JP5387836B2 - 電子写真感光体及びそれを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ - Google Patents
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しかしながら、前記有機感光体は、表面層が低分子電荷輸送材料と不活性高分子を主成分として構成されているため、一般に柔らかく、電子写真プロセスにおいて繰り返し使用された場合、現像システムやクリーニングシステムによる機械的な負荷により摩耗が発生しやすいという欠点を有している。また、高画質化を達成するため、トナー粒子を小粒径化するのに伴って、クリーニング性を向上させる必要が生じている。その対策として、クリーニングブレードのゴム硬度を高めて当接圧力を上昇させることが避けられず、これによって感光体の摩耗が促進される要因となっている。このような感光体の摩耗は、感度の劣化、帯電性の低下などの電気的特性を劣化させて、画像濃度の低下、地肌汚れ等の異常画像の原因となる。更に、摩耗が局所的に発生した傷は、クリーニング不良によるスジ状汚れ画像をもたらす。そして、現状では感光体の寿命はこの摩耗や傷が律速となり、交換に至っている。
Dc≦De
上述の化合物Aはトリアリールアミン構造を含有しないポリオール化合物であり、化合物Bはイソシアネート基を2以上有するイソシアネート化合物であり、化合物Cは水酸基とトリアリールアミン構造を含有する化合物であり、化合物Dは水酸基を有する反応性シリコーン化合物であり、化合物Eは水酸基を含有しなくトリアリールアミン構造を含有する電荷輸送性化合物である。
すなわち以下の構成要件を満足することにより、長期的使用における耐クラック性、耐摩耗性、優れたクリーニング性、耐傷性、画像安定性に優れた電子写真感光体、画像形成装置、プロセスカートリッジ及びそれらを用いた画像形成方法が提供できる。
感光体において、該電荷輸送層が少なくとも化合物Aと化合物Bと化合物Cと化合物Dの架橋反応により生成した熱硬化型ウレタン樹脂中に化合物Eを含有し、且つ、化合物Cの含有率Dcと化合物Eの含有率Deが下記関係式を満たすことを特徴とする電子写真感光体である。
Dc≦De
ただし、上述の化合物Aはトリアリールアミン構造を含有しないポリオール化合物であり、化合物Bはイソシアネート基を2以上有するイソシアネート化合物であり、化合物Cは水酸基とトリアリールアミン構造を含有する化合物であり、化合物Dは水酸基を有する反応性シリコーン化合物であり、化合物Eは水酸基を含有しなくトリアリールアミン構造を含有する電荷輸送性化合物である。
また、化合物Eの含有率Deが化合物Cの含有率Dc以上であることは、化合物Eの電荷輸送機能がより果たせ、優れる電気特性を持つ電荷輸送層が形成できる。
化合物Aのポリオール化合物がスチレン構造体を含有するので、得られた架橋型ウレタン樹脂は電荷輸送性化合物の化合物Dとの相溶性が良く、化合物Dの分散安定性に有利である。また、スチレン構造体を含有するポリオール化合物の誘電率が低くて、得られた架橋型ウレタン樹脂の電荷輸送層の電気特性に優れる。
化合物Bのイソシアネート化合物が芳香族イソシアネート化合物であることから、得られた架橋型ウレタン樹脂は電荷輸送性化合物の化合物Dとの相溶性が良く、化合物Dの分散安定性に有利である。
反応性シリコーン化合物Dは水酸基を2つ以上含有すれば、架橋反応を阻害しなくて、低表面エネルギー性があり且つ強靭な硬化膜が実現できる。
トリアリールアミン構造が優れる電荷輸送機能を持つので、トリアリールアミン構造を含有する電荷輸送性化合物をバインダー樹脂に添加することによって、電気特性が良好な電荷輸送層が形成できる。
(8)(1)〜(6)のいずれかに記載の電子写真感光体を有することを特徴とする画像形成装置である。
(9)(1)〜(6)のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段および除電手段よりなる群から選ばれた少なくとも一つの手段を有するものであって、画像形成装置本体に着脱可能としたことを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジである。
導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層を順次設けた積層型電子写真感光体において、感光体の電荷輸送層が少なくとも化合物Aと化合物Bと化合物Cと化合物Dの架橋反応により生成した熱硬化型ウレタン樹脂中に化合物Eを含有し、且つ、化合物Cの含有率Dcと化合物Eの含有率Deが下記関係式を満たすことを特徴とする電子写真感光体となる。
Dc≦De
上述の化合物Aはトリアリールアミン構造を含有しないポリオール化合物であり、化合物Bはイソシアネート基を2以上有するイソシアネート化合物であり、化合物Cは水酸基とトリアリールアミン構造を含有する化合物であり、化合物Dは水酸基を有する反応性シリコーン化合物であり、化合物Eは水酸基を含有しなくトリアリールアミン構造を含有する電荷輸送性化合物である。
本発明では、電荷輸送性化合物と熱硬化型ウレタン樹脂を相溶化させる化合物C(水酸基とトリアリールアミン構造を含有する化合物)を電荷輸送層に含有させることにより、本来のウレタン樹脂が持つ膜の弾性及び強靱性を低下させることなく、機械的耐久性と低表面摩擦性が良好であり、且つ静電特性が向上した電荷輸送層とすることが可能となった。
イソシアネート基を2以上有するイソシアネート化合物(化合物B)としては、次のようなイソシアネート材料が用いられる。トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、HDIイソシアネート体、HDIビウレット体、XDIトリメチロールプロパンアダクト体、IPDIトリメチロールプロパンアダクト体、IPDIイソシアヌレート体等が挙げられる。耐摩耗性及び電荷輸送性化合物との相溶性を考慮した場合、2官能以上の芳香族のイソシアネート化合物が好適である。これらのイソシアネート化合物は、単独もしくは混合して使用することができる。
ジオールとしては、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。
これらのポリオール材料は、単独もしくは混合して使用することができる。
<電子写真感光体の層構造について>
本発明に用いられる電子写真感光体を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の電子写真感光体を表わす断面図であり、導電性支持体上に、電荷発生機能を有する電荷発生層と、電荷輸送機能を有する電荷輸送層とが積層された積層構造の感光体である。該電荷輸送層がポリオール化合物とイソシアネート化合物と化合物C(水酸基とトリアリールアミン構造を含有する化合物)と反応性シリコーン化合物との架橋反応により生成した熱硬化型ウレタン樹脂と電荷輸送性化合物からなる。
導電性支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、また、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
電荷発生層は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
また、後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。また、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
電荷輸送層は電荷輸送機能を有する層で、本発明の電荷輸送層は化合物A(ポリオール化合物)と化合物B(イソシアネート化合物)と化合物C(水酸基とトリアリールアミン構造を含有する化合物)と化合物D(反応性シリコーン)との架橋反応により生成した熱硬化型ウレタン樹脂と化合物E(電荷輸送性化合物)からなる。電荷発生層上に本発明のポリオール化合物とイソシアネート化合物と化合物C(水酸基とトリアリールアミン構造を含有する化合物)と反応性シリコーン化合物と電荷輸送性化合物を含有する塗工液を塗布、必要に応じて乾燥後、加熱により熱架橋反応を開始させ、電荷輸送層が形成される。熱架橋反応の際に好ましい温度は、80℃〜180℃である。80℃より低くなると、架橋反応が遅くなり、完全に終了しない恐れがある。180℃より高くなると、電荷輸送性化合物の化合物Eが劣化する恐れがある。より好ましい温度は100℃〜150℃である。架橋反応時間について、設定温度に応じ変わるが、好ましい時間は30分〜180分である。
このとき、電荷輸送層の膜厚は、5〜40μm程度が適当であり、好ましくは10〜30μm程度が適当である。
5μmより薄いと充分な帯電電位が維持できず、40μmより厚いと硬化時の体積収縮により下層との剥離が生じやすくなる。
なお、電化輸送層の機械強度と電気特性のバランスをよく取るため、化合物Cの含有率Dcと化合物Eの含有率Deが、0.2≦Dc/De≦1であることが好ましい。
次に図面に基づいて本発明の画像形成方法ならびに画像形成装置を詳しく説明する。
本発明の画像形成方法ならびに画像形成装置とは、本発明の特定の電荷輸送層を有する感光体を用い、例えば少なくとも感光体に帯電、画像露光、現像の過程を経た後、画像保持体(転写紙)へのトナー画像の転写、定着及び感光体表面のクリーニングというプロセスよりなる画像形成方法ならびに画像形成装置である。
場合により、静電潜像を直接転写体に転写し現像する画像形成方法等では、感光体に配した上記プロセスを必ずしも有するものではない。
次に、均一に帯電された感光体(1)上に静電潜像を形成するために画像露光部(5)が用いられる。この光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
次に、感光体上で可視化されたトナー像を転写体(9)上に転写するために転写チャージャ(10)が用いられる。また、転写をより良好に行なうために転写前チャージャ(7)を用いてもよい。これらの転写手段としては、転写チャージャ、バイアスローラーを用いる静電転写方式、粘着転写法、圧力転写法等の機械転写方式、磁気転写方式が利用可能である。静電転写方式としては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、転写後の感光体上に残されたトナーをクリーニングするためにファーブラシ(14)、クリーニングブレード(15)が用いられる。また、クリーニングをより効率的に行なうためにクリーニング前チャージャ(13)を用いてもよい。その他クリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独又は複数の方式を一緒に用いてもよい。
その他、感光体に近接していない原稿読み取り、給紙、定着、排紙等のプロセスは公知のものが使用できる。
本発明は、このような画像形成手段に本発明に係る電子写真感光体を用いる画像形成方法及び画像形成装置である。
画像形成装置用プロセスカートリッジとは、感光体(101)を内蔵し、他に帯電手段(102)、現像手段(104)、転写手段(106)、クリーニング手段(107)、除電手段(図示せず)の少なくとも一つを具備し、画像形成装置本体に着脱可能とした装置(部品)である。
図3に例示される装置による画像形成プロセスについて示すと、感光体(101)は、矢印方向に回転しながら、帯電手段(102)による帯電、露光手段(103)による露光により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成され、この静電潜像は、現像手段(104)でトナー現像され、該トナー現像は転写手段(106)により、転写体(105)に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の感光体表面は、クリーニング手段(107)によりクリーニングされ、さらに除電手段(図示せず)により除電されて、再び以上の操作を繰り返すものである。
以上の説明から明らかなように、本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも広く用いることができるものである。
Al製支持体(外径30mmφ)に、乾燥後の膜厚が3.5μmになるように浸漬法で塗工し、下引き層を形成した。
・下引き層用塗工液
アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
酸化チタン(CR−EL:石原産業) 40部
メチルエチルケトン 50部
・電荷発生層用塗工液
下記構造のビスアゾ顔料 2.5部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
・電荷輸送層用塗工液
ポリオール化合物(FR4944、三菱レイヨン社製) 6.1部
(重量平均分子量約74000、数平均分子量約27000)
トリレンジイソシアネート(東京化成社製) 1.7部
テトラヒドロフラン 36.4部
例示化合物D3−7 2.0部
X−22−160AS
(水酸基を2つ有する反応性シリコーン化合物、信越化学工業株式会社製)
0.4部
例示化合物E−21の電荷輸送性化合物 3.0部
実施例1において電荷輸送性化合物を例示化合物E−15に変えた他は実施例1と同様にして感光体を作製した。
実施例3
実施例1において電荷輸送性化合物を例示化合物E−16に変えた他は実施例1と同様にして感光体を作製した。
実施例1において反応性シリコーンをX−22−170BX(水酸基を1つ有する反応性シリコーン化合物、信越化学工業株式会社製)に変えた他は実施例1と同様にして感光体を作製した。
実施例1において電荷輸送層用塗工液を下記の処方に変えた他は実施例1と同様にして感光体を作製した。
・電荷輸送層用塗工液
ポリオール化合物(BA−P8、日本乳化剤社製) 2.9部
トリレンジイソシアネートのアダクト体
(コロネートL、日本ポリウレタン社製) 5.7部
テトラヒドロフラン 43.8部
例示化合物D3−7 2.4部
X−22−160AS
(水酸基を2つ有する反応性シリコーン化合物、信越化学工業株式会社製)
0.4部
例示化合物E−21の電荷輸送性化合物 3.6部
実施例1において電荷輸送層用塗工液を下記の処方に変えた他は実施例1と同様にして感光体を作製した。
・電荷輸送層用塗工液
ポリオール化合物(FR4944、三菱レイヨン社製) 5.1部
ジフェニルメタンジイソシアネート(東京化成社製) 2.1部
テトラヒドロフラン 36.6部
例示化合物D3−7 2.0部
X−22−160AS
(水酸基を2つ有する反応性シリコーン化合物、信越化学工業株式会社製)
0.4部
例示化合物E−21の電荷輸送性化合物 3.0部
実施例1において電荷輸送層用塗工液を下記の処方に変えた他は実施例1と同様にして感光体を作製した。
・電荷輸送層用塗工液
ポリオール化合物(FR4944、三菱レイヨン社製) 5.3部
トリレンジイソシアネート(東京化成社製) 1.9部
テトラヒドロフラン 36.6部
例示化合物D2−7 2.0部
X−22−160AS
(水酸基を2つ有する反応性シリコーン化合物、信越化学工業株式会社製)
0.4部
例示化合物E−21の電荷輸送性化合物 3.0部
実施例1において電荷輸送層用塗工液を下記の処方に変えた他は実施例1と同様にして感光体を作製した。
・電荷輸送層用塗工液
ポリオール化合物(FR4944、三菱レイヨン社製) 4.4部
デュラネート(24A−100、旭化成ケミカル社製) 2.7部
例示化合物D3−7 2.0部
X−22−160AS
(水酸基を2つ有する反応性シリコーン化合物、信越化学工業株式会社製)
0.4部
例示化合物E−21の電荷輸送性化合物 3.0部
実施例1において電荷輸送層用塗工液を下記の処方に変えた他は実施例1と同様にして感光体を作製した。
・電荷輸送層用塗工液
ポリオール化合物(FR4944、三菱レイヨン社製) 6.1部
トリレンジイソシアネート(東京化成社製) 1.8部
テトラヒドロフラン 39.9部
例示化合物D3−7 2.7部
X−22−160AS
(水酸基を2つ有する反応性シリコーン化合物、信越化学工業株式会社製)
0.4部
例示化合物E−21の電荷輸送性化合物 2.7部
実施例1において電荷輸送層用塗工液を下記のものに変えた他は実施例1と同様にして感光体を作製した。
・電荷輸送層用塗工液
ビスフェーノルZ型ポリカーボネート 10部
下記構造の低分子電荷輸送物質 7部
実施例1において電荷輸送層用塗工液を下記のものに変えた他は実施例1と同様にして感光体を作製した。
・電荷輸送層用塗工液
ポリオール化合物(FR4944、三菱レイヨン社製) 6.1部
トリレンジイソシアネート(東京化成社製) 2.5部
テトラヒドロフラン 43.8部
X−22−160AS
(水酸基を2つ有する反応性シリコーン化合物、信越化学工業株式会社製)
0.4部
例示化合物D3−7 6.0部
実施例1において電荷輸送層用塗工液を下記のものに変えた他は実施例1と同様にして感光体を作製した。
・電荷輸送層用塗工液
ポリオール化合物(FR4944、三菱レイヨン社製) 6.1部
トリレンジイソシアネート(東京化成社製) 1.0部
テトラヒドロフラン 36.3部
X−22−160AS
(水酸基を2つ有する反応性シリコーン化合物、信越化学工業株式会社製)
0.4部
例示化合物E−21の電荷輸送性化合物 5.0部
実施例1において電荷輸送層用塗工液を下記の処方に変えた他は実施例1と同様にして感光体を作製した。
・電荷輸送層用塗工液
ポリオール化合物(FR4944、三菱レイヨン社製) 5.3部
トリレンジイソシアネート(東京化成社製) 1.8部
テトラヒドロフラン 36.3部
例示化合物D3−7 3.0部
X−22−160AS
(水酸基を2つ有する反応性シリコーン化合物、信越化学工業株式会社製)
0.4部
例示化合物E−21の電荷輸送性化合物 2.0部
実施例1において電荷輸送層塗工液に含有された反応性シリコーン化合物を下記の材料に変更した以外は全て実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
水酸基を有しないメチルフェニルシリコーンオイル
(KF50―100CS、信越シリコーン製)
これらの結果をそれぞれ表7、8に示す。さらに実施例と比較例の感光体について、初期と5万枚通紙試験後、協和界面科学社製自動接触角計CA−W型にて純水に対する接触角測定を行なった結果を表9に示す。
比較例2は感光体の電荷輸送層にイソシアネートと反応しない電荷輸送性化合物を含有しないので、電荷輸送機能が十分に発揮できなくて、感光体は摩耗量が少なかったが、スジ画像も出てしまったし、明部電位の異常上昇も激しかった。
比較例3は感光体の電荷輸送層に電荷輸送性化合物を含有するが、化合物C(水酸基とトリアリールアミン構造を含有する化合物)を有しないので、電荷輸送性化合物がウレタン樹脂との相溶性が欠けて、架橋反応を阻害し、強固な電荷輸送層は形成できなかった。感光体の摩耗量も大きかったし、電荷輸送性化合物の析出による画像濃度低下も発生した。
比較例4は感光体の電荷輸送層に電荷輸送性化合物と化合物C(水酸基とトリアリールアミン構造を含有する化合物)を有するが、化合物Cの含有率が電荷輸送性化合物より多いため、電荷輸送機能が不十分で、感光体は摩耗量が少なかったが、スジ画像も出てしまったし、明部電位の異常上昇も発生した。
したがって、本発明の感光体の電荷輸送層が少なくとも特定のポリオール化合物とイソシアネート化合物と化合物C(水酸基とトリアリールアミン構造を含有する化合物)と反応性シリコーン化合物との架橋反応により生成した熱硬化性ウレタン樹脂と電荷輸送性化合物を含有することによって、良好な画像を長期間維持できる長寿命で且つ高性能な感光体を提供できることが判明した。また併せて、本発明の感光体を用いた画像形成プロセス、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジが高性能、高信頼性を有していることが判明した。
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ
4 イレーサ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャ
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
101 感光ドラム
102 帯電装置
103 露光
104 現像装置
105 転写体
106 転写装置
107 クリーニングブレード
Claims (9)
- 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層を順次設けた積層型電子写真感光体において、該電荷輸送層が少なくとも化合物Aと化合物Bと化合物Cと化合物Dの架橋反応により生成した熱硬化型ウレタン樹脂中に化合物Eを含有し、且つ、化合物Cの含有率Dcと化合物Eの含有率Deが下記関係式を満たすことを特徴とする電子写真感光体。
Dc≦De
ただし、上述の化合物Aはトリアリールアミン構造を含有しないポリオール化合物であり、化合物Bはイソシアネート基を2以上有するイソシアネート化合物であり、化合物Cは水酸基とトリアリールアミン構造を含有する化合物であり、化合物Dは水酸基を有する反応性シリコーン化合物であり、化合物Eは水酸基を含有しなくトリアリールアミン構造を含有する電荷輸送性化合物である。 - 上述化合物Aのポリオール化合物は少なくともスチレン構造体を主成分として含有することを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
- 上述化合物Bのイソシアネート化合物は芳香族イソシアネート化合物であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電子写真感光体。
- 上述化合物Cは下記一般式(1)或いは一般式(2)で示される化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 上述化合物Dの反応性シリコーン化合物が水酸基を2以上含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 上述化合物Eの電荷輸送性化合物は下記一般式(3)で示される電荷輸送性化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真感光体を用いて、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行なうことを特徴とする画像形成方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真感光体を有することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段および除電手段よりなる群から選ばれた少なくとも一つの手段を有するものであって、画像形成装置本体に着脱可能としたことを特徴とする画像形成装置用プロ
セスカートリッジ。
Priority Applications (1)
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