JP2002156773A - 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ

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JP2002156773A
JP2002156773A JP2001000221A JP2001000221A JP2002156773A JP 2002156773 A JP2002156773 A JP 2002156773A JP 2001000221 A JP2001000221 A JP 2001000221A JP 2001000221 A JP2001000221 A JP 2001000221A JP 2002156773 A JP2002156773 A JP 2002156773A
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JP
Japan
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electrophotographic
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intermediate layer
protective layer
photoreceptor
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Application number
JP2001000221A
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English (en)
Inventor
Eiji Kurimoto
鋭司 栗本
Tatsuya Niimi
達也 新美
Akihiko Matsuyama
彰彦 松山
Nozomi Tamoto
望 田元
Hidetoshi Kami
英利 紙
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いレベルの高性能、長寿命、高信頼性が得
られる電子写真感光体を提供すること。 【解決手段】 導電性基体上に、中間層、感光層、保護
層を順次積層してなる電子写真感光体において、前記中
間層が平均粒径D1、D2(D2/D1≦1/5)の二種
の無機化合物とバインダー樹脂とを含有してなるか、又
は有機ジルコニウム化合物を含有してなり、かつ、前
記保護層が少なくともフィラーとバインダー樹脂を含有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真複写機、フ
ァクシミリ、レーザプリンタ、ダイレクトデジタル製版
機等の電子写真プロセスに用いられる電子写真感光体に
関する。さらに詳しくは高感度、高画質で、耐久性に優
れた電子写真感光体、及び、これを用いた画像形成方
法、画像形成装置、画像形成装置用プロセスカートリッ
ジに関する。
【0002】
【従来の技術】複写機、ファクシミリ、レーザプリン
タ、ダイレクトデジタル製版機等に応用されている電子
写真感光体を用いた電子写真方法とは、少なくとも電子
写真感光体に一次帯電、画像露光、現像の過程を経た
後、画像保持体(転写紙)へのトナー画像の転写、定着
及び電子写真感光体表面のクリーニングというプロセス
よりなる方法である。
【0003】電子写真感光体が、この電子写真方法にお
いて要求される基本的な特性としては、暗所で適当な
電位に帯電できること、暗所において電荷の散逸が少
ないこと、光照射によって速やかに電荷を散逸できる
こと等が挙げられる。さらにこれらの特性以外に画質特
性等の長期信頼性や低公害性、コストの低さ等も要求さ
れる。
【0004】従来、電子写真方式において使用される感
光体としては、導電性支持体上にセレンないしセレン合
金を主体とする光導電層を設けたもの、酸化亜鉛・硫化
カドミウム等の無機系光導電材料をバインダー中に分散
させたもの、及び非晶質シリコン系材料を用いたもの等
が一般的に知られているが、近年ではコストの低さ、感
光体設計の自由度の高さ、無公害性等から有機系感光体
が広く利用されるようになってきている。
【0005】有機系の電子写真感光体には、ポリビニル
カルバゾール(PVK)に代表される光導電性樹脂、P
VK−TNF(2,4,7−トリニトロフルオレノン)
に代表される電荷移動錯体型、フタロシアニン−バイン
ダー樹脂に代表される顔料分散型、電荷発生物質と電荷
輸送物質とを組み合わせて用いる機能分離型の感光体等
が知られており、特に機能分離型の感光体が注目されて
いる。
【0006】この機能分離型の感光体における静電潜像
形成のメカニズムは、感光体を帯電した後、光照射する
と、光は電荷輸送層を通過し、電荷発生層中の電荷発生
物質により吸収され、光を吸収した電荷発生物質は電荷
担体を発生し、この電荷担体は電荷輸送層に注入され、
帯電によって生じている電界に従って電荷輸送層中を移
動し、感光体表面の電荷を中和することにより静電潜像
を形成するものである。機能分離型感光体においては、
主に紫外部に吸収を持つ電荷輸送物質と、主に可視部に
吸収を持つ電荷発生物質とを組み合わせて用いることが
知られており、かつ、有用である。
【0007】ところが、電子写真方法に用いられる有機
系電子写真感光体の電荷輸送物質は多くが低分子化合物
として開発されているが、低分子化合物は単独で成膜性
がないため、通常、不活性高分子に分散・混合して用い
られる。しかるに、低分子電荷輸送物質と不活性高分子
からなる電荷輸送層は、一般に柔らかく、電子写真プロ
セスおいて繰り返し使用された場合に現像システムやク
リーニングシステムによる機械的な感光体表面への負荷
により膜削れを生じ易いという耐摩耗性の低さが短所と
して挙げられている。
【0008】更に、この構成の電荷輸送層は電荷移動度
に限界があり、電子写真プロセスの高速化あるいは小型
化の障害となっていた。これは通常低分子電荷輸送物質
の含有量が50重量%以下で使用されることに起因して
いる。即ち低分子電荷輸送物質の含有量を増すことで確
かに電荷移動度は上げられるが、このとき逆に製膜性や
耐摩耗性が劣化するためである。
【0009】この有機系感光体の特性を改善する技術と
して、有機系感光体のバインダー樹脂を改良したもの
(特開平5−216250号公報)や高分子型の電荷輸
送物質(特開昭51−73888号公報、特開昭54−
8527号公報、特開昭54−11737号公報、特開
昭56−150749号公報、特開昭57−78402
号公報、特開昭63−285552号公報、特開平1−
1728号公報、特開平1−19049号公報、特開平
3−50555号公報、特開平4−225014号公
報、特開平5−331238号公法等)が注目されてい
る。
【0010】しかしながら、近年、耐摩耗性だけでな
く、電子写真複写機の高速化、大型化等が進む中、感光
体に対しても長期繰り返し使用に際し、高画質を保つこ
とができる信頼性(種々の特性の安定性、耐摩耗性、剥
離に対する耐久性等)が強く要求される様になってきて
いる。
【0011】有機感光体における該特性を改善する技術
の一つとして、導電性支持体上に中間層を設けた後、感
光層を設けたことが提案されている。この例として導電
性支持体上に樹脂層を設けたもの、無機顔料(酸化チタ
ン、酸化スズ等)を樹脂中に分散させたもの(特開昭6
1−204642号公報)等が知られている。この方法
は比較的コストも低く、効果も良好なため数多くの感光
体に応用されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、樹脂の
みの中間層、または樹脂中に無機顔料を分散した中間層
を設けた構成の感光体は、初期のうちは良好な特性を維
持しているが、数万枚以上長期的に繰り返し使用された
場合、徐々に画像上の欠陥(地汚れ、黒ポチ等)が顕著
になるという問題を有しているのが実状である。
【0013】したがって、これら従来の感光体は耐摩耗
性、光照射によって速やかに電荷を散逸できるという条
件すなわち光感度、画像品質のいずれかが未だ不十分で
あった。もっともこの点に関して、中間層に有機ジルコ
ニウム化合物と有機シラン化合物を含有する特開平3−
73962号公報記載のものは繰り返し使用時において
も残留電位の上昇を抑えることができ、また画像品質に
おいても黒ポチなどの画像欠陥が発生し難い。しかし、
この感光体も耐摩耗性において見劣りがした。
【0014】すなわち耐摩耗性、光感度、画像品質の全
てを満足し、かつ、これらの特性の長期持続性を有して
いる電子写真感光体は未だ得られていない。言い換える
と、これまでの電子写真感光体は、電子写真エンジンが
近年要求されてきた高性能、長寿命、高信頼性を高いレ
ベルで達成するためには不十分であり改良が強く望まれ
ていた。
【0015】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
もので、本発明の第一の目的は高性能、長寿命、高信頼
性を高いレベルで達成できる電子写真感光体を提供する
こと、特に画質再現性、耐摩耗性に優れ、耐久性及び光
感度にも優れた電子写真感光体を提供すること、第二の
目的は繰り返し使用によっても異常画像の少ない、安定
した画像を得ることのできる画像形成方法、画像形成装
置、画像形成装置用プロセスカートリッジを提供するこ
とである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
に関して鋭意検討した結果、導電性支持体上に、中間
層、感光層、保護層を順次積層してなる電子写真感光体
において、前記中間層が(1)平均粒径の異なる二種の
無機化合物(一方の無機化合物の平均粒径をD1とし、
他方の無機化合物の平均粒径をD2としたとき、D2/D
1≦1/5の関係を満たすものである)とバインダー樹
脂を含有するものであるか、又は(2)有機ジルコニウ
ム化合物を含有するものであり、かつ、前記保護層が少
なくともフィラーとバインダー樹脂を含有することによ
り上記問題点を解消できることを見出し、本発明に至っ
た。
【0017】すなわち本発明によれば、第一に、導電性
基体上に、中間層、感光層、保護層を順次積層してなる
電子写真感光体において、前記中間層が平均粒径の異な
る二種の無機化合物とバインダー樹脂とを含有し、か
つ、該無機化合物は一方の無機化合物の平均粒径D1
他方の無機化合物の平均粒径をD2としたとき、D2/D
1≦1/5の関係を満たしたものであり、前記保護層が
少なくともフィラーとバインダー樹脂を含有することを
特徴とする電子写真感光体が提供される。
【0018】第二に、導電性基体上に、中間層、感光
層、保護層を順次積層してなる電子写真感光体におい
て、前記中間層が有機ジルコニウム化合物を含有し、か
つ、前記保護層が少なくともフィラーとバインダー樹脂
を含有することを特徴とする電子写真感光体が提供され
る。
【0019】上記のごとく、導電性支持体上に前記
(1)又は(2)の特徴を有する中間層を設けることに
より、繰り返し使用時においても残留電位の上昇を抑え
ることができ、また画像品質においても黒ポチなどの画
像欠陥が発生し難くなる。そして、さらにフィラーとバ
インダー樹脂を含有する保護層を設けることにより電子
写真プロセスにおける現像システムやクリーニングシス
テム等の機械的ハザードを受けても摩耗に強く、摩耗に
起因する帯電性の低下などの問題が生じない感光体を得
ることができる。このように上記中間層と上記保護層を
組み合わせた感光体とすることによって長期間の使用に
わたって安定した電子写真特性と画像品質を維持しうる
ことが明らかであり、各種電子写真方式の画像形成装置
を設計する上で大きなメリットが得られることが判明し
た。
【0020】第三に、電子写真感光体を用い、少なくと
も帯電、画像露光、現像、転写、クリーニング、除電の
プロセスを繰り返し行う画像形成方法において、上記感
光体が上記第一又は第二に記載した電子写真感光体であ
ることを特徴とする画像形成方法が提供される。電子写
真感光体として上記感光体を用いることにより、長期間
の使用にわたって安定した電子写真特性及び画像品質を
維持しうる画像形成方法が得られる。
【0021】第四に、少なくとも電子写真感光体、帯電
手段、画像露光手段、現像手段、転写手段、クリーニン
グ手段及び除電手段を具備してなる画像形成装置であっ
て、上記電子写真感光体が上記第一又は第二に記載した
電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置が
提供される。電子写真感光体として上記感光体を用いる
ことにより、長期間の使用にわたって安定した電子写真
特性及び画像品質を維持しうる画像形成装置が得られ
る。
【0022】第五に、少なくとも電子写真感光体を具備
したなる画像形成装置用プロセスカートリッジであっ
て、上記電子写真感光体が上記第一又は第二に記載した
電子写真感光体であることを特徴とする画像形成用装置
用プロセスカートリッジが提供される。電子写真感光体
として上記感光体を用いることにより、長期間の使用に
わたって安定した電子写真特性及び画像品質を維持しう
る画像形成装置用プロセスカートリッジが得られる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に本発明をさらに詳細に説明
する。図面に沿って本発明の電子写真感光体を説明す
る。図1は本発明の電子写真感光体の構成例を示す断面
図で、導電性支持体21上に、中間層22、感光層2
6、保護層25が設けられている。図2は積層構成で形
成された別の構成例を示す断面図で、導電性支持体21
上に、中間層22、電荷発生層23、電荷輸送層24、
保護層25が設けられている。
【0024】まず本発明に用いられる導電性支持体21
としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示す
もの、例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロ
ム、銅、銀、金、白金、鉄などの金属、酸化スズ、酸化
インジウムなどの酸化物を蒸着またはスパッタリングに
よりフィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙等に
被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合
金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらをD.
I、I.I、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化
後、切削、超仕上げ、研磨などで表面処理した管などを
使用することができる。
【0025】次に本発明で用いられる中間層22につい
て説明する。前記のとおり、本発明における中間層22
の構成は上記第一の発明と第二の発明とでは異なるた
め、便宜上先ず第一の発明の中間層(22a)から説明
する。
【0026】第一の電子写真感光体の中間層(22a)
は、平均粒径の異なる二種の無機化合物とバインダー樹
脂とを含有しており、かつ、これら二種の無機化合物は
一方の無機化合物の平均粒径をD1とし、他方の無機化
合物の平均粒径をD2としたとき、D2/D1≦1/5の
関係を満たしていることが必要である。ここで、一方の
無機化合物の平均粒径1μm以下が好ましく、他方の無
機化合物の平均粒径は0.1μm以下が好ましい。な
お、これら二種の無機化合物が併用されたことによる効
果(安定した電子写真特性及び画像品質が維持される)
が何故もたらされるかの理由はいまだ明確になっていな
い。
【0027】また、この中間層(22a)に含有される
無機化合物としては、金属粉末、酸化チタン、シリカ、
アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化イリジウ
ム等の金属酸化物などがあげられ、これらをボールミル
等の粉砕方法で微粉末にしたものが二種選択されて用い
られる。特に、選択された二種の無機化合物微粉末のう
ち、1種は酸化チタンであるのが好ましい。この場合、
酸化チタン微粉末は他の無機化合物の平均粒径より大き
い平均粒径を用いるのが好ましい。これは酸化チタンを
中間層として用いた場合、適度な電気抵抗を有するため
である。
【0028】平均粒径D1の無機化合物(M1)と、平均
粒径D2の無機化合物(M2)との配合割合は、無機化合
物(M1)100重量部に対して無機化合物(M2)10
〜90重量部が適当であり、好ましくは20〜80重量
部である。
【0029】さらに、中間層(22a)で用いられるバ
インダー樹脂は、この中間層上に感光層を溶剤で塗布す
ることを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の
高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂として
は、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸
ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシ
メチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレ
タン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹
脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型
樹脂等が挙げられる。中でもとりわけアルキッド樹脂と
メラミン樹脂を用いた場合その特性上良好な膜を得るこ
とが出来る。アルキッド樹脂、メラミン樹脂はいずれも
熱硬化性樹脂であり、片方のみでは硬度が実際の製造ラ
インで設定可能な温度域では硬度が不足したり、または
硬度が得られても脆く割れやすくなったりする。ところ
が、適度な割合でアルキッド樹脂とメラミン樹脂を混ぜ
ると良好な膜が得られるようになる。
【0030】この中間層(22a)は上記の平均粒径の
異なる二種の無機化合物とバインダー樹脂とを適当な溶
媒に分散・溶解し、これを浸漬塗工法やスプレーコート
法、ブレードコート法などの湿式塗工することにより形
成することができる。中間層(22a)の膜厚は特に限
定されないが1〜20μmが適当であり、また中間層
(22a)中に占める無機化合物の量は50〜98重量
%が適当であり、好ましくは60〜95重量%である。
【0031】続いて、第二の発明の中間層(22b)に
ついて説明する。
【0032】この中間層(22b)は有機ジルコニア化
合物を含有するものである。有機ジルコニウム化合物の
具体例としては以下のものが挙げられる。まずジルコニ
ウム錯体としては、ジルコニウムキレート化合物である
ジルコニウムテトラキスアセチルアセトネート、ジルコ
ニウムジブトキシビスアセチルアセトネート、トリブト
キシジルコニウムアセチルアセトネート、ジルコニウム
テトラキスエチルアセトアセテート、ジルコニウムブト
キシトリエチルアセトアセテート、ジルコニウムジブト
キシビスエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリブ
トキシモノエチルアセトアセテート、ジルコニウムテト
ラキスエチルラクテート、ジルコニウムジブトキシビス
エチルラクテート、ビスアセチルアセトネートビスエチ
ルアセトアセテートジルコニウム、モノアセチルアセト
ネートトリスエチルアセトアセテートジルコニウム、ビ
スアセチルアセトネートビスエチルラクテートジルコニ
ウムが挙げられ、その他錯体としてジルコニウムトリフ
ロロアセチルアセトンが挙げられる。またジルコニウム
エステルとして、ジルコニウムn−ブチレート、ジルコ
ニウムn−プロピレートが挙げられる。これらの物質は
単独で、また2種類以上の混合物として用いることによ
り、本発明の目的に適う中間層を得ることができる。
【0033】また上記ジルコニウム化合物にシランカッ
プリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリン
グ剤を混合、硬化させて用いるとさらに好ましい。シラ
ンカップリング剤の例としては、ビニルトリクロロシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリス−2−メトキシエトキシシラン、ビ
ニルトリアセトキシシラン、N(3−トリメトキシシリ
ルプロピル)−1,6−ヘキシレンジアミン、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシ
シラン、γ−2−アミノエチルアミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、β−
3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシ
ランなどの有機シラン化合物を挙げることができる。
【0034】これらの中でも有機ジルコニウム化合物と
して、下記構造式(I)で表されるトリブトキシジルコ
ニウムアセチルアセトネートと下記構造式(II)で表さ
れるN(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,6−
ヘキシレンジアミンを混合し硬化させたものが本発明の
電子写真感光体で用いた場合、特に優れた電子写真特性
及び画像品質を示す。
【化2】 また、中間層で有機ジルコニア化合物と有機シラン化合
物とが併用されていると、一層の電子写真特性の安定
性、特に欠点のない優れた画像品質を長期間維持できる
ようになる。有機ジルコニア化合物、有機シラン化合物
が併用されたときの各成分の割合は特定されないが、好
ましくは有機シラン化合物の上限値は70重量%程度で
ある。
【0035】上記ジルコニウム化合物単独もしくは上記
有機シラン化合物のようなカップリング剤の塗工用塗液
を形成するための溶剤としては様々なものを用いること
ができる。例えばメタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、酢酸エチル、トルエンなどを単独、ま
たは混合して用いることができる。塗工法は浸漬塗工法
やスプレーコート、ビードコート法などを用いて行うこ
とができる。
【0036】中間層22(22a,22b)の膜厚は
0.01〜10μmが適当である。
【0037】次に本発明における感光層26について述
べる。感光層26は単層構成であっても積層構成であっ
ても構わない。感光体設計の自由度、静電特性、耐ガス
性等を考慮すると積層構成の方が有利である。説明の便
宜上、電荷発生層23と電荷輸送層24の積層構成で形
成される感光層を先に述べる。
【0038】電荷発生層23は、電荷発生物質を主成分
とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を用いること
もある。電荷発生物質としては、公知の材料を用いるこ
とができる。例えば、銅フタロシアニン、鉄フタロシア
ニンなどの金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン
などのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、ス
クエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有する
アゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、
ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオ
フェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有す
るアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、
ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキ
サジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバ
ゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アント
ラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミド系顔
料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、
ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びア
ゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミ
ダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物
質は2種以上混合して用いることもできる。
【0039】電荷発生層23に必要に応じて用いられる
バインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、
エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコ
ーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリ
ビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、
ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドな
どが用いられる。これらのバインダー樹脂は単独または
2種以上の混合物として用いることができる。
【0040】電荷発生層23に併用できる低分子電荷輸
送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
【0041】電子輸送物質としては、例えばクロルアニ
ル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシア
ノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオ
レノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレ
ノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,
4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリ
ニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4
オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−
5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられ
る。これらの電子輸送物質は単独または2種以上の混合
物として用いることができる。
【0042】正孔輸送物質としては、以下に表される電
子供与物質が挙げられ、良好に用いられる。例えば、オ
キサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾ
ール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジ
エチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビズ−
(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリル
アントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾ
ン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導
体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジ
ン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘
導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらの正
孔輸送物質は単独または2種以上の混合物として用いる
ことができる。
【0043】電荷発生層23を形成する方法には、真空
薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが大
きく挙げられる。前者の方法には真空蒸着法等が用いら
れ良好に形成することができる。また後述のキャスティ
ング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機
系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー
樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジ
オキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の溶媒を用いて
ボールミル、アトライター、サンドミル等により分散
し、分散液を適度に希釈して塗布することにより形成で
きる。塗布は浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコー
ト法などを用いて行うことができる。
【0044】以上のようにして設けられる電荷発生層の
膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましく
は0.05〜2μmである。
【0045】次に電荷輸送層24について説明する。電
荷輸送層24は電荷輸送物質及びバインダー樹脂を適当
な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗
布、乾燥することにより形成できる。また、必要により
可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することも
できる。
【0046】電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸
送物質とがある。
【0047】電子輸送物質としては、例えばクロルアニ
ル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシア
ノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオ
レノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレ
ノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,
4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリ
ニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4
オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−
5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体などの電子
受容性物質が挙げられる。
【0048】正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニル
カルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリル
エチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムア
ルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポ
リビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘
導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、
モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、
トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フ
ェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリー
ルメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチ
リルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニル
ベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、
ブタジエン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘
導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられ
る。これらの正孔輸送物質は単独または2種以上の混合
物として用いることができる。
【0049】電荷輸送層24に使用できるバインダー樹
脂としては、ポリカーボネート(ビスフェノールAタイ
プ、ビスフェノールZタイプ)、ポリエステル、メタク
リル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ア
ルキッド樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルカルバゾー
ル、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポ
リアクリレート、ポリアクリルアミド、フェノキシ樹脂
などが用いられる。これらのバインダー樹脂は単独また
は2種以上の混合物として用いることができる。
【0050】電荷輸送層24の膜厚は5〜100μm程
度が適当であり、好ましくは10〜40μmである。
【0051】次に感光層26が単層構成の場合について
述べる。単層感光層を設ける場合、多くは電荷発生物質
と電荷輸送物質よりなる機能分離型のものが挙げられ
る。電荷発生物質並びに電荷輸送物質には、前出の材料
を用いることができる。単層感光層は電荷発生物質、電
荷輸送物質及びバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解ない
し分散し、これを塗布、乾燥することにより形成でき
る。バインダー樹脂としては、先に電荷輸送層24で挙
げたバインダー樹脂をそのまま用いる他に、電荷発生層
23で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよい。
【0052】単層感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物
質及びバインダー樹脂をテトラヒドロフラン、シクロヘ
キサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の
溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル等
により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することに
より形成できる。塗布は浸漬塗工法やスプレーコート、
ビードコート法などを用いて行うことができる。ピリリ
ウム系染料、ビスフェノールA系ポリカーボネートから
形成される共晶錯体に、電荷輸送物質を添加した感光体
も、適当な溶媒から同様な塗工法で形成できる。
【0053】単層感光層の膜厚は0〜100μm程度が
適当である。
【0054】また本発明において感光層26や電荷輸送
層24中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可
塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレ
ート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているもの
がそのまま使用でき、その使用量は、バインダー樹脂1
00重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メ
チルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類
や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあ
るいはオリゴマーが使用され、その使用量はバインダー
樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当であ
る。
【0055】また本発明においては耐環境性の改善のた
め、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目
的で酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤は
有機物を含む層ならばいずれに添加してもよいが、電荷
輸送物質を含む層に添加すると良好な結果が得られる。
【0056】本発明に用いることができる酸化防止剤と
して下記のものが挙げられる。 (モノフェノール系化合物)2,6−ジ−t−ブチル−
p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,
6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリ
ル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネートなど。
【0057】(ビスフェノール系化合物)2,2′−メ
チレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、2,2′−メチレン−ビス−(4−エチル−6−
t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス−(3−
メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチ
リデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)など。
【0058】(高分子フェノール系化合物)1,1,3
−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブ
チルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3
−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3′−ビ
ス(4′−ヒドロキシ−3′−t−ブチルフェニル)ブ
チリックアシッド]グリコールエステル、トコフェノー
ル類など。
【0059】(パラフェニレンジアミン類)N−フェニ
ル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、
N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミ
ン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレ
ンジアミン、N,N′−ジ−イソプロピル−p−フェニ
レンジアミン、N,N′−ジメチル−N,N′−ジ−t
−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
【0060】(ハイドロキノン類)2,5−ジ−t−オ
クチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキ
ノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5
−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチ
ルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−
メチルハイドロキノンなど。
【0061】(有機硫黄化合物類)ジラウリル−3,
3′−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3′
−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3′−
チオジプロピオネートなど。
【0062】(有機リン化合物類)トリフェニルホスフ
ィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノ
ニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、
トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
【0063】これら化合物は、ゴム、プラスチック、油
脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容
易に入手できる。本発明における酸化防止剤の添加量は
電荷輸送物質100重量部に対して0.1〜100重量
部、好ましくは2〜30重量部である。
【0064】次に本発明で用いられる感光体の保護層2
5について説明する。本発明の電子写真感光体の保護層
25は少なくともフィラーとバインダー樹脂を含有す
る。
【0065】フィラー材料としては、まず有機性フィラ
ー材料として、ポリテトラフルオロエチレンのようなフ
ッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、a−カーボン粉末
等が挙げられる。無機性フィラー材料としては、銅、ス
ズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリ
カ、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化
インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモ
ンをドープした酸化スズ、スズをドープした酸化インジ
ウム等の金属酸化物、チタン酸カリウムなどの無機材料
が挙げられる。特にフィラーの硬度の点からは、この中
でも無機材料を用いることが有利である。すなわち、機
械的な負荷に対応できる感光体表面を形成できる上で無
機材料が効果的である。特にシリカ、酸化チタン、アル
ミナが有効に使用できる。これらフィラー材料は単独も
しくは2種以上混合して用いられる。
【0066】これら無機フィラーは分散性向上などの理
由から無機物、有機物で表面処理されてもよい。一般に
撥水性処理としてシランカップリング剤で処理したも
の、あるいはフッ素系シランカップリング剤で処理した
もの、高級脂肪酸処理したものが挙げられる。無機物処
理としてはフィラー表面をアルミナ、ジルコニア、酸化
スズ、シリカ処理したものが知られている。
【0067】これらフィラー材料はボールミル、サンド
ミル、振動ミルなどを用いて粉砕、分散する。分散の条
件は平均粒径が0.05〜1.0μm、好ましくは0.
05〜0.8μmにするのがよい。粒径が大きいと表面
に頭出しし、クリーニングブレードを傷つけクリーニン
グ不良が発生する。フィラーの添加量は5重量%〜50
重量%、好ましくは10重量%〜40重量%である。5
重量%以下であると耐摩耗性はあるものの十分でなく、
50重量%以上であると保護層の透明性が損なわれ潜像
形成に影響が出る。
【0068】保護層のバインダー樹脂としては、アクリ
ル樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミ
ド、ポリウレタン、ポリスチレン、エポキシ樹脂等が挙
げられるが、ポリカーボネートが特に好ましい。
【0069】前記無機フィラーはバインダー樹脂と共に
分散されることが特に好ましく、保護層の形成方法とし
ては通常の塗布法が使用される。中でもスプレー工法は
好ましい。保護層の厚さは特に限定されないが、好まし
くは0.1〜8μm程度が適当である。
【0070】また保護層は電荷輸送機能を付与するため
に電荷輸送物質を添加すると静電特性上さらに好まし
い。すなわち、露光後の残留電位を低減する、繰り返し
使用後の残留電位の上昇を抑制する効果が得られる。電
荷輸送物質としては前述の電荷輸送層に用いられる電荷
輸送物質を用いることができる。
【0071】次に本発明の画像形成方法並びに画像形成
装置を詳しく説明する。図3は、本発明の電子写真プロ
セス及び電子写真装置を説明するための概略図であり、
下記するような変形例も本発明の範囲に属するものであ
る。図3において、感光体1はドラム状の形状を示して
いるが、シート状、エンドレスベルト状のものであって
もよい。帯電チャージャー3、転写前チャージャー1
0、分離チャージャー11、クリーニング前チャージャ
ー13には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器
(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラを
始めとする公知の手段が用いられる。
【0072】転写手段には一般に上記の帯電器が使用で
きるが、図に示されるように転写チャージャーと分離チ
ャージャーを併用したものが効果的である。
【0073】また、画像露光部5、除電ランプ2等の光
源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンラン
プ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LE
D)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセン
ス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そ
して所望の波長域の光のみを照射するために、シャープ
カットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カッ
トフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィル
ター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用
いることができる。
【0074】かかる光源等は図3に示される工程の他に
光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工
程、あるいは前露光などの工程を設けることにより感光
体に光が照射される。
【0075】さて、現像ユニット6により感光体1上に
現像されたトナーは、転写紙9に転写されるが、全部が
転写されるわけではなく、感光体1上に残存するトナー
も生ずる。このようなトナーは、ファーブラシ14及び
ブレード15により、感光体より除去される。クリーニ
ングはクリーニングブラシだけで行われることもあり、
クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラ
シを始めとする公知のものが用いられる。
【0076】電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画
像露光を行うと、感光体表面上には正(負)の静電潜像
が形成される。これを負(正)極性のトナーで現像すれ
ば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナー
で現像すればネガ画像が得られる。かかる現像手段には
公知の方法が適用されるし、また除電手段にも公知の方
法が用いられる。
【0077】以上図示した電子写真プロセスは、本発明
における実施形態を例示するものであって、もちろん他
の実施形態も可能である。
【0078】また、以上に示すような画像形成手段は、
複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み
込まれていてもよいが、プロスカートリッジの形でそれ
ら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジ
とは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像
手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ
一つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形
状等は多く挙げられるが、一般的な例として図4に示す
ものが挙げられる。感光体16は本発明の電子写真感光
体でなる。
【0079】
【実施例】次に、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。ただし、本発明は以下の実施例によって限定
されるものではない。なお、実施例中、部はすべて重量
部を表わす。
【0080】(実施例1)φ30mmのアルミニウムド
ラム上に、下記組成の中間層用塗工液、電荷発生層用塗
工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布乾燥することに
より、4μmの中間層、0.2μmの電荷発生層、21
μmの電荷輸送層を形成した。この電荷輸送層上に下記
組成の保護層用塗工液(保護層成分をジルコニアビーズ
を用いてペイントシェーカーで2時間粉砕して調製し
た)をスプレー塗工して2.5μmの保護層を設け本発
明の電子写真感光体を得た。
【0081】 〔中間層用塗工液〕 平均粒径0.4μmの酸化チタン粉末 〔タイペークCR−EL(石原産業社製)〕 55部 平均粒径0.04μmの超微粒子シリカ 〔TT600(日本アエロジル社製)〕 6部 アルキッド樹脂〔ベッコライトM6401−50 (大日本インキ化学工業社製)〕(固形分50%) 10部 メラミン樹脂〔スーパーベッカミンG−821−60 (大日本インキ化学工業社製)〕(固形分60%) 7部 メチルエチルケトン 65部
【0082】 〔電荷発生層用塗工液〕 Y型オキソチタニウムフタロシアニン顔料 2部 ポリビニルブチラール(エスレックBM−S:積水化学社製) 0.2部 テトラヒドロフラン 50部
【0083】 〔電荷輸送層用塗工液〕 下記構造の電荷輸送物質 7部
【化3】 ポリカーボネート(Zポリカ:帝人化成社製 Mv5万) 10部 塩化メチレン 100部 1%シリコーンオイル(KF50:信越化学工業社製) 塩化メチレン溶液 1部
【0084】 〔保護層用塗工液〕 ポリカーボネート樹脂(Zポリカ:帝人化成社製 Mv5万) 5部 酸化チタン(CR97:石原産業社製) 2部 下記構造の電荷輸送物質 3部
【化4】 シクロヘキサノン 200部
【0085】(実施例2)実施例1における中間層用塗
工液以下のように変更し、膜厚を4.5μmの中間層と
した以外は実施例1と全く同様にして実施例2の電子写
真感光体を得た。 〔中間層用塗工液〕 平均粒径0.3μmの酸化チタン粉末 〔TA−3000(富士チタン工業社製)〕 55部 平均粒径0.04μmの超微粒子シリカ 〔TT600(日本アエロジル社製)〕 6部 アルキッド樹脂〔ベッコライトM6401−50 (大日本インキ化学工業社製)〕(固形分50%) 10部 メラミン樹脂〔スーパーベッカミンG−821−60 (大日本インキ化学工業社製)〕(固形分60%) 7部 メチルエチルケトン 65部
【0086】(実施例3)実施例1における中間層用塗
工液以下のように変更し、膜厚を3.5μmの中間層と
した以外は実施例1と全く同様にして実施例3の電子写
真感光体を得た。 〔中間層用塗工液〕 平均粒径0.25μmの酸化チタン粉末 〔TP−2(富士チタン工業社製)〕 55部 平均粒径0.04μmの超微粒子シリカ 〔TT600(日本アエロジル社製)〕 6部 アルキッド樹脂〔ベッコライトM6003−60 (大日本インキ化学工業社製)〕(固形分60%) 10部 メラミン樹脂〔スーパーベッカミンG−821−60 (大日本インキ化学工業社製)〕(固形分60%) 7部 メチルエチルケトン 65部
【0087】(実施例4)実施例1において保護層用塗
工液を下記成分に変更して、アルミナボールを用いてボ
ールミルにより24時間粉砕して保護層用塗工液とし
た。この液をスプレー法で塗工して3.0μmの保護層
を設けた以外は、実施例1と全く同様にして実施例4の
電子写真感光体を得た。 〔保護層用塗工液〕 ポリカーボネート樹脂(Zポリカ:帝人化成社製 Mv5万) 5部 アルミナ(スミコランダムAA−03:住友化学工業社製) 2部 下記構造の電荷輸送物質 3部
【化5】 シクロヘキサノン 50部 テトラヒドロフラン 150部
【0088】(実施例5)実施例1において保護層用塗
工液を下記成分に変更して、アルミナボールを用いてボ
ールミルにより24時間粉砕して保護層用塗工液とし
た。この液をスプレー法で塗工して3.5μmの保護層
を設けた以外は、実施例1と全く同様にして実施例5の
電子写真感光体を得た。 〔保護層用塗工液〕 ポリカーボネート樹脂(Zポリカ:帝人化成社製 Mv5万) 5部 シリカ(KMPX−100、信越化学工業社製 2部 下記構造の電荷輸送物質 3部
【化6】 シクロヘキサノン 50部 テトラヒドロフラン 150部
【0089】(比較例1)実施例1において保護層を設
けなかった以外は実施例1と全く同様にして比較例1の
電子写真感光体を作製した。
【0090】(比較例2)実施例1において保護層にフ
ィラーである酸化チタンを加えなかった以外は実施例1
と全く同様にして比較例2の電子写真感光体を作製し
た。
【0091】(比較例3)実施例1における保護層塗工
液を以下のものに変更し、膜厚を0.3μmの中間層と
した以外は、実施例1と全く同様にして比較例3の電子
写真感光体を作製した。 ナイロン樹脂(CM8000、東レ社製) 10部 メタノール 60部 n−ブタノール 32部
【0092】(比較例4)実施例1における中間層用塗
工液以下のように変更し、膜厚を4.5μmの中間層と
した以外は実施例1と全く同様にして比較例4の電子写
真感光体を作製した。 〔中間層用塗工液〕 平均粒径0.3μmの酸化チタン粉末 〔TA−3000(富士チタン工業社製)〕 57部 アルキッド樹脂〔ベッコライトM6401−50 (大日本インキ化学工業社製)〕(固形分50%) 10部 メラミン樹脂〔スーパーベッカミンG−821−60 (大日本インキ化学工業社製)〕(固形分60%) 7部 メチルエチルケトン 100部
【0093】(比較例5)実施例1における中間用塗工
液を以下のように変更して、膜厚を6.5μmの中間層
とした以外は実施例1と全く同様にして比較例5の電子
写真感光体を得た。 〔中間層用塗工液〕 平均粒径0.04μmの超微粒子シリカ 〔TT600(日本アエロジル社製)〕 57部 アルキッド樹脂〔ベッコライトM6401−50 (大日本インキ化学工業社製)〕(固形分50%) 10部 メラミン樹脂〔スーパーベッカミンG−821−60 (大日本インキ化学工業社製)〕(固形分60%) 7部 メチルエチルケトン 100部
【0094】(比較例6)実施例1における中間用塗工
液を以下のように変更して、膜厚を4μmの中間層とし
た以外は実施例1と全く同様にして比較例6の電子写真
感光体を得た。 〔中間層用塗工液〕 平均粒径0.3μmの酸化チタン粉末 〔TA−3000(富士チタン工業社製)〕 55部 平均粒径0.1μmの超微粒子アルミナ粉末 〔AKP−50(住友化学工業社製)〕 6部 アルキッド樹脂〔ベッコライトM6401−50 (大日本インキ化学工業社製)〕(固形分50%) 10部 メラミン樹脂〔スーパーベッカミンG−821−60 (大日本インキ化学工業社製)〕(固形分60%) 7部 メチルエチルケトン 65部
【0095】(実施例6)φ30mmのアルミニウムド
ラム上に、下記組成の中間層用塗工液、電荷発生層用塗
工液、電荷輸送層用塗工液、保護層用塗工液を順次、塗
布、乾燥することにより、0.2μmの中間層、0.2
μmの電荷発生層、25μmの電荷輸送層、2.2μm
の保護層を形成して、本発明の電子写真感光体を得た。
【0096】 〔中間層用塗工液〕 ジルコニウムテトラアセチルアセトネート (松本交商社製、ZC150) 3部 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン (信越化学工業社製、KBM−503) 5部 イソプロピルアルコール 400部
【0097】 〔電荷発生層用塗工液〕 Y型オキソチタニウムフタロシアニン顔料 2部 ポリビニルブチラール(積水化学社製、エスレックBM−S) 0.2部 テトラヒドロフラン 50部
【0098】 〔電荷輸送層用塗工液〕 下記構造の電荷輸送物質 7部
【化7】 ポリカーボネート(帝人化成社製Zポリカ、Mv5万) 10部 塩化メチレン 100部 1%シリコーンオイル(信越化学工業社製、KF50) 塩化メチレン溶液 1部
【0099】 〔保護層用塗工液〕 ポリカーボネート樹脂(帝人化成社製Zポリカ、Mv5万) 5部 酸化チタン(石原産業社製、CR97) 2部 下記構造の電荷輸送物質 3部
【化8】 シクロヘキサノン 50部 テトラヒドロフラン 150部
【0100】(実施例7)実施例6における中間層用塗
工液を下記組成のものに代え、0.2μmの中間層を形
成した以外は実施例6と全く同様にして実施例7の電子
写真感光体を得た。 〔中間層用塗工液〕 トリブトキシジルコニウムアセチルアセトネート (松本交商社製、ZC540) 16.5部 N(3−トリブトキシシリルプロピル)−1,6 −ヘキシレンジアミン(信越化学工業社製、KBM−6063) 5部 イソプロピルアルコール 400部
【0101】(実施例8)実施例7における保護層用塗
工液を下記組成のものに代え、2.4μmの保護層を形
成した以外は実施例2と全く同様にして実施例8の電子
写真感光体を得た。 〔保護層用塗工液〕 ポリカーボネート樹脂(帝人化成社製Zポリカ、Mv5万) 5部 アルミナ(住友化学工業社製、スミコランダムAA−03) 2部 下記構造の電荷輸送物質 3部
【化9】 シクロヘキサノン 50部 テトラヒドロフラン 150部
【0102】(実施例9)実施例7における保護層用塗
工液を下記組成のものに代え、2.1μmの保護層を形
成した以外は実施例7と全く同様にして実施例9の電子
写真感光体を得た。 〔保護層用塗工液〕 ポリカーボネート樹脂(帝人化成社製Zポリカ、Mv5万) 4部 シリカ(信越化学工業社製、KMPX−100) 2部 下記構造の電荷輸送物質 3部
【化10】 シクロヘキサノン 72部 テトラヒドロフラン 180部
【0103】(実施例10)実施例7における保護層用
塗工液を下記組成のものに代え、2.3μmの保護層を
形成した以外は実施例7と全く同様にして実施例10の
電子写真感光体を得た。 〔保護層用塗工液〕 ポリカーボネート樹脂(帝人化成社製Zポリカ、Mv5万) 5部 酸化チタン(富士チタン工業社製、TAF510P) 2部 下記構造の電荷輸送物質 3部
【化11】 シクロヘキサノン 72部 テトラヒドロフラン 180部
【0104】(実施例11)実施例7における保護層用
塗工液を下記組成のものに代え、2.7μmの保護層を
形成した以外は実施例7と全く同様にして実施例11の
電子写真感光体を得た。 〔保護層用塗工液〕 ポリカーボネート樹脂(帝人化成社製Zポリカ、Mv5万) 5部 シリカ(信越化学工業社製、NSFX−01) 3.5部 下記構造の電荷輸送物質 3部
【化12】 シクロヘキサノン 72部 テトラヒドロフラン 180部
【0105】(比較例7)実施例6において保護層を設
けなかった以外は実施例6と全く同様にして比較例1の
電子写真感光体を作製した。
【0106】(比較例8)実施例6において保護層にフ
ィラーである酸化チタンを加えなかった以外は実施例6
と全く同様にして比較例2の電子写真感光体を作製し
た。
【0107】(比較例9)実施例6において中間層を設
けなかった以外は実施例6と全く同様にして比較例3の
電子写真感光体を作製した。
【0108】(比較例10)実施例6において中間層用
塗工液を以下のものに変更し、膜厚を0.3μmの中間
層とした以外は実施例6と全く同様にして比較例4の電
子写真感光体を作製した。 〔中間層用塗工液〕 ナイロン樹脂(東レ社製、CM8000) 10部 メタノール 60部 n−ブタノール 32部
【0109】(比較例11)実施例6において中間層用
塗工液を以下のように変更し、膜厚を4.5μmの中間
層とした以外は実施例6と全く同様にして比較例11の
電子写真感光体を作製した。 〔中間層用塗工液〕 酸化チタン(富士チタン工業社製、TA−3000) 57部 アルキッド樹脂(大日本インキ化学工業社製 ベッコライトM6805−40)(固形分40%) 10部 メラミン樹脂(大日本インキ化学工業社製 スーパーベッカミンG−821−60)(固形分60%) 7部 メチルエチルケトン 100部
【0110】(比較例12)実施例6における中間層用
塗工液を以下のように変更し、膜厚を6.5μmの中間
層とした以外は実施例6と全く同様にして比較例12の
電子写真感光体を作製した。 〔中間層用塗工液〕 平均粒径0.04μm超微粒子シリカ (日本アエロジル社製、TT600) 46部 アルキッド樹脂(大日本インキ化学工業社製 ベッコライトM6401−50)(固形分50%) 10部 メラミン樹脂(大日本インキ化学工業社製 スーパーベッカミンG−821−60)(固形分60%) 7部 メチルエチルケトン 100部
【0111】以上のように作製した実施例1〜11及び
比較例1〜12の電子写真感光体を実装用にした後、以
下のようにして評価を行った。評価結果を表1及び表2
に示す。 (実機ランニング特性評価方法)市販電子写真複写機
(リコー社製イマジオMF2200)の改造機により、
それぞれの感光体について最高10万枚までの通紙試験
を行った。通紙試験中及び通紙試験後に感光体の、電位
特性、画像品質特性、感光層摩耗量の評価を適時行っ
た。 暗部電位:一次帯電の後、現像部位置まで移動した際の
感光体表面電位 明部電位:一次帯電後、画像露光(ベタ露光)を受け、
現像部位置まで移動した際の感光体表面電位 画像品質:ベタ濃度、細線再現性、黒ポチなどの局所的
欠陥、地肌汚れ、異常画像等総合的に評価
【0112】
【表1】
【0113】
【表2】
【0114】表1及び表2より、実施例1〜11の電子
写真感光体は、帯電性及び光感度に優れ、電気特性の劣
化が少なく、また高画質のハードコピーを長時間安定し
て得られることがわかる。一方、比較例1〜12の電子
写真感光体では、電気特性と画像特性のいずれかが短時
間で大きく劣化してしまうことがわかる。
【0115】
【発明の効果】以上のように、請求項1及び4の発明
は、導電性基体上に、中間層、感光層、保護層を順次積
層してなる電子写真感光体において、平均粒径の異なる
2種の無機化合物及びバインダー樹脂を含有する中間
層、又は有機ジルコニウム化合物を含有する中間層と、
フィラーとバインダー樹脂を含有する保護層とを組み合
わせたもので、これによれば、長期間の使用にわたって
安定した電子写真特性と画像品質を維持し得る電子写真
感光体を得ることができる。
【0116】請求項2の発明は、請求項1記載の電子写
真感光体の中間層における無機化合物微粉末を一方を酸
化チタンとしたので、適切な静電特性となる効果がもた
らされる。
【0117】請求項3の発明は、請求項1記載の電子写
真感光体の中間層におけるバインダー樹脂をアルキッド
樹脂、メラミン樹脂としたので、適度な強度を有する緻
密で欠陥のない膜となる効果がもたらされる。
【0118】請求項5の発明は、請求項4記載の電子写
真感光体の中間層を特定のジルコニウム化合物と特定の
有機シラン化合物とを混合、硬化させて形成するもので
あり、これによれば、電子写真特性の安定性が一層優れ
た、特に欠陥のない優れた画像品質を長期間保つことが
できる
【0119】請求項6の発明は、上記感光層を電荷発生
層と電荷輸送層の積層構成とするもので、本発明におい
ても感光層を積層構成とすることによって感光体設計の
自由度、静電特性、耐ガス性などに優れた感光体を得る
ことができる。
【0120】請求項7の発明は、上記保護層に含有され
るフィラーを無機顔料とするもので、無機顔料は硬度が
高く、機械的な負荷に対応できる感光体表面を形成する
ことができる。
【0121】請求項8の発明は、上記無機顔料を金属酸
化物とするもので、無機顔料の中でも特に優れた効果を
得ることができる。
【0122】請求項9の発明は、上記金属酸化物がシリ
カ、アルミナ、または酸化チタンとするものであり、こ
れらによれば金属酸化物の中でも特に優れた効果を得る
ことができる。
【0123】請求項10の発明は、上記保護層に電荷輸
送物質を含有させるもので、保護層に電荷輸送機能が付
与されるだけでなく電荷輸送物質を添加すると感光体表
面の静電特性をさらに向上させることができる。
【0124】請求項11の発明は、上記保護層のバイン
ダー樹脂をポリカーボネートとするもので、耐摩耗性な
ど保護層のバインダー樹脂として最も優れた特性を得る
ことができる。
【0125】請求項12の発明は、電子写真感光体とし
て上記感光体を用いた画像形成方法であり、これによれ
ば、長期間の使用にわたって安定した電子写真特性と画
像品質を維持しうる画像形成方法を得ることができる。
【0126】請求項13の発明は、電子写真感光体とし
て上記感光体を用いた画像形成装置であり、これによれ
ば、長期間の使用にわたって安定した電子写真特性と画
像品質を維持しうる画像形成装置を得ることができる。
【0127】請求項14の発明は、電子写真感光体とし
て上記感光体を用いたプロセスカートリッジであり、こ
れによれば、長期間の使用にわたって安定した電子写真
特性と画像品質を維持しうる画像形成装置用プロセスカ
ートリッジを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の構成例を示す概略断
面図である。
【図2】本発明の電子写真感光体の別の構成例を示す概
略断面図である。
【図3】本発明の画像形成方法及び画像形成装置を説明
するための図である。
【図4】本発明の画像形成装置用プロセスカートリッジ
の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1、16 感光体 2 除電ランプ 3、17 帯電チャージャー 4 イレーサ 5 画像露光部 6 現像ユニット 7 転写前チャージャー 8 レジストローラ 9 転写紙 10 転写チャージャー 11 分離チャージャー 12 分離爪 13 クリーニング前チャージャー 14 ファーブラシ 15、18 クリーニングブラシ 19 画像露光部 20 現像ローラ 21 導電性支持体 22 中間層 23 電荷発生層 24 電荷輸送層 25 保護層 26 感光層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 5/147 503 G03G 5/147 503 504 504 (72)発明者 松山 彰彦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 田元 望 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 紙 英利 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H068 AA03 AA04 AA34 AA35 AA42 AA43 AA44 BA57 BA58 BB25 BB37 BB50 BB57 CA06 CA29 CA33 FA01 FA27

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に、中間層、感光層、保護
    層を順次積層してなる電子写真感光体において、前記中
    間層が平均粒径の異なる二種の無機化合物とバインダー
    樹脂とを含有し、かつ、該無機化合物は一方の無機化合
    物の平均粒径をD1、他方の無機化合物の平均粒径をD2
    としたとき、D2/D1≦1/5の関係を満たしたもので
    あり、前記保護層が少なくともフィラーとバインダー樹
    脂を含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電子写真感光体におい
    て、前記平均粒径の異なる二種の無機化合物のいずれか
    一方の無機化合物が酸化チタンであることを特徴とする
    電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の電子写真感光体に
    おいて、前記中間層に含まれるバインダー樹脂がアルキ
    ッド樹脂及びメラミン樹脂からなることを特徴とする電
    子写真感光体。
  4. 【請求項4】 導電性基体上に、中間層、感光層、保護
    層を順次積層してなる電子写真感光体において、前記中
    間層が有機ジルコニウム化合物を含有し、かつ、前記保
    護層が少なくともフィラーとバインダー樹脂を含有する
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の電子写真感光体におい
    て、前記中間層が下記式(I)で示されるジルコニウム
    化合物と下記式(II)で示される有機シラン化合物を混
    合、硬化させて形成されていることを特徴とする電子写
    真感光体。 【化1】
  6. 【請求項6】 請求項1〜5記載のいずれかの電子写真
    感光体において、前記感光層が電荷発生層と電荷輸送層
    の積層構成であることを特徴とする電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6記載のいずれかの電子写真
    感光体において、前記保護層に含有されるフィラーが無
    機顔料であることを特徴とする電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の電子写真感光体におい
    て、前記無機顔料が金属酸化物であることを特徴とする
    電子写真感光体。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の電子写真感光体におい
    て、前記金属酸化物がシリカ、アルミナ、または酸化チ
    タンであることを特徴とする電子写真感光体。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9記載のいずれかの電子写
    真感光体において、前記保護層に電荷輸送物質が含有さ
    れていることを特徴とする電子写真感光体。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10記載のいずれかの電子
    写真感光体において、前記保護層に含有されるバインダ
    ー樹脂がポリカーボネートであることを特徴とする電子
    写真感光体。
  12. 【請求項12】 電子写真感光体を用い、少なくとも帯
    電、画像露光、現像、転写、クリーニング、除電のプロ
    セスを繰り返し行う画像形成方法において、前記感光体
    が請求項1〜11記載のいずれかの電子写真感光体であ
    ることを特徴とする画像形成方法。
  13. 【請求項13】 少なくとも電子写真感光体、帯電手
    段、画像露光手段、現像手段、転写手段を具備してなる
    画像形成装置であって、前記電子写真感光体が請求項1
    〜11記載のいずれかの電子写真感光体であることを特
    徴とする画像形成装置。
  14. 【請求項14】 少なくとも電子写真感光体を具備して
    なる画像形成装置用プロセスカートリッジであって、前
    記電子写真感光体が請求項1〜11記載のいずれかの電
    子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置用プ
    ロセスカートリッジ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20140038094A1 (en) * 2012-08-06 2014-02-06 Konica Minolta, Inc. Electrophotographic photoconductor and image forming apparatus
USRE47219E1 (en) 2011-04-15 2019-02-05 CellAegis Devices Inc. System for performing remote ischemic conditioning

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