JP2008026479A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明によれば、支持体表面の欠陥の被覆、感光層の塗工性向上、支持体と感光層との接着性向上、感光層の電気的破壊に対する保護、帯電性の向上、支持体から感光層への電荷注入性の改良を図るために、支持体上に導電層、中間層、感光層をこの順に設けてなる電子写真感光体を特殊な環境、条件で用いたときにも、カブリ等の画像不良が抑制された電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び電子写真装置を提供することができる。
【解決手段】 支持体上に導電層、中間層、感光層をこの順に設けてなる電子写真感光体であって、該導電層が結着樹脂および導電性粒子を含有する電子写真感光体において、該導電性粒子が酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子であり、該導電性粒子の平均粒径が0.20〜0.60μmであり、該導電層の膜厚が10〜25μmであり、かつ感光層にオキシチタニウムフタロシアニンを含有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び電子写真装置に関するものである。
近年、有機光導電性物質を用いた電子写真感光体(有機電子写真感光体)の研究開発が盛んに行われている。
電子写真感光体は、基本的には、支持体と該支持体上に設けられた感光層とから構成されている。しかしながら、現状は、支持体表面の欠陥の被覆、感光層の塗工性向上、支持体と感光層との接着性向上、感光層の電気的破壊に対する保護、帯電性の向上、支持体から感光層への電荷注入性の改良などのために、支持体と感光層との間に各種層を設けることが多い。したがって、支持体と感光層との間に設けられる層には、被覆性、接着性、機械的強度、導電性、電気的バリア性などの多くの機能が要求される。
支持体と感光層との間に設けられる層としては、従来、以下のタイプのものが知られている。
(i)導電性材料を含有しない樹脂層。
(ii)導電性材料を含有した樹脂層。
(iii)上記(ii)の層の上に、上記(i)の層を積層したもの。
上記(i)の層は、導電性材料を含有しないため、層の抵抗が高い。しかも、表面平滑化処理が施されていない支持体表面の欠陥を被覆するためには、その厚さ(膜厚)を厚くしなければならない。
しかしながら、抵抗が高い上記(i)の層の膜厚を厚くすると、初期および繰り返し使用時の残留電位が高くなるという問題が生じる。
したがって、上記(i)の層の実用化のためには、支持体表面の欠陥を少なくし、かつ、その膜厚を薄くする必要がある。
一方、上記(ii)の層は、導電性粒子などの導電性材料を樹脂中に分散した層であり、層の抵抗を小さくすることが可能であるため、層の膜厚を厚くして、導電性の支持体や非導電性の支持体(樹脂製の支持体など)の表面の欠陥を被覆することが可能である。
しかしながら、上記(ii)の層の膜厚を厚くする場合は、薄くする上記(i)の層に比べて、層に十分な導電性を付与する必要があるため、上記(ii)の層は体積抵抗率の低い層となり、そのため、低温低湿から高温高湿の幅広い環境条件において、画像欠陥の原因となる支持体、上記(ii)の層から感光層への電荷注入を阻止するためには、電気的バリア性を有する層を上記(ii)の層と感光層との間に別途設けることが好ましい。電気的バリア性を有する層とは、上記(i)の層のように、導電性粒子を含有しない樹脂層である。
つまり、支持体と感光層との間に設けられる層は、上記(i)の層と上記(ii)の層とを積層した上記(iii)の構成であることが好ましい。
上記(iii)の構成は、複数の層を形成する必要があるため、それだけ工程が増えるが、支持体表面の欠陥の許容範囲が大きくなるため、支持体の使用許容範囲が大幅に広がり、生産性の向上が図れるという利点がある。
一般的に、上記(ii)の層は導電層と呼ばれ、上記(i)の層は中間層(下引き層、バリア層)と呼ばれる。
また、押し出し工程および引き抜き工程を含む製造方法により製造されるアルミニウム管や、押し出し工程およびしごき工程を含む製造方法により製造されるアルミニウム管は、表面切削することなく無切削管として良好な寸法精度や表面平滑性が得られるうえ、コスト的にも有利な電子写真感光体用の支持体として用いられているが、これらの無切削のアルミニウム管の表面にはササクレ状の凸状欠陥が生じやすく、このような支持体の表面欠陥の隠蔽の観点からも、上記(iii)の構成が好ましい。
導電層に用いる導電性材料としては、各種の金属、金属酸化物、導電性ポリマーなどがある。その中でも、抵抗特性に優れる酸化スズ(以下、SnO)には、通常の粉体抵抗率10〜10Ω・cmのものから、SnOの導電性材料の製造時に、酸化アンチモンなどのスズとは異なる価数の金属の化合物や非金属元素などを混合して(ドープして)、粉体抵抗率を1/1000〜1/100000に小さくしたものや、構成元素を増やさずにノンドープでSnOの抵抗をアンチモンドープと同程度に小さくした酸素欠損型SnOの導電性材料がある。
酸素欠損型SnOに関連する先行技術として、例えば、特開平07−295245号公報(特許文献1)には、酸素欠損型SnOを導電層に用いる技術が開示されており、特開平06−208238号公報(特許文献2)には、硫酸バリウム粒子に酸素欠損型SnOを被覆して、SnOだけを用いる場合よりも分散性を向上させる技術が開示されており、特開平10−186702号公報(特許文献3)には、酸素欠損型SnOの実施形態までは開示されていないものの、分散性を向上させるために、硫酸バリウム粒子を用いて、その上に白色度を向上させるために、酸化チタン(TiO)を被覆し、さらにその上に導電性を付与するために、SnOを被覆する技術が開示されている。
また、長波長光に対して感度を有する電荷発生材料として、従来から無金属フタロシアニンや銅フタロシアニン、オキシチタニウムフタロシアニンといったフタロシアニン化合物が高い感度特性を有することが認められ、実用化に至っている。特にオキシチタニウムフタロシアニンは極めて高い感度特性を有しており、また他のフタロシアニン化合物と同様に様々な結晶形が存在し、この結晶形の差異によって電子写真特性が異なるため、盛んに研究がなされている。
優れた感度特性を有する代表的な結晶形としては特開昭61−239248号公報、特開昭62−67094号公報、特開平03−128973号公報、特開平03−200790号公報等に記載される結晶形が挙げられる。
近年、電子写真感光体に接触配置した帯電部材(接触帯電部材)に電圧を印加し、電子写真感光体を帯電する接触帯電方式を採用した電子写真装置が広く普及している。特に、ローラ形状の接触帯電部材(帯電ローラ)を電子写真感光体の表面に接触させ、これに直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加することにより電子写真感光体の帯電を行う方式(AC/DC接触帯電方式)、あるいは、これに直流電圧のみの電圧を印加することにより電子写真感光体の帯電を行う方式(DC接触帯電方式)が主流となっている。
特開平07−295245号公報 特開平06−208238号公報 特開平10−186702号公報 特開昭61−239248号公報 特開昭62−067094号公報 特開平03−128973号公報 特開平03−200790号公報
しかしながら、導電層を有し、かつ電荷発生材料としてオキシチタニウムフタロシアニンを用いた電子写真感光体においては、反転現像系の電子写真プロセスにおいて高温高湿下で黒ポチ(白地部に黒い点状のカブリが生ずる現象)が発生しやすいといった欠点を有している。こうした欠点を改善するための処方的対策として電荷発生層を薄くしたり、電荷発生層中におけるオキシチタニウムフタロシアニンと結着樹脂との比率において結着樹脂の比率を上げる等の方法があるが、こうした対策では結果として感度を悪くすることになるため、完全な対策とはならない。
本発明の目的は、支持体表面の欠陥の被覆、感光層の塗工性向上、支持体と感光層との接着性向上、感光層の電気的破壊に対する保護、帯電性の向上、支持体から感光層への電荷注入性の改良を図るために、支持体上に導電層、中間層、感光層をこの順に設けてなる電子写真感光体を高温高湿下で用いたときにも、カブリ等の画像不良が抑制された電子写真感光体、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ、及び電子写真装置を提供することである。
本発明は、以下のとおりである。
(1)支持体上に導電層、中間層、感光層をこの順に設けてなる電子写真感光体であって、該導電層が結着樹脂および導電性粒子を含有する電子写真感光体において、該導電性粒子が酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子であり、該導電性粒子の平均粒径が0.20〜0.60μmであり、該導電層の膜厚が10〜25μmであり、かつ感光層にオキシチタニウムフタロシアニンを含有することを特徴とする電子写真感光体。
(2)(1)に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電手段、電子写真感光体の表面の静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像手段、電子写真感光体の表面のトナー像を転写材に転写するための転写手段、および、転写後に該電子写真感光体の表面に残留するトナーをクリーニングするためのクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
(3)(1)に記載の電子写真感光体、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電手段、該帯電手段により帯電された電子写真感光体の表面に露光によって静電潜像を形成するための露光手段、該露光手段により形成された電子写真感光体の表面の静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像手段、および、該現像手段により形成された電子写真感光体の表面のトナー像を転写材に転写するための転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
本発明によれば、支持体表面の欠陥の被覆、感光層の塗工性向上、支持体と感光層との接着性向上、感光層の電気的破壊に対する保護、帯電性の向上、支持体から感光層への電荷注入性の改良を図るために、支持体上に導電層、中間層、感光層をこの順に設けてなる電子写真感光体を特殊な環境、条件で用いたときにも、黒ポチ・カブリ等の画像不良が抑制された電子写真感光体を提供することができる。
また、本発明によれば、このような電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することができる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
上述のとおり、本発明の電子写真感光体は、支持体上に導電層、中間層、感光層をこの順に設けてなる電子写真感光体である。そして、該導電層は結着樹脂および導電性粒子を含有する。
また、本発明では、導電性粒子として、酸素を欠損させることにより低抵抗化(粉体抵抗率で1/10000)を図ったSnOを被覆したTiO粒子を用いた。酸素欠損型SnOは、アンチモンなどの異元素をドープしたSnOに比べてリユース性に優れる。また、低湿環境下での抵抗率の上昇や高湿下での抵抗率の低下が少なく、環境安定性にも優れている。
また、本発明に用いられる導電性粒子が、酸素欠損型SnOのみから構成される粒子ではなく、酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子である理由は以下のとおりである。
まず、芯材粒子を用いたのは、導電層における導電性粒子の分散性の向上を図るためである。導電性粒子として酸素欠損型SnOのみを用いて導電層用塗布液を作製した場合、特に酸素欠損型SnOの含有比率が高い場合に、酸素欠損型SnOの凝集が発生しやすい。
また、芯材粒子としてTiO粒子を用いたのは、酸素欠損型SnOの酸素欠損部位とTiO粒子表面の酸化物部位の親和力により、酸素欠損型SnOの被覆層と芯材の結合が強化されるからであり、また、酸素欠損型SnOの酸素欠損部位が保護されるからである。酸素欠損型は、ドープ型と異なり、酸素存在下で酸化して酸素欠損部位が消失し、導電性が低下(粉体抵抗率が増加)してしまう場合がある。
また、芯材粒子であるTiO粒子は、露光光(画像露光光)がレーザー光である場合、レーザー露光の際、支持体表面で反射した光が干渉して出力画像に干渉縞が発生することを抑制することができる。
なお、酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子の製造方法(酸素欠損型SnO2を作製する方法やTiO粒子に酸素欠損型SnOを被覆する方法)は、特開平07−295245号公報や特開平04−154621号公報に開示されている。
導電性粒子である酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子の粉体抵抗率は、1〜500Ω・cmであることが好ましく、特には1〜250Ω・cmであることがより好ましい。粉体抵抗率が高すぎると導電層の体積抵抗率を上記範囲の収めることが難しくなり、一方、粉体抵抗率が低すぎると帯電能が低下する場合がある。
粉体抵抗率が上記範囲にある酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子を安定して得るためには、該粒子を製造する際の原材料配合比率を制御すればよい。例えば、スズ原材料から100%のSnOが得られると計算して、酸素欠損型SnOを被覆したTiOに対して30〜60質量%のSnOを生成するのに必要なスズ原材料を該粒子製造時に配合すればよい。換言すれば、TiOへの酸素欠損型SnOの被覆率は30〜60質量%が好ましい。
本発明における粉体抵抗率の測定方法は以下のとおりである。
測定装置は、三菱化学(株)製の抵抗測定装置ロレスタ(登録商標)AP(Loresta(登録商標)Ap)を用いた。測定対象の粉体(=粒子)は、500kg/cmの圧力で固めて、ペレット状の測定用サンプルとした。測定環境は23℃、60%RHであり、印加電圧は100Vである。
次に、導電性粒子である酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子の平均粒径に関して説明する。
導電層の組成が同一であっても、導電性粒子の平均粒径が大きくなるにしたがって該導電性粒子の粉体抵抗率が低下し、それとともに、導電層の体積抵抗率が低下する。
導電性粒子である酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子の平均粒径が0.20μm未満の場合、導電層の体積抵抗率を適正範囲に収めるには、導電性粒子の使用量を増やす必要があるが、導電性粒子の使用量を増やした場合、導電層表面で反射した光が干渉して出力画像に干渉縞が発生することを抑制するために好適な導電層の表面粗さ(Rzjis:1〜3μm)を達成することが難しくなる。なお、Rzjisとは、JISB0601(1994年)でRzと定義されていたものである。JISB0601は、2001年の規格改訂でRzが改訂され、1994年時のRy(最大高さ)に置き換わった。1994年時のRzは区別のために、2001年にRzjisと名称変更された。
また、導電性粒子の使用量を増やした場合、導電層の膜厚を厚くするとクラックが発生しやすくなり、成膜性が低下する場合がある。
一方、導電性粒子である酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子の平均粒径が0.60μmを超える場合、導電層の体積抵抗率を上記範囲の収めることは可能であるが、導電層表面が極端に荒れてしまい、感光層への局所的な電荷注入が起こりやすくなり、出力画像中の白地におけるポチが目立つようになる。
本発明における平均粒径、粒度分布の測定方法は以下のとおりである。
分散粒子は導電性粒子のみの組成の導電層用塗布液を液相沈降法にて測定した。具体的には、導電層用塗布液をそれに用いた溶剤で希釈して、(株)堀場製作所製の超遠心式自動粒度分布測定装置(CAPA(登録商標)700)を用いて平均粒径、粒度分布を測定した。
別途、アルミシート上に導電層を形成後、導電層の断面観察を行なったところ、上記導電性粒子のみの塗布液の測定結果と同等の粒径、粒径分布結果が得られた。
本発明において、導電層は、平均粒径0.20〜0.60μmの酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子を結着樹脂および溶剤とともに分散して得られる導電層用塗布液を支持体上に塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。分散方法としては、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、液衝突型高速分散機などを用いた方法が挙げられる。
導電層用塗布液に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコールや、アセトン、メチルエチルケトン、シクロへキサノンなどのケトンや、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテルや、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステルや、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などが挙げられる。
支持体の表面欠陥を隠蔽し、カブリ画像を抑制するという観点から、導電層の膜厚は10〜25μmであるが、特には15〜20μmであることがより好ましい。
なお、本発明において、導電層を含む電子写真感光体の各層の膜厚は、(株)フィッシャーインストルメンツ社製のFISHERSCOPE mmsで測定した。
導電層の結着樹脂としては、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ポリビニールアセタール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。これらは1種または2種以上用いることができる。また、各種樹脂の中でも、他層へのマイグレーション(溶け込み)の抑制、支持体への密着性、導電性粒子の分散性・分散安定性、成膜後の耐溶剤性などの観点から、導電層の結着樹脂は硬化性樹脂が好ましく、特には熱硬化性樹脂がより好ましい。具体的には、熱硬化性フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂などが好ましい。
また、導電層表面で反射した光が干渉して出力画像に干渉縞が発生することを抑制するために、導電層に、結着樹脂および平均粒径0.20〜0.60μmの酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子に加えて、導電層表面を粗面化するための表面粗し付与材を添加することも可能である。表面粗し付与材としては、平均粒径1〜3μmの樹脂粒子が好ましく、例えば、硬化性ゴム、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、アクリル−メラミン樹脂などの硬化性樹脂の粒子などが挙げられる。これらの中でも、凝集しにくいシリコーン樹脂の粒子が好ましい。樹脂粒子の比重(0.5〜2)は、酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子の比重(4〜7)に比べて小さいため、導電層形成時に効率的に該導電層の表面を粗面化することができる。ただし、導電層中の表面粗し付与材の含有量が多いほど、導電層の体積抵抗率が上昇する傾向にあるため、導電層の体積抵抗率を上記範囲に収めるためには、導電層中の表面粗し付与材の含有量は、導電層中の結着樹脂に対して15〜25質量%であることが好ましい。
また、導電層の表面性を高めるためにレベリング剤を添加してもよく、また、導電層の隠蔽性を向上させるために、顔料粒子を導電層に含有させてもよい。
導電層から感光層への電荷注入を阻止するために、電気的バリア性を有する中間層を導電層と感光層との間に設ける必要があるが、中間層の体積抵抗率は1×10〜1×1013Ω・cmであることが好ましい。中間層の体積抵抗率が小さすぎると、電気的バリア性が乏しくなり、導電層からの電荷注入に起因するポチやカブリの発生が顕著になる傾向にある。一方、中間層の体積抵抗率が大きすぎると、画像形成時に電荷(キャリア)の流れが滞り、残留電位の上昇(電位安定性の欠如)が顕著になる傾向にある。
本発明における中間層の体積抵抗率の測定方法は以下のとおりである。
まず、アルミニウムシート上に測定対象の中間層を2〜5μm程度の膜厚で形成し、さらに、この中間層上に金の薄膜を蒸着により形成して、アルミニウムシートと金薄膜の両電極間を流れる電流値をpAメーターで測定した。測定環境はRH%であり、印加電圧は100Vである。電流値測定開始1分後の安定した値を読み取り、中間層の体積抵抗率を導き出した。
中間層は、結着樹脂を含有する中間層用塗布液を導電層上に塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
中間層の結着樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸類、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリグルタミン酸、カゼイン、でんぷんなどの水溶性樹脂や、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリグルタミン酸エステル樹脂などが挙げられる。電気的バリア性を効果的に発現させるためには、また、塗工性、密着性、耐溶剤性、抵抗などの観点から、中間層の結着樹脂は熱可塑性樹脂が好ましい。具体的には、熱可塑性ポリアミド樹脂などが好ましい。ポリアミド樹脂としては、溶液状態で塗布できるような低結晶性または非結晶性の共重合ナイロンなどが好ましい。また、中間層の膜厚は0.1〜2μmであることが好ましい。
また、中間層において電荷(キャリア)の流れが滞らないようにするために、中間層には、電子輸送物質(アクセプターなどの電子受容性物質)を含有させてもよい。
本発明においては、感光層がオキシチタニウムフタロシアニンを含有する。
オキシチタニウムフタロシアニンは、例えば特開昭61−239248号公報、特開昭62−67094号公報、特開平3−128973号公報及び特開平3−200790号公報に開示がある。これらの中でも、特開平3−128973号公報に開示のCuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2゜)において、9.0゜、14.2゜、23.9゜および27.1゜に特徴的なピークを有する結晶形であるオキシチタニウムフタロシアニンがより好ましい。
次に、本発明の電子写真感光体の構成について説明する。
図1に示すように、本発明の電子写真感光体は、支持体101上に導電層102、中間層103、感光層104(電荷発生層1041、電荷輸送層1042)をこの順に有する電子写真感光体である。
感光層は、電荷輸送物質と電荷発生物質を同一の層に含有する単層型感光層104であっても(図1(a)参照)、電荷発生物質を含有する電荷発生層1041と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層1042とに分離した積層型(機能分離型)感光層であってもよいが、電子写真特性の観点からは積層型感光層が好ましい。また、積層型感光層には、支持体101側から電荷発生層1041、電荷輸送層1042の順に積層した順層型感光層(図1(b)参照)と、支持体101側から電荷輸送層1042、電荷発生層1041の順に積層した逆層型感光層(図1(c)参照)があるが、電子写真特性の観点からは順層型感光層が好ましい。
また、感光層104(電荷発生層1041、電荷輸送層1042)上に、保護層105を設けてもよい(図1(d)参照)。
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属製の支持体を用いることができる。アルミニウム、アルミニウム合金の場合は、押し出し工程および引き抜き工程を含む製造方法により製造されるアルミニウム管や、押し出し工程およびしごき工程を含む製造方法により製造されるアルミニウム管や、これらを切削、電解複合研磨(電解作用を有する電極と電解質溶液による電解および研磨作用を有する砥石による研磨)、湿式または乾式ホーニング処理したものも用いることができる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などを真空蒸着によって被膜形成された層を有する上記金属製支持体や樹脂製支持体(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、フェノール樹脂、ポリプロピレン、ポリスチレン樹脂など)を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子などの導電性粒子を樹脂や紙に含浸した支持体や、導電性結着樹脂を有するプラスチックなどを用いることもできる。
導電層の電荷(キャリア)をアースに流すためには、導電性の支持体の体積抵抗率、または支持体の表面が導電性を付与するために設けられた層である場合はその層の体積抵抗率は、1×1010Ω・cm以下であることが好ましく、特には1×10Ω・cm以下であることがより好ましい。
なお、支持体が非導電性の支持体である場合には、本発明の電子写真感光体の導電層からアースを取る構成を採る必要がある。
支持体上には導電層が設けられ、導電層上には中間層が設けられる。導電層および中間層に関しては上述のとおりである。
中間層上には感光層が設けられる。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷発生物質は、オキシチタニウムフタロシアニンである。一般的に用いられる電荷発生材料としては、本件のチタニルフタロシアニンや無金属フタロシアニン、銅フタロシアニン、ガリウムフタロシアニン等のフタロシアニン顔料、セレン−テルル、ピリリウム系染料、チオピリリウム系染料、アントアントロン系顔料、ジベンズピレンキノン系顔料、ピラントロン系顔料、アゾ系顔料、インジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、シアニン系顔料等が挙げられ、本件においては、例えばアゾ系顔料を併用しても良い。
感光層が積層型感光層である場合、電荷発生層に用いる結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂などが挙げられる。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤と共に分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。分散方法としては、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルなどを用いた方法が挙げられる。電荷発生物質と結着樹脂との割合は、10:1〜1:10(質量比)の範囲が好ましく、特には3:1〜1:1(質量比)の範囲がより好ましい。
電荷発生層用塗布液に用いる溶剤は、使用する結着樹脂や電荷発生物質の溶解性や分散安定性から選択されるが、有機溶剤としてはアルコール、スルホキシド、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物などが挙げられる。
電荷発生層用塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
また、電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.1〜2μmであることがより好ましい。
また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。また、電荷発生層において電荷(キャリア)の流れが滞らないようにするために、電荷発生層には、電子輸送物質(アクセプターなどの電子受容性物質)を含有させてもよい。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリルメタン化合物などが挙げられる。
感光層が積層型感光層である場合、電荷輸送層に用いる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、不飽和樹脂などが挙げられる。特には、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリルフタレート樹脂などが好ましい。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷輸送層は、電荷輸送物質と結着樹脂を溶剤に溶解して得られる電荷輸送層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。電荷輸送物質と結着樹脂との割合は、2:1〜1:2(質量比)の範囲が好ましい。
電荷輸送層用塗布液に用いる溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタンなどのエーテル、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、クロロベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン原子で置換された炭化水素などが用いられる。
電荷輸送層用塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
電荷輸送層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には10〜20μmであることが帯電均一性の観点からより好ましい。
また、電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
感光層が単層型感光層である場合、該単層型感光層は、上記電荷発生物質および上記電荷輸送物質を上記結着樹脂および上記溶剤と共に分散して得られる単層型感光層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
また、感光層上には、該感光層を保護することを目的とした保護層を設けてもよい。保護層は、上述した各種電荷輸送物質と結着樹脂を溶剤に溶解して得られる保護層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができるが、導電材と結着樹脂を溶剤に適宜分散して得られる保護層用塗布液を塗布し、硬化、乾燥させることによって保護層を形成することも可能である。
保護層の膜厚は0.5〜10μmであることが好ましく、特には1〜7μmであることが好ましい。
図2に、本発明のプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図2において、1はドラム状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
回転駆動される電子写真感光体1の周面は、帯電手段3により、正または負の所定電位に均一に帯電され、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。帯電手段3に印加する電圧は、直流電圧のみであってもよいし、交流電圧を重畳した直流電圧であってもよい。
電子写真感光体1の周面に形成された静電潜像は、現像手段5のトナーにより現像されてトナー画像となる。次いで、電子写真感光体1の周面に形成担持されているトナー画像が、転写手段(転写ローラー)6からの転写バイアスによって、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送された転写材(紙など)Pに順次転写されていく。
トナー画像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の周面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化され、さらに前露光手段(不図示)からの前露光光11により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図2に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどの接触帯電部材を用いた接触帯電手段である場合、その構成は、例えば、導電性の支持体と、その上(外周)に形成された弾性層と、さらにその上(外周)に形成された表面層から構成される。また、連続通紙時のトナー、トナー外添剤および紙粉の付着による帯電ローラー汚れに伴う画像ムラ抑制の点から、帯電ローラーの表面粗さは、5μm以下であることが好ましい。
なお、転写手段として、例えば、ベルト状やドラム状などの中間転写体を用いた中間転写方式の転写手段を採用してもよい。ベルト状の中間転写体(中間転写ベルト)を用いる場合は、その体積抵抗率は1×10〜8×1013Ω・cmが好ましい。
上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図2では、電子写真感光体1と、接触帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
押し出し・引き抜き工程により製造された、長さ260.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を支持体とした。
次に、導電性粒子としての酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子(粉体抵抗率100Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率)は40%)55部、結着樹脂としてのフェノール樹脂(商品名:プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、樹脂固形分60%)36.5部、溶剤としてのメトキシプロパノール35部を、直径1mmのガラスビーズを用いた横型サンドミル分散機で1時間相当分散して、分散液を調整した。横型サンドミルにはガラスビーズを18kg内添し、分散時の分散ディスク回転数は600rpmに設定した。
この分散液における酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子の平均粒径は0.36μmであった。
この分散液に、表面粗し付与材としてのシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール(登録商標)120、GE東芝シリコーン(株)製、平均粒径2μm)3.9部、レベリング剤としてのシリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)0.001部を添加して攪拌し、導電層用塗布液を調整した。
この導電層用塗布液を、23℃、60%RH環境下で、支持体上に浸漬塗布し、これを30分間140℃で乾燥・熱硬化させることによって、膜厚が15μmの導電層を形成した。
次に、導電層上に、N−メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジン(登録商標)EF−30T、帝国化学産業(株)製)4.5部および共重合ナイロン樹脂(アミラン(登録商標)CM8000、東レ(株)製)1.5部を、メタノール65部/n−ブタノール30部の混合溶媒に溶解して得られた中間層用塗布液を浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.6μmの中間層を形成した。
次に、CuKαの特性X線回折におけるブラック角(2θ±0.2°)の9.0°、14.2°、23.9°及び27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを3部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレック(登録商標)BM2、積水化学(株)製)2部をシクロヘキサノン35部に加え、φ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して、その後に酢酸エチル60部を加えて電荷発生層用塗料を調製した。この塗料を前記の中間層の上に浸漬コーティング法にて塗布し、100℃で15分間乾燥させ、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式で示される構造を有するアミン化合物10部、および、
Figure 2008026479
ポリカーボネート樹脂(商品名:Z400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)10部を、ジメトキシメタン30部/クロロベンゼン70部の混合溶媒に溶解して、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布し、これを30分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が18μmの電荷輸送層を形成した。
このようにして、電荷輸送層が表面層である電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体を、30℃、80%RHの環境下にて、キヤノン(株)製レーザービームプリンターのLBP−2510をジャンピング現像方式に改造し、初期と5000枚通紙耐久後画像のカブリ評価を行った。詳しくは以下のとおりである。
LBP−2510のシアン色用のプロセスカートリッジに作製した電子写真感光体を装着して、シアンのプロセスカートリッジのステーションに装着し、評価を行った。
通紙時は各色の印字率2%の文字画像をレター紙にて20秒毎に1枚出力する間欠モードでフルカラープリント操作を行い、5000枚の画像出力を行った。
そして、評価開始時と5000枚終了時に、画像評価用のサンプルとしてベタ白画像を出力し、「リフレクトメータ」(東京電色社製)により測定したプリントアウト画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度の差からカブリ濃度(%)を算出した。
結果を表1に示す。
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
導電層の導電性粒子としての酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子の使用量を56.7部に、導電層の結着樹脂としてのフェノール樹脂の使用量を33.5部に変更した。
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
導電層の導電性粒子について酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子(粉体抵抗率500Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率)は30%)を55部に変更した。この酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子の平均粒径は0.23μmであった。
実施例1において、導電層の膜厚を10μmに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
オキシチタニウムフタロシアニンを、CuKαの特性X線回折におけるブラック角(2θ±0.2°)の9.6°、11.7°、24.1°及び27.3°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンに変更した。
実施例1において、電荷発生層用塗料を以下に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
CuKαの特性X線回折におけるブラック角(2θ±0.2°)の9.0°、14.2°、23.9°及び27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを2.7部、下記式で示される構造を持つアゾ顔料0.3部、
Figure 2008026479
ポリビニルブチラール(商品名:エスレック(登録商標)BM2、積水化学(株)製)2.5部をシクロヘキサノン35部に加え、φ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散し、これに下記式のヒンダードフェノール化合物0.6部
Figure 2008026479
を添加、溶解した。次いでこの溶液に酢酸エチル60部を加えて電荷発生層用塗料を調製した。
押し出し・引き抜き工程により製造された、長さ370mm、直径30.5mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を支持体とした以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
次に、キヤノン(株)製カラー複写機iRC3200Nのプロセスカートリッジをジャンピング現像方式に改造した後に、作製した電子写真感光体をシアン色用のプロセスカートリッジに装着し、本体のシアンのプロセスカートリッジのステーションに装着して30℃、80%RHの環境下にて、初期と5000枚通紙耐久後画像のカブリ評価を行った。
iRC3200Nはクリーナーレス方式を採用しており、その構成は図3に示される。転写行程後、電子写真感光体上に残った残留トナーは、補助帯電装置7により帯電と同極性でかつより高い電位に帯電され、帯電手段2において交流による除電が行われる。そして露光行程を通過した後、現像装置により現像容器内に回収され、再び現像処理に用いられる。
通紙時は各色の印字率2%の文字画像をA4紙にて20秒毎に1枚出力する間欠モードでフルカラープリント操作を行い、5000枚の画像出力を行った。
そして、評価開始時と5000枚終了時に、画像評価用のサンプルとしてベタ白画像を出力し、「リフレクトメータ」(東京電色社製)により測定したプリントアウト画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度の差からカブリ濃度(%)を算出した。
結果を表1に示す。
押し出し・引き抜き工程により製造された、長さ357.5mm、直径30.5mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を支持体とし、実施例1と同様にして導電層、中間層、電荷発生層、電荷輸送層を形成した。
次に、撥水処理例により撥水処理したSbをドープしたSnOの粒子(導電性粒子、平均粒径:0.02μm)100部および、下記式で示される構造を有するアクリル樹脂モノマー43.2部、
Figure 2008026479
および、エタノール210部を、サンドミル装置で90時間分散して、分散液を得た。
この分散液に、四フッ化エチレン樹脂粒子(商品名:ルブロン(登録商標)L−2、ダイキン工業(株)製)40.8部を加え、サンドミル装置でさらに2時間分散し、これに、2,4−ジエチルチオキサントン(光重合開始剤)6.48部、および、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(開始助剤)2.16部を加えて溶解して保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を、電荷輸送層上に浸漬塗布し、メタルハライドランプにて1.20×10−5W/mの光強度で30秒間紫外線照射し、光硬化を行い、その後、120℃で1時間40分間熱風乾燥して、膜厚が6.0μmの保護層を形成した。
このようにして、保護層が表面層である電子写真感光体を作製し、キヤノン(株)製カラー複写機CP2150のプロセスカートリッジをジャンピング現像方式に改造した後に、作製した電子写真感光体をシアン色用のプロセスカートリッジに装着し、本体のシアンのプロセスカートリッジのステーションに装着して30℃、80%RHの環境下にて、初期と5000枚通紙耐久後画像のカブリ評価を行った。
CP2150は、図4に示される構成をとる。
通紙時は各色の印字率2%の文字画像をA4紙にて20秒毎に1枚出力する間欠モードでフルカラープリント操作を行い、5000枚の画像出力を行った。
そして、評価開始時と5000枚終了時に、画像評価用のサンプルとしてベタ白画像を出力し、「リフレクトメータ」(東京電色社製)により測定したプリントアウト画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度の差からカブリ濃度(%)を算出した。
結果を表1に示す。
外径φ180mm、長さ360mm、厚さ3mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を支持体とし、実施例1と同様にして導電層、中間層、電荷発生層、電荷輸送層を形成した。
次に、ポリテトラフルオロエチレン微粒子(ルブロン(登録商標)L−2:ダイキン工業(株)製)3部、ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールZ型、数平均分子量80,000)4.67部及び[化1]の電荷輸送材2.33部をモノクロロベンゼン300部及びジクロロベンゼン200部にサンドミル装置で分散した液を、スプレー塗布法で塗布し、120℃で60分間乾燥させて、膜厚が6.0μmの保護層を設け、電子写真感光体を作成した。
次に、上記電子写真感光体表面の研磨及び清掃を同時に行った。
研磨条件は、ラッピングテープ;#3000、シート送り量;200mm/min、押し当て圧;600g、バックアップローラー硬度;Hs30度(ウレタン製)、電子写真感光体回転数;70rpm、電子写真感光体/シート回転方向;カウンター、シートテンション圧;2.0kg、研磨時間;50秒であった。
清掃条件は、ブラシ(レーヨン製絶縁、芯金外径;φ17、穂長;5mm、密度;50K本/inch2 )を用い、侵入量;2mm、回転数;70rpm、回転方向;電子写真感光体に対してカウンター、ブレードの侵入量;1.5mm、清掃時間;15秒であった。
更に、#6000のラッピングテープを用いて、電子写真感光体を10秒間研磨した。
このようにして、保護層が表面層である電子写真感光体を作製し、次に、キヤノン(株)製カラー複写機CLC700をジャンピング現像方式に改造して、30℃、80%RHの環境下にて初期と5000枚通紙耐久後画像のカブリ評価を行った。
CLC700の模式図を、図5に示す。
通紙時は各色の印字率2%の文字画像をA4紙にて20秒毎に1枚出力する間欠モードでフルカラープリント操作を行い、5000枚の画像出力を行った。
そして、評価開始時と5000枚終了時に、画像評価用のサンプルとしてベタ白画像を出力し、「リフレクトメータ」(東京電色社製)により測定したプリントアウト画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度の差からカブリ濃度(%)を算出した。
結果を表1に示す。
Figure 2008026479
(比較例1)
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
導電層の導電性粒子について酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子(粉体抵抗率0.8Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率)は70%)74.6部に変更し、また、導電層の結着樹脂としてのフェノール樹脂の使用量を32部に変更した。この酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子の平均粒径は0.68μmであった。
(比較例2)
実施例1において、導電層の膜厚を5μmにした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
(比較例3)
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
導電層の導電性粒子について酸化アンチモンを含有する酸化スズを被覆層として有する導電性酸化チタン粒子粉体(商品名:ECT62、チタン工業(株)製)50部に変更した。この導電性酸化チタン粒子の平均粒径は0.82μmであった。
(比較例4)
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
オキシチタニウムフタロシアニンを、下記式で示される構造を有するペリレン系化合物
Figure 2008026479
に変更した。
Figure 2008026479
以上の結果からわかるように、本発明によれば、支持体表面の欠陥の被覆、感光層の塗工性向上、支持体と感光層との接着性向上、感光層の電気的破壊に対する保護、帯電性の向上、支持体から感光層への電荷注入性の改良を図るために、支持体上に導電層、中間層、感光層をこの順に設けてなる電子写真感光体を特殊な環境、条件で用いても、カブリ等の画像不良が抑制された電子写真感光体を提供することができる。
また、本発明によれば、このような電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
本発明の電子写真感光体の層構成の例を示す。 本発明のプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。 本発明の実施例で用いたiRC3200Nの概略構成を示す。 本発明の実施例で用いたCP2150の概略構成を示す。 本発明の実施例で用いたCLC700の概略構成を示す。
符号の説明
101 支持体
102 導電層
103 中間層
104 感光層
1041 電荷発生層
1042 電荷輸送層
105 保護層
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段(一次帯電手段)
4 露光光(画像露光光)
5 現像手段
6 転写手段(転写ローラー)
7 クリーニング手段(クリーニングブレード)
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
11 前露光光
P 転写材(紙など)

Claims (3)

  1. 支持体上に導電層、中間層、感光層をこの順に設けてなる電子写真感光体であって、該導電層が結着樹脂および導電性粒子を含有する電子写真感光体において、該導電性粒子が酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子であり、該導電性粒子の平均粒径が0.20μm以上0.60μm以下であり、該導電層の膜厚が10μm以上25μm以下であり、かつ感光層にオキシチタニウムフタロシアニンを含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 請求項1に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電手段、電子写真感光体の表面の静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像手段、電子写真感光体の表面のトナー像を転写材に転写するための転写手段、および、転写後に該電子写真感光体の表面に残留するトナーをクリーニングするためのクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  3. 請求項1に記載の電子写真感光体、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電手段、該帯電手段により帯電された電子写真感光体の表面に露光によって静電潜像を形成するための露光手段、該露光手段により形成された電子写真感光体の表面の静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像手段、および、該現像手段により形成された電子写真感光体の表面のトナー像を転写材に転写するための転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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