JP2024043372A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Eri Kunisawa
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隆彰 佐々木
Takaaki Sasaki
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Abstract

【課題】連続して画像を形成したときにおける形成した画像中に意図しない画像の濃淡の発生を抑制する電子写真感光体の提供。
【解決手段】導電性基体と、前記導電性基体の上に設けられる下引層と、前記下引層の上に設けられる電荷発生層と、前記電荷発生層の上に設けられる電荷輸送層と、前記電荷輸送層の上に設けられる保護層と、を備え、前記下引層が導電剤を含み、前記導電剤の一次粒子の数が、前記導電剤の一次粒子の数及び前記導電剤の二次粒子の数の合計に対して、58%以下であり、前記電荷輸送層の電荷移動度μ(CTL)及び前記保護層の電荷移動度μ(OCL)がμ(CTL)≧1.0×10-5(cm/Vs)かつμ(OCL)≧0.68×10-5(cm/Vs)を満たす電子写真感光体。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
特許文献1には、「基体上に、少なくとも電荷発生材料を含有する電荷発生層と、第1の電荷輸送材料を含有する電荷輸送層と、第2の電荷輸送材料を含有する表面保護層と、をこの順に有し、且つ下記式(1)乃至式(3)を満たす電子写真感光体。
式(1) |Ip(CTL)-Ip(CGL)|≦0.1(eV)
式(2) |Ip(OCL)-Ip(CTL)|≦0.3(eV)
式(3) μ(CTL)≧1.8×10-5[cm/Vs]
(式(1)乃至式(3)において、Ip(CGL)は前記電荷発生材料のイオン化ポテンシャルを、Ip(CTL)は前記第1の電荷輸送材料のイオン化ポテンシャルを、Ip(OCL)は前記第2の電荷輸送材料のイオン化ポテンシャルを、μ(CTL)は電界強度30V/μmにおける電荷輸送層のホール移動度を表す。)」が提案されている。
特開2012-073281号公報
本発明の第一実施形態が解決しようとする課題は、導電性基体と、前記導電性基体の上に設けられる下引層と、前記下引層の上に設けられる電荷発生層と、前記電荷発生層の上に設けられる電荷輸送層と、前記電荷輸送層の上に設けられる保護層と、を備え、前記電荷輸送層の電荷移動度μ(CTL)及び前記保護層の電荷移動度μ(OCL)がμ(CTL)≧1.0×10-5(cm/Vs)かつμ(OCL)≧0.68×10-5(cm/Vs)を満たす電子写真感光体において、前記下引層が導電剤を含み、前記導電剤の一次粒子の数が、前記導電剤の一次粒子の数及び前記導電剤の二次粒子の数の合計に対して、58%を超える場合と比較して、連続して画像を形成したときにおける形成した画像中に前画像の履歴が残ることで生じる残像現象(以下、ゴーストとも称する)の発生を抑制する電子写真感光体を提供することである。
本発明の第二実施形態が解決しようとする課題は、導電性基体と、前記導電性基体の上に設けられる下引層と、前記下引層の上に設けられる電荷発生層と、前記電荷発生層の上に設けられる電荷輸送層と、前記電荷輸送層の上に設けられる保護層と、を備え、前記電荷輸送層の電荷移動度μ(CTL)及び前記保護層の電荷移動度μ(OCL)がμ(CTL)≧1.0×10-5(cm/Vs)かつμ(OCL)≧0.68×10-5(cm/Vs)を満たす電子写真感光体において、前記下引層が導電剤を含み、かつ波長950nmの光の透過率が35%を超える場合と比較して、連続して画像を形成したときにおける形成した画像中にゴーストの発生を抑制する電子写真感光体を提供することである。
上記課題を解決するための手段には、以下の手段が含まれる。
<1> 導電性基体と、
前記導電性基体の上に設けられる下引層と、
前記下引層の上に設けられる電荷発生層と、
前記電荷発生層の上に設けられる電荷輸送層と、
前記電荷輸送層の上に設けられる保護層と、を備え、
前記下引層が導電剤を含み、前記導電剤の一次粒子の数が、前記導電剤の一次粒子の数及び前記導電剤の二次粒子の数の合計に対して、58%以下であり、
前記電荷輸送層の電荷移動度μ(CTL)及び前記保護層の電荷移動度μ(OCL)がμ(CTL)≧1.0×10-5(cm/Vs)かつμ(OCL)≧0.68×10-5(cm/Vs)を満たす電子写真感光体。
<2> 前記導電剤の粒度分布が2つのピークを含む<1>に記載の電子写真感光体。
<3> 前記ピークが、粒径0.07μm以上0.2μm未満に1つ存在し、粒径0.2μm以上0.5μm以下に1つ存在する<2>に記載の電子写真感光体。
<4> 前記導電剤の含有量が、前記下引層全体の質量に対して、60質量%以上85質量%以下である<1>~<3>のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
<5> 前記電荷輸送層が電荷輸送材料を含み、
前記電荷輸送材料が下記一般式1で示される化合物を含む<1>~<4>のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
上記一般式1中、R31,R32,R33,R34,R35,及びR36はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、フェノキシ基、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、m及びnは0又は1を示す。
<6> 前記電荷輸送材料が更に下記一般式2で示される化合物を含む<5>に記載の電子写真感光体。
上記一般式2中、R37,R38,R39,R40,R41,R42,及びR43はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、フェノキシ基、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、m及びnは0又は1を示す。
<7> 導電性基体と、
前記導電性基体の上に設けられる下引層と、
前記下引層の上に設けられる電荷発生層と、
前記電荷発生層の上に設けられる電荷輸送層と、
前記電荷輸送層の上に設けられる保護層と、を備え、
前記下引層が導電剤を含み、かつ波長950nmの光の透過率が35%以下であり、
前記電荷輸送層の電荷移動度μ(CTL)及び前記保護層の電荷移動度μ(OCL)がμ(CTL)≧1.0×10-5(cm/Vs)かつμ(OCL)≧0.68×10-5(cm/Vs)を満たす電子写真感光体。
<8> <1>~<7>のいずれか1つに記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
<9> <1>~<7>のいずれか1つに記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電装置と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写装置と、
を備える画像形成装置。
<1>に係る発明によれば、導電性基体と、前記導電性基体の上に設けられる下引層と、前記下引層の上に設けられる電荷発生層と、前記電荷発生層の上に設けられる電荷輸送層と、前記電荷輸送層の上に設けられる保護層と、を備え、前記電荷輸送層の電荷移動度μ(CTL)及び前記保護層の電荷移動度μ(OCL)がμ(CTL)≧1.0×10-5(cm/Vs)かつμ(OCL)≧0.68×10-5(cm/Vs)を満たす電子写真感光体において、前記下引層が導電剤を含み、前記導電剤の一次粒子の数が、前記導電剤の一次粒子の数及び前記導電剤の二次粒子の数の合計に対して、58%を超える場合と比較して、連続して画像を形成したときにおけるゴーストの発生を抑制する電子写真感光体が提供される。
<2>又は<3>に係る発明によれば、前記導電剤の粒度分布が1つのピークを含む場合と比較して、連続して画像を形成したときにおけるゴーストの発生を抑制する電子写真感光体が提供される。
<4>に係る発明によれば、前記導電剤の含有量が、前記下引層全体の質量に対して、60質量%未満又は85質量%を超える場合と比較して、連続して画像を形成したときにおけるゴーストの発生を抑制する電子写真感光体が提供される。
<5>に係る発明によれば、電荷輸送層が電荷輸送材料を含み、電荷輸送材料が一般式1で示される化合物を含まない場合と比較して、高速で画像を形成することができる電子写真感光体が提供される。
<6>に係る発明によれば、電荷輸送材料が一般式2で示される化合物を含まない場合と比較して、高速で画像を形成することができる電子写真感光体が提供される。
<7>に係る発明によれば、導電性基体と、前記導電性基体の上に設けられる下引層と、前記下引層の上に設けられる電荷発生層と、前記電荷発生層の上に設けられる電荷輸送層と、前記電荷輸送層の上に設けられる保護層と、を備え、前記電荷輸送層の電荷移動度μ(CTL)及び前記保護層の電荷移動度μ(OCL)がμ(CTL)≧1.0×10-5(cm/Vs)かつμ(OCL)≧0.68×10-5(cm/Vs)を満たす電子写真感光体において、前記下引層が導電剤を含み、かつ波長950nmの光の透過率が35%を超える場合と比較して、連続して画像を形成したときにおけるゴーストの発生を抑制する電子写真感光体が提供される。
<8>又は<9>に係る発明によれば、導電性基体と、前記導電性基体の上に設けられる下引層と、前記下引層の上に設けられる電荷発生層と、前記電荷発生層の上に設けられる電荷輸送層と、前記電荷輸送層の上に設けられる保護層と、を備え、前記電荷輸送層の電荷移動度μ(CTL)及び前記保護層の電荷移動度μ(OCL)がμ(CTL)≧1.0×10-5(cm/Vs)かつμ(OCL)≧0.68×10-5(cm/Vs)を満たす電子写真感光体であり、前記下引層が導電剤を含み、前記導電剤の一次粒子の数が、前記導電剤の一次粒子の数及び前記導電剤の二次粒子の数の合計に対して、58%を超える電子写真感光体を備える場合、又は波長950nmの光の透過率が35%を超える電子写真感光体を備える場合と比較して、連続して画像を形成したときにおけるゴーストの発生を抑制する電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジ又は画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の一例を示す概略部分断面図である。 本実施形態に係る電子写真感光体を備える画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る電子写真感光体を備える画像形成装置の別の一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。これらの説明および実施例は、実施形態を例示するものであり、発明の範囲を制限するものではない。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。
組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
<電子写真感光体>
第一実施形態に係る電子写真感光体(以下「感光体」ともいう)は、導電性基体と、前記導電性基体の上に設けられる下引層と、前記下引層の上に設けられる電荷発生層と、前記電荷発生層の上に設けられる電荷輸送層と、前記電荷輸送層の上に設けられる保護層と、を備え、前記下引層が導電剤を含み、前記導電剤の一次粒子の数が、前記導電剤の一次粒子の数及び前記導電剤の二次粒子の数の合計に対して、58%以下であり、前記電荷輸送層の電荷移動度μ(CTL)及び前記保護層の電荷移動度μ(OCL)がμ(CTL)≧1.0×10-5(cm/Vs)かつμ(OCL)≧0.68×10-5(cm/Vs)を満たす。
第一実施形態に係る感光体は、上記構成により、連続して画像を形成したときにおけるゴーストの発生を抑制する。その理由は、次の通り推測される。
導電性基体と、前記導電性基体の上に設けられる下引層と、前記下引層の上に設けられる電荷発生層と、前記電荷発生層の上に設けられる電荷輸送層と、前記電荷輸送層の上に設けられる保護層と、を備え、前記電荷輸送層の電荷移動度μ(CTL)及び前記保護層の電荷移動度μ(OCL)がμ(CTL)≧1.0×10-5(cm/Vs)かつμ(OCL)≧0.68×10-5(cm/Vs)を満たす感光体は、下引層及び電荷輸送層における電荷の移動速度が速いことから高速で画像を形成する画像形成装置に備えられることがある。しかしながら、下引層と電荷発生層との界面における抵抗が十分に下げられていないことがある。これが要因となり、連続して画像を形成したときにおいてゴーストが発生することがあった。
第一実施形態に係る感光体は、導電性基体と、前記導電性基体の上に設けられる下引層と、前記下引層の上に設けられる電荷発生層と、前記電荷発生層の上に設けられる電荷輸送層と、前記電荷輸送層の上に設けられる保護層と、を備え、前記電荷輸送層の電荷移動度μ(CTL)及び前記保護層の電荷移動度μ(OCL)がμ(CTL)≧1.0×10-5(cm/Vs)かつμ(OCL)≧0.68×10-5(cm/Vs)を満たす。これにより電荷の移動速度が速くなる。
更に、第一実施形態に係る感光体は、前記下引層が導電剤を含み、前記導電剤の一次粒子の数が、前記導電剤の一次粒子の数及び前記導電剤の二次粒子の数の合計に対して、58%以下である。
導電剤の一次粒子の数の割合を58%以下とすることで、実験の経験則上、下引層中の導電剤と、電荷発生層中の電荷発生材料と、が接触しやすくなる。これにより、下引層と電荷発生層との界面における抵抗がより下がりやすくなる。この理由は次の通り推測される。
導電剤の一次粒子の数の割合を58%以下とすることで、下引層に含まれる導電剤が一定の割合で凝集していることを示す。導電剤が一定の割合で凝集している下引層を製造する場合、導電剤を含む下引層形成用塗布液を分散する際に、導電剤が一定の割合で凝集した状態となる様にすることが好ましい。このような状態とするためには下引層形成用塗布液の分散時間を短くすることが好ましい。このようにして作製した下引層形成用塗布液を用いて下引層を形成すると、導電剤表面のうち結着樹脂によって覆われていない部分が存在しやすくなる。そうすると、下引層の表面に導電剤が露出しやすくなり、下引層中の導電剤と、電荷発生層中の電荷発生材料と、が接触しやすくなる。これにより、下引層と電荷発生層との界面における抵抗が下がりやすくなる。
そのため、第一実施形態に係る感光体は連続して画像を形成したときにおけるゴーストの発生を抑制すると推測される。
第二実施形態に係る感光体は、導電性基体と、前記導電性基体の上に設けられる下引層と、前記下引層の上に設けられる電荷発生層と、前記電荷発生層の上に設けられる電荷輸送層と、前記電荷輸送層の上に設けられる保護層と、を備え、前記下引層が導電剤を含み、かつ波長950nmの光の透過率が35%以下であり、前記電荷輸送層の電荷移動度μ(CTL)及び前記保護層の電荷移動度μ(OCL)がμ(CTL)≧1.0×10-5(cm/Vs)かつμ(OCL)≧0.68×10-5(cm/Vs)を満たす。
第二実施形態に係る感光体は、上記構成により、連続して画像を形成したときにおけるゴーストの発生を抑制する。その理由は、次の通り推測される。
第二実施形態に係る感光体は、導電性基体と、前記導電性基体の上に設けられる下引層と、前記下引層の上に設けられる電荷発生層と、前記電荷発生層の上に設けられる電荷輸送層と、前記電荷輸送層の上に設けられる保護層と、を備え、前記電荷輸送層の電荷移動度μ(CTL)及び前記保護層の電荷移動度μ(OCL)がμ(CTL)≧1.0×10-5(cm/Vs)かつμ(OCL)≧0.68×10-5(cm/Vs)を満たす。これにより電荷の移動速度が速くなる。
更に第二実施形態に係る感光体は、前記下引層が導電剤を含み、かつ波長950nmの光の透過率が35%以下である。透過率の値を当該数値範囲内とすることで、実験の経験則上、下引層中の導電剤と、電荷発生層中の電荷発生材料と、が接触しやすくなる。これにより、下引層と電荷発生層との界面における抵抗がより下がりやすくなる。この理由は次の通り推測される。
下引層の波長950nmにおける光の透過率を35%以下とすることで、下引層に含まれる導電剤が一定の割合で凝集している状態となりやすい。このような下引層を得るためには上述の第一実施形態に係る感光体における説明において記載した通り、下引層形成用塗布液の分散時間を短くすることが好ましい。このようにして作製した下引層形成用塗布液を用いて下引層を形成すると、導電剤表面のうち結着樹脂によって覆われていない部分が存在しやすくなる。そうすると、下引層の表面に導電剤が露出しやすくなり、下引層中の導電剤と、電荷発生層中の電荷発生材料と、が接触しやすくなる。これにより、下引層と電荷発生層との界面における抵抗が下がりやすくなる。
そのため、第二実施形態に係る感光体は連続して画像を形成したときにおけるゴーストの発生を抑制すると推測される。
以下、第一実施形態又は第二実施形態に係る感光体のいずれにも該当する感光体について詳細に説明する。ただし、本発明の感光体の一例は、第一実施形態又は第二実施形態に係る感光体のいずれか一つに該当する感光体であればよい。
以下、図面を参照しつつ、本実施形態に係る感光体について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る真感光体の一例を示す概略断面図である。
図1に示す電子写真感光体7Aは、いわゆる機能分離型感光体(又は積層型感光体)であり、導電性基体4上に下引層1が設けられ、その上に電荷発生層2、電荷輸送層3、及び保護層5が順次形成された構造を有するものである。電子写真感光体7Aにおいては、電荷発生層2及び電荷輸送層3により感光層が構成される。
以下、本実施形態に係る電子写真感光体の各要素について説明する。なお、符号は省略して説明する。
(導電性基体)
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
導電性基体の表面は、電子写真感光体がレーザプリンタに使用される場合、レーザ光を照射する際に生じる干渉縞を抑制する目的で、中心線平均粗さRaで0.04μm以上0.5μm以下に粗面化されていることが好ましい。なお、非干渉光を光源に用いる場合、干渉縞防止の粗面化は、特に必要ないが、導電性基体の表面の凹凸による欠陥の発生を抑制するため、より長寿命化に適する。
粗面化の方法としては、例えば、研磨剤を水に懸濁させて導電性基体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、回転する砥石に導電性基体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理等が挙げられる。
粗面化の方法としては、導電性基体の表面を粗面化することなく、導電性又は半導電性粉体を樹脂中に分散させて、導電性基体の表面上に層を形成し、その層中に分散させる粒子により粗面化する方法も挙げられる。
陽極酸化による粗面化処理は、金属製(例えばアルミニウム製)の導電性基体を陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することにより導電性基体の表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、例えば、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、陽極酸化により形成された多孔質陽極酸化膜は、そのままの状態では化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、多孔質陽極酸化膜に対して、酸化膜の微細孔を加圧水蒸気又は沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが好ましい。
陽極酸化膜の膜厚は、例えば、0.3μm以上15μm以下が好ましい。この膜厚が上記範囲内にあると、注入に対するバリア性が発揮される傾向があり、また繰り返し使用による残留電位の上昇が抑えられる傾向にある。
導電性基体には、酸性処理液による処理又はベーマイト処理を施してもよい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
ベーマイト処理は、例えば90℃以上100℃以下の純水中に5分から60分間浸漬すること、又は90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分から60分間接触させて行う。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
(下引層)
下引層は、導電性基体の上に設けられるものであり、導電剤を含む。
導電剤としては、無機導電剤及び有機導電剤が挙げられる。
無機導電剤としては、例えば、粉体抵抗(体積抵抗率)10Ωcm以上1011Ωcm以下の無機粒子が挙げられる。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子のBET法による比表面積は、例えば、10m/g以上がよい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
無機粒子は、表面処理が施されていてもよい。無機粒子は、表面処理の異なるもの、又は、粒子径の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性剤等が挙げられる。特に、シランカップリング剤が好ましく、アミノ基を有するシランカップリング剤がより好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シランカップリング剤は、2種以上混合して使用してもよい。例えば、アミノ基を有するシランカップリング剤と他のシランカップリング剤とを併用してもよい。この他のシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピル-トリス(2-メトキシエトキシ)シラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
表面処理剤による表面処理方法は、公知の方法であればいかなる方法でもよく、乾式法又は湿式法のいずれでもよい。
表面処理剤の処理量は、例えば、無機粒子に対して0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。
有機導電剤としては、例えば、下記一般式(ET)で示される化合物が挙げられる。
(一般式(ET)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R18は、アルキル基、-L19-O-R20、アリール基、又はアラルキル基を示す。ただし、L19はアルキレン基を示し、R20はアルキル基を示す。)
以下、一般式(ET)の電子輸送材料の例示化合物を示すが、これに限定されるわけではない。
なお、上記例示化合物中の略記号は、以下の意味を示す。
・-Ph:フェニル基
導電剤の一次粒子の数は、導電剤の一次粒子の数及び導電剤の二次粒子の数の合計に対して、58%以下であり、10%以上55%以下であることが好ましく、25%以上53%以下であることがより好ましく、40%以上53%以下であることが更に好ましい。
一次粒子とは、凝集のない独立した粒子をいう。
二次粒子とは、2つ以上の一次粒子が接触して構成される集合体をいう。
導電剤の一次粒子の数及び導電剤の二次粒子の数の合計に対する、導電剤の一次粒子の数の割合(以下、「一次粒子割合」とも称する)の測定は以下の手順で行う。
テトラヒドロフランを用いて、電荷発生層、電荷輸送層及び保護層を溶解させ、導電性基体上は下引層のみの状態にする。これを濃度0.2mol/Lの塩酸に1時間浸漬することで下引層を取り出す。取り出した下引層を厚さ方向に切断し、その切断面を走査透過電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S-4100)により撮影し、SEM画像を得る。そして、SEM画像を画像処理解析装置(株式会社ニレコ、ルーゼックスAP)に取り込み、画像解析を行う。下引層中の導電剤を無作為に100個選び、それぞれの円相当径を求め、粒度分布を得る。一次粒子の粒度分布(粒径0.07μm以上0.2μm未満)の積分値を一次粒子の粒度分布(粒径0.07μm以上0.2μm未満)及び二次粒子の粒度分布(粒径0.2μm以上0.5μm以下)の積分値の合算で割った値を用いる。
導電剤の粒度分布は2つのピークを含むことが好ましい。
ここでピークとは、粒度分布を表すグラフにおける極大点を意味する。
導電剤の粒度分布が2つのピークを含むことで、連続して画像を形成したときにおいてよりゴーストの発生を抑制する感光体になりやすくなる。これは次の通り推測される。
導電剤の粒度分布が2つのピークを含むようにすることで、下引層に含まれる導電剤が一定の割合で凝集している状態によりなりやすくなる。前述した通り、このような状態の下引層は分散時間が短い下引層形成用塗布液を用いて作製され、下引層中の導電剤と、電荷発生層中の電荷発生材料と、が接触しやすくなる。これにより、下引層と電荷発生層との界面における抵抗がより下がりやすくなると推測される。
導電剤の粒度分布は上記一次粒子割合の測定手順の説明において記載したものと同一の手順で粒度分布を得る。
導電剤の粒度分布に含まれる2つのピークが、粒径0.07μm以上0.2μm未満に1つ存在し、粒径0.2μm以上0.5μm以下に1つ存在することが好ましい。
導電剤の粒度分布に含まれる2つのピークが上記粒径の範囲に含まれることで、連続して画像を形成したときにおいてよりゴーストの発生を抑制する感光体になりやすくなる。
2つのピークが上記粒径の範囲に含まれるようにすることで、実験の経験則上、下引層中の導電剤と、電荷発生層中の電荷発生材料と、が接触しやすくなる。これにより、下引層と電荷発生層との界面における抵抗がより下がりやすくなる。2つのピークが上記粒径の範囲に含まれるようにすることで、下引層形成用塗布液を分散する際に、導電剤表面のうち結着樹脂によって覆われていない部分がより存在しやすくなるようになるためと推測される。
導電剤の含有量は、下引層全体の質量に対して、60質量%以上85質量%以下であることがこのましく、62質量%以上83質量%以下であることがより好ましく、65質量%以上80質量%以下であることが更に好ましい。
下引層全体の質量に対する導電剤の含有量を60質量%以上85質量%以下とすることで、連続して画像を形成したときにおいてよりゴーストの発生を抑制する感光体になりやすくなる。その理由は次の通り推測される。
下引層全体の質量に対する導電剤の含有量を60質量%以上とすることで下引層における導電剤の含有量が多くなり下引層中の導電剤と、電荷発生層中の電荷発生材料と、がより接触しやすくなる。
下引層全体の質量に対する導電剤の含有量を85質量%以下とすることで下引層の強度が確保されやすくなる。
ここで、下引層は、導電剤と共に電子受容性化合物(アクセプター化合物)を含有することが、電気特性の長期安定性、キャリアブロック性が高まる観点からよい。
電子受容性化合物としては、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7-トリニトロフルオレノン、2,4,5,7-テトラニトロ-9-フルオレノン等のフルオレノン化合物;2-(4-ビフェニル)-5-(4-t-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール、2,5-ビス(4-ナフチル)-1,3,4-オキサジアゾール、2,5-ビス(4-ジエチルアミノフェニル)-1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’,5,5’テトラ-t-ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物;ベンゾフェノン化合物;等の電子輸送性物質等が挙げられる。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン、及びそれらの誘導体等が好ましい。
電子受容性化合物は、下引層中に導電剤と共に分散して含まれていてもよいし、導電剤の表面に付着した状態で含まれていてもよい。
電子受容性化合物を導電剤の表面に付着させる方法としては、例えば、乾式法、又は、湿式法が挙げられる。
乾式法は、例えば、導電剤をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接又は有機溶媒に溶解させた電子受容性化合物を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させて、電子受容性化合物を導電剤の表面に付着する方法である。電子受容性化合物の滴下又は噴霧するときは、溶剤の沸点以下の温度で行うことがよい。電子受容性化合物を滴下又は噴霧した後、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に制限されない。
湿式法は、例えば、攪拌、超音波、サンドミル、アトライター、ボールミル等により、導電剤を溶剤中に分散しつつ、電子受容性化合物を添加し、攪拌又は分散した後、溶剤除去して、電子受容性化合物を導電剤の表面に付着する方法である。溶剤除去方法は、例えば、ろ過又は蒸留により留去される。溶剤除去後には、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に限定されない。湿式法においては、電子受容性化合物を添加する前に導電剤の含有水分を除去してもよく、その例として溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法が挙げられる。
なお、電子受容性化合物の付着は、表面処理剤による表面処理を導電剤に施す前又は後に行ってよく、電子受容性化合物の付着と表面処理剤による表面処理と同時に行ってもよい。
電子受容性化合物の含有量は、例えば、導電剤に対して0.01質量%以上20質量%以下がよく、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下である。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン-アルキッド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の公知の高分子化合物;ジルコニウムキレート化合物;チタニウムキレート化合物;アルミニウムキレート化合物;チタニウムアルコキシド化合物;有機チタニウム化合物;シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これらの中でも、下引層に用いる結着樹脂としては、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好適であり、特に、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と硬化剤との反応により得られる樹脂が好適である。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
下引層には、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように導電剤の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
添加剤としてのシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピル-トリス(2-メトキシエトキシ)シラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ジルコニウムキレート化合物としては、例えば、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2-エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物としては、例えば、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの添加剤は、単独で、又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
下引層は、ビッカース硬度が35以上であることがよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
下引層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた下引層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。
下引層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、ケトン系溶剤、ケトンアルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
下引層形成用塗布液を調製するときの導電剤の分散方法としては、例えば、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の公知の方法が挙げられる。
ここで、下引層に含まれる導電剤の一次粒子の数を、導電剤の一次粒子の数及び導電剤の二次粒子の数の合計に対して58%以下とする観点から、導電剤の分散方法としてはサンドミルによる方法であることが好ましく、下引層形成用塗布液を調製するときの導電剤の分散時間は10分以上1時間以下とすることが好ましい。
下引層形成用塗布液を導電性基体上に塗布する方法としては、例えば、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
下引層は波長950nmの光の透過率が35%以下であり、ゴーストの観点から、5%以上30%以下であることが好ましく、10%以上25%以下であることがより好ましく、12%以上23%以下であることが更に好ましい。
光の透過率は、紫外可視(UV-vis)分光光度計により測定される値である。
紫外可視分光光度計としては、株式会社島津製作所製、品名UV-2600が使用可能である。
光の透過率の測定は以下光の透過率測定方法1又は光の透過率測定方法2の通り行う。
・光の透過率測定方法1
ポリカーボネートシート(厚さ0.5mm、品名カーボグラスC110C、AGC株式会社製)上に、測定対象とする下引層と同一組成及び同膜厚のサンプルを製膜しこれを測定対象とする。そして、測定対象を紫外可視分光光度計に入れ、測定対象の厚さ方向における、波長950nmの光の透過率を測定する。なお、測定の際には事前に同一のポリカーボネートシートをリファレンスとしてベースラインを作成することで、成膜したサンプル由来の透過率のみを測定した。
・光の透過率測定方法2
感光体から、テトラヒドロフランを用いて、電荷発生層、電荷輸送層及び保護層を溶解させ、導電性基体上は下引層のみの状態にする。さらに、これを濃度0.2mol/Lの塩酸に1時間浸漬することで下引層を取り出す。そして取り出した下引層をポリカーボネートシート(厚さ0.5mm、品名カーボグラスC110C、AGC株式会社製)上に載せ、これを測定対象とする。そして、測定対象を紫外可視分光光度計に入れ、測定対象の厚さ方向における、波長950nmの光の透過率を測定する。なお、測定の際には事前に同一のポリカーボネートシートをリファレンスとしてベースラインを作成することで、下引層由来の透過率のみを測定した。
下引層の膜厚は、例えば、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上50μm以下の範囲内に設定される。
(電荷発生層)
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro-Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等が挙げられる。
これらの中でも、近赤外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、金属フタロシアニン顔料、又は無金属フタロシアニン顔料を用いることが好ましい。具体的には、例えば、ヒドロキシガリウムフタロシアニン;クロロガリウムフタロシアニン;ジクロロスズフタロシアニン;チタニルフタロシアニンがより好ましい。
一方、近紫外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;チオインジゴ系顔料;ポルフィラジン化合物;酸化亜鉛;三方晶系セレン;ビスアゾ顔料等が好ましい。
450nm以上780nm以下に発光の中心波長があるLED,有機ELイメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合にも、上記電荷発生材料を用いてもよいが、解像度の観点より、感光層を20μm以下の薄膜で用いるときには、感光層中の電界強度が高くなり、基体からの電荷注入による帯電低下、いわゆる黒点と呼ばれる画像欠陥を生じやすくなる。これは、三方晶系セレン、フタロシアニン顔料等のp-型半導体で暗電流を生じやすい電荷発生材料を用いたときに顕著となる。
これに対し、電荷発生材料として、縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、アゾ顔料等のn-型半導体を用いた場合、暗電流を生じ難く、薄膜にしても黒点と呼ばれる画像欠陥を抑制し得る。
なお、n-型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn-型とする。
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択され、また、結着樹脂としては、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択してもよい。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、質量比で10:1から1:10までの範囲内であることが好ましい。
電荷発生層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷発生層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷発生層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。なお、電荷発生層の形成は、電荷発生材料の蒸着により行ってもよい。電荷発生層の蒸着による形成は、特に、電荷発生材料として縮環芳香族顔料、ペリレン顔料を利用する場合に好適である。
電荷発生層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、n-ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n-ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等が挙げられる。これら溶剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いる。
電荷発生層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、例えば、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、例えば、高圧状態で分散液を液-液衝突や液-壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式等が挙げられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷発生層形成用塗布液を下引層上(又は中間層上)に塗布する方法としては、例えばブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上5.0μm以下、より好ましくは0.2μm以上2.0μm以下の範囲内に設定される。
(電荷輸送層)
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。電荷輸送層は、高分子電荷輸送材料を含む層であってもよい。
また、電荷輸送層は、電荷移動度μ(CTL)がμ(CTL)≧1.0×10-5(cm/Vs)である。
-電荷移動度μ(CTL)-
電荷輸送層は、電荷移動度μ(CTL)はμ(CTL)≧1.0×10-5(cm/Vs)であり、μ(CTL)≧1.2×10-5(cm/Vs)であることが好ましく、μ(CTL)≧1.4×10-5(cm/Vs)であることがより好ましい。
電荷移動度μ(CTL)の測定は以下μ(CTL)測定方法1又はμ(CTL)測定方法2にして行う。電荷移動度は、電流と時間との関係対数変換し、得られた極性の変曲点の時間から電荷移動度を算出する。値が大きいほど電気特性が良好なことを示している。
・μ(CTL)測定方法1
ITO(Indium Tin Oxide)基板上に、測定対象とする電荷輸送層と同一組成及び同膜厚のサンプルを製膜し、その表面に半透明の金電極をスパッタリング法により作製し、電荷移動測定用サンプルとする。電荷移動度の測定はTOF(Time of Flight)法により行う。測定サンプルに電圧を印加し電界強度3.0×10V/cmなるようにする。その後、窒素パルスレーザー(波長;337nm)を照射し、発生した過渡電流波形を高速電流アンプとデジタルオシロスコープを用いて測定する。
・μ(CTL)測定方法2
感光体表面に対してカッターで切り込みを入れることで電荷輸送層を取り出す。そして取り出した電荷輸送層をITO(Indium Tin Oxide)基板上に載せ、電荷輸送層表面に半透明の金電極をスパッタリング法により作製し、電荷移動測定用サンプルとする。電荷移動度の測定はTOF(Time of Flight)法により行う。測定サンプルに電圧を印加し電界強度3.0×10V/cmなるようにする。その後、窒素パルスレーザー(波長;337nm)を照射し、発生した過渡電流波形を高速電流アンプとデジタルオシロスコープを用いて測定する。
-電荷輸送材料-
電荷輸送材料としては、p-ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7-トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物などの正孔輸送性化合物が挙げられる。これらの第1の電荷輸送材料は1種を単独でまたは2種以上を混合して用いられるが、これらに限定されるものではない。
電荷輸送材料としては、下記一般式(a-1)で示されるトリアリールアミン誘導体、及び下記一般式(a-2)で示されるベンジジン誘導体が好ましい。
一般式(a-1)中、Rは、水素原子又はメチル基を示す。nは1又は2を示す。Ar及びArは各々独立に置換若しくは未置換のアリール基、-C-C(R)=C(R10)(R11)、又は-C-CH=CH-CH=C(R12)(R13)を示し、R乃至R13はそれぞれ独立に水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、又は置換若しくは未置換のアリール基を表す。置換基としてはハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、又は炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基を示す。
一般式(a-2)中、R14及びR14’は同一でも異なってもよく、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、を示す。R15、R15’、R16、及びR16’は同一でも異なってもよく、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上2以下のアルキル基で置換されたアミノ基、置換若しくは未置換のアリール基、-C(R17)=C(R18)(R19)、又は-CH=CH-CH=C(R20)(R21)を示し、R17乃至R21は各々独立に水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、または置換若しくは未置換のアリール基を表す。m及びnは各々独立に0以上2以下の整数を示す。
ここで、上記一般式(a-1)で示されるトリアリールアミン誘導体、及び上記構造式(a-2)で示されるベンジジン誘導体のうち、特に、「-C-CH=CH-CH=C(R12)(R13)」を有するトリアリールアミン誘導体、及び「-CH=CH-CH=C(R20)(R21)」を有するベンジジン誘導体が好ましい。
電荷輸送材料は、下記一般式1で示される化合物を含むことが好ましい。
上記一般式1中、R31,R32,R33,R34,R35,及びR36はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、フェノキシ基、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、m及びnは0又は1を示す。
上記一般式1においてR31,R32,R33,R34,R35,R36で表されるアルキル基としては、炭素数1以上4以下のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基等が挙げられ、特にメチル基またはエチル基が好ましい。
アルコキシ基としては、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアリール基としては、フェニル基や、p-トリル基、2,4-ジメチルフェニル基等の低級アルキル基置換のフェニル基、p-メトキシフェニル基等の低級アルコキシ基置換のフェニル基、p-クロロフェニル基等のハロゲン原子置換のフェニル基等が挙げられる。
一般式1で示される化合物は電荷輸送能が高いため、電荷輸送材料が一般式1で示される化合物を含むことでより高速で画像を形成することができる電子写真感光体となりやすい。
電荷輸送材料は一般式1で示される化合物と共に、下記一般式2で示される化合物を含むことが好ましい。
上記一般式2中、R37,R38,R39,R40,R41,R42,及びR43はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、フェノキシ基、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、m及びnは0又は1を示す。
上記一般式2においてR37,R38,R39,R40,R41,R42,R43で表されるアルキル基としては、炭素数1以上4以下のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基等が挙げられ、特にメチル基またはエチル基が好ましい。
アルコキシ基としては、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアリール基としては、フェニル基や、p-トリル基、2,4-ジメチルフェニル基等の低級アルキル基置換のフェニル基、p-メトキシフェニル基等の低級アルコキシ基置換のフェニル基、p-クロロフェニル基等のハロゲン原子置換のフェニル基等が挙げられる。
一般式2で示される化合物は電荷輸送能が高い。また、一般式2で示される化合物を一般式1で示される化合物と共に電荷輸送層に含むことで、これらの化合物が相互作用し、更に高速で画像を形成することができる電子写真感光体となりやすい。
一般式1で示される化合物は下記電荷輸送材料A2であることが好ましく、一般式2で示される化合物は下記電荷輸送材料A1であることが好ましい。
高分子電荷輸送材料としては、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリシラン等の電荷輸送性を有する公知のものが用いられる。特に、ポリエステル系の高分子電荷輸送材は特に好ましい。なお、高分子電荷輸送材料は、単独で使用してよいが、結着樹脂と併用してもよい。
-結着樹脂-
電荷輸送層に用いる結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、スチレン-アルキッド樹脂、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの中でも、結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂が好適である。これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上で用いる。
なお、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
電荷輸送層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
-電荷輸送層の形成方法及び膜厚-
電荷輸送層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷輸送層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
電荷輸送層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、2-ブタノン等のケトン類;塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状又は直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層の上に塗布する際の塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷輸送層の膜厚は、例えば、好ましくは5μm以上50μm以下、より好ましくは10μm以上30μm以下の範囲内に設定される。
(保護層)
保護層の電荷移動度μ(OCL)はμ(OCL)≧0.68×10-5(cm/Vs)を満たし、μ(OCL)≧0.83×10-5(cm/Vs)を満たすことが好ましく、μ(OCL)≧0.90×10-5(cm/Vs)を満たすことがより好ましい。
電荷移動度μ(OCL)の電荷移動度の測定は、μ(OTL)測定方法1又はμ(OTL)測定方法2にして行う。
・μ(OTL)測定方法1
電荷移動測定用サンプルの作製を、ITO基板上に測定対象とする保護層と同一組成及び同膜厚のサンプルを製膜し、その表面に半透明の金電極スパッタリング法により行うこと以外は既述の電荷移動度μ(CTL)の測定と同一の手順で測定する。
・μ(OTL)測定方法2
感光体表面に対してカッターで切り込みを入れることで保護層を取り出す。そして取り出した保護層をITO(Indium Tin Oxide)基板上に載せ、保護層表面に半透明の金電極をスパッタリング法により作製し、電荷移動測定用サンプルとする。そして、当該電荷移動測定用サンプルを用いること以外は既述のμ(CTL)測定方法2と同一手順で電荷移動度の測定を行う。
保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する目的で設けられる。
そのため、保護層は、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
1)反応性基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に有する反応性基含有電荷輸送材料を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり当該反応性基含有電荷輸送材料の重合体又は架橋体を含む層)
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
反応性基含有電荷輸送材料の反応性基としては、連鎖重合性基、エポキシ基、-OH、-OR[但し、Rはアルキル基を示す]、-NH、-SH、-COOH、-SiRQ1 3-Qn(ORQ2Qn[但し、RQ1は水素原子、アルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、RQ2は水素原子、アルキル基、トリアルキルシリル基を表す。Qnは1~3の整数を表す]等の周知の反応性基が挙げられる。
連鎖重合性基としては、ラジカル重合しうる官能基であれば特に限定されるものではなく、例えば、少なくとも炭素二重結合を含有する基を有する官能基である。具体的には、ビニル基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、スチリル基(ビニルフェニル基)、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基等が挙げられる。なかでも、その反応性に優れることから、連鎖重合性基としては、ビニル基、スチリル基(ビニルフェニル基)、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基であることが好ましい。
反応性基含有電荷輸送材料の電荷輸送性骨格としては、電子写真感光体における公知の構造であれば特に限定されるものではなく、例えば、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の含窒素の正孔輸送性化合物に由来する骨格であって、窒素原子と共役している構造が挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン骨格が好ましい。
これら反応性基及び電荷輸送性骨格を有する反応性基含有電荷輸送材料、非反応性の電荷輸送材料、反応性基含有非電荷輸送材料は、周知の材料から選択すればよい。
保護層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
保護層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた保護層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱等の硬化処理することで行う。
保護層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル等のセロソルブ系溶剤;イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
なお、保護層形成用塗布液は、無溶剤の塗布液であってもよい。
保護層形成用塗布液を感光層(例えば電荷輸送層)上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
保護層の膜厚は、例えば、好ましくは1μm以上20μm以下、より好ましくは2μm以上10μm以下の範囲内に設定される。
[画像形成装置(及びプロセスカートリッジ)]
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電装置と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写装置と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着装置を備える装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー像の転写後、帯電前の電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング装置を備えた装置;トナー像の転写後、帯電前に電子写真感光体の表面に除電光を照射して除電する除電装置を備える装置;電子写真感光体の温度を上昇させ、相対温度を低減させるための電子写真感光体加熱部材を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写装置は、例えば、表面にトナー像が転写される中間転写体と、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写装置と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写装置と、を有する構成が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、乾式現像方式の画像形成装置、湿式現像方式(液体現像剤を利用した現像方式)の画像形成装置のいずれであってもよい。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、電子写真感光体を備える部分が、画像形成装置に対して着脱されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。なお、プロセスカートリッジには、電子写真感光体以外に、例えば、帯電装置、静電潜像形成装置、現像装置、転写装置からなる群から選択される少なくとも一つを備えてもよい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図2に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成装置の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写装置の一例に相当する。
図2におけるプロセスカートリッジ300は、ハウジング内に、電子写真感光体7、帯電装置8(帯電装置の一例)、現像装置11(現像装置の一例)、及びクリーニング装置13(クリーニング装置の一例)を一体に支持している。クリーニング装置13は、クリーニングブレード(クリーニング部材の一例)131を有しており、クリーニングブレード131は、電子写真感光体7の表面に接触するように配置されている。なお、クリーニング部材は、クリーニングブレード131の態様ではなく、導電性又は絶縁性の繊維状部材であってもよく、これを単独で、又はクリーニングブレード131と併用してもよい。
なお、図2には、画像形成装置として、潤滑材14を電子写真感光体7の表面に供給する繊維状部材132(ロール状)、及び、クリーニングを補助する繊維状部材133(平ブラシ状)を備えた例を示してあるが、これらは必要に応じて配置される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の各構成について説明する。
-帯電装置-
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
-露光装置-
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
-現像装置-
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
現像装置11に使用される現像剤は、トナー単独の一成分系現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤であってもよい。また、現像剤は、磁性であってもよいし、非磁性であってもよい。これら現像剤は、周知のものが適用される。
-クリーニング装置-
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
-転写装置-
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
-中間転写体-
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
図3に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
以下に実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
<実施例1>
(電子写真感光体の作製)
まず、以下に説明する手順により、アルミニウム(Al)基体上に、下引層と電荷発生層と電荷輸送層と保護層とをこの順に積層形成した感光体を作製した。
-下引層の形成-
酸化亜鉛(平均粒子径70nm:テイカ社製:比表面積値15m/g)100質量部をトルエン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM503:信越化学工業社製)1.3質量部を添加し、2時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤で表面処理を施した酸化亜鉛を得た。表面処理を施した酸化亜鉛110質量部を500質量部のテトラヒドロフランと攪拌混合し、アリザリン0.6質量部を50質量部のテトラヒドロフランに溶解させた溶液を添加し、50℃にて5時間攪拌した。その後、減圧ろ過にてアリザリンを付与させた酸化亜鉛をろ別し、更に60℃で減圧乾燥を行い、アリザリンを付与させた酸化亜鉛を得た。
この導電剤としてアリザリンを付与させた酸化亜鉛:60質量部と、硬化剤(ブロック化イソシアネート、スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製):13.5質量部と、ブチラール樹脂(エスレックBM-1、積水化学工業社製):15質量部と、をメチルエチルケトン85質量部に混合した液38質量部とメチルエチルケトン:25質量部とを混合し、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて18分間の分散を行い、分散液を得た。得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート:0.005質量部、及びシリコーン樹脂粒子(トスパール145、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):40質量部を添加し、下引層形成用塗布液を得た。この下引層形成用塗布液を浸漬塗布法にてアルミニウムの導電性基材上に塗布し、170℃、40分の乾燥硬化を行い、厚さ20μmの下引層を得た。
-電荷発生層の形成-
電荷発生材料として、Cukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.5゜、16.3゜、25.0゜、28.3゜の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンを用意した。ヒドロキシガリウム
フタロシアニン15質量部、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10質量部及びn-酢酸ブチル200質量部を混合した混合物を、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液にn-酢酸ブチル175質量部及びメチルエチルケトン180質量部を添加し、攪拌して電荷発生層形成用の塗布液を得た。この塗布液を下引層上に浸漬塗布し、150℃下で10分間乾燥して、厚さ0.2μmの電荷発生層を形成した。
-電荷輸送層の形成-
次に、電荷輸送材料として既述の電荷輸送材料A2を2質量部、及び、繰り返し単位が下記構造式(1)で表される高分子化合物(粘度平均分子量:39000)3質量部をクロロベンゼン20質量部に溶解させて電荷輸送層形成用塗布液を得た。
この塗布液を、浸漬法により電荷発生層上に塗布し、110℃で40分間加熱して層厚20μmの電荷輸送層を形成した。
-保護層の形成-
下記に示す反応性基含有電荷輸送材料である構造式(2)で表される化合物70質量部、下記に示す反応性基含有電荷輸送材料である構造式(3)で表される化合物15質量部、及び反応性基含有非電荷輸送材料である硬化性樹脂:ベンゾグアナミン樹脂(三和ケミカル社製ニカラックBL-60;4.4質量部を、2-プロパノール220質量部に加え、混合して溶解させた後、硬化触媒としてNACURE5225(キングインダストリー社製)0.1部質量を加えて、保護層形成用塗布液を得た。
この保護層形成用塗布液を電荷輸送層の上に浸漬塗布し、室温(25℃)で30分風乾した後、窒素気流下、酸素濃度110ppmで、室温から表2に示す加熱温度(到達温度)まで加熱し、これを表2に示す加熱時間(保持時間)で保持して加熱処理し、硬化させた。そして、膜厚が7μmの保護層を形成した。
<実施例2~12、比較例1~5>
-下引層の形成-において、分散液を得る際のサンドミルによる分散時間を表2の通りに変更したこと、並びに-電荷輸送層の形成-において使用する電荷輸送材料の種類及び添加量を表2の通りに変更したこと以外は実施例1と同一の手順で感光体を得た。
<評価>
富士フイルムビジネスイノベーション社製「DocuCentre 505a」の改造機に、各例の感光体を装着した。
この改造機を用いて、画像の出力を行った。具体的には以下の通り画像の出力を行った。
まず、全面30%ハーフトーン画像をA4紙に出力した(以下、初期出力と称する)。具体的には、プロセス方向に連続した帯状の画像をA4紙に5000枚連続で出力した。その直後に、全面30%ハーフトーン画像をA4紙に出力した(以下、運転後出力と称する)。
ここで画像の出力は通常出力条件及び高速出力条件の2通りで行い、条件ごとに後述するゴースト評価及び電位変化評価を行った。
なお、出力条件の詳細は以下の通りである。
・通常出力条件:プロセススピード376mm/sec
・高速出力条件:プロセススピード775mm/sec
(ゴースト評価)
初期出力における画像及び運転後出力における画像を目視にて確認し、ゴーストの発生について、下記基準で評価した。
-評価基準-
A:ゴースト未発生
B:軽微な連続プリントゴースト発生
C:中程度のゴースト発生
D:重度な連続プリントゴースト発生
(電位変化評価)
初期出力後における感光体の表面電位と、運転後出力における感光体の表面電位と、の差分(運転後出力における感光体の表面電位-初期出力後における感光体の表面電位)を算出し、この値をΔVHとする。ΔVHに基づいて下記評価基準で評価した。
-評価基準-
A:±5V以下
B:±5Vを超え±10V以下
C:±10Vを超え±15V以下
D:±15Vを超える
表2中の記載について説明する。
「一次粒子割合(%)」は、下引層に含まれる導電剤における、導電剤の一次粒子の数及び導電剤の二次粒子の数の合計に対する、導電剤の一次粒子の数の割合を意味する。
「粒度分布中のピーク位置(μm)」は、下引層に含まれる導電剤の粒度分布に含まれるピークのピーク位置を示す。例えば「0.10/0.13」と記載した場合、導電剤の粒度分布が0.10μm及び0.13μmにピークを有することを意味する。
「下引層中の導電剤の含有量(%)」は、下引層全体の質量に対する導電剤の含有量を意味する。
「光の透過率(%)」は、下引層の波長950nmの光の透過率を意味する。
電荷輸送材料の種類のうち「電荷輸送材料C1」は下記の化合物を意味する。
実施例11は電荷輸送材料として、電荷輸送材料A1を0.8部と、電荷輸送材料A2を1.2部と、を含む。
上記結果から、本実施例の感光体は、連続して画像を形成したときにおけるゴーストの発生が抑制されることがわかる。
(((1))) 導電性基体と、
前記導電性基体の上に設けられる下引層と、
前記下引層の上に設けられる電荷発生層と、
前記電荷発生層の上に設けられる電荷輸送層と、
前記電荷輸送層の上に設けられる保護層と、を備え、
前記下引層が導電剤を含み、前記導電剤の一次粒子の数が、前記導電剤の一次粒子の数及び前記導電剤の二次粒子の数の合計に対して、58%以下であり、
前記電荷輸送層の電荷移動度μ(CTL)及び前記保護層の電荷移動度μ(OCL)がμ(CTL)≧1.0×10-5(cm/Vs)かつμ(OCL)≧0.68×10-5(cm/Vs)を満たす電子写真感光体。
(((2))) 前記導電剤の粒度分布が2つのピークを含む(((1)))に記載の電子写真感光体。
(((3))) 前記ピークが、粒径0.07μm以上0.2μm未満に1つ存在し、粒径0.2μm以上0.5μm以下に1つ存在する(((2)))に記載の電子写真感光体。
(((4))) 前記導電剤の含有量が、前記下引層全体の質量に対して、60質量%以上85質量%以下である(((1)))~(((3)))のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
(((5))) 前記電荷輸送層が電荷輸送材料を含み、
前記電荷輸送材料が下記一般式1で示される化合物を含む(((1)))~(((4)))のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
上記一般式1中、R31,R32,R33,R34,R35,及びR36はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、フェノキシ基、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、m及びnは0又は1を示す。
(((6))) 前記電荷輸送材料が更に下記一般式2で示される化合物を含む(((5)))に記載の電子写真感光体。
上記一般式2中、R37,R38,R39,R40,R41,R42,及びR43はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、フェノキシ基、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、m及びnは0又は1を示す。
(((7))) 導電性基体と、
前記導電性基体の上に設けられる下引層と、
前記下引層の上に設けられる電荷発生層と、
前記電荷発生層の上に設けられる電荷輸送層と、
前記電荷輸送層の上に設けられる保護層と、を備え、
前記下引層が導電剤を含み、かつ波長950nmの光の透過率が35%以下であり、
前記電荷輸送層の電荷移動度μ(CTL)及び前記保護層の電荷移動度μ(OCL)がμ(CTL)≧1.0×10-5(cm/Vs)かつμ(OCL)≧0.68×10-5(cm/Vs)を満たす電子写真感光体。
(((8))) (((1)))~(((7)))のいずれか1つに記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
(((9))) (((1)))~(((7)))のいずれか1つに記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電装置と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写装置と、
を備える画像形成装置。
(((1)))に係る発明によれば、導電性基体と、前記導電性基体の上に設けられる下引層と、前記下引層の上に設けられる電荷発生層と、前記電荷発生層の上に設けられる電荷輸送層と、前記電荷輸送層の上に設けられる保護層と、を備え、前記電荷輸送層の電荷移動度μ(CTL)及び前記保護層の電荷移動度μ(OCL)がμ(CTL)≧1.0×10-5(cm/Vs)かつμ(OCL)≧0.68×10-5(cm/Vs)を満たす電子写真感光体において、前記下引層が導電剤を含み、前記導電剤の一次粒子の数が、前記導電剤の一次粒子の数及び前記導電剤の二次粒子の数の合計に対して、58%を超える場合と比較して、連続して画像を形成したときにおけるゴーストの発生を抑制する電子写真感光体が提供される。
(((2)))又は(((3)))に係る発明によれば、前記導電剤の粒度分布が1つのピークを含む場合と比較して、連続して画像を形成したときにおけるゴーストの発生を抑制する電子写真感光体が提供される。
(((4)))に係る発明によれば、前記導電剤の含有量が、前記下引層全体の質量に対して、60質量%未満又は85質量%を超える場合と比較して、連続して画像を形成したときにおけるゴーストの発生を抑制する電子写真感光体が提供される。
(((5)))に係る発明によれば、電荷輸送層が電荷輸送材料を含み、電荷輸送材料が一般式1で示される化合物を含まない場合と比較して、高速で画像を形成することができる電子写真感光体が提供される。
(((6)))に係る発明によれば、電荷輸送材料が一般式2で示される化合物を含まない場合と比較して、高速で画像を形成することができる電子写真感光体が提供される。
(((7)))に係る発明によれば、導電性基体と、前記導電性基体の上に設けられる下引層と、前記下引層の上に設けられる電荷発生層と、前記電荷発生層の上に設けられる電荷輸送層と、前記電荷輸送層の上に設けられる保護層と、を備え、前記電荷輸送層の電荷移動度μ(CTL)及び前記保護層の電荷移動度μ(OCL)がμ(CTL)≧1.0×10-5(cm/Vs)かつμ(OCL)≧0.68×10-5(cm/Vs)を満たす電子写真感光体において、前記下引層が導電剤を含み、かつ波長950nmの光の透過率が35%を超える場合と比較して、連続して画像を形成したときにおけるゴーストの発生を抑制する電子写真感光体が提供される。
(((8)))又は(((9)))に係る発明によれば、導電性基体と、前記導電性基体の上に設けられる下引層と、前記下引層の上に設けられる電荷発生層と、前記電荷発生層の上に設けられる電荷輸送層と、前記電荷輸送層の上に設けられる保護層と、を備え、前記電荷輸送層の電荷移動度μ(CTL)及び前記保護層の電荷移動度μ(OCL)がμ(CTL)≧1.0×10-5(cm/Vs)かつμ(OCL)≧0.68×10-5(cm/Vs)を満たす電子写真感光体であり、前記下引層が導電剤を含み、前記導電剤の一次粒子の数が、前記導電剤の一次粒子の数及び前記導電剤の二次粒子の数の合計に対して、58%を超える電子写真感光体を備える場合、又は波長950nmの光の透過率が35%を超える電子写真感光体を備える場合と比較して、連続して画像を形成したときにおけるゴーストの発生を抑制する電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジ又は画像形成装置が提供される。
1 下引層、2 電荷発生層、3 電荷輸送層、4 導電性基体、5 保護層、7A 電子写真感光体、7 電子写真感光体、8 帯電装置、9 露光装置、11 現像装置、13 クリーニング装置、14 潤滑剤、40 転写装置、50 中間転写体、100 画像形成装置、120 画像形成装置、131 クリーニングブレード、132 繊維状部材(ロール状)、133 繊維状部材(平ブラシ状)、300 プロセスカートリッジ

Claims (9)

  1. 導電性基体と、
    前記導電性基体の上に設けられる下引層と、
    前記下引層の上に設けられる電荷発生層と、
    前記電荷発生層の上に設けられる電荷輸送層と、
    前記電荷輸送層の上に設けられる保護層と、を備え、
    前記下引層が導電剤を含み、前記導電剤の一次粒子の数が、前記導電剤の一次粒子の数及び前記導電剤の二次粒子の数の合計に対して、58%以下であり、
    前記電荷輸送層の電荷移動度μ(CTL)及び前記保護層の電荷移動度μ(OCL)がμ(CTL)≧1.0×10-5(cm/Vs)かつμ(OCL)≧0.68×10-5(cm/Vs)を満たす電子写真感光体。
  2. 前記導電剤の粒度分布が2つのピークを含む請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記ピークが、粒径0.07μm以上0.2μm未満に1つ存在し、粒径0.2μm以上0.5μm以下に1つ存在する請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記導電剤の含有量が、前記下引層全体の質量に対して、60質量%以上85質量%以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
  5. 前記電荷輸送層が電荷輸送材料を含み、
    前記電荷輸送材料が下記一般式1で示される化合物を含む請求項1に記載の電子写真感光体。

    (上記一般式1中、R31,R32,R33,R34,R35,及びR36はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、フェノキシ基、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、m及びnは0又は1を示す。)
  6. 前記電荷輸送材料が更に下記一般式2で示される化合物を含む請求項5に記載の電子写真感光体。

    (上記一般式2中、R37,R38,R39,R40,R41,R42,及びR43はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、フェノキシ基、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、m及びnは0又は1を示す。)
  7. 導電性基体と、
    前記導電性基体の上に設けられる下引層と、
    前記下引層の上に設けられる電荷発生層と、
    前記電荷発生層の上に設けられる電荷輸送層と、
    前記電荷輸送層の上に設けられる保護層と、を備え、
    前記下引層が導電剤を含み、かつ波長950nmの光の透過率が35%以下であり、
    前記電荷輸送層の電荷移動度μ(CTL)及び前記保護層の電荷移動度μ(OCL)がμ(CTL)≧1.0×10-5(cm/Vs)かつμ(OCL)≧0.68×10-5(cm/Vs)を満たす電子写真感光体。
  8. 請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
    画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
  9. 請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電装置と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
    トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写装置と、
    を備える画像形成装置。
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