JP2009031499A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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善久 斉藤
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久美子 滝沢
Mayumi Oshiro
真弓 大城
Hidenori Ogawa
英紀 小川
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Abstract

【課題】接触する部材との離型性を向上させ、摩耗力を低減させつつ、電気的メモリを低減することにより、画像特性が向上した表面形状を有する電子写真感光体を提供する。
【解決手段】支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、電子写真感光体の表面層は、微細な凹凸形状を有し、凹凸形状は、凹凸形状の平均面よりも支持体側に連続して形成された複数の凹部と、凹凸形状の平均面よりも支持体から離れる側に形成された複数の凸部とからなり、平均面の高さを基準としたときの複数の凹部のそれぞれの深さ、及び平均面の高さを基準としたときの複数の凸部のそれぞれの高さは、凹部の深さの平均値及び凸部の高さの平均値の20%以内であり、凹部および凸部を平均面に投影したとき、複数の凹部のそれぞれの幅は、複数の凹部の幅の平均値の30%以内である。
【選択図】図7

Description

本発明は、電子写真感光体、並びにこの電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
電子写真感光体としては、低価格及び高生産性などの利点から、光導電性物質(電荷発生物質や電荷輸送物質)として有機材料を用いた感光層(有機感光層)を支持体上に設けてなる電子写真感光体、いわゆる有機電子写真感光体が普及している。有機電子写真感光体としては、光導電性染料や光導電性顔料などの電荷発生物質を含有する電荷発生層と光導電性ポリマーや光導電性低分子化合物などの電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを積層してなる感光層、いわゆる積層型感光層を有するものが主流である。これは、高感度及び材料設計の多様性などの利点を考慮したものである。
一般に電子写真感光体は、現像材とともに、帯電、露光、現像、転写、クリーニングなどからなる一連の電子写真画像形成プロセスにおいて用いられるが、電気的外力や機械的外力が直接加えられる。そのため、電子写真感光体、特にその表面層には、これら外力に起因する多くの課題がある。具体的な課題の例としては、表面層の傷や磨耗の発生による耐久性能の低下、現像材の融着やフィルミング、転写効率の低下、画像流れ、クリーニング不良などによる画像欠陥などが挙げられる。
これらの課題は、近年急速に進んでいる電子写真プロセスの高速化、カラー化、タンデム化において、より困難さを極めているのが現状である。
これらの課題に対して、電子写真感光体においては、耐久性能の向上や画質劣化の抑制を目的とし、表面層の改良が積極的に検討されている。具体的には、表面層の高強度化、高離型性や滑り性の付与などの観点に対して、材料的側面から表面層樹脂の改良、フィラーや撥水材料の添加などが検討されている。
一方、物理的側面からのアプローチとして、表面層を適度に粗面化することにより、前述の課題を解決する検討もなされている。表面層の粗面化により期待される効果は、表面層に接触する現像材、帯電部材、転写部材やクリーニング部材などに対して、当接時の接触面積を減らすことによる離型性向上や摩擦力低減が挙げられる。なかでも、電子写真感光体の表面層とクリーニングブレードとの摩擦力は特に大きいため、そのクリーニング性能は問題となりやすい。このような表面層とクリーニングブレードとの摩擦力に起因する問題としては、例えばクリーニングブレードのびびりやめくれ、さらにはブレードエッジのえぐれや欠けによるクリーニング不良が挙げられる。これらの問題に対して、前述の粗面化は非常に効果的である。なお、クリーニングブレードのビビリとは、クリーニングブレードと電子写真感光体の周面との摩擦抵抗が大きくなることによりクリーニングブレードが振動する現象である。また、クリーニングブレードのメクレとは、電子写真感光体の移動方向にクリーニングブレードが反転してしまう現象である。
これらクリーニングブレードの問題は、一般的に電子写真感光体の表面層の機械的強度が高くなるほど、すなわち電子写真感光体の周面が摩耗しにくくなるほど顕著になる傾向にある。このことから、前述の耐久性能の向上を目的とした表面層樹脂の改良による高強度化に対しては、表面層の粗面化はその弊害を解消するための非常に有効な手段の一つである。
表面層を粗面化する技術として、例えば、特許文献1は、表面層を形成する際の乾燥条件を制御することにより、電子写真感光体の表面をユズ肌状に粗面化する方法を開示する。また、特許文献2は、表面層に粒子を含有させることで、電子写真感光体の表面を粗面化する技術を開示する。また、特許文献3は、金属製のワイヤーブラシを用いて表面層の表面を研磨することによって、電子写真感光体の表面を粗面化する技術を開示する。また、特許文献4は、特定のクリーニング手段及びトナーを用い、有機電子写真感光体の表面を粗面化する技術を開示する。これにより、特定のプロセススピード以上の画像形成装置で使用した場合に問題となるクリーニングブレードの反転(メクレ)やエッジ部の欠けを解決するとしている。また、特許文献5は、フィルム状研磨材を用いて表面層の表面を研磨することによって、電子写真感光体の表面を粗面化する技術を開示する。また、特許文献6は、ブラスト処理により電子写真感光体の周面を粗面化する技術を開示する。また、特許文献7は、所定のディンプル形状を有する電子写真感光体を開示する。
さらに、表面層を適度に粗面化することで、クリーニングブレードの問題以外に、画像劣化を抑制する効果も期待される。例えば、特許文献8乃至10は、フィルム状研磨材や金属金型、ブラシ等を用い、感光体表面に互いに交差する線状傷を形成して表面を細かく区切る技術を開示する。この技術により、電荷が感光体表面を移動できる範囲を制限し、画像流れや接触帯電方式の帯電ムラのように、感光体表面の電荷が拡散して所望の潜像が形成されなくなる問題を解決している。
これらの他にも、感光体表面を、感光体の軸と角度を有する方向に頂点を有する山と谷が規則的に連続した形状となるように粗面化することで、耐久性と電気的特性を維持しつつ、現像剤の離型性を高めることを可能にしている(特許文献11参照)。
以上のように、電子写真画像形成プロセス中の電気的外力や機械的外力に起因する課題に対し、表面層を粗面化する対処法が提案されている。
このように、電子写真感光体の表面層を粗面化することで一定の成果を収めてきた反面、このような粗面化は、電子写真画像形成プロセスにおけるその他の工程において、別の問題を発生させる原因ともなっている。
電子写真画像形成プロセスのうち、感光体からメディア、あるいは中間転写体へ現像剤を転写する転写工程には、次のような問題がある。すなわち、転写工程では、感光体に帯電工程と逆のバイアスを与えて現像剤の転写を行うため、感光体に電気的メモリーを与えてしまうという問題である。この電気的メモリーは、転写メモリーと呼ばれる。転写メモリーは、感光体のうち、メディアあるいはトナーの無い部分が転写メモリーを受け、次回の出力画像上に、濃度段差や黒スジといった異常画像を生じさせる。そのような問題に対し、感光体の対策として、転写工程に用いられる電荷が感光層内に進入しないように、電荷輸送層のイオン化ポテンシャルを最適化する、整流層を設ける、中間層の材料を最適化するといった対策が、実施されてきた。また、感光体以外の対策では、転写バイアスを適正に設定、制御する、メディア間で転写バイアスを弱める、また、転写部材の抵抗を最適化するといった対策が実施されてきた(特許文献12乃至14参照)。
ちなみに、転写工程で電気的メモリーを受けた感光体であっても、引き続き行われる帯電工程で転写バイアスと逆極性のバイアスを与えることで、メモリーをキャンセルできる。しかしながら、メモリーをキャンセルできるのは、低速/中速のプロセスや、ACを重畳したローラ帯電方式など、転写メモリーを打ち消すのに十分な帯電性が確保されている場合である。例えば、高速プロセスにおいて、コロナ帯電方式やDCローラ帯電方式では帯電能力が不足しがちであり、メモリーのキャンセルが不十分となる傾向にあるため、対策がなされてきた。
しかし、先述の、摩擦力低減や離型性向上等の目的で表面を粗面化した電子写真感光体で特に顕著な問題として、電子写真で使用される紙などのメディアの種類の増加又はカラー化シフトによって、転写にまつわる新たなメモリーの問題が発生している。
用途の多様化、カラー化によって、厚紙の使用や、2次色以上等のトナー量の多い画像が出力される機会が多くなってきている。このような場合、その厚紙やトナーの、先端や後端に位置する段差部分で感光体と転写部材との間に間隙が生じ、その間隙が生じた部分の感光体が電気的メモリーを受けてしまうといった問題である。メモリーは、引き続き行われる現像工程で現像され、段差部分が線状の黒スジ画像となって現れる。この問題は、転写によって印加されるバイアスが、感光体と転写部材との間の間隙の大きさによって決定される放電開始電圧を超えたときに、転写部材と感光体の間に放電が起こって発生していると考えられる。また、放電が起こる場所に電界が集中し、通常の転写メモリーと比べて流れる電流量が大きく、より強いメモリーとなっていると考えられる。
そして、この問題は、特に、先述したような粗面化がなされた感光体で深刻である。これは、粗面化された感光体の表面形状は凹凸形状を有するが、それらが放電開始の起点となっているためと考えられる。
また、電子写真の高速化、あるいは高精細化、使用環境の多様化によって、さらに解決が困難なものとなっている。まず、帯電能力が不足しがちな高速プロセスでは、メモリーのキャンセルが不十分となり、異常画像を発生しやすい。また、段差に沿った線状の黒スジ画像は、解像度の低い画像では比較的目立たないが、高精彩な電子写真プロセスほどメモリーが明瞭に現像されてしまうため、問題になりやすい。また、従来の転写メモリーと同様に、低温、低湿環境等、トナーのトリボが高くなる環境では、転写効率を維持するために転写バイアスを高く設定する必要があり、メモリーの回避が困難である。
上記のように、転写にまつわる新たなメモリーが発生しており、特に、耐久性能の向上を目的として表面を粗面化した電子写真感光体で顕著である。このメモリーは、従来の転写メモリーに対する対策では解決できなかった。まず、局所的に電界が集中して多量の電流が流れているため、従来の感光体材料の最適化では十分に電荷の侵入を阻止することができなかった。また、転写バイアスの制御も、トナー濃度段差の大きいところでバイアスを弱めることは不可能であり、対策として採用できなかった。すなわち、感光体と転写部材の間に起こる放電によるメモリーの問題を解決する有効な対策手段がなかった。
放電を抑えるひとつの方向性は、感光体表面が突起を持たない平坦な形状にすることである。しかしながら、上述の通り、感光体の摩擦力低減や離型性向上など、感光体に求められる種々の要件を満たすためには、表面層の粗面化は有効な手段である。よって、感光体を粗面化し、かつ、放電を抑制する手段が必要であった。
特開昭53−92133号公報 特開昭52−26226号公報 特開昭57−94772号公報 特開平01−099060号公報 特開平02−139566号公報 特開平02−150850号公報 国際公開第2005/093518号パンフレット 特開平08−076642号公報 特開2004−027996号公報 特開2006−011047号公報 特開2001−066814号公報 特開平05−045898号公報 特開平06−051594号公報 特開平07−295268号公報 特開2006−100173号公報
本発明は、上記の従来の問題に鑑み提案されたものであり、接触する部材との離型性を向上させ、摩耗力を低減させつつ、電気的メモリを低減することにより、画像特性が向上した表面形状を有する電子写真感光体を提供することを目的とする。また、本発明は、このような電子写真感光体を有する画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、特定の表面形状を用いることで、放電が起こったとしても、電気的メモリーを抑制できることが明らかになってきた。また、従来の表面形状は、微視的に見れば、不定形あるいは大きさ、高さのばらつきを有する凸凹であり、これが、電界の集中を招いて放電を促進していることが分かってきた。
特定の表面形状とは、すなわち、凹凸形状の平均面より低い部分である凹部が連続しており、平均面より高い部分である凸部が凹部によって隔てられて孤立するように形成された凹凸形状である。さらに、この凹凸形状の凸部の高さ、凹部の深さ、凸部凹部の大きさが、均一に形成されているような表面形状である。そのような表面形状を採用することで、本発明の課題を解決できることを見出した。
本発明による電子写真感光体は、支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、当該電子写真感光体の表面層は、微細な凹凸形状を有し、該凹凸形状は、該凹凸形状の平均面よりも該支持体側に連続して形成された複数の凹部と、該凹凸形状の平均面よりも該支持体から離れる側に形成された複数の凸部とからなり、該平均面の高さを基準としたときの該複数の凹部のそれぞれの深さ(Rdv)、及び該平均面の高さを基準としたときの該複数の凸部のそれぞれの高さ(Rdp)は、該凹部の深さの平均値及び該凸部の高さの平均値の20%以内であり、該凹部および該凸部を該平均面に投影したとき、該複数の凹部のそれぞれの幅(Ldv)は、該複数の凹部の幅の平均値の30%以内であり、該凸部を該平均面に投影したときの、該複数の凸部のそれぞれの最長軸の長さ(Ldp)max及び最短軸の長さ(Ldp)minは、該最長軸の長さ及び該最短軸の長さの平均値の30%以内であることを特徴とする。
本発明による画像形成装置は、帯電手段、露光手段、静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像手段、および、転写手段からなる画像形成部を有する画像形成装置において、画像形成部に、上記の電子写真感光体を備えたことを特徴とする。
本発明によるプロセスカートリッジは、帯電手段、露光手段、静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像手段、および、転写手段からなる画像形成部を有する画像形成装置において、画像形成部に上記の電子写真感光体を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、厚紙使用時や2次色以上のトナー量の多い画像を出力する際に感光体と転写部材の間に微小な間隙が生じても、気中放電を抑制し、あるいは、気中放電が起こっても放電電流量を抑制し、電気的メモリーを抑制できる。
(本発明による電子写真感光体)
本発明による電子写真感光体は、支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体であって、この電子写真感光体の表面層が一定の凹凸形状を有することを特徴とする。
このような凹凸形状を例示したのが、図1及び2である。本発明による電子写真感光体において、上記の凹凸形状は、図1及び2に示すように、凹凸形状の平均面よりも支持体側に連続して形成された複数の凸部1と、この平均面よりも支持体から離れる側に形成された複数の凹部2とからなる。本発明による電子写真感光体において、電子写真感光体の表面層がこのような凹凸形状で構成されることにより、凸部1は、凹部2によって隔てられて孤立するように形成されることとなる。
本発明においては、凹凸形状のうち、平均面よりも低い部分を凹部、高い部分を凸部と定義する。図3を参照して、平均面について説明する。図3のxyz軸のうち、xy軸は、平面方向を、z軸は、高さ方向をそれぞれ示す。(1)は、凹凸形状を構成する曲面から切り取った、ある断面曲線である。平均面とは、形状曲面の全ての高さの平均値の高さにある平面であり、必ず、形状曲面を横切る。図中では(2)である。これよりも低い部分(A)が凹部であり、これよりも高い部分(B)が凸部であると定義する。本発明における凹凸形状は、凸部と凹部とに2値化して平均面に投影すると、例えば、図1(a)や図2(a)のように、凹部が連続しており、凸部が凹部によって隔てられて孤立するように見られる形状である。しかも、それらの凹凸は、図1及び図2に示すように、高さ方向、平面方向それぞれの形状が均一であってもよい。したがって、図1(b)は、平面上に、同じ高さの凸が均等に点在している形状、図2(b)は、平面に、均一な深さの溝が、整然とした網の目状に設けられている形状と言える。そのような形状を採用することで、感光体表面と転写部材との間の放電によるメモリーを抑制できる。未だそのメカニズムを明らかにするには至っていないが、気中放電の性質から、以下のように考察できる。まず、図1(b)のような形状は、放電開始の起点となりうる凸部が無数に点在している状態であり、一見、放電を促進しそうに思われるが、逆に、どの凸部にも均等に放電が起こる状態であるともいえる。従って、電界が集中することが無いため、放電現象自体が抑制される、あるいは、放電電流量が抑制されていると考えられる。次に、図2(b)のような形状では、仮に放電が起こったとしても、電流が流れる経路が分断されているために、電流量が抑制され、メモリーが軽減されていると考えられる。この場合も、上述のように凹凸形状が均一化されることは、電流の集中を防ぎ得ることから、好ましい。電流の流れる経路を分断することで放電電流を抑制する対策は、FED素子に採用されており、(特許文献15)本願の形状においても同様の効果が得られていると考えられる。
本発明において、上記の凹凸形状は、凹凸形状の平均面の高さを基準としたとき、下記の通り、構成される。つまり、複数の凹部のそれぞれの深さ(Rdv)、及び複数の凸部のそれぞれの高さ(Rdp)が、この凹部の深さの平均値及びこの凸部の高さの平均値の20%以内となるように、構成される。これにより、凹凸形状が均一化され、メモリーが抑制される。
また、本発明において、上記の凹凸形状は、凹部および凸部を凹凸形状の平均面に投影したとき、複数の凹部のそれぞれの幅(Ldv)は、複数の凹部の幅の平均値の30%以内となるように、構成される。さらに、この凹凸形状は、凸部を凹凸形状の平均面に投影したとき、複数の凸部のそれぞれの、最長軸の長さ(Ldp)max及び最短軸の長さ(Ldp)minが、この最長軸の長さ及びこの最短軸の長さの平均値の30%以内となるように、構成される。これらの範囲外の凹凸形状では、凹凸形状では、効果的にメモリーを抑制できない。このことは、先述したように、形状の均一性が放電の集中を防いでいると考えられる。
図2(b)のごとき形状は、溝が網の目状に設けられているという観点では特許文献8乃至10に開示されているが、それらの発明では、形状の均一性については議論されておらず、また、放電抑制の効果をもたらすという概念もなかった。
また、均一性に関して、特許文献11では、鋳型から感光体表面への形状転写によって凹凸形状を作成する旨が開示されており、均一性は確保されていると考えられる。しかしながら、特許文献9に指摘されているように、山と谷が規則的に連続した形状が少なくとも2方向より交差されているものは含まれない。すなわち、本発明の要件である、「連続した凹部と独立した凸部」は含まれておらず、また、その発明の趣旨、作用効果も本発明とは異なる。
本発明で示されている形状は、従来意図されていなかった形状であり、その新たな形状の効果によって、転写と感光体による電気的メモリーを抑制するものである。
本発明による電子写真感光体において、上記の凹凸形状は、下記の比Pが、0.1未満となるように、構成されることが好ましい。
P=Ave.(Rdp)/Ave.(Ldp)min
Ave.(Rdp):平均面の高さを基準としたときの凸部の頂点の高さの平均値
Ave.(Ldp)min:凸部を平均面に投影したときの凸部の最短軸の長さの平均値
Pがこの範囲内にあることで、メモリー現象が改善される。Pは、凸部の急峻さを表す要素であり、大きいほど鋭利な凸部であると言える。凸部は、放電を促進していると考えられる。つまり、凸部はなだらかである方が好ましい。
また、本発明による電子写真感光体において、上記の凹凸形状は、下記の比Vが、0.1よりも大きくなるように、構成されることが好ましい。
V=Ave.(Rdv)/Ave.(Ldv)
Ave.(Rdv):平均面の高さを基準としたときの前記の複数の凹部の深さ(Rdv)の平均値
Ave.(Ldv):凹部および凸部を凹凸形状の平均面に投影したときの複数の凹部のそれぞれの幅(Ldv)の平均値
これにより、メモリー現象が改善される。Vは、凹部の急峻さを表す要素であり、大きいほど鋭利な凹部であると言える。この形状がメモリーに有利な理由は、図2(b)のような形状において、放電電流の経路を分断する効果がより高まるためと考えている。特許文献15では、素子上の電流の流れる経路を分断することで放電電流を抑制しているが、分断と言っても実際には完全に絶縁しているのではなく、抵抗が不連続な経路とすることで、効果を得ている。電子写真プロセスでは、現像剤の構成成分として種々の金属酸化物が使用されているが、鋭利な凹形状部には、それらの金属酸化物が入り込み、感光体表面の抵抗をより不連続なものにしていると予想できる。
また、本発明による電子写真感光体において、平均面の高さを基準としたときの凹部の底の深さ(Rdv)は、0.5μm以上3.0μm以下であることが好ましい。これにより、メモリーが抑制できる。Rdvが0.5μm未満であると、放電電流の経路を分断する効果が低下してしまう。また、Rdvが3.0μmよりも大きいと、凸部と凹部の段差が増し、放電が起こりやすくなる。
本発明の形状を満足しているか否かを判別する手段は、表面形状を3次元で測定、解析できる計測機器であればいかなる手段を用いてもよい。市販のレーザー顕微鏡、光学顕微鏡、電子顕微鏡、原子間力顕微鏡、走査プローブ顕微鏡などのうち、少なくとも平均面の算出が可能な機器であればよい。これらの顕微鏡を用いて、所定の倍率により、ある視野における平均面と、高さ方向、平面方向それぞれの大きさを計測することが出来る。
例えば、表面形状測定システム(Surface Explorer SX−520DR型機、株式会社菱化システム製)を用いた場合、まず、ウェーブモードで電子写真感光体の表面の3次元形状データを測定する。次に、取得したデータに対して解析ソフトSX−Viewer中の「断面」や「ベアリング」と称する解析プログラムを実行すると、平均面、任意の点の平均面からの高さや、任意の2点間距離の算出ができる。また、平均面よりも高い部分と低い部分とで凹凸形状の横断面を2値化し、平面に投影した画像を表示できる。このとき、サンプルが傾きやうねりを持っていても、それらは、任意のフィルターで取り除くことが可能であり、平面を算出できる。電子写真感光体の場合、高画質への要求からうねりは極少なく設計されているが、形状は円筒状であることが多い。必要であれば、観察視野を狭めて、円筒型の感光体の曲面を平面に近似してもよい。
<本発明による電子写真感光体の表面形状の形成方法>
次に、本発明による電子写真感光体の表面形状の形成方法について説明する。この表面形状の形成方法としては、上述の凹形状部に係る要件を満たし得る方法であれば、特に制限はない。なかでも、均一性を満足する形状を、制御性よく得るためには、例えば、エキシマレーザー照射による加工や、所定の形状を有するモールドを電子写真感光体の表面に圧接し形状転写を行う方法が好ましい。
所定の形状を有するモールドを電子写真感光体の表面に圧接し形状転写を行なう方法は、以下のような加工法である。
図4は、本発明におけるモールドによる圧接形状転写加工装置の概略図の例を示す図である。加圧及び解除が繰り返し行なえる加圧装置41に所定のモールド42を取り付けた後、感光体43に対して所定の圧力でモールド42を当接させ形状転写を行なう。その後、加圧を一旦解除し、感光体43を回転させた後に、再度加圧そして形状転写工程を行なう。この工程を繰り返すことにより、感光体全周にわたって所定の凹凸形状を形成することが可能である。
また、例えば図5に示したように、まず、加圧装置51に感光体53の全周長程度の所定のモールド52を取り付ける。その後、感光体53に対して所定の圧力をかけながら、感光体を回転、移動させることにより、感光体全周にわたって所定の凹凸形状を形成することが可能である。
他の例として、シート状のモールドをロール状の加圧装置と感光体との間に挟み、モールドシートを送りながら表面加工することなども可能である。
なお、形状転写を効率的に行なう目的で、モールドや感光体を加熱してもよい。
モールド自体の材質や大きさ、形状は適宜選択することが出来る。材質としては、微細表面加工された金属や樹脂フィルム、シリコンウエハーなどの表面にレジストによりパターンニングをしたもの、所定の微細表面形状を有する樹脂フィルムに金属コーティングされたものなどが挙げられる。モールド形状の一例を図6に示す。
また、感光体に対して圧力の均一性を付与する目的で、モールドと加圧装置との間に弾性体を設置することも可能である。
[本発明による電子写真感光体の構成について]
本発明による電子写真感光体は、支持体と、この支持体上に設けられた感光層とを有する。本発明による電子写真感光体は、一般的には、円筒状の支持体上に感光層を形成した円筒状有機電子写真感光体が広く用いられるが、ベルト状或いはシート状などの形状も可能である。
本発明による電子写真感光体において、感光層は、電荷輸送物質と電荷発生物質とを同一の層に含有する単層型感光層であっても、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型(機能分離型)感光層であってもよい。また、積層型感光層には、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した順層型感光層であっても、支持体側から電荷輸送層、電荷発生層の順に積層した逆層型感光層であってもよい。本発明による電子写真感光体において、積層型感光層を採用する場合、電荷発生層を積層構造としてもよく、また、電荷輸送層を積層構成としてもよい。さらに、耐久性能向上等を目的とし感光層上に保護層を設けることも可能である。
本発明による電子写真感光体において、支持体を構成する材料は、本技術分野公知のものであれば特に限定されない。例えば、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、亜鉛、チタン、鉛、ニッケル、スズ、アンチモン、インジウム等の金属や合金、又はこれら金属の酸化物、カーボン、導電性高分子等の導電性材料が挙げられる。本発明による電子写真感光体において、支持体の形状は、特に限定されないが、例えば、円筒状、円柱状等のドラム形状と、ベルト状、シート状などが挙げられる。上述の導電性材料は、支持体としてそのまま成形加工されてもよい。また、導電性の表面を形成するために、支持体となる部材の表面に塗布されて支持体の表面を形成してもよい。また、支持体となる部材の表面に蒸着されて支持体の表面を形成してもよい。また、エッチングやプラズマ処理により支持体の表面を形成してもよい。この導電性材料を支持体表面に適用する場合、支持体に用い得る材料は、上述の材料の他、紙、プラスチック等の非導電性材料であってもよい。
本発明による電子写真感光体において、支持体の表面は、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止などを目的として、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理などを施してもよい。支持体と、後述の中間層又は感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止や、支持体の傷の被覆を目的とした導電層を設けてもよい。
本発明による電子写真感光体において、上記の導電層は、カーボンブラック、導電性顔料や抵抗調節顔料を結着樹脂に分散及び/又は溶解させた導電層用塗布液を用いて形成されてもよい。導電層用塗布液には、加熱又は放射線照射により硬化重合する化合物を添加してもよい。導電性顔料や抵抗調節顔料を分散させた導電層の表面は、粗面化されてもよい。導電層の膜厚は、0.2μm以上40μm以下であることが好ましく、さらには1μm以上35μm以下であることがより好ましく、さらには5μm以上30μm以下であることがより一層好ましい。導電層に用いられる結着樹脂としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンなどのビニル化合物の重合体/共重合体が挙げられる。また、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂及びエポキシ樹脂などが挙げられる。導電性顔料及び抵抗調節顔料としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀、ステンレスなどの金属(合金)の粒子や、これらをプラスチックの粒子の表面に蒸着したものなどが挙げられる。また、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズなどの金属酸化物の粒子でもよい。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合するだけでもよいし、固溶体や融着の形にしてもよい。
本発明による電子写真感光体において、支持体又は導電層と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、バリア機能や接着機能を有する中間層を設けてもよい。中間層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される。
中間層の材料としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロースなどが挙げられる。また、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、にかわ及びゼラチンなどが挙げられる。中間層は、これらの材料を溶剤に溶解させることによって得られる中間層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。中間層の膜厚は0.05μm以上7μm以下であることが好ましく、さらには0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。
次に、上記の感光層について説明する。
本発明において感光層に用いられる電荷発生物質としては、例えば、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、各種の中心金属及び各種の結晶系(α、β、γ、ε、X型など)を有するフタロシアニン顔料が挙げられる。また、アントアントロン顔料や、ジベンズピレンキノン顔料や、ピラントロン顔料や、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料や、インジゴ顔料や、キナクリドン顔料や、非対称キノシアニン顔料や、キノシアニン顔料などが挙げられる。さらに、アモルファスシリコンであってもよい。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷輸送物質としては、例えば、ピレン化合物、N−アルキルカルバゾール化合物、ヒドラゾン化合物、N,N−ジアルキルアニリン化合物、ジフェニルアミン化合物、トリフェニルアミン化合物などが挙げられる。また、トリフェニルメタン化合物、ピラゾリン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物などが挙げられる。
本発明による電子写真感光体において、上記の感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質とを同一の層に含有する単層型の感光層であってもよい。この場合、電荷発生物質と電荷輸送物質、結着樹脂とを溶剤に溶解させることによって得られる感光層塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。単層型の感光層の厚さは、8〜40μmであることが好ましく、より好ましくは12〜30μmである。単層型の感光層における電荷発生材料や電荷輸送材料等の光導電性材料の含有量は、好ましくは20〜100質量%であり、より好ましくは30〜90質量%である。
本発明による電子写真感光体において、感光層を電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離する場合、電荷発生層は、以下の方法で形成することができる。つまり、まず、電荷発生物質を0.3〜4倍量(質量比)の結着樹脂及び溶剤とともに、ホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター又はロールミルなどを用いる方法で分散する。分散して得た電荷発生層用塗布液を塗布する。これを乾燥させることによって、電荷発生層を形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜としてもよい。さらに、電荷発生層は、上述の電荷輸送材料を有してもよい。電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、さらには0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。
本発明による電子写真感光体において、上記の電荷輸送層は、電荷輸送物質と結着樹脂とを溶剤に溶解させることによって得られる電荷輸送層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。また、上記電荷輸送物質のうち単独で成膜性を有するものは、結着樹脂を用いずにそれ単独で成膜し、電荷輸送層とすることもできる。電荷輸送層中に含まれる電荷輸送材料の量は、質量比で好ましくは20〜100%であり、より好ましくは30〜90%である。電荷輸送層の膜厚は5μm以上50μm以下であることが好ましく、さらには10μm以上35μm以下であることがより好ましい。
電子写真感光体に要求される特性の一つである耐久性能の向上にあたっては、上述の機能分離型感光体の場合、表面層となる電荷輸送層の材料設計は重要である。その例としては、高強度の結着樹脂を用いたり、可塑性を示す電荷輸送物質と結着樹脂との比率をコントロールしたり、高分子電荷輸送物質を使用するなどが挙げられるが、より耐久性能を発現させるためには表面層を硬化系樹脂で構成することが有効である。
本発明による電子写真感光体においては、電荷輸送層自体を硬化系樹脂で構成することが可能である。また、上述の電荷輸送層上に、第二の電荷輸送層として硬化系樹脂層を形成することが可能である。硬化系樹脂層に要求される特性は、膜の強度と電荷輸送能力の両立であり、電荷輸送材料及び重合或いは架橋性のモノマーやオリゴマーから構成されるのが一般的である。
電荷輸送材料としては、公知の正孔輸送性化合物および電子輸送性化合物を用いることができ、重合性や架橋性を有する単量体から構成されるものであってもよい。重合性あるいは架橋性を有するモノマーやオリゴマーとしては、アクリロイルオキシ基やスチレン基を有する連鎖重合系の材料、水酸基やアルコキシシリル基、イソシアネート基などを有する逐次重合系の材料が挙げられる。得られる電子写真特性、汎用性や材料設計、製造安定性などの観点から正孔輸送性化合物と連鎖重合系材料の組み合わせが好ましく、さらには正孔輸送性基およびアクリロイルオキシ基の両者を分子内に有する化合物を硬化させる系が特に好ましい。
硬化手段としては、熱、光、放射線など公知の手段が利用できる。
硬化層の膜厚は、電荷輸送層の場合は前述と同様5μm以上50μm以下であることが好ましく、さらには10μm以上35μm以下であることがより好ましい。第二の電荷輸送層あるいは保護層の場合は、0.1μm以上20μm以下であることが好ましく、さらには1μm以上10μm以下であることがより好ましい。
また、単層及び積層のどちらの場合においても、感光層の上層に保護層を設けてもよい。保護層は、電子写真感光体に加えられる機械的、電気的、又は化学的な負荷から感光層を保護する目的で、感光体の最表面を構成するように、種々の層の最も上に形成される層である。この保護層は、上述した「表面となる電荷輸送層」の樹脂と同様の硬化系樹脂で構成することが可能である。また、保護層が電荷輸送機能を有していてもよい。ちなみに、機能分離型感光体の場合、電荷輸送能をもつ保護層は、第二の電荷輸送層と同義である。保護層の層厚は0.01〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜7μmである。
更に、表面となる電荷輸送層、あるいは保護層中に、金属及びその酸化物、窒化物、塩、合金やカーボン等の導電性材料を含有してもよい。この金属種としては、鉄、銅、金、銀、鉛、亜鉛、ニッケル、スズ、アルミニウム、チタン、アンチモン、インジウム等が挙げられる。また、この導電性材料には、具体的には、ITO、TiO、ZnO、SnO、Al等が挙げられる。導電性材料は微粒子状の材料であり、保護層中に分散される。その粒子径は好ましくは0.001〜5μmであり、より好ましくは0.01〜1μmである。その保護層への添加量は、好ましくは1〜70質量%であり、より好ましくは5〜50質量%である。導電性材料を保護層に分散する際に、分散剤としてチタンカップリング剤、シランカップリング剤、各種界面活性等を用いてもよい。
本発明による電子写真感光体において、上記の感光層を構成する各層には、酸化防止剤や光劣化防止剤等の各種添加剤を含有してもよい。また、表面層には、その滑性や撥水性を改善する目的で、各種フッ素化合物、シラン化合物、若しくは金属酸化物等、又はこれらの微粒子等を含有してもよい。これらの分散性を改善する目的で分散剤や界面活性剤を用いてもよい。表面層におけるこれら添加物の含有量は、好ましくは1〜70質量%、より好ましくは5〜50質量%である。
以上に挙げた各層は、上述の化合物そのもの、又はそれを含有する溶液や分散液等の組成物を用いて、下記の方法によって形成されてもよい。つまり、この組成物を、支持体又は支持体上に既に形成されている層の上に、蒸着、塗布等の公知の方法で付着させ、前記化合物又は組成物の膜を形成し、この膜を硬化させる公知の方法によって形成することができる。このような公知の付着させる方法のうち、なかでも、塗布法が最も好ましい。塗布による方法は、薄膜から厚膜まで広い範囲で、しかもさまざまな組成の膜が形成可能である。具体的には、バーコーター、ナイフコーター、浸漬塗布、スプレー塗布、ビーム塗布、静電塗布、ロールコーター、粉体塗布等の、各種方法や各種手段による塗布が挙げられる。
本発明による電子写真感光体は、上述した本発明の方法によって製造された電子写真感光体である。本発明の要件である表面形状を有する感光体であれば、電子写真感光体の構成については、特に限定されない。
本発明においては上述の方法により作製された電子写真感光体に対して、前述のレーザー加工あるいはモールドによる圧接形状転写加工を行なうことにより、所望の凹凸形状を形成することが可能である。
<本発明による画像形成装置>
図7は、本発明による画像形成装置の一例の構成を示す概略図である。この例において、本発明による画像形成装置は、上述の本発明の電子写真感光体71を有する。また、電子写真感光体71の表面を帯電させる帯電手段72を有する。また、帯電した電子写真感光体71に形成すべき画像に応じたレーザー光等の像露光7Lを照射して電子写真感光体71に静電潜像を形成させる像露光手段(図示せず)を有する。また、静電潜像が形成された電子写真感光体71にトナーを供給して静電潜像が現像されてなるトナー像を形成する現像手段73を有する。また、このトナー像を電子写真感光体71の表面から転写材77に転写させる転写手段74を有する。また、転写材77に転写されたトナー像を転写材に定着させる像定着手段78を有する。また、転写後の電子写真感光体71の表面の付着物を除去するクリーニング手段75を有する。また、クリーニング後の電子写真感光体71に静電履歴を消去するための光を照射する前露光手段76を有する。
本発明による画像形成装置において、この画像形成装置に含まれる電子写真感光体は、帯電手段72と、露光手段と、現像手段73と、転写手段74とからなる画像形成部に備えられてもよい。
次に、本発明による画像形成装置の制御について詳細に説明する。電子写真感光体71は、例えば、円筒状の形状を有するものであり、軸71aを有する。電子写真感光体71は、軸71aを中心に所定の周速度で回転駆動される(図7では、矢印方向)。電子写真感光体71は、回転過程で、例えばコロナ放電を用いる非接触式の帯電装置である帯電手段72により、その周面に正又は負の所定電位の均一帯電を受ける。
次いで、電子写真感光体71は、露光部にて像露光手段によりスリット露光・レーザービーム走査露光等の光像露光7Lを受ける。これにより電子写真感光体71の周面に、露光像に対応した静電潜像が順次形成される。像露光7Lは、画像形成装置を複写機やプリンターとして使用する場合には、まず、原稿からの反射光若しくは透過光、又は原稿を読み取り信号化する。次に、この信号によるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動、若しくは液晶シャッターアレイの駆動等により電子写真感光体71に照射される光である。ファクシミリのプリンターとして使用する場合には、像露光7Lは受信データをプリントするための露光光であってもよい。
このように形成された静電潜像には、現像スリーブ73−1を介して現像手段73から供給されるトナーが付着しトナー像を形成する。なお、現像手段73は、例えば、トナーを収容するトナー容器と、トナー容器の開口部に回転自在に設けられている現像スリーブ73−1とを有してもよい。
電子写真感光体71の表面に形成されたトナー像は、電子写真感光体71と転写手段74との間に電子写真感光体71の回転に同期して供給された転写材77の表面に、転写手段74が具備する電圧印加手段が印加する電圧により、順次転写される。
あるいは、中間転写手段(図示せず)を有する画像形成装置では、電子写真感光体71の表面に形成されたトナー像は、電子写真感光体71から中間転写手段の表面に中間転写手段が具備する電圧印加手段が印加する電圧により、各色順次転写される。中間転写手段に転写されたトナー像は、引き続き、二次転写手段(図示せず)との間に電子写真感光体71の回転に同期して供給された転写材77の表面に、転写手段74の具備する電圧印加手段が印加する電圧により、順次転写される。
これらの転写手段が具備する電圧印加手段は、公知の電圧印加手段を用いることが出来、例えば、コロナ帯電器、ローラー帯電器が用いられる。
トナー像が転写された転写材77は、転写材77の未定着状態のトナー像を定着する像定着手段78に導入され像定着を受けた後、画像形成物(コピー)として機外へ出力される。なお、像定着手段78は、転写材77に存在する未定着トナーを転写材77に定着させ得る手段であれば特に制限されない。例えば、像定着手段78は、転写材77を加熱するためのヒータを内蔵する定着ローラと、定着ローラに向けて転写材77を押圧するための加圧ローラとを有してもよい。
一方、トナー像を転写した後の電子写真感光体71は、電子写真感光体71の表面に当接するクリーニングブレードを有するクリーニング手段75により、電子写真感光体71の表面に残存するトナー(残トナー)の除去を受け、清浄面化される。その後、電子写真感光体71の表面は、更に前露光手段76により除電処理されて繰り返して像形成に使用される。
本発明による画像形成装置は、上述の本発明による電子写真感光体、及び上述の各手段以外の他の手段をさらに有してもよい。この他の手段としては、転写後又はクリーニング後の電子写真感光体の静電履歴を消去するための光を照射する前露光手段等の、電子写真の形成に関する種々の公知の手段が挙げられる。
(本発明によるプロセスカートリッジ)
また、本発明による電子写真感光体は、現像手段、クリーニング手段等の構成要素のうち、1又は複数の手段を装置ユニットとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成してなるプロセスカートリッジとして利用されてもよい。図8は、本発明によるプロセスカートリッジの一例の構成を示す概略図である。本発明によるプロセスカートリッジは、筐体89中に、上述の電子写真感光体81と、帯電手段83と、現像手段85と、クリーニング手段87とを一体化して支持してなる。筐体89は、電子写真感光体81、帯電手段83、現像手段85、及びクリーニング手段87のそれぞれが画像形成に適した相対的な位置関係に配置されるように支持する。筐体89には、像露光84及び前露出手段(図示せず)からの光を筐体89の外から中へ通すための開口部が設けられてもよい。
また、本発明によるプロセスカートリッジは、画像形成装置に着脱可能なように画像形成装置に案内するガイドレール810等の案内手段が設けられてもよい。この案内手段は、転写手段86の転写位置や、前露出手段(図示せず)からの光及び像露光84の入射位置等に応じた画像形成位置に筐体89内の電子写真感光体81が配置されるように、筐体89を画像形成装置の本体に着脱自在に案内し、支持する。
上述の帯電手段83、現像手段85、及びクリーニング手段87は、公知の手段を用いることができ、例えば、上述の本発明による画像形成装置のものと同等の機能を有するものであってもよい。また、クリーニング手段は、クリーニングブレードと、クリーニングブレードを電子写真感光体に向けて支持するとともにクリーニングブレードが電子写真感光体の表面から除去した付着物を収容する廃トナー容器とを有するクリーニング手段であることが好ましい。また、上述の他の手段には、現像手段によって電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を転写材に転写するための転写手段等のさらなる手段が含まれていてもよい。さらに、本発明によるプロセスカートリッジは、上述の他に、電子写真の形成に関する他の手段のうちの一つ以上とを有し、電子写真の形成における少なくとも1つ以上の工程を実施する装置であってもよい。特に、本発明によるプロセスカートリッジにおいて、このプロセスカートリッジに含まれる電子写真感光体は、帯電手段83と、露光手段と、現像手段85と、転写手段86とからなる画像形成部に備えられてもよい。
本発明による電子写真感光体は、電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター、レーザー製版等の電子写真応用分野にも広く用いることができる。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
(実施例1)
<電子写真感光体の製造>
支持体として長さ370mm、外径84mmのアルミニウムシリンダ、及び長さ370mm、外径30mmのアルミニウムシリンダ(JIS A3003で規定されるアルミニウムの合金)の2種類を、切削加工により作製した。これらのシリンダを洗剤(商品名:ケミコールCT、常盤化学(株)製)を含む純水中で超音波洗浄を行い、続いて洗剤を洗い流す工程を経た後、更に純水中で超音波洗浄を行って脱脂処理した。これらのシリンダのそれぞれに、以下に記す処理を行い、感光体の作成を行った。
まず、下記の成分と、2−メトキシ−1−プロパノール50部及びメタノール50部とからなるスラリーを、約20時間ボールミルで分散させて分散液を得た。
酸化スズの被覆層を有する硫酸バリウム粒子からなる粉体 60部
(商品名:パストランPC1、三井金属鉱業(株)製)
酸化チタン 15部
(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製)
レゾール型フェノール樹脂 43部
(商品名:フェノライト J−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70%)
シリコーンオイル 0.015部
(商品名:SH28PA、東レシリコーン(株)製)
シリコーン樹脂 3.6部
(商品名:トスパール120、東芝シリコーン(株)製)
この分散液に含有される粉体の平均粒径は、0.25μmであった。このようにして調製した分散液を、上述のアルミニウムシリンダ上に浸漬法によって塗布し、これを140℃に調整した熱風乾燥機中で60分間加熱硬化し、分散液の塗布膜を硬化させることにより、層厚15μmの導電層を形成させた。
次に、下記成分を有するメタノール400部及びブタノール200部の混合液に溶解した溶液を、上述の導電層の上に浸漬塗布した。
共重合ナイロン樹脂 10部
(商品名:アミラン(登録商標)CM8000、東レ(株)製)
メトキシメチル化6ナイロン樹脂 30部
(商品名:トレジンEF−30T、ナガセケムテックス(株)製)
これを、100℃に調整した熱風乾燥機中で30分間加熱乾燥して、溶液の塗布膜を硬化させることにより、層厚み0.45μmの中間層を形成した。
次に、下記成分からなる混合液を、直径1mmガラスビーズを用いてサンドミルで4時間分散させた後、得た分散液に酢酸エチル700部を加えて電荷発生層用塗工液を調製した。
CuKα特性X線回折スペクトルにおけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°及び28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料 20部
下記構造式(1)のカリックスアレーン化合物 0.2部
ポリビニルブチラール樹脂 10部
(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)
シクロヘキサノン 800部
この塗工液を、上述の中間層上に浸漬塗布し、これを80℃に調整した熱風乾燥機中で15分間加熱乾燥して、塗工液の塗布膜を硬化させることにより、層厚0.170μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記成分を、モノクロロベンゼン600部及びジメトキシメタン200部の混合液に溶解して電荷輸送層用塗工液を調製した。
下記構造式(2)で示されるトリアリールアミン系化合物 70部
ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂 100部
(商品名:ユーピロン(登録商標)Z400、三菱エンジニアリングプラスティックス(株)製)
この塗工液を、上記電荷発生層上に浸漬塗布し、これを100℃に調整した熱風乾燥機中で30分間加熱乾燥して、塗工液の塗布膜を硬化させることにより、層厚20μmの第一の電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を得た。
<モールド圧接形状転写による凹みの形成>
得た電子写真感光体に対して、図10に示した形状転写用のモールドであって開口部が正方形で1辺が10μm、深さ1.5μmの凹みが、等間隔10μmで並んでいるモールドを、図9に示す構成の装置に設置し、表面加工を行なった。加工時の電子写真感光体の表面の温度が120℃になるように、電子写真感光体およびモールドの温度を制御し、80kg/cmの圧力で加圧しながら、感光体を周方向に回転させ形状転写を行なった。
<形成した凹みの観察>
得た電子写真感光体のうち、外径30mmのアルミニウムシリンダを有する感光体を、表面形状を表面形状測定システム(Surface Explorer SX−520DR型機、株式会社菱化システム製)を使用して評価した。ドラムサンプルをワーク置き台に設置し、チルト調整を使って水平合わせを行い、ウェーブモードで電子写真感光体の表面の3次元形状データを取り込んだ。その際、対物レンズは20倍の倍率を用い、視野観察は616μm×810μmとした。
次に、取得したデータに対して、解析ソフトSX−Viewer中の「ベアリング」と称する解析プログラムを用いて、平均面より低い部分、平均面より高い部分で2値化した画像を表示させた。この画像から、凹凸形状の平均面より低い部分である凹部が連続しており、平均面より高い部分である凸部が凹部によって隔てられて孤立するように形成された凹凸形状であることが確認された。
さらに、下記の3つの値に関して、2値化画像からそれぞれに該当する部分を判別し、その部分を通過する断面曲線を選択して値を読み取った。また、1視野につき5箇所の値を読みとった。
(1)平均面の高さを「高さ0」としたときの凹部の底の深さ(Rdv)、各凸部の頂点の高さ(Rdp)
(2)凹部及び凸部を平均面に投影したときの、凹部の幅(Ldv)
(3)各凸部の最短軸の長さ(Ldp)min、及び最長軸の長さ(Ldp)max
以上の測定を、得た電子写真感光体の表面の任意の4視野について行い、その平均値からの最大振れ幅を算出した。
引き続き、測定値を用いて、下記の各値を算出した。
P=Ave.(Rdp)/Ave.(Ldp)min
Ave.(Rdp):平均面の高さを基準としたときの凸部の頂点の高さの平均値
Ave.(Ldp)min:凸部を平均面に投影したときの凸部の最短軸の長さの平均値
V=Ave.(Rdv)/Ave.(Ldv)
Ave.(Rdv):平均面の高さを基準としたときの前記の複数の凹部の深さ(Rdv)の平均値
Ave.(Ldv):凹部および凸部を凹凸形状の平均面に投影したときの複数の凹部のそれぞれの幅(Ldv)の平均値
結果を表2に示す。
作成した感光体は、所望の凹凸形状を有していた。
<感光体の評価1>
得た電子写真感光体のうち、外径30mmのアルミニウムシリンダを有する感光体を、電子写真複写機(商品名:iR4570、キヤノン(株)製)に装着し、画像出力を、以下のようにして行った。
環境 :温度23℃/相対湿度50%
出力紙 :A4、128g/m
画像パターン:ハーフトーン、2枚
転写設定 :定電流制御、10μA
得られた2枚目の出力画像上のメモリー画像を評価した。1枚目の紙後端部と2枚目の紙先端部からドラム1周分後の場所に、感光体の母線方向に沿って黒スジ画像が出現するかどうかを、目視で下記の評価基準に従って、確認した。黒スジが発生するときは、通常、ハーフトーン中で、メモリー部だけ濃い画像として見える。なお、母線方向長さは、全域であり、幅は、2mm程度である。結果を表3に示す。
評価基準
◎;なし
○;ほぼなし
△;ややあり
×;あり
<感光体の評価2>
得た電子写真感光体のうち、外径84mmのアルミニウムシリンダを有する感光体を、電子写真複写機(商品名:iRC6800、キヤノン(株)製)に、負帯電有機感光体(電子写真感光体)が装着できるように改造した装置に、装着した。
iRC6800(キヤノン(株)製)は、正規現像を採用している。正規現像では、背景部(非黒化部)に相当する部位で感光体に光を照射し、現像剤を付着させる領域は表面電位の減衰していない領域である。なお、このような露光法を、以下、BAEと称する。一方、反転現像では、記録画像領域(黒化部)に相当する部位で感光体に光を照射し、この感光体の表面電位の下がった部分に現像剤を付着させる。なお、このような露光法を、以下、IAEと称する。今回は、反転現像を実施するために、像露光をBAEからIAEに変更した。帯電プロセスには、コロナ帯電器を採用した。ローラー帯電器を採用しているiRC6800(キヤノン(株)製)を、コロナ帯電器が挿入できるように構成しなおした。
改造を行ったiRC6800を用いて、画像出力を、以下のようにして行った。
環境 :温度23℃/相対湿度50%
出力紙 :A3、80g/m
画像パターン:白ベタ画像の中央部に横帯を含む画像、2枚
(横帯;マゼンタ/シアンのベタ2次色)
(ドラム周方向の幅;40mm、母線方向;280mm)
転写設定 :定電流制御、35μA
得られた出力画像上のメモリー画像を評価した。帯画像の帯先端部と帯後端部から、ドラム1周分後の場所に、感光体の母線方向に沿って黒スジ画像が出現するかどうかを、目視で下記の評価基準に従って、確認した。黒スジが発生するときは、通常、白ベタ上にメモリー部が黒スジとして現れる。なお、母線方向長さは、280mmであり、幅は、250μm程度である。結果を表3に示す。
評価基準
◎;なし
○;ほぼなし
△;ややあり
×;あり
<感光体の評価3>
<感光体の評価2>の画像出力時、クリーニングユニットの下に表面電位計MODEL344(トレック・インコーポレーテッド製)を設置して、転写後の感光体表面電位を測定し、メモリーを電位差として捉えた。メモリーが発生した場合は、帯画像の帯先端部と帯後端部に該当する場所の電位がわずかに低下する。図11は、このメモリー電位の一例を示す。図11では、Δ30V程度の低下が見られる。実際には正極性、あるいは正極性に近い電位まで低下していると考えられるが、電位としてわずかにしか捉えられていない理由は、メモリーの幅が非常に狭く、表面電位計の位置分解能では十分に捉えられていないためであると思われる。測定計の分解能を考慮すると、この電位差は細かい絶対値の評価には適さない。よって、評価基準を、○;なし、△;20V未満、×;20V以上の3段階に設定して評価した。結果を表3に示す。
得られた出力画像には、メモリー画像はほぼ見られず、実用上問題ないレベルであった。ただし、電位差としては、わずかに現れた。
(実施例2)
<電子写真感光体の製造>
実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
<モールド圧接形状転写による凹みの形成>
得た電子写真感光体に対して、図10に示した形状転写用のモールドの形状であって開口部が正方形で1辺が20μm、深さ0.5μmの凹みが、等間隔5μmで並んでいる形状転写用モールドを、図9に示す構成の装置に設置し、表面加工を行なった。加工時の電子写真感光体表面の温度が120℃になるように、電子写真感光体およびモールドの温度を制御し、80kg/cmの圧力で加圧しながら、感光体を周方向に回転させ形状転写を行なった。
<形成した凹みの観察>
実施例1と同様に、得た電子写真感光体のうち、外径30mmのアルミニウムシリンダを有する感光体を、表面形状を表面形状測定システム(SurfaceExplorerSX−520DR型機、株式会社菱化システム製)を使用して評価した。結果を表1及び表2に示す。
作成した感光体は、所望の凹凸形状を有していた。
<感光体の評価>
実施例1の通り、感光体の評価1乃至3と同様の手法で、感光体を評価した。結果を表3に示す。
(実施例3)
<電子写真感光体の製造>
実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
<モールド圧接形状転写による凹みの形成>
得た電子写真感光体に対して、図10に示した形状転写用のモールドの形状であって開口部が正方形で1辺が20μm、深さ7.5μmの凹みが、等間隔5μmで並んでいる形状転写用モールドを、図9に示す構成の装置に設置し、表面加工を行なった。加工時の電子写真感光体の表面の温度が120℃になるように、電子写真感光体およびモールドの温度を制御し、80kg/cmの圧力で加圧しながら、感光体を周方向に回転させ形状転写を行なった。
<形成した凹みの観察>
実施例1と同様に、得た電子写真感光体のうち、外径30mmのアルミニウムシリンダを有する感光体を、表面形状を表面形状測定システム(SurfaceExplorerSX−520DR型機、株式会社菱化システム製)を使用して評価した。結果を表1及び表2に示す。
作成した感光体は、所望の凹凸形状を有していた。
<感光体の評価>
実施例1の感光体の評価1乃至3と同様の手法で、感光体を評価した。結果を表3に示す。
(実施例4)
<電子写真感光体の製造>
実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
<モールド圧接形状転写による凹みの形成>
得た電子写真感光体に対して、図10に示した形状転写用のモールドの形状であって開口部が正方形で1辺が12.5μm、深さ2.0μmの凹みが、等間隔7.5μmで並んでいる形状転写用のモールドを、図9に示す構成の装置に設置し、表面加工を行なった。加工時の電子写真感光体の表面の温度が120℃になるように、電子写真感光体およびモールドの温度を制御し、80kg/cmの圧力で加圧しながら、感光体を周方向に回転させ形状転写を行なった。
<形成した凹みの観察>
実施例1と同様に、得た電子写真感光体のうち、外径30mmのアルミニウムシリンダを有する感光体を、表面形状を表面形状測定システム(SurfaceExplorerSX−520DR型機、株式会社菱化システム製)を使用して評価した。結果を表1及び表2に示す。
作成した感光体は、所望の凹凸形状を有していた。
<感光体の評価>
実施例1の感光体の評価1乃至3と同様の手法で、感光体を評価した。結果を表3に示す。
(実施例5)
<電子写真感光体の製造>
実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
<モールド圧接形状転写による凹みの形成>
得た電子写真感光体に対して、図10に示した形状転写用のモールドの形状であって開口部が正方形で1辺が25μm、深さ2.0μmの凹みが、等間隔5μmで並んでいる形状転写用のモールドを、図9に示す構成の装置に設置し、表面加工を行なった。加工時の電子写真感光体の表面の温度が120℃になるように、電子写真感光体およびモールドの温度を制御し、80kg/cmの圧力で加圧しながら、感光体を周方向に回転させ形状転写を行なった。
<形成した凹みの観察>
実施例1と同様に、得た電子写真感光体のうち、外径30mmのアルミニウムシリンダを有する感光体を、表面形状を表面形状測定システム(SurfaceExplorerSX−520DR型機、株式会社菱化システム製)を使用して評価した。結果を表1及び表2に示す。
作成した感光体は、所望の凹凸形状を有していた。
<感光体の評価>
実施例1の感光体の評価1乃至3と同様の手法で、感光体を評価した。結果を表3に示す。
(実施例6)
<電子写真感光体の製造>
実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
<モールド圧接形状転写による凹みの形成>
得た電子写真感光体に対して、図10に示した形状転写用のモールドの形状であって開口部が正方形で1辺が22.5μm、深さ1.0μmの凹みが、等間隔7.5μmで並んでいる形状転写用のモールドを、図9に示す構成の装置に設置し、表面加工を行なった。加工時の電子写真感光体の表面の温度が120℃になるように、電子写真感光体およびモールドの温度を制御し、80kg/cmの圧力で加圧しながら、感光体を周方向に回転させ形状転写を行なった。
<形成した凹みの観察>
実施例1と同様に、得た電子写真感光体のうち、外径30mmのアルミニウムシリンダを有する感光体を、表面形状を表面形状測定システム(SurfaceExplorerSX−520DR型機、株式会社菱化システム製)を使用して評価した。結果を表1及び表2に示す。
作成した感光体は、所望の凹凸形状を有していた。
<感光体の評価>
実施例1の感光体の評価1乃至3と同様の手法で、感光体を評価した。結果を表3に示す。
(実施例7)
<電子写真感光体の製造>
実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
<モールド圧接形状転写による凹みの形成>
得た電子写真感光体に対して、図10に示した形状転写用のモールドの形状であって開口部が正方形で1辺が10μm、深さ2.5μmの凹みが、等間隔5μmで並んでいる形状転写用のモールドを、図9に示す構成の装置に設置し、表面加工を行なった。加工時の電子写真感光体の表面の温度が120℃になるように、電子写真感光体およびモールドの温度を制御し、80kg/cmの圧力で加圧しながら、感光体を周方向に回転させ形状転写を行なった。
<形成した凹みの観察>
実施例1と同様に、得た電子写真感光体のうち、外径30mmのアルミニウムシリンダを有する感光体を、表面形状を表面形状測定システム(SurfaceExplorerSX−520DR型機、株式会社菱化システム製)を使用して評価した。結果を表1及び表2に示す。
作成した感光体は、所望の凹凸形状を有していた。
<感光体の評価>
実施例1の感光体の評価1乃至3と同様の手法で、感光体を評価した。結果を表3に示す。
(実施例8)
<電子写真感光体の製造>
実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
<モールド圧接形状転写による凹みの形成>
得た電子写真感光体に対して、図10に示した形状転写用のモールドの形状であって開口部が正方形で1辺が20μm、深さ2.0μmの凹みが、等間隔5.0μmで並んでいる形状転写用のモールドを、図9に示す構成の装置に設置し、表面加工を行なった。加工時の電子写真感光体の表面の温度が120℃になるように、電子写真感光体およびモールドの温度を制御し、80kg/cmの圧力で加圧しながら、感光体を周方向に回転させ形状転写を行なった。
<形成した凹みの観察>
実施例1と同様に、得た電子写真感光体のうち、外径30mmのアルミニウムシリンダを有する感光体を、表面形状を表面形状測定システム(SurfaceExplorerSX−520DR型機、株式会社菱化システム製)を使用して評価した。結果を表1及び表2に示す。
作成した感光体は、所望の凹凸形状を有していた。
<感光体の評価>
実施例1の感光体の評価1乃至3と同様の手法で、感光体を評価した。結果を表3に示す。
(実施例9)
<電子写真感光体の製造>
実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
<モールド圧接形状転写による凹みの形成>
得た電子写真感光体に対して、図10に示した形状転写用のモールドの形状であって開口部が正方形で1辺が27.5μm、深さ4.0μmの凹みが、等間隔2.5μmで並んでいる形状転写用のモールドを、図9に示す構成の装置に設置し、表面加工を行った。加工時の電子写真感光体の表面の温度が120℃になるように、電子写真感光体およびモールドの温度を制御し、80kg/cmの圧力で加圧しながら、感光体を周方向に回転させ形状転写を行なった。
<形成した凹みの観察>
実施例1と同様に、得た電子写真感光体のうち、外径30mmのアルミニウムシリンダを有する感光体を、表面形状を表面形状測定システム(SurfaceExplorerSX−520DR型機、株式会社菱化システム製)を使用して評価した。結果を表1及び表2に示す。
作成した感光体は、所望の凹凸形状を有していた。
<感光体の評価>
実施例1の感光体の評価1乃至3と同様の手法で、感光体を評価した。結果を表3に示す。
(比較例1)
<電子写真感光体の製造>
実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
<研磨シートによる粗面化>
得られた2本の感光体について、研磨シートを用いて粗面化を行った。
図12は、研磨シートによる粗面化機構をもつ粗面化手段の一例を示す概略図である。研磨シート121は、研磨砥粒が結着樹脂に分散されたものが基材に塗布されたシートである。研磨シート121は、空洞の軸12aに巻かれており、軸12aにシートが送られる方向と逆方向に、研磨シート121に張力が与えられるように、図示しないモータが配置されている。研磨シート121は、矢印方向に送られ、ガイドローラ122(1)、及び122(2)を介してバックアップローラ123を通る。研磨後のシートは、ガイドローラ122(3)、及び122(4)を介して図示しないモータにより巻き取り手段125に巻き取られる。研磨は、基本的に未処理の研磨シートが電子写真感光体の表面に常時圧接され、電子写真感光体の表面を粗面化することで行われる。
この装置を用いて、以下に示す条件で電子写真感光体の表面の粗面化を行った。
研磨シート:品名C−2000(富士写真フィルム(株)製)
研磨砥粒:SiC(平均粒径:9μm)
基材:ポリエステルフィルム(厚さ:75μm)
研磨シート送りスピード:200mm/秒
電子写真感光体回転数:25rpm
押し当て圧:3N/m
シートおよび電子写真感光体の回転方向:同方向
処理時間:150秒
<形成した凹みの観察>
実施例1と同様に、得た電子写真感光体のうち、外径30mmのアルミニウムシリンダを有する感光体を、表面形状を表面形状測定システム(SurfaceExplorerSX−520DR型機、株式会社菱化システム製)を使用して評価した。
作成した感光体の表面形状は、本願の要件である、凹部が連続しており、凸部が凹部によって隔てられて孤立するように形成された凹凸形状であることを満足しなかった。結果を表4及び表5に示す。なお、凸部の長軸径、短軸径は、定義から外れるため、数値を記載していない。
<感光体の評価>
実施例1の感光体の評価1乃至3と同様の手法で、感光体を評価した。結果を表6に示す。
(比較例2)
<電子写真感光体の製造>
実施例1で用いた支持体の代わりに、アルミニウムシート巻きシリンダを用いて感光体を作成した。実施例1で用いた2種類のアルミニウムシリンダのうち、外径84mmのシリンダには、360mm×260mmの、外径30mmのシリンダには、360mm×94mmのアルミニウムシートをそれぞれのシリンダの外周面に巻きつけた。これをマイラーテープで貼り付けた。このようにして作成したアルミニウムシート巻きシリンダを支持体として、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
<研磨シートによる粗面化>
まず、得られた感光体に比較例1の研磨シートによる粗面化と同様の手法で研磨を行った。引き続き、アルミニウムシリンダから感光層の付いたアルミニウムシートを剥がしとった。このシートを、支持体の母線方向に沿ったシートの端部が支持体の円周方向に沿うように、90°回転させて再びシリンダに巻きつけた。これに、再び研磨シートによる粗面化を施した。すなわち、90°異なる方向から2度、研磨シートによる粗面化を行った。
<形成した凹みの観察>
実施例1と同様に、得た電子写真感光体のうち、外径30mmの感光体を、表面形状を表面形状測定システム(SurfaceExplorerSX−520DR型機、株式会社菱化システム製)を使用して評価した。
作成した感光体の表面形状は、本願の要件である、凹部が連続しており、凸部が凹部によって隔てられて孤立するように形成された凹凸形状ではあったが、均一性は満たされていなかった。結果を表4及び表5に示す。
<感光体の評価>
実施例1の感光体の評価1乃至3と同様の手法で、感光体を評価した。結果を表6に示す。
(比較例3)
<電子写真感光体の製造>
実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
<ブラスト法による粗面化>
次に、得られた電子写真感光体の表面の粗面化処理を行った。図13に示す乾式ブラスト装置(不二精機製造所製)を用いて、下記条件にてブラスト処理を行った。
研磨材砥粒:球状ガラスビーズ(平均粒径:30μm、商品名:UB−13LS、株式会社ユニオン製)
エア吹き付け圧力:3.5kgf/cm
ブラストガン移動速度:430 mm/分
ワーク(電子写真感光体)回転速度:288rpm
ブラストガン吐出口と電子写真感光体の距離:100mm
砥粒吐出角度:90°
砥粒供給量:200 g/分
ブラスト回数:片道×2回(電子写真感光体の表面に残存付着した研磨材を圧縮エアーを吹き付けることによって除去した)
<形成した凹みの観察>
実施例1と同様に、得た電子写真感光体のうち、外径30mmのアルミニウムシリンダを有する感光体を、表面形状を表面形状測定システム(SurfaceExplorerSX−520DR型機、株式会社菱化システム製)を使用して評価した。結果を表4及び表5に示す。
作成した感光体の表面形状は、凹部も凸部も連続しており、本願の要件を満たしていない表面形状を有していた。
<感光体の評価>
実施例1の感光体の評価1乃至3と同様の手法で、感光体を評価した。結果を表6に示す。
(比較例4)
<電子写真感光体の製造>
実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
<モールド圧接形状転写による凹みの形成>
得た電子写真感光体に対して、図10に示した形状転写用のモールドの形状であって開口部が正方形で1辺が10μm、深さ1.5μmの凹みが、等間隔10μmで並んでいる形状転写用モールドを、図9に示す構成の装置に設置し、表面加工を行なった。加工時の電子写真感光体の表面の温度が175℃になるように電子写真感光体およびモールドの温度を制御し、80kg/cmの圧力で加圧しながら、感光体を周方向に回転させ形状転写を行なった。
<形成した凹みの観察>
実施例1と同様に、得た電子写真感光体のうち、外径30mmのアルミニウムシリンダを有する感光体を、表面形状を表面形状測定システム(SurfaceExplorerSX−520DR型機、株式会社菱化システム製)を使用して評価した。結果を表4及び表5に示す。
作成した感光体の表面形状は、所望の均一性を満足しない凹凸形状であった。
<感光体の評価>
実施例1の感光体の評価1乃至3と同様の手法で、感光体を評価した。結果を表6に示す。
(比較例5)
<電子写真感光体の製造>
実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
<モールド圧接形状転写による凹みの形成>
得た電子写真感光体に対して、図10に示した形状転写用のモールドの形状であって開口部が正方形で1辺が10μm、深さ1.5μmの凹みが、等間隔10μmで並んでいる形状転写用モールドを、図9に示す構成の装置に設置し、表面加工を行なった。加工時の電子写真感光体の表面の温度が120℃になるように、電子写真感光体の温度のみを制御し、80kg/cmの圧力で加圧しながら、感光体を周方向に回転させ形状転写を行なった。
<形成した凹みの観察>
実施例1と同様に、得た電子写真感光体のうち、外径30mmのアルミニウムシリンダを有する感光体を、表面形状を表面形状測定システム(SurfaceExplorerSX−520DR型機、株式会社菱化システム製)を使用して評価した。結果を表4及び表5に示す。
作成した感光体の表面形状は、所望の均一性を満足しない凹凸形状であった。
<感光体の評価>
実施例1の感光体の評価1乃至3と同様の手法で、感光体を評価した。結果を表6に示す。
なお、表1中、各実施例の上段の数値は、観察した視野におけるそれぞれの値の平均値(単位はμm)を示し、各実施例の下段の百分率は、この平均値を100%としたときの、それぞれの値の割合の百分率を示す。
なお、表4中、各比較例の上段の数値は、観察した視野におけるそれぞれの値の平均値(単位はμm)を示し、各比較例の下段の百分率は、この平均値を100%としたときの、それぞれの値の割合の百分率を示す。
本発明による電子写真感光体の表面層における凹凸形状の一例を示した概略図である。 本発明による電子写真感光体の表面層における凹凸形状の一例を示した概略図である。 本発明における平均面を説明する図である。 モールドによる圧接形状転写加工装置の一例を示す概略図である。 モールドによる圧接形状転写加工装置の一例を示す概略図である。 モールド形状の一例を示す概略図である。 本発明による画像形成装置の一例の構成を示す概略図である。 本発明によるプロセスカートリッジの一例の構成を示す概略図である。 実施例で用いたモールド圧接形状転写装置の概略図であって、(a)は、装置の前面からみた図を示し、(b)は、装置の横面からみた図を示す。 実施例で用いた形状転写用のモールドの概略図である。 メモリー電位の一例である。 研磨シートによる粗面化機構をもつ粗面化手段の一例を示す概略図である。 乾式ブラスト装置の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 凸部
2 凹部
41 加圧装置
42 モールド
43 感光体
51 加圧装置
52 モールド
53 感光体
71 電子写真感光体
71a 軸
72 帯電手段
73 現像手段
73−1 現像スリーブ
74 転写手段
75 クリーニング手段
76 前露光手段
77 転写材
78 定着手段
7L 像露光
81 電子写真感光体
82 回転軸
83 帯電手段
84 像露光
85 現像手段
86 転写手段
87 クリーニング手段
88 定着手段
89 筐体
810 ガイドレール
8P 転写材
91 加圧部材
92 加圧ローラ支持手段
93 モールド
94 加圧手段
95 感光体支持手段
96 圧力調整用バックアップロール
121 研磨シート
12a 軸
122 ガイドローラ
123 バックアップローラ
124 感光体
125 巻き取り手段
131 ノズル
132 ノズル固定冶具
133 突出エア供給管
134 ブラスト砥粒供給管
135 吐出管
136 ブラスト砥粒
137 ワーク固定冶具
138 ワーク(電子写真感光体)
139 ノズル支持体
1310 ノズル固定アーム

Claims (6)

  1. 支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、
    当該電子写真感光体の表面層は、微細な凹凸形状を有し、
    該凹凸形状は、該凹凸形状の平均面よりも該支持体側に連続して形成された複数の凹部と、該凹凸形状の平均面よりも該支持体から離れる側に形成された複数の凸部とからなり、
    該平均面の高さを基準としたときの該複数の凹部のそれぞれの深さ(Rdv)、及び該平均面の高さを基準としたときの該複数の凸部のそれぞれの高さ(Rdp)は、該凹部の深さの平均値及び該凸部の高さの平均値の20%以内であり、
    該凹部および該凸部を該平均面に投影したとき、該複数の凹部のそれぞれの幅(Ldv)は、該複数の凹部の幅の平均値の30%以内であり、
    該凸部を該平均面に投影したときの、該複数の凸部のそれぞれの最長軸の長さ(Ldp)max及び最短軸の長さ(Ldp)minは、該最長軸の長さ及び該最短軸の長さの平均値の30%以内であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記平均面の高さを基準としたときの前記の複数の凸部の頂点の高さの平均値であるAve.(Rdp)と、前記の最短軸の長さ(Ldp)minの平均値であるAve.(Ldp)minとの比率であるP=Ave.(Rdp)/Ave.(Ldp)minは、0.1未満である、請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記平均面の高さを基準としたときの前記の複数の凹部の深さ(Rdv)の平均値であるAve.(Rdv)と、前記の凹部の幅(Ldv)の平均値であるAve.(Ldv)との比であるV=Ave.(Rdv)/Ave.(Ldv)は、0.1より大きい、請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記の凹部の底の深さ(Rdv)は、0.5μm以上3.0μm以下である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  5. 帯電手段、露光手段、静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像手段、および、転写手段からなる画像形成部を有する画像形成装置において、画像形成部に、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電子写真感光体を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  6. 帯電手段、露光手段、静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像手段、および、転写手段からなる画像形成部を有する画像形成装置において、画像形成部に請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電子写真感光体を備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
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