JP2006181783A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 装置の大型化や高コスト化を回避しつつ,現像条件や環境条件の変化に応じて画像の濃度ムラの発生を防止できること。
【解決手段】 感光体表面の分割領域ごとに,画像処理手段により決定される画素階調を露光量に変換(個別露光量変換)するのに用いる複数の変換情報(個別変換情報)の候補の中から,現像条件や環境条件の変化に応じて適切な前記個別変換情報を選択し,その選択した個別変換情報に基づいて分割領域ごとに個別に画素階調から露光量への変換(個別露光量変換)を行う。個別変換情報は,分割領域各々における露光量と露光後の電位との対応を表す露光特性のうちの残留電位への収束領域を除く略線形露光特性若しくはその特性を外挿演算により延長した露光特性に対し,前記個別露光量変換により一の基準画素階調を変換して得た露光量を適用したときの露光後の電位を,一の基準電位に一致させるための情報である。
【選択図】図3

Description

本発明は,電子写真方式の画像形成装置に関し,特に,感光体表面の露光感度のムラや帯電のムラによって生じる露光後の電位の過不足を適正に調節する画像形成装置に関するものである。
電子写真方式の画像形成装置(複写機,プリンタ,ファクシミリ装置等)では,帯電装置(帯電手段)により感光体の表面を所定の初期電位まで一様に帯電させ,その帯電済みの感光体表面をレーザ光の走査やLEDアレイ等の露光手段で露光することによって静電潜像を書き込む。
ここで,画像形成が行われる際には,まず,所定の画像処理手段により画像形成対象となる画像データに基づいて画素ごとの濃淡レベルを表す画素階調が決定され,予め帯電装置により帯電済みの感光体の表面を前記画像処理手段により決定された前記画素階調を所定の変換情報に基づいて露光量に変換され(通常は線形変換),これにより得られる露光量に従って露光手段により露光される。
ところで,感光体にはその表層部の膜厚や材料特性のばらつき等に起因する個体差があり,その表面を帯電装置により一定条件で一様に帯電させても,感光体ごとに固有の電位の分布が生じる。これがいわゆる帯電ムラである。また,初期電位が等しい領域各々を同一の露光量で露光しても,必ずしも同じ電位にまで下がるわけではなくばらつきが生じる。即ち,露光量の差異に対する電位低下量の差異の比(傾き)に分布(ムラ)がある状況であり,これがいわゆる感度ムラである。
このような各々固有の帯電ムラや感度ムラを有する感光体の表面の各領域について,前記画素階調から前記露光量への変換を同一の(共通の)変換情報に基づいて行うと,同じ露光量で露光しても領域ごとに露光後の電位が異なってしまい,トナーによって現像される濃度(現像濃度)が本来あるべき濃度に対して過不足が生じ,現像ムラ(濃度ムラ)となって表れる。
一般に,画像の濃淡を複数画素の前記画素階調の配列で表現する面積階調方式で階調表現を行う装置(いわゆるデジタル機)の場合,画像の濃淡を画素単位の濃淡のみで表現する装置(いわゆるアナログ機)に比べ,微小な感度ムラや帯電ムラが画像の濃度ムラとして表れにくいものの,空間周期が比較的大きな帯電ムラが存在する場合,面積階調方式で階調表現を行うデジタル機においても濃度ムラを防ぎきれない。
特に,CMYK(シアン,マゼンタ,イエロー,ブラック)の4色のトナー像を重ねるカラー画像形成装置では,CMYの3色のトナー像を重ねて混色グレーの画像を形成するが,露光後の感光体表面に帯電ムラがあると,CMYのバランスが崩れて均一な混色グレー像が形成されない(濃度ムラが生じる)。
例えば,特許文献1によれば,露光後の電位に5V以上の電位ムラがあると,濃度ムラが顕著に表れるとされている。このような現象は,特に,いわゆるタンデム式のカラー画像形成装置において顕著である。また,a−Si感光体(感光層がアモルファスシリコンからなる感光体)では,一般にOPC感光体よりも帯電ムラが大きいため,画像の濃度ムラがより顕著となる。かといって,a−Si感光体において,帯電ムラが5V以下であることを品質規格(合格レベル)とすると,歩留まりが著しく悪化して現実的でない。
これに対し,特許文献1には,静電潜像書き込み用の露光前に,初期電位の分布を補正するための補助露光手段を設ける技術が示されている。
また,特許文献2には,感光体の感度情報に基づいて露光量を補正する技術が,特許文献3には,感光体の回転位置ごとに感度ムラを補正する技術が,特許文献4には,感光体の露光位置ごとに感度ムラを補正する技術が,特許文献5には,感光体の感度分布データに従って感度ムラを補正する技術が各々示されている。
特開2003−154706号公報 特開平10−31332号公報 特開2000−162834号公報 特開2004−61860号公報 特開2004−233694号公報
しかしながら,画像の濃度ムラは,露光手段における露光量以外にも,その他の現像条件や環境条件によっても生じやすさが異なり,特許文献1〜5に示されるように,そのような条件の変化を考慮せずに露光調節を行うと,画像の濃度ムラの発生を効果的に防止できないという問題点があった。
例えば,現像バイアス電位におけるAC成分の周波数が高くなった場合,感光体の電位ムラによって発生する画像の濃度ムラが目立ちやすくなることから,感光体の露光後の電位を目標とする(基準となる)電位により近づけるように調節する必要がある。
また,特許文献1に示されるように,静電潜像書き込み用の露光手段とは別個に独立した露光手段を設けることは,装置の大型化や高コスト化につながるため,適用が困難な場合が多いという問題点があった。特に,タンデム式のカラー画像形成装置の場合,複数(通常は4つ)の感光体ごとに新たな露光手段を設ける必要が生じ,スペース上及びコスト上の問題がより顕著となる。
さらに,特許文献2〜5に示される技術は,いずれも感光体の感度ムラを補正するもの,即ち,基準となる感光体の露光特性(露光量と電位低下量との関係)と制御対象となる感光体の露光特性とにおける傾き(露光量の差異に対する電位低下量の差異の比)の相違分を補正するものであるため,帯電済み感光体の露光前の初期電位に分布がある(帯電ムラがある)場合には,その電位分布がそのままオフセットとして残り,画像の濃度ムラが解消されないという問題点があった。
図5は,帯電ムラと感度ムラとが併存するa−Si感光体における前記画素階調とその画素階調に対応する露光量で露光した後の感光体の電位との関係を表すもの(図中,破線で表す)であり,図5(a)は露光量補正を行わない場合(太い破線g01で表す),同(b)は露光量の感度ムラ補正を行った場合(太い実線g02で表す)の各特性を表す。なお,図中,太い実線(g0)で表す特性は,基準となる(標準的な)露光体の特性(以下,基準特性という)を表す。
ここで,図5(a)に示すグラフは前記画素階調を横軸としているが,前記画素階調から前記露光量への変換(前記個別露光量変換)を,ある一の変換式(係数は固定)或いは変換テーブルに基づいて行う限り,横軸を露光量と見ても等価である。即ち,図5(a)においては,基準となる感光体の特性を表すグラフ線g0と,制御対象となる測定対象である感光体の特性を表すグラフ線g01とは,いずれも同じ変換式(即ち,補正なし)に従って前記画素階調から前記露光量への変換が行われた例であるので,横軸を露光量に置き換えて露光特性(露光量に対する露光後の電位に特性)であるとして見ても等価である。
図5(a)に示すように,一般に,感光体(特に,a−Si感光体)における露光量と露光後の電位との対応を表す露光特性においては,露光量が増大するにつれてほぼ線形的に露光後の電位が下がり,残留電位(最大露光量で露光後に残る電位)への収束領域(露光量の増加に対して電位が低下する傾きがごく緩やとなる範囲)を除く部分ではほぼ線形の露光特性を示す。例えば,図5(a)における測定対象の感光体の露光特性g01においては,前記画素階調をI2としたときの帯電量E2以下の範囲でほぼ線形の露光特性を示し,基準となる感光体の露光特性g0においては,前記画素階調をIs2としたときの帯電量Es2以下の範囲でほぼ線形の露光特性を示している。
また,測定対象の感光体に帯電ムラと感度ムラとが併存する場合,図5(a)に示すように,前記基準露光特性g0との間で,初期電位(露光前の帯電電位,即ち,y切片)の差異(帯電ムラ相当分)と,露光特性の傾きの差異(感度ムラ相当分)とが生じる。このような感光体に対し,露光量の感度ムラ補正(傾きを一致させる補正)を行うと,図5(b)に示すように,帯電ムラに対応する電位差(初期電位の差分)がオフセットとして残り,これが画像の濃度ムラの原因となる。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,装置の大型化や高コスト化を回避しつつ,現像条件や環境条件の変化に応じて画像の濃度ムラの発生を防止できる画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は,所定の画像データ,例えば,複写機における原稿からの読み取り画像データやプリンタにおける印刷ジョブ等の画像データに基づいて,画素ごとの濃淡レベルを表す画素階調を画像処理手段により決定し,予め帯電手段により帯電済みの感光体の表面を,前記画像処理手段により決定された前記画素階調を変換して得られる露光量に従って露光手段(静電潜像書き込み用の露光手段)により露光することにより,前記感光体に静電潜像を書き込む画像形成装置に適用されるものであり,前記感光体の表面を複数に分割した分割領域ごとに,前記画素階調を前記露光量に変換するために用いる複数の個別変換情報の候補を記憶手段(個別変換情報記憶手段)に記憶しておき,前記露光手段における露光量以外の現像に関する条件(以下,その他現像条件という)や環境条件に基づいて,前記複数の個別変換情報の候補の中から採用するものを選択し(個別変換情報選択手段),選択した前記個別変換情報に基づいて前記分割領域ごとに個別に前記画素階調を前記露光量へ変換する(以下,個別露光量変換という)ものである。
これにより,現像条件や環境条件の変化に応じて適切な前記個別変換情報が選択され,画像の濃度ムラの発生を防止できる。しかも,新たな露光手段等を追加することなく,既存の静電潜像書き込み用の露光手段の露光量調節(前記画素階調から露光量への変換の調節)により実現できるので,装置の大型化や高コスト化を招くことがない。
ここで,前記その他現像条件としては,例えば,現像バイアス電位のDC成分のレベル,現像バイアス電位のAC成分の周波数,現像バイアス電位のAC成分のピークトゥピーク値(いわゆるVPP),2成分現像剤中のトナー濃度,現像剤の撹拌時間及び現像剤の累積使用時間のうちの1又は複数を含む条件が考えられる。
また,前記環境条件としては,環境温度(雰囲気温度)や環境湿度(雰囲気湿度)を含むもの等が考えられる。
ここで,前記個別変換情報としては,前記感光体の表面を複数に分割した分割領域ごとに,前記画素階調の一部若しくは全部の範囲において該画素階調を前記露光量へ略線形変換する際の傾きを規定するものであって,前記分割領域各々における露光量と露光後の電位との対応を表す露光特性のうちの残留電位(最大露光量で露光後に残る電位)への収束領域(露光量の増加に対して電位が低下する傾きがごく緩やとなる範囲)を除く部分の特性(以下,略線形露光特性という)若しくはその略線形露光特性を外挿演算により延長した露光特性に対し,前記個別露光量変換により全ての前記分割領域について共通の一の基準画素階調を変換して得た露光量を適用したときの露光後の電位を,全ての前記分割領域について共通の一の基準電位に略一致させるための情報(以下,傾き情報という)を採用することが考えられる。
これは,例えば,前記一の基準電位が前記略線形露光特性の範囲内の電位である場合,前記傾き情報は,前記個別露光量変換により前記一の基準画素階調を変換して得た露光量で前記分割領域を露光した場合の露光後の電位を,前記一の基準電位に略一致させるための情報であることを表す。
このような前記傾き情報に基づいて前記画素階調から前記露光量への変換を行えば,帯電ムラと感度ムラとが併存する前記感光体(帯電済みの感光体)について,前記分割領域ごとに,前記画素階調に対する露光後の感光体の電位の特性が,基準となる(標準的な)特性とある1点(前記基準画素階調及び前記基準電位により特定される点)で交差するような特性となる。従って,全体として基準となる特性に近づくように前記個別帯電量変換がなされることとなり,画像の濃度ムラの発生を極力防止することができる。
また,前記分割領域としては,ドラム状の前記感光体の表面をその軸方向若しくは周方向に複数分割した領域(一次元の分割),或いはその両方向に複数分割した領域(2次元の分割)が考えられる。例えば,1画素の幅或いは高さの単位で分割することや,複数画素分の幅や高さの単位で分割することが考えられる。
ここで,前記露光手段による露光は,前記分割領域の各位置を認識して行う必要があることはいうまでもない。一般に,前記感光体表面の軸方向(即ち,主走査方向)の露光位置については,前記露光手段(或いはその制御手段)において少なくとも画素単位で書き込み位置は認識(検出)されている。一方,前記感光体表面の周方向(副走査方向)の絶対位置については,画像形成に直接的に必要な情報ではないため,前記感光体の回転位置を検出する手段を設ける必要がある。
また,前記感光体がa−Si感光体である場合に,特に帯電ムラが顕著に表れることが多いため,本発明の適用に好適である。
本発明によれば,感光体の表面を複数に分割した分割領域ごとに,画像処理手段により決定される画素階調を露光量に変換(個別露光量変換)するのに用いる複数の情報(個別変換情報)の候補の中から,現像条件や環境条件の変化に応じて適切な前記個別変換情報が選択され,画像の濃度ムラの発生を防止できる。しかも,新たな露光手段等を追加することなく,既存の静電潜像書き込み用の露光手段の露光量調節(前記画素階調から露光量への変換の調節)により実現できるので,装置の大型化や高コスト化を招くことがない。
また,前記個別変換情報として,画像処理手段により決定される画素階調を露光量へ略線形変換する際の傾きを規定する前記傾き情報を採用することにより,帯電ムラと感度ムラとが併存する前記感光体(帯電済みの感光体)について,前記分割領域ごとに,前記画素階調に対する露光後の感光体の電位の特性が,全体として基準となる一の特性に近づくように調節され,画像の濃度ムラの発生を極力防止することができる。
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の実施形態に係る画像形成装置Xの概略断面図,図2は画像形成装置Xの主要部の概略構成を表すブロック図,図3は画像形成装置Xにおける画素階調から露光量への変換特性及びそのときの画素階調と露光後の電位との関係の第一例を表すグラフ,図4は画像形成装置Xにおける画素階調から露光量への変換特性及びそのときの画素階調と露光後の電位との関係の第二例を表すグラフ,図5は帯電ムラと感度ムラとが並存する感光体表面における従来の画素階調と露光後の電位との関係の一例を表すグラフ,図6は帯電ムラと感度ムラとが並存する感光体表面の露光に際し0を除く全ての画素階調各々を設定して露光した後の電位を基準特性に一致させるように個別露光量変換を行った場合の画素階調と露光後の電位との関係を表すグラフ,図7は現像バイアス電位と感光体ドラムの露光後電位との関係を表す図である。
まず,図1に示す断面図を用いて,本発明の実施形態に係る画像形成装置Xの全体構成について説明する。
画像形成装置Xは,ブラック(BK),マゼンダ(M),イエロー(Y),シアン(C),の4色のトナーを用いるタンデム方式の画像形成装置の一例であるプリンタである。
画像形成装置Xは,トナー像を形成し,記録紙に画像形成を行う画像形成部α1,その記録紙を前記画像形成部α1に供給する給紙部α2,及び画像形成の行われた記録紙の排出がなされる排紙部α3を有する。
パーソナルコンピュータ等の外部装置から不図示の通信部により受信された画像情報(印刷ジョブ)は,後述する画像処理部12によりブラック(BK),マゼンダ(M),イエロー(Y),シアン(C),の4色各々に対する画素ごとの濃淡値情報である画素階調に変換される。
前記画像形成部α1は,上記4色各々の像を担持する4つの感光体ドラム1(ブラック用1BK,マゼンダ用1M,イエロー用1Y,シアン用1C),その感光体ドラム1各々の表面を一様に帯電させる帯電装置3(3BK,3M,3Y,3C),その帯電装置3により予め帯電済みの前記感光体ドラム1各々の表面を後述する画像処理部12により決定される前記画素階調に対応する露光量の光を照射する(露光する)ことにより前記感光体ドラム1に静電潜像を書き込む露光源2(2BK,2M,2Y,2C,露光手段の一例),その静電潜像にトナーを供給することによりトナー像として現像する現像装置5(5BK,5M,5Y,5C),前記感光体ドラム1各々の表面に形成されたトナー像が順次転写され,そのトナー像を記録紙に転写する中間転写ベルト7,記録紙を搬送する搬送ローラ8,記録紙上に転写されたトナー像を加熱定着さえる定着装置9,トナー像を記録紙に転写後の前記感光体ドラム1表面の除電を行う除電装置4(4BK,4M,4Y,4C)等を備えて概略構成される。
前記感光体ドラム1は,例えば,高硬度で性状が安定しているため耐久性に優れる一方,感度ムラに加えて帯電ムラが比較的顕著に表れやすいa−Si感光体等である。
前記帯電装置3は,前記感光体ドラム1の表面をその軸方向に沿って一様に帯電させるものであるが,前記感光体ドラム1に帯電ムラがある場合,前記帯電装置3による帯電後(露光前)の電位(初期電位)には分布が生じる。
図1に示す前記露光源2は,前記感光体ドラム1の軸方向(主走査方向)に1画素ごとに複数のLEDが配列されたLEDアレイにより構成されたものの例を示している。この他,前記露光源2は,レーザ光を前記感光体ドラム1の軸方向に走査するレーザスキャン装置等によって構成されたものであってもよい。
前記現像装置5は,前記感光体ドラム1にトナーを供給する現像ローラを備え,その現像ローラに印加された電位(現像バイアス電位)と前記感光体ドラム1表面の電位との電位ギャップに応じて,前記現像ローラ上のトナーが前記感光体ドラム1の面上に引き寄せられ,前記静電潜像がトナー像として顕像化される。
ここで,前記現像装置5は,2成分現像剤(トナーとキャリアとの混合剤)を用いる現像装置であり,当該現像装置5に接続されたトナー貯留槽から現像装置5の現像槽内にトナーを供給するタイミングを制御する指標とするために,現像槽内に存在する現像剤におけるトナー濃度を検出するトナー濃度センサ(通常は,透磁率センサ)が設けられている。
前記給紙部α2は,給紙カセット20,給紙ローラ6等を有して概略構成される。前記給紙カセット20に予め収容された記録紙は,前記給紙ローラ5が回転駆動することにより前記画像形成部α1に搬送される。
前記給紙部α2から送出された記録紙は,前記搬送ローラ8により搬送されつつ,前記中間転写ベルト7からトナー像が転写される。そして,トナー像が転写された記録紙は,前記定着装置9に搬送され,例えば加熱ローラ等により記録紙に加熱定着された後,前記排紙部α3に搬送されて排出される。
図2は,画像形成装置Xの主要部の概略構成を表すブロック図である。
画像形成装置Xは,前記帯電装置3,前記露光源2,前記現像装置5及び前記除電装置4に加え,MPU及びその周辺装置であるROM,RAM等から構成され,当該画像形成装置Xの各構成要素を制御する制御部10,利用者に対する情報の表示手段であるとともに,利用者の操作に従って情報を入力する手段でもある液晶タッチパネル等の表示操作部11,各種画像処理を行う画像処理部12,EEPROM等の読み書き自在の記憶手段であり各種データを記憶するデータ記憶部13,前記感光体ドラム1各々の回転方向の位置を検出する回転位置検出部14,前記制御部10からの制御指令に従って前記現像装置5における現像バイアス電位のDC成分のレベルや,AC成分の周波数或いはVPP(ピークトゥーピーク値)等を調節する回路である現像バイアス調節部15,当該画像形成装置Xの設置環境における温度(雰囲気温度)及び湿度(雰囲気湿度)を検出する温湿度計16等を備えている。
前記画像処理部12は,外部装置から不図示の通信制御部を介して入力される所定の画像データ(印刷ジョブ等)に基づいて,トナーの各色について画素ごとの濃淡レベルを表す画素階調をデジタル方式により決定する処理を実行する。
ここで,前記画像処理部12は,前記画像データに基づいて,複数画素からなる画素群(以下,単位画素群という)の単位で,印字する画素の配列,及び印字する画素の前記画素階調を決定する誤差拡散方式やスクリーン方式等の面積階調方式によって画像の濃度階調表現を行う。
前記データ記憶部13には,予め,前記感光体ドラム1各々について,その表面を複数に分割した分割領域ごとに,前記画素階調を前記露光源2に設定する露光量へ線形変換する際の傾きを規定する傾き情報(個別変換情報の一例)が個別に記憶されている(個別変換情報記憶手段の一例)。その具体的内容については後述する。
ここで,前記分割領域は,例えば,各画素に対応した領域(1画素分の幅(軸方向)×1ライン分の高さ(周方向))の領域や,前記画像処理部12における面積階調方式での画像処理で採用される前記単位画素群に対応した領域とすること等が考えられる。
そして,前記制御部10は,前記画像処理部12により決定された前記画素階調を取得し,前記傾き情報に基づいて前記感光体1ごと,及び前記分割領域ごとに個別に前記画素階調を前記露光量へ変換する(個別露光量変換手段の一例)。以下,この変換処理を個別露光量変換という。この個別露光量変換により得られた露光量は,前記露光源2各々に設定され,前記感光体1各々について,設定された画素ごとの露光量に従った露光が前記露光源2各々により行われる。
通常,前記画素階調から露光量への変換の調整を行わない場合,前記露光源2は,発光部を発光させる際,その発光部の点灯時間によって前記画素階調に応じた露光量となるように調節する。即ち,前記発光部に供給する電流のレベルは一定にしたままで,前記発光部の画素ごとの点灯時間が前記画素階調の値に比例した時間となるように調節する。その際,前記画素階調と前記点灯時間との関係における比例係数(傾き)は一定である。但し,前記発光部の点灯開始時の立ち上がりロス分を補うだけの点灯時間は別途加算される。
これに対し,本発明における前記露光源2は,前記露光量(μJ/cm2)に応じて,その発光部に供給する電流(A)のレベルを調節する。
その他,前記発光部の画素ごとの前記画素階調と前記点灯時間(msec)との対応関係における前記比例係数を前記分割領域ごとに可変とし,前記発光部に供給する電流のレベルは一定としたままで,設定された露光量が得られるよう前記比例係数を調節することや,これと前記発光部への供給電流レベルの調節とを組み合わせること等も考えられる。
なお,前記露光源2として,レーザスキャン装置を用いる場合であっても同様である。
また,前記制御部10は,前記分割領域の各位置(露光位置)を認識して前記露光源2による露光を制御する。
即ち,前記露光源2にLEDアレイを用いる場合,画素ごとにLEDが配列されているので,前記制御部10は,前記感光体ドラム1表面の軸方向(主走査方向)の露光位置については,点灯させるLEDの配列位置(配列番号等)により認識する。
これに対し,前記感光体ドラム1表面の周方向(副走査方向)の露光位置については,前記回転位置検出部14により前記感光体ドラム1表面のいずれの位置が前記露光源2の光照射位置に位置するかを検出し,前記制御部10は,その検出結果を取得することにより認識する。
一方,前記データ記憶部13に,前記分割領域各々の識別情報として,LEDの識別情報(LEDの配列番号等)と前記回転位置検出部14の検出値との組み合わせを記憶しておき,さらにその組み合わせ(前記分割領域各々の識別情報)各々に対応づけて前記傾き情報を記憶しておく。
さらに,前記制御部10は,これから点灯させようとするLEDの位置(配列番号等)と前記回転位置検出部14の検出結果とに基づいて,前記個別露光量変換に用いる前記傾き情報を前記データ記憶部13から抽出(検索)して読み出す。
また,前記回転位置検出部14の構成としては,例えば,前記感光体ドラム1の回転軸に回転式のポテンショメータを設けて回転位置を検出する構成や,前記感光体ドラム1の回転軸に突起部等の基準部を設け,その基準部の通過位置を接触型のスイッチやフォトカプラ等により検出し,その検出時点からの経過時間を計時する構成等が考えられる。
なお,前記露光源2としてレーザスキャン装置を用いる場合,前記感光体ドラム1表面の軸方向(主走査方向)の露光位置については,レーザ光の走査に用いられるポリゴンミラーの回転位置を検出することや,或いは,レーザ光が所定の基点位置に偏向されたことが受光素子により検出されてからの経過時間を計時すること等により検出すればよい。
次に,前記傾き情報について説明する。
本画像形成装置Xは,製造段階等において,それに組み込まれた前記感光体ドラム1個々の露光特性を得るための特性評価試験に供される。より具体的には,前記特性評価試験(予めの実測)は,前記帯電装置3により帯電された(帯電済みの)前記感光体ドラム1に対し,前記分割領域ごとに複数の露光量の条件下で前記露光源2による露光が行われるとともに,前記分割領域ごとの露光前の初期電位と露光後の電位とが実測され,前記分割領域各々の露光特性,即ち,露光量と露光後の電位との関係を表す特性(以下,実測露光特性という)が明らかにされる。図5(a)に示す太い破線グラフg0が,そのようにして明らかにされた露光特性の一例である。
ここで,前記分割領域各々の露光特性を測定する方法としては,例えば,前記分割領域各々について,密に露光量を切り替えて露光し,露光後の電位を測定すれば,正確な露光特性を測定できる。その他,図5(a)に示したように,露光特性の傾向(カーブの形)はある程度決まっており,係数のみ変更すれば共通の式で定式化できるのが一般的であるので,1又は複数の代表的な露光量で露光した後の電位を測定した結果に基づいて,露光特性を推定してもよい。
例えば,a−Si感光体ドラムであれば,残留電位は前記感光体ドラム1の表面の位置によらずほぼ一定であるので,初期電位と,前記略線形特性の範囲の1つの露光量で露光した後の電位とを測定すれば,十分な精度で露光特性を推定できる。
そして,本画像形成装置Xにおいては,前記傾き情報は,前記分割領域各々における露光量と露光後の電位との対応を表す露光特性のうちの残留電位VLへの収束領域を除く部分である略線形露光特性(図5(a)のグラフg01の特性における露光後の電位がVs2以上の範囲の特性),若しくはその略線形露光特性を外挿演算により延長した露光特性に対し,前記個別露光量変換により全ての前記分割領域について共通の一の基準となる前記画素階調(Is1又はIs3(図5(a)参照),以下,基準画素階調Isという)を変換(ここでは線形変換)して得た露光量を適用したときの露光後の電位を,全ての前記分割領域について共通の一の基準となる電位(Vs1又はVs2,以下,基準電位という)に一致させるための情報である。
ここで,後述する決定規則に従って決定される前記基準画素階調Isが,前記基準となる露光特性における前記略線形露光特性の範囲に対応する画素階調である場合は(この場合の前記基準画素階調をIs1とする),前記分割領域各々の前記略線形露光特性に基づいて前記傾き情報が設定され,前記基準画素階調Isが,前記基準となる露光特性における前記略線形露光特性の範囲を超える範囲に対応する画素階調である場合は(この場合の前記基準画素階調をIs3とする),前記分割領域各々の前記略線形露光特性を外挿演算により延長した特性に基づいて前記傾き情報が設定される。
以下,前述した図5及び図3,図4を用いて,a−Si感光体ドラム1の表面におけるある前記分割領域が,図5(a)に示した特性,即ち,帯電ムラと感度ムラとが併存する露光特性(g0)を有する場合を例として,前記傾き情報について説明する。
<基準画素階調が略線形露光特性の範囲内の画素階調Is1である場合>
図3(b)は,図5(a)のグラフg01に示した露光特性を有する前記分割領域について,Is=Is1である場合の前記画素階調から露光量への線形変換(前記個別露光量変換)の特性を表すグラフであり,図3(a)は,図3(b)の特性に従った前記個別露光量変換を行った場合の前記画素階調と露光後の電位(露光後電位)との関係を表すグラフである。
ここで,図3(b)に一点破線で示す線形変換特性(E=k0・I,Eは露光量,Iは画素階調,k0は傾き)は,基準となる(標準的な)前記個別露光量の変換特性を表し,図5(a)のグラフg0,g01に示した特性は,前記基準の変換特性(傾き=k0)に従って前記個別露光量変換が行われた場合の特性であるとする。
また,図3(b)に実線で示す線形変換特性(E=k1・I,Eは露光量,Iは画素階調,k1は傾き)は,前記個別露光量変換の特性を表し,この特性における傾きk1が,前記分割領域ごとに前記傾き情報として前記データ記憶部13に予め記憶されている。
後述する決定規則に従って決定される前記基準画素階調Isが,前記略線形露光特性の範囲内に対応する画素階調Is1である場合,感光体ドラムの基準となる(理想的な)露光特性(図5(a)のグラフg0)に,前記基準となる個別露光量変換特性(図3(b)の破線グラフ:E=k0・I)に従って前記基準画素階調Is1を変換して得られる露光量を適用したときの露光後の電位Vs1を前記基準電位とする。
そして,前記傾き情報k1は,前記分割領域各々における露光特性(図5(a)のグラフg01の特性)に対し,前記個別露光量変換により前記基準画素階調Is1を変換して得た露光量E1を適用したときの露光後の電位を,前記基準電位Vs1に一致させる(或いは分解能等の制約の下でほぼ一致させる)ための情報(図3(b)における傾きk1)である。
なお,最大の前記画素階調Imaxについて前記個別露光量変換により得られる最大露光量については,前記分割領域ごとに,その露光特性における半減露光量と全ての前記分割領域で共通の定数との乗算により求まる露光量となるように前記個別露光量変換を行うことも考えられる。これは,前記画素階調の一部範囲(最大の画素階調以外の範囲)において前記画素階調を前記露光量へ線形変換する場合の一例である。これにより,半減露光量に応じた最大露光量設定が可能となる。
このような前記傾き情報k1に基づいて,前記画像処理部12で決定された前記画素階調について線形変換(前記個別露光量変換)を行って得られる露光量で前記分割領域を露光した場合,前記画素階調に対する露光後の電位の特性は,図3(a)のグラフgx1のようになる。
図3(a)からわかるように,帯電ムラと感度ムラとが併存する前記分割領域において,前記画素階調に対する露光後の電位の特性が,基準となる(標準的な)特性g0とある1点P1(前記基準画素階調Is1及び前記基準電位Vs1により特定される点)で交差する特性となる。従って,全体として基準となる特性g0に近づくように前記個別帯電量変換がなされることとなり,画像の濃度ムラの発生を極力防止することができる。
ところで,図6のグラフg02’に示すように,初期電位のギャップ以外,即ち,0(ゼロ,即ち,露光しない場合)を除く全ての前記画素階調各々を設定して露光した後の電位を基準特性g0に一致させるように,前記個別露光量変換を行うことも可能である。しかしながら,図6に示す結果となるような前記個別露光量変換を行うと,露光前の初期電位と前記画素階調を1(0を除く最小値)に設定して露光した後の電位とのギャップΔV0が特に大きくなる。このギャップΔV0が大きすぎると,画像を中間調で表現する場合の濃度の連続性が阻害されるため画質が悪化する。
これに対し,図3(a)のグラフgx1に示すように,基準となる特性に対してある1点でのみ一致させるように前記画素階調から前記露光量への線形変換(前記個別露光量変換)を行うと,前記ギャップΔV0がそれほど大きくならず,中間調濃度の連続性を阻害して画質を悪化させることがない。
<基準画素階調が略線形露光特性を超える範囲の画素階調Is3である場合>
図4(b)は,図5(a)のグラフg01に示した露光特性を有する前記分割領域について,Is=Is3である場合の前記画素階調から露光量への線形変換(前記個別露光量変換)の特性を表すグラフであり,図4(a)は,図4(b)の特性に従った前記個別露光量変換を行った場合の前記画素階調と露光後の電位(露光後電位)との関係を表すグラフである。
また,図4(b)に実線で示す線形変換特性(E=k3・I)は,前記個別露光量変換の特性を表し,この特性における傾きk3が,前記分割領域ごとに前記傾き情報として前記データ記憶部13に予め記憶されている。
後述する決定規則に従って決定される前記基準画素階調Isが,前記略線形露光特性の範囲を超える範囲の特性に対応する画素階調Is3である場合,感光体ドラムの基準となる(理想的な)露光特性(図5(a)のグラフg0)の一部である前記略線形露光特性を外挿演算により延長した特性(図5(a)において破線g0’で示す計算上の架空の特性)に,基準となる変換式(E=k0・I)に従って前記基準画素階調Is3を変換して得られる露光量を適用したときの露光後の電位Vs3を前記基準電位とする。
そして,前記傾き情報k3は,前記分割領域各々における前記略線形露光特性を外挿演算により延長した露光特性(図5(a)のg01’)に対し,前記個別露光量変換により前記基準画素階調Is3を変換して得た露光量E3を適用したときの露光後の電位を,前記基準電位Vs3(外挿演算により求めた架空の電位)に一致させる(或いは分解能等の制約の下でほぼ一致させる)ための情報(図4(b)における傾きk3)である。
図3及び図4に示した特性からわかるように,前記基準画素階調が小さいほど(即ち,前記基準電位が大きい(初期電位に近い)ほど),その基準画素階調及び基準電位に基づく前記傾き情報は,に基づき前記個別露光量変換を行うと,前記画素階調の変化に対する前記露光量の変化の傾きが大きくなる。即ち,前記画素階調に対する帯電後の電位の特性を,基準となる特性(図5(a)のグラフg0)に近づけるようにする調節量が大きくなる。
ここで,図7を用いて,前記現像装置5における現像バイアス電位と前記感光体ドラム1の露光後電位との関係について説明する。
図7は,帯電済みの前記感光体ドラム1表面のある位置に所定の露光量で露光したときの露光中心から所定の範囲における露光後の電位分布を表すグラフであり,縦軸は露光後の電位,横軸は露光中心(画素の中心)に対する幅方向の位置を表す。
また,図7(a)は,ある露光量Eaで露光したときの基準となる(理想的な)露光特性を有する基準位置Paにおける露光後の電位分布f0と,帯電ムラが存在する位置Pbにおける露光後の電位分布f11を表したものである。
一方,図7(b)は,前記露光量Eaで露光したときの前記基準位置Paにおける露光後の電位分布と,前記露光量より大きい露光量Ebで露光したときの前記位置Pbにおける露光後の電位分布f12を表したものである。
図7(a)に示すように,ある位置に露光を行うと,その露光中心が最も露光後の電位が下がり,その露光中心から離れるごとに所定のカーブに沿って電位が徐々に上昇する分布となる。
また,現像バイアス電位のレベル(DC成分のレベル)がVv1である場合,その電位Vv1以下の範囲にドット(描画画素(トナー像))が形成されるので,前記基準位置Paでのドット幅は図中のL01の幅,前記位置Pbでのドット幅は図中のL11となる。また,現像バイアス電位をVv2に下げると,前記基準位置Paでのドット幅は図中のL02の幅まで狭まり,前記位置Pbでのドット幅は図中のL12まで狭まる。もし,前記感光体ドラム1表面の初期電位及び感度が均一であれば,露光量が同じである限り,各位置におけるドットの幅は均一となる。
これに対し,位置によって初期電位に差がある(帯電ムラがある)場合,図7(a)に示すように,各位置のドット幅にギャップ(L01−L11)又は(L02−L12)ができる。このようなドット幅のギャップは,画像の濃度ムラの原因となる。
ここで,図7(b)に示すように,一方の露光量を調節すれば,そのドット幅のギャップは小さくなるが,現像バイアス電位のレベルが異なると,露光量を同じだけ変化させても,ドット幅のギャップの変化は異なる。
例えば,図7(b)において,現像バイアス電位がVv1の場合は,前記基準位置Paに対する前記位置Pbとのドット幅の比は(L21/L01)であり,現像バイアス電位がVv2の場合の同比は(L22/L02)であり,(L22/L02)<(L21/L01)となる。このことから,ドット幅のギャップを同程度に補正するためには,現像バイアス電位が高いほど,露光量の調節量を大きくしなければならないことをがわかる。
同様のことが,現像バイアス電位のAC成分の周波数や現像バイアス電位のAC成分のVPP(ピークトゥピーク値)の条件が異なる場合にもいえる。
例えば,現像バイアス電位のAC成分の周波数が高くなった場合やVPPが大きくなった場合は,感光体の電位ムラによって発生する画像の濃度ムラが目立ちやすくなることから,感光体の露光後の電位を目標とする(基準となる)電位により近づけるように(調節量を大きく)調節する必要がある。
このような現像条件は,画像形成装置における初期調整や各種の制御により,装置ごとに或いは状況に応じて変更され得る。
また,2成分現像剤におけるトナー濃度が高い場合や,前記現像装置5における撹拌ローラ等の撹拌手段による現像剤の撹拌時間が短い場合(即ち,帯電量が小さい場合),現像剤の累積使用時間が長い場合,さらには雰囲気温度(環境温度)が高い場合や湿度が高い場合は,感光体の電位ムラによって発生する画像の濃度ムラが目立ちやすくなることから,感光体の露光後の電位を目標とする(基準となる)電位により近づけるように(調節量を大きく)調節する必要がある。
そこで,本画像形成装置Xでは,前記データ記憶部13に,前記感光体ドラム1の表面を複数に分割した分割領域ごとに,前記画素階調を露光量に変換するために用いる複数の前記傾き情報(個別変換情報の一例)の候補を予め記憶しておく(個別変換情報記憶手段の一例)。
さらに,前記制御部10により,前記露光源2(露光手段)における露光量以外の現像に関する条件(前記その他現像条件)や環境条件を検出し,その検出結果に基づいて複数の前記傾き情報の候補の中から採用するものを選択し(個別変換情報選択手段の一例),その選択した前記傾き情報を用いて前記分割領域ごとに個別に前記画素階調を前記露光量へ変換する(個別露光量変換手段の一例)。
例えば,前記分割領域ごとに,前記基準画素階調を小さな画素階調から大きな画素階調まで複数段階(n段階)に設定してその各々に対応する前記傾き情報ki(i=1〜n)を求め,それを前記傾き情報の候補として前記データ記憶部13に記憶させておく。以下,n個の前記基準画素階調の候補をIsi(i=1〜n)とする。
さらに,現像バイアス電位のDC成分のレベル,現像バイアス電位のAC成分の周波数,現像バイアス電位のAC成分のVPP,2成分現像剤中のトナー濃度,現像剤の撹拌時間,現像剤の累積使用時間,環境温度及び環境湿度の各条件(以下,総称して傾き情報選択条件という)の各々について,その値を複数の範囲に区分するための範囲区分情報(例えば,しきい値等)と各傾き情報選択条件の値が各範囲内にあるときに採用するのに適した前記傾き情報の候補kiとの対応関係を表す傾き情報選択対応情報も前記データ記憶部13に記憶させておく。
一方,前記制御部10により,画像形成処理を開始する前に,前記傾き情報選択条件各々の値を検出する(他の検出手段による検出結果を取得することを含む)とともに,その検出値と前記範囲区分情報とに基づいて前記傾き情報選択条件ごとに対応する(適した)前記傾き情報の候補kiを選択する。
さらに,このようにして選択された前記傾き情報の候補kiの中から,例えば,最小の前記基準画素階調Isiに基づく前記傾き情報ki(即ち,最も調節量の大きなもの)を選択し,これを用いて,これから画像形成を行おうとする画像データについて,前記個別露光量変換を行うとともに,その結果である露光量に従って前記露光源2により前記感光体ドラム1の各分割領域を露光する。
これにより,現像条件や環境条件の変化に応じて適切な前記傾き情報(個別変換情報)が選択され,画像の濃度ムラの発生を防止できる。
ここで,前記傾き情報の選択処理としては,前述した処理に限らず他の処理であってもかまわない。例えば,前記傾き情報選択条件ごとにファジィ推論に用いるメンバシップ関数(出力は,画素階調)を予め前記データ記憶部13に記憶させておき,前記制御部10により,そのメンバシップ関数を用いた周知のファジィ推論処理を行って画素階調を決定し,その決定された画素階調に最も近い前記基準画素階調Isiに基づいて求められた前記傾き情報kiを選択すること等も考えられる。これにより,前記傾き情報選択条件各々のバランスが考慮された前記傾き情報(個別変換情報)を選択できる。
なお,現像バイアス電位のDC成分のレベル,現像バイアス電位のAC成分の周波数及び現像バイアス電位のAC成分のVPPは,前記現像バイアス調節部15によって検出され,その検出結果が前記制御部10に伝送される。
また,2成分現像剤中のトナー濃度は,前記現像装置5が備えるトナー濃度センサにより検出され,その検出結果が前記制御部10に伝送される。
また,現像剤の撹拌時間及び現像剤の累積使用時間は,前記制御部10が前記現像装置5に対して作動するよう制御した時間を内部クロックによるタイマーで計時することにより検出される。なお,現像剤の累積使用時間については,前記現像装置5の作動時間を順次加算して前記データ記憶部13に記憶させ,現像剤の交換時になされる前記表示操作部11からの所定のリセット操作が検知された際に累積時間をリセットする。
また,前記環境温度(雰囲気温度)及び環境湿度(雰囲気湿度)は,前記温湿度計16の検出結果が前記制御部10に伝送される。
前述した実施形態及び実施例では,前記分割領域を,前記感光体ドラム1表面をそのその軸方向及び周方向の両方に複数分割した領域としたが,これに限るものではない。
例えば,主として前記感光体ドラム1の軸方向若しくは周方向のいずれかの帯電ムラや感度ムラが問題となる場合には,前記分割領域を前記感光体ドラム1の表面をその軸方向にのみ複数分割した領域(前記感光体ドラム1を輪切り状に分割した領域)若しくは周方向にのみ複数分割した領域とすることも考えられる。
また,前記実施形態及び実施例では,前記傾き情報として,前記画素階調を前記露光量に変換する際の傾きそのものを例に示したが,これに限らず,例えば,その傾きを特定できる情報であれば,他の情報であってもかまわない。例えば,前記画素階調から前記露光量への変換テーブルや,前記画素階調の軸と前記露光量の軸とからなる座標系について傾きを特定する座標情報等を前記傾き情報として前記データ記憶部13に記憶しておくことが考えられる。
本発明は,画像形成装置への利用が可能である。
本発明の実施形態に係る画像形成装置Xの概略断面図。 画像形成装置Xの主要部の概略構成を表すブロック図。 画像形成装置Xにおける画素階調から露光量への変換特性及びそのときの画素階調と露光後の電位との関係の第一例を表すグラフ。 画像形成装置Xにおける画素階調から露光量への変換特性及びそのときの画素階調と露光後の電位との関係の第二例を表すグラフ。 帯電ムラと感度ムラとが並存する感光体表面における従来の画素階調と露光後の電位との関係の一例を表すグラフ。 帯電ムラと感度ムラとが並存する感光体表面の露光に際し0を除く全ての画素階調各々を設定して露光した後の電位を基準特性に一致させるように個別露光量変換を行った場合の画素階調と露光後の電位との関係を表すグラフ。 現像バイアス電位と感光体ドラムの露光後電位との関係を表す図。
符号の説明
X…本発明の実施形態に係る画像形成装置
1BK,1M,1Y,1C…感光体ドラム
2BK,2M,2Y,2C…露光源
3BK,3M,3Y,3C…帯電装置
4BK,4M,4Y,4C…除電装置
5BK,5M,5Y,5C…現像装置
6…給紙ローラ
7…中間転写ベルト
8…搬送ローラ
9…定着装置
10…制御部
11…表示操作部
12…画像処理部
13…データ記憶部
14…回転位置検出部
15…現像バイアス調節部
16…温湿度計

Claims (6)

  1. 所定の画像データに基づいて画素ごとの濃淡レベルを表す画素階調を決定する画像処理手段と,予め帯電手段により帯電済みの感光体の表面を前記画像処理手段により決定された前記画素階調を変換して得られる露光量で露光することにより前記感光体に静電潜像を書き込む露光手段と,を具備する画像形成装置であって,
    前記感光体の表面を複数に分割した分割領域ごとに,前記画素階調を前記露光量に変換するために用いる複数の個別変換情報の候補を記憶する個別変換情報記憶手段と,
    前記露光手段における露光量以外の現像に関する条件及び/又は環境条件に基づいて前記複数の個別変換情報の候補の中から採用する前記個別変換情報を選択する個別変換情報選択手段と,
    前記個別変換情報選択手段により選択された前記個別変換情報に基づいて前記分割領域ごとに個別に前記画素階調を前記露光量へ変換する個別露光量変換手段と,
    を具備してなることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記露光手段における露光量以外の現像に関する条件が,現像バイアス電位のDC成分のレベル,現像バイアス電位のAC成分の周波数,現像バイアス電位のAC成分のピークトゥピーク値,2成分現像剤中のトナー濃度,現像剤の撹拌時間及び現像剤の累積使用時間のうちの1又は複数を含むものである請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記環境条件が,環境温度及び/又は環境湿度を含むものである請求項1又は2のいずれかに記載の画像形成装置。
  4. 前記個別変換情報が,前記感光体の表面を複数に分割した分割領域ごとに,前記画素階調の一部若しくは全部の範囲において該画素階調を前記露光量へ略線形変換する際の傾きを規定するものであって,前記分割領域各々における露光量と露光後の電位との対応を表す露光特性のうちの残留電位への収束領域を除く部分である略線形露光特性若しくはその略線形露光特性を外挿演算により延長した露光特性に対し,前記個別露光量変換手段により全ての前記分割領域について共通の一の基準画素階調を変換して得た露光量を適用したときの露光後の電位を,全ての前記分割領域について共通の一の基準電位に略一致させるための情報である請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記分割領域が,ドラム状の前記感光体の表面をその軸方向と周方向との一方又は両方に複数に分割した領域である請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記感光体がa−Si感光体である請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
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