JP2002169318A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、電子写真装置及び電子写真方法 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ、電子写真装置及び電子写真方法

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JP2002169318A
JP2002169318A JP2000369200A JP2000369200A JP2002169318A JP 2002169318 A JP2002169318 A JP 2002169318A JP 2000369200 A JP2000369200 A JP 2000369200A JP 2000369200 A JP2000369200 A JP 2000369200A JP 2002169318 A JP2002169318 A JP 2002169318A
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JP2000369200A
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Tomoyuki Shimada
知幸 島田
Kazukiyo Nagai
一清 永井
Michihiko Nanba
通彦 南場
Shinichi Kawamura
慎一 河村
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 露光光源に短波長半導体レーザー光又は発光
ダイオード光を使用し、その露光光源波長に於いて高解
像度、高画質を達成するよう最適に設計され、また、耐
久性にも優れるよう設計された両極性帯電型電子写真感
光体を提供する。 【解決手段】 露光光源として発振波長が400〜45
0nmの半導体レーザー光又は発光ダイオード光を使用
する電子写真装置に搭載する電子写真感光体であって、
該電子写真感光体が、導電性支持体上に形成された感光
層を有し、且つ、該感光層中に正孔輸送材料と電子輸送
材料との両者を含むことを特徴とする電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ー、ファクシミリ等に使用される電子写真感光体、プロ
セスカートリッジ、電子写真装置及び電子写真方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年では、電子写真方式を用いた情報処
理システム機の発展は目覚ましいものがある。特に情報
をデジタル信号に変換して光によって情報記録を行うデ
ジタル記録方式を用いたプリンターは、そのプリント品
質、信頼性において向上が著しい。またこのデジタル記
録方式はプリンターのみならず通常の複写機にも応用さ
れ、所謂デジタル複写機が開発されている。さらに、こ
のデジタル複写機は、種々様々な情報処理機能が付加さ
れるため今後その需要性が益々高まっていくと予想され
る。しかしながら、現行の電子写真装置は画像処理によ
る見掛けの解像度アップを除くと300〜600dpi
程の実効解像度であり、写真調の画像としては十分では
なかった。より高解像な電子写真装置が望まれており、
それに向けた開発が行われている。解像度を上げるため
には最小ドット径を小さくすることが有効であり、その
為には、照射光のビーム径をより小さくした像露光手段
と小さな電位潜像を可能にする電子写真感光体とそれを
再現性良く現像する現像手段が必要になる。しかしなが
ら、これらを全て満足する電子写真装置は未だ開発され
ていない。像露光手段においては、従来小型で安価な信
頼性の高い半導体レーザー(LD)や発光ダイオード
(LED)が多く使われている。現在最もよく使われて
いるLDの発振波長域は780〜800nm付近の近赤
外光領域にある。そしてそのビームスポット径は約15
0〜50μm程度である。これを1200dpi相当の
ドット径約20〜30μm又は2400dpi相当のド
ット径約10〜15μmに絞り込むためには超高精度な
光学部品や大きな光学部材が必要になりコスト的にも、
スペース的にも実用化できるものではなかった。この解
決のためには光源波長を短くすることが有効である。た
とえば、発振波長が従来からの近赤外域LDに比べ約半
分近くとなる紫〜青色の短波長LDを書込光源として用
いた場合、下式(1)で示されるように、感光体上にお
けるレーザービームのスポット径を理論上かなり小さく
することが可能である。したがってこれらは潜像の書込
密度すなわち解像度を上げることに非常に有利なもので
ある。 d∝(π/4)(λf/D) (1) (式中、dは感光体上のスポット径、λはレーザー光の
波長、fはfθレンズの焦点距離、Dはレンズ径) しかしながら、青色領域の短波長半導体レーザは赤色〜
近赤外領域の長波長半導体レーザに比べて開発が遅く、
近年まで実用化にはほど遠い状態であった。その為、デ
ジタル複写機等には長波長半導体レーザが使用され、内
蔵される電子写真感光体はその光源波長に合わせた開発
がされてきている。近年、小型で性能に優れる青色半導
体レーザが開発され、ようやく実用化されようとしてい
る。この様な状況の下、超高解像な電子写真装置の書込
光源としてその搭載に期待が持たれている。特開平5−
19598号、特開平9−240051号、特開200
0−105475号、特開2000−105476号、
特開2000−105478号、特開2000−105
479号の各公報には、青色半導体レーザーを光源とし
た場合の電子写真装置、電子写真感光体が開示されてい
る。しかしながら、青色波長に適合させた電子写真感光
体や装置の実用化開発は始められたばかりであり、本来
の超高解像度で且つ高画質な画像出力の達成にはまだ多
くの問題が残されている。また、最も広く普及している
電荷発生層と電荷輸送層を有する積層型感光体において
通常適用されている電荷輸送層膜厚20〜30μmで
は、光源のビーム径を小さくしても電荷輸送層内でキャ
リアの面内方向の拡散により静電潜像が広がり、高解像
な潜像形成が妨げられる。その防止のためには電荷輸送
層の膜厚をより薄膜化する必要がある。
【0003】一方、実用化された電子写真感光体のほと
んどは、導電性基体上に電荷発生層と電荷輸送層とを積
層した機能分離型の電子写真感光体であり、これらはも
っぱら負帯電の電子写真プロセスに用いられている。ま
た電子写真プロセスにおける信頼性の高い帯電方式はコ
ロナ放電によるものであり、ほとんどの複写機、プリン
ターにはこの方式が採用されている。しかしながら、周
知の如く、正極性と比べて負極性のコロナ放電は不安定
であり、このためスコロトロンによる帯電方式が採用さ
れ、コストアップの一要因となっている。負極性のコロ
ナ放電は化学的損傷を引き起こす物質であるオゾンの発
生量をより多く伴うため、長時間使用することで帯電時
に発生するオゾンによるバインダー樹脂及び電荷移動材
の酸化劣化や、帯電時に生成するイオン性化合物、例え
ば硝酸イオン、硫酸イオン、アンモニウムイオン等が感
光体表面に蓄積することによる、画質低下が発生し問題
となる。このため、オゾンの外部排出を防ぐべく、負帯
電方式の複写機、プリンターにはオゾンフィルターが用
いられている場合が多く、これも装置のコストアップの
要因となっている。また、多量に発生するオゾンは環境
汚染の問題ともなる。これらを解消するために、正帯電
型の電子写真感光体の開発が進められている。正帯電方
式であれば、オゾンの発生量が少なく押さえられ、さら
に現状では広く用いられている二成分系現像剤の使用で
は、電子写真感光体が正帯電の方が環境変動が少なく安
定な画像が得られ、この面からも正帯電型の電子写真感
光体が望ましい。しかしながら、高速複写プロセスの場
合は前述のように正帯電型よりもむしろ負帯電型が用い
ることが好ましい。その理由は高速複写プロセスなどに
おいても支障の無い程度の高い電荷移動度を示す有機材
料としては、現在のところほとんどが正孔移動の性質の
みを有する正孔輸送材料に限られており、そのため正孔
輸送材料を用いて形成される電荷輸送層を表面側に配置
した積層型電子写真感光体においては動作原理上、その
帯電性は負帯電にかぎられるからである。
【0004】以上のように、帯電極性についていえば、
電子写真感光体を正帯電及び負帯電の両方の極性で用い
ることができれば、感光体の応用範囲を更に広げること
ができ、感光体品種削減によるコスト低減、高速化対応
などにおいて有利なものとなる。このような両極性帯電
可能な電子写真感光体は特許第2732697号公報に
開示されているが、ここに用いられている電子輸送材料
のジフェノキノン誘導体は390〜460nmの波長域
に高い吸収を有しているため、短波長LD光はこれにほ
とんど吸収されてしまい、電荷発生層には到達できず、
感度特性が著しく劣るという欠点を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
高寿命で高解像度で高画質な電子写真装置を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、その為に露光光源に短
波長半導体レーザー光又は発光ダイオード光を使用し、
その露光光源波長に於いて高解像度、高画質を達成する
よう最適に設計され、また、耐久性にも優れるよう設計
された両極性帯電型電子写真感光体を提供することにあ
る。本発明のさらに他の目的はそれを利用した電子写真
方法、及びそれを内蔵したプロセスカートリッジを提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、以下に示す電子写真
感光体、プロセスカートリッジ、電子写真装置及び電子
写真方法が提供される。 (1)露光光源として発振波長が400〜450nmの
半導体レーザー光又は発光ダイオード光を使用する電子
写真装置に搭載する電子写真感光体であって、該電子写
真感光体が、導電性支持体上に形成された感光層を有
し、且つ、該感光層中に正孔輸送材料と電子輸送材料と
の両者を含むことを特徴とする電子写真感光体。 (2)該感光層が、導電性支持体上に電荷発生層及び電
荷輸送層をその順に積層した構造を有することを特徴と
する前記(1)に記載の電子写真感光体。 (3)該電荷輸送層上に保護層を有することを特徴とす
る前記(2)に記載の電子写真感光体。 (4)該感光層が、導電性支持体上に電荷輸送層、電荷
発生層及び保護層をその順に積層した構造を有すること
を特徴とする前記(1)に記載の電子写真感光体。 (5)該電荷発生層よりも上層の感光層が、半導体レー
ザー光又は発光ダイオード光の照射に対して50%以上
の透過率を示すことを特徴とする前記(2)〜(4)の
いずれかに記載の電子写真感光体。 (6)該電子輸送材料が、半導体レーザー光又は発光ダ
イオード光の発振波長±10nmの波長領域における膜
スペクトルから求めた透過率が60%以上の電子輸送材
料であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれ
かに記載の電子写真感光体。 (7)該電荷発生層下面から感光層最表面までの膜厚が
4μm以上15μm以下である前記(2)〜(6)のい
ずれかに記載の電子写真感光体。 (8)該保護層が、正孔輸送材料、電子輸送材料及びフ
ィラーを分散させて形成されていることを特徴とする前
記(3)〜(7)のいずれかに記載の電子写真感光体。 (9)該フィラーが、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜
鉛、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、窒化ケイ素、
酸化カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、コロイダルシ
リカ、アルミナ、カーボンブラック、フッ素系樹脂微粉
末、ポリシロキサン系樹脂微粉末、ポリエチレン系樹脂
微粉末及びコアーシェル構造を有するグラフト共重合体
の中から選ばれる少なくとも1種の物質であることを特
徴とする請求項8に記載の電子写真感光体。 (10)電子写真感光体と、帯電手段、現像手段及びク
リーニング手段の中から選ばれる少なくとも1つの手段
を一体に構成し、かつ装置本体から着脱自在としたプロ
セスカートリッジにおいて、該電子写真感光体として、
請求項1〜9のいずれかに記載の電子写真感光体を用い
ることを特徴とするプロセスカートリッジ。 (11)電子写真感光体、帯電手段、現像手段、転写手
段及び400〜450nmの発振波長を有する半導体レ
ーザー又は発光ダイオードを使用した像露光手段を備え
た電子写真装置において、該電子写真感光体として、請
求項1〜9のいずれかに記載した電子写真感光体を用い
ることを特徴とする電子写真装置。 (12)該レーザー光又は発光ダイオード光の主走査方
向及び副走査方向のビーム径のうち短い方のビーム径が
10〜40μmであることを特徴とする請求項11に記
載の電子写真装置。 (13)前記(11)に記載の電子写真装置を用い、帯
電極性が正になるように電子写真感光体を帯電させ、像
露光、現像及び転写を行うことを特徴とする電子写真方
法。 (14)請求項(11)に記載の電子写真装置を用い、
帯電極性が負になるように電子写真感光体を帯電させ、
像露光、現像及び転写を行うことを特徴とする電子写真
方法。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の電子写真感光体は、40
0〜450nmの発振波長を有する半導体レーザ光又は
発光ダイオード光(以下、これらの光を単にレーザー光
とも言う)により書込み可能にかつ両極性帯電可能に形
成されていることを特徴とする。本発明の電子写真感光
体の感光層においては、図1に示すように、導電性支持
体1上に電荷発生層2を有し、この電荷発生層2上に、
正孔輸送材料と電子輸送材料とを含有する電荷輸送層3
が設けられる。また、図2のように、電荷輸送層3上に
表面保護層4が設けられる。さらには、図3のように、
導電性支持体1上に電荷輸送層3を有し、この電荷輸送
層3上に電荷発生層2、次いで表面保護層4が設けられ
る。この層構成の場合、電荷輸送層中の電荷輸送材料
は、正孔輸送材料かつ/又は電子輸送材料である。表面
保護層は、正孔輸送材料と電子輸送材料の両方を含有す
ることが好ましい。
【0008】各層の構成要素について以下に説明する。
導電性支持体としては、アルミニウム、ニッケル、銅、
チタン、金、ステンレス等の金属板、金属ドラムまたは
金属箔、アルミニウム、ニッケル、銅、チタン、金、酸
化錫、酸化インジウムなどを蒸着したプラスチックフィ
ルム或いは導電性物質を塗布した紙、プラスチックなど
のフィルムまたはドラム等が挙げられる。上記以外の材
料として鉄、銀、亜鉛、鉛、錫、アンチモン、インジウ
ムなどの金属や合金、あるいは前記金属の酸化物、カー
ボン、導電性ポリマーなども挙げられ、上述のように導
電性材料をそのまま成形加工することや、適宜の基体上
に上記導電性材料を塗布、蒸着、エッチング、プラズマ
処理等の手段で成膜することによって得られた導電性支
持体を使用することができる。導電性支持体の表面粗さ
はRz値で0.02μmから1.5μmとされる。導電
性支持体の表面粗さが0.02μmより小さい場合に
は、レーザー光の散乱が小さくなりモアレ等の画像欠陥
を生じやすくなったり、感光層との接着性が弱くなり剥
離をおこして白抜け等の画像欠陥を起こしたりする。ま
た、表面粗さが1.5μmを越える場合には、感光層表
面の電位ムラを起こしてドット再現性が低下したり、異
常放電によるピンホールが感光層に生成し、黒ポチ等の
画像欠陥が発生したりする。
【0009】導電性基体上には中間層を形成させること
ができる。この中間層としては一般には樹脂を主成分と
するものが用いられるが、これらの樹脂はその上に感光
層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に
対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。この
ような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイ
ン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合
ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可
溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹
脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次
元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。ま
た、モアレ防止、抵抗値の最適化等のために酸化チタ
ン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、
酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料
を加えてもよい。これらの中間層は適当な溶媒、塗工法
を用いて形成することができる。更にシランカップリン
グ剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等
を使用することもできる。この他、本発明の中間層に
は、Al23を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキ
シリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2
TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法
にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知
のものを用いることができる。
【0010】中間層の表面粗さはRz値で0.02μm
から1.5μmとされる。導電性支持体の表面粗さが
0.02μmより小さい場合には、レーザー光の散乱が
小さくなりモアレ等の画像欠陥を生じやすくなったり、
電荷発生層との接着性が弱くなり剥離をおこして白抜け
等の画像欠陥を起こしたりする。また、表面粗さが1.
5μmを越える場合には、感光層表面の電位ムラを起こ
してドット再現性が低下したり、異常放電によるピンホ
ールが感光層に生成し、黒ポチ等の画像欠陥が発生した
りする。また、中間層には上記説明の微粉末顔料のよう
な粒子をバインダー中に分散させたものがより好まし
い。本発明の電子写真感光体は、400nm〜450n
mの短波長レーザ光を書込光源として使用される物であ
るが、長波長レーザ光に比べて散乱されやすくなるとは
いえ、透明な中間層を使用した場合には、導電性支持体
からの反射光や中間層からの反射光等による感光層内で
の干渉が起こり、モアレ等の異常画像を生ずる。この様
なモアレ防止には、支持体の表面粗さや中間層の表面粗
さを大きくして防止する事ができるが、解像性やドット
再現性等との両立が難しくなる。その解決のためには中
間層に粒子を分散させ、透過光を散乱させることが有効
である。従って、導電性支持体の表面凹凸及び中間層の
表面凹凸による散乱効果と中間層内粒子による散乱効果
を合わせることで、高解像性と異常画像のない高画質性
を容易に両立させることができる。また、中間層の膜厚
は1〜10μmが適当である。中間層の膜厚が1μmよ
り薄い場合は、光散乱が不十分となり、モアレ等の異常
画像を起こしやすくなる。また、膜厚が10μmを越え
る場合は、残留電位の発生やその蓄積性が大きくなり、
感光体電位変動が大きくなる。
【0011】電荷発生層は、電荷発生材料と適当な溶媒
に、必要に応じてバインダー樹脂を加え溶解もしくは分
散し、塗布して乾燥させることにより設けることができ
る。電荷発生層用分散液の分散方法としては、例えば、
ボールミル、超音波、ホモミキサー等が挙げられ、また
塗布手段としては、ディッピング塗工法、ブレード塗工
法、スプレー塗工法等が挙げられる。電荷発生材料を分
散し、感光層を形成する場合、層中への分散性を良くす
るために、その電荷発生材料は1μm以下、好ましくは
0.5μm以下の平均粒径のものが好ましい。また、高
画質、小径ドット再現性のためにもなるべく小さな方が
よい。ただし、上記の粒径があまりに小さいとかえって
凝集しやすく、再凝集により分散液の保存性が悪くなっ
たり、層の抵抗が上昇したり、結晶欠陥が増えて感度及
び繰り返し特性が低下したり、或いは微細化する上で限
界があるので、平均粒径の下限を0.01μmとするの
が好ましい。電荷発生層の膜厚は、0.1〜2μmが好
ましい。
【0012】電荷発生材料は、従来公知の材料が使用で
き、例えば以下に示す様な顔料が挙げられる。有機顔料
としては、例えば、シーアイピグメントブルー25(カ
ラーインデックスCI 21180)、シーアイピグメ
ントレッド41(CI 21200)、シーアイアシッ
ドレッド52(CI 45100)、シーアイベーシッ
クレッド3(CI 45210)、カルバゾール骨格を
有するアゾ顔料(特開昭53−95033号公報に記
載)、ジスチリルベンゼン骨格を有するアゾ顔料(特開
昭53−133445号公報)、トリフェニルアミン骨
格を有するアゾ顔料(特開昭53−132347号公報
に記載)、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料
(特開昭54−21728号公報に記載)、オキサジア
ゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−12742
号公報に記載)、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料
(特開昭54−22834号公報に記載)、ビススチル
ベン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−17733号
公報に記載)、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有す
るアゾ顔料(特開昭54−2129号公報に記載)、ジ
スチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭5
4−14967号公報に記載)、ベンズアントロン骨格
を有するアゾ顔料などのアゾ顔料。例えば、シーアイピ
グメントブルー16(CI 74100)、Y型オキソ
チタニウムフタロシアニン(特開昭64−17066号
公報)、A(β)型オキソチタニウムフタロシアニン、
B(α)型オキソチタニウムフタロシアニン、I型オキ
ソチタニウムフタロシアニン(特開平11−21466
号公報に記載)、II型クロロガリウムフタロシアニン
(飯島他、日本化学会第67春季年回、1B4,04
(1994))、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニ
ン(大門他、日本化学会第67春季年回、1B4,05
(1994))、X型無金属フタロシアニン(米国特許
第3,816,118号)などのフタロシアニン系顔
料、シーアイバットブラウン5(CI 73410)、
シーアイバットダイ(CI 73030)などのインジ
コ系顔料、アルゴスカーレットB(バイエル社製)、イ
ンタンスレンスカーレットR(バイエル社製)などのペ
リレン顔料などが挙げられる。なお、これらの電荷発生
材料は単独あるいは2種類以上が併用されても良い。電
荷発生層の分散液或いは溶液を調製する際に使用する溶
媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、
トルエン、キシレン、モノクロルベンゼン、1、2ージ
クロルエタン、1、1、1ートリクロルエタン、ジクロ
ルメタン、1、1、2ートリクロルエタン、トリクロル
エチレン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、ジオキサン等を挙げることができる。
【0013】前記バインダー樹脂としては、絶縁性がよ
い従来から知られているバインダー樹脂であれば何でも
使用でき、特に限定はない。例えば、ポリエチレン、ポ
リビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリスチ
レン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリプロピレン、アクリル
樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹
脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリアミド樹脂、シリコン樹脂、メラミン樹
脂等の付加重合型樹脂、重付加型樹脂、重縮合型樹脂、
ならびにこれらの樹脂の繰り返し単位のうち2つ以上を
含む共重合体樹脂、例えば塩化ビニルー酢酸ビニル共重
合体、スチレンーアクリル共重合体、塩化ビニルー酢酸
ビニルー無水マレイン酸共重合体樹脂等の絶縁性樹脂の
ほか、ポリーNービニルカルバゾール等の高分子有機半
導体が挙げられる。これらのバインダーは単独または2
種類以上の混合物として用いることが出来る。バインダ
ー樹脂の量は、電荷発生材料1重量部に対し0〜5重量
部、好ましくは0.1〜3重量部が適当である。電荷輸
送層としては、従来公知のものが使用できる。電荷輸送
層が電荷発生層より表層側に積層される場合には、40
0〜450nm波長域範囲の単色光を透過する必要があ
る。その場合の好ましい例としては以下のものが挙げら
れる。電荷輸送層に用いられるバインダー樹脂として
は、例えば具体的にポリスチレン、スチレン−アクリロ
ニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ス
チレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ
塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢
酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート、フェ
ノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、
エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビ
ニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニ
ルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポ
キシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹
脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が
挙げられる。中でもバインダー樹脂が下記一般式(1)
及び/または(2)で示されるものやポリアリレート樹
脂またはポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂の
ポリマーアロイ樹脂やポリアリレート樹脂とポリエチレ
ンテレフタレート樹脂とのポリマーアロイ樹脂が好適で
ある。
【化1】
【化2】 (前記式中、R4、R5、R6、R7はそれぞれ独立して水
素原子、置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン
原子を表し、又は置換もしくは無置換のアリール基を表
す。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基を表し、
Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もし
くは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、
−SO2−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−
(式中Zは脂肪族の2価基を表す。)を表すか又は下記
一般式(I)で表される2価基を表す。nは平均重合度
に対応する数を示す。p及びqは共重合体中に含まれる
単量体成分のモル分率を示し、p+q=1である。
【化3】 前記式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整
数、R8、R9は置換または無置換のアルキル基又はアリ
ール基を表す)を表す。ここで、R8とR9は、それぞれ
同一でも異なってもよい。p、qは組成を表し0.1≦
p≦1、0≦q≦0.9、nは繰り返し単位数を表し5
〜5000の整数である。
【0014】本発明で電荷輸送層に用いる好ましいバイ
ンダー樹脂を示すと、以下に示す繰返し構造のものがあ
げられるが、これらに限定されるものではない。
【化4】
【0015】また、本発明の電荷輸送層に用いられる電
荷輸送材料には正孔輸送材料と電子輸送材料があり、こ
れらのものには以下のものが挙げられる。正孔輸送材料
としては、例えば、ポリ−N−カルバゾール及びその誘
導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート及び
その誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその
誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレ
ン、オキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフ
ェニルアミン誘導体、及び以下の一般式で示される化合
物がある。
【化5】 (式中、R1はメチル基、エチル基、2−ヒドロキシエ
チル基または2−クロルエチル基を表し、R2はメチル
基、エチル基、ベンジル基またはフェニル基を表し、R
3は水素原子、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜4のア
ルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ジアルキルア
ミノ基またはニトロ基を表す)
【化6】 (式中、Arはナフタレン環、アントラセン環、ピレン
環及びそれらの置換体あるいはピリジン環、フラン環、
チオフェン環を表し、Rはアルキル基、フェニル基また
はベンジル基を表す)
【化7】 (式中、R1はアルキル基、ベンジル基、フェニル基ま
たはナフチル基を表し、R2は水素原子、炭素数1〜3
のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、ジアルキ
ルアミノ基、ジアラルキルアミノ基またはジアリールア
ミノ基を表し、nは1〜4の整数を表し、nが2以上の
ときはR2は同じでも異なっていても良い。R3は水素原
子またはメトキシ基を表す)
【化8】 (式中、R1は炭素数1〜11のアルキル基、置換もし
くは無置換のフェニル基または複素環基を表し、R2
3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原
子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル
基、クロルアルキル基または置換もしくは無置換のアラ
ルキル基を表し、また、R2とR3は互いに結合し窒素を
含む複素環を形成していても良い。R4は同一でも異な
っていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル
基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表す)
【化9】 (式中、Rは水素原子またはハロゲン原子を表し、Ar
は置換もしくは無置換のフェニル基、ナフチル基、アン
トリル基またはカルバゾリル基を表す。)
【化10】 (式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭
素数1〜4のアルコキシ基または炭素数1〜4のアルキ
ル基を表し、Arは下記一般式(II)又は(III)で表
される置換基を示す。
【化11】 (式中、R2は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R3
水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、
炭素数1〜4のアルコキシ基またはジアルキルアミノ基
を表し、nは1または2であって、nが2のときはR3
は同一でも異なっていてもよく、R4、R5は水素原子、
炭素数1〜4の置換もしくは無置換のアルキル基または
置換もしくは無置換のベンジル基を表す)
【化12】 (式中、Rはカルバゾリル基、ピリジル基、チエニル
基、インドリル基、フリル基あるいはそれぞれ置換もし
くは非置換のフェニル基、スチリル基、ナフチル基、ま
たはアントリル基であって、これらの置換基がジアルキ
ルアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、カルボキシ基
またはそのエステル、ハロゲン原子、シアノ基、アラル
キルアミノ基、N−アルキル−N−アラルキルアミノ
基、アミノ基、ニトロ基及びアセチルアミノ基からなる
群から選ばれた基を表す)
【化13】 (式中、R1は低級アルキル基、置換もしくは無置換の
フェニル基、またはベンジル基を表し、R2は水素原
子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原
子、ニトロ基、アミノ基あるいは低級アルキル基または
ベンジル基で置換されたアミノ基を表し、nは1または
2の整数を表す)
【化14】 (式中、R1は水素原子、アルキル基、アルコキシ基ま
たはハロゲン原子を表し、R2およびR3はアルキル基、
置換もしくは無置換のアラルキル基あるいは置換もしく
は無置換のアリール基を表し、R4は水素原子、低級ア
ルキル基または置換もしくは無置換のフェニル基を表
し、また、Arは置換もしくは無置換のフェニル基また
はナフチル基を表す)
【化15】 (式中、nは0または1の整数、R1は水素原子、アル
キル基または置換もしくは無置換のフェニル基を表し、
Ar1は置換もしくは未置換のアリール基を表し、R5
置換アルキル基を含むアルキル基、あるいは置換もしく
は無置換のアリール基を表し、Aは下記一般式(IV)又
は(V)で示される置換基を表すか又は9−アントリル
基または置換もしくは無置換のカルバゾリル基を表す) (式中、R2は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、
ハロゲン原子または下記一般式(VI)で示される置換基
を表し、mが2以上のときはR2は同一でも異なってい
てもよく、nが0のときには、AとR1は共同で環を形
成してもよい。
【化16】
【化17】 (式中、R3およびR4はアルキル基、置換もしくは無置
換のアラルキル基または置換もしくは無置換のアリール
基を示し、R3およびR4は同じでも異なっていてもよ
く、R4は環を形成しても良い)
【化18】 (式中、R1、R2およびR3は水素原子、低級アルキル
基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子またはジアルキル
アミノ基を表し、nは0または1を表す)
【化19】 (式中、R1およびR2は置換アルキル基を含むアルキル
基、または置換もしくは未置換のアリール基を表し、A
は置換アミノ基、置換もしくは未置換のアリール基また
はアリル基を表す)
【化20】 (式中、Xは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン
原子を表し、Rは置換アルキル基を含むアルキル基、ま
たは置換もしくは無置換のアリール基を表し、Aは置換
アミノ基または置換もしくは無置換のアリール基を表
す)
【化21】 (式中、R1は低級アルキル基、低級アルコキシ基また
はハロゲン原子を表し、R2、R3は同じでも異なってい
てもよく、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ
基またはハロゲン原子を表し、l、m、nは0〜4の整
数を表す)
【化22】 (式中、R1、R3およびR4は水素原子、アミノ基、ア
ルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、メ
チレンジオキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、
ハロゲン原子または置換もしくは無置換のアリール基
を、R2は水素原子、アルコキシ基、置換もしくは無置
換のアルキル基またはハロゲン原子を表す。ただし、R
1、R2、R3およびR4はすべて水素原子である場合は除
く。また、k、l、mおよびnは1、2、3または4の
整数であり、それぞれが2、3または4の整数の時は、
前記R1、R2、R3およびR4は同じでも異なっていても
良い)
【化23】 (式中、Arは置換基を有してもよい炭素数18個以下
の縮合多環式炭化水素基を表し、また、R1およびR2
水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキ
ル基、アルコキシ基、置換もしくは無置換のフェニル基
を表し、それぞれ同じでも異なっていても良い。nは1
もしくは2の整数を表す)
【化24】 (式中、Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基
を表し、Aは下記一般式(VII)で示される置換基を表
す)
【化25】 (式中、Ar’は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素
基を表し、R1およびR2は置換もしくは無置換のアルキ
ル基、または置換もしくは無置換のアリール基である)
【化26】 (式中、Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基
を、Rは水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、
または置換もしくは無置換のアリール基を表す。nは0
または1、mは1または2であって、n=0、m=1の
場合、ArとRは共同で環を形成しても良い)
【0016】前記一般式(3)で表される化合物には、
例えば、9−エチルカルバゾール−3−アルデヒド−1
−メチル−1−フェニルヒドラゾン、9−エチルカルバ
ゾール−3−アルデヒド−1−ベンジル−1−フェニル
ヒドラゾン、9−エチルカルバゾール−3−アルデヒド
−1,1−ジフェニルヒドラゾンなどがある。また、一
般式化2で表される化合物には、例えば、4−ジエチル
アミノスチリル−β−アルデヒド−1−メチル−1−フ
ェニルヒドラゾン、4−メトキシナフタレン−1−アル
デヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾンなどが
ある。前記一般式(5)で表される化合物には、例え
ば、4−メトキシベンズアルデヒド−1−メチル−1−
フェニルヒドラゾン、2,4−ジメトキシベンズアルデ
ヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、4−ジ
エチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒ
ドラゾン、4−メトキシベンズアルデヒド−1−(4−
メトキシ)フェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノ
ベンズアルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラ
ゾン、4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド−1,1
−ジフェニルヒドラゾンなどがある。前記一般式(6)
で表される化合物には、例えば、1,1−ビス(4−ジ
ベンジルアミノフェニル)プロパン、トリス(4−ジエ
チルアミノフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ジベ
ンジルアミノフェニル)プロパン、2,2’−ジメチル
−4,4’−ビス(ジエチルアミノ)−トリフェニルメ
タンなどがある。前記一般式(7)で表される化合物に
は、例えば、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アン
トラセン、9−ブロム−10−(4−ジエチルアミノス
チリル)アントラセンなどがある。前記一般式(8)で
表される化合物には、例えば、9−(4−ジメチルアミ
ノベンジリデン)フルオレン、3−(9−フルオレニリ
デン)−9−エチルカルバゾールなどがある。前記一般
式(9)で表される化合物には、例えば、1、2−ビス
(4−ジエチルアミノスチリル)ベンゼン、1、2−ビ
ス(2、4−ジメトキシスチリル)ベンゼンなどがあ
る。前記一般式(10)で表される化合物には、例え
ば、3−スチリル−9−エチルカルバゾール、3−(4
−メトキシスチリル)−9−エチルカルバゾールなどが
ある。前記一般式(11)で表される化合物には、例え
ば、4−ジフェニルアミノスチルベン、4−ジベンジル
アミノスチルベン、4−ジトリルアミノスチルベン、1
−(4−ジフェニルアミノスチリル)ナフタレン、1−
(4−ジエチルアミノスチリル)ナフタレンなどがあ
る。
【0017】前記一般式(12)で表される化合物に
は、例えば、4’−ジフェニルアミノ−α−フェニルス
チルベン、4’−ビス(4−メチルフェニル)アミノ−
α−フェニルスチルベンなどがある。前記一般式(1
3)で表される化合物には、例えば、1−フェニル−3
−(4−ジエチルアミノスチリル)−5−(4−ジエチ
ルアミノフェニル)ピラゾリンなどがある。前記一般式
(14)で表される化合物には、例えば、2、5−ビス
(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサ
ジアゾール、2−N,N−ジフェニルアミノ−5−(4
−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジア
ゾール、2−(4−ジメチルアミノフェニル)−5−
(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサ
ジアゾールなどがある。前記一般式化(15)で表され
る化合物には、例えば、2−N,N−ジフェニルアミノ
−5−(N−エチルカルバゾール−3−イル)−1,
3,4−オキサジアゾール、2−(4−ジエチルアミノ
フェニル)−5−(N−エチルカルバゾール−3−イ
ル)−1,3,4−オキサジアゾールなどがある。前記
一般式(16)で表されるベンジジン化合物には、例え
ば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチ
ルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−
ジアミン、3,3’−ジメチル−N,N,N’,N’−
テトラキス(4−メチルフェニル)−[1,1’−ビフ
ェニル]−4,4’−ジアミンなどがある。前記一般式
(17)で表されるビフェニリルアミン化合物には、例
えば、4’−メトキシ−N,N−ジフェニル−[1,
1’−ビフェニル]−4−アミン、4’−メチル−N,
N−ビス(4−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェ
ニル]−4−アミン、4’−メトキシ−N,N−ビス
(4−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−
4−アミン、N,N−ビス(3,4−ジメチルフェニ
ル)−[1,1’−ビフェニル]−4−アミンなどがあ
る。前記一般式(18)で表されるトリアリールアミン
化合物には、例えば、1−ジフェニルアミノピレン、1
−ジ(p−トリルアミノ)ピレン、N,N−ジ(p−ト
リル)−1−ナフチルアミン、N,N−ジ(p−トリ
ル)−1−フェナントリルアミン、9,9−ジメチル−
2−(ジ−p−トリルアミノ)フルオレン、N,N,
N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−フェ
ナントレン−9,10−ジアミン、N,N,N’,N’
−テトラキス(3−メチルフェニル)−m−フェニレン
ジアミンなどがある。前記一般式(19)で表されるジ
オレフィン芳香族化合物には、例えば、1、4−ビス
(4−ジフェニルアミノスチリル)ベンゼン、1,4−
ビス[4−ジ(p−トリル)アミノスチリル]ベンゼン
などがある。前記一般式化(20)で表されるスチリル
ピレン化合物には、例えば、1−(4−ジフェニルアミ
ノスチリル)ピレン、1−[4−ジ(p−トリル)アミ
ノスチリル]ピレンなどがある。
【0018】なお、電子輸送材料としては、例えば、ク
ロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テ
トラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9
−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−
フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサント
ン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,
8−トリニトロ−インデノ4H−インデノ[1、2−
b]チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジ
ベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどを挙げる
ことができ、さらに下記一般式(21)及び(22)で
示される電子輸送物質を好適に使用することができる。
これらの電荷輸送物質は単独または2種類以上混合して
用いられる。
【化27】 (式中R1、R2およびR3は水素原子、ハロゲン原子、
置換もしくは無置換のアルキル基、アルコキシ基、置換
もしくは無置換のフェニル基を表し、それぞれ同じでも
異なっていても良い。)
【化28】 (式中R1、R2およびR3は水素原子、ハロゲン原子、
置換もしくは無置換のアルキル基、アルコキシ基、置換
もしくは無置換のフェニル基を表し、それぞれ同じでも
異なっていても良い。)
【0019】電荷輸送材料の量はバインダー樹脂100
重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜
150重量部が適当である。電荷輸送層形成で用いられ
る溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ト
ルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロ
ロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、ア
セトンなどが用いられる。また、電荷輸送層の膜厚は4
〜30μm程度であるが、電荷発生層よりも表面側に設
置される場合は、4μm〜15μmがより好ましい。さ
らに、後述する表面保護層が電荷輸送層の上に設置され
る場合には、表面保護層との合計膜厚が4μm〜15μ
mであることが好ましい。膜厚が4μmより薄い場合
は、湿度等の環境変化やオゾンガスやNOxガスの環境
変化等による感光層の電位保持能が低下し、電位変動が
大きくなったり、感光層の放電破壊が起こりやすくな
り、黒ポチ等の異常画像が発生しやすくなる。また、1
5μmより厚くなると書込光のビーム径を必要な解像度
サイズまで小さくしても、電荷発生層で生じた高密度の
電荷間の静電反発が起こり、電荷輸送層中を移動中に電
荷が横方向へ拡散してしまうので、所望のサイズの静電
潜像が得られないという問題が生じる。本発明において
電荷輸送層中には可塑剤やレベリング剤を添加してもよ
い。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチル
フタレートなど一般の樹脂の可塑剤として使用されてい
るものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂に
対して0〜30重量%程度が適当である。レベリング剤
としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニル
シリコーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖に
パーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいは、オ
リゴマーが使用され、その使用量は結着樹脂に対して、
0〜1重量%が適当である。
【0020】表面保護層としては、従来公知の材料が使
用できる。その中で特に好ましい例は、前記電荷輸送層
中にフィラーを含有させた構成の表面保護層である。こ
れにより、感光層の耐摩耗性が一段と向上し、高寿命の
感光体を提供できる。使用されるフィラーの具体例とし
ては、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ジルコニ
ウム、酸化インジウム、窒化ケイ素、酸化カルシウム、
硫酸バリウム、ITO、シリカ、コロイダルシリカ、ア
ルミナ、カーボンブラック、フッ素系樹脂微粉末、ポリ
シロキサン系樹脂微粉末、ポリエチレン系樹脂微粉末、
コアーシェル構造を有するグラフト共重合体、高分子電
荷輸送材料微粉末の中のいずれか一種もしくは混合物を
挙げることができる。これらフィラーは分散性向上、表
面性改質などの理由から無機物、有機物で表面処理され
てもよい。一般に撥水性処理としてシランカップリング
剤で処理したもの、あるいはフッ素系シランカップリン
グ剤処理したもの、高級脂肪酸処理もしくは高分子材料
などと共重合処理させたものがあげられ、無機物処理と
してはフィラー表面をアルミナ、ジルコニア、酸化ス
ズ、シリカ処理したものなどがあげられる。フィラーは
電荷輸送材料、およびバインダー樹脂、分散溶媒ととも
に粉砕、もしくはそのまま分散し、感光層として塗工さ
れる。形成した電荷輸送層中のフィラー含有量は5〜5
0重量%で、好ましくは10〜40重量%であり、10
重量%以下であると耐摩耗性の点で十分ではなく、40
重量%以上であると電荷輸送層の透明性が損なわれ、感
度低下をまねくこととなる。平均粒径が0.05〜1.
0μm、好ましくは0.05〜0.8μmに粉砕、分散
するのが好ましい。粒径が大きいと表面に頭出しクリー
ニングブレードを傷つけクリーニング不良が発生し、画
質が低下することとなる。分散溶媒としてはメチルエチ
ルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノンのケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、エチルセロソルブなどのエーテル類、トルエン、キ
シレンなどの芳香族類、クロロベンゼン、ジクロルメタ
ンなどのハロゲン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエ
ステル類が使用される。粉砕工程を加える場合はボール
ミル、サンドミル、振動ミルなどを用いる。
【0021】電荷輸送材料の量はバインダー樹脂1重量
部に対し、0.2〜3重量部、好ましくは0.4〜1.
5重量部が適当である。塗工方法としては浸漬法、スプ
レー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラビ
ア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等が採用
される。表面保護層の膜厚は1〜10μm程度とするこ
とが好ましく、1〜5μmとするのがより好ましい。1
μmより薄い場合は、耐摩耗性の持続が短く、高寿命の
電子写真感光体を提供できない。また、10μmを越え
る場合は、フィラーによる電荷輸送能の低下の影響が大
きくなり残留電位が増加する等の問題を生じる。また、
感光層中の表面保護層の割合が増加し、湿度等の環境変
動を受けやすくなる。電荷輸送層及び表面保護層は、フ
ィラーによる耐摩耗性付与以外の機能は同一な為、必ず
しも分離して設ける必要は無い。例えば、電荷輸送層の
表面側にフィラーを分散させた構成や、濃度勾配を持っ
てフィラーを分散させても良い。
【0022】感光層の最外表面側の表面粗さは、0.0
2μm〜1.5μmが好ましい。0.02μmより小さ
い場合は、クリーニングブレード等との摩擦抵抗が大き
くなり、耐摩耗性が低下し、高耐久な電子写真感光体が
得られない。また、1.5μmより大きい場合は、電位
ムラが生じ、ドットの再現性が悪くなったり、クリーニ
ング不良により黒スジが発生したり、フィルミングが生
じて画像ボケが生じたりする。本発明において感光層中
には可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤と
しては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートな
ど一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがその
まま使用でき、その使用量は、バインダー樹脂に対して
0〜30重量%程度が適当である。レベリング剤として
は、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコ
ーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖にパーフ
ルオロアルキル基を有するポリマーあるいは、オリゴマ
ーが使用され、その使用量はバインダー樹脂に対して、
0〜1重量%が適当である。さらに上記感光層中には、
帯電性の向上等を目的に、フェノール化合物、ハイドロ
キノン化合物、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダー
ドアミン化合物、ヒンダードアミンとヒンダードフェノ
ールが、同一分子中に存在する化合物などを添加するこ
とが出来る。
【0023】次に図面を用いて本発明の電子写真方法な
らびに電子写真装置を詳しく説明する。図4は、本発明
の電子写真プロセスカートリッジおよび電子写真装置を
説明するための概略図であり、下記するような変形例も
本発明の範疇に属するものである。図4において、感光
体11は、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層を
順次積層して形成した感光層を有する。感光体11はド
ラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベ
ルト状のものであっても良い。帯電チャージャ13、転
写前チャージャ17、転写チャージャ19、分離チャー
ジャ20、クリーニング前チャージャ22には、コロト
ロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート
・チャージャー)、帯電ローラを始めとする公知の手段
が用いられる。転写手段には、一般に上記の帯電器が使
用できるが、図に示されるように転写チャージャーと分
離チャージャーを併用したものが効果的である。画像露
光部15には390〜460nmの範囲に発振波長を有
するLDもしくはLEDが用いられる。本発明では最も
好ましい短波長光源は半導体レーザ(LD)である。L
EDアレーの場合は発光素子の集積度が解像性に直接関
与し、そこでは波長の影響をあまり受けない為に短波長
化の優位性が低いからである。しかしながら、本発明の
素子は390〜460nm領域の波長に合わせて設計さ
れているためこのようなレーザ以外の光源にももちろん
使用することができる。本発明の電子写真装置には、上
述の波長を有するレーザー光源が使用されるが、その像
露光手段による感光体上のビームスポット径は主走査方
向及び副走査方向の内短い方の長さが10μm〜40μ
mが好ましい。10μmより小さい場合は、短波長とい
えども光学系の設計が困難になり、光学部品の大型化や
コストアップが避けられなくなり、実用性が低くなる。
40μmを越える場合は、解像度が低下し、本発明の目
的である高解像な画像が得られなくなる。また、除電ラ
ンプ12等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、
ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、LED、L
D、エレクトロルミネッセンス素子(EL)などの発光
物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の
光のみを照射するために、シャープカットフィルター、
バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイ
クロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フ
ィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
かかる光源等は、図4に示される工程の他に、光照射を
併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、ある
いは前露光などの工程を設けた場合には、それらの各工
程において感光体に光を照射するために用いられる。
【0024】現像ユニット16により感光体11上に現
像されたトナーは、転写紙18に転写されるが、全部が
転写されるわけではなく、感光体11上に残存するトナ
ーも生ずる。このようなトナーは、ファーブラシ23お
よびクリーリングブラシ24により、感光体より除去さ
れる。クリーニングは、クリーニングブラシだけで行な
われることもあり、クリーニングブラシにはファーブラ
シ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いら
れる。電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光
を行うと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成
される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で
現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性
のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。かかる現
像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手
段にも公知の方法が用いられる。
【0025】図5に本発明による電子写真プロセスの別
の例を示す。この図において感光体31は本発明の感光
層を有しており、駆動ローラ32a、32bにより駆動
され、帯電器チャージャ33による帯電、光源34によ
る像露光、現像(図示せず)、転写チャージャ35を用
いる転写、光源36によるクリーニング前露光、ブラシ
37によるクリーニング、光源38による除電が繰返し
行なわれる。図5においては、感光体23(勿論この場
合は支持体が透光性である)に支持体側よりクリーニン
グ前露光の光照射が行なわれる。
【0026】以上に示した電子写真プロセスは、本発明
における実施形態を例示するものであって、もちろん他
の実施形態も可能である。例えば、図5において支持体
側よりクリーニング前露光を行っているが、これは感光
層側から行ってもよいし、また、像露光、除電光の照射
を支持体側から行ってもよい。一方、光照射工程は、像
露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されている
が、他に転写前露光、像露光のプレ露光、およびその他
公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行うこと
もできる。
【0027】以上に示すような画像形成手段は、複写装
置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれ
ていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装
置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジと
は、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手
段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1
つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状
等は多く挙げられるが、一般的な例として、図6に示す
ものが挙げられる。この図において感光体41として
は、導電性支持体上に感光層が積層された本発明の感光
体が用いられている。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて説明するが、
本発明が実施例により制約を受けるものではない。な
お、部はすべて重量部である。
【0029】実施例1 アルミ板上にY型オキソチタニウムフタロシアニン1.
5部およびビニルブチラール樹脂[ユニオンカーバイド
製XYHL]1部の0.5%酢酸ブチル溶液500部を
ボールミル中で粉砕混合し、支持体上にドクターブレー
ドで塗布し、自然乾燥して約0.3μmの電荷発生層を
形成した。次に、正孔輸送材料として下記構造式(A)
で示されるアミノビフェニル化合物4部、電子輸送材料
として下記構造式(B)で示されるオキサジアゾール化
合物6部とポリカーボネート樹脂[(株)帝人製パンラ
イトTS−2050]10部をテトラヒドロフランに溶
解し、この電荷輸送層塗工液を前記電荷発生層上にドク
ターブレード塗布し、80℃で2分間、ついで130℃
で20分間乾燥して厚さ約14μmの電荷輸送層を形成
した(感光体No.1)。なお、日立製分光光度計U3
300を用いて電荷輸送層膜の405nm波長単色光の
透過率を測定したところ84%であった。
【化29】
【化30】
【0030】次に、こうして得られた積層型電子写真感
光体の特性を調べるため、この感光体に静電複写紙試験
装置[(株)川口電機製作所製EPA8100型]を用
いて暗所で±6KVのコロナ放電を20秒間行って帯電
させた後、20秒間暗所に放置した後、表面電位Vo
(V)を測定した。ついで、405nmの波長光を感光
体表面での照度が2μW/cm2になるように照射し
て、Voが1/2になるまでの露光量E1/2(μJ/
cm2)および30秒間照射後の残留電位Vr(V)を
測定した。結果を表1に記す。
【0031】実施例2 実施例1で得られた感光体上にポリカーボネート樹脂
[(株)帝人製パンライトTS−2050]5部、フィ
ラーとしてアルミナ微粒子(住友化学社製AA03)2
部、BYK−P104 0.04部、正孔輸送材料とし
て前記構造式(A)で示されるアミノビフェニル化合物
1部、電子輸送材料として前記構造式(B)で示される
オキサジアゾール化合物1部、THF40部及びシクロ
ヘキサノン140部の保護層塗工液をドクターブレード
で塗布し、80℃で2分間、ついで130℃で20分間
乾燥して厚さ約2μmの保護層を形成し感光体を作成し
た。この保護層の405nmにおける透過率を測定した
ところ56%であった。実施例1と同様に操作して電子
写真特性を測定した。結果を表1に示す。
【0032】実施例3 アルキッド樹脂(ベッコゾール 1307−60−E
L、大日本インキ化学工業製)6部、メラミン樹脂(ス
ーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化
学工業製)4部、酸化チタン40部、メチルエチルケト
ン50部をボールミルにより粉砕し下引き層用塗工液を
作製した。この下引き層用塗工液をアルミ板にドクター
ブレードで塗布し、100℃で20分間乾燥して厚さ
3.5μmの下引き層を形成した。次に、電荷輸送材料
として下記構造式(C)で示されるα−フェニルスチル
ベン化合物3.5部、下記構造式(D)のインデン化合
物3.5部とポリカーボネート樹脂[(株)帝人製パン
ライトC−1400]10部をテトラヒドロフランに溶
解し、このホール輸送層塗工液を下引き層上にドクター
ブレードで塗布し、80℃で2分間、ついで130℃で
20分間乾燥して厚さ20μmの電荷輸送層を形成し
た。次いで下記構造式(E)で示されるビスアゾ化合物
7.5部およびフェノキシ樹脂[ユニオンカーバイト社
製PKHH]5.0部の1.5%メチルエチルケトン/
シクロヘキサノン(4/1)溶液833部をボールミル
中で粉砕混合し、得られた分散液を前記電荷輸送層上に
ドクターブレードで塗布し、100℃で10分間乾燥し
て厚さ0.2μmの電荷発生層を形成した。
【化31】
【0033】最後に、正孔輸送材料として下記構造式
(F)で示されるジエチルベンゼン化合物1部、電子輸
送材料として前記化2で示されるオキサジアゾール化合
物2部とバインダー樹脂としてポリカーボネート樹脂
((株)帝人製パンライトTS−2050)6部とシリ
カ微粒子[(株)信越化学社製KMPX100]2部を
テトラヒドロフランに溶解させ、電荷発生層上に塗布
し、130゜Cで20分間乾燥して厚さ約3μmの保護
層を形成した。この保護層の405nm光の透過率を測
定したところ75%であった。こうして感光体を作製し
た。実施例1と同様に操作して電子写真感光体特性を測
定した。結果を表1に記す。
【化32】 比較例1〜3 電子輸送材料を下記構造式(G)で示されるジフェノキ
ノン誘導体に代えた以外は実施例1、2及び3と同様に
操作して感光体を作製し、電子写真特性の測定を行っ
た。測定結果を表1に記した。これらの表面層の405
nm光の透過率を測定したところ、いずれも0%であっ
た。
【化33】
【0034】
【表1】
【0035】実施例4〜6 30φmmのアルミシリンダー上に実施例1〜3で使用
した塗工液を用いて、膜厚も同じ層構成の電子写真感光
体(実施例感光体4〜6)を作製した。得られた電子写
真感光体、帯電手段として帯電ローラ、像露光手段とし
て光源に発振波長405nmの半導体レーザを搭載しビ
ーム系をアパーチャーで調節できる光学系、現像手段と
して2成分の現像ユニット及びパターンジェネレーター
を取り付けた作像実験機により15μmのビーム系で得
られる孤立ドットを感光体上に形成させ、それを接着テ
ープに転写させ、CCDカメラにより読み取り、画像解
析した。感光体の初期暗部帯電電位は−700V、明部
電位−100V、現像バイアス−500Vで行い、トナ
ーは平均粒径5μm磁性トナーを使用した。孤立ドット
の形状、再現性を目視により評価した。また、上記の電
子写真感光体ドラムをリコー製Imagio MF22
00に装着し(ただし、画像露光光源を405nmに発
振波長を持つLDとした)、初期暗部表面電位−700
V、明部表面電位−100Vに設定して1万枚印刷後の
それぞれの表面電位を測定した。また1万枚印刷後の感
光体の減少膜厚を測定した。その結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】これらの結果から本発明の電子写真感光
体、電子写真装置は、ドットの再現性に優れ、さらには
繰り返し使用によっても安定した画像電位が得られるこ
とがわかる。またフィラーを含む保護層を施した感光体
は耐摩耗性に優れ、膜厚減少による帯電性の低下がほと
んど無い。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、微小ドットを再現性良
く画像形成することが出来、且つ優れた耐刷性を有する
ことから1200dpi又は2400dpiといった超
高解像度な画像を形成でき、且つ高耐久な部品交換頻度
の少ない両極性帯電可能な電子写真感光体、電子写真装
置、およびプロセスカートリッジを提供することが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】感光体の1つの例についての説明断面図を示
す。
【図2】感光体の他の例についての説明断面図を示す。
【図3】感光体のさらに他の例についての説明断面図を
示す。
【図4】電子写真装置の1つの例についての構成図を示
す。
【図5】電子写真装置の他の例についての構成図を示
す。
【図6】プロセスカートリッジの1つの例についての構
成図を示す。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 電荷発生層 3 電荷輸送層 4 表面保護層 11 感光体 12 除電ランプ 15 画像露光部 16 現像ユニット 18 転写紙 31 感光体 32a、32b 駆動ローラ 34 画像光源 41 感光体 44 画像露光部 45 現像ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/043 G03G 15/04 120 15/04 (72)発明者 南場 通彦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 河村 慎一 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H068 AA04 AA08 AA20 AA28 AA34 AA35 BA63 BA64 BB04 BB31 BB33 BB61 CA02 CA06 CA22 CA29 FB07 FB08 FC05 2H076 AB05 AB09 DA36

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光光源として発振波長が400〜45
    0nmの半導体レーザー光又は発光ダイオード光を使用
    する電子写真装置に搭載する電子写真感光体であって、
    該電子写真感光体が、導電性支持体上に形成された感光
    層を有し、且つ、該感光層中に正孔輸送材料と電子輸送
    材料との両者を含むことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 該感光層が、導電性支持体上に電荷発生
    層及び電荷輸送層をその順に積層した構造を有すること
    を特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 該電荷輸送層上に保護層を有することを
    特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 該感光層が、導電性支持体上に電荷輸送
    層、電荷発生層及び保護層をその順に積層した構造を有
    することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光
    体。
  5. 【請求項5】 該電荷発生層よりも上層の感光層が、半
    導体レーザー光又は発光ダイオード光の照射に対して5
    0%以上の透過率を示すことを特徴とする請求項2〜4
    のいずれかに記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 該電子輸送材料が、半導体レーザー光又
    は発光ダイオード光の発振波長±10nmの波長領域に
    おける膜スペクトルから求めた透過率が60%以上の電
    子輸送材料であることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れかに記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 該電荷発生層下面から感光層最表面まで
    の膜厚が4μm以上15μm以下である請求項2〜6の
    いずれかに記載の電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 該保護層が、正孔輸送材料、電子輸送材
    料及びフィラーを分散させて形成されていることを特徴
    とする請求項3〜7のいずれかに記載の電子写真感光
    体。
  9. 【請求項9】 該フィラーが、酸化チタン、酸化スズ、
    酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、窒化ケ
    イ素、酸化カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、コロイ
    ダルシリカ、アルミナ、カーボンブラック、フッ素系樹
    脂微粉末、ポリシロキサン系樹脂微粉末、ポリエチレン
    系樹脂微粉末及びコアーシェル構造を有するグラフト共
    重合体の中から選ばれる少なくとも1種の物質であるこ
    とを特徴とする請求項8に記載の電子写真感光体。
  10. 【請求項10】 電子写真感光体と、帯電手段、現像手
    段及びクリーニング手段の中から選ばれる少なくとも1
    つの手段を一体に構成し、かつ装置本体から着脱自在と
    したプロセスカートリッジにおいて、該感光体として、
    請求項1〜9のいずれかに記載の感光体を用いることを
    特徴とするプロセスカートリッジ。
  11. 【請求項11】 電子写真感光体、帯電手段、現像手
    段、転写手段及び400〜450nmの発振波長を有す
    る半導体レーザー又は発光ダイオードを使用した像露光
    手段を備えた電子写真装置において、該感光体として、
    請求項1〜9のいずれかに記載した感光体を用いること
    を特徴とする電子写真装置。
  12. 【請求項12】 該レーザー光又は発泡ダイオード光の
    主走査方向及び副走査方向のビーム径のうち短い方のビ
    ーム径が10〜40μmであることを特徴とする請求項
    11に記載の電子写真装置。
  13. 【請求項13】 請求項11に記載の電子写真装置を用
    い、帯電極性が正になるように電子写真感光体を帯電さ
    せ、像露光、現像及び転写を行うことを特徴とする電子
    写真方法。
  14. 【請求項14】 請求項11に記載の電子写真装置を用
    い、帯電極性が負になるように電子写真感光体を帯電さ
    せ、像露光、現像及び転写を行うことを特徴とする電子
    写真方法。
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