JP2006189802A - フルカラー電子写真装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高耐久で繰り返し使用に対しても品質の安定したフルカラー画像が形成可能で、かつ低コストな高速フルカラー用電子写真装置を提供すること。
【解決手段】少なくとも感光体と、該感光体の表面を一様に帯電する帯電装置と、一様帯電後に像露光を行ない静電潜像を形成する像露光装置と、前記静電潜像にトナーを現像する現像装置とを具備してなる画像形成要素を複数配列したフルカラー電子写真装置において、前記帯電装置が非接触の近接ローラ帯電装置により帯電を行なうとともに前記感光体の感光層の膜厚をD(μm)、帯電による感光層の表面電位の絶対値をV(V)としたときの電界強度〔V/D〕が、15(V/μm)≦〔V/D〕≦25(V/μm)であり、且つそれぞれの画像形成要素の各感光体間における電界強度差の絶対値の最大値が2(V/μm)以下であり、且つ前記感光体の全面露光時における表面電位の絶対値が80V以下であることを特徴とするフルカラー電子写真装置。
【選択図】図2

Description

本発明は電子写真感光体と電子写真方式で画像を形成する電子写真装置に関する。本発明の電子写真感光体と電子写真装置は、複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ、ダイレクトデジタル製版機等に応用される。
複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ、ダイレクトデジタル製版機等に応用されている電子写真用感光体を用いた電子写真方法とは、少なくとも電子写真用感光体に一次帯電、画像露光、現像の過程を経た後、画像保持体(転写紙)へのトナー画像の転写、定着及び電子写真用感光体表面のクリーニングというプロセスよりなる方法である。
電子写真方式を利用したフルカラー画像形成装置としては、一般的には2つの方式が知られている。1つはシングル方式あるいはシングルドラム方式呼ばれるものであり、装置中に1つの電子写真感光体が搭載され、4色の現像部材が搭載されたものである。この方式においては、感光体上もしくは被転写部材(出力用の紙に直接、あるいは中間転写体に一旦転写され、その後に紙に転写される)に4色(シアン、マゼンタ、イエローおよびブラック)のトナー像が形成される。この場合、感光体の周りに配置される帯電部材、露光部材、転写部材、クリーニング部材、定着部材は共通化することが可能で、後述のタンデム方式に比べ、小型で、低コストに設計することが可能である。
一方、もう1つの方式としてタンデム方式あるいはタンデムドラム方式と呼ばれるものがある。これは、少なくとも装置中に複数の電子写真感光体が搭載されたものである。一般的には、1本のドラムに対し、帯電、露光、現像、クリーニングの各部材が1つずつ配置されて1つの電子写真要素(画像形成要素)を形成し、これが複数個(一般的には4つ)搭載されている。この方式においては、1つの電子写真要素で1色のトナー像を形成し、順次、被転写体にトナー像を転写し、フルカラー像を形成する。この方式のメリットは、第1に高速画像形成が可能であることが挙げられる。これは上述のように、各色のトナー像を並列処理にて作製できるためである。このため、シングル方式に比べ、画像形成処理時間がおよそ4分の1の時間で済み、4倍の高速プリントに対応が可能になる。第2のメリットは、感光体をはじめとする前記電子写真要素中に具備された各部材の耐久性を実質的に高められると言うことである。これは、シングル方式においては、1本の感光体で4回の帯電、露光、現像の各工程を行ない、1つのフルカラー像を形成するのに対し、タンデム方式では上記動作を1本で1回しか行なわないからである。
ところが、装置全体が大きくなってしまい、またコストが高いものになってしまうというデメリットとともに、精密な色合わせが難しく各画像形成要素で作成された像を重ね合わせたときの色調の変化が起きやすいという問題があった。
装置全体が大きくなる点に関しては、感光体を小径化し、感光体周りに設置される各部材を小型化し、1つの電子写真要素を小さくすることで対応が行なわれてきた。これにより、装置の小型化のみならず材料費の低減といった効果も生じ、装置全体としての低コスト化も多少進んだ。しかしながら、装置のコンパクト化・小型化に伴い、電子写真要素に搭載された感光体を含めた各部材の耐久性を上げなければならないという、新しい課題も新たに発生した。
またタンデム方式のフルカラー電子写真装置の場合、使用するユーザーの出力する色の割合により特定の色が多くなる場合が一般に多く、各感光体の使用状況が一様にならないという問題が生じる場合がある。このような場合、繰返し使用時において、多く出力した色の画像形成要素に用いた感光体と、そうでない感光体とで摩耗量差、もしくは静電的な疲労差に起因する光減衰特性に差が生じてしまう。このように各感光体間で光減衰特性に差が生じてしまうと各画像形成要素間で作像された像を重ね合わせフルカラー画像を出力した場合の色調に変化が生じてしまうという問題が生じる。
これらの問題点が生じた場合は、特許文献1〜4に記載されているように各画像形成要素における感光体表面電位の値を検知し、この電位データから露光光源、たとえばLD(レーザーダイオード)などの出力条件を変化させることにより各感光体間の光減衰曲線を揃え、最終的な出力画像の色調に変化を抑制する方法が試みられている。
しかしながらこのような手段を用いるには各画像形成要素にそれぞれ電位センサ及び付随する回路、制御ソフトなどを必要とし装置が複雑化し、また部品点数の増加等によりコスト上昇につながるという副作用が生じる。
また、部品点数増加によるコスト上昇を避けるため、予め感光体の回転数に伴い露光光源、たとえばLDなどの出力条件を変化させる制御機構を用いることにより各感光体間の光減衰曲線を揃え、最終的な出力画像の色調に変化を抑制する方法が試みられている。
このような手段を講じたりすることによって、或る程度改善は可能である。しかしながら、それぞれに一長一短があり、簡易的な手段で繰返し使用後において色調変化を起こさずに高耐久化を図ることは非常に困難であった。
特開平5−153397号公報 特開平5−188707号公報 特開平7−43965号公報 特開平7−92755号公報
本発明の目的は、高耐久で繰り返し使用に対しても品質の安定したフルカラー画像が形成可能で、かつ低コストな高速フルカラー用電子写真装置を提供することにある。
前記の従来行なわれてきた結果を踏まえ検討を重ねた結果、高速フルカラー対応の高画質で高耐久な電子写真装置を満足するためには、以下の条件が必要不可欠であることが分かった。
まず高速対応とするためには、各色毎に電子写真要素を形成しこれを複数個配列した、いわゆるタンデム型電子写真装置(画像形成装置)であることが必須で、これを高画質化するためには、各電子写真要素(画像形成要素)における感光体にかかる電界強度を特定の範囲とし、且つ各感光体間の電界強度の差を特定の範囲とすることで長期にわたる繰返し使用においても色調変化の無い高画質なフルカラー電子写真装置を得るに至った。
また、この際帯電装置を非接触でありながら近接配置されたローラ帯電装置にて帯電を行なうことが繰り返し使用時のローラ汚れに起因する異常画像を抑制するとともに電界強度を経時においても安定に保つことがわかった。
この場合の電界強度は、帯電装置により帯電された感光体の感光層の単位膜厚あたりにかかかる電位差で表わされる。
電界強度が高くなると静電的なコントラスト電位は得られやすいものの、繰り返し使用時において地肌部(白部)が汚れてくる所謂地肌汚れが生じやすくなり、また繰返し使用時においては暗減衰の増加、及び露光部電位の上昇などが生じやすくなる。
そこで感光体の感光層の膜厚をD(μm)、帯電による感光層の表面電位の絶対値をV(V)としたときの電界強度〔V/D〕を15(V/μm)≦〔V/D〕≦25(V/μm)という特定の範囲に設定し、且つ各感光体の電界強度〔V/D〕の差を2(V/μm)以下とすることで、長期にわたる繰返し使用においても色調変化の抑制が飛躍的に向上することを見いだした。また上記電界強度で十分な静電コントラストを有する潜像を得るには感光体の全面露光時における表面電位の絶対値を80V以下とすることではじめて所望の特性を得ることが可能となることが判明した。全面露光時における表面電位の絶対値が80Vを超える場合、十分な静電コントラストが得られずに現像後に得られる画像の階調性が低下する場合がみられるのである。
電界強度〔V/D〕を15(V/μm)未満にすると電位差の不足から静電コントラストが十分に得られなくなり階調性が低下し始める。また25(V/μm)より大きくすると繰返し使用時において感光体の光減衰特性に変化が生じる。
また、各画像形成装置における電界強度〔V/D〕を15(V/μm)〜25(V/μm)の範囲に設定したとしても各感光体間における電界強度差により光減衰特性が変わるため、画像形成後の出力画像の色調に差が生じる。この問題については各感光体間における電界強度差の絶対値の最大値を2(V/μm)以内に設定することで回避可能となる。画像形成要素を複数配列したいわゆるタンデム機構においては、各画像形成要素で形成された像を重ねて一つのカラー画像を得るため、たとえ各感光体の電界強度〔V/D〕を15(V/μm)〜25(V/μm)の範囲に設定したとしてもその電界強度の差の最大値が2(V/μm)を超えてしまうと色重ね時に色調に変化をきたす可能性があるからである。
すなわち各画像形成装置における電界強度〔V/D〕の絶対値を15(V/μm)〜25(V/μm)の範囲に設定し、且つ各感光体間における電界強度差の絶対値の最大値を2(V/μm)以内にし、且つ感光体の全面露光時における表面電位の絶対値を80V以下とすることが必須となる。この電界強度は従来の一般の電子写真装置にはみられない非常に低い値であるが露光部の電位を低く抑えることで可能となるのである。
また繰り返し使用時において所望の電界強度を維持するには帯電装置を非接触の近接ローラ帯電装置を用いることが必要となることも判明した。ローラ帯電装置は従来のコロトロン、スコロトロンなどの帯電装置に比べ放電時のオゾン発生が少ないが、ローラの付着物、例えば紙紛、転写残トナーなどが付着しそれが転写紙に移り異常画像になる場合がみられた。そこで非接触の近接配置(感光体表面との間隙は凡そ20〜50μmが好ましい)とすることでこれを回避することが可能となり、またローラの汚れも少ないことから常に所望の帯電電位を得ることが可能となり、繰り返し使用時においても安定な電界強度を得ることが可能となるのである。すなわち上記の要素を全て満たすことによりはじめて長期の繰り返しにおいても色ズレなどの異常画像の無い、高品質な画像を得ることが可能となる。
また電界強度を上記の範囲に設定するために各感光体の感光層膜厚を28μm以上にすることもさらに有効な手段である。感光層膜厚を28μm以上とすることで静電コントラストを得るに十分なレベルに上げることがあるとともに、電界強度を上記の範囲に無理なく設定可能となるためである。この場合の感光層膜厚は支持体上に形成される全ての領域の膜厚ではなく、実際に画像形成に寄与する部分、即ち画像形成領域の膜厚部分を指し、作像の行なわれない非画像部においてはこの限りではない。
加えて前記感光体の有効画像形成領域における一本内の感光層の膜厚差を2μm以内とすることで画像領域内の電界強度が均一になりやすくなり出力画像の画質が向上するためである。さらにこの膜厚内に制御することにより、より高密度な書込み時に高精細な画像を得ることができる。
また機械的な耐摩耗性を向上させ電界強度を一定に保つという観点から、各感光体が当接する部材、例えば転写残トナーを除去する目的で設けられるクリーニングブラシ等を介して滑剤を供給する機構を設けることも効果的である。これは感光体外部から感光体に当接する部材を介して滑剤を供給することにより適切な摩耗量を維持し一定の帯電電位で一定の電界強度を維持できるからである。感光体に供給する滑剤の量は適量にするのが望ましい。これは滑剤が多量に付着したときの画像劣化に対する副作用(解像度低下、画像ムラ、定着不良など)を起こさないように長時間に亘って良好な状態で維持するためである。
滑剤を感光体外部から供給する利点としては、供給する滑剤の量を自在に管理できることから各々の画像形成装置に対して適正な摩耗量、すなわち帯電時の副作用で生じる放電生成物の堆積が生じない範囲の最小限の摩耗量に制御することが容易に可能となる。
また外部から滑剤を供給する際、その供給される滑剤が表面近傍にごく微量であるが付着しコーティングされることにより、感光層表面に放電生成物等が付着しにくくなるため、このような放電生成物の堆積により生じる異常画像が発生しなくなるという効果が得られる。
同時に滑剤の効果により、クリーニングブレードなどの感光体との接触部材との摩擦係数が大幅に低減し、この接触部材との摺擦により生じる感光体表面の摩耗が大幅に減ぜられクリーニングブレードの欠損や、高摩擦に起因する不快なびびり音の発生も抑制することができる。
このことにより繰返し使用後に生じる膜厚減少に起因する帯電劣化、光減衰特性低下により顕在化する残像発生を抑制したり、ブレード欠損に起因するクリーニング不良を抑制したりすることが可能となり、初期だけでなく繰返し使用後においても種々の異常画像の発生を抑制することが可能となる。
当接する部材ということでは広い意味では感光体上に現像像を形成するトナーも含まれる。そこでトナー中にも滑剤成分を予め加えておくという方法が効果的である。こうすることによりトナーが大量に供給された場合においてもトナー中から滑剤が適宜供給されるため、感光体表面に必要な量の滑剤が不足することがない。
また摩耗劣化抑制による高耐久化に合わせて感光層そのものの静電的高耐久化も併せて発現させる必要がある。つまり繰り返し使用時において帯電特性や光減衰特性が安定な静電的耐久性も要求される。この静電的高耐久化の観点から前記感光体が、電荷発生物質としてアゾ顔料、特に水素結合により分子間会合体を形成可能なアゾ顔料、より特に、特定構造を有するジスアゾ顔料を用いることにより効果的に上記目的を達成できることを見いだした。
一般に積層構成の電子写真感光体は、繰返し使用により感度低下や露光部電位の上昇などの副作用を生じるが、特定構造を有するジスアゾ顔料を用いることにより効果的にこの副作用を抑制することが可能となる。
一般にアゾ顔料は芳香族ジアゾニウム塩とカップリング成分(カプラー)を塩基の存在下で反応させて合成される。この組合せとしては数多くの種類が考えられるが、電子写真感光体の電荷発生材料としてはアゾ基が2つ以上のジスアゾ、トリスアゾ顔料がよく用いられ、その構造により感度などの静電特性が大きく異なる。これらのアゾ顔料のうち、カプラーとしてはナフトール系のものが感度特性的に特に非常に良い。
しかしながらアゾ顔料を電子写真感光体の電荷発生材料として用いる場合、粒子状態などの影響を非常に受けやすい。本発明で用いられるジスアゾ顔料の有するカプラー残基は、カプラーの水素結合による分子間会合体形成状態が良好であり、かつ電子写真感光体として成膜したときの粒子状態も極めて安定している。これらの要因により初期の感度特性が良好なだけでなくその維持性も長期に亘って高くまた同時に優れた耐光劣化性を示し、結果として感度低下や露光部電位の上昇などの副作用を抑制することが可能となる。また従来知られているフタロシアニン顔料に比べ、露光時の表面電位が低く抑えられることが可能となる。従って本発明の構成要素である感光体の全面露光時の露光部の表面電位の絶対値を80V以下にすることも容易となるのである。
多くの化合物を検討した結果、下記一般式(I)で表わされるジスアゾ顔料を用いた場合、上記すべての特性に適合することが判明し、良好な結果を得ることが判明した。
以上の構成用件を満足することにより、低コストで高耐久・高安定なフルカラー電子写真装置を設計できることが分かり本発明を完成するに至った。
即ち本発明によれば、下記のフルカラー電子写真装置が提供される。
(1)少なくとも感光体と、該感光体の表面を一様に帯電する帯電装置と、一様帯電後に像露光を行ない静電潜像を形成する像露光装置と、前記静電潜像にトナーを現像する現像装置とを具備してなる画像形成要素を複数配列したフルカラー電子写真装置において、前記帯電装置が非接触の近接ローラ帯電装置により帯電を行なうとともに前記感光体の感光層の膜厚をD(μm)、帯電による感光層の表面電位の絶対値をV(V)としたときの電界強度〔V/D〕が、15(V/μm)≦〔V/D〕≦25(V/μm)であり、且つそれぞれの画像形成要素の各感光体間における電界強度差の絶対値の最大値が2(V/μm)以下であり、且つ前記感光体の全面露光時における表面電位の絶対値が80V以下であることを特徴とするフルカラー電子写真装置;
(2)前記感光体として、導電性支持体上に下引き層と、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層からなる感光層とを設けた感光体を用い、該感光体の有効画像形成領域における感光層の膜厚が25〜40μmであることを特徴とする前記(1)項に記載のフルカラー電子写真装置;
(3)前記感光体の有効画像形成領域における一本内の感光層の膜厚差が2μm以内であることを特徴とする前記(1)項又は(2)項に記載のフルカラー電子写真装置。
(4)前記感光体が、該感光体に当接する部材を介して滑剤を供給されることを特徴とする前記(1)項乃至(3)項のいずれかに記載のフルカラー電子写真装置;
(5)前記感光体に含まれる電荷発生物質の少なくとも一つが下記構造式(I)で表わされるジスアゾ顔料であることを特徴とする前記(1)項乃至(4)項のいずれかに記載のフルカラー電子写真装置;
Figure 2006189802
(6)前記感光体がこの感光体に当接する部材から供給を受ける滑剤が脂肪酸金属であることを特徴とする前記(4)項又は(5)項に記載のフルカラー電子写真装置;
(7)前記感光体がこの感光体に当接する部材から供給を受ける滑剤がステアリン酸亜鉛であることを特徴とする前記(4)項乃至(6)項のいずれかに記載のフルカラー電子写真装置;
(8)前記帯電部材に対し直流成分に交流成分を重畳した電圧を印加することにより、感光体に帯電を与えるものであることを特徴とする前記(1)項乃至(7)項のいずれかに記載のフルカラー電子写真装置;
(9)前記フルカラー電子写真装置が、電子写真感光体上に現像されたトナー画像を中間転写体上に一次転写したのち、該中間転写体上のトナー画像を記録材上に二次転写する中間転写手段を有する電子写真装置であって、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録材上に一括で二次転写するものであることを特徴とする前記(1)項乃至(8)項のいずれかに記載のフルカラー電子写真装置。
本発明の電子写真装置によれば、繰返し使用後においても色重ね時に色調(色合い)のずれが発生せず、また、地肌汚れや画像濃度低下等の異常画像の見られない極めて高品質な画像を得ることができる。
以下、図面に沿って本発明で用いられる電子写真装置を説明する。
なお、いずれの図面においても感光体は本発明の要件を満たす電子写真感光体である。また本発明において外部より感光体表面に滑剤を供給する場合においては、その滑剤の供給部材としては、新たに感光体周りに当接する部材を設けても良いが、レイアウト上の利点からクリーニング部に併設して備え付けられることも可能である。この場合、当接する部材の形状としては特に限定されるものではないが特にブレード形状、もしくはファーブラシ形状の部材などが好適に用いられる。
なお本発明において感光体に当接する部材を介して供給することができる滑剤としては例えばPTFE(テトラフルオロエチレン樹脂)、PFA(パーフルオロアルコキシ樹脂)、シリコン樹脂、シリコングリース、フッ素グリース、パラフィンワックス、黒鉛、パラフィンワックス、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、脂肪酸アミド、脂肪酸、金属石鹸などが挙げられる。なかでもステアリン酸亜鉛は副作用もなく好適に用いられる。
図1は、本発明のフルカラー電子写真装置の一部である画像形成要素を説明するための概略図である。
この画像形成要素は帯電部(A)であり、感光体に非接触で近接するローラである。感光体との間隙は20〜50μmであることが好ましい。20μm未満であると異物を噛み込みやすく、また50μmを越えると放電生成物が堆積しやすくなるからである。現像部(B:トナーとキャリアからなる現像剤を保持するローラ)、この帯電ローラにより印加される帯電電位を特定範囲の電界強度にすべく感光層の膜厚を調整された電子写真感光体(C)、滑剤を封入した滑剤封入部(D)、その滑剤を供給するためのファーブラシ(E)、クリーニング部(F)などからなる。
本例ではファーブラシのブラシ硬さ、回転数、押し当て圧力などで滑剤の供給量を適宜調節することができる。なお本発明においては上記帯電装置で印加される電位は感光体表面電位の絶対値で400〜700Vの範囲であることが好ましい。絶対値で400V未満であると十分な静電コントラストが得られにくく、また絶対値で700Vを超えると繰り返し使用時においての感光体へのハザードが大きくなり電界強度を維持しにくくなる。
この画像形成要素を複数個用いた本発明のフルカラー電子写真装置の実施例を図2に示す。図2は図1に示す画像形成要素を4個並列に配置したもので、トナーとしてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の4色を用いるタイプとされる。また、各色毎の感光体(C1,C2,C3,C4)が設けられている。この電子写真装置に用いられる感光体(C1,C2,C3,C4)は、それぞれ本発明の要件を満たす、印加電圧に応じて特定範囲の電界強度にすべく感光層の膜厚を調整された電子写真感光体である。各感光体(C)の周りにはそれぞれ前述のように帯電部(A)、現像部(B)、滑剤塗布用のファーブラシ(D)、クリーニング部(F)が配設されている。
また、直線上に配設された各感光体(C1,C2,C3,C4)の各転写位置に接離する転写材担持体がとして中間転写ベルトが掛け渡されている。
図1、並びに図2においても滑剤を供給する部材はドラム周りに併設されていても、別途新たに設けても良い。ただし各色毎の感光体(C1,C2,C3,C4)それぞれに対して滑剤を供給する部材を設けることが電界強度を一定に保つ上では好ましい。
図1の形態のようなタンデム方式の電子写真装置は、各色毎に感光体を持ち、各色のトナー像を順次転写するため、感光体を一つしか持たないフルカラー電子写真装置に比べ、はるかに高速のフルカラー画像の出力が可能となる。
また本発明において感光体に当接する部材を介して滑剤を供給する場合、供給される滑剤の供給量は、用いるプロセスに適した値となるように任意に設定することができるが、より好ましくは感光体の長手方向の幅1cmにつき走行距離1kmあたり、0.0025gから0.0045gである。
感光体に供給される滑剤を適正な範囲とするには、前述のように感光体と当接し滑剤を供給する部材と感光体との当接する圧力、接触する面積などを適宜調整することで可能となる。
次に、本発明に用いられるトナーについて説明する。
本発明に用いられるトナーの樹脂、顔料、添加剤、ワックス等はいずれも公知の材料を用いることができる。本発明においては、トナー中に、感光体に接触する部材より供給される滑剤と同種の滑剤成分を含有していれば、本発明の狙いを満足するものである。
すなわち、トナー構成(組成)、流動化剤種類、各種添加剤等は、狙いの現像システムに応じて最適なものを使用することができる。
本発明ではトナー中に滑剤を外添することもできる。具体的にはPTFE(テトラフルオロエチレン樹脂)、PFA(パーフルオロアルコキシ樹脂)、シリコン樹脂、シリコングリース、フッ素グリース、パラフィンワックス、黒鉛、パラフィンワックス、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、脂肪酸アミド、脂肪酸、金属石鹸などが挙げられる。なかでもステアリン酸亜鉛は副作用もなく好適に用いられる。
また、トナーのトナー粒子中に滑剤を内添することも可能である。この場合添加剤に含まれる滑剤の添加量はバインダー樹脂に対して、0.1重量%以上2.0重量%以下が適当である。0.1重量%より少ないと滑り性を向上させる効果が得られず、本発明の効果が発現しにくい。また2.0重量%より多くなると定着不良の原因となってしまう場合がある。
以下、図面を参照しつつ本発明の有機系電子写真感光体について詳細に説明する。
図3は本発明の層構成を有する電子写真感光体の一例を模式的に示す断面図であり、導電性支持体(21)と電荷発生層(22)との間に下引き層(24)が設けられ、電荷発生層(22)の上に電荷輸送層(23)が設けられている。
導電性支持体(21)としては、体積抵抗1010μ・cm以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金、鉄などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの酸化物を、蒸着又はスパッタリングによりフィルム状又は円筒状のプラスチック、紙などに被覆したもの、或いはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板、及び、それらを、Drawing Ironing法、Impact Ironing法、Extruded Ironing法、Extruded Drawing法、切削法等の工法により素管化後、切削、超仕上げ、研磨などにより表面処理した管などを使用することができる。
本発明における感光層は下引き層上に電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とをこの順に積層させた所謂「積層型感光層」である。この積層型感光層の各層構成について説明する。
(電荷発生層)
積層型感光体における各層のうち、まず電荷発生層(22)について説明すると、電荷発生層は電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。本発明に用いられる電荷発生物質としては、広く一般のものを使用することができる。しかしながら、前述のような特性を有する点から少なくとも一種は電荷発生物質としてアゾ顔料、特に、水素結合により分子間会合体を形成可能なアゾ顔料、より特に、ジスアゾ顔料であることが好ましい。このような化合物の例としては、具体的には両端のベンゼン環の置換基がともにオルト位に−Clがついたもの(2,7−bis[3−(2−chlorophenyl)carbamoyl−2−hydroxy−1−naphthylazo]−9−fluorenone、2,7−bis[3−(2−chlorophenyl)carbamoyl−2−hydroxy−1−naphthylazo]fluorene−9−one等)が挙げられる。そして、中でも下記構造式(I)で表わされる構造を有するジスアゾ顔料が本件発明に必要な諸特性の面から特に好ましい。
Figure 2006189802
電荷発生物質は上記ジスアゾ顔料に、他のものを加え2種以上の混合物として用いてもよい。
電荷発生層に必要に応じた量(本発明においては、一般的に、電荷発生物質100重量部当り、零〜50重量部、好ましくは0.1〜30重量部、より好ましくは0.2〜15重量部)、用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、ポリアリレート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが挙げられ、うち、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドを好ましく用いることができる。
これらのバインダー樹脂は、単独でも2種以上の混合物として用いてもよい。
また、電荷発生層のバインダー樹脂として、高分子電荷輸送物質を用いることができる。更に、必要に応じて低分子電荷輸送物質を添加してもよい。
電荷発生層に併用できる電荷輸送物質には電子輸送物質と正孔輸送物質とがあり、これらは更に低分子型の電荷輸送物質と高分子型の電荷輸送物質がある。
以下、本発明では高分子型の電荷輸送物質を高分子電荷輸送物質と称する。
電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。
これらの電子輸送物質は、単独でも2種以上の混合物として用いてもよい。
正孔輸送物質としては、電子供与性物質が好ましく用いられる。
その例としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。
これらの正孔輸送物質は、単独でも2種以上の混合物として用いてもよい。
電荷発生層を形成する方法としては、溶液分散系からのキャスティング法が好ましい。キャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した電荷発生物質を、必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を適度に希釈して塗布すればよい。塗布は、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法などにより行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、通常は0.01μm〜0.5μm、好ましくは0.1μm〜0.4μmである。このように、電荷発生層の膜厚は、つぎに詳述される電荷輸送層の膜厚に比し極めて薄いので、本発明において機能分離型感光体の感光層の膜厚はほとんど電荷輸送層の膜厚に律束されることになる。がしかし、単層構成の感光体層の場合には無論、単層感光体層の膜厚である。
(電荷輸送層)
次に、電荷輸送層(23)について説明する。
電荷輸送層は、電荷輸送成分とバインダー成分を主成分とする混合物又は共重合体を適当な溶剤に溶解又は分散し、これを塗布、乾燥することにより形成する。
電荷輸送層のバインダー成分として用いることのできる高分子化合物としては、例えば、ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などの熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの高分子化合物は、単独又は2種以上の混合物として、或いはそれらの原料モノマー2種以上からなる共重合体として、更には、電荷輸送物質と共重合化して用いることができる。
電荷輸送層の環境変動に対する安定性確保させる目的として、電気的に不活性な高分子化合物を用いる場合には、例えばポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体等が有効である。
ここで、電気的に不活性な高分子化合物とは、トリアリールアミン構造のような光導電性を示す化学構造を含まない高分子化合物を指す。
これらの樹脂を添加剤としてバインダー樹脂と併用する場合、光減衰感度の制約から、その添加量は50wt%以下とすることが好ましい。
電荷輸送物質に用いることのできる材料としては、上述の低分子型の電子輸送物質、正孔輸送物質及び高分子電荷輸送物質が挙げられる。
低分子型の電荷輸送物質を用いる場合、その使用量は樹脂成分100重量部に対して40〜200重量部、好ましくは70〜150重量部程度が適当である。また、高分子電荷輸送物質を用いる場合、電荷輸送成分100重量部に対して樹脂成分が0〜500重量部、好ましくは0〜150重量部程度の割合で共重合された材料が好ましく用いられる。
また、電荷輸送層に2種以上の電荷輸送物質を含有させる場合、これらのイオン化ポテンシャル差は小さい方が好ましく、具体的にはイオン化ポテンシャル差を0.15eV以下とすることにより、一方の電荷輸送物質が他方の電荷輸送物質の電荷トラップとなることを防止することができる。
高感度化を満足させるには、電荷輸送成分の配合量を、樹脂成分100重量部に対して70重量部以上とすることが好ましい。
電荷輸送層塗工液を調製する際に使用できる分散溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族類、クロロベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類等を挙げることができる。これらの溶媒は単独としてまたは混合して用いることができる。
また、必要により、電荷輸送層中に後述する酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤などの低分子化合物およびレベリング剤を添加することもできる。これらの化合物は単独または2種以上の混合物として用いることができる。低分子化合物の使用量は、高分子化合物100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは、0.1〜20重量部、レベリング剤の使用量は、高分子化合物100重量部に対して0.001〜5重量部程度が適当である。
塗工方法としては浸漬法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等が採用される。特に、塗工時におけるフィラーの凝集を防止することが容易であるスプレー塗工が好適である。
電荷輸送層の膜厚は、作像システム側における印加電圧にも依るが本発明の電界強度を得るためには凡そ25〜40μm程度が適当であり、好ましくはおよそ27〜38μmの範囲、より好ましくはおよそ29〜35μmの範囲である。25μm未満では電界強度維持がやや困難となり、40μmを超えると潜像形成時の電荷の拡散に起因する解像度の低下が識別できるようになるからである。電荷輸送層の膜厚としては上記の点を勘案し、27μm以上であることが好ましい。
(下引き層)
本発明に用いられる電子写真感光体には、導電性支持体と混合型感光層又は電荷発生層との間に下引き層(24)を設ける。下引き層は、接着性の向上、モワレの防止、上層の塗工性の改良、残留電位の低減、導電性支持体からの電荷注入の防止などの目的で設けられる。
下引き層は一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に溶剤を用いて感光層を塗布することを考慮すると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましく、このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウムなどの水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロンなどのアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂など三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。
また、下引き層には、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物、或いは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を加えてもよい。これらの下引き層は、前述の感光層と同様、適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。
更に下引き層としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤などを使用して、例えばゾル−ゲル法などにより形成した金属酸化物層も有用である。この他に、アルミナを陽極酸化により設けたもの、ポリパラキシリレン(パリレン)などの有機物、酸化ケイ素、酸化スズ、酸化チタン、ITO、セリアなどの無機物を真空薄膜作製法にて設けたものも下引き層として良好に使用できる。
下引き層の膜厚は0.1〜10μmが適当であり、さらに好ましくは1〜5μmである。
また、本発明においては、感光体表面層のガスバリアー性向上、及び耐環境性改善のため、各層に酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質及びレベリング剤を添加することができる。
これらの化合物の代表的な材料を以下に記す。
(酸化防止剤)
各層に添加できる酸化防止剤として、例えば次の(a)〜(d)のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)フェノール系酸化防止剤
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェノール)プロピオネート、スチレン化フェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、シクロヘキシルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,2′−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−i−プロピリデンビスフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4′−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,6−ビス(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリスメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアネート、トリス[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル−オキシエチル]イソシアネート、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)
(b)アミン系酸化防止剤
フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニレン−N′−i−プロピル−p−フェニレンジアミン、アルドール−α−ナフチルアミン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノリン
(c)硫黄系酸化防止剤
チオビス(β−ナフトール)、チオビス(N−フェニル−β−ナフチルアミン)、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、ドデシルメルカプタン、テトラメチルチウラムモノサルファイド、テトラメチルチウラムジサルファイド、ニッケルジブチルチオカルバメート、イソプロピルキサンテート、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート
(d)リン系酸化防止剤
トリフェニルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、フェニルイソデシルホスファイト、トリ(ノニルフェニル)ホスファイト、4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジトリデシルホスファイト)、ジステアリル−ペンタエリスリトールジホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト
(可塑剤)
各層に添加できる可塑剤として、例えば次の(a)〜(m)のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)リン酸エステル系可塑剤
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなど。
(b)フタル酸エステル系可塑剤
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
(c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
(d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなど。
(e)脂肪酸エステル誘導体
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなど。
(f)オキシ酸エステル系可塑剤
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど。
(g)エポキシ可塑剤
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
(h)二価アルコールエステル系可塑剤
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど。
(i)含塩素可塑剤
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
(j)ポリエステル系可塑剤
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
(k)スルホン酸誘導体
p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなど。
(l)クエン酸誘導体
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなど。
(m)その他
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなど。
(紫外線吸収剤)
各層に添加できる紫外線吸収剤として、例えば次の(a)〜(f)のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)ベンゾフェノン系
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなど。
(b)サルシレート系
フェニルサルシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなど。
(c)ベンゾトリアゾール系
(2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなど。
(d)シアノアクリレート系
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシ)アクリレートなど。
(e)クエンチャー(金属錯塩系)
ニッケル〔2,2′−チオビス(4−t−オクチル)フェノレート〕ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなど。
(f)HALS(ヒンダードアミン)
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
(低分子電荷輸送物質)
各層に添加できる低分子電荷輸送物質としては、電荷発生層22の説明に記載したものと同じものを用いることができる。
以下、実施例によって本発明を説明するが、あくまで実施形態の一例を示すものである。
実施例1
<感光体の作製>
まず、下記の組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液及び電荷輸送層用塗工液をそれぞれ作製した。
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂
(ベッコゾール M−6401−50,大日本インキ化学工業製) 12重量部
メラミン樹脂
(スーパーベッカミン G−821−60,大日本インキ化学工業製)8重量部
酸化チタン(CR−EL 石原産業社製) 48重量部
メチルエチルケトン 155重量部
〔電荷発生層用塗工液〕
下記構造式のジスアゾ顔料 6.2重量部
ポリビニルブチラール(XYHL、UCC製) 0.31重量部
シクロヘキサノン 250重量部
メチルエチルケトン 120重量部
Figure 2006189802
〔電荷輸送層用塗工液〕
下記構造式の低分子電荷輸送物質 7重量部
ポリカーボネート樹脂
(Zポリカ、粘度平均分子量;4.0万、帝人化成社製) 9重量部
テトラヒドロフラン 120重量部
1%シリコーンオイル
(KF50−100CS信越化学工業社製)テトラヒドロフラン溶液 1重量部
Figure 2006189802
次いで、Φ30mm、長さ340mmのアルミニウムドラム状基体上に、前記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液及び電荷輸送層用塗工液の各塗工液を、順次、それぞれの塗工液槽中に該ドラム状基体を昇降させて塗工する形式の浸漬塗工法にて塗工し成膜、乾燥した。
なお下引き層は4.5μmの厚さとなるように、電荷発生層は0.15μmとなるように、また、電荷輸送層は31μmとなるように昇降速度条件で作製した。
以上のようにして作製した実施例の電子写真感光体を実装用にした後、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色毎に画像形成要素を設けたタンデム型フルカラー電子写真装置(IPSiO CX8200、リコー社製、LD書込み波長655nm)の改造機(印加電圧の変更、及びクリーニング部分に滑剤供給機構の追加等を実施)に搭載した。
感光体に滑剤供給を行なう部材としてはクリーニング部分に当接するファーブラシより、滑剤としてステアリン酸亜鉛を供給する機構を設けた。
このブラシから供給されるステアリン酸亜鉛の供給量は、ブラシを押し当てる圧力を、押圧力調節手段で調整することにより感光体の幅1cm当たり、感光体の回転数から換算した走行距離1kmにつき0.0026gとした。
現像部に供給するトナーはポリエステル樹脂を主成分とし顔料、ワックスなどから成る平均粒径6.8μmのものを使用し、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色のトナー中に1.2重量%の粉末状のステアリン酸亜鉛を添加して用いた。
各電子写真装置の帯電手段は電子写真感光体に近接配置された帯電ローラを用いた(ローラの両端にテープを巻くことで、感光体表面とローラ表面との間に設けられる間隙を25〜30μmに調整)。
帯電ローラの印加電圧はAC成分としてピーク間電圧1.9kV、周波数1.1kHzを選択した。
また、DC成分は試験開始時の感光体の帯電電位が−500Vとなるように帯電バイアスを設定し、試験終了に至るまでこの帯電条件で試験を行なった。また、現像バイアスは−340Vとした。さらに書込みを行なうLD(レーザダイオード)において全面書込みをおこなった際の表面電位が−45Vとなるように露光エネルギーを調整した。
この装置を用いて耐久試験として、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色の画像濃度がそれぞれ5%となるフルカラーの混合画像を6万枚プリントした。
また通紙試験後の感光体膜厚の摩耗量について渦電流式膜厚計を用いて測定を行なった。
試験開始時の各画像形成要素における感光体の電界強度、各感光体の電界強度差の最大値と、6万枚印刷後の各画像形成要素における感光体の電界強度、各感光体の電界強度差の最大値、及び画像品質を評価し、実施例1とした。
画像品質は出力画像による色調(色合い)変化有無、地肌汚れ、画像濃度低下、カスレ等の異常画像について評価した。
異常の有無、及び画質のランク評価を目視評価し以下の5段階に分けて判定した。
5:画像異常が全く観察されず良好。
4:拡大鏡を用いると僅かな色調の変化、地肌汚れが観察されるが、肉眼では識別できず良好。
3:ごく僅かな色調の変化、地肌汚れが観察されるが通常使用環境下では問題無し。
2:色調の変化、地肌汚れなどが判別できる。
1:色調の変化、地肌汚れなどがひどく、画像濃度低下や異常画像が発生する。
実施例2
実施例1において、各感光体の電荷輸送層を28μmとなるような昇降速度条件で作製し、また帯電ローラの印加電圧のDC成分が試験開始時の感光体の帯電電位が−600Vとなるような帯電バイアスを設定した以外は実施例1と全く同様にして評価を行なった。
実施例3
実施例1において、各感光体の電荷輸送層を27μmとなるような昇降速度条件で作製し、また帯電ローラの印加電圧のDC成分が試験開始時の感光体の帯電電位が−650Vとなるような帯電バイアスを設定し、さらに感光体に滑剤供給を行なうファーブラシから供給されるステアリン酸亜鉛の供給量を、感光体の幅1cm当たり、感光体の回転数から換算した走行距離1kmにつき0.0043gとした以外は実施例1と全く同様にして評価を行なった。
実施例4
実施例1において、感光体に滑剤供給を行なうファーブラシから供給されるステアリン酸亜鉛の供給量を、感光体の幅1cm当たり、感光体の回転数から換算した走行距離1kmにつき0.0012gとした以外は実施例1と全く同様にして評価を行なった。
実施例5
実施例1において、イエロー用感光体とシアン用感光体の電荷輸送層の膜厚が28.6μmとなるような昇降速度条件で作製して用いた以外は実施例1と全く同様にして評価を行なった。
比較例1
実施例1において、各感光体の電荷輸送層を25.5μmとなるような昇降速度条件で作製し、また帯電ローラの印加電圧のDC成分が試験開始時の感光体の帯電電位が−650Vとなるような帯電バイアスを設定した以外は実施例1と全く同様にして評価を行なった。
比較例2
実施例3において、各感光体の電荷輸送層を33.5μmとなるような昇降速度条件で作製し、また帯電ローラの印加電圧のDC成分が試験開始時の感光体の帯電電位が−450Vとなるような帯電バイアスを設定した以外は実施例1と全く同様にして評価を行なった。
比較例3
比較例2において、この感光体に当接し滑剤供給を行なう部材であるファーブラシを取り除き、滑剤としてのステアリン酸亜鉛の供給を行なわなかった以外は比較例2と全く同様にして評価を行ない比較例3とした。
比較例4
実施例1において、イエロー用感光体とシアン用感光体の電荷輸送層の膜厚が27.4μmとなるような昇降速度条件で作製して用いた以外は実施例1と全く同様にして評価を行なった。
比較例5
実施例1において電荷発生層層用塗工液に用いたジスアゾ顔料の代わりにY型チタニルフタロシアニンを4重量部用いた以外は実施例1と全く同様にして評価を行なった。
比較例6
実施例1において各電子写真装置の帯電手段に電子写真感光体に接触配置された帯電ローラを用いた以外は実施例1と全く同様にして評価を行なった。
以上実施例1〜5及び比較例1〜6の結果を表1に示す。
Figure 2006189802

表1から、本発明の構成要件を満たす実施例では残像、異常画像の見られない極めて高品質な画像が得られることが確認された。本発明の要件を満たしていない比較例は、いずれも色調の変化もしくは画像流れ、濃度低下などの異常画像が発生した。
本発明のフルカラー電子写真装置は、長期間の使用にわたり色調の変化が無く、また画像流れ、地肌汚れ、画像濃度低下等の異常画像の見られない極めて高品質な画像を得ることができるので、複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ、ダイレクトデジタル製版機等に応用したときの実用的価値に優れている。
本発明に係る画像形成要素の例を示す模式断面図である。 本発明に係るフルカラー電子写真装置の例を示す模式断面図である。 本発明に係る電子写真感光体の層構成を示す断面図である。
符号の説明
A・・・帯電部
B・・・現像部
C・・・感光体
D・・・滑剤封入部
E・・・クリーニング部(ファーブラシ:感光体接触滑剤供給部)
F・・・クリーニング部
C1〜C4・・・並列配置した各画像形成要素の感光体
21・・・導電性支持体
22・・・電荷発生層
23・・・電荷輸送層
24・・・下引き層

Claims (9)

  1. 少なくとも感光体と、該感光体の表面を一様に帯電する帯電装置と、一様帯電後に像露光を行ない静電潜像を形成する像露光装置と、前記静電潜像にトナーを現像する現像装置とを具備してなる画像形成要素を複数配列したフルカラー電子写真装置において、前記帯電装置が非接触の近接ローラ帯電装置により帯電を行なうとともに前記感光体の感光層の膜厚をD(μm)、帯電による感光層の表面電位の絶対値をV(V)としたときの電界強度〔V/D〕が、15(V/μm)≦〔V/D〕≦25(V/μm)であり、且つそれぞれの画像形成要素の各感光体間における電界強度差の絶対値の最大値が2(V/μm)以下であり、且つ前記感光体の全面露光時における表面電位の絶対値が80V以下であることを特徴とするフルカラー電子写真装置。
  2. 前記感光体として、導電性支持体上に下引き層と、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層からなる感光層とを設けた感光体を用い、該感光体の有効画像形成領域における感光層の膜厚が25〜40μmであることを特徴とする請求項1に記載のフルカラー電子写真装置。
  3. 前記感光体の有効画像形成領域における一本内の感光層の膜厚差が2μm以内であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフルカラー電子写真装置。
  4. 前記感光体が、該感光体に当接する部材を介して滑剤を供給されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のフルカラー電子写真装置
  5. 前記感光体に含まれる電荷発生物質の少なくとも一つが下記構造式(I)で表わされるジスアゾ顔料であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のフルカラー電子写真装置。
    Figure 2006189802
  6. 前記感光体がこの感光体に当接する部材から供給を受ける滑剤が脂肪酸金属であることを特徴とする請求項4又は5に記載のフルカラー電子写真装置。
  7. 前記感光体がこの感光体に当接する部材から供給を受ける滑剤がステアリン酸亜鉛であることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載のフルカラー電子写真装置。
  8. 前記帯電部材に対し直流成分に交流成分を重畳した電圧を印加することにより、感光体に帯電を与えるものであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のフルカラー電子写真装置。
  9. 前記フルカラー電子写真装置が、電子写真感光体上に現像されたトナー画像を中間転写体上に一次転写したのち、該中間転写体上のトナー画像を記録材上に二次転写する中間転写手段を有する電子写真装置であって、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録材上に一括で二次転写するものであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のフルカラー電子写真装置。
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