JP2001265026A - 電子写真感光体、及びそれを用いた画像形成方法並びに装置 - Google Patents

電子写真感光体、及びそれを用いた画像形成方法並びに装置

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JP2001265026A
JP2001265026A JP2000074420A JP2000074420A JP2001265026A JP 2001265026 A JP2001265026 A JP 2001265026A JP 2000074420 A JP2000074420 A JP 2000074420A JP 2000074420 A JP2000074420 A JP 2000074420A JP 2001265026 A JP2001265026 A JP 2001265026A
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Hiroshi Ikuno
弘 生野
Shigeto Kojima
成人 小島
Eiji Kurimoto
鋭司 栗本
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、環境に優しく、高性能、長寿
命、高信頼性を高いレベルで達成する画像形成方法及び
電子写真感光体を提供することである。 【解決手段】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生
層、高分子電荷輸送物質から構成される電荷輸送層を順
次積層した構成を有する電子写真感光体において、該電
荷輸送層用塗工液溶媒として、トルエンを用いることを
特徴とする電子写真感光体とすることにより、脱ハロゲ
ン化溶媒を用い、感光体を作製し、且つ長期的な使用に
おける機内電位変動が少ない画像形成方法を提供でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像形成方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式において使用される
感光体としては、導電性支持体上にセレンないしセレン
合金を主体とする感光層を設けたもの、酸化亜鉛、硫化
カドミウムなどの無機系光導電材料をバインダー中に分
散させたもの、ポリ−N−ビニルカルバゾールとトリニ
トロフルオレノンあるいはアゾ顔料などの有機光導電材
料を用いたもの、及び非晶質シリコン系材料を用いたも
の等が一般に知られている。
【0003】ところで、一般に「電子写真方式」とは、
光導電性の感光体をまず暗所で例えばコロナ放電によっ
て帯電させ、次いで像露光し、露光部のみの電荷を選択
的に散逸せしめて静電潜像を得、この潜像部を染料、顔
料などの着色剤と高分子物質などの結合剤とから構成さ
れる検電微粒子(トナー)で現像し可視化して画像を形
成するようにした画像形成法の一つである。
【0004】このような電子写真法において感光体に要
求される基本的な特性としては (1)暗所で適当な電位に帯電できること。 (2)暗所において電荷の散逸が少ないこと。 (3)光照射によって速やかに電荷を散逸できること。 などが挙げられる。
【0005】従来、電子写真方式に於いて使用される感
光体としては導電性支持体上にセレンないしセレン合金
を主体とする光導電層を設けたもの、酸化亜鉛・硫化カ
ドミウム等の無機系光導電材料をバインダー中に分散さ
せたもの、及び非晶質シリコン系材料を用いたもの等が
一般的に知られているが、近年ではコストの低さ、感光
体設計の自由度の高さ、低公害性等から有機系電子写真
感光体が広く利用されるようになってきている。
【0006】有機系電子写真感光体には、ポリビニルカ
ルバゾ−ル(PVK)に代表される光導電性樹脂、PV
K−TNF(2,4,7−トリニトロフルオレノン)に
代表される電荷移動錯体型、フタロシアニン−バインダ
−に代表される顔料分散型、電荷発生物質と電荷輸送物
質とを組み合わせて用いる機能分離型の感光体などが知
られており、特に機能分離型の感光体が注目されてい
る。
【0007】この機能分離型の感光体における静電潜像
形成のメカニズムは、感光体を帯電した後光照射する
と、光は透明な電荷輸送層を通過し、電荷発生層中の電
荷発生物質により吸収され、光を吸収した電荷発生物質
は電荷担体を発生し、この電荷担体は電荷輸送層に注入
され、帯電によって生じている電界にしたがって電荷輸
送層中を移動し、感光体表面の電荷を中和することによ
り静電潜像を形成するものである。機能分離型感光体に
おいては、主に紫外部に吸収を持つ電荷輸送物質と、主
に可視部に吸収を持つ電荷発生物質とを組み合わせて用
いることが知られており、上記基本特性を充分に満たす
ものが得られている。
【0008】ところが、電子写真方法に用いられる有機
系電子写真用感光体の電荷輸送物質は多くが低分子化合
物として開発されているが、低分子化合物は単独で製膜
性がないため、通常、不活性高分子に分散・混合して用
いられる。しかるに、低分子電荷輸送物質と不活性高分
子からなる電荷輸送層は一般に柔らかく、電子写真プロ
セスにおいて繰り返し使用された場合に現像システムや
クリーニングシステムによる機械的な感光体表面への負
荷により膜削れを生じやすいという耐摩耗性の低さが短
所として挙げられる。
【0009】更に、この構成の電荷輸送層は電荷移動度
に限界があり、電子写真プロセスの高速化あるいは小型
化の障害となっていた。これは通常低分子電荷輸送物質
の含有量が50重量%以下で使用されることに起因して
いる。即ち低分子電荷輸送物質の含有量を増すことで確
かに電荷移動度は上げられるが、このとき逆に製膜性や
耐摩耗性が劣化するためである。
【0010】この有機系感光体の特性を改善する技術と
して有機系感光体のバインダー樹脂を改良したもの(特
開平5−216250公報)や高分子型の電荷輸送物質
(特開昭51−73888号公報、特開昭54−852
7号公報、特開昭54−11737号公報、特開昭56
−150749号公報、特開昭57−78402号公
報、特開昭63−285552号公報、特開平1−17
28号公報、特開平1−19049号公報、特開平3−
50555号公報、特開平4−225014公報、特開
平5−331238公報等)が注目され開示されてい
る。
【0011】近年、電子写真プロセスの高速化、高耐久
化、小型化が進むなか、感光体に対して上記特性以外に
長期繰返し使用に際しても高画質を保つことの出来る信
頼性が強く要求される様に成っている。
【0012】一般的に電子写真感光体は、繰り返しによ
り、機内電位の変動(帯電電位、露光部電位)等の問題
を抱えている。特に感光体を長期的に使用するために、
感光体表面の機械的耐久性向上もしくは、感光体周辺プ
ロセス側からの低摩耗化が、考えられている。このよう
に、感光体表面の低摩耗化により、感光体の寿命は、さ
らに向上し、これまで以上に繰り返し使用による機内電
位の安定化が望まれている。
【0013】また最近では、環境問題が、とりだたされ
ている。電荷輸送層の塗工溶媒として使用されるモノク
ロロベンゼンやジクロロメタン等のハロゲン系溶媒は、
外部飛散による環境及び人体への影響が危惧されてい
る。このような状況において、感光体を製造する立場か
ら、電荷輸送層塗工の際に用いられるハロゲン系溶媒の
撤廃が望まれている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、環境に優し
く、高性能、長寿命、高信頼性を高いレベルで達成する
画像形成方法及び電子写真感光体を提供することであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、導電性
支持体上に少なくとも電荷発生層、高分子電荷輸送物質
から構成される電荷輸送層を順次積層した構成を有する
電子写真感光体において、該電荷輸送層用塗工液溶媒と
して、トルエンを用いることを特徴とする電子写真感光
体とすることにより、脱ハロゲン化溶媒を用い、感光体
を作製し、且つ長期的な使用における機内電位変動が少
ない画像形成方法を提供できることが、明らかとなっ
た。
【0016】また電荷輸送層用塗工液において、塗工溶
媒中のトルエンの含有率が、90wt%以上であること
を特徴とする電荷輸送層用塗工液とすることにより、さ
らに機内電位変動の少ない画像形成方法が、提供できる
ことが明らかとなった。
【0017】また電荷輸送層用塗工液において、塗工溶
媒中のトルエンの含有率が、90wt%以上であり、か
つトルエンと混合する溶媒が、トルエンよりも低沸点で
あることを特徴とする電荷輸送層用塗工液とすることに
より、電荷輸送層塗工時の膜厚ムラを少なく出来ること
が明らかとなった。
【0018】請求項1記載の電子写真感光体おいて、該
電荷輸送層中に残留するトルエン量が、8000ppm
以下であることを特徴とする電子写真感光体とすること
により、機内電位変動が少なく、摩耗特性も向上した画
像形成方法を提供できることが明らかとなった。
【0019】また、感光層膜厚、感光体の使用時の電界
強度、電荷発生層に含有されている顔料を規定すること
により、さらに画像特性が向上した感光体を提供できる
ことが明らかとなった。
【0020】また帯電方法を接触帯電とすることによ
り、オゾン、NOx等の発生量を抑え、長期的に安定し
たが造形製を行うことが出来ることが明らかとなった。
【0021】またデジタル的ドット潜像を形成する方法
を用い、さらに該画像信号のビーム径(レーザービーム
がガウス分布しているときの半値幅、1/e)が、6
0μm以下であることを特徴とする画像形成方法とする
ことにより、微細ドット再現性が向上した画像形成を行
うことが出来る。
【0022】また、高分子電荷輸送物質の構造を規定す
ることにより、さらに、耐摩耗性の向上した電子写真感
光体を提供できることが明らかとなった。
【0023】本発明者らが鋭意検討した結果、長期的に
機内電位変動が少なく、且つ良好な画像形成を行う方法
は、以下に詳細に説明する方法である。
【0024】脱ハロゲン化電荷輸送層塗工溶媒に必要不
可欠な条件として、高分子電荷輸送物質を溶解しなけれ
ばならない。この点を考慮すると、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、キシレン、トルエン、メチルエチルケ
トン、シクロヘキサノン等が挙げられる。一方感光体
は、長期的繰り返し使用における耐摩耗性の向上によ
り、これまで以上に機内電位変動の少ないものが望まれ
る。このことから、脱ハロゲン化電荷輸送層塗工溶媒
は、生産上の問題である乾燥温度、蒸発速度、液の保存
性などの要件に加え、長期使用時において、機内電位変
動(特に露光部電位変動)等の副作用をないものが、必
要となる。
【0025】このような点を全て考慮した上で、最も良
好であった脱ハロゲン化電荷輸送層塗工溶媒は、トルエ
ンであった。とくに、機内電位変動に対しては、塗工溶
媒中のトルエンの含有量が、90wt%以上の場合、効
果が顕著であった。
【0026】また、トルエンと混合する脱ハロゲン化溶
媒を、トルエンよりも低沸点のものとすることにおり、
ディッピング法による感光体塗工時の感光体上部(引き
はじめの部分)と感光体下部(引き終わり部分)の塗工
液のタレから発生する膜厚ムラが、少なくできることが
判明した。これは、トルエンよりも、高沸点のものを用
いた場合、引き上げ時の溶媒の乾燥が遅くなり、感光体
上部から、感光体下部にかけて、塗工液が垂れ、上部に
比べ、下部の膜厚が、厚くなるためである。それに対し
て、トルエンよりも、低沸点の塗工溶媒を添加すること
により、乾燥を早め、塗工液のタレを少なくなることに
より、膜厚ムラを少なくすることが可能である。
【0027】また、電荷輸送層に残留する溶媒量が80
00ppm以下とすることにより、機内電位変動(露光
部電位変動)及び耐摩耗性が向上する。これは、残留溶
媒が、残留電位蓄積サイトとなり、かつ残留溶媒によ
り、電荷輸送層の機械的強度が低下するために、残留溶
媒量を8000ppm以下にする必要性がある。
【0028】また、電荷輸送層膜厚が、10μm以上2
2μm以下とした場合、上記異常画像が少なく、画像濃
度を低下させることがなく、細線及び微細ドットの再現
性が向上することが判明した。
【0029】また、本感光体を用いて、反転(ネガ・ポ
ジ)現像方式によりトナーを現像する場合、地肌汚れ
は、感光層膜厚D(μm)と感光体の表面電位から求め
られる電界強度に依存することが判明した。この異常画
像は、感光層膜厚によらず、40V/μm以上である
と、発生することが判明した。また、帯電方式が、帯電
ローラーなどの接触帯電の場合、上記電界強度を超えた
場合、感光層が、局所的に、絶縁破壊し、異常画像の発
生原因となることが、明らかとなった。一方、感光体
は、電界強度が低くなった場合、感光層中での電荷輸送
能が低下し、それに伴い、光感度が低下することが知ら
れている。検討結果から、感光体にかかる電界強度は、
12V/μm以下である場合、感光体の光感度が低下
し、露光部電位が下がりにくくなり、画像の濃度低下が
見られることが判明した。
【0030】また、電荷発生層にフタロシアニン顔料を
含有させた場合、光感度が向上し、且つ実機内での化学
的劣化及び光学的な劣化に対する耐久性が向上すること
が判明した。
【0031】本構成の感光体を用いた画像形成方法で
は、画像信号が、光スポットのON/OFFにより、感
光体上にデジタル的ドット潜像を形成する方法におい
て、画像信号のビーム径(レーザービームがガウス分布
しているときの半値幅、1/e)が、60μm以下と
したことにより、微細ドット再現性に優れた高解像度の
画像が形成できることが判明した。
【0032】次に、本発明に用いられる高分子電荷輸送
物質について述べる。高分子電荷輸送物質としては、一
般的な以下のような高分子物質を用いることができる。 (a)カルバゾ−ル環を有する重合体 例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾ−ル、特開昭50−
82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開
昭54−11737号公報、特開平4−175337号
公報、特開平4−183719号公報、特開平6−23
4841号公報に記載の化合物等が例示される。
【0033】(b)ヒドラゾン構造を有する重合体 例えば、特開昭57−78402号公報、特開昭61−
20953号公報、特開昭61−296358号公報、
特開平1−134456号公報、特開平1−17916
4号公報、特開平3−180851号公報、特開平3−
180852号公報、特開平3−50555号公報、特
開平5−310904号公報、特開平6−234840
号公報に記載の化合物等が例示される。
【0034】(c)ポリシリレン重合体 例えば、特開昭63−285552号公報、特開平1−
88461、特開平4−264130、特開平4−26
4131、特開平4−264132、特開平4−264
133、特開平4−289867に記載の化合物等が例
示される。
【0035】(d)トリアリールアミン構造を有する重
合体 例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−ア
ミノポリスチレン、特開平1−134457号公報、特
開平2−282264号公報、特開平2−304456
号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−1
33066号公報、特開平5−40350号公報、特開
平5−202135号公報に記載の化合物等が例示され
る。
【0036】(e)その他の重合体 例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特
開昭51−73888号公報、特開昭56−15074
9号公報、特開平6−234836号公報、特開平6−
234837号公報に記載の化合物等が例示される。
【0037】本発明に使用される電子供与性基を有する
重合体は、上記重合体だけでなく、公知単量体の共重合
体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スタ−ポリマ
−や、また、例えば特開平3−109406号公報に開
示されているような電子供与性基を有する架橋重合体等
を用いることも可能である。
【0038】また、本発明に用いられる高分子電荷輸送
物質として更に有用なトリアリールアミン構造を有する
ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ
エーテルとしては以下に記載の化合物が例示される。例
えば、特開昭64−1728号公報、特開昭64−13
061号公報、特開昭64−19049号公報、特開平
4−11627号公報、特開平4−225014号公
報、特開平4−230767号公報、特開平4−320
420号公報、特開平5−232727号公報、特開平
7−56374号公報、特開平9−127713号公
報、特開平9−222740号公報、特開平9−265
197号公報、特開平9−211877号公報、特開平
9−304956号公報等がある。
【0039】また、本発明に用いられる高分子電荷輸送
物質としてより更に有用なトリアリールアミン構造分岐
鎖に有するポリカーボネートとしては以下のようなもの
が挙げられる。トリアリールアミン構造を分岐鎖に有す
るポリカーボネートとは、トリアリールアミン構造の一
つのアリール基が何らかの結合基を介して、又は介しな
いでポリカーボネートの主鎖から分岐している高分子構
造を指す。
【0040】本発明に用いられる高分子電荷輸送物質と
して、下記一般式1〜6で表されるトリアリールアミン
構造を分岐鎖に有するポリカーボネートが有効に用いら
れる。一般式1〜6で表される高分子電荷輸送物質を以
下に例示し、具体例を示す。 一般式1
【0041】
【化9】 式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して置換もしくは
無置換のアルキル基又はハロゲン原子、R4は水素原子
又は置換もしくは無置換のアルキル基、R5、R6は置換
もしくは無置換のアリール基、o、p、qはそれぞれ独
立して0〜4の整数、k、jは組成を表し、0.1≦k
≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表し5〜
5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪
族の2価基、または下記一般式で表される2価基を表
す。
【0042】
【化10】 式中、R101、R102は各々独立して置換もしくは無置換
のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表す。
l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜1
2の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O
−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−CO
−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表
す。)または、
【0043】
【化11】 (式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整
数、R103、R104は置換または無置換のアルキル基又は
アリール基を表す。)を表す。ここで、R101とR1 02
103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。
【0044】一般式1の具体例 R1、R2、R3はそれぞれ独立して置換もしくは無置換
のアルキル基又はハロゲン原子を表すが、その具体例と
しては以下のものを挙げることができ、同一であっても
異なってもよい。
【0045】アルキル基として好ましくは、C1〜C12
とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖ま
たは分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基は
さらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアル
コキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4
アルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換され
たフェニル基を含有しても良い。具体的には、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−
ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル
基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、
2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メト
キシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4
−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フ
ェニルベンジル基等が挙げられる。
【0046】ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0047】R4は水素原子又は置換もしくは無置換の
アルキル基を表すがそのアルキル基の具体例としては上
記のR1、R2、R3と同様のものが挙げられる。
【0048】R5、R6は置換もしくは無置換のアリール
基を表すが、その具体例としては以下のものを挙げるこ
とができ、同一であっても異なってもよい。
【0049】芳香族炭化水素基としては、フェニル基、
縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオ
レニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、ア
ズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリ
セニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベン
ゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合
多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが
挙げられる。
【0050】複素環基としては、チエニル基、ベンゾチ
エニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル
基などが挙げられる。
【0051】上述のアリール基は以下に示す基を置換基
として有してもよい。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基としては、上記のR1、R2、R3と同
様のものが挙げられる。 (3)アルコキシ基(−OR105)としては、R105
(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メ
トキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポ
キシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキ
シ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2
−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベ
ンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられ
る。 (4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフ
ェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4
のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン
原子を置換基として含有しても良い。具体的には、フェ
ノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ
基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ
基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチ
ルオキシ基等が挙げられる。 (5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基と
しては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェ
ニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられ
る。 (6)アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は
(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、ジメ
チルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プ
ロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げ
られる。 (7)アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロ
ピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等
が挙げられる。
【0052】Xは下記一般式(A)のトリアリールアミ
ノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交
換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオー
ル化合物を併用することにより主鎖中に導入される。こ
の場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共
重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記
一般式(A)のトリアリールアミノ基を有するジオール
化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホ
ーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入
される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互
共重合体となる。
【0053】
【化12】
【0054】一般式(B)のジオール化合物の具体例と
しては以下のものが挙げられる。1,3−プロパンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジ
オール、1,10−デカンジオール、2−メチル−1,
3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プ
ロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテル
グリコール等の脂肪族ジオールや1,4−シクロヘキサ
ンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、シクロ
ヘキサン−1,4−ジメタノール等の環状脂肪族ジオー
ルが挙げられる。
【0055】また、芳香環を有するジオールとしては、
4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、2,
2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、4,4’−ジヒドロキシジッフェニルスルホン、
4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,
4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’−
ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィ
ド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルオキシド、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フル
オレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)キサ
ンテン、エチレングリコール-ビス(4−ヒドロキシベ
ンゾエート)、ジエチレングリコール-ビス(4−ヒド
ロキシベンゾエート)、トリエチレングリコール-ビス
(4−ヒドロキシベンゾエート)、1,3−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)-テトラメチルジシロキサン、フ
ェノール変性シリコーンオイル等が挙げられる。
【0056】一般式2
【0057】
【化13】 式中、R7、R8は置換もしくは無置換のアリール基、A
1、Ar2、Ar3は同一又は異なるアリレン基を表
す。 X、k、jおよびnは、一般式1の場合と同じで
ある。
【0058】一般式2の具体例 R7、R8は置換もしくは無置換のアリール基を表すが、
その具体例としては以下のものを挙げることができ、同
一であっても異なってもよい。
【0059】芳香族炭化水素基としては、フェニル基、
縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオ
レニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、ア
ズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリ
セニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベン
ゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合
多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基、また
は、
【0060】
【化14】 ここで、Wは−O−、−S−、−SO−、−SO2−、
−CO− 及び以下の2価基を表す。
【0061】
【化15】 で表される。
【0062】複素環基としては、チエニル基、ベンゾチ
エニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル
基などが挙げられる。
【0063】また、Ar1、Ar2およびAr3で示され
るアリレン基としてはR7およびR8で示したアリール基
の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
【0064】上述のアリール基及びアリレン基は以下に
示す基を置換基として有してもよい。また、これら置換
基は上記一般式中のR106、R107、R108の具体例とし
て表される。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12
りわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖また
は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさ
らにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコ
キシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のア
ルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換された
フェニル基を含有しても良い。具体的には、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチ
ル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、ト
リフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シ
アノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエ
チル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチ
ルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニル
ベンジル基等が挙げられる。 (3)アルコキシ基(−OR109)としては、R109
(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メ
トキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポ
キシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキ
シ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2
−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベ
ンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられ
る。 (4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフ
ェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4
のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン
原子を置換基として含有しても良い。具体的には、フェ
ノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ
基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ
基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチ
ルオキシ基等が挙げられる。 (5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基と
しては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェ
ニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられ
る。 (6)
【0065】
【化16】 式中、R110及びR111は各々独立に(2)で定義したア
ルキル基またはアリール基を表し、アリール基としては
例えばフェニル基、ビフェニル基、またはナフチル基が
挙げられ、これらはC1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4
のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有し
ても良い。またアリール基上の炭素原子と共同で環を形
成しても良い。具体的には、ジエチルアミノ基、N−メ
チル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミ
ノ基、N,N−ジ(p−トリル)アミノ基、ジベンジル
アミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基
等が挙げられる。 (7)メチレンジオキシ基、またはメチレンジチオ基等
のアルキレンジオキシ基またはアルキレンジチオ基、等
が挙げられる。
【0066】Xは下記一般式(C)のトリアリールアミ
ノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交
換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオー
ル化合物を併用することにより主鎖中に導入される。こ
の場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共
重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記
一般式(C)のトリアリールアミノ基を有するジオール
化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホ
ーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入
される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互
共重合体となる。
【0067】
【化17】 一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが
挙げられる。
【0068】一般式3
【0069】
【化18】 式中、R9、R10は置換もしくは無置換のアリール基、
Ar4、Ar5、Ar6は同一又は異なるアリレン基を表
す。 X、k、jおよびnは、一般式1の場合と同じで
ある。
【0070】一般式3の具体例 R9、R10は置換もしくは無置換のアリール基を表す
が、その具体例としては以下のものを挙げることがで
き、同一であっても異なってもよい。
【0071】芳香族炭化水素基としては、フェニル基、
縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオ
レニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、ア
ズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリ
セニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベン
ゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合
多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが
挙げられる。
【0072】複素環基としては、チエニル基、ベンゾチ
エニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル
基などが挙げられる。
【0073】また、Ar4、Ar5、およびAr6で示さ
れるアリレン基としてはR9およびR 10で示したアリー
ル基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよ
い。上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を
置換基として有してもよい。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12
りわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖また
は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさ
らにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコ
キシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のア
ルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換された
フェニル基を含有しても良い。具体的には、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチ
ル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、ト
リフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シ
アノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエ
チル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチ
ルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニル
ベンジル基等が挙げられる。 (3)アルコキシ基(−OR112)としては、R112
(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メ
トキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポ
キシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキ
シ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2
−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベ
ンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられ
る。 (4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフ
ェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4
のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン
原子を置換基として含有しても良い。具体的には、フェ
ノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ
基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ
基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチ
ルオキシ基等が挙げられる。 (5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基と
しては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェ
ニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられ
る。 (6)アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は
(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、ジメ
チルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プ
ロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げ
られる。 (7)アシル基;具体的にはアセチル基、プロピオニル
基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げら
れる。
【0074】Xは下記一般式(D)のトリアリールアミ
ノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交
換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオー
ル化合物を併用することにより主鎖中に導入される。こ
の場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共
重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記
一般式(D)のトリアリールアミノ基を有するジオール
化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホ
ーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入
される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互
共重合体となる。
【0075】
【化19】 一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙
げられる。
【0076】一般式4
【0077】
【化20】 式中、R11、R12は置換もしくは無置換のアリール基、
Ar7、Ar8、Ar9は同一又は異なるアリレン基、s
は1〜5の整数を表す。 X、k、jおよびnは、一般
式1の場合と同じである。
【0078】一般式4の具体例 R11、R12は置換もしくは無置換のアリール基を表す
が、その具体例としては以下のものを挙げることがで
き、同一であっても異なってもよい。
【0079】芳香族炭化水素基としては、フェニル基、
縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオ
レニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、ア
ズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリ
セニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベン
ゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合
多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが
挙げられる。
【0080】複素環基としては、チエニル基、ベンゾチ
エニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル
基などが挙げられる。
【0081】また、Ar7、Ar8、およびAr9で示さ
れるアリレン基としてはR11およびR12で示したアリー
ル基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよ
い。
【0082】上述のアリール基及びアリレン基は以下に
示す基を置換基として有してもよい。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12
りわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖また
は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさ
らにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコ
キシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のア
ルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換された
フェニル基を含有しても良い。具体的には、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチ
ル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、ト
リフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シ
アノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエ
チル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチ
ルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニル
ベンジル基等が挙げられる。 (3)アルコキシ基(−OR113)としては、R113
(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メ
トキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポ
キシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキ
シ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2
−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベ
ンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられ
る。 (4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフ
ェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4
のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン
原子を置換基として含有しても良い。具体的には、フェ
ノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ
基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ
基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチ
ルオキシ基等が挙げられる。 (5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基と
しては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェ
ニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられ
る。 (6)アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は
(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、ジメ
チルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プ
ロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げ
られる。 (7)アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロ
ピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等
が挙げられる。
【0083】Xは下記一般式(E)のトリアリールアミ
ノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交
換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオー
ル化合物を併用することにより主鎖中に導入される。こ
の場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共
重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記
一般式(E)のトリアリールアミノ基を有するジオール
化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホ
ーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入
される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互
共重合体となる。
【0084】
【化21】 一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが
挙げられる。
【0085】一般式5
【0086】
【化22】 式中、R15、R16、R17、R18は置換もしくは無置換の
アリール基、Ar13、Ar14、Ar15、Ar16は同一又
は異なるアリレン基、Y1、Y2、Y3は単結合、置換も
しくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシ
クロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエ
ーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表し同一
であっても異なってもよい。 X、k、jおよびnは、
一般式1の場合と同じである。
【0087】一般式5の具体例 R15、R16、R17、R18は置換もしくは無置換のアリー
ル基を表すが、その具体例としては以下のものを挙げる
ことができ、同一であっても異なってもよい。
【0088】芳香族炭化水素基としては、フェニル基、
縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオ
レニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、ア
ズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリ
セニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベン
ゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合
多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが
挙げられる。
【0089】複素環基としては、チエニル基、ベンゾチ
エニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル
基などが挙げられる。
【0090】また、Ar13、Ar14、Ar15および A
16で示されるアリレン基としては、R15、R16、R17
およびR18 で示した上記のアリール基の2価基が挙げ
られ、同一であっても異なってもよい。
【0091】上述のアリール基及びアリレン基は以下に
示す基を置換基として有してもよい。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12
りわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖また
は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさ
らにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコ
キシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のア
ルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換された
フェニル基を含有しても良い。具体的には、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチ
ル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、ト
リフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シ
アノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエ
チル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチ
ルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニル
ベンジル基等が挙げられる。 (3)アルコキシ基(−OR115)としては、R115
(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メ
トキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポ
キシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキ
シ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2
−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベ
ンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられ
る。 (4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフ
ェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4
のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン
原子を置換基として含有しても良い。具体的には、フェ
ノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ
基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ
基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチ
ルオキシ基等が挙げられる。
【0092】Y1、Y2、Y3は単結合、置換もしくは無
置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアル
キレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル
基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基、を表し同一であ
っても異なってもよい。
【0093】アルキレン基としては、上記(2)で示し
たアルキル基より誘導される2価基を表す。具体的に
は、メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基、
1,4−ブチレン基、2−メチル−1,3−プロピレン
基、ジフルオロメチレン基、ヒドロキシエチレン基、シ
アノエチレン基、メトキシエチレン基、フェニルメチレ
ン基、4−メチルフェニルメチレン基、2,2−プロピ
レン基、2,2,−ブチレン基、ジフェニルメチレン基
等を挙げることができる。
【0094】シクロアルキレン基としては、1,1−シ
クロペンチレン基、1,1−シクロへキシレン基、1,
1−シクロオクチレン基等を挙げることができる。
【0095】アルキレンエーテル基としては、ジメチレ
ンエーテル基、ジエチレンエーテル基、エチレンメチレ
ンエーテル基、ビス(トリエチレン)エーテル基、ポリ
テトラメチレンエーテル基等が挙げられる。
【0096】Xは下記一般式(G)のトリアリールアミ
ノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交
換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオー
ル化合物を併用することにより主鎖中に導入される。こ
の場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共
重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記
一般式(G)のトリアリールアミノ基を有するジオール
化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホ
ーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入
される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互
共重合体となる。
【0097】
【化23】 一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが挙
げられる。
【0098】一般式6
【0099】
【化24】 式中、R22、R23、R24、R25は置換もしくは無置換の
アリール基、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、Ar28
は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよび
nは、一般式1の場合と同じである。
【0100】一般式6の具体例 R22、R23、R24、R25は置換もしくは無置換のアリー
ル基を表すが、その具体例としては以下のものを挙げる
ことができ、同一であっても異なってもよい。
【0101】芳香族炭化水素基としては、フェニル基、
縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオ
レニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、ア
ズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリ
セニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベン
ゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合
多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが
挙げられる。
【0102】複素環基としては、チエニル基、ベンゾチ
エニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル
基などが挙げられる。
【0103】また、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27
よびAr28で示されるアリレン基としては、R22
23、R24およびR25で示した上記のアリール基の2価
基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
【0104】上述のアリール基及びアリレン基は以下に
示す基を置換基として有してもよい。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12
りわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖また
は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさ
らにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコ
キシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のア
ルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換された
フェニル基を含有しても良い。具体的には、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチ
ル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、ト
リフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シ
アノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエ
チル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチ
ルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニル
ベンジル基等が挙げられる。 (3)アルコキシ基(−OR118)としては、R118
(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メ
トキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポ
キシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキ
シ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2
−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベ
ンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられ
る。 (4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフ
ェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4
のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン
原子を置換基として含有しても良い。具体的には、フェ
ノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ
基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ
基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチ
ルオキシ基等が挙げられる。 (5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基と
しては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェ
ニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられ
る。 (6)アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は
(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、ジメ
チルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プ
ロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げ
られる。 (7)アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロ
ピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等
が挙げられる。
【0105】Xは下記一般式(L)のトリアリールアミ
ノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交
換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオー
ル化合物を併用することにより主鎖中に導入される。こ
の場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共
重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記
一般式(L)のトリアリールアミノ基を有するジオール
化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホ
ーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入
される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互
共重合体となる。
【0106】
【化25】 一般式(B)のジオール化合物は一般式1と同じものが
挙げられる。
【0107】その他、トリアリールアミン構造を分岐鎖
に有するポリカーボネートとしては、特開平6−234
838号公報、特開平6−234839号公報、特開平
6−295077号公報、特開平7−325409号公
報、特開平9−297419号公報、特開平9−807
83号公報、特開平9−80784号公報、特開平9−
80772号公報、特開平9−265201号公報等に
記載の化合物が例示される。
【0108】以下、図面に沿って本発明を説明する。図
1は本発明の電子写真用感光体の模式断面図であり、導
電性基体上に電荷発生層(CGL)、電荷輸送層(CT
L)を設けた構成のものである。図2は本発明の他の電
子写真用感光体構成例を示すものであり、図2は導電性
支持体と電荷発生層の間に下引き層を入れたものであ
る。なお、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層を
少なくとも有していれば、上記のその他の層等を、任意
に組み合わされていても構わない。
【0109】本発明において電子写真用感光体に使用さ
れる導電性支持体としては、導電体あるいは導電処理を
した絶縁体、例えばAl、Fe、Cu、Auなどの金属
あるいはそれらの合金の他、ポリエステル、ポリカーボ
ネート、ポリイミド、ガラス等の絶縁性基体上にAl、
Ag、Au等の金属あるいはIn23、SnO2等の導
電材料の薄膜を形成したもの、導電処理をした紙等が使
用できる。導電性支持体の形状は特に制約はなく板状、
ドラム状あるいはベルト状のいずれのものも使用でき
る。
【0110】導電性支持体と感光層との間に設けられる
下引き層は、接着性を向上する、モアレなどを防止す
る、上層の塗工性を改良する、残留電位を低減するなど
の目的で設けられる。下引き層は一般に樹脂を主成分と
するが、これらの樹脂はその上に感光層を、溶剤を用い
て塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐
溶解性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹
脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリア
クリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、
メトキシメチル化ナイロン、等のアルコール可溶性樹
脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミ
ン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬
化型樹脂などが挙げられる。また、酸化チタン、シリ
カ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化イン
ジウム等で例示できる金属酸化物、あるいは金属硫化
物、金属窒化物などの微粉末を加えてもよい。これらの
下引き層は、適当な溶媒、塗工法を用いて形成すること
ができる。
【0111】更に本発明の下引き層として、シランカッ
プリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリン
グ剤等を使用して、例えばゾル−ゲル法等により形成し
た金属酸化物層も有用である。
【0112】この他に、本発明の下引き層にはAl23
を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パ
リレン)等の有機物や、SiO、SnO2、TiO2、I
TO、CeO2等の無機物を真空薄膜作製法にて設けた
ものも良好に使用できる。下引き層の膜厚は0〜5μm
が適当である。
【0113】この導電性支持体に下引き層を介して設け
られる感光層の種類は前述したSe系、OPC系等のい
ずれもが適用できる。これらのうちOPC系について以
下に簡単に説明する。
【0114】本発明における感光層は、電荷発生層、電
荷輸送層を積層した構成を有する。はじめに、電荷発生
層について説明する。電荷発生層は、電荷発生物質を主
成分とする層で、必要に応じてバインダ−樹脂を用いる
こともある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機
系材料を用いることができる。
【0115】無機系材料には、結晶セレン、アモルファ
ス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲ
ン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等
が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダ
ングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でタ−ミネ
−トしたものや、ホウ素原子、リン原子等をド−プした
ものが良好に用いられる。
【0116】一方、有機系材料としては、公知の材料を
用いることが出来る。例えば、金属フタロシアニン、無
金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズ
レニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバ
ゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格
を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ
顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フル
オレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾ−ル骨格
を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔
料、ジスチリルオキサジアゾ−ル骨格を有するアゾ顔
料、ジスチリルカルバゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ペ
リレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔
料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフ
ェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系
顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系
顔料、ビスベンズイミダゾ−ル系顔料などが挙げられ
る。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混
合物として用いることが出来る。
【0117】電荷発生層に必要に応じて用いられるバイ
ンダ−樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポ
キシ樹脂、ポリケトン、ポリカ−ボネ−ト、シリコ−ン
樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラ−ル、ポリビニ
ルホルマ−ル、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ
−N−ビニルカルバゾ−ル、ポリアクリルアミドなどが
用いられる。これらのバインダ−樹脂は、単独または2
種以上の混合物として用いることが出来る。
【0118】また、必要に応じて低分子電荷輸送物質を
添加してもよい。。また、電荷発生層のバインダー樹脂
として上述のバインダー樹脂の他に、先に記した一般式
1〜6の高分子電荷輸送物質が良好に用いられるが、そ
の他の高分子電荷輸送物質として以下のものが挙げられ
る。
【0119】(a)主鎖および/または側鎖にカルバゾ
−ル環を有する重合体 例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾ−ル、特開昭50−
82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開
昭54−11737号公報、特開平4−183719号
公報に記載の化合物等が例示される。
【0120】(b)主鎖および/または側鎖にヒドラゾ
ン構造を有する重合体 例えば、特開昭57−78402号公報、特開平3−5
0555号公報に記載の化合物等が例示される。
【0121】(c)ポリシリレン重合体 例えば、特開昭63−285552号公報、特開平5−
19497号公報、特開平5−70595号公報に記載
の化合物等が例示される。
【0122】(d)主鎖および/または側鎖に第3級ア
ミン構造を有する重合体 例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−ア
ミノポリスチレン、特開平1−13061号公報、特開
平1−19049号公報、特開平1−1728号公報、
特開平1−105260号公報、特開平2−16733
5号公報、特開平5−66598号公報、特開平5−4
0350号公報に記載の化合物等が例示される。
【0123】(e)その他の重合体 例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特
開昭51−73888号公報、特開昭56−15074
9号公報に記載の化合物等が例示される。
【0124】本発明に使用される電子供与性基を有する
重合体は、上記重合体だけでなく、公知単量体の共重合
体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スタ−ポリマ
−や、また、例えば特開平3−109406号公報に開
示されているような電子供与性基を有する架橋重合体等
を用いることも可能である。更に、必要に応じて低分子
電荷輸送物質を添加してもよい。電荷発生層に併用でき
る低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物
質とがある。
【0125】電子輸送物質としては、たとえばクロルア
ニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシ
アノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フル
オレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオ
レノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、
2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−
トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン
−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン
−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げら
れる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の
混合物として用いることが出来る。
【0126】正孔輸送物質としては、以下に表わされる
電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。たとえ
ば、オキサゾ−ル誘導体、オキサジアゾ−ル誘導体、イ
ミダゾ−ル誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−
(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1
−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、
スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニル
ヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾ
−ル誘導体、トリアゾ−ル誘導体、フェナジン誘導体、
アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダ
ゾ−ル誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。こ
れらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物と
して用いることが出来る。
【0127】電荷発生層を形成する方法には、真空薄膜
作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが大きく
挙げられる。前者の方法には、真空蒸着法、グロ−放電
重合法、イオンプレ−ティング法、スパッタリング法、
反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述
した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
【0128】また、後述のキャスティング法によって電
荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系
電荷発生物質を必要ならばバインダ−樹脂と共にテトラ
ヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ブタノ
ン等の溶媒を用いてボ−ルミル、アトライタ−、サンド
ミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布する
ことにより、形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレ
−コ−ト、ビ−ドコ−ト法などを用いて行なうことがで
きる。
【0129】以上のようにして設けられる電荷発生層の
膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましく
は0.05〜2μmである。
【0130】電荷輸送層は帯電電荷を保持させ、かつ露
光により電荷発生層で発生分離した電荷を移動させて保
持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層で
ある。帯電電荷を保持させる目的達成のために電気抵抗
が高いことが要求され、また保持していた帯電電荷で高
い表面電位を得る目的を達成するためには、誘電率が小
さくかつ電荷移動性が良いことが要求される。
【0131】次に、電荷輸送層について説明する。電荷
輸送層は、高分子電荷輸送物質を主成分とする層であ
り、高分子電荷輸送物質を、トルエンを含有する溶媒に
溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形
成できる。本塗工溶媒は、塗工溶媒中に、トルエンが含
有されていればよく、トルエン以外の脱ハロゲン化溶媒
と混合されていてもかまわない。好ましくは、溶媒中の
トルエンの含有率が、90wt%以上が良好であり、ま
た、トルエンと他の溶媒と混合する場合は、トルエン
(沸点110.6℃)よりも沸点が低いものが、良好で
ある。トルエンと混合できる溶媒として、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、キシレン、トルエン、メチルエチ
ルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
【0132】高分子電荷輸送物質は先述の公知材料を用
いることができるが、前記高分子電荷輸送物質が本発明
の目的を達成するために特に一般式1〜6の高分子電荷
輸送物質が良好に使用される。また、必要により高分子
電荷輸送物質以外に適当なバインダー樹脂、低分子電荷
輸送物質、可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等を適量
添加することもできる。
【0133】電荷輸送層に併用できるバインダ−樹脂と
しては、ポリカ−ボネ−ト(ビスフェノ−ルAタイプ、
ビスフェノ−ルZタイプ)、ポリエステル、メタクリル
樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、塩化ビニル、酢酸
ビニル、ポリスチレン、フェノ−ル樹脂、エポキシ樹
脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、アルキッド樹
脂、シリコン樹脂、ポリビニルカルバゾ−ル、ポリビニ
ルブチラ−ル、ポリビニルホルマ−ル、ポリアクリレ−
ト、ポリアクリルアミド、フェノキシ樹脂などが用いら
れる。これらのバインダ−は、単独または2種以上の混
合物として用いることが出来る。
【0134】電荷輸送層に併用できる低分子電荷輸送物
質は、電荷発生層の説明に記載したものと同じものを用
いることができる。電荷輸送層の膜厚は、5〜100μ
m程度が適当であり、好ましくは、10〜22μm程度
が適当である。
【0135】本発明における電荷輸送層中に、ゴム、プ
ラスチック、油脂類などに用いられる他の酸化防止剤を
添加していてもかまわない。
【0136】また、本発明においては、耐環境性の改善
のため、とりわけ、感度低下、帯電性低下を防止する目
的で、電荷輸送層中に可塑剤を添加することができる。
可塑剤は、有機物を含む層ならばいずれに添加してもよ
いが、電荷輸送層に添加すると良好な結果が得られる。
【0137】電荷輸送層中にレベリング剤を添加しても
かまわない。レベリング剤としては、ジメチルシリコー
ンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコ
ーンオイル類や、測鎖にパーフルオロアルキル基を有す
るポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量
は、バインダー樹脂100重量部に対して、0〜1重量
部が適当である。
【0138】本発明の感光体は、一般的な電子写真プロ
セスに用いることが出来る。次に本発明の電子写真プロ
セスの例である電子写真プロセスカートリッジを説明す
る。プロセスカートリッジは、帯電部、現像部、クリー
ニング部等のユニットが、一体構成となっているもの
で、取り付け、取り外しなどが、簡便となる。図3は、
その電子写真プロセスカートリッジの一例である。この
模式断面図の説明に沿って、本発明の電子写真プロセス
を説明する。
【0139】図中11は本発明の電子写真用感光体であ
る。まず帯電ローラーにより、感光体は、帯電する。感
光体が帯電された後、イメージ露光13を受け、露光さ
れた部分で、電荷が発生し、感光体表面に静電潜像が形
成される。感光体表面に静電潜像を形成した後、現像ロ
ーラー14を介して現像剤と接触し、トナー像を形成す
る。感光体表面に形成されたトナー像は、転写ローラー
16により紙などの転写部材15へ転写され、定着ユニ
ット19を通過してハードコピーとなる。電子写真用感
光体11上の残留トナーはクリーニングユニット17に
より除去され、残留電荷は除電ランプ18で除かれて、
次の電子写真サイクルに移る。
【0140】本画像形成方法及び感光体を用いる電子写
真プロセスは、上記一例に限定されるものではなく、少
なくとも、帯電及び露光により、静電潜像を形成するプ
ロセスであれば、どのようなものであってもかまわな
い。
【0141】
【発明の実施の形態】以下本発明を実施例により説明す
るが、これにより本発明の態様が限定されるものではな
い。部はいずれも重量基準である。
【0142】実施例1 Al製支持体(外径30mmΦ)に、乾燥後の膜厚が
3.5μmになるように浸漬法で塗工し、下引き層を形
成した。 〔下引き層用塗工液〕 アルキッド樹脂 6部 メラミン樹脂 4部 酸化チタン 40部 メチルエチルケトン 200部 この下引き層上に下記構造の顔料を含む電荷発生層塗工
液に浸漬塗工し、130℃で10分間乾燥させ、電荷発
生層を形成した。 〔電荷発生層用塗工液〕 オキソチタニウムフタロシアニン 5部 ポリビニルブチラール 2部 メチルエチルケトン 80部 この電荷発生層上に下記構造の低分子電荷輸送物質を含
む電荷輸送層用塗工液に浸積塗工し、130℃で、20
分間乾燥させ、電荷輸送層とした。膜厚は、25μmと
した。 〔電荷輸送層用塗工液〕 下記構造の高分子電荷輸送物質 15部
【0143】
【化26】 トルエン 100部
【0144】実施例2 電荷輸送層の高分子電荷輸送物質を下記構造の電荷輸送
物質とすること以外は全て実施例1と同様にして作製し
た。
【0145】
【化27】
【0146】実施例3 電荷輸送層の高分子電荷輸送物質を下記構造の電荷輸送
物質とすること以外は全て実施例1と同様にして作製し
た。
【0147】
【化28】
【0148】実施例4 電荷輸送層の高分子電荷輸送物質を下記構造の電荷輸送
物質とすること以外は全て実施例1と同様にして作製し
た。
【0149】
【化29】
【0150】実施例5 電荷輸送層の高分子電荷輸送物質を下記構造の電荷輸送
物質とすること以外は全て実施例1と同様にして作製し
た。
【0151】
【化30】
【0152】実施例6 電荷輸送層の高分子電荷輸送物質を下記構造の電荷輸送
物質とすること以外は全て実施例1と同様にして作製し
た。
【0153】
【化31】
【0154】実施例7 電荷輸送層の高分子電荷輸送物質を下記構造の電荷輸送
物質とすること以外は全て実施例1と同様にして作製し
た。
【0155】
【化32】
【0156】実施例8 電荷輸送層の高分子電荷輸送物質を下記構造の電荷輸送
物質とすること以外は全て実施例1と同様にして作製し
た。
【0157】
【化33】
【0158】実施例9 電荷輸送層の高分子電荷輸送物質を下記構造の電荷輸送
物質とすること以外は全て実施例1と同様にして作製し
た。
【0159】
【化34】
【0160】実施例10 電荷輸送層の高分子電荷輸送物質を下記構造の電荷輸送
物質とすること以外は全て実施例1と同様にして作製し
た。
【0161】
【化35】
【0162】実施例11 電荷輸送層膜厚を21μmとすること以外は、全て実施
例1と同様にして作製した。
【0163】実施例12 電荷輸送層膜厚を15μmとすること以外は、全て実施
例1と同様にして作製した。
【0164】実施例13 電荷輸送層膜厚を11μmとすること以外は、全て実施
例1と同様にして作製した。
【0165】実施例14 電荷輸送層膜厚を9μmとすること以外は、全て実施例
1と同様にして作製した。
【0166】実施例15 電荷輸送層膜厚を32μmとすること以外は、全て実施
例1と同様にして作製した。
【0167】実施例16 電荷輸送層膜厚を16μmとすること以外は、全て実施
例1と同様にして作製した。
【0168】実施例17 電荷発生用塗工液の顔料を下記構造のものにすること以
外は、全て実施例1と同じにして作製した。
【0169】
【化36】
【0170】実施例18 実施例6で用いた高分子電荷輸送物質を用いて、電荷輸
送層塗工液の塗工溶媒をトルエン(80部)とテトラヒ
ドロフラン(20部)とすること以外は、全て実施例1
と同じにして作製した。
【0171】実施例19 実施例6で用いた高分子電荷輸送物質を用いて、電荷輸
送層塗工液の塗工溶媒をトルエン(85部)とテトラヒ
ドロフラン(15部)とすること以外は、全て実施例1
と同じにして作製した。
【0172】実施例20 実施例6で用いた高分子電荷輸送物質を用いて、電荷輸
送層塗工液の塗工溶媒をトルエン(95部)とテトラヒ
ドロフラン(5部)とすること以外は、全て実施例1と
同じにして作製した。 (テトラヒドロフランの沸点…66℃)
【0173】実施例21 実施例6で用いた高分子電荷輸送物質を用いて、電荷輸
送層塗工液の塗工溶媒をトルエン(95部)とm−キシ
レン(5部)とすること以外は、全て実施例1と同じに
して作製した。 (m−キシレンの沸点…139℃)
【0174】実施例22 実施例1の電荷輸送層の乾燥温度110℃にすること以
外は、全て実施例1と同じにして作製した。
【0175】比較例1 電荷輸送層の塗工液を下記構成のものにすること以外
は、全て実施例1と同じにして作製した。 ビスフェーノルA型ポリカーボネート(帝人:パンライトC1400) 10部 下記構造の低分子電荷輸送物質 7部
【0176】
【化37】 トルエン 100部
【0177】比較例2 電荷輸送層用塗工液の塗工溶媒をテトラヒドロフランに
すること以外は、全て実施例1と同様にして作製した。
【0178】比較例3 電荷輸送層用塗工液の塗工溶媒を1,4−ジオキサンに
すること以外は、全て実施例1と同様にして、作製し
た。
【0179】比較例4 電荷輸送層用塗工液の塗工溶媒をm−キシレンにするこ
と以外は、全て実施例1と同様にして、作製した。
【0180】(評価1)実施例1〜22、比較例1〜4
の感光体を、市販複写機イマジオMF2200で、5万
枚通紙試験(A4)を行った。その時の膜厚減少量及び
機内電位変動を調査した。結果、表1に示す。(初期帯
電電位−600V)
【0181】
【表1】
【0182】(評価2)実施例1、11〜14の感光体
を、市販複写機イマジオMF2200で、3万枚通紙試
験(A4)を行った。その時の膜厚減少量、画像特性を
評価した。結果、表2に示す。(初期帯電電位−600
V)
【0183】
【表2】 地肌汚れ…白画像上の地肌汚れを目視で評価した。 3 → 発生せず 2 → 僅かに発生した 1 → 画像全面に発生した 細線再現性 … 1200dpi、200lpi、1ド
ットラインの格子線画像を作製し、顕微鏡像及び目視に
て、評価を行った。 3 → 再現性良好 2 → 部分的に再現性低下 1 → 全体的に再現性低下
【0184】(評価3)実施例1、17の感光体を、市
販複写機イマジオMF2200を用いて、3万枚通紙試
験(A4)を行った。その時の膜厚減少量、光感度を評
価した。結果、表3に示す。(初期帯電電位−600
V)
【0185】
【表3】
【0186】(評価4)実施例15、16の感光体を、
市販複写機MF2200を用いて、感光体の初期帯電電
位を−800V、−600V、−350Vの3水準で、
5万枚通紙試験を行った。その時の膜厚減少量、画像特
性を評価した。結果、表4に示す。
【0187】
【表4】 初期における実施例15の感光体において、帯電電位−
350Vの時、画像ブトリが発生した。
【0188】(評価5)実施例12の感光体を用いて、
市販複写機イマジオMF2200を用いて、4万枚通紙
試験(A4)を行った。その時の膜厚減少量、画像特性
(ドット再現性)を評価した。結果、表5に示す。(初
期帯電電位−600V)
【0189】
【表5】 ドット再現性 … ハーフトーン画像の顕微鏡像を評価
した。 3 → 再現性良好 2 → 部分的に再現性低下 1 → 全体的に再現性低下
【0190】(評価6)実施例20、21の感光体の上
端部から5cmの部分と下端部から5cmの部分の膜厚
を測定した。結果を以下に示す。 実施例20 … 上端部24.8μm、下端部25.3μm 実施例21 … 上端部19.2μm、下端部29.7μm
【0191】(評価7)実施例1と22の感光体の電荷
輸送層残留溶媒量をガスクロマトにより、測定した。結
果を以下に示す。 実施例1 … 6000ppm 実施例22 … 9000ppm
【0192】
【発明の効果】本発明によれば、導電性支持体上に少な
くとも電荷発生層、高分子電荷輸送物質から構成される
電荷輸送層を順次積層した構成を有する電子写真感光体
において、該電荷輸送層用塗工液溶媒として、トルエン
を用いることを特徴とする電子写真感光体とすることに
より、脱ハロゲン化溶媒を用い、感光体を作製し、且つ
長期的な使用における機内電位変動が少ない画像形成方
法を提供できることが、明らかとなった。
【0193】また電荷輸送層用塗工液において、塗工溶
媒中のトルエンの含有率が、90wt%以上であること
を特徴とする電荷輸送層用塗工液とすることにより、さ
らに機内電位変動の少ない画像形成方法が、提供できる
ことが明らかとなった。
【0194】また電荷輸送層用塗工液において、塗工溶
媒中のトルエンの含有率が、90wt%以上であり、か
つトルエンと混合する溶媒が、トルエンよりも低沸点で
あることを特徴とする電荷輸送層用塗工液とすることに
より、電荷輸送層塗工時の膜厚ムラを少なく出来ること
が明らかとなった。
【0195】請求項1記載の電子写真感光体おいて、該
電荷輸送層中に残留するトルエン量が、8000ppm
以下であることを特徴とする電子写真感光体とすること
により、機内電位変動が少なく、摩耗特性も向上した画
像形成方法を提供できることが明らかとなった。
【0196】また、感光層膜厚、感光体の使用時の電界
強度、電荷発生層に含有されている顔料を規定すること
により、さらに画像特性が向上した感光体を提供できる
ことが明らかとなった。
【0197】また帯電方法を接触帯電とすることによ
り、オゾン、NOx等の発生量を抑え、長期的に安定し
たが造形製を行うことが出来ることが明らかとなった。
【0198】またデジタル的ドット潜像を形成する方法
を用い、さらに該画像信号のビーム径(レーザービーム
がガウス分布しているときの半値幅、1/e)が、6
0μm以下であることを特徴とする画像形成方法とする
ことにより、微細ドット再現性が向上した画像形成を行
うことが出来る。
【0199】また、高分子電荷輸送物質の構造を規定す
ることにより、さらに、耐摩耗性の向上した電子写真感
光体を提供できることが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子写真用感光体の層構成の一例
を示す模式断面図である。
【図2】本発明に係る電子写真用感光体の層構成の一例
を示す模式断面図である。
【図3】本発明に係る接触帯電装置を用いた電子写真プ
ロセスの例を示す模式断面図である。
【符号の説明】 11…電子写真用感光体 12…帯電装置 13…イメージ露光 14…現像ローラー 15…転写部材 16…転写ローラー 17…クリーニングユニット 18…除電ランプ 19…定着ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗本 鋭司 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H003 AA18 BB11 CC05 2H068 AA13 AA20 AA28 AA37 BA12 BB14 BB23 BB25 BB29 BB33 BB44 BB52 BB53 EA14 FA03 FA27 FB07 FB08 2H076 AB09

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生
    層、高分子電荷輸送物質から構成される電荷輸送層を順
    次積層した構成を有する電子写真感光体において、該電
    荷輸送層用塗工液溶媒として、トルエンを用いることを
    特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電荷輸送層用塗工液にお
    いて、塗工溶媒中のトルエンの含有率が、90wt%以
    上であることを特徴とする電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の電荷輸送層用塗工
    液において、トルエンと混合する溶媒が、ハロゲンを含
    まず、かつトルエンよりも低沸点であることを特徴とす
    る電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の電子写
    真感光体おいて、該電荷輸送層中に残留するトルエン量
    が、8000ppm以下であることを特徴とする電子写
    真感光体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の電子写
    真感光体において、該電荷発生層中に、フタロシアニン
    骨格を有する顔料を含有することを特徴とする電子写真
    感光体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の電子写
    真感光体において、高分子電荷輸送物質がポリカーボネ
    ート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテルの少
    なくともいずれか1つの重合体であることを特徴とする
    電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の電子写
    真感光体において、高分子電荷輸送物質がトリアリール
    アミン構造を有する高分子化合物であることを特徴とす
    る電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の電子写
    真感光体において、高分子電荷輸送物質がトリアリール
    アミン構造を有するポリカーボネートであることを特徴
    とする電子写真感光体。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の電子写
    真感光体において、該高分子電荷輸送物質がトリアリー
    ルアミン構造を分岐鎖に有するポリカーボネートである
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の電子
    写真感光体において、該高分子電荷輸送物質が、下記一
    般式1で表されるトリアリールアミン構造を分岐鎖に有
    するポリカーボネートであることを特徴とする電子写真
    感光体。 【化1】 式中、R1,R2,R3 はそれぞれ独立して置換もしくは
    無置換のアルキル基又はハロゲン原子、R4は水素原子
    又は置換もしくは無置換のアルキル基、R5 ,R6は置
    換もしくは無置換のアリール基、o,p,qはそれぞれ
    独立して0〜4の整数、k,jは組成を表し、0.1≦
    k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表し5
    〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂
    肪族の2価基、または下記一般式で表される2価基を表
    す。 【化2】 式中、R101,R102 は各々独立して置換もしくは無置
    換のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表
    す。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1
    〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、
    −O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−
    CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を
    表す。)または、 【化3】 (式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整
    数、R103、R104は置換または無置換のアルキル基又は
    アリール基を表す。)を表す。ここで、 R101
    102,R103とR104は、それぞれ同一でも異なっても
    よい。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載の電
    子写真感光体において、該高分子電荷輸送物質が、下記
    一般式2で表されるトリアリールアミン構造を分岐鎖に
    有するポリカーボネートであることを特徴とする電子写
    真感光体。 【化4】 式中、R7、R8は置換もしくは無置換のアリール基、A
    1、Ar2、Ar3は同一又は異なるアリレン基を表
    す。 X、k、jおよびnは、一般式1の場合と同じで
    ある。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかに記載の電
    子写真感光体において、該高分子電荷輸送物質が、下記
    一般式3で表されるトリアリールアミン構造を分岐鎖に
    有するポリカーボネートであることを特徴とする電子写
    真感光体。 【化5】 式中、R9、R10は置換もしくは無置換のアリール基、
    Ar4、Ar5、Ar6は同一又は異なるアリレン基を表
    す。 X、k、jおよびnは、一般式1の場合と同じで
    ある。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかに記載の電
    子写真感光体において、該高分子電荷輸送物質が、下記
    一般式4で表されるトリアリールアミン構造を分岐鎖に
    有するポリカーボネートであることを特徴とする電子写
    真感光体。 【化6】 式中、R11、R12は置換もしくは無置換のアリール基、
    Ar7、Ar8、Ar9は同一又は異なるアリレン基、s
    は1〜5の整数を表す。 X、k、jおよびnは、一般
    式1の場合と同じである。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれかに記載の電
    子写真感光体において、該高分子電荷輸送物質が、下記
    一般式5で表されるトリアリールアミン構造を分岐鎖に
    有するポリカーボネートであることを特徴とする電子写
    真感光体。 【化7】 式中、R15、R16、R17、R18は置換もしくは無置換の
    アリール基、Ar13、Ar14、Ar15、Ar16は同一又
    は異なるアリレン基、 Y1、Y2、Y3は単結合、置換も
    しくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシ
    クロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエ
    ーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表し、同
    一であっても異なってもよい。 X、k、jおよびn
    は、一般式1の場合と同じである。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれかに記載の電
    子写真感光体において、上記高分子電荷輸送物質が、下
    記一般式6で表されるトリアリールアミン構造を分岐鎖
    に有するポリカーボネートであることを特徴とする電子
    写真感光体。 【化8】 式中、R22、R23、R24、R25は置換もしくは無置換の
    アリール基、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、Ar28
    は同一又は異なるアリレン基を表す。 X、k、jおよ
    びnは、一般式1の場合と同じである。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれかに記載の電
    子写真感光体において、該電荷輸送層膜厚が、10μm
    以上22μm以下であることを特徴とする電子写真感光
    体。
  17. 【請求項17】 請求項1〜16のいずれかに記載の電
    子写真感光体を用いる画像形成方法において、該感光体
    の電荷輸送層膜厚をD(μm)、帯電による感光体の表
    面電位の絶対値をV(V)としたとき、12≦電界強度
    V/D≦40(V/μm)とすることを特徴とする画像
    形成方法。
  18. 【請求項18】 請求項1〜16のいずれかに記載の電
    子写真感光体を用いて、少なくとも帯電、露光、現像す
    ることにより画像形成を行う方法において、帯電方法が
    接触帯電方法であることを特徴とする画像形成方法。
  19. 【請求項19】 請求項1〜16のいずれかに記載の電
    子写真感光体を用いて、少なくとも帯電、露光、現像す
    ることにより画像形成を行う方法において、画像信号
    が、光スポットのON/OFFにより、感光体上にデジ
    タル的ドット潜像を形成する方法を用い、さらに該画像
    信号のビーム径が、60μm以下であることを特徴とす
    る画像形成方法。
  20. 【請求項20】 請求項1〜16のいずれかに記載の電
    子写真感光体を用いることを特徴とする電子写真用カー
    トリッジ。
  21. 【請求項21】 請求項1〜16のいずれかに記載の電
    子写真感光体を用いることを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004029489A (ja) * 2002-06-27 2004-01-29 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2004093809A (ja) * 2002-08-30 2004-03-25 Canon Inc 電子写真感光体
JP2006189802A (ja) * 2004-12-09 2006-07-20 Ricoh Co Ltd フルカラー電子写真装置
JP2011070023A (ja) * 2009-09-25 2011-04-07 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ、および画像形成装置。

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JP2011070023A (ja) * 2009-09-25 2011-04-07 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ、および画像形成装置。

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