JP2005121884A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 感光体への潤滑剤の塗布供給を簡便な構成で行い、良好なクリーニング性能を有する画像形成装置を提供する。
【解決手段】 感光体と接触帯電手段と潜像形成手段と現像手段と転写手段とクリーニング手段とを有する画像形成装置において、前記接触帯電手段から感光体表面に潤滑剤を塗布させる機構を有し、前記感光体は最外表面を構成する表面層を有し、該表面層は分子内に不飽和官能基を有する正孔輸送性化合物を重合させた正孔輸送能を有するポリマーを含有する画像形成装置とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、潤滑剤を感光体に塗布する形式の画像形成装置に関する。より詳しくは、電子写真感光体・静電記録誘電体等の感光体を帯電部材によって帯電させる帯電手段と、感光体の帯電面に静電潜像を形成させる潜像形成手段と、現像剤担持体に担持されたトナーによって感光体の静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、感光体のトナー像を感光体と記録媒体間に電界を作用させて記録媒体側に転写させる転写手段と、トナー像転写後の感光体面の転写残トナー粒子を回収するクリーニング手段とを備え、帯電手段から潤滑剤を感光体に塗布する機構を有した画像形成装置に関する。
電子写真装置や静電記録装置等に用いられる画像形成方法として、電子写真感光体・静電記録誘電体等の感光体上に潜像を形成させる方法について様々な方法が知られている。
例えば、電子写真法では、光導電性物質を利用した感光体上を所要の極性・電位に一様に帯電処理した後に、画像パターン露光を施すことにより電気的潜像を形成させる方法が一般的である。
従来この種の画像形成装置として、感光体と、この感光体に当接して回転するローラと、このローラに塗布される潤滑剤とが設けられていて、このローラから感光体に潤滑剤を塗布することにより、クリーニング不良やフィルミング等が発生するのを防止するようになっているものがある。これに対し、帯電ローラを潤滑剤塗布ローラとして用いる方法が提案されており、この方法によれば潤滑剤塗布専用のローラ又はベルトを設ける必要がなく、ドラム周りの必要スペースが少なくてすむので、より小径の感光ドラムに適用できる。
しかしながら、帯電ローラを潤滑剤塗布ローラとして用いる方法においては、帯電ローラが感光体に連れ回りするようになっていて、両者がほぼ同速となっており、かつ感光体に対する潤滑剤の付着力が十分でないために、帯電ローラから感光体への潤滑剤の移行が円滑に行われない問題がある。
これに対し、潤滑剤を感光体に塗布しやすくするために、帯電ローラを感光体の線速度と異なる線速度差を設けることができるものが発明されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、帯電ローラに感光体の線速度と異なる線速度差を設ける場合、線速度差をつける機構を設けるスペースとコストが必要になる他、感光体表面との摺擦による磨耗・キズ等による感光体の寿命を縮めたり、高湿下等の摩擦係数が非常に大きくなる場合には回転トルクアップに繋がりドラムの回転が停止してしまうこともありえる。このため潤滑剤を塗布するローラはなるべく感光体と連れ回るようにして従動回転するのが望ましい。
特開平6−342236号公報
本発明は、前記問題点に鑑みなされたものであり、潤滑剤の感光体への移行が円滑に行われ、さらにその構造が簡単であって保守が容易であるのに加えて、全体が小型で安価でかつ高耐久・長寿命の画像形成装置を提供することを課題とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、感光体表面層の分子内に
不飽和官能基を持つ化合物を重合させた正孔輸送性化合物を含有している感光体を用いることにより、接触帯電手段から感光体への潤滑剤の塗布供給が簡便な構成で行えることを見出した。
また、クリーニング手段が有するクリーニングブレードに対する前記感光体の動摩擦係数が0.5以上2.5以下であると、潤滑剤の移動率が高いことを見出した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)感光体と、該感光体に接触して感光体表面を帯電させる接触帯電手段と、前記感光体の帯電面に静電潜像を形成させる潜像形成手段と、現像剤担持体に担持されたトナーによって前記静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写させる転写手段と、転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段とを有する画像形成装置において、
前記接触帯電手段から感光体表面に潤滑剤を塗布させる機構を有し、前記感光体は最外表面を構成する表面層を有し、該表面層は分子内に不飽和官能基を有する正孔輸送性化合物を重合させた正孔輸送能を有するポリマーを含有していることを特徴とする画像形成装置。
(2)前記不飽和官能基が連鎖重合性官能基であることを特徴とする(1)の画像形成装置。
(3)前記接触帯電手段はローラであり、前記感光体に対して同じ線速で回転することを特徴とする(1)の画像形成装置。
(4)前記クリーニング手段はクリーニングブレードを有し、該クリーニングブレードと前記感光体との動摩擦係数が0.5〜2.5であることを特徴とする(1)の画像形成装置。
(5)前記感光体の表面層が潤滑材を5〜50質量%含有していることを特徴とする(1)の画像形成装置。
本発明によれば、潤滑剤を接触帯電手段から塗布してクリーニングを助ける画像形成装置を、感光体への潤滑剤の塗布供給が簡便な構成で行われ、良好なクリーニング性能を有する画像形成装置とすることができる。
以下、好ましい実施の形態を挙げて本発明について詳述する。
本発明の画像形成装置は、接触帯電手段から感光体表面に潤滑剤を塗布させる機構を有し、感光体は最外表面を構成する表面層を有し、該表面層は分子内に不飽和官能基を有する正孔輸送性化合物を重合させた正孔輸送能を有するポリマーを含有していることを特徴とする。
従動回転する接触帯電手段(例えば、ローラ、ブラシ又はベルト)に潤滑剤を付着させて感光体表面に潤滑剤を塗布供給する際に、分子内に不飽和官能基を有する正孔輸送性化合物を重合させた正孔輸送能を有するポリマーを感光体の最外表面を構成する表面層に含有する感光体を用いる場合、その特異な感光体表面の物性により従動回転の接触帯電手段から潤滑剤が感光体上に移動しやすい。
これは、分子内に不飽和官能基を有する正孔輸送性化合物を重合させた正孔輸送能を有するポリマーを含有した表面層が、少なからず未重合の不飽和官能基を持ち、この不飽和官能基が存在するために潤滑剤が吸着しやすくなるためである。また、正孔輸送性化合物
自体の架橋により、表面層が充分な機械的強度を持つために、吸着された放電生成物は表面層と一緒に削られるということが起りにくい。このため、感光体表面へ吸着した放電生成物の量が維持されやすく、感光体表面の潤滑剤に対する摩擦力が充分かつ安定に維持され、感光体表面により潤滑剤が掻き取られやすくなる。このことから、従来、接触帯電手段から感光体への潤滑剤の移行が円滑に行われなかった、感光体と帯電ローラが同線速の回転であるときでも、潤滑剤は感光体上に移行しやすくなる。
このように潤滑剤が付着しやすく、表面の安定した摩擦特性を実現できる感光体を使用することにより、周速差をつけずに感光体に十分な潤滑剤を塗布することができる。また、感光体上に塗布された潤滑剤はクリーニング手段のクリーニングブレードに安定に供給され、長期にわたって良好なクリーニング性能を保つことが可能となる。
以下、本発明の画像形成装置を、図を用いて詳細に説明する。
図1に本発明に係る画像形成装置の一例を示す。図1は、デジタル方式の複写機の概略構成を示す縦断面図である。同図に示す複写機(以下、「画像形成装置」という)は、感光体としてドラム型の電子写真感光体(以下、「感光ドラム」ともいう。)101を備えている。この感光ドラム101は、駆動手段(不図示)によって矢印X方向に回転駆動される。感光ドラム101の周囲には、その回転方向に沿ってほぼ順に、接触帯電手段である帯電ローラ102、潜像形成手段としての露光装置103、現像手段としての現像器104、転写手段としての転写帯電器105、分離帯電器106が配設されている。さらに、記録媒体としての転写材111の搬送方向(矢印Z方向)の分離帯電器106の下流側(同図中の左側)には、定着手段としての定着器107が配設されている。
上述の感光ドラム101表面は、帯電ローラ102により一様帯電される。次いで、露光装置103から発せられるレーザ光により、イメージ露光が行われ、レーザ光照射部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。感光ドラム101上の静電潜像は、現像器104の現像剤担持体110に担持されたトナーによってトナー像として現像される。現像された感光ドラム101上のトナー像は、矢印Z方向に搬送される転写材111上に転写帯電器105によって転写される。トナー像転写後の転写材111は、分離帯電器106によって感光ドラム101表面から分離され、定着器107に搬送される。転写材111は、ここで加熱、加圧を受けて表面にトナー像が定着される。転写後に感光ドラムに残った転写残トナーは、クリーニング手段としてのクリーニング装置109のドラムにカウンター方向に当接された弾性を有するクリーニングブレードにより回収除去される。
従来の電子写真方式の画像形成装置では、感光ドラムを帯電させる際の帯電エネルギーによってNOx、SOx、オゾン等々の種々の帯電生成物が発生することが知られている。これらの放電生成物は、感光ドラム上に付着し感光ドラム表面の滑り性を悪化させる。このために、感光ドラムに当接されたクリーニングブレードと感光ドラムの間で摩擦力が大きくなり、感光ドラム駆動トルクアップ、捲れ、ブレードビビリ(振動)を引きおこし、クリーニング不良につながる傾向がある。このため、特に感光ドラムに帯電性生成物が付着して蓄積していくような場合には、初期の滑り性が良くても、画像形成の繰り返しによりクリーニングが破綻することがある。
これに対し、本発明の画像形成装置では、接触帯電手段から感光ドラムに潤滑剤を供給塗布する手段が設けられていることで上記問題を解決できる。接触帯電手段から感光ドラムに塗布された潤滑剤は、クリーニング装置へ送られて、クリーニングブレードと感光体の滑り性を良くし、転写残トナーのクリーニングを助ける働きをする。潤滑剤が接触帯電手段から感光ドラムに塗布されることで、感光ドラム表面には常に新しい潤滑剤が存在するため、画像形成の繰り返しによるクリーニング部での滑り性悪化が起きず、また滑り性
変動が大きい感光ドラムでも使用することができる。
以上の各手段とプロセスについて以下に詳細に記述するが、本発明はこれに限定されない。
[感光体]
図1中の部材101は感光体(被帯電体)としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下、「感光ドラム」ともいう。)である。
本発明の画像形成装置における感光体は、導電性支持体上に感光層及び最外表面を構成する表面層を有する感光ドラムであり、該表面層は分子内に不飽和官能基を有する正孔輸送性化合物を重合させた正孔輸送能を有するポリマーを含有している。
本発明において、「分子内に不飽和官能基を有する正孔輸送性化合物」とは、不飽和官能基が正孔輸送性化合物の一部に連鎖重合性官能基として化学結合している化合物を示す。好ましくは、同一分子内に連鎖重合性官能基を2つ以上有する正孔輸送性化合物がよい。
「正孔輸送能を有するポリマー」として具体的には、下記一般式(1)で表される同一分子内に連鎖重合性官能基を2つ以上有する正孔輸送性化合物を重合させた正孔輸送能を有するポリマーが挙げられる。
Figure 2005121884
式中、Aは正孔輸送性基を示す。P1及びP2は連鎖重合性官能基を示す。P1とP2は同一でも異なってもよい。Zは置換基を有してもよい有機残基を示す。a、b及びdは0又は1以上の整数を示し、a+b×dは2以上の整数を示す。また、aが2以上の場合P1
は同一でも異なってもよく、dが2以上の場合P2は同一でも異なってもよく、またbが
2以上の場合、Z及びP2はそれぞれ同一でも異なってもよい。
尚ここで、「aが2以上の場合P1 は同一であっても異なっていてもよく」とは、例えば、a=3のとき正孔輸送性基Aに直接結合する重合性官能基P1は3つとも同じもので
も、2つ同じで1つは違うものでも、それぞれ3つとも異なるものでもよいということを意味するものである。「dが2以上の場合P2 は同一であっても異なっていてもよく」というのも、「bが2以上の場合、Z及びP2 は同一であっても異なっていてもよい」というのもこれと同様なことを意味するものである。
一般式(1)で表される同一分子内に連鎖重合性官能基を2つ以上有する正孔輸送性化合物としては、特開2001―166509号公報に記載のものが挙げられる。具体的には、以下の通りである。
上記一般式(1)のAで示される正孔輸送性基は、正孔輸送性を示すものであればいずれのものでもよいが、具体的には、P1やZとの結合部位を水素原子に置き換えた水素付
加化合物(正孔輸送化合物)として示せば、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン等のトリアリールアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体
、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体等が挙げられる。
また、上記一般式(1)中のZは、置換基を有してもよいアルキレン、置換基を有してもよいアリーレン、CR1=CR2(R1及びR2はアルキル基、アリール基又は水素原子を示し、R1及びR2は同一でも異なってもよい。)、C=O、S=O、SO2 、酸素原子又は硫黄原子からなる群から選ばれた一つ又は任意に組み合わされた有機基を示す。
同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物として、より具体的には一般式(2)〜(8)で例示される化合物が挙げられるが、本発明はこれらの化合物に限ったものではない。
Figure 2005121884
Figure 2005121884
前記同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合させることで、感光ドラムの表面層中において、正孔輸送性化合物は少なくとも2つ以上の架橋点をもって3次元架橋構造の中に共有結合を介して、正孔輸送能を有するポリマーとして取り込まれる。前記正孔輸送性化合物はそれのみを重合させる、又は他の連鎖重合性官能基を有する化合物と混合させることのいずれもが可能であり、その種類/比率はすべて任意である。
ここでいう「他の連鎖重合性官能基を有する化合物(以下、「連鎖重合性化合物」ともいう。)」とは、連鎖重合性官能基を有する単量体又はオリゴマー/ポリマーのいずれもが含まれる。
正孔輸送性化合物の連鎖重合性官能基と、連鎖重合性化合物の連鎖重合性官能基とが同一の基又は互いに重合可能な基である場合には、両者は共有結合を介した共重合3次元架橋構造をとることが可能である。両者の連鎖重合性官能基が互いに重合しない官能基である場合には、感光層は少なくとも2つ以上の3次元硬化物の混合物又は主成分の3次元硬
化物中に連鎖重合性化合物単量体又はその硬化物を含んだ物として構成されるが、その配合比率/製膜方法をコントロールすることで、IPN(Inter Penetrati
ng Network)、すなわち相互進入網目構造を形成することも可能である。
本発明の画像形成装置において、感光ドラムの表面層には、潤滑材を表面層の全質量に対して、5〜50質量%含有させることも好ましい。表面層に含有される潤滑材の量を5〜50質量%とすることで、ベタ黒又はベタ白といった厳しい画像出力条件でも良いクリーニング性能が得られる。
潤滑材として、フッ素原子含有樹脂、フッ化カーボン、ポリオレフィン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有させるが、その好ましい化合物としては以下の物が挙げられる。ただし、これらの化合物に限定されるものではない。
フッ素原子含有樹脂として好ましいものは、ビニルフルオライド、ビニリデンフルオロライド、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテルより選ばれる化合物の重合体、共重合体樹脂及び樹脂微粒子が挙げられる。
フッ化カーボンは(CF)n、(C2F)nで表される化合物が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂として好ましいものは、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブテン樹脂等のホモポリマー樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体等の共重合体樹脂及び樹脂微粒子が挙げられる。
これらの潤滑材はそれぞれ単独でも2種以上を任意の割合で用いることも可能である。なお、潤滑材を表面層に含有させる方法として、樹脂そのままで用いる場合は適正な溶媒を選択し溶解させて用い、樹脂微粒子として用いる場合は好適な樹脂微粒子の粒径は0.01〜0.5μmである。
潤滑材として上述のフッ素原子含有樹脂、フッ化カーボン、ポリオレフィン樹脂のうち少なくとも1種の微粒子を含有させることにより、感光体の表面の滑り性、撥水性を高めることができ、繰り返し使用時の帯電、現像、転写等による感光ドラム表面層の化学的劣化に伴う転写効率や滑り性の低下、さらには感度低下、電位低下等の電気特性の劣化を防ぎ、繰り返し使用時においてもフィルミング、融着、クリーニング不良、画像ボケ/流れ等の画像不良の発生を抑えることが可能となる。潤滑材としてフッ素原子含有樹脂を用いると好適な結果が得られる。
本発明の画像形成装置に用いる感光ドラムの表面層には、分子内に連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合させた正孔輸送能を有するポリマーを含有するほか、前記潤滑材の分散剤、分散助剤、その他の各種添加剤、界面活性剤等を含有してもよい。
本発明における感光ドラムの構成は、導電性支持体上に感光層として電荷発生物質を含有する電荷発生層及び電荷輸送物質を含有する電荷輸送層をこの順に積層した構成(以下、「機能分離型」という)、また電荷発生物質と電荷輸送物質を同一層中に分散した単層からなる構成(以下、「単層型」という)のいずれの構成をとることも可能である。前者の機能分離型においては電荷輸送層が二層以上の構成とすることも可能である。これらいずれの場合においても、感光体の最外層を構成する、分子内に連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合させた正孔輸送能を有するポリマーを表面層が含有していればよい。
感光ドラムとしての特性、特に残留電位等の電気的特性及び耐久性の点より、電荷発生層/電荷輸送層をこの順に積層した機能分離型の感光体構成で、少なくとも電荷輸送層に前記分子内に連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合させた正孔輸送能を有するポリマーが含有されていることが好ましい。該構成により、電荷輸送能を低下させることなく表面層の高耐久化が可能になる。
次に本発明における感光ドラムの製造方法の一例を示す。
感光ドラムの支持体上に必要により下引き層、さらに電荷発生層及び電荷輸送層を積層し、必要により保護層を設ける。以下、具体的に示す。
感光ドラムの支持体としては導電性を有するものであればよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレス等の金属や合金をドラム又はシート状に成形したもの、アルミニウム及び銅等の金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化錫等をプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独又は結着樹脂とともに塗布して導電層を設けた金属、またプラスチックフィルム及び紙等が挙げられる。
本発明においては、導電性支持体の上にバリアー機能と接着機能を持つ下引き層を設けることも好ましい態様の一つである。
下引き層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、支持体上の欠陥の被覆、支持体からの電荷注入性改良、また、感光層の電気的破壊に対する保護等のために形成される。下引き層の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、にかわ及びゼラチン等が知られている。これらはそれぞれに適した溶剤に溶解されて支持体上に塗布される。その際の膜厚としては0.1〜2μmが好ましい。
本発明に係る感光ドラムが機能分離型感光体である場合には、電荷発生層及び電荷輸送層を積層する。電荷発生層に用いる電荷発生物質としては、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、また各種の中心金属及び結晶系、具体的には、例えば、α、β、γ、ε及びX型等の結晶型を有するフタロシアニン化合物、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、モノアゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、非対称キノシアニン顔料、キノシアニン及び特開昭54−143645号公報に記載のアモルファスシリコーン等が挙げられる。
機能分離型感光体の場合、電荷発生層は、前記電荷発生物質を0.3〜4質量倍量の結着樹脂及び溶剤とともにホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター及びロールミル等の方法でよく分散し、分散液を塗布し、乾燥して形成するか、又は前記電荷発生物質の蒸着膜等、単独組成の膜として形成する。その膜厚は5μm以下であることが好ましく、特に0.1〜2μmの範囲であることが好ましい。
電荷発生層に結着樹脂を用いる場合の例は、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明における、前記分子内に連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合させた正孔輸送能を有するポリマーを含有する表面層は、前述した電荷発生層上に電荷輸送層として、又は電荷発生層上に電荷輸送物質と結着樹脂からなる電荷輸送層を形成した後に正孔輸送能を有する表面保護層として用いることができる。いずれの場合も前記分子内に連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合させた正孔輸送能を有するポリマーを含有する表面層の形成方法は、前記分子内に連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を含有する溶液を塗布後、重合反応をさせて、正孔輸送能を有するポリマーを得るのが一般的であるが、前もって分子内に連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を含む溶液を反応させて、硬化物(正孔輸送能を有するポリマー)を得た後に、再度溶剤中に分散又は溶解させて、表面層を形成することも可能である。
これらの溶液を塗布する方法は、例えば、浸漬コーティング法、スプレイコーティング法、カーテンコーティング法及びスピンコーティング法等が知られているが、効率性/生産性の点からは浸漬コーティング法が好ましい。
また蒸着、プラズマその他の公知の製膜方法が適宜選択できる。
本発明において、分子内に連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物は放射線により重合させることが好ましい。放射線による重合の最大の利点は重合開始剤を必要としない点であり、これにより非常に高純度な三次元感光層の作製が可能となり、良好な電子写真特性が確保される点である。また、短時間でかつ効率的な重合反応であるがゆえに生産性も高く、さらには放射線の透過性のよさから、厚膜時や添加剤等の遮蔽物質が膜中に存在する際の硬化阻害の影響が非常に小さいこと等が挙げられる。この際、使用する放射線とは電子線及びγ線である。電子線照射をする場合、加速器としてはスキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型、パルス型及びラミナー型等いずれの形式も使用することができる。
なお、放射線による重合の補助を目的として重合開始剤を用いてもよい。
電子線を照射する場合に、本発明においては、感光体の電気特性及び耐久性能を発現させる上で照射条件が非常に重要である。本発明において、加速電圧は250kV以下が好ましく、最適には150kV以下である。また線量は、好ましくは10〜1000kGyの範囲、より好ましくは30〜500kGyの範囲である。加速電圧が上記を超えると、感光体特性に対する電子線照射のダメージが増加する傾向にある。また、線量が上記範囲よりも少ない場合には硬化が不十分となりやすく、線量が多い場合には感光体特性の劣化がおこりやすい。
以下に、機能分離型感光体について説明する。
前記分子内に連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合させた正孔輸送能を有するポリマーを含有する表面層を電荷輸送層として用いた場合の前記正孔輸送性化合物の量は、重合後の電荷輸送層の全質量に対して、前記一般式(1)で表される連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物の水素付加物が分子量換算で20%以上、好ましくは40%以上含有されていることが望ましい。それ以下であると電荷輸送能が低下し、感度低下及び残留電位の上昇等の問題点が生ずる傾向がある。この場合の電荷輸送層としての膜厚は1〜50μmであることが好ましく、特に3〜30μmであることが好ましい。
前記分子内に連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合させた正孔輸送能を有するポリマーを含有する表面層を電荷発生層/電荷輸送層上に保護層として用いた場合、
その下層に当たる電荷輸送層は適当な電荷輸送物質、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリスチリルアントラセン等の複素環や縮合多環芳香族を有する高分子化合物や、ピラゾリン、イミダゾール、オキサゾール、トリアゾール、カルバゾール等の複素環化合物、トリフェニルメタン等のトリアリールアルカン誘導体、トリフェニルアミン等のトリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、ヒドラゾン誘導体等の低分子化合物等を適当な結着樹脂(前述の電荷発生層に用いられる結着樹脂の中から選択できる)とともに溶剤に分散/溶解した溶液を前述の公知の方法によって塗布、乾燥して形成することができる。
この場合の電荷輸送物質と結着樹脂の比率は、両者の全質量を100とした場合に電荷輸送物質の質量が30〜100が望ましく、好ましくは50〜100の範囲で適宜選択される。電荷輸送物質の量が30以下であると、電荷輸送能が低下し、感度低下及び残留電位の上昇等の問題が生ずることがある。電荷輸送層の膜厚は、上層の表面層と合わせた総膜厚が1〜50μmとなるように決定され、好ましくは5〜30μmの範囲で調整される。
本発明においては上述のいずれの場合においても、前記分子内に連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合させた正孔輸送能を有するポリマーを含有する表面層に、前記電荷輸送物質を含有させることが可能である。
単層型感光体の場合を以下に示す。前記分子内に連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を含む溶液中に電荷発生物質も含まれることになり、適当な下引き層又は中間層を設けてもよい導電性支持体上にこの溶液を塗布後、重合反応させて正孔輸送能を有するポリマーを形成させる場合と、導電性支持体上に設けられた電荷発生物質及び電荷輸送物質から構成される単層型感光層上に前記分子内に連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を含有する溶液を塗布後、重合反応させ、正孔輸送能を有するポリマーを形成させる場合のいずれもが可能である。
以上のようにして作製された、分子内に連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合させた正孔輸送能を有するポリマーを含有した表面層を持つ感光体は、従来の樹脂を表面層として用いた感光体が有していた問題点を解決できる。すなわち、感光体の表面層の膜強度を高くすることによって、耐磨耗性及び耐傷性を向上させ、かつ耐析出性を良好とし、繰り返し使用時における残留電位の上昇等の感光体特性の変化や劣化が非常に少なくなり、繰り返し使用時にも安定した性能を発揮することができることから、長寿命で高画質な画像形成に用いることができる。
高湿下等において潤滑剤が塗布された感光ドラムに水分が付着し易い場合は、感光ドラム内部にヒータを設ける、又は、ファンにより気流を発生させて水分を蒸発しやすい構成をとることも好ましい。
[帯電手段]
本発明の画像形成装置における帯電手段は、感光体表面に潤滑剤を塗布させる機構(以下、「潤滑剤供給手段」ともいう。)を有している。本発明においては、帯電手段はローラ、ブラシ、又はベルトのいずれでもよく、感光体に対して同じ線速で回転していることが好ましい。
図1に記載の画像形成装置には接触帯電ローラを用いる。
図1中の接触帯電手段は感光ドラム101に所定の押圧力をもって接触させて配設した可撓性の接触帯電部材としての導電性弾性ローラ(帯電ローラ)102である。Aは感光
ドラム101と帯電ローラ102との帯電当接部である。この帯電ローラ102には、感光体表面に潤滑剤を塗布させる機構である潤滑剤供給手段108から供給される潤滑剤をその外周面に薄層でコートして担持させてあり、帯電当接部Aには潤滑剤が存在している。本実施の形態においては、帯電ローラ102はそれ自体の駆動手段を有さず、帯電当接部Aにおいて感光ドラム101の回転方向にあわせて従動で回転する。そしてこの帯電ローラ102に帯電バイアス電源から所定の帯電バイアスが印加される。これにより回転する感光ドラム101の外周面が注入帯電方式で所定の極性・電位に一様に接触帯電処理される。
帯電ローラ102、潤滑剤供給手段108については以下に詳しく詳述する。
(1)帯電ローラ
本実施の形態における接触帯電部材としての帯電ローラ102は、芯金上にゴム又は発泡体の中抵抗層を形成することにより作成される。中抵抗層は、例えば、ウレタン等の樹脂、カーボンブラック等の導電性粒子、硫化剤、発泡剤等により処方される弾性発泡体を、快削鋼(SUM)、ステンレス鋼(SUS)等の芯金の上にローラ状に形成することにより得られる。その後必要に応じて表面を研磨する。
ここで、接触帯電部材である帯電ローラ102は、電極として機能することが重要である。つまり、弾性を持たせて被帯電体との十分な接触状態を得ると同時に、移動する被帯電体を充電するに十分低い抵抗を有する必要がある。一方では被帯電体にピンホール等の低耐圧欠陥部位が存在した場合に電圧のリークを防止する必要がある。
被帯電体として感光体を用いた場合、十分な帯電性と耐リークを得るには帯電ローラは104〜107Ω・cmの抵抗率が望ましい。さらに、帯電ローラ102の表面は潤滑剤を保持できるようミクロな凹凸があるものが望ましい。
帯電ローラのミクロな凹凸は、用いる潤滑剤によっても異なり一概には規定できないが、表面粗さがRz0.5μm以上のものが望ましい。
帯電ローラの抵抗は、帯電ローラ102の芯金に総圧1kgの加重がかかるよう直径30mmのアルミ基体に帯電ローラ102を圧着した状態で、芯金とアルミ基体との間に100Vを印加して計測する。
帯電ローラ102の硬度は、硬度が低すぎると形状が安定しないために被帯電体との接触性が悪くなり、高すぎると被帯電体との間に帯電当接部Aを確保できないだけでなく、被帯電体表面へのミクロな接触性が悪くなるので、アスカーC硬度で25〜50度が好ましい範囲である。
上記アスカーC硬度は、高分子計器株式会社製のアスカー硬度計C型を使用し、荷重500gの条件で測定する。
帯電ローラ102としては、弾性発泡体に限定するものではなく、芯金上に弾性体を形成したものであればよく、弾性体の材料として、EPDM、ウレタン、NBR、シリコーンゴムや、IR等に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性粒子を分散したゴム材や、またこれらを発泡させたものがあげられる。また、特に上記導電性粒子を分散せずに、イオン導電性材料を用いて抵抗調整をすることも可能である。帯電ローラ102は被帯電体としての感光ドラム101に対して弾性に抗して所定の押圧力で圧接させて配設するのが好ましく、具体的には幅数mmの帯電当接部を形成させることが好ましい。
帯電手段はローラの形態に限るものではなく、ブラシやベルトの形態であっても良い。
本発明の画像形成装置は接触型帯電手段への適用に限るものではなく、潤滑剤を感光体に付着塗布させるのが困難な非接触型帯電手段を用いる場合にも有効である。
(2)潤滑剤及び潤滑剤供給手段
本発明において、帯電手段から感光体に塗布供給される潤滑剤の例としては、例えば、シリコンオイル;フッ素オイル;PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)等の各種フッ素原子含有樹脂;シリコーン樹脂;ポリオレフィン系樹脂;シリコングリース;フッ素グリース;SiO;黒鉛;二硫化モリブデン、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレイン酸鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸銅、パルチミン酸、亜鉛パルチミン酸コバルト、パルチミン酸銅、パルチミン酸マグネシウム、パルチミン酸アルミニウム、パルチミン酸カルシウム、カプリル酸鉛、カプロン酸鉛、リノレン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸カルシウム及びリコリノレン酸カドミウム等の脂肪酸;これら脂肪酸の金属塩;キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、オオバ油、みつろう、ラノリン等のワックス等が挙げられる。
潤滑剤として、好ましくは、ステアリン酸亜鉛、又はステアリン酸カルシウム等が挙げられる。
潤滑剤は、粉体ばかりでなく、固体に凝集した状態で存在することもなんら問題はない。どのような凝集状態であれ、帯電ローラに薄層で塗布され、帯電ローラの帯電機能を著しく損なうのでなければその形態は重要ではない。
潤滑剤は潜像露光時に妨げにならないよう、白色又は透明に近いことが望ましく、さらに、潤滑剤が感光体上から記録材Pに一部転写されてしまうことを考えると、カラー画像形成時においては、無色又は白色のものが望ましい。また、潤滑剤が粉体である場合には、潤滑剤の粒径は現像剤の粒径に対して、1/2以下であることが好ましい。潤滑剤の粒径が現像剤の1/2より大きいと画像露光を遮ることがある。
最初に、感光ドラム101と帯電ローラ102との帯電当接部Aに十分量の潤滑剤を介在させても、又は帯電ローラ102に十分量の潤滑剤を塗布しておいても、画像形成装置の使用に伴い潤滑剤は感光体へ移動し、クリーニング装置にて使用されるために、帯電当接部Aや帯電ローラ102に対して潤滑剤を補給する必要がある。
帯電ローラ102の面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段として、例えば、図2に示すものが挙げられる。例えば、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を用いる場合、ステアリン酸亜鉛の固形体202(サイズ:313.0mm×6.0mm×20.0mm)をバネ203でブラシ204に押し当てて掻き取って細かくして少量ずつ削れた分をブラシから帯電ローラ201に塗布する構成が挙げられる。
なお、上記構成でクリーニングが問題なく行われる潤滑剤の塗布量は、固形ステアリン酸亜鉛の消費削れ量で表記すると、A4横10000枚画像形成あたり200〜1200μmの消費削れ量が好適である。上記範囲からはずれて少なすぎるとブレードの鳴き、捲れが起きやすくなり、多すぎても潜像形成の露光を妨害することがある。さらに特にステアリン酸亜鉛等の金属石鹸を用いる場合には供給量が多すぎると逆に感光体のトルクアッ
プを起こしやすい。なお、「消費削れ量」とは、図2中の固形体202におけるブラシ204側から削られる量のことである。
例えば、ステアリン酸亜鉛の消費削れ量を800μmになるように押付バネ圧とブラシ硬度を調節することで、帯電ローラから感光体へのステアリン酸亜鉛の移動がスムーズに行われれば、10000枚通紙あたり800μmの削れ量分のステアリン酸亜鉛がクリーニング装置に送られる事になる。しかしながら潤滑剤の感光体への移動が早すぎる場合には、帯電ローラに塗布された潤滑剤が一気に感光体に持っていかれてしまい、帯電ローラ上の潤滑剤が少なくなって供給バランスが悪くなりクリーニング不良又は感光ドラムの回転トルクアップを引き起こしてしまうので、帯電ローラにバッファの潤滑剤を残しつつ、かつ適度に感光ドラムに移動するように感光ドラムの表面の状態を決める必要がある。
潤滑剤が帯電ローラから適度に感光ドラムに移動するようには、
感光体のすべり性が適正範囲となるようにすればよい。具体的には、クリーニングブレードと感光体との動摩擦係数が0.5〜2.5となるようにする。
本発明の画像形成装置は、帯電ローラを感光ドラムへの潤滑剤塗布ローラとして用いるので、潤滑剤塗布専用のローラ又はベルトを設ける必要がなく、感光ドラム周りの必要スペースが少なくてすみ、より小径の感光ドラムに適用できる。また帯電ローラに潤滑剤が塗布されており、さらにその潤滑剤がどんどん交換されていくので、帯電ローラがトナーやトナー外添剤で汚染されることがない。
[潜像形成手段]
103は、潜像形成手段としてのレーザーダイオード・ポリゴンミラー等を含むレーザービームスキャナ(露光装置)である。このレーザービームスキャナ103は目的の画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して強度変調されたレーザー光を出力し、該レーザー光でもって上記感光ドラム101の一様帯電面を走査露光する。この走査露光により、回転する感光ドラム101の面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
潜像形成手段に用いる光源は、LEDアレイであっても良く、この場合は、目的の画像情報に対応する位置のLEDを点灯し、感光ドラム101の面に静電潜像を形成する。
[現像手段]
104は現像器である。感光ドラム101に形成された静電潜像は、現像器104によりトナー像として現像される。
現像器104は、表面にトナーが薄層状に塗布される現像剤担持体110と現像器104内のトナーを攪拌するとともに現像剤担持体方向にトナーを移動させる攪拌部材と、現像剤担持体表面に塗布されたトナー層厚を規制する規制ブレード112とを有している。現像剤担持体110と規制ブレード112との間のギャップは、50〜300μmに設定されることが好ましい。
現像剤担持体は、例えば、表面がバインダーであるフェノール樹脂と、ピグメントであるカーボン及びグラファイトからなる樹脂によりコートされているものを用いることができる。
現像剤担持体表面に塗布され、現像剤担持体表面のコート樹脂と摩擦帯電しながら規制ブレードによってローラ塗布量を規制されたトナーは、現像剤担持体の表面に担持され、その矢印Y方向の回転に伴って、感光ドラム101表面に対向する現像位置に搬送される。現像位置における現像剤担持体と感光ドラム101との間のギャップ(以下、「SDギ
ャップ」ともいう。)は、現像剤担持体軸に回転可能に支持された不図示の感光ドラム突き当てコロによって、180〜300μmに設定されている。本実施の形態において、負極性の磁性一成分トナーを用いたジャンピング現像方式が用いられるが、本発明の画像形成装置の現像方式は、これに限定されず、接触現像方式を用いてもよい。
本発明の画像形成方法においては、現像剤担持体に印加される現像バイアスとして、交番電圧の絶対値が500V以上、感光体へのリークを考慮すると好ましくは500〜1,500Vとするのがよい。但し、このリークは、現像剤担持体と感光体との間隙の設定により変動するので、間隙により交番電圧も適宜変更する。
また、本発明において、現像バイアスの交番電圧の周波数は、1,000〜5,000Hzの範囲とすることが好ましい。即ち、交番電圧の周波数が1,000Hz未満になると、得られる画像の階調性はよくなるものの、地カブリを解消するのが困難となる。これは、トナーの往復運動回数が少ない低周波数領域では、非画像部においても現像バイアス電界による感光体へのトナーの押しつけ力が強くなり過ぎるので、逆現像側バイアス電界によるトナーの剥ぎ取り力によっても、非画像部に付着したトナーを完全には除去できないためであると考えられる。一方、周波数が5,000Hzを超えると、トナーが感光ドラムに充分接触しないうちに、逆現像側のバイアスが印加されることになるので、現像性が低下する傾向がある。つまり、トナー自身が高周波数電界に応答できなくなる。本発明者の検討によれば、本発明においては、交番電圧の周波数を1,500〜3,000Hzとすると、最適な画像性を示すことが確認された。
上記の理由を考慮し、現像時の現像バイアスとしては、周波数500〜8000Hz、ピーク間電圧400〜3000Vpp、Duty10〜90%の交番電圧に、−50〜−700Vの直流電圧を重畳させた重畳バイアスを現像剤担持体104に印加することが好ましい。これにより、感光ドラム101表面の静電潜像は反転現像されトナーが付着されてトナー像として可視化される。なお、トナーの飛散を抑制するため、紙間、前回転時等の非画像部での感光ドラム101及び現像剤担持体104駆動時には交流電圧は印加されないことが好ましい。
[転写手段]
105は接触転写手段としての中抵抗の転写ローラであり、感光ドラム101に所定に圧接させて転写ニップ部を形成させてある。この転写ニップ部に不図示の給紙部から所定のタイミングで記録媒体としての転写材111が給紙され、且つ転写ローラ105に所定の転写バイアスが印加されることで、感光ドラム101側のトナー像が、転写ニップ部に給紙された転写材111の面に、静電気力と押圧力にて順次に転写されていく。ここで、潤滑剤はポジ極性だが、主に感光ドラム上非潜像形成部に存在する潤滑剤の一部が押圧力により転写材上に移動する。
[定着手段]
107は熱定着方式等の定着ローラと加圧ローラを有する定着器である。感光ドラム101側のトナー像の転写を受けた転写材111は回転する感光ドラム101の面から分離されてこの定着器107に導入され、定着ローラの熱と圧力によりトナー像の定着を受けて画像形成物(プリント、コピー)として装置外へ排出される。
[クリーニング手段]
109はトナー転写後に感光ドラムに残った転写残トナーを回収・清掃するクリーニング装置である。クリーニング装置は、例えば、ポリウレタンゴムを板型に成型したクリーニングブレード113を感光ドラムの回転に対しカウンターで当接させることにより、感光ドラムのクリーニングを行う。クリーニングブレード113にて掻き取られたトナーや
潤滑剤は、すくいシート等により受け取られ、トナー送り羽根とスクリューによって廃トナーボックスに送られる。
本発明の画像形成装置においては、クリーニングブレードと感光ドラムとの動摩擦係数が0.5〜2.5であることが好ましい。クリーニングブレードと感光ドラムとの動摩擦係数が上記値であると、クリーニングブレードのめくれなく、トナーすり抜けの少ない良好なクリーニングが達成でき、また特に本発明に関しては潤滑剤の帯電手段から感光体への移動が必要十分となり好ましい。
[トナー]
本発明の画像形成装置に用いられるトナーは、特に制限はされないが、結着樹脂と磁性体とを含有するトナー粒子と、該トナー粒子に外添された無機微粉体とから成る磁性トナーが好ましく用いられる。
外添された無機微粉体は、主にトナーの帯電量を適正化する働きを持たせることが可能であり、チタン酸ストロンチウム微粉体やシリカ微粉体、酸化チタン微粉体等を用いることができる。なお、無機微粉体はトナー粒子100質量部に対し、0.01〜10質量部を外添して用いることが好ましい。
本発明のトナー粒子を製造する方法としては、従来の方法が用いられ、例えば、懸濁重合法;乳化重合法;マイクロカプセル製法のような界面重合法等の重合法や、加圧ニーダーやエクストルーダー、又はメディア分散機等を用いてトナー成分を混練、均一に分散させた後、冷却し、混練物を機械的又はジェット気流下でターゲットに衝突させて所望のトナー粒径に微粉砕し、更に分級工程を経て粒度分布をシャープにしてトナー粒子を製造する粉砕法;粉砕法で得られたトナー粒子を溶媒中で加熱等により球形化処理し、トナー粒子を得る方法等が挙げられる。
[実施例1]
本実施例の複写機は、上述の図1に示した画像形成装置を用いる。具体的には、以下の通りである。なお、実施例中の配合量を表す「部」は「質量部」を意味する。
(感光ドラム)
長さ260.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS A3003アルミニウム合金)を支持体として、この上にポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ製)の5質量%メタノール溶液を浸漬法で塗布し、膜厚が0.5μmの下引き層を形成した。
次に、電荷発生材料としてCuKαのX線回折における回折角2θ±0.2が28.1°に最も強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンの結晶3部とポリビニルブチラール2部をシクロヘキサノン100部に添加し、1mmφガラスビーズを用いたサンドミルで1時間分散し、これにメチルエチルケトン100部を加えて希釈して電荷発生層用塗料を調製し、上記下引き層上にこの電荷発生層用塗料を浸漬塗布し、90℃で10分間乾燥して、膜厚0.17μmの電荷発生層を形成した。
次いで、下記式(9)の電荷輸送材料化合物7部及びポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)10部を、モノクロロベンゼン105部及びジクロロメタン35部に溶解した。この溶液を、前記電荷発生層上に浸漬塗布し、110℃で1時間熱風乾燥し、膜厚が13μmの電荷輸送層を形成した。電荷輸送層の上にこのさらに保護層を形成させた。
Figure 2005121884
本実施例では反転現像を用い、感光体は直径30mmのアルミシリンダー上に前述したように3層を重ねた後、表面保護層として前記一般式(2)で表される正孔輸送性化合物を電子線照射により重合させた化合物を含有する表層を塗工し硬化させた感光体である。一般式(2)で表される正孔輸送性化合物45部をn−プロピルアルコール55部に溶解し、さらにテトラフルオロエチレン微粒子を5部添加して、高圧分散機(マイクロフルイタイザー、Microfluidics社製)にて分散させた表面保護層用塗料を調整した。この塗料を前記4層感光体上に塗布したのち、加速電圧150KV、線量40kGyの条件で電子線を照射し、膜厚5μmの保護層を形成し、電子写真感光体を得た。
この感光ドラムは矢印X方向に210mm/secの周速度をもって回転駆動される。
(帯電手段)
本実施の形態における接触帯電部材としての帯電ローラ102は、快削鋼(SUM)の芯金上に導電フィラーとして酸化亜鉛を含有したウレタンゴムの中抵抗層(100kΩ)を形成することにより作成する。
本実施の形態では、帯電ローラ102には感光ドラム101の外周面がほぼ−700Vに一様に帯電処理されるように、帯電バイアス電源から帯電バイアスを印加する。感光ドラム101表面は、一次帯電ローラ102により−700Vに一様帯電される。
潤滑剤供給手段は、図2に示すものを用いる。潤滑剤としてのステアリン酸亜鉛の固形体202(313.0mm×6.0mm×20.0mm)を、バネ203でブラシ204に押し当てて掻き取って細かくして少量ずつ削れた分をブラシから帯電ローラ201に塗布する。
本実施例では、ステアリン酸亜鉛の消費削れ量は800μmになるように押付バネ圧とブラシ硬度を調節する。
(露光装置)
露光装置103に用いる光源は、半導体レーザを用いる。また、露光装置は露光に用いる光源のみであり、除電光は設けていない。露光装置103の半導体レーザから発せられる波長680nmのレーザ光により、600dpi(dot/inch)でイメージ露光が行われ、レーザ光照射部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。
(現像器)
現像器104は、ジャンピング現像を用いる。現像剤担持体は、表面がバインダーであるフェノール樹脂と、ピグメントであるカーボン及びグラファイトからなる樹脂によりコートされているものを用い、その組成重量比は、(バインダー:ピグメント=2.5:1.0)である。
現像剤担持体110と規制ブレード112との間のギャップは、100μmに設定する。
トナーは、現像剤担持体表面のコート樹脂と摩擦帯電しながら規制ブレードによって現像剤担持体上の塗布量が約1.0mg/cm2層厚規制され、現像剤担持体の表面に担持され、それから現像剤担持体の矢印Y方向の回転に伴って感光ドラム101表面に対向する現像位置に搬送される。現像位置における現像剤担持体と感光ドラム101との間のSDギャップは、220μmに設定されている。
現像時の現像バイアスとしては、1000Hz、ピーク間電圧800Vpp、Duty50%の交番電圧に、−550Vの直流電圧を重畳させた重畳バイアスを現像剤担持体104に印加する。なお、トナーの飛散を抑制するため、紙間、前回転時等の非画像部での感光ドラム101及び現像剤担持体104駆動時には交流電圧は印加されない。
(トナー)
トナーは、以下のように製造した。
イオン交換水709gに0.1M−Na3PO4水溶液451gを投入し60℃に加温した後、1.0M−CaCl2水溶液67.7gを徐々に添加してCa3(PO42を含む水系媒体を得た。
・スチレン 80部
・n−ブチルアクリレート 20部
・不飽和ポリエステル樹脂 2部
・飽和ポリエステル樹脂 3部
・負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物) 1部
・表面処理疎水化磁性体 90部
上記処方をアトライター(三井三池化工機(株))を用いて均一に分散混合し、単量体組成物を得た。この単量体組成物を60℃に加温し、そこにベヘニン酸ベヘニルを主体とするエステルワックス(DSCにおける吸熱ピークの極大値72℃)6部を添加混合溶解し、これに重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)[t1/2 =140分,60℃条件下]5gを溶解し、重合性単量体系を得た。
前記水系媒体中に上記重合性単量体系を投入し、60℃、N雰囲気下においてTK式ホモミキサー(特殊機化工業(株))にて10,000rpmで15分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ、60℃で6時間反応させた。その後液温を80℃とし更に4時間撹拌を続けた。反応終了後、80℃で更に2時間蒸留を行い、その後、懸濁液を冷却し、塩酸を加えてCa(POを溶解し、濾過、水洗、乾燥して重量平均粒径6.5μmのトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子に対して平均粒径8nmの疎水性シリカ微粉体、平均粒径1μmのチタン酸ストロンチウム微粉体を重量比でそれぞれ1.2、1.5%外添して、負極性の磁性一成分トナーを得た。
(転写ローラ)
中抵抗(2×10〜2×10Ω)の転写ローラは、感光ドラム101に圧接させて転写ニップ部を形成させる。潤滑剤はポジ極性だが、主に感光ドラム上非潜像形成部に存在する潤滑剤の一部が押圧力により転写材上に移動する。
(定着器)
定着ローラと加圧ローラとを有する熱定着方式等の定着器とする。定着ローラを、直径40mm、肉厚1mmのアルミニウムの芯金上に、厚さ50μmのPFA樹脂チューブを被覆して離型層を形成した構成とした。この定着ローラの芯金の内側には、定着ローラを内部から加熱するヒータが設置される。
また、加圧ローラは、直径14mmの鉄の芯金上に、厚さ8mmのシリコーンスポンジゴムの弾性層を形成し、さらにその上に厚さ50μmのPFA樹脂チューブを被覆して離型層を形成した構成とした。この加圧ローラのアスカーC硬度は、約56度(アスカーC硬度計により荷重1kgで測定)である。この加圧ローラを加圧手段により20ニュートン(N)の押圧力で定着ローラに押圧して、定着ローラと定着ローラとの間に約5mm幅の定着ニップを形成させた。
(クリーニング装置)
クリーニング装置は、硬度77°のポリウレタンゴムを厚さ2.0mmの板型に成型したクリーニングブレードを感光ドラムの回転に対しカウンターで当接させることにより行われる。クリーニングブレードのドラムへの当接角は30°、進入量は0.75mm、ブレードの接着固定位置から先端までの距離(自由長)は5mmである。
<評価>
以上の画像形成装置を用いて、下記の評価を行った。
(長期耐久性)
長期耐久性はキヤノン製デジタル複写機GP40で使用した際にA4で画像出力した際に問題なく25万枚以上使用できるか否かで○×を判断している。結果を表1に示す。
(潤滑剤移動量)
空回転機にて帯電ローラから感光ドラムへ潤滑剤が移動塗布されているかどうかをクリーニングで回収された量から判断した。このときの評価基準は以下のように行った。結果を表1に示す。
○:充分塗布されている
△:量は少ないが塗布されている
×:ほとんど塗布されていない
(クリーニング性)
初期におけるクリーニング性能と100000枚画出し耐久時のクリーニング性能を評価した。クリーニング性能は、実機にて以下の基準で評価することより行った。結果を表1に示す。
○:問題なし
△:わずかに不良になることがあるが出力画像には影響無し
×:CLN不良により出力画像に影響を及ぼす
[実施例2]
実施例1の感光ドラム1の製造において、上記一般式(2)で表される正孔輸送性化合物の代わりに、上記一般式(4)で表される正孔輸送性化合物を用いて感光ドラム2を作製して用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1の感光ドラムの製造において、上記一般式(2)で表される正孔輸送性化合物の代わりに、上記一般式(7)で表される正孔輸送性化合物を用いて感光ドラム3を作製して用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1の感光ドラムの製造において、上記一般式(2)で表される正孔輸送性化合物を重合させたポリマーを含有する保護層の代わりにポリカーボネートに電荷輸送物質及びPTFE粒子を分散させた表面層を有する感光ドラム1’を作製して用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1で得られた感光ドラムの代わりに、負極帯電性アモルファスシリコン(a−Si)で構成された感光層を有する負極性a−Si感光ドラム2’を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2005121884
比較例1の感光ドラム1’は帯電ローラで付着する潤滑剤の量はほとんどないものの、初期のクリーニング性は出力画像に影響が出ない程度には満足できた。しかし、対磨耗性が弱く100000枚の画出し耐久では傷が入ってしまいクリーニングができなくなった。比較例2の感光ドラム2’は磨耗に強く耐久性を満足できるが初期において帯電からの潤滑剤供給が行われず、初期からクリーニング不良が発生してしまった。
これらに対し、本発明の実施例1〜3の感光ドラム1〜3は、長期耐久性を有しており、また帯電ローラでの潤滑剤供給がうまく行われ、初期から100000枚まで良好なクリーニング性を発揮できた。
以上の結果から、実施例は比較例に比べて潤滑供給が円滑に行われることがわかる。
[実施例4〜13]
さらに、ドラム表面の状態を変化させた感光ドラムではどうなるかを検証するために、クリーニングブレードとの動摩擦係数を変化させた感光ドラムを用意した。感光ドラムの動摩擦係数をかえるために、感光ドラム表面層を形成させるときの電子線照射量、感光ドラム表面層への潤滑材(PTFE粒子)添加量、及び表面研磨による表面粗さ調節を行った。
PTFE粒子の添加量は表面層となる層の全質量に対し、0、5、30、50、70質量%となるように塗工液を調製した以外は、実施例1の感光ドラム1と同様にして、電子線照射により重合させて表面層を形成した感光ドラムを2本ずつ作製した。2本ずつ作製された一方を感光ドラム4〜8とし、その一方の感光ドラムの表面粗さを以下の様に調整したものを、感光ドラム9〜13とした。
粗さ2000番のラッピングテープにより感光ドラムを回転駆動させながら、ドラム表面を十点平均粗さRzが0.5μmになるまで研磨した。なお研磨前の十点平均粗さはいずれのドラムも0.3μmであった。十点平均粗さRzは、JIS B 0601に準処して測定した。
上記のようにしてPTFE量と十点平均粗さを調節された感光ドラム表面の動摩擦係数(μ)の測定は、HEIDON社製の表面試験機(型式HEIDON−14)により測定した。クリーニングブレードを一定の荷重(g)で感光ドラムに押し当て、感光ドラム面と平行に動いている時に加わる力を測定する。
動摩擦係数は、クリーニングブレードが動いている時の{感光体に加わる力(g)}/{ブレードに加えた荷重(g)}で得られる。使用クリーニングブレードは、バンドー化学社製ウレタンブレード(ゴム硬度77度)を10mm×30mm×2mmにカットし荷重20g、当接角度22.5°、当接幅10mmとした。
クリーニングブレード固定装置の概略断面図を図3に示す。動摩擦係数測定は表面試験機本体の検出部に接続されたクリーニングブレード固定部材303で固定されたクリーニングブレード302を感光ドラム301に当接させた後、クリーニング感光ドラム301を回転させる装置(不図示)にセットし矢印方向に回転させ、回転する感光ドラムに加わる力を検出することより行う。測定した結果を表2に示す。
<評価>
上記で得られた感光ドラム4〜13を実施例1と同様の画像形成装置に感光体として用いて、下記の評価を行った。
(潤滑剤移動量)
空回転機にて帯電ローラから感光ドラムへ潤滑剤が移動塗布されているかどうかをクリーニングで回収された量から判断した。このときの評価基準は以下のように行った。結果を表1に示す。
○:充分塗布されている
△:量は少ないが塗布されている
×:ほとんど塗布されていない
(クリーニング性能)
クリーニング性能、すなわち、画像形成装置にて5%原稿及びベタ黒連続通紙時のトナーのすり抜けに関して以下の基準で評価した。
○:全く問題なし
△:わずかに不良になることがあるが出力画像には影響無し
×:CLN不良により出力画像に影響を及ぼす
(ブレードの鳴き)
ベタ白通紙時のブレードの鳴きに関しては、駆動中の画像形成装置の前に立ち以下の基準で評価行った。
○:全く聞こえない
△:通紙枚数が100枚越えるとわずかに聞こえる
×:初期から聞こえる
Figure 2005121884
本実施例において動摩擦係数が0.5〜2.5で、5%程度の画像出力ではCLN性が非常に良好であることがわかる。
また、PTFE量を5〜50%とすることで、ベタ黒又はベタ白といった厳しい画像出力条件でも良いクリーニング性能が得られた。
本発明の画像形成装置を表す概略断面図である。 本発明の帯電手段の潤滑剤塗布手段の概略断面図である。 本発明で用いる動摩擦係数測定装置の概略断面図である。
符号の説明
101 感光ドラム
102 帯電ローラ
103 露光装置
104 現像器
105 転写ローラ
106 分離部材
107 定着器
108 潤滑剤供給手段
109 クリーニング装置
110 現像剤担持体
111 転写材
112 規制ブレード
113 クリーニングブレード

Claims (5)

  1. 感光体と、該感光体に接触して感光体表面を帯電させる接触帯電手段と、前記感光体の帯電面に静電潜像を形成させる潜像形成手段と、現像剤担持体に担持されたトナーによって前記静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写させる転写手段と、転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段とを有する画像形成装置において、
    前記接触帯電手段から感光体表面に潤滑剤を塗布させる機構を有し、
    前記感光体は最外表面を構成する表面層を有し、該表面層は分子内に不飽和官能基を有する正孔輸送性化合物を重合させた正孔輸送能を有するポリマーを含有していることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記不飽和官能基が連鎖重合性官能基であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記接触帯電手段はローラであり、前記感光体に対して同じ線速で回転することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 前記クリーニング手段はクリーニングブレードを有し、該クリーニングブレードと前記感光体との動摩擦係数が0.5〜2.5であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  5. 前記感光体の表面層は潤滑材を5〜50質量%含有していることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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JP2006330289A (ja) * 2005-05-25 2006-12-07 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2007127849A (ja) * 2005-11-04 2007-05-24 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2012088635A (ja) * 2010-10-22 2012-05-10 Ricoh Co Ltd 画像形成装置、プロセスカートリッジ
JP2013029833A (ja) * 2011-07-27 2013-02-07 Xerox Corp 画像形成部材に機能性材料を運ぶための装置で使用する組成物

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