JP2009036829A - 電子写真装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像かぶり、画像濃度低下、画像メモリ、画像流れ等の不具合を生じない、高耐久な電子写真装置を提供する。
【解決手段】条件[1]及び条件[2]で測定した電位減衰が2V以上8V以下を満たす電子写真感光体を有し、画像形成終了後、少なくとも前記感光体が1回転する間、除電手段を作動させずに、帯電手段を作動させる工程を設け、その後、少なくとも前記感光体が1回転する間、帯電手段を作動させずに、除電手段を作動させる工程を設けた電子写真装置。
条件[1]前記感光体の表面電位が−600(V)の時に、特定条件で露光し、露光から180msec後の前記感光体の表面電位を−400(V)となるレーザー光量を(A)とする。
条件[2]前記感光体の表面電位が−600(V)の時に、レーザー光量(A)を2.5μsec露光し、95msecから183msecの間の電位減衰を測定する。
【選択図】図7−1

Description

本発明は、電子写真装置に関する。
従来、電子写真感光体にはセレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛等の無機光導電物質が広く用いられていた。一方、有機光導電性物質と各種染料や顔料を組み合わせた有機電子写真感光体もある。
有機光導電性物質を用いた電子写真感光体は成膜性が良く、塗工によって生産できるため極めて生産性が高く、安価な電子写真感光体を提供できる利点を有している。また、使用する染料や顔料等の選択により、感光波長域を自在にコントロールすることができる等の利点を有しており、これまで幅広い検討がなされてきた。特に最近では、有機光導電性染料や顔料を含有した電荷発生層と、光導電性ポリマーや低分子の電荷輸送物質を含有した電荷輸送層を積層した機能分離型感光体が開発されている。機能分離型感光体により、従来の有機電子写真感光体の欠点とされていた感度や、耐久性に著しい改善がなされてきており、これが電子写真感光体の主流となってきている。
一方、当然のことながら、電子写真感光体には適用される電子写真プロセスに応じた感度、電気特性、光学特性等を備えていることが要求される。特に、繰り返し使用される感光体にあっては、その感光体表面には帯電、画像露光、トナー現像、被転写体への転写、残トナーのクリーニング等の電気的、機械的外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が求められる。具体的には、摺擦による表面の摩耗や傷の発生に対する耐久性、帯電による表面劣化、例えば転写効率や滑り性の低下、更には感度劣化、帯電能の低下等、電気特性の劣化に対する耐久性が要求される。
一般に、有機電子写真感光体の構成は薄い樹脂層であり、樹脂材料の特性が非常に重要である。上述の諸条件をある程度満足する樹脂として、近年アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などが実用化されているが、前述したような特性のすべてがこれらの樹脂で満足されるわけではない。特に感光体の高耐久化を図る上では、前記樹脂の被膜強度は十分に高いとは言い難い。これらの樹脂を表面層形成用の樹脂として用いた場合でも、繰り返し使用時において表面層の摩耗が起こるという問題点があった。
更に、近年の有機電子写真感光体の高感度化に対する要求から、感光体に対して電荷輸送物質などの低分子量化合物が比較的大量に添加される場合が多い。この場合、それら低分子量物質の可塑剤的な作用により、膜強度が著しく低下し、より一層繰り返し使用時の表面層の摩耗が問題となっている。また電子写真感光体を長期にわたって保存する際に、前述の低分子量成分が析出してしまい、相分離するといった問題も発生している。
これらの問題点を解決する手段として、硬化性の樹脂を電荷輸送層用の樹脂として用いる試みが、特許文献1に開示されている。このように、電荷輸送層用の樹脂に硬化性の樹脂を用い、電荷輸送層を硬化、架橋することによって機械的強度が増し、繰り返し使用時の耐摩耗性及び耐傷性は大きく向上する。
表面層に硬化性樹脂を含有する有機感光体は、長期間の耐久使用時も表面層の摩耗がほとんどなく、初期の表面層の形状を耐久使用中に維持しつづける性質を有する。
そのため、硬化性樹脂を含有する有機感光体は摩耗に関しては、有効な手段であるが、熱または放射線照射により形成された電荷輸送層は電荷輸送機能が硬化により阻害され、感度において不具合を発生する問題が生じている。
電子写真装置においては、省スペース化のために本体の小型化、且つ、高速化が図られている。前者の要求により電子写真感光体は小径化が行われており、後者の要求により電子写真感光体が1回転するために要する時間(以下、サイクルスピードと称す)が短縮化されてきている。サイクルスピードの短縮は、電子写真装置内の各工程間の時間の短縮を意味し、電子写真感光体に与えられるストレス(光、流入電流等)の間隔が短くなる。
その結果、電子写真感光体がストレスに対して疲労を生じ、電荷が膜内に蓄積することにより電子写真感光体の特性劣化を生じる。電子写真感光体内の蓄積電荷は、帯電能低下、露光後電位の上昇等を生じ、画像かぶり、画像濃度低下、画像メモリ、画像流れ等の不具合を生じる。
電子写真装置の小型化、及び、電子写真感光体の疲労を減少させるために特許文献2、3に示されるように、除電手段を設けず、その代換えとして画像形成終了後、露光手段を用いて、電子写真感光体を除電することが記載されている。
特許文献2では、印刷動作を迅速に開始することを目的として印刷終了後、後回転時に図1に示されるようなタイミングチャートのシークエンスが行われる。このようなシークエンスでは帯電が印加されることにより電子写真感光体上に電位が保持され(白地部電位)、その後、露光手段により露光され、電子写真感光体上の電位が黒字部電位まで減少する。しかし、この際、電位が大幅に減少するということは、電子写真感光体内部に電流が流れることを意味する。通電が多くなると電子写真感光体は疲労を生じ、通紙初期では問題は発生しないが、通紙枚数が増加するにつれ、帯電電位の低下、または、露光電位の上昇等の弊害が生じ、その結果、画像濃度の低下、かぶり等の画像不具合を生じる。
特許文献3の実施例のタイミングチャートの例として、図2のようなシークエンスがある。このようなシークエンスの場合、画像形成終了後、露光のみを行うことになる。電子写真感光体上では画像形成部、非画像形成部が有り、電子写真感光体上の表面電位が異なる。この状態で露光による電位の除電を行うと、画像形成部、非画像形成部に対応した電位が残る。電位差がある程度生じ、且つ、次画像形成が開始されると、その電位差が、次帯電においても残存し、画像メモリとなる場合がある。
このように、電子写真装置の小型化、及び、電子写真感光体の疲労を減少させることを両立させることは困難である。
特開平2−127652号公報 特開平6−143683号公報 特開2004−163457号公報
電子写真装置のカラー化、小型化、高速化により、電子写真感光体は高感度化が要求される。感光体は、耐摩耗性、耐傷性も求められ、それに対しては、硬化性樹脂を用いることにより、大きく向上するが、高感度化に対しては、電荷輸送機能が硬化により阻害されるため、両立させることは困難である。
本発明の目的は、画像かぶり、画像濃度低下、画像メモリ、画像流れ等の不具合を生じない、高耐久な電子写真装置を提供することである。
本発明は、少なくとも導電性支持体、有機感光層及び表面層を有し、且つ、条件[1]及び条件[2]で測定した電位減衰が2V以上8V以下を満たす円筒状電子写真感光体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、除電手段とを少なくとも有する電子写真装置において、
前記除電手段は、前記露光手段と同一であり、且つ、画像形成終了時、帯電手段直下の前記電子写真感光体上の地点を(A)地点、前記露光手段の照射位置を(B)位置とすると、
画像形成終了後、前記帯電手段は、(A)地点が少なくとも1回転し更に(B)位置に至るまで、前記電子写真感光体に電圧を印加し、
且つ、前記除電手段は、(A)地点が回転し(B)位置に至った時点で発光を停止し、更に、(A)地点が(B)位置に至り前記帯電手段が電圧印加を停止した時点で発光し、その後、(A)地点が少なくとも1回転し(B)位置に至った時点で、発光を停止することを特徴とする電子写真装置である。
条件[1] 前記電子写真感光体の表面電位が−600(V)の時に、前記露光手段に用いられる光源波長のレーザーを2.5μsec露光し、露光から180msec後の前記電子写真感光体の表面電位を−400(V)になるようにレーザー光量を調整し、前記−400(V)となるレーザー光量を(A)とする。
条件[2] 前記電子写真感光体の表面電位が−600(V)の時に、レーザー光量(A)を2.5μsec露光し、95msecから183msecの間の電位減衰を測定する。
また、本発明は、少なくとも導電性支持体、有機感光層及び表面層を有し、且つ、条件[1]及び条件[2]で測定した電位減衰が2V以上8V以下を満たす円筒状電子写真感光体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、除電手段とを少なくとも有する電子写真装置において、
画像形成終了時、前記帯電手段直下の位置を(A)位置、除電手段の前記電子写真感光体上の照射地点を(C)地点とすると、
画像形成終了後、前記帯電手段は、(C)地点が少なくとも1回転し更に(A)位置に至るまで、前記電子写真感光体に電圧を印加し、
且つ、前記除電手段は、(C)地点が(A)位置に至り前記帯電手段が電圧印加を停止した時点で発光し、その後、(C)地点が少なくとも1回転し(A)位置に至った後に、発光を停止することを特徴とする電子写真装置である。
条件[1] 前記電子写真感光体の表面電位が−600(V)の時に、前記露光手段に用いられる光源波長のレーザーを2.5μsec露光し、露光から180msec後の前記電子写真感光体の表面電位を−400(V)になるようにレーザー光量を調整し、前記−400(V)となるレーザー光量を(A)とする。
条件[2] 前記電子写真感光体の表面電位が−600(V)の時に、レーザー光量(A)を2.5μsec露光し、95msecから183msecの間の電位減衰を測定する。
本発明は、熱または、放射線照射により形成された表面層を有する電子写真感光体を用い、帯電手段がローラ形状である電子写真装置において、画像不具合を生じない、高耐久な電子写真装置を提供する。特に、除電手段を有さない場合に生じる画像メモリ、また、除電手段を有した場合に生じる高温多湿環境での画像流れを改善し、画像不具合を生じない、高耐久な電子写真装置を提供する。
本発明に用いる電子写真感光体は、以下に記載の条件[1]及び条件[2]で測定した電位減衰が2V以上8V以下を満たす電子写真感光体である。
条件[1] 前記電子写真感光体の表面電位が−600(V)の時に、前記露光手段に用いられる光源波長のレーザーを2.5μsec露光し、露光から180msec後の前記電子写真感光体の表面電位を−400(V)になるようにレーザー光量を調整する。前記−400(V)となるレーザー光量を(A)とする。
条件[2] 前記電子写真感光体の表面電位が−600(V)の時に、レーザー光量(A)を2.5μsec露光し、95msecから183msecの間の電位減衰を測定する。
感光体の感度について、図3に示されるような光感度曲線用いて説明する。図3の(I)の領域において、電子写真感光体に、Vd(V)という表面電位が与えられときに、Y(mJ/m)という光量の光が照射される。それにより、電子写真感光体の表面電位がΔV(Vd−Vl)減少する。光量Yのときの、減衰量ΔV(V)が大きいことを高感度と表現している。
電子写真感光体によっては、図4に示すように表面電位が(Vl)まで減衰した後、光照射を終えた後でも表面電位(Vl)が徐々に下がる感光体がある。これは、感光体に存在するトラップに入ったキャリアが時間を経過することにより、抜け出すことにより生じる。
硬化性樹脂を有する感光体においてはこの状況が顕著である。樹脂を硬化させる目的のために可塑性の樹脂と比較して、より高温の加熱を行う、紫外光照射を行う、電子線照射を行う等により、硬化性樹脂を含む層より下層の感光層に劣化を生じる場合がある。
また、硬化性樹脂を含む層においても、未硬化に終わった樹脂成分、それ以外の硬化時に劣化した物質が、上記のトラップの要因の一つに挙げられると思われる。
トラップが存在すると、次サイクルの帯電、転写等の帯電、除電手段よる除電等で感光体表面の帯電電位が変化する時に、トラップに捕獲されていたキャリアが抜け出し、感光体表面が不均一に帯電、除電することとなり、その、不均一領域が画像上不具合となる。
また、硬化性樹脂を含む層はその下層の領域で相溶させると、硬化が阻害されるため、明確な境界が存在するため、トラップ以外にも電荷の輸送を阻害する要因がある。
次に本発明における電位減衰の測定方法の概略を図5に示す。感光体1は図示しない駆動モーターにより矢印方向に回転する。除電手段2は、感光体の残留電位を除去する。表面電位計4は透明電極を有し、裏面より光を照射しつつ、電位を測定することが可能である。露光手段5は、感光体の表面電位が所望の電位に達した際に、露光を行う。本発明においては、感光体1を回転方向に回転させ、除電手段2を発光させる。帯電手段3により、感光体の表面電位を−600V以上に帯電させる。帯電部位が表面電位計4に達した時点で感光体1を停止する。感光体1は暗減衰により、如々に電位が低下してゆくが、表面電位計4は常時、表面電位を測定している。表面電位が−600Vを通過した時に、表面電位計4の後方から、露光手段5より露光を行い、電位変化を表面電位計4は測定していく。測定時間は光照射後60msecから200msecの間である。
測定が終了した後は、感光体1を回転させ、除電手段2を発光させ、感光体1の表面に残存する電位を消去する。
その後、表面電位計が測定していた電位を読取り、180msec後の電位が−400Vでなるまで、光量を変化させて同様なことを行う。露光手段の光量が決定した後、感光体表面を−600V以上に帯電させ、−600Vを通過した時点で、決定した露光光量を感光体に照射し、照射後の感光体表面電位を測定する。
その後、95msecから183msecの間の電位減衰量を読み取る。
次に本発明に用いる電子写真感光体の表面層について説明する。
電荷輸送層を最表面に用いる場合、電荷輸送層に高エネルギー線等を利用して、硬化、重合する樹脂、あるいはモノマー、更には正孔輸送機能を有する硬化、重合する樹脂あるいはモノマーを用いることが可能である。
電荷輸送層にバインダー樹脂を含有する場合、電荷輸送物質とバインダー樹脂の比率は質量%で、バインダー樹脂+電荷輸送物質に対する電荷輸送物質の質量%が0.1%以上100%以下が好ましく、より好ましくは10%以上80%以下である。
電荷輸送層の厚さは薄すぎると帯電能が保てず、厚すぎると残留電位が高くなりすぎるため適当な範囲にする必要がある。好ましくは5μm以上70μm以下、より好ましくは10μm以上30μm以下である。
電荷輸送層中に含まれる電荷輸送物質の量は、質量%で好ましくは20%以上100%以下であり、より好ましくは30%以上90%以下である。
感光層を単層で用いる場合、電荷発生物質と電荷輸送物質を同一層内に含有する。電荷発生物質及び電荷輸送物質の具体例は、後述の積層感光体の場合と同様である。同様に放射線を利用して、硬化、重合する樹脂、あるいはモノマー、更には正孔輸送機能を有する硬化、重合する樹脂あるいはモノマーを用いることが可能である。
単層感光層は8μm以上40μm以下の厚さが好ましく、より好ましくは12μm以上30μm以下である。電荷発生物質や電荷輸送物質等の光導電性材料を好ましくは20質量%以上100質量%以下含有するが、より好ましくは30質量%以上90質量%以下である。
本発明に用いる電子写真感光体の最表面に該当する層は、電荷輸送機能を有していても、有していなくてもよいが、硬化性樹脂を含有する層であることがより好ましい。このような表面層は、本技術分野公知の方法により形成させればよい。例えば、硬化性樹脂やそのモノマー等の硬化性の材料の溶液または分散液を支持体上に形成された層の上に塗布し、所定の条件において硬化性樹脂を生成させることによって形成させる方法などが挙げられる。
本発明に用いる電子写真感光体の表面層に用いる硬化性樹脂は、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂及びウレタン系樹脂からなる群より選択される少なくとも一種類であることが好ましい。
また、これら硬化性樹脂は、電荷輸送機能を有する硬化性樹脂の硬化物であることが好ましい。また、重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を加熱及び/または放射線の照射により重合及び/または架橋することにより、正孔輸送性化合物を含有する化合物やこの化合物を有する溶液、分散液等の組成物を硬化して得られたものであることがより好ましい。
この正孔輸送性化合物は、同一分子内に二つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物であることが好ましい。この正孔輸送性化合物は、上述の重合性官能基が重合する条件によって、重合させて、正孔輸送性化合物の組成物を硬化させればよい。このような重合条件には、加熱や放射線の照射等の公知の条件が挙げられる。重合に用い得る放射線は、好ましくは、電子線である。正孔輸送性化合物を有する組成物を硬化させるには、加熱する熱量、照射する放射線、または電子線の強度を適宜調整すればよい。更に、温度や酸素濃度等を適宜調整して組成物を硬化させてもよい。
上述の重合性官能基を有する正孔輸送性化合物は、本技術分野公知の種々の正孔輸送性化合物であればよい。
また、単層及び積層のどちらの場合においても、感光層の上層に保護層を設けてもよい。この場合、保護層が表面層となる。保護層は、電子写真感光体に加えられる機械的、電気的、または化学的な負荷から感光層を保護する目的で、感光体の表面を構成するように、種々の層の最も上に形成される層である。この保護層は、上述した表面層の形成と同様に、放射線などの高エネルギー線等により、硬化・重合する樹脂若しくは単重合体、または正孔輸送機能を有するこれらの樹脂若しくは単重合体で形成されてもよい。保護層の層厚は0.01μm以上10μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以上7μm以下である。
更に、保護層中に金属及びその酸化物、窒化物、塩、合金やカーボン等の導電性材料を含有してもよい。その様な金属種としては、鉄、銅、金、銀、鉛、亜鉛、ニッケル、スズ、アルミニウム、チタン、アンチモン、インジウムなどが挙げられ、具体的には、ITO、TiO、ZnO、SnO、Alなどが使用可能である。導電性材料は微粒子状のものを保護層中に分散させるが、その粒子径は好ましくは0.001μm以上5μm以下、より好ましくは0.01μm以上1μm以下のものが用いられる。その保護層への添加量は、好ましくは1質量%以上70質量%以下、より好ましくは5質量%以上50質量%以下である。分散剤としてチタンカップリング剤、シランカップリング剤、各種界面活性などを用いてもよい。
次に、本発明に用いる電子写真感光体について、表面層以外の層も含めて更に詳しく説明する。
上述のとおり、本発明に用いる電子写真感光体は、導電性支持体(円筒状導電性支持体)及び該導電性支持体(該円筒状導電性支持体)上に設けられた有機感光層(以下単に「感光層」ともいう)を有する円筒状電子写真感光体である。
感光層は、電荷輸送物質と電荷発生物質を同一の層に含有する単層型感光層であっても、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型(機能分離型)感光層であってもよい。電子写真特性の観点からは積層型感光層が好ましい。また、積層型感光層には、導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した順層型感光層と、導電性支持体側から電荷輸送層、電荷発生層の順に積層した逆層型感光層があるが、電子写真特性の観点からは順層型感光層が好ましい。また、電荷発生層を積層構造としてもよく、また、電荷輸送層を積層構成としてもよい。
図6−1乃至図6−4に本発明に用いる電子写真感光体の層構成の例を示す。
図6−1に示される層構成の電子写真感光体は、導電性支持体6上に電荷発生物質を含有する層(電荷発生層)7、電荷輸送物質を含有する層(電荷輸送層)8、表面層9が設けられている。
図6−2に示される層構成の電子写真感光体は、導電性支持体6の上に電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する10、表面層9が設けられている。
図6−3に示される層構成の電子写真感光体は、導電性支持体6上に導電性支持体からのキャリア注入防止機能、接着機能、干渉縞防止、導電性支持体の欠陥被覆機能の何れか、もしくは、複数の機能を有する中間層11が設けられている。中間層11上に電荷発生物質を含有する層(電荷発生層)7、電荷輸送物質を含有する層(電荷輸送層)8、表面層9が設けられている。
図6−4に示される、層構成の電子写真感光体は、導電性支持体6上に導電性支持体からのキャリア注入防止機能、接着機能、干渉縞防止の何れかの機能、もしくは、複数の機能を有する第1中間層11−1、第2中間層11−2が設けられている。中間層11−2上に、電荷発生物質を含有する層(電荷発生層)7、電荷輸送物質を含有する層(電荷輸送層)8、表面層9が設けられている。
支持体としては、導電性を示すもの(導電性支持体)であればよく、例えば、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、亜鉛、チタン、鉛、ニッケル、スズ、アンチモン、インジウムなどの金属製の支持体を用いることができる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などを真空蒸着によって被膜形成した層を有する上記金属製支持体やプラスチック製支持体を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子などの導電性粒子を適当な結着樹脂と共にプラスチックや紙に含浸した支持体や、導電性結着樹脂を有するプラスチック製の支持体などを用いることもできる。
また、支持体の表面は、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止などを目的として、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理などを施してもよい。
上述のとおり、支持体と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)または後述の中間層との間には、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止や、支持体の傷の被覆を目的とした導電層を設けてもよい。
導電層は、カーボンブラック、金属粒子、金属酸化物粒子などの導電性粒子を結着樹脂に分散させて形成することができる。
導電層の膜厚は、1μm以上40μm以下であることが好ましく、特には2μm以上20μm以下であることがより好ましい。
また、上述のとおり、支持体または導電層と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、バリア機能や接着機能を有する中間層を設けてもよい。中間層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される。
中間層は、主に、以下の結着樹脂を用いて形成することができる。ポリエステル樹脂。ポリウレタン樹脂。ポリアクリレート樹脂。ポリエチレン樹脂。ポリスチレン樹脂。ポリブタジエン樹脂。ポリカーボネート樹脂。ポリアミド樹脂。ポリプロピレン樹脂。ポリイミド樹脂。フェノール樹脂。アクリル樹脂。シリコーン樹脂。エポキシ樹脂。ユリア樹脂。アリル樹脂。アルキッド樹脂。ポリアミド−イミド樹脂。ナイロン樹脂。ポリサルフォン樹脂。ポリアリルエーテル樹脂。ポリアセタール樹脂。ブチラール樹脂。また、中間層には、金属もしくは合金またはこれらの酸化物、塩類、界面活性剤などを含有させてもよい。
中間層の膜厚は0.05μm以上7μm以下であることが好ましく、更には0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。
本発明に用いる電子写真感光体に用いられる電荷発生物質としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。セレン−テルル。ピリリウム、チアピリリウム系染料。各種の中心金属及び各種の結晶系(α、β、γ、ε、X型など)を有するフタロシアニン顔料。アントアントロン顔料。ジベンズピレンキノン顔料。ピラントロン顔料。モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料。インジゴ顔料。キナクリドン顔料。非対称キノシアニン顔料。キノシアニン顔料。アモルファスシリコン。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
本発明に用いる電子写真感光体に用いられる電荷輸送物質としては、上記の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物以外に、例えば、以下のものが挙げられる。ピレン化合物。N−アルキルカルバゾール化合物。ヒドラゾン化合物。N,N−ジアルキルアニリン化合物。ジフェニルアミン化合物。トリフェニルアミン化合物。トリフェニルメタン化合物。ピラゾリン化合物。スチリル化合物。スチルベン化合物。
感光層を電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離する場合、電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂及び溶剤と共に分散することによって得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。分散方法としては、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、ロールミル、アトライター、液衝突型高速分散機などを用いた方法が挙げられる。電荷発生層中の電荷発生物質の割合は、結着樹脂と電荷発生物質との合計質量に対して0.1質量%以上100質量%以下であることが好ましく、更には10質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。また、電荷発生層全質量に対しては10質量%以上100質量%以下であることが好ましく、更には50質量%以上100質量%以下であることがより好ましい。なお、上記電荷発生物質を単独で蒸着法などにより成膜し、電荷発生層とすることもできる。
電荷発生層の膜厚は0.001μm以上6μm以下であることが好ましく、更には0.01μm以上2μm以下であることがより好ましい。
感光層を電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離する場合、電荷輸送層、特に電子写真感光体の表面層でない電荷輸送層は、電荷輸送物質と結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる電荷輸送層用塗布液を塗布する。その後これを乾燥させることによって形成することができる。また、上記電荷輸送物質のうち単独で成膜性を有するものは、結着樹脂を用いずにそれ単独で成膜し、電荷輸送層とすることもできる。電荷輸送層中の電荷輸送物質の割合は、結着樹脂と電荷輸送物質との合計質量に対して0.1質量%以上100質量%以下であることが好ましく、更には10質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。また、電荷輸送層全質量に対しては20質量%以上100質量%以下であることが好ましく、更には30質量%以上90質量%であることが好ましい。
電荷輸送層、特に電子写真感光体の表面層でない電荷輸送層の膜厚は5μm以上70μmであることが好ましく、更には10μm以上30μm以下であることがより好ましい。電荷輸送層の膜厚が薄すぎると帯電能を保ちにくく、厚すぎると残留電位が高くなる傾向にある。
電荷輸送物質と電荷発生物質を同一の層に含有させる場合、該層は、上記電荷発生物質及び上記電荷輸送物質を結着樹脂及び溶剤と共に分散して得られる該層用の塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。また、該層の膜厚は8μm以上40μm以下であることが好ましく、更には12μm以上30μm以下であることがより好ましい。また、該層中の光導電性物質(電荷発生物質及び電荷輸送物質)の割合は、該層全質量に対して20質量%以上100質量%であることが好ましく、更には30質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。
感光層(電荷輸送層、電荷発生層)には、例えば、以下の結着樹脂が用いられる。アクリル樹脂。アリル樹脂。アルキッド樹脂。エポキシ樹脂。シリコーン樹脂。フェノール樹脂。ブチラール樹脂。ベンザール樹脂。ポリアクリレート樹脂。ポリアセタール樹脂。ポリアミド−イミド樹脂。ポリアミド樹脂。ポリアリルエーテル樹脂。ポリアリレート樹脂。ポリイミド樹脂。ポリウレタン樹脂。ポリエステル樹脂。ポリエチレン樹脂。ポリカーボネート樹脂。ポリサルフォン樹脂。ポリスチレン樹脂。ポリブタジエン樹脂。ポリプロピレン樹脂。ユリア樹脂。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
また、感光層上には、該感光層を保護することを目的として、保護層を設けてもよい。保護層の膜厚は0.01μm以上10μm以下であることが好ましく、更には0.1μm以上7μm以下であることがより好ましい。保護層には、加熱や放射線の照射により硬化重合する硬化性樹脂などを用いることが好ましい。該硬化性樹脂の樹脂モノマーとしては、連鎖重合性官能基を有する樹脂モノマーが好ましい。また、保護層には、金属及びその酸化物、窒化物、塩、合金ならびにカーボンブラックなどの導電性材料を含有させてもよい。金属としては、鉄、銅、金、銀、鉛、亜鉛、ニッケル、スズ、アルミニウム、チタン、アンチモン、インジウムなどが挙げられる。より具体的には、ITO、TiO、ZnO、SnO、Alなどを用いることができる。導電性材料は粒子状のものを保護層に分散含有させることが好ましく、その粒径は0.001μm以上5μm以下であることが好ましく、更には0.01μm以上1μm以下であることが好ましい。保護層中の導電性材料の割合は、保護層全質量に対して1質量%以上70質量%以下であることが好ましく、更には5質量%以上50質量%以下であることが好ましい。これらの分散剤としてチタンカップリング剤、シランカップリング剤、各種界面活性などを用いることもできる。
また、上記の電子写真感光体を構成する各層には、酸化防止剤や光劣化防止剤などを添加してもよい。また、電子写真感光体の表面層には、電子写真感光体の周面の潤滑性や撥水性を向上させることを目的として、各種のフッ素化合物、シラン化合物、金属酸化物などを添加してもよい。また、これらを粒子状のものとして保護層に分散含有させることもできる。また、これらの分散剤として界面活性剤などを用いることもできる。電子写真感光体の表面層中の上記各種添加剤の割合は、表面層全質量に対して1質量%以上70質量%以下であることが好ましく、更には5質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。
本発明に用いる電子写真感光体の各層の形成方法には、蒸着法や塗布法などの各種方法を採用することが可能であるが、これらの中でも塗布法が最も好ましい。塗布法は、薄膜の層から厚膜の層まで、さまざまな組成の層が形成可能である。具体的には、バーコーター、ナイフコーター、ロールコーター及びアトライターを用いた塗布法や、浸漬塗布法や、スプレーコーティング法や、ビームコーティング法や、静電塗布法や、粉体塗布法などが挙げられる。
次に図7−1において、本発明の電子写真装置の概略構成の1例を示す。
感光体12の近傍には帯電手段13、露光手段14、現像手段15、1次転写手段16、クリーニング手段17が配置されている。
帯電手段13として用いられる物は、コロナ帯電、ローラ帯電等が挙げられる。感光体の帯電電位としては、200V以上1500V以下が好ましく、400V以上900V以下がより好ましい。
コロナ帯電は、コロトロン、スコロトロン何れでも良い。有機感光体の場合は負帯電が主流なのでスコロトロンの方がグリッドにより帯電が安定するのでより好ましい。スコロトロンの場合は、主に、枠体、グリッド、ワイヤで構成される。コロナ帯電は、オゾン、NOxが発生するため、枠体に錆、もしくは、変色が発生しやすい。そのため、材質としてはステンレス鋼が好ましい。グリッドは、ワイヤ、パターン化された形状の穴の大きさを有した板状のものが好ましい。画像の均一性からは後者の方が望ましい。穴の大きさが小さい方が画像均一性が良好であるが必要な電源容量は大きくなる。グリッドは、枠体と同様に錆、もしくは、変色が発生しやすいのでステンレス鋼が好ましい。また、グリッド表面には錆防止剤を塗布しても良い。
ローラ帯電は、コロナ帯電と比較してオゾンの発生量が小さく、電源も小型化されるので、広く使用されている。帯電方式としては、DC帯電、AC帯電にDC帯電を重畳させた物が好ましい。感光体の帯電電位としては、200V以上1500V以下が好ましく、400V以上900V以下がより好ましい。
DC帯電は印加される電圧が低いので感光体に対する負荷が小さいため、感光体表面の削れ量が少なくて好ましいが、ローラ表層の汚れが画像として現われる欠点がある。
AC帯電にDC帯電を重畳させる方式は、DC帯電と比較して汚れに対して強いが、帯電に要する電圧が高いため、感光体に削れ量が増加する欠点がある。また、感光体が使用されることにより、膜厚が減少すると、必要な電位を確保するためにより高電圧が必要になり、感光体の削れ量が更に増加する。
露光手段14としては、レーザーまたは、LEDが好ましい。レーザーの場合は、感光体の分光感度により異なるが、赤外(波長は778nm)、可視(670、650nm)、等が好ましい。レーザーの1ドットの大きさは、主走査と副走査で大きさが同じでも異なっていても良い。
高画質化を目指す場合は可視光を用いた方がドット径を小さくすることが可能なため、好ましい。波長を更に短波長(青色、例えば400nm近辺)にすることにより、ドット径は更に小さくなり、高画質化に寄与する。
LEDの場合は、レーザーよりもドットの大きさを小さくできることが可能であるが、
個々の発光バラツキを抑える、バラツキの目立たない光量を用いる等の工夫が必要である。
本発明の場合は、露光手段を画像形成終了後発光させて、除電手段として兼用しても良い。
除電手段として用いる場合は、電子写真装置の設置される環境、電子写真装置内部の環境、特に、感光体近傍の環境を検知することにより、発光の有無を制御しても良い。ここで環境とは、温度及び/または湿度、または、温度及び湿度より求められた水分量をいう。高温多湿環境(例えば、30℃、80%RH、32.5℃、85%RH、27.5℃、70%RH等)においては、硬化型の表面層を有する感光体の場合は画像流れが発生するので、このような環境でのみ露光手段を発光させ、除電手段として用いることが望ましい。
また、除電手段として用いる場合は、上記の3つの何れかの環境を検知することにより、発光光量を制御しても良い。
また、搭載された電子写真感光体の通紙枚数を検知し、それに基づいて、発光の有無、発光光量を変化させても良い。通紙枚数が増す毎に、発光頻度を増加させる、発光光量を増大させることが望ましい。
更に、上記の環境、通紙枚数の両方を検知して、発光の有無、発光光量を制御しても良い。
除電手段として用いる場合、発光光量の下限は、低すぎると、残留電位が低下せず除電機能を有さないこと、及び露光手段自体の発光の不安定さで決まり、上限は、露光手段自体の発光強度でほぼ決定される。発光光量は、露光手段として用いた場合の0.4倍以上3倍以下が好ましく、0.6倍以上1.2倍以下がより好ましい。
除電手段としての発光時間としては、形成終了後、感光体を多く回転させる方が、感光体の残留電位は低下する。しかし、長時間感光体に照射することによる疲労、及び、次画像形成の時間短縮を考慮すると、画像形成終了後、感光体が0.5回以上10回以下回転する間発光させることが好ましく、0.8回以上5回以下回転する間発光させることがより好ましい。
図9を用いて露光手段を除電手段として兼用する場合のシークエンスの説明を行う。画像形成終了時、帯電手段直下の電子写真感光体上の地点を(A)地点、露光手段の照射位置を(B)位置とする。画像形成終了後、帯電手段は、(A)地点が少なくとも1回転し更に(B)位置に至るまで、電子写真感光体に電圧を印加する。除電手段は、(A)地点が回転し(B)位置に至った時点で発光を停止し、更に、(A)地点が(B)位置に至り帯電手段が電圧印加を停止した時点で発光し、その後、(A)地点が少なくとも1回転し(B)位置に至った時点で、発光を停止する。
現像手段15には、現像ローラ15−1、剤攪拌手段15−3が含まれている。現像ローラ15−1には高圧印加手段15−2により、DC電圧、または、AC電圧にDC電圧を重畳した電圧が印加される。剤攪拌手段15−3は、現像剤がスラスト方向(感光体の長手方向)で量的、帯電的に均一にするために図示しない方向で回転している。
現像剤はトナー単体である1成分とトナー及びキャリアからなる2成分の現像剤の何れでも良い。トナーは3μmから10μmの粒径が用いられる。キャリアは平均粒径が10μm以上100μm以下、飽和磁化が20emu/cm以上250emu/cm以下、抵抗が1×10Ω・cm以上1×1010Ω・cm以下のものが好ましい。
トナーには帯電を安定させるために帯電制御剤、感光体表面を研磨する研磨剤、着色剤、等を含んでも良い。現像剤はトナー単体の場合は磁性体を含んでも良い。トナー(T)とキャリア(C)からなる2成分の現像剤の場合、その比率T/(T+C)は3質量%以上12質量%以下、好ましくは4.5質量%以上8.5質量%以下が好ましい。
現像ローラ15−1に印加されるAC電圧は、周波数、ピークtoピーク電圧により、現像効率が変わるため、最適化することが好ましい。また、現像剤が2成分の場合は、ローラ内部に磁性体を有し、その極性、位置を適宜決定することにより、現像ローラ上にキャリアによる穂を形成させたり、消失させる。
転写手段16は、ローラ、コロナ、ブレード、ブラシ等の手段により1次帯電手段と逆極性の帯電が行う。設定圧は0.5g/cm以上100g/cm以下が好ましく、5g/cm以上50g/cm以下がより好ましい。
クリーニング手段17は、主に、枠体、クリーニングブレード17−1、廃トナー送り手段17−2、廃トナー飛散防止シート17−3で構成されており、クリーニングブレード17−1で除去された廃トナーが枠体下部に堆積する。
クリーニングブレードが感光体に圧接する加圧力であるが、0.8g/cm以上55g/cm以下が好ましく、1.3g/cm以上40g/cm以下がより好ましい。加圧方法は、クリーニングブレードの侵入量を規定する方法、バネを用いる方法等あるが、バネを用いた方法が、荷重が均一化されるので好ましい。
クリーニングブレードの材質は、ポリウレタンが好ましい。
クリーニングブレードの硬度は23℃、40%RH以上60%RH以下の環境下で55°以上85°以下が好ましく、より好適には、65°以上80°以下が好ましい。クリーニングブレードの厚さは0.5mm以上5mm以下が好ましく、より好適には1mm以上3.5mm以下が好ましい。
廃トナー送り手段17−2は、回転し、クリーニング手段17内に堆積する廃トナーを例えば、図面上の奥側に送り、図示しない廃トナー容器に送るための走路に送り込んでいる。廃トナーを送る目的を効率よく行うために、形状をスパイラル状にする、羽根をつける等行うことが良い。
廃トナー飛散防止シート17−3は枠体下部に堆積した廃トナーが漏れないように感光体12に接触している。硬度が硬いと感光体表面に傷を発生させる要因となるため、材質、厚さ、侵入量を考慮する必要がある。
材質としては、例えば、以下の樹脂が挙げられる。アクリル樹脂。アリル樹脂。アルキッド樹脂。エポキシ樹脂。シリコーン樹脂。フェノール樹脂。ブチラール樹脂。ベンザール樹脂。ポリアクリレート樹脂。ポリアセタール樹脂。ポリアミド−イミド樹脂。ポリアミド樹脂。ポリアリルエーテル樹脂。ポリアリレート樹脂。ポリイミド樹脂。ポリウレタン樹脂。ポリエステル樹脂。ポリエチレン樹脂。ポリカーボネート樹脂。ポリサルフォン樹脂。ポリスチレン樹脂。ポリブタジエン樹脂。ポリプロピレン樹脂。ユリア樹脂。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。ポリアリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂等が特に好ましい。
厚さは、0.05mm以上2mm以下が好ましく、0.1mm以上1mm以下がより好ましい。
図7−2は、本発明の電子写真装置の概略構成の他の1例である。図7−1において、除電手段を別途設けた1例である。図7−2では、クリーニング手段の後、帯電手段の前に設けているが、この位置に限られることはなく、転写手段16の後、且つ、クリーニング手段の前に設けても良い。
除電手段18は、ハロゲンランプ、LED等が用いられる。波長は、感光体の感度領域、及び、光疲労領域を考慮して最適化されるが、通常400nm以上800nm以下の範囲で選択されることが好ましい。ハロゲンランプを用いる場合は、ランプと感光体の間に波長をカットするフィルターを用いても良い。
除電手段は、電子写真装置の設置される環境、電子写真装置内部の環境、特に、感光体近傍の環境を検知することにより、発光の有無を制御しても良い。ここで環境とは、温度及び/または湿度、または、温度及び湿度より求められた水分量をいう。高温多湿環境(例えば、30℃、80%RH、32.5℃、85%RH、27.5℃、70%RH等)においては、硬化型の表面層を有する感光体の場合は画像流れが発生するので、このような環境でのみ除電手段を発光させることが望ましい。
また、除電手段は、上記の3つの何れかの環境を検知することにより、発光光量または発光時間を制御しても良い。
また、搭載された電子写真感光体の通紙枚数を検知し、それに基づいて、発光の有無、発光光量、発光時間を制御しても良い。通紙枚数が増す毎に、発光頻度を増加させる、発光光量を増大させる、発光時間を長くすることが望ましい。
また、画像形成終了から次画像形成開始までの時間を検知し、それに基づいて、発光の有無、発光光量、発光時間を制御しても良い。
除電手段の発光光量の下限は、低すぎると残留電位が低下せず除電機能を有さないことから決まり、上限は、照射光量増による感光体の諸特性の劣化から決まる。発光光量としは、感光体の帯電電位を半減させる光量(以下半減露光量と称す)の1倍以上25倍以下が好ましく、4倍以上15倍以下がより好ましい。
除電手段としての発光時間としては形成終了後、感光体を多く回転させる方が、感光体の残留電位は低下する。しかし、長時間感光体に照射することによる疲労、及び、次画像形成の時間短縮を考慮すると、画像形成終了後、感光体が0.5回以上10回以下回転する間発光させることが好ましく、0.8回以上5回以下回転する間発光させることがより好ましい。
図10を用いて、除電手段を設けた場合のシークエンスの説明を行う。画像形成終了時、帯電手段直下の位置を(A)位置、除電手段の電子写真感光体上の照射地点を(C)地点とする。画像形成終了後、帯電手段は、(C)地点が少なくとも1回転し更に(A)位置に至るまで、電子写真感光体に電圧を印加する。除電手段は、(C)地点が(A)位置に至り帯電手段が電圧印加を停止した時点で発光し、その後、(C)地点が少なくとも1回転し(A)位置に至った後に、発光を停止する。
図7−3は、本発明の電子写真装置の概略構成の他の1例である。図7−1においてクリーニング手段17の内部にクリーニングブラシ17−4を設けている。感光体12表面に残存するトナーを除去することが目的である。トナー形状が球形化すると、ブレードのみでは、感光体に付着するトナーの除去が困難となるため、ブラシを用いることは非常に有効である。
導電性ブラシの材質としては、アクリル、ナイロン、アラミド、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド等が好ましい。アクリル、ナイロン、アラミド等がより好ましい。
抵抗値としては、10Ω・cm以上10Ω・cm以下が好ましく、10Ω・cm以上10Ω・cm以下がより好ましい。
ブラシの太さは、細いと掻き取り効果が少ないため太いほうが望ましいが、太すぎると、単位面積当りの本数が減少するためやはり掻き取り効果が低くなる。よって、好ましい太さは0.11mg/m以上2.22mg/m以下であり、より好ましくは0.22mg/m以上1.33mg/m以下である。
更に単位面積当りの本数は少ない場合、掻き取り効果が低く、多すぎる場合は、穂の間にトナーが挟まり掻き取り効果が低くなる。また、穂の太さにより単位面積当りの本数は制限される。従って好ましい本数としては、50F/mm以上500F/mm以下であり、より好ましくは、100F/mm以上350F/mm以下である。
導電性ブラシの穂長は、短い方が見掛け上腰が強くなり、長くなるにつれ腰が弱くなり、除去効果が弱くなる。また短すぎると、感光体15の回転振れで接触ムラを生じ、トナー除去効果が全面均一に行われなくなる可能性がある。更に通常所望の長さまで先端を刈り込み、穂長を調整するが、穂長が長い場合、刈り込み時に長さにムラを生じる可能性がある。従って、好ましい穂長は1mm以上10mm以下であり、より好ましくは、3mm以上7mm以下である。
クリーニングブラシ17−4は図示のようにアースに接地されている。が、感光体12上のトナー除去する効果をあげる、均一にトナーを帯電させて、クリーニングブレードで除去し易いようにする、等の目的で、電圧を印加しても良い。電圧の印加に関しては、ACを印加することにより、トナーの帯電極性を弱めることが可能になると思われる。更にAC電圧にDC電圧を重畳することにより、トナーの帯電が均一化され、感光体から容易にトナーが除去できると思われる。
図7−4は、本発明の電子写真装置の概略構成の他の1例である。図7−1において、更にクリーニング手段17を省いた構成である。転写手段16により、感光体12上に形成されたトナー像が転写紙に略100%転写され、クリーニング手段を用いなくても良い場合の構成である。
図8−1〜図8−4は、本発明の電子写真装置の概略構成の他の1例である。
図8−1は、図7−1に示す電子写真装置を、多色(例えば4色)にするために4個並列に配列したものである。
紙カセット24より、転写紙が給紙され、搬送手段22aを通過し、転写ベルト19上に静電吸着される。各色の感光体上に形成されたトナー像は、転写ベルト19上を搬送する転写紙上に転写手段16a〜16dにより転写され、4色重ねあわされた後、転写紙は搬送手段22b上を通過し、定着手段20によりトナー像が定着され、排紙トレイ25上に排紙される。
帯電手段13a〜13dは、画像形成終了後、転写紙が搬送手段22bを通過するまでは、帯電電圧を印加する。その後、転写紙が搬送手段22bに到達した時点から、電子写真感光体12a〜12dが少なくとも1回転する間は、帯電電圧を印加する。その後、帯電電圧の印加を停止し、その後、少なくとも電子写真感光体12a〜12dが1回転する間露光手段14a〜14dを発光させ、除電手段として用いる。
なお、並列に配列される電子写真装置は図7−1に限らず、図7−2〜4に示す電子写真装置のいずれを配列しても良い。図7−2に示す電子写真装置を並列に配置した場合は、帯電手段13a〜13dは、画像形成終了後、転写紙が搬送手段22bを通過するまでは、帯電電圧を印加する。その後、転写紙が搬送手段22bに到達した時点から、電子写真感光体12a〜12dが少なくとも1回転する間は、帯電電圧を印加する。その後、帯電電圧の印加を停止し、その後、少なくとも電子写真感光体12a〜12dが1回転する間除電手段を発光させる。
図8−2は、図8−1に示す電子写真装置と同様に図7−1に示す電子写真装置を多色(例えば4色)にするために4個並列に配列したものである。図8−1に示す電子写真装置と異なる点は、転写体19ではなく中間転写体21及び第2転写手段29を設けたことである。
転写紙は紙カセット24より給紙され、搬送手段22aにより搬送される。また、各色の感光体上に形成されたトナー像は、中間転写体21上に順次転写され、4色重ね合わされる。2次転写手段29により、転写紙上に中間転写体に形成されたトナー像は転写される。その後、転写紙は搬送手段22b上を通過し、定着手段20によりトナー像が定着され、排紙トレイ25上に排紙される。
帯電手段13a〜13dは、画像形成終了後、転写紙が搬送手段22bを通過するまでは、帯電電圧を印加する。その後、転写紙が搬送手段22bに到達した時点から、電子写真感光体12a〜12dが少なくとも1回転する間は、帯電電圧を印加する。その後、帯電電圧の印加を停止し、その後、少なくとも電子写真感光体12a〜12dが1回転する間露光手段14a〜14dを発光させ、除電手段として用いる。
なお、並列に配列される電子写真装置は図7−1に限らず、図7−2〜4に示す電子写真装置のいずれを配列しても良い。図7−2に示す電子写真装置を並列に配置した場合は、
帯電手段13a〜13dは、画像形成終了後、転写紙が搬送手段22bを通過するまでは、帯電電圧を印加する。その後、転写紙が搬送手段22bに到達した時点から、電子写真感光体12a〜12dが少なくとも1回転する間は、帯電電圧を印加する。その後、帯電電圧の印加を停止し、その後、少なくとも電子写真感光体12a〜12dが1回転する間除電手段を発光させる。
図8−3は、図7−1に示す電子写真装置において、現像手段を複数設けることにより
多色の電子写真装置としたものである。
紙カセットより給紙された転写紙は、搬送手段22aを通過し、吸着ローラ27に印加された電圧により転写体23に静電的に吸着される。電子写真感光体上に形成されたトナー像は、転写体23に静電吸着された転写紙上に転写手段16により転写される。1色転写を終える毎に、現像手段15a〜15dは、現像回転手段30により矢印方向に回転し、次色のトナー像を電子写真感光体12上に現像する。トナー像は、転写体23に静電吸着した転写紙上に転写される。4色重ね合わされた後、転写紙は、転写体23より剥離手段28により転写体23より剥離され、搬送手段22b上を通過し、定着手段20を通過することにより転写紙上にトナー像が定着し、排紙トレイ25上に排紙される。
現像手段は15a〜15dは、画像成形終了後、現像回転手段30により、電子写真感光体12に当接しない位置で停止する。
帯電手段13は、画像形成終了後、転写紙が搬送手段22bを通過するまでは、帯電電圧を印加する。その後、転写紙が搬送手段22bに到達した時点から、電子写真感光体12が少なくとも1回転する間は、帯電電圧を印加する。その後、帯電電圧の印加を停止し、その後、少なくとも電子写真感光体12が1回転する間露光手段14を発光させ、除電手段として用いる。
なお、現像手段以外の電子写真装置の形態は図7−1に限らず図7−2〜4のいずれの形態をとっても良い。図7−2に示す電子写真装置を並列に配置した場合は、帯電手段13は、画像形成終了後、転写紙が搬送手段22bを通過するまでは、帯電電圧を印加する。その後、転写紙が搬送手段22bに到達した時点から、電子写真感光体12が少なくとも1回転する間は、帯電電圧を印加する。その後、帯電電圧の印加を停止し、その後、少なくとも電子写真感光体12が1回転する間除電手段を発光させる。
図8−4は、図7−1に示す電子写真装置において、現像手段を複数設けることにより多色の電子写真装置としたものである。図8−3に示す電子写真装置とは、転写体23ではなく中間転写体21を設けたことが異なる。
電子写真感光体上に形成されたトナー像は、転写手段16により中間転写体21上に転写される。1色転写を終える毎に、現像手段15a〜15dは、現像回転手段30により矢印方向に回転し、次色のトナー像を電子写真感光体12上に現像する。次色の現像されたトナー像は、転写手段16により転写される。4色重ね合わされたトナー像は、紙カセット24より給紙され、搬送手段22により搬送された転写紙上に2次転写手段29により転写される。その後、転写紙は、搬送手段22bを通過し、定着手段20によりトナー像が定着され、排紙トレイ25上に排紙される。
現像手段は15a〜15dは、画像成形終了後、現像回転手段30により、電子写真感光体12に当接しない位置で停止する。
帯電手段13は、画像形成終了後、転写紙が搬送手段22bを通過するまでは、帯電電圧を印加する。その後、転写紙が搬送手段22bに到達した時点から、電子写真感光体12が少なくとも1回転する間は、帯電電圧を印加する。その後、帯電電圧の印加を停止し、その後、少なくとも電子写真感光体12が1回転する間露光手段14を発光させ、除電手段として用いる。
なお、現像手段以外の電子写真装置の形態は図7−1に限らず図7−2〜4のいずれの形態をとっても良い。図7−2に示す電子写真装置を並列に配置した場合は、帯電手段13は、画像形成終了後、転写紙が搬送手段22bを通過するまでは、帯電電圧を印加する。その後、転写紙が搬送手段22bに到達した時点から、電子写真感光体12が少なくとも1回転する間は、帯電電圧を印加する。その後、帯電電圧の印加を停止し、その後、少なくとも電子写真感光体12が1回転する間除電手段を発光させる。
次に、本発明を実施例により詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
[実施例1]
実施例1に用いる電子写真感光体を以下の通りに作製した。
まず、JIS A3003アルミニウム合金を用いて、長さ370mm、外径29.95mm、肉厚0.7mmのアルミニウムシリンダーを切削加工により作製した。
作製したアルミニウムシリンダーの表面(周面)の母線方向に掃引して測定した十点平均粗さRzjisは0.08μmであった。
このアルミニウムシリンダーを純水に洗剤(商品名:ケミコールCT、常盤化学(株)製)を含有させた洗浄液中で超音波洗浄を行い、続いて洗浄液を洗い流した後、更に純水中で超音波洗浄を行って脱脂処理し、これを支持体(円筒状支持体)とした。
次に、アンチモンをドープした酸化スズの被覆膜を有する酸化チタン粒子(商品名:クロノスECT−62、チタン工業(株)製)60部、
酸化チタン粒子(商品名:titone SR−1T、堺化学(株)製)60部、
レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライトJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70質量%)70部、
2−メトキシ−1−プロパノール50部
及びメタノール50部からなる溶液を、ボールミル装置で20時間分散することによって、導電層用塗布液を調製した。導電層用塗布液に含有される粒子の平均粒径は0.25μmであった。
この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを48分間、150℃に調整された熱風乾燥機中で乾燥及び硬化させることによって、膜厚が15μmの導電層を形成した。
次に、共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)10部及びメトキ示チル化ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF30T、帝国化学産業(株)製)30部を、
メタノール500部/ブタノール250部の混合溶剤に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを22分間、100℃に調整された熱風乾燥機中で乾燥させることによって、膜厚が0.45μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°及び28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン(電荷発生物質)4部、
ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)2部、
及び、シクロヘキサノン90部からなる溶液を、直径1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で10時間分散した後、これに酢酸エチル110部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を中間層上に浸漬塗布し、これを22分間、80℃に調整された熱風乾燥機中で乾燥させることによって、膜厚が0.17μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式(11)で示される構造を有する化合物(電荷輸送物質)35部、
及び、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスティックス(株)製)50部を、
モノクロロベンゼン320部/ジメトキ示タン50部の混合溶剤に溶解させることによって、第一電荷輸送層用塗布液を調製した。
この第一電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、これを40分間、100℃に調整された熱風乾燥機中で乾燥させることによって、膜厚が20μmの第一電荷輸送層を形成した。
次に、下記式(12)で示される構造を有する化合物(重合性官能基を有する正孔輸送性化合物)30部
を、1−プロパノール35部及び1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製)35部の混合溶剤に溶解させた。その後、これをポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の0.5μmメンブレンフィルターで加圧濾過することによって、第二電荷輸送層用塗布液を調製した。
この第二電荷輸送層用塗布液を第一電荷輸送層上に浸漬塗布した後、100℃の条件下5分間保持して溶剤を風乾させた。
これに、窒素雰囲気(酸素濃度10ppm)下で加速電圧70kV、線量1.8×10Gy(1.8Mrad)の条件で電子線を照射した。その後、同雰囲気下で電子写真感光体(=電子線の被照射体)の温度が120℃になる条件で90秒間加熱処理を行い、更に大気中で100℃に調整された熱風乾燥機中で20分間加熱処理を行うことによって、膜厚が5μmの硬化性の第二電荷輸送層を形成した。
実施例1の電子写真感光体を電気特性測定システム(ジェンテック株式会社製、型番:CYNTHIA59TC/A)を用い、図5に示すような構成にして電位減衰を測定した。
電子写真感光体は0.31secで1回転させ、帯電手段はスコロトロンのコロナ帯電を用い、露光手段は785nm波長のレーザーを用い、前露光手段は、670nm波長のLEDを用い、前記前露光手段の光量は電子写真感光体の半減露光量の10倍とした。露光光量は、電子写真感光体が−600Vになった時点でレーザーを照射し、露光照射から180msec後の表面電位が−400Vになるように調整した。上記のように測定条件を設定した後、測定した電位減衰は5.5Vであった。
[実施例2]
実施例1のように作成した電子写真感光体をキヤノン製デジタル複写機iR4570改造機(露光手段の光量を4mJ/mに変更し、露光手段が、画像形成終了後に、発光するようにソフトシークエンスを組み込んだ。また、既に装備されている除電手段は発光しないようにした。)に搭載し、評価を行った。
本評価機のプロセスを簡単に説明する。感光体は周速230mm/secで回転を開始し、帯電はローラ形状の接触帯電で、直流電圧(−720V)に交流(1840Hz、2KVP−P、正弦波)を重畳させ、感光体を帯電させる。次いで、露光手段(波長:780nm、露光光量:4mJ/m)を発光させ、感光体上に潜像を形成する(露光された感光体の表面電位は−300Vとなっている)。次いで、現像器内の磁性1成分現像剤を用いて、顕像化する。次いで、ローラ形状の転写手段により、転写紙にトナーを転写する。転写紙は、搬送手段により搬送され、定着手段によりトナー像が定着される。次プロセスのためにクリーニングブレードで残留現像剤を除去する。次いで、画像形成が終了した場合には、図9に示すように帯電手段のみが印加し、露光手段は停止した状態で感光体は1.1回転し、その後、帯電手段が停止し、露光手段が1.1回転し、感光体に残存した電荷を消去する。画像形成終了後の、露光手段の光量は4mJ/mとした。
以上のように設定した評価機を用い、3環境(常温/常湿:23℃、50%RH、常温/低湿:23℃、5%RH、高温/多湿:30℃、80%RH)で、
5%濃度チャート原稿(文字画像、グレーチャート、1cm×1cmの大きさのパッチ(濃度が1.6、0.8、0.3)が数箇所、等が印刷されている)で、1回コピー毎に2枚通紙するという条件で15万枚通紙を行った。その結果を表1に示す。
初期及び15万枚後でも、電位変動、ゴースト、画像流れ、何れにおいても、問題の発生は無く、鮮明な画像が得られた。
[実施例3]
実施例1のように作成した電子写真感光体を、キヤノン製デジタル複写機iR4570改造機に搭載し、評価を行った。露光手段の光量を4mJ/mに変更した。除電光量は、常温/常湿:23℃、50%RH下で12lux、常温/低湿:23℃、5%RH下で4.4lux、高温/多湿:30℃、80%RH下で12luxと変更した。また、除電手段は画像形成終了後に発光するソフトシークエンスを組みこんだ。
画像形成が終了した場合には、図10に示すように帯電手段のみが印加し、露光手段は停止した状態で感光体は1.1回転し、その後、帯電手段が停止し、露光手段が1.1回転し、感光体に残存した電荷を消去する。
実施例2と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
[参考例1]
実施例2において、露光手段を除電手段として用いず、評価環境を30℃、80%RHとして評価を行った、その結果を表1に示す。画像上にゴーストが発生した。
[参考例2]
実施例3において、評価機を画像形成時に除電手段を動作させるようにした。評価環境は30℃、80%RHで評価を行った。その結果を表1に示す。画像流れが発生した。
[参考例3]
実施例2において、画像形成終了後、図2に示すように帯電手段を動作させず、露光手段を除電手段として用いた。評価環境は30℃、80%RHで評価を行った。その結果を表1に示す。画像上にゴーストが発生した。
[参考例4]
実施例3において、画像形成終了後、図1に示すように帯電手段と同期して、除電手段を動作させた。評価環境は30℃、80%RHで評価を行った。その結果を表1に示す。画像流れが発生した。
[比較例1]
実施例1において、第1電荷輸送層まで形成した。比較例1の電子写真感光体の電位減衰は1.5Vであった。
この電子写真感光体を実施例2と同様な評価を行った。その結果を表1示す。電位減衰が2V未満であれば問題は発生しなかった。しかし、3万枚通紙頃より画像濃度が減少し、5万枚頃に画像上に周傷が発生した。6万枚頃に画像上の周傷が多数になり通紙を中止した。
[比較例2]
実施例1において、更に大気中で100℃に調整された熱風乾燥機中で20分間加熱処理を行わなかった。電位減衰は、30Vであった。実施例2と同様な評価を行った。その結果を表1に示す。
初期より画像上にゴーストが発生した。5万枚通紙頃より画像濃度が減少し、8万枚頃に画像上に周傷が発生した。10万枚頃に画像上の周傷が多数になり通紙を中止した。
[実施例4]
実施例1において、第2電荷輸送層の電子写真照射条件を加速電圧70KV、線量1.3×10Gy(1.3Mrad)とした。
実施例4の電子写真感光体の電位減衰は3.3Vであった。
[実施例5]
実施例4の電子写真感光体を、実施例2と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
[実施例6]
実施例4の電子写真感光体を、実施例3と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
[参考例5]
実施例4のように作成した電子写真感光体を参考例2に示す評価機に搭載し、評価を行った。その結果を表1に示す。通紙後の電位変動が大きく、画像濃度が低下した。
[実施例7]
実施例1と同様に第一電荷輸送層まで同様に形成した。次いで、下記式(17)で示される構造を有する熱硬化性の正孔輸送性構造を有するヒドロキ示チル基含有フェノール化合物30部
を、メタノール35部/エタノール35部の混合溶剤に溶解させた後、これをPTFE製の0.2μmメンブレンフィルターで加圧濾過することによって、第二電荷輸送層用塗布液を調製した。
この第二電荷輸送層用塗布液を第一電荷輸送層上に浸漬塗布し、これを1時間、120℃に調整された熱風乾燥機中で熱硬化させることによって、膜厚が3.5μmの第二電荷輸送層を形成した。
実施例7の電子写真感光体の電位減衰は6.7Vであった。
[実施例8]
実施例7の電子写真感光体を、実施例2に用いた評価機に搭載し、評価環境を高温/多湿:30℃、80%RHとして評価を行った。その結果を表1に示す。
[実施例9]
実施例7の電子写真感光体を、実施例3に用いた評価機に搭載し、評価環境を高温/多湿:30℃、80%RHとして評価を行った。その結果を表1に示す。
[参考例6]
実施例7のように作成した電子写真感光体を、参考例2に示す評価機に搭載し、評価環境を高温/多湿:30℃、80%RHとして評価を行った。その結果を表1に示す。通紙後の電位変動が大きく、画像濃度が低下した。
[実施例10]
実施例1と同様に第一電荷輸送層まで同様に形成した。次に、レゾール型フェノール樹脂ワニス(商品名:PL−4852、群栄化学工業(株)製、不揮発成分:75質量%)21.2部及び下記式(18)で示される構造を有する化合物(電荷輸送物質)14.1部
を溶解させた後、これをPTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過することによって、第二電荷輸送層用塗布液を調製した。
この第二電荷輸送層用塗布液を第一電荷輸送層上に浸漬塗布し、これを1時間、125℃に調整された熱風乾燥機中で熱硬化させることによって、膜厚が3μmの第二電荷輸送層を形成した。
実施例10の電子写真感光体の電位減衰は7Vであった。
[実施例11]
実施例10の電子写真感光体を、実施例2に用いた評価機に搭載し、評価環境を高温/多湿:30℃、80%RHとして評価を行った。その結果を表1に示す。
[実施例12]
実施例10の電子写真感光体を、実施例3に用いた評価機に搭載し、評価環境を高温/多湿:30℃、80%RHとして評価を行った。その結果を表1に示す。
[参考例7]
実施例10のように作成した電子写真感光体を、参考例2に示す評価機に搭載し、、評価環境を高温/多湿:30℃、80%RHとして評価を行った。その結果を表1に示す。通紙後の電位変動が大きく、画像濃度が低下した。
[実施例13]
実施例1と同様に第一電荷輸送層まで同様に形成した。次に、アンチモンドープ酸化スズ粒子(商品名:T−1、三菱マテリアル(株)製、平均粒径0.02μm)100部を、下記式(19)で示される構造を有するフッ素原子含有化合物(商品名:LS−1090、信越化学工業(株)製)7部
で表面処理した(以下「処理量7質量%」と記す。)。この表面処理済みアンチモンドープ酸化スズ粒子45部、下記式(20)で示される構造を有するアクリル樹脂モノマー18部、
2−メチルチオキサントン(光重合開始剤)6.8部、四フッ化エチレン樹脂粒子(ルブロンL−2)14部、及び、エタノール150部を、サンドミル装置で90時間分散することによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を電荷輸送層上に浸漬塗布し、これを乾燥後、これに高圧水銀灯から250W/cmの強度の紫外線を100秒間照射することによってこれを硬化させ、これを2時間120℃の熱風で乾燥させた。こうして、膜厚が3.5μmの硬化性の保護層を形成した。
実施例13の電子写真感光体の電位減衰は7.5Vであった。
[実施例14]
実施例13の電子写真感光体を、実施例2に用いた評価機に搭載し、評価環境を高温/多湿:30℃、80%RHとして同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
[実施例15]
実施例13の電子写真感光体を、実施例3に用いた評価機に搭載し、評価環境を高温/多湿:30℃、80%RHとして評価を行った。その結果を表1に示す。
[参考例8]
実施例13のように作成した電子写真感光体を、参考例2に示す評価機に搭載し、評価環境を高温/多湿:30℃、80%RHとして評価を行った。その結果を表1に示す。通紙後の電位変動が大きく、画像濃度が低下した。
[実施例16]
実施例1と同様に第一電荷輸送層まで同様に形成した。次に、上記式(18)で示される構造を有する化合物(電荷輸送物質)10部に、
トリアルコキシシランとテトラアルコキシシランの加水分解縮合物を主成分とする熱硬化性シリコーン樹脂(東芝シリコーン(株)製トスガード510)を結着樹脂の不揮発分が17部になるように添加し、
これに2−プロパノールを塗布液全体の固形分が30質量%になるように添加することによって、第二電荷輸送層用塗布液を調製した。
この第二電荷輸送層用塗布液を第一電荷輸送層上に浸漬塗布し、80分間130℃で熱処理し、もってこれを熱硬化させることによって、膜厚が3μmの第二電荷輸送層を形成した。
実施例16の電子写真感光体の電位減衰は7.5Vであった。
[実施例17]
実施例16の電子写真感光体を、実施例2に用いた評価機に搭載し、評価環境を高温/多湿:30℃、80%RHとして評価を行った。その結果を表1に示す。
[実施例18]
実施例16の電子写真感光体を、実施例3に用いた評価機に搭載し、評価環境を高温/多湿:30℃、80%RHとして評価を行った。その結果を表1に示す。
[参考例9]
実施例16のように作成した電子写真感光体を、参考例2に示す評価機に搭載し、評価環境を高温/多湿:30℃、80%RHとして評価を行った。その結果を表1に示す。通紙後の電位変動が大きく、画像濃度が低下した。
[実施例19]
実施例2において、画像形成終了後の帯電時間を2回転に変更し、高温/多湿環境:30℃、80%RHでのみ評価した。その結果を表1に示す。
[実施例20]
実施例2において、画像形成終了後の露光手段を除電手段として用いる時間を2回転に変更し、高温/多湿環境:30℃/80%RHでのみ評価した。その結果を表1に示す。
[実施例21]
実施例2において、電子写真感光体近傍の水分量を検知して、図11に示すように、8.5(g/1kg・Air)以上と判断した場合のみ、露光手段を除電手段として用いるようにした。評価環境は、20℃30%RH、20℃70%RH、25℃50%RH、25℃30%RH、30℃20%RH、30℃70%RHの順で、各環境2.5万枚通紙を行った。
その結果を表1に示す。
[実施例22]
実施例2において、電子写真感光体近傍の水分量を検知して、図12に示すように、ランク分けを行い、発光光量を制御した。評価環境は、10℃20%RH、20℃30%RH、25℃60%RH、30℃80%RH、20℃10%RH、25℃30%RH、30℃55%RH、30℃80%RHの順で、最終の30℃80%RHのみ1万枚通紙でそれ以外の各環境は2万枚通紙を行った。その結果を表1に示す。
[実施例23]
実施例2において、電子写真感光体近傍の水分量を検知して、図13に示すように、ランク分けを行い、発光時間を制御した。評価環境は、10℃20%RH、20℃30%RH、25℃60%RH、30℃80%RH、20℃10%RH、25℃30%RH、30℃55%RH、30℃80%RHの順で、最終の30℃80%RHのみ1万枚通紙でそれ以外の各環境は2万枚通紙を行った。その結果を表1に示す。
[実施例24]
実施例2において、電子写真感光体の通紙枚数を記憶して、図14に示すように、ランク分けを行い、発光光量を制御した。評価環境を高温/多湿:30℃、80%RHとして評価を行った。その結果を表1に示す。
[実施例25]
実施例2において、電子写真感光体の通紙枚数を記憶して、図15に示すように、ランク分けを行い、発光時間を制御した。評価環境を高温/多湿:30℃、80%RHとして評価を行った。その結果を表1に示す。
従来の電子写真装置の画像形成終了後のシークエンスの1例を示す図である。 従来の電子写真装置の画像形成終了後のシークエンスの1例を示す図である。 光感度曲線を示す図である。 光感度曲線を示す図である。 電位減衰の測定方法を示す図である。 電子写真感光体の層構成の1例を示す図である。 電子写真感光体の層構成の他の1例を示す図である。 電子写真感光体の層構成の他の1例を示す図である。 電子写真感光体の層構成の他の1例を示す図である。 本発明の電子写真装置の概略図の1例を示す図である。 本発明の電子写真装置の他の概略図の1例を示す図である。 本発明の電子写真装置の他の概略図の1例を示す図である。 本発明の電子写真装置の他の概略図の1例を示す図である。 本発明の多色電子写真装置の概略図の1例を示す図である。 本発明の多色電子写真装置の他の概略図の1例を示す図である。 本発明の多色電子写真装置の他の概略図の1例を示す図である。 本発明の多色電子写真装置の他の概略図の1例を示す図である。 本発明の画像形成終了後のシークエンスの1例を示す図である。 本発明の画像形成終了後のシークエンスの他の1例を示す図である。 水分量と除電ON−OFFの関係を示す図である。 水分量と発光光量の関係を示す図である。 水分量と発光時間の関係を示す図である。 通紙枚数と発光光量の関係を示す図である。 通紙枚数と発光時間の関係を示す図である。
符号の説明
1 感光体
2 除電手段
3 帯電手段
4 表面電位計
5 露光手段
6 支持体
7 電荷発生層
8 電荷輸送層
9 表面層
10 電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する層
11 中間層
11−1 第1中間層
11−2 第2中間層
12、12a、12b、12c、12d 電子写真感光体
13、13a、13b、13c、13d 帯電手段
13−1 帯電高圧印加手段
14、14a、14b、14c、14d 露光手段
15、15a、15b、15c、15d 現像手段
15−1 現像ローラ
15−2 現像高圧印加手段
15−3 剤攪拌手段
16、16a、16b、16c、16d 1次転写手段
16−1 転写高圧印加手段
17、17a、17b、17c、17d クリーニング手段
17−1 クリーニングブレード
17−2 廃トナー送り手段
17−3 廃トナー飛散防止シート
17−4 クリーニングブラシ
18 除電手段
19 転写ベルト
20 定着手段
21 中間転写体
22a、22b 搬送手段
23 転写体
24 紙カセット
25 排紙トレイ
26a、26b、26c テンションローラ
27 吸着ローラ
28 剥離手段
29 2次転写手段
30 現像回転手段

Claims (5)

  1. 少なくとも導電性支持体、有機感光層及び表面層を有し、且つ、条件[1]及び条件[2]で測定した電位減衰が2V以上8V以下を満たす円筒状電子写真感光体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、除電手段とを少なくとも有する電子写真装置において、
    前記除電手段は、前記露光手段と同一であり、且つ、画像形成終了時、帯電手段直下の前記電子写真感光体上の地点を(A)地点、前記露光手段の照射位置を(B)位置とすると、
    画像形成終了後、前記帯電手段は、(A)地点が少なくとも1回転し更に(B)位置に至るまで、前記電子写真感光体に電圧を印加し、
    且つ、前記除電手段は、(A)地点が回転し(B)位置に至った時点で発光を停止し、更に、(A)地点が(B)位置に至り前記帯電手段が電圧印加を停止した時点で発光し、その後、(A)地点が少なくとも1回転し(B)位置に至った時点で、発光を停止することを特徴とする電子写真装置。
    条件[1] 前記電子写真感光体の表面電位が−600(V)の時に、前記露光手段に用いられる光源波長のレーザーを2.5μsec露光し、露光から180msec後の前記電子写真感光体の表面電位を−400(V)になるようにレーザー光量を調整し、前記−400(V)となるレーザー光量を(A)とする。
    条件[2] 前記電子写真感光体の表面電位が−600(V)の時に、レーザー光量(A)を2.5μsec露光し、95msecから183msecの間の電位減衰を測定する。
  2. 少なくとも導電性支持体、有機感光層及び表面層を有し、且つ、条件[1]及び条件[2]で測定した電位減衰が2V以上8V以下を満たす円筒状電子写真感光体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、除電手段とを少なくとも有する電子写真装置において、
    画像形成終了時、前記帯電手段直下の位置を(A)位置、除電手段の前記電子写真感光体上の照射地点を(C)地点とすると、
    画像形成終了後、前記帯電手段は、(C)地点が少なくとも1回転し更に(A)位置に至るまで、前記電子写真感光体に電圧を印加し、
    且つ、前記除電手段は、(C)地点が(A)位置に至り前記帯電手段が電圧印加を停止した時点で発光し、その後、(C)地点が少なくとも1回転し(A)位置に至った後に、発光を停止することを特徴とする電子写真装置。
    条件[1] 前記電子写真感光体の表面電位が−600(V)の時に、前記露光手段に用いられる光源波長のレーザーを2.5μsec露光し、露光から180msec後の前記電子写真感光体の表面電位を−400(V)になるようにレーザー光量を調整し、前記−400(V)となるレーザー光量を(A)とする。
    条件[2] 前記電子写真感光体の表面電位が−600(V)の時に、レーザー光量(A)を2.5μsec露光し、95msecから183msecの間の電位減衰を測定する。
  3. 前記表面層は、熱または放射線照射により硬化した層であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真装置。
  4. 前記除電手段は、前記電子写真装置の設置される環境(温度及び湿度の少なくとも1つ、または、温度及び湿度より求められた水分量)、前記電子写真装置内部の環境(上記に同じ)、または、前記電子写真感光体近傍の環境(上記に同じ)を検知することにより、発光の有無、発光光量及び発光時間の少なくとも1つを制御することを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真装置。
  5. 前記除電手段は、搭載された電子写真感光体の通紙枚数を検知し、それに基づいて、発光の有無、発光光量及び発光時間の少なくとも1つを制御することを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真装置。
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