルミニウム基材上に塗布し、180℃、30分の乾燥硬化を行い厚さ1μmの下引き層を得た。
次に、電荷発生材料として、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.4゜、16.6゜、25.5゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶15質量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニオンカーバイト社製)10質量部及びn−ブチルアルコール300質量部からなる混合物を、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散して電荷発生層用の塗布液を得た。この電荷発生層用塗布液を前記下引層上に浸漬塗布し、乾燥して、厚みが0.2μmの電荷発生層を得た。
次に、二酸化ケイ素(日本アエロジル社製、比表面積値:50m/g)100質量部をシランカップリング剤として、フェニルトリメトキシシランを吹き付けて、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理二酸化ケイ素粒子を得た。その後、表面処理した二酸化ケイ素粒子1質量部、電荷輸送物質としてN,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン10質量部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:40,000)15質量部、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール 0.5質量部、テトラヒドロフラン58質量部、トルエン15.5質量部を混合し、48時間攪拌混合し溶解できていることを確認後、微細な流路を持つ貫通式チャンバーを装着した高圧ホモジナイザー(吉田機械興行株式会社製)を用いて、500kgf/cmまで昇圧しての分散処理を6回繰り返した液に、フッ素変性シリコーンオイル(商品名:FL−100 信越シリコーン社製)を5ppm添加し、撹拌して二酸化ケイ素分散液(無機粒子分散液)を得た。
次に、4フッ化エチレン樹脂(PTFE)粒子4質量部とフッ化アルキル基含有メタクリルコポリマー(重量平均分子量30,000)0.2質量部とを、テトラヒドロフラン5質量部、トルエン3質量部とともに20℃の液温に保ち、48時間攪拌混合し、4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液を得た。次に、電荷輸送物質としてN,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン9質量部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:40,000)12質量部、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.2質量部を混合してテトラヒドロフラン53質量部及びトルエン13.6質量部を混合し、48時間攪拌混合し溶解できていることを確認後、微細な流路を持つ貫通式チャンバーを装着した高圧ホモジナイザー(吉田機械興行株式会社製)を用いて、500kgf/cmまで昇圧しての分散処理を6回繰り返し、4フッ化エチレン樹脂粒子分散液(フッ素樹脂粒子分散液)を得た。
次に、二酸化ケイ素分散液と4フッ化エチレン樹脂粒子分散液とを攪拌混合した後、微細な流路を持つ貫通式チャンバーを装着した高圧ホモジナイザー(吉田機械興行株式会社製)を用いて、500kgf/cmまで昇圧しての分散処理を6回繰り返した液に、十分に撹拌して電荷輸送層形成用塗布液を得た。
この塗布液を電荷発生層上に塗布して115℃で40分間乾燥し、膜厚が32μmの電荷輸送層を形成し、目的の電子写真感光体を得た。
−評価−
得られた電子写真感光体の最表面層(電荷輸送層)から試料片を作製し、上述した手法により無機粒子の二次粒子径、及びフッ素樹脂粒子の二次粒子径を調べた。
結果を表2に示す。
また、得られた電子写真感光体を用いて、以下のテストを行なった。得られた結果を表2に示す。具体的には、電子写真感光体を富士ゼロックス社製カラープリンターDocuCentre Color f450ドラムカートリッジに装着し、プリントテストを行った。そして、普通紙(富士ゼロックス社製、C)に10%カバレッジの文字画像を10000枚プリント後の残膜厚から摩耗量の評価、1ドットラインの細線再現性(格子及び斜め線)、ハーフトーン画質(濃度50%)上の濃度ムラの評価を行った。
−摩耗量の評価−
摩耗量の評価は、プリント前後の膜厚を渦電流式膜厚測定装置で測定することでその差分から摩耗量を算出した。評価基準は以下の通りである。
◎:比較例2の摩耗量に対して90%未満の摩耗量の場合
○:比較例2の摩耗量に対して90〜95%の摩耗量の場合
△:比較例2の摩耗量に対して95〜105%の摩耗量の場合
×:比較例2の摩耗量に対して105%以上の摩耗量の場合
−細線再現性の評価−
細線再現性については、ラインの再現性を目視で確認することで評価を行い、線のかすれ具合から判定した。評価基準は以下の通りである。
◎:比較例2のライン再現性に対して目視上優位性が確認され、なおかつ細線において再現性の欠陥部が存在しない場合
○:比較例2のライン再現性に対して目視上優位性が確認されるが、まだ細線において再現性の欠陥部が存在する場合
△:比較例2のライン再現性に対して目視上ほぼ同等である場合
×:比較例2のライン再現性に対して目視上明らかに劣っている場合
−濃度ムラの評価−
濃度ムラの評価は、ハーフトーン画像(画像濃度50%)から濃度均一性を目視で確認することで、判定した。評価基準は以下の通りである。
◎:比較例2の濃度ムラに対して目視上優位性が確認され、なおかつ濃度ムラの欠陥部が存在しない場合
○:比較例2の濃度ムラに対して目視上優位性が確認されるが、まだ濃度ムラの欠陥部が存在する場合
△:比較例2の濃度ムラに対して目視上ほぼ同等である場合
×:比較例2の濃度ムラに対して目視上明らかに劣っている場合
(実施例2乃至6)
表1に示す組成に従って、無機粒子分散液、及びフッ素樹脂粒子分散液を作製し、これを混合した電荷輸送層を用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製して評価を行った。得られた結果を表2に示す。
(比較例1乃至7)
表1に示す組成に従って、無機粒子分散液、及びフッ素樹脂粒子分散液を作製し、これを混合した電荷輸送層を用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製して評価を行った。得られた結果を表2に示す。
得られた結果から、本実施例では、比較例に比べ、磨耗量、細線再現性、濃度ムラについて共に優れることがわかる。
なお、上記表中、略記は以下の通りである。
・HMDS:ヘキサメチルジシラザン
・D4:オクタメチルシクロテトラシロキサン
・Ph−Si(OMe):メチルフェニルシロキサン
・PTFE:4フッ化エチレン樹脂
・FL−100:フッ素変性シリコーンオイル(信越シリコーン社製)
(実施例7乃至9)
以下のようにして下引き層を形成した以外は、それぞれ実施例1乃至3と同様にして電子写真感光体を作製した、
−下引き層の形成−
酸化亜鉛(導電性粒子:平均粒子径:70nm、テイカ社製、比表面積値:15m2/g)100質量部をテトラヒドロフラン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤としてのシラン(KBM603、信越化学社製)1.25質量部を添加し、2時間攪拌した。その後、テトラヒドロフランを減圧蒸留にて留去し、150℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛粒子を得た。
表面処理を施した酸化亜鉛粒子60質量部と、アリザリン0.75質量部と、硬化剤としてブロック化イソシアネート(スミジュール3175、住友バイエルウレタン社製)13.5質量部と、ブチラール樹脂(BM−1、積水化学社製)15質量部とを、メチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部と、メチルエチルケトン25質量部とを混合し、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて24時間の分散を行い分散液を得た。
得られた分散液に、触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部と、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、GE東芝シリコーン社製)4.0質量部とを添加し、下引層塗布用液を得た。この塗布液を、浸漬塗布法にてアルミニウム基材上に塗布し、170℃、25分の乾燥硬化を行い厚さ20μmの下引き層を形成した。
−評価−
得られた電子写真感光体を用いて、以下のテストを行なった。得られた結果を表3に示す。具体的には、得られた電子写真感光体を富士ゼロックス社製カラープリンターDocuCenter Color400に装着し、28℃80RHの環境下で連続プリントテストを行った。プリント50000枚ごとに画質評価サンプルを採取し、普通紙(富士ゼロックス社製、C)に10%カバレッジの文字画像を150000枚まで継続した。そして、各採取した画質評価サンプルにつき、濃度ムラ、かぶり、色点について評価した。
なお、上記実施例1乃至3で作製した電子写真感光体についても同様に評価した。結果を表3に示す。
−濃度ムラの評価−
濃度ムラの評価は、ハーフトーン画像(画像濃度50%)から濃度均一性を目視で確認することで、判定した。評価基準は以下の通りである。
◎:実施例1の濃度ムラに対して目視上優位性が確認され、なおかつ濃度ムラの欠陥部が存在しない場合
○:実施例1の濃度ムラに対して目視上優位性が確認されるが、まだ濃度ムラの欠陥部が存在する場合
△:実施例1の濃度ムラに対して目視上ほぼ同等である場合
×:実施例1の濃度ムラに対して目視上明らかに劣っている場合
−かぶりの評価−
かぶりの評価は、白紙画像(画像濃度0%)から0.1mm以下の色点部を目視及び光学顕微鏡で確認して判定した。評価基準は以下の通りである。
◎:実施例1のかぶりに対して目視上優位性が確認され、なおかつかぶり欠陥部が確認されない場合
○:実施例1のかぶりに対して目視上優位性が確認されるが、まだかぶり欠陥部が確認される場合
△:実施例1のかぶりに対して目視上ほぼ同等の場合
×:実施例1のかぶりに対して目視上明らかに劣っている場合
−色点の評価−
色点の評価は、白紙画像(画像濃度0%)から0.1mm以上の色点部を目視及び光学顕微鏡で確認して判定した。評価基準は以下の通りである。
◎:実施例1の色点に対して目視上優位性が確認され、なおかつ色点欠陥部が確認されない場合
○:実施例1の色点に対して目視上優位性が確認されるが、まだ色点欠陥部が確認される場合
△:実施例1の色点に対して目視上ほぼ同等の場合
×:実施例1の色点に対して目視上明らかに劣っている場合
得られた結果から、下引き層に導電性粒子を添加した実施例7乃至9は、当該導電性粒子を添加しない実施例1乃至3に比べ、濃度ムラ、かぶり、及び色点について良好であることがわかる。
7A、7B、7C、7D…電子写真感光体
1…下引層
2…電荷発生層
3…電荷輸送層
4…導電性支持体
5…保護層
6…単層型感光層
20…プロセスカートリッジ
100,110,120,130…画像形成装置

Claims (7)

  1. 導電性基体と、該導電性基体上に設けられた感光層と、を少なくとも有し、
    最表面層が、無機粒子とフッ素樹脂粒子とを少なくとも含有し、
    前記無機粒子が、1μm以上3μm以下の二次粒子径を持つ粒子であり、
    前記フッ素樹脂粒子が、2μm以下の二次粒子径を持つ粒子である電子写真感光体。
  2. 前記無機粒子が、二酸化ケイ素粒子である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記無機粒子が、有機化合物で表面処理されてなる粒子である請求項1に記載の電子写真感光体。
  4. 前記有機化合物が、シリコーンオイルである請求項3に記載の電子写真感光体。
  5. 前記導電性基体と前記感光層との間に下引層を有し、
    前記下引き層が、結着樹脂と導電性粒子とを少なくとも含有する請求項1に記載の電子写真感光体。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、前記電子写真感光体に形成された静電潜像をトナーにより現像する現像手段、及び、前記電子写真感光体の表面に残存したトナーを除去するトナー除去手段からなる群より選ばれる少なくとも一種の手段と、を備え、画像形成装置に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体に静電潜像形成する静電潜像手段と、前記電子写真感光体に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
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