JP6624952B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
電子写真感光体の表面には、帯電やクリーニングなどの電気的外力や機械的外力が加えられるため、これらの外力に対する耐久性(耐摩耗性など)が要求される。
この要求に対して、従来から、電子写真感光体の表面層に耐摩耗性の高い樹脂(硬化性樹脂など)を用いるなどの改良技術が用いられている。
一方、電子写真感光体の表面の耐摩耗性を高めることによって生じる課題として、画像流れやクリーニング性能の低下が挙げられる。
画像流れは、電子写真感光体の表面の帯電によって生じるオゾンや窒素酸化物などにより、電子写真感光体の表面層に用いられている材料が劣化したり、水分の吸着によって電子写真感光体の表面が低抵抗化したりすることが原因であると考えられている。そして、電子写真感光体の表面の耐摩耗性が高くなるほど、電子写真感光体の表面のリフレッシュ(劣化した材料や吸着した水分などの画像流れ原因物質の除去)がなされにくくなり、画像流れが発生しやすくなる。
画像流れを改善する技術として、特許文献1には、電子写真感光体の表面に、深さ0.5μm以上5μm以下かつ開口部最長径20μm以上80μm以下の凹部を一辺500μmの正方形領域に凹部の面積が10000μm以上90000μm以下設け、さらに凹部以外の部分に含まれる平坦部の面積が80000μm以上240000μm以下設けることによって、高温高湿環境下に電子写真感光体を放置した場合にもドット再現性を良化させる技術が開示されている。
特許第5127991号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では画像流れの改善効果は非常に大きい一方で、低湿環境において長期にわたり使用すると電子写真画像にはスジ状の画像欠陥(以下、低湿耐久スジとも呼ぶ)が生じることがあるという点で改善の余地が残っている。
本発明者らは、特許文献1に開示された技術をもとに、電子写真感光体の表面に、深さ0.5μm以上5μm以下かつ開口部最長径20μm以上80μm以下の凹部を設け、一辺500μmの正方形領域に凹部の面積の総和が95000μm以上とすることにより上記した低湿耐久スジの改善を行った。
しかしながら、高温高湿環境下において低印字モードで印刷した後に出力した濃度30%程度のハーフトーン画像上にスジ状の画像欠陥(以下、H/H初期スジとも呼ぶ)を生じるという点でさらなる改善の余地が残っている。
本発明の目的は、高温高湿環境下での低印字モード出力により生じるスジ状の画像欠陥を低減する電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
本発明は、円筒状の支持体上に感光層を有する電子写真感光体であって、該電子写真感光体の表面が、各々独立した複数の凹形状部を有し、該凹形状部の開口面の該電子写真感光体の軸方向の幅が、20μm以上80μm以下であり、該電子写真感光体の表面の任意の位置に一辺500μmの正方形領域を配置したとき、該一辺500μmの正方形領域における該凹形状部の開口面の面積の総和が100000μm以上であり、該凹形状部の開口面の輪郭形状が、該電子写真感光体の周方向の少なくとも一方の端部側に、2つの輪郭直線、2つの輪郭曲線、もしくは1つの輪郭直線と1つの輪郭曲線とから成る頂点を有し、該頂点を成す該輪郭直線または該輪郭曲線が、当該輪郭直線または当該輪郭曲線上において、該電子写真感光体の周方向に延び且つ該頂点を通る直線Aまでの距離が最も離れた2つの点から、該頂点に向かって、該直線Aまでの距離が徐々に小さくなっており、該距離が最も離れた2つの点から該頂点までにおいて、該輪郭直線または該輪郭曲線の接線が、該電子写真感光体の軸方向に対して成す角度が45°以上90°以下であり、該凹形状部は、当該凹形状部の開口面からの深さが最も深い点から該頂点に向かって深さが徐々に浅くなる形状であり、該複数の凹形状部は、隣り合う凹形状部の配列方向が、該電子写真感光体の周方向および軸方向に角度を有することを特徴とする電子写真感光体である。
また、本発明は、円筒状の支持体上に感光層を有する電子写真感光体及びクリーニングブレードを少なくとも有するプロセスカートリッジであって、該電子写真感光体の表面が、各々独立した複数の凹形状部を有し、該凹形状部の開口面の該電子写真感光体の軸方向の幅が、20μm以上80μm以下であり、該電子写真感光体の表面の該クリーニングブレードとの接触領域の任意の位置に一辺500μmの正方形領域を配置したとき、該一辺500μmの正方形領域における該凹形状部の開口面の面積の総和が100000μm以上であり、該凹形状部の開口面の輪郭形状が、該電子写真感光体の回転方向の後端側に、2つの輪郭直線、2つの輪郭曲線、もしくは1つの輪郭直線と1つの輪郭曲線とから成る頂点を有し、該頂点を成す該輪郭直線または該輪郭曲線が、当該輪郭直線または当該輪郭曲線上において、該電子写真感光体の周方向に延び且つ該頂点を通る直線Aまでの距離が最も離れた2つの点から、該頂点に向かって、該直線Aまでの距離が徐々に小さくなっており、該距離が最も離れた2つの点から該頂点までにおいて、該輪郭直線または該輪郭曲線の接線が、該電子写真感光体の軸方向に対して成す角度が45°以上90°以下であり、該複数の凹形状部は、隣り合う凹形状部の配列方向が、該電子写真感光体の周方向および軸方向に対して角度を有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
また、本発明は、上記電子写真感光体、該電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段、帯電された該電子写真感光体の表面に露光光を照射して静電潜像を形成する露光手段、該静電潜像が形成された該電子写真感光体をトナーで現像する現像手段、該電子写真感光体上のトナー像を転写材上に転写する転写手段、および該電子写真感光体に接触配置されたクリーニングブレードを備えることを特徴とする電子写真装置である。
本発明によれば、高温高湿環境下での低印字モード出力により生じるスジ状の画像欠陥を低減する電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することができる。
フィッティングの例を示す図である。 (a):本発明の凹形状部の開口面の一例を示す図である。(b):本発明の凹形状部の一例における周方向断面図である。 本発明に係る電子写真感光体の表面の凹形状部の開口部の形状の例を示す図である。 本発明に係る電子写真感光体の表面の凹形状部の周方向断面の形状の例を示す図である。 電子写真感光体の表面に凹形状部を形成するための圧接形状転写加工装置の例を示す図である。 本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の例を示す図である。 (a):電子写真感光体の製造例(比較例1に対応)で用いたモールドを示す上面図である。(b):図7(a)に示されたモールドにおける凸部のB−B断面図である。(c):図7(a)に示されたモールドにおける凸部のC−C断面図である。 (a):電子写真感光体の製造例(比較例2に対応)で用いたモールドを示す上面図である。(b):図8(a)に示されたモールドにおける凸部のB−B断面図である。(c):図8(a)に示されたモールドにおける凸部のC−C断面図である。 (a):電子写真感光体の製造例(比較例3に対応)で用いたモールドを示す上面図である。(b):図9(a)に示されたモールドにおける凸部のB−B断面図である。(c):図9(a)に示されたモールドにおける凸部のC−C断面図である。 (a):電子写真感光体の製造例(比較例4に対応)で用いたモールドを示す上面図である。(b):図10(a)に示されたモールドにおける凸部のB−B断面図である。(c):図10(a)に示されたモールドにおける凸部のC−C断面図である。 (a):電子写真感光体の製造例(比較例5に対応)で用いたモールドを示す上面図である。(b):図11(a)に示されたモールドにおける凸部のB−B断面図である。(c):図11(a)に示されたモールドにおける凸部のC−C断面図である。 (a):電子写真感光体の製造例(比較例6に対応)で用いたモールドを示す上面図である。(b):図12(a)に示されたモールドにおける凸部のB−B断面図である。(c):図12(a)に示されたモールドにおける凸部のC−C断面図である。 (a):電子写真感光体の製造例(比較例7に対応)で用いたモールドを示す上面図である。(b):図13(a)に示されたモールドにおける凸部のB−B断面図である。(c):図13(a)に示されたモールドにおける凸部のC−C断面図である。 (a):電子写真感光体の製造例(比較例8に対応)で用いたモールドを示す上面図である。(b):図14(a)に示されたモールドにおける凸部のB−B断面図である。(c):図14(a)に示されたモールドにおける凸部のC−C断面図である。 (a):電子写真感光体の製造例(比較例9に対応)で用いたモールドを示す上面図である。(b):図15(a)に示されたモールドにおける凸部のB−B断面図である。(c):図15(a)に示されたモールドにおける凸部のC−C断面図である。 (a):電子写真感光体の製造例(実施例1〜4に対応)で用いたモールドを示す上面図である。(b):図16(a)に示されたモールドにおける凸部のB−B断面図である。(c):図16(a)に示されたモールドにおける凸部のC−C断面図である。 (a):電子写真感光体の製造例(実施例5〜8に対応)で用いたモールドを示す上面図である。(b):図17(a)に示されたモールドにおける凸部のB−B断面図である。(c):図17(a)に示されたモールドにおける凸部のC−C断面図である。 (a):電子写真感光体の製造例(実施例9〜12に対応)で用いたモールドを示す上面図である。(b):図18(a)に示されたモールドにおける凸部のB−B断面図である。(c):図18(a)に示されたモールドにおける凸部のC−C断面図である。
本発明の特許文献1に対する特徴は、2点ある。
1点目は、電子写真感光体の表面における凹形状部の開口面の面積の総和が大きい点である。
2点目は、凹形状部が、つぎに示す特定の形状を有する点である。
すなわち、開口面の輪郭形状が、電子写真感光体の周方向の少なくとも一方の端部側に、2つの輪郭直線、2つの輪郭曲線、もしくは1つの輪郭直線と1つの輪郭曲線とから成る頂点を有する。そして、該頂点を成す該輪郭直線または該輪郭曲線が、当該輪郭直線または当該輪郭曲線上において、該電子写真感光体の周方向に延び且つ該頂点を通る直線Aまでの距離が最も離れた2つの点から該頂点に向かって、該直線Aまでの距離が徐々に小さくなっている。さらに、該輪郭直線または該輪郭曲線が、当該輪郭直線または当該輪郭曲線上において、該距離が最も離れた2つの点から該頂点までにおいて、該輪郭直線または該輪郭曲線の接線が、該電子写真感光体の軸方向に対して成す角度が45°以上90°以下である。また、該凹形状部は、当該凹形状部の開口面からの深さが最も深い点から該頂点に向かって深さが徐々に浅くなる形状であり、該複数の凹形状部は、隣り合う凹形状部の配列方向が、該電子写真感光体の周方向および軸方向に角度を有する。
本発明者らの検討の結果、電子写真感光体の表面に、特定の凹形状部を密に配置し、かつ特定の凹形状部の配列方向を周方向および軸方向に角度を持たせることにより、高温高湿環境下において生じるスジ状の画像欠陥の抑制効果が飛躍的に向上することがわかった。
特定の幅の凹形状部を電子写真感光体の表面に高密度で設けることにより、クリーニングブレードの長手方向(電子写真感光体の軸方向と同方向)の大きなねじれや振動(ビビり)が、より効率的に抑制される。これによりクリーニングブレードに対して負荷の大きい環境でも、より安定的な摺擦が行われることで、使用が長期におよんだ場合にもクリーニングブレードの劣化が少なくなる。
さらに凹形状部は、以下に示す輪郭形状の開口面を有する。
凹形状部の開口面の輪郭形状が、電子写真感光体の回転方向の後端側に、2つの輪郭直線、2つの輪郭曲線、もしくは1つの輪郭直線と1つの輪郭曲線とから成る頂点を有する。また、該頂点を成す該輪郭直線または該輪郭曲線が、当該輪郭直線または当該輪郭曲線上において、該電子写真感光体の周方向に延び且つ該頂点を通る直線Aまでの距離が最も離れた2つの点から該頂点に向かって、該直線Aまでの距離が徐々に小さくなっている。さらに、該輪郭直線または該輪郭曲線が、当該輪郭直線または当該輪郭曲線上において、該距離が最も離れた2つの点から該頂点までにおいて、該輪郭直線または該輪郭曲線の接線が、該電子写真感光体の軸方向に対して成す角度が45°以上90°以下である。
これらを満たす輪郭形状の開口面を有する凹形状部である場合、クリーニングブレードが凹形状部の電子写真感光体の回転方向における後端側を通過する際のブレードの変形やそれに伴うブレード振動が抑制される。その結果、ミクロな領域のクリーニングブレードの挙動がさらに均一化される。これにより、クリーニングブレードと電子写真感光体との摺擦状態の均一化が飛躍的に向上することで、電子写真感光体上への付着物や摺擦の不均一により生じるメモリーが抑制され、H/H初期スジの抑制効果が発現しているものと本発明者らは考えている。
また、特定の凹形状部の配置として、隣り合う凹形状部と周方向および軸方向に対して角度を持って配置することにより、換言すると、複数の凹形状部は、隣り合う凹形状部の配列方向が、周方向および軸方向に対して角度を有することで、クリーニングブレードの挙動が安定化する。
ある凹形状部を隣り合う凹形状部と周方向に対して角度を持って配置することは、隣り合う凹形状が、電子写真感光体の周方向に対して、凹形状部の幅(凹形状部の軸方向長さ)より短い範囲でずれて配置されていることを示す。一方、ある凹形状部を隣り合う凹形状部と軸方向に対して角度を持って配置することは、電子写真感光体の軸方向に対して隣り合う凹形状が、電子写真感光体の軸方向に対して、凹形状部の長さ(凹形状部の周方向長さ)より短い範囲でずれて配置されていることを示す。
複数の特定の凹形状部が、周方向に角度を持って配列されることで、クリーニングブレードのミクロな領域の変位量が分散される配置となり、周方向変化(電子写真感光体の回転)に対するクリーニングブレードの負荷を分散させることができると本発明者らは考えている。
複数の特定の凹形状部が、軸方向に角度を持って配列されることで、クリーニングブレードが周方向に移動した際のマクロな領域での変位タイミングが分散される配置となり、クリーニングブレードの長手方向(電子写真感光体の軸方向)での大きなねじれや振動を抑制できると本発明者らは考えている。
具体的には、本発明の電子写真感光体の表面には、各々独立した複数の凹形状部が設けられ、該凹形状部の開口面の該電子写真感光体の軸方向の幅が、20μm以上80μm以下であり、該凹形状部の開口面の輪郭形状が、該電子写真感光体の周方向の少なくとも一方の端部側に、2つの輪郭直線、2つの輪郭曲線、もしくは1つの輪郭直線と1つの輪郭曲線とから成る頂点を有し、該頂点を成す該輪郭直線または該輪郭曲線が、当該輪郭直線または当該輪郭曲線上において、該電子写真感光体の周方向に延び且つ該頂点を通る直線Aまでの距離が最も離れた2つの点から、該頂点に向かって、該直線Aまでの距離が徐々に小さくなっており、該距離が最も離れた2つの点から該頂点までにおいて、該輪郭直線または該輪郭曲線の接線が、該電子写真感光体の軸方向に対して成す角度が45°以上90°以下であり、該凹形状部は、当該凹形状部の開口面からの深さが最も深い点から該頂点に向かって深さが徐々に浅くなる。(以下、この特定の形状を有する凹形状部を「特定凹形状部」ともいう。)
そして、本発明において、特定凹形状部は、電子写真感光体の表面の任意の位置に一辺500μmの正方形領域(面積が250000μm)を配置したとき(すなわち、電子写真感光体の表面のどの位置に一辺500μmの正方形領域を配置しても)、その一辺500μmの正方形領域における特定凹形状部の面積の総和が100000μm以上になるように、電子写真感光体の表面に設けられる。あるいは、本発明において、特定凹形状部は、電子写真感光体の表面のクリーニングブレードとの接触領域の任意の位置に一辺500μmの正方形領域(面積が250000μm)を配置したとき(すなわち、電子写真感光体の表面のクリーニングブレードとの接触領域のどの位置に一辺500μmの正方形領域を配置しても)、その一辺500μmの正方形領域における特定凹形状部の面積の総和が100000μm以上になるように、電子写真感光体の表面に設けられる。なお、電子写真感光体の表面が曲面である場合(例えば、電子写真感光体が円筒状である場合、電子写真感光体の表面(周面)は周方向に曲がった曲面となっている。)、「電子写真感光体の表面の任意の位置に一辺500μmの正方形領域(面積が250000μm)を配置」するとは、その曲面を平面に補正した場合に、その平面において正方形になるような領域(面積が250000μm)を電子写真感光体の表面の任意の位置に配置するということを意味する。同様に、「電子写真感光体の表面のクリーニングブレードとの接触領域の任意の位置に一辺500μmの正方形領域(面積が250000μm)を配置」するとは、その曲面を平面に補正した場合に、その平面において正方形になるような領域(面積が250000μm)を電子写真感光体の表面のクリーニングブレードとの接触領域の任意の位置に配置するということを意味する。
電子写真感光体の表面の特定凹形状部などは、例えば、レーザー顕微鏡、光学顕微鏡、電子顕微鏡、原子間力顕微鏡などの顕微鏡を用いて観察することができる。
レーザー顕微鏡としては、例えば、以下の機器が利用可能である。
(株)キーエンス製の超深度形状測定顕微鏡VK−8550、超深度形状測定顕微鏡VK−9000、超深度形状測定顕微鏡VK−9500、VK−X200,VK−X100 オリンパス(株)製の走査型共焦点レーザー顕微鏡OLS3000
レーザーテック(株)製のリアルカラーコンフォーカル顕微鏡オプリテクスC130
光学顕微鏡としては、例えば、以下の機器が利用可能である。
(株)キーエンス製のデジタルマイクロスコープVHX−500、デジタルマイクロスコープVHX−200
オムロン(株)製の3DデジタルマイクロスコープVC−7700
電子顕微鏡としては、例えば、以下の機器が利用可能である。
(株)キーエンス製の3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−9800、3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−8800
(株)日立ハイテクサイエンス(旧:エスアイアイ・ナノテクノロジー(株))製の走査型電子顕微鏡コンベンショナル/Variable Pressure SEM
(株)島津製作所製の走査型電子顕微鏡SUPERSCAN SS−550
原子間力顕微鏡としては、例えば、以下の機器が利用可能である。
(株)キーエンス製のナノスケールハイブリッド顕微鏡VN−8000
(株)日立ハイテクサイエンス製の走査型プローブ顕微鏡NanoNaviステーション
(株)島津製作所製の走査型プローブ顕微鏡SPM−9600
上記一辺500μmの正方形領域の観察は、一辺500μmの正方形領域が収まるような倍率で行ってもよいし、より高い倍率で部分的な観察を行った後、ソフトを用いて複数の部分画像を連結するようにしてもよい。
以下に一辺500μmの正方形領域における特定凹形状部について説明する。
まず、電子写真感光体の表面を顕微鏡で拡大観察する。例えば、電子写真感光体が円筒状である場合のように電子写真感光体の表面(周面)が周方向に曲がった曲面となっている場合は、その曲面の断面プロファイルを抽出し、曲線(電子写真感光体が円筒状であれば円弧)をフィッティングする。
図1に、フィッティングの例を示す。図1に示す例は、電子写真感光体が円筒状である場合の例であって、その軸方向に対して垂直な断面(周方向に平行な断面)における電子写真感光体表面の一部である。図1中、実線の101は電子写真感光体の表面(曲面)の断面プロファイルであり、破線の102は断面プロファイル101にフィッティングした曲線である。その曲線102が直線になるように断面プロファイル101の補正を行い、得られた直線を電子写真感光体の長手方向(周方向に直交する方向、すなわち、軸方向)に拡張した面を基準面とする。電子写真感光体が円筒状でない場合も、円筒状である場合と同様にして基準面を得る。
得られた基準面よりも下方に位置する部分を当該正方形領域における凹形状部とする。基準面による凹形状部の断面が、凹形状部の開口面である。基準面から、凹形状部の底面のうち該基準面(開口面)から最も離れた点(深さが最も深い点)、即ち、最低点までの距離を凹形状部の深さとする。開口面を軸方向に横切る線分のうち、最も長い線分の長さを凹形状部の開口面の幅とする。本発明における特定凹形状部の開口面の幅は、クリーニングブレードを安定化させ、低温環境におけるトナーのすり抜けやH/H初期スジを効果的に低減するという観点から20μm以上80μm以下の範囲にあることが好ましい。さらには、特定凹形状部の開口面の幅が30μm以上60μm以下の範囲にあることがより好ましい。また、上記正方形領域における特定凹形状部の開口面の面積の総和が100000μm以上であることが好ましく、100000μm以上175000μm以下であることがより好ましい。
また、電子写真感光体の表面の任意の50箇所に配置される上記一辺500μmの正方形領域において特定凹形状部の開口面の面積をそれぞれ測定したとき、50個の特定凹形状部の開口面の面積の総和の測定値の標準偏差が5%以下であることが好ましい。
図2(a)に、特定凹形状部の開口面の一例(特定凹形状部の上面図)、図2(b)に、図2(a)に示す特定凹形状部の一例における周方向断面を示す。なお、図2(b)に示す特定凹形状部の断面の例は、上記補正後の断面プロファイルである。
図3(A)〜(J)に、特定凹形状部の開口面の形状(特定凹形状部を上から見たときの形状)の例を示す。
図4(a)〜(h)に、特定凹形状部の周方向断面の形状の例を示す。
図2(a)および図2(b)に示す特定凹形状部の例について説明する。まずは特定凹形状部の開口面の形状について説明する。図2に示した特定凹形状部の開口面は電子写真感光体の周方向の一方の端部側に2つの輪郭直線からなる頂点Iを有し、他方の端部側は半円形状を有している。また、開口面は、周方向の線であって頂点Iを通る直線Aまでの距離が、2つの輪郭直線上において最も離れた2つの点F,F’(直線Aから矢印の点線で示した位置)から頂点Iに向かって、徐々に小さくなっている。
本発明の特定凹形状部は、頂点Iから距離が最も離れた輪郭直線または輪郭曲線上の2つの点F,F’から頂点Iまでの間における、輪郭直線または輪郭曲線の接線が電子写真感光体の軸方向に対して成す角度θが45°以上90°以下であることがトナーのすり抜けおよびH/H初期スジの点から好ましい。さらに、角度θが62°以上90°未満であることがより好ましい。
また、特定凹形状部の開口面から投影したとき、距離が最も離れた輪郭直線または輪郭曲線上の2つの点F,F’から頂点Iまでの間における、2つの輪郭直線で成す角度、2つの輪郭曲線の接線で成す角度、または1つの輪郭直線と1つの輪郭曲線の接線とで成す角度をθとする。ここで、角度θが58°以下であることがトナーのすり抜けおよびH/H初期スジの点から好ましい。さらに、角度θが56°以下であることがより好ましい。
次に、特定凹形状部の周方向断面について説明する。図2(b)に示した特定凹形状部の一例における周方向断面は、凹形状部の開口面に対して該電子写真感光体の深さ方向に最も深い点Dから頂点Iに向かって深さが直線状に浅くなる形状を有し、他方(点Dから頂点Iとは反対に向かう側)は円弧状の形状を有している。本発明においては、電子写真感光体を側面から投影したとき(軸方向に対して平行方向から見たとき)の、特定凹形状部の開口面上の直線と、頂点Iと電子写真感光体の深さ方向に最も深い点Dとを結ぶ直線と、で成す角度θが、8.5°以下であることがトナーのすり抜けおよびH/H初期スジの点からより好ましい。更に、角度θが3.8°以下であることがより好ましい。
特定凹形状部の開口面の輪郭形状としては、例えば、図3(A)〜(J)に示すような形状が挙げられる。図3における上下方向を電子写真感光体の周方向とすると、図3において例示した特定凹形状部の開口面の輪郭形状のうち、(C)、(D)、(F)、(I)および(J)は周方向の一方の端部側に頂点を有し、(A)、(B)、(E)、(G)および(H)は周方向の双方の端部側に頂点を有する形状である。
ここで、図3の(C)の場合、電子写真感光体の周方向の端部のうち、図3中の上端側は、電子写真感光体の軸方向(すなわち、図3の左右方向)と一致する輪郭直線からなり、この軸方向と一致する輪郭直線の両端は他の輪郭直線と接している。しかしながら、図3の(C)における上端側のように、周方向の端部が軸方向と一致する直線からなる場合は、その端部は本発明でいう頂点は有しない。
また、特定凹形状部の断面形状としては、例えば、図4(a)〜(h)に示すような形状が挙げられる。図4に示す特定凹形状部の断面形状は、いずれも開口面からの深さが最も深い点から頂点に向かって深さが徐々に浅くなる形状である。なお、図4の(c)に示されるような、深さが最も深い点が1点ではなく、連続した平坦部(開口面に対して平行な線や面)を形成している場合であっても、本発明における開口面からの深さが最も深い点から頂点に向かって深さが徐々に浅くなる形状に含まれる。
電子写真感光体の表面に設けられる各々独立した複数の特定凹形状部は、すべてが同一の形状(例えば、同一の開口面最長径、深さ)であってもよいし、異なる形状(例えば、異なる開口面最長径、深さ)のものが混在していてもよい。また、必要に応じて本発明に係る凹形状部以外の凹形状部を形成してもよい。
上記特定凹形状部は、電子写真感光体の表面の全域に形成されていてもよいし、電子写真感光体の表面の一部分に形成されていてもよい。特定凹形状部が電子写真感光体の表面の一部分に形成されている場合は、少なくともクリーニングブレードとの接触領域の全域には特定凹形状部が形成されていることが好ましい。
<電子写真感光体の表面に凹形状部を形成する方法>
電子写真感光体表面への凹部の形成の方法としては、形成するべき凹形状部に対応した凸部を有するモールドを電子写真感光体の表面に圧接し、形状転写を行う方法が一例として挙げられる。
図5に、電子写真感光体の表面に凹形状部を形成するための圧接形状転写加工装置の例を示す。
図5に示す圧接形状転写加工装置によれば、被加工物である電子写真感光体51を回転させながら、その表面(周面)に連続的にモールド52を接触させ、加圧することにより、電子写真感光体51の表面に凹形状部や平坦部を形成することができる。
加圧部材53の材質としては、例えば、金属、金属酸化物、プラスチック、ガラスなどが挙げられる。これらの中でも、機械的強度、寸法精度、耐久性の観点から、ステンレス鋼(SUS)が好ましい。加圧部材53は、その上面にモールド52が設置される。また、加圧部材53は、下面側に設置される支持部材(不図示)および加圧システム(不図示)により、支持部材54に支持された電子写真感光体51の表面に、モールド52を所定の圧力で接触させることができる。また、支持部材54を加圧部材53に対して所定の圧力で押し付けてもよいし、支持部材54および加圧部材53を互いに押し付けてもよい。
図5に示す例は、加圧部材53を電子写真感光体51の軸方向と垂直な方向に移動させることにより、電子写真感光体51が従動または駆動回転しながら、その表面を連続的に加工する例である。さらに、加圧部材53を固定し、支持部材54を電子写真感光体51の軸方向と垂直な方向に移動させることにより、または、支持部材54および加圧部材53の両者を移動させることにより、電子写真感光体51の表面を連続的に加工することもできる。
なお、形状転写を効率的に行う観点から、モールド52や電子写真感光体51を加熱することが好ましい。
モールド52としては、例えば、微細な表面加工がされた金属や樹脂フィルム、シリコンウエハーなどの表面にレジストによりパターニングをしたもの、微粒子が分散された樹脂フィルム、および、微細な表面形状を有する樹脂フィルムに金属コーティングを施したものなどが挙げられる。
また、電子写真感光体51に押し付けられる圧力を均一にする観点から、モールド52と加圧部材53との間に弾性体(不図示)を設置することが好ましい。
<電子写真感光体の構成>
本発明の電子写真感光体は、支持体および支持体上に形成された感光層を有する。
感光層は、電荷輸送物質と電荷発生物質を同一の層に含有する単層型感光層であってもよいし、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型(機能分離型)感光層であってもよい。電子写真特性の観点から、積層型感光層が好ましい。また、積層型感光層は、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した順層型感光層であってもよいし、支持体側から電荷輸送層、電荷発生層の順に積層した逆層型感光層であってもよい。電子写真特性の観点から、順層型感光層が好ましい。また、電荷発生層を積層構成としてもよいし、電荷輸送層を積層構成としてもよい。
(支持体)
支持体としては、導電性を示すもの(導電性支持体)であることが好ましい。支持体の材質としては、例えば、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、亜鉛、チタン、鉛、ニッケル、スズ、アンチモン、インジウム、クロム、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属(合金)が挙げられる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などを用いて真空蒸着によって形成した被膜を有する金属製支持体やプラスチック製支持体を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子などの導電性粒子をプラスチックや紙に含浸してなる支持体や、導電性結着樹脂製の支持体を用いることもできる。
支持体の表面は、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制を目的として、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理などが施されていてもよい。
(導電層)
支持体と、後述の下引き層または感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制や、支持体の傷の被覆などを目的として、導電層を設けてもよい。
導電層は、カーボンブラック、導電性顔料、抵抗調節顔料などを結着樹脂とともに分散処理することによって得られる導電層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。また、導電層用塗布液には、加熱、紫外線照射、放射線照射などにより硬化重合する化合物を添加してもよい。導電性顔料や抵抗調節顔料などを分散させてなる導電層は、その表面が粗面化される傾向にある。
導電層に用いられる結着樹脂としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンなどのビニル化合物の重合体や、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
導電性顔料および抵抗調節顔料としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀、ステンレスなどの金属(合金)の粒子や、これらをプラスチックの粒子の表面に蒸着したものなどが挙げられる。また、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズがドープされている酸化インジウム、アンチモンやタンタルがドープされている酸化スズなどの金属酸化物の粒子を用いることもできる。これらは、1種のみ用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて用いる場合は、混合するだけでもよいし、固溶体や融着の形にしてもよい。
導電層の膜厚は、0.2μm以上40μm以下であることが好ましく、1μm以上35μm以下であることがより好ましく、5μm以上30μm以下であることがより好ましい。
(下引き層(中間層))
支持体または導電層と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護などを目的として、バリア機能や接着機能を有する下引き層(中間層)を設けてもよい。
下引き層は、樹脂(結着樹脂)を溶剤に溶解させることによって得られる下引き層用塗布液を塗布し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
下引き層に用いられる樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、にかわ、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
下引き層には、金属酸化物粒子を含有させてもよい。下引き層に用いられる金属酸化物粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムが挙げられる。
金属酸化物粒子は、金属酸化物粒子の表面がシランカップリング剤などの表面処理剤で処理されている粒子であってもよい。
下引き層用塗布液中の金属酸化物粒子の分散方法としては、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ロールミル、振動ミル、アトライター、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
下引き層には、例えば、下引き層の表面粗さの調整、または下引き層のひび割れ軽減を目的として、有機樹脂粒子や、レベリング剤をさらに含有させてもよい。有機樹脂粒子としては、シリコーン粒子等の疎水性有機樹脂粒子や、架橋型ポリメタクリレート樹脂(PMMA)粒子等の親水性有機樹脂粒子を用いることができる。
下引き層の膜厚は、0.05μm以上40μm以下であることが好ましく、0.2μm以上35μm以下であることがより好ましい。
(感光層)
感光層に用いられる電荷発生物質としては、例えば、ピリリウム、チアピリリウム染料や、各種の中心金属および各種の結晶形(α、β、γ、ε、X型など)を有するフタロシアニン顔料や、アントアントロン顔料や、ジベンズピレンキノン顔料や、ピラントロン顔料や、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料や、インジゴ顔料や、キナクリドン顔料や、非対称キノシアニン顔料や、キノシアニン顔料などが挙げられる。これら電荷発生物質は、1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
感光層に用いられる電荷輸送物質としては、例えば、ピレン化合物、N−アルキルカルバゾール化合物、ヒドラゾン化合物、N,N−ジアルキルアニリン化合物、ジフェニルアミン化合物、トリフェニルアミン化合物、トリフェニルメタン化合物、ピラゾリン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物などが挙げられる。これら電荷輸送物質は、1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
感光層が積層型感光層である場合、電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤とともに分散処理することによって得られた電荷発生層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜としてもよい。
電荷発生物質と結着樹脂との質量比は、1:0.3〜1:4の範囲であることが好ましい。
分散処理方法としては、例えば、ホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルなどを用いる方法が挙げられる。
電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる電荷輸送層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。また、単独で成膜性を有する電荷輸送物質を用いる場合は、結着樹脂を用いずに電荷輸送層を形成することもできる。
電荷発生層および電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンなどのビニル化合物の重合体や、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、5μm以下であることが好ましく、0.1〜2μmであることがより好ましい。
電荷輸送層の膜厚は、5〜50μmであることが好ましく、10〜35μmであることがより好ましい。
感光層が単層型感光層である場合、感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質および結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる感光層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。なお、単層型感光層に用いられる結着樹脂、電荷発生物質および電荷輸送物質は、電荷発生層や電荷輸送層に用いられるものと同じものを用いることができる。
また、電子写真感光体の耐久性の向上の観点から、電子写真感光体の表面層を架橋有機高分子で構成することが好ましい。
本発明においては、例えば、電荷発生層上の電荷輸送層を電子写真感光体の表面層として架橋有機高分子で構成することができる。また、電荷発生層上の電荷輸送層上に第二電荷輸送層または保護層として架橋有機高分子で構成された表面層を形成することができる。
また、架橋有機高分子で構成された表面層に要求される特性は、膜の強度と電荷輸送能力の両立であり、その観点から、電荷輸送物質または導電性粒子と、架橋重合性のモノマー/オリゴマーとを用いて表面層を形成することが好ましい。
電荷輸送物質としては、上述の電荷輸送物質を用いることができる。また、導電性粒子としては、公知の導電性粒子を用いることができる。架橋重合性のモノマー/オリゴマーとしては、例えば、アクリロイルオキシ基やスチリル基などの連鎖重合性官能基を有する化合物や、水酸基、アルコキシシリル基、イソシアネート基などの逐次重合性官能基を有する化合物などが挙げられる。
また、膜の強度と電荷輸送能力の両立の観点から、同一分子内に電荷輸送性構造(好ましくは正孔輸送性構造)およびアクリロイルオキシ基の両方を有する化合物を用いることがより好ましい。
架橋硬化させる方法としては、例えば、熱、紫外線、放射線を用いる方法が挙げられる。
架橋有機高分子で構成された表面層の膜厚は、0.1〜30μmであることが好ましく、1〜10μmであることがより好ましい。
電子写真感光体の各層には、添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの劣化防止剤や、フッ素原子含有樹脂粒子、アクリル樹脂粒子などの有機樹脂粒子や、シリカ、酸化チタン、アルミナなどの無機粒子などが挙げられる。
<プロセスカートリッジおよび電子写真装置の構成>
図6に、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の例を示す。
図6において、円筒状の本発明の電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。電子写真感光体1の表面は、回転過程において、帯電手段3(一次帯電手段:例えば、帯電ローラーなど)により、正または負の所定電位に均一に帯電される。次いで、均一に帯電された電子写真感光体1の表面は、露光手段(画像露光手段)(不図示)から照射される露光光(画像露光光)4を受ける。このようにして、電子写真感光体1の表面には、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。なお、電子写真感光体1の回転方向は、電子写真感光体1の周方向の一方と一致している。電子写真感光体1はその周方向のいずれの方向にも回転可能であって、電子写真装置に搭載して所定の一方向に回転させる。
本発明は、放電を利用した帯電手段を用いた場合において、効果が特に大きい。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、次いで現像手段5内のトナー(不定形トナーまたは球形トナー)で現像(正規現像または反転現像)されてトナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像が、転写手段(例えば、転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材上に転写されていく。このとき、転写材Pは、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて、電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に給送される。また、転写手段6には、トナーの保有電荷とは逆極性のバイアス電圧がバイアス電源(不図示)から印加される。
トナー像が転写された転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ搬送されてトナー像の定着処理を受けることにより、画像形成物(プリント、コピー)として電子写真装置外へプリントアウトされる。
トナー像の転写後の電子写真感光体1の表面は、電子写真感光体1の表面に接触配置(当接)されたクリーニングブレードを有するクリーニング手段7によって転写残トナーなどの付着物の除去を受けて清浄面化される。さらに、清浄面化された電子写真感光体1の表面は前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図6に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光手段は必ずしも必要ではない。
本発明に係るプロセスカートリッジは、電子写真感光体1およびクリーニングブレードを少なくとも有するプロセスカートリッジである。本発明においては、電子写真感光体1と、クリーニングブレードと、帯電手段3および現像手段5などから選択される構成要素から選ばれる1つ以上の構成要素と、を容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に支持する構成としてもよい。そして、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成することができる。図6では、電子写真感光体1と、帯電手段3と、現像手段5と、クリーニングブレードを有するクリーニング手段7と、を一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合、原稿からの反射光や透過光、または、センサーで原稿を読み取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイや液晶シャッターアレイの駆動などにより照射される光である。
以下、具体的な実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。また、電子写真感光体を、以下単に「感光体」ともいう。
(感光体−1の製造例)
直径30mm、長さ357.5mmのアルミニウムシリンダーを支持体(円筒状支持体)とした。
次に、金属酸化物として酸化亜鉛粒子(比表面積:19m/g、粉体抵抗:4.7×10Ω・cm)100部をトルエン500部と撹拌混合し、これにシランカップリング剤(化合物名:N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、商品名:KBM602、信越化学工業(株)製)0.8部を添加し、6時間攪拌した。その後、トルエンを減圧留去して、130℃で6時間加熱乾燥し、表面処理された酸化亜鉛粒子を得た。
次に、ポリオール樹脂としてブチラール樹脂(商品名:BM−1、積水化学工業(株)製)15部およびブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175、住化コベストロウレタン社(旧:住友バイエルウレタン社)製)15部をメチルエチルケトン73.5部と1−ブタノール73.5部の混合溶液に溶解させた。この溶液に前記表面処理された酸化亜鉛粒子80.8部、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン0.8部(東京化成工業(株)社製)を加え、これを直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下で3時間分散した。分散後、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レダウコーニングシリコーン社製)0.01部、架橋ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子(商品名:TECHPOLYMER SSX−102、積水化成品工業(株)社製、平均一次粒径2.5μm)を5.6部加えて攪拌し、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を上記支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で乾燥させて、膜厚が18μmの下引き層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°および28.2°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)20部、下記構造式(A)で示されるカリックスアレーン化合物0.2部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)10部、および、シクロヘキサノン600部を、直径1mmガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、4時間分散処理した後、酢酸エチル700部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を15分間80℃で乾燥させることによって、膜厚0.17μmの電荷発生層を形成した。
Figure 0006624952
次に、下記構造式(B)で示される化合物30部(電荷輸送物質)、下記構造式(C)で示される化合物60部(電荷輸送物質)、下記構造式(D)で示される化合物10部、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ビスフェノールZ型のポリカーボネート)100部、下記構造式(E)を有するポリカーボネート(粘度平均分子量Mv:20000)0.02部を、混合キシレン600部およびジメトキシメタン200部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。
Figure 0006624952
Figure 0006624952
次に、下記構造式(F)で示される化合物(連鎖重合性官能基であるアクリル基を有する電荷輸送物質)36部、ポリテトラフルオロエチレン樹脂微粉末(ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)4部、およびn−プロパノール60部を超高圧分散機で分散混合することによって、保護層用塗布液を調製した。この保護層用塗布液を上記電荷輸送層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を5分間50℃で乾燥させた。乾燥後、窒素雰囲気下にて、加速電圧70kV、吸収線量8000Gyの条件で、1.6秒間シリンダーを回転させながら塗膜に電子線を照射し、塗膜を硬化させた。その後、窒素雰囲気下にて、塗膜が120℃になる条件で3分間加熱処理を行った。なお、電子線の照射から3分間の加熱処理までの酸素濃度は20ppmであった。次に、大気中において、塗膜が100℃になる条件で30分加熱処理を行い、膜厚が5μmである保護層(第二電荷輸送層)を形成した。
Figure 0006624952
このようにして、表面に凹形状部を形成する前の円筒状の電子写真感光体(凹形状部形成前の電子写真感光体)を作製した。
・モールド圧接形状転写による凹形状部の形成
概ね図5に示す構成の圧接形状転写加工装置に、モールドとして概ね図16に示す形状のモールド(本実施例においては、最大幅(モールド上の凸部を上から見たときの電子写真感光体の軸方向に対応する方向の最大幅のこと。以下同じ。)X:40μm、最大長さ(モールド上の凸部を上から見たときの電子写真感光体の周方向に対応する方向の最大長さのこと。以下同じ。)Y:80μm、面積率50%、高さH:4μmの凸形状)を設置し、作製した凹形状部形成前の電子写真感光体に対して表面加工を行った。面積率とは、モールドの加工領域の面積に対する、モールド上の凸部が設けられた領域の面積の総和の割合(すなわち、電子写真感光体の周面における表面積に対する凹部形状の開口面の面積の総和の割合)である。加工時には、電子写真感光体の表面の温度が120℃になるように電子写真感光体およびモールドの温度を制御し、7.0MPaの圧力で電子写真感光体と加圧部材を押し付けながら、電子写真感光体を周方向に回転させて、電子写真感光体の表面(周面)の全面に凹形状部を形成した。
このようにして、表面に特定凹形状部を有する電子写真感光体を作製した。この電子写真感光体を「感光体−1」とする。
・電子写真感光体の表面の観察
得られた電子写真感光体(感光体−1)の表面を、レーザー顕微鏡((株)キーエンス製、商品名:X−100)で50倍レンズにより拡大観察し、上述のようにして電子写真感光体の表面に設けられた特定凹形状部の判定を行った。観察時には、電子写真感光体の長手方向(軸方向)に傾きがないように、また、周方向については、電子写真感光体の円弧の頂点にピントが合うように、調整を行った。一辺500μmの正方形領域は、拡大観察を行った画像を画像連結アプリケーションによって連結して得た。また、得られた結果については、付属の画像解析ソフトにより、画像処理高さデータを選択し、フィルタタイプメディアンでフィルタ処理を行った。
上記観察によって特定凹形状部の深さ、開口面の軸方向の幅、開口面の周方向の長さ、面積、2つの輪郭直線で形成された頂点の角度、などを求めた。結果を表2に示す。
なお、電子写真感光体(感光体−1)の表面を、他のレーザー顕微鏡((株)キーエンス製、商品名:X−9500)を用い、上記と同様の方法で観察を行ったところ、上記のレーザー顕微鏡((株)キーエンス製、商品名:X−100)を用いた場合と同様の結果が得られた。以下の製造例では、電子写真感光体(感光体−2〜21)の表面の観察に、レーザー顕微鏡((株)キーエンス製、商品名:X−100)および50倍レンズを用いた。
(感光体−2〜感光体−21の製造例)
感光体−1の製造例において、モールドを表1に示したように変更した以外は、感光体−1の製造例と同様にして電子写真感光体を作製した。これらの電子写真感光体を「感光体−2〜感光体21」とする。感光体−1の製造例と同様にして、得られた電子写真感光体の表面観察を行った。結果を表2に示す。
なお、図7〜図18において、いずれも(a)図は電子写真感光体の各製造例で用いたモールドを示す概略上面図、(b)図は(a)図に示されたモールドにおける凸部のB−B概略断面図、(c)図は(a)図に示されたモールドにおける凸部のC−C概略断面図である。また、感光体−1〜感光体−4は図16、感光体−5〜感光体−8は図17、感光体−9〜感光体−12は図18に示すモールドを用いているが、図16〜図18は詳細の図示が省略されたものであって、各製造例に応じて、最大幅X、最大長さY、面積率、高さHが表1に記載されたものにあわせた異なるモールドを用いている。
Figure 0006624952
Figure 0006624952
(電子写真感光体の実機評価)
(実施例1)
感光体−1を、評価装置であるキヤノン(株)製の電子写真装置(複写機)(商品名:iR−ADV C5255)の改造機のシアンステーションに装着し、以下のように試験および評価を行った。
32.5℃/85%RH環境下で、電子写真感光体の暗部電位(Vd)が−500V、明部電位(Vl)が−180Vになるように帯電装置および画像露光装置の条件を設定し、電子写真感光体の初期電位を調整した。
次に、硬度77°のポリウレタンゴム製クリーニングブレードを、電子写真感光体の表面に対して当接角28°、当接圧50g/cmとなるように設定した。電子写真感光体用のヒーター(ドラムヒーター)をONにした状態で、32.5℃/85%RH環境下で、A4横の1%印字画像の評価用チャートを連続で100枚出力した後、シアン濃度30%のスクリーン画像をハーフトーン画像として出力し、画像上のH/H初期スジを以下のように評価した。結果を表3に示す。尚、本評価方法は加速評価であり、画像上の優劣差を顕著にする目的で適用した。尚、本発明において、ウレタンゴム製のクリーニングブレード(ウレタンゴム)の硬度(IRHD)は、ウォーレス(H.W.WALLACE)社製のウォーレス微小硬度計を用い、国際ゴム硬さ試験M法によって測定した値である。国際ゴム硬さ試験M法は、JISK6253−1997に規定されている。
A:画像上にスジが発生していない。
B:画像上にスジが疑われるような画像が得られるが明確にスジであるかどうかの判定ができないレベルである。
C:画像上に極軽微なスジがわずかに確認できるが画像上問題の無いレベルである。
D:画像上に極軽微なスジが発生しているが、画像上問題の無いレベルである。
E:画像上に軽微なスジが発生しているが、画像上許容できるレベルである。
F:画像上に明らかなスジが発生している。画像上許容できないレベルである。
(実施例2〜4,9〜12)
電子写真感光体として表3に示すものを用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体の実機評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例5〜8)
電子写真感光体として表3に示すものを用い、電子写真感光体を、電子写真感光体の回転方向の後端側に頂点を有する向きに電子写真装置に装着した。実施例1と同様にして電子写真感光体のH/H初期スジ評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 0006624952
(比較例1、3〜7、9)
電子写真感光体として表3に示すものを用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体の実機評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例2、8)
電子写真感光体として表3に示すものを用い、電子写真感光体を、電子写真感光体の回転方向の後端側に頂点を有する向きに電子写真装置に装着した。実施例1と同様にして電子写真感光体のH/H初期スジ評価を行った。結果を表3に示す。
1 電子写真感光体、2 軸、3 帯電手段、4 露光光、5 現像手段、6 転写手段、7 クリーニング手段、8 定着手段、9 プロセスカートリッジ、10 案内手段、51 電子写真感光体、52 モールド、53 加圧部材、54 支持部材、101 断面プロファイル(実線)、102 フィッティングした曲線(破線)、A 直線、C 頂点

Claims (8)

  1. 円筒状の支持体上に感光層を有する電子写真感光体であって、
    該電子写真感光体の表面が、各々独立した複数の凹形状部を有し、
    該凹形状部の開口面の該電子写真感光体の軸方向の幅が、20μm以上80μm以下であり、
    該電子写真感光体の表面の任意の位置に一辺500μmの正方形領域を配置したとき、該一辺500μmの正方形領域における該凹形状部の開口面の面積の総和が100000μm以上であり、
    該凹形状部の開口面の輪郭形状が、該電子写真感光体の周方向の少なくとも一方の端部側に、2つの輪郭直線、2つの輪郭曲線、もしくは1つの輪郭直線と1つの輪郭曲線とから成る頂点を有し、
    該頂点を成す該輪郭直線または該輪郭曲線が、当該輪郭直線または当該輪郭曲線上において、
    該電子写真感光体の周方向に延び且つ該頂点を通る直線Aまでの距離が最も離れた2つの点から、該頂点に向かって、該直線Aまでの距離が徐々に小さくなっており、
    該距離が最も離れた2つの点から該頂点までにおいて、該輪郭直線または該輪郭曲線の接線が、該電子写真感光体の軸方向に対して成す角度が45°以上90°以下であり、
    該凹形状部は、当該凹形状部の開口面からの深さが最も深い点から該頂点に向かって深さが徐々に浅くなる形状であり、
    該複数の凹形状部は、隣り合う凹形状部の配列方向が、該電子写真感光体の周方向および軸方向に対して角度を有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記電子写真感光体を側面から投影したとき、前記凹形状部の開口面上の直線と、前記頂点と前記電子写真感光体の深さ方向に最も深い点とを結ぶ直線と、で成す角度が、8.5°以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記凹形状部の開口面から投影したとき、前記距離が最も離れた2つの点から前記頂点までにおいて、前記2つの輪郭直線で成す角度、前記2つの輪郭曲線の接線で成す角度、または前記1つの輪郭直線と前記1つの輪郭曲線の接線とで成す角度が、58°以下である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 円筒状の支持体上に感光層を有する電子写真感光体及びクリーニングブレードを少なくとも有するプロセスカートリッジであって、
    該電子写真感光体の表面が、各々独立した複数の凹形状部を有し、
    該凹形状部の開口面の該電子写真感光体の軸方向の幅が、20μm以上80μm以下であり、
    該電子写真感光体の表面の該クリーニングブレードとの接触領域の任意の位置に一辺500μmの正方形領域を配置したとき、該一辺500μmの正方形領域における該凹形状部の開口面の面積の総和が100000μm以上であり、
    該凹形状部の開口面の輪郭形状が、該電子写真感光体の回転方向の後端側に、2つの輪郭直線、2つの輪郭曲線、もしくは1つの輪郭直線と1つの輪郭曲線とから成る頂点を有し、
    該頂点を成す該輪郭直線または該輪郭曲線が、当該輪郭直線または当該輪郭曲線上において、
    該電子写真感光体の周方向に延び且つ該頂点を通る直線Aまでの距離が最も離れた2つの点から、該頂点に向かって、該直線Aまでの距離が徐々に小さくなっており、
    該距離が最も離れた2つの点から該頂点までにおいて、該輪郭直線または該輪郭曲線の接線が、該電子写真感光体の軸方向に対して成す角度が45°以上90°以下であり、
    該複数の凹形状部は、隣り合う凹形状部の配列方向が、該電子写真感光体の周方向および軸方向に対して角度を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  5. 前記凹形状部の開口面から投影したとき、前記距離が最も離れた2つの点から前記頂点までにおいて、前記2つの輪郭直線で成す角度、前記2つの輪郭曲線の接線で成す角度、または前記1つの輪郭直線と前記1つの輪郭曲線の接線とで成す角度が、58°以下である請求項4に記載のプロセスカートリッジ。
  6. 前記凹形状部は、当該凹形状部の開口面からの深さが最も深い点から該頂点に向かって深さが徐々に浅くなる形状である請求項4または5に記載のプロセスカートリッジ。
  7. 前記電子写真感光体を側面から投影したとき、前記凹形状部の開口面上の直線と、前記頂点と前記電子写真感光体の深さ方向に最も深い点とを結ぶ直線と、で成す角度が、8.5°以下である請求項6に記載のプロセスカートリッジ。
  8. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子写真感光体、該電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段、帯電された該電子写真感光体の表面に露光光を照射して静電潜像を形成する露光手段、該静電潜像が形成された該電子写真感光体をトナーで現像する現像手段、該電子写真感光体上のトナー像を転写材上に転写する転写手段、および該電子写真感光体に接触配置されたクリーニングブレードを備えることを特徴とする電子写真装置。
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