JP7275772B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられた下引層であって、結着樹脂及び金属酸化物粒子を含有する下引層と、
前記下引層上に設けられた感光層と、
を有し、
前記下引層は、前記感光層が設けられる面におけるX線光電子分光分析測定により検出される、炭素元素の存在量と、金属元素の存在量から求められる比率が3.9%以下である、電子写真感光体。
<2>
前記比率が3.8%未満である、<1>に記載の電子写真感光体。
<3>
前記比率が0.3%以上3.8%未満である、<2>に記載の電子写真感光体。
<4>
前記結着樹脂に対する前記金属酸化物粒子の含有量が、10質量%以上85質量%以下である、<1>~<3>のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
<5>
前記結着樹脂に対する前記金属酸化物粒子の含有量が、10質量%以上70質量%以下である、<4>に記載の電子写真感光体。
<6>
前記結着樹脂が、フェノール樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、及びウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種である、<1>~<5>のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
<7>
前記結着樹脂が、フェノール樹脂、及びウレタン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である、<6>に記載の電子写真感光体。
<8>
前記金属酸化物粒子が、酸化亜鉛粒子、酸化チタン粒子、及び酸化スズ粒子からなる群より選択される少なくとも1種である、<1>~<7>のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
<9>
前記金属酸化物粒子が、酸化亜鉛粒子である、<8>に記載の電子写真感光体。
<1>~<9>のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
<11>
<1>~<9>のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
<12>
前記記録媒体の搬送速度が50mm/sec以上200mm/sec以下である、<11>に記載の画像形成装置。
<13>
前記帯電手段により帯電された後の前記電子写真感光体の表面の帯電電位が-1200V以上-600V以下である、<11>又は<12>に記載の画像形成装置。
<4>、<5>に係る発明によれば、下引層に含有される金属酸化物粒子の量が10質量%未満又は85質量%を超える場合に比べ、色点の発生が抑制される電子写真感光体が提供される。
<6>、<7>に係る発明によれば、下引層における感光層が設けられる側の面をX線光電子分光分析測定したときに検出される、炭素元素の存在量と、金属元素の存在量から求められる比率が3.9%を超える場合に比べ、下引層に含有する結着樹脂が、フェノール樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、及びウレタン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である下引層を有する電子写真感光体であって、色点の発生が抑制される電子写真感光体が提供される。
<8>、<9>に係る発明によれば、下引層における感光層が設けられる側の面をX線光電子分光分析測定したときに検出される、炭素元素の存在量と、金属元素の存在量から求められる比率が3.9%を超える場合に比べ、下引層に含有する金属酸化物粒子が、酸化亜鉛粒子、酸化チタン粒子、及び酸化スズ粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種である下引層を有する電子写真感光体であって、色点の発生が抑制される電子写真感光体が提供される。
<12>に係る発明によれば、結着樹脂及び金属酸化物粒子を含む下引層を有する電子写真感光体において、下引層における感光層が設けられる側の面をX線光電子分光分析測定したときに検出される、炭素元素の存在量と、金属元素の存在量から求められる比率が3.9%を超える電子写真感光体が適用された場合に比べ、記録媒体の搬送速度が50mm/sec以上200mm/sec以下である画像形成装置であって、色点の発生が抑制される画像形成装置が提供される。
<13>に係る発明によれば、結着樹脂及び金属酸化物粒子を含む下引層を有する電子写真感光体において、下引層における感光層が設けられる側の面をX線光電子分光分析測定したときに検出される、炭素元素の存在量と、金属元素の存在量から求められる比率が3.9%を超える電子写真感光体が適用された場合に比べ、帯電手段により帯電された後の前記電子写真感光体の表面の帯電電位が-1200V以上-600V以下である画像形成装置であって、色点の発生が抑制される画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る電子写真感光体は、導電性基体と、導電性基体上に設けられ結着樹脂及び金属酸化物粒子を含む下引層と、下引層上に設けられた感光層と、を有する。
そして、下引層は、感光層が設けられる面におけるX線光電子分光分析測定により検出される、炭素元素の存在量に対する金属元素の存在量の比率が3.9%以下である。
図1は、本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の一例を模式的に示す概略部分断面図である。
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
下引層は、例えば、金属酸化物粒子と結着樹脂とを含む層である。
これらの中でも、上記抵抗値を有する金属酸化物粒子としては、例えば、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子が挙げられる。金属酸化物粒子は、酸化亜鉛粒子、酸化チタン粒子、及び酸化スズ粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
金属酸化物粒子体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
R11及びR12が表す炭素数1以上10以下のアルコキシ基(アルコキシル基)としては、直鎖状、又は分枝状のいずれでもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。炭素数1以上10以下のアルコキシ基としては、好ましくは1以上8以下のアルコキシル基、より好ましくは1以上6以下のアルコキシル基である。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように金属酸化物粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
[XPS測定における条件]
X線光電子分光装置:アルバック社製、PHI5000VersaProbe
X線:100μmΦ
測定エリア:300μm角
式A 金属元素の存在比率(%)={(金属元素由来のピーク面積)/((金属元素由来のピーク面積)+(炭素元素由来のピーク面積))}×100
(5)上記方法(1)~(4)の操作を、下引層の異なる表面について3箇所行い、得られた金属元素の存在比率の算術平均値を金属元素の存在比率とする。
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン-アルキッド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro-Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
なお、n-型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn-型とする。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。電荷輸送層は、高分子電荷輸送材料を含む層であってもよい。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
なお、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する目的で設けられる。
そのため、保護層は、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
なお、保護層形成用塗布液は、無溶剤の塗布液であってもよい。
単層型感光層(電荷発生/電荷輸送層)は、例えば、電荷発生材料と電荷輸送材料と、必要に応じて、結着樹脂、及びその他周知の添加剤と、を含む層である。なお、これら材料は、電荷発生層及び電荷輸送層で説明した材料と同様である。
そして、単層型感光層中、電荷発生材料の含有量は、全固形分に対して0.1質量%以上10質量%以下がよく、好ましくは0.8質量%以上5質量%以下である。また、単層型感光層中、電荷輸送材料の含有量は、全固形分に対して5質量%以上50質量%以下がよい。
単層型感光層の形成方法は、電荷発生層や電荷輸送層の形成方法と同様である。
単層型感光層の膜厚は、例えば、5μm以上50μm以下がよく、好ましくは10μm以上40μm以下である。
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
さらに、本実施形態に係る画像形成装置は、帯電手段により帯電された後の電子写真感光体の表面の帯電電位が-1200V以上-600V以下(好ましくは-1000V以上-600V以下)に設定された画像形成装置であってもよい。帯電手段により帯電された後の電子写真感光体の表面の帯電電位とは、帯電装置により帯電された後の感光体の表面電位であり、帯電装置により帯電された後露光装置により露光される前までの表面電位を表す。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図2に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。また、図2に示す画像形成装置100は、画像形成装置100の各装置及び各部材と接続され、各装置及び各部材の動作を制御する制御装置62(制御手段の一例)も備えている。
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
制御装置62は、画像形成装置全体の制御及び各種演算を行うコンピュータとして構成されている。具体的には、制御装置62は、例えば、CPU(中央処理装置; Central Processing Unit)、各種プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)、プログラムの実行時にワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)、各種情報を記憶する不揮発性メモリ、及び入出力インターフェース(I/O)を備えている。CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ、及びI/Oの各々は、バスを介して接続されている。そして、I/Oには、電子写真感光体7、帯電装置8、露光装置9、現像装置11、転写装置40、クリーニング装置13等の画像形成装置100の各部が接続されている。
図3に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
(下引層の作製)
金属酸化物粒子として酸化亜鉛(体積平均一次粒径:70nm、テイカ社製、BET比表面積:15m2/g)100質量部をメタノール500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤として、KBM603(信越化学工業製)1.25質量部を添加し、2時間攪拌した。その後、メタノールを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛粒子を得た。
前記シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛粒子と、電子受容性化合物としてヒドロキシアントラキノン「例示化合物(1-1)」0.45質量部と、硬化剤としてブロック化イソシアネート(スミジュール3173、住友バイエルンウレタン社製)10.2質量部と、ブチラール樹脂(商品名:エスレックBM-1、積水化学工業社製)3.5質量部と、触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部と、メチルエチルケトン41.3質量部とを混合し、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて4.1時間の分散を行い(すなわち分散時間:4.1時間)、分散液を得た。得られた分散液に、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)3.6質量部を添加し、下引層形成用塗布液を得た。下引層形成用塗布液の塗布温度24℃における粘度は235mPa・sであった。
尚、前記シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛粒子の配合量は、表1の実施例1のとおり、結着樹脂に対する金属酸化物粒子の含有量である70質量%となるようにした。
電荷発生物質としてのCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜、16.0゜、24.9゜、28.0゜の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体結着樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10質量部、及びn-酢酸ブチル200質量部からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間攪拌して分散させた。得られた分散液にn-酢酸ブチル175質量部、メチルエチルケトン180質量部を添加し、攪拌して電荷発生層形成用の塗布液を得た。この電荷発生層形成用塗布液を下引層上に浸漬塗布した。その後、140℃、10分で乾燥を行い、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
電荷輸送剤(HT-1)40質量部、電荷輸送剤(HT-2)8質量部、及びポリカーボネート結着樹脂(A)(粘度平均分子量:5万)52質量部を、テトラヒドロフラン800質量部に加えて溶解し、4フッ化エチレン結着樹脂(ダイキン工業製:ルブロンL5 平均粒子径300nm)8質量部を加え、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックス)を用いて5500rpmで2時間分散して、電荷輸送層形成用塗布液を得た。この塗布液を、前述の電荷発生層上に塗布した。その後、140℃、40分の乾燥を行い、膜厚27μmの電荷輸送層を形成した。これを電子写真感光体とする。
下引層の作製において、分散時間、金属酸化物粒子の種類及び含有量、金属元素の存在比率を表1にしたがって変更した以外は、実施例1と同様の操作により、各例の電子写真感光体を得た。なお、表1における「分散時間」とは、下引層の作製工程における分散時間を意味する。
下引層の作製工程において、結着樹脂の材料及び量を、「フェノール樹脂(WR-103、DIC社製)」40質量部へと変更し、且つ、溶媒の種類及び量を、メチルエチルケトン41.3質量部から「シクロヘキサノン(富士フイルム和光純薬(株))」60質量部へと変更した以外は、実施例1と同様の操作により、実施例9の電子写真感光体を得た。
上記で得られた電子写真感光体を、画像形成装置(富士ゼロックス社製:DocuCenter-V C2275)改造機に搭載した。そして、この画像形成装置における記録媒体の搬送速度を125mm/secに設定し、帯電手段により帯電された後の電子写真感光体の表面の帯電電位を-800Vに設定した。この画像形成装置を用いて、温度28℃、湿度85%の環境下において、A3サイズの用紙に画像密度30%のハーフトーン画像を5枚出力した。得られたハーフトーン画像を目視で観察し、以下の評価基準にしたがって、黒点の評価を行った。なお、許容範囲はA(○)及びB(△)である。
-評価基準-
A(○):黒点なし。
B(△):黒点が1個以上5個以下で発生。
C(×):黒点が5個を超えて発生。
Claims (9)
- 導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられた下引層であって、結着樹脂及び金属酸化物粒子を含有する下引層と、
前記下引層上に設けられた感光層と、
を有し、
前記下引層は、前記感光層が設けられる面におけるX線光電子分光分析測定により検出される、炭素元素の存在量に対する金属元素の存在量から求められる比率が3.9%以下であり、
前記結着樹脂が、フェノール樹脂、及びウレタン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
前記結着樹脂に対する前記金属酸化物粒子の含有量が、60質量%以上75質量%以下である、電子写真感光体。 - 前記比率が3.8%未満である、請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記比率が0.3%以上3.8%未満である、請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記金属酸化物粒子が、酸化亜鉛粒子、酸化チタン粒子、及び酸化スズ粒子からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記金属酸化物粒子が、酸化亜鉛粒子である、請求項4に記載の電子写真感光体。
- 請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。 - 請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。 - 前記記録媒体の搬送速度が50mm/sec以上200mm/sec以下である、請求項7に記載の画像形成装置。
- 前記帯電手段により帯電された後の前記電子写真感光体の表面の帯電電位が-1200V以上-600V以下である、請求項7又は請求項8に記載の画像形成装置。
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