JP2004061860A - 画像形成装置、感度情報の取得方法および複写機 - Google Patents

画像形成装置、感度情報の取得方法および複写機 Download PDF

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Abstract

【課題】感光体の感度ムラに起因する濃淡ムラの発生を顕像化領域全体に亘って防止する。
【解決手段】露光走査装置11による露光走査に際しては、露光走査装置11からの露光光に対する感光体の感度情報を感光体9表面の露光位置毎に対応付けて記憶領域に記憶する感度記憶装置の記憶領域を参照して、露光走査装置11による露光量を露光位置毎に補正するようにした。これによって、感光体9の感度ムラに起因する濃淡ムラの発生を顕像化領域全体に亘って防止することができる。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置、感度情報の取得方法および複写機に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、解像度が高く高精細で、元画像に忠実な画像を形成することができる画像形成装置が求められている。特に、最近では、写真等の中間調を有する画像を形成することができる画像形成装置の要求が高くなってきている。このような中間調を多用する画像形成では、画像の解像度が1000dpi以上になると感光体自体が本質的に持つ感度ムラが無視できなくなり、中間調での感光体の表面電位が10〜20Vの範囲に亘って存在すると、形成される画像に濃淡ムラが発生して問題になる場合が多い。
【0003】
一般的に、感光体は、円筒形状の基体と、基体の外周面に積層される感光層とによって構成されている。感光層は、電荷発生層、電荷輸送層、保護層等を基体表面に順次積層することによって構成されている。このような感光層を有する感光体の感度ムラは、基体の表面状態の偏りや、基体表面に積層される各層の塗布ムラ等によって発生する。
【0004】
特に、レーザー光やLED光のような可干渉光を用いた画像形成装置では、感光体の膜厚ムラに起因して、顕像化された画像に濃度ムラが生じる場合があるため、感光体の感度ムラは早期に確実に発見する必要がある。感光体の膜厚ムラに起因する画像の濃度ムラは感光体への書き込み画像の解像度が高くなると一段と顕著になる傾向にあるため、高解像度の画像形成装置に適用する感光体であればあるほど、感光体の感度ムラを早期に確実に発見する必要がある。
【0005】
ところで、感光体の感度を測定する方法としては、一般的に、感光体を帯電させた後、一定量の光量の光を露光したときの感光体の電位を測定したり、あるいは、感光体が一定量の電位に達するまでに照射した書き込み光の光量を測定したりする方法等がある。感光体の多くは円筒形状であるため、上述したような測定方法を用いる場合には、軸心回りに回転させながら帯電、露光した感光体の表面電位を、表面電位計等を用いて、軸心回りに沿って測定する方法が普通である。
【0006】
このとき、感光体と表面電位計との距離が常に一定でないと、表面電位の測定精度が悪くなるため、感光体の感度の測定に際しては、感光体を一定位置で軸心回りに回転自在に保持するとともに、感光体表面に対する表面電位計の位置を固定することで、感光体表面と表面電位計との距離を一定に保つようにしている。
【0007】
しかしながら、一定位置で軸心回りに回転自在に保持された感光体表面に対する表面電位計の位置を固定すると、感光体の軸心方向の一部のみの感度しか測定できない。感光体の感度は、基体の表面状態や基体表面に積層される感光層の各層の積層状態によって変化するため、感光体の画像形成に関わる顕像化領域全体に亘って測定することが望ましい。
【0008】
感光体の感度を顕像化領域全体に亘って測定するためには、例えば、一定位置で軸心回りに回転自在に保持された感光体の軸心方向に沿って表面電位計を複数並べて固定する方法が考えられる。このような方法によれば、広範囲に亘って感光体の表面電位を測定することが可能である。しかし、実際には、表面電位計を近接して配置するとそれぞれの表面電位計が干渉し合って正確な感光体の表面電位を測定することができないため、表面電位計の数やその配置位置には物理的な限界がある。高画質化のためには、顕像化領域を全体に亘って100mm以下の領域に分割し、各領域の感光体の感度を測定する必要があるが、上述した理由により、実質的には、感光体の感度分布は非常に粗いマトリックスでしか求めることはできない。
【0009】
また、感光体の感度を顕像化領域全体に亘って測定するためには、感光体に対する表面電位計の位置を感光体の軸心方向に沿って微細に変えながら表面電位を測定する方法も考えられる。しかし、このような方法では感度測定に多大な労力を必要とする。また、一箇所の感光体の感度を測定する度に帯電、露光を行うため、感光体に対する表面電位計の位置を感光体の軸心方向に沿って微細に変えながら顕像化領域全体に亘って表面電位を測定するためには、帯電、露光を何回も繰り返すこととなるが、帯電、露光を繰り返すと、同じ領域の感度を測定したにも拘わらず、最初の測定結果と測定を繰り返した後の測定結果とで感光体の静電特性が異なることが多い。このため、感光体が本来持っている感度ムラなのか、測定を繰り返したために生じた感度ムラなのかの判定が難しくなることが多い。
【0010】
さらに、感光体の感度を顕像化領域全体に亘って測定するために、感光層を形成する各層の膜厚を測定する方法がある。感光層を形成する各層の膜厚を測定する場合、一般的に、物理的な膜厚計や渦電流膜厚計による膜厚測定が行われる。しかしながら、感光体の画像形成域全面に亘って膜厚を測定する方法では、多大な労力がかかることに加えて、測定によって感光体表面に傷が生じやすい。このため、測定後の感光体は廃棄するしかないのが現状である。
【0011】
このようなことから、感光体の感度を顕像化領域全体に亘って測定する簡便な方法が求められている。
【0012】
ここで、感光体の基体の表面状態は、基体の表面全体に亘って均一に変化することはあっても、故意に製造しようとしない限り、一部分に偏って変化することはほとんどない。また、電荷発生層は、可視領域に吸収があるため、その膜厚を目視により比較的簡単に判定することができる。このため、基体の表面状態や電荷発生層の膜厚を管理することは比較的容易である。
【0013】
これに対し、書き込み光に対する吸収があると好ましくない電荷輸送層、保護層は、一般的に透明材料によって形成されているため、その膜厚を目視により測定することは不可能であるが、基体の表面状態および電荷発生層の膜厚が一定であると仮定すると、一様に帯電した感光体を一様に露光して、現像、転写、定着を行った画像には、電荷輸送層、保護層の膜厚ムラに起因する濃淡ムラが生じていると考えられ、感光体の膜厚分布が反映されていると考えられる。つまり、顕像化した画像の濃度ムラから感光体の感度ムラを求めることが可能であると考えられる。
【0014】
ところで、電子写真方式を用いた画像形成では、一般的に、レーザーやLED等による主走査方向への1次元の光書き込みを行いながら、この光書き込み位置に対して感光体を副走査方向へ機械的に移動させることで2次元の静電潜像を形成する。このため、書き込み装置の調整が不完全であったり感光体の回転制御が不完全であったりする場合には、2次元の静電潜像には主走査方向または副走査方向に沿った直線状のノイズが発生し易くなる。このような直線状のノイズは、均一な濃度領域や緩やかなグラデーション領域をもつ画像を形成する際に顕著になりやすい特徴がある。
【0015】
静電潜像中にノイズが発生した場合、この静電潜像を顕像化した画像には、所謂バンディング等の感光体には起因しない横スジや縦スジ等の異常画像が重畳されてしまうことが多い。この感光体には起因しない横スジや縦スジは不定期に発生し、この感光体に起因しないノイズによる画像の濃度ムラがしばしば感光体の膜厚分布による画像の濃度ムラと同等以上になってしまうことがある。特に、高解像度の画像形成装置での使用を対象とした感光体では、感光層の膜厚分布等の感光体に起因する画像中の僅かな濃度ムラよりも、感光体に起因しないノイズに起因する濃度ムラの方がはるかに大きくなる場合がほとんどである。このため、例えば、マクベス濃度計等により画像の各箇所の画像濃度を測定しても、感光体の膜厚ムラに起因する画像濃度差を測定することは極めて難しい。
【0016】
このようなノイズによる不具合は、理想的には、画像形成装置のメンテナンスを十分行う等の対策を施して静電潜像中におけるノイズを無くして、ノイズによる濃度ムラのない画像を形成することができれば解消されるものであるが、現実には、ノイズの発生を完全に抑えることは困難である。特に、感光体の膜厚分布の測定が要求される状況は、当該感光体を搭載する画像形成装置の開発途中等、画像形成装置自体が不完全である場合が多いため、静電潜像へのノイズの重畳を回避することは困難である。
【0017】
このようなことから、顕像化した画像の濃度ムラから感光体の感度ムラを求めるためには、形成した画像から感光体に起因しない濃度ムラを除去することが必須である。
【0018】
画像の濃淡ムラを検出する従来技術としては、例えば、特開2000−2621公報に開示されているように、カラーフィルタ等の検査を目的として、画像領域を2つ以上の領域に分割し、各領域の濃度平均と全体平均との差と、別途設定した敷居値とを比較することで、ムラ領域を特定するようにした「画像濃淡ムラ検出法」がある。
【0019】
また、特開2001−243473公報に開示されているように、注目画像領域の平均輝度値と、該領域を取り囲むように設定されるドーナッツ状領域の平均輝度値との差を算出し、別途設定される閾値と比較してムラ領域を検出する「画像濃淡ムラ検出法」がある。同公報に開示された技術によれば、カラーフィルタのムラ検出を目的とした点状ムラの検出感度を向上させることが可能である。
【0020】
他に、平滑化フィルタを用いて画像中におけるノイズを目立たなくさせる方法等が有名である。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特開2000−2621公報や特開2001−243473公報に開示された技術では、ノイズが重畳した画像からわずかな濃淡ムラを検出することはできないため、画像形成した画像から、感光体の膜厚ムラに起因する画像を十分に抽出することはできなかった。
【0022】
また、平滑化フィルタを用いて画像中におけるノイズを目立たなくさせる方法では、ノイズを除去するのではなく画像内へノイズを拡散させて目立たなくさせるだけであるため、フィルタサイズ以上の広がりを持つノイズに対しては効果がなく、画像形成した画像情報から感光体の画像形成域に亘る詳細な感光体の膜厚分布を求めることは困難である。
【0023】
また、感光体上の電荷量あるいは電界強度と露光量とは線形の相関が存在しないため、単に一枚の画像の濃度を測定しただけでは有用な感度の測定を行うことができない。
【0024】
感度ムラが発生している感光体であっても該感光体の感度分布が判れば、例えば、シェービング補正等のように、画像形成に際しての露光量を補正することによって、形成される画像の濃淡ムラの発生を抑制することが可能である。また、特開2001−305838公報のように、感光体の感度偏差と書き込み光量の偏差を相殺することで均一の濃度の画像を得ることができる。
【0025】
しかし、これらの方法は、感光体の感度偏差や書き込み光量の偏差を書き込み光の主走査方向に有するものの、書き込み光の副走査方向の感光体の感度偏差は無視しており、そのため、副走査方向の書き込み光量の偏差もない。
【0026】
また、特開2002−67387公報には、a−Si感光体を用いた画像形成装置において、a−Si感光体の感光体表面を書き込み光の主走査方向と副走査方向との複数のブロックに区画し、各ブロックでの光減衰曲線から書き込み光量を補正して、均一な画像を得る画像形成装置が開示されている。
【0027】
しかしながら、上述したように、顕像化領域全体に亘って感光体の感度分布を高密度に測定すること自体が最も困難であるにも拘わらず、特開2002−67387公報には、感光体の感度分布を測定する方法の開示が何らされていない。
【0028】
加えて、上述したように、感光体の感度分布は、感光層の膜厚偏差により生じることが多いが、感光層の膜厚偏差が大きすぎると、現像ムラや転写ムラが発生してしまい、書き込み光量を補正しても画像の濃淡ムラを十分に抑制することはできない。特に、書き込み画像の解像度が100dpi以上の高解像度画像形成装置の場合には、その傾向が強い。
【0029】
本発明の目的は、感光体の感度ムラに起因して、顕像化した画像に濃淡ムラが発生することを顕像化領域全体に亘って防止することである。
【0030】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の画像形成装置は、画像形成領域の膜厚差が0.2〜0.3μmの感光層を有する感光体と、前記感光体表面を帯電させる帯電装置と、前記帯電装置により帯電された前記感光体表面を露光走査する露光走査装置と、前記露光走査装置による露光走査により前記感光体表面に形成された静電潜像を顕像化する顕像化装置と、前記露光走査装置からの露光光に対する前記感光体の感度情報を、前記感光体表面の露光位置毎に対応付けて記憶領域に記憶する感度記憶装置と、前記感度記憶装置の記憶領域を参照して、前記露光走査装置による露光量を露光位置毎に補正する露光量補正手段と、を具備する。
【0031】
したがって、露光走査装置による露光走査に際しては、感度記憶装置の記憶領域を参照して、露光走査装置による露光量を露光位置毎に補正することで、感光体の感度ムラに起因して、顕像化される画像に濃淡ムラが発生することを顕像化領域全体に亘って防止することができる。
【0032】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記感度記憶装置は、前記感光体表面の前記顕像化装置による顕像化領域を100mm以下の単位で分割した単位毎に前記感度情報を記憶する。
【0033】
したがって、露光走査装置による露光量の補正を細分化することができる。
【0034】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の画像形成装置において、前記露光走査装置は、書き込み解像度1000dpi以上で露光走査する。
【0035】
したがって、高解像度で高画質の画像を形成することができる。
【0036】
請求項4記載の発明は、請求項1、2または3記載の画像形成装置において、前記露光走査装置による露光位置を特定する露光位置特定手段を具備し、前記露光量補正手段は、前記露光位置特定手段が特定する露光位置に応じて前記露光走査装置による露光量を補正する。
【0037】
したがって、特定される露光位置に応じて露光走査装置による露光量を補正することにより、感光体の感度ムラに起因する濃淡ムラの発生を顕像化領域全体に亘って確実に防止することができる。
【0038】
請求項5記載の発明は、請求項1、2、3または4記載の画像形成装置において、前記感光体は、少なくとも一層がスプレー塗工法を用いて形成された複数の層が基体表面に積層された感光層を有する。
【0039】
したがって、感光体の感度ムラの原因となる膜厚ムラが発生し易い方法で形成された感光層を有する感光体であっても請求項1、2、3または4記載の発明の作用を得ることができる。
【0040】
請求項6記載の発明は、請求項1、2、3または4記載の画像形成装置において、前記感光体は、基体表面に積層されて最表層がスプレー塗工法を用いて形成された感光層を有する。
【0041】
したがって、感光体の感度ムラの原因となる膜厚ムラが発生し易い方法で形成された感光層を最表層に有する感光体であっても請求項1、2、3または4記載の発明の作用を得ることができる。
【0042】
請求項7記載の発明は、請求項1、2、3、4、5または6記載の画像形成装置において、前記感光層の厚さは15μm以下に設定されている。
【0043】
したがって、感光層の厚さを15μm以下に設定することにより、実用上請求項1、2、3、4、5または6記載の発明の作用を確実に得ることができる。
【0044】
請求項8記載の発明の感度情報の取得方法は、請求項1ないし7のいずれか一に記載の画像形成装置の感度記憶装置が記憶する感光体の感度情報の取得方法であって、一様に帯電させた前記感光体表面を一様に露光走査することにより形成した静電潜像を顕像化する顕像化ステップと、顕像化した画像を構成する各画素の光学情報を含む画像データを取得するデータ取得ステップと、前記画像データ中で閾値を超える光学情報を有する画素が直線状に連続するノイズデータの光学情報から前記閾値を減算するノイズ除去ステップと、前記閾値を減算した後の全画素の光学情報を感光体の感度情報として取得する感度取得ステップと、を具備する。
【0045】
したがって、一様に帯電した感光体表面を一様に露光走査した静電潜像を顕像化した画像データにおいて、閾値を超える光学情報を有する画素が直線状に連続するノイズデータの光学特性から閾値を減算した後の全画素の光学情報を感光体の感度として取得することで、膜厚測定や電位測定等により感光体の感度を直接測定することによる煩雑な作業や感光体の損傷等を招くことなく顕像化領域全体に亘る感光体の感度分布を容易に測定することができる。
【0046】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の感度情報の取得方法において、前記画像データ中における前記ノイズデータの連続方向を判定するノイズ方向判定ステップと、判定した前記ノイズデータの連続方向に沿って前記画像データ中の任意の注目画素を含む複数の画素の光学情報を平均化して平均値を取得する平均値取得ステップと、を具備し、前記ノイズ除去ステップでは、前記画像データ中の全ての画素を前記注目画素として、各前記注目画素の光学情報から前記平均値を前記閾値として減算する。
【0047】
したがって、ノイズデータの連続方向に沿って画像データ中の任意の注目画素を含む複数の画素の光学情報を平均化した平均値を閾値として取得することで該画像データに適した閾値を設定するとともに、全画素の光学情報からこの閾値を減算することで、ノイズ除去を行うことによってノイズデータとそれ以外の画像データとの間に格差が発生することを抑制することができる。
【0048】
請求項10記載の発明は、請求項8または9記載の感度情報の取得方法において、前記平均値を取得した前記ノイズデータの連続方向に直交する方向に沿って前記画像データ中の任意の注目画素を含む複数の画素の前記平均値を減算した後の光学情報を平均化して直交平均値を取得する直交平均値取得ステップを具備し、前記ノイズ除去ステップでは、前記画像データ中の全ての画素を前記注目画素として、前記平均値を減算した後の各前記注目画素の光学情報から前記直交平均値を前記閾値として減算する。
【0049】
したがって、ノイズデータの連続方向が複数ある場合にも、各連続方向に沿って画像データ中の任意の注目画素を含む複数の画素の光学情報を平均化した平均値を閾値として取得することで該画像データに適した閾値を設定するとともに、全画素の光学情報からこの閾値を減算することで、ノイズ除去を行うことによってノイズデータとそれ以外の画像データとの間に格差が発生することを抑制することができる。
【0050】
請求項11記載の発明は、請求項8、9または10記載の感度情報の取得方法において、前記顕像化ステップでは、前記感光体表面にトナーを付着させる顕像化装置と前記感光体表面に付着するトナーを記録媒体に転写させる転写装置とを用いて、前記顕像化装置によって前記感光体表面の静電潜像に付着させたトナーを前記転写装置によって前記記録媒体に転写させることによって該静電潜像を顕像化する。
【0051】
したがって、記録媒体に形成されたトナー像から画像データを取得することで、画像データを取得するための機構を感光体の周囲に設ける等の構成上の制約を受けることなく、感光体の感度ムラを容易に判定することができる。
【0052】
請求項12記載の発明は、請求項8、9または10記載の感度情報の取得方法において、前記顕像化ステップでは、前記感光体表面にトナーを付着させる顕像化装置を用いて、前記顕像化装置によって前記感光体表面の静電潜像にトナーを付着させることによって該静電潜像を顕像化する。
【0053】
したがって、感光体に形成されたトナー像から画像データを取得することができ、記録媒体に形成したトナー像から画像データを取得する場合と比較して、転写以降の工程を含まないため、転写工程以降の工程で発生するノイズの影響を受けない画像データを取得することができる。
【0054】
請求項13記載の発明の複写機は、原稿の画像を読み取る画像読取装置と、前記画像読取装置が読み取った画像データに基づく画像を記録媒体上に形成する請求項1ないし7のいずれか一に記載の画像形成装置と、を具備する。
【0055】
したがって、請求項1ないし7のいずれか一に記載の発明の作用を有する複写機を得ることができる。
【0056】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態について図1ないし図11を参照して説明する。本実施の形態は、画像形成装置としてプリンタへの適用例を示す。
【0057】
図1は、本発明の第一の実施の形態のプリンタを概略的に示す縦断側面図である。プリンタ1の筐体形状の本体ハウジング2には、手差し給紙する用紙が積層される手差しトレイ3と、画像形成後の用紙が排紙される排紙トレイ4とが設けられている。
【0058】
本体ハウジング2内には、複数枚の用紙を積層保持する給紙トレイ5が設けられている。本体ハウジング2内には、給紙トレイ5または手差しトレイ3から、プリンタエンジン6、定着ユニット7を経由して、排紙トレイ4へ連通する用紙経路8が設けられている。
【0059】
本実施の形態では、手差しトレイ3や給紙トレイ5に積層される用紙によって記録媒体が実現されている。
【0060】
プリンタエンジン6は、プリンタエンジン6の中央部に設けられる感光体9と、感光体9の周囲に配設された帯電装置としての帯電ローラ10、露光走査装置11、現像ユニット12、転写前チャージャ13、転写チャージャ14、分離チャージャ15、分離爪16、クリ−ニング前チャージャ17、クリーニングユニット18、除電ランプ19等によって構成されている。
【0061】
本実施の形態では、現像ユニット12、転写チャージャ14、定着ユニット7等によって顕像化装置が実現されている。
【0062】
公知の技術であるため説明を省略するが、露光走査装置11は、光を発する光源(図示せず)と、光源で発した光を走査させるポリゴンミラー20、ポリゴンミラー20を回転させるモータ21、および、ポリゴンミラー20で走査された光をレンズ22を介して感光体9へ向けて反射させるミラー23等を有している。
【0063】
ここで、感光体9について説明する。公知の技術であるため詳細な図示を省略するが、感光体9は、円筒または円柱形状の導電性支持体9aと、この導電性支持体9aの外周面に設けられた感光層9bとを備えている。
【0064】
まず、導電性支持体9aについて説明する。導電性支持体9aは、体積抵抗10−10Ω・cm以下の導電性を示す材料を用いる。導電性を示す材料としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等の金属、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物がある。導電性支持体9aとしては、これらの導電性を示す材料を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状のプラスチック,円筒状のプラスチック,紙等に被覆したもの、あるいは、アルミニウム,アルミニウム合金,ニッケル,ステンレス等の板を、押し出しや引き抜き等の工法で素管化した後に、切削、超仕上げ、研摩等の表面処理した管等を使用する。
【0065】
また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトを導電性支持体9aとして用いることもできる。
【0066】
さらに、適当な結着樹脂に分散した導電性粉体を円筒または円柱形状の支持体上に塗工して導電性層を設けたものを導電性支持体9aとして用いることもできる。この場合の導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、アルミニウム,ニッケル,鉄,ニクロム,銅,亜鉛,銀等の金属粉、あるいは、導電性酸化スズ,ITO等の金属酸化物粉体等が挙げられる。また、導電性粉体を分散させる結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。
【0067】
導電性層は、上述した導電性粉体と結着樹脂とを、必要に応じて適当な溶剤に分散して塗布することにより設けることができる。導電性層の生成に用いる溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエン等が挙げられる。さらに、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、ポリテトラフルオロエチレン等の素材に上述した導電性粉体を含有させた熱収縮チューブを、適当な円筒基体上に設けることによって導電性層を設けた導電性支持体も良好に用いることができる。
【0068】
次に、感光層9bについて説明する。感光層9bの構成は、電荷発生材料と電荷輸送材料とを混在させた単層型、電荷発生層の上に電荷輸送層を設けた順層型、電荷輸送層の上に電荷発生層を設けた逆層型がある。
【0069】
単層型または逆層型のいずれの構成であっても、本実施の形態の感光体9の画像形成領域における感光層9bの膜厚差は、0.2〜3.0μm、好ましくは0.3〜2.8μm、さらに好ましくは、0.4〜2.6μmに設定されている。画像形成領域における感光層9bの膜厚差が0.2μm以下では、感光体9に起因する濃淡ムラがほとんど発生しないためそもそも書き込み光量を補正する必要がなく、画像形成領域における感光層9bの膜厚差が3.0μm以上では、現像ムラや転写ムラが発生して書き込み光量を補正しても画像の濃淡ムラを十分に抑制することはできないが、感光体9の画像形成領域における感光層9bの膜厚差を0.2〜3.0μmとすることにより、現像ムラや転写ムラの発生を抑制し、画像の濃淡ムラを十分に抑制することができる。本実施の形態の感光層9bの膜厚差は、感光層9bを物理的、光学的、電気的、電気化学的手法により画像形成領域を全域に亘って測定し、測定値の最大値と最小値との差を計算することにより求められる。
【0070】
単層型の感光層および順層型,逆層型に用いられる電荷発生層中には、電荷発生材料が含有されている。電荷発生材料としては、種々の材料を用いることが可能である。その代表として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、種々のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられる。
【0071】
電荷発生層は、上述した電荷発生材を、必要に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中に分散させ、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmがよい。電荷発生材およびバインダー樹脂の溶剤中への分散に際しては、ボールミル、アトライター、サンドミル、超音波等の各種分散方法を用いることができる。なお、ボールミル、アトライター、サンドミル、超音波等の各種分散方法については公知の技術であるため説明を省略する。
【0072】
必要に応じて電荷発生層に用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N −ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。中でも、ポリビニルブチラールに代表されるポリビニルアセタールは良好に使用される。バインダー樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
【0073】
電荷発生層の形成に際して用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられる。特に、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒を、電荷発生層の形成に際して用いられる溶剤として良好に使用することができる。
【0074】
次に、電荷輸送層について説明する。電荷輸送層は、電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散して形成した塗布液を、上述した電荷発生層上に塗布し、乾燥することにより形成することができる。電荷輸送層の膜厚は、5〜100μm程度とすることが好ましく、特に、5〜15μmとすることで高解像度の画像形成が可能となる。電荷輸送層には、必要に応じて、可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等の各種添加剤を添加することもできる。
【0075】
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。このうち、電荷輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H −インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
【0076】
正孔輸送物質としては、ポリ−N −ビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または、2種以上混合して用いられる。
【0077】
電荷輸送層の形成に際して用いられる結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0078】
電荷輸送物質の量は、結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。
【0079】
電荷輸送層の形成に際して用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン等が挙げられる。
【0080】
本実施の形態の感光体9においては、電荷輸送層中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。電荷輸送層中に添加する可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等、一般の樹脂の可塑剤として使用されている可塑剤をそのまま使用することができる。可塑剤の使用量は、結着樹脂に対して0〜30重量%程度が適当である。電荷輸送層中に添加するレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー、あるいは、オリゴマーを使用することができる。レベリング剤の使用量は、結着樹脂に対して、0〜1重量%が適当である。
【0081】
ところで、感光層9bの各層の表面状態や各層の膜厚が不均一であることは、感光体9の感度ムラを発生させる原因となるため、感光層9bの各層の表面状態や各層の膜厚を均一化するために、導電性支持体9aと感光層9bとの間に図示しない下引き層を設けたり、感光層9bの上に図示しない保護層を積層したりしてもよい。
【0082】
導電性支持体9aと感光層9bとの間に設けられる下引き層は、0〜5μmの膜厚に設定されていることが適当であり好ましい。下引き層は、一般には、樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このように、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。
【0083】
また、下引き層には、モアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
【0084】
さらに、本実施の形態の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本実施の形態の下引き層には、Alを陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物や、SiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。
【0085】
下引き層は、感光層9bの形成と同様に、適当な溶媒中に分散させた下引き層を形成する各種材料を、上述した各種塗工法を用いて塗布することで形成することができる。
【0086】
感光層9bの上に積層される保護層に使用される材料としては、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
【0087】
保護層には、耐摩耗性を向上する目的で耐摩耗性粒子が含有されている。耐摩耗性粒子としてはポリテトラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シリコーン樹脂あるいは酸化チタン、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム等の金属酸化物、チタン酸カリウム等の無機材料を分散したもの等を添加することができる。特に、耐磨耗性の観点から、金属酸化物が耐摩耗性粒子として好ましい。耐摩耗性粒子の粒子径は、0.2〜0.8μmであることが好ましく、0.3〜0.7μmであることがより好ましい。特に、白スジ、フィルミングによる異常画像に関係する5〜50μmの大きさの傷の発生が非常に少なくなるため、粒径が0.3〜0.6μmの金属酸化物を使用することが大変好ましい。また、金属酸化物の中でも、画像形成に伴い発生する各種不純物との反応、蓄積による画像品質の低下を起こさせることがないため、酸化アルミニウムが好ましい。さらに、酸化アルミニウムの中でも、真空プロセスにより作製したものは、粒子径がほぼ一定で純度も高いため、大変好ましい。
【0088】
また、保護層に電荷移動性をもたせるため、保護層には、通常電荷輸送層に含まれる電荷輸送材が含有されている。これにより、残留電位の低下を図ることができ、好ましい。なお保護層の厚さは、0.11〜10μm程度が適当である。
【0089】
加えて、本実施の形態の感光体9においては感光層9bと保護層との間に図示しない中間層を設けることも可能である。中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール等が挙げられる。中間層の形成法としては、上述したような各種の塗布法を採用することができる。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
【0090】
感光層9bを形成する各層を積層する方法として、浸漬塗工法、リング塗工法、スプレー塗工法、ロールコート法、ブレード塗工法、ビート塗工法(ビートコート)、ノズル塗工法(ノズルコート)、スピナー塗工法(スピナーコート)等、いずれの塗工法を用いることもできるが、本実施の形態の感光体9は、感光層9bを構成する複数層の少なくとも一層がスプレー塗工法を用いて形成されている。また、本実施の形態の感光体9は、最表層がスプレー塗工法を用いて形成されている。なお、浸漬塗工法、リング塗工法、スプレー塗工法、ロールコート法、ブレード塗工法、ビート塗工法(ビートコート)、ノズル塗工法(ノズルコート)、スピナー塗工法(スピナーコート)等の各種の塗工法については公知の技術であるため説明を省略する。
【0091】
特に図示しないがプリンタ1は、プリンタ1が備える各部を駆動制御する制御系を備えている。制御系は、プリンタ1が備える各部への駆動指示を行うCPU、制御プログラムやプログラムの実行に必要なデータ等を記憶するROMやRAM等の記憶装置を接続することにより構成されるマイクロコンピュータによって実現されている。
【0092】
このマイクロコンピュータの図示しない記憶装置には、露光走査装置11から出射される露光光に対する感光体9の感度情報を場所毎に記憶する露光量管理ファイル40(図2参照)が格納されている。露光量管理ファイル40には、露光走査装置11の露光光が露光走査する画素位置を特定する画素位置情報40aと、この画素位置情報40aによって特定される画素位置での感度情報40bとが対応付けられて記憶されている。ここに、記憶装置によって感度記憶装置が実現されている。露光量管理ファイル40における感度情報40bは、図3に示す感光体感度測定装置を用いて以下に説明する方法によって取得されている。なお、記憶装置は、半導体素子等のメモリによって形成し、プリンタ本体に対して着脱自在に設けることが可能である。
【0093】
以下に、露光量管理ファイル40に記憶される画素位置毎の感度情報40bの取得について図3ないし図10を参照して説明する。本実施の形態では、図3に示す感光体感度測定装置50を用いて画素位置毎の感度情報40bを取得する。感光体感度測定装置50は、図3に示すように、感度の測定対象となる感光体を用いて形成した画像の画像データを入力する入力装置52と、入力装置52により入力した画像データに対する各種処理を行う画像処理装置53とを備えている。
【0094】
入力装置52は、表面感度の測定対象とする感光体9を搭載するプリンタ1を用いて用紙等の記録媒体上に形成された画像を光学的に読み取る図示しない読取部と、光学的に読み取った画像の光学情報を光電変換して、画像を構成する各画素の光学情報を含む画像データを取得する図示しない光電変換部とを備えている。光学情報としては、例えば、輝度、反射率、濃度、明度、色度等を表わす情報が挙げられる。公知の技術であるため、読取部および光電変換部については説明を省略するが、入力装置52は、例えば、スキャナやデジタルカメラ(電子スチルカメラ、ビデオカメラ)またはマイクロデンシトメータ等によって実現することが可能である。本実施の形態の入力装置52は、表面感度の測定対象となる感光体を用いて記録媒体上に形成した画像を光学的に読み取るものとする。
【0095】
なお、本実施の形態の入力装置52は、記録媒体上に形成された画像を光学的に読み取るようにしたが、これに限るものではなく、例えば、感光体9上に形成されて記録媒体に転写する以前のトナー像を光学的に読み取るようにしてもよい。この場合、現像ユニット12によって顕像化装置が実現される。
【0096】
また、本実施の形態の入力装置52は、光学的に読み取った画像を光電変換することで画像データを取得するようにしたが、これに限るものではなく、予め読み取った画像データを記憶媒体に記憶させておき、該記憶媒体に記憶された該画像データを読み取ることで画像データを取得する媒体読取装置によって入力装置52を実現するようにしてもよい。記憶媒体としては、フレキシブルディスク等の磁気記録媒体やCD−R/RW等の光記憶媒体等、公知の各種記憶媒体を用いることが可能である。
【0097】
次に、画像処理装置53について説明する。画像処理装置53は、入力装置52の光電変換部によって光電変換された画像データを一時記憶する画像記憶部54を備えている。特に図示しないが、画像記憶部54は、RAMやハードディスク等の記憶媒体と、記憶媒体に対して光学情報を記憶させる書き込み装置とから構成されている。画像記憶部54に記憶された画像データは、平均値算出部55で読み出されて、以下に示す(1)式の演算に供される。また、画像記憶部54に記憶された画像データは、Y方向ノイズ除去部56やX方向ノイズ除去部57で実行されるX方向ノイズ除去処理やY方向ノイズ除去処理に供される。
【0098】
平均値算出部55は、画像記憶部54に記憶された画像データに基づいて(1)式の演算を行うことにより、各画素の光学情報を画像全体に亘って平均化した全体平均値を算出する。
【0099】
【数1】
Figure 2004061860
【0100】
Y方向ノイズ除去部56およびX方向ノイズ除去部57は、画像記憶部54に記憶された画像データに基づいて、以下に説明するノイズ除去処理を行う。Y方向ノイズ除去部56およびX方向ノイズ除去部57の構造およびY方向ノイズ除去部56およびX方向ノイズ除去部57で実行する各ノイズ除去処理については後述するが、該ノイズ除去処理には演算パラメータが必要であり、本実施の形態では、Y方向ノイズ除去部56およびX方向ノイズ除去部57に接続されたパラメータ記憶部58に保存されている演算パラメータを用いる。パラメータ記憶部58に保存される演算パラメータとしては、各画素の光学情報の閾値や、後述する各種ノイズ除去処理での平均値の算出に関わる画素数i等がある。
【0101】
処理後画像記憶部59は、図2に示す露光量管理ファイル40と同様のファイル構造を有しており、Y方向ノイズ除去部56およびX方向ノイズ除去部57においてX方向ノイズおよびY方向ノイズを除去した画像データを記憶する。処理後画像記憶部59は、ノイズを除去した後の画像データを構成する各画素の光学情報を、感光体9上での画素位置を特定する座標情報に対応付けて記憶する。本実施の形態では、ノイズを除去した画像データの光学情報として、電界強度が記憶されている。
【0102】
次に、Y方向ノイズ除去部56およびX方向ノイズ除去部57の構成、および、Y方向ノイズ除去部56およびX方向ノイズ除去部57で実行するノイズ除去処理について図4ないし図10を参照して説明する。
【0103】
電子写真方式を用いた画像形成に際して、例えば、X方向(主走査方向)に方向性を有するノイズ(X方向ノイズ)や、Y方向(副走査方向)に方向性を有するノイズ(Y方向ノイズ)のように、方向性を有する直線状のノイズが静電潜像中に発生すると、この方向性を有するノイズの発生によって、上述したように、プリンタ1によって形成される画像中には、感光体9の感度ムラSに起因しない横スジNxや縦スジNy等の異常画像が重畳されてしまう(図4,図8参照)。Y方向ノイズ除去部56およびX方向ノイズ除去部57は、以下に説明するノイズ除去処理を行うことにより、このような横スジNxや縦スジNyを除去する。
【0104】
なお、本実施の形態のノイズ除去処理は、方向性を有するノイズの発生方向が既知である場合に有効となる。このため、ノイズ除去処理に先立って、ノイズの発生方向を解析するノイズ方向解析処理を行う。ここに、ノイズ方向判定ステップとしての機能が実現されている。なお、ノイズ方向の解析については、公知の画像解析技術を用いて容易に実現することが可能であるため、ここでは説明を省略し、ノイズ方向解析処理が終了し、ノイズの発生方向が既知であるものとして説明する。
【0105】
まず、図4に示すように、感光体9を搭載するプリンタ1で形成した画像60中に、感光体9の感度ムラに起因する画像Sに加えてY方向に方向性を持ったノイズに起因する縦スジNyが重畳している場合に、Y方向ノイズ除去部56によって、画像60から縦スジNyを除去するノイズ除去処理について説明する。
【0106】
ここで、図5はY方向ノイズ除去部56の機能的構成を示すブロック図であり、図6はY方向ノイズ除去部56が実行するノイズ除去処理について概略的に説明するフローチャートである。Y方向ノイズ除去部56が実行するノイズ除去処理では、まず、画像記憶部54に記憶されている画像データを、ノイズ除去用の補正前画像データ記憶部56aに記憶する(ステップS1)。
【0107】
補正前画像データ記憶部56aに記憶された画像データに基づいて、画像平均値算出部56bで、全画素の光学情報の平均値Paveを取得する(S2)。本実施の形態の画像平均値算出部56bは、平均値算出部55で算出された全画素の光学情報の平均値Paveを読み出し、この値を全画素の光学情報の平均値Paveとして取得する。
【0108】
次に、補正前画像データ記憶部56aに記憶された画像データから、注目画素決定部56cにより、図7中P(x,y)(ただし、x=1〜N,y=1〜M、(N,Mは正の整数))で示す任意の画素を注目画素P(x,y)として決定する(S3)。本実施の形態では、ステップS4で、注目画素P(x,y)のx、yをそれぞれx=1,y=1に設定する。なお、注目画素P(x,y)は、感光体の画像形成域全面を100mm以下の小領域に分割した各小領域に少なくとも一点設定されるように決定する。この小領域の面積は、50mm以下が好ましく、25mmが好ましい。
【0109】
この小領域の面積は、理想的には、書き込み画素の大きさが最も好ましい。しかし、実際上、この方法では、微細な不規則なノイズを拾い易く、その微細で不規則なノイズを除去することは非常に困難であり、ノイズ除去の計算のための負担も大きいため、小領域の面積の下限を0.01mm好ましくは0.04mm以下とすることが実際的で好ましい。
【0110】
そして、周辺画素平均値算出部56dによって以下に示す(2)式の演算を行うことにより、この注目画素P(x,y)を含みY方向に沿って2n+1画素の光学情報の平均値Pave(x,y)を算出する(S5)。ここに、平均値取得ステップとしての機能が実現される。このとき、平均値Pave(x,y)を算出するための画素数2n+1の“n”は、パラメータ記憶部58に記憶されている平均値の算出に関わる画素数iより取得する。
【0111】
【数2】
Figure 2004061860
【0112】
続いて、注目画素補正部56eにおいて、ステップS5で算出した平均値Pave(x,y)および平均値算出部55で算出した画像全体の画素の光学情報の平均値Paveを閾値として用いて、注目画素P(x,y)の光学情報に対し、以下に示す(3)式の演算を施してP’(x,y)を取得する(S5)。ここに、ノイズ除去ステップとしての機能が実現されている。
【0113】
【数3】
Figure 2004061860
【0114】
これにより、注目画素P(x,y)の光学情報から、注目画素P(x,y)を中心としてY方向に±n画素の範囲における光学情報の平均値Pave(x,y)が減算され、感光体の感度ムラに起因しない縦スジNyを除去した画像データの光学情報を有する画素P’(x,y)を取得することができる。
【0115】
なお、本実施の形態では、注目画素P(x,y)を中心としてY方向に±n画素の範囲における画素の光学情報の平均値Pave(x,y)を算出しているが、これに限るものではなく、注目画素P(x,y)を通るy方向のk個の画素(kは整数)の光学情報平均値を算出すればよい。このとき、注目画素P(x,y)は、Y方向において平均を算出する範囲内の中心にある必要はない。
【0116】
しかしながら、Y方向ノイズNyの除去精度を確保するためには、注目画素P(x,y)が平均を算出する範囲内の中心にあることが好ましい。
【0117】
また、本実施の形態では、処理後の画像の平均濃度を処理前の画像とほぼ等しくするために、(3)式に示すように、画像全体の画素の光学情報の平均値Paveを加算するようにしたが、これに限るものではなく、ノイズ除去後の画像データの濃淡変動のみが必要な場合には、必ずしもPaveを加算する必要はなく、Paveの代わりに任意の値を加算するようにしてもよい。このような場合にも、Paveの代わりとなる任意の値をパラメータ記憶部58に記憶しておくことで、処理を効率的に行うことができる。
【0118】
また、本実施の形態では、平均化を行う注目画素P(x,y)を含みY方向に沿った画素数kの大きさを限定するものではないが、画素数kは小さすぎても大きすぎても十分なノイズ除去は行えないため、画素数kは、注目画素P(x,y)に対して高い相関が得られる範囲に設定する必要がある。
【0119】
そして、得られたP’(x,y)の光学情報をこの画素の座標に対応付けて補正後画像データ記憶部56fに記憶するとともに(S7)、注目画素P(x,y)におけるxに1を加算し(S8)、処理終了判断部56gによって、x+1で示されるxがNより大きくなったと判断されるまで、ステップS5からS8の処理を繰り返す(S9のN)。
【0120】
処理終了判断部56gが、x+1で示されるxがNより大きくなったと判断した場合には(S9のY)、yに1を加算し(S10)、処理終了判断部56gによって、y+1で示されるyがMより大きくなったと判断される(S11のY)まで、ステップS5からS10の処理を繰り返す(S11のN)。
【0121】
なお、本発明は両端における処理を規定するものではないため、Pave(x,y)の演算において、y<0またはy>Mとなる場合、Pave(x,y)=0としても良いし、Pave(x,y)=Pave(x,0)またはPave(x,M)としてもよい。この場合のパラメータMも、パラメータ記憶部58に記憶されている。
【0122】
これにより、処理を行う対象画像中の任意の注目画素P(x,y)を、対象画像の全画素に対して設定し、対象画像中の全画素の光学情報からY方向ノイズに起因する縦スジNyを除去することで、ノイズ除去処理を行うことによって、縦スジ部分の画素の光学情報とそれ以外の部分の画素の光学情報との間に格差が生じることを抑制することができる。
【0123】
また、本実施の形態では、注目画素P(x,y)を感光体の画像形成域全面を100mm以下の小領域に分割した各小領域に少なくとも一点設定されるように決定するため、高解像度のプリンタ1に搭載する感光体9の感度分布を良好に測定することができる。
【0124】
次に、図8に示すように、感光体9を搭載するプリンタ1用いて形成した画像60に、X方向ノイズに起因する横スジNxおよびY方向ノイズに起因する縦スジNyが重畳している場合に、この画像から横スジNxおよび縦スジNyを除去するノイズ除去処理について図9および図10を参照して説明する。
【0125】
本実施の形態の画像処理装置53は、図8に示すように、画像60中に、Y方向ノイズNyのみならずX方向にもノイズNxが発生している場合には、上述したように縦スジNyの除去を行った画像データ中の任意の注目画素P’(x,y)に対して、X方向ノイズ除去部57によって、X方向ノイズ除去処理を実行する。
【0126】
ここで、図9はX方向ノイズ除去部57の機能的構成を示すブロック図であり、図10はX方向ノイズ除去部57が実行するノイズ除去処理について概略的に説明するフローチャートである。X方向ノイズ除去部57が実行するノイズ除去処理では、まず、Y方向ノイズ除去部56の補正後データ記憶部56fに記憶されている画像データを、補正前画像データ記憶部57aにコピーする(ステップS20)。
【0127】
補正前画像データ記憶部57aにコピーされた画像データに基づいて、画像平均値算出部57bで、全画素の光学情報の平均値Paveを取得する(S21)。本実施の形態の画像平均値算出部57bは、画像平均値算出部56bと同様に、平均値算出部55で算出された全画素の光学情報の平均値Paveを読み出し、この値を全画素の光学情報の平均値Paveとして取得する。
【0128】
次に、補正前画像データ記憶部57aに記憶された画像データから、注目画素決定部57cにより、P’(x,y)(ただし、x=1〜N,y=1〜M、(N,Mは正の整数))で示す任意の画素を注目画素P’(x,y)として決定する(S22)。本実施の形態では、ステップS23で、注目画素P’(x,y)のx、yをそれぞれx=1,y=1に設定する。
【0129】
そして、周辺画素平均値算出部57dによって以下に示す(4)式の演算を行うことにより、この注目画素P’(x,y)を含みX方向に沿って2n+1画素の光学情報の平均値P’ave(x,y)を算出する(S24)。X方向とY方向とは直交しているため、この平均値P’ave(x,y)が直交平均値であり、ここに、直交平均値取得ステップとしての機能が実現される。このとき、平均値P’ave(x,y)を算出するための画素数2n+1の“n”も、図6の処理と同様に、パラメータ記憶部58に記憶されている平均値の算出に関わる画素数iより取得する。
【0130】
【数4】
Figure 2004061860
【0131】
続いて、注目画素補正部57eにおいて、ステップS24で算出した平均値P’ave(x,y)および平均値算出部55で算出した画像全体の画素の光学情報の平均値Paveを用いて、注目画素P’(x,y)の光学情報に対して、以下に示す(5)式の演算を施すことによりP’’(x,y)を取得する(S25)。ノイズ方向がX方向とY方向との2方向である場合、ここに、ノイズ除去ステップとしての機能が実現される。
【0132】
【数5】
Figure 2004061860
【0133】
これにより、注目画素P’(x,y)の光学情報から、注目画素P’(x,y)を中心としてY方向に±n画素の範囲における光学情報の平均値P’ave(x,y)が減算され、感光体9の感度ムラに起因せずY方向ノイズに起因する縦スジNyに加えて、感光体9の感度ムラに起因せずX方向ノイズに起因する横スジNxを除去した光学情報を有する画素P’’(x,y)を取得することができる。
【0134】
そして、得られたP’’(x,y)の光学情報をこの画素の座標に対応付けて補正後画像データ記憶部57fに記憶するとともに(S26)、注目画素P’(x,y)におけるxに1を加算し(S27)、処理終了判断部57gによって、x+1で示されるxがNより大きくなったと判断されるまで、ステップS24からS27の処理を繰り返す(S28のN)。
【0135】
処理終了判断部57gが、x+1で示されるxがNより大きくなったと判断した場合には(S28のY)、yに1を加算し(S29)、処理終了判断部57gによって、y+1で示されるyがMより大きくなったと判断される(S30のY)まで、ステップS24からS29の処理を繰り返す(S30のN)。
【0136】
なお、本発明は両端における処理を規定するものではないため、Pave(x,y)の演算において、x<0またはy>Nとなる場合、Pave(x,y)=0としても良いし、Pave(x,y)=Pave(0,y)またはPave(N,y)としてもよい。この場合のパラメータも、パラメータ記憶部58に記憶されている。
【0137】
これにより、ノイズの発生方向が、Y方向とこれに直交するX方向の2方向である場合にも、感光体9の表面状態に起因せず方向性を有するノイズNx,Nyを各連続方向において効果的に除去することができる。
【0138】
なお、処理後画像記憶部59に記憶されて電界強度と露光量との間には線形関係がないため、複数段階に調整した各露光量で露光することで中間調付近の画像を複数形成し、上述したノイズ除去処理を各画像に対して行う。
【0139】
本実施の形態では、X方向およびY方向のノイズに起因する横スジNx,縦スジNyを除去するノイズ除去処理について説明を行ったが、これに限定されるものではなく、直線状に方向性を有するノイズであれば斜め方向のノイズに起因する異常画像も同様に除去することが可能である。斜め方向に方向性を有する異常画像が発生している場合、画像データに対して回転処理を施して、発生しているノイズの方向性がX方向またはY方向となるように調整することにより、いずれの方向性を有するノイズであっても該ノイズが方向性を有しているならば除去することができる。なお、画像データに対する回転処理については公知の画像処理技術を用いて容易に実現することが可能であり、ここでは説明を省略する。
【0140】
なお、本実施の形態では、表面感度の測定対象となる感光体を用いて用紙上に形成した画像を光学的に読み取る入力装置52を用いた場合について説明したが、感光体上に形成されて用紙に転写する以前のトナー像を光学的に読み取ることで画像データを取得するようにした場合、用紙上に形成した画像から画像データを取得する場合と比較して、転写工程や定着工程を含まない分、転写工程や定着工程に際して発生するノイズを含まない画像データを得ることが可能になるので、感光体の感度分布をより高精度に測定することができる。
【0141】
プリンタ1の記憶装置における露光量管理ファイル40には、処理後画像記憶部59に記憶されたデータが書き込まれている。すなわち、プリンタ1で形成した画像に基づいて、感光体感度測定装置50で取得した感度情報40bが、画素位置情報40a毎に対応付けられて記憶されている。ここに、感度取得ステップが実現される。
【0142】
このような構成において、マイクロコンピュータは、画像形成に際して、外部接続された図示しないPC等から送信された画像データに基づいて、光源のON/OFFを駆動制御する。また、マイクロコンピュータは、光源のON/OFF駆動と同時に、露光走査装置11のポリゴンミラー20を回転させるモータ21を駆動制御する。これにより、露光走査装置11から出射された露光光が、感光体9表面において主走査方向(X方向)へ1次元走査される。加えて、マイクロコンピュータは、図示しない感光体モータを駆動制御して感光体9を軸心回りに回転させる。これにより、1次元走査される露光位置に対して感光体9表面の顕像化領域が副走査方向(Y方向)に機械的に移動して、感光体9表面に2次元の静電潜像が形成される。
【0143】
続いて、マイクロコンピュータは、現像ユニット12を駆動制御して、感光体9表面に形成された静電潜像にトナーを付着させることでトナー像を形成し、転写チャージャ14を駆動制御することでトナー像を用紙上に転写させる。用紙上に転写されたトナー像は、定着ユニット7によって定着される。
【0144】
静電潜像の形成に際して、マイクロコンピュータは、感光体9の回転数と、画像データとに基づいて、露光走査装置11によって露光走査する画素位置を特定し、露光量管理ファイル40を参照して、特定した画素位置情報40aに対応する感度情報40bに基づいて、露光量を制御する。ここに、露光位置特定手段および露光量補正手段としての機能が実現される。これにより、感光体9に対する露光量が画素位置毎に調整される。
【0145】
ここで、感度情報40bは、各画素位置情報40aに対応する露光量と画像情報(あるいは、画像情報から算出される静電電位情報)との関係を示している。感度分布の測定を、画像形成領域における全ての画素について行わない場合、測定された場所(測定点)の感度情報を各画素に割り振る必要がある。測定点の感度情報40bを各画素に割り振る方法としては、ある測定点と隣りの測定点との中間の画素までは測定点の感度情報とする方法、各測定点からの距離に応じて1次元あるいは多次元の方程式から算出する方法等を例示することができる。測定点の感度情報40bを、どの方法を用いて各画素に割り振るかは、測定の密度、CPUの性能等により適宜選択される。
【0146】
露光量の制御に際しては、求められた感度情報40bを、図11に示すように、基準感度情報40cと対比させ、基準感度情報40cに対する感度情報40bの値に応じて露光量を補正し、決定する。基準感度情報40cは、不偏の基準として予め設定しておいてもよいが、公知の技術であるPセンサ等による算出、あるいは、全画素位置情報40aの感度情報40bの平均等を例示することができる。要求される潜像電位を得るために、通常は、基準感度情報40cにしたがって露光量が決定されるが、本実施の形態では感度情報40bに基づいて露光量を補正し、決定する。
【0147】
このように、静電潜像の形成に際して、露光量管理ファイル40を参照して露光量を補正することにより、感光体9に対する露光量を画素位置毎の感度に応じて適切に調整することができるので、場所毎に感度にムラが生じている感光体9を用いて画像を形成する場合にも、感光体9の感度ムラに起因して、顕像化した画像中に濃淡ムラが発生することを顕像化領域全体に亘って防止することができ、感光体9の感度分布状態に依存することなく、画像の濃淡ムラのない高精細で高画質の画像を形成することができる。
【0148】
なお、本実施の形態では、図1に示すプリンタ1への適用例を示したが、これに限るものではなく、プリンタエンジン6に代えて、例えば、図12に示すようなプリンタエンジン63を備えるプリンタに適用してもよい。図12に示すプリンタエンジン63は、感光体9、この感光体9の外周面に接触配置された帯電ブレード64aを有する帯電装置64、露光部(図示せず)、感光体9にトナーを供給する現像ユニット65、感光体9の表面に残存するトナーを回収するクリーナーユニット66等が一体的に組み合わされたプロセスカートリッジ67と、転写チャージャ68および分離チャージャ69とによって構成されている。プロセスカートリッジ67は、本体ハウジング2に対して着脱自在に装着されている。
【0149】
このようなプリンタによれば、第一の実施の形態と同様に、感度ムラを有する感光体を用いて画像形成を行った場合にも濃淡ムラのない高精細な画像を形成することができるとともに、プロセスカートリッジ67を用いることにより、組み立て作業の容易化を図ることができる。また、プロセスカートリッジ67が本体ハウジング2に対して着脱自在に設けられているため、感光体9、帯電装置64、現像ユニット65、クリーナーユニット66等のプロセスカートリッジ67を構成する部材の交換に際しては、プロセスカートリッジ67単位で交換することができるので、長寿命の部品を継続使用するとともに、消耗品の交換作業の容易化を図ることができる。
【0150】
また、本実施の形態では、図1に示すプリンタ1への適用例を示したが、これに限るものではなく、プリンタエンジン6に代えて、例えば、図13に示すように、3つの駆動ローラ70a,70b,70cに巻回された感光ベルト71と、感光ベルト71の外周面に対向配置された帯電チャージャ72、露光部(図示せず)、現像ユニット12、転写チャージャ73、クリーニングブラシ74、除電光源75等によって構成されるプリンタエンジン76を備えるプリンタに適用してもよい。このプリンタエンジン76には、感光ベルト71の内周側に設けられたクリーニング前露光部77が設けられている。このクリーニング前露光部77は、感光ベルト71の内周側に設けられていてもよいし、外周側に設けられていてもよい。
【0151】
さらに、本実施の形態では、モノクロ画像を形成するプリンタへの適用例を示したが、これに限るものではなく、例えば、Y,M,C,Kの4色の画像を形成するカラープリンタへ適用してもよい。これによって、カラー画像を形成するプリンタにおいても、感光体9の感度ムラに起因する濃淡ムラを抑制した画像を形成することができる。
【0152】
次に、本発明の第二の実施の形態について図14を参照して説明する。本実施の形態は、複写機への適用例を示す。
【0153】
図14は、本実施の形態の複写機を示す縦断側面図である。複写機80は、原稿の画像を読み取る画像読取装置としてのスキャナ81と、スキャナ81が読み取った画像を用紙に形成するプリンタ1と、を備えている。
【0154】
スキャナ81は、図示しない原稿が載置されるコンタクトガラス82を備えている。原稿は、原稿面をコンタクトガラス82に対向させて載置される。コンタクトガラス82の上側には、コンタクトガラス82上に載置された原稿を押さえる原稿圧板83が設けられている。
【0155】
コンタクトガラス82の下方には、光を発光する光源84およびミラー85を搭載する第一走行体86と、二枚のミラー87,88を搭載する第二走行体89と、ミラー85,87,88によって導かれる光を結像レンズ90を介して受光するCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ91等によって構成される読取光学系92が設けられている。CCDイメージセンサ91は、CCDイメージセンサ91上に結像される原稿からの反射光を光電変換した光電変換データを生成する光電変換素子として機能する。CCDイメージセンサ91で光電変換された光電変換データは、図示しない画像処理系によってデータ処理されてデジタル画像データとされる。第一、第二走行体86,89は、コンタクトガラス82に沿って往復動自在に設けられており、図示しないモータ等の移動装置によって2:1の速度比で走行する。
【0156】
プリンタ1は、CCDイメージセンサ91で光電変換されて図示しない画像処理系によってデータ処理されたデジタル画像データに基づいてプリンタエンジン6を駆動制御することで、デジタル画像データに基づく画像を記録媒体に形成する。
【0157】
このとき、露光走査装置11は、露光量管理ファイル40に記憶された感度情報40bに基づいて、露光する画素位置に応じて露光量を制御する。
【0158】
これによって、感光体9の感度ムラに起因して、プリンタ1によって形成される画像中に濃淡ムラが発生することを防止して、スキャナ81で読み取った原稿の画像を再現性良く記録媒体に複写することができる。
【0159】
なお、本実施の形態では、第一の実施の形態で説明したプリンタ1を備える複写機としたが、これに限るものではなく、プリンタ1に代えて、例えば、図12や図13に示すプリンタエンジンを備えるプリンタを用いてもよい。
【0160】
【実施例】
次に、本発明の実施例について以下に説明する。実施例では、以下に説明するようにして複数の感光体を実際に作製し、作製した感光体に対して上述したノイズ除去処理を施すことによりによって得られたデータに基づいて、作製した感光体の品質を比較した。
【0161】
まず、下記組成の混合物をボールミルポットに取り、φ10mmアルミナボールを使用して72時間ボールミリングした。
酸化チタン(CRー60:石原産業製):50.0重量部
アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50:大日本インキ化学工業製):15.0重量部
メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60:大日本インキ化学工業製)10.0重量部
メチルエチルケトン(関東化学製):31.7重量部
【0162】
このミリング液に対して、シクロヘキサノン(関東化学製):105.0重量部を加え、さらに2時間ボールミリングして下引き層用塗布液を作製した。
【0163】
この下引き層用塗布液中に周長290.3mm、厚さ30μmのニッケルシームレスベルト(ビッカース硬度480〜510、純度99.2%以上)を浸漬させ、ニッケルシームレスベルトに対して下引き層用塗布液を浸漬塗工し、135℃で25分間乾燥して、膜厚6.5μmの下引き層を形成した。
【0164】
続いて、下記組成の混合物をボールミルポットに取り、φ10mm瑪瑙ボールを使用し時間ボールミリングした。
以下に(化1)で示す化学式構造を有する電荷発生物質(リコー製):1.5重量部
【化1】
Figure 2004061860
以下に(化2)で示す化学式構造を有する電荷発生物質(リコー製):1.5重量部
【化2】
Figure 2004061860
ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBLS:積水化学製):1.0部
シクロヘキサノン(関東化学製):80.0重量部
【0165】
このミリング液に対して、さらにシクロヘキサノン78.4部とメチルエチルケトン237.6重量部とを加えて調整した電荷発生層塗布液を作製した。この電荷発生層塗布液に対して、上述の下引層を積層したニッケルシームレスベルトを浸漬させ、下引層を積層したニッケルシームレスベルトに対して電荷発生層塗布液を浸漬塗工し、130℃で20分間乾燥し、厚さ0.12μmの電荷発生層を形成した。
【0166】
次に、下記組成の電荷輸送層塗工液を調整した。
以下に(化3)で示す化学式構造を有する電荷輸送物質(リコー製):7重量部
【化3】
Figure 2004061860
ポリカーボネート樹脂(C−1400:帝人化成製):10重量部
シリコーンオイル(KF−50:信越化学製):0.002重量部
テトラヒドロフラン(関東化学製):841.5重量部
シクロヘキサノン(関東化学製):841.5重量部
3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール(東京化成製):0.04重量部
【0167】
上述した電荷輸送層塗工液を、下引層、電荷発生層を積層したニッケルシームレスベルトを回転させながらスプレー塗工した後、140℃で30分間乾燥して、厚さ約25μmの電荷輸送層を形成して感光体を作製した。
【0168】
上述のような作製方法により作製される感光体のスプレー塗工条件を5種類に変化させて作製した5本の感光体をそれぞれ幅367mmに切断し、切断した感光体の任意の位置20点の膜厚を、触針式の膜厚計で測定した。この測定結果に基づいて、(膜厚の最大値−膜厚の最小値)によって取得される値を膜厚のムラとして求めたところ、作製した各感光体の膜厚ムラはそれぞれ、0.9μm、1.2μm、1.8μm、2.5μm、3.0μmであった。
【0169】
続いて、厚さ0.8mm、ゴム硬度70のウレタンゴム上に厚さ約40μmのアクリル系粘着剤を積層し、さらに剥離紙を積層した。これを幅4mm、長さ285mmの長さにトムソン刃で打ち抜き寄り止めガイドとした。
【0170】
感光体基体の端部から5mmの両側縁内面に、上記の寄り止ガイドを剥離紙を剥しながら貼り付け固定し感光体を作製した。
【0171】
このように作製した感光体をIPSiO Color 5000改造機(リコー製)に搭載し画像形成装置を作製した。パソコンで全面グレーの画像を作成し、帯電電圧−800V、露光量0.3μJ/cmで白黒モード、1200dpi、2×2ドットで画像形成を行った。
【0172】
このとき用いたIPSiO Color 5000改造機は完成品ではなかったため、感光体に起因しない多くの横スジ、縦スジが存在した。
【0173】
画像形成した画像を明度リニアな入力特性を持つスキャナにより100dpiの解像度でパソコンに電子情報として取り込んだ。取り込んだ画像情報から感光体の周方向の長さ290.3mm部分のみをトリミングした。
【0174】
この画像データに対して上述した第一の実施の形態と同様にX方向およびY方向のノイズNx,Nyを除去し、ノイズ除去後の画像を10×10画素のフィルタサイズで平滑化を行いノイズ除去画像を得た。その結果、ノイズ除去処理前の画像には図2または図6に示すように直線状のノイズが発生していたのに対し、ノイズ除去処理後の画像60’は図15に示すように感光体9の感度ムラに起因する画像Sのみ、すなわち、感度分布のみを反映していることが判る。なお、ここでは、膜厚ムラが2.5μmの感光体を用いて形成した画像について説明する。
【0175】
ところで、露光量0.3μJ/cmでは、画像濃度(ID)と感光体の電界強度(E:V/μm)との間には、以下に(6)式で示す関係が存在する。
E=−20.1×(1.19−ID)   …(6)
【0176】
画像データは、画像の各座標(感光体表面の各座標)毎に光学情報を有しているため、(6)式によれば、露光量0.3μJ/cmでの、各座標毎の感光体の電界強度を求めることができる。
【0177】
ここで、画像形成域中での電界強度のバラツキの許容範囲を決定付ける規定範囲を0.35V/μmに設定したところ、感光体の膜厚ムラが0.9μm、1.2μmのものは合格で、その他の感光体は不合格と判定することができた。
【0178】
なお、実施例においては、顕像化された画像における画素と、この画素の感光体上での位置との整合を完全には取らなかったが、例えば、感光体の書き込み位置を特定する手段を設けることで、感光体の感度ムラが生じた原因解析に用いることができる。
【0179】
続いて、電界強度のバラツキが規定範囲内となる膜厚ムラ1.2μmとなる製造条件で感光体を量産し、製造50本毎に前述の感度分布の測定を行った。これによれば、感光体製造1200本目に感度分布の閾値を超えてしまったため、量産を中止したが、その後、スプレーガンの清掃を行い製造を再開したところ、感光体製造を2800本行っても感度分布の閾値を超える感光体は製造されなかった。
【0180】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の画像形成装置によれば、露光走査装置による露光走査に際して、感度記憶装置の記憶領域を参照して、露光走査装置による露光量を露光位置毎に補正することで、感光体の感度ムラに起因して、顕像化される画像に濃淡ムラが発生することを顕像化領域全体に亘って防止することができるので、高画質の画像を形成することができる。
【0181】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の画像形成装置において、露光走査装置による露光量の補正を細分化することができるので、より高画質の画像を形成することができる。
【0182】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の画像形成装置において、高解像度で高画質の画像を形成することができる。
【0183】
請求項4記載の発明によれば、請求項1、2または3記載の画像形成装置において、特定される露光位置に応じて露光走査装置による露光量を補正することにより、感光体の感度ムラに起因する濃淡ムラの発生を顕像化領域全体に亘って確実に防止することができるので、高画質の画像を形成することができる。
【0184】
請求項5記載の発明によれば、請求項1、2、3または4記載の画像形成装置において、感光体の感度ムラの原因となる膜厚ムラが発生し易い方法で形成された感光層を有する感光体であっても請求項1、2、3または4記載の発明の効果を得ることができる。
【0185】
請求項6記載の発明によれば、請求項1、2、3または4記載の画像形成装置において、感光体の感度ムラの原因となる膜厚ムラが発生し易い方法で形成された感光層を最表層に有する感光体であっても請求項1、2、3または4記載の発明の作用を得ることができる。
【0186】
請求項7記載の発明によれば、請求項1、2、3、4、5または6記載の画像形成装置において、感光層の厚さを15μm以下に管理することにより、実用上請求項1、2、3、4、5または6記載の発明の効果を確実に得ることができる。
【0187】
請求項8記載の発明の感度情報の取得方法によれば、一様に帯電した感光体表面を一様に露光走査した静電潜像を顕像化した画像データにおいて、閾値を超える光学情報を有する画素が直線状に連続するノイズデータの光学特性から閾値を減算することで、感光体の表面状態に起因せず方向性を有するノイズの影響を除去した光学情報を感光体の感度として取得することができるので、請求項1ないし7のいずれか一に記載の画像形成装置において露光量を的確に補正することができる感度情報を取得することができる。
【0188】
請求項9記載の発明によれば、請求項8記載の感度情報の取得方法において、ノイズデータの連続方向に沿って画像データ中の任意の注目画素を含む複数の画素の光学情報を平均化した平均値を閾値として取得することで該画像データに適した閾値を設定するとともに、全画素の光学情報からこの閾値を減算することで、ノイズ除去を行うことによってノイズデータとそれ以外の画像データとの間に格差が発生することを抑制することができる。
【0189】
請求項10記載の発明によれば、請求項8または9記載の感度情報の取得方法において、ノイズデータの連続方向が複数ある場合にも、各連続方向に沿って画像データ中の任意の注目画素を含む複数の画素の光学情報を平均化した平均値を閾値として取得することで該画像データに適した閾値を設定するとともに、全画素の光学情報からこの閾値を減算することで、ノイズ除去を行うことによってノイズデータとそれ以外の画像データとの間に格差が発生することを抑制することができる。
【0190】
請求項11記載の発明によれば、請求項8、9または10記載の感度情報の取得方法において、記録媒体に形成されたトナー像から画像データを取得することで、画像データを取得するための機構を感光体の周囲に設ける等の構成上の制約を受けることなく、感光体の感度情報を得ることができる。
【0191】
請求項12記載の発明によれば、請求項8、9または10記載の感度情報の取得方法において、感光体に形成されたトナー像から画像データを取得することができ、記録媒体に形成したトナー像から画像データを取得する場合と比較して、転写以降の工程を含まないため、転写工程以降の工程で発生するノイズの影響を受けない画像データを取得することができるので、感光体の感度分布をより的確に反映する感度情報を得ることができる。
【0192】
請求項13記載の発明の複写機によれば、請求項1ないし7のいずれか一に記載の発明の効果を奏する複写機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態のプリンタを示す断面図である。
【図2】露光量管理ファイルを示す説明図である。
【図3】感光体感度測定装置を示すブロック図である。
【図4】電子写真方式を用いて形成した画像中に発生するノイズを示す説明図である。
【図5】Y方向ノイズ除去部の機能的構成を示すブロック図である。
【図6】Y方向ノイズ除去部が実行するノイズ除去処理について概略的に説明するフローチャートである。
【図7】光学情報を平均化する画素を示す説明図である。
【図8】電子写真方式を用いて形成した画像中に発生するノイズを示す説明図である。
【図9】X方向ノイズ除去部の機能的構成を示すブロック図である。
【図10】X方向ノイズ除去部が実行するノイズ除去処理について概略的に説明するフローチャートである。
【図11】感光体表面電位と露光量との関係を示すグラフである。
【図12】別の実施の形態のプリンタエンジンを示す断面図である。
【図13】また別の実施の形態のプリンタエンジンを示す断面図である。
【図14】本発明の第二の実施の形態の複写機を示す断面図である。
【図15】実施例においてノイズ除去処理後の画像を示す説明図である。
【符号の説明】
9  感光体
10  帯電装置
11  露光走査装置
80  複写機
81  画像読取装置

Claims (13)

  1. 画像形成領域の膜厚差が0.2〜0.3μmの感光層を有する感光体と、
    前記感光体表面を帯電させる帯電装置と、
    前記帯電装置により帯電された前記感光体表面を露光走査する露光走査装置と、
    前記露光走査装置による露光走査により前記感光体表面に形成された静電潜像を顕像化する顕像化装置と、
    前記露光走査装置からの露光光に対する前記感光体の感度情報を、前記感光体表面の露光位置毎に対応付けて記憶領域に記憶する感度記憶装置と、
    前記感度記憶装置の記憶領域を参照して、前記露光走査装置による露光量を露光位置毎に補正する露光量補正手段と、
    を具備する画像形成装置。
  2. 前記感度記憶装置は、前記感光体表面の前記顕像化装置による顕像化領域を100mm以下の単位で分割した単位毎に前記感度情報を記憶する請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記露光走査装置は、書き込み解像度1000dpi以上で露光走査する請求項1または2記載の画像形成装置。
  4. 前記露光走査装置による露光位置を特定する露光位置特定手段を具備し、
    前記露光量補正手段は、前記露光位置特定手段が特定する露光位置に応じて前記露光走査装置による露光量を補正する請求項1、2または3記載の画像形成装置。
  5. 前記感光体は、少なくとも一層がスプレー塗工法を用いて形成された複数の層が基体表面に積層された感光層を有する請求項1、2、3または4記載の画像形成装置。
  6. 前記感光体は、基体表面に積層されて最表層がスプレー塗工法を用いて形成された感光層を有する請求項1、2、3または4記載の画像形成装置。
  7. 前記感光層の厚さは15μm以下に設定されている請求項1、2、3、4、5または6記載の画像形成装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれか一に記載の画像形成装置の感度記憶装置が記憶する感光体の感度情報の取得方法であって、
    一様に帯電させた前記感光体表面を一様に露光走査することにより形成した静電潜像を顕像化する顕像化ステップと、
    顕像化した画像を構成する各画素の光学情報を含む画像データを取得するデータ取得ステップと、
    前記画像データ中で閾値を超える光学情報を有する画素が直線状に連続するノイズデータの光学情報から前記閾値を減算するノイズ除去ステップと、
    前記閾値を減算した後の全画素の光学情報を感光体の感度情報として取得する感度取得ステップと、
    を具備することを特徴とする感度情報の取得方法。
  9. 前記画像データ中における前記ノイズデータの連続方向を判定するノイズ方向判定ステップと、
    判定した前記ノイズデータの連続方向に沿って前記画像データ中の任意の注目画素を含む複数の画素の光学情報を平均化して平均値を取得する平均値取得ステップと、
    を具備し、
    前記ノイズ除去ステップでは、前記画像データ中の全ての画素を前記注目画素として、各前記注目画素の光学情報から前記平均値を前記閾値として減算することを特徴とする請求項8記載の感度情報の取得方法。
  10. 前記平均値を取得した前記ノイズデータの連続方向に直交する方向に沿って前記画像データ中の任意の注目画素を含む複数の画素の前記平均値を減算した後の光学情報を平均化して直交平均値を取得する直交平均値取得ステップを具備し、
    前記ノイズ除去ステップでは、前記画像データ中の全ての画素を前記注目画素として、前記平均値を減算した後の各前記注目画素の光学情報から前記直交平均値を前記閾値として減算する請求項8または9記載の感度情報の取得方法。
  11. 前記顕像化ステップでは、前記感光体表面にトナーを付着させる顕像化装置と前記感光体表面に付着するトナーを記録媒体に転写させる転写装置とを用いて、前記顕像化装置によって前記感光体表面の静電潜像に付着させたトナーを前記転写装置によって前記記録媒体に転写させることによって該静電潜像を顕像化する請求項8、9または10記載の感度情報の取得方法。
  12. 前記顕像化ステップでは、前記感光体表面にトナーを付着させる顕像化装置を用いて、前記顕像化装置によって前記感光体表面の静電潜像にトナーを付着させることによって該静電潜像を顕像化する請求項8、9または10記載の感度情報の取得方法。
  13. 原稿の画像を読み取る画像読取装置と、
    前記画像読取装置が読み取った画像データに基づく画像を記録媒体上に形成する請求項1ないし7のいずれか一に記載の画像形成装置と、
    を具備する複写機。
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