JP4324008B2 - 電子写真装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、レーザープリンタ及びファックスなどの電子写真装置、及び該電子写真装置に用いる電子写真感光体に関する。
従来、複写機やプリンタ等の画像形成装置の画像濃度安定化の方法として、以下のような方法が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
例えば、画像処理を調整する(画像制御)ことにより、画像濃度を安定化する方法が知られている。具体的には、画像形成装置を起動してそのウォームアップ動作の終了後や出力動作中に、特定パターン(パッチ画像)を感光ドラム等の像担持体(以下、感光体ともいう)上に形成し、その形成されたパターンの濃度を読み取り、その読み取った濃度値に基づいてγ補正(露光後ドラム表面電位とドラム上に形成されるトナーの濃度の関係からγ曲線を導き、実画像上の適正な色階調度に合わせ込むために行なう補正)回路等の画像形成条件を決定する回路の動作を変更することにより、形成される画像の品質を安定させる方法がある。
また、画像形成装置が長期に亘って使用された場合、像担持体上のパターンを読み取った濃度と実際にプリントアウトされた画像の濃度が一致しなくなるケースが生じてくる。そのため、記録材上に特定パターンを形成し、その濃度値によって画像形成条件を補正する方法も知られている。
さらにまた、現像装置内のトナー濃度を調整する方法としては、現像剤からの反射光量を検知して制御する方式(現像剤反射ATR)によりトナー補給を行う方法が知られている。具体的には、像担持体上の特定パターン(パッチ画像)の濃度差の出力信号からパッチ画像濃度を初期濃度に戻すのに必要なトナー過不足量を演算し、そのトナー補給量を現像剤反射ATRに設定した目標値に加減算して補正し、該補正されたトナー補給量を補給することにより画像濃度を安定化させる方法が知られている。
上記した、特定パターン(パッチ画像)を感光ドラム等の像担持体上に形成し、その形成されたパターンの濃度を読み取るセンサとしては、2種類ある。1つは、主に、トナ−濃度制御用に用いられる散乱型光学濃度センサであり、もう1つは、主に、γLUT補正
用に用いられる正反射型光学濃度センサである。
散乱型光学濃度センサは、トナー及び像担持体からの散乱光の光量の増減によってパッチ濃度を検出するタイプのセンサであり、カラ−の画像形成装置の場合、投射光に対する反射率が色トナー・感光ドラム・黒トナーの順に高いため、感光ドラム上の色トナー量が増加すればセンサ出力が上り、黒トナー量が増加すればセンサ出力が下がることによって濃度を検知する。散乱光の増減で濃度を判断するセンサであれば、センサ受光部に正反射光が入ってくる構成であっても散乱型光学濃度光センサということができる。
一方、正反射型光学濃度センサは、像担持体からの正反射光の光量の増減によってパッチ濃度を検出するタイプのセンサであり、鏡面状の感光ドラムに投射光を散乱させるトナーが載ることによって、センサ出力が低下し、パッチ濃度を検出する。正反射光の増減で濃度を判断するセンサであれば、センサ受光部に散乱光が入ってくる構成であっても正反射型光学濃度センサということができる。
ところで、電子写真装置に用いられる電子写真感光体としては、低価格、生産性等の利点から有機材料を用いた感光体が普及している。有機感光体は有機光導電性染料や顔料を含有した電荷発生層と光導電性ポリマーや低分子の有機光導電性物質を含有した電荷輸送層を積層した機能分離型感光体が主流である。電荷輸送層が表面層である場合、その層は、ポリマー中に有機光導電性物質を分散させた分子分散ポリマーの構成となっているため、その機械的強度はポリマーに依存しており、近年の高画質、高寿命化にともない、その耐久性は十分とは言いがたかった。
これに対し、感光体の高耐久化を図るうえで、表面層に硬化性の樹脂を用いるのが効果的であることが知られている(例えば、特許文献3、4、5)。
硬化性樹脂を感光体の表面層に用いた場合、熱可塑性の樹脂等に比べ、機械的強度が上がり、削れにくくなり、傷も入りにくくなり、寿命は長くなる。また、感光体の表面層に、硬化性樹脂を用いる場合、表面層の傷、削れに対する耐久性の観点から、その硬化手段として、電子線を用いることが、有用であることも知られている(例えば、特許文献4参照)。
電子写真感光体は、継続使用(本明細書では、耐久使用、あるいは耐久ともいう)すると、感光体の表面は、電気的、機械的ストレスをうけるため、耐久枚数が増加するにつれ、感光体の表面粗さ値は、刻々と変化する。その場合、γLUT補正に用いる正反射型光学濃度センサ用いた場合のセンサ出力値は、感光体の表面粗さの影響を受けるため、耐久に伴い、測定値に対する誤差の割合が増大する。特に、トナーが少量しか感光ドラム上に存在しないとき、感光体の表面粗さの影響を大きく受けるため、トナーの低濃度部でのγ補正への影響は大きくなり誤差がより問題となる。
これに対し、高耐久化を図った上記硬化性の樹脂を用いた感光体は、耐久で生じる傷の発生、成長を抑えるという点では効果はあるが、傷の発生、成長は少なからず生じることから、このような感光体を使用したとしても長期耐久使用した場合には、正反射型光学濃度センサの出力値の変動が大きくなり、トナー濃度の正確な把握ができず、結果として階調安定性に優れた画像を出力することができない。
尚、電子写真装置のシステム的な面からトナー濃度を把握しようとする方法も考えられる。例えば、耐久枚数に対する感光体の表面粗さ値を想定し、その想定値からトナーの補正係数値を算出し、耐久中に検知された濃度値にこの補正係数値をフィ−ドバックし、真のトナー濃度値を得るという方法が考えられる。しかし、この方法では、種々の使用状況で変化してしまう感光体の表面粗さ値に対して、適正な補正係数値を設定することができない。つまり、紙種、環境差等の外乱で、感光体の表面粗さ値は大きく変化するため、耐久枚数に対する補正係数値だけで、トナー濃度を一義的に決めることはできず、種々の使用環境下で使用する幅広いユ−ザ−に対して、満足のいく補正係数値を算出することができず、正確なトナー濃度を把握することはできなかった。
特開2003−195583号公報 特開2003−091111号公報 特開平07−72640号公報 特開2000−66425号公報 特開平08−272197号公報
本発明は、このような状況下なされたものであり、電子写真感光体上のトナー濃度を検
知するための正反射トナー濃度検知手段、及び該正反射トナー濃度検知手段から得られたトナー濃度の情報により画像濃度を制御する画像濃度制御手段を有する電子写真装置において、トナー濃度の検知を長期間にわたり、高精度、かつ高安定に行うことができる電子写真装置であって、階調安定性に優れた画像を耐久後であっても出力しつづけることができる電子写真装置を提供することを課題とする。
そこで、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、耐久後も感光体の表面粗さ状態が大きく変化せず、かつ正反射型光学センサを用いたトナー濃度の検知を耐久後も良好に行うことが出来る感光体の構成を見出すことにより、そのような感光体を有する電子写真装置が上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
(1)回転駆動される電子写真感光体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、該現像手段による現像程後の該電子写真感光体上のトナー濃度を検知するための正反射トナー濃度検知手段と、該正反射トナー濃度検知手段から得られたトナー濃度の情
報により画像濃度を制御する画像濃度制御手段とを有する電子写真装置において、
該電子写真感光体の表面層は、2つ以上の重合性官能基を有する化合物を電子線照射によって重合あるいは架橋することにより硬化した化合物を含有しており、
研磨シートを電子写真感光体の表面に常時圧接して電子写真感光体を回転させることによって電子写真感光体の表面の粗面化を行う粗面化手段によって、該電子写真感光体の表面には、幅が0.5〜40μmの溝が単位面積(/mm)あたり20以上1000以下の割合で形成されており、
該電子写真感光体の表面には、40μmより大きい幅の溝が形成されていない
ことを特徴とする電子写真装置。
本発明により、トナー濃度の検知を長期間にわたり、高精度、かつ高安定に行うことができる電子写真装置であって、階調安定性に優れた高精細画像を耐久後であっても出力しつづけることができる電子写真装置を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の電子写真装置は、少なくとも電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、該電子写真感光体上のトナー濃度を検知するための正反射トナー濃度検知手段、及び該正反射トナー濃度検知手段から得られたトナー濃度の情報により画像濃度を制御する画像濃度制御手段を有しており、該正反射トナ−濃度検知手段は、現像行程後における電子写真感光体上のトナー濃度を検知するためのものであり、該電子写真感光体の表面層は、重合性官能基を有する化合物を重合、あるいは架橋することにより硬化した化合物を含有しており、該電子写真感光体の表面には、粗面化手段により溝が形成されており、かつ溝の幅が0.5〜40μmの溝が単位面積(/mm2)あたり20以上1000以
下の割合で形成されているものである。
一般に、感光体の表面層が、重合性官能基を有する化合物を硬化することにより形成された層である場合は、熱可塑性樹脂で形成された層に比べ削れや傷に強く、耐久前後での感光体の表面粗さ状態の変動幅を小さくすることができる。このような感光体を用いて正反射型光学濃度センサでトナーの濃度を検知すると、誤差による影響を小さくすることができることはある程度予想できる。しかし、本発明は、高精細画像を耐久後であっても高安定に出力しつづけることができる電子写真装置の提供を目的としている。ここで高精細画像とは、低濃度部分の階調が規定通り画像として出力されることを意味し、高安定とは、長期間の耐久で、高精細画像が変化せず出力され続けることを意味する。このような目的を達成するには、上記の重合性官能基を有する化合物を硬化することにより形成された表面層を有する感光体では十分とはいえなかった。特に、良好な画像を高安定に出力し続けるという点で満足のいく電子写真装置を提供することはできなかった。
ところで、重合性官能基を有する化合物を硬化することにより形成させた表面層に、さらに粗面化手段により特定溝幅の溝を特定の割合で形成させ、そのような表面層を有する感光体を用いると、耐久前後での感光体の表面粗さ状態の変動幅を小さくすることができ、かつ正反射型光学濃度センサの出力値の変動を小さくすることができ、耐久後におけるトナー濃度の検知を良好に行えることが確認できた。そこで、このような感光体を用いると、良好な画像を高安定に出力し続ける電子写真装置を提供することができる。
本発明において、表面層に形成される溝の幅は、表示画面上キズとして認識されないよう40μm以下であることが好ましい。
感光体表面の初期状態において、40μmより大きい溝幅の溝が形成されていると、耐久後には該表面に深い傷が多数発生する。これは、溝の幅が広すぎると、電子写真プロセスにおいて、溝内で粒子形状のものが滞留し、それが、クリーニングブレードなどで、圧接させられることにより溝の深さ方向、幅方向で成長し、傷となってしまうものと考えられる。これは、正反射型光学センサを用いたトナー濃度の検知結果に影響を及ぼすことになる。
本発明において、表面層に形成される溝は、溝の幅0.5〜40μmの溝が単位面積(/mm2)あたり20以上1000以下の割合で形成されている。
ここで、溝の幅0.5〜40μmの溝密度が、20未満だと、電子写真システムにおける、感光体表面へのクリーニングブレードなどの当接部材との間に生じる摩擦力が、非常に大きくなってしまう。つまり、当接部材は、感光体に高圧力で、押し付けられる状態となる。この状態で、耐久を行うと、当接部材と感光体の間に、本体内に紛れ込んだ糸くずのような異物を挟み込んだとき、感光体にそれらが強く押し付けられ、耐久初期の段階で、深い溝となってしまう。耐久中期では、溝の状態は一旦安定してくるが、この耐久初期の段階の深い溝+中期〜長期でのこの溝の成長により、感光体表面の粗面化の状態は、初期から大きく変化し、耐久前後での変動幅は大きくなる。その結果、正反射型光学センサを用い耐久後のトナー濃度を検知する際、悪影響を受け、高精細画像を高安定に出力することができなくなる。
尚、溝の幅が、40μm以内であっても、その表面粗さ値(Rz値)が、0.3μm未満の場合は、上記と同様な現象が起き易いことを確認したため、Rz値は、0.3μm以上であるとよい。
また、溝の幅0.5〜40μmの溝密度が、1000より大きい場合は、摩擦力は、低減することができるため有利ではあるが、溝と溝の間隔が狭く、溝同士が、耐久使用により結合し易くなり、1つの溝幅が40μmを超えてしまうものが、感光体表面に多量に作
られてしまう。この場合は、上記したように、溝内で粒子形状のものが滞留し、それが、クリーニングブレードなどで、圧接させられることにより溝の深さ方向、幅方向で成長し、傷となってしまい、正反射型光学濃度検知の値に影響し、ひいては、耐久使用後に、高精細画像を高安定に出力することができなくなってしまう。また、散乱型光学濃度センサを併用したシステムにおいては、溝が高密度にあると、感光体の表面での散乱が大きくなり、センサに戻る反射光量が小さすぎ、S/Nが小さくなってしまい、検知が困難になる
という問題も生じる。さらに、表面で光学的散乱を起こしてしまうため、レ−ザで潜像形成を行った場合に、その潜像が乱されてしまうというような別の弊害も発現する。よって、溝の幅0.5〜40μmの溝密度は1000以下がよい。
Rz値が、初期から1.3μmより大きいと、溝の成長速度が比較的早くすすみ、長時間使用すると、溝は幅方向で太くなり、深さ方向で深くなっていく。この場合も感光体の表面の面粗さ状態は、初期からみて大きく変化し、正反射型光学濃度検知の値に影響しひいては、耐久使用後に高精細画像を高安定に出力することができなくなってしまう。よって、Rz値は、1.3μm以下であるとよい。
さらに、感光体の表面層に形成された溝が均一な粗面の状態になっておらず、最大面粗さ(Rmax)−Rzの値が、0.3より大きい場合には、溝深さの異なるものの、溝の成長速度が異なるため、耐久につれ、それぞれの溝の深さ、幅の差が大きくなり、耐久使用を進めていくと、散乱が大きくなり、上記したような、問題が生じやすくなる。よって、Rmax−Rzの値は、0.3以下であるとよい。
尚、本発明において、溝密度、溝幅、Rz、Rmaxの測定は、後述する実施例に記載の方法に従うことができる。但し、実施例では、マイクロマップを用いた測定法を記載したが、マイクロマップの測定機を用いる方法以外にも、例えば、表面観察には、市販のレーザー顕微鏡(超深度形状測定顕微鏡VK−8550、VK−9000、(キーエンス社製)、走査型共焦点レーザー顕微鏡OLS3000(オリンパス社製)リアルカラーコンフォーカル顕微鏡オプリテクスC130(レーザーテック社製))、デジタルマイクロスコープ(VHX−100、VH−8000(キーエンス社製))等を、用いることも可能であり、また、画像処理ソフトに、例えばWinROOF(三谷商事社(製)を用い溝幅
、溝数を求めることも可能である。また3次元非接触形状測定装置(NewView5032(ザイゴ社製))等を用いればマイクロマップと同様に測定することも可能である。
本発明における表面層について、以下で詳しく説明する。
本発明の表面層は、重合性官能基を有する化合物を硬化することにより、形成される。硬化手段としては、熱や可視光、紫外線等の光、更に放射線(電子線、γ線など)を用いることができる。本発明の効果を、より顕著に見出すために、表面層は電子線で硬化するとよい。これは、高エネルギ−である電子線を短時間照射して表面層を硬化することにより、電子写真特性上の電気的特性(例えば残留電位の上昇など)を損なうことなく、機械的特性上、本発明で所望の溝形状が形成できるからである。
本発明における表面層を形成する手順は、次のとおりである。
重合あるいは架橋により硬化することができる表面層用の化合物を溶解、又は含有する塗布溶液を、浸漬コーティング法、スプレイコーティング法、カーテンコーティング法、スピンコーティング法などにより塗工し、これを上記硬化手段により硬化する。感光体を効率よく大量生産するには浸漬コーティング法がより好ましい。
本発明の感光体の構成は導電性基体上に、電荷発生物質と電荷輸送物質の双方を同一の層に含有する層構成の単層型、あるいは電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を、この順に、または逆の順に積層した構成の積層型のいずれで
あってもよい。更に、上記感光層上に表面保護層を形成することも可能である。本発明は、少なくとも感光体の表面層が、熱や可視光、紫外線等の光、更に放射線により重合あるいは架橋し硬化させることができる化合物を含有していればよい。但し、感光体としての特性、特に残留電位などの電気的特性及び耐久性の点より、電荷発生層/電荷輸送層をこ
の順に積層した機能分離型の感光体の構成、或いは、この構成で積層された感光層上に表面保護層を形成した構成とするのが好ましい。
本発明において、表面層の重合あるいは架橋させる化合物の硬化法は、感光体特性の劣化無く残留電位の上昇が起こらず、耐久における、感光体の表面粗さの変動幅がより小さくでき、より効果があるという点から、上述したように電子線を用いるとよい。
電子線照射をする場合、加速器としてはスキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型、パルス型およびラミナー型などいずれの形式も使用することが出来る。電子線を照射する場合に、本発明の感光体における電気特性および耐久性能を発現させる上で、その照射条件は、加速電圧は250KV以下が好ましく、最適には150KV以下である。また照射線量は、好ましくは1Mradから100Mradの範囲、より好ましくは3Mradから50Mradの範囲である。加速電圧が上記を越えると感光体特性に対する電子線照射のダメージが増加する傾向にある。また、照射線量が上記範囲よりも少ない場合には硬化が不十分となりやすく、線量が多い場合には感光体特性の劣化がおこりやすくなる。
重合あるいは架橋し硬化させることのできる表面層用化合物としては、反応性の高さ、反応速度の速さ、硬化後に達成される硬度の高さなどの点から、分子内に不飽和重合性官能基を持つものが好ましく、さらにその中でもアクリル基、メタクリル基、及びスチレン基をもつ化合物が特に好ましい。
本発明における、不飽和重合性官能基を有する化合物とは、その構造単位の繰り返しより、モノマーとオリゴマーに大別される。モノマーとは、不飽和重合性官能基を有する構造単位の繰り返しが無く、比較的分子量の小さいものを示し、オリゴマーとは不飽和重合性官能基を有する構造単位の繰り返し数が2〜20程度の重合体を示す。また、ポリマーまたはオリゴマーの末端のみに不飽和重合性官能基を有するマクロノマーも本発明の表面層用の硬化性化合物として使用可能である。中でも、本発明では、少なくとも2つ以上の重合性官能基を有する化合物を用いるのがよい。
また本発明における不飽和重合性官能基を有する化合物は、表面層として必要な電荷輸送機能を満足させるために、電荷輸送化合物であるとより好ましい。中でも、正孔輸送機能をもった不飽和重合性化合物であることと更に好ましい。
本発明における不飽和重合性官能基を有する化合物の例を表1及び表2に示すが、これらの化合物に限定されるものでは無い。
Figure 0004324008

Figure 0004324008

次に本発明における電子写真感光体の感光層について、詳しく説明する。
電子写真感光体の支持体としては、導電性を有するものであればよく、例えばアルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛およびステンレスなどの金属や合金をドラムまたはシート状に成形したもの、アルミニウムおよび銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウムおよび酸化錫などをプラスチックフィ
ルムに蒸着したもの、導電性物質を単独または結着樹脂とともに塗布して導電層を設けた金属、またプラスチックフィルムおよび紙などが挙げられる。
本発明においては導電性支持体の上にはバリアー機能と接着機能をもつ下引き層(以下、中間層ともいう)を設けることができる。
下引き層は感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、支持体上の欠陥の被覆、支持体からの電荷注入性改良、また感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される。
下引き層の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、にかわおよびゼラチンなどが使用可能である。これらはそれぞれに適した溶剤に溶解されて支持体上に塗布される。その際の膜厚としては0.1〜2μmが好ましい。
本発明の感光体が機能分離型の感光体である場合には、電荷発生層および電荷輸送層を積層する。電荷発生層に用いる電荷発生物質としては、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、また各種の中心金属および結晶系、具体的には例えばα、β、γ、εおよびX型などの結晶型を有するフタロシアニン系化合物、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、モノアゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、非対称キノシアニン顔料、キノシアニンおよび特開昭54−143645号公報に記載のアモルファスシリコーンなどが挙げられる。
機能分離型感光体の場合、電荷発生層は上記電荷発生物質を0.3〜4倍量の結着樹脂および溶剤とともにホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライターおよびロールミルなどの方法で良く分散し、分散液を塗布し乾燥させて形成させるか、または上記電荷発生物質の蒸着膜など単独組成の膜として形成させる。その膜厚は5μm以下であることが好ましく、特に0.1〜2μmの範囲であることが好ましい。
結着樹脂を用いる場合、結着樹脂としては、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、などのビニル化合物の重合体および共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
電荷輸送層に用いる電荷輸送性物質として、上述したような正孔輸送機能をもった不飽和重合性化合物を用いる場合には、該化合物を有する層を、上記電荷発生層上に電荷輸送層として、あるいは電荷発生層上に電荷輸送物質と結着樹脂からなる電荷輸送層を形成した後に、表面保護層として形成することができる。
上記正孔輸送機能をもった不飽和重合性化合物を有する層を表面保護層として用いた場合には、その下層に当たる電荷輸送層は、適当な電荷輸送物質、例えばポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリスチリルアントラセンなどの複素環や縮合多環芳香族を有する高分子化合物や、ピラゾリン、イミダゾール、オキサゾール、トリアゾール、カルバゾールなどの複素環化合物、トリフェニルメタンなどのトリアリールアルカン誘導体、トリフェニルアミンなどのトリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、ヒドラゾン誘導体などの低分子化合物などを適当な結着樹脂(上述の電荷発生層の箇所で記載した結着樹脂と同様のものが使用できる)とと
もに溶剤に分散/溶解した溶液を上述の公知の方法によって塗布、乾燥して形成することができる。この場合の電荷輸送物質と結着樹脂の比率は、両者の全重量を100とした場合に電荷輸送物質の重量が30〜100が望ましく、好ましくは50〜100の範囲で適宜選択される。電荷輸送物質の量がそれ以下であると、電荷輸送能が低下し、感度低下および残留電位の上昇などの問題点が生ずる。この場合にも感光層の膜厚は5〜30μmの範囲であり、この時の感光層の膜厚とは電荷発生層、電荷輸送層及び表面保護層各々の膜厚を合計した膜厚である。
いずれの場合も表面層の形成方法は、上記不飽和重合性官能基を有する化合物を含有する溶液を塗布後、重合/硬化反応をさせるのが一般的であるが、前もって該不飽和重合性官能基を有する化合物を含む溶液を反応させて硬化物を得た後に再度溶剤中に分散あるいは溶解させたものなどを用いて、表面層を形成することも可能である。これらの溶液を塗布する方法は、上記表面層の説明箇所でも述べたように、例えば浸漬コーティング法、スプレイコーティング法、カーテンコーティング法およびスピンコーティング法などをあげることができる。これらの方法のうち、効率性/生産性の点からは浸漬コーティング法がより好ましい。また蒸着、プラズマその他の公知の製膜方法も適宜選択することができる。
本発明における表面保護層中には導電性粒子を混入させてもよい。
導電性粒子としては、金属、金属酸化物及びカーボンブラックなどが挙げられる。金属としては、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、ステンレス及び銀など、またはこれらの金属をプラスチックの粒子の表面に蒸着したものなどが挙げられる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及びアンチモンをドープした酸化ジルコニウムなどが挙げられる。これらは単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。2種以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合しても、固溶体や融着の形にしてもよい。
本発明に用いられる導電性粒子の平均粒径は保護層の透明性の点で0.3μm以下であることが好ましく、特には0.1μm以下であることが好ましい。
また、本発明においては上述したような導電性粒子の中でも、透明性などの点で金属酸化物を用いることが特に好ましい。
上記表面保護層中の導電性金属酸化物粒子の割合は、直接的に表面保護層の抵抗を決定する要因のひとつであり、保護層の抵抗は1010〜1015ohm・cmの範囲であることが好ましい。
本発明における表面層中にはフッ素原子含有樹脂粒子を含有することができる。
フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂及びこれらの共重合体のなかから1種あるいは2種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に、四フッ化エチレン樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。樹脂粒子の分子量や粒子の粒径は、適宜選択することができ、特に制限されるものではない。
上記表面層中のフッ素原子含有樹脂粒子の割合は、表面層全重量に対し5〜70重量%が好ましく、より好ましくは10〜60重量%である。フッ素原子含有樹脂粒子の割合が70重量%より多いと表面層の機械的強度が低下し易く、フッ素原子含有樹脂粒子の割合が5重量%より少ないと表面層の表面の離型性、表面層の耐摩耗性や耐傷性が充分ではなくなることがある。
本発明においては、分散性、結着性及び耐候性を更に向上させる目的で、上記表面層中にラジカル補足剤や酸化防止剤などの添加物を加えてもよい。
本発明に用いる表面保護層の膜厚は0.2〜10μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜6μmの範囲である。
本発明における電子写真感光体の表面には、以下に示す粗面化手段により、溝の幅0.5〜40μmの溝が単位面積(/mm2)あたり20以上1000以下の割合で形成され
ている。
尚、上記の範囲を満足する粗面化状態を形成することができる粗面化手段であれば、下記の方法に限定されるものではない。
本発明の電子写真装置に組み入れられる電子写真感光体の製造に用いた、研磨シートによる粗面化機構をもつ粗面化手段の一例を図3に示す。研磨シートは、研磨砥粒が結着樹脂に分散されたものが基材に塗布されたシートである。研磨シート3−1は空洞の軸3−aに巻かれており、軸3−aにシートが送られる方向と逆方向に、研磨シート3−1に張力が与えられるよう図示しないモータが配置されている。研磨シート3−1は矢印方向に送られ、ガイドローラ3−2(1)、3−2(2)を介してバックアップローラ3−3を通り、研磨後のシートはガイドローラ3−2(3)、3−2(4)を介して図示しないモータにより巻き取り手段3−5に巻き取られる。研磨は、基本的に未処理の研磨シートが感光体表面に常時圧接され、感光体表面を粗面化することで行われる。研磨シート3−1の接する部位はアースに接地されたもの、又は導電性を有している。
研磨シートの送りスピードは10〜500mm/secの範囲が好ましい。送り量が少なければ感光体表面を研磨した研磨シートが再度感光体表面に接触することとなり、感光体表面への深い溝の発生、表面溝のムラ、研磨シート表面の結着樹脂の付着等を生じる場合があり好ましくない。
電子写真感光体3−4は、研磨シート3−1を介してバックアップローラ3−3と対向した位置に置かれる。この際、研磨シート3−1の基材側からバックアップローラが所望の設定値でバックアップローラ3−3に所定時間押し当てられ、感光体表面が粗面化される。電子写真感光体の回転方向は、研磨シート3−1の送られる方向と同一、対向、又は研磨途中で回転方向を変更してもよい。
バックアップローラの電子写真感光体に対する押し当て圧は、研磨シ−トの研磨砥粒の種類及び粒径(=番手)、研磨シートの基材、砥粒とシートの結着樹脂厚、バックアップローラの硬度、感光体の表面を構成する表面層の硬度により最適値は異なるが0.005
〜1.5N/mの範囲であれば、本発明における感光体表面の溝形状が達成される。な
お、本発明における感光体表面の溝形状(溝幅、溝密度、表面粗さ等)は、研磨シートの送りスピード、パックアップローラの押し当て圧、研磨砥粒の粒径、形状、研磨シート番手、研磨シートの結着樹脂厚、基材厚等を適宜選択することにより調整できる。
研磨砥粒としては、酸化アルミニウム、酸化クロム、炭化珪素、ダイアモンド、酸化鉄、ダイアモンド、酸化セリウム、コランダム、珪石、窒化珪素、窒化硼素、炭化モリブデン、炭化珪素、炭化タングステン、チタンカーバイト、酸化珪素等が挙げられる。好ましい研磨砥粒の平均粒径(遠心沈降法で中央粒径(メジアン径D50)の平均粒径の値)は、0.01〜50μmであり、より好ましくは1〜15μmである。粒径が小さすぎると
本発明が好適と思われる溝の深さ、幅が得られず、大きすぎるとRmax−Rzの差が大
きくなり、ハーフトーン画像上のムラ、溝が画像に出る等の不具合を生じる傾向がある。
研磨シートの研磨砥粒は、基材の上に研磨砥粒が結着樹脂中に分散され塗布される。結着樹脂中の研磨砥粒は粒径分布を有して分散されることも好ましいが、その粒度分布を制御しても良い。例えば、平均粒径は同じでも大粒径側の粒子を除くことにより、Rmax−Rz≦0.3の数値をより低減させることが可能となる。別の目的として、シートの生産時、平均粒径のバラツキを抑えることが可能となり、その結果、本発明における感光体表面の表面粗さ:Rzのバラツキを抑えることが可能となる。
研磨シート番手は研磨砥粒の粒径と相関があり、番手数が小さい方が研磨砥粒の平均粒径が大きく、そのため、感光体表面に溝幅の大きく、深い溝を生じさせ画像上表出することとなる。本発明において研磨シート番手の範囲は、500〜20000が好ましく、より好ましくは1000〜3000が好ましい。
また、本発明においては、所望の溝形状の感光体表面が得られるように、複数回研磨工程を行うことも可能である。その際は、番手の粗いシートから番手の細かいシート、また逆に番手の細かいシートから粗いシートの順のどちらから行っても良い。前者の場合は、感光体表面に粗い溝の表面に更に細かい溝を重畳させることが可能となり、後者の場合は、研磨溝のムラを低減させることが可能となる。
また、番手数が同等でも研磨砥粒が異なる研磨シートで研磨しても良い。研磨砥粒の硬度が異なるため、本発明が求める感光体表面の溝形状をより最適化できうる場合もある。研磨シートに用いられる結着樹脂としては、公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、電子線硬化樹脂、紫外線硬化樹脂、可視光硬化樹脂、防黴性樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては例えば、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アミノ樹脂、スチレンブタジエン共重合体、ウレタンエラストマー、ナイロン−シリコン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコン樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂が挙げられる。砥粒シートの結着樹脂厚は、1〜100μmが好ましい。
研磨シートに用いる基材としてはポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、セルロース樹脂、ビニル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニルスルホン樹脂等が挙げられる。
研磨シートの基材厚は10〜150μmが好ましく、より好適には15〜100μmである。
バックアップローラ3−3は、感光体表面に所望の溝を形成させる手段として有効な手段である。研磨シート3−1の張力のみで研磨することも可能であるが、バックアップローラ33を介さずに研磨シート3−1の張力のみで感光体表面に溝を形成させる方法は、研磨シート番手が小さいもの、つまり研磨砥粒の大きな物(300〜800)等に有効である。
図4に研磨シート3−1の張力のみで電子写真感光体表面を研磨する場合の一例を示す。図3と異なる点はバックアップローラ3−3が無く、電子写真感光体3−4の表面に形成される溝の形状の制御は、主に研磨シート3−1の番手、研磨シートの電子写真感光体3−4への押し当て圧、研磨時間等で決定される。
本発明の電子写真感光体の表面層は、重合性官能基を有する化合物を重合、あるいは架
橋することにより硬化した化合物を含有しているため、その表面は、高硬度であり、研磨シートの張力のみでは感光体表面に接する圧が低く、研磨粒子の大きなものとの組み合わせでも所望の表面状態のものを作成するのが困難なため、本発明の溝形状を作成するには、バックアップローラを用いるのが好ましい。
研磨機に用いられるバックアップローラ3−3の材質としては、金属、樹脂等が挙げられる。電子感光体の感光体表面を粗面化する工程において、電子写真感光体の円筒ふれ、バックアップローラ3−3の円筒ふれ、研磨シート3−1のスラスト方向の研磨圧分布等により、感光体表面の研磨圧分布ムラが生じると思われ、それらを吸収することを考慮するとバックアップローラ3−3の材質は樹脂が望ましい。更に、ムラを吸収することを第一に考えると発泡性樹脂がより好ましく、その中でも感光体表面及び研磨シートが基本的に絶縁性であることを考慮すると、バックアップローラ3−3の材質は導電性を有するものがより好ましい。
しかし導電性は有するが、研磨シート3−1表面と感光体表面には導電性が介在しないので研磨シート3−1及び感光体表面は研磨中、少なからず帯電する。各々の抵抗等により、帯電電圧は異なるが、高いものは数KVまで帯電する可能性がある。そのため粗面化工程中に感光体表面、研磨シート、及びそのニップ部等に除電エアー、静電エアー等を吹付けてもよい。
バックアップローラに発泡性樹脂を用いた場合、その硬度が低いと、電子写真感光体に対する押し当て圧を上げてもバックアップローラの変形を生じ、本発明の範囲の溝幅、溝の深さ、溝密度等の形成がなされない。そのため、発泡性樹脂の場合、硬度の下限値はアスカーC硬度(エラストン社製ゴム硬度計ESC型(SRIS0101/タイプC)による測定)で10以上が好ましい。一方、上限値は、溝密度、溝幅、Rmax−Rz≦0.3を満足するために70以下が好ましい。より好ましいバックアップローラの硬度は、15〜65、さらには、25〜60である。
バックアップローラに発泡性樹脂を用いた場合、発泡性樹脂穴部に異物が溜まりやすいので、研磨シート及びバックアップローラの界面には異物が入り込まないよう十分注意することが必要である。場合によっては、常時ローラに空気等を吹付けることも有効であると思われる。バックアップローラの材質としては、発泡性樹脂以外にも、ショアA硬度(エラストン社製ゴム硬度計ESA型(JIS6253/ISO7619 タイプA)による測定)で5〜70、より好ましくは10〜40を満足する樹脂であれば、通常の樹脂(ポリウレタン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリオレフィン、弗素ゴム、フェノール樹脂等)においても本発明で特定する感光体表面の溝形状を形成させることができる。
図5に示すように、研磨シートは、研磨シートの基材3−6の上に研磨砥粒3−8を基材3−6に固着させるための結着樹脂3−7を塗布した構成である。
次に画像形成を行う本発明の電子写真装置について説明する。図1に本発明の電子写真装置の1例図を示すが、これに限定されるものではない。
本発明の電子写真装置は、上述した電子写真感光体の他に、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、該電子写真感光体上のトナー濃度を検知するための正反射トナー濃度検知手段、及び該正反射トナー濃度検知手段から得られたトナー濃度の情報により画像濃度を制御する画像濃度制御手段を有する。そして、本発明では、上記正反射トナ−濃度検知手段は、現像行程後における電子写真感光体上のトナー濃度を検知するために使用される。
より具体的には、図1に示すように、プリンタ部Aと、このプリンタ部Aの上に搭載し
た画像読み取り部(イメージスキャナ)Bとを有する。
プリンタ部Aは、像担持体である感光体1と、感光体1を帯電させるための帯電手段である一次帯電器2と、帯電した感光体1に画像情報に応じて光を照射して静電潜像を形成するための露光手段である露光装置3と、感光体1に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成するための現像手段である現像装置4と、感光体1が担持するトナー像を転写材Pに転写するための転写手段である転写体5と、トナー像を転写した感光体1の表面の付着物を感光体1の表面から除去するクリーニング装置6と、付着物が除去された感光体1の表面に光を照射して静電履歴を消去する前露光ランプ7と、トナー像が転写された転写材Pを転写体5から搬送する搬送ベルト8と、搬送ベルト8で搬送された転写材Pのトナー像を転写材Pに定着させる定着装置9とを有する。また、図1の電子写真装置には、後述するように、図2で示される光学濃度検知手段、及びその光学濃度手段から得られたトナー濃度の情報により画像濃度を制御する画像制御手段が含まれている。
感光体1は、例えば、実施例中に記載されている方法で作成された電子写真感光体を用いる。
一次帯電器2は、感光体1に対して非接触で帯電させるコロナ帯電器である。一次帯電器2には、この他にも感光体1に接触して設けられる導電性の帯電ローラや帯電ブラシ等の接触帯電器を用いることができる。
露光装置3は、例えば図6に示すように、画像読み取り部Bで読み取られた画像信号に基づいて照射する光の発光の信号を発生する発光信号発生器24と、発光信号発生器24からの発光信号に応じてレーザ光を発生させる固体レーザ素子25と、発生したレーザ光の光路幅を規定するコリメーターレンズ系26と、光路幅が規定されたレーザ光を反射する回転多面鏡22と、回転多面鏡22で反射したレーザ光を感光体1に走査させるfθレンズ群23とを有する。
現像装置4は、例えば複数の現像器とこれらを円周部に有するロータ部とから構成されており、シアントナーを有する現像剤、マゼンタトナーを有する現像剤、イエロートナーを有する現像剤、及び、ブラックトナーを有する現像剤のそれぞれを収容する各現像器を、ロータ部が回転することにより現像位置に搬送するように構成されている。
現像器は、例えば図7に示すような二成分系現像器であり、トナーtとキャリアとからなる現像剤Tを収容する現像容器32と、現像容器32の開口部に回転自在に設けられ現像容器32に収容されている現像剤Tを担持する現像スリーブ30と、現像スリーブ30の内側に固定され所定の複数の位置に複数の磁極を形成するマグネットローラ31と、現像スリーブ30に担持された現像剤Tの層厚を規制する規制ブレード33(例えば現像スリーブ30の表面に対して離間して設けられる非磁性の金属プレート等)と、現像容器32内を開口部側の現像室R1と現像室R2よりも奥の攪拌室R2とに区切る隔壁36と、各室の現像剤Tを搬送、攪拌する搬送スクリュー37、38と、攪拌室R2に補給されるトナーを収容するトナーホッパ34と、攪拌室R2に向けて開閉するトナーホッパ34の補給口35とを有する。現像スリーブ30は、例えばアルミニウムや非磁性ステンレス銅等の非磁性材からなる。トナーtは、例えば炭化水素系ワックスを含有するカラートナーである。なお現像器は、用いる現像剤の種類に応じて適宜選択することができる。
転写体5は、例えば転写材Pを担持するローラ状の転写シート5cと、転写シート5cと感光体1とのニップ部において転写材Pの背面から電圧を印加する転写帯電器5aと、
トナー像が転写された転写材Pを転写シート5cから分離させる電圧を印加する分離帯電器5bとを有する。
転写シート5cは、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムからなり、これが例えば回転ドラムの表面に張設されている。転写体5は、感光体1に対して当接、離間自在に設置されている。転写体5は、矢印方向(時計方向)に回転駆動される。なお、本発明において、転写体5及び帯電器等の転写手段としては、一般的な材料を用いることが可能である。
クリーニング装置6は、例えば図8に示すように、感光体1側に開口するように設けられる容器状のケーシング61と、ケーシング61の開口部の上部近傍の外表面に接着し、感光体1の表面に当接するように設けられているウレタンゴム等からなるクリーニングブレード62と、ケーシング61の開口部に回転自在にかつ感光体1の表面を摺擦する位置に設けられているブラシ部材63と、ブラシ部材63に当接してブラシ部材63に捕集された捕集物をブラシ部材63から落とすスクレーパ67と、ケーシング61の開口部の下端縁に設けられケーシング61からの、クリーニングブレード62で感光体1の表面から除去された付着物や前記捕集物等の落下を防止するためのスクイシート64と、ケーシング61内に収容された前記付着物や捕集物等をケーシング61の外部に搬送するスクリュー65とを有する。
クリーニングブレード62は、ケーシング61の開口部に支持部材によって取り付けてられている。クリーニングブレード62は一辺のエッジを像担持体1の回転駆動方向(図中a方向)に対してカウンター方向に当接されている。さらにブラシ部材63は、クリーニングブレード62より感光体1の回転方向の上流側において、感光体1の表面に当接している。
ブラシ部材63は、例えば回転軸とこの回転軸の表面に林立するブラシ66とから構成されている。前記回転軸は金属製であり、また接地されている。またブラシ66は、導電性の繊維によって形成されている。ブラシ部材63の繊維の太さは、4〜30D/Fであり、ブラシ密度は1万〜40万本/平方インチとされている。
定着装置9は、例えばヒータを内蔵する定着ローラ9aと、定着ローラ9aに対して相対的に付勢して設けられている加圧ローラ9bと、定着ローラ9aにシリコーンオイル等の離型性のオイルを塗布するオイル塗布手段とを有する。オイル塗布手段によるオイルの塗布量は、通常のトナーを用いる場合に比べて少ない量に設定されている。なお、本発明では、オイル塗布手段を設けなくても良い。
プリンタ部Aは、これらの他にも、転写材Pを収容する給紙カセット10と、給紙カセット10から転写材Pを一枚ずつ搬送する給紙ローラ11及び12と、トナー像の転写のタイミングに合わせて転写材Pを転写シート5cに向けて搬送するレジストローラ13と、レジストローラ13で搬送された転写材Pを転写シート5cに吸着させる吸着ローラ14と、定着装置9から排出された転写材Pを機外に排出する排紙ローラ15と、機外に排出された転写材Pを収容するトレイ16とを有する。
画像読み取り部Bは、原稿Gが載置される原稿台ガラス20と、原稿台ガラス20に載置された原稿Gの画像を読み取る画像読み取りユニット21とを有する。画像読み取りユニット21は、原稿台ガラス20を挟んで原稿Gを照らす原稿照射用ランプ21aと、原稿照射用ランプ21aで照らされた原稿Gの像を集光する短焦点レンズアレイ21bと、集光された原稿Gの像を読み取り画像信号に変換するCCDセンサ21cとを有する。なおCCDセンサ21cはフルカラーセンサである。
次に、本発明における電子写真装置の動作を説明する。なお、本発明の電子写真装置は、画像の形成に関する公知の手段や装置を適宜用いることができ、本実施形態に限られるものではない。
感光体1は、中心支軸を中心に所定の周速度(プロセススピード)で矢印a方向(反時計方向)に回転駆動され、その回転過程において一次帯電器2により、本実施の形態では負極性の一様なコロナ帯電処理を受ける。
そして、感光体1の一様帯電面に対して露光装置(レーザ走査装置)3から出力される、画像読み取り部Bからプリンタ部A側に出力される画像信号に対応して変調されたレーザ光による走査露光Lによって、感光体1上に、画像読み取り部Bにより光電読み取りされた原稿Gの画像情報に対応した各色の静電潜像が順次形成される。
静電潜像の形成について説明すると、画像読み取り部Bにおいて、原稿台ガラス20の上面に、複写すべき面を下側にして原稿Gを載置し、その上に不図示の原稿板を被せてセットする。画像読み取りユニット21は、不図示のコピーボタンが押されることで、図1における原稿台ガラス20の下側において、この原稿台ガラス20の、図1における紙面に対して左辺側のホームポジションから右辺側に、ガラス下面に沿って往動駆動され、所定の往復終点に達すると復動駆動されて始めのホームポジションに戻される。
画像読み取りユニット21の往動駆動過程において、原稿台ガラス20上の載置セット原稿Gの下向き画像面が、原稿照射用ランプ21aにより左辺側から右辺側にかけて順次照明走査され、その照明走査光の原稿面反射光が短焦点レンズアレイ21bによってCCDセンサー21cに結像入射する。
CCDセンサー21cは、不図示の受光部、転送部、出力部より構成されており、受光部において光信号が電荷信号に変えられて、転送部でクロックパルスに同期して順次出力部へ転送され、出力部において電荷信号を電圧信号に変換し、増幅、低インピーダンス化して出力する。このようにして得られたアナログ信号を周知の画像処理によりデジタル信号に変換してプリンタ部Aに出力する。即ち、画像読み取り部Bにより原稿Gの画像情報が時系列電気デジタル画素信号(画像信号)として光電読み取りされる。
図9に、画像処理の一例のブロック図を示す。同図において、フルカラーセンサ21cから出力された画像信号は、アナログ信号処理部71に入力されてゲインやオフセットが調整された後、A/D変換部72で各色成分ごとに、例えば、8ビット(0〜255レベル:256階調)のRGBデジタル信号に変換され、シェーディング補正部73において、各色ごとに基準白色板(不図示)を読み取った信号を用いて、一列に並んだCCDのセンサセル群一つ一つの感度バラツキを無くすために、一つ一つのCCDセンサセルに対応させてゲインを最適化してかける公知のシェーディング補正が施される。
ラインディレイ部74は、シェーディング補正部73から出力された画像信号に含まれている空間的ずれを補正する。この空間的ずれは、フルカラーセンサ21cの各ラインセンサが、副走査方向に、互いに所定の距離を隔てて配置されていることにより生じたものである。具体的には、B(ブルー)色成分信号を基準として、R(レッド)及びG(グリーン)の各色成分信号を副走査方向にライン遅延し、三つの色成分信号の位相を同期させる。
入力マスキング部75は、ラインディレイ部74から出力された画像信号の色空間をマトリクス演算により、NTSCの標準色空間に変換する。つまり、フルカラーセンサ21
cから出力された各色成分信号の色空間は、各色成分のフィルタの分光特性で決まっているが、これがNTSCの標準色空間に変換される。
LOG変換部76は、例えば、ROM等からなるルックアップテーブル(LUT)で構成され、入力マスキング部75から出力されたRGB輝度信号をCMY濃度信号に変換する。
ライン遅延メモリ77は、黒文字判定部(不図示)が入力マスキング部75の出力から制御信号UCR、FILTER、SEN等を生成する期間(ライン遅延)分、LOG変換部76から出力された画像信号を遅延させる。
マスキング・UCR部78は、ライン遅延メモリ77から出力された画像信号から黒成分信号Kを抽出し、さらに、プリンタ部の記録色材の色濁りを補正するマトリクス演算を、YMCKが信号に施して、リーダ部の各読み取り動作ごとにM、C、Y、K順に、例えば8ビットの色成分画像信号を出力する。なお、マトリクス演算に使用するマトリクス計数は、CPU(不図示)によって設定されるものである。
次に、得られたデータ8ビットの色成分画像信号Dataに基づき、濃ドットと淡ドットの記録率Rn、Rtを決定する処理を行う。例えば入力した階調データDataが、100/255であれば、淡ドットの記録率Rtは250/255、濃ドットの記録率Rnは40/255として決定される。なお、記録率は100パーセントを255とする絶対値で示してある。
γ補正部79は、画像信号をプリンタ部の理想的な階調特性に合わせるために、マスキング・UCR部78から出力された画像信号に濃度補正を施す。
出力フィルタ(空間フィルタ処理部)86は、CPUからの制御信号に従って、γ補正部79から出力された画像信号にエッジ強調又はスムージング処理を施す。
LUT81は、原画像の濃度と出力画像の濃度とを一致させるためのもので、例えばRAM等で構成され、その変換テーブルは、CPUによって設定されるものである。
パルス幅変調器(PWM)82は、入力された画像信号のレベルに対応するパルス幅のパルス信号を出力し、そのパルス信号は半導体レーザ(レーザ光源)を駆動するレーザドライバ83に入力される。
なお、この電子写真装置にはパターンジェネレーター(不図示)がのせてあり、階調パターンが登録されていて、パルス幅変調器82に直接信号を渡すことができるようになっている。
露光装置3は、画像読み取りユニット21から入力される画像信号に基づいて感光体1表面をレーザ走査露光Lして、静電潜像を形成する。
露光装置3により感光体1の表面をレーザ走査露光Lする場合には、先ず画像読み取りユニット21から入力された画像信号に基づき、発光信号発生器24により固体レーザ素子25を所定タイミングで明減(ON/OFF)させる。そして、固体レーザ素子25から放射された光信号であるレーザ光を、コリメーターレンズ系26によりほぼ平行な光束に変換し、更に、矢印c方向に高速回転する回転多面鏡22により感光体1を矢印d方向(長手方向)に走査することによって、fθレンズ群23、反射ミラーにより感光体1表面にレーザスポットが結像される。
このようなレーザ走査により感光体1表面には走査分の露光分布が形成され、更に、各走査毎に、感光体1の表面に対して垂直に所定量だけスクロールさせれば、感光体1表面に画像信号に応じた露光分布が得られる。
即ち、感光体1の一様帯電面(例えば−700Vに帯電)に、画像信号に対応してON/OFF発光される固体レーザ素子25の光を高速で回転する回転多面鏡22によって走査することにより、感光体1表面には走査露光パターンに対応した各色の静電潜像が順次形成されていく。
図2に示すように、感光体1上に形成された後述のトナーパッチパターンの反射光量を検出するためにLED光源10a、10bとフォトダイオ−ド11a、11bを用いた光学濃度検知手段である光学濃度センサを同一スラスト方向に2つ設けている。1つは、現像器3内のトナー濃度制御に用いる散乱型光学センサ40aであり、もう1つはγLUT補正に用いる正反射型光学濃度センサ40bである。
散乱型光学センサ40aは、トナー及び感光体からの散乱光の光量の増減によってパッチ濃度を検出するタイプのセンサであり、感光体に投射光を散乱させるトナーが載ることによって、センサ出力が低下し、パッチ濃度を検出することができる。この値を、本体内で演算することで、現像器6内のトナー濃度減少度を認知することができ、これを一定に制御するよう、トナー補給槽より、補給制御を行う。
先にも述べたが、本発明の電子写真装置では、正反射トナー濃度検知手段である正反射型光学濃度センサ40bにより、γLUT補正により、階調特性の制御を行っている。
本制御は、感光体1上のパッチパターン濃度を検出し、上述のLUT81を補正することにより画像安定化を達成するものである。尚、パッチパターンは階調画像に用いる200lpiを用いる。
図10は感光体1に相対するLED光源10bとフォトダイオード11bから成る正反射型光学濃度センサ40bからの信号を処理する処理回路を示す。本制御で使用した正反射型光学濃度センサ40bは、本実施の形態で感光体対向の同一スラスト方向位置に配置した2つの光学濃度センサのうちの正反射型光学濃度センサ40bであり、感光体1からの正反射光のみを検出するよう構成されている。本制御はγLUTを補正するため、パッチ形成後の次の画像形成時には明確に効果が現れる。
正反射型光学濃度センサ40bに入射された感光体1からの近赤外光は、正反射型光学濃度センサ40bによって電気信号に変換され、電気信号はA/D変換回路41により0〜5Vの出力電圧を0〜255レベルのデジタル信号に変換され、濃度換算回路42によりトナー濃度を把握する。そして、この正反射トナー濃度検知手段から得られたトナー濃度の情報により画像濃度制御手段を用い画像濃度を制御する。
感光体1上のトナー濃度を各色の面積階調により段階的に変えていったときの正反射型光学濃度センサ40bの出力と画像濃度との関係を図11に示す。
トナーが感光体1に付着していない状態における正反射型光学濃度センサ40bの出力を5V(即ち、255レベル)に設定した。
図11から分かるように、トナーによる面積被覆率が大きくなり、画像濃度が大きくなるに従って正反射型光学濃度センサ40bの出力は小さくなる。ここで、各色専用のセン
サ出力信号から濃度信号に変換するテーブル42aを持たせると、各色とも精度良くトナー濃度信号を読み取ることができる。
また、図11で示すようにフォトセンサ出力値が小さくなってしまうと、それをゲインして画像濃度を出すようにするため、フォトセンサ出力値の小さな振れに対し、画像濃度が敏感に反応してしまう。特に、低濃度領域においては、それが顕著に現れる。これでは良好なトナーの濃度検知は行えず、このような結果をもとに画像濃度を制御しても不充分であり、結局充分な階調性は得られない。
しかし、本発明によると、耐久使用後の感光体の表面粗さ状態の変動を小さく抑えることができ、かつ耐久後におけるフォトセンサ出力値の変動を小さくすることができるため、このような結果をもとに画像濃度を制御すると、良好な画像、特に階調性に優れた画像を安定して得ることができる。
本発明における画像濃度制御手段は、リーダ/プリンタを含む制御系により達成された色再現性の安定維持が目的であるため、リーダ/プリンタを含む制御系による制御の終了直後の状態を目標値として設定する。目標値設定のフローを図12に示す。リーダ/プリンタ双方を含む系の制御が終了した時点で、Y,M,C,Bkの各色毎のパッチパターンを感光体1上に形成して正反射型光学濃度センサ40bで検知する。
ここで、パッチのレーザー出力は、各色とも濃度信号で128レベルを用いる。この際、LUT81の内容とコントラスト電位の設定は、リーダ/プリンタを含む制御系で得たものを用いる。
感光体1上に形成された静電潜像は、現像装置4により、二成分磁気ブラシ法によって、現像器により反転現像されて第一色目のトナー像として可視像化される。
各現像器において、現像室R1及び攪拌室R2内には、上記トナー粒子と磁性キャリア粒子が混合された現像剤Tが収容されている。また、現像室R1内の現像剤Tは、搬送スクリュー37の回転駆動によって現像スリーブ30の長手方向に向けて搬送される。攪拌室R2内の現像剤Tは、搬送スクリュー38の回転駆動によって現像スリーブ30の長手方向に向けて搬送される。搬送スクリュー38による現像剤搬送方向は、搬送スクリュー37によるそれとは反対方向である。
隔壁36には、紙面と垂直方向である手前側と奥側に開口部(不図示)がそれぞれ設けられており、搬送スクリュー37で搬送された現像剤Tがこの開口部の一つから搬送スクリュー38に受け渡され、搬送スクリュー38で搬送された現像剤Tが上記開口部の他の一つから搬送スクリュー37に受け渡される。トナーは磁性粒子との摩擦で、潜像を現像するための極性に帯電する。
現像スリーブ30は矢印e方向(反時計方向)に回転駆動し、トナー及びキャリアの混合された現像剤Tを現像部Cに担持搬送する。現像スリーブ30に担持された現像剤Tの磁気ブラシは、現像部Cで矢印a方向(時計方向)に回転する感光体1に接触し、静電潜像はこの現像部Cで現像される。
現像スリーブ30には、電源(不図示)により交流電圧に直流電圧を重畳した振動バイアス電圧が印加される。静電潜像の暗部電位(非露光部電位)と明部電位(露光部電位)は、上記振動バイアス電位の最大値と最小値の間に位置している。これによって、現像部Cに、向きが交互に変化する交番電界が形成される。この交番電界中で、トナーとキャリアは激しく振動し、トナーが現像スリーブ30及びキャリアへの静電的拘束を振り切って
静電潜像に対応して感光体1の表面の明部に付着する。
振動バイアス電圧の最大値と最小値の差(ピーク間電圧)は1〜5kVが好ましく、(例えば2kVの矩形波)、また、周波数は1〜10kHzが好ましい。また、振動バイアス電圧の波形は、矩形波に限らず、サイン波、三角波等であっても良い。
そして、上記直流電圧成分は、静電潜像の暗部電位と明部電位の間の値のものであるが、絶対値で、最小の明部電位よりも暗部電位の方により近い値であることが、暗部電位領域へのカブリトナーの付着を防止する上で好ましい。例えば、暗部電位−700Vに対して、明部電位−200V、現像バイアスの直流成分を−500Vとすると良い。また、現像スリーブ30と感光体1の最小間隙(この最小間隙位置は現像部C内にある)は0.2〜1mmであること、例えば0.5mmであることが好ましい。
また、規制ブレード33で規制されて現像部Cに搬送される現像剤Tの量は、マグネットローラ31の現像磁極S1による現像部Cでの磁界により形成される、現像剤Tの磁気ブラシの現像スリーブ30表面上での高さが、感光体1を取り去った状態で、現像スリーブ30と感光体1との間の最小間隙値の1.2〜3倍となるような量であることが好ましい。例えば、前記最小間隙値が500μm(0.5mm)であれば700μmにすると良い。
マグネットローラ31の現像磁極S1は、現像部Cと対向する位置に配置されており、現像磁極S1が現像部Cに形成する現像磁界により現像剤Tの磁気ブラシが形成され、この磁気ブラシが感光体1に接触してドット分布静電潜像を現像する。その際、磁性キャリアの穂(ブラシ)に付着しているトナーも、この穂ではなくスリーブ表面に付着しているトナーも、静電潜像の露光部に転移してこれを現像する。
現像磁極S1による現像磁界の現像スリーブ30表面上での強さ(現像スリーブ30表面に垂直な方向の磁束密度)は、そのピーク値が5×10−2T〜2×10−1Tであることが好適である。また、マグネットローラ31には、上記現像磁極S1の他に、N1、N2、N3、S2極を有している。
ここで、感光体1の表面の静電潜像を、現像器を用いて二成分磁気ブラシ法により顕像化する現像工程と現像剤Tの循環系について説明する。
現像スリーブ30の回転によりN2極で汲み上げられた現像剤Tは、S2極からN1極と搬送され、その途中で規制ブレード33で層厚が規制され、現像剤薄層を形成する。そして、現像磁極S1の磁界中で穂立ちした現像剤Tが感光体1上の静電潜像を現像する。その後、N3極、N2極間の反発磁界により現像スリーブ30上の現像剤Tは現像室R1内へ落下する。現像室R1内に落下した現像剤Tは、搬送スクリュー37により攪拌搬送される。また、このような循環系において、消費されたトナーに見合った新規のトナーtが、補給口35を経て攪拌室R2内に落下し補給される。
一方、感光体1上への上記トナー像の形成に同期して、給紙カセット10内に収納された紙等の転写材Pが給紙ローラ11又は12により一枚づつ給送され、レジストローラ13により所定のタイミングで転写体5に給紙され、吸着ローラ14によって転写材Pが転写体5上に静電吸着される。
転写体5上に静電吸着された転写材Pは、転写体5の矢印方向(時計方向)の回転によって感光体1と対向した位置に移動し、転写帯電器5aによって転写材Pの裏側に前記トナーと逆極性の電荷が付与されて、表面側に感光体1上のトナー像が転写される。
この転写後、感光体1上に残留している転写残トナーはクリーニング装置6によって除去、この後、感光体1の表面は、さらに前露光ランプ7で除電され、次のトナー像の形成に供される。
以下、同様にして感光体1上の静電潜像が現像されて、感光体1上に形成されたシアントナーa像、シアントナーb像、マゼンタトナー像、イエロートナー像、ブラックトナー像が転写帯電器5aにより転写体5上の転写材Pに重ねて転写され、フルカラー画像が形成される。
そして、転写材Pを分離帯電器5bによって転写体5上から分離し、分離された転写材Pは搬送ベルト8を通して定着装置9に搬送される。定着装置9に搬送された転写材Pは、前記オイル塗布手段によって少量のオイルが塗布されたか、又はオイルが塗布されていない定着ローラ9aと加圧ローラ9bとの間で加熱、加圧され、転写材Pの表面にフルカラー画像が定着される。その後、転写材Pは、排紙ローラ15によりトレイ16上に排紙される。
なお、図示しないが、例えば感光体、感光体を帯電させる帯電手段、露光装置、現像装置、感光体に対応して設けられる転写手段、及びクリーニング装置を複数(トナーの種類の数だけ)有し、転写手段の転写位置に一枚の転写材を順に搬送する搬送手段と、定着装置とを有する電子写真装置(いわゆるタンデム方式の画像形成装置)を用いれば、各色のトナー画像を転写材に直接転写することが可能となり、上述した転写体5(中間転写体)を介さずに、二種類以上のトナーに用いた画像を形成することが可能である。
本発明においては、電子写真装置として、上述の感光体や現像手段、クリーニング手段等の構成要素のうち、複数のものを装置ユニットとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在のカートリッジに構成しても良い。例えば、感光体1とクリーニング装置6とを一体化して一つの装置ユニットとし、装置本体のレール等の案内部材を用いて着脱自在の構成にしてもよい。このとき上記の装置ユニットの方に帯電手段及び/又は現像手段を伴って構成してもよい。
本発明における露光手段、現像手段、転写手段等の、通常の電子写真プロセスを行うために必要な手段は何ら限定されるもので無く、装置構成上クリーニング手段を除いたクリーナーレスシステムでの電子写真装置の構成要素を利用すること等も可能である。
本発明は、上記感光体及び帯電手段等を備えた電子写真装置として構成され、電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター、レーザー製版等の電子写真応用分野にも広く用いることができる。
また、本発明はリモート端末からの画像情報を受信する受信手段を有するファクシミリで構成することもできる。
<実施例1>
(感光体製造方法)
以下、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
本発明の図1に示す感光体1を下記のようにして作成した。
まず、導電層用の塗料を以下の手順で調製した。10%の酸化アンチモンを含有する酸
化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50部、フェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタノール5部及びシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)0.002部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して調製した。この塗料をφ30mm×357.5mmのアルミニウムシリンダー上に浸漬塗布法で塗布し、140℃で30分間乾燥して、膜厚が20μmの導電層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化ナイロン5部をメタノール95部中に溶解し、中間層用塗工液を調製した。この塗工液を上記の導電層上に浸漬塗布法によって塗布し、100℃で20分間乾燥し、膜厚が0.6μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)7.4°、及び28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンを4部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレツクBX1、積水化学(株)製)2部及びシクロヘキサノン80部を直径φ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散して、その後に酢酸エチル80部を加えて電荷発生層用塗工液を調製した。この塗工液を前記中間層上に浸漬塗布法で塗布して、100℃で15分間乾燥して、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記(1)式のスチリル化合物である電荷輸送材料10部及びポリカーボネート(重量平均分子量=46000)10部を、ジクロロメタン30部/モノクロロベンゼン60部の混合溶剤中に溶解して溶液を作製し、この溶液を電荷発生層表面に浸漬塗布し、120℃で60分間乾燥させ、膜厚が10μmの電荷輸送層を形成した。
Figure 0004324008

次に、表1の化合物例No.11に示される化合物45部をn−プロピルアルコ−ル5
5部に溶解し、表面保護層用塗料を作成した。この塗料を上記の電荷輸送層上に浸漬塗布方法で塗工し、50℃で15分乾燥した後、酸素濃度80ppm環境下で、加速電圧150KV、照射線量1.5×10Gyの条件にて電子線を照射し、引き続き150℃3分間の加熱処理を行った。さらに、大気中で、140℃60分の加熱処理を行い、膜厚が5μmの表面保護層を形成し、電子写真感光体を作製した。
(感光体表面の粗面化)
図3に示される、粗面化手段により、以下に示す条件で、上記の要領で作成した感光体
の表面の粗面化を行った。
研磨シ−ト:品名C−2000(富士写真フィルム(株)製)
研磨砥粒:SiC(平均粒径:9μm)
基材:ポリエステルフィルム(厚さ:75μm)
研磨シート送りスピード:200mm/sec
感光体回転数:25rpm
押し当て圧:3N/m
シート及び電子写真感光体の回転方向:同方向
(以後、同方向を「ウィズ」と称し、逆方向を「カウンタ−」と称す。)
バックアップローラは外径:直径40cm
バックアップロ−ラアスカーC硬度:40
処理時間:150秒
電子写真感光体表面の溝の密度、溝幅及び表面粗さを測定したところ、溝密度は420、溝幅は10.4μm以下、Rzは0.62μm、Rmaxは0.83μmであった。
ここで、溝の密度の測定には、非接触3次元表面測定機(商品名:マイクロマップ、(株)菱化システム製)を用いた。この測定機は、高精度レ−ザ顕微鏡であり、感光体表面を観察し、その見ている面内の面粗さを3次元化することができる。以下に、測定方法の具体例を示す。
上記、測定機において対物レンズに、×5を用い、画像範囲1.6mm×1.2mmの感光体表面形状観察及び計測を行う。この画像を、上記測定機に付随している粒子解析ソフトを用い、処理を行ない、溝数、溝幅を測定した。
本発明においては、この方法で0.5μm≦Z≦40μmの溝幅の範囲内に収まる溝数を数え溝密度を算出した。
更に、感光体上の最大画像サイズを想定し、その領域内で、長手方向3箇所の周方向4ポイントの総数12ポイントの測定を繰り返し、その感光体の溝数、溝幅を、その12ポイントの平均値で決定した。
また、表面粗さは、接触式面粗さ測定機(商品名:サーフコーダSE3500、(株)小坂研究所製)を用い、検出器:R2μm、0.7mNのダイアモンド針、フィルタ:2CR、カットオフ値:0.8mm、測定長さ:2.5mm、送り速さ:0.1mmとし、J
IS規格1982で最大表面粗さRmax及び十点平均面粗さRzのデータを処理した。測定ポイントは、感光ドラム上の最大画像サイズが形成される領域内の長手方向の3箇所の周4ポイントの総数12ポイントであり、その感光ドラムの溝の表面粗さRz、Rmaxは、その12ポイントの平均値で決定した。
図1に示される画像形成装置に上記方法で作成された感光体を投入し、常温常湿環境下(22℃、55%RH)に設置した。次に、ドラム上に低濃度トナーパッチを作成し、初期状態の正反射型光学濃度センサの出力が、5VになるようGAINで調整した後、50000枚の耐久使用を行ない、耐久後、センサ出力値を測定した。
その結果を表3に示す。耐久前後での、目視での、電子写真感光体の表面状態の変化は小さく、センサ出力値の変動も0.2Vと小さかった。このセンサ数値に基づきトナー濃
度を検知し、該トナー濃度の情報をもとに画像濃度を制御した。得られた耐久後の画像は、低濃度部の階調性が、初期状態と同等であり、階調安定性に優れたものであった。
Figure 0004324008
<実施例2>
実施例1の感光体の表面保護層用塗料中に5部のポリテトラフルオロエチレン微粒子を添加分散したこと以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成し評価した。評価結果を表3に示す。
耐久前後での目視での電子写真感光体の表面状態の変化は小さく、センサ出力値の変動も0.3Vと小さかった。このセンサ数値に基づき画像濃度を制御した。得られた耐久後の画像は、低濃度部の階調性が初期状態と同等であり、階調安定性に優れたものであった。
<実施例3>
実施例1の感光体の表面保護層用塗料中に20部のポリテトラフルオロエチレン微粒子を添加分散したこと以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成し、評価した。評価結果を表3に示す。
耐久前後での目視での電子写真感光体の表面状態の変化は小さく、センサ出力値の変動も0.4Vと小さかった。このセンサ数値に基づき画像濃度を制御した。得られた耐久後の画像は、低濃度部の階調性が初期状態と同等であり、階調安定性に優れたものであった。
<実施例4>
実施例3の表面層の粗面化処理において、バックアップローラをアスカ−C硬度20とし、押し当て圧を11N/mとすること以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体
を作成し評価した。評価結果を表3に示す。
耐久前後での目視での電子写真感光体の表面状態の変化は小さく、センサ出力値の変動も0.6Vと小さかった。このセンサ数値に基づき画像濃度を制御した。得られた耐久後の画像は、低濃度部の階調性が初期状態と同等であり、階調安定性に優れたものであった。
<実施例5>
実施例3の表面層の粗面化処理において、粗面化工程の時間を20分としたこと以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成し評価した。評価結果を表3に示す。耐久前後での目視での電子写真感光体の表面状態の変化は小さく、センサ出力値の変動も0.5Vと小さかった。このセンサ数値に基づき画像濃度を制御した。得られた耐久後の画像は、低濃度部の階調性が初期状態と同等であり、階調安定性に優れたものであった。
<実施例6>
実施例3の表面層の粗面化処理における、電子写真感光体の回転方向を、カウンターとした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成し評価した。評価結果を表3に示す。
耐久前後での目視での電子写真感光体の表面状態の変化は小さく、センサ出力値の変動も0.7Vと比較的小さかった。このセンサ数値に基づき画像濃度を制御した。得られた耐久後の画像は、低濃度部の階調性が初期状態と、ほぼ同等であり、階調安定性に優れたものであった。
<実施例7>
実施例3の表面層の粗面化処理において、粗面化工程の時間を5分としたこと以外は、
実施例1と同様にして電子写真感光体を作成し評価した。評価結果を表3に示す。
耐久前後での目視での電子写真感光体の表面状態の変化は少しあり、傷が増えているように見受けられた。センサ出力値の変動は、0.9Vであったが、このセンサ数値に基づき画像濃度を制御した。得られた耐久後の画像は、低濃度部の階調性が初期状態と大きくは変っておらず、階調安定性で使用上問題のないものであった。
<実施例8>
実施例3の表面層の粗面化処理において、粗面化工程の時間を2分としたこと以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成し評価した。評価結果を表3に示す。
耐久前後での目視での電子写真感光体の表面状態の変化は少しあり、傷が増えているように見受けられた。センサ出力値の変動は、1.0Vであったが、このセンサ数値に基づき画像濃度を制御した。得られた耐久後の画像は、低濃度部の階調性が初期状態と大きくは変っておらず、階調安定性で使用上問題のないものであった。
<実施例9>
実施例3の表面層の粗面化処理において、バックアップロ―ラ−を外径:直径80mm、ショアA硬度10として、電子写真感光体への押し当て圧を、13.5N/mとした
こと以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成し評価した。評価結果を表3に示す。
耐久前後での目視での電子写真感光体の表面状態の変化は少しあり、傷が増えているように見受けられた。センサ出力値の変動は、0.8Vであったが、このセンサ数値に基づき画像濃度を制御した。得られた耐久後の画像は、低濃度部の階調性が初期状態と大きくは変っておらず、階調安定性で使用上問題のないものであった。
<実施例10>
実施例1の感光体の表面保護層用塗料中に開始剤を添加し、この塗料を電荷輸送層上に浸漬塗布方法で塗工し電子線照射を行わず、50℃で15分乾燥した後、150℃60分間の加熱処理を行い、膜厚が5μmの表面保護層を形成し電子写真感光体を作製した。
それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成し評価した。評価結果を表3に示す。
耐久前後での目視での電子写真感光体の表面状態の変化は少しあり、傷が増えているように見受けられた。センサ出力値の変動は、1Vであったが、このセンサ数値に基づき画像濃度を制御した。得られた耐久後の画像は、低濃度部の階調性が初期状態と大きくは変っておらず、階調安定性で使用上問題のないものであった。
<比較例1>
実施例1で作成された電子写真感光体に対して粗面化を行わず耐久を行った。評価結果を表3に示す。耐久途中5000枚あたりからクリーニングブレード近傍からブレード鳴きが発生し、7000枚で、ブレード捲れが発生した。ブレードを交換しつつ、50000枚まで耐久し、耐久前後で、目視で比較したところ、電子写真感光体の表面状態は変化しており、深い傷が多数見受けられた。耐久後のセンサ出力値の変動は1.8Vと、その出力値はかなり小さくなっていた。このセンサ数値に基づき画像濃度を制御した。得られた耐久後の画像は、低濃度領域の階調パタ−ンの滑らかさが明らかに失われていた。
<比較例2>
実施例3の粗面化工程の時間を50secとした以外は、実施例1と同様にして電子写
真感光体を作成し評価した。評価結果を表3に示す。
耐久前の電子写真感光体表面の溝密度が12である感光体を用い、50000枚まで耐久し、耐久前後で目視で比較したところ、電子写真感光体の表面状態は変化しており、深い傷が多数見受けられた。耐久後のセンサ出力値の変動は1.4Vと、その出力値はかなり小さくなっていた。このセンサ数値に基づき画像濃度を制御した。得られた耐久後の画像は低濃度領域の階調パタ−ンの滑らかさが明らかに失われていた。
<比較例3>
実施例3の粗面化工程の時間を30minとした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成し評価した。評価結果を表3に示す。
耐久前の電子写真感光体表面の溝密度が、1100である感光体を用い、50000枚まで耐久し、耐久前後で目視で比較したところ、電子写真感光体の表面状態は変化しており、深い傷が多数見受けられた。耐久後のセンサ出力値の変動は1.9Vと、その出力値はかなり小さくなっていた。このセンサ数値に基づき画像濃度を制御した。得られた耐久後の画像は、低濃度領域の階調パタ−ンの滑らかさが明らかに失われており、非常に薄い低濃度部分では、ガサツいた画像となっていた。
<比較例4>
実施例3の粗面化工程において、研磨シ−トの番手を#800(商品名:C−800、富士写真フィルム(株)製)としたこと以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成し評価した。評価結果を表3に示す。
耐久前の電子写真感光体表面の溝幅の平均値が45である感光体を用い、50000枚まで耐久し、耐久前後で目視で比較したところ、電子写真感光体の表面状態は変化しており、深い傷が多数見受けられた。耐久後のセンサ出力値の変動は1.2Vと、その出力値は小さくなっていた。このセンサ数値に基づき画像濃度を制御した。得られた耐久後の画像は、低濃度領域の階調パタ−ンの滑らかさが少し失われていた。
<比較例5>
実施例3の表面保護層が無く、電荷輸送層の結着樹脂をポリカーボネート樹脂(商品名:ユ−ピロンZ150、三菱エンジニアリング(株)製)とし、膜圧を25(μm)の厚さになるよう作成した感光体を用い、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成し評価した。評価結果を表3に示す。
耐久を50000枚まで行ったところ、電子写真感光体の表面状態は大きく粗れ、深い傷が多数見受けられた。耐久後のセンサ出力値の変動は2Vと、その出力値は非常に小さくなっていた。このセンサ数値に基づき画像濃度を制御した。得られた耐久後の画像は、低濃度領域の階調パタ−ンの滑らかさが明らかに失われており、非常に薄い低濃度部分では、ガサツいた画像となっていた。
本発明の電子写真装置の例を示す概略図である。 本発明の図1の電子写真装置における光学濃度検知手段の配置を示す概略図である。 本発明に係る電子写真感光体の表面処理を行う粗面化手段の例を示す概略図である。 本発明に係る電子写真感光体の表面処理を行う粗面化手段の例を示す概略図である。 本発明の電子写真感光体の製造方法に用いられる研磨シートの例を示す概略図である。 本発明の電子写真装置の露光手段の例を示す概略図である。 本発明の電子写真装置の現像手段の例を示す概略図である。 本発明の電子写真装置のブラシ部材を併設したクリーニング手段の例を示す概略図である。 本発明の電子写真装置で行われる画像処理の例を示すブロック図である。 本発明の電子写真装置のフォトセンサから濃度変換までを示すフロー図である。 本発明の電子写真装置のフォトセンサ出力と画像濃度の関係を示す図である。 目標値設定のフローチャートを示す図である。

Claims (1)

  1. 回転駆動される電子写真感光体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、該現像手段による現像程後の該電子写真感光体上のトナー濃度を検知するための正反射トナー濃度検知手段と、該正反射トナー濃度検知手段から得られたトナー濃度の情報により画像濃度を制御する画像濃度制御手段とを有する電子写真装置において、
    該電子写真感光体の表面層は、2つ以上の重合性官能基を有する化合物を電子線照射によって重合あるいは架橋することにより硬化した化合物を含有しており、
    研磨シートを電子写真感光体の表面に常時圧接して電子写真感光体を回転させることによって電子写真感光体の表面の粗面化を行う粗面化手段によって、該電子写真感光体の表面には、幅が0.5〜40μmの溝が単位面積(/mm)あたり20以上1000以下の割合で形成されており、
    該電子写真感光体の表面には、40μmより大きい幅の溝が形成されていない
    ことを特徴とする電子写真装置。
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