JP2005010421A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電子写真感光体12を用いて帯電、露光、現像、転写及びクリーニングを含む電子写真プロセスを順次行うに際し、複数の発光素子を有する面発光レーザーアレイを露光光源として備え、複数本の光ビームを電子写真感光体12上に走査させて静電潜像を形成させるマルチビーム方式を採用する構成を有する露光装置16と、転写後の電子写真感光体16に付着した残留トナーを除去するクリーニング装置22と、電子写真感光体12に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置21と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体を用いて帯電、露光、現像、転写及びクリーニングを含む電子写真プロセスを順次行う画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザービームプリンターやデジタル複写機などの画像形成装置における露光方法として、半導体レーザーから画像信号に応じたレーザービームを出射し、回転多面鏡(ポリゴンミラー)に反射させた後、電子写真感光体表面に照射させることにより静電潜像を形成させる方法が知られている。
【0003】
上述の露光方法の場合、1本のレーザービームを用いる露光方式(以下、単一ビーム方式という)によって出力画像の高精細化(高画質化)、高速化を実現するためにはレーザービームの走査速度を速めることが必要となる。しかし、ポリゴンミラーの回転速度には限界がある。
【0004】
そこで、画像形成速度の高速化を図るべく、複数のレーザービームによって電子写真感光体を一度に走査するマルチビーム方式が提案されている。マルチビーム方式によれば、レーザービームの走査速度とプリントスピードが単一ビーム方式の場合と等しい場合には、n本のレーザービームを用いることにより走査線の密度をn倍にすることができる。また、レーザービームの走査速度と走査線の密度が単一ビーム方式の場合と等しい場合には、n本のレーザービームを用いることによりプリントスピードをn倍に高速化することが可能となる。さらに、プリントスピードとレーザービームの走査密度が単一ビーム方式と等しい場合には、n本のレーザービームを用いることによりレーザービームの走査速度(すなわちポリゴンミラーの回転数)を1/n倍にすることができ、ポリゴンミラーの回転駆動機構の簡略化、さらにはコストダウンが可能となるという効果が期待される。
【0005】
このようなマルチビーム方式の画像形成装置としては、例えば、複数本のレーザ光を各々偏向して感光体等の被走査体上で同時に走査させ、1回の主走査で複数本の走査線の走査を行うことで静電潜像の形成を行うものがある。かかる装置においては、露光光源としてアレイ化が容易な面発光レーザー(VCSEL:Vertical Cavity Emitting Laser)を光源として用い、同時に走査させるレーザー光の本数(レーザー光によって同時に走査される走査線の本数)を増加させることで、高画質を維持しつつ画像形成速度をさらに高速化する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−294005号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の画像形成装置であっても、マルチビーム方式による露光を含む電子写真プロセスを高速で行った場合には、電子写真感光体の感光層の磨耗による電位変動、感度変動などが起こりやすくなり、画質の低下や装置寿命の低下を招くことになる。また、装置を小型化する場合、電子写真感光体の小径化による電子写真プロセスの繰り返し数の増加、さらには接触帯電器の使用による負荷の増大などにより感光層の磨耗が一層促進されてしまう。
【0008】
なお、電子写真感光体の寿命を向上させる方法としては感光層の厚膜化が考えられるが、かかる方法の適用は、面発光レーザーアレイを用いた露光装置を備える画像形成装置に対しては実用的とは言えない。具体的には、面発光レーザーアレイの場合、キャビティーの容量が小さいため発光点1個当たりの発光量は少ないため、感光体上の光量が不十分となりやすい。また、発光点が近接している面発光レーザーアレイを用いる場合、走査光学系において感光体上での所望のビーム径を得るためにはアパーチャーを入れる必要があり、この場合の光量はさらに低下する。さらに、高解像度化のためにはより小さなアパーチャーを使用する必要があり、光量がさらに低下してしまう。このように、感光体上での光量が不十分となりやすい場合、感光層の厚膜化は画質低下の原因となる。
【0009】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、高画質化、高速化及び長寿命化を同時に達成可能なマルチビーム方式の画像形成装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、電子写真感光体を用いて帯電、露光、現像、転写及びクリーニングを含む電子写真プロセスを順次行う画像形成装置であって、複数の発光素子を有する面発光レーザーアレイを露光光源として備え、複数本の光ビームを電子写真感光体上に走査させて静電潜像を形成させるマルチビーム方式を採用する構成を有する露光装置と、転写後の電子写真感光体に付着した残留トナーを除去するクリーニング装置と、電子写真感光体に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の画像形成装置によれば、上記の露光装置、クリーニング装置及び潤滑剤供給装置を設けることで、電子写真プロセスを行うに際し、供給される潤滑剤により電子写真感光体の表面の潤滑性が高められると共にクリーニング装置により当該表面が十分に清浄化されるので、電子写真感光体の感光層を厚膜化せずとも、感光層の磨耗を抑制して電位変動及び感度変動を十分に防止することができる。従って本発明により、可変光量が小さく制御幅が狭いという面発光レーザーの特性が補完され、高画質化、高速化及び長寿命化を同時に達成可能なマルチビーム方式の画像形成装置が実現される。
【0012】
本発明の画像形成に装置においては、電子写真感光体が第1軸を中心として回転自在に設けられた略円筒形状のものであり、潤滑剤供給装置が電子写真感光体の外周面の移動方向を基準としてクリーニング装置よりも上流側に配置されていることが好ましい。これにより、電子写真感光体に対するクリーニング装置の接触抵抗を低減しつつ電子写真感光体の表面を清浄化することができるため、感光層の磨耗による電位変動及び感度変動をより確実に防止することができる。
【0013】
また、本発明の画像形成装置においては、潤滑剤供給装置が、第1軸に平行な第2軸を中心として回転自在に設けられておりブラシ先端が電子写真感光体の外周面に接触する回転ブラシと、第2軸に平行な第3軸を支点として揺動自在に設けられており固形潤滑剤を支持する支持部材と、を有し、第3軸の回りに支持部材から回転ブラシに向かうモーメントを発生させ、該モーメントにより固形潤滑剤を回転ブラシに接触させ、回転ブラシに付着した潤滑剤を電子写真感光体に供給するものであることが好ましい。かかる潤滑剤供給装置においては、回転ブラシを固体潤滑剤に接触させて回転させることにより、回転ブラシに付着した潤滑剤が電子写真感光体に塗布される。ここで、第3軸の回りに支持部材から回転ブラシに向かうモーメントを発生させて回転ブラシと固形潤滑剤とを接触させることにより、回転ブラシと固形潤滑剤とは所定の接触圧で接触し、また、回転ブラシの回転による固形潤滑剤の跳ね上がり等の不規則な挙動は防止される。また、固形潤滑剤を支持する支持部材は第3軸を支点として揺動自在に設けられており、その第3軸の周方向以外の動作は制限されるため、固形潤滑剤の回転ブラシに対するニップ量(食い込み量)は第3軸方向に沿って実質的に一定に保たれる。従って、かかる潤滑剤供給装置を用いることで、潤滑剤の回転ブラシへの付着量及び電子写真感光体表面への供給量を均一に保ちつつ、潤滑剤の供給を長期にわたって安定的に行うことが可能となる。
【0014】
また、本発明の画像形成装置においては、潤滑剤が脂肪酸金属塩及びポリテトラフルオロエチレンから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。かかる潤滑剤の使用により、感光層の磨耗による電位変動及び感度変動をより確実に防止することができる。
【0015】
また、本発明の画像形成装置においては、被転写媒体としてA4サイズの用紙を用いたときの潤滑剤の消費量が当該用紙1枚当たり2〜15μgであることが好ましい。潤滑剤の消費量を2〜15μgとすることで、高画質を長期にわたって維持することが可能となる。
【0016】
また、本発明の画像形成装置においては、電子写真感光体が導電性基体並びに該基体上に形成された電荷発生層及び電荷輸送層を有し、電子写真プロセスを400,000サイクル繰り返したとき、感光層の1,000サイクル当たりの平均摩耗率が15nm以下であり、且つ該感光層の画像形成領域における膜厚の最大値と最小値との差が電子写真プロセスを行う前の電荷輸送層の平均膜厚の15%以下であることが好ましい。これにより、高画質化、高速化及び長寿命化をより高水準で達成することができる。
【0017】
また、本発明の画像形成装置は、面発光レーザーアレイが2次元的に配列した複数の発光点を有することを特徴としてもよい。これにより、高画質化(高解像度化)及び高速化を一層高水準で達成することができる。この際の複数の発光点の配列は、好ましくは3列以上×3列以上、より好ましくは4列以上×4列以上、さらに好ましくは6列以上×6列以上、さらにより好ましくは8列以上×8列以上である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当する部分には同一符号を付することとし、重複する説明は省略する。
【0019】
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態にかかる画像形成装置を示す概略構成図である。図1に示した画像形成装置10は、駆動装置(図示せず)により所定の回転速度で図中の矢印Aの方向に回転される感光体ドラム12を備えており、感光体ドラム12の上方には、感光体ドラム12の外周面を帯電させる帯電器14が設けられている。
【0020】
また、帯電器14の上方には面発光レーザーアレイを露光光源として備える露光装置16が配置されている。詳細は後述するが、露光装置16は、光源から射出される複数本のレーザービームを、形成すべき画像に応じて変調すると共に、主走査方向に偏向し、感光体ドラム12の外周面上を感光体ドラム12の軸線と平行に走査させる。これにより、帯電した感光体ドラム12の外周面上に静電潜像が形成される。
【0021】
感光体ドラム12の側方には現像装置18が配置されている。現像装置18は回転可能に配置されたローラ状の収容体を備えている。この収容体の内部には4個の収容部が形成されており、各収容部には現像器18Y,18M,18C,18Kが設けられている。現像器18Y,18M,18C,18Kは各々現像ローラ20を備え、内部に各々Y,M,C,Kの色のトナーを貯留している。
【0022】
画像形成装置10でのフルカラーの画像の形成は、感光体ドラム12が4回転する間に行われる。すなわち、感光体ドラム12が4回転する間、帯電器14は感光体ドラム12の外周面の帯電、除電・清掃器22は外周面の除電を継続し、露光装置16は、形成すべきカラー画像を表すY,M,C,Kの画像データのうちの何れかに応じて変調したレーザービームを感光体ドラム12の外周面上で走査させることを、感光体ドラム12が1回転する毎にレーザービームの変調に用いる画像データを切替えながら繰り返す。また現像装置18は、現像器18Y,18M,18C,18Kの何れかの現像ローラ20が感光体ドラム12の外周面に対応している状態で、外周面に対応している現像器を作動させ、感光体ドラム12の外周面に形成された静電潜像を特定の色に現像し、感光体ドラム12の外周面上に特定色のトナー像を形成させることを、感光体ドラム12が1回転する毎に、静電潜像の現像に用いる現像器が切り替わるように収容体を回転させながら繰り返す。これにより、感光体ドラム12が1回転する毎に、感光体ドラム12の外周面上には、Y,M,C,Kのトナー像が互いに重なるように順次形成されることになり、感光体ドラム12が4回転した時点で感光体ドラム12の外周面上にフルカラーのトナー像が形成されることになる。
【0023】
また、感光体ドラム12の略下方には無端の中間転写ベルト24が配設されている。中間転写ベルト24はローラ26,28,30に巻掛けられており、外周面が感光体ドラム12の外周面に接触するように配置されている。ローラ26〜30は図示しないモータの駆動力が伝達されて回転し、中間転写ベルト24を図1矢印B方向に回転させる。
【0024】
中間転写ベルト24を挟んで感光体ドラム12の反対側には転写装置(転写器)32が配置されており、感光体ドラム12の外周面上に形成されたトナー像は転写装置32によって中間転写ベルト24の画像形成面に転写される。
【0025】
また、感光体ドラム12を挟んで現像装置18の反対側には、感光体ドラム12の外周面に潤滑剤供給装置21及びクリーニング装置22が配置されている。感光体ドラム12の外周面上に形成されたトナー像が中間転写ベルト24に転写されると、潤滑剤供給装置21により感光体ドラム12の外周面に潤滑剤が供給され、当該外周面のうち転写されたトナー像を担持していた領域がクリーニング装置22により清浄化される。潤滑剤供給装置21の詳細については後述する。
【0026】
中間転写ベルト24よりも下方側にはトレイ34が配置されており、トレイ34内には記録材料としての用紙Pが多数枚積層された状態で収容されている。図3におけるトレイ34の左斜め上方には取り出しローラ36が配置されており、取り出しローラ36による用紙Pの取り出し方向下流側にはローラ対38、ローラ40が順に配置されている。積層状態で最も上方に位置している記録紙は、取り出しローラ36が回転されることによりトレイ34から取り出され、ローラ対38、ローラ40によって搬送される。
【0027】
また、中間転写ベルト24を挟んでローラ30の反対側には転写装置42が配置されてる。ローラ対38、ローラ40によって搬送された用紙Pは、中間転写ベルト24と転写器42の間に送り込まれ、中間転写ベルト24の画像形成面に形成されたトナー像が転写装置42によって転写される。転写装置42よりも用紙Pの搬送方向下流側には、定着ローラ対を備えた定着装置44が配置されており、トナー像が転写された用紙Pは、転写されたトナー像が定着装置44によって溶融定着された後に画像形成装置10の機体外へ排出され、排紙トレイ(図示せず)上に載置される。
【0028】
次に、電子写真感光体12、露光装置16、潤滑剤供給装置21及びクリーニング装置22について詳述する。
【0029】
(電子写真感光体)
図2は電子写真用感光体12の要部を示す模式断面図である。図2に示した電子写真感光体12においては、導電性基体121上に下引き層122、電荷発生層123、電荷輸送層124、保護層125がこの順に積層されて機能分離型の感光層126が構成されている。
【0030】
導電性基体121の材質としては、アルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属類;プラスチック等の基体上にアルミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレス、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、ITO等の薄膜を設けたもの;導電性付与剤を塗布または含浸させた紙、プラスチックフィルム等、が挙げられる。なお、図1中の電子写真感光体12の形状はドラム状であるが、シート状、プレート状等の形状を有するものであってもよい。
【0031】
導電性基体121として金属パイプ基材を用いる場合、基材の表面は素管のままであってもよく、予め鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、サンドブラスト、ウエットホーニング、着色処理などの処理が行われてもよい。基材表面を粗面化することにより可干渉光源を用いた場合に発生しうる感光体内での干渉光による木目状の濃度斑を防止することができる。
【0032】
下引き層122は、感光層126の帯電の際に、導電性基体121から感光層126への電荷の注入を阻止すると共に、感光層126を導電性基体に対して一体的に接着保持せしめる接着層としての作用、あるいは場合により導電性基体121の光の反射防止作用等を有するものである。
【0033】
下引き層122の材料としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子樹脂化合物が挙げられる。また、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等を用いてもよい。また電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂やポリアニリン等の導電性樹脂などを用いることができる。これらの化合物は1種を単独で又は2種以上の混合物若しくは重縮合物として用いることができる。これらの中でも、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好ましく用いられ、特にフェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが好ましく用いられる。さらに、ジルコニウムキレート化合物、シランカップリング剤は残留電位が低く環境による電位変化が少なく、また繰り返し使用による電位の変化が少ないなど性能上優れている。
【0034】
シランカップリング剤の例としてはビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらの中でも、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤が好ましい。
【0035】
ジルコニウムキレート化合物としては、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシドなどが挙げられる。
【0036】
チタニウムキレート化合物としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレートなどが挙げられる。
【0037】
アルミニウムキレート化合物の例としてはアルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)などが挙げられる。
【0038】
下引き層122中には、感光体特性向上のために、導電性物質を含有させることができる。かかる導電性物質としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫等の金属酸化物等があげられるが、所望の感光体特性が得られるのであれば、公知のいかなるものでも使用することができる。
【0039】
また、下引き層122に用いられる金属酸化物には表面処理を施すことができる。表面処理を施すことで、抵抗値の制御、分散性制御、感光体特性向上を図ることができる。表面処理剤としては、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料を用いることができる。これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いることができる。中でもシランカップリング剤は残留電位が低く環境による電位変化が少なく、また繰り返し使用による電位の変化が少ない、画質特性に優れるなど性能上優れている。シランカップリング剤、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物の例としては前述した例と同じ物質が挙げられる。
【0040】
表面処理方法は公知の方法であればいかなる方法でも使用可能であるが、乾式法あるいは湿式法を用いることができる。乾式法にて表面処理を施す場合には金属酸化物微粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接あるいは有機溶媒まに溶解させたシランカップリング剤を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させることによって均一に処理される。添加あるいは噴霧する際には溶剤の沸点以下の温度で行われることが好ましい。溶剤の沸点以上の温度で噴霧すると、均一に攪拌される前に溶剤が蒸発し、シランカップリング剤が局部的にかたまってしまい均一な処理ができにくい欠点があり、好ましくない。添加あるいは噴霧した後、さらに100℃以上で焼き付けを行うことができる。焼き付けは所望の電子写真特性が得られる温度、時間であれば任意の範囲で実施できる。湿式法としては、金属酸化物微粒子を溶剤中に攪拌、超音波、サンドミルやアトライター、ボールミルなどを用いて分散し、シランカップリング剤溶液を添加し攪拌あるいは分散したのち、溶剤除去することで均一に処理される。溶剤除去方法は蒸留により留去される。ろ過による除去方法では未反応のシランカップリング剤が流出しやすく、所望の特性を得るためのシランカップリング剤量をコントロールし難い欠点があり、好ましくない。溶剤除去後にはさらに100℃以上で焼き付けを行うことができる。焼き付けは所望の電子写真特性が得られる温度、時間であれば任意の範囲で実施できる。湿式法においては金属酸化物微粒子含有水分除去法として表面処理に用いる溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法を用いることもできる。
【0041】
下引き層122中の金属酸化物微粒子に対するシランカップリング剤の量は所望の電子写真特性が得られる量であればいかなる量でも用いることができる。
【0042】
下引き層中に用いられる金像酸化物微粒子と樹脂との割合は、所望の電子写真特性が得られる割合であれば任意に設定できる。
【0043】
下引き層122中には光散乱性の向上などの目的により、各種の有機もしくは無機微粉末を混合することができる。とくに、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、鉛白、リトポン等の白色顔料やアルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料としての無機顔料やPTFE樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、スチレン樹脂粒子などが有効である。添加微粉末の粒径は0.01〜2μmのものが用いられる。微粉末は必要に応じて添加されるが、添加される場合には下引き層の固形分に対して、重量比で、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%添加される。
【0044】
また、下引き層形成用塗布液には電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加物を用いることができる。添加物としては、クロラニル、ブロモアニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4オキサジアゾールなどのオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物などの電子輸送性物質、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料等を含有させることも有効である。
【0045】
下引き層塗布液の形成において、前述したような導電性物質や光散乱物質などの微粉末を混入させる場合には樹脂成分を溶解した溶液中に微粉末添加して分散処理が行われる。微粉末を樹脂中に分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカーなどの方法を用いることができる。さらにこの下引き層を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
【0046】
下引き層122の膜厚は0.01〜50μm、好ましくは0.05〜30μmが適当である。
【0047】
次に電荷発生層123について説明する。電荷発生層123は電荷発生材料及び結着樹脂を含んで構成される。結着樹脂は、広範な絶縁性樹脂から選択することができ、結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択することができる、また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシランなどの有機光導電性ポリマーから選択することもできる。好ましい結着樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂をあげることができるが、これらに限定されるものではない。これらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0048】
電荷発生材料としては特に制限されないが、金属及び無金属フタロシアニン顔料が好ましく、中でも特定の結晶を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、チタニルフタロシアニンが特に好ましい。
【0049】
電荷発生材料と結着樹脂の配合比は(重量比)は10:1〜1:10の範囲が好ましい。またこれらを分散させる方法としてはボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の通常の方法を用いることができるが、この際、分散によって該の結晶型が変化しない条件が必要とされる。ちなみに本発明で実施した前記の分散法のいずれについても分散前と結晶型が変化していないことが確認されている。さらにこの分散の際、粒子を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、さらに好ましくは0.15μm以下の粒子サイズにすることが有効である。またこれらの分散に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。また、本発明で用いる電荷発生層の厚みは一般的には、0.1〜5μm、好ましくは0.2〜2.0μmが適当である。また、電荷発生層を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。さらに、顔料の分散安定性や、光感度を増す目的、あるいは、電気特性を安定化させる目的でシランカップリング剤を用いて顔料を表面処理したものを用いても良いし、顔料の分散溶液に加えてもよい。
【0050】
次に、電荷輸送層124について説明する。電荷輸送層124は、電荷輸送材料と結着樹脂を含有して形成されるか、あるいは高分子電荷輸送材を含有して形成される。
【0051】
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物などの正孔輸送性化合物があげられる。これらの電荷輸送材料は単独または2種以上混合して用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらの電荷輸送材料は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0052】
電荷輸送層124に用いる結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン、特開平8−176293号公報や特開平8−208820号公報に示されているポリエステル系高分子電荷輸送材など高分子電荷輸送材を用いることもできる。本発明で用いる電荷輸送層の厚みは一般的には、5〜50μm、好ましくは15〜22μmが適当である。塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。さらに電荷輸送層を設けるときに用いる溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロンゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル類等通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。通常は、これらの材料を混合し電荷輸送層を塗布熱風乾燥し、塗膜を形成する。
【0053】
電子写真装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、或いは光・熱による感光体の劣化を防止する目的で、感光層中に酸化防止剤・光安定剤・熱安定剤などの添加剤を添加することができる。例えば、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機リン化合物等があげられる。光安定剤の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチルピペン等の誘導体が挙げられる。
【0054】
次に保護層125について説明する。保護層125は、帯電時の電荷輸送層124等の化学的変化を防止したり、感光層126の機械的強度をさらに改善したりする機能を有するもので、例えば導電性材料を適当な結着樹脂中に含有させて構成される。
【0055】
保護層125に用いる導電性材料としては、N,N’−ジメチルフェロセン等のメタロセン化合物、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン等の芳香族アミン化合物、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化アンチモン、酸化錫、酸化チタン、酸化インジウム、酸化錫とアンチモンあるいは酸化アンチモンとの固溶体の担体またはこれらの混合物、あるいは単一粒子中にこれらの金属酸化物を混合したもの、あるいは被覆したものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
保護層125に用いる結着樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等が挙げられ、これらは必要に応じて架橋して使用することも出来る。さらに電荷輸送性を有し、架橋構造を有するシロキサン系樹脂を保護層として使用することもできる。電荷輸送性化合物を含むシロキサン樹脂硬化膜の場合、電荷輸送性化合物として公知の材料であればいかなるものでも使用可能であるが、例えば特開平10−95787号公報、特開平10−251277号公報、特開平11−32716号公報、特開平11−38656号公報、特開平11−236391号公報に示された化合物等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
【0057】
図1に示した画像形成装置10においては、感光層215の構成材料の種類、後述する潤滑剤供給装置21からの潤滑剤の供給量、クリーニング装置22と電子写真感光体12との接触圧力などを選定することにより、電子写真感光体10の機械的又は化学的強度を高めることができるが、より具体的には、電子写真プロセスを400,000サイクル繰り返したとき、感光層の1,000サイクル当たりの平均摩耗率が15nm以下であり、且つ該感光層の画像形成領域における膜厚の最大値と最小値との差が電子写真プロセスを行う前の電荷輸送層の平均膜厚の15%以下であることが好ましい。これにより、高画質化、高速化及び長寿命化をより高水準で達成することができる。
【0058】
(露光装置)
図3は図1に示した画像形成装置10が備える露光装置16を示す概略構成図である。露光装置16はm本のレーザービームを射出する面発光レーザーアレイ50を備えている。なお、図2では、便宜上、レーザービームを3本のみ示しているが、面発光レーザーをアレイ化して成る面発光レーザーアレイ50は、数十本のレーザービームを射出するように構成することができ、また、面発光レーザーの配列(面発光レーザーアレイ50から射出されるレーザービームの配列)についても、1列に配列する以外に、2次元的に(例えばマトリクス状に)配列することも可能である。
【0059】
面発光レーザーアレイ50のレーザービーム射出側には、コリメートレンズ52、ハーフミラー54が順に配置されている。面発光レーザーアレイ50から射出されたレーザービームは、コリメートレンズ52によって略平行光束とされた後にハーフミラー54に入射され、ハーフミラー54によって一部が分離・反射される。
【0060】
ハーフミラー54のレーザービーム反射側にはレンズ56、光量センサ58が順に配置されており、ハーフミラー54によって露光工程に供されるレーザービーム(主レーザービーム)から分離・反射された一部のレーザービームは、レンズ56を透過して光量センサ58へ入射され、光量センサ58によって光量が検出される。
【0061】
なお、端面発光レーザーでは両端面からレーザービームが出射されるのに対して、面発光レーザーの場合は露光工程に供されるレーザービームが出射される側と反対側からはレーザービームが出射されないため、レーザービームの光量を検出・制御するためには、上記のように露光に用いるレーザービームの一部を分離して光量検出に供することが必要になる。
【0062】
ハーフミラー54の主レーザービーム射出側にはアパーチャー60、副走査方向にのみパワーを有するシリンダレンズ62、折り返しミラー64が順に配置されており、ハーフミラー54から射出された主レーザービームは、アパーチャー60によって整形された後に、回転多面鏡66の反射面近傍で主走査方向に長い線状に結像するようにシリンダレンズ62によって屈折され、折り返しミラー64によって回転多面鏡66側へ反射される。なお、パーチャ60は複数本のレーザービームを均等に整形するために、コリメートレンズ52の焦点位置近傍に配置することが望ましい。
【0063】
回転多面鏡66は、図示しないモータの駆動力が伝達されて図4矢印C方向に回転され、折り返しミラー64によって反射されて入射されたレーザービームを主走査方向に沿って偏向・反射する。回転多面鏡66のレーザービーム射出側には主走査方向にのみパワーを有するFθレンズ68,70が配置されており、回転多面鏡66によって偏向・反射されたレーザービームは、感光体ドラム12の外周面上を略等速で移動し、且つ主走査方向の結像位置が感光体ドラム12の外周面上に一致するようにFθレンズ68,70によって屈折される。
【0064】
Fθレンズ68,70のレーザービーム射出側には、副走査方向にのみパワーを有するシリンダミラー72,74が順に配置されており、Fθレンズ68,70を透過したレーザービームは、副走査方向の結像位置が感光体ドラム12の外周面に一致するようにシリンダミラー72,74によって反射され、感光体ドラム12の外周面上に照射される。なお、シリンダミラー72,74は回転多面鏡66と感光体ドラム12の外周面を副走査方向において共役にする面倒れ補正機能も有している。
【0065】
また、シリンダミラー72のレーザービーム射出側には、レーザービームの走査範囲のうち走査開始側の端部(SOS:Start Of Scan)に相当する位置にピックアップミラー76が配置されており、ピックアップミラー76のレーザービーム射出側にはビーム位置検出センサ78が配置されている。面発光レーザーアレイ50から射出されたレーザービームは、回転多面鏡66の各反射面のうちレーザービームを反射している面が、入射ビームをSOSに相当する方向へ反射する向きとなったときに、ピックアップミラー76で反射されてビーム位置検出センサ78に入射される(図2中の想像線を参照)。
【0066】
ビーム位置検出センサ78から出力された信号は、回転多面鏡66の回転に伴って感光体ドラム12の外周面上を走査されるレーザービームを変調して静電潜像を形成するにあたり、各回の主走査における変調開始タイミングの同期をとるために用いられる。
【0067】
また、露光装置16においては、コリメートレンズ52とシリンダレンズ62、2枚のシリンダミラー72,74が各々副走査方向においてアフォーカルになる様に配置されている。これにより、複数本のレーザービームの走査線湾曲(BOW)の差と複数本のレーザービームによる走査線間隔の変動を抑制することができる。
【0068】
次に、露光装置16の面発光レーザーアレイ50からのレーザービームの射出を制御する制御部80の構成について、図4を参照して説明する。制御部80は、画像形成装置10によって形成すべき画像を表す画像データを記憶するための記憶部82を内蔵しており、記憶部82に記憶された画像データは、画像形成装置10によって画像が形成される際に制御部80の変調信号生成手段84に入力される。
【0069】
図示は省略するが、変調信号生成手段84にはビーム位置検出センサ78が接続されている。変調信号生成手段84は、記憶部82から入力された画像データを、面発光レーザーアレイ50から射出されるm本のレーザービームの何れかに各々対応するm個の画像データに分解し、分解したm個の画像データに基づき、ビーム位置検出センサ78から入力された信号によって検知されるSOSのタイミングを基準として、面発光レーザーアレイ50から射出されるm本のレーザービームの各々をオンオフさせるタイミングを規定するm個の変調信号を生成し、レーザー駆動回路(LDD)86に出力する。
【0070】
LDD86には駆動量制御手段88(詳細は後述)が接続されており、面発光レーザーアレイ50から射出されるm本のレーザービームを、変調信号生成手段84から入力された変調信号に応じたタイミングでオンオフすると共に、オン時のレーザービームの光量を、駆動量制御手段88から入力される駆動量設定信号に対応する光量にするためのm個の駆動電流を生成し、面発光レーザーアレイ50のm個の面発光レーザに各々供給する。これにより、m本のレーザービームのそれぞれが感光体ドラム12の外周面上を走査し、感光体ドラム12の外周面上に静電潜像が形成される。この静電潜像が現像装置18によりトナー像として現像され、このトナー像が転写器32,42による転写を経て用紙Pに転写され、定着器44によって用紙Pに溶融定着されることで、用紙Pに画像が記録されることになる。
【0071】
(潤滑剤供給装置)
図5は潤滑剤供給装置21の要部を示す分解斜視図である。図示の通り、潤滑剤供給装置21は、回転ブラシ212、支持部材216、ネジリバネコイル217及び2個の軸受部材218を有する。
【0072】
回転ブラシ212は、電子写真感光体12の回転軸(第1軸)に平行な軸部212a(第2軸)を中心として回転自在に設けられており、そのブラシ先端が電子写真感光体12の外周面に接触するように配置されている。回転ブラシ212は、軸部212aの両端を軸受部材218の軸孔218aに通すことにより回転自在に支持されている。回転ブラシ212の回転方向は、電子写真感光体12との接触位置において同一方向であることが好ましい。また、回転ブラシ212の回転速度は、電子写真感光体12との接触位置において、回転ブラシ212先端の移動速度が電子写真感光体12外周面の移動速度よりも大きくなるように設定することが好ましい。
【0073】
支持部材216は、板状の支持部216aと、支持部216aの後部側(感光体15と反対側)の端部に設けられた軸部216bとで構成される。固形潤滑剤214は支持部216aの回転ブラシ212側の面に取り付けられる。固形潤滑剤としては、脂肪酸金属塩及びポリテトラフルオロエチレンが好ましく使用される。また、軸部216bはその両端部が軸受部材218の軸孔218bに通されることで軸部2aに平行な第3軸として機能し、支持部材216は軸部216bを支点として揺動自在に支持される。
【0074】
軸部216bの回りには、支持部216aの自重および固形潤滑剤214の重力により、軸部216bの回りに支持部材216から回転ブラシ212に向かうモーメントが発生する。かかるモーメントにより固形潤滑剤53は回転ブラシ212に所定の圧力で接触する。この圧力の強さは、支持部216aの重量および固形潤滑剤214の重量が大きい程大きくなるので、これらの値を適宜設定することにより固形潤滑剤214の回転ブラシ212に対する接触圧力を設定できる。また、支持部216aの固形潤滑剤214と反対側の面上に錘を取り付けてモーメントを大きくすることもできる。
【0075】
また、押圧ばね7は、固形潤滑剤214の回転ブラシ212に対する接触圧力をより大きくするためのもので、支持部6の固形潤滑剤214と反対側の面に当接配置されている。なお、支持部216aの自重および固形潤滑剤214の重力により十分なモーメントを発生させることができる場合には、押圧ばね217を用いなくともよい。
【0076】
上記構成を有する潤滑剤供給装置21においては、回転ブラシを固体潤滑剤に接触させて回転させることにより、回転ブラシに付着した潤滑剤が電子写真感光体に塗布される。固形潤滑剤214の消費量は、電子写真感光体12外周面に十分な潤滑性が付与される限りにおいて特に制限されないが、例えば、被転写媒体としてA4サイズの用紙を用いる場合、固形潤滑剤214の消費量は当該用紙1枚当たり2〜15μgであることが好ましい。
【0077】
このように本実施形態では、露光装置16、潤滑剤供給装置21及びクリーニング装置22を組み合わせることで、電子写真プロセスを行うに際し、供給される潤滑剤により電子写真感光体12の外周面の潤滑性が高められると共にクリーニング装置22により当該表面が十分に清浄化されるので、電子写真感光体の感光層を厚膜化せずとも、感光層の磨耗を抑制して電位変動及び感度変動を十分に防止することができる。従って本発明により、可変光量が小さく制御幅が狭いという面発光レーザーの特性が補完され、高画質化、高速化及び長寿命化を同時に達成可能なマルチビーム方式の画像形成装置が実現される。
【0078】
また、潤滑剤供給装置21による潤滑剤の供給の際、支持部材216は軸部216bの周方向以外の動きが規制されているので、固形潤滑剤214の回転ブラシ212に対するニップ量(食い込み量)は軸部216bに沿った方向において実質的に一定となる。そのため、固形潤滑剤214の消費量、すなわち回転ブラシ212に付着する固形潤滑剤214の量が軸方向で均一となり、さらには電子写真感光体12の外周面に塗布される潤滑剤の量も均一となる。従って、電子写真感光体12の外周面に高水準の潤滑性を長期にわたって安定的に付与することができ、電子写真感光体12(感光層)の磨耗による電位変動や感度変動を十分に防止することができる。また、かかる潤滑性により、後段のクリーニングブレード3の磨耗や欠けが生じにくくなるため、クリーニング性を長期にわたって高水準に維持することができる。
【0079】
また、固形潤滑剤214を支持する支持部材216は、軸部216bの回りにモーメントを生じさせるので、固形潤滑剤214をモーメントにより回転ブラシ212に所定の接触圧で接触させることができ、これにより、回転ブラシ212の回転による固形潤滑剤214の跳ね上がり等のランダムな動きを抑制することができるため、一定のニップ量で長期にわたり安定した固形潤滑剤214の供給ができる。したがって、固形潤滑剤214の供給量を増加させる場合であっても、当該潤滑剤の安定供給が有効に実施可能となる。
【0080】
なお、回転ブラシ212に付着したトナーはフリッカ(図示せず)で払われ、トナー搬送オーガ(図示せず)により回収される。
【0081】
(クリーニング装置)
クリーニング装置22は、転写工程後の電子写真感光体12の表面に付着する残存トナーを除去するためのもので、これにより清浄面化された電子写真感光体12は電子写真プロセスに繰り返し供される。クリーニング装置としては、クリーニングブレードの他、ブラシクリーニング、ロールクリーニング等を用いることができるが、これらの中でもクリーニングブレードを用いることが好ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
【0082】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明にかかる電子写真感光体は図2に示した積層構造を有するものに限定されるものではなく、十分な電子写真特性が得られる場合には、下引き層122や保護層125は設けなくてもよい。また、電荷発生材料と電荷輸送材料との双方を含む単層型感光層を備えるものであってもよい。
【0083】
また、図5に示した潤滑剤供給装置は支持部216aと軸部216bとが一体化した支持部材216を備えるものであるが、第3軸に相当する軸を軸受部材218に固定し、支持部材に貫通孔を設けることで、支持部材が軸から独立して揺動自在とすることもできる。
【0084】
また、図1中に示した画像形成装置10においては潤滑剤供給装置21とクリーニング装置22とが別個に設けられているが、潤滑剤供給装置とクリーニング供給装置とを一体化してもよい。かかる装置の一例を図6に示す。図6に示した装置は、ハウジング50の前部の回転ブラシ212よりも下流側にクリーニングブレードが取り付けられている点以外は図4に示した潤滑油供給装置と同様の構成を有し、回転ブラシ212により感光体12に固形潤滑剤214を塗布し、クリーニングブレード3の接触抵抗を小さくするものである。なお、回転ブラシ212に付着したトナーはフリッカ(図示せず)で払われ、トナー搬送オーガ(図示せず)により回収される。
【0085】
【実施例】
以下、実施例及び比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(電子写真感光体−1の作製)
ホーニング処理が施された円筒状アルミニウム基体(外径:30mm、長さ340mm、肉厚1mm)を準備した。一方、ジルコニウム化合物(商品名:オルガノチックスZC540、マツモト製薬社製)20重量部、シラン化合物(商品名:A1100、日本ユニカー社製)2.5重量部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−S、積水化学社製)2重量部、及びブタノール43重量部を混合して下引き層形成用塗布液を調製した。この塗布液を上記基体の外周面に浸漬コーティング方で塗布し、150℃にて10分間加熱乾燥して膜厚1.0μmの下引き層を形成させた。
【0086】
次に、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)が、7.3°、16.0°、24.9°、28.0°に回折ピークを持つヒドロキシガリウムフタロシアニン15重量部、結着樹脂としての塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10重量部、及び酢酸n−ブチル300重量部を混合し、ガラスビーズと共に横型サンドミルで0.5時間分散して電荷発生層形成用塗布液を調製した。得られた塗布液を上記下引き層上に浸漬コートし、100℃で10分間加熱乾燥して膜厚約0.15μmの電荷発生層を形成させた。
【0087】
次に、下記式(1)で表される化合物25重量部、下記式(2)で表される化合物15重量部、及び下記式(3)で表される高分子化合物(粘度平均分子量:39,000)55重量部をテトラヒドロフラン75重量部/クロロベンゼン25重量部の混合溶剤に溶解させて電荷輸送層形成用塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布し、135℃/40分熱風乾燥して膜厚32μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体−1を得た。
【0088】
【化1】
【0089】
【化2】
【0090】
【化3】
[式中、nは整数を表す。]
(電子写真感光体−2の作製)
円筒状アルミニウム基体(外径:30mm、長さ340mm、肉厚1mm)を準備した。一方、酸化亜鉛(平均粒子径70nm:テイカ社製試作品)100重量部をトルエン500重量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM603:信越化学社製)1.5重量部を添加して2時間攪拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、150℃で2時間焼き付けを行って表面処理が施された酸化亜鉛を得た。次に、表面処理を施した酸化亜鉛60重量部、硬化剤(ブロック化イソシアネート スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)15重量部、及びブチラール樹脂(BM−1、積水化学社製)15重量部をメチルエチルケトン85重量部に溶解し、この溶液38重量部とメチルエチルケトン25重量部とを混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散処理を行い、分散液を得た。得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005重量部を添加し、下引き層形成用塗布液を得た。この塗布液を浸漬コーティング法にて直径30mm、長さ340mm、肉厚1mmのアルミニウム基材上に塗布し、160℃、100分の乾燥硬化を行い厚さ20μmの下引き層を形成させた。
【0091】
次に、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)が、7.3°、16.0°、24.9°、28.0°に回折ピークを持つヒドロキシガリウムフタロシアニン15重量部を、結着樹脂としての塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10重量部及び酢酸n−ブチル300重量部と混合し、ガラスビーズと共に横型サンドミルで0.5時間分散して電荷発生層形成用塗布液を調製した。得られた塗布液を上記下引き層上に浸漬コートし、100℃で10分間加熱乾燥して膜厚約0.15μmの電荷発生層を形成させた。
【0092】
次に、上記式(1)で表される化合物2重量部、上記式(3)で表される高分子化合物(粘度平均分子量:39,000)3重量部をテトラヒドロフラン15部/クロロベンゼン5部の混合溶剤に溶解させて電荷輸送層形成用塗布液を調製した。得られた塗布液を上記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布し、135℃/40分熱風乾燥して膜厚32μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体−2を得た。
【0093】
[実施例1]
電子写真感光体−1を用いて図1に示す構成を有する画像形成装置を作製した。露光装置としては、発光点が6×6に二次元に配列された面発光レーザーアレイを露光光源として備え、レーザービーム数が32本であるマルチビーム方式の露光装置を用いた。また、潤滑剤供給装置としては、図5に示す構成を有し、固形潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を備える装置を用いた。電子写真感光体、露光装置及び潤滑剤供給装置以外の要素は富士ゼロックス製DCC1250と同様のものを用いた。
【0094】
次に、得られた画像形成装置を用いて、28℃/80%RH程度の環境下で連続印字試験を行った。連続印刷の用紙としては富士ゼロックス製PPC用紙(L、A4)を用いた。本試験においては、潤滑剤消費量、感光層の磨耗レート及び感光体寿命、並びに膜厚ムラを評価した。得られた結果を表1に示す。
【0095】
表1中、潤滑剤消費量は、A4サイズの用紙1枚当たりの潤滑剤の消費量である。また、磨耗レートは、電子写真プロセスを400,000サイクル繰り返したときの、感光層の1,000サイクル当たりの平均摩耗率を意味する。また、感光体寿命は、画像の階調性、解像度、濃度均一性が劣化するまでの電子写真プロセスの繰り返し数を意味し、当該繰り返し数の上限値は980,000回である。すなわち、表1の感光体寿命の欄中、「>980(kcycle)」は電子写真プロセスを980,000回繰り返したときに感光体の電子写真特性が維持されていたことを示している。また、膜厚ムラは、電子写真プロセスを行う前の電荷輸送層の平均膜厚に対する、感光層の画像形成領域における膜厚の最大値と最小値との差の比率(%)を意味する。
【0096】
[実施例2]
電子写真感光体−2を用いたこと以外は実施例1と同様にして画像形成装置を作製し、連続印字試験により潤滑剤消費量、感光層の磨耗レート及び感光体寿命、並びに膜厚ムラを評価した。得られた結果を表1に示す。
【0097】
[実施例3]
固形潤滑剤を固定して支持する潤滑剤供給装置を用いたこと以外は実施例1と同様にして画像形成装置を作製し、連続印字試験により潤滑剤消費量、感光層の磨耗レート及び感光体寿命、並びに膜厚ムラを評価した。得られた結果を表1に示す。
【0098】
[実施例4]
固形潤滑剤としてパラフィンワックスを用いたこと以外は実施例1と同様にして画像形成装置を作製し、連続印字試験により潤滑剤消費量、感光層の磨耗レート及び感光体寿命、並びに膜厚ムラを評価した。得られた結果を表1に示す。
【0099】
[比較例1]
潤滑油供給装置を設けなかったこと以外は実施例1と同様にして画像形成装置を作製し、連続印字試験により潤滑剤消費量、感光層の磨耗レート及び感光体寿命、並びに膜厚ムラを評価した。得られた結果を表1に示す。
【0100】
【表1】
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像形成装置によれば、電子写真感光体の感光層を厚膜化せずとも、感光層の磨耗を抑制して電位変動及び感度変動を十分に防止することができ、可変光量が小さく制御幅が狭いという面発光レーザーの特性が補完されるため、高画質化、高速化及び長寿命化を同時に達成可能なマルチビーム方式の画像形成装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の好適な一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】電子写真感光体の一例を示す模式断面図である。
【図3】露光装置の一例を示す概略構成図である。
【図4】制御装置の一例を示す説明図である。
【図5】潤滑剤供給装置の一例を示す分解斜視図である。
【図6】クリーニング装置と潤滑剤供給装置とが一体化した装置の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10…画像形成装置、12…感光体ドラム、121…導電性基体、122…下引き層、123…電荷発生層、124…電荷輸送層、125…保護層、14…帯電器、16…露光装置、18…現像装置、21…潤滑剤供給装置、212…回転ブラシ、214…固形潤滑剤、216…支持部材、217…押圧ばね、218…軸受部材、22…クリーニング装置、24…中間転写ベルト、32、42…転写装置、44…定着装置、50…面発光レーザーアレイ、51…発光点、52…コリメートレンズ、54…ハーフミラー、56…レンズ、58…光量センサ、60…アパーチャ、62…シリンダレンズ、64…折り返しミラー、66…回転多面鏡、68、70…Fθレンズ、72、74…シリンダミラー、76…ピックアップミラー、78…ビーム位置検出センサ、80…制御部、82…記憶部、84…変調信号生成手段、88…駆動量制御手段、92…レベル変更手段、94…光量差設定手段。
Claims (7)
- 電子写真感光体を用いて帯電、露光、現像、転写及びクリーニングを含む電子写真プロセスを順次行う画像形成装置であって、
複数の発光素子を有する面発光レーザーアレイを露光光源として備え、複数本の光ビームを前記電子写真感光体上に走査させて静電潜像を形成させるマルチビーム方式を採用する構成を有する露光装置と、
転写後の前記電子写真感光体に付着した残留トナーを除去するクリーニング装置と、
前記電子写真感光体に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記電子写真感光体が第1軸を中心として回転自在に設けられた略円筒形状のものであり、前記潤滑剤供給装置が前記電子写真感光体の外周面の移動方向を基準として前記クリーニング装置よりも上流側に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記潤滑剤供給装置が、前記第1軸に平行な第2軸を中心として回転自在に設けられておりブラシ先端が前記電子写真感光体の外周面に接触する回転ブラシと、前記第2軸に平行な第3軸を支点として揺動自在に設けられており固形潤滑剤を支持する支持部材と、を有し、前記第3軸の回りに前記支持部材から前記回転ブラシに向かうモーメントを発生させ、該モーメントにより前記固形潤滑剤を前記回転ブラシに接触させ、前記回転ブラシに付着した潤滑剤を前記電子写真感光体に供給するものであることを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記潤滑剤が脂肪酸金属塩及びポリテトラフルオロエチレンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 被転写媒体としてA4サイズの用紙を用いたときの前記潤滑剤の消費量が前記用紙1枚当たり2〜15μgであることを特徴とする、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記電子写真感光体が導電性基体並びに該基体上に形成された電荷発生層及び電荷輸送層を有し、前記電子写真プロセスを400,000サイクル繰り返したとき、前記感光層の1,000サイクル当たりの平均摩耗率が15nm以下であり、且つ該感光層の画像形成領域における膜厚の最大値と最小値との差が前記電子写真プロセスを行う前の前記電荷輸送層の平均膜厚の15%以下であることを特徴とする、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記面発光レーザーアレイが2次元的に配列した複数の発光点を有することを特徴とする、請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の画像形成装置。
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