JP2011123341A - 電荷輸送物質の合成方法と電子写真感光体 - Google Patents

電荷輸送物質の合成方法と電子写真感光体 Download PDF

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Abstract

【課題】長時間、高温といった厳しい反応条件を必要とせず、高収率で電荷輸送物質を合成することが出来る電荷輸送物質の合成方法と、該電荷輸送物質を用いた高感度、高耐久性の電子写真感光体を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される電荷輸送物質の合成方法において、特定構造のジアミノ体と特定構造のハロゲン化アリール化合物を原料とし、ハロゲン化銅と1,10−フェナントロリンを触媒とする合成方法。
Figure 2011123341

【選択図】なし

Description

本発明は、電荷輸送物質の合成方法と電子写真感光体に関し、更に詳しくは、高感度、高耐久性の電荷輸送物質の合成方法と電子写真感光体に関するものである。
近年、電子写真複写機やプリンターはプリント速度の高速化により、従来のオフィス領域にとどまらずプロダクションプリント市場で使用される機会が増加している。プロダクションプリント市場においては、オフセット印刷並みの高精細、高画質の画像品質が求められている。デジタル複写機、プリンターの分野において、高精細、高画質の画像を得るためには、レーザー光などのビーム径をより小さくすることが必要であり、そのためには従来から用いられている赤外線レーザーに比べてより短波長の光源が求められている。それらの市場からの要求に応えて青色光など短波長光源に適合する電子写真感光体(以下、単に感光体ともいう)の開発が進んでいる。
短波長光源に適合する電子写真感光体の電荷輸送物質(CTM)として用いられているトリアリールアミン系の電荷輸送物質の合成法として、ウルマン反応(Ullmann Reaction)が提案されている(特許文献1及び2参照)。
またパラジウム触媒などの貴金属を触媒として用いる方法も提案されている。この方法によれば短時間で反応が進行し高収率であることが報告されている(特許文献3参照)。
特開平9−258465号公報 特開2001−316336号公報 特許第3161360号公報
ウルマン反応は、一般に高温にて長時間の反応を必要とするにも係わらず収率は低く、副生成物が非常に多く生成するため、目的物を高純度で得るための精製操作が煩雑かつ困難であった。高純度の目的物を得る方法として、比較的少量の場合はカラム精製などを用いるのが一般的であるが、ウルマン反応は高温で長時間の反応を要するため副生成物が多くカラム精製は困難で、またコストも掛かるため工業用途での大量生産には不向きであった。
パラジウム触媒を用いる方法は短時間で反応が進行し、高収率である点でウルマン反応に比べて優れた合成方法であるが、パラジウム触媒は高価であり、また資源としても貴重なもので、これも工業用途での大量生産には不向きであった。
従って、従来一般的に用いられていたウルマン反応の欠点であった高温、長時間反応と、その結果副生成物が多いことによる精製操作の煩雑さを解消し、またパラジウム触媒のような高価な触媒を必要とせず、工業用途での大量生産を可能とする合成方法の開発が急がれていた。
本発明は上記問題を解決するためになされたもので、本発明者等は高収率、高純度の電荷輸送物質をより簡便に低コストで得ることを目的に、合成処方、精製方法の検討を行った。その結果、従来の合成方法に比べて低い反応温度で、短時間で合成でき、かつ副生成物の生成が少なく、そのため精製が容易で極めて高純度の電荷輸送物質を容易に得ることが出来る合成方法を見出したものである。また高純度であることによって、電子写真感光体の電荷輸送物質として用いた場合、従来法で合成した化合物に比べて極めて高感度かつ繰り返し安定性の優れた特性を有する感光体を作製することが可能となった。
即ち、本発明は、従来のウルマン反応による合成法の欠点であった、高温、長時間といった厳しい反応条件を必要とせず、また、高価なパラジウム触媒を使用せずに高収率で高純度の電荷輸送物質を合成することが出来る合成方法を提供することを目的としている。更に本発明の合成方法で得られた純度の高い電荷輸送物質を使用することによって感度特性に優れ、繰り返し使用しても電位特性の安定した高性能かつ高耐久性の電子写真感光体を提供することを目的としている。
本発明の目的は、下記構成を採ることにより達成される。
1.下記一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物を原材料とし、ハロゲン化銅と少なくとも2個の窒素原子間に2個の炭素原子を配置させた構造を有する化合物を触媒として用いることにより、一般式(1)で表される電荷輸送物質用の化合物を合成することを特徴とする電荷輸送物質の合成方法。
Figure 2011123341
[一般式(1)中、Ar、Ar、Ar、Arは、それぞれ独立して置換基を有してもよいアリール基を表す。R、Rはそれぞれ独立して置換基を有してもよいアルキル基、アリール基、アルコキシ基を表し、連結して複素環を含む環式構造を有していてもよい。Rは、置換基を有してもよいアルキル基、アリール基、アルコキシ基を表し、mは0以上4以下の整数を表す。R、Rはそれぞれ独立して置換基を有してもよいアルキル基、アリール基、アルコキシ基を表し、連結して複素環を含む環式構造を有していてもよい。]
Figure 2011123341
[一般式(2)中、Ar、Arは、それぞれ独立して置換基を有してもよいアリール基を表し、R、Rはそれぞれ独立して置換基を有してもよいアルキル基、アリール基、アルコキシ基を表し、連結して複素環を含む環式構造を有していてもよい。Rは、置換基を有してもよいアルキル基、アリール基、アルコキシ基を表し、mは0以上4以下の整数を表す。]
Figure 2011123341
[一般式(3)中、Xは、クロル原子基、ブロム原子基、ヨード原子基を表す。R〜Rは、それぞれ独立して、水素、または置換基を有してもよいアルキル基、アリール基、アルコキシ基である。]
2.前記一般式(1)及び一般式(2)で表される化合物はR、Rが結合して一般式(4)で示される構造を有するものであることを特徴とする前記1に記載の電荷輸送物質の合成方法。
Figure 2011123341
[一般式(4)中、R〜R18はそれぞれ独立して、水素、または置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アルコキシ基である。]
3.前記2個の窒素原子間に2個の炭素原子を配置させた構造を有する化合物が、下記(1)から(9)の化合物から選択されるいずれか一つであることを特徴とする前記1または2に記載の電荷輸送物質の合成方法。
Figure 2011123341
4.前記2個の窒素原子間に2個の炭素原子を配置させた化合物が、1,10−フェナントロリンであることを特徴とする前記1〜3の何れか1項に記載の電荷輸送物質の合成方法。
5.前記合成方法が、反応温度150℃以下、反応時間8時間以下で反応させることを特徴とする前記1〜4の何れか1項に記載の電荷輸送物質の合成方法。
6.導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層を順次積層してなる電子写真感光体において、該電荷輸送層が、前記1〜5の何れか1項に記載の合成方法により合成された電荷輸送物質を含有するものであることを特徴とする電子写真感光体。
7.前記電子写真感光体は、電子写真感光体上に波長が350nm以上500nm以下の光を露光して静電潜像を形成する工程を有する画像形成方法に用いられるものであることを特徴とする前記6に記載の電子写真感光体。
8.前記電荷発生層中に含まれる電荷発生物質が、多環キノン化合物であることを特徴とする前記6または7に記載の電子写真感光体。
9.前記電荷発生層中に含まれる電荷発生物質が、フタロシアニン化合物であることを特徴とする前記6または7に記載の電子写真感光体。
10.前記電荷発生層中に含まれる電荷発生物質が、アゾ顔料化合物であることを特徴とする前記6または7に記載の電子写真感光体。
本発明により、従来の合成法のごとく、長時間、高温といった厳しい反応条件を必要とせず、高収率でトリアリールアミン系の電荷輸送物質を合成することが出来る電荷輸送物質の合成方法と、該電荷輸送物質を用いた電子写真感光体を提供することができる。
本発明に係わる電子写真感光体を搭載可能なカラー画像形成装置の断面構成図である。
本発明について、さらに詳細に説明する。
〔本発明に係わる電荷輸送物質〕
本発明に係わる前記一般式(1)で表される電荷輸送物質の合成方法は、以下に示すようなトリアリールアミン系の電荷輸送物質の合成に適用可能である。
即ち、本発明では、「ハロゲン化銅化合物」と「少なくとも2個の窒素原子の間に2個の炭素原子を配置させた構造を有する化合物」の存在下で、一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物を反応させることにより一般式(1)で表される化合物を合成するものである。
本発明では、ハロゲン化銅と上記の化合物を触媒として用いることにより、従来よりも低い反応温度の下で短時間のうちに一般式(1)で表される電荷輸送物質を合成することが出来る。この様に従来の合成方法に比べて緩やかな反応条件の下でトリアリールアミン系の電荷輸送物質を高収率で合成できるようになった理由は、以下のように考えられる。
即ち、「少なくとも2個の窒素原子の間に2個の炭素原子を配置させた構造を有する化合物」の存在により、「ハロゲン化銅」を介しての一般式(2)と一般式(3)との化合物のカップリング反応の効率が向上することにより、緩やかな反応条件の下でも一般式(1)で表される化合物を高収率で合成できるようになったものと考えられる。具体的には、前述の化合物中の2個の窒素原子の間に2個の炭素原子を配置させた部位が遷移元素である銅原子に対してキレート配位子として作用することが考えられる。そして、一般式(3)で表される化合物に酸化付加し、一般式(2)で表される化合物中のNH部位に作用し、その後触媒が還元離脱する事でカップリング反応が行われるので、少ない反応エネルギー条件下で効率のよい反応が行えるようになったものと考えられる。
以下、一般式(1)で表される電荷輸送物質の代表的な具体例を示すが、本発明に係わる電荷輸送物質の合成方法で合成可能な電荷輸送物質は下記のものに限定されるものではない。
Figure 2011123341
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従来のトリアリールアミン系電荷輸送物質の合成方法では、対応するトリアリールアミン類を合成してからシクロヘキサノン誘導体と反応させていたが、本発明に係わる合成方法では、一般式(1)で表されるトリアリールアミン系電荷輸送物質の原材料であるジフェニルアミン類とシクロヘキサノン誘導体とを反応させて一般式(2)で表される化合物を合成し、次いで一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表されるハロゲン化アリールとを後述する「ハロゲン化銅化合物」と「少なくとも2個の窒素原子の間に2個の炭素原子を配置させた構造を有する化合物」を触媒に用いて反応させる。
前述した一般式(1)で表される化合物は、他の電荷輸送物質に比べて短波長の吸収が大幅に少ないので、この様な化合物を用いた感光体は、青色レーザー光に代表される350nm以上500nm以下の露光光を電荷発生層に確実に供給することができる。従って、感光体表面への照射光量を少なくすることが可能で静電潜像形成時におけるエネルギー消費量を低減することができる。
なお、本発明に係わる電荷輸送物質の合成方法で、ジフェニルアミン類とシクロヘキサノン誘導体とを反応させて得られる一般式(2)で表される中間体化合物(ジアミノ体)の具体例を以下に示す。
Figure 2011123341
Figure 2011123341
Figure 2011123341
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一般式(3)で表されるハロゲン化アリール化合物としては、
Figure 2011123341
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次に本発明に係わる電荷輸送物質の合成で用いられる触媒として使用される化合物について説明する。
〔ハロゲン化銅化合物〕
本発明に用いられるハロゲン化銅化合物としては、具体的には、ヨウ化銅、臭化銅、塩化銅が挙げられる。この中では、ヨウ化銅>臭化銅>塩化銅の順で反応性が高い。
〔2個の窒素原子の間に2個の炭素原子を配置させた構造を有する化合物〕
本発明の触媒として用いられる2個の窒素原子の間に2個の炭素原子を配置させた構造を有する化合物としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
Figure 2011123341
〔電子写真感光体〕
本発明に係わる電子写真感光体の電荷輸送物質以外の使用物質、あるいは電子写真感光体の製造方法に関しては、特に限定はなく、従来用いられていた化合物、或いは方法を用いることができる。
(導電性支持体)
本発明で用いる支持体は導電性を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレスなどの金属をドラムまたはシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化亜鉛などをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独またはバインダー樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙などが挙げられる。
(中間層)
本発明においては、導電層と感光層の中間にバリアー機能と接着機能をもつ中間層を設けることもできる。
中間層はカゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド、ポリウレタン及びゼラチンなどのバインダー樹脂を公知の溶媒に溶解し、浸漬塗布などによって形成できる。中でもアルコール可溶性のポリアミド樹脂が好ましい。
中間層に使用する溶媒としては、無機粒子を良好に分散し、ポリアミド樹脂を溶解するものが好ましい。具体的には、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数2〜4のアルコール類が、ポリアミド樹脂の溶解性と塗布性能に優れ好ましい。また、保存性、粒子の分散性を向上するために、前記溶媒と併用し、好ましい効果を得られる助溶媒としては、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、メチレンクロライド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
バインダー樹脂の濃度は、中間層の膜厚や生産速度に合わせて適宜選択される。
無機粒子などを分散したと時のバインダー樹脂に対する無機粒子の混合割合は、バインダー樹脂100質量部に対して無機粒子20〜400質量部が好ましく、さらに好ましくは50〜200部である。
無機粒子の分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー及びホモミキサー等が使用できるが、これらに限定されるものではない。
中間層の乾燥方法は、溶媒の種類、膜厚に応じて適宜選択することができるが、熱乾燥が好ましい。
中間層の膜厚は、0.1〜15μmが好ましく、0.3〜10μmがより好ましい。
(感光層)
特に限定はないが、電荷発生層と電荷輸送層を有するいわゆる積層型の感光層が好ましい。
(電荷発生層)
本発明に係る電荷発生層は、電荷発生物質として350nm〜500nmの波長領域に感度特性を有する電荷発生物質を用いて形成することが好ましい。このような電荷発生物質としてはチタニルフタロシアニン化合物やガリウムフタロシアニン化合物などのフタロシアニン化合物、アゾ顔料化合物、ペリレン化合物、多環キノン化合物等が好ましく用いられる。
特に、市販の405mm近辺に発振波長を有する短波長レーザに対し、高感度を有する、Cu−Kα特性X線によるX線回折スペクトルで、最大ピーク角度が2θで27.3°のチタニルフタロシアニン化合物や、ジブロモアンスアンスロンの多環キノン系化合物、或いは、下記一般式(CGM−3a)で表される多環キノン化合物が好ましく用いられる。又、これらの化合物を併用して用いることができる。
Figure 2011123341
電荷発生層のバインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、並びにこれらの樹脂の内2つ以上を含む共重合体樹脂(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂)及びポリ−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生層の形成は、バインダー樹脂を溶剤で溶解した溶液中に分散機を用いて電荷発生物質を分散して塗布液を調製し、塗布液を塗布機で一定の膜厚に塗布し、塗布膜を乾燥して作製することが好ましい。
電荷発生層に使用するバインダー樹脂を溶解し塗布するための溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等を挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生物質の分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー及びホモミキサー等が使用できるが、これらに限定されるものではない。
バインダー樹脂に対する電荷発生物質の混合割合は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質1〜600質量部が好ましく、さらに好ましくは50〜500部である。電荷発生層の膜厚は、電荷発生物質の特性、バインダー樹脂の特性及び混合割合等により異なるが好ましくは0.01〜5μm、より好ましくは0.05〜3μmである。なお、電荷発生層用の塗布液は塗布前に異物や凝集物を濾過することで画像欠陥の発生を防ぐことができる。前記顔料を真空蒸着することによって形成すこともできる。
(電荷輸送層)
本発明の感光層に用いられる電荷輸送層は、電荷輸送物質とバインダー樹脂を含有し、電荷輸送物質をバインダー樹脂溶液中に溶解、塗布して形成される。
該電荷輸送物質としては、本発明を用いて製造された前記一般式(1)で表される化合物が用いられる。中でも例示化合物CTM−1〜CTM−14として示される構造を有する化合物を用いることが好ましい。
電荷輸送層用のバインダー樹脂は、公知の樹脂を用いることができ、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂及びスチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂等が挙げられるが、ポリカーボネートが好ましい。更にはBPA、BPZ、ジメチルBPA、BPA−ジメチルBPA共重合体等が耐クラック、耐磨耗性、帯電特性の点で好ましい。
電荷輸送層の形成は、バインダー樹脂と電荷輸送物質を溶解して塗布液を調製し、塗布液を塗布機で一定の膜厚に塗布し、塗布膜を乾燥して作製することが好ましい。
上記バインダー樹脂と電荷輸送物質を溶解するための溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
バインダー樹脂に対する電荷輸送物質の混合割合は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷輸送物質10〜500質量部が好ましく、さらに好ましくは20〜100質量部である。
電荷輸送層の膜厚は、電荷輸送物質の特性、バインダー樹脂の特性及び混合割合等により異なるが好ましくは5〜40μmで、さらに好ましくは10〜30μmである。
電荷輸送層中には酸化防止剤、電子導電剤、安定剤等を添加してもよい。酸化防止剤については特願平11−200135号、電子導電剤は特開昭50−137543号、同58−76483号等に記載のものがよい。
次に本発明に係わる電子写真感光体を用いたフルカラー画像形成方法について説明する。
複写機やプリンター等の電子写真方式の画像形成技術では、デジタル技術の進展に伴い、画像書き込み速度が1200dpi、あるいは2400dpi(dpi:1インチ(2.54cm)当たりのドット数)レベルの微細な画像形成実現の可能性が高まっている。電子写真感光体上にこの様な微細ドット画像を形成する際、半導体レーザーなどの波長の短い露光光源が用いられている。即ち、露光光源の波長が短くなるほど、露光光のドット径を小さくできるので、感光体上にドット径の小さな潜像を形成しやすくなる。そして、近年の発光ダイオード技術の進展に伴い、短波長の半導体レーザーも開発され、ブルーレーザー光に代表される発振波長350nm〜500nmのレーザー光も露光光に使用できるようになった。この様に、短波長半導体レーザーを露光光源に用いた画像形成装置の登場により、前述したレベルの微細ドット潜像を感光体上に形成することが可能になり、高精細、高解像度の電子写真画像を市場に提供することが可能になった。
また、発振波長が350nm〜500nmの短波長レーザー光に対して電荷を発生することが可能な電荷発生物質として、例えば、特定構造の多環キノン化合物等の化合物が用いられ、短波長レーザー光に対しても優れた感度特性が得られる電子写真感光体の開発も進められている。
この様な技術の進展により、最近では、オンデマンド印刷と呼ばれる印刷市場にも電子写真方式の画像形成装置が採用されるようになり、版を起こす手間をかけずに数千枚レベル、あるいはそれ以上の連続プリントを行えるという従来の印刷にはないメリットが得られるようになった。
次に本発明に係わる電子写真感光体を用いた画像形成方法について説明する。本発明に係わるフルカラー画像形成方法は、少なくとも以下の工程を有するものである。即ち、
(1)波長が350nm以上500nm以下のいわゆる短波長光と呼ばれる露光光を用いて本発明の電子写真感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程
(2)トナーを含有して成る現像剤を用いて、電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程
(3)電子写真感光体上に形成されたトナー像を用紙等の記録媒体上に転写する転写工程
(4)記録媒体上に転写されたトナー像を定着する定着工程
なお、上記4つの工程以外の工程を有するものであってもよい。例えば、トナー画像を転写した後、電子写真感光体表面に残留するトナーを除去するクリーニング工程を有するものが好ましい。また、転写工程では、電子写真感光体上より記録媒体へのトナー画像の転写を中間転写体を介して行うものでもよい。
また、本発明では、上記現像工程で直流バイアスに交流バイアスを重畳した現像バイアスを印加して静電潜像を現像するものが好ましい。
本発明では、一般に短波長露光と呼ばれる波長が350nm〜500nmの露光光を照射して感光体上に静電潜像形成を行うもので、露光用光源として半導体レーザーや発光ダイオードが用いられる。これらの露光光源より、書き込み主走査方向の露光ドット径が5〜50μm、好ましくは、10〜25μmの露光光が感光体上に照射されてデジタル露光が行われる。この様な露光手段により、感光体上に画像書き込み密度が1200〜6000dpi(dpi:1インチ(2.54cm)当たりのドット数)のドット潜像が形成され、高解像度の画像形成が行えるようになっている。ちなみに、画像書き込み密度が1200dpiの時の露光ドット径は21.7μm、画像書き込み密度が2400dpiの時の露光ドット径は10.5μmである。
ここで、露光ドット径とは、露光光の大きさ(長さ、幅)のことで、具体的には、露光光の強度がピーク強度の1/e以上となる領域の主走査方向に沿った長さのことをいうものである。なお、露光ドット径は感光層の厚みよりも小さいと潜像の解像度が高められるが、あまりドット径が小さくなるとトナー現像量の再現性が不安定になるおそれがある。
本発明に係わる電子写真感光体では、画像書き込み密度が1200dpi以上となる露光を行った時でも、電子写真感光体上に21.7μm以下の露光ドット光に対応したドット潜像を形成することが出来る。そして、この様なドット光に対応した潜像を形成することが出来るので、写真画像に代表される精細で解像度の高いトナー画像を安定して形成することが出来るようになった。
〔画像形成装置〕
図1は、本発明に係わる電子写真感光体が使用可能なカラー画像形成装置の断面構成図である。
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21及び定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段(帯電工程)2Y、露光手段(露光工程)3Y、現像手段(現像工程)4Y、一次転写手段(一次転写工程)としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkを中心に、回転する帯電手段2Y、2M、2C、2Bkと、像露光手段3Y、3M、3C、3Bkと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4Bk、及び、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkをクリーニングするクリーニング手段5Y、5M、5C、5Bkより構成されている。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体ドラム1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、単に帯電手段2Y、あるいは、帯電器2Yという)、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Y(以下、単にクリーニング手段5Y、あるいは、クリーニングブレード5Yという)を配置し、感光体ドラム1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体ドラム1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体ドラム1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられている。
像露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体ドラム1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子(商品名;セルフォックレンズ)とから構成されるもの、あるいは、レーザー光学系などが用いられる。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)として一体に結合して構成し、この画像形成ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写または分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)を形成し、装置本体に着脱自在の単一画像形成ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在(出し入れ可能)の構成としても良い。ここで、「一体に支持して」とは、プロセスカートリッジの着脱時に、プロセスカートリッジ単位で、1つの塊として、取り付けたり、外したりできることを意味する。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての転写紙Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5bに搬送され、転写紙P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写紙Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材等の感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体と云う。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5bにより転写紙Pにカラー画像を転写した後、転写紙Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは常時、感光体1Bkに当接している。他の一次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに当接する。
二次転写ローラ5bは、ここを転写紙Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、及びクリーニング手段6bとから成る。
本発明の感光体を用いる画像形成装置は電子写真複写機、レーザプリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
以下に、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
以下、具体的に本発明の合成例を示す。
(合成例1):化合物原料di−NH−1体の合成
4つ口フラスコに酢酸(210ml)、4−Methyldiphenylamine(60.0g)を秤り取り、濃塩酸(165.8g)を滴下後、室温で30分撹拌する。次にCyclohexanone(6.1g)を添加し、窒素気流下、外温120℃で20時間攪拌した。
室温まで冷却し、メタノール(210ml)、水(300ml)を加えて20℃以下で1時間撹拌し濾過した。結晶をメタノール/水混合溶液で十分に洗浄後、結晶をビーカーに移す。トルエン(600ml)、水(510ml)、炭酸水素ナトリウム(9.0g)を加えて結晶を溶解させ、分液ロートに移し分液する。水層が中性になるまで飽和食塩水で洗浄し、トルエン層をナスフラスコに移して濃縮する。濃縮物にトルエン(150ml)を加え、加熱撹拌して結晶を溶解させる。溶解後、室温まで冷却し、メタノール(500ml)を添加し、10℃以下で1時間以上撹拌する。結晶を濾別し、0℃以下のメタノールで十分に洗浄し、乾燥して目的物を得た。収量は45.5gであった。得られた化合物は、核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルで構造を確認した。
(合成例2):化合物CTM−1の合成
4つ口フラスコにヨウ化銅(2.77g)、1,10−phenanthroline(触媒−1)(5.77g)、キシレン(5ml)を加え、内温50℃で30分以上撹拌する。合成例1で合成した原料di−NH体−1(13.0g)、ハロゲン体−1(19.7g)、キシレン(50ml)を添加し、Potassium tert−butoxide(14.0g)、キシレン(50ml)を添加する。窒素気流下、内温140℃で4時間撹拌した後、内温を60℃程度まで冷却し、活性白土、水、メタノールを添加し、1時間以上撹拌する。濾過後、濾液を分液ロートに移し、トルエンを加え抽出し、水層が中性になるまで飽和食塩水で洗浄し、トルエン層を硫酸マグネシウムで乾燥後、ナスフラスコに移して濃縮する。濃縮物にトルエン(50ml)、ヘプタン(150ml)を添加し加熱溶解する。溶解確認後、シリカゲルB型(富士シリシア社製)(45g)を加え、内温60℃にて1時間以上撹拌後濾過する。濾液をナスフラスコに移して濃縮する。濃縮物を酢酸エチル(60ml)に溶解させ、これにメタノール(30ml)をゆっくり加える。室温で1時間以上撹拌し、冷却して結晶を析出させ、濾過しメタノールにて十分洗浄した後、乾燥させ目的物を得た。収量は20.8gで収率は92%であった。得られた化合物は、核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルで構造を確認した。
(合成例3):化合物CTM−2の合成
4つ口フラスコにヨウ化銅(2.77g)、1,2−Bis(methylamino)ethane(触媒−7)(2.82g)、キシレン(5ml)を加え、内温50℃で30分以上撹拌する。合成例1で合成した原料di−NH体−1(13.0g)、ハロゲン体−3(19.7g)、キシレン(50ml)を添加し、Potassium tert−butoxide(14.0g)、キシレン(50ml)を添加する。窒素気流下、内温140℃で4時間撹拌した後、内温を60℃程度まで冷却し、活性白土、水、メタノールを添加し、1時間以上撹拌する。濾過後、濾液を分液ロートに移し、トルエンを加え抽出し、水層が中性になるまで飽和食塩水で洗浄し、トルエン層を硫酸マグネシウムで乾燥後、ナスフラスコに移して濃縮する。濃縮物にトルエン(50ml)、ヘプタン(150ml)を添加し、加熱溶解する。溶解確認後、シリカゲルB型(富士シリシア社製)(45g)を加え、内温60℃にて1時間撹拌後、濾過する。濾液をナスフラスコに移して濃縮する。濃縮物を酢酸エチル(60ml)に溶解させ、これにメタノール(30ml)をゆっくり加える。室温で1時間以上撹拌し、冷却して十分に結晶を析出させ、濾過しメタノールにて十分洗浄した後、乾燥させて目的物を得た。収量は20.8gで収率は92%であった。得られた化合物は、核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルで構造を確認した。
(合成例4〜6)
合成例2おいて、ハロゲン体−1をハロゲン体−9、4、21に代えた他は合成例2同様にして、CTM−3とCTM−9、CTM−26を合成した。
(合成例7)
合成例3おいて、ハロゲン体−3をハロゲン体−1、di−NH体−1をdi−NH体−18に代えた他は合成例3同様にして、CTM−4を合成した。
(合成例8、9)
合成例2おいて、ハロゲン体−1をハロゲン体−10、di−NH体−1をdi−NH体−17に代えた他は合成例2同様にしてCTM−5を、ハロゲン体−1をハロゲン体−11、di−NH体−1をdi−NH体−5に代えた他は合成例2同様にしてCTM−6を合成した。
(比較合成例1)
4つ口フラスコにdi−NH体−1(13.0g)、ハロゲン体−1(19.7g)、ニトロベンゼン(50ml)、銅粉10g、炭酸カリウム20gを加え、窒素気流下、内温200℃で10時間撹拌した後、内温を60℃まで冷却し濾過する。この反応液を水蒸気蒸留にてニトロベンゼンを除去し、トルエンを加え抽出し、水層が中性になるまで飽和食塩水で洗浄しトルエン層を硫酸マグネシウムで乾燥後、ナスフラスコに移して濃縮する。濃縮物にトルエン(50ml)、ヘプタン(150ml)を添加し、加熱溶解する。溶解確認後、シリカゲルB型(富士シリシア社製)(45g)を加え内温60℃にて1時間以上撹拌後濾過する。濾液をナスフラスコに移して濃縮する。濃縮物を酢酸エチル(60ml)に溶解させ、これにメタノール(30ml)をゆっくり加える。室温で1時間以上撹拌し、冷却して十分に結晶を析出させ、ろ過しメタノールにて十分洗浄した後、乾燥させ目的物を得た。この目的物をシリカゲルBW−127ZH(富士シリシア社製)(800g)と、トルエン/ヘプタン=1/3に調整した溶離溶媒を用いて、カラムクロマトグラムにて精製を行い、濃縮後、再度酢酸エチル(60ml)に溶解させこれにメタノール(30ml)をゆっくり加え、室温で1時間以上撹拌し、冷却後ろ過しメタノールにて洗浄、乾燥させて、収量12.2g、収率54%の目的物を得た。得られた化合物は核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルで構造を確認した。
(比較合成例2)
4つ口フラスコに1,1−Bis(diphenylphosphino)Ferrocene(2.98g)、塩化パラジウム(0.79g)、キシレン40mlを加え、窒素気流下、内温70℃で30分以上撹拌する。di−NH体−1(10.0g)、ハロゲン体−20(12.2g)、キシレン(90ml)を添加し、Sodium tert−butoxide(8.6g)、キシレン(50ml)を添加する。内温130℃で4時間攪拌した後、還流しなくなるまで冷却し、活性白土、テトラヒドロフラン、水を添加し、内温50〜60℃で1時間以上撹拌する。濾過後、濾液を分液ロートに移し分液した。水層が中性になるまで飽和食塩水で洗浄し、キシレン層をナスフラスコに移して濃縮する。濃縮物に、トルエン(50ml)、ヘプタン(150ml)を添加し、加熱溶解。溶解確認後、シリカゲルB型(富士シリシア社製)(45g)を加え内温60℃にて1時間以上撹拌後、濾過する。濾液をナスフラスコに移して濃縮する。濃縮物を酢酸エチル(60ml)に溶解させ、これにメタノール(30ml)をゆっくり加える。室温で1時間以上撹拌し、冷却して十分に結晶を析出させ、ろ過しメタノールにて十分洗浄した後、乾燥させ目的物を得た。この目的物をシリカゲルBW−127ZH(富士シリシア社製)(800g)と、トルエン/ヘプタン=1/3に調整した溶離溶媒を用いて、カラムクロマトグラムにて精製を行い、濃縮後、再度酢酸エチル(60ml)に溶解させこれにメタノール(30ml)をゆっくり加え、室温で1時間以上撹拌し、冷却後ろ過しメタノールにて洗浄、乾燥させて、収量14g、収率80%の目的物を得た。得られた化合物は、核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルで構造を確認した。
表1に、合成評価の結果を示す。
Figure 2011123341
表1より明らかなように、本発明の合成方法を用いて電荷輸送物質用アミン化合物を合成した場合、良好な合成結果が得られ、本発明の目的を満足していることが判る。一方、従来法である比較合成例1で合成した電荷輸送物質用アミン化合物では、反応時間、収率共に満足のいく結果は得られない。また比較例合成例2では、短時間、高収率で目的物が得られているが、不純物が多くカラムクロマトグラムを用いて精製を行う必要があり、本発明の合成法の優位性は明らかである。
《感光体の作製》
下記の様にして感光体を作製した。
〈感光体1の作製〉
(導電性基体の準備)
導電性基体として、アルミニウム蒸着PETシートを準備した。
(中間層の形成)
下記中間層塗布液を、上記アルミニウム蒸着PETシートの表面にワイヤーバー塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの「中間層1」を形成した。
中間層塗布液
ポリアミド樹脂(アミランCM−8000:東レ社製) 60質量部
メタノール 1600質量部
(電荷発生層の形成)
下記電荷発生層用材料を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この電荷発生層塗布液を、前記中間層の上にワイヤーバー塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの「電荷発生層1」を形成した。
電荷発生層(CGL)塗布液
多環キノン化合物(前記CGM−3a) 60質量部
シリコーン樹脂溶液(KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液
:信越化学社製) 700質量部
2−ブタノン 2000質量部
(電荷輸送層の形成)
下記電荷輸送層用材料を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を「電荷発生層1」の上にドクターブレード塗布法で塗布し、100℃、60分の加熱乾燥を行い、膜厚20μmの「電荷輸送層1」を形成して「感光体1」を作製した。
電荷輸送層(CTL)塗布液
電荷輸送物質(化合物CTM−1) 200質量部
ビスフェノールZ型ポリカーボネート(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製)
300質量部
テトラヒドロフラン 1600質量部
トルエン 400質量部
酸化防止剤(ジブチルヒドロキシトルエン) 7.5質量部
(感光体2〜8作製)
感光体1の作製において用いた電荷輸送物質(化合物CTM−1)を、下記表2に示す電荷輸送物質に変えた以外は実施例1と同様にしてそれぞれ「感光体1〜8」を作製した。
《評価実験》
「感光体1〜8」の感度特性と繰り返し特性を評価するため、静電複写紙試験装置「EPA−8100(川口電機(株)製)」を用いて、以下の様に評価した。
〈感度の評価〉
感光体の表面電位を−700Vになる様にコロナ帯電器で帯電し、次いでモノクロメータで分離した408nmの単色光で露光し、表面電位が−350Vまで減衰するのに必要な光量を測定し、感度(E1/2)を求めた。
〈繰り返し特性〉
初期暗部電位(Vd)及び初期明部電位(Vl)をそれぞれ−700V、−200Vに設定し、408nmの単色光を用いて帯電、露光を10000回繰り返し、Vd、Vlの変動量(ΔVd、ΔVl)を測定した。
以上の結果を表2に示す。表2中のマイナス記号は電位の低下を表し、プラス記号は電位の上昇を表す。
Figure 2011123341
表2に示す様に、本発明に該当する「感光体1〜8」は、感度及び繰り返し特性が従来法の「感光体10」よりも優れていることが確認された。「感光体9」は、感度及び繰り返し特性は、本発明と同等であるが、合成方法において、本発明が優位である事は既に明記している。
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段 4Y、4M、4C、4Bk 現像手段

Claims (10)

  1. 下記一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物を原材料とし、ハロゲン化銅と少なくとも2個の窒素原子間に2個の炭素原子を配置させた構造を有する化合物を触媒として用いることにより、一般式(1)で表される電荷輸送物質用の化合物を合成することを特徴とする電荷輸送物質の合成方法。
    Figure 2011123341
    [一般式(1)中、Ar、Ar、Ar、Arは、それぞれ独立して置換基を有してもよいアリール基を表す。R、Rはそれぞれ独立して置換基を有してもよいアルキル基、アリール基、アルコキシ基を表し、連結して複素環を含む環式構造を有していてもよい。Rは、置換基を有してもよいアルキル基、アリール基、アルコキシ基を表し、mは0以上4以下の整数を表す。R、Rはそれぞれ独立して置換基を有してもよいアルキル基、アリール基、アルコキシ基を表し、連結して複素環を含む環式構造を有していてもよい。]
    Figure 2011123341
    [一般式(2)中、Ar、Arは、それぞれ独立して置換基を有してもよいアリール基を表し、R、Rはそれぞれ独立して置換基を有してもよいアルキル基、アリール基、アルコキシ基を表し、連結して複素環を含む環式構造を有していてもよい。Rは、置換基を有してもよいアルキル基、アリール基、アルコキシ基を表し、mは0以上4以下の整数を表す。]
    Figure 2011123341
    [一般式(3)中、Xは、クロル原子基、ブロム原子基、ヨード原子基を表す。R〜Rは、それぞれ独立して、水素、または置換基を有してもよいアルキル基、アリール基、アルコキシ基である。]
  2. 前記一般式(1)及び一般式(2)で表される化合物はR、Rが結合して一般式(4)で示される構造を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の電荷輸送物質の合成方法。
    Figure 2011123341
    [一般式(4)中、R〜R18はそれぞれ独立して、水素、または置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アルコキシ基である。]
  3. 前記2個の窒素原子間に2個の炭素原子を配置させた構造を有する化合物が、下記(1)から(9)の化合物から選択されるいずれか一つであることを特徴とする請求項1または2に記載の電荷輸送物質の合成方法。
    Figure 2011123341
  4. 前記2個の窒素原子間に2個の炭素原子を配置させた化合物が、1,10−フェナントロリンであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電荷輸送物質の合成方法。
  5. 前記合成方法が、反応温度150℃以下、反応時間8時間以下で反応させることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の電荷輸送物質の合成方法。
  6. 導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層を順次積層してなる電子写真感光体において、該電荷輸送層が、請求項1〜5の何れか1項に記載の合成方法により合成された電荷輸送物質を含有するものであることを特徴とする電子写真感光体。
  7. 前記電子写真感光体は、電子写真感光体上に波長が350nm以上500nm以下の光を露光して静電潜像を形成する工程を有する画像形成方法に用いられるものであることを特徴とする請求項6に記載の電子写真感光体。
  8. 前記電荷発生層中に含まれる電荷発生物質が、多環キノン化合物であることを特徴とする請求項6または7に記載の電子写真感光体。
  9. 前記電荷発生層中に含まれる電荷発生物質が、フタロシアニン化合物であることを特徴とする請求項6または7に記載の電子写真感光体。
  10. 前記電荷発生層中に含まれる電荷発生物質が、アゾ顔料化合物であることを特徴とする請求項6または7に記載の電子写真感光体。
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