JP2012137667A - 電子写真感光体、並びに画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、並びに画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】長期間の繰り返し使用に対しても高耐久性を有し、かつ画像濃度低下、あるいは画像ボケの発生による画像劣化を抑制し、高画質画像が安定に得られ、両極性帯電に対応できうる電子写真感光体の提供。
【解決手段】支持体と、支持体上に、感光層とを有する電子写真感光体であって、感光層が、下記一般式(1)で表される化合物を含有する電子写真感光体。<一般式(1)>

【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、又はそれらの複合機等に用いられる電子写真感光体、並びに画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジに関する。
近年、電子写真方式を用いた情報処理システム機の発展には目覚ましいものがある。特に、情報をデジタル信号に変換して光によって情報記録を行うレーザープリンターやデジタル複写機は、そのプリント品質、信頼性において向上が著しい。更に、それらは高速化技術との融合によりフルカラー印刷が可能なレーザープリンター又はデジタル複写機へと応用されてきている。そのような背景から、要求される感光体の機能としては、高画質化と高耐久化を両立させることが特に重要な課題となっている。
これらの電子写真方式のレーザープリンターやデジタル複写機等に使用される感光体としては、有機感光体(OPC)を用いたものが、コスト、生産性、及び無公害性等の理由から一般に広く応用されている。OPCの層構成は単層型と機能分離型積層構造に大別される。最初に実用化されたOPCであるPVK−TNF電荷移動錯体型感光体は前者の単層型であった。
一方、1968年に、林とRegensburgerにより各々独立してPVK/a−Se積層感光体が発明され、1977年に、Melzらにより、また1978年に、Schlosserにより有機顔料分散層と有機低分子分散ポリマー層という感光層全てが有機材料からなる積層感光体が発表された。これらは光を吸収して電荷を発生する電荷発生層(CGL)と、この電荷発生層(CGL)で生成した電荷を注入、輸送し、表面電荷を中和する電荷輸送層(CTL)とからなるという概念から、機能分離型積層感光体とも呼ばれる。
しかし、有機感光体(OPC)は、無機系感光体に比べ、繰り返し使用によって感光層の膜削れが大きく、感光層の膜削れが進むと、感光体の帯電電位の低下や光感度の劣化、感光体表面のキズなどによる地汚れ、画像濃度低下又は画質劣化が促進される傾向が強くなる。したがって、従来から有機感光体の耐摩耗性が大きな課題として挙げられていた。更に、近年では電子写真方式の画像形成装置の高速化又は装置の小型化に伴う感光体の小径化によって、感光体の高耐久化がより一層重要な課題となっている。
感光体の耐摩耗性の向上を実現する方法としては、感光層に潤滑性を付与したり、硬化させたり、フィラーを含有させる方法、又は低分子電荷輸送物質(CTM)分散ポリマー層の代わりに高分子電荷輸送物質を用いる方法が広く知られている。しかし、これらの方法により感光層の膜削れを抑えると、新たな問題が生じる。即ち、感光層表面に繰り返し使用、周辺環境により生じるオゾンやNOx、その他の酸化性物質が吸着し、繰り返し使用や使用環境によっては、最表面の低抵抗化を招き、画像流れ(画像ボケ)等の問題を引き起こすことが知られている。従来はこのボケ発生物質が感光層と共に少しずつ削りとられることにより、問題はある程度回避されてきた。
しかし、上述の通り、最近の更なる高解像、高耐久化の要求に応えるには、新たな手法を付与しなければならなくなってきている。それらの影響を軽減させる1つの方法として感光体にヒーターを搭載する方法があるが、画像形成装置の小型化や消費電力の低減に対して大きな障害となっている。また、酸化防止剤等の添加剤も有効な手段ではあるが、単なる添加剤は光導電性を有しないものであるから、感光層への多量添加は、低感度化、残留電位上昇等の電子写真特性の問題を招いてしまう。
以上のように、高耐摩耗性を付与、又は感光体周りのプロセス設計によって感光層の膜削れ量が少なくなった電子写真感光体は、副作用として画像ボケの発生、解像度の低下等、画質への影響が避けられず、高耐久化と高画質化を両立させることは困難とされてきた。これは、画像ボケの発生を抑制するには抵抗が高い方が、残留電位上昇を抑制するには抵抗が低い方が適していることから、双方でトレードオフの関係になっていることが問題の解決を困難にしている。
実用化された電子写真感光体のほとんどは支持体上に電荷発生層と電荷輸送層とを積層した機能分離型であり、電荷輸送層に含まれる電荷輸送物質としては正孔輸送材料が用いられる。これらはもっぱら負帯電の電子写真プロセスに用いられている。
また、電子写真プロセスにおける信頼性の高い帯電方式はコロナ放電によるものであり、ほとんどの複写機、プリンタはこの方式が採用されている。しかし、周知の如く、正極性と比べて負極性のコロナ放電は不安定である。このため、スコロトロンによる帯電方式が採用され、コストアップの一要因となっている。負極性のコロナ放電は化学的損傷を引き起こす物質であるオゾンの発生量をより多く伴うため、長時間使用することで帯電時に発生するオゾンによるバインダー樹脂及び電荷移動材料の酸化劣化や、帯電時に生成するイオン性化合物、例えば窒素酸化物イオン、イオウ酸化物イオン、アンモニウムイオン等が感光体表面に蓄積することによる、画質低下が発生し問題となる。このため、オゾンの外部排出を防ぐべく、負帯電方式の複写機、プリンタにはオゾンフィルターが用いられている場合が多く、これも装置のコストアップの要因となっている。また、多量に発生するオゾンは環境汚染の問題ともなる。
これらの問題を解消するために、正帯電型の電子写真感光体の開発が進められている。正帯電方式であれば、オゾンや窒素酸化物イオンなどの発生量が少なく抑えられる。更に、現状では広く用いられている二成分系現像剤の使用では、電子写真感光体が正帯電の方が、環境変動が少なく安定な画像が得られ、この面からも正帯電型の電子写真感光体が好ましい。
しかし、正帯電型の単層型や逆層感光体は、オゾンや窒素酸化物イオンなどの酸化性物質に対して非常に影響を受けやすい電荷発生材料が、表面近傍にあるため周りの環境ガス、例えばブルーヒーターや車からの排気ガスによる特性変動が大きいという欠点を有している。
一方、高速複写プロセスの場合は前述のように正帯電型よりもむしろ負帯電型を用いることが好ましい。その理由は高速複写プロセスなどにおいても支障の無い程度の高い電荷移動度を示す有機材料としては、現在のところほとんどが正孔移動の性質のみを有する正孔輸送材料に限られている。そのため、正孔輸送材料を用いて形成される電荷輸送層を表面側に配置した順層積層型の電子写真感光体においては動作原理上、その帯電性は負帯電に限られるからである。
以上のように、帯電極性については、電子写真感光体を正帯電及び負帯電の両方の極性で用いることができれば、感光体の応用範囲を更に広げることができ、感光体品種削減によるコスト低減、高速化対応などにおいて有利なものとなる。
このような状況から、両極性に帯電可能な電子写真感光体が提案されている(特許文献1参照)。しかし、この提案で用いられている電子輸送材料のジフェノキノン誘導体は電荷移動度がやや低いため複写機、プリンタの高速化、小型化を考えた場合、感光体感度特性は充分ではなく、更に繰り返し使用により画像ボケをひきおこすという欠点を有している。
また、感光体に酸掃去剤としてジアルキルアミノ基を有する芳香族系化合物を含有させることが提案されている(特許文献2参照)。このジアルキルアミノ基を有する芳香族系化合物は繰り返し使用後の画像品質に対して有効なものであるが、電荷輸送能が低いため高感度、高速化要求には対応が難しく、したがって、添加量においても限界がある。
また、特許文献3及び4等に開示されているジアルキルアミノ基を有するスチルベン化合物も耐酸化性ガスによる画像ボケに対して効果があること報告されている(非特許文献1参照)。
しかし、これらの化合物は、電荷輸送サイトであるトリアリールアミン構造の共鳴部位に強いメゾメリー効果(+M効果)の置換基であるジアルキルアミノ基を有しているため、全体のイオン化ポテンシャル値は異常に小さくなる。それ故、正孔輸送物質として単独使用した感光層の帯電保持能は、初期から、もしくは繰り返し使用により著しく悪くなるため、実用化は非常に難しいという致命的な欠点を有している。また、他の電荷輸送物質と混合併用しても、前記スチルベン化合物のイオン化ポテンシャル値はそれらよりもかなり小さいため、スチルベン化合物が移動電荷のホールトラップサイトとなり、感度が著しく低く、かつ残留電位が大きな電子写真感光体となってしまう。
また、特許文献5には、スチルベン化合物と特定のジアミン化合物とを含み、感度低下を招くことなく繰り返し使用及び酸性ガスなどに対する環境耐性を向上させた感光体が提案されている。
しかし、この提案では、高速印刷又は感光体の小径化に伴う装置の小型化を実現するには未だ充分ではなかった。
また、特許文献6には、本発明におけるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体とは異なる構造のビス−N−アルキル−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を電子輸送物質として用いられることが開示されているが、これを用いた電子写真感光体は繰り返し使用により画像ボケをひきおこすという欠点を有している。
また、前記特許文献1には、電子写真感光体の電子輸送材料としてジフェノキノン誘導体を用いることが提案されている。また、特許文献7及び特許文献8には、電子写真感光体の電子輸送材料としてナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を用いることが提案されている。また、非特許文献2には、下記構造式で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(1)からなる半導性材料が記載されている。また、特許文献9には、下記構造式で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(2)、(3)からなる電子輸送材料が提案されている。
しかし、前記特許文献1に記載のジフェノキノン誘導体は、上述したように、電荷移動度がやや低いため、複写機、プリンタの高速化、小型化を考えた場合、感光体の感度特性は充分ではなく、更に繰り返し使用により画像ボケをひきおこすという欠点がある。
また、前記特許文献1のジフェノキノン誘導体と、特許文献9に記載の前記ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(2),(3)と、特許文献7及び特許文献8に記載のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体とは、感光体を形成する樹脂バインダーとの相溶性が低く、十分な特性が得られないという問題がある。
また、前記非特許文献2に記載されているナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(1)は電子輸送性が低く、実用的な特性を有しないという問題がある。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、長期間の繰り返し使用に対しても高耐久性を有し、かつ画像濃度低下、あるいは画像ボケの発生による画像劣化を抑制し、高画質画像が安定に得られ、両極性帯電に対応できうる電子写真感光体、並びに、該電子写真感光体を用いることにより、感光体の交換が不要で、かつ高速印刷又は感光体の小径化に伴う画像形成装置の小型化を実現し得、更に繰り返し使用においても高画質画像が安定に形成できる画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、感光層に特定のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含有させることで、酸化性ガス等のボケ発生物質による画像ボケ(画像流れ)等の問題を解決でき、両極性帯電に対応できうる電子写真感光体が得られることを知見した。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 支持体と、該支持体上に、少なくとも感光層とを有する電子写真感光体であって、
前記感光層が、下記一般式(1)で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含有することを特徴とする電子写真感光体である。
<一般式(1)>
ただし、前記一般式(1)中、Xは、下記一般式(a)、(b)、(c)、及び(d)のいずれかを表す。R及びRは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、これらは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。iは0〜4の整数、jは2〜4の整数を表す。
<一般式(a)>
<一般式(b)>
<一般式(c)>
<一般式(d)>
ただし、前記一般式(a)から(d)中、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、及びR12は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、ハロゲン原子、又はニトロ基を表し、これらは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。kは1〜6、lは0〜4、mは0〜2、nは0〜3の整数を表す。
<2> 感光層が、更に電荷輸送物質を含有する前記<1>に記載の電子写真感光体である。
<3> 電荷輸送物質が、下記一般式(2)で表される化合物である前記<2>に記載の電子写真感光体である。
<一般式(2)>
ただし、前記一般式(2)中、Xは、単結合又はビニレン基を表す。Rは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Arは、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Rは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、ArとRは共同で環を形成してもよい。Aは、下記一般式(3)で表される基、下記一般式(4)で表される基、9−アントリル基、又は置換もしくは無置換のカルバゾリル基を表す。
<一般式(3)>
<一般式(4)>
ただし、前記一般式(3)及び(4)中、Rは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又は下記一般式(5)で表される基を表し、mは、1〜3の整数を表し、mが2以上の時にはRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
<一般式(5)>
ただし、前記一般式(5)中、R及びRは、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、これらは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、環を形成してもよい。
<4> 電荷輸送物質が、下記一般式(6)で表される化合物である前記<2>に記載の電子写真感光体である。
<一般式(6)>
ただし、前記一般式(6)中、R、R、及びRは、水素原子、アミノ基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、メチレンジオキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、ハロゲン原子、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Rは、水素原子、アルコキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、又はハロゲン原子を表す。k、l、m、及びnは、1、2、3、又は4の整数であり、それぞれが2、3又は4の整数の時は、前記R、R、R、及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
<5> 電荷輸送物質が、下記一般式(7)で表される化合物である前記<2>に記載の電子写真感光体である。
<一般式(7)>
ただし、前記一般式(7)中、Xは、単結合、又はビニレン基を表す。Rは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Arは、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Rは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。ArとRは共同で環を形成してもよい。Rは、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Arは、下記一般式(8)又は一般式(9)を表す。
<一般式(8)>
<一般式(9)>
ただし、前記一般式(8)及び(9)中、Rは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。mは、1〜3の整数を表し、mが2以上の時にはRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
<6> 電荷輸送物質が、下記一般式(10)で表される化合物である前記<2>に記載の電子写真感光体である。
<一般式(10)>
ただし、前記一般式(10)中、Xは、単結合、又はビニレン基を表す。Rは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Arは、置換もしくは無置換の2価の芳香族炭化水素基を表す。Rは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Aは、下記一般式(3)で表される基、下記一般式(4)で表される基、9−アントリル基、又は置換もしくは無置換のカルバゾリル基を表す。
<一般式(3)>
<一般式(4)>
ただし、前記一般式(3)及び(4)中、Rは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又は下記一般式(5)で表される基を表し、mは、1〜3の整数を表し、mが2以上の時にはRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
<一般式(5)>
ただし、前記一般式(5)中、R及びRは、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、環を形成してもよい。
<7> 感光層が、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層をこの順に積層してなる前記<1>から<6>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<8> 感光層が、少なくとも電荷輸送層及び電荷発生層をこの順に積層してなる前記<1>から<6>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<9> 感光層が、単層型の感光層である前記<1>から<6>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<10> 電子写真感光体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像を、現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
前記電子写真感光体として、前記<1>から<9>のいずれかに記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする画像形成方法である。
<11> 露光工程が、LD及びLEDのいずれかを用いて電子写真感光体上に静電潜像の書き込みを行う、デジタル方式である前記<10>に記載の画像形成方法である。
<12> 電子写真感光体と、該電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を、現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記電子写真感光体が、前記<1>から<9>のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置である。
<13> 露光手段が、LD及びLEDのいずれかを用いて電子写真感光体上に静電潜像の書き込みを行う、デジタル方式である前記<12>に記載の画像形成装置である。
<14> 電子写真感光体と、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を、現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
前記電子写真感光体が、前記<1>から<9>のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
本発明において、前記一般式(1)で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体が、繰り返し使用による画像品質維持に有効である理由は、現時点では明らかになっていないが、化学構造内に含まれる窒素原子は塩基性が強いので、画像ボケの原因物質と考えられている酸化性ガスに対しての電気的な中和効果が推測される。また、本発明におけるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体は、他の電荷輸送物質と併用することにより高感度、並びに繰り返し安定性等が更に増すものである。
また、前記一般式(1)で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体は電子輸送性物質であるため、それを用いた感光体は層構成の種類及び正孔輸送物質との混合により両極性帯電に対応可能な単層型感光体を得ることもできる。
したがって、本発明においては、高耐久性と高画質化の両立を可能とし、繰り返し使用に対しても高画質画像を安定に得られる両極性帯電に対応可能な電子写真感光体を提供でき、この電子写真感光体を用いることにより、繰り返し使用においても高画質画像を安定に得られる画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することができる。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、長期間の繰り返し使用に対しても高耐久性を有し、かつ画像濃度低下、あるいは画像ボケの発生による画像劣化を抑制し、高画質画像が安定に得られ、両極性帯電に対応できうる電子写真感光体、並びに、該電子写真感光体を用いることにより、感光体の交換が不要で、かつ高速印刷又は感光体の小径化に伴う画像形成装置の小型化を実現し得、更に繰り返し使用においても高画質画像が安定に形成できる画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジを提供することができる。
図1は、本発明の電子写真感光体の一例を示す概略断面図である。 図2は、本発明の電子写真感光体の他の一例を示す概略断面図である。 図3は、本発明の電子写真感光体の他の一例を示す概略断面図である。 図4は、本発明の電子写真感光体の他の一例を示す概略断面図である。 図5は、本発明の電子写真感光体の他の一例を示す概略断面図である。 図6は、本発明の電子写真感光体の他の一例を示す概略断面図である。 図7は、本発明の電子写真方式の画像形成装置の一例を示す概略図である。 図8は、本発明による電子写真プロセスの別の例である。 図9は、本発明による電子写真プロセスカートリッジを説明するための概略図である。 図10は、オキソチタニウムフタロシアニンの粉末XDスペクトルを表す図である。 図11は、合成例1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(例示化合物No.4)のIRスペクトル図である。 図12は、合成例2のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(例示化合物No.7)のIRスペクトル図である。 図13は、合成例3のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(例示化合物No.13)のIRスペクトル図である。 図14は、合成例4のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(例示化合物No.20)のIRスペクトル図である。
(電子写真感光体)
本発明の電子写真感光体は、支持体と、該支持体上に、少なくとも感光層とを有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
<感光層>
前記感光層は、下記一般式(1)で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
<一般式(1)>
ただし、前記一般式(1)中、Xは、下記一般式(a)、(b)、(c)、及び(d)のいずれかを表す。R及びRは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、これらは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。iは、0〜4の整数、jは、2〜4の整数を表す。
<一般式(a)>
<一般式(b)>
<一般式(c)>
<一般式(d)>
前記一般式(a)から(d)において、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、及びR12は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、ハロゲン原子、又はニトロ基を表し、これらは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。kは1〜6、lは0〜4、mは0〜2、nは0〜3の整数を表す。
前記一般式(1)及び一般式(a)から(d)におけるアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ウンデカニル基などが挙げられる。
前記一般式(1)におけるアルキニル基としては、例えばエチニル基、フェニルエチニル基、メチルエチニル基などが挙げられる。
前記一般式(1)及び一般式(a)から(d)における芳香族炭化水素基としては、例えばベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、アントラセン、フルオレン又はピレンなどの芳香族環の基、ピリジン、キノリン、チオフェン、フラン、オキサゾール、オキサジアゾール、カルバゾール等の芳香族複素環の基などが挙げられる。
前記一般式(a)から(d)中のR、R、R、R、R、R、R、R10、R11、及びR12におけるアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。
また、これらの置換基としては、前記アルキル基の具体例で挙げたもの、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、又はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のハロゲン原子、ジアルキルアミノ基、ジフェニルアミノ基、前記芳香族炭化水素基、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジンなどの複素環の基などが挙げられる。
前記一般式(1)で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば下記反応式に示すように、アミン誘導体とナフタレンモノイミドモノカルボン酸無水物誘導体とを溶媒の存在下、あるいは無溶媒下で、反応させることにより、前記一般式(1)で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を製造することができる。
前記反応式中、X、R、R、i、及びjは、前記一般式(1)と同じ意味を表す。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロナフタレン、酢酸、ピリジン、メチルピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルエチレンウレア、ジメチルスルホキサイド、ジクロロメタン、クロロホルムなどが挙げられる。
前記反応温度は、室温から250℃の間が好ましい。
以下、前記一般式(1)で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体の好ましい例示化合物を挙げる。ただし、これらの化合物に限定されるものではない。
<例示化合物No.1>
<例示化合物No.2>
<例示化合物No.3>
<例示化合物No.4>
<例示化合物No.5>
<例示化合物No.6>
<例示化合物No.7>
<例示化合物No.8>
<例示化合物No.9>
<例示化合物No.10>
<例示化合物No.11>
<例示化合物No.12>
<例示化合物No.13>
<例示化合物No.14>
<例示化合物No.15>
<例示化合物No.16>
<例示化合物No.17>
<例示化合物No.18>
<例示化合物No.19>
<例示化合物No.20>
<例示化合物No.21>
<例示化合物No.22>
<例示化合物No.23>
<例示化合物No.24>
<例示化合物No.25>
前記一般式(1)で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体の前記感光層における含有量は、10質量%〜90質量%が好ましく、20質量%〜50質量%がより好ましい。
前記感光層は、更に電荷輸送物質を含有することが好ましい。
前記電荷輸送物質としては、下記一般式(2)で表される化合物が好適に用いられる。
<一般式(2)>
ただし、前記一般式(2)中、Xは、単結合又はビニレン基を表す。Rは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Arは、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Rは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、ArとRは共同で環を形成してもよい。Aは、下記一般式(3)で表される基、下記一般式(4)で表される基、9−アントリル基、又は置換もしくは無置換のカルバゾリル基を表す。
<一般式(3)>
<一般式(4)>
ただし、前記一般式(3)及び(4)中、Rは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又は下記一般式(5)で表される基を表し、mは、1〜3の整数を表し、mが2以上の時にはRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
<一般式(5)>
ただし、前記一般式(5)中、R及びRは、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、これらは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、環を形成してもよい。
前記一般式(2)及び(5)中、R、R、R、Ar、及びRにおけるアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、などが挙げられる。
前記一般式(2)及び(5)中、R、R、R、Ar、及びRにおける芳香族炭化水素基としては、例えばベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、アントラセン、フルオレン又はピレンなどの芳香族環の基、ピリジン、キノリン、チオフェン、フラン、オキサゾール、オキサジアゾール、カルバゾール等の芳香族複素環の基などが挙げられる。
これらの置換基としては、前記アルキル基の具体例で挙げたもの、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、又はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のハロゲン原子、ジアルキルアミノ基、ジフェニルアミノ基、前記芳香族炭化水素基、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジンなどの複素環の基などが挙げられる。
以下、前記一般式(2)で表される化合物の好ましい例を挙げる。ただし、これらの化合物に限定されるものではない。
前記電荷輸送物質としては、下記一般式(6)で表される化合物が好適に用いられる。
<一般式(6)>
ただし、前記一般式(6)中、R、R、及びRは、水素原子、アミノ基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、メチレンジオキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、ハロゲン原子、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Rは、水素原子、アルコキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、又はハロゲン原子を表す。k、l、m、及びnは、1、2、3、又は4の整数であり、それぞれが2、3又は4の整数の時は、前記R、R、R、及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
以下、前記一般式(6)で表される化合物の好ましい例を挙げる。ただし、これらの化合物に限定されるものではない。
前記電荷輸送物質としては、下記一般式(7)で表される化合物が好適に用いられる。
<一般式(7)>
ただし、前記一般式(7)中、Xは、単結合、又はビニレン基を表す。Rは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Arは、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Rは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。ArとRは共同で環を形成してもよい。Rは、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Arは、下記一般式(8)又は一般式(9)を表す。
<一般式(8)>
<一般式(9)>
ただし、前記一般式(8)及び(9)中、Rは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。mは、1〜3の整数を表し、mが2以上の時にはRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
以下、前記一般式(7)で表される化合物の好ましい例を挙げる。ただし、これらの化合物に限定されるものではない。
前記電荷輸送物質としては、下記一般式(10)で表される化合物が好適に用いられる。
<一般式(10)>
ただし、前記一般式(10)中、Xは、単結合、又はビニレン基を表す。Rは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Arは、置換もしくは無置換の2価の芳香族炭化水素基を表す。Rは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Aは、下記一般式(3)で表される基、下記一般式(4)で表される基、9−アントリル基、又は置換もしくは無置換のカルバゾリル基を表す。
<一般式(3)>
<一般式(4)>
ただし、前記一般式(3)及び(4)中、Rは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又は下記一般式(5)で表される基を表し、mは、1〜3の整数を表し、mが2以上の時にはRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
<一般式(5)>
ただし、前記一般式(5)中、R及びRは、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、環を形成してもよい。
以下、前記一般式(10)で表される化合物の好ましい例を挙げる。ただし、これらの化合物に限定されるものではない。
前記電荷輸送物質の前記感光層における含有量は、10質量%〜90質量%が好ましく、20質量%〜50質量%がより好ましい。
<電子写真感光体の層構成>
前記感光層は、単層構造でも積層構造でもよいが、積層構造の感光層の場合には、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層をこの順に積層してなるか、又は少なくとも電荷輸送層及び電荷発生層をこの順に積層してなるものが好ましい。
ここで、図1は、本発明の電子写真感光体を表す断面図であり、支持体31上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層33が設けられている。
図2は、支持体31上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層35と、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層37とが、積層された構成をとっている。
図3は、支持体31上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層33が設けられ、更に感光層表面に保護層39が設けられてなる。この場合、保護層39に本発明で用いられるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体が含有されても構わない。
図4は、支持体31上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層35と電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層37とが積層された構成をとっており、更に電荷輸送層上に保護層39が設けられてなる。この場合、保護層39に本発明で用いられるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体が含有されても構わない。
図5は、支持体31上に、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層37と電荷発生物質を主成分とする電荷発生層35とが積層された構成をとっている。
また、図6は、支持体31上に、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層37と電荷発生物質を主成分とする電荷発生層35とが積層された構成をとっており更に電荷発生層上に保護層39が設けられてなる。この場合、保護層39に本発明で用いられるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体が含有されても構わない。
<感光層>
前記感光層は、上述したように、単層構造でも積層構造でもよいが、まず、電荷発生層と電荷輸送層で構成される積層構造の感光層から説明する。
<<電荷発生層>>
前記電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層である。前記電荷発生層には、特に制限はなく、公知の電荷発生物質を用いることが可能であり、その代表として、シーアイピグメントブルー25(カラーインデックスC.I.21180)、シーアイピグメントレッド41(C.I.21200)、シーアイアシッドレッド52(C.I.45100)、シーアイベーシックレッド3(C.I.45210)、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−95033号公報参照)、ジスチリルベンゼン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−133445号公報参照)、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−132347号公報参照)、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−21728号公報参照)、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−12742号公報参照)、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−22834号公報参照)、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−17733号公報参照)、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−2129号公報参照)、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−14967号公報参照)、ベンズアントロン骨格を有するアゾ顔料等のアゾ顔料などが挙げられる。具体的には、シーアイピグメントブルー16(C.I.74100)、Y型オキソチタニウムフタロシアニン(特開昭64−17066号公報参照)、A(β)型オキソチタニウムフタロシアニン、B(α)型オキソチタニウムフタロシアニン、I型オキソチタニウムフタロシアニン(特開平11−21466号公報参照)、II型クロロガリウムフタロシアニン(飯島他,日本化学会第67春季年会,1B4,04(1994))、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン(大門他,日本化学会第67春季年会,1B4,05(1994))、X型無金属フタロシアニン(米国特許第3,816,118号)等のフタロシアニン系顔料、シーアイバットブラウン5(C.I.73410)、シーアイバットダイ(C.I.73030)等のインジコ系顔料、アルゴスカーレットB(バイエル社製)、インタンスレンスカーレットR(バイエル社製)等のペリレン顔料、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電荷発生層は、電荷発生物質を必要に応じて結着樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散した塗布液を支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。
また、必要に応じて電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えばポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結着樹脂の含有量は、前記電荷発生物質100質量部に対し500質量部以下が好ましく、10質量部〜300質量部がより好ましい。前記結着樹脂の添加は、分散前又は分散後どちらでも構わない。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばイソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロインなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が特に好ましい。
前記電荷発生層は、前記電荷発生物質、前記溶媒、及び前記結着樹脂を含有し、更に必要に応じて、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等の添加剤を含有してなる。
前記塗布液の塗工法としては、例えば浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
前記電荷発生層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01μm〜5μmが好ましく、0.1μm〜2μmがより好ましい。
<<電荷輸送層>>
前記電荷輸送層は、電荷輸送物質を主成分とする層である。前記電荷輸送物質は、正孔輸送物質と電子輸送物質、及び高分子電荷輸送物質に分け、以下に説明する。
前記正孔輸送物質としては、例えば、ポリ−N−カルバゾール又はその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート又はその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物又はその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、或いは以下の構造式(10)乃至(36)で示される化合物などが挙げられる。
ただし、前記構造式(10)中、Rはメチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基又は2−クロルエチル基を表し、Rはメチル基、エチル基、ベンジル基又はフェニル基を表し、Rは水素原子、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、又はニトロ基を表す。
前記構造式(10)で表される化合物としては、例えば9−エチルカルバゾール−3−カルボアルデヒド1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、9−エチルカルバゾール−3−カルボアルデヒド1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、9−エチルカルバゾール−3−カルボアルデヒド1,1−ジフェニルヒドラゾンなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(11)中、Arは、ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環、又はそれらの置換体あるいはピリジン環、フラン環、チオフェン環を表し、Rは、アルキル基、フェニル基、又はベンジル基を表す。
前記構造式(11)で表される化合物としては、例えば4−ジエチルアミノスチリル−β−カルボアルデヒド1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、4−メトキシナフタレン−1−カルボアルデヒド1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾンなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(12)中、Rはアルキル基、ベンジル基、フェニル基又はナフチル基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ジアラルキルアミノ基、又はジアリールアミノ基を表す。nは1〜4の整数を表し、nが2以上のときは、Rは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。Rは水素原子、又はメトキシ基を表す。
前記構造式(12)で表される化合物としては、例えば4−メトキシベンズアルデヒド1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、2、4−ジメトキシベンズアルデヒド1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド1、1−ジフェニルヒドラゾン、4−メトキシベンズアルデヒド1−(4−メトキシ)フェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド1,1−ジフェニルヒドラゾンなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(13)中、Rは炭素数1〜11のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基又は複素環基を表し、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、クロルアルキル基又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表し、また、RとRは互いに結合し窒素を含む複素環を形成していてもよい。Rは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
前記構造式(13)で表される化合物としては、例えば1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、トリス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、2,2’−ジメチル−4,4’−ビス(ジエチルアミノ)−トリフェニルメタンなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(14)中、Rは、水素原子、又はハロゲン原子を表す。Arは、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基、アントリル基、又はカルバゾリル基を表す。
前記構造式(14)で表される化合物としては、例えば9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、9−ブロム−10−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセンなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(15)中、Rは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜4のアルコキシ基又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、Arは、下記構造式(16)、又は下記構造式(17)を表す。
ただし、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基又はジアルキルアミノ基を表し、nは1又は2であって、nが2のときは、Rは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、R、Rは水素原子、炭素数1〜4の置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいベンジル基を表す。
前記構造式(15)で表される化合物としては、例えば9−(4−ジメチルアミノベンジリデン)フルオレン、3−(9−フルオレニリデン)−9−エチルカルバゾールなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(18)中、Rはカルバゾリル基、ピリジル基、チエニル基、インドリル基、フリル基あるいはそれぞれ置換もしくは非置換のフェニル基、スチリル基、ナフチル基、又はアントリル基であって、これらの置換基がジアルキルアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、カルボキシ基又はそのエステル、ハロゲン原子、シアノ基、アラルキルアミノ基、N−アルキル−N−アラルキルアミノ基、アミノ基、ニトロ基及びアセチルアミノ基からなる群から選ばれた基を表す。
前記構造式(18)で表される化合物としては、例えば1、2−ビス(4−ジエチルアミノスチリル)ベンゼン、1、2−ビス(2、4−ジメトキシスチリル)ベンゼンなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(19)中、Rは低級アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又はベンジル基を表し、R、Rは水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基あるいは低級アルキル基又はベンジル基で置換されたアミノ基を表し、nは1又は2の整数を表す。
前記構造式(19)で表される化合物としては、例えば3−スチリル−9−エチルカルバゾール、3−(4−メトキシスチリル)−9−エチルカルバゾールなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(20)中、Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表し、R及びRは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換基を有していてもよいアリール基を表し、Rは水素原子、低級アルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を表し、また、Arは置換基を有していてもよいフェニル基又はナフチル基を表す。
前記構造式(20)で表される化合物としては、例えば4−ジフェニルアミノスチルベン、4−ジベンジルアミノスチルベン、4−ジトリルアミノスチルベン、1−(4−ジフェニルアミノスチリル)ナフタレン、1−(4−ジフェニルアミノスチリル)ナフタレンなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(21)中、nは0又は1の整数、Rは水素原子、アルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を表し、Ar1は置換もしくは未置換のアリール基を表し、Rは置換アルキル基を含むアルキル基、あるいは置換基を有していてもよいアリール基を表す。Aは、下記構造式(22)で表される基、9−アントリル基、又は置換基を有していてもよいカルバゾリル基を表す。Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又は下記構造式(23)で表される基を表す。mが2以上の時にはRは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、nが0の時、AとRは一緒になって環を形成してもよい。
ただし、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換基を有していてもよいアリール基を示し、RとRとは環を形成してもよい。
前記構造式(21)で表される化合物としては、例えば4’−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベン、4’−ビス(4−メチルフェニル)アミノ−α−フェニルスチルベンなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(24)中、R、R及びRは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又はジアルキルアミノ基を表す。nは0又は1を表す。
前記構造式(24)で表される化合物としては、例えば1−フェニル−3−(4−ジエチルアミノスチリル)−5−(4−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリンなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(25)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換もしくは未置換のアルキル基、又は置換もしくは未置換のアリール基を表す。Aは置換アミノ基、置換もしくは未置換のアリール基、又はアリル基を表す。
前記構造式(25)で表される化合物としては、例えば2、5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−N,N−ジフェニルアミノ−5−(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4−ジメチルアミノフェニル)−5−(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(26)中、Xは水素原子、アルキル基又はハロゲン原子を表し、Rは置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。Aは置換基を有していてもよいアミノ基、又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。
前記構造式(26)で表される化合物としては、例えば2−N,N−ジフェニルアミノ−5−(N−エチルカルバゾール−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4−ジエチルアミノフェニル)−5−(N−エチルカルバゾール−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾールなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(27)中、Rはアルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。R及びRは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。l、m、及びnは、それぞれ0〜4の整数を表す。
前記構造式(27)で表されるベンジジン化合物としては、例えばN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン、3,3’−ジメチル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミンなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(28)中、R、R及びRは水素原子、アミノ基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、メチレンジオキシ基、置換基を有していてもよいアルキル基、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。Rは水素原子、アルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキル基、又はハロゲン原子を表す。ただし、R、R、R及びRはすべて水素原子である場合は除く。また、k、l、m及びnは1、2、3又は4の整数であり、それぞれが2、3又は4の整数の時は、前記R、R、R及びRは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
前記構造式(28)で表されるビフェニリルアミン化合物としては、例えば4’−メトキシ−N,N−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン、4’−メチル−N,N−ビス(4−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン、4’−メトキシ−N,N−ビス(4−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン、N,N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4−アミンなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(29)中、Arは置換基を有していてもよい炭素数18以下の縮合多環式炭化水素基を表す。R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、アルコキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基を表す。nは1又は2の整数を表す。
前記構造式(29)で表されるトリアリールアミン化合物としては、例えばN,N−ジフェニル−ピレン−1−アミン、N,N−ジ−p−トリル−ピレン−1−アミン、N,N−ジ−p−トリル−1−ナフチルアミン、N,N−ジ(p−トリル)−1−フェナントリルアミン、9,9−ジメチル−2−(ジ−p−トリルアミノ)フルオレン、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−フェナントレン−9,10−ジアミン、N,N,N’N’−テトラキス(3−メチルフェニル)−m−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(30)中、Arは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表し、Aは、下記構造式(31)で表される基である。
ただし、前記構造式(31)中、Ar’は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表し、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。
前記構造式(30)で表されるジオレフィン芳香族化合物としては、例えば1,4−ビス(4−ジフェニルアミノスチリル)ベンゼン、1,4−ビス[4−ジ(p−トリル)アミノスチリル]ベンゼンなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(32)中、Arは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。nは0又は1であり、mは1又は2であって、n=0、m=1の場合、ArとRは一緒になって環を形成してもよい。
前記構造式(32)で表されるスチリルピレン化合物としては、例えば1−(4−ジフェニルアミノスチリル)ピレン、1−(N,N−ジ−p−トリル−4−アミノスチリル)ピレンなどが挙げられる。
なお、その他の電子輸送材料としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−インデノ4H−インデノ[1,2−b]チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどが挙げられる。更に下記構造式(33)、(34)、(35)、又は(36)で表される電子輸送物質を好適に使用することができる。
ただし、前記構造式(33)中、R、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、アルコキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基を表す。
ただし、前記構造式(34)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基を表す。
ただし、前記構造式(35)中、R、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、アルコキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基を表す。
ただし、前記構造式(36)中、Rは置換基を有してもよいアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を表す。Rは置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、又は−O−R(ただし、Rは、置換基を有してもよいアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を示す)を表す。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電荷輸送物質と本発明で用いられる前記ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体が電荷輸送層内に混合含有される場合、この合計量は、結着樹脂100質量部に対し、20質量部〜300質量部が好ましく、40質量部〜150質量部がより好ましい。
前記電荷輸送層の厚みは、解像度及び応答性の点から、25μm以下とすることが好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)に異なるが、5μm以上が好ましい。
また、本発明で用いられる前記のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体の含有量は、前記電荷輸送物質100質量部に対して0.01質量部〜150質量部が好ましい。少ないと酸化性ガスに対する耐性が不足し、多すぎると、繰り返し使用による残留電位の上昇が大きくなる。
ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。電荷輸送物質は単独で使用しても2種以上混合して使用してもよい。
本発明に使用できる酸化防止剤としては、後述する一般の酸化防止剤が使用できるが、ハイドロキノン系、及びヒンダードアミン系の化合物が特に効果的である。
ただし、ここで用いられる酸化防止剤は、後述の目的と異なり、あくまでも本発明に用いられるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体の変質保護のために利用される。
このため、これらの酸化防止剤は、本発明のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含有させる前の工程で塗工液に含有させておくことが好ましく、添加量としては、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体100質量部に対して0.1質量部〜200質量部で十分な効果を発揮できる。
前記電荷輸送層には電荷輸送物質としての機能とバインダー樹脂としての機能を持った高分子電荷輸送物質も良好に使用される。これらの高分子電荷輸送物質から構成される電荷輸送層は耐摩耗性に優れたものである。高分子電荷輸送物質としては、公知の材料が使用できるが、特に、トリアリールアミン構造を主鎖及び/又は側鎖に含むポリカーボネートが良好に用いられる。これらの中でも、下記式(I)〜(XI)で表される高分子電荷輸送物質が良好に用いられる。これらを以下に例示し、具体例を示す。
<(I)式>
ただし、前記式(I)中、R、R、及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子を表す。Rは水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。R及びRは、置換もしくは無置換のアリール基を表す。o、p、及びqはそれぞれ独立して0〜4の整数を表す。k、及びjは組成比を表し、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9である。nは繰り返し単位数を表し、5〜5,000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、又は下記一般式で表される2価基を表す。
前記式中、R101、及びR102は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基、又はハロゲン原子を表す。l及びmはそれぞれ0〜4の整数を表す。Yはm単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(ただし、式中Zは脂肪族の2価基を表す)、又は、下記一般式で表される基である。
ただし、式中、aは1〜20の整数を表す。bは1〜2000の整数を表す。R103、及びR104は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換又は無置換のアルキル基又はアリール基を表す。
<(II)式>
ただし、前記式(II)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換もしくは無置換のアリール基を表す。Ar、Ar、及びArは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アリーレン基を表す。X、k、j、及びnは、前記(I)式の場合と同じである。
<(III)式>
ただし、前記(III)式中、R及びR10は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換もしくは無置換のアリール基を表す。Ar、Ar、及びArは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アリーレン基を表す。X、k、j及びnは、前記(I)式の場合と同じである。
<(IV)式>
ただし、前記(IV)式中、R11及びR12は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換もしくは無置換のアリール基を表す。Ar、Ar、及びArは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アリーレン基を表す。pは1〜5の整数を表す。X、k、j、及びnは、前記(I)式の場合と同じである。
<(V)式>
ただし、前記(V)式中、R13及びR14は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換もしくは無置換のアリール基を表す。Ar10、Ar11、及びAr12は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アリーレン基を表す。X、及びXは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換もしくは無置換のエチレン基、又は置換もしくは無置換のビニレン基を表す。X、k、j及びnは、前記(I)式の場合と同じである。
<(VI)式>
ただし、前記(VI)式中、R15、R16、R17、及びR18は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換もしくは無置換のアリール基を表す。Ar13、Ar14、Ar15、及びAr16は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アリーレン基を表す。Y、Y、及びYは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表す。X、k、j、及びnは、前記(I)式の場合と同じである。
<(VII)式>
ただし、前記(VII)式中、R19、及びR20は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、置換もしくは無置換のアリール基を表す。なお、R19とR20は環を形成していてもよい。Ar17、Ar18、及びAr19は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アリーレン基を表す。X、k、j、及びnは、前記(I)式の場合と同じである。
<(VIII)式>
ただし、前記(VIII)式中、R21は、置換もしくは無置換のアリール基を表す。Ar20、Ar21、Ar22、及びAr23は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アリーレン基を表す。X,k,j及びnは、前記(I)式の場合と同じである。
<(IX)式>
ただし、前記(IX)式中、R22、R23、R24、及びR25は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換もしくは無置換のアリール基を表す。Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、及びAr28は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アリーレン基を表す。X、k、j、及びnは、前記(I)式の場合と同じである。
<(X)式>
ただし、前記(X)式中、R26、及びR27は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換もしくは無置換のアリール基を表す。Ar29、Ar30、及びAr31は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アリーレン基を表す。X、k、j及びnは、前記(I)式の場合と同じである。
<(XI)式>
ただし、前記(XI)式中、Ar、Ar、Ar、Ar、及びArは、置換もしくは無置換の芳香環基、Zは芳香環基又はAr−Za−Ar−を表し、Arは、置換もしくは無置換の芳香環基、ZaはO、S又はアルキレン基、R及びR’は、直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。mは0又は1を表す。k、j、n及びXは、前記(I)式の場合と同様である。
前記電荷輸送層は、電荷輸送物質単独もしくは結着樹脂と適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布し、乾燥することにより形成できる。また、必要により単独あるいは2種以上の可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
以上のようにして得られた塗工液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等、従来の塗工方法を用いることができる。
<<単層構造の感光層>>
前記単層構造の感光層としては、上述した電荷発生物質を結着樹脂中に分散したものが使用できる。前記単層構造の感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、及び結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布し、乾燥することによって形成できる。必要により可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
前記結着樹脂としては、先に電荷輸送層で挙げた結着樹脂のほかに、電荷発生層で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。結着樹脂100質量部に対する電荷発生物質の量は5質量部〜40質量部が好ましく、電荷輸送物質の量は190質量部以下が好ましく、50質量部〜150質量部がより好ましい。
前記感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成できる。
前記単層構造の感光層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、5μm〜25μmが好ましい。
<支持体>
前記支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等の金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも支持体として用いることができる。
この他、前記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の支持体31として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂としては、例えばポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
更に、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の支持体として良好に用いることができる。
−下引き層−
本発明の電子写真感光体においては、支持体と感光層との間に下引き層を設けることができる。
前記下引き層は、一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが好ましい。
前記樹脂としては、例えばポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂なが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記下引き層には、モアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
前記下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。前記下引き層には、Alを陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作製法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。
前記下引き層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm以下が好ましい。
−保護層−
本発明の電子写真感光体においては、感光層の保護の目的で、保護層が感光層の上に設けられることがある。
前記保護層に使用される材料としては、例えばABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリール樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリアリレート、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、フィラーの分散性、残留電位、塗膜欠陥の点から、ポリカーボネートあるいはポリアリレートが有効かつ有用である。
前記保護層には、耐摩耗性を向上する目的でフィラー材料を添加される。用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなど、電荷輸送層で使用されるすべての溶剤を使用することができる。但し、分散時には粘度が高い溶剤が好ましいが、塗工時には揮発性が高い溶剤が好ましい。これらの条件を満たす溶剤がない場合には、各々の物性を有する溶剤を2種以上混合させて使用することが可能であり、フィラーの分散性や残留電位に対して大きな効果を有する場合がある。
前記保護層の形成法としては、例えば浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の従来方法を用いることができるが、特に塗膜の均一性の面からスプレーコートがより好ましい。
−中間層−
本発明の電子写真感光体においては、感光層と保護層との間に中間層を設けることも可能である。
前記中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
前記中間層の形成方法としては、前述のごとく一般に用いられる塗布法が採用される。
前記中間層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05μm〜2μmが好ましい。
本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、保護層、中間層等の各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤及びレベリング剤を添加することができる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系化合物、パラフェニレンジアミン類、ハイドロキノン類、有機硫黄化合物類、有機燐化合物類、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記フェノール系化合物としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類、などが挙げられる。
前記パラフェニレンジアミン類としては、例えば、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミン、などが挙げられる。
前記ハイドロキノン類としては、例えば、2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノン、などが挙げられる。
前記有機硫黄化合物類としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネート、などが挙げられる。
前記有機燐化合物類としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィン、などが挙げられる。
なお、これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
前記酸化防止剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、添加する層の総質量に対し0.01質量%〜10質量%が好ましい。
各層に添加できる可塑剤としては、例えばリン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、芳香族カルボン酸エステル系可塑剤、脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、脂肪酸エステル誘導体、オキシ酸エステル系可塑剤、エポキシ可塑剤、二価アルコールエステル系可塑剤、含塩素可塑剤、ポリエステル系可塑剤、スルホン酸誘導体、クエン酸誘導体、その他の可塑剤、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記リン酸エステル系可塑剤としては、例えばリン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなどが挙げられる。
前記フタル酸エステル系可塑剤としては、例えばフタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなどが挙げられる。
前記芳香族カルボン酸エステル系可塑剤としては、例えばトリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなどが挙げられる。
前記脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤としては、例えばアジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなどが挙げられる。
前記脂肪酸エステル誘導体としては、例えばオレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなどが挙げられる。
前記オキシ酸エステル系可塑剤としては、例えばアセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなどが挙げられる。
前記エポキシ可塑剤としては、例えばエポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなどが挙げられる。
前記二価アルコールエステル系可塑剤としては、例えばジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなどが挙げられる。
前記含塩素可塑剤としては、例えば塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなどが挙げられる。
前記ポリエステル系可塑剤としては、例えばポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなどが挙げられる。
前記スルホン酸誘導体としては、例えばp−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなどが挙げられる。
前記クエン酸誘導体としては、例えばクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなどが挙げられる。
前記その他の可塑剤としては、例えばターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなどが挙げられる。
各層に添加できる滑剤としては、例えば炭化水素系化合物、脂肪酸系化合物、脂肪酸アミド系化合物、エステル系化合物、アルコール系化合物、金属石けん、天然ワックス、その他の滑剤、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記炭化水素系化合物としては、例えば流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなどが挙げられる。
前記脂肪酸系化合物としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸などが挙げられる。
前記脂肪酸アミド系化合物としては、例えばステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなどが挙げられる。
前記エステル系化合物としては、例えば脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなどが挙げられる。
前記アルコール系化合物としては、例えばセチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなどが挙げられる。
前記金属石けんとしては、例えばステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどが挙げられる。
前記天然ワックスとしては、例えばカルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなどが挙げられる。
前記その他の滑剤としては、例えばシリコーン化合物、フッ素化合物などが挙げられる。
各層に添加できる紫外線吸収剤として、例えばベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サルシレート系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、クエンチャー(金属錯塩系紫外線吸収剤)、HALS(ヒンダードアミン紫外線吸収剤)、などが挙げられる。
前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
前記サルシレート系紫外線吸収剤としては、例えばフェニルサルシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。
前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば(2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ3'−ターシャリブチル5'−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
前記シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えばエチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシ)アクリレートなどが挙げられる。
前記クエンチャー(金属錯塩系紫外線吸収剤)としては、例えばニッケル(2,2'チオビス(4−t−オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなどが挙げられる。
前記HALS(ヒンダードアミン紫外線吸収剤)としては、例えばビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられる。
以上説明したように、本発明の電子写真感光体は、期間の繰り返し使用に対しても高耐久性を有し、かつ画像濃度低下、あるいは画像ボケの発生による画像劣化を抑制し、高画質画像が安定に得られ、両極性帯電に対応できうるので、各種分野の用途に用いることができるが、以下に説明する画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジに特に好適に用いられる。
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、電子写真感光体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、定着手段、クリーニング手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
本発明の画像形成方法は、帯電工程と、露光工程と、現像工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば定着工程、クリーニング工程、除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含んでなる。
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記帯電工程は前記帯電手段により行うことができ、前記露光工程は前記露光手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
<電子写真感光体>
前記電子写真感光体としては、その材質、形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、ドラム状、シート状、エンドレスベルト状などが挙げられる。前記構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記画像形成装置の大きさや仕様等に応じて適宜選択することができる。前記材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン、CdS、ZnO等の無機感光体;ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、などが挙げられる。
前記アモルファスシリコン感光体は、例えば、支持体を50〜400℃に加熱し、該支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法により、a−Siからなる感光層を形成したものである。これらの中でも、プラズマCVD法が特に好ましく、具体的には、原料ガスを直流、高周波又はマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa−Siからなる感光層を形成する方法が好適である。
前記有機感光体(OPC)は、(1)光吸収波長域の広さ、光吸収量の大きさ等の光学特性、(2)高感度、安定な帯電特性等の電気的特性、(3)材料の選択範囲の広さ、(4)製造の容易さ、(5)低コスト、(6)無毒性、等の理由から一般に広く応用されている。このような有機感光体の層構成としては、単層構造と、積層構造とに大別される。
前記単層構造の感光体は、支持体と、該支持体上に単層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。
前記積層構造の感光体は、支持体と、該支持体上に電荷発生層、及び電荷輸送層を少なくともこの順に有する積層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。
<帯電工程及び帯電手段>
前記帯電工程は、電子写真感光体表面を帯電させる工程であり、前記帯電手段により行われる。
前記帯電手段としては、前記電子写真感光体の表面に電圧を印加して一様に帯電させることができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、(1)電子写真感光体と接触して帯電させる接触方式の帯電手段と、(2)電子写真感光体と非接触で帯電させる非接触方式の帯電手段とに大別される。
−接触方式の帯電手段−
前記(1)の接触方式の帯電手段としては、例えば導電性又は半導電性の帯電ローラ、磁気ブラシ、ファーブラシ、フィルム、ゴムブレードなどが挙げられる。これらの中でも、前記帯電ローラは、コロナ放電に比べてオゾンの発生量を大幅に低減することが可能であり、電子写真感光体の繰り返し使用時における安定性に優れ、画質劣化防止に有効である。
前記磁気ブラシは、例えばZn−Cuフェライト等の各種フェライト粒子を支持する非磁性の導電スリーブと、該スリーブに内包されるマグネットロールとから構成される。前記ファーブラシは、例えばカーボン、硫化銅、金属又は金属酸化物等により導電処理されたファーを金属又は導電処理された芯金に巻き付けたり、張り付けたりして形成される。
−非接触方式の帯電手段−
前記(2)の非接触の帯電手段としては、例えばコロナ放電を利用した非接触帯電器や針電極デバイス、固体放電素子;電子写真感光体に対して微小な間隙をもって配設された導電性又は半導電性の帯電ローラなどが挙げられる。
前記コロナ放電は、空気中のコロナ放電によって発生した正又は負のイオンを電子写真感光体の表面に与える非接触な帯電方法であり、電子写真感光体に一定の電荷量を与える特性を持つコロトン帯電器と、一定の電位を与える特性を持つスコロトロン帯電器とがある。
前記コロトン帯電器は、放電ワイヤの周囲に半空間を占めるケーシング電極とそのほぼ中心に置かれた放電ワイヤとから構成される。
前記スコロトロン帯電器は、前記コロトロン帯電器にグリッド電極を追加したものであり、グリッド電極は電子写真感光体表面から1.0mm〜2.0mm離れた位置に設けられている。
前記電子写真感光体に対して微小な間隙をもって配設された帯電ローラとしては、前記電子写真感光体に対して微小なギャップを持つように前記帯電ローラを改良したものである。前記微小なギャップは10μm〜200μmが好ましく、10μm〜100μmがより好ましい。
<露光工程及び露光手段>
前記露光は、例えば、前記露光手段を用いて前記電子写真感光体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光における光学系は、アナログ光学系とデジタル光学系とに大別される。前記アナログ光学系は、原稿を光学系により直接電子写真感光体上に投影する光学系であり、前記デジタル光学系は、画像情報が電気信号として与えられ、これを光信号に変換して電子写真感光体を露光し作像する光学系である。
前記露光手段としては、前記帯電手段により帯電された前記電子写真感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ(LD)光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系、などの各種露光器が挙げられる。
これらの中でも、LD及びLEDのいずれかを用いて電子写真感光体上に静電潜像の書き込みを行う、デジタル方式であることが特に好ましい。
<現像工程及び現像手段>
前記現像工程は、前記静電潜像を、トナー乃至現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられ、トナー入り容器を備えた現像器などがより好ましい。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記感光体近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該感光体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該感光体の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、前記トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
−転写工程及び転写手段−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記電子写真感光体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記電子写真感光体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着手段を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電工程は、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング工程は、前記電子写真感光体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
次に、図面に基づいて本発明の画像形成方法、及び画像形成装置について詳細に説明する。
図7は、本発明の電子写真プロセス、及び画像形成装置を説明するための概略図である。
感光体10は、図7中の矢印の方向に回転し、感光体10の周りには、帯電手段11、露光手段12、現像手段13、転写手段16、クリーニング手段17、除電手段18等が配置される。なお、クリーニング手段17及び除電手段18が省略されることもある。
画像形成装置の動作は、基本的には以下のようになる。帯電手段11により、感光体10表面に対してほぼ均一に帯電が施される。続いて、露光手段12により、入力信号に対応した画像光書き込みが行われ、静電潜像が形成される。次に、現像手段13により、この静電潜像に現像が行われ、感光体表面にトナー像が形成される。形成されたトナー像は、搬送ローラ14により転写部位に送られた転写紙15に、転写手段により、トナー像が転写される。このトナー像は、図示しない定着装置により転写紙上に定着される。転写紙に転写されなかった一部のトナーは、クリーニング手段17によりクリーニングされる。次いで、感光体上に残存する電荷は、除電手段18により除電が行われ、次のサイクルに移行する。
図7に示すように、感光体10はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。帯電手段11、転写手段16には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ)のほか、ローラ状の帯電手段あるいはブラシ状の帯電手段等が用いられ、公知の手段がすべて使用可能である。
露光手段12、除電手段18等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。これらの中でも半導体レーザー(LD)や発光ダイオード(LED)が主に用いられる。
所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
光源等は、光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体10に光が照射される。但し、除電工程における感光体10への露光は、感光体10に与える疲労の影響が大きく、特に帯電低下や残留電位の上昇を引き起こす場合がある。
したがって、露光による除電ではなく、帯電工程やクリーニング工程において逆バイアスを印加することによっても除電することが可能な場合もあり、感光体の高耐久化の面から有効な場合がある。
電子写真感光体10に正(負)帯電を施し、画像露光を行うと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
感光体表面に付着する汚染物質の中でも帯電によって生成する放電物質やトナー中に含まれる外添剤等は、湿度の影響を拾いやすく異常画像の原因となっているが、このような異常画像の原因物質には、紙粉もその一つであり、それらが感光体に付着することによって、異常画像が発生しやすくなるだけでなく、耐摩耗性を低下させたり、偏摩耗を引き起こしたりする傾向が見られる。したがって、前記の理由により感光体と紙とが直接接触しない構成であることが高画質化の点からより好ましい。
現像手段13により、感光体10上に現像されたトナーは、転写紙15に転写されるが、すべてが転写されるわけではなく、感光体10上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、クリーニング手段17により、感光体10から除去される。
このクリーニング手段17は、クリーニングブレード又はクリーニングブラシ等の公知のものが用いられる。また、両者が併用されることもある。
本発明の電子写真感光体は、高光感度及び高安定化を実現したことから小径感光体に適用できる。したがって、前記感光体がより有効に用いられる画像形成装置又はその方式としては、複数色のトナーに対応した各々の現像部に対して、対応した複数の感光体を具備し、それによって並列処理を行う、いわゆるタンデム方式の画像形成装置に極めて有効に使用される。前記タンデム方式の画像形成装置は、フルカラー印刷に必要とされるイエロー(C)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の少なくとも4色のトナー及びそれらを保持する現像部を配置し、更にそれらに対応した少なくとも4本の感光体を具備することによって、従来のフルカラー印刷が可能な画像形成装置に比べ極めて高速なフルカラー印刷を可能としている。
図8は、本発明のタンデム方式のフルカラー電子写真方式の画像形成装置を説明するための概略図である。
図8において、感光体(10C(シアン))、(10M(マゼンタ))、(10Y(イエロー))、(10K(ブラック))は、ドラム状の感光体(10)であり、これらの感光体(10C,10M,10Y,10K)は、図8中の矢印方向に回転し、その周りに少なくとも回転順に帯電手段(11C,11M,11Y,11K)、現像手段(13C,13M,13Y,13K)、クリーニング手段(17C,17M,17Y,17K)が配置されている。
この帯電手段(11C,11M,11Y,11K)と、現像手段(13C,13M,13Y,13K)との間の感光体10の裏面側より、図示しない露光手段からのレーザー光(12C,12M,12Y,12K)が照射され、感光体(10C,10M,10Y,10K)に静電潜像が形成されるようになっている。
そして、このような感光体(10C,10M,10Y,10K)を中心とした4つの画像形成要素(20C、20M、20Y、20K)が、転写材搬送手段である転写搬送ベルト25に沿って並置されている。
転写搬送ベルト19は、各画像形成ユニット(20C,20M,20Y,20K)の現像手段(13C,13M,13Y,13K)と、クリーニング手段(17C,17M,17Y,17K)との間で感光体(10C,10M,10Y,10K)に当接しており、転写搬送ベルト19の感光体(10)側の裏側に当たる面(裏面)には転写バイアスを印加するための転写手段(16C,16M,16Y,16K)が配置されている。各画像形成要素(20C、20M、20Y、20K)は現像装置内部のトナーの色が異なることであり、その他は全て同様の構成となっている。
図8に示す構成のカラー電子写真装置において、画像形成動作は次のようにして行われる。まず、各画像形成要素(20C,20M,20Y,20K)において、感光体(10C,10M,10Y,10K)が、感光体10と連れ周り方向に回転する帯電手段(11C,11M,11Y,11K)により帯電される。次に、感光体10の外側に配置された露光部(図示せず)でレーザー光(12C,12M,12Y,12K)により、作成する各色の画像に対応した静電潜像が形成される。
次に、現像手段(13C,13M,13Y,13K)により潜像を現像してトナー像が形成される。現像手段(13C,13M,13Y,13K)は、それぞれC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(ブラック)のトナーで現像を行う現像手段で、4つの感光体(10C,10M,10Y,10K)上で作られた各色のトナー像は転写ベルト19上で重ねられる。
転写紙15は給紙コロ21によりトレイから送り出され、一対のレジストローラ22で一旦停止し、前記感光体上への画像形成とタイミングを合わせて転写手段23に送られる。転写ベルト19上に保持されたトナー像は転写手段23に印加された転写バイアスと転写ベルト19との電位差から形成される電界により、転写紙15上に転写される。転写紙上に転写されたトナー像は、搬送されて、定着手段24により転写紙上にトナーが定着されて、図示しない排紙部に排紙される。また、転写部で転写されずに各感光体(10C,10M,10Y,10K)上に残った残留トナーは、それぞれのユニットに設けられたクリーニング手段(17C,17M,17Y,17K)で回収される。
図8に示したような、中間転写方式は、フルカラー印刷が可能な画像形成装置に特に有効であり、複数のトナー像を一度中間転写体上に形成した後に紙に一度に転写することによって、色ズレの防止の制御もしやすく高画質化に対しても有効である。
中間転写体には、ドラム状やベルト状など種々の材質あるいは形状のものがあるが、本発明においては従来公知である中間転写体のいずれも使用することが可能であり、感光体の高耐久化又は高画質化に対し有効かつ有用である。
なお、図8では画像形成要素は転写紙搬送方向上流側から下流側に向けて、C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(ブラック)の色の順で並んでいるが、この順番に限るものでは無く、色順は任意に設定されるものである。また、黒色のみの原稿を作成する際には、黒色以外の画像形成要素(20C,20M,20Y)が停止するような機構を設けることは本発明に特に有効に利用できる。
前記のタンデム方式による画像形成装置は、複数のトナー像を一度に転写できるため高速フルカラー印刷が実現される。
しかし、感光体が少なくとも4つを必要とすることから、装置の大型化が避けられず、また使用されるトナー量によっては、各々の感光体の摩耗量に差が生じ、それによって色の再現性が低下したり、異常画像が発生したりするなど多くの課題を有していた。
それに対し、本発明による感光体は、高光感度並びに高安定化が実現されたことにより小径感光体でも適用可能であり、かつ残留電位上昇や感度劣化等の影響が低減されたことから、4つの感光体の使用量が異なっていても、残留電位や感度の繰り返し使用経時における差が小さく、長期繰り返し使用しても色再現性に優れたフルカラー画像を得ることが可能となる。
以上に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、以下に説明するプロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する電子写真感光体と、該電子写真感光体上に担持された静電潜像を、トナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
本発明のプロセスカートリッジは、各種電子写真方式の画像形成装置に着脱可能に備えさせることができ、本発明の画像形成装置に着脱可能に備えさせるのが好ましい。
ここで、前記プロセスカートリッジとしては、図9に示すように、感光体101を内蔵し、その他として帯電手段102、現像手段104、転写手段108、クリーニング手段107、除電手段(不図示)の少なくとも一つを具備し、画像形成装置本体に着脱可能とした装置(部品)である。
ここで、図9に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、感光体101は、矢印方向に回転しながら、帯電手段102による帯電、露光手段(不図示)による露光103により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段104でトナー現像され、該トナー現像は転写手段108により、記録媒体105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の感光体表面は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(合成例1)
−例示化合物No.4の合成−
2,7−ジアミノ−9,9’−ジメチル−フルオレン0.5g(2.33mmol)、N−(2−エチルヘキシル)−ナフタレン−1,9−ジカルボン酸無水物−4,5−イミド2.54g(6.69mmol)、及びジメチルホルムアミド(DMF)50mLを4つ口フラスコに入れ、10時間加熱還流させた。冷却後、析出した沈殿を吸引ろ過した。DMFで再結晶し、下記構造式で示される例示化合物No.4のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体1.77g(収率82.3%)を得た。
得られたナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体の融点は250℃以上であった。得られたナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体のIRスペクトルを図11に示す。
(合成例2)
−例示化合物No.7の合成−
2,2’,7,7’−テトラアミノ−9,9’−スピロビフルオレン0.3g(7.97mmol)、N−(2−エチルヘキシル)−ナフタレン−1,9−ジカルボン酸無水物−4,5−イミド1.5g(39.9mmol)、及びジメチルホルムアミド(DMF)50mLを4つ口フラスコに入れ、10時間加熱還流させた。冷却後、析出した沈殿を吸引ろ過した。DMFで再結晶し、下記構造式で示される例示化合物No.7のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体1.0g(収率66.8%)を得た。得られたナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体の融点は250℃以上であった。得られたナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体のIRスペクトルを図12に示す。
(合成例3)
−例示化合物No.13の合成−
2,4,6−トリ−(4−アミノフェニル)−トリアジン0.30g(0.85mmol)、N−(2−エチルヘキシル)−ナフタレン−1,9−ジカルボン酸無水物−4,5−イミド1.28g(6.69mmol)、及びジメチルホルムアミド(DMF)30mLを4つ口フラスコに入れ、10時間加熱還流させた。冷却後、析出した沈殿を吸引ろ過した。DMFで再結晶し、下記構造式で示される例示化合物No.13のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体0.55g(収率45%)を得た。得られたナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体の融点は250℃以上であった。得られたナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体のIRスペクトルを図13に示す。
(合成例4)
−例示化合物No.20の合成−
トリ−(2−アミノエチル)アミン0.11g(0.75mmol)、N−(2−エチルヘキシル)−ナフタレン−1,9−ジカルボン酸無水物−4,5−イミド1.0g(2.64mmol)、及びジメチルホルムアミド(DMF)30mLを4つ口フラスコに入れ、10時間加熱還流させた。冷却後、析出した沈殿を吸引ろ過した。DMFで再結晶し、下記構造式で示される例示化合物No.20のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体0.60g(収率65%)を得た。得られたナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体の融点は250℃以上であった。得られたナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体のIRスペクトルを図14に示す。
(実施例1)
直径30mmのアルミニウムシリンダー上に下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、及び電荷輸送層塗工液を、浸漬塗工によって順次塗布、乾燥し、厚み3.5μmの下引き層、厚み0.2μmの電荷発生層、及び厚み23μmの電荷輸送層をそれぞれ形成した。以上により、実施例1の電子写真感光体No.1を作製した。
−下引き層塗工液−
・二酸化チタン粉末(石原産業社製、タイベークCR−EL)・・・400質量部
・メラミン樹脂(大日本インキ化学工業社製、スーパーベッカミンG821−60)・・・65質量部
・アルキッド樹脂(大日本インキ化学工業社製、ベッコライトM6401−50))・・・120質量部
・2−ブタノン・・・400質量部
−電荷発生層塗工液−
・下記構造式で表されるフルオレノン系ビスアゾ顔料・・・2質量部
・ポリビニルブチラール(ユニオンカーバイド社製、XYHL)・・・5質量部
・2−ブタノン・・・200質量部
・シクロヘキサノン・・・400質量部
−電荷輸送層塗工液−
・ポリカーボネート樹脂(Zポリカ、帝人化成社製)・・・10質量部
・例示化合物No.7のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体・・・10質量部
・テトラヒドロフラン・・・100質量部
以上のように作製した電子写真感光体を、プロセスカートリッジに装着し、帯電方式を正帯電コロナ帯電方式、画像露光光源を655nmの半導体レーザー(LD)に改造した株式会社リコー製imagio MF2200改造機にて暗部電位800(V)に設定した後、連続してトータル10万枚印刷相当の繰り返し試験を行った。その際、初期及び繰り返し試験後において、明部電位を表面電位計(トレックジャパン社製、MODEL344)により測定した。
また、初期及び繰り返し試験後の画像ボケ(ドット解像度)について、600dpi×600dpiの画素密度で画像濃度が5%のドット画像を連続10枚プリントアウトし、そのドット形状を実体顕微鏡で観察して、輪郭のシャープネスを以下の基準で5段階(5が優れ1が劣る)に分けて評価した。結果を表1に示す。
〔ドット解像度の評価基準〕
5:輪郭が明瞭で、良好である
4:輪郭のぼやけが極めてごく僅かに観察されるが、良好である
3:輪郭のぼやけがごく僅かに観察されるが実質的に良好である
2:輪郭のぼやけが観察され、画像の種類によっては問題となる
1:ドット画像の判別できない
(実施例2〜15)
実施例1において、例示化合物No.7のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を表1に示した例示化合物に代えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.2〜No.15を作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
(実施例16)
実施例1において、電荷輸送層塗工液を、下記組成の電荷輸送層塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.16を作製した。
また評価は、実施例1において、帯電方式を負帯電型コロナ放電(スコロトロン方式)に代えた以外は、実施例1と同様にして行った。結果を表2に示す。
−電荷輸送層塗工液−
・ポリカーボネート樹脂(Zポリカ、帝人化成社製)・・・10質量部
・例示化合物No.7のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体・・・1質量部
・下記構造式で表される電荷輸送物質No.1・・・9質量部
<電荷輸送物質No.1>
・テトラヒドロフラン・・・100質量部
(実施例17〜30)
実施例16において、例示化合物No.7のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体の代わりに表2に示した例示化合物Noのナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を用いた以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.17〜30を作製した。
得られた各電子写真感光体について、実施例16と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例31〜34)
実施例16において、表3に示す例示化合物No.のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体と、電荷輸送物質No.1の量を下記の量に変更した以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.31〜34を作製した。
・ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体・・・1質量部
・電荷輸送物質No.1・・・7質量部
次に、得られた各電子写真感光体について、実施例16と同様にして評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例35〜38)
実施例31において、表4に示す例示化合物No.のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体と、電荷輸送物質No.1を下記構造式で表される電荷輸送物質No.2に変更した以外は、実施例31と同様にして、電子写真感光体No.35〜38を作製した。
得られた各電子写真感光体について、実施例16と同様にして評価を行った。結果を表4に示す。
<電荷輸送物質No.2>
(実施例39〜42)
実施例31において、表5に示す例示化合物No.のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体と、電荷輸送物質No.1を下記構造式で表される電荷輸送物質No.3に変更した以外は、実施例31と同様にして、電子写真感光体No.39〜42を作製した。
得られた各電子写真感光体について、実施例16と同様にして評価を行った。結果を表5に示す。
<電荷輸送物質No.3>
(実施例43〜46)
実施例31において、表6に示す例示化合物No.のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体と、電荷輸送物質No.1を下記構造式で表される電荷輸送物質No.4に変更した以外は、実施例31と同様にして、電子写真感光体No.43〜46を作製した。
得られた各電子写真感光体について、実施例16と同様にして評価を行った。結果を表6に示す。
<電荷輸送物質No.4>
(実施例47及び48)
実施例16において、電荷発生層塗工液、及び電荷輸送層塗工液を下記のものに変更した以外は、実施例16と同様にして、電子写真感光体No.47及び48を作製した。
得られた各電子写真感光体について、実施例16と同様にして評価を行った。結果を表7に示す。
<オキソチタニウムフタロシアニンの製造>
特開2001−019871号公報記載の合成例4と同様にして、1,3−ジイミノイソインドリン29.2gとスルホラン200mlを混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド20.4gを滴下する。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温して、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行った。反応終了後、放冷した後析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄した。次に、メタノールで数回洗浄し、更に80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。粗チタニルフタロシアニンを20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の氷水に撹拌しながら滴下し、析出した結晶を濾過した。次いで、洗浄液が中性になるまで水洗を繰り返し、チタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキを得た。このウェットケーキの乾燥品のX線回析スペクトルを図10に示す。得られたウェットケーキ2gを二硫化炭素20gに投入し、4時間撹拌を行った。これにメタノール100gを追加して、1時間撹拌を行った後、濾過を行い、乾燥して、オキソチタニウムフタロシアニン結晶粉末を得た。
−電荷発生層塗工液−
・図10に示す粉末XDスペクトルを有するオキソチタニウムフタロシアニン・・・8質量部
・ポリビニルブチラール(BX−1)・・・5質量部
・2−ブタノン・・・400質量部
−電荷輸送層塗工液−
・ポリカーボネート樹脂(Zポリカ、帝人化成社製)・・・10質量部
・例示化合物No.7のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体・・・1質量部
・下記構造式で表される電荷輸送物質No.1・・・7質量部
<電荷輸送物質No.1>
・トルエン・・・70質量部
(実施例49)
直径100mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の感光層用塗工液を塗布し、乾燥することにより、厚み30μmの単層構造の感光層を形成した。以上により、電子写真感光体No.49を作製した。
[感光層用塗工液]
・X型無金属フタロシアニン(FastogenBlue8120B、大日本インキ化学工業社製)・・・2質量部
・下記構造式で表される電荷輸送物質No.2・・・30質量部
<電荷輸送物質No.2>
・例示化合物No.4のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体・・・20質量部
・ビスフェノールZポリカーボネート(パンライトTS−2050、帝人化成社製)・・・50質量部
・テトラヒドロフラン・・・500質量部
作製した電子写真感光体を、帯電方式をコロナ帯電方式(スコロトロン型)、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(LD)を用いた株式会社リコー製imagio Neo 752改造機にてプラス帯電を行い暗部表面電位+700(V)に設定した後、連続して合計10万枚印刷相当の繰り返し試験を行い、実施例1と同様に評価した。結果を表8に示す。
(実施例50〜52)
実施例49において、例示化合物No.4のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を表8に示すものに代えた以外は、実施例49と同様にして、電子写真感光体No.50〜52を作製し、実施例49と同様にして評価を行った。結果を表8に示す。
(実施例53)
直径30mmのアルミニウムシリンダー上に、実施例49と同様の感光層用塗工液を塗布し、乾燥することにより、厚み30μmの単層構造の感光層を形成し、電子写真感光体No.53を作製した。
また、評価は、実施例49において、帯電方式を負帯電型コロナ放電(スコロトロン方式)に代えた以外は、実施例49と同様にして行った。結果を表9に示す。
(実施例54〜56)
実施例53において、例示化合物No.4のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を表9に示すものに代えた以外は、実施例53と同様にして、電子写真感光体No.54〜56を作製した。
得られた各電子写真感光体について、実施例53と同様にして、評価を行った。結果を表9に示す。
(実施例57)
直径100mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の電荷輸送層用塗工液、及び下記組成の電荷発生層用塗工液を順次、塗布し、乾燥することにより、厚み20μmの電荷輸送層、及び厚み0.1μmの電荷発生層をそれぞれ形成し、電子写真感光体No.57を作製した。
得られた電子写真感光体について、実施例53と同様にして、評価を行った。結果を表10に示す。
〔電荷輸送層用塗工液の組成〕
・ビスフェノールAポリカーボネート(パンライトC−1400、帝人化成社製)・・・10質量部
・トルエン・・・100質量部
・例示化合物No.4のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体・・・10質量部
〔電荷発生層用塗工液の組成〕
・ポリビニルブチラール(XYHL、UCC社製)・・・0.5質量部
・シクロヘキサノン・・・200質量部
・メチルエチルケトン・・・80質量部
・X型無金属フタロシアニン(FastogenBlue8120B、大日本インキ化学工業社製)・・・2質量部
(実施例58〜60)
実施例57において、例示化合物No.4のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を表10に示すものに代えた以外は、実施例57と同様にして、電子写真感光体No.58〜60を作製した。
得られた各電子写真感光体について、実施例53と同様にして、評価を行った。結果を表10に示す。
(比較例1)
実施例1において、例示化合物No.7のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を、下記構造式で表されるベンゾキノン誘導体に代えた以外は、実施例1と同様にして、比較電子写真感光体No.1を作製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表11に示す。
(比較例2)
実施例16において、電荷輸送層形成用塗工液中に例示化合物No.7のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を加えず、電荷輸送物質を10質量部とした以外は、実施例16と同様にして、比較電子写真感光体No.2を作製し、実施例16と同様にして評価した。結果を表11に示す。
(比較例3)
実施例35において、例示化合物No.1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を、下記構造式で表されるテトラフェニルメタン化合物(特開2000−231204号公報記載)に代えた以外は、実施例35と同様にして、比較電子写真感光体No.3を作製し、実施例35と同様にして評価した。結果を表11に示す。
(比較例4)
実施例47において、例示化合物No.7のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を、下記構造式で表されるヒンダードアミン系酸化防止剤に代えた以外は、実施例47と同様にして、比較電子写真感光体No.4を作製し、実施例47と同様にして評価した。結果を表11に示す。
(比較例5)
実施例49において、例示化合物No.4のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体20質量部を、下記構造式で表される電子輸送物質に代えた以外は、実施例49と同様にして、比較電子写真感光体No.5を作製し、実施例49と同様にして評価した。結果を表11に示す。
・下記構造式で表される電荷輸送物質・・・18質量部
・下記構造式で表される電荷輸送物質・・・2質量部
(比較例6)
実施例49において、例示化合物No.4のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体20質量部を、下記構造式で表される電子輸送物質20質量部に変えた以外は、実施例49と同様にして、比較電子写真感光体No.6を作製し、実施例49と同様にして評価した。結果を表11に示す。
(比較例7)
実施例57において、例示化合物No.4のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体10質量部を、下記構造式で表される電子輸送物質10質量部に変えた以外は、実施例57と同様にして、比較電子写真感光体No.7を作製し、実施例57と同様にして評価した。結果を表11に示す。
・下記構造式で表される電荷輸送物質・・・9質量部
・下記構造式で表される電荷輸送物質・・・1質量部
以上の評価結果から、前記一般式(1)で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含有した本発明の電子写真感光体では10万枚印刷後においても明部電位上昇は少なく、高画質画像が安定に得られることが確認できた。
これに対し、比較電子写真感光体No.1、3、及び4は、明部電位が初期から非常に高く、画像濃度の低下や解像度の低下を引き起こしており、10万枚印刷後では階調性が著しく低下したことによって画像の判別が不可能であった。
更に、表1及び表9の結果から、本発明の電子写真感光体は正帯電方式においても良好な画像が得られ、10万枚印刷後においても画像品質は良好で画像ボケ(ドット解像度)評価結果も良好であった。
これに対し、比較電子写真感光体No.2、5、6、及び7は、明部電位の上昇は比較的小さいものの、本発明の電子写真感光体と比べて、繰り返し使用による解像度低下が大きいことが分かった。
(実施例61〜67及び比較例8)
電子写真感光体No.1、4、7、10、13、20、及び24、並びに比較電子写真感光体No.2について、50ppmの窒素酸化物(NOx)ガス濃度に調整されたデシケータ中に4日間放置し、前後における画像評価を以下のようにして行った。結果を表12に示す。
<画像評価>
NOx曝露後の画像に対して基準となる段階見本を作製し、下記基準に基づきランク付けを行った。
〔評価基準〕
5:全くぼけていない
4:少しボケてはいるが画像としては問題ない
3:少しボケており、画像に問題がある
2:かなりボケているが、画像として認識できる。
1:完全にボケており、画像として判別できない
表12の結果から、本発明の電子写真感光体では、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含有させることによって、酸化性ガスに対する耐性、即ち、解像度低下抑止が大幅に向上することが分かった。これに対し、比較感光体No.2は、初期画像品質は良好であるが、酸化性ガスにより著しい解像度の低下が起こることが分かった。
本発明の電子写真感光体、並びにこれを用いた画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジは、長期間の繰り返し使用に対しても高耐久性を有し、かつ画像濃度低下、あるいは画像ボケの発生による画像劣化を抑制し、高画質画像が安定に得られ、両極性帯電に対応できうるので、例えば直接又は間接電子写真多色画像現像方式を用いたフルカラー複写機、フルカラーレーザープリンター、及びフルカラー普通紙ファックス等に幅広く使用できる。
10、10Y、10M、10C、10K 電子写真感光体
11、11Y、11M、11C、11K 帯電手段
12、12Y、12M、12C、13K 露光手段
13、13Y、13M、13C、13K 現像手段
14 搬送ローラ
15 記録媒体
16、16Y、16M、16C、16K 転写手段
17、17Y、17M、17C、17K クリーニング手段
18 除電手段
20Y、20M、20C、20K 画像形成要素
21 給紙コロ
22 レジストローラ
23 転写手段(二次転写手段)
24 定着手段
31 支持体
33 感光層
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
39 保護層
101 感光体
102 帯電手段
103 露光手段による露光
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写手段
特許第2732697号公報 特開2000−231204号公報 特開昭60−196768号公報 特許第2884353号公報 特開2004−258253号公報 米国特許第5468583号明細書 特開2005−154409号公報 米国特許第6794102号明細書 国際公開第2000/040657号パンフレット
伊丹ら、コニカテクニカルレポート、13巻、37頁、2000年 Chemistry letters(2003),32(6),508−509

Claims (14)

  1. 支持体と、該支持体上に、少なくとも感光層とを有する電子写真感光体であって、
    前記感光層が、下記一般式(1)で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    <一般式(1)>
    ただし、前記一般式(1)中、Xは、下記一般式(a)、(b)、(c)、及び(d)のいずれかを表す。R及びRは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、これらは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。iは0〜4の整数、jは2〜4の整数を表す。
    <一般式(a)>
    <一般式(b)>
    <一般式(c)>
    <一般式(d)>
    ただし、前記一般式(a)から(d)中、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、及びR12は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、ハロゲン原子、又はニトロ基を表し、これらは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。kは1〜6、lは0〜4、mは0〜2、nは0〜3の整数を表す。
  2. 感光層が、更に電荷輸送物質を含有する請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 電荷輸送物質が、下記一般式(2)で表される化合物である請求項2に記載の電子写真感光体。
    <一般式(2)>
    ただし、前記一般式(2)中、Xは、単結合又はビニレン基を表す。Rは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Arは、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Rは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、ArとRは共同で環を形成してもよい。Aは、下記一般式(3)で表される基、下記一般式(4)で表される基、9−アントリル基、又は置換もしくは無置換のカルバゾリル基を表す。
    <一般式(3)>
    <一般式(4)>
    ただし、前記一般式(3)及び(4)中、Rは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又は下記一般式(5)で表される基を表し、mは、1〜3の整数を表し、mが2以上の時にはRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
    <一般式(5)>
    ただし、前記一般式(5)中、R及びRは、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、これらは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、環を形成してもよい。
  4. 電荷輸送物質が、下記一般式(6)で表される化合物である請求項2に記載の電子写真感光体。
    <一般式(6)>
    ただし、前記一般式(6)中、R、R、及びRは、水素原子、アミノ基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、メチレンジオキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、ハロゲン原子、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Rは、水素原子、アルコキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、又はハロゲン原子を表す。k、l、m、及びnは、1、2、3、又は4の整数であり、それぞれが2、3又は4の整数の時は、前記R、R、R、及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
  5. 電荷輸送物質が、下記一般式(7)で表される化合物である請求項2に記載の電子写真感光体。
    <一般式(7)>
    ただし、前記一般式(7)中、Xは、単結合、又はビニレン基を表す。Rは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Arは、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Rは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。ArとRは共同で環を形成してもよい。Rは、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Arは、下記一般式(8)又は一般式(9)を表す。
    <一般式(8)>
    <一般式(9)>
    ただし、前記一般式(8)及び(9)中、Rは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。mは、1〜3の整数を表し、mが2以上の時にはRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
  6. 電荷輸送物質が、下記一般式(10)で表される化合物である請求項2に記載の電子写真感光体。
    <一般式(10)>
    ただし、前記一般式(10)中、Xは、単結合、又はビニレン基を表す。Rは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Arは、置換もしくは無置換の2価の芳香族炭化水素基を表す。Rは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Aは、下記一般式(3)で表される基、下記一般式(4)で表される基、9−アントリル基、又は置換もしくは無置換のカルバゾリル基を表す。
    <一般式(3)>
    <一般式(4)>
    ただし、前記一般式(3)及び(4)中、Rは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又は下記一般式(5)で表される基を表し、mは、1〜3の整数を表し、mが2以上の時にはRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
    <一般式(5)>
    ただし、前記一般式(5)中、R及びRは、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、環を形成してもよい。
  7. 感光層が、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層をこの順に積層してなる請求項1から6のいずれかに記載の電子写真感光体。
  8. 感光層が、少なくとも電荷輸送層及び電荷発生層をこの順に積層してなる請求項1から6のいずれかに記載の電子写真感光体。
  9. 感光層が、単層型の感光層である請求項1から6のいずれかに記載の電子写真感光体。
  10. 電子写真感光体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像を、現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
    前記電子写真感光体として、請求項1から9のいずれかに記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする画像形成方法。
  11. 露光工程が、LD及びLEDのいずれかを用いて電子写真感光体上に静電潜像の書き込みを行う、デジタル方式である請求項10に記載の画像形成方法。
  12. 電子写真感光体と、該電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を、現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
    前記電子写真感光体が、請求項1から9のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
  13. 露光手段が、LD及びLEDのいずれかを用いて電子写真感光体上に静電潜像の書き込みを行う、デジタル方式である請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 電子写真感光体と、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を、現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
    前記電子写真感光体が、請求項1から9のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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