JP2009271341A - 有機感光体、画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents

有機感光体、画像形成方法および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】発振波長が350〜500nmの半導体レーザ又は発光ダイオードの像露光を用いて有機感光体上に高密度の静電潜像を形成する画像形成方に適し、感度が高く耐久性に優れ、画像再現性、画像再現安定性に優れる有機感光体、それを用いた画像形成方法および画像形成装置を提供する。
【解決手段】導電性支持体上に、電荷輸送物質を含有する感光層を有する有機感光体において、感光層が該電荷輸送物質として、特定のトリアリールアミン構造の化合物であって、AM−1パラメーターを使用した半経験的分子軌道計算を用いた構造最適化計算による、特定の4部位を有するビフェニル部分の2面角の計算値Dihedが、45°≦Dihed≦80°である化合物を含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に用いられる有機感光体、画像形成方法および画像形成装置に関し、更に詳しくは、複写機やプリンターの分野で用いられる電子写真方式の画像形成に用いられる有機感光体、画像形成方法および画像形成装置に関するものである。
近年、印刷分野やカラー印刷の分野において、電子写真方式の複写機やプリンタを使用される機会が増加している。該印刷分野やカラー印刷の分野においては、高画質のデジタルのモノクロ画像或いはカラー画像を求める傾向が強い。このような要求に対し、露光光源として短波長のレーザ光を用い、高精細のデジタル画像を形成することが提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、単に短波長レーザ光を用い、露光のドット径を絞り、電子写真感光体上に細密の静電潜像を形成しても、最終的に得られる電子写真画像の画質は、十分に高画質であるとはいえない。
その原因は、電子写真感光体の感光特性や現像剤のトナーの帯電特性等が細密なドット潜像の形成やトナー画像の形成に必要な特性を十分に備えていないことによる。
即ち、電子写真感光体としては、従来の長波長レーザ用に開発された有機感光体(以後、単に感光体とも云う)では、感度特性が劣り、短波長レーザ光を用いて露光のドット径を絞った像露光を行うと、ドット潜像が明瞭に形成されず、ドット画像の再現性が劣化しやすい。
一方、電子写真感光体としては、感光特性、機械的特性などを満足するために電荷発生層と電荷輸送層とを積層した機能分離型の電子写真感光体が用いられる場合が多い。
この場合、電荷輸送層においては、従来の有機感光体用に開発された電荷輸送物質は、300〜500nmの短波長光を吸収しやすく、その結果感度低下や残留電位の上昇等の電子写真特性の劣化を促進するという問題があった。
そして、短波長レーザ露光用の感光体の電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質としては、例えばトリフェニルアミン構造を有する電荷輸送物質などが知られている(特許文献2、3および4参照)。
しかしながら、これらのトリフェニルアミン構造を有する化合物を電荷輸送物質として用いても、感度が充分でない場合がある、耐久性が不充分であるといった問題があった。
特開2000−250239号公報 特開昭63−278065号公報 特開平7−261424号公報 特開2006−104183号公報
本発明の目的は、発振波長が350〜500nmの半導体レーザ又は発光ダイオードの像露光を用いて有機感光体上に高密度の静電潜像を形成する画像形成方に適し、感度が高く耐久性に優れ、画像再現性、画像再現安定性に優れる有機感光体、それを用いた画像形成方法および画像形成装置を提供することである。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
1.導電性支持体上に、電荷輸送物質を含有する感光層を有する有機感光体において、該感光層が該電荷輸送物質として、下記一般式(1)で表される化合物であって、AM−1パラメーターを使用した半経験的分子軌道計算を用いた構造最適化計算による、下記一般式(1)におけるA、B、C、Dを有するビフェニル部分の2面角の計算値Dihedが、45°≦Dihed≦80°である化合物を含有することを特徴とする有機感光体。
Figure 2009271341
[式中、RおよびRは、炭素数1〜5のアルキル基またはアルコキシ基を表わす。RおよびRは、置換、未置換の炭素数1〜5のアルキル基またはアルコキシ基を表す。nは0〜2の整数を表し、oは0〜3の整数を表す。lおよびmは、0〜5の整数を表す。A、B、CおよびDは、水素原子、置換、未置換の、アルキル基、アルコキシ基またはアリール基を表す。但し、A、B、CおよびDが同時に水素原子であることはない。]
2.前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする1に記載の有機感光体。
Figure 2009271341
[式中、R、R、R、およびRは、炭素数1〜5のアルキル基またはアルコキシ基を表わす。pは、0〜5の整数を表し、qは、0〜4の整数を表し、rは、0〜2の整数を表し、sは、0〜3の整数を表す。RおよびR10は、アルキル基又はアリール基表し、RとR10が結合して環構造を形成しても良い。A、B、CおよびDは前記一般式(1)におけるA、B、C、Dと同義である。但し、A、B、CおよびDが同時に水素原子であることはない。]
3.前記感光層が電荷発生物質を含有する電荷発生層および前記電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有することを特徴とする1または2に記載の有機感光体。
4.前記電荷発生物質が、多環キノン化合物であることを特徴とする3に記載の有機感光体。
5.前記電荷発生物質が、ペリレン系化合物であることを特徴とする3に記載の有機感光体。
6.1〜5のいずれか1項に記載の有機感光体上に、発振波長が350〜500nmである半導体レーザまたは発光ダイオードの光源を用いて静電潜像を形成する露光工程および、該静電潜像をトナー像に顕像化する現像工程を有することを特徴とする画像形成方法。
7.発振波長が350〜500nmである半導体レーザ又は発光ダイオードの光源を用いて静電潜像を形成する露光手段および、該静電潜像をトナー像に顕像化する現像手段を有する画像形成装置であって、6に記載の画像形成方法に用いられることを特徴とする画像形成装置。
本発明の上記構成により、発振波長が350〜500nmの半導体レーザ又は発光ダイオードの像露光を用いて有機感光体上に高密度の静電潜像を形成する画像形成方に適し、感度が高く耐久性に優れ、画像再現性、画像再現安定性に優れる有機感光体、それを用いた画像形成方法および画像形成装置が提供できる。
以下、本発明の有機感光体について、詳細に説明する。
本発明は、導電性支持体上に、電荷輸送物質を含有する感光層を有する有機感光体において、該感光層が該電荷輸送物質として、下記一般式(1)で表される化合物であって、AM−1パラメーターを使用した半経験的分子軌道計算を用いた構造最適化計算による、下記一般式(1)におけるA、B、C、Dを有するビフェニル部分の2面角の計算値Dihedが、45°≦Dihed≦80°である化合物(以下、本発明に係る化合物とも称する)を含有することを特徴とする。
本発明においては特に、感光層が電荷輸送物質として上記特定の化合物を含有することにより、感度が高く、耐久性に優れ、画像再現性、画像再現安定性に優れる有機感光体が提供できる。
本発明において、電荷輸送物質として用いられる化合物は、一般式(1)で表される基である化合物である。
(一般式(1)で表される化合物)
上記一般式(1)中、RおよびRは、炭素数1〜5のアルキル基またはアルコキシ基を表わす。RおよびRは、置換、未置換の炭素数1〜5のアルキル基またはアルコキシ基を表す。nは0〜2の整数を表し、oは0〜3の整数を表す。lおよびmは、0〜5の整数を表すA、B、CおよびDは、水素原子、置換、未置換の、アルキル基、アルコキシ基またはアリール基を表す。但し、A、B、CおよびDが同時に水素原子であることはない。
、Rにおけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基などが挙げられる。R〜Rにおけるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基などが挙げられる。
、Rにおけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。R〜Rにおけるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基などが挙げられる。またR、Rの置換アルキル基としては、フェニル置換アルキルなどが挙げられる。
A〜Dにおけるアルキル基、アルコキシ基またはアリール基の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基が挙げられる。
また、A〜Dにおけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシアルキル基、ベンジル基、フェネチル基等の置換アルキル基挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。アリール基としては、フェニル基が挙げられる。
本発明に係る化合物はさらに、AM−1パラメーターを使用した半経験的分子軌道計算を用いた構造最適化計算による、ビフェニル部分(A〜Dを有する)の2面角の計算値Dihedが、45°≦Dihed≦80°であることが必要である。
AM−1パラメーターを使用した半経験的分子軌道計算を用いた構造最適化計算による、上記一般式(1)におけるビフェニル部分の2面角の計算値Dihedとは下記に示したようにビフェニル上の原子1−2−3−4が結合している時に原子1−2−3を含む面Aと、原子2−3−4を含む面Bがなす角として定義され、原子2−3間の軸が回転する事によって変化する。
Figure 2009271341
本発明においては、感度、耐久性の面から上記2面計算値Dihedは、45°〜80°であることが必要であるが、45°〜60であることが特に好ましい。
一般式(1)で表される化合物の具体例を下記に挙げる。
Figure 2009271341
Figure 2009271341
Figure 2009271341
一般式(1)で表される化合物を合成するには、ジフェニルアミンとハロゲン化アリールを銅とアルカリを触媒としてウルマン反応にて反応させる方法や、パラジウム触媒を用いて鈴木カップリング法によって合成することができる。
一般式(2)で表される化合物
本発明においては、一般式(1)で表される化合物が、上記一般式(2)で表される化合物である場合も好ましい態様である。
一般式(2)中、R、R、RおよびRは、炭素数1〜5のアルキル基またはアルコキシ基を表わす。pは、0〜5の整数を表し、qは、0〜4の整数を表し、rは、0〜2の整数を表し、sは、0〜3の整数を表す。A、B、CおよびDは前記一般式(1)におけるA、B、C、Dと同義である。但し、A、B、CおよびDが同時に水素原子であることはない。
、R、R、Rにおける、アルキル基、アルコキシ基としては、R、Rにおけるアルキル基、アルコキシ基と同様のものを挙げることができる。
、R10に於けるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基などが挙げられ、R、R10が結合してなる環構造としては、シクロヘキシル基、シクロペンチル基などが挙げられる。またアリール基としては、フェニル基が挙げられる。
一般式(2)で表される化合物の具体例を下記に挙げる。
Figure 2009271341
Figure 2009271341
Figure 2009271341
Figure 2009271341
Figure 2009271341
Figure 2009271341
一般式(2)で表される化合物を合成するには、ビフェニル基を有するトリフェニルアミンを種々のケトン化合物と酸触媒にて反応することにより、合成する事ができる。また、下記一般式(3)で表されるジアミノ体とハロゲン化アリールを種々の合成法によって合成することもできる。
Figure 2009271341
一般式(3)中、Arは、置換基を有しても良いフェニル基又は、一般式(1)に於ける置換基を有するビフェニル基を表し、R11、R12は、一般式(2)のRおよびR10と同意義である。
本発明に係る化合物を電荷輸送物質として用いた感光体が、感度を高く、かつ良好な耐久性を有する理由は、以下のように推測される。
一般式(1)および(2)で表される化合物に於いて上記ビフェニル部分を有する事で強い蛍光を有することとなり吸収した光を蛍光発光する事でエネルギー放出をし、化合物自身の耐久性が向上する。しかしながら、上記文献4記載のビフェニル基では、吸収波長が長波長化し振動波長350nm〜500nmの半導体レーザー光を吸収してしまい、電荷発生層に届く光量が低下してしまう。上記ビフェニル部分の2つのフェニル基は、上記特定の位置関係にあり、かつ2つのフェニル基の、結合部からみて各々のo位に置換基を有する。このことにより、波長350nm〜500nmにおける吸収が減少される。それと同時に感光体に用いられる他の成分を含む層を形成した場合に、他の成分との相互作用により耐久性の良好な膜を形成するものと推測される。
本発明の有機感光体の構成について以下に記載する。
本発明において、有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能および電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機感光体を全て含有する。
本発明の有機感光体の構成は、上記一般式(1)で表される電荷輸送物質を含有する限り特に制限されるものではなく、例えば、以下に示すような構成が挙げられる;
1)導電性支持体上に感光層として電荷発生層および電荷輸送層を順次積層した構成;
2)導電性支持体上に感光層として電荷発生層、第1電荷輸送層および第2電荷輸送層を順次積層した構成;
3)導電性支持体上に感光層として電荷輸送材料と電荷発生材料とを含む単層を形成した構成;
4)導電性支持体上に感光層として電荷輸送層および電荷発生層を順次積層した構成;
5)上記1)〜4)の感光体の感光層上にさらに表面保護層を形成した構成。
本発明の有機感光体は、上記いずれの構成を有する場合であってもよい。
本発明では上記2)の構成が最も好ましく用いられる。即ち、感光層が電荷発生物質を含有する電荷発生層および電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有する前記構成1〜4が好ましい態様である。
尚、本発明の有機感光体は上記いずれの構成を有する場合であっても、導電性支持体上に感光層を形成するに先だって、下引層(中間層)を形成してもよい。
電荷輸送層とは、光露光により電荷発生層で発生した電荷キャリアを有機感光体の表面層に輸送する機能を有する層を意味し、該電荷輸送機能の具体的な検出は、電荷発生層と電荷輸送層を導電性支持体上に積層し、光導伝性を検知することにより確認することができる。
感光体の表面層とは、感光体が空気界面と接触する層であり、導電性支持体上に単層式の感光層のみが形成されている場合は当該感光層が表面層であり、導電性支持体上に単層式または積層式感光層と表面保護層とが積層されている場合は表面保護層が最表面層である。
次に、有機感光体の層構成を上記2)の構成を中心にして記載する。
(導電性支持体)
感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の方が好ましい。
円筒状導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度および振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
導電性の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗10Ωcm以下が好ましい。本発明に係る導電性支持体としては、アルミニウム支持体が最も好ましい。該アルミニウム支持体は、主成分のアルミニウム以外にマンガン、亜鉛、マグネシウム等の成分が混合したものも用いられる。
(中間層)
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、中間層を設けることが好ましい。
中間層にはN型半導性粒子を含有することが好ましい。該N型半導性粒子とは、主たる電荷キャリアが電子である粒子を意味する。すなわち、主たる電荷キャリアが電子であることから、該N型半導性粒子を絶縁性バインダーに含有させた中間層は、基体からのホール注入を効率的にブロックし、また、感光層からの電子に対してはブロッキング性が少ない性質を有する。
N型半導性粒子としては、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)が好ましく、特に酸化チタンが特に好ましく用いられる。
N型半導性粒子は数平均一次粒径が3.0〜200nmの範囲の微粒子を用いる。数平均一次粒径は、特に中間層バインダー中での粒子の分散の均一性、ドット画像の劣化防止の面から、5nm〜100nmが好ましい。
数平均一次粒径とは、微粒子を透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によってフェレ方向平均径としての測定値である。
前記酸化チタン粒子は、結晶形としては、アナターゼ形、ルチル形、ブルッカイト形およびアモルファス形等がある。これらの中でもルチル形酸化チタン顔料又はアナターゼ形酸化チタン顔料は、中間層を通過する電荷の整流性を高め、即ち、電子の移動性を高め、帯電電位を安定させ、残留電位の増大を防止すると共に、ドット画像の劣化を防止することができ、本発明のN型半導性粒子として最も好ましい。
N型半導性粒子はメチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体で表面処理されたものが好ましい。該メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体の分子量は1000〜20000のものが表面処理効果が高く、その結果、N型半導性粒子の整流性を高め、このN型半導性粒子を含有する中間層を用いることにより、黒ポチ発生が防止され、又、良好なドット画像の再現性に効果がある。
メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体とは−(HSi(CH)O)−の構造単位とこれ以外の構造単位(他のシロキサン単位のこと)の共重合体が好ましい。他のシロキサン単位としては、ジメチルシロキサン単位、メチルエチルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位およびジエチルシロキサン単位等が好ましく、特にジメチルシロキサンが好ましい。共重合体中のメチルハイドロジェンシロキサン単位の割合は10〜99モル%、好ましくは20〜90モル%である。
メチルハイドロジェンシロキサン共重合体はランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれでもよいがランダム共重合体およびブロック共重合体が好ましい。又、共重合成分としてはメチルハイドロジェンシロキサン以外に、一成分でも二成分以上でもよい。
中間層を形成するために調製する中間層塗布液は前記表面処理酸化チタン等のN型半導性粒子の他にバインダー樹脂、分散溶媒等から構成される。
N型半導性粒子の中間層中での比率は、中間層のバインダー樹脂との体積比(バインダー樹脂の体積を1とすると)で1.0〜2.0倍が好ましい。中間層中でこのような高密度で本発明のN型半導性粒子を用いることにより、中間層の整流性が高まり、膜厚を厚くしても残留電位の上昇やドット画像の劣化を効果的に防止でき、良好な有機感光体を形成することができる。又、このような中間層はバインダー樹脂100体積部に対し、N型半導性粒子を100〜200体積部を用いることが好ましい。
一方、これらの粒子を分散し、中間層の層構造を形成するバインダー樹脂としては、粒子の良好な分散性を得る為にポリアミド樹脂が好ましいが、特に以下に示すポリアミド樹脂が好ましい。
中間層のバインダー樹脂としてはアルコール可溶性ポリアミド樹脂が好ましい。有機感光体の中間層のバインダー樹脂としては、中間層を均一な膜厚で形成するために、溶媒溶解性の優れた樹脂が必要とされている。このようなアルコール可溶性のポリアミド樹脂としては、前記した6−ナイロン等のアミド結合間の炭素鎖の少ない化学構造から構成される共重合ポリアミド樹脂やメトキシメチル化ポリアミド樹脂が知られているが、これらの樹脂は吸水率が高く、このようなポリアミドを用いた中間層は温湿度依存性が高くなる傾向にあり、その結果、たとえば高温高湿や低温低湿下の帯電特性や感度等が変化しやすく、転写メモリーの発生等を起しやすい。
アルコール可溶性ポリアミド樹脂には、上記のような欠点を改良し、融解熱0〜40J/gで、且つ吸水率5質量%以下の特性を与えることにより、従来のアルコール可溶性ポリアミド樹脂の欠点を改良し、外部環境が変化しても、又有機感光体の長時間連続使用を行っても、良好な電子写真画像を得ることができる。
以下、融解熱0〜40J/gで、且つ吸水率5質量%以下の特性を有するアルコール可溶性ポリアミド樹脂について説明する。
前記アルコール可溶性ポリアミド樹脂としては、アミド結合間の炭素数が7〜30の繰り返し単位構造を全繰り返し単位構造の40〜100モル%含有するポリアミド樹脂が好ましい。
ここで、アミド結合間の炭素数が7〜30の繰り返し単位構造について説明する。前記繰り返し単位構造とはポリアミド樹脂を形成するアミド結合単位を意味する。このことを、繰り返し単位構造がアミノ基とカルボン酸基の両方を持つ化合物の縮合により形成されるポリアミド樹脂(タイプA)と、ジアミノ化合物とジカルボン酸化合物の縮合で形成されるポリアミド樹脂(タイプB)の両方の例で説明する。
即ち、タイプAの繰り返し単位構造は一般式(5)で表され、Xに含まれる炭素数が繰り返し単位構造におけるアミド結合単位の炭素数である。一方タイプBの繰り返し単位構造は一般式(6)で表され、Yに含まれる炭素数もZに含まれる炭素数も、各々繰り返し単位構造におけるアミド結合単位の炭素数である。
Figure 2009271341
一般式(5)中、Rは水素原子、置換又は無置換のアルキル基、Xは置換又は無置換の、アルキレン基、2価のシクロアルカンを含む基、2価の芳香族基およびこれらの混合構造を示し、lは自然数を示す。
Figure 2009271341
一般式(6)中、R、Rは各水素原子、置換又は無置換のアルキル基、Y、Zは各置換又は無置換の、アルキレン基、2価のシクロアルカンを含む基、2価の芳香族基およびこれらの混合構造を示し、m、nは自然数を示す。
前記のごとく、炭素数が7〜30の繰り返し単位構造は置換又は無置換の、アルキレン基、2価のシクロアルカンを含む基、2価の芳香族基およびこれらの混合構造を有する化学構造等が挙げられるが、これらの中で2価のシクロアルカンを含む基を有する化学構造が好ましい。
上記ポリアミド樹脂は繰り返し単位構造のアミド結合間の炭素数が7〜30であるが、繰り返し使用時の電位の湿度依存性などの電子写真特性、黒ポチの発生による画像欠陥の発生のしやすさ、ポリアミド樹脂の塗布溶媒への溶解性などの面から、好ましくは9〜25、更には11〜20が良い。またアミド結合間の炭素数が7〜30の繰り返し単位構造が全繰り返し単位構造中に占める比率は40〜100モル%、好ましくは60〜100モル%、更には80〜100モル%が良い。
本発明の好ましいポリアミド樹脂としては下記一般式(7)で示される繰り返し単位構造を有するポリアミド樹脂が挙げられる。
Figure 2009271341
一般式(7)中、Yは2価のアルキル置換されたシクロアルカンを含む基、Zはメチレン基、mは1〜3、nは3〜20を示す。
上記一般式(7)中、Yの2価のアルキル置換されたシクロアルカンを含む基は下記化学構造が好ましい。即ち、Yが下記化学構造単位を有する本発明のポリアミド樹脂は、黒ポチやドット画像の劣化に対する防止効果が大きく、好ましい。
Figure 2009271341
上記化学構造において、Aは単結合、炭素数1〜4のアルキレン基を示し、Rは置換基で、アルキル基を示し、pは1〜5の自然数を示す。但し、複数のRは同一でも、異なっていても良い。
上記ポリアミド樹脂の具体例としては下記のような例が挙げられる。
Figure 2009271341
Figure 2009271341
Figure 2009271341
上記具体例中の()内の%は繰り返し単位構造のアミド結合間の炭素数が7以上の繰り返し単位構造の比率(モル%)を示す。
上記具体例の中でも、一般式(7)の繰り返し単位構造を有するN−1〜N−4のポリアミド樹脂が特に好ましい。
又、上記ポリアミド樹脂の分子量は数平均分子量で5,000〜80,000が好ましく、10,000〜60,000がより好ましい。数平均分子量が5,000以下だと中間層の膜厚の均一性が劣化し、本発明の効果が十分に発揮されにくい。一方、80,000より大きいと、樹脂の溶媒溶解性が低下しやすく、中間層中に凝集樹脂が発生しやすく、黒ポチの発生やドット画像の劣化を起こしやすい。
上記ポリアミド樹脂はその一部が既に市販されており、例えばダイセル・デグサ(株)社製のベスタメルトX1010、X4685等の商品名で販売されて、一般的なポリアミドの合成法で作製することができるが、以下に合成例の一例を挙げる。
上記ポリアミド樹脂を溶解し、塗布液を作製する溶媒としては、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数2〜4のアルコール類が好ましく、ポリアミドの溶解性と作製された塗布液の塗布性の点で優れている。これらの溶媒は全溶媒中に30〜100質量%、好ましくは40〜100質量%、更には50〜100質量%が好ましい。前記溶媒と併用し、好ましい効果を得られる助溶媒としては、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、メチレンクロライド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
中間層の膜厚は、黒ポチ発生防止、残留電位の上昇によるドット画像劣化防止等の面から、0.3〜10μmが好ましく、0.5〜5μmがより好ましい。
又、上記中間層は実質的に絶縁層であることが好ましい。ここで絶縁層とは、体積抵抗が1×10以上である。本発明の中間層および保護層の体積抵抗は、電荷ブロッキング性の低下による黒ポチの発生防止、有機感光体の電位保持性の劣化による画質低下、繰り返し画像形成で残留電位の増大による画質低下防止の面から、1×10〜1015Ω・cmが好ましく、1×10〜1014Ω・cmがより好ましく、更に好ましくは、2×10〜1×1013Ω・cmである。体積抵抗は下記のようにして測定できる。
測定条件;JIS:C2318−1975に準ずる。
測定器:三菱油化社製Hiresta IP
測定条件:測定プローブ HRS
印加電圧:500V
測定環境:30±2℃、80±5RH%
(感光層)
本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をとるのがよい。
機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取ることが好ましい。
以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成について説明する。
(電荷発生層)
本発明の有機感光体には、電荷発生物質(CGM)として350nm〜500nmの波長領域に高感度特性を有する電荷発生物質を用いることが好ましい。このような電荷発生物質としてはアゾ顔料、ペリレン顔料などのペリレン系化合物、多環キノン顔料などの多環キノン系化合物等が挙げられるが、特に多環キノン系化合物、ペリレン系化合物が好ましく用いられる。
本発明において、多環キノリン化合物とは、アンスアンスロン、ピランスロン、ビオランスロン、イソビオランスロン、ジフタロイルピレン、ジナフトピレンキノン等をいう。
また、ペリレン系化合物とは、ペリレンまたはビスペリレン骨格を有するペリレン誘導体をいう。
本発明においては、これらの顔料を併用して用いることができる。本発明に好ましく用いられる顔料化合物を下記に例示する。
Figure 2009271341
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電荷発生層は、CGMの分散媒としてバインダーを用いることが好ましい。バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。
バインダーと電荷発生物質との割合は、バインダー100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.3μm〜2μmが好ましい。
(電荷輸送層)
本発明において電荷輸送層は、単層であっても複数の電荷輸送層から構成されてもよい。複数の電荷輸送層から構成される場合、最上層の電荷輸送層は無機微粒子を含有する構成が好ましい。
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)およびCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により前記した無機微粒子、酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
電荷輸送物質(CTM)としては、上記一般式(1)で表される基を有する本発明に係る化合物が用いられるが、これ以外に、公知の正孔輸送性(P型)の電荷輸送物質(CTM)を併用してもよい。例えば上記本発明に係る化合物以外のトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。
電荷輸送層(CTL)に用いられるバインダー樹脂としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂いずれの樹脂かを問わない。例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。これらの中で吸水率が小さく、CTMの分散性、電子写真特性が良好なポリカーボネート樹脂が最も好ましい。
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し50〜200質量部が好ましい。
電荷輸送層の合計膜厚は、ドット再現性の劣化防止の面から、10〜25μmが好ましい。また、表面層となる電荷輸送層の膜厚は1.0〜8.0μmであることが好ましい。
中間層、電荷発生層、電荷輸送層等の層形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン等の地球環境に優しい溶媒が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
次に有機感光体を製造するための塗布加工方法としては、スライドホッパー型塗布装置の他に、浸漬塗布、スプレー塗布等の塗布加工法が用いられる。また表面層の形成には円形スライドホッパー型塗布装置を用いるのが最も好ましい。
上記塗布液供給型の塗布装置の中でもスライドホッパー型塗布装置を用いた塗布加工方法は、前記した低沸点溶媒を用いた分散液を塗布液として用いる場合に最も適しており、円筒状の感光体の場合は特開昭58−189061号公報等に詳細に記載されている円形スライドホッパー型塗布装置等を用いて塗布することが好ましい。
円形スライドホッパー型塗布装置を用いる塗布方法では、スライド面終端と基材は、ある間隙(約2μm〜2mm)を持って配置されているため基材を傷つける事なく、また性質の異なる層を多層形成させる場合においても、既に塗布された層を損傷することなく塗布できる。更に性質が異なり同一溶媒に溶解する層を多層形成させる際にも、浸漬塗布方法と比べて溶媒中に存在する時間がはるかに短いので、下層成分が上層側へ殆ど溶出せず、塗布槽にも溶出することなく塗布できるので、本発明の無機微粒子の分散性を劣化させずに塗布することができる。
又、本発明の感光体の表面層には、画像ボケ防止の面から、酸化防止剤を含有させることが好ましい。表面層は感光体の帯電時の活性ガス、例えばNOxやオゾン等で酸化されやすく、画像ボケが発生しやすいが、酸化防止剤を共存させることにより、画像ボケの発生を防止することができる。
酸化防止剤とは、その代表的なものは有機感光体中ないしは有機感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。代表的には下記の化合物群が挙げられる。
Figure 2009271341
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中間層、電荷発生層、電荷輸送層等の層形成に用いられる溶媒または分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独あるいは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
次に、本発明に係わる有機感光体を用いた画像形成装置について説明する。
図1に示す画像形成装置1は、デジタル方式による画像形成装置であって、画像読取り部A、画像処理部B、画像形成部C、転写紙搬送手段としての転写紙搬送部Dから構成されている。
画像読取り部Aの上部には原稿を自動搬送する自動原稿送り手段が設けられていて、原稿載置台11上に載置された原稿は原稿搬送ローラ12によって1枚宛分離搬送され読み取り位置13aにて画像の読み取りが行われる。原稿読み取りが終了した原稿は原稿搬送ローラ12によって原稿排紙皿14上に排出される。
一方、プラテンガラス13上に置かれた場合の原稿の画像は走査光学系を構成する照明ランプおよび第1ミラーから成る第1ミラーユニット15の速度vによる読み取り動作と、V字状に位置した第2ミラーおよび第3ミラーから成る第2ミラーユニット16の同方向への速度v/2による移動によって読み取られる。
読み取られた画像は、投影レンズ17を通してラインセンサである撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCD上に結像されたライン状の光学像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換されたのちA/D変換を行い、画像処理部Bにおいて濃度変換、フィルタ処理などの処理が施された後、画像データは一旦メモリに記憶される。
画像形成部Cでは、画像形成ユニットとして、像担持体であるドラム状の感光体21と、その外周に、該感光体21を帯電させる帯電手段(帯電工程)22、帯電した感光体の表面電位を検出する電位検出手段220、現像手段(現像工程)23、転写手段(転写工程)である転写搬送ベルト装置45、前記感光体21のクリーニング装置(クリーニング工程)26および光除電手段(光徐電工程)としてのPCL(プレチャージランプ)27が各々動作順に配置されている。また、現像手段23の下流側には感光体21上に現像されたパッチ像の反射濃度を測定する反射濃度検出手段222が設けられている。感光体21には、本発明の有機感光体を使用し、図示の時計方向に駆動回転される。
回転する感光体21へは帯電手段22による一様帯電がなされた後、像露光手段(像露光工程)30としての露光光学系により画像処理部Bのメモリから呼び出された画像信号に基づいた像露光が行われる。書き込み手段である像露光手段30としての露光光学系は図示しないレーザダイオードを発光光源とし、回転するポリゴンミラー31、fθレンズ34、シリンドリカルレンズ35を経て反射ミラー32により光路が曲げられ主走査がなされるもので、感光体21に対してAoの位置において像露光が行われ、感光体21の回転(副走査)によって静電潜像が形成される。本実施の形態の一例では文字部に対して露光を行い静電潜像を形成する。
本発明の画像形成装置においては、感光体上に静電潜像を形成するに際し、発振波長が350〜500nmの半導体レーザ又は発光ダイオードを像露光光源として用いる露光手段を有する。これらの像露光光源を用いて、書込みの主査方向の露光ドット径を10〜50μmに絞り込み、有機感光体上にデジタル露光を行うことにより、600dpi(dpi:2.54cm当たりのドット数)以上から2500dpiの高解像度の電子写真画像を得ることができる。
前記露光ドット径とは該露光ビームの強度がピーク強度の1/e以上の領域の主走査方向にそった露光ビームの長さ(Ld:長さが最大位置で測定する)を云う。
用いられる光ビームとしては半導体レーザを用いた走査光学系およびLEDの固体スキャナー等があり、光強度分布についてもガウス分布およびローレンツ分布等があるがそれぞれのピーク強度の1/e以上の領域を本発明に係わる露光ドット径とする。
本発明の画像形成装置においては、静電潜像をトナー像に顕像化する現像手段を有する。感光体21上の静電潜像は現像手段23によって反転現像が行われ、感光体21の表面に可視像のトナー像が形成される。
本発明の画像形成方法では、該現像手段に用いられる現像剤には重合トナーを用いることが好ましい。形状や粒度分布が均一な重合トナーを本発明に係わる有機感光体と併用することにより、より鮮鋭性が良好な電子写真画像を得ることができる。
転写紙搬送部Dでは、画像形成ユニットの下方に異なるサイズの転写紙Pが収納された転写紙収納手段としての給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)が設けられ、また側方には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット42が設けられていて、それらの何れかから選択された転写紙Pは案内ローラ43によって搬送路40に沿って給紙され、給紙される転写紙Pの傾きと偏りの修正を行う対の給紙レジストローラ44によって転写紙Pは一時停止を行ったのち再給紙が行われ、搬送路40、転写前ローラ43a、給紙経路46および進入ガイド板47に案内され、感光体21上のトナー画像が転写位置Boにおいて転写極24および分離極25によって転写搬送ベルト装置45の転写搬送ベルト454に載置搬送されながら転写紙Pに転写され、該転写紙Pは感光体21面より分離し、転写搬送ベルト装置45により定着手段50に搬送される。
定着手段50は定着ローラ51と加圧ローラ52とを有しており、転写紙Pを定着ローラ51と加圧ローラ52との間を通過させることにより、加熱、加圧によってトナーを定着させる。トナー画像の定着を終えた転写紙Pは排紙トレイ64上に排出される。
以上は転写紙の片側への画像形成を行う状態を説明したものであるが、両面複写の場合は排紙切換部材170が切り替わり、転写紙案内部177が開放され、転写紙Pは破線矢印の方向に搬送される。
更に、搬送機構178により転写紙Pは下方に搬送され、転写紙反転部179によりスイッチバックさせられ、転写紙Pの後端部は先端部となって両面複写用給紙ユニット130内に搬送される。
転写紙Pは両面複写用給紙ユニット130に設けられた搬送ガイド131を給紙方向に移動し、給紙ローラ132で転写紙Pを再給紙し、転写紙Pを搬送路40に案内する。
再び、上述したように感光体21方向に転写紙Pを搬送し、転写紙Pの裏面にトナー画像を転写し、定着手段50で定着した後、排紙トレイ64に排紙する。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、およびクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
図2は、本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21および定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段(帯電工程)2Y、露光手段(露光工程)3Y、現像手段(現像工程)4Y、一次転写手段(一次転写工程)としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkを中心に、回転する帯電手段2Y、2M、2C、2Bkと、像露光手段3Y、3M、3C、3Bkと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4Bk、および、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkをクリーニングするクリーニング手段5Y、5M、5C、5Bkより構成されている。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体ドラム1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、単に帯電手段2Y、あるいは、帯電器2Yという)、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Y(以下、単にクリーニング手段5Y、あるいは、クリーニングブレード5Yという)を配置し、感光体ドラム1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体ドラム1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体ドラム1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられている。
像露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体ドラム1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子(商品名;セルフォックレンズ)とから構成されるもの、あるいは、レーザ光学系などが用いられる。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)として一体に結合して構成し、この画像形成ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、およびクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)を形成し、装置本体に着脱自在の単一画像形成ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての転写材Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5bに搬送され、転写材P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材等の感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体と云う。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5bにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは常時、感光体1Bkに当接している。他の一次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに当接する。
二次転写ローラ5bは、ここを転写材Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、およびクリーニング手段6bとから成る。
次に図3は本発明の有機感光体を用いたカラー画像形成装置(少なくとも有機感光体の周辺に帯電手段、露光手段、複数の現像手段、転写手段、クリーニング手段および中間転写体を有する複写機あるいはレーザビームプリンタ)の構成断面図である。ベルト状の中間転写体70は中程度の抵抗の弾性体を使用している。
1は像形成体として繰り返し使用される回転ドラム型の感光体であり、矢示の反時計方向に所定の周速度をもって回転駆動される。
感光体1は回転過程で、帯電手段(帯電工程)2により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の像露光手段(像露光工程)3により画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザビームによる走査露光光等による画像露光を受けることにより目的のカラー画像のイエロー(Y)の色成分像(色情報)に対応した静電潜像が形成される。
次いで、その静電潜像がイエロー(Y)の現像手段:現像工程(イエロー色現像器)4Yにより第1色であるイエロートナーにより現像される。この時第2〜第4の現像手段(マゼンタ色現像器、シアン色現像器、ブラック色現像器)4M、4C、4Bkの各現像器は作動オフになっていて感光体1には作用せず、上記第1色目のイエロートナー画像は上記第2〜第4の現像器により影響を受けない。
中間転写体70はローラ79a、79b、79c、79d、79eで張架されて時計方向に感光体1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
感光体1上に形成担持された上記第1色目のイエロートナー画像が、感光体1と中間転写体70とのニップ部を通過する過程で、1次転写ローラ5aから中間転写体70に印加される1次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写体70の外周面に順次中間転写(1次転写)されていく。
中間転写体70に対応する第1色のイエロートナー画像の転写を終えた感光体1の表面は、クリーニング装置6aにより清掃される。
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のクロ(ブラック)トナー画像が順次中間転写体70上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した重ね合わせカラートナー画像が形成される。
2次転写ローラ5bで、2次転写対向ローラ79bに対応し平行に軸受させて中間転写体70の下面部に離間可能な状態に配設してある。
感光体1から中間転写体70への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための1次転写バイアスはトナーとは逆極性で、バイアス電源から印加される。その印加電圧は、例えば+100V〜+2kVの範囲である。
感光体1から中間転写体70への第1〜第3色のトナー画像の1次転写工程において、2次転写ローラ5bおよび中間転写体クリーニング手段6bは中間転写体70から離間することも可能である。
ベルト状の中間転写体70上に転写された重ね合わせカラートナー画像の第2の画像担持体である転写材Pへの転写は、2次転写ローラ5bが中間転写体70のベルトに当接されると共に、対の給紙レジストローラ23から転写紙ガイドを通って、中間転写体70のベルトに2次転写ローラ5bとの当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送される。2次転写バイアスがバイアス電源から2次転写ローラ5bに印加される。この2次転写バイアスにより中間転写体70から第2の画像担持体である転写材Pへ重ね合わせカラートナー画像が転写(2次転写)される。トナー画像の転写を受けた転写材Pは定着手段24へ導入され加熱定着される。
本発明の画像形成装置は電子写真複写機、レーザプリンター、LEDプリンターおよび液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版およびファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。尚、下記文中「部」とは「質量部」を表す。
実施例1
感光体1の作製
下記の様に感光体1を作製した。
中間層
洗浄済み円筒状アルミニウム基体(切削加工により十点表面粗さRz:0.81μmに加工した)上に、下記中間層塗布液を浸漬塗布法で塗布し、120℃30分で乾燥し、乾燥膜厚5μmの中間層を形成した。
(中間層塗布液の調製)
下記中間層分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュフィルター公称濾過精度:5ミクロン、圧力;50kPa)し、中間層塗布液を調製した。
(中間層分散液の調製)
バインダー樹脂:(例示ポリアミドN−1) 1部
ルチル形酸化チタン(一次粒径35nm;末端に水酸基を有するジメチルポリシロキサンで表面処理を行ない、疎水化度を33に調製した酸化チタン顔料)
5.6部
エタノール/n−プロピルアルコール/THF(=45/20/30質量比)10部
上記成分を混合し、サンドミル分散機を用い、10時間、バッチ式にて分散して、中間層分散液を調製した。
電荷発生層:CGL
電荷発生物質(CGM):例示化合物CGM1−6 24部
ポリビニルブチラール樹脂「エスレックBL−1」(積水化学社製) 12部
2−ブタノン/シクロヘキサノン=4/1(v/v) 300部
上記組成物を混合し、サンドミルを用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.5μmの電荷発生層を形成した。
電荷輸送層(CTL)
電荷輸送物質(例示化合物CTM1) 225部
ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 300部
酸化防止剤(例示化合物AO−1) 3部
ジクロロメタン 2000部
シリコンオイル(KF−96:信越化学社製) 1部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液1を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、120℃70分の乾燥を行い、乾燥膜厚20.0μmの電荷輸送層を形成し、感光体1を作製した。
感光体2〜16の作製
感光体1の作製において、電荷発生物質、電荷輸送物質を表1のように変化させた以外は感光体1と同様にして感光体2〜16を作製した。
Figure 2009271341
Figure 2009271341
《感光体の評価》
作製した感光体について、下記のようにして、感度、繰り返し特性、電位安定性および画像評価(1ドットライン、2ドットライン)の評価を行った。
(感度)
基本的に図1の構成を有するデジタル複写機bizhub920(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)改造機(像露光光源に405nmの半導体レーザを使用、ビーム径30μmで、1200dpiの露光を行うプロセス条件に改造、更に表面電位計にて感光体表面の電位を測定可能なように改造した。)を用い、感光体の表面電位を−700Vになるように帯電し、露光して、表面電位が−350Vまで減衰するのに必要な光量を測定し、感度(E1/2)を求めた。
同様に、露光光源に450nm、500nmの半導体レーザに変更して同様に感度を測定した。
(繰り返し特性)
感度測定に用いた改造機(405nmの半導体レーザを使用)を用いて、初期暗部電位(Vd)および初期明部電位(Vl)をそれぞれ−700V、−200V付近に設定し、帯電、露光を3000回繰り返し、Vd、Vlの変動量(ΔVd、ΔVl)を測定し帯電、露光の繰り返し特性を測定し耐久性の指標の一つとした。なお、マイナスは電位の低下を表し、プラスは電位の上昇を表す。
(電位安定性)
外部光照射による影響を測定した。上記改造機を用い、感光体に1000luxの蛍光灯を30分間照射する前後での露光部電位(Vi)を測定し電位安定性を評価し、耐久性の指標の一つとした。
(ドット画像評価)
感度測定に用いた改造機(405nmの半導体レーザを使用)を用いて、該複写機に感光体1〜16を搭載し、ドット画像を評価し、画像再現性の指標とした。また、蛍光灯照射後の感光体についてもドット画像を評価し、劣化による画像再現性の評価行なった。評価項目と評価基準を下記に示す。なお、dpiは2.54cm当たりのドット数を表す。
〈1ドットライン〉
白地のA4紙に1ドットラインと黒べた画像を作製し、下記基準で評価した。
◎:1ドットラインが連続して再現されており、黒べたの画像濃度が1.2以上(良好)
○:1ドットラインは連続して再現されているが、黒べたの画像濃度が1.2未満〜1.0以上(実用性に問題なし)
×:1ドットラインが切断されて再現されているか、または1ドットラインが連続して再現されていても、黒べたの画像濃度が1.0未満(実用性に問題有り)
〈2ドットライン〉
黒べたの画像の中に、2ドットラインの白線を作製し、下記基準で評価した。
◎:2ドットラインの白線が連続して再現されており、黒べたの画像濃度が1.2以上(良好)
○:2ドットラインの白線は連続して再現されているが、黒べたの画像濃度が1.2未満〜1.0以上(実用性に問題なし)
×:2ドットラインの白線が切断されて再現されているか、または2ドットラインの白線は連続して再現されていても、黒べたの画像濃度が1.0未満(実用性に問題有り)
上記のべた画像濃度は、マクベス社製RD−918を使用し、紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定した。
以上の評価の結果を表2に示す。
Figure 2009271341
表2より明らかなように、本発明の、一般式(1)または(2)で表される化合物を電荷輸送物質として含有する感光体1〜14は、比較例である感光体15、16に比して短波長レーザ光等の400〜500nmの照射光に対して、優れた感度、繰り返し特性および電位安定性を有し、450nmの短波長レーザ光を用いた画像評価においても1ドットラインおよび2ドットラインの再現性が優れ、画像再現の安定性に優れている。
電荷輸送物質CTMR−1(比較の電荷輸送物質)を用いた感光体15は、繰り返し特性及び電位安定性は比較的良好であるが、405nmの感度において感光体1〜14に比して劣っている。
電荷輸送物質CTMR−2(比較の電荷輸送物質)を用いた感光体16は、感度、繰返し特性および電位安定性に於いて、本発明の感光体1〜14に比し劣っており、感光体15、16は、画像評価においても1ドットラインの再現性の劣化が大きい。
本発明の画像形成装置の機能が組み込まれた概略図である。 本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。 本発明の有機感光体を用いたカラー画像形成装置の構成断面図である。
符号の説明
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段

Claims (7)

  1. 導電性支持体上に、電荷輸送物質を含有する感光層を有する有機感光体において、該感光層が該電荷輸送物質として、下記一般式(1)で表される化合物であって、AM−1パラメーターを使用した半経験的分子軌道計算を用いた構造最適化計算による、下記一般式(1)におけるA、B、C、Dを有するビフェニル部分の2面角の計算値Dihedが、45°≦Dihed≦80°である化合物を含有することを特徴とする有機感光体。
    Figure 2009271341
    [式中、RおよびRは、炭素数1〜5のアルキル基またはアルコキシ基を表わす。RおよびRは、置換、未置換の炭素数1〜5のアルキル基またはアルコキシ基を表す。nは0〜2の整数を表し、oは0〜3の整数を表す。lおよびmは、0〜5の整数を表す。A、B、CおよびDは、水素原子、置換、未置換の、アルキル基、アルコキシ基またはアリール基を表す。但し、A、B、CおよびDが同時に水素原子であることはない。]
  2. 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
    Figure 2009271341
    [式中、R、R、R、およびRは、炭素数1〜5のアルキル基またはアルコキシ基を表わす。pは、0〜5の整数を表し、qは、0〜4の整数を表し、rは、0〜2の整数を表し、sは、0〜3の整数を表す。RおよびR10は、アルキル基又はアリール基表し、RとR10が結合して環構造を形成しても良い。A、B、CおよびDは前記一般式(1)におけるA、B、C、Dと同義である。但し、A、B、CおよびDが同時に水素原子であることはない。]
  3. 前記感光層が電荷発生物質を含有する電荷発生層および前記電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有することを特徴とする請求項1または2に記載の有機感光体。
  4. 前記電荷発生物質が、多環キノン化合物であることを特徴とする請求項3に記載の有機感光体。
  5. 前記電荷発生物質が、ペリレン系化合物であることを特徴とする請求項3に記載の有機感光体。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機感光体上に、発振波長が350〜500nmである半導体レーザまたは発光ダイオードの光源を用いて静電潜像を形成する露光工程および、該静電潜像をトナー像に顕像化する現像工程を有することを特徴とする画像形成方法。
  7. 発振波長が350〜500nmである半導体レーザ又は発光ダイオードの光源を用いて静電潜像を形成する露光手段および、該静電潜像をトナー像に顕像化する現像手段を有する画像形成装置であって、請求項6に記載の画像形成方法に用いられることを特徴とする画像形成装置。
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