JP2001092169A - 電子写真画像形成装置、電子写真画像形成方法、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真画像形成装置、電子写真画像形成方法、及びプロセスカートリッジ

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JP2001092169A
JP2001092169A JP27230699A JP27230699A JP2001092169A JP 2001092169 A JP2001092169 A JP 2001092169A JP 27230699 A JP27230699 A JP 27230699A JP 27230699 A JP27230699 A JP 27230699A JP 2001092169 A JP2001092169 A JP 2001092169A
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Japan
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electrophotographic
image forming
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forming apparatus
photoreceptor
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Masanari Asano
真生 浅野
Akihiko Itami
明彦 伊丹
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はオゾン等の発生が少ない接触帯電方
式を利用して電子写真感光体表面を所定の電位に帯電さ
せる系において、高耐久で、且つ高温高湿下等の厳しい
環境条件下に於いても、安定で良好な画像が得られる電
子写真画像形成装置、及び電子写真画像形成方法、及び
該装置に用いられるプロセスカートリッジを提供するこ
とにある。 【解決手段】 少なくとも帯電、露光、現像、転写及び
クリーニングの各手段を有し、かつ電子写真感光体上に
トナー像を形成した後、転写材に転写する電子写真画像
形成装置において、該帯電手段が電子写真感光体表面に
接触配置された磁性粒子により形成された磁気ブラシで
あり、該電子写真感光体が電荷輸送性能を有する構造単
位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含
有する樹脂層を有することを特徴とする電子写真画像形
成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真画像形成装
置、電子写真画像形成方法及びプロセスカートリッジに
関するものであり、特にオゾンやNOxの発生が少ない
帯電手段を搭載した電子写真画像形成装置、電子写真画
像形成方法及びプロセスカートリッジに関するもので
る。
【0002】
【従来の技術】現在市場で代表的に用いられている電子
写真プロセスは少なくとも像保持層としての光導電層上
に帯電、画像露光、現像、転写、クリーニング及び定着
工程を有する。
【0003】上記帯電工程の部材として従来代表的に用
いられている帯電部材はコロナ放電器が最もよく知られ
ている。コロナ帯電装置は安定した帯電を行えるという
利点を有する。しかし、コロナ放電器は高電圧を印加し
なければならないため、イオン化された酸素、オゾン、
水分、酸化窒素化合物等の発生量が多いため、電子写真
感光体(以後感光体とも云う)の劣化を招いたり、人体
に悪影響を及ぼす等の問題点を有している。
【0004】そこで、最近ではコロナ放電器を利用しな
い接触帯電方式を利用することが検討されている。具体
的には帯電部材である磁気ブラシや導電性ローラーに電
圧を印加して、被帯電体である感光体に接触させ、感光
体表面を所定の電位に帯電させるものである。このよう
な接触帯電方式を用いればコロナ放電器を用いた非接触
帯電方式と比較して低電圧化がはかれ、オゾン発生量も
減少する。
【0005】しかしオゾンの悪影響が全く取り除けてい
るというわけではなく、又、磁気ブラシやローラーを感
光体に接触させることに起因する繰り返しランニングに
より感光層の削れ量が大きく、又ランニングにより熱や
コロナ放電による電位特性劣化があり、いまいっそうの
改善が求められている。
【0006】感光層の削れという問題に対しては、これ
まで種々の事が検討されてきた。例えば、有機感光体の
表面層にビスフェノールZ型(BPZ)ポリカーボネー
トをバインダー(結着樹脂)として用いることにより、
表面の摩耗特性、トナーフィルミング特性が改善される
事が報告されている。又、特開平6−118681号公
報では感光体の表面層として、コロイダルシリカ含有硬
化性シリコーン樹脂を用いることが報告されている。
【0007】しかし、BPZポリカーボネートバインダ
ーを用いた感光体では、尚耐摩耗特性が不足しており、
十分な耐久性を有しているとは言い難い。一方、コロイ
ダルシリカ含有硬化性シリコーン樹脂を感光体の表面層
に用いた場合は、耐摩耗特性は改善されるが、繰り返し
使用時の電子写真特性が不十分であり、カブリや画像ボ
ケが発生しやすく、やはりこれも耐久性が不十分であ
る。
【0008】特に磁気ブラシを感光体に接触させて帯電
を行う磁気ブラシ方式を採用した際には、フィルミン
グ、画像ボケ等の画像劣化が顕著である。又、このよう
な硬化性有機ケイ素化合物膜は、耐摩耗性は高いもの
の、外的な衝撃に対して傷が付いたり剥がれやすくなっ
ており強度や接着性が不十分である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであり、その目的はオゾン等の発生が
少ない接触帯電方式を利用して電子写真感光体表面を所
定の電位に帯電させる系において、高耐久で、且つ高温
高湿下等の厳しい環境条件下に於いても、安定で良好な
画像が得られる電子写真画像形成装置、及び電子写真画
像形成方法、及び該装置に用いられるプロセスカートリ
ッジを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の構成
により達成される。
【0011】1.少なくとも帯電、露光、現像、転写及
びクリーニングの各手段を有し、かつ電子写真感光体上
にトナー像を形成した後、転写材に転写する電子写真画
像形成装置において、該帯電手段が電子写真感光体表面
に接触配置された磁性粒子により形成された磁気ブラシ
であり、該電子写真感光体が電荷輸送性能を有する構造
単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を
含有する樹脂層を有することを特徴とする電子写真画像
形成装置。
【0012】2.少なくとも帯電、露光、現像、転写及
びクリーニングの各手段を有し、かつ電子写真感光体上
にトナー像を形成した後、転写材に転写する電子写真画
像形成装置において、該帯電手段が電子写真感光体表面
に接触配置された磁性粒子により形成された磁気ブラシ
であり、該電子写真感光体が電荷輸送性能を有する構造
単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂及
び酸化防止剤を含有する樹脂層を有することを特徴とす
る電子写真画像形成装置。
【0013】3.前記電子写真感光体の樹脂層に含有さ
れるシロキサン系樹脂が水酸基或いは加水分解性基を有
する有機ケイ素化合物と、水酸基、メルカプト基及びア
ミン基の少なくとも1つを有する電荷輸送性能を有する
構造単位を含む化合物とを反応させて得られるものであ
ることを特徴とする前記1又は2記載の電子写真画像形
成装置。
【0014】4.前記樹脂層がシリコーンオイルを含有
することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載
の電子写真画像形成装置。
【0015】5.前記酸化防止剤がヒンダードアミン又
はヒンダードフェノール構造単位を含有する化合物であ
ることを特徴とする前記2〜4のいずれか1項に記載の
電子写真画像形成装置。
【0016】6.前記樹脂層がコロイダルシリカを含有
することを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載
の電子写真画像形成装置。
【0017】7.前記樹脂層が表面層であることを特徴
とする前記1〜6のいずれか1項に記載の電子写真画像
形成装置。
【0018】8.少なくとも帯電、露光、現像、転写及
びクリーニングの各工程を有し、かつ電子写真感光体上
にトナー像を形成した後、転写材に転写する電子写真画
像形成方法において、該帯電工程が電子写真感光体表面
に接触配置された磁性粒子により形成された磁気ブラシ
であり、該電子写真感光体が電荷輸送性能を有する構造
単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を
含有する樹脂層を有することを特徴とする電子写真画像
形成方法。
【0019】9.少なくとも帯電、露光、現像、転写及
びクリーニングの各工程を有し、かつ電子写真感光体上
にトナー像を形成した後、転写材に転写する電子写真画
像形成方法において、該帯電工程が電子写真感光体表面
に接触配置された磁性粒子により形成された磁気ブラシ
であり、該電子写真感光体が電荷輸送性能を有する構造
単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂及
び酸化防止剤を含有する樹脂層を有することを特徴とす
る電子写真画像形成方法。
【0020】10.少なくとも帯電、露光、現像、転写
及びクリーニングの各手段を有し、かつ電子写真感光体
上にトナー像を形成した後、転写材に転写する電子写真
画像形成装置に使用されるプロセスカートリッジが、少
なくとも該電子写真感光体表面に接触配置された磁性粒
子により形成された磁気ブラシ及び電荷輸送性能を有す
る構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系
樹脂を含有する樹脂層を有する電子写真感光体とを組み
合わせて構成され、かつ画像形成装置本体に着脱自在で
あることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0021】11.少なくとも帯電、露光、現像、転写
及びクリーニングの各手段を有し、かつ電子写真感光体
上にトナー像を形成した後、転写材に転写する電子写真
画像形成装置に使用されるプロセスカートリッジが、少
なくとも該電子写真感光体表面に接触配置された磁性粒
子により形成された磁気ブラシ及び電荷輸送性能を有す
る構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系
樹脂及び酸化防止剤を含有する樹脂層を有する電子写真
感光体とを組み合わせて構成され、かつ画像形成装置本
体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリ
ッジ。
【0022】以下、本発明について詳細に説明する。
【0023】本発明はオゾン発生の問題の少ない環境的
に良好な接触帯電方式にて感光体表面を所定の電位に帯
電させるに際し、その帯電に磁気ブラシを使用すること
に起因する感光体表面の摩耗、削れという問題を解消
し、又繰り返し使用時の電位特性が高温高湿下でも安定
な電子写真画像形成方法を提供することを目的としてな
されたものであり、その手段として感光体の表面層に摩
耗や傷の防止に特に優れたシリコーンハードコート系材
料、或いはシリコーンハードコート系材料と酸化防止剤
とを併用して含有する樹脂層を有する電子写真感光体を
採用し、この磁気ブラシと該電子写真感光体の2つの組
み合わせの効果が相乗されることによって、オゾンやN
xの発生が少なく、しかも高耐久、且つ高温高湿下等
の厳しい環境条件でも良好な画像が得られる電子写真画
像形成装置、電子写真画像形成方法及びプロセスカート
リッジに関するものでる。
【0024】則ち、本発明者らは磁気ブラシにより悪影
響を受ける感光体の表面層を改善するのに当たって、表
面樹脂層を構成する素材に注目し、より強固で耐刷性能
に優れたシロキサン系樹脂が電位特性の安定化も含めて
その硬化が顕著であることを見出し本発明を完成するに
至ったものである。
【0025】本発明の電子写真感光体について説明す
る。
【0026】本発明においてシロキサン系樹脂とは、予
め化学構造単位にシロキサン結合を有するモノマー、オ
リゴマー、ポリマーを反応させて(加水分解反応、触媒
や架橋剤を加えた反応等を含む)3次元網目構造を形成
し、硬化させた樹脂を意味する。一般的には、シロキサ
ン結合を有する有機ケイ素化合物を加水分解反応とその
後の脱水縮合によりシロキサン結合を促進させて3次元
網目構造を形成させ、その結果生成したシロキサン系樹
脂を意味する。例えば、アルコキシシランからなる組成
物、又はアルコキシシランとコロイダルシリカからなる
組成物の縮合反応により3次元網目構造を形成した樹脂
を意味する。
【0027】上記シロキサン系樹脂は公知の方法、即ち
水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物を
用いて製造される。前記有機ケイ素化合物は下記一般式
(A)〜(D)の化学式で示される。
【0028】
【化1】
【0029】式中、R1〜R6は式中のケイ素に炭素が直
接結合した形の有機基を表し、Xは水酸基又は加水分解
性基を表す。又、R1〜R6はそれぞれの有機基が同一で
も良く、異なっていてもよい。
【0030】式中、Xが加水分解性基の場合、加水分解
性基としてメトキシ基、エトキシ基、メチルエチルケト
オキシム基、ジエチルアミノ基、アセトキシ基、プロペ
ノキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基及びメトキシエト
キシ基等が挙げられる。
【0031】R1〜R6に示されるケイ素に炭素が直接結
合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチ
ル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロ
ピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メ
タアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、
γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピ
ルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等
の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプ
ト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−
γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピ
ル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロ
ヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン
基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基等を挙げるこ
とができる。
【0032】電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且
つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂の原料として用い
られる上記有機ケイ素化合物は、一般にはケイ素原子に
結合している加水分解性基の数nが1のとき、有機ケイ
素化合物の高分子化反応は抑制される。nが2、3又は
4のときは高分子化反応が起こりやすく、特に3或いは
4では高度に架橋反応を進めることが可能である。従っ
て、これらをコントロールすることにより得られる塗布
液の保存性や塗布層の硬度等を制御することが出来る。
【0033】上記シロキサン系樹脂の原料としては上記
有機ケイ素化合物を酸性条件下又は塩基性条件下で加水
分解してオリゴマー化或いはポリマー化した加水分解縮
合物を用いることもできる。
【0034】尚、シロキサン系樹脂とは、上記シロキサ
ン結合を含有する硬化性樹脂の原料が塗布液中或いは塗
布乾燥工程等において樹脂成分の一部が架橋(クロスリ
ンク)することにより、硬度の高い樹脂層を形成する樹
脂をいう。
【0035】上記樹脂層には水酸基或いは加水分解性基
を有するコロイダルシリカを含ませて、架橋構造の一部
にシリカ粒子を取り込んだ樹脂層としてもよい。
【0036】本発明における電荷輸送性能とは、通常の
Time−Of−Flight法の電荷輸送性能を検知
できる公知の方法にて、電荷輸送に起因する検出電流が
得られるものとして表現することもがきる。
【0037】電荷輸送性能を有する構造単位とは、この
構造自体が電子或いは正孔のドリフト移動度を有する性
質を示すもの(電荷輸送性能付与基)をいう。
【0038】例えば正孔輸送型電荷輸送性化合物:オキ
サゾール、オキサジアゾール、チアゾール、トリアゾー
ル、イミダゾール、イミダゾロン、イミダゾリン、ビス
イミダゾリジン、スチリル、ヒドラゾン、ベンジジン、
ピラゾリン、スチルベン化合物、アミン、オキサゾロ
ン、ベンゾチアゾール、ベンズイミダゾール、キナゾリ
ン、ベンゾフラン、アクリジン、フェナジン、アミノス
チルベン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−
ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセンなどの化
学構造を前記シロキサン系樹脂の部分構造として含有す
る。一方、電子輸送型としては無水コハク酸、無水マレ
イン酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水メリ
ット酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメ
タン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、トリニトロ
ベンゼン、テトラニトロベンゼン、ニトロベンゾニトリ
ル、ピクリルクロライド、キノンクロルイミド、クロラ
ニル、ブロマニル、ベンゾキノン、ナフトキノン、ジフ
ェノキノン、トロポキノン、アントラキノン、1−クロ
ロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、4−ニト
ロベンゾフェノン、4,4′−ジニトロベンゾフェノ
ン、4−ニトロベンザルマロンジニトリル、α−シアノ
−β−(p−シアノフェニル)−2−(p−クロロフェ
ニル)エチレン、2,7−ジニトロフルオレン、2,
4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テ
トラニトロフルオレノン、9−フルオレニリデンジシア
ノメチレンマロノニトリル、ポリニトロ−9−フルオロ
ニリデンジシアノメチレンマロノジニトリル、ピクリン
酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、3,5
−ジニトロ安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、5−ニ
トロサリチル酸、3,5−ジニトロサリチル酸、フタル
酸、メリット酸などの化学構造を前記シロキサン系樹脂
の部分構造として含有する。
【0039】本発明において好ましい電荷輸送性能付与
基とは、上記の如き通常用いられる電荷輸送性化合物を
含み、該電荷輸送性化合物を構成する炭素原子を介して
或いは上記電荷輸送性化合物を部分構造として含有する
化合物の炭素原子を介して下記一般式(1)におけるY
の連結原子を介してシロキサン系樹脂中に含有される。
【0040】
【化2】
【0041】式中、Xは電荷輸送性能付与基であって、
該付与基を構成する炭素原子を介して式中のYと結合す
る基、Yは隣接する結合原子(SiとC)を除いた2価
以上の原子である。但し、Yが3価以上の原子の時は式
中のSiとC以外のYの結合手は結合が可能な上記硬化
性樹脂中のいずれかの構成原子と結合しているか又は他
の原子、分子基と連結した構造を有する。特にYは酸素
原子、硫黄原子及び窒素原子が好ましい。窒素原子であ
ればNRであり、Rは水素原子、ハロゲン原子又は1価
の有機基である。
【0042】電荷輸送性能付与基Xは式中では1価の基
とされているが、シロキサン系樹脂と反応させる電荷輸
送性化合物が2つ以上の反応性官能基を有している場合
は該樹脂中で2価以上のクロスリンク基として接合して
もよく、単にペンダント基として接合していてもよい。
【0043】Yの好ましい原子としての酸素原子、硫黄
原子及び窒素原子は、それぞれ電荷輸送性化合物中に導
入された水酸基、メルカプト基、アミン基と、水酸基或
いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物との反応に
よって形成され、シロキサン系樹脂中に電荷輸送化合物
を部分構造として取り込んでいる。
【0044】次に本発明で用いられる水酸基、メルカプ
ト基、アミン基を有する電荷輸送性化合物について説明
する。
【0045】水酸基を有する電荷輸送性化合物とは、通
常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つ水酸基を有し
ている化合物である。即ち、代表的には硬化性有機ケイ
素化合物と結合して樹脂層を形成することが出来る下記
一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げることができ
るが、下記構造に限定されるものではなく、電荷輸送性
能を有し、且つ水酸基を有している化合物であればよ
い。
【0046】X−(R1−OH)m 式中、Xは電荷輸送性能付与基であり、R1は単結合
子、各々置換又は非置換のアルキレン、アリーレン基で
あり、mは1以上、好ましくは1〜5である。
【0047】その中でも代表的なものを挙げれば下記の
ごときものがある。
【0048】1.トリアリールアミン系化合物
【0049】
【化3】
【0050】トリアリールアミン系化合物とは、トリフ
ェニルアミン等のトリアリールアミン構造を含み、該基
を構成する炭素原子を介して炭素原子と結合する水酸基
を有する化合物である。
【0051】2.ヒドラジン系化合物
【0052】
【化4】
【0053】3.スチルベン系化合物
【0054】
【化5】
【0055】4.ベンジジン系化合物
【0056】
【化6】
【0057】5.ブタジエン系化合物
【0058】
【化7】
【0059】6.その他の化合物
【0060】
【化8】
【0061】次に、水酸基を有する電荷輸送性化合物の
合成例について述べる。
【0062】例示化合物T−1の合成
【0063】
【化9】
【0064】ステップA 温度計、冷却管、攪拌装置、滴下ロートの付いた四頭コ
ルベンに、化合物(1)49gとオキシ塩化リン184
gを入れ加熱溶解した。滴下ロートよりジメチルホルム
アミド117gを徐々に滴下し、その後反応液温を85
〜95℃に保ち、約15時間攪拌を行った。次に反応液
を大過剰の温水に徐々に注いだ後、攪拌しながらゆっく
り冷却した。
【0065】析出した結晶を濾過及び乾燥した後、シリ
カゲル等により不純物吸着及びアセトニトリルでの再結
晶により精製を行って化合物(2)を得た。収量は30
gであった。
【0066】ステップB 化合物(2)30gとエタノール100mlをコルベン
に投入し攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム1.9gを
徐々に添加した後、液温を40〜60℃に保ち、約2時
間攪拌を行った。次に反応液を約300mlの水に徐々
にあけ、攪拌して結晶を析出させた。濾過後充分水洗し
て乾燥し化合物(3)を得た。収量は30gであった。
【0067】例示化合物S−1の合成
【0068】
【化10】
【0069】ステップA 温度計及び攪拌装置を付けた300mlコルベンに、C
uを30g、K2CO3を60g、化合物(1)8g、化
合物(2)100gを投入し、約180℃まで昇温して
20時間攪拌した。冷却後濾過し、カラム精製により化
合物(3)7gを得た。
【0070】ステップB 温度計、滴下ロート、アルゴンガス導入装置及び攪拌装
置を付けた100mlコルベンをアルゴンガス雰囲気に
し、これに化合物(3)7g、トルエン50ml、塩化
ホスホリル3gを投入した。室温下で攪拌しながら、D
MF2gをゆっくりと滴下し、その後約80℃に昇温し
て16時間攪拌した。約70℃の温水にあけてから冷却
した。これをトルエンにて抽出し、抽出液を水のpHが
7になるまで水洗した。硫酸ナトリウムにて乾燥した後
に濃縮し、カラム精製により化合物(4)5gを得た。
【0071】ステップC アルゴンガス導入装置及び攪拌装置を付けた100ml
コルベンにt−BuOK1.0g、DMF60mlを投
入し、アルゴンガス雰囲気にした。これに化合物(4)
2.0g、化合物(5)2.2gを加え、室温で1時間
攪拌した。これを大過剰の水にあけ、トルエンにて抽出
し、抽出液を水洗した後、硫酸ナトリウムにて乾燥後、
濃縮してからカラム精製を行い化合物(6)2.44g
を得た。
【0072】ステップD 温度計、滴下ロート、アルゴンガス導入装置及び攪拌装
置を付けた100mlコルベンにトルエンを投入し、ア
ルゴンガス雰囲気にした。これにn−BuLiのヘキサ
ン溶液(1.72M)15mlを加え、50℃に加温し
た。これに化合物(6)2.44gをトルエン30ml
溶解させた液を滴下し、50℃に保って3時間攪拌し
た。これを−40℃に冷却した後、エチレンオキサイド
8mlを加え、−15℃まで昇温して1時間攪拌した。
その後室温まで昇温し、水5mlを加えて、エーテル2
00mlにて抽出後、抽出液を飽和食塩水で洗浄した。
洗浄液がpH7になるまで洗浄した後、硫酸ナトリウム
にて乾燥、濃縮、カラム精製して化合物(7)1.0g
を得た。
【0073】次に、メルカプト基を有する電荷輸送性化
合物の具体例を下記に例示する。
【0074】メルカプト基を有する電荷輸送性化合物と
は、通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つメルカ
プト基を有している化合物である。即ち、代表的には硬
化性有機ケイ素化合物と結合して、樹脂層を形成するこ
とが出来る下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙
げることができるが、下記構造に限定されるものではな
く、電荷輸送性能を有し、且つメルカプト基を有してい
る化合物であればよい。
【0075】X−(R1−SH)m 式中、Xは電荷輸送性能付与基であり、R1は単結合
子、各々置換又は非置換のアルキレン、アリーレン基で
あり、mは1以上、好ましくは1〜5である。
【0076】その中でも代表的なものを挙げれば下記の
ごときものが挙げられる。
【0077】
【化11】
【0078】更に、アミノ基を有する電荷輸送性化合物
の具体例を下記に例示する。
【0079】アミノ基を有する電荷輸送性化合物とは、
通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つアミノ基を
有している化合物である。即ち、代表的には硬化性有機
ケイ素化合物と結合して、樹脂層を形成することが出来
る下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げること
ができるが、下記構造に限定されるものではなく、電荷
輸送性能を有し、且つアミノ基を有している化合物であ
ればよい。
【0080】X−(R1−NR2H)m 式中、Xは電荷輸送性能付与基であり、R1は単結合
子、各々置換又は非置換のアルキレン、アリーレン基で
あり、R2は水素原子、置換又は非置換のアルキル基、
置換又は非置換のアリール基、mは1以上、好ましくは
1〜5である。
【0081】その中でも代表的なものを挙げれば下記の
ごときものがある。
【0082】
【化12】
【0083】アミノ基を有する電荷輸送性化合物の中
で、第一アミン化合物(−NH2)の場合は2個の水素
原子が有機ケイ素化合物と反応し、シロキサン構造に連
結することもあり得る。第2アミン化合物(−NHR)
の場合は1個の水素原子が有機ケイ素化合物と反応し、
残りのRはブランチとして残存する基でも良く、架橋反
応を起こす基でも良く、電荷輸送物質を含む化合物基で
もよい。
【0084】前記シロキサン系樹脂の形成原料組成比と
しては、上記の一般式(A)〜(D)で表される有機ケ
イ素化合物(以下、単に(A)、(B)、(C)、
(D)とする)によれば、(A)+(B)成分1モルに
対し、(C)+(D)成分0.05〜1モルを用いるこ
とが好ましい。
【0085】又コロイダルシリカ(E)を添加する場合
は(A)+(B)+(C)+(D)成分の総重量100
部に対し(E)を1〜30重量部を用いることが好まし
い。又上記有機ケイ素化合物やコロイダルシリカと反応
して樹脂層を形成することができる電荷輸送性化合物
(F)を加える場合は、(A)+(B)+(C)+
(D)成分の総重量100部に対し(F)を1〜500
重量部を用いることが好ましい。(A)+(B)成分が
上記の範囲外で使用されると、(A)+(B)成分が少
ない場合はシロキサン系樹脂層は架橋密度が小さすぎ硬
度が不足する。又、(A)+(B)成分が多すぎると架
橋密度が大きすぎ硬度は十分だが、脆い樹脂層となる。
(E)成分のコロイダルシリカ成分の過不足も、(A)
+(B)成分と同様の傾向がみられる。一方、(F)成
分が少ない場合はシロキサン系樹脂層の電荷輸送能が小
さく、感度の低下、残電の上昇を生じ、(F)成分が多
い場合はシロキサン系樹脂含有層の膜強度が弱くなる傾
向がみられる。
【0086】シロキサン系樹脂とは予め構造単位にシロ
キサン結合を有するモノマー、オリゴマー、ポリマーに
触媒や架橋剤を加えて新たな化学結合を形成させ3次元
網目構造を形成することもあり、又加水分解反応とその
後の脱水縮合によりシロキサン結合を促進させモノマ
ー、オリゴマー、ポリマーから3次元網目構造を形成す
ることもできる。一般的には、アルコキシシランからな
る組成物、又はアルコキシシランとコロイダルシリカか
らなる組成物の縮合反応により3次元網目構造を形成す
ることができる。
【0087】又上記の3次元網目構造を形成させる触媒
としては有機カルボン酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン
酸、炭酸及びチオシアン酸の各アルカリ金属塩、有機ア
ミン塩(水酸化テトラメチルアンモニウム、テトラメチ
ルアンモニウムアセテート)、スズ有機酸塩(スタンナ
スオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチル
チンジラウレート、ジブチルチンメルカプチド、ジブチ
ルチンチオカルボキシレート、ジブチルチンマリエート
等)、アルミニウム、亜鉛のオクテン酸、ナフテン酸
塩、アセチルアセトン錯化合物等が挙げられる。
【0088】又本発明中の樹脂層にはヒンダートフェノ
ール、ヒンダートアミン、チオエーテル又はホスファイ
ト部分構造を持つ酸化防止剤を含有させることを特徴と
する。該樹脂層への酸化防止剤の含有は環境変動時の電
位安定性・画質の向上に効果的である。
【0089】ここでヒンダートフェノールとはフェノー
ル化合物の水酸基に対しオルト位置に分岐アルキル基を
有する化合物類及びその誘導体を云う。但し、水酸基が
アルコキシに変成されていても良い。
【0090】又、ヒンダートアミンは、例えば下記構造
式で示される有機基を有する化合物類が挙げられる。
【0091】
【化13】
【0092】式中、R11は水素原子又は1価の有機基、
12、R13、R14、R15はアルキル基、R16は水素原
子、水酸基又は1価の有機基を示す。
【0093】ヒンダートフェノール部分構造を持つ酸化
防止剤としては、例えば特開平1−118137号(P
7〜P14)記載の化合物が挙げられるが本発明はこれ
に限定されるものではない。
【0094】ヒンダートアミン部分構造を持つ酸化防止
剤としては、例えば特開平1−118138号(P7〜
P9)記載の化合物も挙げられるが本発明はこれに限定
されるものではない。製品化されている酸化防止剤とし
ては以下のような化合物、例えばヒンダートフェノール
系として「イルガノックス1076」、「イルガノック
ス1010」、「イルガノックス1098」、「イルガ
ノックス245」、「イルガノックス1330」、「イ
ルガノックス3114」、「イルガノックス1076」
「3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシビフェニ
ル」、ヒンダートアミン系として「サノールLS262
6」、「サノールLS765」「サノールLS262
6」、「サノールLS770」、「サノールLS74
4」、「チヌビン144」、「チヌビン622LD」、
「マークLA57」、「マークLA67」、「マークL
A62」、「マークLA68」、「マークLA63」、
「スミライザーTPS」、チオエーテル系として「スミ
ライザーTP−D」、ホスファイト系として「マーク2
112」、「マークPEP−8」、「マークPEP−2
4G」、「マークPEP−36」、「マーク329
K」、「マークHP−10」が挙げられ、特にヒンダー
トフェノール、ヒンダートアミン系酸化防止剤が好まし
い。
【0095】具体的な化合物例を以下に挙げる。
【0096】
【化14】
【0097】
【化15】
【0098】
【化16】
【0099】
【化17】
【0100】
【化18】
【0101】
【化19】
【0102】
【化20】
【0103】
【化21】
【0104】
【化22】
【0105】
【化23】
【0106】
【化24】
【0107】
【化25】
【0108】
【化26】
【0109】
【化27】
【0110】
【化28】
【0111】
【化29】
【0112】
【化30】
【0113】
【化31】
【0114】
【化32】
【0115】
【化33】
【0116】
【化34】
【0117】
【化35】
【0118】これら酸化防止剤の添加量としては樹脂層
組成物の総重量100部に対し0.01〜50重量部を
用いることが好ましく、0.1〜25重量部が更に好ま
しい。
【0119】又、前記樹脂層にはシリコーンオイルを含
有させることが好ましい。本発明で用いられるシリコー
ンオイルは反応性、非反応性シリコーンオイルを用いる
ことができる。
【0120】反応性シリコーンオイルとは分子内に反応
性をもつ有機基を含むシリコーンオイルを指し、その多
くは反応性基を有するポリシロキサンである。ポリシロ
キサンは二官能基のアルコキシシランの縮合反応により
得られるが、ここで云う反応性基とはポリシロキサン主
鎖形成に関与する二官能基のアルコキシシランや二官能
基のシラノールとは異なり、下記一般式(2)に示すよ
うにシリコーンオイルの側鎖或いは末端に位置する反応
性基である。具体的には次のような構造で表される。
【0121】
【化36】
【0122】(式中、R1〜R10はそれぞれ異なっても
良く、炭素数1〜10の置換、若しくは無置換のアルキ
ル基、炭素数1〜10の置換、若しくは無置換のアルコ
キシ基、又は反応性基を表す。m、nは0〜200の整
数を表す。但しR1〜R10の少なくとも1つは反応性基
を有する。) 前記反応性基としては樹脂層塗布液中、或いは塗膜形成
時に或いは熱処理時に化学反応によりシロキサン系樹脂
中の一部となる反応性基であれば特に限定されないが、
一般的にはアミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、カ
ルビノール基、メタクリル基、メルカプト基、フェノー
ル基等を含む有機残基が挙げられる。
【0123】更に、具体的には以下のような一般式の反
応性基が好ましい。
【0124】(1)アミノ変性: −R11−NH2,−
11−NH−R12−NH2 (2)エポキシ変性: −R11−CH−CH2 (3)カルボキシ変性: −R11−COOH (4)カルビノール変性: −R11−OH (5)メタクリル変性: −R11−C(CH3)=CH2 (6)メルカプト変性: −R11−SH (7)フェノール変性: −R11−C64−OH (上記式中、−R11−、−R12−はアルキレン基を表
す。) 一方、非反応性のシリコーンオイルとしては、ポリエー
テル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、高級脂
肪酸エステル変性、高級アルコキシ変性等の変性シリコ
ーンオイルが挙げられる。これらの中でも特にシラノー
ル基を含有するシラノールシリコーンが最も好ましい。
尚、シラノールシリコーンオイルとは下記一般式(3)
のごとくシラノールを含有するポリシロキサンを云う。
【0125】
【化37】
【0126】(式中、R1〜R8はそれぞれ異なっていて
も良く、炭素数1〜10の各置換、若しくは無置換のア
ルキル基又はアルコキシ基を表す。) 次に代表的なシリコーンオイルA〜Oの商品名を挙げ
る。
【0127】A:アミノ変性品 X−22−161AS
(信越化学社製) B:エポキシ変性品 X−22−163B(信越化学社
製) C:カルボキシル変性品 X−22−162A(信越化
学社製) D:カルビノール変性品 X−22−160AS(信越
化学社製) E:メタクリル変性品 X−22−164C(信越化学
社製) F:メルカプト変性品 X−22−167B(信越化学
社製) G:フェノール変性品 X−22−165B(信越化学
社製) H:ジメチルシリコーン KF−96(信越化学社製) I:メチルフェニルシリコーン KF−54(信越化学
社製) J:ポリエーテル変性品 KF−351(信越化学社
製) K:メチルスチリル変性品 KF−410(信越化学社
製) L:アルキル変性品 KF−412(信越化学社製) M:高級脂肪酸エステル変性品 X−22−715(信
越化学社製) N:高級アルコキシ変性品 KF−851(信越化学社
製) O:シラノールシリコーン DMS−S12(シッソ社
製) 上記シリコーンオイルの添加量は樹脂層固形分に対し1
0ppm〜20重量%、好ましくは100ppm〜10
重量%である。
【0128】前記樹脂層にシリコーンオイルを含有させ
ることにより、磁気ブラシやクリーニングブレードによ
る樹脂層の摩耗を更に少なくし、画像欠陥の発生を少な
くするのにも効果が見られる。
【0129】本発明の樹脂層は該樹脂層の特徴を生かす
ため感光体の表面層として構成されるのが最も好ましい
が、該感光体を電子写真画像形成装置に組み込んだ時の
画像形成スタート時のスベリ特性等を改良する目的で該
樹脂層の上に更に表面層を設けることもできる。
【0130】本発明の感光体の層構成はとくに限定は無
いが、負帯電感光体においては導電性支持体上には下引
層(UCL)、その上に機能分離した感光層の電荷発生
層(CGL)と電荷輸送層(CTL層)を順に設けた上
に本発明の樹脂層を塗設した構成をとるのが好ましい。
正帯電感光体では前記負帯電感光体層構成の内、電荷発
生層(CGL)と電荷輸送層(CTL層)の順を逆にし
た構成を取ることが好ましい。単層構造の感光体では導
電性支持体上には下引層(UCL)の上に感光層(電荷
発生+電荷輸送)の上に本発明の樹脂層を塗設した構成
を採用しても良い。
【0131】又、本発明の樹脂層は前記感光層を兼ねた
構成を取ることも可能である。即ち、前記機能分離感光
体の電荷輸送層或いは電荷発生層を本発明の樹脂層とす
る事もできる。又、単層構造の感光体の感光層を本発明
の樹脂層としても良い。
【0132】感光層に含有される電荷発生物質(CG
M)としては、例えばフタロシアニン顔料、多環キノン
顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、キナク
リドン顔料、アズレニウム顔料、スクワリリウム染料、
シアニン染料、ピリリウム染料、チオピリリウム染料、
キサンテン色素、トリフェニルメタン色素、スチリル色
素等が挙げられ、これらの電荷発生物質は単独で又は適
当なバインダー樹脂と共に層形成が行われる。
【0133】前記感光層に含有される電荷輸送物質(C
TM)としては、例えばオキサゾール誘導体、オキサジ
アゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘
導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミ
ダゾロン誘導体、イミダゾリン誘導体、ビスイミダゾリ
ジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ベン
ジジン化合物、ピラゾリン誘導体、スチルベン化合物、
アミン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンゾチアゾール
誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導
体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジ
ン誘導体、アミノスチルベン誘導体、ポリ−N−ビニル
カルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビ
ニルアントラセン等が挙げられこれらの電荷輸送物質は
通常バインダーと共に層形成が行われる。
【0134】単層構成の感光層、及び積層構成の場合の
電荷発生層(CGL)、電荷輸送層(CTL)に含有さ
れるバインダー樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹
脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニ
リデン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルア
セテート樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、塩化ビニリ
デン−アクリロニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−無
水マレイン酸共重合体樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン
樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリシラン樹脂、ポリビニルカルバゾー
ル等が挙げられる。
【0135】電荷発生層中の電荷発生物質とバインダー
樹脂との割合は重量比で1:5〜5:1が好ましい。又
電荷発生層の膜厚は5μm以下が好ましく、特には0.
05〜2μmが好ましい。
【0136】又、電荷輸送層は前記の電荷輸送物質とバ
インダー樹脂を適当な溶剤に溶解し、その溶液を塗布乾
燥することによって形成される。電荷輸送物質とバイン
ダー樹脂との混合割合は重量比で10:1〜1:10が
好ましい。
【0137】電荷輸送層の膜厚は5〜50μm、特には
10〜40μmが好ましい。又、電荷輸送層が複数設け
られている場合は、電荷輸送層の上層の膜厚は10μm
以下が好ましく、かつ、電荷輸送層の上層の下に設けら
れた電荷輸送層の全膜厚より小さいことが好ましい。
【0138】シロキサン系樹脂含有の樹脂層は、上記電
荷輸送層を兼ねても良いが、好ましくは電荷輸送層もし
くは電荷発生層或いは単層型の電荷発生・輸送層等の感
光層の上に、これらとは別層として設けるのがよい。こ
の場合、上記感光層とシロキサン系樹脂含有層との間に
接着層を設けるのが更に良い。
【0139】感光体の製造に用いられる溶媒又は分散媒
としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレ
ンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノール
アミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホル
ムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
プロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2
−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,
1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエ
タン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テト
ラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノー
ル、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸
エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセ
ロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定される
ものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエ
タン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。
又、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒とし
て用いることもできる。
【0140】電子写真感光体の導電性支持体としては、
例えば1)アルミニウム板、ステンレス板などの金属
板、2)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上
に、アルミニウム、パラジウム、金などの金属薄層をラ
ミネート若しくは蒸着によって設けたもの、3)紙或い
はプラスチックフィルムなどの支持体上に、導電性ポリ
マー、酸化インジウム、酸化錫などの導電性化合物の層
を塗布若しくは蒸着によって設けたもの等が挙げられ
る。
【0141】本発明においては導電性支持体と感光層の
間に、バリヤー機能を備えた中間層を設けることもでき
る。
【0142】中間層用の材料としては、カゼイン、ポリ
ビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アク
リル酸共重合体、ポリビニルブチラール、フェノール樹
脂ポリアミド類(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン
610、共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナイロン
等)、ポリウレタン、ゼラチン及び酸化アルミニウムを
用いた中間層、或いは特開平9−68870号の如く金
属アルコキシド、有機金属キレート、シランカップリン
グ剤による硬化型中間層等が挙げられる。中間層の膜厚
は、0.1〜10μmが好ましく、特には0.1〜5μ
mが好ましい。
【0143】支持体と中間層との間に支持体の表面欠陥
を補うための被覆を施すことや、特に画像入力がレーザ
ー光の場合には問題となる干渉縞の発生を防止すること
などを目的とした導電層を設けることができる。この導
電層は、カーボンブラック、金属粒子又は金属酸化物粒
子等の導電性粉体を適当なバインダー樹脂中に分散した
溶液を塗布乾燥して形成することができる。導電層の膜
厚は5〜40μmが好ましく、特に10〜30μmが好
ましい。
【0144】次に前記の磁気ブラシを用いた接触式の磁
気ブラシ帯電装置を図1、及び図1の帯電装置による交
流バイアス電圧と帯電電位との関係を示す図2を用いて
説明する。
【0145】まず、帯電用磁気ブラシを形成する磁性粒
子について説明する。
【0146】一般に帯電用磁気ブラシを形成する磁性粒
子の平均粒径(重量平均)が大きいと、(イ)帯電用磁
性粒子搬送体(搬送担体)上に形成される磁気ブラシの
穂の状態が粗いために、電界により振動を与えながら帯
電しても、磁気ブラシにムラが現れ易く、帯電ムラの問
題が起こる。この問題を解消するには、磁性粒子の平均
粒径を小さくすればよく、実験の結果、平均粒径が20
0μm以下でその効果が現れ初め、特に150μm以下
になると、実質的に(イ)の問題が生じなくなる。しか
し、粒子が細か過ぎると帯電時感光体ドラム10面に付
着するようになったり、飛散し易くなったりする。これ
らの現象は、粒子に作用する磁界の強さ、それによる粒
子の磁化の強さにも関係するが、一般的には、粒子の平
均粒径が30μm以下に顕著に現れるようになる。な
お、磁化の強さは30〜100emu/gのものが好ま
しく用いられる。
【0147】以上から、磁性粒子の粒径は平均粒径(重
量平均)が150μm以下、特に好ましくは150μm
以下30μm以上であることが好ましい。
【0148】このような磁性粒子は、磁性体として前述
した従来の二成分現像剤の磁性キャリヤ粒子におけると
同様の、鉄、クロム、ニッケル、コバルト等の金属、あ
るいはそれらの化合物や合金、例えば四三酸化鉄、γ−
酸化第二鉄、二酸化クロム、酸化マンガン、フェライ
ト、マンガン−銅系合金、と云った強磁性体の粒子、又
はそれら磁性体粒子の表面をスチレン系樹脂、ビニル系
樹脂、エチレン系樹脂、ロジン変性樹脂、アクリル系樹
脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂
等の樹脂で被覆するか、あるいは、磁性体微粒子を分散
して含有した樹脂で作るかして得られた粒子を従来公知
の平均粒径選別手段で粒径選別することによって得られ
る。
【0149】なお、磁性粒子を球状に形成することは、
搬送担体に形成される粒子層が均一となり、また搬送担
体に高いバイアス電圧を均一に印加することが可能とな
ると云う効果も与える。即ち、磁性粒子が球形化されて
いることは、(1)一般に、磁性粒子は長軸方向に磁化
吸着され易いが、球形化によってその方向性がなくな
り、従って、磁性粒子層が均一に形成され、局所的に抵
抗の低い領域や層厚のムラの発生を防止する、(2)磁
性粒子の高抵抗化と共に、従来の粒子に見られるような
エッジ部が無くなって、エッジ部への電界の集中が起こ
らなくなり、その結果、帯電用磁性粒子の搬送担体に高
いバイアス電圧を印加しても、感光体ドラム10面に均
一に放電して帯電ムラが起こらない、という効果を与え
る。
【0150】以上のような効果を奏する球形粒子には磁
性粒子の抵抗率が106Ω・cm以上1010Ω・cm以
下であるように導電性の磁性粒子を形成したものが好ま
しい。この抵抗率は、粒子を0.50cm2の断面積を
有する容器に入れてタッピングした後、詰められた粒子
上に1kg/cm2の荷重を掛け、荷重と底面電極との
間に1000V/cmの電界が生ずる電圧を印加したと
きの電流値を読み取ることで得られる値であり、この抵
抗率が低いと、搬送担体にバイアス電圧を印加した場合
に、磁性粒子に電荷が注入されて、感光体ドラム10面
に磁性粒子が付着し易くなったり、あるいはバイアス電
圧による感光体ドラム10の絶縁破壊が起こり易くなっ
たりする。また、抵抗率が高いと電荷注入が行われず帯
電が行われない。
【0151】さらに、接触式の磁気ブラシ帯電装置12
0に用いられる磁性粒子は、それにより構成される磁気
ブラシが振動電界により軽快に動き、しかも外部飛散が
起きないように、比重の小さく、かつ適度の最大磁化を
有するものが望ましい。具体的には真比重が6以下で最
大磁化が30〜100emu/gのもの、特に40〜8
0emu/gを用いると好結果が得られることが判明し
た。
【0152】以上を総合して、磁性粒子は、少なくとも
長軸と短軸の比が3倍以下であるように球形化されてお
り、針状部やエッジ部等の突起が無く、抵抗率は好まし
くは106〜1010Ω・cmの範囲にあることが望まれ
る。そして、このような球状の磁性粒子は、磁性体粒子
にできるだけ球形のものを選ぶこと、磁性体微粒子分散
系の粒子では、できるだけ磁性体の微粒子を用いて、分
散樹脂粒子形成後に球形化処理を施すこと、あるいはス
プレードライの方法によって分散樹脂粒子を形成するこ
と等によって製造される。
【0153】図1又は図2によれば、帯電装置としての
磁気ブラシ帯電装置120は回転する感光体ドラム10
と対向し、感光体ドラム10との近接部(帯電部T)に
おいて同方向(反時計方向)に回転される帯電用磁性粒
子搬送体としての、例えばアルミ材やステンレス材を用
いた円筒状の帯電スリーブ120aと、該帯電スリーブ
120aの内部に設けられるN、S極よりなる磁石体1
21と、該磁石体121により帯電スリーブ120aの
外周面上に形成され感光体ドラム10を帯電する磁性粒
子からなる磁気ブラシと、磁石体121のN−N磁極部
において該帯電スリーブ120a上の磁気ブラシを掻取
るスクレーパ123と、磁気ブラシ帯電装置120内の
磁性粒子を攪拌或いは磁性粒子供給時に使用済み磁性粒
子を磁気ブラシ帯電装置120の排出口125より溢れ
させて排出する攪拌スクリュウ124と、磁気ブラシの
穂立ち規制板126とにより構成される。帯電スリーブ
120aは磁石体121に対し回動可能になっていて、
感光体ドラム10との対向位置で感光体ドラム10の移
動方向と同方向(反時計方向)に0.1〜1.0倍の周
速度で回転させられるのが好ましい。また帯電スリーブ
120aは、帯電バイアス電圧を印加し得る導電性の搬
送担体が用いられるが、特に、表面に粒子層が形成され
る導電性の帯電スリーブ120aの内部に複数の磁極を
有する磁石体121が設けられている構造のものが好ま
しく用いられる。このような搬送担体においては、磁石
体121との相対的な回転によって、導電性の帯電スリ
ーブ120aの表面に形成される磁性粒子層が波状に起
伏して移動するようになるから、新しい磁性粒子が次々
と供給され、帯電スリーブ120a表面の磁性粒子層に
多少の層厚の不均一があっても、その影響は上記波状の
起伏によって実際上問題とならないように十分カバーさ
れる。帯電スリーブ120aの表面は磁性粒子の安定な
均一搬送のために表面の平均粗さを5.0〜30μmと
することが好ましい、平滑であると搬送は十分に行えな
く、粗すぎると表面の凸部から過電流が流れ、どちらに
しても帯電ムラが生じ易い。上記の表面粗さとするには
サンドブラスト処理が好ましく用いられる。また、帯電
スリーブ120aの外径は5.0〜20mmが好まし
い。これにより、帯電に必要な接触領域を確保する。接
触領域が必要以上に大きいと帯電電流が過大となるし、
小さいと帯電ムラが生じ易い。また上記のように小径と
した場合、遠心力により磁性粒子が飛散あるいは感光体
ドラム10に付着し易いために、帯電スリーブ120a
の線速度は感光体ドラム10の移動速度と殆ど同じか、
それよりも遅いことが好ましい。
【0154】また、帯電スリーブ120a上に形成する
磁性粒子層の厚さは、規制手段によって十分に掻き落さ
れて均一な層となる厚さであることが好ましい。帯電領
域において帯電スリーブ120aの表面上の磁性粒子の
存在量が多すぎると磁性粒子の振動が十分に行われず感
光体の摩耗や帯電ムラを起こすとともに過電流が流れ易
く、帯電スリーブ120aの駆動トルクが大きくなると
いう欠点がある。反対に磁性粒子の帯電領域における帯
電スリーブ120a上の存在量が少な過ぎると感光体ド
ラム10への接触に不完全な部分を生じ磁性粒子の感光
体ドラム10上への付着や帯電ムラを起こすことにな
る。実験を重ねた結果、帯電領域における磁性粒子の好
ましい付着量は100〜400mg/cm2であり、特
に好ましくは200〜300mg/cm2であることが
判明している。なお、この付着量は、磁気ブラシの帯電
領域における平均値である。
【0155】帯電装置としての磁気ブラシ帯電装置12
0には、直流(DC)バイアスE3に必要により交流
(AC)バイアスAC3が重畳される帯電バイアス、例
えば直流バイアスE3としてトナーと同極性(本実施形
態においてはマイナス極性)の−100〜−500V
が、また交流バイアスAC3として周波数1〜5kH
z、電圧300〜500VP-Pの帯電バイアスが印加さ
れる帯電スリーブ120aにより、感光体ドラム10の
周面が接触、摺擦されて感光体ドラム10が帯電され
る。帯電スリーブ120aと感光体ドラム10との間に
は前記交流バイアスAC3の電圧印加による振動電界が
形成されているので、磁気ブラシを経て感光体層10a
上への電荷の注入が円滑に行われて一様に高速な帯電が
行われる。
【0156】感光体ドラム10を帯電した帯電スリーブ
120a上の磁気ブラシは、磁石体121に設けられる
N−N磁極部において、スクレーパ123により帯電ス
リーブ120a上より落下され帯電スリーブ120aと
の近接部において帯電スリーブ120aと逆方向(反時
計方向)に回転する攪拌スクリュウ124により攪拌さ
れた後、再度磁気ブラシ形成され帯電部Tに搬送され
る。
【0157】図2に示すように、帯電バイアスの交流バ
イアスAC3のピーク・ピーク電圧(VP-P)と帯電電
位との関係は、ピーク・ピーク電圧VP-Pが大きくなる
に従い帯電電位が大きくなり、帯電電位はピーク・ピー
ク電圧が一定のV1で帯電バイアスの直流バイアスE3
の値VSとほぼ等しい値で飽和し、それ以上ピーク・ピ
ーク電圧VP-Pを大きくしても帯電電位は殆ど変化しな
いという特性がある。磁性粒子の電気抵抗は環境条件に
よっても変化するが、また使用するに従い磁性粒子の表
面にトナーが融着するなどして電気抵抗は高くなる。こ
のため、特性曲線は使用初期の新しい磁性粒子の場合は
実線で示す(a)のように左側に、長期間使用した磁性
粒子の場合は前記特性曲線は点線で示す(b)のように
右側に位置することになる。
【0158】本発明の画像形成装置の接触方式による帯
電装置では、装着電源のon時或いはプリント開始前に
帯電電位に相当する直流バイアスE3の電圧値を所定値
とし、交流バイアスAC3のピーク・ピーク電圧(V
P-P)を低い値から次第に大きくした帯電バイアスを印
加してその時変化する感光体ドラム10の帯電電位を電
位計ESによって検出する。検出される帯電電位はA/
D変換器によってディジタル値に変換されたのち制御部
(CPU)に入力される。制御部ではこの帯電電位が所
定値VSの飽和点に達した時のVP-Pの値を適正バイア
ス値V1と規定してプリント動作とする。
【0159】即ち、プリントが行われる時交流バイアス
AC3を低い値から次第に大きくして(スイープして)
交流バイアスAC3のVP-Pの値V1を求め、制御部か
らバイアス信号が出力される。この制御信号はD/A変
換器によってアナログ値に変換された後交流バイアスA
C3に送出され、交流バイアスAC3は決定されたピー
ク・ピーク電圧V1を出力する。その際のピーク・ピー
ク電圧V1の値とメモリに格納された磁性粒子の劣化に
より交換すべき規定値V2を読み出しこれと比較する。
磁性粒子はトナーの混入により抵抗が増加するので、プ
リントの使用に従い適正バイアス値V1が増加する。こ
れに伴い印加するVP-Pが増加し帯電不能な状態が生じ
ることになる。測定した電圧値が帯電不能を示す規定値
V2より小さい間は画像形成を続けるが、規定値V2よ
り大きくなると、制御部より画像形成動作停止信号が送
出され画像形成動作を停止し、不図示の操作部の表示部
に帯電装置異常の表示を行う。この表示に基づき、帯電
用の磁性粒子の供給ボトル220を磁気ブラシ帯電装置
120にセットし、供給ボトル220底面の不図示の開
閉蓋を開口して磁性粒子を磁気ブラシ帯電装置120に
落下、供給する。上記において感光体ドラム10の電位
の測定に電位計ESを用いたが、バイアス電源に直流電
流計を繋いで用いて交流バイアスVP-Pを変化させ、こ
の電流値が飽和点に達した時のVP-Pを適正バイアス値
V1と設定し、規定値V2との比較を行いV1を越えた
時磁性粒子の供給を行うようにしてもよい。
【0160】またメンテナンス時或いは例えば5万プリ
ント等の定期時に、帯電用の磁性粒子の交換が行われ
る。メモリに記憶されたメンテナンスプリント毎や例え
ば5万プリント毎の定期時に、制御部を通して交換信号
が出され、不図示の駆動モータの駆動により予めセット
された帯電用の磁性粒子の供給ボトル220の供給ロー
ラ221が回転され、供給ボトル220内の磁性粒子が
磁気ブラシ帯電装置120内に全量が1回で落下され
る。供給後空の供給ボトル220を外し、新たな供給ボ
トル220をセットすることにより画像形成装置が作動
状態となるように制御することも可能である。また、定
期時に制御部より不図示の操作部に例えばランプの点滅
等による供給信号を表示し、供給ボトル220を磁気ブ
ラシ帯電装置120にセットし、供給ボトル220底面
の不図示の開閉蓋を開口して磁性粒子を供給するように
してもよい。
【0161】落下された磁性粒子は回転される帯電スリ
ーブ120aにより搬送され、スクレーパ123により
帯電スリーブ120a表面より掻落とされて磁気ブラシ
帯電装置120の底部に補給される。これに伴い、反時
計方向に回転される攪拌スクリュウ124により磁気ブ
ラシ帯電装置120内部に収納されている使用済みの磁
性粒子が排出口125より溢れ出され、ダクトDBを通
して共通の磁性粒子回収容器300に回収される。この
際、供給ボトル220より磁気ブラシ帯電装置120内
に供給される1回の磁性粒子供給量は磁気ブラシ帯電装
置120内に収納される全磁性粒子に対して、20〜5
0wt.%が好ましい。20wt.%未満では新規に供
給される磁性粒子量が少な過ぎ交換効果がなく良好な帯
電が行われず、50wt.%を越えると新規の磁性粒子
が溢れ出てしまう。
【0162】上記により、帯電装置内の磁性粒子が劣化
されることなく良好な帯電性能が長期に維持される。
【0163】次に本発明に用いる現像剤トナー及び現像
条件について説明する。
【0164】本発明においては一成分現像剤及び二成分
現像剤のいずれを用いても像担持体上の静電潜像を現像
することができる。
【0165】一成分現像剤は、少なくとも磁性粉末及び
バインダー樹脂よりなる磁性トナーからなり、これらに
は着色剤を含むこともできる。
【0166】二成分現像剤はトナー粒子(トナー)とキ
ャリア粒子(キャリア)とで構成される。現像は現像剤
搬送体としての現像スリーブと感光体ドラムとの間にト
ナーと同極性、或いは逆極性の直流電圧と該直流電圧に
交流電圧とが重畳された現像バイアスが印加され、接触
或いは非接触のにて行われる。
【0167】現像剤に用いられるトナー粒子(トナー)
について説明する。
【0168】トナーの平均粒径が大きくなると、画像の
荒れが目立つようになる。通常、10本/mm程度のピ
ッチで並んだ細線の解像力がある現像には、平均粒径2
0μm程度のトナーでも問題ないが、しかし、平均粒径
2〜9μmの微粒子化したトナーを用いると、解像力は
格段に向上して、濃淡差も忠実に再現した鮮明な高画質
画像を与えるようになる。
【0169】上記の如きトナーは、従来の球形や不定形
の非磁性又は磁性のトナーを用いることができる。トナ
ーには、必要に応じて粒子の流動滑りを良くするための
流動化剤や像担持体面の清浄化に役立つクリーニング助
剤等が混合される。流動化剤としては、コロイダルシリ
カ、シリコーンワニス、金属石鹸あるいは非イオン表面
活性剤等を用いることができ、クリーニング助剤として
は、脂肪酸金属塩、有機基置換シリコーンあるいはフッ
素等表面活性剤等を用いることができる。
【0170】次に本発明の画像形成装置について述べ
る。
【0171】図3は本発明の磁気ブラシ帯電装置、及び
電子写真感光体を有する画像形成装置の1例を示す断面
図である。
【0172】図3に於いて50は像担持体である感光体
ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布し、
その上に本発明の樹脂層を塗設した感光体で、接地され
て時計方向に駆動回転される。52は磁気ブラシ帯電器
で、感光体ドラム50周面に対し一様な帯電を与えられ
る。この帯電器52による帯電に先だって、前画像形成
での感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を用
いた露光部51による露光を行って感光体周面の除電を
してもよい。
【0173】感光体への一様帯電ののち像露光器53に
より画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像
露光器53は図示しないレーザーダイオードを露光光源
とする。回転するポリゴンミラー531、fθレンズ等
を経て反射ミラー532により光路を曲げられた光によ
り感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成され
る。
【0174】その静電潜像は次いで現像器54で現像さ
れる。感光体ドラム50周縁にはトナーとキャリアとか
ら成る現像剤を内蔵した現像器54が設けられていて、
マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリ
ーブ541によって現像が行われる。現像剤は、例えば
前述のフェライトをコアとしてそのまわりに絶縁性樹脂
をコーティングしたキャリアと、前述のスチレンアクリ
ル系樹脂を主材料としてカーボンブラック等の着色剤と
荷電制御剤と本発明の低分子量ポリオレフィンからなる
着色粒子に、シリカ、酸化チタン等を外添したトナーと
からなるもので、現像剤は図示していない層形成手段に
よって現像スリーブ541上に100〜600μmの層
厚に規制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。
この時通常は感光体ドラム50と現像スリーブ541の
間に直流バイアス、必要に応じて交流バイアス電圧をか
けて現像が行われる。また、現像剤は感光体に対して接
触あるいは非接触の状態で現像される。
【0175】転写材(記録紙とも云う)Pは画像形成
後、転写のタイミングの整った時点で給紙ローラー57
の回転作動により転写域へと給紙される。
【0176】転写域においては転写のタイミングに同期
して感光体ドラム50の周面に転写ローラー(転写器)
58が圧接され、給紙された転写材Pを挟着して転写さ
れる。
【0177】次いで転写材Pは転写ローラーとほぼ同時
に圧接状態とされた分離ブラシ(分離器)59によって
除電がなされ、感光体ドラム50の周面により分離して
定着装置60に搬送され、熱ローラー601と圧着ロー
ラー602の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち
排紙ローラー61を介して装置外部に排出される。なお
前記の転写ローラー58及び分離ブラシ59は転写材P
の通過後感光体ドラム50の周面より退避離間して次な
るトナー像の形成に備える。
【0178】一方転写材Pを分離した後の感光体ドラム
50は、クリーニング器62のクリーニングブレード6
21の圧接により残留トナーを除去・清掃し、再び露光
部51による除電と帯電器52による帯電を受けて次な
る画像形成のプロセスに入る。
【0179】尚、70は感光体、帯電器、転写器・分離
器及びクリーニング器を一体化されている着脱可能なプ
ロセスカートリッジである。
【0180】電子写真画像形成装置としては、上述の感
光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセ
スカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニ
ットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。
又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及び
クリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体
に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に
着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの
案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
【0181】像露光は、画像形成装置を複写機やプリン
ターとして使用する場合には、原稿からの反射光や透過
光を感光体に照射すること、或いはセンサーで原稿を読
み取り信号化し、この信号に従ってレーザービームの走
査、LEDアレイの駆動、又は液晶シャッターアレイの
駆動を行い感光体に光を照射することなどにより行われ
る。
【0182】尚、ファクシミリのプリンターとして使用
する場合には、像露光器13は受信データをプリントす
るための露光を行うことになる。
【0183】電子写真画像形成装置としては、感光体
と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカ
ートリッジとして一体に結合して構成し、このユニット
を装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又像露
光器、現像器、転写又は分離器、クリーニング器の少な
くとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカ
ートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニッ
トとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱
自在の構成としても良い。
【0184】像露光は、画像形成装置を複写機やプリン
ターとして使用する場合には、原稿からの反射光や透過
光を感光体に照射すること、或いはセンサーで原稿を読
み取り信号化し、この信号に従ってレーザービームの走
査、LEDアレイの駆動、又は液晶シャッターアレイの
駆動を行い感光体に光を照射することなどにより行われ
る。
【0185】尚、ファクシミリのプリンターとして使用
する場合には、像露光器は受信データをプリントするた
めの露光を行うことになる。
【0186】本発明の電子写真感光体は、複写機、レー
ザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式
プリンター等の電子写真装置一般に適用し得るものであ
るが、更には電子写真技術を応用したディスプレイ、記
録、軽印刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用
し得るものである。
【0187】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0188】 感光体の作製1 ・中間層塗布液の調製 ポリアミド樹脂(アミランCM−8000:東レ社製) 60g メタノール 1600ml 1−ブタノール 400ml を混合し、溶解して中間層塗布液を調製した。この塗布
液を円筒状アルミニウム基体上に浸漬塗布法で塗布し、
膜厚0.3μmの中間層を形成した。
【0189】 ・電荷発生層塗布液の調製 チタニルフタロシアニン 60g シリコーン樹脂溶液(KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液 :信越化学社製) 700g 2−ブタノン 2000ml を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発
生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に
浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形
成した。
【0190】 ・電荷輸送層塗布液の調製 電荷輸送物質(4−メトキシ−4′−(4−メチル−α−フェニルスチリル) トリフェニルアミン) 200g ビスフェノールZ型ポリカーボネート(ユーピロンZ300 :三菱ガス化学社製) 300g 1,2−ジクロロエタン 2000ml を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この
塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜
厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0191】・樹脂層塗布液の調製 メチルシロキサン単位80モル%、メチル−フェニルシ
ロキサン単位20モル%からなるポリシロキサン樹脂1
0重量部にモレキュラーシーブ4Aを添加し、15時間
静置し脱水処理した。この樹脂をトルエン10重量部に
溶解し、これにメチルトリメトキシシラン5重量部、ジ
ブチル錫アセテート0.2重量部を加え均一な溶液にし
た。
【0192】これにジヒドロキシメチルトリフェニルア
ミン(例示化合物T−1)6重量部、ヒンダードアミン
(例示化合物2−1)0.3重量部を加えて混合し、樹
脂層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷輸送層上
に塗布した後、120℃、1時間の加熱硬化を行い、乾
燥膜厚2μmの樹脂層の感光体1を作製した。
【0193】感光体の作製2 感光体の作製1において樹脂層中にヒンダードアミン
(例示化合物2−1)の代わりにヒンダードアミン(例
示化合物2−7)0.1重量部添加し、ジヒドロキシメ
チルトリフェニルアミンを4−[2−(トリエトキシシ
リル)エチル]トリフェニルアミンに代えた以外は全く
同様にして感光体2を作製した。
【0194】感光体の作製3 感光体の作製1において樹脂層中にヒンダードアミン
(例示化合物2−1)の代わりに反応性シリコーンオイ
ル(A)0.5重量部を添加した以外は全く同様にして
感光体3を作製した。
【0195】感光体の作製4 感光体の作製1において、下記中間層に変えた以外は同
様にして感光体4を作製した。
【0196】 ・中間層塗布液の調製 ジルコニウムキレート化合物 ZC−540(松本製薬(株))200g シランカップリング剤 KBM−903(信越化学(株)) 100g メタノール 700ml エタノール 300ml 上記材料を浸漬塗布し、150℃30分間乾燥し、厚さ
1.0μmの中間層を形成した。
【0197】感光体の作製5 引き抜き加工より得られた円筒状アルミニウム基体上
に、下記分散物を作製、塗布し、乾燥膜厚15μの導電
層を形成した。
【0198】 ・導電層(PCL)塗布液の調製 フェノール樹脂 160g 導電性酸化チタン 200g メチルセロソルブ 100ml 次に下記中間層塗布液を調整した。この塗布液を上記導
電層上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚1.0μmの中間層
を形成した。
【0199】 ・中間層塗布液の調製 ポリアミド樹脂(アミランCM−8000:東レ社製) 60g メタノール 1600ml 1−ブタノール 400ml 次に、下記塗布組成液を混合し、サンドミルを用いて1
0時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布
液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2
μmの電荷発生層を形成した。
【0200】 ・電荷発生層塗布液の調製 チタニルフタロシアニン 60g シリコーン樹脂溶液(KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液 :信越化学社製) 700g 2−ブタノン 2000ml 下記塗布組成液を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を
調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布
法で塗布し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0201】 ・電荷輸送層(CTL)塗布液 電荷輸送物質(4−メトキシ−4′−(4−メチル−α−フェニルスチリル) トリフェニルアミン) 200g ビスフェノールZ型ポリカーボネート(ユーピロンZ300 :三菱ガス化学社製) 300g 1,2−ジクロロエタン 2000ml ・樹脂層塗布液の調製 上記CTL上にメチルシロキサン単位80モル%、メチ
ル−フェニルシロキサン単位20モル%からなるポリシ
ロキサン樹脂10重量部にモレキュラーシーブ4Aを添
加し、15時間静置し脱水処理した。この樹脂をトルエ
ン10重量部に溶解し、これにメチルトリメトキシシラ
ン5重量部、ジブチル錫アセテート0.2重量部を加え
均一な溶液にした。
【0202】これにジヒドロキシメチルトリフェニルア
ミン(例示化合物T−1)6重量部、ヒンダードアミン
(例示化合物2−1)0.3重量部を加えて混合し、こ
の溶液を前記電荷輸送層上に塗布し、乾燥膜厚2μmの
樹脂層を形成し、120℃、1時間の加熱硬化を行い、
感光体5を作製した。
【0203】感光体の作製6 感光体の作製5において樹脂層中のジヒドロキシメチル
トリフェニルアミンを4−[2−(トリエトキシシリ
ル)エチル]トリフェニルアミンに代え、更にヒンダー
ドアミン(例示化合物2−1)の代わりにヒンダードフ
ェノール(例示化合物1−7)0.8重量部を用いた以
外は全く同様にして感光体6を作製した。
【0204】感光体の作製7 感光体の作製6において樹脂層中のヒンダードフェノー
ル(例示化合物1−7)をヒンダードフェノール(例示
化合物1−32)に代え、更に反応性シリコーンオイル
(C)を0.8重量部添加した以外は全く同様にして感
光体7を作製した。
【0205】感光体の作製8 感光体の作製1において、樹脂層に更にコロイダルシリ
カを5重量部加えた以外は全く同じにして感光体8を作
製した。
【0206】感光体の作製9 感光体の作製2において、樹脂層に更にコロイダルシリ
カ(粒径0.05μm)を12重量部加えた以外は全く
同じにして感光体9を作製した。
【0207】感光体の作製10 感光体の作製6中の樹脂層中に更に平均粒径1μのシリ
コーン微粒子0.3重量部を添加した以外は全く同様に
して感光体10を作製した。
【0208】感光体の作製11 感光体の作製6中の樹脂層中に更に反応性シリコーンオ
イル(D)0.7重量部、更に平均粒径2μのポリテト
ラフルオロエチレン微粒子0.4重量部を添加した以外
は全く同様にして感光体11を作製した。
【0209】感光体の作製12 感光体の作製1において樹脂層中からにヒンダードアミ
ン(例示化合物2−1)を除いた以外は全く同様にして
感光体12を作製した。
【0210】感光体の作製13 感光体の作製5において電荷輸送層の膜厚を20μから
13μに、樹脂層の膜厚を2μから3μに変更した以外
は全く同様にして感光体13を作製した。
【0211】感光体の作製14 感光体の作製1において樹脂層塗布液を下記樹脂層塗布
液に変えた以外は全く同様にして感光体14を作製し
た。
【0212】 ・樹脂層(OCL)塗布液 電荷輸送物質(4−メトキシ−4′−(4−メチル−α−フェニルスチリル) トリフェニルアミン) 200g ビスフェノールZ型ポリカーボネート(ユーピロンZ800 :三菱ガス化学社製) 300g 1,2−ジクロロエタン 2000ml 実施例は前記感光体1〜14を図1記載の磁気ブラシ帯
電装置を備えたプリンターに搭載し評価した。
【0213】・評価条件 評価は、感光体を帯電装置として接触磁気ブラシ帯電器
を使用したプリンター(PC−PR100/4R、日本
電気社製)に搭載し、20℃60%RH(LL)及び3
0℃80%RH(HH)環境下、反転現像によりA4紙
を用い各5万枚の文字プリント試験を行った。評価は各
環境下に於ける白地部の電位変動の測定、画像ボケ等の
目視による画像評価及び(LL)及び(HH)文字プリ
ント試験終了後の感光体の膜厚減耗量を測定した。結果
を表1に示す。
【0214】
【表1】
【0215】・白地部電位変動量(|V(初期)−V
(5万)|) ◎・・・30V未満、良好 ○・・・30〜60V、実用に差し支え無し △・・・60〜90V、実用には厳しく不可 ×・・・90V以上、実用不可 ・画像評価 得られた画像について、以下の評価基準で目視評価を行
った。
【0216】○・・・画像ボケ、画像欠陥のない良好な
品質の画像 △・・・画像ボケのみがわずかに発生した画像(実用的
には使用可) ×・・・画像ボケ、画像欠陥、或いはフィルミングの発
生による濃度低下が生じ、実用に適さない画像。
【0217】.感光体の膜厚測定法 感光層の膜厚は均一膜厚部分をランダムに10ケ所測定
し、その平均値を感光層の膜厚とする。膜厚測定器は渦
電流方式の膜厚測定器EDDY560C(HELMUT
FISCHER GMBTE CO社製)を用いて行
い、実写試験前後の感光層膜厚の差を膜厚減耗量とす
る。
【0218】感光体の膜厚減耗量は初期及び10万枚プ
リント後の感光体の膜厚測定より、その差の絶対値を算
出した。
【0219】表1から明らかなように、実施例1〜13
は低温低湿下(LL)、高温高湿下(HH)での各5万
枚プリント後でも安定な電位性能を有し、減耗量や傷の
防止に優れ、しかも画像ボケ、フィルミング発生等の画
像欠陥がない、長寿命の耐刷性能の感光体が得られた。
しかしながら本発明外の実施例14では白地部の電位特
性の変動が大きく、又、画像ボケ、フィルミング発生等
の画像欠陥が発生し、感光体の膜厚減耗も大きく、環境
変動に弱点があることが分かる。
【0220】
【発明の効果】本発明を用いることにより、即ち、磁性
粒子により形成された磁気ブラシ及び電荷輸送性能を有
する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン
系樹脂及び酸化防止剤を含有する樹脂層を有する電子写
真感光体とを組み合わせたことにより、オゾンやNOx
の発生が少なく、しかも高耐久、且つ高温高湿、或いは
低温低湿条件下の厳しい環境条件でも良好な画像が得ら
れる電子写真画像形成装置、電子写真画像形成方法及び
プロセスカートリッジを達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】接触式の磁気ブラシ帯電装置図。
【図2】図1の帯電装置による交流バイアス電圧と帯電
電位との関係を示す図。
【図3】本発明の磁気ブラシ帯電装置、及び電子写真感
光体を有する画像形成装置の1例を示す断面図。
【符号の説明】
10 感光体ドラム 120 磁気ブラシ帯電装置 120a 帯電スリーブ 220 供給ボトル 300 磁性粒子回収容器 ES 電位計 50 感光体ドラム(又は感光体) 51 発光ダイオード等を用いた露光部 52 磁気ブラシ帯電器 53 像露光器 54 現像器 57 給紙ローラー 58 転写ローラー(転写器) 59 分離ブラシ(分離器) 60 定着装置 61 排紙ローラー 62 クリーニング器 70 プロセスカートリッジ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも帯電、露光、現像、転写及び
    クリーニングの各手段を有し、かつ電子写真感光体上に
    トナー像を形成した後、転写材に転写する電子写真画像
    形成装置において、該帯電手段が電子写真感光体表面に
    接触配置された磁性粒子により形成された磁気ブラシで
    あり、該電子写真感光体が電荷輸送性能を有する構造単
    位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含
    有する樹脂層を有することを特徴とする電子写真画像形
    成装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも帯電、露光、現像、転写及び
    クリーニングの各手段を有し、かつ電子写真感光体上に
    トナー像を形成した後、転写材に転写する電子写真画像
    形成装置において、該帯電手段が電子写真感光体表面に
    接触配置された磁性粒子により形成された磁気ブラシで
    あり、該電子写真感光体が電荷輸送性能を有する構造単
    位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂及び
    酸化防止剤を含有する樹脂層を有することを特徴とする
    電子写真画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記電子写真感光体の樹脂層に含有され
    るシロキサン系樹脂が水酸基或いは加水分解性基を有す
    る有機ケイ素化合物と、水酸基、メルカプト基及びアミ
    ン基の少なくとも1つを有する電荷輸送性能を有する構
    造単位を含む化合物とを反応させて得られるものである
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の電子写真画像形
    成装置。
  4. 【請求項4】 前記樹脂層がシリコーンオイルを含有す
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載
    の電子写真画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記酸化防止剤がヒンダードアミン又は
    ヒンダードフェノール構造単位を含有する化合物である
    ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の
    電子写真画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記樹脂層がコロイダルシリカを含有す
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載
    の電子写真画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記樹脂層が表面層であることを特徴と
    する請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真画像
    形成装置。
  8. 【請求項8】 少なくとも帯電、露光、現像、転写及び
    クリーニングの各工程を有し、かつ電子写真感光体上に
    トナー像を形成した後、転写材に転写する電子写真画像
    形成方法において、該帯電工程が電子写真感光体表面に
    接触配置された磁性粒子により形成された磁気ブラシで
    あり、該電子写真感光体が電荷輸送性能を有する構造単
    位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含
    有する樹脂層を有することを特徴とする電子写真画像形
    成方法。
  9. 【請求項9】 少なくとも帯電、露光、現像、転写及び
    クリーニングの各工程を有し、かつ電子写真感光体上に
    トナー像を形成した後、転写材に転写する電子写真画像
    形成方法において、該帯電工程が電子写真感光体表面に
    接触配置された磁性粒子により形成された磁気ブラシで
    あり、該電子写真感光体が電荷輸送性能を有する構造単
    位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂及び
    酸化防止剤を含有する樹脂層を有することを特徴とする
    電子写真画像形成方法。
  10. 【請求項10】 少なくとも帯電、露光、現像、転写及
    びクリーニングの各手段を有し、かつ電子写真感光体上
    にトナー像を形成した後、転写材に転写する電子写真画
    像形成装置に使用されるプロセスカートリッジが、少な
    くとも該電子写真感光体表面に接触配置された磁性粒子
    により形成された磁気ブラシ及び電荷輸送性能を有する
    構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹
    脂を含有する樹脂層を有する電子写真感光体とを組み合
    わせて構成され、かつ画像形成装置本体に着脱自在であ
    ることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  11. 【請求項11】 少なくとも帯電、露光、現像、転写及
    びクリーニングの各手段を有し、かつ電子写真感光体上
    にトナー像を形成した後、転写材に転写する電子写真画
    像形成装置に使用されるプロセスカートリッジが、少な
    くとも該電子写真感光体表面に接触配置された磁性粒子
    により形成された磁気ブラシ及び電荷輸送性能を有する
    構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹
    脂及び酸化防止剤を含有する樹脂層を有する電子写真感
    光体とを組み合わせて構成され、かつ画像形成装置本体
    に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッ
    ジ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011039212A (ja) * 2009-08-10 2011-02-24 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体及びそれを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ

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JP2011039212A (ja) * 2009-08-10 2011-02-24 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体及びそれを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ

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