JP3875473B2 - 電子写真装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ等に使用される電子写真感光体を用いた電子写真装置に関し、詳しくは記録密度1200dot/inch以上の超高解像度で且つ異常画像等のない高画質な画像を出力できるよう設計された電子写真感光体を用いた電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式を用いた情報処理システム機の発展は目覚ましいものがある。特に、情報をデジタル信号に変換して光によって情報記録を行うデジタル記録方式を用いたプリンターは、そのプリント品質、信頼性において向上が著しい。また、このデジタル記録方式はプリンターのみならず通常の複写機にも応用され、所謂デジタル複写機が開発されている。更に、このデジタル複写機は、種々様々な情報処理機能が付加されるため、今後その需要性が益々高まっていくと予想される。
【0003】
しかし、現行の電子写真装置は画像処理による見掛けの解像度アップを除くと300〜600dpi程の実効解像度であり、写真調の画像としては十分ではない。従って、より高解像な電子写真装置が望まれており、それに向けた開発が行われている。解像度を上げるためには最小ドット径を小さくすることが有効であり、そのためにはよりビーム径を小さくした像露光手段と、小さな電位潜像を可能にする電子写真感光体と、それを再現性良く現像する現像手段が必要になる。
【0004】
ところが、これらを全て満足する電子写真装置は未だ開発されていない。像露光手段においては、従来小型で安価な信頼性の高い半導体レーザー(LD)や発光ダイオード(LED)が多く使われている。現在最もよく使われているLDの発振波長域は780〜800nm付近の近赤外光領域にある。そして、そのビームスポット径は約150〜50μm程度である。これを1200dpi相当のドット径約30μm又は2400dpi相当のドット径約15μmに絞り込むためには、超高精度な光学部品や大きな光学部材が必要になり、コスト的にも、スペース的にも実用化できるものではなかった。
【0005】
この解決のためには光源波長を短くすることが有効である。例えば、発振波長が従来からの近赤外域LDに比べ約半分近くとなる短波長LDを書込光源として用いた場合、下記式(1)で示されるように、感光体上におけるレーザービームのスポット径を理論上かなり小さくすることが可能である。従って、これらは潜像の書込密度すなわち解像度を上げることに、非常に有利なものである。
【数1】
d∝(π/4)(λf/D) (1)
(式中、dは感光体上のスポット径、λはレーザー光の波長、fはfθレンズの焦点距離、Dはレンズ径を、それぞれ示す。)
【0006】
しかし、青色領域の短波長半導体レーザは赤色〜近赤外領域の長波長半導体レーザに比べて開発が遅く、近年まで実用化にはほど遠い状態であった。そのため、デジタル複写機等には長波長半導体レーザが使用され、内蔵される電子写真感光体はその光源波長に合わせた開発がされてきている。近年、小型で性能に優れる青色半導体レーザが開発され、ようやく実用化されようとしている。この様な状況の下、超高解像な電子写真装置の書込光源としてその搭載に期待が持たれている。
【0007】
特開平5−19598号、特開平9−240051号、特開2000−105475号、特開2000−105476号、特開2000−105478号、特開2000−105479号各公報には、青色半導体レーザーを光源とした場合の電子写真装置、電子写真感光体が開示されている。しかしながら、青色波長に適合させた電子写真感光体や装置の開発は始められたばかりであり、本来の超高解像度で且つ高画質な画像出力の達成にはまだ多くの問題が残されている。
【0008】
例えば、本発明者らの検討によれば、短波長光を使用する最大の狙いである高解像で高画質な画像を得ようとすると、従来の開示例では達成が不十分であることがわかった。すなわち、最も広く普及している電荷発生層と電荷輸送層を有する積層型感光体において、通常適用されている電荷輸送層膜厚20〜30μmでは、光源のビーム径を小さくしても電荷輸送層内でキャリアの面内方向の拡散が起こり静電潜像が広がり、高解像な潜像形成が妨げられる。その防止のためには、電荷輸送層の膜厚をより薄膜化する必要があるが、感光層の膜厚が薄くなることによってその耐電圧性は弱くなり、基板等の不均一性や中間層の不均一性が原因で放電破壊が生じたりして黒ポチ等の異常画像が発生したり、光源波長が変わったことによる光学特性の変化によって光の反射、透過、吸収、屈折、散乱、干渉、回折等が変化し、それに付随したモアレ等の異常画像の問題が発生する。
また、わずかな膜厚ムラにおいても感光体表面の電位ムラにその影響が出やすく、ドット再現性を低下させる問題がある。更に、薄膜化することによって、耐摩耗性に対する感光体の寿命は短くなり、耐久性に劣るという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の実情に鑑みてなされてものであって、書込光源に短波長光を使用し、その書込光源波長においてドット再現性が良く、高解像度で黒ポチやモアレ等の異常画像のない高画質を達成するよう最適に設計され、また、耐久性にも優れるよう設計された、高寿命で高解像度で高画質な電子写真感光体を内蔵した電子写真装置を提供することを、その課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、特定の粒径及び粒子形状を持つフィラーを積層型電子写真感光体の電荷輸送層中に添加することにより、書込光源が390〜460nmの波長範囲の半導体レーザーの場合に、高解像度のドット再現性が優れ、且つ耐摩耗性にも優れ、高画質で高耐久な短波長対応電子写真感光体が提供でき、それを内蔵することによって高画質で高寿命な電子写真装置を提供できることを見出した。
【0011】
すなわち、本発明によれば、電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段及び像露光手段とを備えた電子写真装置であって、該像露光手段は390〜460nmの発振波長を有する半導体レーザーを使用しており、該電子写真感光体は導電性支持体上に直接又は中間層を介して電荷発生層、電荷輸送層を順次設けてなり、かつ該電荷輸送層が下記(a)、(b)、(c)及び(d)の要件を満たすことを特徴とする電子写真装置が提供される。
(a)該電荷輸送層は、少なくとも電荷輸送材料からなる層(第1の電荷輸送層)と、少なくともフィラー及び電荷輸送材料からなる層(第2の電荷輸送層)とをこの順に設けた積層で構成されること、
(b)該フィラーは、平均1次粒径が0.01μ m 以上0.5μ m 未満であり、且つ平均粒径が0.05μ m 以上0.5μ m 未満であること、
(c)該フィラーの分散状態は、1.0μ m の粒径を超える粒子の含有量が10%以下であること、
(d)該フィラーは、酸化チタン、シリカ、アルミナのうちのいずれか一種若しくは混合物であること。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下本発明について詳細に説明する。
図1に本発明における電子写真感光体の断面の概略を示す。図1においては、導電性支持体1上に電荷発生材料を主成分とする電荷発生層2と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層(第1の電荷輸送層)と、4フィラー及び電荷輸送材料を必須成分とする電荷輸送層(第2の電荷輸送層)6とが積層された構成をとっている。これら、電荷発生層2、電荷輸送層4、6には、感光体作成用塗工液の分散性及び感光層強度向上等の目的のためバインダー樹脂が含まれていてもよい。更に、導電性支持体1と電荷発生層2との間に帯電性向上、接着性向上若しくはレーザー書込光の干渉光によるモアレ画像防止などを目的として、中間層が形成されていてもよい。以上のように、いずれの構成においても最表層に本発明で規定するフィラーが含有されている必要がある。
【0019】
本発明の電荷輸送層4、6は、390〜460nm波長域範囲の単色光を透過するものである。そのため、これに用いられるバインダー樹脂としては、この波長域の光を透過するものである必要がある。例えば具体的に、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、水素化ノルボルネン樹脂等の熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0020】
中でも、バインダー樹脂が下記一般式(1)及び/又は(2)で示されるものが好適である。
【化1】
【化2】
【0021】
[上式中、R4、R5、R6、R7はそれぞれ独立して水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、ハロゲン原子又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。Xは脂肪族の2価基又は環状脂肪族の2価基を表す。Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表す。)、又は下記一般式(3)
【化3】
(式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R8、R9は置換若しくは無置換のアルキル基又はアリール基を表す。)を表す。ここで、R6とR7、R8とR9は、それぞれ同一でも異なってもよい。p、qは組成を表し0.1≦p≦1、0≦q≦0.9、nは繰り返し単位数を表し5〜5000の整数である。]
【0022】
具体的には以下の表1〜表4に示す構造のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
また、本発明の電荷輸送層に用いられる電荷輸送材料には、大きく分けて低分子型電荷輸送材料と高分子型電荷輸送材料が挙げられる。例えば、ポリ−N−カルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、及び以下の一般式で示される化合物がある。
【0028】
低分子型電荷輸送材料としては、以下の一般式(4)〜(12)で示される化合物又はそれらの混合物が具体例として挙げられる。
【0029】
【化4】
(式中、R1はメチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基又は2−クロルエチル基を表し、R2はメチル基、エチル基、ベンジル基又はフェニル基を表し、R3は水素原子、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基又はニトロ基を表す。)
【0030】
【化5】
(式中、Arはナフタレン環、アントラセン環、ピレン環若しくはそれらの置換体又はピリジン環、フラン環、チオフェン環を表し、Rはアルキル基、フェニル基又はベンジル基を表す。)
【0031】
【化6】
(式中、R1はアルキル基、ベンジル基、フェニル基又はナフチル基を表し、R2は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ジアラルキルアミノ基又はジアリールアミノ基を表し、nは1〜4の整数を表し、nが2以上のときはR2は同じでも異なっていても良い。R3は水素原子又はメトキシ基を表す。)
【0032】
【化7】
(式中、R1は炭素数1〜11のアルキル基、置換若しくは無置換のフェニル基又は複素環基を表し、R2、R3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、クロルアルキル基又は置換若しくは無置換のアラルキル基を表し、また、R2とR3は互いに結合し窒素を含む複素環を形成していても良い。R4は同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。)
【0033】
【化8】
(式中、R1は水素原子、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表し、R2及びR3はアルキル基、置換若しくは無置換のアラルキル基又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、R4は水素原子、低級アルキル基又は置換若しくは無置換のフェニル基を表し、また、Arは置換若しくは無置換のフェニル基又はナフチル基を表す。)
【0034】
【化9】
[式中、nは0又は1の整数、R1は水素原子、アルキル基又は置換若しくは無置換のフェニル基を表し、Ar1は置換若しくは無置換のアリール基を表し、R5は置換アルキル基を含むアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、Aは
【化10】
9−アントリル基又は置換若しくは無置換のカルバゾリル基を表し、ここでR2は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又は
【化11】
(ただし、R3及びR4はアルキル基、置換若しくは無置換のアラルキル基又は置換若しくは無置換のアリール基を示し、R3及びR4は同じでも異なっていてもよく、R4は環を形成しても良い)を表し、mが2以上の時はR2は同一でも異なっても良い。また、nが0の時、AとR1は共同で環を形成しても良い。]
【0035】
【化12】
(式中、R1は低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲン原子を表し、R2、R3は同じでも異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲン原子を表し、l、m、nは0〜4の整数を表す。)
【0036】
【化13】
(式中、R1、R3及びR4は水素原子、アミノ基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、メチレンジオキシ基、置換若しくは無置換のアルキル基、ハロゲン原子又は置換若しくは無置換のアリール基を、R2は水素原子、アルコキシ基、置換若しくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子を表す。ただし、R1、R2、R3及びR4はすべて水素原子である場合は除く。また、k、l、m及びnは1、2、3又は4の整数であり、それぞれが2、3又は4の整数の時は、前記R1、R2、R3及びR4は同じでも異なっていても良い。)
【0037】
【化14】
(式中、Arは置換基を有してもよい炭素数18個以下の縮合多環式炭化水素基を表し、また、R1及びR2は水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、アルコキシ基又は置換若しくは無置換のフェニル基を表し、それぞれ同じでも異なっていても良い。nは1又は2の整数を表す。)
【0038】
一般式(4)で表される化合物には、例えば、9−エチルカルバゾール−3−アルデヒド−1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、9−エチルカルバゾール−3−アルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、9−エチルカルバゾール−3−アルデヒド−1、1−ジフェニルヒドラゾンなどがある。
【0039】
一般式(5)で表される化合物には、例えば、4−ジエチルアミノスチリル−β−アルデヒド−1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、4−メトキシナフタレン−1−アルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾンなどがある。
【0040】
一般式(6)で表される化合物には、例えば、4−メトキシベンズアルデヒド−1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、2、4−ジメトキシベンズアルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1、1−ジフェニルヒドラゾン、4−メトキシベンズアルデヒド−1−(4−メトキシ)フェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド−1、1−ジフェニルヒドラゾンなどがある。
【0041】
また、一般式(7)で表される化合物には、例えば、1、1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、トリス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、1、1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、2,2’−ジメチル−4,4’−ビス(ジエチルアミノ)−トリフェニルメタンなどがある。
【0042】
一般式(8)で表される化合物には、例えば、4−ジフェニルアミノスチルベン、4−ジベンジルアミノスチルベン、4−ジトリルアミノスチルベン、1−(4−ジフェニルアミノスチリル)ナフタレン、1−(4−ジエチルアミノスチリル)ナフタレンなどがある。
【0043】
一般式(9)で表される化合物には、例えば、4’−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベン、4’−ビス(4−メチルフェニル)アミノ−α−フェニルスチルベンなどがある。
【0044】
一般式(10)で表されるベンジジン化合物には、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン、3,3’−ジメチル−N,N,N’,N’−テトラキス(3,4−ジメチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミンなどがある。
【0045】
一般式(11)で表されるビフェニリルアミン化合物には、例えば、4’−メトキシ−N,N−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン、4’−メチル−N,N−ビス(4−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン、4’−メトキシ−N,N−ビス(4−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン、N,N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4−アミンなどがある。
【0046】
また、一般式(12)で表されるトリアリールアミン化合物には、例えば、N,N−ジ(p−トリル)−1−ナフチルアミン、N,N−ジ(p−トリル)−1−フェナントリルアミン、9,9−ジメチル−2−(ジ−p−トリルアミノ)フルオレン、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−フェナントレン−9,10−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(3−メチルフェニル)−m−フェニレンジアミンなどがある。
【0047】
また、高分子型電荷輸送材料としては、下記一般式(13)〜(23)で示される高分子型電荷輸送材料、又はそれらの混合物が具体例として挙げられる。
【0048】
【化15】
【0049】
【化16】
【0050】
【化17】
【0051】
【化18】
【0052】
【化19】
【0053】
【化20】
【0054】
【化21】
【0055】
【化22】
【0056】
【化23】
【0057】
【化24】
【0058】
【化25】
【0059】
[式中、R11、R12、R13はそれぞれ水素原子、又は独立して置換若しくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、R10は水素原子又は置換若しくは無置換のアルキル基、R14、R15は置換若しくは無置換のアリール基、R16は水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基又は置換若しくは無置換のアリール基、Ar11、Ar12、Ar13、Ar18、Ar19、Ar20、Ar21、Ar22、Ar23、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、Ar28、Ar29は同一又は異なるアリレン基、p、qは組成を表し、0.1≦p≦1、0≦q≦0.9、nは繰り返し単位数を表し5〜5000の整数である。Wは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、又は下記一般式(24)で表される2価基を表す。
【化26】
(式中、R101、R102は各々独立して置換若しくは無置換のアルキル基、アリール基又はハロゲン原子を表す。Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表す。)]
【0060】
具体的には、下記表5〜表10に示すものが挙げられる。
【0061】
【表5】
【0062】
【表6】
【0063】
【表7】
【0064】
【表8】
【0065】
【表9】
【0066】
【表10】
【0067】
これら高分子輸送材料は単重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体の形式であるが、これらに限定されない。また、これらの低分子型電荷輸送材料と高分子型電荷輸送材料の混合物を電荷輸送材料として用いてもよい。
【0068】
フィラーの具体例としては、酸化チタン、シカ、アルミナの中のいずれか一種又は混合物を挙げることができる。
【0069】
これらフィラーは、分散性向上、表面性改質などの理由から無機物、有機物で表面処理されてもよい。一般に撥水性処理として、シランカップリング剤で処理したもの、あるいはふっ素系シランカップリング剤処理したもの、高級脂肪酸処理又は高分子材料などと共重合処理させたものが挙げられ、無機物処理としてはフィラー表面をアルミナ、ジルコニア、酸化錫、シリカ処理したものなどが挙げられる。
【0070】
フィラーは低分子電荷輸送材料、高分子電荷輸送材料及びバインダー樹脂、分散溶媒とともに粉砕、又はそのまま分散し、感光層として塗工される。形成した電荷輸送層中のフィラー含有量は5〜50重量%で、好ましくは10〜40重量%である。5重量%未満であると耐摩耗性の点で十分ではなく、50重量%超過であると電荷輸送層の透明性が損なわれ、感度低下を招くこととなる。
【0071】
また、フィラーの粒径は平均粒径で0.05μm以上0.5μm未満である。好ましくは0.08μm以上0.3μm未満である。0.05μmより小さい場合は、電荷輸送層の耐摩耗性を十分に挙げることができず、寿命の短い感光体となってしまう。また、0.5μm以上の場合は、390〜460nmといった短波長書込光の光散乱が大きくなり、書込光源のビーム径に対して潜像のドット径が大きくなって解像性を低めたり、1200dpi以上の高解像度域でのドット再現性が悪くなってしまう。
【0072】
この様に、短波長光を光源に使用する場合に、フィラーの粒径を一定以上大きくしすぎると光散乱や回折が起こりやすくなり、高解像度で高画質な画像が得られなくなる。しかしながら、フィラーの粒径を一定以上小さくしすぎるとフィラー添加による耐摩耗性の発現が弱くなり、薄膜の有機感光体を長寿命で使用することができなくなる。従って、高解像度・高画質と高耐久性を両立させるためにはフィラーの粒径を上記の範囲に収める必要がある。
【0073】
また、フィラーの粒が一次粒子で分散された場合と凝集体粒子として分散された場合では、同一粒径でも異なった摩耗性を示す。本発明者らの検討によると、凝集度が低い方が特性上好ましい結果を得た。その結果、平均粒径と平均一次粒径が近い方が良い。本発明ではそのためにフィラーの平均一次粒径を0.01μm以上0.5μm未満であると規定している。
【0074】
フィラーの平均一次粒径が0.01μmより小さい場合は、凝集度が高くなり、耐摩耗性が弱くなる。また、0.5μm以上の場合は、平均粒径がそれ以上となり、画像の劣化を起こす。
【0075】
また、粒子が凝集体から形成されている場合、感光体の経時使用やNOxガス曝露による電気的特性変化が大きいという欠点を有する。従って、耐摩耗性は良くても電気特性による劣化が起きて、高寿命の感光体が得られない。この点からもフィラーの平均一次粒径と平均粒径を上記範囲に設定することが必要である。
【0076】
なお、フィラーの平均粒径が上記範囲内であることに加えて、粒径の大きい粒子が多く存在すると、塗布状態で該大粒子が表面に頭出し、クリーニングブレードを傷つけクリーニング不良を発生し、画質が低下する恐れがある。従って、フィラーの分散状態において、フィラー中1.0μmの粒径を越える粒子の含有量が10%以下であるように分散されていることが好ましい。
【0077】
また、フィラーの形状は、長軸/短軸の比が1〜3であり、真球状から楕円球状が好ましい。長軸/短軸の比が3を越える場合は、高解像後のドット再現性と耐摩耗性の両立を図ることが困難となる。すなわち、フィラーの含有量を多くすると感光体の表面形状が不均一となり、高解像度のドット再現性を低下させ、フィラーの含有量を下げると耐摩耗性が落ち、両者を満足する領域が見つからない。
【0078】
分散溶媒としては、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンのケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族類、クロロベンゼン、ジクロルメタンなどのハロゲン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類が使用される。粉砕工程を加える場合は、ボールミル、サンドミル、振動ミルなどを用いる。
【0079】
電荷輸送材料の量は、バインダー樹脂1重量部に対し、0.2〜3重量部、好ましくは0.4〜1.5重量部が適当である。電荷輸送材料として高分子型電荷輸送材料を用いる場合には、バインダー樹脂が無くとも電荷輸送層を形成することができる。また、低分子型電荷輸送材料を用いる場合、バインダー樹脂の代わりに高分子型電荷輸送材料を用いることもできる。
【0080】
塗工方法としては、浸漬法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等が採用される。電荷輸送層の膜厚は、5〜30μm程度とすることが好ましい。より好ましくは5〜15μmである。また、電荷輸送層6の膜厚は0.5〜10μmで、好ましくは0.5〜5μmである。
【0081】
本発明において感光層中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、バインダー樹脂に対して0〜30重量%程度が適当である。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー又はオリゴマーが使用され、その使用量はバインダー樹脂に対して、0〜1重量%が適当である。
【0082】
導電性支持体1としては、アルミニウム、ニッケル、銅、チタン、金、ステンレス等の金属板、金属ドラム又は金属箔、アルミニウム、ニッケル、銅、チタン、金酸化錫、酸化インジウムなどを蒸着したプラスチックフィルムあるいは導電性物質を塗布した紙、プラスチックなどのフィルム又はドラム等が挙げられる。
【0083】
また、導電性基体上に形成させる中間層としては、一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、モアレ防止、抵抗値の最適化等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
【0084】
これらの中間層は、適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。更に、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の中間層には、Al23を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。中間層の膜厚は0〜10μmが適当であり好ましくは0.5〜5μmである。
【0085】
電荷発生層2は、電荷発生材料と適当な溶媒に、必要に応じてバインダー樹脂を加え溶解又は分散し、塗布して乾燥させることにより設けることができる。
【0086】
電荷発生層用分散液の分散方法としては、例えば、ボールミル、超音波、ホモミキサー等が挙げられ、また塗布手段としては、ディッピング塗工法、ブレード塗工法、スプレー塗工法等が挙げられる。
【0087】
電荷発生材料を分散し、感光層を形成する場合、層中への分散性を良くするために、その電荷発生材料は2μm以下、好ましくは1μm以下の平均粒径のものが好ましい。ただし、上記の粒径があまりに小さいとかえって凝集しやすく、層の抵抗が上昇したり、結晶欠陥が増えて感度及び繰り返し特性が低下したり、あるいは微細化する上で限界があるから、平均粒径の下限を0.01μmとするのが好ましい。電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
【0088】
電荷発生材料は、例えば以下に示す様な顔料が挙げられる。有機顔料としては、例えば、シーアイピグメントブルー25(カラーインデックスCI 21180)、シーアイピグメントレッド41(CI 21200)、シーアイアシッドレッド52(CI 45100)、シーアイベーシックレッド3(CI 45210)、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−95033号公報に記載)、ジスチリルベンゼン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−133445号公報に記載)、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−132347号公報に記載)、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−21728号公報に記載)、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−12742号公報に記載)、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−22834号公報に記載)、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−17733号公報に記載)、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−2129号公報に記載)、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−14967号公報に記載)、ベンズアントロン骨格を有するアゾ顔料などのアゾ顔料、また例えば、シーアイピグメントブルー16(CI74100)、オキソチタニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、シーアイバットブラウン5(CI73410)、シーアイバットダイ(CI73030)などのインジコ系顔料、アルゴスカーレットB(バイエル社製)、インタンスレンスカーレットR(バイエル社製)などのペリレン顔料などが挙げられる。なお、これらの電荷発生材料は単独で用いてもあるいは2種類以上を併用しても良い。
【0089】
電荷発生層の分散液あるいは溶液を調整する際に使用する溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼン、1、2ージクロルエタン、1、1、1ートリクロルエタン、ジクロルメタン、1、1、2ートリクロルエタン、トリクロルエチレン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジオキサン等を挙げることができる。
【0090】
バインダー樹脂としては、絶縁性がよい従来から知られているバインダー樹脂であれば何でも使用でき、特に限定はない。例えば、ポリエチレン、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリスチレン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリプロピレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、シリコン樹脂、メラミン樹脂等の付加重合型樹脂、重付加型樹脂、重縮合型樹脂、並びにこれらの樹脂の繰り返し単位のうち2つ以上を含む共重合体樹脂、例えば塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、スチレンーアクリル共重合体、塩化ビニルー酢酸ビニルー無水マレイン酸共重合体樹脂等の絶縁性樹脂のほか、ポリーNービニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。これらのバインダーは単独で又は2種類以上の混合物として用いることが出来る。バインダー樹脂の量は、電荷発生材料1重量部に対し0〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部が適当である。
【0091】
更に、上記感光層中には、帯電性の向上等を目的に、フェノール化合物、ハイドロキノン化合物、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、ヒンダードアミンとヒンダードフェノールが同一分子中に存在する化合物などを添加することが出来る。
【0092】
次に、図面を用いて本発明の電子写真方法並びに電子写真装置を詳しく説明する。
【0093】
図2は、本発明の電子写真プロセス、電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真装置を説明するための概略図であり、下記するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
【0094】
図2において、感光体1は導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層が順次積層された本発明の感光層が設けられている。感光体1はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。帯電チャージャ3、転写前チャージャ7、転写チャージャ10、分離チャージャ11、クリーニング前チャージャ13には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラを始めとする公知の手段が用いられる。
【0095】
転写手段には、一般に上記の帯電器が使用できるが、図に示されるように転写チャージャーと分離チャージャーを併用したものが効果的である。
【0096】
画像露光部5には、390〜460nmの範囲に発振波長を有するLD又はLEDが用いられる。また、除電ランプ2等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、LED、LD、エレクトロルミネッセンス素子(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。かかる光源等は、図2に示される工程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光が照射される。
【0097】
現像ユニット6により感光体1上に現像されたトナーは、転写紙9に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体1上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、ファーブラシ14及びブレード15により、感光体より除去される。クリーニングは、クリーニングブラシだけで行なわれることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
【0098】
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。
これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
【0099】
には、本発明による電子写真プロセスの別の例を示す。感光体21は本発明の感光層を有しており、駆動ローラ22a、22bにより駆動され、帯電器23による帯電、光源24による像露光、現像(図示せず)、帯電器25を用いる転写、光源26によるクリーニング前露光、ブラシ27によるクリーニング、光源28による除電が繰返し行なわれる。図においては、感光体21(勿論この場合は支持体が透光性である)に支持体側よりクリーニング前露光の光照射が行なわれる。
【0100】
以上の図示した電子写真プロセスは、本発明における実施形態を例示するものであって、もちろん他の実施形態も可能である。例えば、図においては支持体側よりクリーニング前露光を行っているが、これは感光層側から行ってもよいし、また、像露光、除電光の照射を支持体側から行ってもよい。
【0101】
一方、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、及びその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行なうこともできる。
【0102】
以上に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な例として、図に示すものが挙げられる。感光体16には、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層が順次積層された本発明の感光層が設けられている。
【0103】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明がこれら実施例により制約を受けるものではない。なお、部はすべて重量部である。
【0104】
(実施例1)
オイルフリーアルキッド樹脂
(大日本インキ化学社製:ベッコライトM6401) 1.5部
メラミン樹脂
(大日本インキ化学社製:スーパーベッカミンG−821) 1部
二酸化チタン
[石原産業(株)製:タイペークCR−EL] 5部
2−ブタノン 22.5部
の混合物をボールミルポットに取り、φ10mmのアルミナボールを使用し、48時間ボールミリングして中間層塗布液を調製した。この塗布液をアルミ・シリンダー上にディップ塗布後、130℃で20分間乾燥し、厚さ3.5μmの中間層を形成した。
【0105】
次に、Y型オキソチタニウムフタロシアニン1.5部及びビニルブチラール樹脂(ユニオンカーバイド社製XYHL)1部の0.5%酢酸ブチル溶液500部をボールミル中で粉砕混合し、前記中間層上にディッピング塗布し、自然乾燥して厚さ0.5μmの電荷発生層を形成した。次に、電荷輸送材料として下記構造式(25)で示されるアミノビフェニル化合物7部とポリカーボネート樹脂[(株)帝人製パンライトTS−2050]10部をテトラヒドロフランに溶解し、この電荷輸送層塗工液を前記電荷発生層上にディッピング塗布し、80℃で2分間、ついで130℃で20分間乾燥して厚さ13μmの電荷輸送層(第1の電荷輸送層)を形成した。
【0106】
【化27】
【0107】
次に、フィラーとして、酸化チタン微粒子(富士チタン工業社製TAF−1500S、平均1次粒子径0.025μm)2.5部、分散安定剤として、ビックケミー社製BYK−P1050.04部、シクロヘキサノン2.5部をボールミリングにより分散させ、ポリカーボネート樹脂[(株)帝人製パンライトTS−2050]5部、前記構造式(25)で示されるアミノビフェニル化合物3部、THF40部及びシクロヘキサノン138部の溶液を添加攪拌して電荷輸送層塗工液を作成した。この塗工液の一部を抽出し、フィラーの粒径を粒度分布測定装置(CAPA−500)により測定したところ、平均粒径は0.35μmであった。また、1μmより大きい粒子の体積分率は3%であった(表11参照)。この液を第1の電荷輸送層上にスプレー塗布し、80℃で2分間、ついで130℃で20分間乾燥して厚さ2μmの第2の電荷輸送層を形成し感光体を作成した。
【0108】
得られた電子写真感光体、帯電手段として帯電ローラ、像露光手段として光源に発振波長405nmの半導体レーザを搭載しビーム系をアパーチャーで調節できる光学系、現像手段として2成分の現像ユニット及びパターンジェネレーターを取り付けた作像実験機により、15μmのビーム系で得られる孤立ドットを感光体上に形成させ、それを接着テープに転写させ、CCDカメラにより読み取り、画像解析した。感光体の初期暗部帯電電位は−600V、明部電位−100Vで行い、トナーは平均粒径5μmの磁性トナーを使用した。孤立ドットの形状、再現性を目視により評価した。
【0109】
また、上記、電子写真感光体ドラムを図に示した電子写真プロセスに装着し[ただし、画像露光光源を405nmに発振波長を持つLDとした(ポリゴン・ミラーによる画像書込)]、テストチャートの画像評価を始めと1万枚印刷後に行い、異常画像等の発生状況を観察した。また、1万枚印刷後の感光体の減少膜厚を測定した。それらの結果を表12に示す。
【0110】
(実施例2〜7、比較例1〜6)実施例1において第2の電荷輸送層のフィラーを表11の様に変えた以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、評価した。それらの結果を、表12に示す。
【0111】
(比較例7)
第2の電荷輸送層を設けないこと以外は実施例1と同様にして感光体を作製し、評価した。その結果を表12に示す。
【0112】
【表11】
【0113】
【表12】
【0114】
これらの結果から、本発明の電子写真装置は、高解像度の微小ドットの再現性に優れ、繰り返し使用によっても膜削れが少なく、安定した高品質画像が得られることがわかる。
【0115】
【発明の効果】
以上のように、本発明では微小ドットを再現性良く画像形成することが出来、且つ優れた耐刷性を有することから、1200dpi又は2400dpiといった超高解像度な画像を形成でき、且つ小型で高速で部品交換頻度の少ない電子写真装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子写真感光体の1例の断面の概略図である。
【図2】 本発明の電子写真装置を説明するための概略図である。
【図3】 本発明の別の電子写真装置を説明するための概略図である。
【図4】 プロセスカートリッジの例を示す概略図である。
【符号の説明】
(図1)
1 導電性支持体
2 電荷発生層
4、6 電荷輸送層
(図
1 感光体
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ
4 イレーサ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャ
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 クリーニングブラシ
(図
21 感光体
22a、22b 駆動ローラ
23 帯電チャージャ
24 像露光源
25 転写チャージャ
26 クリーニング前露光
27 クリーニングブラシ
28 除電光源
(図
16 感光体
17 帯電チャージャ
18 クリーニングブラシ
19 画像露光部
20 現像ローラ

Claims (1)

  1. 電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段及び像露光手段とを備えた電子写真装置であって、該像露光手段は390〜460nmの発振波長を有する半導体レーザーを使用しており、該電子写真感光体は導電性支持体上に直接又は中間層を介して電荷発生層、電荷輸送層を順次設けてなり、かつ該電荷輸送層が下記(a)、(b)、(c)及び(d)の要件を満たすことを特徴とする電子写真装置。
    (a)該電荷輸送層は、少なくとも電荷輸送材料からなる層(第1の電荷輸送層)と、少なくともフィラー及び電荷輸送材料からなる層(第2の電荷輸送層)とをこの順に設けた積層で構成されること、
    (b)該フィラーは、平均1次粒径が0.01μ m 以上0.5μ m 未満であり、且つ平均粒径が0.05μ m 以上0.5μ m 未満であること、
    (c)該フィラーの分散状態は、1.0μ m の粒径を超える粒子の含有量が10%以下であること、
    (d)該フィラーは、酸化チタン、シリカ、アルミナのうちのいずれか一種若しくは混合物であること。
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