JP2003202682A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2003202682A
JP2003202682A JP2002295297A JP2002295297A JP2003202682A JP 2003202682 A JP2003202682 A JP 2003202682A JP 2002295297 A JP2002295297 A JP 2002295297A JP 2002295297 A JP2002295297 A JP 2002295297A JP 2003202682 A JP2003202682 A JP 2003202682A
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Hiroshi Yasutomi
啓 安富
Yasuo Suzuki
康夫 鈴木
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光体の膜厚を厚くして耐久性を上げても高
画質な画像が得られる画像形成装置を提供する。 【解決手段】 少なくとも、感光体と、帯電手段と、感
光体に対して光書き込みを行ない静電潜像を形成する光
書き込み手段とを有し、光書き込みの解像度が1200
dpi以上である電子写真方式を用いた画像形成装置で
あって、前記光書き込み手段はビーム径35μm以下の
レーザービーム光により光書き込みを行ない、前記感光
体は、少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層
と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とが設けられ、
前記電荷輸送層は、3×10V・cm−1の電界下で
1×10−5cm・V−1・sec−1以上のキャリ
ア移動度を有することを特徴とする画像形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電複写機、レー
ザープリンタ等の電子写真プロセスを用いる画像形成装
置に関し、特にトナー像を紙などの記録シートへ定着さ
せるいわゆる定着行程を有する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の画像形成装置は、図1に
示すような構成をとる。図1に示す画像形成装置は、感
光体ドラム(1)と、帯電手段(帯電装置)(2)と、
露光手段(3)と、現像手段(4)と、転写手段(5)
と、クリーニング手段(7)と、定着手段(8)とを有
し、記録シート(6)に画像を形成する。一般的な画像
形成工程を以下に示す。
【0003】(1)帯電手段(2)が、感光体(1)の
表面を所望の電位に帯電する。 (2)露光手段(3)が、感光体(1)を露光して、所
望の画像に対応する静電潜像を感光体上に形成する。 (3)現像手段(4)が、露光手段(3)によって作ら
れた静電潜像をトナーによって現像することで感光体
(1)上にトナー像を形成する。 (4)転写手段(5)が、感光体上のトナー像を不図示
の搬送手段によって搬送された記録シート(6)上に転
写する。 (5)クリーニング手段(7)が、転写手段(5)によ
り記録シート(6)上へ転写されずに感光体上に残った
トナーを清掃する。 (6)記録シート(6)を定着手段(8)へ搬送する。 (7)定着手段(8)は、トナー(記録シート(6))
を加熱し、記録シート上に定着する。
【0004】画像形成装置は、感光体ドラム(1)を図
1中の矢印方向に回転させ、上記の(1)〜(7)の工
程を繰り返すことで記録シート(6)上に所望の画像を
形成していく。これらの各工程に用いられる上記各手段
について、従来から様々な提案がなされ、実用化されて
いる。例えば、露光手段として、LD(レーザーダイオ
ード)を用いた例について説明する。電子写真プロセス
を用いる画像形成装置での露光手段は、LD(レーザー
ダイオード)を出力画像に対応させて光変調を行なう。
LDから発光されたレーザー光は、コリメートレンズ、
アパーチャー、シリンドリカルレンズ、ポリゴンミラ
ー、f−θレンズなどを介して、感光体上に結像され
る。ポリゴンミラーは回転する多面鏡であり、入射され
たレーザー光を、感光体上を走査するように反射する。
(例えば、特許文献1、2参照。)。露光手段は、この
ような構成を採用することで、感光体を露光し、所望の
画像に対応する静電潜像を感光体上に形成する。
【0005】一般に、感光体ドラム(1)は、導体の表
面に感光体を塗布することによって形成される。感光体
としては、いわゆる有機感光体が主流となっており、特
に、導電性基体上にいわゆる電荷発生層、電荷輸送層を
積層した積層したもの(積層型有機感光体)が、電荷輸
送層の耐久性が高いことから多く利用されている。ま
た、電荷発生層及び電荷輸送層の他に保護層を設け、電
荷輸送層の耐久性を向上させた感光体も登場している。
従来から、この積層型有機感光体については、数多くの
提案がなされており、電荷輸送層に用いる材料としてト
リアリールアミン構造を有する化合物が用いられた提案
(例えば、特許文献3、4、5参照。)及びそれ以外の
化合物が用いられた提案(例えば、特許文献6、7、8
参照。)がある。
【0006】一方、このような画像形成装置を現像電界
が高い空間周波数まで追従させるためには、感光体膜厚
を小さく(薄く)する必要があることが知られている
(例えば、非特許文献1参照。)。
【0007】しかしながら、膜厚が薄い感光体は、クリ
ーニングによる磨耗や傷などに対する耐久性が低い。ま
た、帯電工程、露光工程を繰り返した場合の劣化が速
い。つまり、高画質な画像を得るために感光体膜厚を薄
くすると感光体の耐久性が極めて低くなり、感光体の耐
久性を高くするために感光体膜厚を厚くすると低画質な
画像しか得られない。そのため、感光体の耐久性を高く
することと高画質な画像が得られるようにすることの二
つの要求を同時に解決することが求められている。
【0008】従来、積層型有機感光体は、電荷輸送層の
バインダー樹脂としてポリカーボネートが一般的に使用
されている。このような感光体は、通常、電荷輸送層の
膜厚を20〜30μm程度に設定されている。つまり、
感光体の高耐久を優先し、画質を犠牲にしている。
【0009】本発明者らは、上記した従来の積層型感光
体(電荷輸送層の膜厚が20〜30μmの感光体)を有
する画像形成装置により、1200dpi以上の解像度
の画像を形成した。その結果、この画像形成装置は、孤
立1ドットや1ドットラインなどのようないわゆる高い
空間周波数の画像再現ができないことを確認した。この
ことは、従来の画像形成装置では、孤立1ドットや1ド
ットラインの再現が悪いため、いわゆるビットマップ画
像などの入力画像をスルーで出力することができないと
いうことを意味している。つまり、入力画像に複雑な画
像処理工程を経なければ画像形成できないことを意味す
る。
【0010】解像度を600dpi、400dpiなど
にすれば孤立1ドットや1ドットラインは再現させるこ
とはできる。しかし、孤立1ドットや1ドットラインが
大きくなるため、キメの粗い画像となる。また、斜め線
を含むような画像においては解像度の低下はいわゆるジ
ャギーが悪化してしまい、画質が低下する。
【0011】また、文字画像(フォント)識別のために
は1200dpi以上の解像度が必要であるということ
が知られている。
【0012】また、本発明者らは、20〜30μm程度
の電荷輸送層を有する感光体を有する画像形成装置を用
い、200lpi以上の線数によって中間調処理が施さ
れた画像データの書き込みを行なった。この結果、得ら
れた画像は階調性が極めて悪かった。したがって、写真
画像のように階調表現が必要な画像に対しては満足のい
く画像が得られないということを確認した。また、いわ
ゆるバンディングが発生しやすく、ノイズの多い画像し
か得られないことも判った。
【0013】中間調処理を200lpi未満にした場合
には、階調性は確保される。しかし、ディザのテクスチ
ャが目視で知覚され、きめの細かい画像が得られない。
【0014】
【特許文献1】特開平9−319164号公報(第(3)
頁右欄〜第(4)頁左欄、段落〔0014〕)
【特許文献2】特開平10−171221号公報
【特許文献3】特開平8−62862号公報
【特許文献4】特開平8−234455号公報
【特許文献5】特開平9−304954号公報
【特許文献6】特開平5−100453号公報
【特許文献7】特開平11−95462号公報
【特許文献8】特開2000−206710号公報
【非特許文献1】「電子写真技術の基礎と応用」コロナ
社、p.150〜151
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題に
鑑みなされたものであり、感光体へ潜像形成用のビーム
の径を35μm以下とし、3×10V・cm−1の電
界下における電荷輸送層のキャリア移動度を1×10
−5cm・V−1・sec−1以上である感光体を用
いることで、例えば感光体の膜厚を厚くして耐久性を上
げても高画質な画像が得られる画像形成装置を提供する
ことを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る第1の画像形成装置は、少なくとも、
感光体と、帯電手段と、感光体に対して光書き込みを行
ない静電潜像を形成する光書き込み手段とを有し、光書
き込みの解像度が1200dpi以上である電子写真方
式を用いた画像形成装置であって、光書き込み手段はビ
ーム径35μm以下のレーザービーム光により光書き込
みを行ない、感光体は、少なくとも電荷発生物質を含有
する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層
とが設けられ、電荷輸送層は、3×10V・cm−1
の電界下で1×10−5cm・V−1・sec−1
上のキャリア移動度を有することを特徴とする。このよ
うな構成を採用する画像形成装置は、孤立1ドットや1
ドットラインなどの高空間周波数の画像再現ができ、ビ
ットマップ画像などをスルーで出力できる。したがっ
て、斜め線を含むような画像においてもいわゆるジャギ
ーが発生しない。また、文字画像においても種々のフォ
ントを識別できる。
【0017】本発明に係る第2の画像形成装置は、少な
くとも、感光体と、帯電手段と、感光体に対して光書き
込みを行ない静電潜像を形成する光書き込み手段と、入
力画像に対して中間調処理を行なう画像処理手段とを有
し、入力画像に対して200lpi以上の線数によって
中間調処理を施された画像データに基づいて光書き込み
手段による光書き込みを行なうことができる電子写真方
式を用いた画像形成装置であって、光書き込み手段はビ
ーム径35μm以下のレーザービーム光により光書き込
みを行ない、感光体は、少なくとも電荷発生物質を含有
する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層
とが設けられ、電荷輸送層は、3×10 V・cm−1
の電界下で1×10−5cm・V−1・sec−1
上のキャリア移動度を有することを特徴とする。このよ
うな構成を採用する画像形成装置は、階調性がよくな
り、写真画像のような階調表現が必要な画像であっても
充分に再現できる。したがって、200lpi以下のよ
うな粗い線数において発生するディザテクスチャーを目
視で確認することは極めて困難となる。また、バンディ
ングが極めて発生しにくくなる。
【0018】本発明者らは、上記電荷輸送層に、トリア
リールアミン構造を含む化合物を少なくとも1つ含有さ
せれば、電荷輸送層に、上記したようなキャリア移動度
を付与できることを見い出した。トリアリールアミン構
造を含む化合物は、キャリア移動度が良好なため、電荷
輸送層に上記したような性質を付与するものと考えられ
る。
【0019】また、トリアリールアミン構造を含む化合
物として少なくとも下記一般式(I)〜(VI)で表わさ
れる化合物は、電荷輸送層に含まれる結着樹脂との相溶
性に優れ、感光体の耐酸化ガス性、光安定性を高められ
ることが判った。
【0020】
【化7】
【0021】(式(I)中、R、R、Rは、それ
ぞれ同一でも異なっていてもよい、水素原子、アミノ
基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ
基、メチレンジオキシ基、置換若しくは無置換のアルキ
ル基、ハロゲン原子又は置換若しくは無置換のアリール
基を、Rは水素原子、アルコキシ基、置換若しくは無
置換のアルキル基又はハロゲンを表わす。但し、R
、R、Rが全て水素原子である組み合わせは除
く。また、k、l、m、nは1、2、3又は4であ
る。)
【0022】
【化8】
【0023】(式(II)中、Ar、Arは、それぞ
れ同一でも異なっていてもよい、置換又は無置換のアリ
ール基、置換又は無置換の複素環基を表わし、R、R
及びRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい、
水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若し
くは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアリ
ール基又は置換若しくは無置換の複素環基を表わし、R
、Rは、互いに結合して環を形成してもよく、Ar
は、置換又は無置換のアリーレン基を表わす。)
【0024】
【化9】
【0025】(式(III)中、R10、R11、R12
は、それぞれ同一でも異なっていてもよい、水素原子、
ハロゲン原子、ニトロ基、置換若しくは無置換のアルキ
ル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基又は置換若し
くは無置換のアリール基を表わす。R、Rは、それ
ぞれ同一でも異なっていてもよい、水素原子、アルコキ
シカルボニル基、置換若しくは無置換のアルキル基又は
置換若しくは無置換のアリール基を表わす。Wは水素原
子、置換若しくは無置換のアルキル基、フェニルチオ
基、鎖状不飽和炭化水素基の2価基、置換若しくは無置
換の炭素環式芳香族基の1価基若しくは2価基又は置換
若しくは無置換の複素環基の1価基若しくは2価基を表
わす。jは1〜5、fは1〜4、gは1〜2、hは1ま
たは2、iは1〜3の整数を表わす。)
【0026】
【化10】
【0027】(式(IV)中、Arは炭素数18個以下
の縮合多環式炭化水素基を表わす。R 13及びR
14は、それぞれ同一でも異なっていてもよい、水素原
子、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、
アルコキシ基又は置換若しくは無置換のフェニル基を表
わし、それぞれ同じでも異なっていても良い。)
【0028】
【化11】 (式(V)中、R15、R16は、それぞれ同一でも異
なっていてもよい、低級アルキル基、低級アルコキシ基
又はハロゲン原子を表わす。p、qは1〜4の整数を表
わす。R17、R18は、水素原子、低級アルキル基、
低級アルコキシ基又はハロゲン原子を表わし、それぞれ
同一でも異なっていてもよい。)
【0029】
【化12】
【0030】(式(VI)中、R19、R20、R21
22、は、それぞれ同一でも異なっていてもよい、水
素原子、置換基を有してもよいアルキル基、アルコキシ
基、アリル基、アリール基又はハロゲン原子を示す。R
23、R24は、それぞれ同一でも異なっていてもよ
い、水素原子、アルキル基、アルコキシル基、ハロゲン
原子、アミノ基、N−置換アミノ基、アリル基又はアリ
ール基を示す。)
【0031】なお、電荷輸送層は、電荷輸送物質の含有
量が該層全体に対して40重量%以上、好ましくは50
重量%以上とするとよい。電荷輸送物質の含有量を多く
すると電荷輸送層のキャリア移動度は速くなるが、40
重量%以上とすると、極めて良好な画質が得られるとと
もに、温度依存性が小さくなり、環境(低温/低湿環
境、高温/高湿環境)による画質劣化も少なくなること
を見い出した。50重量%以上とすると、さらに、キャ
リア移動度の電界強度依存性も小さくなることを見い出
した。
【0032】また、感光体は、電荷輸送層の膜厚が20
μm以下とすることが好ましい。上記した構成を採用す
れば、高画質性と感光体の高耐久性とを両立できるが、
電荷輸送層膜厚(CT膜厚)が20μm以下では、充分
な耐久性が得られ、かつ極めて高画質な画像が得られる
ことが判った。また、CT膜厚が薄いため、感光体ドラ
ム製造コストを低減でき、塗膜の均一性維持に優れる可
能性がある。このような構成を採用する場合、感光体の
高耐久性(寿命低下の防止)のために、感光体に保護層
を設けることが好ましい。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る画像形成装置
を、実施の形態によって詳細に説明する。この画像形成
装置は、従来と同様の装置と同様の構成を採用できる。
すなわち、少なくとも感光体と、帯電手段と、感光体に
対して光書き込みを行ない静電潜像を形成する光書き込
み手段(露光手段)とを有する電子写真方式による画像
形成装置の公知の構造を採用できる。したがって、例え
ば図1に示す構造も採用できる。なお、この画像形成装
置は、少なくとも光書き込みの解像度が1200dpi
以上及び/又は入力画像に対して200lpi以上の線
数によって中間処理を施した(若しくは施された)デー
タの画像形成が可能なものを採用する。
【0034】本発明に係る画像形成装置は、上記したよ
うな構造/構成を採用するが、従来の画像形成装置とは
以下の点で異なる。 (1)光書き込み手段が発するビームの径が35μm以
下であること。(ビーム径は、ガウス関数で表わされる
光強度プロフィールの最大値の1/eのところでの径
である。ビーム径はPHOTON社製ビームスキャン装
置で測定する。) (2)感光体(電子写真感光体)の電荷輸送層のキャリ
ア移動度が、3×10V・cm−1の電界下で1×1
−5cm・V−1・sec−1以上であること。 つまり、本発明に係る画像形成装置は、上記条件の書き
込み系の構成(書き込み解像度、ビーム径)と、上記条
件の感光体の構成(電荷輸送層処方)とを組み合わせた
画像形成装置である。この画像形成装置は、繰り返し使
用に対しても高画質画像を安定に得られる。次に、上記
感光体について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0035】(感光体)本実施の形態にかかる感光体は
電荷発生層(35)と電荷輸送層(37)とを有する。
図2、図3、図4は、本実施の形態にかかる感光体の層
構成例を示す図である。図2に示す感光体は、導電性支
持体(31)上に電荷発生層(35)及び電荷輸送層
(37)が順次積層された層構成をとる。図3に示す感
光体は、図2に示す感光体において、導電性支持体(3
1)と電荷発生層(35)の間に下引き層(33)を設
けた構成をとる。図4に示す感光体は、図2に示す感光
体において、電荷輸送層(37)上にさらに保護層(3
9)が形成された構成を採用する。なお、図2〜図4に
示す層構成は本実施の形態にかかる感光体の層構成の一
例にすぎず、適宜他の構成を採用できる。例えば、図3
に示す感光体において、さらに保護層(39)が形成さ
れた構成を採用してもよい。また、感光層(電荷発生層
(35)、電荷輸送層(37))と保護層(39)との
間に中間層を設けてもよい。
【0036】(導電性支持体)導電性支持体(31)
は、公知の感光体用支持体を採用できるが、好ましくは
体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示す支持体を
採用する。このような支持体としては、例えば、アルミ
ニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白
金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸
化物を、フィルム状、円筒状のプラスチック若しくは紙
などに蒸着またはスパッタリングにより被覆したもの;
アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレ
スなどの板;これらの板を、押し出し、引き抜きなどの
工法で素管化した後、切削、超仕上げ、研摩などの表面
処理した管などを使用することができる。また、特開昭
52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケ
ルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体
(31)として採用できる。
【0037】基材(支持体)上に、適当な結着樹脂に分
散した導電性粉体が塗工されたものも導電性支持体(3
1)として用いることができる。導電性粉体は、例え
ば、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアル
ミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀など
の金属粉や、導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物
粉体などが挙げられる。導電性粉体は一種のみを用いて
もよく、また複数を混合して用いてもよい。結着樹脂
(導電性支持体形成用結着樹脂)は、例えば、ポリスチ
レン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン
−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重
合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボ
ネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、
ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビ
ニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリ
ル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹
脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂な
どの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げ
られる。これらの樹脂は一種のみを用いてもよく複数混
合して用いてもよい。導電性粉体と結着樹脂とを適当な
溶剤又は分散媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジクロ
ロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなど)に溶解
又は分散し、溶液又は分散液を塗布することで基材上に
導電性層が設けられた導電性支持体(31)を作成でき
る。
【0038】適当な基体上(好ましくは円筒基体上)
に、上記導電性粉体を含有する熱収縮チューブを被せた
ものも導電性支持体(31)として採用できる。熱収縮
チューブは、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレ
ン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)な
どを採用できる。また、熱収縮チューブとして採用でき
る樹脂に上記導電性粉体を含有させ、この樹脂を適当な
基体上に接着させたものも導電性支持体(31)として
採用できる。
【0039】(電荷発生層)電荷発生層(35)は、電
荷発生物質を主成分とする層である。一般に、導電性支
持体(31)上又は下引き層(33)上に設けられる。
【0040】電荷発生物質は、公知の電荷発生物質を用
いることが可能である。例えば、チタニルフタロシアニ
ン、バナジルフタロシアニン、銅フタロシアニン、ヒド
ロキシガリウムフタロシアニン、無金属フタロシアニン
等のフタロシアニン系顔料、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔
料、非対称ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料等のアゾ顔
料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、インジゴ顔料、
ピロロピロール顔料、アントラキノン顔料、キナクリド
ン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクエアリウム顔
料等、公知の材料を用いることができる。なお、これら
の電荷発生物質は単独で用いてもよく、2種以上混合し
て用いてもよい。
【0041】電荷発生層(35)は次のように作成す
る。 (1)電荷発生物質を、必要に応じて結着樹脂(電荷発
生層(35)形成用結着樹脂)とともに、適当な溶剤又
は分散媒に溶解又は分散させる。溶解又は分散は、ボー
ルミル、アトライター、サンドミル、超音波などにより
行なう。 (2)(1)で得られた溶液又は分散液(塗布液)を、
所定の層上に塗布し、乾燥させる。塗布液の塗工法とし
ては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノ
ズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を
採用できる。なお、電荷発生層(35)の膜厚は、0.
01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2
μmである。
【0042】電荷発生層(35)形成用結着樹脂は、例
えば、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリ
ケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル
樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、
ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ
−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリ
ビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ
フェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジ
ン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。これらの樹
脂は一種のみを用いてもよく、また複数を混合して用い
ることもできる。結着樹脂の量は、重量部で、電荷発生
物質100に対し、0を超え500以下、好ましくは1
0以上300以下とする。結着樹脂の溶媒又は分散媒へ
の添加時期は、電荷発生物質を溶媒又は分散媒に溶解又
は分散する前又は後いずれでもかまわない。
【0043】電荷発生層(35)形成用の溶剤、分散媒
としては、例えば、イソプロパノール、アセトン、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸
メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロ
ベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグ
ロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒、エステル
系溶媒、エーテル系溶媒が良好に使用される。これらは
単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
【0044】電荷発生層(35)は、電荷発生物質、溶
媒及び結着樹脂を主成分とするが、その他の成分(添加
剤)が含まれていてもよい。添加剤としては、増感剤、
分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等の公知の電荷
発生層(35)用の添加剤が挙げられる。
【0045】(電荷輸送層)電荷輸送層(37)は、電
荷輸送物質を主成分とする層である。電荷輸送物質を、
必要に応じて結着樹脂を適当な溶媒又は分散媒に溶解又
は分散させ、得られた溶液又は分散液を所定の層上に塗
布、乾燥させて形成される。また、電荷輸送層(37)
には、可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤、滑材等の添
加剤を適宜添加できる。この添加剤としては、公知の電
荷輸送層用の添加剤をすべて使用できる。
【0046】電荷輸送物質は、電荷輸送層(37)が、
3×10V・cm−1の電界下で1×10−5cm
・V−1・sec−1以上のキャリア移動度を有する物
質が採用される。なお、キャリア移動度は、過渡電流波
形と印加電圧と測定サンプル(電荷輸送層)の厚味とか
らタイムオブフライト法により求めた。
【0047】電荷輸送層(37)のキャリア移動度を前
記したように規定することで本発明の課題を解決でき
る。この理由は次のように考えられる。導電性支持体
(31)上に、少なくとも電荷発生層(35)と電荷輸
送層(37)を有する積層型有機感光体は、電荷発生層
(35)が電荷輸送層(37)よりも導電性支持体(基
体)(31)側に設けられる。したがって、電荷発生層
(35)が露光されることで光生成されたキャリアは、
感光体表面まで移動する間に、感光体内部に発生した電
界によって拡散してしまい、潜像の劣化が生じるという
原理的な問題(キャリアの横拡散の問題)を抱えてい
る。さらに、キャリアの横拡散は、感光体内部に発生す
る電界の他に、時間的な因子も大きいと考えられる。す
なわち、キャリア移動度が遅ければ遅いほどキャリアが
感光体表面に到達するまでの時間が長くなり、これによ
りキャリアは広範囲に表面以外の方向(横)に拡散して
しまうものと考えられる。
【0048】これに対し、前記したような特性を有する
感光体は、キャリアの横拡散の影響が極めて軽微になる
と考えられる。前記したようなキャリア移動速度を有し
ていれば、発生したキャリアは充分に速く感光体表面に
到達するため、横に拡散してしまう度合いは極めて小さ
くなると考えられるからである。
【0049】本発明者らは、上記条件を有する感光体を
作製したところ、感光層の膜厚を充分な耐久性が得られ
る厚さ(30μm以上)としても、電荷輸送層が前記し
た特性を有しており、かつ、光書き込み手段がビーム径
35μm以下のレーザービーム光であれば、光書き込み
の解像度を1200dpi以上としても高画質な画像が
得られることを目視で確認した。すなわち、従来の画像
形成装置で見られたような前記したような問題(画像の
劣化)は目視で確認することができなかった。同様に、
200lpi以上の線数によって中間処理を施された画
像データについても高画質な画像が得られることを目視
で確認した。
【0050】電荷輸送物質としては、公知の電荷輸送物
質の内、電荷輸送層(37)に前記したような特性を付
与する物質を選択される。このような物質としては、化
合物自体のキャリア移動度に対するポテンシャルが高い
トリアリールアミン構造を含む化合物を用いればよいこ
とを見い出した。また、トリアリールアミン構造を含む
化合物の中でも、結着樹脂との相溶性、耐酸化ガス性、
光安定性等から、一般式(I)〜(VI)の化合物を用い
ることが特に好ましいことを見い出した。これら電荷輸
送物質は単独で用いてもよいが、2種以上混合して用い
てもよい。以下に一般式(I)〜(VI)の化合物の具体
例を示すが、もちろん本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0051】(一般式(I):アミノビフェニル化合
物)
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【表5】
【0057】
【表6】
【0058】
【表7】
【0059】
【表8】
【0060】
【表9】
【0061】
【表10】
【0062】
【表11】
【0063】一般式(I)中、RとRが互いに結合
して環を形成しているアミノビフェニル化合物の具体例
を以下に示す。
【0064】
【化13】
【0065】
【化14】
【0066】(一般式(II):スチルベンCTM)
【0067】
【表12】
【0068】
【表13】
【0069】
【表14】
【0070】
【表15】
【0071】
【表16】
【0072】
【表17】
【0073】
【表18】
【0074】
【表19】
【0075】
【表20】
【0076】
【表21】
【0077】
【表22】
【0078】
【表23】
【0079】一般式(II)中、ジアリールアミノスチレ
ン化合物の具体例を以下に示す。
【0080】
【化15】
【0081】(一般式(III):Pyスチルベンゼン)
【0082】
【表24】
【0083】
【表25】
【0084】
【表26】
【0085】
【表27】
【0086】
【表28】
【0087】
【表29】
【0088】
【表30】
【0089】
【表31】
【0090】(一般式(IV):アミノピレン)
【0091】
【化16】
【0092】
【化17】
【0093】(一般式(V):ベンジジン)
【0094】
【化18】
【0095】
【化19】
【0096】(一般式(IV):mフェニレンジアミン)
【0097】
【表32】
【0098】
【表33】
【0099】
【表34】
【0100】
【表35】
【0101】電荷輸送層(37)形成用の結着樹脂とし
ては、例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリロニト
リル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレ
ン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化
ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート、フェノキ
シ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチ
ルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニル
ホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカ
ルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ
樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、
アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げ
られる。なお、これらの樹脂を一種のみで用いてもよ
く、二種以上を混合して用いてもよい。
【0102】電荷輸送物質は、電荷輸送層(37)中
に、結着樹脂100重量部に対し20〜300重量部、
好ましくは電荷輸送層中に40wt%以上、さらに好ま
しくは50wt%以上含有される。結着樹脂100重量
部に対し20〜300重量部の含有量とすれば、感光体
に充分な耐久性を付与しても良好な画像が得られる。ま
た、電荷輸送層中に40wt%以上含有させれば、キャ
リア移動度が速くなるため極めて良好な画質性を実現で
き、環境(低温/低湿、高温/高湿)による画質劣化は
極めて小さくなる。50wt%以上含有させれば、移動
度の電界強度依存性、温度依存性が極めて小さくなるた
め、特に優れた画質性が得られる。
【0103】電荷輸送層(37)の膜厚は、塗膜の均一
性を維持するため35μm以下とすることが好ましい。
また、20μm以下とすることで前記した効果はより一
層顕著になる。下限値に関しては、使用するシステム
(特に帯電電位等)によって異なるが、5μm以上とす
ることが好ましい。
【0104】電荷輸送層(37)形成用の溶剤/分散媒
としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエ
ン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエ
タン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセト
ンなどが用いられる。これらは単独で使用しても2種以
上混合して使用しても良い。
【0105】(保護層)保護層(39)は、電荷輸送層
(37)の耐久性の向上を目的として、必要に応じて設
けられる。保護層(39)には、少なくともフィラー及
び結着樹脂(保護層(39)用結着樹脂)が含有され
る。
【0106】フィラーは、感光体の耐摩耗性を向上させ
る目的で添加される。フィラーは有機フィラー及び無機
フィラーとに分類される。有機フィラー材料としては、
例えばポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂
微粒子、シリコーン樹脂微粒子、a−カーボン粉末等が
挙げられる。無機フィラー材料としては、例えば銅、ス
ズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリ
カ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化ジ
ルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビ
スマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープした酸化
錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、フ
ッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金
属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などの無機材
料が挙げられる。フィラーの硬度の点から無機材料を用
いることが耐摩耗性の向上に対し有利である。これらの
材料は一種のみ用いてもよく、また複数を混合して用い
ることもできる。
【0107】フィラーの平均一次粒径は、0.01〜
0.5μmとすることが保護層の光透過率や耐摩耗性の
点から好ましい。フィラーの平均一次粒径が0.01μ
m以下の場合は、凝集したり分散性が低下するため、感
光体の耐摩耗性が低下してしまう。0.5μm以上の場
合には、フィラーの沈降性が促進されるなどするため、
異常画像が発生する可能性がある。
【0108】保護層(39)用結着樹脂は、電荷輸送層
(37)に用いられる結着樹脂の使用が可能であるが、
フィラー分散性に悪影響を与えないものを選択すること
が重要である。また、酸価を有する樹脂は、残留電位を
低減させるために有用である。したがって、このような
樹脂を少なくとも一種混合して用いることが好ましい。
使用可能な樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリ
カーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、アクリル酸やメタ
クリル酸を用いた各種共重合体、スチレンアクリル共重
合体、ポリアリレート、ポリアクリレート、ポリスチレ
ン、エポキシ樹脂、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィ
ン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、ア
リール樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリア
ミド、ポリアミドイミド、ポリアリルスルホン、ポリブ
チレン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリイ
ミド、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェ
ニレンオキシド、ポリスルホン、AS樹脂、ブタジエン
−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン等の樹脂あるいは共重合体等が挙げ
られる。また、これらの材料は2種以上混合して用いる
ことが可能である。
【0109】結着樹脂は、画像ボケに対しても大きな影
響を与える。耐NOx性あるいは耐オゾン性の高い結着
樹脂は、画像ボケの発生を抑制でき、さらに優れた耐摩
耗性を感光体に付与する。このような結着樹脂としては
ポリマーアロイが挙げられる。ポリエチレンテレフタレ
ートとのポリマーアロイは画像ボケ抑制効果が極めて高
く有用である。
【0110】保護層(39)は、少なくとも電荷輸送物
質を一種含有させることが好ましい。電荷輸送物質は保
護層(39)の残留電位を低下させるためである。保護
層(39)形成用に使用できる電荷輸送物質は、電荷輸
送層(37)に含まれる電荷輸送物質を使用することが
可能である。ただし、保護層(39)に含有される電荷
輸送物質と電荷輸送層(37)に含有される電荷輸送物
質とが各々異なるものとしてもよい。両者の電荷輸送物
質として異なるものを採用した場合、保護層(39)に
含有される電荷輸送物質は、電荷輸送層(37)に含有
される電荷輸送物質よりも低いイオン化ポテンシャルを
持つものを採用することが好ましい。これにより、電荷
輸送層(37)/保護層(39)界面における電荷の注
入性が向上し、感光体の残留電位を効果的に低減するこ
とが可能となる。なお、イオン化ポテンシャルは、分光
学的に求める方法、電気化学的に求める方法等、公知の
方法を用いて測定すればよい。
【0111】また、保護層(39)には、電荷輸送物質
としての機能とバインダー樹脂としての機能を持った高
分子電荷輸送物質も良好に使用できる。このような高分
子電荷輸送物質を採用すると、感光体に優れた耐摩耗性
を付与できる。高分子電荷輸送物質としては、公知の材
料が使用されるが、特に、トリアリールアミン構造を主
鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートが良好に
用いられる。
【0112】保護層(39)の形成方法は公知の形成方
法が使用できる。例えば以下のように形成することもで
きる。フィラー材料を、分散媒に入れ、ボールミル、ア
トライター、サンドミル、超音波などの従来方法を用い
て分散させる。分散させる場合には、フィラーと分散媒
との接触効率を高くでき良好な分散性が得られ、外界か
らの不純物の混入が少ないボールミルを好ましく用い
る。メディアは、従来メディアとして使用されている材
質、例えばジルコニア、アルミナ、メノウ等を使用でき
る。フィラーの分散性及び残留電位低減効果の点からア
ルミナが好ましく使用され、耐摩耗性に優れたα型アル
ミナが特に好ましく使用される。メディアにジルコニア
を採用した場合、分散時のメディアの摩耗量が大きいた
め残留電位が著しく増加し、また摩耗粉が発生するため
分散性が低下し、フィラーの沈降性が大幅に低下する。
メディアにアルミナを使用した場合、分散時のメディア
の摩耗量は低く抑えられる上に、混入した摩耗粉が残留
電位に与える影響が非常に小さい。また、摩耗粉が混入
しても分散性に対する影響が他のメディアに比べて少な
い。
【0113】分散剤を用いる場合、分散媒は、フィラー
や有機溶剤とともに分散前に分散媒に添加することが好
ましい。これにより、塗工液中のフィラーの凝集を抑制
し、フィラーの沈降性を抑制し、フィラーの高い分散性
を付与できる。バインダー樹脂や電荷輸送物質は、有機
溶剤に溶解し、分散後に添加することが好ましい。分散
前に添加することも可能であるが、その場合は分散性が
若干低下することがある。
【0114】以上のようにして得られた分散液を、浸漬
塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコー
ト、スピナーコート、リングコート等、従来公知の塗工
方法を用いて所定の層上に塗工する。比較的薄くフィラ
ー分散性の良好な膜を均一に形成するためにはスプレー
塗工が適している。
【0115】保護層(39)の膜厚としては、1μm〜
10μm、好ましくは2〜6μmが適当である。膜厚が
極度に薄い場合には、膜の均一性が低下したり、充分な
耐摩耗性が得られない場合がある。膜厚が極度に厚い場
合には、残留電位上昇の影響が増大したり、光透過率の
低下により解像度やドット再現性の低下を引き起こす場
合がある。
【0116】(下引き層)下引き層(33)は、導電性
支持体(31)と感光層(電荷発生層(35)及び電荷
輸送層(37))との間に設けられ、一般には樹脂を主
成分とする。採用される樹脂は、下引き層(33)上に
感光層が有機溶剤を用いて塗工されるため、一般の有機
溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望まし
い。このような樹脂としては、例えば、ポリビニルアル
コール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶
性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等
のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹
脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポ
キシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が
挙げられる。
【0117】下引き層には、モアレ防止、残留電位の低
減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジル
コニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物の
微粉末顔料を加えてもよい。
【0118】下引き層は、感光層の如く適当な溶媒/分
散媒に上記樹脂を溶解/分散させ、適当な塗工法を用い
ることで形成できる。また、シランカップリング剤、チ
タンカップリング剤、クロムカップリング剤等も使用で
きる。各種分散剤を添加することも可能である。下引き
層の膜厚は、0を超え5μm以下とすることが適当であ
る。
【0119】なお、導電性支持体(31)上にAl
を陽極酸化にて設けた層を下引き層(33)としても
よい。また、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機
物やSiO、SnO、TiO、ITO、CeO
等の無機物を導電性支持体(31)上に真空薄膜作成法
にて設けた層を下引き層(33)としてもよい。この
他、公知の方法で用いられた下引き層(33)を採用で
きる。
【0120】(中間層)中間層は、感光層と保護層との
間に設けられ、一般に、バインダー樹脂を主成分する。
これら樹脂としては、例えば、ポリアミド、アルコール
可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビ
ニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられ
る。中間層の形成法としては、前記した他の層の形成法
と同様の方法により形成できる。中間層の厚さは0.0
5〜2μm程度が適当である。
【0121】なお、耐環境性の改善のため、とりわけ、
感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、電荷発生
層(35)、電荷輸送層(37)、下引き層(33)、
保護層(39)、中間層等の少なくとも一層に、従来公
知の酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子
電荷輸送物質およびレベリング剤を適宜添加できる。
【0122】(感光体以外の構成要素)感光体以外の構
成要素としては、光書き込み手段(露光手段)を35μ
m径のレーザ光で感光体に書き込みをできるようにした
以外は従来公知の構成要素を採用できる。
【0123】(光書き込み手段)光書き込み手段(光学
ユニット)の構成例を図5に示す。図5に示すように、
電子写真プロセスを用いる画像形成装置での露光手段
は、いわゆるLD(レーザーダイオード)(51)を出
力画像に対応させて光変調を行なう。このLD(51)
から発光されたレーザー光は、コリメートレンズ(5
2)、アパーチャー(54)、シリンドリカルレンズ
(55)、ポリゴンミラー(56)、f−θレンズ(5
7)を介して、感光体上に結像するようになっている。
ポリゴンミラーは、回転する多面鏡であり、この回転に
よってレーザー光が感光体上を走査するようになってい
る。このため、感光体を露光して、所望の画像に対応す
る静電潜像を感光体上に形成することができる。本実施
の形態に係る光書き込み手段は、感光体に結像するレー
ザ光の径が35μm以下になるようにする。これは、従
来の手法/技術/装置(部材)を適宜採用することで実
現できる。
【0124】(その他の手段)前記したように、感光体
及び光書き込み手段以外は公知の手段(装置)を適宜選
択して採用できる。例えば、帯電手段(帯電装置)
(2)は、コロナ帯電装置や接触帯電装置など公知の装
置を採用できる。
【0125】コロナ帯電装置は、コロナ放電を利用して
感光体の帯電を行なう。図6に、コロナ帯電装置の構成
例を表わす概略図を示す。図6において、ワイヤ(8
2)は、材質がタングステンで線径60μmで、帯電ケ
ース(80)で覆われる。ワイヤ(82)は、図6に示
すような位置(ケース中央)に感光体ドラム(1)の軸
方向に張設され、高電圧(−7kV程度)が印加されて
いる。帯電ケース(80)は、酸化されにくいステンレ
ス鋼で形成される。ワイヤ(82)と感光体(1)との
間には、グリッド(81)が張設され、グリッド(8
1)には−0.6kV程度の電圧が印加される。グリッ
ド(81)は、ステンレス鋼板(板厚0.1mm)をメ
ッシュ状に切り取ったものである。
【0126】図6のコロナ帯電装置は、感光体の帯電を
次のように行なう。ワイヤの近傍では、強電界が形成さ
れ空気の絶縁破壊が起こり、イオンが発生する。イオン
の一部は、ワイヤと感光体との間の電界によって移動
し、感光体表面が帯電される。感光体は、表面電位がグ
リッドに印加された電位にほぼ等しくなるまで帯電され
る。したがって、感光体の表面電位は、グリッドに印加
される電位によって制御できる。
【0127】コロナ帯電装置としては鋸歯状電極を放電
電極として使用するものも知られている(特開平8−2
0210号公報、特開平6−301286号公報等)。
図7は、このようなコロナ帯電装置の構成例を記した概
略図である。図7に示すコロナ帯電装置の鋸歯状電極
(90)は、図8に示すような形状であって、材質は板
厚0.1mmのステンレス鋼板、頂点のピッチは3mm
である。鋸歯状電極(90)は、図7のように、支持部
材(91)に固定され、電源によって高電圧(−5k
V)が印加される。鋸歯状電極(90)を使用したコロ
ナ帯電装置でも、ワイヤを使用したコロナ帯電装置と同
様に、材質がステンレス鋼の帯電ケース(92)で覆わ
れており、鋸歯状電極(90)と感光体(1)との間に
はグリッド(93)が配置されている。鋸歯状電極を使
用したコロナ帯電装置での感光体の帯電も、ワイヤを使
用した場合と同じであり、鋸歯状電極の頂点付近でコロ
ナ放電がおこる。
【0128】鋸歯状電極を使用したコロナ帯電装置は、
ワイヤを使用した装置にくらべて、小型化でき、オゾン
の発生を少なくできる。鋸歯状電極は、コロナ放電が方
向性をもって起こるため、帯電装置の幅(帯電ケースの
感光体側の開口幅)を小さくすることができる。つま
り、帯電ケース側へ向かうイオンの流れが、グリッド側
(感光体側)へ向かうイオンの流れにくらべて小さくな
る。したがって、装置を小型化できる。また、コロナ放
電が方向性を持つため、感光体の帯電の効率が上がり、
コロナ帯電装置に流れる電流を小さくすることができ、
この結果、オゾンの発生量が少なくなる。
【0129】図6、図7に示す以外のコロナ帯電装置と
しては、例えば放電電極が針状(ピン状)の電極である
ものが考案されている。
【0130】接触帯電装置は、コロナ帯電装置における
以下の問題を解決するために考案された。 1、発生するオゾンが多い 2、印加電圧が大きい(5〜7N9) このため、低速、中速の電子写真方式の画像形成装置で
の帯電装置として広く用いられている。
【0131】図9に、接触帯電装置の構成例を示す。接
触帯電装置は、被帯電体である感光体(1)に帯電部材
(2)を接触させ、この帯電部材(2)に電圧を印加す
ることで感光体の帯電を行なう。帯電部材(2)は、ロ
ーラ形状で直径5〜20mm、長さ約300mmであ
り、弾性層(2b)が導体(2a)の上に形成されてい
る。帯電部材(2)は、回転する感光体ドラム(1)に
対して接触し、従動回転する。帯電部材の弾性層(2
b)は、抵抗率が10〜10ΩFPの材料から構成
される。また、帯電部材(2)の表面(弾性層(2b)
の表面)には、膜厚が10〜20μmm程度の表面保護
層が形成されている場合もある。帯電部材(2)には、
電源(30)によって電圧が印加され、感光体の帯電を
行なう。印加電圧は、直流で−1.5〜−2.0kVで
ある。このような構成により、接触帯電装置では感光体
を−500〜−800Vに均一に帯電できる。感光体ド
ラム(1)は、直径30〜80mm、長さ約300mm
で、導体上に感光体が形成されている。
【0132】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳説する
が、本発明は、これら実施例に限定されて解釈されるも
のではない。
【0133】(実施例1)実施例1では、図1に示す画
像形成装置を用いた。図1において、画像形成装置は、
感光体ドラム(1)と、帯電手段(2)と、露光手段
(3)と、現像手段(4)と、転写手段(5)と、クリ
ーニング手段(7)と、定着手段(8)とを有する。
【0134】図1において、感光体ドラム(1)は、導
体の表面に、電荷輸送層(37)、電荷発生層(3
5)、下引き層(33)が設けられたものを、図1中の
矢印方向に回転させた。感光体ドラムの直径は60mm
であり、周速は230mm/secである。
【0135】帯電手段(2)は、接触ローラ帯電装置を
採用した。この装置は、芯金上に、いわゆる中抵抗の導
電性をもつ弾性層(厚み3mm)が形成された帯電ロー
ラを有する。電源によって直流電圧(−1.21kV)
を印加し、感光体を均一(−550V)に帯電した。
【0136】露光手段(3)は、帯電手段(2)により
均一に帯電された感光体の表面に、目的の画像に対応し
た光を照射することによって静電潜像を形成するものを
採用した。
【0137】現像手段(4)は、いわゆる2成分現像装
置を採用した。この装置の現像容器には、トナー(体積
平均粒径6.8μm)とキャリア(粒径50μm)とを
トナー濃度5.0%に混合した現像剤を収納した。現像
手段(4)は、現像スリーブによって現像剤を感光体−
現像スリーブ対向部へと搬送する。感光体−現像スリー
ブ間の距離(いわゆる現像ギャップ)は0.3mmとし
た。現像スリーブには、電源により直流電圧(−400
V)を印加した。これにより、トナーが感光体に静電潜
像に対応して付着した(反転現像)。現像スリーブの周
速は460mm/secとした(周速比2.0)。
【0138】転写手段(5)は、現像手段(4)で現像
されたトナー像を不図示の給紙手段から搬送された記録
シート(6)上に転写する装置を採用した。この装置
は、転写ベルトと電源とを有し、電源から転写ベルトに
電圧を印加する。電圧は、定電流(30μA)により制
御した。
【0139】クリーニング手段(7)は、弾性体から形
成されるブレードによって構成された装置を用いた。感
光体上の残留トナー像(いわゆる転写残トナー)のクリ
ーニングを行なった。
【0140】定着手段(8)は、搬送された記録シート
(紙など)を加熱加圧することによってでトナー像を記
録シートに定着する装置を採用した。
【0141】このような装置を用い、出力画像を得た。
次に、露光手段(3)について詳細に説明する。
【0142】露光手段(光書き込み手段)(3)の光源
はレーザーダイオードを採用し、レーザダイオードから
発した光(レーザ光)をポリゴンミラーによって感光体
に照射しながら操作する装置を採用した。図5に、本実
施例で用いた露光手段(光書き込み手段)(3)の構成
概略図を示す。図5において、露光手段(3)は、波長
780nmの4つのLD(レーザーダイオード)をもつ
4ch(4チャンネル)タイプのLDアレイを搭載し
た。LD(51)からのレーザー光は、コリメートレン
ズ(52)、NDフィルタ(53)、アパーチャー(5
4)、シリンドリカルレンズ(55)を介して、ポリゴ
ンミラー(56)へと照射される。ポリゴンミラー(5
6)は、6面タイプで、27165rpmの回転数で回
転するものを採用した。ポリゴンミラー(56)で反射
されたレーザー光は、折り返しミラー(58)、(5
9)、f−θレンズ(57)、(60)を介して、感光
体上で結像する。
【0143】本実施例では、レーザ−ビームの感光上で
のビーム径が35μm(主走査方向)×35μm(副走
査方向)になるように調整した。f−θレンズ(57)
としてプラスチックを成形加工したプラスチックレンズ
を採用し、いわゆるAC面によってレンズ形状の設計を
行なった結果、前記したようなきわめて細いビーム径を
実現した。レーザー光はポリゴンミラー(56)を回転
させて感光体上を走査した。ビーム径はPHOTON社
製ビームスキャンにより測定した。
【0144】実施例1では、解像度1200dpiの画
像形成装置で、1pixcelあたり16.9nsecの時間
で移動しながら、感光体にレーザービームを照射した。
1pixcelの大きさは21.3μm×21.3μmとし
た。いわゆる画素クロックは59.2MHzとした。換
言すれば、59.2MHzの周波数でLDを光変調し
た。
【0145】図5において、同期検知板(62)は、非
画像領域にレーザー光が位置するときに入射するように
構成した。同期検知板(62)は、レーザービームの入
射によって基準信号が発生する機構を有し、この基準信
号に基づいて画像書き出し位置のタイミング(画素クロ
ック)を形成するクロック信号のリセットを行なう。こ
れにより、感光体上の所定の位置に光変調をなされたレ
ーザー光を入射することができるようにした。
【0146】なお、実施例1では、1pixcelあたり4階
調の階調表現(4値書き込み)を行なうために、LDの
パルス幅を4段階で変化させた。次に、感光体(1)に
ついて詳細に説明する。
【0147】感光体仕様 φ60のアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引
き層塗工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工
液を、浸漬塗工によって順次塗布、乾燥し、膜厚3.5
μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、24μmの
電荷輸送層を形成した。なお、膜厚はフィッシャースコ
ープ社製膜厚計で測定した。
【0148】下引き層塗工液 ・二酸化チタン粉末:400部 ・メラミン樹脂:65部 ・アルキッド樹脂:120部 ・2−ブタノン:400部
【0149】電荷発生層用塗工液 ・クロロガリウムフタロシアニン顔料:2部 ・ポリビニルブチラール(エスレックBM−1:積水化
学製):1.0部 ・シクロヘキサノン:30部 ・メチルエチルケトン:70部
【0150】電荷輸送層塗工液 ・ポリカーボネート(パンライトC−1400、帝人化
成製):6部 ・下記構造式(1)の電荷輸送物質:4部 キャリア移動度:1×10−5cm・V−1・sec
−1 ・テトラヒドロフラン:50部
【0151】
【化20】
【0152】画質評価方法 画質評価は、画質の重要項目である階調性を測定した。
階調性の評価は、線数を変えて中間調処理を施したパッ
チ(17段)を出力し、このパッチの明度(L*)を測
定した。中間調処理としては、いわゆる線数を200l
piの水準で画像を出力した。明度(L*)の測定に
は、分光濃度測色計(X−Rite社製938)を使用
した。
【0153】階調性の数値化は、入力(データ上の面積
率)に対する、17段のパッチを測色してもとめた明度
値の直線性から、いわゆるR^2(一次式近似での自己
相関係数の2乗)を計算するという方法を用いた。R^
2の値は、上述の入力データと明度(L*)との関係が
直線的ならば、図10に示すように1.0に近い値にな
る。直線からずれるに従って、図11に示すように小さ
な値になる。
【0154】本発明者らは、自然画像などの高い階調性
が要求される画像の主観的評価を行なうことによって、
R^2の値が0.98以上であることを優れた階調性の
条件とした。また、R^2の値は、いわゆる低線数画像
のほうが大きくなる傾向がある。しかしながら、線数が
200lpi以下の場合には、いわゆるディザのテクス
チャが認識できるようになってしまい、自然画像などに
おいては不自然な印象をあたえる結果、画質劣化の要因
となってしまう。このことから、本発明者は、中間調処
理の線数を200線以上で階調性R^2の値0.98以
上であることを高画質の条件とした。また、記録密度は
文字・線画の画質に関係し、特にジャギー特性に効く。
ジャギーが目立たなくなるのは、900dpi以上必要
であり、高画質を達成するためには1200dpi以上
が必要である。
【0155】キャリア移動度測定方法 キャリアの移動度は次のように測定した。まず、真空蒸
着法により、市販のスライドガラス上にITO膜を形成
し、電荷輸送層(CTL)のモビリティ測定用基体とし
た。次に、実施例に示した電荷輸送層塗工液処方で、前
記基体上に浸漬法により塗布・乾燥し、約10μmの電
荷輸送層を形成した。さらに、真空蒸着法により、Au
を約30Å蒸着し、上部電極とした。以上のようにして
作成した試料を、光源としてNレーザー(337.1
nm)を用いたタイム−オブ−フライト法により、電界
強度が、3×10V/cm下の電荷輸送層の移動度を
測定した。
【0156】本発明者らは、上記感光体を、リコー製M
F4570を1200dpi2bit書き込みに改造し
た画像形成装置に搭載し、前記したように画像を出力し
て画質評価を行なった。結果を表39に示す。
【0157】(実施例2)実施例1において、電荷輸送
層に用いる電荷輸送物質を下記構造式(2)に変えた以
外は、実施例1と同様にして画像出力・画質評価を行な
った。下記構造式(2)のキャリア移動度:1.5×1
−5cm・V−1・sec−1
【0158】
【化21】
【0159】(実施例3〜17、比較例1〜3)実施例
1において、電荷輸送層に用いる電荷輸送物質の種類及
び添加量を表36〜38に示すように変えた以外は、実
施例1と同様に感光体を作成、実施例1と同様にして画
像出力した。表36〜38に、各実施例、比較例で作成
した電荷輸送層のキャリア移動度(μ)も併せて示す。
【0160】
【表36】
【0161】
【表37】
【0162】
【表38】
【0163】以上のように作製した実施例1〜17、比
較例1〜3の感光体につき、リコー製MF4570を1
200dpi、2bit書き込みに改造したものを使用
し画像評価を行なった。ビーム径は35μm、書き込み
密度は1200dpi、中間調処理としては線数を20
0lpiの水準で画像を出力した。結果を表39に示
す。
【0164】
【表39】
【0165】(実施例18〜24、比較例4〜7)実施
例2において、感光体の電荷輸送層膜厚、露光時の書込
ドット系、書込密度を表40のように変えたほかは実施
例2と同様にして画像出力・画質評価を行なった。中間
調処理としては、線数を200lpiに加え、240l
piの水準での画像も出力し評価を行なった。画質の評
価結果を表41に示す。
【0166】
【表40】
【0167】
【表41】
【0168】(実施例25〜31、比較例8〜11)実
施例5において、感光体の電荷輸送層膜厚、露光時の書
込ドット系、書込密度を表42のように変えたほかは実
施例5と同様にして画像出力・画質評価を行なった。中
間調処理としては、線数を200lpiに加え、240
lpiの水準での画像も出力し評価を行なった。画質の
評価結果を表43に示す。
【0169】
【表42】
【0170】
【表43】
【0171】(実施例32〜38、比較例12〜15)
実施例10において、感光体の電荷輸送層膜厚、露光時
の書込ドット系、書込密度を表44のように変えたほか
は実施例10と同様にして画像出力・画質評価を行なっ
た。なお中間調処理としては、線数を200lpiに加
え、240lpiの水準での画像も出力し評価を行なっ
た。画質の評価結果を表45に示す。
【0172】
【表44】
【0173】
【表45】
【0174】(実施例39〜45、比較例16〜19)
実施例11において、感光体の電荷輸送層膜厚、露光時
の書込ドット系、書込密度を表46のように変えたほか
は実施例11と同様にして画像出力・画質評価を行なっ
た。なお中間調処理としては、線数を200lpiに加
え、240lpiの水準での画像も出力し評価を行なっ
た。画質の評価結果を表47に示す。
【0175】
【表46】
【0176】
【表47】
【0177】(実施例46〜52、比較例20〜23)
実施例14において、感光体の電荷輸送層膜厚、露光時
の書込ドット系、書込密度を表48のように変えたほか
は実施例14と同様にして画像出力・画質評価を行なっ
た。なお中間調処理としては、線数を200lpiに加
え、240lpiの水準での画像も出力し評価を行なっ
た。画質の評価結果を表49に示す。
【0178】
【表48】
【0179】
【表49】
【0180】(実施例53〜59、比較例24〜27)
実施例15において、感光体の電荷輸送層膜厚、露光時
の書込ドット系、書込密度を表50のように変えたほか
は実施例15と同様にして画像出力・画質評価を行なっ
た。なお中間調処理としては、線数を200lpiに加
え、240lpiの水準での画像も出力し評価を行なっ
た。画質の評価結果を表51に示す。
【0181】
【表50】
【0182】
【表51】
【0183】以上の結果から次のことが判った。実施例
では、電荷輸送層(37)が、3×10V・cm−1
の電界下で様々なキャリア移動度(実施例では1×10
−5cm・V−1・sec−1以上)を有する感光体
を用い、階調性(R^2)を測定した。この結果からか
ら明らかなように、電荷輸送層の膜厚を薄くしなくて
も、電荷輸送層(37)が、3×10V・cm−1
電界下で1×10−5cm・V−1・sec−1以上
のキャリア移動度を有すれば、階調性の優れた画像を形
成できることが判った。図12に、表39の結果をプロ
ットした。図12から、電荷輸送層のキャリア移動度が
1×10−5cm・V−1・sec−1以上であるこ
とが、階調性の指標であるγリニアリティ0.98以上
を満足する条件になっていることがわかる。
【0184】また、表40〜51も参照することで以下
のことも判った。電荷輸送層を薄膜化することで、より
高画質な画像が得られることが判った。電荷輸送層中の
電荷輸送物質の含有量が40重量%以上、さらには50
重量%以上とすることでさらに画像品質が高くなること
が判った。トリアリールアミン構造を有する化合物、好
ましくは一般式(I)〜(VI)に示す化合物を用いるこ
とで、前記したキャリア移動度を有する電荷輸送層(3
7)を作成することが判った。このような化合物を用い
れば、結晶化等の問題なく電荷輸送層(37)を作成す
ることができた。
【0185】すなわち、光書き込みの解像度が1200
dpi以上である電子写真方式の画像形成装置及び光書
き込みが入力画像に対して200lpi以上の線数によ
って中間調処理を施された画像データに基づいて行なう
電子写真方式の画像形成装置において、階調性R^2の
値を0.98以上とし、かつ、感光体の高耐久性を実現
するには、以下の条件を具備すればよいことが明らかに
なった。 (1)光書き込み手段がビーム径35μm以下のビーム
光を感光体に照射する。 (2)感光体が、導電性支持体上に少なくとも電荷発生
物質を含有する電荷発生層及び電荷輸送物質を含有する
電荷輸送層を設けてなり、電荷輸送層が、3×10
・cm−1の電界下で1×10−5cm・V−1・s
ec−1以上のキャリア移動度を有する。
【0186】さらに、本発明者らは、階調性の評価に加
えて、安定して階調再現が可能であるかどうかという項
目(この項目をこれ以降、階調再現安定性とよぶことに
する)を次の方法で評価した。はじめに(画質評価方
法)の項に記載した方法と同じく、中間調処理を施した
17段のパッチを出力する。この際に、出力画像は1枚
のみではなく5枚とする。次に、各パッチの明度(L
*)を分光濃度測色計を使用して測色する。(このと
き、測色は5枚の出力画像について行なう。)この結果
各パッチについて、5枚の出力画像に対応する5つの明
度値が求まる。(この5つの明度値が一致していれば、
出力画像は一定であり再現性がよいことを意味する。)
次に、各パッチについて5つの明度値から標準偏差を計
算(σ〜σ17を算出)して、17段のパッチすべて
についての和をとる(Σσ算術和を計算する)。次に
出力画像の明度値のダイナミックレンジ(DL)をΣσ
で割ることによって、階調再現安定性(S)を定義す
ることにする。このダイナミックレンジ(DL)とは、
最も明るいパッチの明度値平均値(出力枚数5枚での平
均値)と、最も暗いパッチの明度値平均値(出力枚数5
枚での平均値)との差として定義することにする(図1
3参照)。 S=DL/Σσ DL=(最も明るいパッチの明度値平均値)−(最も暗
いパッチの明度値平均値) 本発明者らがこのように定義した指標:階調再現安定性
(S)を使用することによって、出力画像の階調性が、
どれだけ安定して再現可能であるかということを評価す
ることが可能となる。
【0187】このように定義した階調再現安定性(S)
の評価を、実施例1、実施例2、実施例10、実施例1
8、実施例22、および比較例2、比較例5について画
像出力実験を実施することによって試みた。なお、この
画像出力実験に使用した各パッチは、200lpiの中
間調処理を施したものである。実験の結果を表52に示
す。
【0188】
【表52】
【0189】階調再現安定は、定義式のとおり、値が大
きくなるにしたがって、安定した出力が可能であること
を表わす(これは、各パッチの明度値のばらつきが小さ
いことを意味するためである。)。ここでは、上記のよ
うに定義した階調再現安定性(S)の値が、10より大
きい場合に、良好な階調再現性を示すと考えることにす
る(出力画像を目視で確認したところ、階調再現安定性
(S)の値が10以上であれば、複数枚数出力での差異
(階調の違い)がほとんど判別できなかったためであ
る。)。本発明者の行なった画像出力実験によれば、表
52からわかるように、実施例1、2、10、18、2
2の組み合わせによる構成では、良好な階調再現安定性
を示すことが判明する反面で、比較例2、5の組み合わ
せによる構成では、充分な階調再現安定性が得られない
ことが判明した。
【0190】本発明者らの実験によれば、請求項2に記
載の組み合わせ(ビーム径35μm以下である、電
荷輸送層3×10V・cm−1の電界下で1×10
−5cm・V−1・sec−1以上のキャリア移動度
を有する。)において、異常画像のひとつであるいわゆ
るバンディングが低減されることが明らかになった。こ
のバンディングとは、電子写真画像のいわゆる主走査方
向(通紙方向)への濃度変動のことである。特に中濃度
(明度L*=40〜70)の均一画像を出力した場合
に、比較的長周期(1〜20mm周期)でスジ状に濃度
が変動する現象である。出力画像中にこのようなスジ状
の濃度変動は発生することは、非常に不自然な印象を与
えるため、画質低下の大きな要因になる。バンディング
を発生させる要因としては、ビームの走査ムラ(いわゆ
るポリゴンミラーの面倒れ、光学素子の振動)、感光体
ドラムの回転速度ムラ、現像スリーブの回転速度ムラ、
現像ギャップの変動(感光体ドラム、現像スリーブの振
れ)が挙げられる。これらの原因に対してはそれぞれ対
策が施されており、改善がなされているが、上記の原因
を完全に解消するには、装置全体を強固に製作するこ
と、各部品の精度を向上させることなどが要求され、装
置の大型化、コストアップを引き落とす結果となり現実
的には難しい面がある。本発明者らは、上記の実施例1
〜59、比較例1〜27の条件において、明度L*=5
0となるような均一画像を200lpiおよび240l
piで形成し、バンディングを目視評価する実験を行な
った。実験では、実施例に記載の実験機を使用して上述
のバンディング評価用の画像を出力する。つづいて、こ
の画像の評価を目視で行なうが、評価の判定には下記の
判定基準用いることにした。 ランク5:200lpi、240lpiともにバンディ
ングを知覚することができない。 ランク4:200lpiでは知覚することができない
が、240lpiではわずかに知覚することができる。 ランク3:200lpiでもわずかに知覚することがで
きる(240lpiでもわずかに知覚することができ
る)。 ランク2:200lpiでもはっきりと知覚することが
できる(240lpiでもはっきりと知覚することがで
きる) ランク1:200lpiにおいてもバンディングが非常
に悪い(240lpiにおいてもバンディングが非常に
悪い。)
【0191】本発明者の実験によれば、バンディングは
高線数ほど悪い(200lpiよりも240lpiのほ
うが悪い)。このため、上述のような200lpiの画
像を中心とした判定基準を設定した。上記の判定基準を
用いて実施例1〜59、比較例1〜27のバンディング
を評価した結果を表53〜55に示す。中間調処理の線
数としては、200lpi以上であれば、ほぼディザの
テクスチャが知覚されることはなくなる。このため、上
記判定基準のランク4以上をバンディングに関しての合
格ラインと考える。
【0192】
【表53】
【0193】
【表54】
【0194】
【表55】 実験結果から、請求項2に記載の条件を満たす画像形成
装置においては、異常画像の一つであるバンディングが
良好な画像形成装置を実現することができることがわか
る。
【0195】以上、本発明の好適な実施の形態を説明し
たが、上述の実施の形態は本発明の説明のための例示で
あって、本実施形態のみに本発明の範囲を限定する趣旨
ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することな
く、種々の変形、改良、修正、簡略化などを上記実施形
態に加えた種々の他の形態でも本発明を実施することが
できる。
【0196】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、書き込
み系の構成(書き込み解像度、ビーム径)と、感光体の
構成(電荷輸送層処方)との組み合わせの前記した条件
を満たすように設定すれば、高画質性と感光体の高耐久
性とを両立できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図2】本発明による感光体の層構成例を示す第1の図
である。
【図3】本発明による感光体の層構成例を示す第2の図
である。
【図4】本発明による感光体の層構成例を示す第3の図
である。
【図5】図1に示す画像形成装置の光書き込み手段の構
成例を示す。
【図6】図1に示す画像形成装置に採用されるコロナ帯
電装置の第1の構成例を示す。
【図7】図1に示す画像形成装置に採用されるコロナ帯
電装置の第2の構成例を示す。
【図8】図7のコロナ帯電装置の鋸歯状電極の概略図で
ある。
【図9】図1に示す画像形成装置に採用されるコロナ帯
電装置の第3の構成例を示す。
【図10】入力データと明度Lとの関係を説明するため
の第1の図である。
【図11】入力データと明度Lとの関係を説明するため
の第2の図である。
【図12】実施例1〜17、比較例1〜3における、電
荷輸送層のキャリア移動度と階調性との関係を示す図で
ある。
【図13】階調性について説明するための図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム 1a 感光体 1b 導体 2 帯電手段(帯電装置) 2a 弾性層 2b 導体 3 露光手段 4 現像手段 5 転写手段 6 記録シート 7 クリーニング手段 8 定着手段 30 電源 31 導電性支持体 33 中間層 35 電荷発生層 37 電荷輸送層 39 保護層 51 4chLD(レーザダイオード) 52 コリメートレンズ 53 NDフィルタ 54 アパーチャー 55 シリンダレンズ 56 ポリゴンミラー 57 f−θレンズ1 58 折返しミラー1 59 折返しミラー2 60 f−θレンズ2 61 感光体面 62 同期検知板 80 帯電ケース 81 グリッド 82 ワイヤ(タングステン) 83、84 電源 90 鋸歯状電極 91 支持部材 92 帯電ケース 93 グリッド 94、95 電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/04 111 G03G 15/04 111 Fターム(参考) 2H068 AA20 AA28 AA34 AA35 BA12 BA13 BA14 BA15 FB07 2H076 AB05 AB09 AB12 AB22 AB75

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、感光体と、帯電手段と、感
    光体に対して光書き込みを行ない静電潜像を形成する光
    書き込み手段とを有し、光書き込みの解像度が1200
    dpi以上である電子写真方式を用いた画像形成装置で
    あって、前記光書き込み手段はビーム径35μm以下の
    レーザービーム光により光書き込みを行ない、前記感光
    体は、少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層
    と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とが設けられ、
    前記電荷輸送層は、3×10V・cm−1の電界下で
    1×10−5cm・V−1・sec−1以上のキャリ
    ア移動度を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも、感光体と、帯電手段と、感
    光体に対して光書き込みを行ない静電潜像を形成する光
    書き込み手段と、入力画像に対して中間調処理を行なう
    画像処理手段とを有し、入力画像に対して200lpi
    以上の線数によって中間調処理を施された画像データに
    基づいて光書き込み手段による光書き込みを行なうこと
    ができる電子写真方式を用いた画像形成装置であって、
    前記光書き込み手段はビーム径35μm以下のレーザー
    ビーム光により光書き込みを行ない、前記感光体は、少
    なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸
    送物質を含有する電荷輸送層とが設けられ、前記電荷輸
    送層は、3×10V・cm−1の電界下で1×10
    −5cm・V−1・sec−1以上のキャリア移動度
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記電荷輸送層は、トリアリールアミン
    構造を含む化合物を少なくとも1種含むことを特徴とす
    る請求項1又は2記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記トリアリールアミン構造を含む化合
    物が下記一般式(I)で表わされる化合物であることを
    特徴とする請求項3記載の画像形成装置。 【化1】 (式(I)中、R、R、Rは、それぞれ同一でも
    異なっていてもよい、水素原子、アミノ基、アルコキシ
    基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、メチレンジ
    オキシ基、置換若しくは無置換のアルキル基、ハロゲン
    原子又は置換若しくは無置換のアリール基を、Rは水
    素原子、アルコキシ基、置換若しくは無置換のアルキル
    基又はハロゲンを表わす。但し、R、R、R、R
    が全て水素原子である組み合わせは除く。また、k、
    l、m、nは1、2、3又は4である。)
  5. 【請求項5】 前記トリアリールアミン構造を含む化合
    物が下記一般式(II)で表わされる化合物であることを
    特徴とする請求項3記載の画像形成装置。 【化2】 (式(II)中、Ar、Arは、それぞれ同一でも異
    なっていてもよい、置換又は無置換のアリール基、置換
    又は無置換の複素環基を表わし、R、R及びR
    は、それぞれ同一でも異なっていてもよい、水素原
    子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無
    置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアリール基
    又は置換若しくは無置換の複素環基を表わし、R、R
    は、互いに結合して環を形成してもよく、Arは、
    置換又は無置換のアリーレン基を表わす。)
  6. 【請求項6】 前記トリアリールアミン構造を含む化合
    物が下記一般式(III)で表わされる化合物であること
    を特徴とする請求項3記載の画像形成装置。 【化3】 (式(III)中、R10、R11、R12は、それぞれ
    同一でも異なっていてもよい、水素原子、ハロゲン原
    子、ニトロ基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換
    若しくは無置換のアルコキシ基又は置換若しくは無置換
    のアリール基を表わす。R、Rは、それぞれ同一で
    も異なっていてもよい、水素原子、アルコキシカルボニ
    ル基、置換若しくは無置換のアルキル基又は置換若しく
    は無置換のアリール基を表わす。Wは水素原子、置換若
    しくは無置換のアルキル基、フェニルチオ基、鎖状不飽
    和炭化水素基の2価基、置換若しくは無置換の炭素環式
    芳香族基の1価基若しくは2価基又は置換若しくは無置
    換の複素環基の1価基若しくは2価基を表わす。jは1
    〜5、fは1〜4、gは1〜2、hは1または2、iは
    1〜3の整数を表わす。)
  7. 【請求項7】 前記トリアリールアミン構造を含む化合
    物が下記一般式(IV)で表わされる化合物であることを
    特徴とする請求項3記載の画像形成装置。 【化4】 (式(IV)中、Arは炭素数18個以下の縮合多環式
    炭化水素基を表わす。R 13及びR14は、それぞれ同
    一でも異なっていてもよい、水素原子、ハロゲン原子、
    置換若しくは無置換のアルキル基、アルコキシ基又は置
    換若しくは無置換のフェニル基を表わし、それぞれ同じ
    でも異なっていても良い。)
  8. 【請求項8】 前記トリアリールアミン構造を含む化合
    物が下記一般式(V)で表わされる化合物であることを
    特徴とする請求項3記載の画像形成装置。 【化5】 (式(V)中、R15、R16は、それぞれ同一でも異
    なっていてもよい、低級アルキル基、低級アルコキシ基
    又はハロゲン原子を表わす。p、qは1〜4の整数を表
    わす。R17、R18は、水素原子、低級アルキル基、
    低級アルコキシ基又はハロゲン原子を表わし、それぞれ
    同一でも異なっていてもよい。)
  9. 【請求項9】 前記トリアリールアミン構造を含む化合
    物が下記一般式(VI)で表わされる化合物であることを
    特徴とする請求項3記載の画像形成装置。 【化6】 (式(VI)中、R19、R20、R21、R22、は、
    それぞれ同一でも異なっていてもよい、水素原子、置換
    基を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、アリル
    基、アリール基又はハロゲン原子を示す。R23、R
    24は、それぞれ同一でも異なっていてもよい、水素原
    子、アルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子、アミ
    ノ基、N−置換アミノ基、アリル基又はアリール基を示
    す。)
  10. 【請求項10】 電荷輸送層に対する電荷輸送物質の含
    有量が40重量%以上であることを特徴とする請求項1
    乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 電荷輸送層に対する電荷輸送物質の含
    有量が50重量%以上であることを特徴とする請求項1
    乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  12. 【請求項12】 前記感光体は、電荷輸送層の膜厚が2
    0μm以下であることを特徴とする請求項1乃至11の
    いずれか1項に記載の画像形成装置。
  13. 【請求項13】 前記感光体は保護層を有する有するこ
    とを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013210455A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

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