JP4376613B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
(i)高速静電潜像形成が必要なため、帯電性が良好で、かつ光減衰特性の良好な感光体
(ii)繰り返し使用における静電疲労の小さな感光体
(iii)地汚れ発生の少ない感光体(言い換えれば、静電潜像コントラストのはっきりした感光体)
(iv)耐摩耗性の高い感光体
以上のことから、残る課題は上記(ii)及び(iii)に関してである。上述のチタニルフタロシアニン結晶は、非常に高感度である電荷発生物質であるが、この結晶型は、結晶としての安定性が低く、分散等の機械的ストレス、熱的なストレスに対して結晶転移し易いという問題を抱えている。一方、結晶転移後の結晶型は、前記結晶型に比べて非常に低感度であり、結晶の一部が結晶転移した場合には充分な光キャリア発生機能を発現することができない。また、感光体の繰り返し使用において、特にネガ・ポジ現像固有の問題点である地汚れ画像と呼ばれる異常画像が起こりやすいという問題点も有している。
これら公知の技術はいずれも、感光体上に形成された静電潜像(ドット)をいかに現像するかという観点に基づき、小粒径トナーを使用することで忠実な現像を行うという発明である。
しかしながら、静電潜像をいかに形成するか、ドットの鮮明さをいかに形成するか、繰り返し使用においていかに安定に使用するかという観点からのアプローチはなされておらず、小粒径トナーの使用による良好な現像特性(静電潜像を鮮明に現像する)を必ずしも生かし切れていない。
このような問題は、低い解像度(400dpi以下)の書き込み光では、それほど問題にならない現象であったが、昨今の高解像度書き込み(600dpi以上、より精細な書き込みは1200dpi以上)を行い、小粒径のトナーにて現像する画像形成装置において顕著に現れる問題である。
静電潜像の形成に関しては、均一に帯電された感光体に光書き込みを行い、感光体表面に電位コントラストを形成するものである。この際、必要な技術としては帯電の均一性と微小ドットの形成である。帯電の均一性に関しては、帯電部材の工夫や感光体膜厚の均一性などによりほぼ確保される。また、微小ドットの形成に関しても光学系(書き込み素子やレンズ等)の進歩や素子そのものの発振波長の短波長化により、より微小ビーム径を形成できるようになり、現時点では高画質化の律速工程にはなっていない。
以上のように、現時点においては高画質化の課題に対しては、感光体表面から被転写体にトナー像を移行させる転写工程が律速工程になっていると言っても過言ではない。
上述のような画像形成装置に用いられる電子写真感光体は、強い転写電界の作用により、疲労が促進したり、絶縁破壊を生じたりすることがある。この結果、長期間繰り返し使用を行った画像形成装置から出力される画像には、地汚れと呼ばれる画像欠陥が発生する場合がある。また、転写時のバイアス極性の電荷が感光体に残留して次の帯電時に影響を与える場合もある。感光体表面に残留電荷が残ったまま帯電工程に突入した場合、以下の不具合を生じる。
ネガ残の原因はこれだけではなく、感光体の疲労が大きく、除電後表面電荷が均一な状態で帯電工程に突入した場合にも起きるが、特に同一原稿を繰り返し出力した場合や、定型フォーマットで同じ箇所に同じ原稿が存在する場合(例えば、ビジネス用の原稿であり、会社のロゴマークなどが同じ箇所に存在するような場合)には、顕著な問題となる。
このように、高速画像形成装置の使われ方は、カラー化した場合を含めると非常に多種多様であり、これに対応するためには、常に画像形成システムの状態を同じように維持することであり、これを具体的に実現するためには静電潜像を常に同じように作成するため感光体を如何に同じ状態(初期状態を維持)するかという点に尽きることになる。
しかし、このような方法を使用すると、耐圧性の低い感光体は前述のように絶縁破壊を起こしたり、地汚れと呼ばれる異常画像を発生する場合があり、これを防ぐためには地汚れに強い感光体が必要になる。
また、上記プリンターや複写機は装置の高速化、高画質化が要望されているが、画像形成の高速化、高解像度化等に対応すべく、感光体表面を露光するためのレーザービームを複数本、射出するようにしたマルチビーム記録ヘッドを具備する画像形成装置が提案されている(特許文献4参照)。
そのため、回動多鏡面体のポリゴンミラーの回転数を上げずに、高速化を達成するために、副走査方向にビーム光源を複数個並べ、主走査方向1回の走査で複数ビームの走査をする、マルチビーム記録ヘッドによるマルチビーム走査露光方法が採用されるようになった。マルチビーム記録ヘッドによるこの方法では、例えばn本のビーム光源になることで1ビーム光源のみの場合に必要となる回動多鏡面体のポリゴンミラーの回転数が、1/nの回転数でよくなり、1ビーム光源の場合より、n倍の高速化が可能となる。又、走査速度に余裕が生じることになり、その分、走査密度を高密度にして、高速で、高精細な画像出力が可能になるなどメリットが大きい(特許文献5参照)。
図5には、4個のレーザー光源LD1、LD2、LD3、及びLD4で構成されるマルチビームヘッド走査露光で連続複数のライン画像の書き込みをした場合のレーザー点灯状態と反転現像方式を用いて画像形成した場合のライン画像の関係を示してある。
2ビームで1ラインを形成する場合、図5(a)に示す如く、まず1サイクル目の走査では、LD1、2、4が点灯、LD3が消灯の状態で走査され、次に、LD1、3、4が点灯、2が消灯の状態で2サイクル目の走査が行われる。1サイクル目のLD1、2点灯と2サイクル目のLD3、4点灯の場合はそれぞれ図5(c)に示されるライン1とライン3(図5(c))形成用の露光であるが、隣り合うレーザーが同時に感光体に露光される(同時露光)。一方、1サイクル目のLD4と2サイクル目のLD1の露光は図5(c)に示されるライン2形成用の露光であるが、2本のビームは時間がずれて感光体を露光されている(順次露光)(図5(a))。
このような露光状態の違いに応じて、出力画像には、順次露光の場合は同時露光の場合より、太いラインが形成される(図5(c))。
このトナー画像は、転写工程で記録紙上に転写され、定着工程を経て記録紙上に画像が形成される。反転現像においては、トナーが記録体に転写される場合には、トナーの飛散を伴うため、細線画像は太り気味になる。この現象は転写チリと呼ばれるが、この転写チリは現像されたトナー量が多い方がチリ範囲が広くなり、より太い線画像となる。
この転写画像は、定着工程で、通常、加熱ローラ等の定着部材によって、加圧されながら加熱定着が行われるが、その時、トナーは流動状態になり、引き延ばされ、記録紙上の線画像は更に太くなり、この定着時の線画像の太りは、トナー量が多いほどより激しくなる。
以上の如くにして、順次露光部の線画像は、同時露光部の線画像より太くなると考えている。
更に、特許文献9には、電子写真プロセスが200mm/s以下のマルチビーム露光方式を用いた電子写真画像形成装置用の電子写真感光体として感光層がオキシチタニウムフタロシアニン(チタニルフタロシアニン)を含有し、該電子写真感光体の電荷移動度が7.0×10−7〜2.0×10−5cm2/V・sである感光体を用いることがされている。
しかし、従来公知のチタニルフタロシアニンを含有した感光体は、画像形成プロセスの繰り返し、特に、帯電工程と露光工程の繰り返しによって、感光体内部に残留電荷が蓄積し易すく、感光体の耐久性に難がある。特に、マルチビームを用いてより高速印字が可能になった画像形成装置は、低速、中速画像形成装置に比べて遙かに大量なプリントを行う用途に用いられる。そのため、主要部材である感光体の耐久性が低い場合は、頻繁に感光体を取り替える必要が生じ、実質的なプリントに要する時間が長くなったり、画像形成コストが高くなるなどの不具合が生じる。そのため、感光体にはより高い耐久性が求められる。また、従来公知のチタニルフタロシアニンを含有した感光体を搭載したマルチビーム露光方式を用いた画像形成装置においては、感光体線速(システム線速)が300mm/sec以上で画像形成をすると、隣り合う複数ビームで1ドット、又は、1ラインを副走査方向に複数形成する際に、場所によって同一品質の画像パターンを形成することができなくなるという前述の不具合がより顕著に現れることがわかった。
前者に関しては、静電潜像を形成するための書き込みビーム径を小さくし、これを最大限に活用するための周辺技術の開発が必要である。後者に関しては、感光体の劣化等に起因する異常画像の発生がそのほとんどの原因であり、感光体の高耐久化及び高安定化技術を獲得するとともに、使用するプロセスの特性を理解した感光体の開発が必要となる。
前者についての技術としては、紫〜青色の発振を行うブルーレーザーと呼ばれる450nm以下の発振波長を有する書き込み光源が開発された。これは高エネルギーを有し、ビーム径を容易に絞れるため、高密度書き込みが可能であり、現在までの光源を用いた書き込みよりも小さいビーム径による書き込みが実現できるようになった。
(1)感光体表面側から書き込みを行う場合、電荷輸送層に吸収がないこと
書き込み波長である450nmよりも短い波長領域に、電荷発生物質の吸収が十分にあること
(2)電荷発生物質のS1状態よりも高いエネルギーを印加されるため、電荷発生物質の化学的安定性が高いこと
(3)高密度書き込みが行われるため、高い光キャリア発生能を有すること
同極性の電荷が近接した場合に、互いの電荷によりクーロン反発することが知られており、感光体の場合も例外ではない。特に上述のように高密度書き込みを行った場合には、高密度で光キャリア生成が行われるため、スムーズに電荷を移動させないと、正孔と電子による再結合(キャリア発生効率の低下を生み出す)の他に、電荷輸送層を移動する際にドットが広がってしまうという問題を生み出す。その結果、小径ビームで書き込んだつもりでも、感光体表面に形成される静電潜像のドット径が大きくなってしまうという結果をもたらす(図7参照)。
従って、450nmよりも短波長の書き込み光源を用いて、小径ビームを形成して、微小ドットを形成するような画像形成装置におけるプロセスでは、下記の項目が必要になる。
(1)電荷の移動に際してクーロン反発が影響して電荷が拡散しないよう、感光体に与える電界強度を十分に大きくすること(30V/μm以上が必要)
(2)高い電界強度の印加に際して、地汚れが発生しやすくなるため、地汚れ耐性の高い感光体が必要
(3)小径ビームの書き込みに対して、十分な均質性を有すること。このため、電荷発生層に含有される電荷発生物質は十分な小ささを有していること
小型化の課題に対しては、コンパクトな帯電方式として、ローラ形状であり、感光体と接触する形態を有する接触方式の帯電部材が用いられている。この方式は、ワイヤー方式(コロトロン、スコロトロン)に比べて、帯電部材への印加バイアスが低く抑えられることから、帯電部材に使用されるパワーパックの容量が小さくて済み、使用電力の低減化に非常に有利な方式である。また、帯電の際に帯電部材と感光体間の電界強度さが小さくて済むことから、オゾンやNOxといった酸化性ガスの発生量も低減化され、環境に与える影響及び電子写真感光体への影響も低減化される。このため、異常画像の発生や感光体の劣化を防止できる。
ところが、前記接触帯電装置には、(1)帯電ローラ跡、(2)帯電音、(3)感光体上のトナーなどが帯電部材に付着することによる帯電性能の低下、(4)帯電部材を構成している物質の感光体への付着、及び(5)感光体を長期停止したときに生じる、帯電部材の永久変形、などの問題点がある。
これまで、高線速の画像形成装置用感光体の電荷発生物質として用いられてきた前述のCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶を用いた場合には、繰り返し使用による静電疲労の増加(主に帯電性及び帯電保持性が低下)すると共に、スキャベンジング効果低減のために発生する地汚れ余裕度の低下により、地汚れ発生を抑制しきれずにいた。
また、本発明のように小粒径トナーを用いて現像する場合には、小径静電潜像ドットをキチンと作製することがこの技術を活かすことであることは既に述べた。本発明のように帯電性及び光減衰特性が良好な電荷発生物質を使用した上で、この電荷発生物質の平均粒子サイズをより細かくし、その分布を狭める(均一な電荷発生層の形成)ことにより、上記小径ドットの輪郭がよりシャープになることも明らかになった。
即ち、本発明の画像形成装置は、第二形態では、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有し、前記静電潜像形成手段が、少なくとも帯電器と、600dpi以上の解像度を有する露光器とを有し、該帯電器により前記静電潜像担持体表面を下記数式(1)で表される電界強度が30V/μm以上となるように印加すると共に、前記トナーの体積平均粒径が3〜7μmであり、かつ前記静電潜像担持体が、導電性支持体と、該導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層をこの順に積層してなると共に、該電荷発生層中にチタニルフタロシアニン結晶を含み、該チタニルフタロシアニン結晶におけるCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、該7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有し、かつ前記チタニルフタロシアニン結晶における一次粒子の平均サイズが0.25μm以下である。
<数式(1)>
電界強度(V/μm)=SV/G
ただし、前記数式(1)中、SVは、現像位置における静電潜像担持体の未露光部における表面電位(V)を表す。Gは、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を含む感光層の膜厚(μm)を表す。
なお、本発明の効果の詳細な理由は不明であるが、地汚れに関しては、ここまでに知られている27.2゜に最大回折ピークを他のチタニルフタロシアニン結晶に比べ、本発明に用いられるチタニルフタロシアニン結晶の化学的な安定性が高いことに由来し、地汚れの発生を低減化できることに起因しているものと推定される。また、本発明のチタニルフタロシアニン結晶は上述のように化学的安定性が高いことを含め、高いキャリア発生能を有し、更に十分な微粒子化が施してあるため、感光体バルク内の電界強度の不均一性が抑制されていることに依るものと考えられる。
このように、高速化を実現するための基本的な設計が行われていながら、その特長を生かす有効な感光体が開発されてないため、安定した画像形成が実現できずに、様々な画像形成に対応できないといった問題点が残存しているのが現状であるが、本発明ではこれを解決している。
本発明の効果の詳細な理由は不明であるが、地汚れに関しては、ここまでに知られている27.2゜に最大回折ピークを他のチタニルフタロシアニン結晶に比べ、本発明に用いられるチタニルフタロシアニン結晶の化学的な安定性が高いことに由来し、地汚れの発生を低減化できることに起因しているものと推定される。
ここで、図10には、感光体に用いる電荷発生物質の粒子サイズを変更した場合の2種類の感光体の光減衰特性を示す。粒子サイズが大きい場合には(図10のB)、光減衰速度が遅めに推移している以外に、低電界領域(感光体表面電位の低い領域)では、光減衰のなまりを生じている。これにより飽和減衰電位が高めで飽和している。一方、粒子サイズを十分に小さく制御した場合には(図10のA)、光減衰の裾切れが良好であり、低電界においても十分に光減衰し、飽和電位も低い。
ところで、静電潜像を現像する場合においては、図10に示すBの光減衰でも飽和電位よりも十分に高い現像バイアスを設定することで現像は可能である。しかしながら、除電後の帯電においてはこの電位差の影響は大きく、帯電能力の低い帯電部材を使用した場合や非常に高線速で感光体を動作した場合には、帯電の均一性の確保が難しくなる。このため、今まで使用されてきたような画像形成装置ではそれほど問題にならなかった帯電不均一性も、高速かつ高画質を求められる画像形成装置においては、かなり大きな問題となる。
<数式(2)>
除電−帯電間の時間(秒)=P/S
ただし、前記数式(2)中、Pは、除電手段の中心に正対した静電潜像担持体表面と帯電器中心に対応した静電潜像担持体表面の周長(mm)を表す。Sは、システム線速(mm/秒)を表す。
更に、感光体に下記数式(1)で表される電界強度が30(V/μm)以上の帯電を行うことで、上記問題点をより効果的に解決できることを見出した。
<数式(1)>
電界強度(V/μm)=SV/G
ただし、前記数式(1)中、SVは、現像位置における静電潜像担持体の未露光部における表面電位(V)を表す。Gは、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を含む感光層の膜厚(μm)を表す。
なお、本発明の効果の詳細な理由は不明であるが、我々の検討結果では、ここまでに知られている27.2゜に最大回折ピークを他のチタニルフタロシアニン結晶に比べ、本発明に用いられるチタニルフタロシアニン結晶の化学的な安定性が高いことに由来し、地汚れの発生を低減化できることに起因しているものと推定される。
しかしながら、感光体に印加する電界強度の上昇は、支持体から感光層への電荷注入、感光層内部での熱キャリア発生の促進を促し、結果として地汚れの発生を促進させてしまう。この現象は、一般的には光キャリア発生効率の高い電荷発生物質を用いた場合には顕著であり、前述のCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶を用いた場合には、電界強度として高々30V/μm程度未満の領域で使用されているのが実情であった。
また、微少ドット輪郭の不鮮明さは、電荷発生層における不均一性に基づくものであり、本発明のように電荷発生層における電荷発生物質粒子が十分に微細化してあると、光学的に電荷発生層が均質体構造となり、潜像ドットにおける輪郭が非常にシャープになる。このことは、ここまで使用されてきた光源としての780nmLD等と比べて、書込波長が短くなった分、粒子サイズを更に小さくしなければならないという書込波長と粒子サイズの関係から来る課題であり、ここまでの書き込み光源に対応した電荷発生層では対応ができない問題であると考えられる。
ここで、図10には、感光体に用いる電荷発生物質の粒子サイズを変更した場合の2種類の感光体の光減衰特性を示す。粒子サイズが大きい場合には(図10のA)、光減衰速度が遅めに推移している以外に、低電界領域(感光体表面電位の低い領域)では、光減衰のなまりを生じている。これにより飽和減衰電位が高めで飽和している。一方、粒子サイズを十分に小さく制御した場合には(図10のB)、光減衰の裾切れが良好であり、低電界においても十分に光減衰し、飽和電位も低い。
このように、高画質化を実現するための基本的な設計或いは個別要素技術が行われていながら、その特長を生かす有効な感光体が開発されてないため、安定した画像形成が実現できずに、様々な画像形成に対応できないといった問題点が残存しているのが現状であるが、本発明ではこれを解決している。
<数式(1)>
電界強度(V/μm)=SV/G
ただし、前記数式(1)中、SVは、現像位置における静電潜像担持体の未露光部における表面電位(V)を表す。Gは、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を含む感光層の膜厚(μm)を表す。
しかしながら、感光体に印加する電界強度の上昇は、支持体から感光層への電荷注入、感光層内部での熱キャリア発生の促進を促し、結果として地汚れの発生を促進させてしまう。また、電界強度の上昇は上述の問題を発生させるだけでなく、感光体を絶縁破壊してしまうという問題も有している。この絶縁破壊は、特に接触帯電部材を用いる際に顕著な問題として挙げられるものであるが、帯電部材と感光体との間の微小空間における放電現象により、感光体或いは帯電ローラにおける局所的な欠陥(特に抵抗の低い部分)に電界が集中し、落雷現象が起こり、感光体そのものに穴を空けてしまう現象である。
このように、プロセスを制御する有効な手段が開発されていながら、その特長を生かす有効な感光体が開発されてないため、高画質化のために高い電界強度を印加することができずに、感光体上への書き込みドットに忠実な静電潜像の形成、静電潜像に忠実なトナー現像ができないといった問題点が残存しているのが現状であるが、本発明ではこれを解決している。
<数式(1)>
電界強度(V/μm)=SV/G
ただし、前記数式(1)中、SVは、現像位置における静電潜像担持体の未露光部における表面電位(V)を表す。Gは、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を含む感光層の膜厚(μm)を表す。
<1> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する複数の現像スリーブを有する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記画像形成装置が、300mm/sec以上のシステム線速で動作すると共に、前記静電潜像担持体が、導電性支持体と、該導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層をこの順に積層してなると共に、該電荷発生層中にチタニルフタロシアニン結晶を含み、該チタニルフタロシアニン結晶におけるCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、該7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有し、かつ前記チタニルフタロシアニン結晶における一次粒子の平均サイズが0.25μm以下であることを特徴とする画像形成装置である。
<2> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記静電潜像形成手段が、少なくとも帯電器と、600dpi以上の解像度を有する露光器とを有し、該帯電器により前記静電潜像担持体表面を下記数式(1)で表される電界強度が30V/μm以上となるように印加すると共に、前記トナーの体積平均粒径が3〜7μmであり、かつ前記静電潜像担持体が、導電性支持体と、該導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層をこの順に積層してなると共に、該電荷発生層中にチタニルフタロシアニン結晶を含み、該チタニルフタロシアニン結晶におけるCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、該7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有し、かつ前記チタニルフタロシアニン結晶における一次粒子の平均サイズが0.25μm以下であることを特徴とする画像形成装置である。
<数式(1)>
電界強度(V/μm)=SV/G
ただし、前記数式(1)中、SVは、現像位置における静電潜像担持体の未露光部における表面電位(V)を表す。Gは、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を含む感光層の膜厚(μm)を表す。
<3> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記転写手段が、前記静電潜像担持体表面に現像された可視像を記録媒体に直接転写すると共に、前記静電潜像担持体が、導電性支持体と、該導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層をこの順に積層してなると共に、該電荷発生層中にチタニルフタロシアニン結晶を含み、該チタニルフタロシアニン結晶におけるCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、該7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有し、かつ前記チタニルフタロシアニン結晶における一次粒子の平均サイズが0.25μm以下であることを特徴とする画像形成装置である。
<4> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、除電手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記静電潜像形成手段が、少なくとも帯電器と、露光器とを有し、かつ下記数式(2)で表される除電−帯電間の時間が0.15秒以下であると共に、前記静電潜像担持体が、導電性支持体と、該導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層をこの順に積層してなると共に、該電荷発生層中にチタニルフタロシアニン結晶を含み、該チタニルフタロシアニン結晶におけるCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、該7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有し、かつ前記チタニルフタロシアニン結晶における一次粒子の平均サイズが0.25μm以下であることを特徴とする画像形成装置である。
<数式(2)>
除電−帯電間の時間(秒)=P/S
ただし、前記数式(2)中、Pは、除電手段の中心に正対した静電潜像担持体表面と帯電器中心に対応した静電潜像担持体表面の周長(mm)を表す。Sは、システム線速(mm/秒)を表す。
<5> システム線速(S)が300mm/sec以上である前記<4>に記載の画像形成装置である。
<6> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記静電潜像形成手段が、少なくとも帯電器と、複数のレーザービームを用いて前記静電潜像担持体表面に静電潜像を形成するマルチビーム露光を行う露光器とを有し、かつ前記画像形成装置が、300mm/sec以上のシステム線速で動作すると共に、前記静電潜像担持体が、導電性支持体と、該導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層をこの順に積層してなると共に、該電荷発生層中にチタニルフタロシアニン結晶を含み、該チタニルフタロシアニン結晶におけるCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、該7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有し、かつ前記チタニルフタロシアニン結晶における一次粒子の平均サイズが0.25μm以下であることを特徴とする画像形成装置である。
<7> 帯電手段により静電潜像担持体表面に印加される帯電が、下記数式(1)で表される電界強度が30V/μm以上である前記<6>に記載の画像形成装置である。
<数式(1)>
電界強度(V/μm)=SV/G
ただし、前記数式(1)中、SVは、現像位置における静電潜像担持体の未露光部における表面電位(V)を表す。Gは、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を含む感光層の膜厚(μm)を表す。
<8> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記静電潜像形成手段が、少なくとも380〜450nmの波長範囲に発振波長を有する書き込み装置と、帯電器とを有し、該帯電器により前記静電潜像担持体表面を下記数式(1)で表される電界強度が30V/μm以上となるように印加すると共に、前記静電潜像担持体が、導電性支持体と、該導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層をこの順に積層してなると共に、該電荷発生層中にチタニルフタロシアニン結晶を含み、該チタニルフタロシアニン結晶におけるCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、該7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有し、かつ前記チタニルフタロシアニン結晶における一次粒子の平均サイズが0.25μm以下であることを特徴とする画像形成装置である。
<数式(1)>
電界強度(V/μm)=SV/G
ただし、前記数式(1)中、SVは、現像位置における静電潜像担持体の未露光部における表面電位(V)を表す。Gは、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を含む感光層の膜厚(μm)を表す。
<9> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置において、
前記静電潜像形成手段が、少なくとも帯電器と、600dpi以上の解像度を有する露光器とを有し、該帯電器表面と前記静電潜像担持体表面との空隙が100μm以下になるように近接配置された非接触方式であり、かつ前記帯電器により前記静電潜像担持体表面を下記数式(1)で表される電界強度が30V/μm以上となるように印加すると共に、前記静電潜像担持体が、導電性支持体と、該導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層をこの順に積層してなると共に、該電荷発生層中にチタニルフタロシアニン結晶を含み、該チタニルフタロシアニン結晶におけるCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、該7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有し、かつ前記チタニルフタロシアニン結晶における一次粒子の平均サイズが0.25μm以下であることを特徴とする画像形成装置である。
<数式(1)>
電界強度(V/μm)=SV/G
ただし、前記数式(1)中、SVは、現像位置における静電潜像担持体の未露光部における表面電位(V)を表す。Gは、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を含む感光層の膜厚(μm)を表す。
<10> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成要素を複数配列してなるタンデム型の画像形成装置であって、
前記静電潜像担持体が、導電性支持体と、該導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層をこの順に積層してなると共に、該電荷発生層中にチタニルフタロシアニン結晶を含み、該チタニルフタロシアニン結晶におけるCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、該7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有し、かつ前記チタニルフタロシアニン結晶における一次粒子の平均サイズが0.25μm以下であることを特徴とするタンデム型の画像形成装置である。
<11> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段と、クリーニング手段とを少なくとも一体に有するプロセスカートリッジを着脱自在に搭載してなる画像形成装置であって、
前記静電潜像担持体が、導電性支持体と、該導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層をこの順に積層してなると共に、該電荷発生層中にチタニルフタロシアニン結晶を含み、該チタニルフタロシアニン結晶におけるCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、該7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有し、かつ前記チタニルフタロシアニン結晶における一次粒子の平均サイズが0.25μm以下であることを特徴とするタンデム型の画像形成装置である。
<12> 電荷発生層が、チタニルフタロシアニン結晶粒子の平均粒子サイズが0.25μm以下であり、その標準偏差が0.2μm以下になるまで分散させた後、有効孔径が3μm以下のフィルターにて濾過を行ったチタニルフタロシアニン結晶含有分散液を導電性支持体上に塗工してなる前記<1>から<11>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<13> チタニルフタロシアニン結晶が、不定形チタニルフタロシアニン及び低結晶性チタニルフタロシアニンの少なくともいずれかを、水の存在下で有機溶媒により結晶変換を行って、該結晶変換後におけるチタニルフタロシアニン結晶の一次粒子の平均粒子サイズが0.25μmより大きく成長する前に、前記有機溶媒より結晶変換後のチタニルフタロシアニン結晶を分別し、濾過して得られる前記<1>から<12>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<14> 不定形チタニルフタロシアニン及び低結晶性チタニルフタロシアニンの少なくともいずれかが、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも7.0〜7.5゜に最大回折ピークを有し、かつその回折ピークの半値巾が1゜以上であり、一次粒子の平均粒子サイズが0.1μm以下である前記<13>に記載の画像形成装置である。
<15> 電荷輸送層が、トリアリールアミン構造を主鎖及び側鎖の少なくともいずれかに含むポリカーボネートを含有する前記<1>から<14>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<16> 電荷輸送層上に保護層を有する前記<1>から<15>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<17> 保護層が、比抵抗1010Ω・cm以上の無機顔料及び金属酸化物から選択される少なくともいずれかを含む前記<16>に記載の画像形成装置である。
<18> 保護層が、更に高分子電荷輸送物質を含む前記<16>から<17>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<19> 保護層におけるバインダー樹脂が、架橋構造を有する前記<16>から<18>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<20> 架橋構造を有するバインダー樹脂の構造中に、電荷輸送部位を有する前記<19>に記載の画像形成装置である。
<21> 静電潜像担持体における導電性支持体の表面が、陽極酸化皮膜処理された前記<1>から<20>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<22> 静電潜像形成手段における帯電器が、静電潜像担持体表面に交流重畳電圧印加を行う前記<1>から<21>のいずれかに記載の画像形成装置である。
第二形態では、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有し、前記静電潜像形成手段が、少なくとも帯電器と、600dpi以上の解像度を有する露光器とを有し、該帯電器により前記静電潜像担持体表面を電界強度が30V/μm以上となるように印加すると共に、前記トナーの体積平均粒径が3〜7μmである。
第三形態では、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有し、前記転写手段が、前記静電潜像担持体表面に現像された可視像を記録媒体に直接転写する。
第四形態では、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、除電手段とを少なくとも有し、前記静電潜像形成手段が、少なくとも帯電器と、露光器とを有し、かつ除電−帯電間の時間が0.15秒以下である。
第五形態では、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有し、前記静電潜像形成手段が、少なくとも帯電器と、複数のレーザービームを用いて前記静電潜像担持体表面に静電潜像を形成するマルチビーム露光を行う露光器とを有し、かつ前記画像形成装置が、300mm/sec以上のシステム線速で動作する。
第六形態では、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有し、前記静電潜像形成手段が、少なくとも380〜450nmの波長範囲に発振波長を有する書き込み装置と、帯電器とを有し、該帯電器により前記静電潜像担持体表面を電界強度が30V/μm以上となるように印加する。
前記静電潜像担持体(「光導電性絶縁体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、導電性支持体と、該導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層をこの順に積層してなると共に、該電荷発生層中にチタニルフタロシアニン結晶を含み、該チタニルフタロシアニン結晶におけるCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、該7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有し、かつ前記チタニルフタロシアニン結晶における一次粒子の平均サイズが0.25μm以下である。
また、600dpi以上あるいは1200dpi以上の解像度で使用される様な状況下においては、書き込み解像度を生かすためには感光体に印加される電界強度を高くする必要があった。しかしながら、電界強度が高いと地汚れを発生させてしまうという問題点を発生していた。このような現象は、同公報に記載された画像形成装置よりも高解像度な書き込みを実施する画像形成装置での使用の場合に、顕著に発現する。このように、過去のプロセス(装置)では、必ずしも同公報に記載された材料の実力を充分に引き出していないだけでなく、プロセス条件を適正化してやらないと逆に副作用を生み出すものであった。
初めにチタニルフタロシアニン結晶の合成粗品の合成法について述べる。フタロシアニン類の合成方法は古くから知られており、例えば、特開平6−293769号公報、Moser等による「Phthalocyanine Compounds」(1963年)、「The Phthalocyanines」(1983年)、等に記載されている。
第2の方法としては、フタロニトリル類とハロゲン化金属を高沸点溶媒の存在下或いは不存在下において加熱する方法である。この方法は、第1の方法で製造できないフタロシアニン類、例えば、アルミニウムフタロシアニン類、インジウムフタロシアニン類、オキソバナジウムフタロシアニン類、オキソチタニウムフタロシアニン類、ジルコニウムフタロシアニン類等に用いられる。
第3の方法は、無水フタル酸或いはフタロニトリル類とアンモニアを先ず反応させて、例えば1,3−ジイミノイソインドリン類等の中間体を製造し、次いでハロゲン化金属と高沸点溶媒中で反応させる方法である。
第4の方法は、尿素等存在下で、フタロニトリル類と金属アルコキシドを反応させる方法である。特に、第4の方法はベンゼン環への塩素化(ハロゲン化)が起こらず、電子写真用材料の合成法としては、極めて有用な方法であり、本発明においては極めて有効に使用される。
先ず、1回目の結晶変換方法について述べる。1回目の結晶変換は、前記不定形チタニルフタロシアニン(低結晶性チタニルフタロシアニン)を、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、かつ、前記7.3°のピークと9.4゜のピークの間にはピークを有さず、かつ26.3゜にピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶に変換する工程である。
具体的な方法としては、前記不定形チタニルフタロシアニン(低結晶性チタニルフタロシアニン)を乾燥せずに、水の存在下の元で有機溶媒と共に混合・撹拌することにより、前記結晶型を得るものである。
この際、使用される有機溶媒は、所望の結晶型を得られるものであれば、いかなる有機溶媒も使用できるが、特にテトラヒドロフラン、トルエン、塩化メチレン、二硫化炭素、オルトジクロロベンゼン、1,1,2−トリクロロエタンの中から選ばれる1種を選択すると、良好な結果が得られる。これら有機溶媒は単独で用いることが好ましいが、これらの有機溶媒を2種以上混合する、あるいは他の溶媒と混合して用いることも可能である。結晶変換に使用される前記有機溶媒の量は、不定形チタニルフタロシアニンの重量の10倍以上、好ましくは30倍以上の重量であることが望ましい。これは、結晶変換を素早く十分に起こさせると共に、不定形チタニルフタロシアニンに含まれる不純物を十分に取り除く効果が発現されるからである。尚、ここで使用する不定形チタニルフタロシアニンは、アシッド・ペースト法により作製するものであるが、上述のように硫酸を十分に洗浄したものを使用することが望ましい。硫酸が残存するような条件で結晶変換を行うと、結晶粒子中に硫酸イオンが残存し、出来上がった結晶を水洗処理のような操作をしても完全には取り除くことが出来ない。硫酸イオンが残存した場合には、感光体の感度低下、帯電性低下を引き起こすなど、好ましい結果を得られない。例えば、特開平8−110649号公報(比較例)には、硫酸に溶解したチタニルフタロシアニンをイオン交換水と共に有機溶媒に投入し結晶変換を行う方法が記載されている。この際、本発明で得られるチタニルフタロシアニン結晶のX線回折スペクトルに類似した結晶を得ることが出来るが、チタニルフタロシアニン中の硫酸イオン濃度が高く、光減衰特性(光感度)が悪いものであるため、本発明のチタニルフタロシアニンの製造方法としては良好なものではない。
1つは、結晶変換溶媒を前述のように適正なものを選択し、結晶変換効率を高めること。もう1つは、結晶変換を短時間に完了させるために、溶媒とチタニルフタロシアニン水ペースト(前述の如く作製した原料)を充分に接触させるために強い撹拌を用いるものである。具体的には、撹拌力の非常に強いプロペラを用いた撹拌、ホモジナイザー(ホモミキサー)のような強烈な撹拌(分散)手段を用いるなどの手法により、短時間での結晶変換を実現させるものである。これらの条件により、原料が残存することなく、結晶変換が充分に行われ、かつ結晶成長が起こらない状態のチタニルフタロシアニン結晶を得ることができる。
図21に示されるように1次粒子が小さい状態で作製されたチタニルフタロシアニン結晶を分散するにあたっては、分散後の粒子サイズを小さなもの(0.25μm以下、より好ましくは0.2μm以下)にするためには、1次粒子が凝集(集合)して集まって形成する2次粒子をほぐすだけのシェアを与えることで分散が可能である。この結果、必要以上のエネルギーを与えないため、前述の如き、粒子の一部が所望の結晶型でない結晶型へと転移し易い結果は生み出さずに、粒度分布の細かい分散液を容易に作製することが可能である。
この2種類の分散液の平均粒径並びに粒度分布を公知の方法に従って、市販の粒度分布測定装置(堀場製作所製:超遠心式自動粒度分布測定装置、CAPA700)により測定した。その結果を図24に示す。図24における「A」が図22に示す分散液に対応し、「B」が図23に示す分散液に対応する。両者を比較すると、粒度分布に関してはほとんど差が認められない。また、両者の平均粒径値は、「A」が0.29μm、「B」が0.28μmと求められ、測定誤差を加味した上では、両者に全くの差異が認められない。
その後、分別されたチタニルフタロシアニン結晶は、必要に応じて加熱乾燥される。加熱乾燥に使用する乾燥機は、公知のものがいずれも使用可能であるが、大気下で行う場合には送風型の乾燥機が好ましい。更に、乾燥速度を早め、本発明の効果をより顕著に発現させるために減圧下の乾燥も非常に有効な手段である。特に、高温で分解する、或いは結晶型が変化するような材料に対しては有効な手段である。特に10mmHgよりも真空度が高い状態で乾燥することが有効である。
1つは、先に作製したチタニルフタロシアニン結晶を有機溶媒中で処理する方法である。使用される有機溶媒としては、27.2゜に最大回折ピークを有する結晶型を、26.3゜に最大回折ピークを有する結晶型に変換できる溶媒であればいかなるものも使用できるが、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、アセトン、2―ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類が良好に用いられる。
有機溶媒の処理に関しては、前記チタニルフタロシアニン結晶を有機溶媒中にそのまま浸漬させておくだけでも構わないが、撹拌、超音波印加などの補助手段を併用することにより、処理時間を短縮することができ、有効である。有機溶媒による処理を行った後、濾過分別して、再び乾燥を行うことにより、目的とするチタニルフタロシアニン結晶を得ることができる。
分散液の作製に関しては一般的な方法が用いられ、前記チタニルフタロシアニン結晶を必要に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル、超音波などを用いて分散することで得られるものである。この際、バインダー樹脂は感光体の静電特性などにより、また溶媒は顔料へのぬれ性、顔料の分散性などにより選択すればよい。
既に述べたように、CuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶は、熱エネルギー・機械的シェア等のストレスにより他の結晶型に容易に結晶転移をすることが知られている。本発明で用いるチタニルフタロシアニン結晶もこの傾向は変わらない。即ち、微細な粒子を含む分散液を作製するためには、分散方法の工夫も必要であるが、結晶型の安定性と微粒子化はトレード・オフの関係になりがちである。分散条件を最適化することによりこれを回避する方法はあるが、いずれも製造条件を極めて狭くしてしまうものであり、より簡便な方法が望まれている。この問題を解決するために、以下のような方法も有効な手段である。
即ち、(i)微細化チタニルフタロシアニンを合成し、これを使用することにより、分散時間の短縮化・分散ストレスの低減化が図れ、分散における結晶転移の可能性が小さくなる。(ii)分散によって残存する粗大粒子サイズが、微細化しない場合よりも小さいため、より小さなフィルターを使用することが可能になり、粗大粒子の除去効果がより確実なものとなる。また、除去されるチタニルフタロシアニン粒子量が低減し、濾過前後における分散液組成の変化が少なく、安定した製造が可能になる。(iii)その結果、製造される感光体は安定して地汚れ耐性の高い感光体が製造されることになる。
使用するチタニルフタロシアニン結晶を粉末状態で、一般的なX線回折装置にて、X線回折スペクトルを測定する。得られたスペクトルに対して、ベースライン補正を行った後、26.3±0.2゜のピーク強度、および27.2±0.2゜のピーク強度を求める。その値を用いて、26.3±0.2゜のピーク強度を27.2±0.2゜のピーク強度で割った値が、本発明で言うところのピーク強度比である。
(26.3±0.2゜のピーク強度)/(27.2±0.2゜のピーク強度)×100
なお、ピーク強度比が1%以下になるような場合には、広い範囲での測定ではベースラインの補正が難しい場合がある。その場合には、測定範囲を狭めて(例えば、25〜30゜の範囲で測定する等)、再測定を行うことにより、より正確に強度比を求めることができる。
図25は、本発明に用いられる電子写真感光体の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(31)上に、前記特定粒子サイズで特定結晶型を有するチタニルフタロシアニン結晶(電荷発生材料)を主成分とする電荷発生層(35)と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層(37)とが、積層された構成をとっている。
また、図26は、本発明に用いられる電子写真感光体の別の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(31)上に、前記特定粒子サイズで特定結晶型を有するチタニルフタロシアニン結晶(電荷発生材料)を主成分とする電荷発生層(35)と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層(37)とが積層され、更に電荷輸送層上に、保護層(39)を設けた構成をとっている。
電荷発生層(35)は、電荷発生物質として、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、かつ、前記7.3°のピークと9.4゜のピークの間にはピークを有さず、更に26.3゜にピークを有し、結晶合成時もしくは分散濾過処理により、一次粒子の平均粒子サイズが0.25μm以下(好ましくは0.2μm以下)のチタニルフタロシアニン結晶を主成分とする層である。
必要に応じて電荷発生層(35)に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
前記結着樹脂の添加量は、電荷発生物質100質量部に対し0〜500質量部が好ましく、10〜300質量部がより好ましい。
前記電荷発生層35の膜厚は、0.01〜5μm程度が好ましく、0.1〜2μmがより好ましい。
前記電荷輸送層(37)は、電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
前記電子輸送物質としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
前記正孔輸送物質としては、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール又はその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート又はその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物又はその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、又は2種以上混合して用いられる。
前記電荷輸送物質の添加量は結着樹脂100質量部に対し、20〜300質量部が好ましく、40〜150質量部がより好ましい。また、前記電荷輸送層の膜厚は5〜100μm程度とすることが好ましい。
また、感光体の保護層に用いられるフィラー材料のうち有機性フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、a−カーボン粉末等が挙げられ、無機性フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、チタン酸カリウムなどの無機材料が挙げられる。特に、フィラーの硬度の点からは、この中でも無機材料を用いることが有利である。特に、シリカ、酸化チタン、アルミナが有効に使用できる。
また、使用するフィラーの体積平均粒径は、0.1μm〜2μmの範囲が好ましく、0.3μm〜1μmがより好ましい。この場合、平均粒径が小さすぎると耐摩耗性が充分に発揮されず、大きすぎると塗膜の表面性が悪くなったり、塗膜そのものが形成できなかったりするからである。
また、本発明で使用するフィラーのpHも解像度やフィラーの分散性に大きく影響する。その理由の一つとしては、フィラー、特に金属酸化物は製造時に塩酸等が残存することが考えられる。その残存量が多い場合には、画像ボケの発生は避けられず、またそれは残存量によってはフィラーの分散性にも影響を及ぼす場合がある。
更に、画像ボケが発生しにくいフィラーとしては、電気絶縁性が高いフィラー(比抵抗が1010Ω・cm以上)が好ましく、フィラーのpHが5以上を示すものやフィラーの誘電率が5以上を示すものが特に有効に使用できる。また、pHが5以上のフィラー或いは誘電率が5以上のフィラーを単独で使用することはもちろん、pHが5以下のフィラーとpHが5以上のフィラーとを2種類以上を混合したり、誘電率が5以下のフィラーと誘電率が5以上のフィラーとを2種類以上混合したりして用いることも可能である。また、これらのフィラーの中でも高い絶縁性を有し、熱安定性が高い上に、耐摩耗性が高い六方細密構造であるα型アルミナは、画像ボケの抑制や耐摩耗性の向上の点から特に有用である。
更に、これらのフィラーは少なくとも一種の表面処理剤で表面処理させることが可能であり、そうすることがフィラーの分散性の面から好ましい。フィラーの分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、更には耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化或いは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。表面処理剤としては、従来用いられている表面処理剤すべてを使用することができるが、フィラーの絶縁性を維持できる表面処理剤が好ましい。例えば、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸等、或いはこれらとシランカップリング剤との混合処理や、Al2O3、TiO2、ZrO2、シリコーン、ステアリン酸アルミニウム等、或いはそれらの混合処理がフィラーの分散性及び画像ボケの点からより好ましい。シランカップリング剤による処理は、画像ボケの影響が強くなるが、上記の表面処理剤とシランカップリング剤との混合処理を施すことによりその影響を抑制できる場合がある。表面処理量については、用いるフィラーの平均一次粒径によって異なるが、3〜30質量%が適しており、5〜20質量%がより好ましい。表面処理量がこれよりも少ないとフィラーの分散効果が得られず、また多すぎると残留電位の著しい上昇を引き起こす。これらフィラ−材料は単独もしくは2種類以上混合して用いられる。フィラーの表面処理量に関しては、上述のようにフィラー量に対する使用する表面処理剤の質量比で定義される。
これらフィラー材料は、適当な分散機を用いることにより分散できる。また、保護層の透過率の点から使用するフィラーは1次粒子レベルまで分散され、凝集体が少ないほうが好ましい。
この他、保護層のバインダー樹脂としては電荷輸送層の項で説明した高分子電荷輸送物質も用いることができる。これを用いた場合の効果としては、電荷輸送層の項に記載したことと同様に、耐摩耗性の向上、高速電荷輸送の効果を得ることができる。
また、保護層のバインダー構成として、架橋構造からなる保護層も有効に使用される。架橋構造の形成に関しては、1分子内に複数個の架橋性官能基を有する反応性モノマーを使用し、光や熱エネルギーを用いて架橋反応を起こさせ、3次元の網目構造を形成するものである。この網目構造がバインダー樹脂として機能し、高い耐摩耗性を発現するものである。
このような網目構造を有する電荷輸送層は、耐摩耗性が高い反面、架橋反応時に体積収縮が大きく、あまり厚膜化するとクラックなどを生じる場合がある。このような場合には、保護層を積層構造として、下層(感光層側)には低分子分散ポリマーの保護層を使用し、上層(表面側)に架橋構造を有する保護層を形成しても良い。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像をトナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記転写手段は、前記可視像を記録媒体に転写する手段であるが、感光体表面から記録媒体に可視像を直接転写する方法と、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する方法がある。いずれの態様も良好に使用することが出来るが、高画質化に際して転写による悪影響が大きいような場合には、転写回数が少ない前者(直接転写)の方法が望ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。なお、転写手段としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写手段の中から適宜選択することができ、例えば、記録媒体の搬送も同時に行うことの出来る転写搬送ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
前記定着は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着され、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
図11及び図12は、本発明の画像形成装置を説明するための概略図であり、後に示すような変形例も本発明の範疇に属するものである。なお、図12の画像形成装置は、図11の画像形成装置において、現像部材(6)が1つの現像スリーブを有する以外は、共通するものである。
図11及び図12において、静電潜像担持体としての感光体(1)は導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層を含む感光層が設けられてなり、電荷発生層にはCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、かつ、前記7.3°のピークと9.4゜のピークの間にはピークを有さず、更に26.3°にピークを有し、かつ一次粒子の平均粒子サイズが0.25μm以下のチタニルフタロシアニン結晶を含有してなる。感光体(1)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
帯電部材(3)には、ワイヤー方式の帯電部材やローラ形状の帯電部材が用いられる。特に本発明のように高速帯電には帯電部材が良好に使用される。この帯電部材により、感光体には帯電が施されるが、感光体に印加される電界強度は高いほどドット再現性が良好になるため、30V/μm以上の電界強度が印加されることが望ましい。しかしながら、感光体の絶縁破壊や現像時のキャリア付着の問題を生み出す可能性があり、上限値は概ね60V/μm以下、より好ましくは50V/μm以下である。
また、転写搬送ベルト(10)は転写チャージャー、転写ローラを用いることも可能であるが、オゾン発生量の少ない転写ベルトや転写ローラ等の接触型を用いることが望ましい。なお、転写時の電圧/電流印加方式としては、定電圧方式、定電流方式のいずれの方式も用いることが可能であるが、転写電荷量を一定に保つことができ、安定性に優れた定電流方式がより望ましい。
また、帯電方式のうち、少なくとも感光体への主帯電に用いられる帯電部材(図11及び図12には帯電ローラ(3)として表記されている)には、特に近接配置した非接触帯電方式が望ましい。非接触帯電方式の帯電部材においては帯電効率が高くオゾン発生量が少ない、装置の小型化が可能である等のメリットを有する。
本発明において使用される近接配置された帯電部材は、感光体表面との空隙を適切に制御できる機構のものであればいかなる形状のものでも良い。例えば、感光体の回転軸と帯電部材の回転軸を機械的に固定して、適正ギャップを有するような配置にすればよい。中でも、帯電ローラーの形状の帯電部材を用い、帯電部材の非画像形成部両端にギャップ形成部材を配置して、この部分のみを感光体表面に当接させ、画像形成領域を非接触配置させる、あるいは感光体非画像形成部両端ギャップ形成部材を配置して、この部分のみを帯電部材表面に当接させ、画像形成領域を非接触配置させる様な方法が、簡便な方法でギャップを安定して維持できる方法である。特に特開2002−148904号公報、特開2002−148905号公報に記載された方法は良好に使用できる。帯電部材側にギャップ形成部材を配置した近接帯電機構の一例を図13に示す。図13中、111は、感光体、112は、帯電ローラ、113は、ギャップ形成部材、114は、金属シャフト、115は、画像形成領域、116は、非画像形成領域をそれぞれ表す。
第5形態では、半導体レーザー(LD)素子を副走査方向に複数配列したマルチビーム書き込みヘッドを組み入れた光源が使用される。該マルチビーム書き込みヘッドを用いることで1ビーム書き込みの場合より、より高精細で、高速な画像形成が可能となる。
このような波長範囲にレーザー発振させる技術としてはいくつかの手法が挙げられる。一つは、非線形光学材料を利用し、第2高調波発生(SHG)を用いてレーザー光の波長を2分の1にするものである(特開平9−275242号公報、特開平9−189930号公報、特開平5−313033号公報等)。この系は、一次光源として、既に技術が確立し高出力可能なGaAs系LDやYAGレーザーを使用することができるため、長寿命化や大出力化が可能である。もう一つは、ワイドギャップ半導体を用いるもので、SHG利用のデバイスと比べ、装置の小型化が可能である。ZnSe系半導体(特開平7−321409号公報、特開平6−334272号公報等)や、GaN系半導体(特開平8−88441号公報、特開平7−335975号公報等)を用いたLDが、その発光効率の高さから、以前から多くの研究の対象となっている。また、比較的最近の技術として、日亜化学工業から、GaN系半導体を用いたLD(405nm発振)が実用化され、上記の技術よりも格段に進んだ書き込み系が開発され、本発明にも有益に用いることが出来る。
書き込み光源の波長に関しては、450nmよりも光源の発振波長が長い場合には、書き込み光(ビーム径)を十分に小さく絞り込むことが出来ず、所望の解像度(1200dpi以上、好ましくは2400dpi以上)を容易に達成することが出来ない。このため、光源の発振波長は450nmよりも短波長側にある必要がある。発振波長はこれよりも短波長であればあるほど、ビームの絞り込み等に対して有利になる。しかしながら、現時点では2つの課題により下限値が定められる。1つは、実用化された光源の中で、上述の405nmよりも短波長で発振する光源が存在しないこと、いま1つは感光体(書き込み光入射側に存在する電荷輸送層や保護層)を構成する材料として、電荷輸送物質が挙げられるが、高移動度を有し、実用レベルで使用出来る電荷輸送物質の中で380nmよりも短波長側の成分の光に対して十分に透明な材料が存在しないことである。これは、現在開発されている電荷輸送物質の殆どがトリアリールアミン構造を有するものであり、この材料の長波長側の吸収端が概ね380nmであることに由来する。従って、光源の更なる短波長化と電荷輸送物質の更なる透明化(吸収の短波長化)が実現されれば、本発明に使用出来る光源の発振波長の加減は更に短波長側に延びることになる。
また、複数の現像スリーブが同一構造であったり、同一条件で使用されるとは限らず、特開平10−161418号公報に記載されるように2つの現像スリーブの線速を変えたり、回転方向を変えることも可能である。また、特開平10−171252号公報及び特開2002−372852号公報に記載されるように、使用する現像剤も片側のスリーブでは2成分現像を行い、他方の現像スリーブで1成分現像を行うような手法も使用することができる。更には、特開2002−268386号公報に記載されているように2つのスリーブに内蔵される現像極の法線磁束密度を変えたりすることもできる。
前記現像にはDC現像とAC現像の2つの方法があるが、いずれの方法も使用でき、特開2003−149927号公報に記載されているように、2つのスリーブにおけるバイアス印加条件を変えることも可能である。
第二形態では、現像ユニット(6)には、体積平均粒径が3〜7μmのトナーが用いられる。使用するトナーの帯電極性により、正規現像にも反転現像にも対応可能である。感光体の帯電極性と逆極性のトナーを使用した場合には正規現像が使用され、同極性のトナーを用いた場合には反転現像によって、静電潜像が現像される。先の画像露光部に使用する光源によっても異なるが、近年使用するデジタル光源の場合には、一般的に画像面積率が低いことに対応して、書込部分にトナー現像を行う反転現像方式が光源の寿命等を考慮すると有利である。また、トナーのみで現像を行う1成分方式と、トナー及びキャリアからなる2成分現像剤を使用した2成分方式の2通りの方法があるが、いずれの場合にも良好に使用できる。
前記トナーの体積平均粒径が7μmよりも大きい場合には、600dpi以上の高解像度書き込みにより形成された静電潜像を高精細に現像することができない。高精細に現像する点だけを取り上げれば、トナー粒径は小さいほど有利であり、製造が可能で取り扱いが出来るのであれば、細かいほど良好な結果が得られる。しかしながら、現時点での製造性や取り扱い性、及び装置内での使用勝手から、現在の技術では3μm程度が下限値となる。
前記転写電流は大きいほど、感光体−トナー間の静電付着力を上回る電荷量を与えられるため有利であるが、ある閾値を越えると転写部材−感光体間で放電現象を生じてしまい、微細に現像されたトナー像を散らせる結果になる。このため、上限値としてはこの放電現象を起こさない範囲ということになる。この閾値は転写部材−感光体間の空隙(距離)、両者を構成する材料などによって変わるものであるが、概ね200μA以下程度で使用することにより、放電現象を回避できる。従って、転写電流の上限値は200μA程度である。
このような転写部材は、構成上、本発明の構成を満足できるものであれば、公知のものを使用することができる。
第四形態では、下記数式(2)で表される除電−帯電間の時間が0.15秒以下である。
<数式(2)>
除電−帯電間の時間(秒)=P/S
ただし、前記数式(2)中、Pは、除電手段の中心に正対した静電潜像担持体表面と帯電器中心に対応した静電潜像担持体表面の周長(mm)を表す。Sは、システム線速(mm/秒)を表す。
先の帯電方式においてAC成分を重畳して使用する場合や、感光体の残留電位が小さい場合等は、この除電機構を省略することもできる。また、光学的な除電ではなく静電的な除電機構(例えば、逆バイアスを印加した或いはアース接地した除電ブラシなど)を用いることもできる。図11及び図12中、8はレジストローラ、11は分離チャージャー、12は分離爪である。
図15及び図16において、符号(16Y)、(16M)、(16C)、(16K)はドラム状の感光体であり、感光体は導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層を含む感光層が設けられてなり、電荷発生層にはCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、かつ、前記7.3°のピークと9.4゜のピークの間にはピークを有さず、更に26.3°にピークを有し、かつ一次粒子の平均粒子サイズが0.25μm以下のチタニルフタロシアニン結晶を含有してなる。
また、図16に示すフルカラー画像形成装置においては、感光体(16Y)、(16M)、(16C)、(16K)の周りに少なくとも回転順に帯電部材(17Y)、(17M)、(17C)、(17K)、1つの現像スリーブを有する現像部材(19Y)、(19M)、(19C)、(19K)を有する以外は、図15と同様である。
この場合にも、第三形態では、感光体上の形成されたトナー像を転写手段により被転写体に直接転写される方式を使用する。帯電部材(102)には、前述のように公知の帯電部材が用いられ、高精細な画像形成を行う際には感光体に対して30V/μm以上(60V/μm以下、好ましくは50V/μm以下)の電界強度を印加する。
図18中、124は1つの現像スリーブを有する現像手段、105は転写体、106は転写手段、107はクリ−ニング手段である。
(比較合成例1)
特開2001−187794号公報に準じて、顔料を作製した。即ち、1,3−ジイミノイソインドリン29.2gとスルホラン200mlを混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド20.4gを滴下する。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行った。反応終了後、放冷した後析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、つぎにメタノールで数回洗浄し、さらに80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。粗チタニルフタロシアニンを20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の氷水に撹拌しながら滴下し、析出した結晶をろ過、次いで、洗浄液が中性になるまで水洗いを繰り返し、チタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキ(水ペースト)を得た。得られたこのウェットケーキ(水ペースト)2gをテトラヒドロフラン20gに投入し、4時間攪拌を行った後、濾過を行い、乾燥して、チタニルフタロシアニン粉末を得た。
更に、このチタニルフタロシアニン結晶30gをテトラヒドロフラン300gに浸漬し、2回目の結晶変換を行った。12時間浸漬放置した後、濾過分別し、上記と同じ条件で減圧乾燥を行い、本発明で用いるチタニルフタロシアニン結晶を得た。これを顔料1とする。
比較合成例1の方法に従って、チタニルフタロシアニン顔料の水ペーストを合成し、次のように結晶変換を行い、比較合成例1よりも一次粒子の小さなフタロシアニン結晶を得た。
比較合成例1で得られた結晶変換前の水ペースト60部にテトラヒドロフラン1500部を加え、室温下でホモミキサー(ケニス、MARKIIfモデル)により強烈に撹拌(2000rpm)し、ペーストの濃紺色の色が淡い青色に変化したら(撹拌開始後20分)、撹拌を停止し、直ちに減圧濾過を行った。濾過装置上で得られた結晶をテトラヒドロフランで洗浄し、顔料のウェットケーキを得た。これを減圧下(5mmHg)、70℃で2日間乾燥して、チタニルフタロシアニン結晶58部を得た。
−2回目の結晶変換処理−
更に、このチタニルフタロシアニン結晶30gをテトラヒドロフラン300gに浸漬し、2回目の結晶変換を行った。12時間浸漬放置した後、濾過分別し、上記と同じ条件で減圧乾燥を行い、本発明で用いるチタニルフタロシアニン結晶を得た。これを顔料2とする。
合成例1における2回目の結晶変換操作を下記の通りの条件に変更した以外は、合成例1と同様に処理を行い、本発明のチタニルフタロシアニン結晶(図20参照)を得た。これを顔料3とする。
−2回目の結晶変換処理−
1回目の結晶変換処理を行ったチタニルフタロシアニン結晶30gを、市販のミキサーにより機械的剪断力を5分間与えた後、粉末を取り出した。
合成例1における2回目の結晶変換操作を下記の通りの条件に変更した以外は、合成例1と同様に処理を行い、本発明のチタニルフタロシアニン結晶を得た。これを顔料4とする。
−2回目の結晶変換処理−
1回目の結晶変換処理を行ったチタニルフタロシアニン結晶30gを、2kgの直径6mmのジルコニアボールと共に、直径90mmのガラスポットに投入し、乾式ミリングを10分間行った後、粉末を取り出した。
合成例1における2回目の結晶変換溶媒をテトラヒドロフランからメタノールに変更した以外は、合成例1と同様に処理を行い、チタニルフタロシアニン結晶を得た。これを顔料5とする。
比較合成例1において、1回目の結晶変換溶媒として、テトラヒドロフランの代わりに2−ブタノンを用い、2回目の結晶変換を行わない以外は、比較合成例1と同様に処理を行い、チタニルフタロシアニン結晶を得た。これを顔料6とする。
<X線回折スペクトル測定条件>
X線管球:Cu
電圧:50kV
電流:30mA
走査速度:2°/分
走査範囲:3°〜40°
時定数:2秒
Cu−Kα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θが27.2±0.2°に最大ピークと最低角7.3±0.2°にピークを有し、かつ7.3°のピークと9.4°のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有するチタニルフタロシアニン粉末であることが分かる。
また、比較合成例1で得られた水ペーストの一部を80℃の減圧下(5mmHg)で、2日間乾燥して、低結晶性チタニルフタロシアニン粉末を得た。水ペーストの乾燥粉末のX線回折スペクトルを図28に示す。
比較合成例2で得られたチタニルフタロシアニン結晶(顔料5)のX線回折スペクトルを図29に示すが、26.3°にピークを示さないものであった。
比較合成例3で得られたチタニルフタロシアニン結晶(顔料6)のX線回折スペクトルを図30に示すが、最低角が7.5°に存在するものであった。
以上の方法により求められた合成例1における水ペースト中の平均粒子サイズは、0.06μmであった。
特開平1−299874号(特許第2512081号)公報の実施例1に記載の方法に準じて、顔料を作製した。即ち、先の比較合成例1で作製したウェットケーキを乾燥し、乾燥物1gをポリエチレングリコール50gに加え、100gのガラスビーズと共に、サンドミルを行った。結晶転移後、希硫酸、水酸化アンモニウム水溶液で順次洗浄し、乾燥して顔料を得た。これを顔料7とする。
特開平3−269064号(特許第2584682号)公報の製造例1に記載の方法に準じて、顔料を作製した。即ち、先の比較合成例1で作製したウェットケーキを乾燥し、乾燥物1gをイオン交換水10gとモノクロルベンゼン1gの混合溶媒中で1時間撹拌(50℃)した後、メタノールとイオン交換水で洗浄し、乾燥して顔料を得た。これを顔料8とする。
特開平2−8256号(特公平7−91486号)公報の製造例に記載の方法に準じて、顔料を作製した。即ち、フタロジニトリル9.8gと1−クロロナフタレン75mlを撹拌混合し、窒素気流下で四塩化チタン2.2mlを滴下する。滴下終了後、徐々に200℃まで昇温し、反応温度を200℃〜220℃の間に保ちながら3時間撹拌して反応を行った。反応終了後、放冷し130℃になったところ熱時ろ過し、次いで1−クロロナフタレンで粉体が青色になるまで洗浄、次にメタノールで数回洗浄し、さらに80℃の熱水で数回洗浄した後、乾燥し顔料を得た。これを顔料9とする。
特開昭64−17066号(特公平7−97221号)公報の合成例1に記載の方法に準じて、顔料を作製した。即ち、α型TiOPc5部を食塩10g及びアセトフェノン5gと共にサンドグラインダーにて100℃にて10時間結晶変換処理を行った。これをイオン交換水及びメタノールで洗浄し、希硫酸水溶液で精製し、イオン交換水で酸分がなくなるまで洗浄した後、乾燥して顔料を得た。これを顔料10とする。
特開平11−5919号(特許第3003664号)公報の実施例1に記載の方法に準じて、顔料を作製した。即ち、O−フタロジニトリル20.4部、四塩化チタン部7.6部をキノリン50部中で200℃にて2時間加熱反応後、水蒸気蒸留で溶媒を除き、2%塩酸、続いて2%水酸化ナトリウム水溶液で精製し、メタノール、N,N−ジメチルホルムアミドで洗浄後、乾燥し、チタニルフタロシアニンを得た。このチタニルフタロシアニン2部を5℃の98%硫酸40部の中に少しずつ溶解し、その混合物を約1時間、5℃以下の温度を保ちながら攪拌する。続いて硫酸溶液を高速攪拌した400部の氷水中に、ゆっくりと注入し、析出した結晶を濾過する。結晶を酸が残量しなくなるまで蒸留水で洗浄し、ウエットケーキを得る。そのケーキをTHF100部中で約5時間攪拌を行い、ろ過、THFによる洗浄を行い乾燥後、顔料を得た。これを顔料11とする。
特開平3−255456号(特許第3005052号)公報の合成例2に記載の方法に準じて、顔料を作製した。即ち、先の比較合成例1で作製したウェットケーキ10部を塩化ナトリウム15部とジエチレングリコール7部に混合し、80℃の加熱下で自動乳鉢により60時間ミリング処理を行った。次に、この処理品に含まれる塩化ナトリウムとジエチレングリコールを完全に除去するために充分な水洗を行った。これを減圧乾燥した後にシクロヘキサノン200部と直径1mmのガラスビーズを加えて、30分間サンドミルにより処理を行い、顔料を得た。これを顔料12とする。
特開平11−5919号(特許第3003664号)公報の実施例4に記載の方法に準じて、顔料を作製した。即ち、先の比較合成例8で得られたウェットケーキを5%の塩酸で洗浄し、中性になるまで水洗・濾過を行い、乾燥した。更にこれをTHFと共にボールミルで10時間分散し、濾過・乾燥して顔料粉末を得た。これを顔料13とする。
特開平5−134437号(特許第3196260号)公報の製造例1及び製造例2に記載の方法に準じて、顔料を作製した。即ち、フタロジニトリル97.5gをα−クロロナフタレン750ml中に加え、次に窒素雰囲気下で四塩化チタン22mlを滴下する。滴下後昇温し、撹拌しながら200〜220℃で3時間反応させた後、放冷し、100〜130℃で熱時濾過し、100℃に加熱したα−クロロナフタレン200mlで洗浄した。更に200mlのN−メチルピロリドンで熱懸洗処理(100℃、1時間)を3回行った。続いてメタノール300mlで室温にて懸洗しさらにメタノール500mlで1時間熱懸洗を3回行った。これをフタロシアニン1とする。
次いで、フタロシアニン1をサンドグラインドミルにて20時間磨砕処理しを行い、続いて水400ml、o−ジクロロベンゼン40mlの懸濁液中に入れ、60℃で1時間加熱処理を行った。これをフタロシアニン2とする。
更に、特開平5−134437号実施例1に準じて、フタロシアニン1及びフタロシアニン2をそれぞれ6質量部及び4質量部混合し、n−プロパノール200質量部を加え、サンドグラインドミルで10時間粉砕、微粒化分散処理を行った。これを乾燥して、フタロシアニン粉末を得た。これを顔料14とする。
特開平8−110649号公報のチタニルフタロシアニン結晶体の製造方法に準じて、顔料を作製した。即ち、1,3−ジイミノイソインドリン58g、テトラブトキシチタン51gをα−クロロナフタレン300mL中で210℃にて5時間反応後、α−クロロナフタレン、ジメチルホルムアミド(DMF)の順で洗浄した。その後、熱DMF、熱水、メタノールで洗浄、乾燥して50gのチタニルフタロシアニンを得た。チタニルフタロシアニン4gを0℃に冷却した濃硫酸400g中に加え、引き続き0℃、1時間撹拌した。フタロシアニンが完全に溶解したことを確認した後、0℃に冷却した水800mL/トルエン800mL混合液中に添加した。室温で2時間撹拌後、析出したフタロシアニン結晶体を混合液より濾別し、メタノール、水の順で洗浄した。洗浄水の中性を確認した後、洗浄水よりフタロシアニン結晶体を濾別し、乾燥して、2.9gのチタニルフタロシアニン結晶体を得た。これを顔料15とする。
比較合成例1で作製した顔料1を下記組成の処方にて、下記に示す条件にて分散を行い電荷発生層用塗工液として、分散液を作製した。
チタニルフタロシアニン顔料(顔料1) 15部
ポリビニルブチラール(積水化学製:BX−1) 10部
2−ブタノン 280部
市販のビーズミル分散機に直径0.5mmのPSZボールを用い、ポリビニルブチラールを溶解した2−ブタノン及び顔料を全て投入し、ローター回転数1200r.p.m.にて30分間分散を行い、分散液を作製した。これを分散液1とする。
分散液作製例1で使用した顔料1に変えて、それぞれ合成例1〜3及び比較合成例2〜12で作製した顔料2〜15を使用して、分散液作製例1と同じ条件にて分散液を作製した(顔料番号に対応して、それぞれ分散液2〜15とする)。
分散液作製例1で作製した分散液1を、アドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−1−CS(有効孔径1μm)を用いて、濾過を行った。濾過に際しては、ポンプを使用し、加圧状態で濾過を行った。これを分散液16とする。
分散液作製例16で使用したフィルターを、アドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−3−CS(有効孔径3μm)に変えた以外は、分散液作製例16と同様に加圧濾過を行い分散液を作製した。これを分散液17とする。
分散液作製例15で使用したフィルターを、アドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−5−CS(有効孔径5μm)に変えた以外は、分散液作製例16と同様に加圧濾過を行い分散液を作製した。これを分散液18とする。
分散液作製例1における分散条件を下記の通り変更して、分散を行った。これを分散液19とする。
ローター回転数:1000r.p.m.にて20分間分散を行った。
分散液作製例19で作製した分散液をアドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−1−CS(有効孔径1μm)を用いて、濾過を行った。濾過に際しては、ポンプを使用し、加圧状態で濾過を行った。濾過の途中でフィルターが目詰まりを起こして、全ての分散液を濾過することができなかった。このため、以下の評価は未実施とした。
以上のように作製した分散液中の顔料粒子の粒度分布を、堀場製作所:CAPA−700にて測定した。結果を表3に示す。
直径60mmのアルミニウムシリンダー(JIS 1050)に、下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、及び電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥し、3.5μmの下引き層、電荷発生層、25μmの電荷輸送層を形成し、積層感光体を作製した(感光体1とする)。なお、電荷発生層の膜厚は、780nmにおける電荷発生層の透過率が20%になるように調整した。電荷発生層の透過率は、下記組成の電荷発生層塗工液を、ポリエチレンテレフタレートフィルムを巻き付けたアルミニウムシリンダーに感光体作製と同じ条件で塗工を行い、比較対照を電荷発生層を塗工していないポリエチレンテレフタレートフィルムとし、市販の分光光度計(島津製作所製:UV−3100)にて、780nmの透過率を評価した。
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製) 70部
アルキッド樹脂 15部
(ベッコライトM6401−50−S、固形分50%、大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 10部
(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60%、大日本インキ化学工業製)
2−ブタノン 100部
◎電荷発生層塗工液
先に作製した分散液1を用いた。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
感光体作製例1で使用した電荷発生層塗工液(分散液1)をそれぞれ、分散液2〜18に変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体2〜19を作製した。なお、電荷発生層の膜厚は、感光体作製例1と同様に、すべての塗工液を用いた場合に780nmの透過率が20%になるように調整した。
直径100mmのアルミニウムシリンダー(JIS 1050)に、下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、及び電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥し、3.5μmの下引き層、電荷発生層、28μmの電荷輸送層を形成し、積層感光体を作製した(感光体B−1とする)。なお、電荷発生層の膜厚は、780nmにおける電荷発生層の透過率が20%になるように調整した。電荷発生層の透過率は、下記組成の電荷発生層塗工液を、ポリエチレンテレフタレートフィルムを巻き付けたアルミニウムシリンダーに感光体作製と同じ条件で塗工を行い、比較対照を電荷発生層を塗工していないポリエチレンテレフタレートフィルムとし、市販の分光光度計(島津製作所製:UV−3100)にて、780nmの透過率を評価した。
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製) 70部
アルキッド樹脂 15部
(ベッコライトM6401−50−S、固形分50%、大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 10部
(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60%、大日本インキ化学工業製)
2−ブタノン 100部
◎電荷発生層塗工液
先に作製した分散液1を用いた。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
感光体作製例B−1で使用した電荷発生層塗工液(分散液1)をそれぞれ、分散液2〜18に変更した以外は、感光体作製例B−1と同様に感光体B−2〜B−19を作製した。なお、電荷発生層の膜厚は、感光体作製例B−1と同様に、すべての塗工液を用いた場合に780nmの透過率が20%になるように調整した。
(黒色トナー)
ポリエステル樹脂 95部
カーボンブラック 10部
サリチル酸誘導体亜鉛塩 2部
上記組成の混合物を、溶融混練し、その後粉砕、分級し、体積平均粒径6.8μmのトナーを得た。
また、湿式法により作製したマグネタイト100部に対してポリビニルアルコール2部、水60部をボールミルに入れ12時間混合してマグネタイトのスラリーを調整した。このスラリーをスプレードライヤーにて噴霧造粒し、球形粒子とした。この粒子を窒素雰囲気中で1000℃の温度で3時間焼成後冷却し、核体粒子1を得た。
シリコーン樹脂溶液 100部
トルエン 100部
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン 15部
カーボンブラック 20部
上記混合物をホモミキサーで20分間分散し、被覆層形成液1を調整した。この被覆層形成液1を、流動床型コーティング装置を用いて核体粒子1を1000部の表面にコーティングして、シリコーン樹脂被覆キャリア(磁性キャリア)を得た。
上記磁性キャリアを97.5部に対し、トナー2.5部の割合で混合し、黒色トナー二成分現像剤(K−1)を作製した。
(イエロートナー)
ポリエステル樹脂 95部
C.I.ピグメントイエロー180 5部
サリチル酸誘導体亜鉛塩 2部
上記組成の混合物を、溶融混練し、その後粉砕、分級し、体積平均粒径6.8μmのトナーを得た。このトナー2.5部を、先の磁性キャリア97.5部と混合してイエロートナー二成分現像剤(Y−1)を作製した。
(マゼンタトナー)
ポリエステル樹脂 95部
C.I.ピグメントレッド57:1 5部
サリチル酸誘導体亜鉛塩 2部
上記組成の混合物を、溶融混練し、その後粉砕、分級し、体積平均粒径6.8μmのトナーを得た。このトナー2.5部を、先の磁性キャリア97.5部と混合してマゼンタトナー二成分現像剤(M−1)を作製した。
(シアントナー)
ポリエステル樹脂 95部
C.I.ピグメントブルー15:3 5部
サリチル酸誘導体亜鉛塩 2部
上記組成の混合物を、溶融混練し、その後粉砕、分級し、体積平均粒径6.8μmのトナーを得た。このトナー2.5部を、先の磁性キャリア97.5部と混合してシアントナー二成分現像剤(C−1)を作製した。
先の黒色トナーと同じ組成の混合物を溶融混練した後、先の粉砕・分級条件とは条件を変更して、体積平均粒径9.5μmのトナーを得た。このトナー2.5部を、先の磁性キャリア97.5部と混合して、黒色トナー二成分現像剤(K−2)を作製した。
先のイエロートナーと同じ組成の混合物を溶融混練した後、先の粉砕・分級条件とは条件を変更して、体積平均粒径9.5μmのトナーを得た。このトナー2.5部を、先の磁性キャリア97.5部と混合して、イエロートナー二成分現像剤(Y−2)を作製した。
先のマゼンタトナーと同じ組成の混合物を溶融混練した後、先の粉砕・分級条件とは条件を変更して、体積平均粒径9.5μmのトナーを得た。このトナー2.5部を、先の磁性キャリア97.5部と混合して、マゼンタトナー二成分現像剤(M−2)を作製した。
先のシアントナーと同じ組成の混合物を溶融混練した後、先の粉砕・分級条件とは条件を変更して、体積平均粒径9.5μmのトナーを得た。このトナー2.5部を、先の磁性キャリア97.5部と混合して、シアントナー二成分現像剤(C−2)を作製した。
直径100mmのアルミニウムシリンダー(JIS 1050)に、下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、及び電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥し、3.5μmの下引き層、電荷発生層、27μmの電荷輸送層を形成し、積層感光体を作製した(感光体D−1とする)。なお、電荷発生層の膜厚は、780nmにおける電荷発生層の透過率が20%になるように調整した。電荷発生層の透過率は、下記組成の電荷発生層塗工液を、ポリエチレンテレフタレートフィルムを巻き付けたアルミニウムシリンダーに感光体作製と同じ条件で塗工を行い、比較対照を電荷発生層を塗工していないポリエチレンテレフタレートフィルムとし、市販の分光光度計(島津製作所製:UV−3100)にて、780nmの透過率を評価した。
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製) 70部
アルキッド樹脂 15部
(ベッコライトM6401−50−S、固形分50%、大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 10部
(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60%、大日本インキ化学工業製)
2−ブタノン 100部
◎電荷発生層塗工液
先に作製した分散液1を用いた。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
感光体作製例D−1で使用した電荷発生層塗工液(分散液1)をそれぞれ、分散液2〜18に変更した以外は、感光体作製例D−1と同様に感光体D−2〜D−19を作製した。なお、電荷発生層の膜厚は、感光体作製例D−1と同様に、すべての塗工液を用いた場合に780nmの透過率が20%になるように調整した。
感光体作製例D−1〜D−19に使用したアルミニウムシリンダーを直径60mmのものに変更した以外は、感光体作製例D−1〜D−19と同様にして感光体D−20〜D−38を作製した。
以上のように作製した感光体作製例1〜19の電子写真感光体を図12に示す画像形成装置に搭載し、帯電部材として図12に示すような非接触方式の帯電ローラ(感光体と帯電部材間の空隙は50μm)を用い下記の帯電条件にて帯電を行い、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み、解像度600dpi)を使用して書き込みを行い静電潜像を形成し、現像を行った後、転写部材として転写ベルトを用い、書き込み率6%のチャートを用い、連続5万枚印刷を行った(試験環境は、22℃−55%RHである)。
DCバイアス:−800V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、周波数:1.5kHz
<帯電条件2>
DCバイアス:−700V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、周波数:1.5kHz
(i)地汚れの評価
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。
(ii)ドット形成状態の評価
直径60μmの1ドット画像を形成し、ドット形成状態を150倍の顕微鏡にて観察し、ランク評価を実施した。
何れの場合にもランク評価は4段階にて行い、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。以上の結果を表4に示す。
以上のように作製した感光体作製例B−1〜B−19の電子写真感光体を図11に示す画像形成装置(感光体線速は350mm/sec)に搭載し、スコロトロン方式の帯電部材を用いて下記の帯電条件にて帯電を行い、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み、解像度600dpi)、現像部材として図11に示す様な2本の現像スリーブを有する現像部材を用い(スリーブ線速は600mm/sec)、転写部材として転写ベルトを用い、書き込み率6%のチャートを用い、連続10万枚印刷を行った(試験環境は、22℃−55%RHである)。
放電電圧:−6.0kV
グリッド電圧:−920V(感光体の未露光部表面電位は、−900V)
現像バイアス:−650V
<帯電条件2>
放電電圧:−5.8kV
グリッド電圧:−780V(感光体の未露光部表面電位は、−750V)
現像バイアス:−500V
(i)地汚れの評価
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。
(ii)ドット形成状態の評価
直径60μmの1ドット画像を形成し、ドット形成状態を150倍の顕微鏡にて観察し、ランク評価を実施した。
何れの場合にもランク評価は4段階にて行い、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。以上の結果を表7に示す。
更に、22℃−55%RHでの上記試験の後、上記の帯電条件のまま(帯電条件は、条件1のみ)、10℃−15%RHで2万枚、30℃−90%RHで2万枚のランニング試験を行い、それぞれの2万枚後の画像を同じように画像評価を行った。結果をそれぞれ、表8、表9に示す。
実施例B−1において、現像部を現像スリーブが1つの現像部材を用いた以外は、実施例B−1と同様の評価を行った(帯電条件1の実験条件のみ)。結果をあわせて表7〜9に示す。
また、比較例B−34の画像は、実施例B−1の画像に比べてかなり画像濃度が低かった。
以上のように作製した感光体作製例B−1〜B−19の電子写真感光体を図12に示す画像形成装置(感光体線速は320mm/sec)に搭載し、スコロトロン方式の帯電部材を用いて下記の帯電条件にて帯電を行い、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み、解像度600dpi)、転写部材として転写ベルトを用い、書き込み率6%のチャートを用い、連続10万枚印刷を行った(試験環境は、22℃−55%RHである)。
放電電圧:−6.0kV
グリッド電圧:−920V(感光体の未露光部表面電位は、−900V)
現像バイアス:−650V
<帯電条件2>
放電電圧:−5.8kV
グリッド電圧:−780V(感光体の未露光部表面電位は、−750V)
現像バイアス:−500V
(i)地汚れの評価
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。
(ii)ドット形成状態の評価
直径60μmの1ドット画像を形成し、ドット形成状態を150倍の顕微鏡にて観察し、ランク評価を実施した。
何れの場合にもランク評価は4段階にて行い、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。以上の結果を表10に示す。
実施例1〜5及び比較例C−1〜C−14において、現像に使用した現像剤を黒色現像剤K−1から、黒色現像剤K−2に変更した以外は、実施例C−1〜C−5及び比較例C−1〜C−14と同様に評価を行った。結果をあわせて表10に示す。
更に、22℃−55%RHでの上記試験の後、上記の帯電条件のまま(帯電条件は、条件1のみ)、10℃−15%RHで2万枚、30℃−90%RHで2万枚のランニング試験を行い、それぞれの2万枚後の画像を同じように画像評価を行った。結果をそれぞれ、表11、表12に示す。
なお、電界強度の計算に際して、電荷発生層の膜厚はおよそ0.1μm程度であるが、感光層の膜厚は電荷輸送層の膜厚と等しいと仮定して計算を行った。
比較例C−34〜C−52の画像は、実施例C−1〜C−5及び比較例C−1〜C−14の画像に比べ、ドットの輪郭の鮮明さが明らかに劣っていた。
以上のように作製した感光体作製例D−1〜D−19の電子写真感光体を図12に示す画像形成装置(感光体線速は360mm/sec)に搭載し、スコロトロン方式の帯電部材を用いて感光体表面が−900Vになるように帯電を行い、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み、解像度600dpi)、現像は2成分現像を行い、転写部材として転写ベルトを用い、除電光には780nmのLEDを用い、感光体全面に光照射を行い除電を行うようにした。書き込み率6%のチャートを用い、連続10万枚印刷を行った(試験環境は、22℃−55%RHである)。
除電部材中心と帯電部材中心の間の感光体移動時間は、0.13秒である。
(i)地汚れの評価
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。
(ii)ドット形成状態の評価
図31に示すテストチャートを使用して、白ベタ部、文字部、黒ベタ部直後にハーフトーン画像(直径60μmの1ドット画像)を形成し、ドット形成状態を観察した。
更に、22℃−55%RHでの上記試験の後、上記の帯電条件のまま(帯電条件は、条件1のみ)、10℃−15%RHで2万枚、30℃−90%RHで2万枚のランニング試験を行い、それぞれの2万枚後の画像を同じように画像評価を行った。結果をそれぞれ、表14、表15に示す。
以上のように作製した感光体作製例D−20〜D−38の電子写真感光体を図12に示す画像形成装置(感光体線速は250mm/sec)に搭載し、接触方式の帯電部材(直径20mmの帯電ローラ)を用いて下記帯電条件にて感光体表面が−900Vになるように帯電を行い、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み、解像度600dpi)、現像は2成分現像を行い、転写部材として転写ベルトを用い、除電光には780nmのLEDを用い、感光体全面に光照射を行い除電を行うようにした。書き込み率6%のチャートを用い、連続5万枚印刷を行った(試験環境は、22℃−55%RHである)。
除電部材中心と帯電部材中心の間の感光体移動時間は、0.14秒である。
DCバイアス:−1600V
なお、画像評価は5万枚印刷後に、下記2つの評価を実施した(評価環境は、22℃−55%RHのみ)。
(i)地汚れの評価
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。
(ii)ドット形成状態の評価
図31に示すテストチャートを使用して、白ベタ部、文字部、黒ベタ部直後にハーフトーン画像(直径60μmの1ドット画像)を形成し、ドット形成状態を観察した。
地汚れランク評価は4段階にて行い、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。以上の結果を表16に示す。
以上のように作製した感光体作製例D−1〜D−19の電子写真感光体を図12に示す画像形成装置(感光体線速は320mm/sec)に搭載し、スコロトロン方式の帯電部材を用いて下記の帯電条件にて帯電を行い、画像露光光源を780nmの半導体レーザー素子4個を副走査方向に配列したマルチビーム露光ヘッド(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み、解像度600dpi)を用い、転写部材として転写ベルトを用い、書き込み率6%のチャートを用い、連続10万枚印刷を行った(試験環境は、22℃−55%RHである)。
放電電圧:−6.0kV
グリッド電圧:−920V(感光体の未露光部表面電位は、−900V)
<帯電条件2>
放電電圧:−5.8kV
グリッド電圧:−780V(感光体の未露光部表面電位は、−750V)
(i)地汚れの評価
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。
ランク評価は4段階にて行い、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。
(ii)レーザービーム2本で書き込む横線画像の評価
4本のLD素子を図5の如く点灯し、同時露光と順次露光で潜像を形成した場合の横線画像を、同時露光画像3本、順次露光画像1本の割合で、記録紙の全面に横線画像を出力し、目視で、下記ランクに仕上がって評価した。
〔評価基準〕
◎:同時露光画像、順次画像露光の区別が全く付かず、極めて均一性がよい
○:一部分に若干均一性に劣る部分があるが、全体として均一としても違和感がない。
△:弱い不均一部分が数カ所ある。
×:同時露光画像、順次画像露光の区別がはっきりとし、極めて均一性が悪い
以上の結果を表17に示す。
更に、22℃−55%RHでの上記試験の後、上記の帯電条件のまま(帯電条件は、条件1のみ)、10℃−15%RHで2万枚、30℃−90%RHで2万枚のランニング試験を行い、それぞれの2万枚後の画像を同じように画像評価を行った。結果をそれぞれ、表18、表19に示す。
なお、電界強度の計算に際して、電荷発生層の膜厚はおよそ0.1μm程度であるが、感光層の膜厚は電荷輸送層の膜厚と等しいと仮定して計算を行った。
以上のように作製した感光体作製例D−1〜D−19の電子写真感光体を図12に示す画像形成装置(感光体線速は360mm/sec)に搭載し、スコロトロン方式の帯電部材を用いて感光体表面が−900Vになるように帯電を行い、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み、解像度600dpi)、現像は2成分現像を行い、転写部材として転写搬送ベルトを用い転写紙に直接トナー像を転写した(図13に示す回路を用いて、転写電流が一定になる様に制御を行った)。除電光には780nmのLEDを用い、感光体全面に光照射を行って除電を行うようにした。書き込み率6%のチャートを用い、毎分65枚の速度で連続10万枚印刷を行った(試験環境は、22℃−55%RHである)。
(i)地汚れの評価
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。
(ii)ドット形成状態の評価
図31に示すテストチャートを使用して、白ベタ部、文字部、黒ベタ部直後にハーフトーン画像(直径60μmの1ドット画像)を形成し、ドット形成状態を観察した。
更に、22℃−55%RHでの上記試験の後、上記の帯電条件のまま(帯電条件は、条件1のみ)、10℃−15%RHで2万枚、30℃−90%RHで2万枚のランニング試験を行い、それぞれの2万枚後の画像を同じように画像評価を行った。結果をそれぞれ、表21、表22に示す。
以上のように作製した感光体作製例D−20〜D−38の電子写真感光体を図12に示す画像形成装置(感光体線速は250mm/sec)に搭載し、接触方式の帯電部材(直径20mmの帯電ローラ)を用いて下記帯電条件にて感光体表面が−900Vになるように帯電を行い、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み、解像度600dpi)、現像は2成分現像を行い、転写部材として転写ベルトを用い転写紙に直接トナー像を転写した(図13に示す回路を用いて、転写電流が一定になる様に制御を行った)。除電光には780nmのLEDを用い、感光体全面に光照射を行い除電を行うようにした。書き込み率6%のチャートを用い、毎分45枚の速度で連続5万枚印刷を行った(試験環境は、22℃−55%RHである)。
DCバイアス:−1600V
なお、画像評価は5万枚印刷後に、下記2つの評価を実施した(評価環境は、22℃−55%RHのみ)。
(i)地汚れの評価
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。
(ii)ドット形成状態の評価
図31に示すテストチャートを使用して、白ベタ部、文字部、黒ベタ部直後にハーフトーン画像(直径60μmの1ドット画像)を形成し、ドット形成状態を観察した。
地汚れランク評価は4段階にて行い、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。以上の結果を表23に示す。
感光体作製例2における電荷輸送層塗工液を以下の組成のものに変更した以外は、感光体作製例2と同様に感光体20を作製した。
◎電荷輸送層塗工液
下記組成の高分子電荷輸送物質 10部
(重量平均分子量:約135000)
感光体作製例2における電荷輸送層の膜厚を18μmとし、電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を塗布乾燥し、5μmの保護層を設けた以外は感光体作製例2と同様に感光体21を作製した。
◎保護層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
(比抵抗:2.5×1012Ω・cm、平均一次粒径:0.4μm)
シクロヘキサノン 500部
テトラヒドロフラン 150部
感光体作製例21における保護層塗工液中のアルミナ微粒子を以下のものに変更した以外は、感光体作製例21と同様に感光体22を作製した。
酸化チタン微粒子 4部
(比抵抗:1.5×1010Ω・cm、平均一次粒径:0.5μm)
感光体作製例21における保護層塗工液中のアルミナ微粒子を以下のものに変更した以外は、感光体作製例21と同様に感光体23を作製した。
酸化錫−酸化アンチモン粉末 4部
(比抵抗:106Ω・cm、平均1次粒径0.4μm)
感光体作製例21における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例21と同様に電子写真感光体24を作製した。
◎保護層塗工液
下記構造式の高分子電荷輸送物質 17部
「GPCにより測定した結果、nはおよそ250と求められた」
(比抵抗:2.5×1012Ω・cm、平均一次粒径:0.4μm)
シクロヘキサノン 500部
テトラヒドロフラン 150部
感光体作製例21における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例21と同様に電子写真感光体25を作製した。
◎保護層塗工液
メチルトリメトキシシラン 100部
3%酢酸 20部
下記構造の電荷輸送性化合物 35部
硬化剤(ジブチル錫アセテート) 1部
2−プロパノール 200部
感光体作製例21における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例21と同様に電子写真感光体26を作製した。
◎保護層塗工液
メチルトリメトキシシラン 100部
3%酢酸 20部
下記構造の電荷輸送性化合物 35部
酸化防止剤(サノール LS2626:三共化学社製) 1部
ポリカルボン酸化合物 BYK P104:ビックケミー社製 0.4部
硬化剤(ジブチル錫アセテート) 1部
2−プロパノール 200部
感光体作製例2におけるアルミニウムシリンダー(JIS1050)を以下の陽極酸化皮膜処理を行った。次いで下引き層を設けずに、感光体作製例2と同様に電荷発生層、電荷輸送層を設け、感光体27を作製した。
◎陽極酸化皮膜処理
支持体表面の鏡面研磨仕上げを行い、脱脂洗浄、水洗浄を行った後、液温20℃、硫酸15vol%の電解浴に浸し、電解電圧15Vにて30分間陽極酸化皮膜処理を行った。更に、水洗浄を行った後、7%の酢酸ニッケル水溶液(50℃)にて封孔処理を行った。その後純水による洗浄を経て、7μmの陽極酸化皮膜が形成された支持体を得た。
感光体作製例B−2における電荷輸送層塗工液を以下の組成のものに変更した以外は、感光体作製例B−2と同様に感光体B−20を作製した。
◎電荷輸送層塗工液
下記組成の高分子電荷輸送物質 10部
(重量平均分子量:約135000)
感光体作製例B−2における電荷輸送層の膜厚を23μmとし、電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を塗布乾燥し、5μmの保護層を設けた以外は感光体作製例B−2と同様に感光体B−21を作製した。
◎保護層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
(比抵抗:2.5×1012Ω・cm、平均一次粒径:0.4μm)
シクロヘキサノン 500部
テトラヒドロフラン 150部
感光体作製例B−21における保護層塗工液中のアルミナ微粒子を以下のものに変更した以外は、感光体作製例B−21と同様に感光体B−22を作製した。
酸化チタン微粒子 4部
(比抵抗:1.5×1010Ω・cm、平均一次粒径:0.5μm)
感光体作製例B−21における保護層塗工液中のアルミナ微粒子を以下のものに変更した以外は、感光体作製例B−21と同様に感光体B−23を作製した。
酸化錫−酸化アンチモン粉末 4部
(比抵抗:106Ω・cm、平均1次粒径0.4μm)
感光体作製例B−21における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例B−21と同様に電子写真感光体B−24を作製した。
◎保護層塗工液
下記構造式の高分子電荷輸送物質 17部
「GPCにより測定した結果、nはおよそ250と求められた」
(比抵抗:2.5×1012Ω・cm、平均一次粒径:0.4μm)
シクロヘキサノン 500部
テトラヒドロフラン 150部
感光体作製例B−21における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例B−21と同様に電子写真感光体B−25を作製した。
◎保護層塗工液
メチルトリメトキシシラン 100部
3%酢酸 20部
下記構造の電荷輸送性化合物 35部
硬化剤(ジブチル錫アセテート) 1部
2−プロパノール 200部
感光体作製例B−21における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例B−21と同様に電子写真感光体B−26を作製した。
◎保護層塗工液
メチルトリメトキシシラン 100部
3%酢酸 20部
下記構造の電荷輸送性化合物 35部
酸化防止剤(サノール LS2626:三共化学社製) 1部
ポリカルボン酸化合物 BYK P104:ビックケミー社製 0.4部
硬化剤(ジブチル錫アセテート) 1部
2−プロパノール 200部
感光体作製例B−2におけるアルミニウムシリンダー(JIS 1050)を以下の陽極酸化皮膜処理を行った。次いで下引き層を設けずに、感光体作製例B−2と同様に電荷発生層、電荷輸送層を設け、感光体B−27を作製した。
◎陽極酸化皮膜処理
支持体表面の鏡面研磨仕上げを行い、脱脂洗浄、水洗浄を行った後、液温20℃、硫酸15vol%の電解浴に浸し、電解電圧15Vにて30分間陽極酸化皮膜処理を行った。更に、水洗浄を行った後、7%の酢酸ニッケル水溶液(50℃)にて封孔処理を行った。その後純水による洗浄を経て、7μmの陽極酸化皮膜が形成された支持体を得た。
感光体作製例D−2における電荷輸送層塗工液を以下の組成のものに変更した以外は、感光体作製例D−2と同様に感光体D−39を作製した。
◎電荷輸送層塗工液
下記組成の高分子電荷輸送物質 10部
(重量平均分子量:約135000)
感光体作製例D−2における電荷輸送層の膜厚を21μmとし、電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を塗布乾燥し、5μmの保護層を設けた以外は感光体作製例D−2と同様に感光体D−40を作製した。
◎保護層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
(比抵抗:2.5×1012Ω・cm、平均一次粒径:0.4μm)
シクロヘキサノン 500部
テトラヒドロフラン 150部
感光体作製例D−40における保護層塗工液中のアルミナ微粒子を以下のものに変更した以外は、感光体作製例D−40と同様に感光体D−41を作製した。
酸化チタン微粒子 4部
(比抵抗:1.5×1010Ω・cm、平均一次粒径:0.5μm)
感光体作製例D−40における保護層塗工液中のアルミナ微粒子を以下のものに変更した以外は、感光体作製例D−40と同様に感光体D−42を作製した。
酸化錫−酸化アンチモン粉末 4部
(比抵抗:106Ω・cm、平均1次粒径0.4μm)
感光体作製例D−40における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例D−40と同様に電子写真感光体D−43を作製した。
◎保護層塗工液
下記構造式の高分子電荷輸送物質 17部
「GPCにより測定した結果、nはおよそ250と求められた」
(比抵抗:2.5×1012Ω・cm、平均一次粒径:0.4μm)
シクロヘキサノン 500部
テトラヒドロフラン 150部
感光体作製例D−40における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例D−40と同様に電子写真感光体D−44を作製した。
◎保護層塗工液
メチルトリメトキシシラン 100部
3%酢酸 20部
下記構造の電荷輸送性化合物 35部
硬化剤(ジブチル錫アセテート) 1部
2−プロパノール 200部
感光体作製例D−40における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例D−40と同様に電子写真感光体D−45を作製した。
◎保護層塗工液
メチルトリメトキシシラン 100部
3%酢酸 20部
下記構造の電荷輸送性化合物 35部
酸化防止剤(サノール LS2626:三共化学社製) 1部
ポリカルボン酸化合物 BYK P104:ビックケミー社製 0.4部
硬化剤(ジブチル錫アセテート) 1部
2−プロパノール 200部
感光体作製例D−2におけるアルミニウムシリンダー(JIS 1050)を以下の陽極酸化皮膜処理を行った。次いで下引き層を設けずに、感光体作製例D−2と同様に電荷発生層、電荷輸送層を設け、感光体D−46を作製した。
◎陽極酸化皮膜処理
支持体表面の鏡面研磨仕上げを行い、脱脂洗浄、水洗浄を行った後、液温20℃、硫酸15vol%の電解浴に浸し、電解電圧15Vにて30分間陽極酸化皮膜処理を行った。更に、水洗浄を行った後、7%の酢酸ニッケル水溶液(50℃)にて封孔処理を行った。その後純水による洗浄を経て、7μmの陽極酸化皮膜が形成された支持体を得た。
以上のように感光体作製例20〜27で作製した電子写真感光体を図12に示す画像形成装置に搭載し、帯電部材として図14に示すような非接触方式の帯電ローラ(感光体と帯電部材間の空隙は50μm)を用い下記の帯電条件にて帯電を行い、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み、解像度600dpi)を使用して書き込みを行い静電潜像を形成し、現像を行った後、転写部材として転写ベルトを用い、書き込み率6%のチャートを用い、連続5万枚印刷を行った(試験環境は、22℃−55%RHである)。
DCバイアス:−800V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、周波数:1.5kHz
<帯電条件2>
DCバイアス:−680V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、周波数:1.5kHz
(i)地汚れの評価
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。
(ii)ドット形成状態の評価
直径60μmの1ドット画像を形成し、ドット形成状態を150倍の顕微鏡にて観察し、ランク評価を実施した。
何れの場合にもランク評価は4段階にて行い、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。また、5万枚印刷後の感光層の摩耗量(保護層を有する場合は保護層の摩耗量)を測定した。以上の結果、実施例A−1の場合と併せて表24に示す。
実施例A−1において使用した非接触帯電部材の感光体と帯電部材間の空隙を80μmに変更した以外は、実施例A−1と同様に評価を行った。結果を表25に示す。
実施例A−1において使用した非接触帯電部材の感光体と帯電部材間の空隙を120μmに変更した以外は、実施例A−1と同様に評価を行った。結果を表25に示す。
以上のように感光体作製例B−20〜B−27で作製した電子写真感光体を図11に示す画像形成装置(感光体線速は350mm/sec)に搭載し、スコロトロン方式の帯電部材を用いて下記の帯電条件にて帯電を行い、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み、解像度600dpi)、現像部材として図11に示すような2本の現像スリーブを有する現像部材(スリーブ線速は600mm/sec)を用い、転写部材として転写ベルトを用い、書き込み率6%のチャートを用い、連続10万枚印刷を行った(試験環境は、22℃−55%RHである)。
放電電圧:−6.0kV
グリッド電圧:−920V(感光体の未露光部表面電位は、−900V)
現像バイアス:−650V
<帯電条件2>
放電電圧:−5.8kV
グリッド電圧:−780V(感光体の未露光部表面電位は、−750V)
現像バイアス:−500V
(i)地汚れの評価
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。
(ii)ドット形成状態の評価
直径60μmの1ドット画像を形成し、ドット形成状態を150倍の顕微鏡にて観察し、ランク評価を実施した。
何れの場合にもランク評価は4段階にて行い、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。また、10万枚印刷後の感光層の摩耗量(保護層を有する場合は保護層の摩耗量)を測定した。以上の結果、実施例B−1の場合と併せて表26に示す。
実施例B−1において、画像形成装置の帯電部材をスコロトロン方式の帯電部材から、接触帯電方式の帯電ローラ(直径30mm)に変更した。帯電条件は下記の条件で帯電を行った以外は、実施例B−1と同様に評価を行った。
<帯電条件>
DCバイアス:−900V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、周波数:3.0kHz
現像バイアス:−650V
以上の結果を、実施例B−1の結果とあわせて表27に示す。
以上のように感光体作製例B−20〜B−27で作製した電子写真感光体を図12に示す画像形成装置(感光体線速は320mm/sec)に搭載し、スコロトロン方式の帯電部材を用いて下記の帯電条件にて帯電を行い、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み、解像度600dpi)、転写部材として転写ベルトを用い、書き込み率6%のチャートを用い、連続10万枚印刷を行った(試験環境は、22℃−55%RHである)。
放電電圧:−6.0kV
グリッド電圧:−920V(感光体の未露光部表面電位は、−900V)
<帯電条件2>
放電電圧:−5.8kV
グリッド電圧:−780V(感光体の未露光部表面電位は、−750V)
(i)地汚れの評価
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。
(iiドット形成状態の評価
直径60μmの1ドット画像を形成し、ドット形成状態を150倍の顕微鏡にて観察し、ランク評価を実施した。
何れの場合にもランク評価は4段階にて行い、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。また、10万枚印刷後の感光層の摩耗量(保護層を有する場合は保護層の摩耗量)を測定した。以上の結果、実施例C−1の場合と併せて表28に示す。
実施例C−6〜C−13において、現像に使用した現像剤を黒色現像剤K−1から、黒色現像剤K−2に変更した以外は、実施例C−6〜C−13と同様に評価を行った。結果をあわせて表28に示す。
比較例C−61〜C−68の画像は、実施例C−6〜C−13の画像に比べ、ドットの輪郭が明らかに劣っていた。
実施例C−1において、画像形成装置の帯電部材をスコロトロン方式の帯電部材から、接触帯電方式の帯電ローラ(直径30mm)に変更した。帯電条件は下記の条件で帯電を行った以外は、実施例C−1と同様に評価を行った。
<帯電条件>
DCバイアス:−900V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、周波数:2.5kHz
以上の結果を、実施例C−1の結果とあわせて表29に示す。
以上のように感光体作製例D−39〜D−46で作製した電子写真感光体を図12に示す画像形成装置(感光体線速は360mm/sec)に搭載し、スコロトロン方式の帯電部材を用いて感光体表面が−900Vになるように帯電を行い、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み、解像度600dpi)、現像は2成分現像を行い、転写部材として転写ベルトを用い、除電光には780nmのLEDを用い、感光体全面に光照射を行い除電を行うようにした。書き込み率6%のチャートを用い、連続10万枚印刷を行った(試験環境は、22℃−55%RHである)。
除電部材中心と帯電部材中心の間の感光体移動時間は、0.13秒である。
(i)地汚れの評価
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。
(ii)ドット形成状態の評価
図31に示すテストチャートを使用して、白ベタ部、文字部、黒ベタ部直後にハーフトーン画像(直径60μmの1ドット画像)を形成し、ドット形成状態を観察した。
以上の結果、実施例D−1の場合と併せて表30に示す。
以上のように感光体作製例D−20〜D−27で作製した電子写真感光体を図12に示す画像形成装置(感光体線速は320mm/sec)に搭載し、スコロトロン方式の帯電部材を用いて下記の帯電条件にて帯電を行い、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み、解像度600dpi)、転写部材として転写ベルトを用い、書き込み率6%のチャートを用い、連続10万枚印刷を行った(試験環境は、22℃−55%RHである)。
放電電圧:−6.0kV
グリッド電圧:−920V(感光体の未露光部表面電位は、−900V)
<帯電条件2>
放電電圧:−5.8kV
グリッド電圧:−780V(感光体の未露光部表面電位は、−750V)
(i)地汚れの評価
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。
ランク評価は4段階にて行い、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。
(ii)レーザービーム2本で書き込む横線画像の評価
4本のLD素子を図5の如く点灯し、同時露光と順次露光で潜像を形成した場合の横線画像を、同時露光画像3本、順次露光画像1本の割合で、記録紙の全面に横線画像を出力し、目視で、下記ランクに仕上がって評価した。
〔評価基準〕
◎:同時露光画像、順次画像露光の区別が全く付かず、極めて均一性がよい
○:一部分に若干均一性に劣る部分があるが、全体として均一としても違和感がない。
△:弱い不均一部分が数カ所ある。
×:同時露光画像、順次画像露光の区別がはっきりとし、極めて均一性が悪い
以上の結果、実施例E−1の場合と併せて表31に示す。
以上のように感光体作製例D−39〜D−46で作製した電子写真感光体を図12に示す画像形成装置(感光体線速は360mm/sec)に搭載し、スコロトロン方式の帯電部材を用いて感光体表面が−900Vになるように帯電を行い、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み、解像度600dpi)、現像は2成分現像を行い、転写部材として転写ベルトを用い転写紙に直接トナー像を転写した(図13に示す回路を用いて、転写電流が一定になる様に制御を行った)。除電光には780nmのLEDを用い、感光体全面に光照射を行い除電を行うようにした。書き込み率6%のチャートを用い、毎分65枚の速度で連続10万枚印刷を行った(試験環境は、22℃−55%RHである)。
(i)地汚れの評価
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。
(ii)ドット形成状態の評価
図31に示すテストチャートを使用して、白ベタ部、文字部、黒ベタ部直後にハーフトーン画像(直径60μmの1ドット画像)を形成し、ドット形成状態を観察した。
感光体作製例1のアルミニウムシリンダーを直径30mmのものに変え、感光体作製例1と同じ組成の感光体を作製した。
感光体作製例2のアルミニウムシリンダーを直径30mmのものに変え、感光体作製例2と同じ組成の感光体を作製した。
感光体作製例4のアルミニウムシリンダーを直径30mmのものに変え、感光体作製例4と同じ組成の感光体を作製した。
感光体作製例13のアルミニウムシリンダーを直径30mmのものに変え、感光体作製例13と同じ組成の感光体を作製した。
感光体作製例14のアルミニウムシリンダーを直径30mmのものに変え、感光体作製例14と同じ組成の感光体を作製した。
感光体作製例15のアルミニウムシリンダーを直径30mmのものに変え、感光体作製例15と同じ組成の感光体を作製した。
感光体作製例B−1のアルミニウムシリンダーを直径60mmのものに変え、感光体作製例B−1と同じ組成の感光体B−28を作製した。
感光体作製例B−2のアルミニウムシリンダーを直径60mmのものに変え、感光体作製例B−2と同じ組成の感光体B−29を作製した。
感光体作製例B−4のアルミニウムシリンダーを直径60mmのものに変え、感光体作製例B−4と同じ組成の感光体B−30を作製した。
感光体作製例B−13のアルミニウムシリンダーを直径60mmのものに変え、感光体作製例B−13と同じ組成の感光体B−31を作製した。
感光体作製例B−14のアルミニウムシリンダーを直径60mmのものに変え、感光体作製例B−14と同じ組成の感光体B−32を作製した。
感光体作製例B−15のアルミニウムシリンダーを直径60mmのものに変え、感光体作製例B−15と同じ組成の感光体B−33を作製した。
感光体作製例D−1のアルミニウムシリンダーを直径60mmのものに変え、感光体作製例D−1と同じ組成の感光体を作製した。
感光体作製例D−2のアルミニウムシリンダーを直径60mmのものに変え、感光体作製例D−2と同じ組成の感光体を作製した。
感光体作製例D−4のアルミニウムシリンダーを直径60mmのものに変え、感光体作製例D−4と同じ組成の感光体を作製した。
感光体作製例D−13のアルミニウムシリンダーを直径60mmのものに変え、感光体作製例D−13と同じ組成の感光体を作製した。
感光体作製例D−14のアルミニウムシリンダーを直径60mmのものに変え、感光体作製例D−14と同じ組成の感光体を作製した。
感光体作製例D−15のアルミニウムシリンダーを直径60mmのものに変え、感光体作製例D−15と同じ組成の感光体を作製した。
以上のように作製した感光体作製例28〜33の感光体を、帯電部材(図14に示すような非接触帯電ローラ、空隙は50μm)と共に、図15に示すような1つの画像形成装置用プロセスカートリッジに装着し、更に、図17に示すフルカラー画像形成装置に搭載した。4つの画像形成要素では、帯電部材として非接触方式の近接配置帯電ローラを用い下記の帯電条件にて帯電を行い、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み、解像度600dpi)を用い書き込みを行い静電潜像を形成し、現像を行った後、転写部材として転写ベルトを用い、書き込み率6%のチャートを用い、連続5万枚印刷を行った(試験環境は、22℃−55%RHである)。
DCバイアス:−800V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、周波数:1.5kHz
<帯電条件2>
DCバイアス:−700V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、周波数:1.5kHz
(i)地汚れの評価
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。
(ii)ドット形成状態の評価
直径60μmの1ドット画像を形成し、ドット形成状態を150倍の顕微鏡にて観察し、ランク評価を実施した。
(iii)色再現性の評価
感光体初期状態と5万枚ランニング後に、同じフルカラー画像を出力し、色再現性の評価を試みた。
何れの場合にもランク評価は4段階にて行い、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。また、5万枚印刷後の感光層の摩耗量(保護層を有する場合は保護層の摩耗量)を測定した。以上の結果を表33に示す。
以上のように作製した感光体作製例B−28〜B−33の感光体を、帯電部材(スコロトロン帯電)と共に、図17に示すような1つの画像形成装置用プロセスカートリッジに装着し、更に図15に示すフルカラー画像形成装置に搭載した(感光体線速は300mm/sec)。4つの画像形成要素では、帯電部材としてスコロトロン方式の帯電部材により下記の帯電条件にて帯電を行い、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み、解像度600dpi)、現像部材として2本の現像スリーブを有する現像部材(スリーブ線速は550mm/sec)を用い、転写部材として転写ベルトを用い、書き込み率6%のチャートを用い、連続10万枚印刷を行った(試験環境は、22℃−55%RHである)。
放電電圧:−6.0kV
グリッド電圧:−870V(感光体の未露光部表面電位は、−850V)
現像バイアス:−600V
<帯電条件2>
放電電圧:−5.8kV
グリッド電圧:−780V(感光体の未露光部表面電位は、−750V)
現像バイアス:−500V
(i)地汚れの評価
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。
(ii)ドット形成状態の評価
直径60μmの1ドット画像を形成し、ドット形成状態を150倍の顕微鏡にて観察し、ランク評価を実施した。
(iii)色再現性の評価
感光体初期状態と10万枚ランニング後に、同じフルカラー画像を出力し、色再現性の評価を試みた。
何れの場合にもランク評価は4段階にて行い、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。また、10万枚印刷後の感光層の摩耗量(保護層を有する場合は保護層の摩耗量)を測定した。以上の結果を表34に示す。
実施例B−15において、現像部材として1本の現像スリーブを有する現像部材を使用した以外は、実施例B−15と同様に評価を行った(帯電条件1の実験条件のみ)。結果をあわせて表34に示す。
以上のように作製した感光体作製例B−28〜B−33の感光体を、帯電部材(スコロトロン帯電)と共に、図18に示すような1つの画像形成装置用プロセスカートリッジに装着し、更に図16に示すフルカラー画像形成装置に搭載した。4つの画像形成要素では、帯電部材としてスコロトロン方式の帯電部材により下記の帯電条件にて帯電を行い、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み、解像度600dpi)、現像部材にはそれぞれの現像に対応した現像剤K−1、Y−1、M−1、C−1を投入し現像を行い、転写部材として転写ベルトを用い、書き込み率6%のチャートを用い、連続10万枚印刷を行った(試験環境は、22℃−55%RHである)。
放電電圧:−6.0kV
グリッド電圧:−970V(感光体の未露光部表面電位は、−950V)
現像バイアス:−700V
<帯電条件2>
放電電圧:−5.8kV
グリッド電圧:−830V(感光体の未露光部表面電位は、−800V)
現像バイアス:−550V
(i)地汚れの評価
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。
(ii)ドット形成状態の評価
直径60μmの1ドット画像を形成し、ドット形成状態を150倍の顕微鏡にて観察し、ランク評価を実施した。
(iii)色再現性の評価
感光体初期状態と10万枚ランニング後に、同じフルカラー画像を出力し、色再現性の評価を試みた。
何れの場合にもランク評価は4段階にて行い、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。また、10万枚印刷後の感光層の摩耗量(保護層を有する場合は保護層の摩耗量)を測定した。以上の結果を表35に示す。
比較例C−69〜C−78及び実施例C−15〜C−16において、現像に使用した現像剤K−1、Y−1、M−1、C−1から、それぞれK−2、Y−2、M−2、C−2に変更した以外は、比較例C−69〜C−78及び実施例C−15〜C−16と同様に評価を行った。結果をあわせて表35に示す。
以上のように作製した感光体作製例D−47〜D−52の感光体を、帯電部材(スコロトロン帯電)と共に、図18に示すような1つの画像形成装置用プロセスカートリッジに装着し、更に図16に示すフルカラー画像形成装置(感光体線速は230mm/secである)に搭載した。4つの画像形成要素では、帯電部材としてスコロトロン方式の帯電部材により感光体表面電位が−900Vになるように帯電を行い、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み、解像度600dpi)、転写部材として転写ベルトを用い、書き込み率6%のチャートを用い、連続5万枚印刷を行った(試験環境は、22℃−55%RHである)。
除電部材中心と帯電部材中心の間の感光体移動時間は、0.11秒である。
(i)地汚れの評価
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。
(ii)ドット形成状態の評価
図31に示すテストチャートを使用して、白ベタ部、文字部、黒(カラー)ベタ部直後にハーフトーン画像(直径60μmの1ドット画像)を形成し、ドット形成状態を観察した。
(iii)色再現性の評価
感光体初期状態と5万枚ランニング後に、同じフルカラー画像を出力し、色再現性の評価を試みた。
地汚れランク評価は4段階にて行い、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。以上の結果を表36に示す。
以上のように作製した感光体作製例D−47〜D−52の感光体を、帯電部材(スコロトロン帯電)と共に、図18に示すような1つの画像形成装置用プロセスカートリッジに装着し、更に図16に示すフルカラー画像形成装置に搭載した。4つの画像形成要素では、帯電部材としてスコロトロン方式の帯電部材により下記の帯電条件にて帯電を行い、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み、解像度600dpi)、転写部材として転写ベルトを用い、書き込み率6%のチャートを用い、連続10万枚印刷を行った(試験環境は、22℃−55%RHである)。
放電電圧:−6.0kV
グリッド電圧:−970V(感光体の未露光部表面電位は、−950V)
<帯電条件2>
放電電圧:−5.8kV
グリッド電圧:−830V(感光体の未露光部表面電位は、−800V)
(i)地汚れの評価
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。
(ii)ハーフトーン画像の評価
直径100μmの2ドットでのハーフトーン画像を形成し、中間調再現性のランク評価を実施した。
(iii)色再現性の評価
感光体初期状態と10万枚ランニング後に、同じフルカラー画像を出力し、色再現性の評価を試みた。
何れの場合にもランク評価は4段階にて行い、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。また、10万枚印刷後の感光層の摩耗量(保護層を有する場合は保護層の摩耗量)を測定した。以上の結果を表37に示す。
以上のように作製した感光体作製例D−47〜D−52の感光体を、帯電部材(スコロトロン帯電)と共に、図18に示すような1つの画像形成装置用プロセスカートリッジに装着し、更に図16に示すフルカラー画像形成装置(感光体線速は230mm/secである)に搭載した。4つの画像形成要素では、帯電部材としてスコロトロン方式の帯電部材により感光体表面電位が−900Vになるように帯電を行い、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み、解像度600dpi)、転写部材として転写ベルトを用い転写紙に直接トナー像を転写した(図13に示す回路を用いて、転写電流が一定になる様に制御を行った)。書き込み率6%のチャートを用い、毎分40枚の速度で連続5万枚印刷を行った(試験環境は、22℃−55%RHである)。
(i)地汚れの評価
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。
(ii)ドット形成状態の評価
図31に示すテストチャートを使用して、白ベタ部、文字部、黒(カラー)ベタ部直後にハーフトーン画像(直径60μmの1ドット画像)を形成し、ドット形成状態を観察した。
(iii)色再現性の評価
感光体初期状態と5万枚ランニング後に、同じフルカラー画像を出力し、色再現性の評価を試みた。
地汚れランク評価は4段階にて行い、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。以上の結果を表38に示す。
直径60mmのアルミニウムシリンダー(JIS 1050)に、下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、及び電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥し、3.5μmの下引き層、電荷発生層、28μmの電荷輸送層を形成し、積層感光体を作製した(感光体G−1とする)。なお、電荷発生層の膜厚は、405nmにおける電荷発生層の透過率が23%になるように調整した。電荷発生層の透過率は、下記組成の電荷発生層塗工液を、ポリエチレンテレフタレートフィルムを巻き付けたアルミニウムシリンダーに感光体作製と同じ条件で塗工を行い、比較対照を電荷発生層を塗工していないポリエチレンテレフタレートフィルムとし、市販の分光光度計(島津製作所製:UV−3100)にて、405nmの透過率を評価した。
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製) 70部
アルキッド樹脂 15部
(ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)
大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 10部
(スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)
大日本インキ化学工業製)
2−ブタノン 100部
先に作製した分散液1を用いた。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
感光体作製例G−1で使用した電荷発生層塗工液(分散液1)をそれぞれ、分散液2〜19に変更した以外は、感光体作製例G−1と同様に感光体を作製した。なお、電荷発生層の膜厚は、感光体作製例G−1と同様に、すべての塗工液を用いた場合に405nmの透過率が23%になるように調整した。
以上のように作製した感光体作製例G−1〜G−19の電子写真感光体を図12に示す画像形成装置に搭載し、スコロトロン方式の帯電部材を用いて下記の帯電条件にて帯電を行い、画像露光光源として405nmの発振波長を有する半導体レーザーを用い、コリメーターレンズ、アパーチャー、シリンダレンズ、ポリゴンミラー、fθレンズ、樽型トロイダルレンズ、反射ミラーからなる像露光装置により書き込みを行った。現像には2成分現像(体積平均粒径が6.5μmのトナー)を行い、転写部材として転写ベルトを用い、除電光には780nmのLEDを用い、感光体全面に光照射を行い除電を行うようにした。書き込み率6%のチャートを用い、連続5万枚印刷を行った(試験環境は、22℃−55%RHである)。
放電電圧:−6.0kV
グリッド電圧:−920V(感光体の未露光部表面電位は、−900V)
現像バイアス:−650V
<帯電条件2>
放電電圧:−5.8kV
グリッド電圧:−780V(感光体の未露光部表面電位は、−750V)
現像バイアス:−500V
(i)地汚れの評価
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。
(ii)ドット形成状態の評価
ハーフトーン画像(直径40μmの1ドット画像)を形成し、ドット形成状態を観察した(ドットの散り具合やドット再現性)。
(iii)ドットの輪郭
ドットの周辺(エッジ)部分の鮮鋭性に関して評価した。
更に、22℃−55%RHでの上記試験の後、上記の帯電条件のまま(帯電条件は、条件1のみ)、10℃−15%RHで1万枚、30℃−90%RHで1万枚のランニング試験を行い、それぞれの1万枚後の画像を同じように画像評価を行った。結果をそれぞれ、表40及び表41に示す。
以上のように作製した感光体作製例G−1〜G−19の電子写真感光体を図12に示す画像形成装置に搭載し、接触方式の帯電部材(直径20mmの帯電ローラ)を用いて下記帯電条件にて感光体表面が−880Vになるように帯電を行い、画像露光光源として青色SHGレーザー(発振波長430nm)を用い、コリメーターレンズ、アパーチャー、シリンダレンズ、ポリゴンミラー、fθレンズ、樽型トロイダルレンズ、反射ミラーからなる像露光装置により書き込みを行った。現像には2成分現像(体積平均粒径が6.5μmのトナー)を行い、転写部材として転写ベルトを用い、除電光には780nmのLEDを用い、感光体全面に光照射を行い除電を行うようにした。書き込み率6%のチャートを用い、連続5万枚印刷を行った(試験環境は、22℃−55%RHである)。
DCバイアス:−1580V
なお、画像評価は5万枚印刷後に、下記3つの評価を実施した。
(i)地汚れの評価
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。
(ii)ドット形成状態の評価
ハーフトーン画像(直径40μmの1ドット画像)を形成し、ドット形成状態を観察した(ドットの散り具合やドット再現性)。
(iii)ドットの輪郭
ドットの周辺(エッジ)部分の鮮鋭性に関して評価した。
感光体作製例G−2における電荷輸送層塗工液を以下の組成のものに変更した以外は、感光体作製例G−2と同様に感光体G−20を作製した。
◎電荷輸送層塗工液
下記組成の高分子電荷輸送物質 10部
(重量平均分子量:約140000)
感光体作製例G−2における電荷輸送層の膜厚を23μmとし、電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を塗布乾燥し、5μmの保護層を設けた以外は感光体作製例G−2と同様に感光体G−21を作製した。
◎保護層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
(比抵抗:2.5×1012Ω・cm、平均一次粒径:0.4μm)
シクロヘキサノン 500部
テトラヒドロフラン 150部
感光体作製例G−21における保護層塗工液中のアルミナ微粒子を以下のものに変更した以外は、感光体作製例G−21と同様に感光体G−22を作製した。
酸化チタン微粒子 4部
(比抵抗:1.5×1010Ω・cm、平均一次粒径:0.5μm)
感光体作製例G−21における保護層塗工液中のアルミナ微粒子を以下のものに変更した以外は、感光体作製例G−21と同様に感光体G−23を作製した。
酸化錫−酸化アンチモン粉末 4部
(比抵抗:106Ω・cm、平均1次粒径0.4μm)
感光体作製例G−21における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例G−21と同様に感光体G−24を作製した。
◎保護層塗工液
下記構造式の高分子電荷輸送物質 17部
(重量平均分子量:約140000)
(比抵抗:2.5×1012Ω・cm、平均一次粒径:0.4μm)
シクロヘキサノン 500部
テトラヒドロフラン 150部
感光体作製例G−21における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例G−21と同様に感光体G−25を作製した。
◎保護層塗工液
メチルトリメトキシシラン 100部
3%酢酸 20部
下記構造の電荷輸送性化合物 35部
硬化剤(ジブチル錫アセテート) 1部
2−プロパノール 200部
感光体作製例G−21における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例G−21と同様に電子写真感光体G−26を作製した。
◎保護層塗工液
メチルトリメトキシシラン 100部
3%酢酸 20部
下記構造の電荷輸送性化合物 35部
酸化防止剤(サノール LS2626:三共化学社製) 1部
ポリカルボン酸化合物 BYK P104:ビックケミー社製 0.4部
硬化剤(ジブチル錫アセテート) 1部
2−プロパノール 200部
感光体作製例G−2におけるアルミニウムシリンダー(JIS 1050)を以下の陽極酸化皮膜処理を行い、次いで下引き層を設けずに、感光体作製例G−2と同様に電荷発生層、電荷輸送層を設け、感光体G−27を作製した。
◎陽極酸化皮膜処理
支持体表面の鏡面研磨仕上げを行い、脱脂洗浄、水洗浄を行った後、液温20℃、硫酸15vol%の電解浴に浸し、電解電圧15Vにて30分間陽極酸化皮膜処理を行った。更に、水洗浄を行った後、7%の酢酸ニッケル水溶液(50℃)にて封孔処理を行った。その後純水による洗浄を経て、7μmの陽極酸化皮膜が形成された支持体を得た。
以上のように感光体作製例G−20〜G−27で作製した電子写真感光体を図12に示す画像形成装置に搭載し、スコロトロン方式の帯電部材を用いて下記の帯電条件にて帯電を行い、画像露光光源として405nmの発振波長を有する半導体レーザーを用い、コリメーターレンズ、アパーチャー、シリンダレンズ、ポリゴンミラー、fθレンズ、樽型トロイダルレンズ、反射ミラーからなる像露光装置により書き込みを行った。現像には2成分現像(体積平均粒径が6.5μmのトナー)を行い、転写部材として転写ベルトを用い、除電光には780nmのLEDを用い、感光体全面に光照射を行い除電を行うようにした。書き込み率6%のチャートを用い、連続5万枚印刷を行った(試験環境は、22℃−55%RHである)。
放電電圧:−6.0kV
グリッド電圧:−920V(感光体の未露光部表面電位は、−900V)
現像バイアス:−650V
(i)地汚れの評価
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。
(ii)ドット形成状態の評価
ハーフトーン画像(直径40μmの1ドット画像)を形成し、ドット形成状態を観察した(ドットの散り具合やドット再現性)。
(iii)ドットの輪郭
ドットの周辺(エッジ)部分の鮮鋭性に関して評価した。
いずれの場合にもランク評価は4段階にて行い、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。以上の結果を表43に示す。
また、5万枚印刷後の感光層の摩耗量(保護層を有する場合は保護層の摩耗量)を測定した。以上の結果、実施例G−1の場合と併せて表43に示す。
感光体作製例G−1のアルミニウムシリンダーを直径30mmのものに変え、感光体作製例G−1と同じ組成の感光体G−28を作製した。
感光体作製例G−2のアルミニウムシリンダーを直径30mmのものに変え、感光体作製例G−2と同じ組成の感光体G−29を作製した。
感光体作製例G−4のアルミニウムシリンダーを直径30mmのものに変え、感光体作製例G−4と同じ組成の感光体G−30を作製した。
感光体作製例G−13のアルミニウムシリンダーを直径30mmのものに変え、感光体作製例G−13と同じ組成の感光体G−31を作製した。
感光体作製例G−14のアルミニウムシリンダーを直径30mmのものに変え、感光体作製例G−14と同じ組成の感光体G−32を作製した。
感光体作製例G−15のアルミニウムシリンダーを直径30mmのものに変え、感光体作製例G−15と同じ組成の感光体G−33を作製した。
以上のように作製した感光体作製例G−28〜G−33の感光体を、帯電部材(スコロトロン帯電)と共に、図18に示すような1つの画像形成装置用プロセスカートリッジに装着し、更に図16に示すフルカラー画像形成装置に搭載した。4つの画像形成要素では、帯電部材としてスコロトロン方式の帯電部材により感光体表面電位が−900Vになるように帯電を行い、画像露光光源として405nmの発振波長を有する半導体レーザーを用い、コリメーターレンズ、アパーチャー、シリンダレンズ、ポリゴンミラー、fθレンズ、樽型トロイダルレンズ、反射ミラーからなる像露光装置により書き込みを行った。現像には2成分現像(体積平均粒径が6.5μmのトナー)を行い、転写部材として転写ベルトを用い、除電光には780nmのLEDを用い、感光体全面に光照射を行い除電を行うようにした。書き込み率6%のチャートを用い、連続3万枚印刷を行った(試験環境は、22℃−55%RHである)。
(i)地汚れの評価
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。
(ii)ドット形成状態の評価
ハーフトーン画像(直径40μmの1ドット画像)を形成し、ドット形成状態を観察した(ドットの散り具合やドット再現性)。
(iii)ドットの輪郭
ドットの周辺(エッジ)部分の鮮鋭性に関して評価した。
(iv)色再現性の評価
感光体初期状態と3万枚ランニング後に、同じフルカラー画像を出力し、色再現性の評価を試みた。
いずれの場合にもランク評価は4段階にて行い、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。以上の結果を表44に示す。
比較合成例2で得られた顔料(最低角7.3°)に特開昭61−239248号公報に記載の顔料(最大回折ピークを7.5°に有する)と同様に作製したものを3質量%添加し、乳鉢で混合して、先程と同様にX線回折スペクトルを測定した。測定例1のX線回折スペクトルを図32に示す。
比較合成例3で得られた顔料(最低角7.5°)に特開昭61−239248号公報に記載の顔料(最大回折ピークを7.5°に有する)と同様に作製したものを3質量%添加し、乳鉢で混合して、先程と同様にX線回折スペクトルを測定した。測定例2のX線回折スペクトルを図33に示す。
以上のことから、本願発明のチタニルフタロシアニン結晶における最低角ピークである7.3°は、公知のチタニルフタロシアニン結晶における7.5°のピークとは異なるものであることが判る。
また、本発明の画像形成装置は、小径ビームでの高密度書き込みを行い、得られた静電潜像を小粒径トナーで現像する画像形成装置で繰り返し使用した際に、異常画像の発生がなく、安定で解像度の高い画像を出力する画像形成装置に好適に用いられる。
本発明の画像形成装置は、高速で繰り返し使用した際に、異常画像の発生がなく、安定した状態で画像を出力する、直接転写方式により感光体上に形成されたトナー像を被転写体に転写する方式を採用した画像形成装置に好適に用いられる。
また、本発明の画像形成装置は、高速で繰り返し使用した際に、異常画像の発生がなく、安定した状態で画像を出力するプリント速度が大きい高速で画像を形成するため、除電−帯電時間が0.15秒以下の画像形成装置に好適に用いられる。
また、本発明の画像形成装置はは、高速で繰り返し使用した際に、異常画像の発生がなく、安定で解像度の高い画像を出力する複数のレーザービームを用いてマルチビーム露光を行って静電潜像を形成する画像形成装置に好適に用いられる。
また、本発明の画像形成装置は、書き込み光源に380〜450nmの波長範囲に発振波長を有する光源を使用し、高精細な画像を形成する画像形成装置に好適に用いられる。
また、本発明の画像形成装置は、高画質な画像を形成するため、感光体表面と帯電部材表面との空隙が100μm以下になる様に近接配置された非接触方式の帯電部材により30V/μm以上の電界強度が形成されるように感光体に帯電を行い、更に600dpi以上の書き込み光源による書き込みを行うことにより静電潜像を形成するコンパクトな画像形成装置に好適に用いられる。
2 除電ランプ
3 帯電チャージャー
5 画像露光部
6 現像部材
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャー
11 分離チャージャー
12 分離爪
14 ファーブラシ
15 クリーニングブラシ
16Y、16M、16C、16K 感光体
17Y、17M、17C、17K 帯電部材
18Y、18M、18C、18K レーザー光
19Y、19M、19C、19K 現像部材
20Y、20M、20C、20K クリーニング部材
21Y、21M、21C、21K 転写ブラシ
22 転写搬送ベルト
23 レジストローラ
24 定着装置
25Y、25M、25C、25K 画像形成要素
26 転写紙
31 導電性支持体
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
39 保護層
101 感光体
102 帯電手段
103 露光
104 現像手段
105 転写体
106 転写手段
107 クリーニング手段
111 感光体
112 帯電ローラ
113 ギャップ形成部材
114 金属シャフト
115 画像形成領域
116 非画像形成領域
200 感光体
201 転写ベルト
202 駆動ローラ
203 従動ローラ
204 バイアスローラ
205 高圧電源(パワーパック)
206 電流検出抵抗
Claims (19)
- 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する複数の現像スリーブを有する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記画像形成装置が、300mm/sec以上のシステム線速で動作し、帯電器により前記静電潜像担持体表面を下記数式(1)で表される電界強度が30V/μm以上となるように印加すると共に、前記静電潜像担持体が、導電性支持体と、該導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層をこの順に積層してなると共に、該電荷発生層中にチタニルフタロシアニン結晶を含み、該チタニルフタロシアニン結晶は、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも7.0〜7.5゜に最大回折ピークを有し、その回折ピークの半値巾が1゜以上である一次粒子の平均サイズが0.1μm以下の不定形チタニルフタロシアニンもしくは低結晶性チタニルフタロシアニンを水の存在下で有機溶媒により結晶変換を行ない、該結晶変換後の一次粒子の平均サイズが0.25μmより大きく成長する前に、有機溶媒より結晶変換後のチタニルフタロシアニンを分別、濾過し、乾燥した後、更に結晶変換処理されたものであり、該チタニルフタロシアニン結晶におけるCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、該7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有し、かつ前記チタニルフタロシアニン結晶における一次粒子の平均サイズが0.25μm以下であることを特徴とする画像形成装置。
<数式(1)>
電界強度(V/μm)=SV/G
(ただし、前記数式(1)中、SVは、現像位置における静電潜像担持体の未露光部における表面電位(V)を表す。Gは、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を含む感光層の膜厚(μm)を表す。) - 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記静電潜像形成手段が、少なくとも帯電器と、600dpi以上の解像度を有する露光器とを有し、該帯電器により前記静電潜像担持体表面を下記数式(1)で表される電界強度が30V/μm以上となるように印加すると共に、前記トナーの体積平均粒径が3〜7μmであり、かつ前記静電潜像担持体が、導電性支持体と、該導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層をこの順に積層してなると共に、該電荷発生層中にチタニルフタロシアニン結晶を含み、該チタニルフタロシアニン結晶は、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも7.0〜7.5゜に最大回折ピークを有し、その回折ピークの半値巾が1゜以上である一次粒子の平均サイズが0.1μm以下の不定形チタニルフタロシアニンもしくは低結晶性チタニルフタロシアニンを水の存在下で有機溶媒により結晶変換を行ない、該結晶変換後の一次粒子の平均サイズが0.25μmより大きく成長する前に、有機溶媒より結晶変換後のチタニルフタロシアニンを分別、濾過し、乾燥した後、更に結晶変換処理されたものであり、該チタニルフタロシアニン結晶におけるCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、該7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有し、かつ前記チタニルフタロシアニン結晶における一次粒子の平均サイズが0.25μm以下であることを特徴とする画像形成装置。
<数式(1)>
電界強度(V/μm)=SV/G
ただし、前記数式(1)中、SVは、現像位置における静電潜像担持体の未露光部における表面電位(V)を表す。Gは、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を含む感光層の膜厚(μm)を表す。 - 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記転写手段が、前記静電潜像担持体表面に現像された可視像を記録媒体に直接転写し、該帯電器により前記静電潜像担持体表面を下記数式(1)で表される電界強度が30V/μm以上となるように印加すると共に、前記静電潜像担持体が、導電性支持体と、該導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層をこの順に積層してなると共に、該電荷発生層中にチタニルフタロシアニン結晶を含み、該チタニルフタロシアニン結晶は、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも7.0〜7.5゜に最大回折ピークを有し、その回折ピークの半値巾が1゜以上である一次粒子の平均サイズが0.1μm以下の不定形チタニルフタロシアニンもしくは低結晶性チタニルフタロシアニンを水の存在下で有機溶媒により結晶変換を行ない、該結晶変換後の一次粒子の平均サイズが0.25μmより大きく成長する前に、有機溶媒より結晶変換後のチタニルフタロシアニンを分別、濾過し、乾燥した後、更に結晶変換処理されたものであり、該チタニルフタロシアニン結晶におけるCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、該7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有し、かつ前記チタニルフタロシアニン結晶における一次粒子の平均サイズが0.25μm以下であることを特徴とする画像形成装置。
<数式(1)>
電界強度(V/μm)=SV/G
ただし、前記数式(1)中、SVは、現像位置における静電潜像担持体の未露光部における表面電位(V)を表す。Gは、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を含む感光層の膜厚(μm)を表す。 - 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、除電手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記静電潜像形成手段が、少なくとも帯電器と、露光器とを有し、かつ下記数式(2)で表される除電−帯電間の時間が0.15秒以下であると共に、前記静電潜像担持体が、導電性支持体と、該導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層をこの順に積層してなると共に、該電荷発生層中にチタニルフタロシアニン結晶を含み、該チタニルフタロシアニン結晶は、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも7.0〜7.5゜に最大回折ピークを有し、その回折ピークの半値巾が1゜以上である一次粒子の平均サイズが0.1μm以下の不定形チタニルフタロシアニンもしくは低結晶性チタニルフタロシアニンを水の存在下で有機溶媒により結晶変換を行ない、該結晶変換後の一次粒子の平均サイズが0.25μmより大きく成長する前に、有機溶媒より結晶変換後のチタニルフタロシアニンを分別、濾過し、乾燥した後、更に結晶変換処理されたものであり、該チタニルフタロシアニン結晶におけるCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、該7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有し、かつ前記チタニルフタロシアニン結晶における一次粒子の平均サイズが0.25μm以下であることを特徴とする画像形成装置。
<数式(2)>
除電−帯電間の時間(秒)=P/S
ただし、前記数式(2)中、Pは、除電手段の中心に正対した静電潜像担持体表面と帯電器中心に対応した静電潜像担持体表面の周長(mm)を表す。Sは、システム線速(mm/秒)を表す。 - システム線速(S)が300mm/sec以上である請求項4に記載の画像形成装置。
- 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記静電潜像形成手段が、少なくとも帯電器と、複数のレーザービームを用いて前記静電潜像担持体表面に静電潜像を形成するマルチビーム露光を行う露光器とを有し、かつ前記画像形成装置が、300mm/sec以上のシステム線速で動作すると共に、前記静電潜像担持体が、導電性支持体と、該導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層をこの順に積層してなると共に、該電荷発生層中にチタニルフタロシアニン結晶を含み、該チタニルフタロシアニン結晶は、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも7.0〜7.5゜に最大回折ピークを有し、その回折ピークの半値巾が1゜以上である一次粒子の平均サイズが0.1μm以下の不定形チタニルフタロシアニンもしくは低結晶性チタニルフタロシアニンを水の存在下で有機溶媒により結晶変換を行ない、該結晶変換後の一次粒子の平均サイズが0.25μmより大きく成長する前に、有機溶媒より結晶変換後のチタニルフタロシアニンを分別、濾過し、乾燥した後、更に結晶変換処理されたものであり、該チタニルフタロシアニン結晶におけるCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、該7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有し、かつ前記チタニルフタロシアニン結晶における一次粒子の平均サイズが0.25μm以下であることを特徴とする画像形成装置。 - 帯電手段により静電潜像担持体表面に印加される帯電が、下記数式(1)で表される電界強度が30V/μm以上である請求項6に記載の画像形成装置。
<数式(1)>
電界強度(V/μm)=SV/G
ただし、前記数式(1)中、SVは、現像位置における静電潜像担持体の未露光部における表面電位(V)を表す。Gは、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を含む感光層の膜厚(μm)を表す。 - 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記静電潜像形成手段が、少なくとも380〜450nmの波長範囲に発振波長を有する書き込み装置と、帯電器とを有し、該帯電器により前記静電潜像担持体表面を下記数式(1)で表される電界強度が30V/μm以上となるように印加すると共に、前記静電潜像担持体が、導電性支持体と、該導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層をこの順に積層してなると共に、該電荷発生層中にチタニルフタロシアニン結晶を含み、該チタニルフタロシアニン結晶は、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも7.0〜7.5゜に最大回折ピークを有し、その回折ピークの半値巾が1゜以上である一次粒子の平均サイズが0.1μm以下の不定形チタニルフタロシアニンもしくは低結晶性チタニルフタロシアニンを水の存在下で有機溶媒により結晶変換を行ない、該結晶変換後の一次粒子の平均サイズが0.25μmより大きく成長する前に、有機溶媒より結晶変換後のチタニルフタロシアニンを分別、濾過し、乾燥した後、更に結晶変換処理されたものであり、該チタニルフタロシアニン結晶におけるCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、該7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有し、かつ前記チタニルフタロシアニン結晶における一次粒子の平均サイズが0.25μm以下であることを特徴とする画像形成装置。
<数式(1)>
電界強度(V/μm)=SV/G
ただし、前記数式(1)中、SVは、現像位置における静電潜像担持体の未露光部における表面電位(V)を表す。Gは、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を含む感光層の膜厚(μm)を表す。 - 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置において、
前記静電潜像形成手段が、少なくとも帯電器と、600dpi以上の解像度を有する露光器とを有し、該帯電器表面と前記静電潜像担持体表面との空隙が100μm以下になるように近接配置された非接触方式であり、かつ前記帯電器により前記静電潜像担持体表面を下記数式(1)で表される電界強度が30V/μm以上となるように印加すると共に、前記静電潜像担持体が、導電性支持体と、該導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層をこの順に積層してなると共に、該電荷発生層中にチタニルフタロシアニン結晶を含み、該チタニルフタロシアニン結晶は、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも7.0〜7.5゜に最大回折ピークを有し、その回折ピークの半値巾が1゜以上である一次粒子の平均サイズが0.1μm以下の不定形チタニルフタロシアニンもしくは低結晶性チタニルフタロシアニンを水の存在下で有機溶媒により結晶変換を行ない、該結晶変換後の一次粒子の平均サイズが0.25μmより大きく成長する前に、有機溶媒より結晶変換後のチタニルフタロシアニンを分別、濾過し、乾燥した後、更に結晶変換処理されたものであり、該チタニルフタロシアニン結晶におけるCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、該7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有し、かつ前記チタニルフタロシアニン結晶における一次粒子の平均サイズが0.25μm以下であることを特徴とする画像形成装置。
<数式(1)>
電界強度(V/μm)=SV/G
ただし、前記数式(1)中、SVは、現像位置における静電潜像担持体の未露光部における表面電位(V)を表す。Gは、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を含む感光層の膜厚(μm)を表す。 - 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成要素を複数配列してなるタンデム型の画像形成装置であって、
前記静電潜像担持体が、導電性支持体と、該導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層をこの順に積層してなり、前記トナーの体積平均粒径が3〜7μmであると共に、該電荷発生層中にチタニルフタロシアニン結晶を含み、該チタニルフタロシアニン結晶は、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも7.0〜7.5゜に最大回折ピークを有し、その回折ピークの半値巾が1゜以上である一次粒子の平均サイズが0.1μm以下の不定形チタニルフタロシアニンもしくは低結晶性チタニルフタロシアニンを水の存在下で有機溶媒により結晶変換を行ない、該結晶変換後の一次粒子の平均サイズが0.25μmより大きく成長する前に、有機溶媒より結晶変換後のチタニルフタロシアニンを分別、濾過し、乾燥した後、更に結晶変換処理されたものであり、該チタニルフタロシアニン結晶におけるCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、該7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有し、かつ前記チタニルフタロシアニン結晶における一次粒子の平均サイズが0.25μm以下であることを特徴とするタンデム型の画像形成装置。 - 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段と、クリーニング手段とを少なくとも一体に有するプロセスカートリッジを着脱自在に搭載してなる画像形成装置であって、
前記静電潜像担持体が、導電性支持体と、該導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層をこの順に積層してなり、前記トナーの体積平均粒径が3〜7μmであると共に、該電荷発生層中にチタニルフタロシアニン結晶を含み、該チタニルフタロシアニン結晶は、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも7.0〜7.5゜に最大回折ピークを有し、その回折ピークの半値巾が1゜以上である一次粒子の平均サイズが0.1μm以下の不定形チタニルフタロシアニンもしくは低結晶性チタニルフタロシアニンを水の存在下で有機溶媒により結晶変換を行ない、該結晶変換後の一次粒子の平均サイズが0.25μmより大きく成長する前に、有機溶媒より結晶変換後のチタニルフタロシアニンを分別、濾過し、乾燥した後、更に結晶変換処理されたものであり、該チタニルフタロシアニン結晶におけるCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、該7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有し、かつ前記チタニルフタロシアニン結晶における一次粒子の平均サイズが0.25μm以下であることを特徴とするタンデム型の画像形成装置。 - 電荷輸送層が、トリアリールアミン構造を主鎖及び側鎖の少なくともいずれかに含むポリカーボネートを含有する請求項1から11のいずれかに記載の画像形成装置。
- 電荷輸送層上に保護層を有する請求項1から12のいずれかに記載の画像形成装置。
- 保護層が、比抵抗10 10 Ω・cm以上の無機顔料及び金属酸化物から選択される少なくともいずれかを含む請求項13に記載の画像形成装置。
- 保護層が、更に高分子電荷輸送物質を含む請求項13から14のいずれかに記載の画形成装置。
- 保護層におけるバインダー樹脂が、架橋構造を有する請求項13から15のいずれかに記載の画像形成装置。
- 架橋構造を有するバインダー樹脂の構造中に、電荷輸送部位を有する請求項16に記載の画像形成装置。
- 静電潜像担持体における導電性支持体の表面が、陽極酸化皮膜処理された請求項1から17のいずれかに記載の画像形成装置。
- 静電潜像形成手段における帯電器が、静電潜像担持体表面に交流重畳電圧印加を行う請求項1から18のいずれかに記載の画像形成装置。
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