JP2013210455A - 電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性支持体と、前記導電性支持体上に感光層とを有する電子写真感光体であって、電子写真感光体が、最表面層を有し、最表面層が、3次元架橋ポリマーと、無機フィラーと、酸性分散剤とを含有し、3次元架橋ポリマーが、電荷輸送性化合物の芳香環にメチロール基を3個以上有する化合物と、下記一般式(1)で表される電荷輸送性化合物とを、酸触媒を用いて重合して形成される。
【選択図】なし
Description
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体と、前記導電性支持体上に少なくとも感光層とを有する電子写真感光体であって、
前記電子写真感光体が、最表面層を有し、
前記最表面層が、3次元架橋ポリマーと、無機フィラーと、酸性分散剤とを含有し、
前記3次元架橋ポリマーが、電荷輸送性化合物の芳香環にメチロール基を3個以上有する化合物と、下記一般式(1)で表される電荷輸送性化合物とを、酸触媒を用いて重合して形成されることを特徴とする。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体と、前記導電性支持体上に少なくとも感光層とを有し、更に必要に応じて、その他の層を有する。
前記導電性支持体としては、体積抵抗値が1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスベルト(エンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルト等)を用いてもよい。
前記導電性層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性粉体及び結着樹脂を、必要に応じて溶剤に分散乃至溶解して得られた塗工液を前記導電性支持体上に塗布することにより形成する方法;ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)等の素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブを用いて形成する方法などが挙げられる。
前記感光層としては、最表面に最表面層を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層と、最表面層(架橋型電荷輸送層)とをこの順に有し、更に必要に応じて、その他の層を有する感光層が好ましい。
前記最表面層は、前記感光層の最表面層であり、架橋型電荷輸送層ともいう。
前記最表面層は、3次元架橋ポリマーと、無機フィラーと、酸性分散剤とを含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記3次元架橋ポリマーは、電荷輸送性化合物の芳香環にメチロール基を3個以上有する化合物と、下記一般式(1)で表される電荷輸送性化合物とを、酸触媒を用いて重合して形成される。
本発明は、前記電荷輸送性化合物の芳香環にメチロール基を3個以上有する化合物と、前記一般式(1)で表される電荷輸送性化合物とを、酸触媒を用いて重合することで、有機溶剤などに不溶で架橋密度の高い3次元架橋ポリマーを形成できることを見出したのが、基礎となっている。
前記電荷輸送性化合物の芳香環にメチロール基を3個以上有する化合物と、前記一般式(1)で表される電荷輸送性化合物とが反応していることは、例えば、紫外可視吸収スペクトル測定により確認できる。例えば、前記電子写真感光体から前記最表面層を単離して、その最表面層の紫外可視吸収スペクトルを測定する。そして、その最表面層をテトラヒドロフランに浸漬、取り出して乾燥させたのち、再び紫外可視吸収スペクトルを測定する。前記一般式(1)で表される電荷輸送性化合物が前記電荷輸送性化合物の芳香環にメチロール基を3個以上有する化合物と反応していれば、テトラヒドロフランに浸漬する前後の最表面層のいずれにも、ピレン基に由来する吸収スペクトルが観察される。一方、前記一般式(1)で表される電荷輸送性化合物が前記電荷輸送性化合物の芳香環にメチロール基を3個以上有する化合物と反応していなければ、テトラヒドロフランに浸漬した後の最表面層には、ピレン基に由来する吸収スペクトルが観察されない。そうすることにより、前記電荷輸送性化合物の芳香環にメチロール基を3個以上有する化合物と、前記一般式(1)で表される電荷輸送性化合物とが反応しているかどうかが確認できる。
さらに、本発明における前記3次元架橋ポリマーは、NOxなどの酸化性ガスの暴露によっても画像ボケが発生しにくいことがわかった。これは、前記電荷輸送性化合物の芳香環にメチロール基を3個以上有する化合物と、前記一般式(1)で表される電荷輸送性化合物とが、相分離することなく、かつ、これらの相互の反応性が高く、未反応のメチロール基を低減できたことによるものと考えられる。また、前記一般式(1)で表される電荷輸送性化合物は、電荷輸送能を有しているため、残留電位上昇などの電気特性へ悪影響は見られないことを確認している。
本発明の、前記電荷輸送性化合物の芳香環にメチロール基を3個以上有する化合物と、前記一般式(1)で表される電荷輸送性化合物とは、前記酸触媒を用いて重合反応が進行する。ここで、前記無機フィラーの分散に寄与しない、余剰の前記酸性分散剤が重合反応により、前記3次元架橋ポリマー中に取り込まれることで、画像ボケの発生が抑制されたものと考えられる。
そのため、本発明では、前記酸性分散剤を用いた場合でも、画像ボケの副作用が抑えられ、優れた機械的特性とともに、電気特性、及び耐ガス性を両立した高耐久感光体を提供できる。
残留した酸性分散剤を、重合反応により前記3次元架橋ポリマー中に取り込むという考えが、機械的特性と電気特性とを両立させる上で適していると考えられる。
前記3次元架橋ポリマーは、電荷輸送性化合物の芳香環にメチロール基を3個以上有する化合物と、下記一般式(1)で表される電荷輸送性化合物とを、酸触媒を用いて重合して形成される。
前記電荷輸送性化合物の芳香環にメチロール基を3個以上有する化合物における、電荷輸送性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリアリールアミン、アミノビフェニル、ベンジジン、アミノスチルベン、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ベンズヒドラジンなどが挙げられる。
前記電荷輸送性化合物の芳香環にメチロール基を3個以上有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記一般式(2)で表される化合物が好ましい。
前記一般式(2)で表される化合物は、芳香環にメチロール基を4個有しており、且つ、非共役連結基のXを有することで適度な分子運動性をも有しており、前記一般式(1)で表される電荷輸送性化合物との重合反応により形成された3次元架橋ポリマーの硬度特性、及び弾性特性のバランスが良く、強靱で耐傷性、及び耐摩耗性の両方に優れた3次元架橋ポリマーの形成が可能になる。更に、前記Xの構造性から分子の酸化電位が比較的大きく、酸化しにくい特性を有しており、オゾンガス、NOxガスなどの酸化性ガスの暴露時にも比較的安定であり、耐ガス性にも強い電子写真感光体の提供が可能になる。
合成原料となる電荷輸送性化合物は、ハロゲンを有するベンゼンと、アミノ化合物とをカップリング反応させて、容易に合成することができる。ハロゲンがヨード体の場合は、アミン化合物とハロゲン化合物とをウルマン反応させることによりカップリングすることができる。また、クロロ体、ブロモ体の場合は、パラジウム触媒を用いた鈴木−宮浦反応などによりカップリングすることができる。
下記反応式に示すように、アミン化合物とハロゲン化合物とを原料とし、これを従来知られている合成方法を用いて、メチロール化合物の中間体となる電荷輸送性化合物を合成することができる。
下記反応式に示すように、トリフェニルアミン化合物を原料とし、これを従来知られている方法(例えば、ビルスマイヤー反応)を用いてホルミル化し、アルデヒド化合物を合成することができる。前記ホルミル化としては、例えば、特許第3943522号公報に記載のホルミル化などが挙げられる。
下記反応式に示すように、前記アルデヒド化合物を製造中間体とし、これを従来知られている還元方法を用いて、前記一般式(2)で表される化合物を合成することができる。
前記一般式(1)で表される電荷輸送性化合物としては、例えば、以下の化合物などが挙げられる。
下記反応式に示すように、アミノピレンとハロゲン化合物とを原料とし、これを従来知られている合成方法を用いて、前記一般式(1)で表される電荷輸送性化合物を合成できる。
前記酸触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機スルホン酸、有機スルホン酸塩などが挙げられる。
前記有機スルホン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビニルスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などが挙げられる。
また、一定以上の温度をかけることで酸性度が発現する所謂熱潜在性化合物も前記酸触媒として用いることができる。前記熱潜在性化合物としては、市販品を用いることができ、例えば、キングインダストリー社製のNACURE2500、NACURE5225、NACURE5543、NACURE5925等のアミンによりブロックさせた熱潜在性プロトン酸触媒、三進化学社製のSI−60、旭電化社製のアデカオプトマーCP−66、CP−77などが挙げられる。
前記3次元架橋ポリマーがテトラヒドロフランに不溶であるかどうかは、溶解性試験により確認できる。前記溶解性試験としては、例えば、テトラヒドロフランに綿棒を浸し、測定対象の表面を擦り、その表面を観察するなどの方法が挙げられる。前記方法において、測定対象が重合反応していない場合は、測定対象の膜は溶解する。また、重合反応が不十分である場合は、膨潤し、剥がれる。重合反応が十分である場合は、不溶となる。
前記3次元架橋ポリマーの形成は、前記最表面層の形成と同時に行ってもよい。前記3次元架橋ポリマーの形成については、前記最表面層の形成において、詳述する。
前記無機フィラーを用いることにより、極めて機械的耐久性に優れた電子写真感光体となる。前記無機フィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属粉末、金属酸化物、金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などが挙げられる。
前記金属粉末としては、例えば、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどが挙げられる。
前記金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、アルミナ、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウムなどが挙げられる。
前記金属フッ化物としては、例えば、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウムなどが挙げられる。
これらの中でも、耐摩耗性、及び高画質化に対して有利な点で、金属酸化物が好ましく、アルミナ、酸化チタンがより好ましい。
一方、導電性を示す無機フィラーとしては、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウムなどが挙げられる。
前記無機フィラーの比抵抗は、例えば、粉体用抵抗測定装置を用いて測定できる。具体的には、セルの中に粉体を入れ電極で挟み、荷重をかけて厚み約2mmになるように粉体量を調整し、その後電極間に電圧を印加し、その時に、流れる電流を測定することによって比抵抗を求めることができる。
前記無機フィラーのpHは、例えば、ゼータ電位測定での等電点におけるpH値とすることができる。ゼータ電位の測定は、例えば、大塚電子社製のレーザーゼータ電位計で測定できる。
本発明おいては、酸触媒を用いて架橋を行うものであるが、架橋後に残留した酸触媒により、画像ボケが発生する場合がある。塩基性の無機フィラーを用いることによって、残存した酸触媒を効率的に中和することができ、更に画像ボケに強い最表面層が得られる。
更に、これらの無機フィラーは、少なくとも一種の表面処理剤で表面処理を施すことが可能である。フィラーへの表面処理によって、フィラーの分散性を改善する効果が得られる場合がある。
前記無機フィラーは、表面処理によって、分散性が改善される場合がある。これらのフィラーが含有されることによって、耐摩耗性は向上するが、残留電位上昇の影響が増加する場合がある。これは、フィラー表面に電荷のトラップサイトが含まれていることに起因し、特に親水性で高抵抗の金属酸化物の場合にその影響が増大する傾向が見られる。
前記酸性分散剤は、酸価を有する有機化合物を含む分散剤をいい、不揮発分100%の分散剤であっても、予め有機溶剤等に溶解された分散剤であってもよい。前記酸性分散剤を用いることにより、前記無機フィラーの分散性を高めることができ、極めて機械的耐久性及び電気特性に優れた電子写真感光体となる。前記酸性分散剤を用いることにより、無機フィラーを添加することによる残留電位上昇を抑制することができ、電気特性に優れた電子写真感光体となる。
しかし、これらの酸性分散剤は、残留電位低減効果は認められるものの、分散安定性が不十分であり、画像ボケが発生しやすくなることがある。
前記酸性分散剤の酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、残留電位の低減の点で、10mgKOH/g〜700mgKOH/gが好ましく、150mgKOH/g〜400mgKOH/gがより好ましい。前記酸価が、10mgKOH/g未満であると、含有量を多くする必要が生じる上、残留電位の低減効果が不十分となることがあり、700mgKOH/gを超えると、前記無機フィラーへの吸着性が低下したり、画像ボケが発生することがある。
0.1≦(酸性分散剤の含有量(g)×酸性分散剤の酸価(mgKOH/g)/無機フィラーの含有量(g))≦40 ・・・(I)
上記式(I)で規定する数値範囲を下回る場合には、残留電位低減効果が得られなかったり、分散安定性が低下する傾向が見られることがあり、上記式(I)で規定する数値範囲を上回る場合には、画像ボケが生じることがある。
前記無機フィラーの分散性が良好な場合には、電荷の進行が妨げられることなく、電子写真感光体の表面まで電荷が直線的に到達することができる。一方、前記無機フィラーが凝集する場合には、電荷輸送層から最表面層へ注入された電荷が表面へ移動する際、前記無機フィラーによって進行が妨げられやすくなり、結果的にトナーにより形成されたドットが散った状態となって解像度が大きく低下することがある。また、前記最表面層を設けた場合に、前記無機フィラーが凝集していると、書き込み光が散乱され、光透過性が低下し、解像度に大きな悪影響を与えることがある。前記無機フィラーの分散性は光透過性とも密接に関係している。
前記最表面層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記電荷輸送性化合物の芳香環にメチロール基を3個以上有する化合物と、前記一般式(1)で表される電荷輸送性化合物と、前記酸触媒と、前記無機フィラーと、前記酸性分散剤とを少なくとも含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する塗工液を、必要に応じて溶媒等で希釈調整し、電子写真感光体表面に塗工した後、加熱乾燥を行い、重合させることで形成する方法などが挙げられる。この際に、膜状に3次元架橋ポリマーを形成することにより、前記最表面層を得ることができる。
前記酸触媒が、前記熱潜在性化合物の場合は、塗工液段階での腐蝕の問題は発生せず、前記酸触媒の量を増加させることが可能であるが、ブロック剤としてのアミン化合物が残留すると残留電位等の感光体特性に悪影響するためあまり多量に添加するのは好ましくない。一方、前記酸触媒に比べると酸部分の含有量が少ない。そのため、前記熱潜在性化合物の場合は、0.2質量%〜2質量%が好ましい。
前記アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどが挙げられる。
前記ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
前記エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルなどが挙げられる。
前記エーテル系溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテートなどが挙げられる。
前記ハロゲン系溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼンなどが挙げられる。
前記芳香族系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
前記セロソルブ系溶媒としては、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテートなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記溶媒による希釈率は、塗工液中の各成分の溶解性、塗工法、目的とする厚みにより変わり、任意である。
前記酸化防止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェノール系化合物、パラフェニレンジアミン類、ハイドロキノン類、有機硫黄化合物類、有機燐化合物類、ヒンダードアミン類などが挙げられる。
前記電荷発生層は、電荷発生物質を含有し、結着樹脂を含有することが好ましく、更に必要に応じて、前記酸化防止剤などのその他の成分を含有する。
前記電荷発生物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機系材料、有機系材料などが挙げられる。
前記無機系材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶セレン、アモルファス−セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物、アモルファス−シリコン(例えば、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子等でターミネートしたもの;ホウ素原子、リン原子等をドープしたものなどが好適)などが挙げられる。
前記有機系材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属フタロシアニン顔料、無金属フタロシアニン顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ポリアクリルアミド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低分子電荷輸送物質、溶剤、レベリング剤などが挙げられ、上述の酸化防止剤を含んでもよい。
前記低分子電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子輸送物質、正孔輸送物質などが挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記レベリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電荷発生層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記電荷発生物質及び前記結着樹脂を前記溶剤等の前記その他の成分に溶解乃至分散して得られた塗工液を、前記導電性支持体上に塗布して乾燥することにより形成する方法などが挙げられる。なお、前記塗工液は、例えば、キャスティング法などにより塗布することができる。
前記電荷輸送層は、帯電電荷を保持させ、かつ、露光により電荷発生層で発生分離した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保持させる目的を達成するためには、電気抵抗が高いことが要求される。また、保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するためには、誘電率が小さく、かつ、電荷移動性がよいことが要求される。
前記電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子輸送物質、正孔輸送物質、高分子電荷輸送物質などが挙げられる。
前記電子輸送物質(電子受容性物質)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記正孔輸送物質(電子供与性物質)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記高分子電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルバゾール環を有する重合体、ヒドラゾン構造を有する重合体、ポリシリレン重合体、トリアリールアミン構造を有する重合体、電子供与性基を有する重合体、その他の重合体などが挙げられる。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、フェノキシ樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、前記電荷輸送層は、架橋性のバインダー樹脂と架橋性の電荷輸送物質との共重合体を含むこともできる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶剤、可塑剤、レベリング剤などが挙げられ、上述の酸化防止剤を含んでもよい。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記電荷発生層と同様なものが使用できるが、前記電荷輸送物質及び前記結着樹脂を良好に溶解する溶剤が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
前記可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般樹脂の可塑剤などが挙げられる。
前記可塑剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記結着樹脂100質量部に対して、0質量部〜30質量部が好ましい。
前記レベリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類;側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー乃至オリゴマーなどが挙げられる。
前記レベリング剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記結着樹脂100質量部に対して、0質量部〜1質量部が好ましい。
前記電荷輸送層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記電荷輸送物質及び前記結着樹脂を前記溶剤等の前記その他の成分に溶解乃至分散して得られた塗工液を、前記電荷発生層上に塗布して乾燥することにより形成する方法などが挙げられる。なお、前記塗工液は、例えば、キャスティング法などにより塗布することができる。
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下引き層、中間層などが挙げられる。
前記下引き層は、前記導電性支持体と前記感光層との間に設けることができる。
前記下引き層は、樹脂を含有し、更に必要に応じて上述の酸化防止剤、微粉末顔料、カップリング剤等のその他の成分を含有する。
これらの中でも、前記樹脂の上に感光層を溶剤で塗布する点で、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂が好ましい。
前記中間層は、前記電荷輸送層と前記架橋型電荷輸送層との間に、前記架橋型電荷輸送層への電荷輸送層成分の混入を抑える又は両層間の接着性を改善することを目的として設けることができる。
第1の実施形態に係る電子写真感光体の層構成について、図1を用いて説明する。
図1は、最も基本的な積層感光体の構成例であり、導電性支持体1上に電荷発生層2、電荷輸送層3を順次積層したものである。負帯電で使用する場合は電荷輸送層にホール輸送性電荷輸送物質が使用され、正帯電で使用される場合は電荷輸送層に電子輸送性電荷輸送物質が使用される。この場合、最表面層は、電荷輸送層3である。
第2の実施形態に係る電子写真感光体の層構成について、図2を用いて説明する。
図2は、基本構成(第1の実施形態)の積層感光体に下引き層4を設けた構成であり、最も実用化されている構成である。この場合、最表面層は、電荷輸送層3である。
第3の実施形態に係る電子写真感光体の層構成について、図3を用いて説明する。
図3は、第2の実施形態に、更に保護層として架橋型電荷輸送層5を最表面に設けた構成である。この場合、最表面層は、架橋型電荷輸送層5である。
ここで、下引き層4は必須ではないが、電荷リークの防止等に重要な機能を果たしており、通常は使用される。
この感光体構成の場合、電荷発生層から感光体表面までの電荷移動を電荷輸送層3と架橋型電荷輸送層5の二層で分担しており、主機能を分離することができる。例えば、電荷輸送性に優れる電荷輸送層と機械的耐久性に優れる架橋型電荷輸送層を組み合わせることで電荷輸送性にも優れ機械的耐久性にも優れた電子写真感光体の提供が可能になる。
第4の実施形態に係る電子写真感光体の層構成について、図4を用いて説明する。
図4は、導電性支持体1上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層6を設けた構成である。この場合、最表面層は、感光層6である。
最表面層に電荷発生物質を含有させることが必要であり、最表面層を形成するための塗工液であって電荷発生物質を混合分散した塗工液を作製して、塗工後、加熱乾燥により重合反応させて最表面層を作製する。
第5の実施形態に係る電子写真感光体の層構成について、図5を用いて説明する。
図5は、単層の感光層6上に保護層7を設けた構成である。この場合、最表面層は保護層7である。
本発明の電子写真感光体の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、最表面層形成工程を少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む製造方法が好ましい。
前記最表面層形成工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の前記電子写真感光体の説明において例示した前記最表面層の形成方法などが挙げられる。
本発明の画像形成装置は、電子写真感光体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。前記画像形成装置において使用する電子写真感光体が、上述の本発明の電子写真感光体である。なお、帯電手段と、露光手段とを合わせて静電潜像形成手段と称することもある。
本発明の画像形成方法は、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。前記画像形成方法において使用する電子写真感光体が、上述の本発明の電子写真感光体である。なお、帯電工程と、露光工程とを合わせて静電潜像形成工程と称することもある。
前記画像形成方法は、前記画像形成装置により好適に実施できる。前記帯電工程は、前記帯電手段により好適に実施でき、前記露光工程は、前記露光手段により好適に実施でき、前記現像工程は、前記現像手段により好適に実施でき、前記転写工程は、前記転写手段により好適に実施でき、前記定着工程は、前記定着手段により好適に実施でき、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に実施できる。
前記帯電工程としては、前記電子写真感光体表面を帯電させる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記帯電手段により実施できる。
前記帯電手段としては、前記電子写真感光体表面を帯電させる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器(電子写真感光体表面と帯電器との間に100μm以下の空隙を有する近接方式の非接触帯電器を含む)などが挙げられる。
前記露光工程としては、帯電された電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記露光手段により実施できる。
前記露光手段としては、帯電された電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系等の各種露光器などが挙げられる。前記露光器における光源としては、例えば、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等の高輝度が確保できる光源などが挙げられる。なお、前記電子写真感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記露光工程における電子写真感光体上への静電潜像書き込みは、デジタル方式により行われることが好ましい。これによりPC(パーソナルコンピュータ)での文書及び画像作製出力に効率よく対応できる画像形成方法が提供できる。
前記露光手段による電子写真感光体上への静電潜像書き込みは、デジタル方式であることが好ましい。これによりPCでの文書及び画像作製出力に効率よく対応できる画像形成装置が提供できる。
前記現像工程としては、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記現像手段により実施できる。
前記現像手段としては、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナーを含有する現像剤を収容し、前記静電潜像に該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好ましい。前記現像器としては、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよい。これらの中でも、前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有するものが好ましい。前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記電子写真感光体近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該電子写真感光体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該電子写真感光体の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記転写工程としては、前記可視像を記録媒体に転写する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記転写手段により実施できる。
前記転写手段としては、前記可視像を記録媒体に転写する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記転写工程としては、例えば、前記電子写真感光体表面から記録媒体に可視像を直接転写する方法と、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する方法がある。いずれの態様も良好に使用することができるが、高画質化に際して転写による悪影響が大きいような場合には、転写回数が少ない前者(直接転写)の方法が好ましい。前記転写は、例えば、前記可視像を、転写帯電器を用いて前記電子写真感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。
前記定着工程としては、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記定着手段により実施できる。
前記定着手段としては、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好ましい。前記加熱加圧手段としては、例えば、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せなどが挙げられる。前記加熱加圧手段における加熱としては、通常80℃〜200℃が好ましい。前記定着としては、例えば、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程などが挙げられる。
前記その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段などが挙げられる。
前記除電工程としては、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記除電手段により実施できる。
前記除電手段としては、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加して除電を行う手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除電ランプなどが挙げられる。
前記クリーニング工程としては、前記電子写真感光体上に残留する前記トナーを除去する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記クリーニング手段により実施できる。
前記クリーニング手段としては、前記電子写真感光体上に残留する前記トナーを除去する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナなどが挙げられる。
前記リサイクル工程としては、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記リサイクル手段により実施できる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の搬送手段などが挙げられる。
前記制御工程としては、前記各工程を制御する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記制御手段により実施できる。
前記制御手段としては、前記各工程を制御する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器などが挙げられる。
中間転写体には、ドラム状やベルト状など種々の材質あるいは形状のものがあるが、従来公知である中間転写体のいずれも使用することが可能であり、電子写真感光体の高耐久化あるいは高画質化に対し有効かつ有用である。
本発明に関するプロセスカートリッジは、電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び徐電手段から選択される少なくとも1つの手段を有し、画像形成装置に着脱可能であるプロセスカートリッジにおいて、前記電子写真感光体が、上記の本発明の電子写真感光体である。これにより繰返し使用時の画像安定性が高く、かつ画像欠陥の少ない高画質を長期にわたって維持することができ、耐ガス性にも優れるプロセスカートリッジの提供が可能になる。
なお、本実施例において、「t−Bu」は「t−ブチル基」、「Ac」は「アセチル基」、「Et」は「エチル基」を表す。
<メチロール基含有電荷輸送性化合物A−1の製造中間体アルデヒド化合物原料の合成>
4,4’−ジアミノジフェニルメタン19.83g、ブロモベンゼン69.08g、酢酸パラジウム2.24g、ターシャルブトキシナトリウム46.13g、及びo−キシレン250mLを四つ口フラスコに入れ、アルゴンガス雰囲気下、室温で撹拌した。そこへトリターシャルブチルホスフィン8.09gを滴下し、80℃にて1時間攪拌し、更に還流にて1時間撹拌を継続した。続いて、トルエンで希釈し、硫酸マグネシウム、活性白土、及びシリカゲルを入れ、撹拌した。その後、濾過、洗浄、及び濃縮を行い、結晶物を得た。得られた結晶物を、メタノールに分散した後、濾過、洗浄、及び乾燥を行い、目的物を得た(収量45.73g、薄黄色粉末)。得られた目的物の赤外吸収スペクトルを図9に示す。また、上記合成の反応式を以下に示す。
<メチロール基含有電荷輸送性化合物A−1の製造中間体アルデヒド化合物の合成>
合成例1で得られた中間体原料30.16g、N−メチルホルムアニリド(MFA)71.36g、及びo−ジクロロベンゼン400mLを四つ口フラスコに入れ、アルゴンガス雰囲気下、室温で撹拌した。そこへ、オキシ塩化リン82.01gを滴下した後、80℃に昇温し、撹拌した。更に、塩化亜鉛32.71gを滴下し、80℃で約10時間撹拌を行い、その後、120℃にて約3時間撹拌を継続した。続いて、水酸化カリウム水溶液を加え、加水分解反応を行った。ジクロロメタンにて抽出し、硫酸マグネシウムにて脱水した後、活性白土で吸着処理を行った。その後、濾過、洗浄、及び濃縮を行い、結晶物を含む混合物を得た。得られた混合物についてシリカゲルカラム精製(トルエン/酢酸エチル=8/2(体積比))を行い、結晶物を単離した。得られた結晶物をメタノール/酢酸エチルにて再結晶し、目的物を得た(収量27.80g、黄色粉末)。得られた目的物の赤外吸収スペクトルを図10に示す。また、上記合成の反応式を以下に示す。
<メチロール基含有電荷輸送性化合物A−1の合成>
合成例2で得られた中間体アルデヒド化合物12.30g、及びエタノール150mLを四つ口フラスコに入れ、室温下で攪拌した。そこへ、水素化ホウ素ナトリウム3.63gを投下し、そのまま4時間撹拌を継続した。続いて、酢酸エチルにて抽出し、硫酸マグネシウムにて脱水し、更に活性白土及びシリカゲルにて吸着処理を行った。その後、濾過、洗浄、及び濃縮を行い、アモルファス状物質を得た。得られたアモルファス状物質をn−ヘキサンに分散し、その後、濾過、洗浄、及び乾燥を行い、目的物を得た(収量12.0g、薄黄白色アモルファス)。得られた目的物の赤外吸収スペクトルを図11に示す。また、上記合成の反応式を以下に示す。
<メチロール基含有電荷輸送性化合物A−3の製造中間体アルデヒド化合物原料の合成>
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル20.02g、ブロモベンゼン69.08g、酢酸パラジウム0.56g、ターシャルブトキシナトリウム46.13g、及びo−キシレン250mLを四つ口フラスコに入れ、アルゴンガス雰囲気下、室温で撹拌した。そこへトリターシャルブチルホスフィン2.02gを滴下し、80℃にて1時間攪拌し、更に還流にて1時間撹拌を継続した。続いて、トルエンで希釈し、硫酸マグネシウム、活性白土、及びシリカゲルを入れ、撹拌した。その後、濾過、洗浄、及び濃縮を行い、結晶物を得た。得られた結晶物を、メタノールに分散した後、濾過、洗浄、及び乾燥を行い、目的物を得た(収量43.13g、薄茶色粉体)。得られた目的物の赤外吸収スペクトルを図12に示す。また、上記合成の反応式を以下に示す。
<メチロール基含有電荷輸送性化合物A−3の製造中間体アルデヒド化合物の合成>
合成例4で得られた中間体原料30.27g、N−メチルホルムアニリド71.36g、及びo−ジクロロベンゼン300mLを四つ口フラスコに入れ、アルゴンガス雰囲気下、室温で撹拌した。そこへ、オキシ塩化リン82.01gを滴下した後、80℃に昇温し、撹拌した。更に、塩化亜鉛16.36gを滴下し、80℃で1時間攪拌を行い、その後、120℃で4時間、更に140℃で3時間撹拌を継続した。続いて、水酸化カリウム水溶液を加え、加水分解反応を行った。トルエン溶媒を用いて、抽出し、続いて、硫酸マグネシウムを入れ、濾過、洗浄、及び濃縮を行い、更にトルエン/酢酸エチルでカラム精製を行い、濃縮後、結晶を得た。得られた結晶をメタノールに分散し、濾過、洗浄、及び乾燥を行い、目的物を得た(収量14.17g、薄黄色粉体)。得られた目的物の赤外吸収スペクトルを図13に示す。また、上記合成の反応式を以下に示す。
<メチロール基含有電荷輸送性化合物A−3の合成>
合成例5で得られた中間体アルデヒド化合物6.14g、及びエタノール75mLを四つ口フラスコに入れ、室温下で撹拌した。そこへ、水素化ホウ素ナトリウム1.82gを投下し、そのまま7時間撹拌を継続した。続いて、酢酸エチルにて抽出し、硫酸マグネシウムにて脱水し、更に活性白土及びシリカゲルにて吸着処理を行った。その後、濾過、洗浄、及び濃縮を行い、アモルファス状物質を得た。得られたアモルファス状物質をn−ヘキサンに分散し、その後、濾過、洗浄、及び乾燥を行い、目的物を得た(収量5.25g、白色アモルファス)。得られた目的物の赤外吸収スペクトルを図14に示す。また、上記合成の反応式を以下に示す。
<メチロール基含有電荷輸送性化合物A−5の製造中間体アルデヒド化合物原料の合成>
2,2’−エチレンジアニリン21.23g、ブロモベンゼン75.36g、酢酸パラジウム0.56g、ターシャルブトキシナトリウム46.13g、及びo−キシレン250mLを四つ口フラスコに入れ、アルゴンガス雰囲気及び室温下で撹拌した。そこへ、トリターシャルブチルホスフィン2.03gを滴下し、還流下で8時間攪拌を継続した。続いて、トルエンで希釈し、硫酸マグネシウム、及び活性白土を加え、室温下で撹拌した。その後、濾過、洗浄、及び濃縮を行い、結晶物を得た。得られた結晶物をメタノールに分散した後、濾過、洗浄、及び乾燥を行い、目的物を得た(収量47.65g、薄茶色粉末)。得られた目的物の赤外吸収スペクトルを図15に示す。また、上記合成の反応式を以下に示す。
<メチロール基含有電荷輸送性化合物A−5の製造中間体アルデヒド化合物の合成>
合成例7で得られた中間体原料31.0g、N−メチルホルムアニリド71.36g、及びo−ジクロロベンゼン(o−DCB)400mLを四つ口フラスコに入れ、アルゴンガス雰囲気下、室温で撹拌した。そこへ、オキシ塩化リン82.01gをゆっくり滴下した後、80℃に昇温した。更に、塩化亜鉛32.71gを加え、80℃で1時間、続けて120℃で約24時間攪拌を継続した。続いて、水酸化カリウム水溶液を加え、加水分解反応を行った。トルエンで希釈し、その後水洗し、油層を塩化マグネシウムで脱水した後、活性白土及びシリカゲルで吸着し、更に濾過、洗浄、及び濃縮を行い、目的物を得た(収量22.33g、黄色液体)。得られた目的物の赤外吸収スペクトルを図16に示す。また、上記合成の反応式を以下に示す。
<メチロール基含有電荷輸送性化合物A−5の合成>
合成例8で得られた中間体アルデヒド化合物9.43g、及びエタノール100mLを四つ口フラスコに入れ、室温下で撹拌した。そこへ、水素化ホウ素ナトリウム2.72gを投下し、そのまま7時間撹拌を継続した。続いて、酢酸エチルにて抽出し、硫酸マグネシウムにて脱水し、更に活性白土及びシリカゲルで吸着処理を行った。その後、濾過、洗浄、及び濃縮を行い、アモルファス状物質を得た。得られたアモルファス状物質をn−ヘキサンに分散し、その後、濾過、洗浄、及び乾燥を行い、目的物を得た(収量8.53g、白色アモルファス)。得られた目的物の赤外吸収スペクトルを図17に示す。また、上記合成の反応式を以下に示す。
<一般式(1)で表される電荷輸送性化合物B−1の合成>
1−アミノピレン5g、ブロモベンゼン10g、酢酸パラジウム0.15g、ターシャルブトキシナトリウム12.5g、及びo−キシレン50mLを四つ口フラスコに入れ、アルゴンガス雰囲気下、室温で撹拌した。そこへ、トリターシャルブチルホスフィン0.55gを滴下した後、還流下で、8時間攪拌を継続した。続いて、トルエンで希釈し、硫酸マグネシウム、及び活性白土を加え、室温下で撹拌した。続いて、濾過、洗浄、及び濃縮を行い、結晶物を得た。得られた結晶物をメタノールに分散した後、濾過、洗浄、及び乾燥を行い、目的物を得た(収量6.85g、薄黄色結晶)。得られた目的物の赤外吸収スペクトルを図18に示す。また、上記合成の反応式を以下に示す。
<一般式(1)で表される電荷輸送性化合物B−2の合成>
1−アミノピレン5g、4−ブロモトルエン10g、酢酸パラジウム0.15g、ターシャルブトキシナトリウム12.5g、及びo−キシレン50mLを四つ口フラスコに入れ、アルゴンガス雰囲気下、室温下で撹拌した。そこへ、トリターシャルブチルホスフィン0.55gを滴下した後、還流下で、8時間攪拌を継続した。続いて、トルエンで希釈し、硫酸マグネシウム、及び活性白土を加え、室温下で撹拌した。続いて、濾過、洗浄、及び濃縮を行い、結晶物を得た。得られた結晶物をメタノールに分散した後、濾過、洗浄、及び乾燥を行い、目的物を得た(収量7.02g、薄黄色結晶)。得られた目的物の赤外吸収スペクトルを図19に示す。また、上記合成の反応式を以下に示す。
<一般式(1)で表される電荷輸送性化合物B−3の合成>
1−アミノピレン5g、3−ブロモトルエン10g、酢酸パラジウム0.15g、ターシャルブトキシナトリウム12.5g、及びo−キシレン50mLを四つ口フラスコに入れ、アルゴンガス雰囲気下、室温で撹拌した。そこへ、トリターシャルブチルホスフィン0.55gを滴下した後、還流下で、8時間攪拌を継続した。続いて、トルエンで希釈し、硫酸マグネシウム、及び活性白土を加え、室温下で撹拌した。続いて、濾過、洗浄、及び濃縮を行い、結晶物を得た。得られた結晶物をメタノールに分散した後、濾過、洗浄、及び乾燥を行い、目的物を得た(収量7.12g、薄黄色結晶)。得られた目的物の赤外吸収スペクトルを図20に示す。また、上記合成の反応式を以下に示す。
<一般式(1)で表される電荷輸送性化合物B−4の合成>
1−アミノピレン5g、2−ブロモトルエン10g、酢酸パラジウム0.15g、ターシャルブトキシナトリウム12.5g、及びo−キシレン50mLを四つ口フラスコに入れ、アルゴンガス雰囲気下、室温で撹拌した。そこへ、トリターシャルブチルホスフィン0.55gを滴下した後、還流下で、8時間攪拌を継続した。続いて、トルエンで希釈し、硫酸マグネシウム、及び活性白土を加え、室温下で撹拌した。続いて、濾過、洗浄、及び濃縮を行い、結晶物を得た。得られた結晶物をメタノールに分散した後、濾過、洗浄、及び乾燥を行い、目的物を得た(収量6.81g、薄黄色結晶)。得られた目的物の赤外吸収スペクトルを図21に示す。また、上記合成の反応式を以下に示す。
<電荷輸送性化合物の芳香環にメチロール基を3個有する化合物Cの合成>
下記反応式に記載の中間体アルデヒド化合物C−1 3.29g、及びエタノール50mLを四つ口フラスコに入れ、室温下で撹拌した。そこへ、水素化ホウ素ナトリウム1.82gを投下した。そのまま12時間撹拌を継続した。続いて、酢酸エチルにて抽出し、更に硫酸マグネシウムで脱水した後、活性白土及びシリカゲルで吸着処理を行った。その後、濾過、洗浄、及び濃縮を行い、結晶物を得た。得られた結晶物をn−ヘキサンに分散した後、濾過、洗浄、及び乾燥を行い、目的物を得た(収量2.78g、白色結晶)。得られた目的物の赤外吸収スペクトルを図22に示す。また、上記合成の反応式を以下に示す。
<電荷輸送性化合物の芳香環にメチロール基を4個有する化合物Dの合成>
下記反応式に記載の中間体アルデヒド化合物D−1 4.40g、及びエタノール50mLを四つ口フラスコに入れ、室温下で撹拌した。そこへ、水素化ホウ素ナトリウム1.27gを投下し、そのまま4時間撹拌を継続した。続いて、酢酸エチルで抽出し、更に硫酸マグネシウムで脱水した後、活性白土及びシリカゲルで吸着処理を行った。その後、濾過、洗浄、及び濃縮を行い、アモルファス状物質を得た。得られたアモルファス状物質をシクロヘキサンに分散した後、濾過、洗浄、及び乾燥を行い、目的物を得た(収量3.68g、白色アモルファス)。得られた目的物の赤外吸収スペクトルを図23に示す。また、上記合成の反応式を以下に示す。
<チタニルフタロシアニン結晶の合成>
合成は、特開2004−83859号公報に準じた。即ち、1,3−ジイミノイソインドリン292部とスルホラン1,800部とを混合し、そこへ、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド204部を滴下した。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行った。反応終了後、放冷した後、析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、次にメタノールで数回洗浄し、更に80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。粗チタニルフタロシアニンを20倍量の濃硫酸に溶解した後、100倍量の氷水に撹拌しながら滴下し、析出した結晶を濾過し、次いで、洗浄液が中性になるまで、イオン交換水(pH:7.0、比伝導度:1.0μS/cm)による水洗いを繰り返し(洗浄後のイオン交換水のpH値は6.8、比伝導度は2.6μS/cmであった)、チタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキ(水ペースト)を得た。
得られたこのウェットケーキ(水ペースト)40部をテトラヒドロフラン200部に投入し、室温下でホモミキサー(ケニス社製、MARKIIfモデル)により強烈に撹拌(2,000rpm)し、ペーストの濃紺色の色が淡い青色に変化したら(撹拌開始後20分)、撹拌を停止し、直ちに減圧濾過を行った。濾過装置上で得られた結晶をテトラヒドロフランで洗浄し、顔料のウェットケーキを得た。これを減圧下(5mmHg)、70℃で2日間乾燥して、チタニルフタロシアニン結晶8.5部を得た。前記ウェットケーキの固形分濃度は、15質量%であった。結晶変換溶媒は、前記ウェットケーキに対する質量比で33倍の量を用いた。得られたチタニルフタロシアニン粉末について、下記の条件によりX線回折スペクトル測定したところ、CuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θが27.2±0.2°に最大ピークと最低角7.3±0.2°にピークを有し、更に9.4±0.2°、9.6±0.2°、24.0±0.2°に主要なピークを有し、かつ7.3°のピークと9.4°のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さないチタニルフタロシアニン粉末であった。その結果を図24に示す。
<X線回折スペクトル測定条件>
X線管球:Cu
電圧:50kV
電流:30mA
走査速度:2°/分間
走査範囲:3°〜40°
時定数:2秒間
表面研磨した直径60mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層塗工液、下記組成の電荷発生層塗工液、及び下記組成の電荷輸送層塗工液を順次、浸積塗布し、乾燥することにより、平均厚み3.5μmの下引き層、平均厚み0.2μmの電荷発生層、及び平均厚み22μmの電荷輸送層を形成した。
〔下引き層塗工液の組成〕
・アルキッド樹脂
(ベッコゾール1307−60−EL、DIC社製) ・・・ 6部
・メラミン樹脂
(スーパーベッカミンG−821−60、DIC社製) ・・・ 4部
・酸化チタン
(CREL、石原産業株式会社製) ・・・ 50部
・メチルエチルケトン ・・・ 50部
〔電荷発生層塗工液の組成〕
・ポリビニルブチラール(XYHL、UCC社製) ・・・0.5部
・シクロヘキサノン ・・・200部
・メチルエチルケトン ・・・ 80部
・合成例16で得られたチタニルフタロシアニン ・・・1.5部
〔電荷輸送層塗工液の組成〕
・ビスフェノールZポリカーボネート
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製) ・・・ 10部
・テトラヒドロフラン ・・・100部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液
(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製) ・・・0.2部
・下記構造式で表される低分子電荷輸送物質 ・・・ 10部
上記で得られた電荷輸送層上に、下記組成の架橋型電荷輸送層塗工液をスプレー塗工し、135℃で30分間乾燥を行い、平均厚み5.0μmの架橋型電荷輸送層(最表面層)を設けた。
以上により、実施例1の電子写真感光体を作製した。
〔架橋型電荷輸送層塗工液の組成〕
・メチロール基含有電荷輸送性化合物A−1 ・・・ 11部
・電荷輸送性化合物B−1 ・・・ 9部
・酸触媒:パラトルエンスルホン酸・一水和物 ・・・0.02部
・無機フィラー:α−アルミナ ・・・ 2部
(粒径約0.3μm、比抵抗1010Ω・cm以上、pH8〜9、スミコランダムAA−03、住友化学工業社製)
・酸性分散剤 ・・・0.09部
(不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液、酸価約180mgKOH/g、固形分50%、BYK−P104、BYKケミー社製)
・テトラヒドロフラン ・・・ 150部
・シクロヘキサノン ・・・ 35部
実施例1において、架橋型電荷輸送層塗工液における電荷輸送性化合物B−1を電荷輸送性化合物B−2に代えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例1において、架橋型電荷輸送層塗工液における電荷輸送性化合物B−1を電荷輸送性化合物B−3に代えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例1において、架橋型電荷輸送層塗工液における電荷輸送性化合物B−1を電荷輸送性化合物B−4に代えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例1において、架橋型電荷輸送層塗工液におけるメチロール基含有電荷輸送性化合物A−1をメチロール基含有電荷輸送性化合物A−3に代えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例1において、架橋型電荷輸送層塗工液におけるメチロール基含有電荷輸送性化合物A−1をメチロール基含有電荷輸送性化合物A−5に代えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例1において、架橋型電荷輸送層塗工液におけるメチロール基含有電荷輸送性化合物A−1の配合量を14部、電荷輸送性化合物B−1の配合量を6部に変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例1において、架橋型電荷輸送層塗工液におけるメチロール基含有電荷輸送性化合物A−1の配合量を9部、電荷輸送性化合物B−1の配合量を11部に変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例1において、架橋型電荷輸送層塗工液におけるα−アルミナの配合量を6部、BYK−P104の配合量を0.27部に変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例1において、架橋型電荷輸送層塗工液におけるα−アルミナの配合量を1部、BYK−P104の配合量を0.05部に変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例1において、架橋型電荷輸送層塗工液における酸性分散剤及びその配合量を以下の酸性分散剤及び配合量に変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
・酸性分散剤 ・・・0.10部
(不飽和ポリカルボン酸ポリマー、酸価約365mgKOH/g、BYK−P105、BYKケミー社製)
実施例1において、架橋型電荷輸送層塗工液における酸性分散剤及びその配合量を以下の酸性分散剤及び配合量に変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
・酸性分散剤 ・・・0.40部
(不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液、酸価約180mgKOH/g、固形分50%、BYK−P104、BYKケミー社製)
実施例1において、架橋型電荷輸送層塗工液における酸性分散剤及びその配合量を以下の酸性分散剤及び配合量に変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
・酸性分散剤 ・・・0.04部
(不飽和ポリカルボン酸ポリマー、酸価約650mgKOH/g、藤沢薬品社製)
実施例1において、架橋型電荷輸送層塗工液における無機フィラー及びその配合量を下記の無機フィラー及び配合量に変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
・無機フィラー:酸化チタン ・・・ 2部
(粒径約0.3μm、比抵抗1010Ω・cm以上、pH6〜7、CR−97、石原産業社製)
実施例1において、架橋型電荷輸送層塗工液における酸性分散剤を以下の酸性分散剤に代えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
・酸性分散剤:スチレンアクリル樹脂
(酸価約200mgKOH/g、FB−1522、三菱レイヨン社製)
実施例1において、架橋型電荷輸送層塗工液における無機フィラー及びその配合量を下記の無機フィラー及び配合量に変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
・無機フィラー:シリカ ・・・ 1.6部
(粒径約0.1μm、比抵抗1010Ω・cm以上、pH2〜3、KMPX100、信越シリコーン社製)
実施例1において、架橋型電荷輸送層塗工液における無機フィラー及びその配合量を下記の無機フィラー及び配合量に変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
・無機フィラー:酸化スズ ・・・ 1.8部
(粒径約0.15μm、比抵抗1010Ω・cm以下、pH4〜5、S−1、三菱金属社製)
実施例1において、架橋型電荷輸送層塗工液におけるメチロール基含有電荷輸送性化合物A−1を化合物Cに代えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例1において、架橋型電荷輸送層塗工液におけるメチロール基含有電荷輸送性化合物A−1を化合物Dに代えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例1において、架橋型電荷輸送層塗工液を下記の架橋型電荷輸送層塗工液に代えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔架橋型電荷輸送層塗工液の組成〕
・メチロール基含有電荷輸送性化合物A−1 ・・・ 10部
・酸触媒:パラトルエンスルホン酸・一水和物 ・・・0.02部
・無機フィラー:α−アルミナ ・・・ 1部
(粒径約0.3μm、比抵抗1010Ω・cm以上、pH8〜9、スミコランダムAA−03、住友化学工業社製)
・酸性分散剤 ・・・0.05部
(不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液、酸価約180mgKOH/g、固形分50%、、BYK−P104、BYKケミー社製)
・テトラヒドロフラン ・・・ 95部
・シクロヘキサノン ・・・ 5部
実施例1において、架橋型電荷輸送層塗工液における配合から酸性分散剤を除いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例1において、架橋型電荷輸送層塗工液を下記の架橋型電荷輸送層塗工液に代えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔架橋型電荷輸送層塗工液の組成〕
・メチロール基含有電荷輸送性化合物A−1 ・・・ 11部
・電荷輸送性化合物B−1 ・・・ 9部
・酸触媒:パラトルエンスルホン酸・一水和物 ・・・0.02部
・テトラヒドロフラン ・・・ 180部
実施例1において、架橋型電荷輸送層塗工液における電荷輸送性化合物B−1を下記構造の電荷輸送性化合物Eに代えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例1において、架橋型電荷輸送層塗工液を下記の架橋型電荷輸送層塗工液に代えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔架橋型電荷輸送層塗工液の組成〕
・メチロール基含有電荷輸送性化合物A−1 ・・・ 9.5部
・グアナミン樹脂ニカラックBL−60(日本カーバイド社製) ・・・ 0.3部
・酸触媒:Nacure2500(楠本化成社製) ・・・ 0.1部
・無機フィラー:α−アルミナAA−03(住友化学工業社製) ・・・ 1.0部
・酸性分散剤:BYK−P104(BYKケミー社製) ・・・0.07部
・1−メトキシ−2−プロパノール ・・・100部
実施例1において、架橋型電荷輸送層塗工液におけるメチロール基含有電荷輸送性化合物A−1を、下記構造の化合物Fに代えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例1において、架橋型電荷輸送層塗工液におけるメチロール基含有電荷輸送性化合物A−1を、下記構造の化合物Gに代えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
架橋型電荷輸送層に3次元架橋ポリマーが形成されたかどうか調べるために、テトラヒドロフランで溶解性試験を行った。溶解性試験は、テトラヒドロフランを浸した綿棒で電子写真感光体表面を擦り、変形の有無を目視で観察した。擦った後の痕跡が全く見られない場合を「不溶」、膜は残っているが痕跡の残る場合を「一部溶解」、膜が溶けてしまう場合を「溶解」として評価した。結果を表1に示す。
なお、酸性分散剤を添加しなかった比較例2においては、無機フィラーの凝集が強く、塗工液を作製後、すみやかに無機フィラーが沈降してしまったため、塗工できなかった。
一方、電荷輸送性化合物の芳香環にメチロール基を3個以上有する化合物と、化合物Eとの硬化膜である比較例4は、テトラヒドロフランに一部溶解し、架橋密度の高い膜が得られていないことがわかった。また、ヒドロキシエチル基を4個有する電荷輸送性化合物(化合物F)を用いた比較例6、及び電荷輸送性化合物の芳香環にメチロール基を2個有する化合物Gを用いた比較例7は、テトラヒドロフランに溶解した。
溶解性試験において、溶解した架橋型電荷輸送層は、耐久性が低いことが明瞭であるため、これらの比較例は通紙試験から除外した。
実施例1において、架橋型電荷輸送層を設けない以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例1において、架橋型電荷輸送層塗工液を以下の保護層塗工液に代えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成社製) ・・・ 10部
・下記構造式で表される化合物G ・・・ 8部
・酸性分散剤 ・・・ 0.1部
(不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液、酸価180mgKOH/g、固形分50%、BYK−P104、BYKケミー社製)
・テトラヒドロフラン ・・・ 370部
・シクロヘキサノン ・・・ 110部
・下記構造の酸化防止剤 ・・・ 0.2部
比較例9において、保護層塗工液における酸性分散剤の配合量を0.1部から0.4部に変えた以外は、比較例9と同様にして、電子写真感光体を作製した。
比較例9において、保護層塗工液における酸性分散剤及びその配合量を、以下の酸性分散剤及び配合量に変えた以外は、比較例9と同様にして、電子写真感光体を作製した。
・酸性分散剤 ・・・ 0.05部
(不飽和ポリカルボン酸ポリマー、酸価650mgKOH/g、藤沢化学社製)
実施例1〜19、比較例1、3〜5、及び8〜11の各電子写真感光体について、シリカ外添剤入りトナー(体積平均粒径=9.5μm、平均円形度=0.91)を用いて、以下のようにして、A4サイズ10万枚の通紙試験を実施した。
まず、前記電子写真感光体をプロセスカートリッジに装着し、タンデム方式のフルカラーデジタル複写機imagio MPC7500(株式会社リコー製)の改造機にて、書き込み率7%チャート(A4全面に対して、画像面積として7%相当の文字が平均的に書かれている)を用い、通算10万枚印刷する耐刷試験を行った。その際、初期及び耐刷試験後の露光部電位(VL)、画像品質及び摩耗量について評価を行った。さらに、10万枚複写後に黒ベタ画像を出力し、任意の10cm×10cmのエリア内における白斑点の個数を数え、以下の判定基準によってランク付けを行った。結果を表2に示す。
〔白斑点状の異常画像ランク〕
◎:白斑点がほとんど見られない(5個以下)
○:白斑点が多少見られる(6個〜20個)
△:白斑点が見られる(21個〜50個)
×:白斑点が非常に多く、カウントできない(51個以上)
酸性分散剤として、ポリカルボン酸化合物以外を用いた実施例15においては、明部電位が高くなる傾向が見られた。また、導電性の酸化スズを用いた実施例17では、実用上問題ないレベルではあるものの画像ボケが発生した。化合物Cを用いた実施例18においては、画像には問題ない範囲であるが、僅かに明部電位が高くなった。
無機フィラー、及び酸性分散剤を含有しない比較例3は、電子写真感光体の摩耗量が大きく、耐摩耗性が本発明の電子写真感光体に比べて劣っていることがわかった。
グアナミン樹脂を添加した比較例5は、耐摩耗性に優れ、白斑点数も少ないが、明部電位が高くなった。また、無機フィラーが含有されていてもバインダー樹脂として熱可塑性樹脂であるポリカーボネートを用いた場合には、電子写真感光体の摩耗量が大きく、耐摩耗性が本発明の電子写真感光体に比べて劣っていることがわかった。
次に、10万枚の耐刷試験後の電子写真感光体を、NOxガス暴露器にNOガス5ppm/NO2ガス20ppmの条件で48時間暴露した後、出力画像の評価を行い、耐ガス性を評価した。耐ガス性評価は下記指標に従い、判定した。
[判定基準]
良好:画像劣化がほとんどない
解像度若干低下:画質劣化が若干認められるものの、問題ないレベル
解像度低下:明らかに画像劣化がみられる
画像ボケ発生:画像の判別が困難
なお、耐刷試験にて実用上問題ないレベルではあるものの画像ボケが発生した実施例17、地汚れが発生した比較例8については評価を取り止めとした。結果を表3に示す。
無機フィラー及び酸性分散剤を含有しない比較例3において、耐ガス性評価にて解像度低下が見られた。これは、膜に残存する酸触媒に由来するものと考えられ、本発明においては、塩基性の無機フィラーがそれを吸着し、効率的に中和することにより、解像度低下が抑制されているものと推測される。また、一般式(1)で表される電荷輸送性化合物を含有しない比較例1も、解像度低下が見られた。
保護層のバインダー樹脂として、熱可塑性樹脂を用いた比較例9〜11においては、高酸価の分散剤を用いたり、分散剤の添加量を増量すると画像ボケが発生した。
<1> 導電性支持体と、前記導電性支持体上に少なくとも感光層とを有する電子写真感光体であって、
前記電子写真感光体が、最表面層を有し、
前記最表面層が、3次元架橋ポリマーと、無機フィラーと、酸性分散剤とを含有し、
前記3次元架橋ポリマーが、電荷輸送性化合物の芳香環にメチロール基を3個以上有する化合物と、下記一般式(1)で表される電荷輸送性化合物とを、酸触媒を用いて重合して形成されることを特徴とする電子写真感光体である。
<2> 酸性分散剤が、ポリカルボン酸化合物である前記<1>に記載の電子写真感光体である。
<3> 無機フィラーが、金属酸化物である前記<1>から<2>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<4> 金属酸化物が、アルミナ、及び酸化チタンの少なくともいずれかである前記<3>に記載の電子写真感光体である。
<5> 電荷輸送性化合物の芳香環にメチロール基を3個以上有する化合物が、下記一般式(2)で表される化合物である前記<1>から<4>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<6> 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層をこの順に有してなり、前記架橋型電荷輸送層が、最表面層である前記<1>から<5>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<7> 電子写真感光体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、前記電子写真感光体が、前記<1>から<6>のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成方法である。
<8> 電子写真感光体と、前記電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記電子写真感光体が、前記<1>から<6>のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置である。
<9> 電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段の少なくともいずれかとを有し、画像形成装置本体に着脱可能であるプロセスカートリッジであって、前記電子写真感光体が、前記<1>から<6>のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
2 電荷発生層
3 電荷輸送層
5 架橋型電荷輸送層
6 感光層
7 保護層
10 電子写真感光体
10Y 電子写真感光体
10M 電子写真感光体
10C 電子写真感光体
10K 電子写真感光体
11 帯電手段
11Y 帯電手段
11M 帯電手段
11C 帯電手段
11K 帯電手段
12 露光手段
13 現像手段
13Y 現像手段
13M 現像手段
13C 現像手段
13K 現像手段
15 転写紙
16 転写手段
16Y 転写手段
16M 転写手段
16C 転写手段
16K 転写手段
17 クリーニング手段
17Y クリーニング手段
17M クリーニング手段
17C クリーニング手段
17K クリーニング手段
18 除電手段
23 転写手段(二次転写手段)
24 定着手段
Claims (9)
- 導電性支持体と、前記導電性支持体上に少なくとも感光層とを有する電子写真感光体であって、
前記電子写真感光体が、最表面層を有し、
前記最表面層が、3次元架橋ポリマーと、無機フィラーと、酸性分散剤とを含有し、
前記3次元架橋ポリマーが、電荷輸送性化合物の芳香環にメチロール基を3個以上有する化合物と、下記一般式(1)で表される電荷輸送性化合物とを、酸触媒を用いて重合して形成されることを特徴とする電子写真感光体。
- 酸性分散剤が、ポリカルボン酸化合物である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 無機フィラーが、金属酸化物である請求項1から2のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 金属酸化物が、アルミナ、及び酸化チタンの少なくともいずれかである請求項3に記載の電子写真感光体。
- 電荷輸送性化合物の芳香環にメチロール基を3個以上有する化合物が、下記一般式(2)で表される化合物である請求項1から4のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層をこの順に有してなり、前記架橋型電荷輸送層が、最表面層である請求項1から5のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 電子写真感光体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、前記電子写真感光体が、請求項1から6のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成方法。
- 電子写真感光体と、前記電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記電子写真感光体が、請求項1から6のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
- 電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段の少なくともいずれかとを有し、画像形成装置本体に着脱可能であるプロセスカートリッジであって、前記電子写真感光体が、請求項1から6のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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