JP2008233165A - 電子写真感光体、電子写真プロセスカートリッジ、および画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、電子写真プロセスカートリッジ、および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡耐磨耗性の高い表面保護層を備えつつ、濃度ムラなどの画質欠陥を抑えて高画質を維持し、信頼性の高い長寿命な電子写真感光体、並びにこれを用いた電子写真プロセスカートリッジおよび画像形成装置を提供する。
【解決手段】導電性支持体11表面に、少なくとも感光層12が形成され、さらに最表面層として表面保護層16が形成されてなり、その表面形状が、カットオフ値λc=0.1mmでうねり面と粗さ面とに分離した場合の、うねり面の算術平均うねりWaが15nm以下で、かつ、うねり面の最大断面高さWtが50nm〜250nmであることを特徴とする電子写真感光体、並びにこれを用いた電子写真プロセスカートリッジおよび画像形成装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置の静電潜像担持体として使用できる電子写真感光体、並びにこれを用いたプロセスカートリッジおよび画像形成装置に関する。
近年、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、定着手段を有する、いわゆる電子写真方式(ゼログラフィー方式)の画像形成装置は、各部材やシステムの技術進展により一層の高速化、長寿命化が図られている。これに伴い、各サブシステムの高速対応性、高信頼性に対する要求が従来に増して高くなっている。特に、画像の書き込みに静電潜像担持体として使用される電子写真感光体は、帯電器、現像器、転写装置、およびクリーニング器などにより、電気的、機械的外力を多く受けるため、傷、磨耗、欠けなどによる画像欠陥を生じやすく、高速対応性、高信頼性に対する要求が一層強い。
傷や磨耗を抑制するため、電子写真感光体では機械的強度の高い樹脂が感光材料として使用されており、さらに長寿命化も図られている。例えば、特許文献1では結着樹脂にエポキシ樹脂を用いた感光体が開示されており、特許文献2ではエポキシ樹脂、およびエポキシ基を有する電荷輸送材料を用いた感光体が開示されている。また、特許文献3および4では、保護層(表面保護層)にフェノール樹脂および水酸基を有する電荷輸送材料を用いた感光体が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1に開示された感光体は耐磨耗性が十分には高くなく、特許文献2に開示された電子写真感光体は、特許文献1に比べれば耐磨耗性が向上しているものの、更なる要求に対しては耐傷性並びに耐磨耗性の点で十分とは言い難い。また、特許文献3や特許文献4に開示された電子写真感光体は、機械的強度の向上によりその表面の傷や磨耗は抑制されるものの感光層形成時の硬化条件によっては電気特性が悪化する場合があり、高画質化が達成されていなかった。
また、このような機械的強度の高い樹脂が使用された電子写真感光体では、強度が高く摩耗し難いが故に、放電生成物が電子写真感光体表面から除去され難く高温高湿環境下で画像流れが発生する原因になる。クリーニング部材としてクリーニングブレードを有する場合には、電子写真感光体表面の滑り性低下によりブレードめくれやびびり等が発生することもある。さらに、表面保護層を設けることにより、露光の際に下層と表面保護層とが干渉を起こし、微小な濃度ムラを生じ粒状性が悪化すること懸念もある。
特開昭56−51749号公報 特開平8−278645号公報 特開2002−82469号公報 特開2003−186234号公報
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、耐磨耗性の高い表面保護層を備えつつ、濃度ムラなどの画質欠陥を抑えて高画質を維持し、信頼性の高い長寿命な電子写真感光体、並びにこれを用いた電子写真プロセスカートリッジおよび画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明は、
<1> 導電性支持体表面に、少なくとも感光層が形成され、さらに最表面層として表面保護層が形成されてなる電子写真感光体であって、
その表面形状が、カットオフ値λc=0.1mmでうねり面と粗さ面とに分離した場合の、うねり面の算術平均うねりWaが15nm以下で、かつ、うねり面の最大断面高さWtが50nm〜250nmであることを特徴とする電子写真感光体である。
<2> 最表面が研磨処理された表面状態であることを特徴とする<1>に記載の電子写真感光体である。
<3> 最表面の研磨量が、0.1μm〜0.8μmであることを特徴とする<2>に記載の電子写真感光体である。
<4> 前記表面保護層が架橋性樹脂を有し、かつ電荷輸送能を有する構造単位を有する架橋性樹脂を含有してなることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<5> 前記架橋性樹脂が、フェノール系樹脂であることを特徴とする<4>に記載の電子写真感光体である。
<6> 前記表面保護層が、下記一般式(I)〜(V)のいずれかで表される化合物の少なくとも1種を用いて得られたものであることを特徴とする<1>〜<5>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
F−((X1n1−Z1H)m ・・・一般式(I)
[一般式(I)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導されるm価の有機基を表し、R1はアルキレン基を表し、Z1は酸素原子、硫黄原子、NHまたはCO2を表し、X1は酸素または硫黄を表す。また、mは1〜4の整数を示し、nは0または1を示す。]
F−[(X2n1−(R2n2−(Z2n3G]n4 ・・・一般式(II)
[一般式(II)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導されるn4価の有機基を表し、X2は酸素原子または硫黄原子を表し、R2はアルキレン基を表し、Z2はアルキレン基、酸素原子、硫黄原子、NHまたはCOOを表し、Gはエポキシ基を表す。また、n1、n2およびn3はそれぞれ独立に0または1を示し、n4は1〜4の整数を示す。]
Figure 2008233165
[一般式(III)中、Fは正孔輸送性を有する化合物から誘導されるn5価の有機基を表し、Tは2価の基を表し、Yは酸素原子または硫黄原子を表し、R3、R4およびR5はそれぞれ独立に水素原子または1価の有機基を表し、R6は1価の有機基を表す。但し、R5とR6とは互いに結合してYをヘテロ原子とする複素環を形成してもよい。また、m1は0または1を示し、n5は1〜4の整数を示す。]
Figure 2008233165
[一般式(IV)中、Fは正孔輸送性を有する化合物から誘導されるn6価の有機基を表し、T2は2価の基を表し、R7は1価の有機基を表す。また、m2は0または1を示し、n6は1〜4の整数を示す。]
Figure 2008233165
[一般式(V)中、Fは正孔輸送性を有する化合物から誘導されるn7価の有機基を表し、Lはアルキレン基を表し、R8は1価の有機基を表す。また、n7は1〜4の整数を示す。]
<7> 前記感光層が、電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離されて積層されてなることを特徴とする<1>〜<6>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<8> 画像形成装置から脱着可能であり、電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、定着手段およびクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくともいずれかの手段と、を備える電子写真プロセスカートリッジであって、
前記電子写真感光体が、<1>〜<7>のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真プロセスカートリッジである。
<9> 少なくとも、<1>〜<7>のいずれかに記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、前記電子写真感光体の表面を像様に露光して潜像を形成する露光手段と、前記電子写真感光体の表面にトナーを供給することで前記潜像を現像する現像手段と、現像されたトナー像を被転写体に転写する転写手段とを含むことを特徴とする画像形成装置である。
<10> 前記現像手段に用いられるトナーにおける下記式で表される平均形状係数SF1が、100〜150であることを特徴とする<9>に記載の画像形成装置である。
SF1=(ML)2×π×100/(4A)
[上記式中、MLはトナーの投影像における最大長であり、Aはトナーの投影像の面積である。]
本発明によれば、耐磨耗性の高い表面保護層を備えつつ、濃度ムラなどの画質欠陥を抑えて高画質を維持し、信頼性の高い長寿命な電子写真感光体、並びに、これを用いたプロセスカートリッジおよび画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一の機能を有する部材には同一符号を付することとし、重複した説明は省略する。
[電子写真感光体]
<層構成>
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体表面に、少なくとも感光層が形成され、さらに最表面層として表面保護層が形成されてなる。感光層については、電荷発生層と電荷輸送層とを別個に設けることで機能分離させた構成や、電荷発生材料と電荷輸送材料との双方を含み電荷発生層および電荷輸送層の両層の機能を併せ持つ層(以下、「単層型感光層」と称する。)が設けられた構成が挙げられる。
本発明の電子写真感光体について、その層構成の例示的態様を図1〜3に、それぞれ電子写真感光体の一部の断面を示す模式拡大図にて示す。図1および図2に示される電子写真感光体は、電荷発生層と電荷輸送層とが別個に設けられた感光層を有するもの(機能分離型感光体)である。また、図3に示される電子写真感光体は、電荷発生層および電荷輸送層の両層の機能を併せ持つ単層型感光層が感光層として設けられたものである。
より具体的には、図1は、導電性支持体11表面に、下引き層13、電荷発生層14、電荷輸送層15、表面保護層16がこの順で設けられてなるものであり、電荷発生層14および電荷輸送層15で感光層12が構成されている。また、図2は、導電性支持体11表面に、下引き層13、電荷輸送層15、電荷発生層14、表面保護層16がこの順で設けられてなるものであり、感光層12’を構成する電荷発生層14および電荷輸送層15の積層順序が図1とは異なっている。図3は、導電性支持体11表面に、下引き層13、単層型感光層(電荷発生/電荷輸送層)17、表面保護層16がこの順で設けられてなるものであり、単層型感光層17を一層のみで感光層12”が構成されている。
以下、図1〜図3を参照して、各層の構成について順次説明する。
<導電性支持体>
導電性支持体11としては、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、ステンレス、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等の金属または合金を用いた金属板、金属ドラム、金属ベルト;導電性ポリマー、酸化インジウム等の導電性化合物やアルミニウム、パラジウム、金等の金属または合金を塗布、蒸着、あるいはラミネートした紙、プラスチックフィルム、ベルト等が挙げられる。電子写真感光体がレーザープリンターに使用される場合には、レーザーの発振波長としては350nmから850nmの範囲のものが好ましく、当該範囲内で短波長のものほど解像度に優れるため好ましい。
レーザー光を照射する際に生じる干渉縞を防止するために、導電性支持体11表面は、算術平均粗さRaで0.04μm〜0.5μmの範囲内の状態になるように粗面化することが好ましい。算術平均粗さRaが0.04μmより小さいと、鏡面に近くなるので干渉防止効果が得られ難くなり、Raが0.5μmより大きいと、本発明による層構成を採用しても画質が粗くなってしまう懸念があるため、それぞれ好ましくない。
導電性支持体11表面の粗面化には、研磨剤を水に懸濁させて対象物に吹き付けることによって行う湿式ホーニング法、回転する砥石に対象物を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削法、さらに陽極酸化法などが好ましい方法として例示することができる。
陽極酸化処理は、アルミニウムを陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することによりアルミニウム表面に酸化膜を形成する処理である。電解質溶液としては硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、陽極酸化処理後のそのままの多孔質陽極酸化膜は化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、陽極酸化膜の微細孔を加圧水蒸気または沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが好ましい。陽極酸化膜の膜厚としては、0.3μm〜15μmが好ましい。0.3μmより薄い場合は注入に対するバリア性が乏しくなりがちで、効果が十分でない場合がある。一方、15μmより厚い場合は繰り返し使用による残留電位の上昇を招く懸念がある。
また、酸性処理液による処理やベーマイト処理などによって、表面処理することも好ましい。
酸性処理液による処理において、酸性処理液は、リン酸、クロム酸およびフッ酸等からなる液を用いる。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸およびフッ酸の配合割合は、リン酸が、10〜11質量%の範囲、クロム酸が3〜5質量%の範囲、フッ酸が0.5〜2質量%の範囲であって、これらの酸全体の濃度は、13.5〜18質量%の範囲が好ましい。当該処理による処理温度は、42〜48℃であるが、処理温度を高く保つことにより、一層速く、かつ厚い被膜を形成することもできる。形成する被膜の膜厚にとしては0.3〜15μmが好ましい。0.3μmより薄い場合は注入に対するバリア性が乏しくなりがちで、効果が十分でない場合がある。一方、15μmより厚い場合は繰り返し使用による残留電位の上昇を招く懸念がある。
ベーマイト処理は、90℃〜100℃の純水中に5分〜60分間浸漬するか、90℃〜120℃の加熱水蒸気に5分〜60分間接触させることにより行うことができる。形成する被膜の膜厚としては0.1μm〜5μmが好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩などの皮膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
<下引き層>
図1〜図3の例では、高画質を維持するために下引き層13を設けている。ただし、本発明において、当該下引き層は必須の構成ではない。特に、酸性溶液処理、ベーマイト処理を行った導電性支持体は、表面の欠陥隠蔽力が不十分となり易いため、下引き層を形成することが好ましい。
下引き層13は、帯電時において、導電性支持体11から感光層12への電荷の注入を阻止するとともに、感光層12を導電性支持体に対して一体的に接着保持せしめる接着層としての作用、あるいは場合によっては導電性支持体の光の反射防止作用等を付加させることができる。非干渉光を光源に用いる場合には、干渉縞防止の粗面化は特に必要なく、基材の表面の凹凸による欠陥の発生が防げるため、より長寿命化に適する。
下引き層の形成に用いられる材料としては、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムカップリング剤などの有機ジルコニウム化合物;チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタネートカップリング剤などの有機チタン化合物;アルミニウムキレート化合物、アルミニウムカップリング剤などの有機アルミニウム化合物;アンチモンアルコキシド化合物、ゲルマニウムアルコキシド化合物、インジウムアルコキシド化合物、インジウムキレート化合物、マンガンアルコキシド化合物、マンガンキレート化合物、スズアルコキシド化合物、スズキレート化合物、アルミニウムシリコンアルコキシド化合物、アルミニウムチタンアルコキシド化合物、アルミニウムジルコニウムアルコキシド化合物、などの有機金属化合物;が挙げられ、特に有機ジルコニウム化合物、有機チタニル化合物、有機アルミニウム化合物は残留電位が低く良好な電子写真特性を示すため、好ましく使用される。
また、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス2メトキシエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−2−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、β−3,4−エポキシシクロヘキシルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤を含有させて使用することができる。
さらに、従来から下引き層に用いられているポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリイミド、カゼイン、ゼラチン、ポリエチレン、ポリエステル、フェノール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリウレタン、ポリグルタミン酸、ポリアクリル酸等の公知の結着樹脂を用いることもできる。
これらの混合割合は、必要に応じて適宜設定することができる。また、下引き層中には電子輸送性顔料を混合乃至分散して使用することもできる。
電子輸送性顔料としては、特開昭47−30330号公報に記載のペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料等の有機顔料や、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、ハロゲン原子等の電子吸引性の置換基を有するビスアゾ顔料やフタロシアニン顔料等の有機顔料、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機顔料が挙げられる。これらの顔料の中では、ペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料と多環キノン顔料、酸化亜鉛、および酸化チタンが、電子移動性が高いので好ましく使用される。また、これらの顔料の表面は、分散性、電荷輸送性を制御する目的で上記カップリング剤や、バインダーなどで表面処理してもよい。
電子輸送性顔料は多すぎると下引き層の強度が低下し、塗膜欠陥を生じるおそれがあるため、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下で使用される。混合/分散方法は、ボールミル、ロールミル、サンドミル、アトライター、超音波等を用いる常法が適用される。混合/分散は有機溶剤中で行われるが、用いる有機溶剤としては、有機金属化合物や樹脂を溶解し、また、電子輸送性顔料を混合/分散したときにゲル化や凝集を起こさないものであれば如何なるものでも使用できる。例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
下引き層の厚みは、一般的には0.1μm〜30μm、好ましくは0.2μm〜25μmが適当である。また、下引き層を設ける際の塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を挙げることができる。塗布したものを乾燥させて下引き層を得るが、通常乾燥は、溶剤を蒸発させ、成膜可能な温度で行われる。
<感光層>
感光層12,12’,12”は、図1や図2に示すような機能分離された電荷発生層14および電荷輸送層15や、図3に示すような単層型感光層17が適宜形成されてなるものである。
以下、これら各層ごとに説明する。
(電荷発生層)
電荷発生層14は、主として電荷発生材料と結着樹脂とから形成される。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料、ジブロモアントアントロンなどの縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、ピロロピロール顔料、フタロシアニン顔料等の有機顔料や、三方晶セレン、酸化亜鉛などの無機顔料など既知のもの全て使用することができるが、特に380nm〜500nmの露光波長を用いる場合には無機顔料が好ましく、700nm〜800nmの露光波長を用いる場合には、金属および無金属フタロシアニン顔料が好ましい。その中でも、特開平5−263007号公報および特開平5−279591号公報に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン、特開平5−98181号公報に開示されたクロロガリウムフタロシアニン、特開平5−140472号公報および特開平5−140473号公報に開示されたジクロロスズフタロシアニン、特開平4−189873号公報および特開平5−43813号公報に開示されたチタニルフタロシアニンが特に好ましい。
結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択することができる。また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシランなどの有機光導電性ポリマーから選択することもできる。好ましい結着樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
電荷発生材料と結着樹脂の配合比(質量比)としては、10:1〜1:10の範囲が好ましい。またこれらを分散させる方法としては、ボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の通常の方法を用いることができるが、この際、分散によって結晶型が変化しないことが望ましい。さらにこの分散の際、粒子を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、さらに好ましくは0.15μm以下の粒子サイズにすることが有効である。
これらの分散に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
電荷発生層14の厚みとしては、一般的には0.1μm〜5μmの範囲が好ましく、0.2〜2μmの範囲がより好ましい。電荷発生層を設ける際の塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を挙げることができる。
(電荷輸送層)
電荷輸送層15は、主として電荷輸送材料と結着樹脂とから形成されるか、あるいは高分子電荷輸送材により形成される。
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物;トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物などの正孔輸送性化合物;が挙げられる。
これらの電荷輸送材料は、単独または2種以上混合して用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、電荷輸送材料としては、電荷移動度の観点から、以下の構造A〜Cのものが好ましい。
・構造A
Figure 2008233165
(上記式中、R10は、水素原子またはメチル基を表す。また、n9は1または2を示す。Ar1およびAr2は置換または未置換のアリール基を表し、置換基としてはハロゲン原子、炭素数が1〜5の範囲のアルキル基、炭素数が1〜5の範囲のアルコキシ基、または炭素数が1〜3の範囲のアルキル基で置換された置換アミノ基から選択される。)
・構造B
Figure 2008233165
(上記式中、R11およびR11'は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基を表し、R12、R12'、R13、R13'は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜2のアルキル基で置換されたアミノ基、置換または未置換のアリール基、あるいは、−C(R14)=C(R15)(R16)を表し、R14、R15、R16は同一でも異なってもよく、水素原子、置換または未置換のアルキル基、置換または未置換のアリール基を表す。m3およびn11は0〜2の整数を示す。)
・構造C
Figure 2008233165
(上記式中R17は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、置換または未置換のアリール基、または、―CH=CH―CH=C(Ar)2を表す。Arは、置換または未置換のアリール基を表す。R18、R19は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜2のアルキル基で置換されたアミノ基、置換または未置換のアリール基を表す。)
電荷輸送層に用いる結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂等の各樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン、特開平8−176293号公報や特開平8−208820号公報に開示されているポリエステル系高分子電荷輸送材など高分子電荷輸送材を用いることもできる。
これらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。電荷輸送材料と結着樹脂との配合比(質量比)としては10:1〜1:5の範囲内が好ましい。
また、高分子電荷輸送材を単独で用いることもできる。高分子電荷輸送材としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシランなどの電荷輸送性を有する公知のものを用いることができる。中でも、特開平8−176293号公報や特開平8−208820号公報に示されているポリエステル系高分子電荷輸送材は、高い電荷輸送性を有しており、特に好ましいものである。高分子電荷輸送材はそれだけでも電荷輸送層として使用可能であるが、上記結着樹脂と混合して成膜してもよい。
電荷輸送層15の形成は、電荷輸送材料および結着樹脂(高分子電荷輸送材を単独で用いる場合には結着樹脂は含めなくてもよい。)等を適当な溶剤に分散した塗布液を用いて行うことができる。
電荷輸送層15の厚みとしては、一般的には5μm〜50μm程度が好ましく、10μm〜30μmがより好ましい。電荷輸送層を設ける際の塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を挙げることができる。
なお、表面保護層の項で後述する「電荷輸送性を有し、架橋構造を有するシロキサン系樹脂やフェノール系樹脂」は、優れた機械的強度を有する上に光電特性も十分であるため、これをそのまま感光層12の電荷輸送層として用いることもできる。その場合もこれを適当な溶剤に分散した塗布液を調製し、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法で塗布することで電荷輸送層を形成することができる。ただし、1回の塗布により必要な膜厚が得られない場合、複数回重ね塗布することにより必要な膜厚を得ることができる。複数回の重ね塗布を行う場合、加熱処理は塗布の度に行ってもよいし、複数回重ね塗布した後に纏めて行ってもよい。
電荷輸送層15を設ける際に用いる溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロンゲン化脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル類;等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
(単層型感光層)
図3に示すような単層型感光層17は、前記の電荷発生材料および結着樹脂を含有して形成される。結着樹脂としては、前記電荷発生層および前記電荷輸送層に用いられる結着樹脂と同様のものを用いることができる。単層型感光層17中の電荷発生材料の含有量は、単層型感光層の全固形分の10質量%〜85質量%程度が好ましく、20質量%〜50質量%程度がより好ましい。
単層型感光層17には、必要に応じて光電特性を改善する等の目的で前述の電荷輸送材料や高分子電荷輸送物質を添加してもよい。その添加量は、単層型感光層の全固形分の5質量%〜50質量%とすることが好ましい。
単層型感光層17は、電荷発生材料と結着樹脂と、さらに必要に応じて電荷輸送材料や高分子電荷輸送物質と、その他の添加剤と、を適当な溶剤に溶解、分散した塗布液を調製し、該塗布液を導電性支持体上に塗布した後、加熱乾燥することにより形成することができる。
塗布に用いる溶剤や塗布方法は、電荷発生層や電荷輸送層のところで述べたものと同様のものを用いることができる。単層型感光層17の膜厚は5μm〜50μm程度が好ましく、10μm〜40μm程度とするのがより好ましい。
(感光層全般)
画像形成装置の内部で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは光、熱による電子写真感光体の劣化を防止する目的で、感光層(電荷発生層および電荷輸送層のいずれかまたは両方の層、並びに、単層型感光層。以下、単に「感光層」と表記した場合に同様。)中に酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の添加剤を添加することができる。
酸化防止剤としては、公知のものを用いることができ、例えば、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等が挙げられる。光安定剤としては、公知のものを用いることができ、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチルピペリジン等の誘導体が挙げられる。熱安定剤としては、公知のものを用いることができる。
また、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として、少なくとも1種の電子受容性物質を含有させることができる。本発明の電子写真感光体に使用可能な電子受容物質としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸等を挙げることができる。これらの内、フルオレノン系、キノン系やCl-、CN-、NO2 -等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特に好ましい。
<表面保護層>
表面保護層16としては、バインダー樹脂中に導電性微粒子を分散したもの、通常の電荷輸送材料にフッ素樹脂、アクリル樹脂などの潤滑性微粒子を分散させたもの、あるいはシリコ−ン樹脂やアクリル樹脂などのハードコート剤等を使用することができるが、強度、電気特性、画質維持性などの観点から、架橋構造を有するものが好まく、さらに電荷輸送材料を含むものがより好ましい。架橋構造を形成するものとしては、種々の材料を用いることが出来るが、特性上フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、シロキサン系樹脂などが好ましく、特に架橋性のフェノール系樹脂からなるものが好ましい。
表面保護層16を架橋性のフェノール系樹脂によって形成することで、電気的・機械的ストレスに強く、高画質を維持できる電子写真感光体を得ることができる。また、後述するように本発明に特徴的な表面保護層の表面形状であるため、架橋性のフェノール系樹脂の如く耐磨耗性の高い表面保護層を用いた場合でも、濃度ムラなどの画質欠陥を抑えて高画質を維持し、電子写真感光体としての信頼性を高め、長寿命化を図ることができる。
表面保護層16の形成に使用可能な架橋性のフェノール系樹脂としては、下記一般式(I)〜(V)で表される化合物を用いたものであることが強度、安定性の点で特に好ましい。
F−((X1n1−Z1H)m ・・・一般式(I)
[一般式(I)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導されるm価の有機基を表し、R1はアルキレン基を表し、Z1は酸素原子、硫黄原子、NHまたはCO2を表し、X1は酸素または硫黄を表す。また、mは1〜4の整数を示し、nは0または1を示す。]
F−[(X2n1−(R2n2−(Z2n3G]n4 ・・・一般式(II)
[一般式(II)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導されるn4価の有機基を表し、X2は酸素原子または硫黄原子を表し、R2はアルキレン基を表し、Z2はアルキレン基、酸素原子、硫黄原子、NHまたはCOOを表し、Gはエポキシ基を表す。また、n1、n2およびn3はそれぞれ独立に0または1を示し、n4は1〜4の整数を示す。]
Figure 2008233165
[一般式(III)中、Fは正孔輸送性を有する化合物から誘導されるn5価の有機基を表し、Tは2価の基を表し、Yは酸素原子または硫黄原子を表し、R3、R4およびR5はそれぞれ独立に水素原子または1価の有機基を表し、R6は1価の有機基を表す。但し、R5とR6とは互いに結合してYをヘテロ原子とする複素環を形成してもよい。また、m1は0または1を示し、n5は1〜4の整数を示す。]
Figure 2008233165
[一般式(IV)中、Fは正孔輸送性を有する化合物から誘導されるn6価の有機基を表し、T2は2価の基を表し、R7は1価の有機基を表す。また、m2は0または1を示し、n6は1〜4の整数を示す。]
Figure 2008233165
[一般式(V)中、Fは正孔輸送性を有する化合物から誘導されるn7価の有機基を表し、Lはアルキレン基を表し、R8は1価の有機基を表す。また、n7は1〜4の整数を示す。]
以上挙げた化合物を用いて得られる樹脂を電子写真感光体の表面保護層16に含有せしめることで、電子写真感光体の電子写真特性、機械的強度、耐電特性等をより高めることができる。さらに、当該化合物は下記一般式(VI)で示される化合物であることが好ましい。
Figure 2008233165
[上記一般式(VI)中、Ar3〜Ar6は同一でも異なっていてもよく、それぞれ置換または未置換のアリール基を表し、Ar7は置換または未置換のアリール基またはアリーレン基を表し、c1〜C4はそれぞれ独立に0または1を表し、kは0または1を表し、Dで表される基は下記式(VII)〜(XI)から選択され、Dの総数は1〜4である]
−(X1n1−Z1H ・・・(VII)
−(X2n1−(R2n2−(Z2n3G ・・・(VIII)
Figure 2008233165
Figure 2008233165
−L−O−R8 ・・・(XI)
[上記式(VII)〜(XI)中の各記号は、それぞれ式(I)〜(V)中の各記号と同一である。]
また、上記一般式(VI)中のAr3〜Ar6としては、それぞれ独立に下記式(1)〜(7)のうちのいずれかであることが好ましい。
Figure 2008233165
−Ar−Z’s−Ar−(D)c ・・・(7)
[上記式(1)〜(7)中、R20は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、もしくは炭素数7〜10のアラルキル基からなる群より選ばれるいずれかの基を表し、R21〜R23はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基、または、ハロゲン原子からなる群より選ばれるいずれかの基を表し、Arは置換または未置換のアリーレン基を表し、Z’は2価の基を表し、Dは前記式(VII)〜(XI)から選択され、cおよびsはそれぞれ0または1を表し、tは1〜3の整数を表す。]
ここで、式(7)中のArとしては、下記式(8)または(9)で表されるものが好ましい。
Figure 2008233165
[上記式(8)、(9)中、R24およびR25はそれぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基、および、ハロゲン原子からなる群より選ばれるいずれかの基を表し、t1およびt2はそれぞれ1〜3の整数を表す。]
また、式(7)中のZ’としては、下記式(10)〜(18)のうちのいずれかで表されるものが好ましい。
−(CH2q− ・・・(10)
−(CH2CH2O)r− ・・・(11)
Figure 2008233165
[上記式(10)〜(17)中、R26およびR27はそれぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基、および、ハロゲン原子からなる群より選ばれるいずれかの基を表し、Wは2価の基を表し、qおよびrはそれぞれ1〜10の整数を表し、t3およびt4はそれぞれ1〜3の整数を表す。]
上記式(16)、(17)中のWとしては、下記式(18)〜(26)で表される2価の基の内のいずれかであることが好ましい。
−CH2− ・・・(18)
−C(CH32− ・・・(19)
−O− ・・・(20)
−S− ・・・(21)
−C(CF32− ・・・(22)
−Si(CH32− ・・・(23)
Figure 2008233165
[上記式(25)中、uは0〜3の整数を表す]
また、一般式(VI)中、Ar5は、kが0の場合はAr1〜Ar4の説明で例示したアリール基であり、kが1の場合は当該アリール基から所定の水素原子を除いたアリーレン基である。
以上説明した表面保護層16を形成し得る一般式(I)〜一般式(V)で表される架橋性のフェノール系樹脂の化合物の具体例を下記表1〜表50に纏めて列挙する。なお、下記表中の各構造式に付された符号の内、前のローマ数字は、それぞれ一般式(I)〜一般式(V)のいずれの具体例であるかを示すものである。また、結合手が記載されているが置換基が記載されていないものおよびMeはメチル基を表し、Etはエチル基を表す。
Figure 2008233165
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表面保護層16には、さらに、成膜性、膜の可とう性、潤滑性、接着性を調整するなどの目的から、他のカップリング剤やフッ素化合物と混合して用いてもよい。このような化合物として、各種シランカップリング剤、および市販のシリコーン系ハードコート剤を用いることができる。
シランカップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、等を用いることができる。
市販のハードコート剤としては、KP−85、X−40−9740、X−40−2239(以上、信越シリコーン社製)、AY42−440、AY42−441、AY49−208(以上、東レダウコーニング社製)等を用いることができる。
また、撥水性等の付与のために、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトシキシラン、等の含フッ素化合物を加えてもよい。
シランカップリング剤は任意の量で使用することができるが、含フッ素化合物の量は、フッ素を含まない化合物に対して質量基準で0.25倍以下とすることが望ましい。この使用量を超えると、架橋膜の成膜性に問題が生じる場合がある。
また、放電ガス耐性、機械的強度、耐傷性、粒子分散性、粘度コントロール、トルク低減、磨耗量コントロール、ポットライフの延長などの目的で、アルコール系溶剤に溶解する樹脂を表面保護層16に加えることもできる。アルコール系溶剤に可溶な樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールやアセトアセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルアセタール樹脂などのポリビニルアセタール樹脂(例えば積水化学社製エスレックB、K等)や、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルフェノール樹脂などが挙げられる。特に、電気特性の点でポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂が好ましい。
当該樹脂の粘度平均分子量としては、2,000〜100,000の範囲が好ましく、5,000〜50,000の範囲がより好ましい。樹脂の粘度平均分子量が2,000未満であると樹脂の添加による効果が不十分になる場合があり、一方、100,000を超えると溶解度が低下して添加量が制限され、さらには塗布時に成膜不良を招く傾向にある。
また、当該樹脂の添加量としては、表面保護層を構成する全構成成分(溶剤を除く、一般に「固形分」と称されるもの。以下この表現の場合に同様。)中1質量%〜40質量%の範囲が好ましく、1質量%〜30質量%の範囲がより好ましく、5質量%〜20質量%の範囲がさらに好ましい。当該樹脂の添加量が1質量%未満であると当該樹脂の添加による効果が不十分となる場合があり、一方、40質量%を超えると高温高湿下での画像ボケが発生しやすくなる。
表面保護層の形成は、これらの成分を含有する表面保護層用塗布液を調製して、これを塗布することにより行う。かかる表面保護層用塗布液の調製は、無溶媒で行うか、必要に応じてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類等の溶剤を用いて行うことができる。かかる溶剤は1種を単独でまたは2種以上を混合して使用可能であるが、好ましくは沸点が100℃以下のものである。溶剤量は任意に設定できるが、少な過ぎると構成成分(特に、前記一般式(I)〜(V)で表される化合物)が析出しやすくなるため、析出しない範囲で適宜調整することが望ましい。構成成分に一般式(I)〜(V)で表される化合物を含む場合には、該化合物1質量部に対して0.5質量部〜30質量部の範囲で使用することが好ましく、1質量部〜20質量部の範囲で使用することがより好ましい。
また、上記成分を反応させて塗布液を得るときには、単純に混合、溶解させるだけでもよいが、室温〜100℃、好ましくは、30℃〜80℃で10分〜100時間、好ましくは1時間〜50時間加温してもよい。また、この際に超音波を照射することも好ましい。これにより、部分的な反応が進行するものと推測され、塗布液の均一性が高まり、塗膜欠陥のない均一な膜が得られやすくなる。
表面保護層16には、帯電器で発生するオゾン等の酸化性ガスによる劣化を防止する目的で、酸化防止剤を添加することが好ましい。電子写真感光体表面の機械的強度が高められて電子写真感光体そのものが長寿命になると、電子写真感光体が酸化性ガスに長い時間接触することになるため、従来より強い酸化耐性が要求される。
使用可能な酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系あるいはヒンダードアミン系の酸化防止剤が望ましく、有機イオウ系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系酸化防止剤、チオウレア系酸化防止剤、ベンズイミダゾール系酸化防止剤、などの公知の酸化防止剤を用いてもよい。酸化防止剤の添加量としては、表面保護層を構成する全構成成分中20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマイド、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、2−t−ブチル−6−(3−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。
さらに、電子写真感光体表面の耐汚染物付着性、潤滑性を改善するために、表面保護層16に各種微粒子を添加することもできる。表面保護層16に添加し得る微粒子の一例として、ケイ素含有微粒子を挙げることができる。ケイ素含有微粒子とは、構成元素にケイ素を含む微粒子であり、具体的には、コロイダルシリカおよびシリコーン微粒子等が挙げられる。
ケイ素含有微粒子として用いられるコロイダルシリカは、個数平均粒径1nm〜100nm、好ましくは10nm〜30nmのシリカを、酸性もしくはアルカリ性の水分散液、あるいはアルコール、ケトン、エステル等の有機溶媒中に分散させたものからなる群より選ばれ、一般に市販されているものを使用することができる。添加する場合の表面保護層中のコロイダルシリカの固形分含有量としては、特に限定されるものではないが、成膜性、電気特性、強度の面から、表面保護層の全構成成分中、0.1質量%〜50質量%の範囲が好ましく0.1質量%〜30質量%の範囲がより好ましい。
ケイ素含有微粒子として用いられるシリコーン微粒子は、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子、シリコーン表面処理シリカ粒子からなる群より選ばれ、一般に市販されているものを使用することができる。これらのシリコーン微粒子は球状で、その個数平均粒径は好ましくは1nm〜500nm、より好ましくは10nm〜100nmである。シリコーン微粒子は、化学的に不活性で、樹脂への分散性に優れる小径粒子であり、十分な特性を得るために必要とされる含有量が低いため、架橋反応を阻害することがほとんどなく電子写真感光体の表面性状を改質することができる。すなわち、強固な架橋構造中に均一に取り込まれた状態で、電子写真感光体表面の潤滑性、撥水性を向上させ、長期間にわたって良好な耐磨耗性、耐汚染物付着性を維持することができる。表面保護層中のシリコーン微粒子の含有量は、表面保護層の全構成成分中、好ましくは0.1質量%〜30質量%、より好ましくは0.5質量%〜10質量%である。
表面保護層16に添加し得るその他の微粒子としては、四フッ化エチレン、三フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のフッ素系微粒子や“第8回ポリマー材料フォーラム講演予稿集 p.89”に示されるような、フッ素樹脂と水酸基を有するモノマーとを共重合させた樹脂からなる微粒子、ZnO−Al23、SnO2−Sb23、In23−SnO2、ZnO2−TiO2、ZnO−TiO2、MgO−Al23、FeO−TiO2、TiO2、SnO2、In23、ZnO、MgO等の半導電性金属酸化物が挙げられる。
表面保護層16には、同様の目的でシリコーンオイル等のオイルを添加することもできる。シリコーンオイルとしては、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のシリコーンオイル;アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン等の反応性シリコーンオイル;ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ジメチルシクロシロキサン類;1,3,5−トリメチル−1.3.5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン等の環状メチルフェニルシクロシロキサン類;ヘキサフェニルシクロトリシロキサン等の環状フェニルシクロシロキサン類;3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン等のフッ素含有シクロシロキサン類;メチルヒドロシロキサン混合物、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、フェニルヒドロシクロシロキサン等のヒドロシリル基含有シクロシロキサン類;ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサン等のビニル基含有シクロシロキサン類;等が挙げられる。
また、表面保護層16に表面処理された金属酸化物を添加することもできる。添加可能な金属酸化物としては、公知のものを挙げることが出来るが、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化亜鉛が好ましく、電気伝導性の観点から酸化錫、酸化亜鉛がより好ましい。前記金属酸化物はその他の元素が少量ドープされていてもよい。例えば、ストロンチウムをドープした酸化錫や、アルミニウムをドープした酸化亜鉛等が挙げられる。
前記金属酸化物の粉体抵抗値としては、1Ω・cm〜1×107Ω・cmの範囲が好ましく、10Ω・cm〜105Ω・cmがより好ましい。粉体抵抗が1Ω・cm未満であると表面保護層の抵抗値が低くなり過ぎて高温高湿下で画像流れが発生する懸念があり、逆に1×107Ω・cmを超えると電気特性が悪化する懸念がある。
前記金属酸化物の数平均粒径としては、10nm〜100nmの範囲が好ましく、30nm〜80nmがより好ましい。数平均粒径が10nm未満であると表面積が大きくなり過ぎ分散性が悪化する場合があり、数平均粒径が100nmを超えると、表面保護層内で金属酸化物とバインダー、電荷輸送剤成分が不均一になり、透明性が損なわれる可能性がある。
前記金属酸化物は、スルホン酸エステル基を持った加水分解性の有機ケイ素化合物、またはチオール基を有する有機ケイ素化合物、もしくはスルフィド基を有する有機ケイ素化合物のうち少なくとも1種類で表面処理されたものであることが好ましい。
表面保護層16には、感光層の項で説明したその他の各種添加剤、例えば、光安定剤、熱安定剤等を添加することができる。具体的に添加可能な添加剤の例や好ましい例は、感光層の項で説明したものと同様である。
さらに、フッ素系樹脂を含有する水性分散液で表面保護層16を処理すると、ブレードクリーナーを備えた画像形成装置における感光体の更なる回転トルク低減が図れるとともに転写効率の向上も図れるため好ましい。
<表面保護層の表面状態>
本発明の電子写真感光体は、その最表面の表面形状(すなわち、表面保護層16の表面状態)が、カットオフ値λc=0.1mmでうねり面と粗さ面とに分離した場合の、うねり面の算術平均うねりWaが15nm以下で、かつ、うねり面の最大断面高さWtが50nm〜250nmであることを特徴とする。
カットオフ値λc=0.1mmでうねり面と粗さ面とに分離するのは、0.1mm以下の小さな表面の凹凸(粗さ)ではなく、0.1mmを超える大きな表面の凹凸(うねり)を適切に制御することが、初期乃至耐久使用後の濃度ムラ等の画質欠陥の改善に有効であることを見出したことによる。
本発明によれば、上記のような表面形状を有する電子写真感光体とすることにより、機械的強度の高い表面保護層を備えていることから長寿命でありながら、感光層と表面保護層との干渉を抑制することができ、濃度ムラなどの画質欠陥の発生を抑制して高画質を維持することが可能になる。
また、本発明の電子写真感光体を用いることで、クリーニング手段におけるブレードクリーナーや転写工程での転写ベルトとの摩擦係数を低減することができるため、電子写真感光体の回転がスムーズになり、バンディングなどの画質欠陥を防止できる。さらにまた、駆動モーターにかかる負荷が低減でき、低消費電力化をも期待することができる。
うねり面の算術平均うねりWaが15nmより大きくなると転写ムラにより濃度ムラが生じやすくなる。一方、うねり面の最大断面高さWtが50nmより小さくなると表面保護層と感光層との間で露光光が干渉を起こして、微小な濃度ムラが発生する場合があり、250nmより大きくなると電子写真感光体表面に傷が生じやすくなる。
本発明の電子写真感光体の表面形状としては、前記うねり面の算術平均うねりWaとしては12nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましい。また、前記うねり面の算術平均うねりWaの下限としては、特に制限はなく、低ければ低いほどよい。一方、前記うねり面の最大断面高さWtの上限としては180nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましい。また、前記うねり面の最大断面高さWtの下限としては、60nm以上であることが好ましく、70nm以上であることがより好ましい。
この表面凹凸の概念は、JIS B0601(2001)「製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語、定義及び表面性状パラメータ」に準拠するものとする。すなわち、本発明において「うねり面の算術平均うねりWa」とは、JIS B0601(2001)に言う「輪郭曲線の算術平均うねりWa」を指し、本発明において「うねり面の最大断面高さWt」とは、JIS B0601(2001)に言う「輪郭曲線の最大断面高さWt」を指す。このとき、カットオフ値λf=1mmとする。
実際の測定方法としては、特に制限されるものでは無く、JISの基準に準拠した測定装置を用いることにより容易に測定することができる。具体的には例えば、マイクロマップ5500(菱化システム社製)等の市販の装置を用いて測定することができる。
測定に際し、例えば、円筒状の電子写真感光体においては、その軸方向の中央、並びに両端周辺部(例えば、感光体として使用する領域の縁端から2cm〜8cm)について、それぞれ周方向に90°の中心角で4箇所、計12箇所測定し、その平均値を以ってWaやWtの値とすればよい。測定箇所や測定数について特に制限はないが、上記12箇所について測定することで、測定誤差の少ない値を求めることができる。
<表面保護層の表面状態の制御>
上記表面形状の電子写真感光体表面を形成するには、形成された表面保護層表面に事後的に何らかの模様を付す(研磨を含む。)か、表面保護層の表面が上記表面形状になるように制御して塗膜を形成する(下層や導電性支持体の表面を制御することを含む。)等、いずれに方法によっても構わない。電子写真感光体表面を精密に制御できる点で、形成された表面保護層表面に事後的に何らかの模様を付すことが好ましく、規則的な模様を付す場合に比して簡便な点で、表面保護層表面を研磨することで所望の表面状態にすることが最も好ましい。
電子写真感光体の最表面を研磨する方法としては、特に制限はなく、従来公知の研磨方法を採用することができる。例えば、湿式ホーニング法、ショットブラスト、バフ研磨、レーザーショット、バレル研磨、サンドペーパーやラッピングテープによる研磨等、いずれの研磨方法であっても本発明に規定する表面形状を得られる方法であれば問題なく採用することができる。
電子写真感光体の最表面の研磨量としては、既述の表面形状になるように調整されればよく特に制限は無いが、超寿命を達成させる観点から、0.1μm〜0.8μmの範囲内であることが好ましく、0.2μm〜0.4μmの範囲内であることがより好ましい。
以下に、本発明に好適な研磨装置および研磨方法について例を挙げ、図面を用いて詳細に説明する。
図4は、本発明に好適な研磨装置の例示的一態様を示す概略構成図であり、当該研磨装置と共に電子写真感光体も描かれている(他の各種構成は省略されている。)。一方、図5は図4のA−A矢視断面図である。図4および図5において、18は研磨装置であり、感光体(電子写真感光体)1の周面(表面)における感光層および表面保護層が形成された領域を研磨することができるように構成されている。
回転する軸に取り付けられた感光体1は、ワークホルダー2に保持される。ワークホルダー2は不図示のエアーシリンダーによりワークである感光体1をチャックするように構成される。感光体1の保持にはエアーピッカーを用いたチャック方式の保持機構を併用する事も可能である。ワークホルダー2によって保持された感光体1は、矢印D方向に回転する。なお、図4および図5において、感光体1の周面と研磨装置18(詳しくは研磨テープ3)とは離間しているが、研磨に際しては、感光体1はワークホルダー2に固定されていて、研磨テープ3側が矢印E方向に移動し、両者が接触するようになっている。そして、バックアップロール7が研磨テープ3を介して感光体1の周面に所定の圧力で付勢される。
研磨装置18は、研磨テープ3により感光体1の周面を研磨できるようになっている。研磨テープ3は、研磨テープ供給スプール4にロール状にセットされ、ここから矢印B方向に引き出され、テンションロール5およびガイドロール6を経由し、バックアップロール7によって感光体1表面に当接させて感光体1の表面を研磨処理する。研磨する際、バックアップロール7は、感光体1の長手方向(両矢印C方向)に微小往復運動(オシレーション)をしながら長手方向いっぱいに移動し研磨を行う。研磨済みの研磨テープ3は、ガイドロール8およびテンションロール9を経由し、回収スプール10の設定スピードで矢印B方向に巻き取られる。
研磨テープ3としては、市販の物を使用可能であり、ラッピングテープと呼ばれる物を用いることが好ましく、砥粒種としては酸化アルミニウム/シリコンカーバイト/酸化クロム/ダイヤモンド等が用いられる。砥粒の粒度としては、0.3μm〜30μm程度の範囲から選択することが望ましい。当該ラッピングテープの代表例としては、住友スリーエム社製のラッピングフィルム(<インペリアル>ラッピングフィルム、<インペリアル>ダイヤモンドラッピングフィルム)が挙げられる。
以下、当該研磨装置ならびに研磨方法における本発明者らの検討による最適条件について説明するが、本発明は当該条件に限定されるものでは無く、その他の各種条件(例えば、電子写真感光体の大きさ、層構成、表面保護層の材質、導電性支持体の材質や肉厚等)に応じて、本発明者らの検討による最適条件を参考に適宜最適な条件を設定することが望ましい。
前提条件は以下の通りである。
・導電性支持体の材質:アルミニウム
・導電性支持体の大きさ:30mmφ×長さ404mm×肉厚1mm
・感光層の層構成:図2に示す構成
・表面保護層:フェノール系樹脂硬化膜、膜厚5μm
以上の前提条件下、以下の研磨条件で研磨することが望ましい。
ワークホルダー2に保持された感光体1の矢印D方向への回転スピードは、研磨テープ3の矢印B方向への移動を考慮して、研磨テープ3に対する相対速度として500rpmから2000rpmの範囲にすることが好ましい。したがって、研磨テープ3の送りスピードや生産性等の研磨状態全体から適時設定することが望ましい。
感光体1の回転方向は、研磨紛や研磨欠落突起の噛み込みを防止する観点から、図4や図5で示したとおり研磨テープ3の移動方向(矢印B方向)と従動方向(矢印D方向)とすることが望ましい。研磨装置18全体を逆向きに設置してバックアップロール7を研磨テープ3を介して感光体1に当接させるか、感光体1自体の逆回転に回転させるかによって、感光体1の回転方向の選択が可能になる。
研磨テープ3の送り速度(矢印B方向への進行速度)は、1〜200mm/minの範囲が好ましく、砥粒や砥粒の結着樹脂が感光体1表面に付着しないように研磨テープ3のトラバース速度(両矢印Cのいずれかの方向(感光体1の長手方向)へのバックアップロール7の移動速度)と感光体1の回転速度から総合的に決定することが望ましい。また、研磨テープ3のトラバース速度としては、5〜4000mm/minの範囲で設定することが好適である。
バックアップロール7としては、通常弾性体を使用するこが多く、JIS K6253(1997)に規定されている測定方法にて測定されるタイプAデュロメータ硬さA10〜A80の範囲のものを使用する事が可能であり、両矢印C方向の微小往復運動(オシレーション)を50〜1500往復/minの範囲に設定することがが望ましい。バックアップロール7による感光体1への付勢(加圧)の方法としては、エアーシリンダーを用いエアー圧力0.1MPa〜10MPa程度に設定することが望ましいが、上記研磨テープ3の送り速度、研磨テープの砥粒の粒度、感光体1の回転スピード等の各種パラメーターとの関係で異常傷が生じ難く、所望とする研磨度合いとなるように適時設定することが望ましい。バックアップロール7に硬度が高いものを使用すると、バックアップロールの当て込み量等により磨耗均一性を調整するのが難しく偏磨耗を発生させる懸念がある為、上記範囲で且つその他のパラメーターから、偏磨耗や異常傷の発生を抑制し得るように適宜調整することが望ましい。
[電子写真プロセスカートリッジ]
電子写真プロセスカートリッジ(以下、単に「プロセスカートリッジ」という場合がある。)とは、画像形成装置の消耗部品を適時交換する目的で、画像形成装置の構成部品のいくつかをカートリッジに組み込み、容易に交換作業を行えるようにしたものである。プロセスカートリッジは、画像形成装置の中に装着された状態で取引される他、交換部品あるいは補修部品として、単体でも取引されている。
プロセスカートリッジに組み込まれ得る構成部品としては、一般に、帯電手段、露光手段、現像手段、およびクリーニング手段が挙げられ、さらに転写手段や定着手段を含めることもでき、これらをプロセスカートリッジの使い勝手やその目的に応じて任意に組み合わせることができる。
本発明のプロセスカートリッジは、少なくとも電子写真感光体と、上記構成部品のいずれか、あるいは任意の組み合わせと、を含み、かつ、該電子写真感光体が前記本発明の電子写真感光体であることが特徴となる。プロセスカートリッジに組み込まれ得る電子写真感光体以外の構成部品については、特に制限は無く、従来公知の物が問題無く採用され得る。詳しくは、次項[本発明の画像形成装置]にて説明する。
[本発明の画像形成装置]
本発明の電子写真感光体を搭載する画像形成装置としては、電子写真法によるものであれば如何なるものでも構わないが、特にデジタル処理された画像信号に基づき露光を行う画像形成装置が好ましい。デジタル処理された画像信号に基づき露光を行う画像形成装置とは、レーザーまたはLED等の光源を用い、2値化またはパルス幅変調や強度変調を行い多値化された信号に従い露光を行う画像形成装置であり、例としてLEDプリンター、レーザープリンター、レーザー露光式デジタル複写機などを挙げることができる。
本発明の画像形成装置は、少なくとも、既述の本発明の電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、前記電子写真感光体の表面を像様に露光して潜像を形成する露光手段と、前記電子写真感光体の表面にトナーを供給することで前記潜像を現像する現像手段と、現像されたトナー像を被転写体に転写する転写手段とを含み、必要に応じて、被転写体に転写されたトナー像を定着する定着手段と、転写後の前記電子写真感光体表面の残存トナーを除去するクリーニング手段と、クリーニング後の前記電子写真感光体表面の残留電荷を除去する除電手段と、その他電子写真方式の各種手段乃至機構を備えてなるものである。
本発明の画像形成装置の一例を図6に模式的に示す。図6の画像形成装置はレーザープリンターであり、支持体29によって支持された円筒形の感光体ドラム(電子写真感光体)21の周りに、除電用光源(除電手段)である除電用LED22、帯電手段である帯電器23、露光手段である露光器24、現像手段である現像器25、転写手段である転写用接触帯電ロール26、および、クリーニング手段であるブレード式のクリーニング器27が、この順序で配置されている。また、転写用接触帯電ロール26によりトナー像が転写された用紙(被転写体)Pを定着するための定着手段である定着器28も備えられている。
本例においては、感光体ドラム21が本発明の電子写真感光体である。勿論、感光体ドラム21と、任意の構成部品と、を含み、かつ、該感光体ドラム21が前記本発明の電子写真感光体であるプロセスカートリッジを含む構成であっても構わない。
帯電器23は、帯電ロールを備える接触帯電方式の帯電装置である。なお、接触帯電方式により帯電を行う場合、感光体ドラム21へのストレスは大きくなるが、図6に示される画像形成装置では、既述の表面保護層を備える電子写真感光体が用いられており、優れた耐久性を得ることができる。なお、接触帯電方式の帯電器の代わりに、従来から公知のコロトロン、スコロトロンによる非接触方式の帯電器を用いることもできる。
露光器24としては、感光体ドラム21表面に、半導体レーザ、LED(light emitting diode)、液晶シャッター等の光源を所望の像様に露光できる光学系装置等を用いることができる。これらの中でも、非干渉光を露光可能な露光装置を用いると、感光体ドラム21の導電性支持体と感光層との間での干渉縞を抑制する効果があるため好ましい。
現像器25としては、一成分系、二成分系等の正規または反転現像剤を用いた、従来より公知の現像装置等を用いることができる。現像器25に収容する本発明の画像形成装置に好適なトナーについては、後に詳述する。
転写手段として、本例においてはロール型の接触型転写帯電器(転写用接触帯電ロール26)を用いているが、その他ベルト、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器であってもよいし、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等であってもよい。
本例のように、転写手段がロール状である場合、その硬度は適度な硬さが求められる。具体的にはアスカーC硬度で20〜50の範囲にあることが好ましく、さらに好ましくは25〜40の範囲である。また、感光体ドラム21への当接圧としては、9.8×10-2N/cm〜2.94×10-1N/cm(10〜30gf/cm)の範囲が好ましく、更に好ましくは1.47×10-1N/cm〜2.45×10-1N/cm(15〜25gf/cm)の範囲である。転写手段のロールの硬度、あるいは、感光体ドラム21との当接圧が適当な範囲から外れると、転写の際に適度な空隙が得られず、均一な放電が行われ難く、均一な転写が行われないことがある。
転写用接触帯電ロール26を用いてトナー像を例示の用紙PやOHPシートの如き転写材、あるいは中間転写体(本発明に言う「被転写体」とは、これら転写材や中間転写体を含む概念である。)へ転写するに際して、転写用接触帯電ロール26に定電流を印加する場合の当該印加電流は、直流電流が好ましく、その電流の大きさとしては10μA〜50μAが好ましく、15μA〜30μAがより好ましい。
本発明においてクリーニング手段としては、本例のクリーニング器27のようにゴムなどの弾性材料からなるクリーニングブレード27’を用い、その一方のエッジを感光体ドラム21表面に当接させて、表面に付着したトナー等の現像剤を除去する方法であってもよいが、導電性プラスチックを用いたブラシ等、その他公知のクリーニング方法を採用しても構わない。
定着器28としては、例示のようにロール等の像定着部材を備える2ロール型のものが好適なものとして挙げられるが、本発明においてその他の定着方式を採用しても勿論構わない。
(本発明の画像形成装置に好適なトナー)
現像器25に使用するトナーの形状は特に制限されず、例えば粉砕法による不定形トナーや化学重合法による球形トナーが問題なく使用可能であるが、特に球形化度の高いトナーを用いることが好適である。具体的にはトナーにおける下記式で表される平均形状係数SF1が、100〜150であるトナーが好適である。
SF1=(ML)2×π×100/(4A)
[上記式中、MLはトナーの投影像における最大長であり、Aはトナーの投影像の面積である。]
このような平均形状係数SF1のトナーは、本発明の電子写真感光体の表面のように適度に凹凸を有することで、電子写真感光体とクリーニングブレードとの間のすり抜けを防止することができるため、良好な画質を長期間維持することができる。この平均形状係数SF1としては、100〜140の範囲内であることがより好ましい。
なお、ここで測定するのは、トナーの樹脂粒子本体の部分であって、外添剤が付着している場合であっても、当該外添剤を添加する前のトナー粒子本体が測定対象となる。平均形状係数SF1を求めるのに必要となる数値、すなわちトナーの投影像における最大長MLおよびトナーの投影像の面積Aは、光学顕微鏡(例えば、ニコン社製、Microphto−FXA)を用いて倍率50倍に拡大したトナー像を撮影し、得られた画像情報について、インターフェイスを解して、画像解析装置(例えば、二レコ社製LUZEXIII)に導入して画像解析を行って求めることができる。トナーが真球の場合、この平均形状係数SF1は100となる。
本発明において「トナーの形状係数SF1」は、基本的には全トナーの平均値を意味するが、実際には、無作為にサンプリングした100個のトナーを測定して得た平均値を代用している。
かかる平均形状係数SF1のトナーは、例えば結着樹脂、着色剤および離型剤と、必要に応じて帯電制御剤等の添加剤とを混練、粉砕、分級する混練粉砕法;混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて変形させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させて得られた分散液と、着色剤および離型剤、必要に応じて添加される帯電制御剤等の添加剤の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法;結着樹脂を得るための重合性単量体と、着色剤および離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の添加剤の溶液とを水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法;結着樹脂と、着色剤および離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の添加剤の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法;等により得ることができる。
また、上記いずれかの方法で得られたトナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造を持たせる製造方法なども適用可能である。形状制御、粒度分布制御の観点からは、水系溶媒にて製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法が好ましく、乳化重合凝集法が特に好ましい。
トナー母材(トナー粒子)は結着樹脂と着色剤、離型剤とからなり、必要であれば、シリカや帯電制御剤を用いてもよい。トナーの体積平均粒径は1μm〜12μmの範囲内であることが好ましく、3μm〜9μmの範囲内であることがより好ましい。
トナーに使用される結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体および共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。また、結晶性の低融点(融点100℃以下)樹脂、特に、ポリエステル樹脂を用いることもできる。
トナーに使用される着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
離型剤としては低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロピィシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして例示することができる。
また、トナーには必要に応じて帯電制御剤が添加されてもよい。帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点で水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。本発明で好適に用いられるトナーは、磁性材料を内包する磁性トナーおよび磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
本発明で好適に用いられるトナーに添加される滑性粒子としてはグラファイト、二硫化モリブデン、滑石、脂肪酸、脂肪酸金属塩等の固体潤滑剤や、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を有するシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪族アミド類やカルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのような動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス、およびそれらの変性物が使用でき、これらを単独で使用するか、あるいは併用してもよい。但し、平均粒径としては0.1μm〜10μmの範囲で、上記化学構造のものを粉砕して、粒径を揃えてもよい。滑性粒子のトナーへの添加量は、トナー粒子全体に対して、好ましくは0.05質量%〜2.0質量%、より好ましくは0.1質量%〜1.5質量%の範囲である。
また、トナーには、電子写真感光体表面の付着物、劣化物を除去する目的で、酸化アルミニウム、酸化セリウム、硫酸バリウムなどの無機粒子を添加することができ、中でも酸化セリウムが好ましい。これらの無機粒子の個数平均粒径は、好ましくは0.1μm〜3.0μm、より好ましくは0.5μm〜2.0μmである。無機粒子を添加する場合には、トナーへの添加量は滑性粒子より多いことが好ましく、また、滑性粒子の添加量との和が、トナー粒子全体に対して0.6質量%以上であることが好ましい。
無機粒子および滑性粒子の添加量をそれぞれ上述の好ましい範囲内とすることで、放電生成物に対するクリーニング特性と平均形状係数SF1=100〜150のトナーに対するクリーニング特性とを両立させることができる。
トナーには、粉体流動性、帯電制御等の目的で、外添剤として、1次粒径が40nm以下の小径無機酸化物を用いることが好ましく、さらに付着力低減や帯電制御の為、それより大径の無機酸化物を添加することが好ましい。これらの無機酸化物微粒子は公知のものを使用できるが、精密な帯電制御を行う為にはシリカと酸化チタンを併用することが好ましい。また、小径無機微粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性を上げる効果が大きくなる。
本発明で好適に用いられるトナーは、上記トナー粒子および上記外添剤をヘンシェルミキサーあるいはVブレンダー等で混合することによって製造することができる。また、トナー粒子を湿式にて製造する場合は、湿式にて外添することも可能である。
また、電子写真用カラートナーの場合、かかるトナーはキャリアと混合することにより二成分現像剤として使用されるが、当該キャリアは、鉄粉、ガラスビーズ、フェライト粉、ニッケル粉またはそれ等の表面に樹脂コーティングを施したもの、あるいはそれらを結着樹脂中に分散含有するものが使用される。トナーとキャリアとの混合割合は、適宜設定することができる。
以上、本発明の電子写真感光体、電子写真プロセスカートリッジ、および画像形成装置について、図面を以って説明したが、本発明はかかる構成に限定されるものではない。また、本発明のプロセスカートリッジおよび画像形成装置において、電子写真感光体以外の構成部品については、特に制限は無く、従来公知の物が問題無く採用される。
以下、実施例および比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例の記載において、単に「部」あるいは「%」とあるのは、全て質量基準である。
[電子写真感光体の作製]
<供試感光体1>
(下引き層の形成)
酸化亜鉛(体積平均粒子径70nm、テイカ社製、比表面積値15m2/g)100質量部をテトラヒドロフラン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM603:信越化学社製)1.25質量部を添加し、2時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間)焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛顔料を得た。
得られたシランカップリング剤表面処理酸化亜鉛顔料100質量部を500質量部のテトラヒドロフランと攪拌混合し、アリザリン1質量部を50質量部のテトラヒドロフランに溶解させた溶液を添加し、50℃にて5時間攪拌した。その後、減圧ろ過にてアリザリンを付与させた酸化亜鉛をろ別し、さらに60℃で減圧乾燥を行い、アリザリン付与酸化亜鉛顔料を得た。
このアリザリン付与酸化亜鉛顔料60質量部と、硬化剤(ブロック化イソシアネート、スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)13.5質量部と、ブチラール樹脂(BM−1、積水化学社製)15質量部をメチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部と、メチルエチルケトン25質量部と、を混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い分散液を得た。
得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部およびシリコーン樹脂粒子(トスパール145、GE東芝シリコーン社製)40質量部を添加し、170℃で40分の乾燥硬化を行い、下引き層形成用塗布液を得た。
得られた下引き層形成用塗布液を浸漬塗布法にて直径30mm、長さ404mm、肉厚1mmのアルミニウム基材(導電性支持体)外周面に浸漬塗布し、厚さ21μmの下引き層を形成した。
(電荷発生層の形成)
このアルミニウム製の導電性支持体表面に、電荷発生物質としてX線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)が、7.4°、16.6°、25.5°、28.3°に強い回折ピークを持つクロロガリウムフタロシアニン結晶1質量部を、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−S、積水化学社製)1質量部とともに酢酸ブチル100質量部に加え、ガラスビーズとともにペイントシェーカーで1時間処理して分散させて、電荷発生層形成用の塗布液を得た。得られた塗布液を前記導電性支持体の周面に浸漬塗布し、100℃にて10分間加熱乾燥して、膜厚約0.15μmの電荷発生層を形成した。
(電荷輸送層の形成)
下記式で示される化合物1を1.75質量部および下記構造式1で示される高分子化合物(粘度平均分子量:39,000)を3.25質量部、テトラヒドロフラン10質量部およびトルエン5質量部に溶解して、電荷輸送層形成用の塗布液を得た。得られた塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布し、135℃にて45分加熱乾燥して、膜厚23μmの電荷輸送層を形成した。
以上のようにして得られた感光体を供試感光体1とした。
Figure 2008233165
<供試感光体2>
(電荷輸送層の形成)の工程までは供試感光体1と同様にして、導電性支持体表面に電荷発生層および電荷輸送層を形成した。
次に、下記式で表される化合物2を5部、イソプロピルアルコールを15部、テトラヒドロフランを9部、および蒸留水を0.9部混合し、それにイオン交換樹脂(アンバーリスト15E)を0.5部加え、室温で攪拌することにより2時間加水分解を行った。さらに、ブチラール樹脂を0.5部、レゾール型フェノール樹脂(PL−2215、群栄化学社製)を5部、ジメチルポリシロキサンを0.2部加え、表面保護層形成用塗布液を調製した。得られた表面保護層形成用塗布液を前記電荷輸送層の上に浸漬コーティング法で塗布し、155℃で50分乾燥して、膜厚約5μmの表面保護層を形成した。
以上のようにして得られた感光体を、供試感光体2とした。
Figure 2008233165
<供試感光体3>
供試感光体2の製造において、用いる化合物2を、下記式で表される化合物3に代えたこと以外は供試感光体2と同様にして供試感光体を得た。このようにして得られた感光体を供試感光体3とした。
Figure 2008233165
<供試感光体4>
(電荷輸送層の形成)の工程までは供試感光体1と同様にして、導電性支持体表面に電荷発生層および電荷輸送層を形成した。
次に、供試感光体2の製造において用いた化合物2を5部、イソプロピルアルコールを15部、テトラヒドロフランを9部、および蒸留水を0.9部混合し、それにイオン交換樹脂(アンバーリスト15E)を0.5部加え、室温で攪拌することにより2時間加水分解を行った。さらに、トルエン100ml中にスルホン酸エステル基を持った下記構造式2で示される加水分解性の有機ケイ素化合物2.5gを溶解させた酸化錫(三菱マテリアル社製S1:平均粒径30nm)25gを加えた。95℃で2時間環流し、その後減圧下で溶剤を留去して、溶剤がなくなった時点で150℃へ昇温し、2時間保持することでスルホン酸基を有する酸化亜鉛を得た。
このようにして得られた酸化亜鉛2.5部に、ブチラール樹脂を0.5部、レゾール型フェノール樹脂(PL−2215、群栄化学社製)を5部、ジメチルポリシロキサンを0.2部加え、サンドミルで5時間分散させて表面保護層形成用塗布液を調製した。得られた表面保護層形成用塗布液を前記電荷輸送層の上に浸漬コーティング法で塗布し、155℃で50分乾燥して、膜厚約5μmの表面保護層を形成した。
以上のようにして得られた感光体を、供試感光体4とした。なお、表面保護層における酸化錫の含有率は6容量%である。
Figure 2008233165
<供試感光体5>
供試感光体4の製造において、用いる化合物2を、供試感光体3の製造において用いた化合物3に代えたこと以外は供試感光体4と同様にして感光体を得た。このようにして得られた感光体を、供試感光体5とした。なお、表面保護層における酸化錫の含有率は6容量%である。
<供試感光体6>
(電荷輸送層の形成)の工程までは供試感光体1と同様にして、導電性支持体表面に電荷発生層および電荷輸送層を形成した。
次に、下記に示す構成材料を、イソプロピルアルコール5質量部、テトラヒドロフラン3質量部、蒸留水0.3質量部に溶解させ、イオン交換樹脂(アンバーリスト15E)0.5質量部を加え、室温で攪拌することにより24時間加水分解を行った。
(構成材料)
・下記式で表される化合物4: 2質量部
・メチルトリメトキシシラン: 2質量部
・テトラメトキシシラン: 0.5質量部
・コロイダルシリカ: 0.3質量部
Figure 2008233165
加水分解した液体からイオン交換樹脂を濾過分離し、アルミニウムトリスアセチルアセトナートを0.1質量部、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)0.4質量部を加えて、表面保護層形成用塗布液を調製した。得られた表面保護層形成用塗布液を前記電荷輸送層の上にリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で30分風乾した後、170℃で1時間加熱処理して硬化して、膜厚約5μmの表面保護層を形成した。
以上のようにして得られた感光体を、供試感光体6とした。
<最表面の研磨>
上記供試感光体2〜6に対して、以下の方法により最表面を研磨処理した。
研磨処理には、図4および図5を用いて説明した研磨装置を用いた。研磨処理に用いた研磨テープ3の砥粒種はシリコンカーバイト、粒度は9μmとし、感光体1にバックアップロール7を付勢するエアーシリンダーのエアー圧力を0.3Mpaとした。また、研磨テープ3の送り速度は25mm/min、感光体1の回転数は200回転/分(研磨テープ3の進行方向と従動方向に回転)、微小往復運動(オシレーション)を1000往復/min、トラバース速度40mm/minとし、バックアップロール7にはJIS K6253に規定のタイプAデュロメータ硬さA40の松田精機製ロールを用いた。
なお、以上の研磨条件は、生産性を考慮した際に実施するのに適した研磨処理の代表例を採用した。
電子写真感光体の塗布領域を長手方向に研磨する回数を変動させることで、下記表51に示す各実施例および比較例の研磨量になるように調整して、それぞれ実施例および比較例の電子写真感光体を作製した。なお、実施例および比較例の一部の電子写真感光体については、研磨処理を行わずに供試感光体そのままをそれぞれの電子写真感光体とした。
[表面形状の測定]
得られた実施例および比較例の各電子写真感光体について、その表面形状を測定した。表面形状の測定には、マイクロマップ5500(菱化システム社製)を用い、×2.5の対物レンズを用いて約1.8mm×約0.9mmの範囲をWAVEモードで測定した。
測定したデータについて、当該装置に搭載されたWAVE2という解析ソフトを用い、カットオフ波長λcを0.1mmに設定して表面形状をうねり面と粗さ面に分離し、うねり面の算術平均うねりWaと最大断面高さWtを求めた。得られた結果を下記表51にまとめて示す。
なお、これらの測定は、各電子写真感光体の軸方向の中央、並びに両端周辺部(感光体として使用する領域の縁端から3cmの箇所)について、それぞれ周方向に90°の中心角で4箇所、計12箇所測定し、その平均値を以ってうねり面の算術平均うねりWaや最大断面高さWtの値とした。
[画像形成試験]
得られた実施例および比較例の各電子写真感光体について、以下に示す各画像形成試験を行い、形成された画像について評価を行った。実験機は、富士ゼロックス社製DocuCentre Colore a450を用いた。
<1:濃度ムラ>
A4用紙に対して、画像濃度cin=30%相当の富士写真フイルム社製均一濃度板(A4サイズ)を用いて複写画像を1枚出力し、以下の基準で評価した。なお、評価は初期および高温高湿(28℃、80%RH)環境下での1万枚の画像形成後に行った。
濃度ムラの評価基準
○:良好
△:微小な濃度ムラ発生
×:濃度ムラ発生
<2:感光体表面傷>
高温高湿(28℃、80%RH)環境下で1万枚の画像形成後、電子写真感光体表面の傷の評価を目視にて行った。評価基準は以下の通りである。
○:良好
△:傷発生(画質に影響なし)
×:傷発生(画質に影響あり)
Figure 2008233165
<結果の考察>
上記表51の結果からわかるように、耐磨耗性の高い表面保護層を備えつつ、その表面形状を本発明に規定する適切な状態にした実施例の各電子写真感光体は、初期は勿論、耐久試験後(1万枚の画像形成後)においても濃度ムラを生じることが無く、感光体表面に傷も生じなかった。それに対して比較例の各電子写真感光体では、画像に濃度ムラを生じたり、耐久試験後に感光体表面に傷を生じたりしており、高画質を長期間維持できる物は無かった。
本発明の電子写真感光体の層構成の例示的一態様を示す模式拡大断面図である。 本発明の電子写真感光体の層構成の他の例示的一態様を示す模式拡大断面図である。 本発明の電子写真感光体の層構成のさらに他の例示的一態様を示す模式拡大断面図である。 本発明に好適な研磨装置の例示的一態様を示す概略構成図である。 図4のA−A矢視断面図である。 本発明の画像形成装置の一例を模式的に示す概略構成図である。
符号の説明
1:感光体(電子写真感光体)、 2:ワークホルダー、 3:研磨テープ、 4:研磨テープ供給スプール、 5,9:テンションロール、 6,8:ガイドロール、 7:バックアップロール、 10:回収スプール、 11:導電性支持体、 12,12”:感光層、 13:下引き層、 14:電荷発生層、 15:電荷輸送層、 16:表面保護層、 17:単層型感光層、 18:研磨装置、 21:感光体ドラム(電子写真感光体)、 23:帯電器(帯電手段)、 24:露光器(露光手段)、 25:現像器(現像手段)、 26:転写用接触帯電ロール(転写手段)、 27:クリーニング器(クリーニング手段)、 27’:クリーニングブレード、 28:定着器(定着手段)、 29:支持体

Claims (10)

  1. 導電性支持体表面に、少なくとも感光層が形成され、さらに最表面層として表面保護層が形成されてなる電子写真感光体であって、
    その表面形状が、カットオフ値λc=0.1mmでうねり面と粗さ面とに分離した場合の、うねり面の算術平均うねりWaが15nm以下で、かつ、うねり面の最大断面高さWtが50nm〜250nmであることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 最表面が研磨処理された表面状態であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 最表面の研磨量が、0.1μm〜0.8μmであることを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記表面保護層が架橋性樹脂を有し、かつ電荷輸送能を有する構造単位を有する架橋性樹脂を含有してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 前記架橋性樹脂が、フェノール系樹脂であることを特徴とする請求項4に記載の電子写真感光体。
  6. 前記表面保護層が、下記一般式(I)〜(V)のいずれかで表される化合物の少なくとも1種を用いて得られたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体。
    F−((X1n1−Z1H)m ・・・一般式(I)
    [一般式(I)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導されるm価の有機基を表し、R1はアルキレン基を表し、Z1は酸素原子、硫黄原子、NHまたはCO2を表し、X1は酸素または硫黄を表す。また、mは1〜4の整数を示し、nは0または1を示す。]
    F−[(X2n1−(R2n2−(Z2n3G]n4 ・・・一般式(II)
    [一般式(II)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導されるn4価の有機基を表し、X2は酸素原子または硫黄原子を表し、R2はアルキレン基を表し、Z2はアルキレン基、酸素原子、硫黄原子、NHまたはCOOを表し、Gはエポキシ基を表す。また、n1、n2およびn3はそれぞれ独立に0または1を示し、n4は1〜4の整数を示す。]
    Figure 2008233165
    [一般式(III)中、Fは正孔輸送性を有する化合物から誘導されるn5価の有機基を表し、Tは2価の基を表し、Yは酸素原子または硫黄原子を表し、R3、R4およびR5はそれぞれ独立に水素原子または1価の有機基を表し、R6は1価の有機基を表す。但し、R5とR6とは互いに結合してYをヘテロ原子とする複素環を形成してもよい。また、m1は0または1を示し、n5は1〜4の整数を示す。]
    Figure 2008233165
    [一般式(IV)中、Fは正孔輸送性を有する化合物から誘導されるn6価の有機基を表し、T2は2価の基を表し、R7は1価の有機基を表す。また、m2は0または1を示し、n6は1〜4の整数を示す。]
    Figure 2008233165
    [一般式(V)中、Fは正孔輸送性を有する化合物から誘導されるn7価の有機基を表し、Lはアルキレン基を表し、R8は1価の有機基を表す。また、n7は1〜4の整数を示す。]
  7. 前記感光層が、電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離されて積層されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真感光体。
  8. 画像形成装置から脱着可能であり、電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、定着手段およびクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくともいずれかの手段と、を備える電子写真プロセスカートリッジであって、
    前記電子写真感光体が、請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真プロセスカートリッジ。
  9. 少なくとも、請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、前記電子写真感光体の表面を像様に露光して潜像を形成する露光手段と、前記電子写真感光体の表面にトナーを供給することで前記潜像を現像する現像手段と、現像されたトナー像を被転写体に転写する転写手段とを含むことを特徴とする画像形成装置。
  10. 前記現像手段に用いられるトナーにおける下記式で表される平均形状係数SF1が、100〜150であることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
    SF1=(ML)2×π×100/(4A)
    [上記式中、MLはトナーの投影像における最大長であり、Aはトナーの投影像の面積である。]
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