JP2018087874A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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【課題】高温高湿環境下での低印字モード出力により生じるスジ状の画像欠陥を低減し、クリーニングブレードへの負荷を抑制する電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供する。【解決手段】円筒状の支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該電子写真感光体の表面に該電子写真感光体の周方向に連続した凸部と凹部を該電子写真感光体の軸方向に対して交互に有する電子写真感光体であって、該凸部は軸方向に振幅を有する波形状であって、該凸部と交わる周方向の直線を設定した時、該直線と、凸部と凹部が交互に交わり、該凹部の深さが0.5μm以上5μm以下であることを特徴とする電子写真感光体。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
電子写真感光体の表面には、帯電やクリーニングなどの電気的外力や機械的外力が加えられるため、これらの外力に対する耐久性(耐摩耗性など)が要求される。
この要求に対して、従来から、電子写真感光体の表面層に耐摩耗性の高い樹脂(硬化性樹脂など)を用いるなどの技術が用いられている。
一方、電子写真感光体の表面の耐摩耗性を高めることによって生じる課題として、クリーニング性能の低下が挙げられる。
クリーニング性能を改善する技術としては、例えば、特許文献1および2が挙げられる。
特許文献1には、像担持体の表面に複数列の溝部が周方向に渡ってつなげられるように形成されている像担持体が開示されている。
特許文献2には、電子写真感光体の表面に特定の溝形状を有する電子写真感光体が開示されている。
特開2011−100146号公報 国際公開第2011/067853号公報
特許文献1および2に開示された技術では、画像ざらつき抑制に対する改善効果や、クリーニング性能の改善効果は見られる。
しかしながら、特許文献1および2に開示された技術では、高温高湿環境下において低印字モードで印刷した後に出力した濃度30%程度のハーフトーン画像上にスジ状の画像欠陥(以下、H/H初期スジとも呼ぶ)が生じるという点で、さらなる改善の余地が残っている。また、特許文献1および2に開示された技術では、クリーニングブレードへの負荷抑制という点でさらなる改善の余地が残っている。
本発明の目的は、高温高湿環境下での低印字モード出力により生じるスジ状の画像欠陥の低減、およびクリーニングブレードへの負荷抑制、を実現する電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することである。
本発明による上記課題を解決するための手段は、円筒状の支持体上に感光層を有する電子写真感光体であって、該電子写真感光体の表面に該電子写真感光体の周方向に連続した凸部と凹部を該電子写真感光体の軸方向に対して交互に有する電子写真感光体であって、該凸部は軸方向に振幅を有する波形状であって、該凸部と交わる周方向の直線を設定した時、該直線と、凸部と凹部が交互に交わり、該凹部の深さが0.5μm以上5μm以下であることを特徴とする電子写真感光体を用いることである。
また、上記電子写真感光体と、該電子写真感光体に接触配置されたクリーニング部材を有するクリーニング手段と、を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジを用いることである。
また、上記電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、および該電子写真感光体に接触配置されたクリーニング部材を有するクリーニング手段を備えることを特徴とする電子写真装置を用いることである。
本発明によれば、高温高湿環境下での低印字モード出力により生じるスジ状の画像欠陥の低減、およびクリーニングブレードへの負荷抑制、を実現する電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することができる。
電子写真感光体の軸方向断面における基準面、凸部の幅、凹部の幅、凹部の深さdを示す図である。 電子写真感光体の軸方向に振幅を有する波形状の一部を模式的に示す図である。 電子写真感光体の軸方向断面における表面の凹凸形状の一部を模式的に示す図である。 電子写真感光体の表面に凹部を形成するための圧接形状転写加工装置の例を示す図である。 本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の例を示す図である。 電子写真感光体の製造例で用いたモールドNo.1を示す図である。((a)概略上面図、(b)B−B概略断面図、(c)C−C概略断面図) 電子写真感光体の製造例で用いたモールドNo.2を示す図である。((a)概略上面図、(b)B−B概略断面図、(c)C−C概略断面図) 電子写真感光体の製造例で用いたモールドNo.3を示す図である。((a)概略上面図、(b)B−B概略断面図、(c)C−C概略断面図) 電子写真感光体の製造例で用いたモールドNo.4を示す図である。((a)概略上面図、(b)B−B概略断面図、(c)C−C概略断面図) 電子写真感光体の表面の凹凸形状の一部を模式的に示す図である。((a)概略上面図、(b)B−B概略断面図(c)C−C概略断面図)
特許文献1および特許文献2に対する本発明の特徴は、円筒状の電子写真感光体の表面に、周方向に沿った溝が複数形成されており、複数の溝が並んでいることによって軸方向に連続した凹凸形状が形成されており、凸部は軸方向に振幅を有する波形状であり、凸部と交わる周方向の直線を設定した時、該直線と、凸部と凹部が交互に交わる形状となる点である。
本発明者らの検討の結果、電子写真感光体の表面に、上述の溝により形成される軸方向に連続した凹凸形状を配置することによって、高温高湿環境下でのスジ状の画像欠陥を低減し、クリーニングブレード(クリーニング部材)の負荷を抑制することがわかった。
電子写真感光体の表面における溝部(凹部)の深さが一定範囲内にあるとき、クリーニングブレードは凹部に追従するが、凹部への当接圧は下がる。その結果、平均的な摩擦係数が低減することでクリーニングブレードの長手方向の大きなねじれや振動(ビビり)が抑制される。一方で凸部は凹部に対して当接圧が高い状態をとりやすい。電子写真感光体の表面に、凸部が軸方向に振幅を有する波形状となる溝を配置することで、クリーニング時に凸部とクリーニングブレードの接点が軸方向に対して特定の位置に固定されずに軸方向に一定の振幅で移動する。そのため軸方向における特定の凸部におけるクリーニングブレードの当接圧が常に高い状態で保たれることが抑制される。その結果、凸部におけるクリーニングブレードの変形やそれに伴うクリーニングブレード振動が抑制され、ミクロな領域のクリーニングブレードの挙動がさらに均一化される。これにより、クリーニングブレードと電子写真感光体の摺擦状態の均一化が飛躍的に向上することで、電子写真感光体上への付着物や摺擦の不均一により生じるメモリーが抑制され、H/H初期スジの抑制効果が発現しているものと発明者らは考えている。
また、電子写真感光体の表面に、凸部が軸方向に振幅を有する波形状となる溝を配置することで、凸部がクリーニングブレードの軸方向に対して及ぼす負荷も振幅を持って変化する。そのため、凸部によるクリーニングブレードの軸方向の特定の部位に対する負荷が常に高い状態で保たれることが抑制される。その結果、凸部におけるクリーニングブレード当接部の軸方向に対する負荷が平準化され、クリーニングブレードの欠けや抉れが抑制されると本発明者らは考えている。
電子写真感光体の表面の凹凸形状は、例えば、レーザー顕微鏡、光学顕微鏡、電子顕微鏡、原子間力顕微鏡などの顕微鏡を用いて観察することができる。
レーザー顕微鏡としては、例えば、以下の機器が利用可能である。
(株)キーエンス製の超深度形状測定顕微鏡VK−8550、超深度形状測定顕微鏡VK−9000、超深度形状測定顕微鏡VK−9500、VK−X200,VK−X100
オリンパス(株)製の走査型共焦点レーザー顕微鏡OLS3000
レーザーテック(株)製のリアルカラーコンフォーカル顕微鏡オプリテクスC130
光学顕微鏡としては、例えば、以下の機器が利用可能である。
(株)キーエンス製のデジタルマイクロスコープVHX−500、デジタルマイクロスコープVHX−200
オムロン(株)製の3DデジタルマイクロスコープVC−7700
電子顕微鏡としては、例えば、以下の機器が利用可能である。
(株)キーエンス製の3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−9800、3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−8800
(株)日立ハイテクサイエンス(旧:エスアイアイ・ナノテクノロジー(株))製の走査型電子顕微鏡コンベンショナル/Variable Pressure SEM
(株)島津製作所製の走査型電子顕微鏡SUPERSCAN SS−550
原子間力顕微鏡としては、例えば、以下の機器が利用可能である。
(株)キーエンス製のナノスケールハイブリッド顕微鏡VN−8000
(株)日立ハイテクサイエンス製の走査型プローブ顕微鏡NanoNaviステーション
(株)島津製作所製の走査型プローブ顕微鏡SPM−9600
以下に本発明における軸方向に連続した凹凸形状について詳細に説明する。
上記顕微鏡を用いて、所定の倍率により、測定視野内の形状を計測することができる。具体的には、視野内の凹凸形状における凹部の幅w1、凸部の幅w2、および凸部の頂点から凹部の底点までの深さdとが測定できる。
以下に本発明における凹凸形状について詳細に説明する。
ここで、凹部の幅w1、凸部の幅w2、および凸部の頂点から底点までの深さdの測定方法について説明する。まず、上記顕微鏡を用いて電子写真感光体の表面を観察する。機器で観察した結果、3次元の画像データ(A)が得られ、その画像データを保存する。円筒状の電子写真感光体であれば、その後、保存した画像データを曲率補正して、平面上に凹凸形状が形成されたデータと同等な3次元データ(B)を取得する。そのデータ(B)の断面を切り出した波形の模式図を図1に示す。なお、この切り出した断面は、電子写真感光体における軸方向に対して平行な面(軸方向断面)に相当する。したがって、図1に示す波形は、円筒状の電子写真感光体の軸方向断面における輪郭形状プロファイル(の一部)である。
図1の実線101は、電子写真感光体の表面に形成した凹凸形状を断面から切りだした形状である。基準面102は、凹凸形状の隣り合う頂点同士を繋ぐことで得られる。凹凸形状の隣り合う凸部同士を繋ぐ直線の長さ103を、凹部の幅w1と判定した。また、凹凸形状の隣り合う凹部同士を繋ぐ直線の長さ105を、凸部の幅w2と判定した。さらに、基準面102と面104の距離106を凹部の深さdと判定した。なお、頂点とは1つの凸部において最も高い点であり、底点とは1つの凹部において最も低い点である。
本発明において凹部の深さdは0.5μm以上5μm以下であることが、H/H初期スジ低減及びクリーニングブレード欠け低減の点から好ましい。凹部の深さが0.5μm以上5μm以下の範囲にあると、クリーニングブレードの凹部への当接圧が下がり、平均的な摩擦係数が低減することで、H/H初期スジ低減効果、及びクリーニングブレード欠け低減効果が発現しているものと発明者らは考えている。また、凹部の幅w1は、20μm以上100μm以下であることがH/H初期スジ低減の点から好ましい。凹部の幅w1が20μm以上100μm以下の範囲にあると、クリーニングブレードの凹部への追従を維持しつつ、凹部への当接圧が下がった状態を維持するため、クリーニングブレードの当接状態が安定し、H/H初期スジ低減効果が発現しているものと発明者らは考えている。
本発明の凹凸形状の凸部は軸方向に振幅を有する波形状である。例えば、図2(A)〜(C)に示すような形状が挙げられる。
電子写真感光体の凸部と交わる周方向の直線を設定した時、本発明の凹凸形状の凸部の輪郭線との成す角は、45°以下であることがクリーニングブレード欠け低減の点から好ましい。周方向の直線と凸部の輪郭線との成す角を45°以下にすることで、凸部とクリーニングブレードが接する際の負荷が抑えられ、クリーニングブレード欠け低減効果が発現しているものと発明者らは考えている。
本発明の凹凸形状の軸方向の断面の形状としては、例えば、図3(A)〜(D)に示すような形状が挙げられる。例えば図3(A)、(B)または(D)に示すような形状を有するときは、凹凸形状の隣り合う凸部の頂点同士を繋ぐ直線の長さを凹部の幅w1と判定する。
電子写真感光体の凸部と交わる周方向の直線を設定した時、本発明の凹凸形状の凸部の周方向距離は300μm以下であることが好ましい。
本発明の凹凸形状の凸部は軸方向に振幅を有する波形状である。電子写真感光体の凸部と交わる周方向の直線を設定した時、設定した周方向の直線と、凸部と凹部は感光体上面視において交互に交わる。
図10は、円筒状の電子写真感光体の上面図、軸方向断面図、周方向断面図、の一部を模式的に示す図である。図10において、電子写真感光体の凸部と交わる周方向の直線(C−C直線)を設定した時、凸部と交わる周方向距離は、C−C直線上のαである。
凸部と交わる周方向距離を300μm以下にすることで、凸部において当接圧が常に高い状態で保たれることが抑制され、その結果、凸部におけるクリーニングブレードと電子写真感光体の当接状態が安定化し、H/H初期スジ低減効果が発現しているものと発明者らは考えている。また、凸部と交わる周方向距離を300μm以下にすることで、凸部において当接圧が常に高い状態で保たれることが抑制され、クリーニングブレードに対する連続的な負荷が抑えられるため、クリーニングブレード欠け低減効果が発現しているものと発明者らは考えている。
電子写真感光体の表面に設けられる複数の凹凸形状は、全てが同一の形状、幅、深さであっても良いし、異なる形状、幅、深さのものが混在していてもよい。また、必要に応じて本発明の凹凸形状以外の凹凸形状を形成してもよい。
上記凹凸形状は、良好な性能を発揮するために、少なくともクリーニングブレードとの接触領域の全域に凹凸形状が形成されていることが好ましい。
前記クリーニングブレードとしては、ウレタン材質のものを使用することが好ましく、離型性や撥水性および硬度を高める目的でコーティングや表面処理を施されたものや、フィラー等が添加されたものの使用も可能である。
クリーニングブレードの電子写真感光体表面への当接は公知の手段により行うことができるが、線圧は18g/cmから250g/cm、当接角度は15度から45度の範囲で調整することが好ましい。
<電子写真感光体の表面に凹凸部を形成する方法>
電子写真感光体表面への凹凸部の形成の方法としては、形成するべき凹凸形状に対応した凹凸形状を有するモールドを電子写真感光体の表面に圧接し、形状転写を行うことにより、電子写真感光体の表面に凹凸形状を形成することができる。
図4に、電子写真感光体の表面に凹凸形状を形成するための圧接形状転写加工装置の例を示す。
図4に示す圧接形状転写加工装置によれば、被加工物である電子写真感光体41を回転させながら、その表面(周面)に連続的にモールド42を接触させ、加圧することにより、電子写真感光体41の表面に凹部や平坦部を形成することができる。
加圧部材43の材質としては、例えば、金属、金属酸化物、プラスチック、ガラスなどが挙げられる。これらの中でも、機械的強度、寸法精度、耐久性の観点から、ステンレス鋼(SUS)が好ましい。加圧部材43は、その上面にモールド42が設置される。また、加圧部材43は、下面側に設置される支持部材(不図示)および加圧システム(不図示)により、支持部材44に支持された電子写真感光体41の表面に、モールド42を所定の圧力で接触させることができる。また、支持部材44を加圧部材43に対して所定の圧力で押し付けてもよいし、支持部材44および加圧部材43を互いに押し付けてもよい。
図4に示す例は、加圧部材43を電子写真感光体41の軸方向と垂直な方向に移動させることにより、電子写真感光体41が従動または駆動回転しながら、その表面を連続的に加工する例である。さらに、加圧部材43を固定し、支持部材44を電子写真感光体41の軸方向と垂直な方向に移動させることにより、または、支持部材44および加圧部材43の両者を移動させることにより、電子写真感光体41の表面を連続的に加工することもできる。
なお、形状転写を効率的に行う観点から、モールド42や電子写真感光体41を加熱することが好ましい。
モールド42としては、例えば、微細な表面加工がされた金属や樹脂フィルム、シリコンウエハーなどの表面にレジストによりパターニングをしたもの、微粒子が分散された樹脂フィルム、および、微細な表面形状を有する樹脂フィルムに金属コーティングを施したものなどが挙げられる。
また、電子写真感光体41に押し付けられる圧力を均一にする観点から、モールド42と加圧部材43との間に弾性体(不図示)を設置することが好ましい。
<電子写真感光体の構成>
本発明の電子写真感光体は、支持体および支持体上に形成された感光層を有する。電子写真感光体の形状は円筒状である。
(感光層)
感光層は、電荷輸送物質と電荷発生物質を同一の層に含有する単層型感光層であってもよいし、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型(機能分離型)感光層であってもよい。電子写真特性の観点から、積層型感光層が好ましい。また、積層型感光層は、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した順層型感光層であってもよいし、支持体側から電荷輸送層、電荷発生層の順に積層した逆層型感光層であってもよい。電子写真特性の観点から、順層型感光層が好ましい。また、電荷発生層を積層構成としてもよいし、電荷輸送層を積層構成としてもよい。
(支持体)
支持体としては、導電性を示すもの(導電性支持体)であることが好ましい。支持体の材質としては、例えば、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、亜鉛、チタン、鉛、ニッケル、スズ、アンチモン、インジウム、クロム、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属(合金)が挙げられる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などを用いて真空蒸着によって形成した被膜を有する金属製支持体やプラスチック製支持体を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子などの導電性粒子をプラスチックや紙に含浸してなる支持体や、導電性結着樹脂製の支持体を用いることもできる。
支持体の表面は、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制を目的として、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理などが施されていてもよい。
支持体と、後述の下引き層または感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制や、支持体の傷の被覆などを目的として、導電層を設けてもよい。
(導電層)
支持体または下引き層と感光層との間には導電層を設けてもよい。導電層は、カーボンブラック、導電性顔料、抵抗調節顔料などを結着樹脂とともに分散処理することによって得られる導電層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。また、導電層用塗布液には、加熱、紫外線照射、放射線照射などにより硬化重合する化合物を添加してもよい。導電性顔料や抵抗調節顔料などを分散させてなる導電層は、その表面が粗面化される傾向にある。
導電層に用いられる結着樹脂としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンなどのビニル化合物の重合体や、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
導電性顔料および抵抗調節顔料としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀、ステンレスなどの金属(合金)の粒子や、これらをプラスチックの粒子の表面に蒸着したものなどが挙げられる。また、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズがドープされている酸化インジウム、アンチモンやタンタルがドープされている酸化スズなどの金属酸化物の粒子を用いることもできる。これらは、1種のみ用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて用いる場合は、混合するだけでもよいし、固溶体や融着の形にしてもよい。
導電層の膜厚は、0.2μm以上40μm以下であることが好ましく、1μm以上35μm以下であることがより好ましく、5μm以上30μm以下であることがより好ましい。
(下引き層(中間層))
支持体または導電層と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護などを目的として、バリア機能や接着機能を有する下引き層(中間層)を設けてもよい。
下引き層は、樹脂(結着樹脂)を溶剤に溶解させることによって得られる下引き層用塗布液を塗布し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
下引き層に用いられる樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、にかわ、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
下引き層には、金属酸化物粒子を含有させてもよい。下引き層に用いられる金属酸化物粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムが挙げられる。
金属酸化物粒子は、金属酸化物粒子の表面がシランカップリング剤などの表面処理剤で処理されている粒子であってもよい。
下引き層用塗布液中の金属酸化物粒子の分散方法としては、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ロールミル、振動ミル、アトライター、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
下引き層には、例えば、下引き層の表面粗さの調整、または下引き層のひび割れ軽減を目的として、有機樹脂粒子や、レベリング剤をさらに含有させてもよい。有機樹脂粒子としては、シリコーン粒子等の疎水性有機樹脂粒子や、架橋型ポリメタクリレート樹脂(PMMA)粒子等の親水性有機樹脂粒子を用いることができる。
下引き層の膜厚は、0.05μm以上40μm以下であることが好ましく、0.2μm以上35μm以下であることがより好ましい。
(感光層)
感光層に用いられる電荷発生物質としては、例えば、ピリリウム、チアピリリウム染料や、各種の中心金属および各種の結晶形(α、β、γ、ε、X型など)を有するフタロシアニン顔料や、アントアントロン顔料や、ジベンズピレンキノン顔料や、ピラントロン顔料や、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料や、インジゴ顔料や、キナクリドン顔料や、非対称キノシアニン顔料や、キノシアニン顔料などが挙げられる。これら電荷発生物質は、1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
感光層に用いられる電荷輸送物質としては、例えば、ピレン化合物、N−アルキルカルバゾール化合物、ヒドラゾン化合物、N,N−ジアルキルアニリン化合物、ジフェニルアミン化合物、トリフェニルアミン化合物、トリフェニルメタン化合物、ピラゾリン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物などが挙げられる。これら電荷輸送物質は、1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
感光層が積層型感光層である場合、電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤とともに分散処理することによって得られた電荷発生層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜としてもよい。
電荷発生物質と結着樹脂との質量比は、1:0.3以上1:4以下の範囲であることが好ましい。
分散処理方法としては、例えば、ホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルなどを用いる方法が挙げられる。
電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる電荷輸送層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。また、単独で成膜性を有する電荷輸送物質を用いる場合は、結着樹脂を用いずに電荷輸送層を形成することもできる。
電荷発生層および電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンなどのビニル化合物の重合体や、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。
電荷輸送層の膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、10μm以上35μm以下であることがより好ましい。
感光層が単層型感光層である場合、感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質および結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる感光層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。なお、単層型感光層に用いられる結着樹脂、電荷発生物質および電荷輸送物質は、電荷発生層や電荷輸送層に用いられるものと同じものを用いることができる。
また、電子写真感光体の耐久性の向上の観点から、電子写真感光体の表面層を架橋有機高分子で構成することが好ましい。
本発明においては、例えば、電荷発生層上の電荷輸送層を電子写真感光体の表面層として架橋有機高分子で構成することができる。また、電荷発生層上の電荷輸送層上に第二電荷輸送層または保護層として架橋有機高分子で構成された表面層を形成することができる。
また、架橋有機高分子で構成された表面層に要求される特性は、膜の強度と電荷輸送能力の両立であり、その観点から、電荷輸送物質または導電性粒子と、架橋重合性のモノマー/オリゴマーとを用いて表面層を形成することが好ましい。
電荷輸送物質としては、上述の電荷輸送物質を用いることができる。また、導電性粒子としては、公知の導電性粒子を用いることができる。架橋重合性のモノマー/オリゴマーとしては、例えば、アクリロイルオキシ基やスチリル基などの連鎖重合性官能基を有する化合物や、水酸基、アルコキシシリル基、イソシアネート基などの逐次重合性官能基を有する化合物などが挙げられる。
また、膜の強度と電荷輸送能力の両立の観点から、同一分子内に電荷輸送性構造(好ましくは正孔輸送性構造)およびアクリロイルオキシ基の両方を有する化合物を用いることがより好ましい。
架橋硬化させる方法としては、例えば、熱、紫外線、放射線を用いる方法が挙げられる。
架橋有機高分子で構成された表面層の膜厚は、0.1μm以上30μm以下であることが好ましく、1μm以上10μm以下であることがより好ましい。
電子写真感光体の各層には、添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの劣化防止剤や、フッ素原子含有樹脂粒子、アクリル樹脂粒子などの有機樹脂粒子や、シリカ、酸化チタン、アルミナなどの無機粒子などが挙げられる。
<プロセスカートリッジおよび電子写真装置の構成>
図5に、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の例を示す。
図5において、円筒状の本発明の電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。電子写真感光体1の表面は、回転過程において、帯電手段3(一次帯電手段:例えば、帯電ローラーなど)により、正または負の所定電位に均一に帯電される。次いで、均一に帯電された電子写真感光体1の表面は、露光手段(画像露光手段)(不図示)から照射される露光光(画像露光光)4を受ける。このようにして、電子写真感光体1の表面には、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
本発明は、放電を利用した帯電手段を用いた場合において、効果が特に大きい。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、次いで現像手段5内のトナー(不定形トナーまたは球形トナー)で現像(正規現像または反転現像)されてトナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像が、転写手段(例えば、転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材P上に転写されていく。このとき、転写材Pは、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて、電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に給送される。また、転写手段6には、トナーの保有電荷とは逆極性のバイアス電圧がバイアス電源(不図示)から印加される。
トナー像が転写された転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ搬送されてトナー像の定着処理を受けることにより、画像形成物(プリント、コピー)として電子写真装置外へプリントアウトされる。
トナー像の転写後の電子写真感光体1の表面は、電子写真感光体1の表面に接触配置(当接)されたクリーニングブレードを有するクリーニング手段7によって転写残トナーなどの付着物の除去を受けて清浄面化される。さらに、清浄面化された電子写真感光体1の表面は前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図5に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光手段は必ずしも必要ではない。
本発明に係るプロセスカートリッジは、電子写真感光体1および電子写真感光体1に接触配置されたクリーニングブレード(クリーニング部材)を有するクリーニング手段7を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジである。本発明においては、電子写真感光体1と、クリーニング手段7と、帯電手段3および現像手段5などから選択される構成要素から選ばれる1つ以上の構成要素と、を容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に支持する構成としてもよい。そして、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成することができる。図5では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合、原稿からの反射光や透過光、または、センサーで原稿を読み取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイや液晶シャッターアレイの駆動などにより照射される光である。
以下、具体的な実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。また、電子写真感光体を、以下単に「感光体」ともいう。
(感光体−1の製造例)
直径30mm、長さ357.5mmのアルミニウムシリンダーを支持体(円筒状支持体)とした。
次に、金属酸化物として酸化亜鉛粒子(比表面積:19m/g、粉体抵抗:4.7×10Ω・cm)100部をトルエン500部と撹拌混合し、これにシランカップリング剤(化合物名:N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、商品名:KBM602、信越化学工業(株)製)0.8部を添加し、6時間撹拌した。その後、トルエンを減圧留去して、130℃で6時間加熱乾燥し、表面処理された酸化亜鉛粒子を得た。
次に、ポリオール樹脂としてブチラール樹脂(商品名:BM−1、積水化学工業(株)製)15部およびブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175、住化コベストロウレタン社(旧:住友バイエルウレタン社)製)15部をメチルエチルケトン73.5部と1−ブタノール73.5部の混合溶液に溶解させた。この溶液に前記表面処理された酸化亜鉛粒子80.8部、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン0.8部(東京化成工業(株)社製)を加え、これを直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下で3時間分散した。分散後、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レダウコーニングシリコーン社製)0.01部、架橋ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子(商品名:TECHPOLYMER SSX−102、積水化成品工業(株)社製、平均一次粒径2.5μm)を5.6部加えて撹拌し、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を上記支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で乾燥させて、膜厚が18μmの下引き層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°および28.2°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)20部、下記構造式(A)で示されるカリックスアレーン化合物0.2部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)10部、および、シクロヘキサノン600部を、直径1mmガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、4時間分散処理した後、酢酸エチル700部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を15分間80℃で乾燥させることによって、膜厚0.17μmの電荷発生層を形成した。
Figure 2018087874
次に、下記構造式(B)で示される化合物30部(電荷輸送物質)、下記構造式(C)で示される化合物60部(電荷輸送物質)、下記構造式(D)で示される化合物10部、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ビスフェノールZ型のポリカーボネート)100部、下記構造式(E)を有するポリカーボネート(粘度平均分子量Mv:20000)0.02部を、混合キシレン600部およびジメトキシメタン200部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。
Figure 2018087874
Figure 2018087874
次に、下記構造式(F)で示される化合物(連鎖重合性官能基であるアクリル基を有する電荷輸送物質)36部、ポリテトラフルオロエチレン樹脂微粉末(ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)4部、およびn−プロパノール60部を超高圧分散機で分散混合することによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を上記電荷輸送層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を5分間50℃で乾燥させた。乾燥後、窒素雰囲気下にて、加速電圧70kV、吸収線量8000Gyの条件で、1.6秒間シリンダーを回転させながら塗膜に電子線を照射し、塗膜を硬化させた。その後、窒素雰囲気下にて、塗膜が120℃になる条件で3分間加熱処理を行った。なお、電子線の照射から3分間の加熱処理までの酸素濃度は20ppmであった。次に、大気中において、塗膜が100℃になる条件で30分加熱処理を行い、膜厚が5μmである保護層(第二電荷輸送層)を形成した。
Figure 2018087874
このようにして、表面に凹凸形状を形成する前の円筒状の電子写真感光体(凹凸形状形成前の電子写真感光体)を作製した。
・モールド圧接形状転写による凹凸形状の形成
概ね図4に示す構成の圧接形状転写加工装置に、モールドとして概ね図6(a)〜(c)に示す形状のモールドNo.1を設置し、作製した凹凸形状形成前の電子写真感光体に対して表面加工を行った。なお、モールドNo.1は、表1に示す形状を有する。
加工時には、電子写真感光体の表面の温度が120℃になるように電子写真感光体およびモールドの温度を制御し、7.0MPaの圧力で電子写真感光体と加圧部材を押し付けながら、電子写真感光体を周方向に回転させて、電子写真感光体の表面(周面)の全面に凹凸形状を形成した。
このようにして、表面に凹凸形状を有する電子写真感光体を作製した。この電子写真感光体を「感光体−1」とする。
・電子写真感光体の表面の観察
得られた電子写真感光体(感光体−1)の表面を、レーザー顕微鏡((株)キーエンス製、商品名:X−100)で50倍レンズにより拡大観察し、上述のようにして電子写真感光体の表面に設けられた凹凸形状の判定を行った。観察時には、電子写真感光体の長手方向(軸方向)に傾きがないように、また、周方向については、電子写真感光体の円弧の頂点にピントが合うように、調整を行った。得られた結果については、付属の画像解析ソフトにより、画像処理高さデータを選択し、フィルタタイプメディアンでフィルタ処理を行った。
上記観察によって、凸部と交わる周方向距離、凹部深さd、凹部幅w1、凸部幅w2、周方向の直線と凸部輪郭線の成す角などを求めた。結果を表2に示す。
なお、電子写真感光体(感光体−1)の表面を、他のレーザー顕微鏡((株)キーエンス製、商品名:X−9500)を用い、上記と同様の方法で観察を行ったところ、上記のレーザー顕微鏡((株)キーエンス製、商品名:X−100)を用いた場合と同様の結果が得られた。以下の製造例では、電子写真感光体(感光体−2〜44、感光体−101〜106)の表面の観察に、レーザー顕微鏡((株)キーエンス製、商品名:X−100)および50倍レンズを用いた。
(感光体−2〜感光体−19の製造例)
感光体−1の製造例において、モールドNo.1を表1に示したように変更した以外は、感光体−1の製造例と同様にして表面に凹凸形状を有する電子写真感光体を作製した。これらの電子写真感光体を「感光体−2〜感光体19」とする。感光体−1の製造例と同様にして、得られた電子写真感光体の表面観察を行った。結果を表2に示す。
Figure 2018087874
Figure 2018087874
(電子写真感光体の実機評価)
(実施例1)
感光体−1を、評価装置であるキヤノン(株)製の電子写真装置(複合機)(商品名:iR−ADV C5255)の改造機のシアンステーションに装着し、以下のように試験および評価を行った。
32.5℃/85%RH環境下で、電子写真感光体の暗部電位(Vd)が−500V、明部電位(Vl)が−180Vになるように帯電装置および画像露光装置の条件を設定し、電子写真感光体の初期電位を調整した。
次に、硬度77°のポリウレタンゴム製クリーニングブレードを、電子写真感光体の表面に対して当接角28°、当接圧50g/cmとなるように設定した。電子写真感光体用のヒーター(ドラムヒーター)はONにした状態とした。尚、本発明において、ウレタンゴム製のクリーニングブレード(ウレタンゴム)の硬度(IRHD)は、ウォーレス(H.W.WALLACE)社製のウォーレス微小硬度計を用い、国際ゴム硬さ試験M法によって測定した値である。国際ゴム硬さ試験M法は、JISK6253−1997に規定されている。
次に、以下の方法を用いてH/H初期スジおよびクリーニングブレード状態の評価を行った。
H/H初期スジについては、32.5℃/85%RH環境下で、A4横の1%印字画像の評価用チャートを連続で100枚出力した後、シアン濃度30%のスクリーン画像をハーフトーン画像として出力し、画像上のH/H初期スジを以下の評価基準によってランク評価した。評価結果を表2に示す。
[H/H初期スジについてのランク評価基準]
A:画像上にスジが発生していない。
B:画像上にスジが疑われるような画像が得られるが明確にスジであるかどうかの判定ができないレベルである。
C:画像上に極軽微なスジがわずかに確認できるが画像上問題の無いレベルである。
D:画像上に軽微なスジが発生しているが、画像上許容できるレベルである。
E:画像上に明らかなスジが発生している。画像上許容できないレベルである。
また、クリーニングブレード状態については、クリーニング性の評価と当接面の観察評価とからランク評価を行った。32.5℃/85%RH環境下で、上記評価用チャートを連続で1万枚出力した後、電子写真装置を5℃/50%RH環境下に24時間放置した。ついで、ベタ白画像を連続で10枚プリントアウトした後にベタ画像(シアン濃度100%)を10枚出力し、その直後にハーフトーン画像を出力し、これ用いてクリーニング性の評価を行った。具体的には、出力画像中のクリーニング不良と考えられるすり抜け画像の発生を目視でカウントした。さらに画像出力後のクリーニングブレードの当接面を顕微鏡観察し、クリーニングブレード状態の評価を行った。出力画像と顕微鏡観察の双方から以下の評価基準によってランク評価を行った。評価結果を表2に示す。
[クリーニングブレード状態についてのランク評価基準]
A:ブレード欠けは観察されず、すり抜け画像は発生しない。
B:極軽微なブレード欠けが観察され、極軽微なすり抜け画像が発生する。
C:軽微なブレード欠けが観察され、軽微なすり抜け画像が発生する。
D:クリーニングブレードの一部に欠けが観察され、一部にすり抜け画像が発生する。
E:クリーニングブレード全体に欠けが観察され、全体にすり抜け画像が発生する。
(実施例2〜19)
電子写真感光体として表1に示すものを用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体の実機評価を行った。評価結果を表2に示す。
(感光体−101〜感光体−105の製造例)
感光体−1の製造例において、モールドNo.1を表3に示したように変更した以外は、感光体−1の製造例と同様にしてモールド圧接形状転写後の電子写真感光体を作製した。これらの電子写真感光体を「感光体−101〜感光体−105」とする。感光体−1の製造例と同様にして、得られた電子写真感光体の表面観察を行った。結果を表4に示す。
(比較例1〜5)
電子写真感光体として表4に示すものを用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体の実機評価を行った。評価結果を表4に示す。
Figure 2018087874
Figure 2018087874
1 電子写真感光体、7 クリーニング手段、9 プロセスカートリッジ、103 凹部の幅、105 凸部の幅、106 凹部の深さ

Claims (6)

  1. 円筒状の支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該電子写真感光体の表面に該電子写真感光体の周方向に連続した凸部と凹部を該電子写真感光体の軸方向に対して交互に有する電子写真感光体であって、該凸部は軸方向に振幅を有する波形状であって、該凸部と交わる周方向の直線を設定した時、該直線と、凸部と凹部が交互に交わり、該凹部の深さが0.5μm以上5μm以下であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 何れの前記凸部と交わる周方向の直線においても、凸部と交わる周方向距離が300μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記凸部と交わる周方向の直線と、凸部の輪郭線との成す角が45°以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記凹部の幅が20μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体に接触配置されたクリーニング部材を有するクリーニング手段と、を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、及び該電子写真感光体に接触配置されたクリーニング部材を有するクリーニング手段を備えることを特徴とする電子写真装置。
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