JP4568538B2 - クリーニングブレードおよびクリーニング装置およびプロセスカートリッジおよび画像形成装置 - Google Patents
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次に、コピーしたい原稿やパソコン(パーソナルコンピューター)などの情報(信号)を、LD素子やLED素子アレイを光源とするドットパターンの光信号に変換して、ポリゴンミラーやシリンドリカルレンズ等を介して感光体面に照射し、静電潜像(コントラスト画像)を形成する。静電潜像は平均粒径が4〜8(μm)程度のトナーと、平均粒径が40〜60(μm)程度のキャリアと呼ばれる磁性紛とを混合した2成分系の現像剤で現像され、トナー像として顕像化される。
上述したカウンタ方式のクリーニングブレードを用いた場合を図19に示すと、ドクターブレードBとしては、撓み剛性が得られやすい弾性材料が用いられ、例えば、潜像担持体としてドラムAを用いた場合、潜像担持体Aの回転方向Rに対してカウンタとなるように角度θを設定して当接させ、さらに先端を食い込み勝手(図中、符号dで示す食い込み量)に押し付けることによって潜像担持体表面に残留しているトナーを掻き取ることでクリーニングするようになっている。
しかし、この接触条件の下で、潜像担持体表面の摩擦係数が上昇すると、図20に示すように、潜像担持体Aの回転方向に沿ってドクターブレードBの先端エッジ面B1が引きずられて引っ張られる状態となり、引っ張られた位置が潜像担持体表面との間で楔状空間Cを形成する楔形状となる。
近年、インクジェットプリンターの高画質化に伴って、電子写真システムにも高画像品質が要求されてきた。高画像品質に最も寄与する要因として顕像化する材料であるトナーを小粒径で球形にすることで最も精細な画質が得られる。このため、小粒径化する技術としてトナーの製造方法をこれまでのトナーの塊を砕いて微粒子化し、分級することで所望の粒径域のトナーを使用する粉砕法を行ってきた。
しかし、この方法である分布域からはずれたトナーは廃棄されたり、再溶融して再使用してきた。このやりかたであると生産性が悪く近年の省エネ化に反していた。そこで、これまでの粉砕法に代わり化学反応である重合反応による重合トナーの製法が行われ始めてきている。この重合トナー製法としては懸濁重合、乳化重合、分散重合等があるが何れも粉砕分級工程が不要で所望の粒径のトナーを高収率で得ることができる。また、重合法トナーは高い転写率が得られるので廃トナーが少ないためこの点でも省エネ効果が大きい。しかし、重合法を用いた小粒径、球形のトナーは多くの利点を有する反面、画像形成装置のプロセスでクリーニングしづらいという大きな課題を抱えている。
この現象がスティック・スリップ運動である。この運動により元の形状復帰の際のエネルギーによってトナーが弾き飛ばされることになり、潜像担持体表面からトナーが掻き取られる。
第1に、像担持体との摩擦が十分に小さく、この状態を長期に維持でき、常時安定したクリーニングを行うために、弾性薄板表面にフッ化カーボンを1〜25重量%含有するフッ素樹脂(フッ素樹脂が4フッ化エチレン−パーフロロアルコキシエチレン共重合体)を形成する技術(例えば、特許文献1)。
第2に、には、シリコーン製現像ローラを使用した場合にその表面に析出するシロキサンオリゴマーが感光体に付着することによって生じる白筋、文字つまりなどの画像欠陥を防止するために、ポリウレタンゴムの先端部に水性ディスパージョンで固形分20〜30重量%の4−6フッ化樹脂をコーティングする技術(例えば、特許文献2)。
第3に、クリーニングブレードのエッジがめくれないようにするために、トナー付着体に当接する部分にスプレー法を使用して、フッ素系ポリマーからなる塗布層を形成する技術(例えば、特許文献3)。
第4に、クリーニングブレードの反転を防止するために、ブレードのエッジ部およびこのエッジ部を挟んで延びる2面にフッ素含有重合膜を形成する技術(例えば、特許文献4)。
第5に、ブレードエッジの低摩擦化を実現し、ブレードめくれを防止するために、10μm以下の微粒子をディッピング法などの手段で塗布し溶媒をとばし乾燥する技術(例えば、特許文献5)。
特許文献1に開示の技術は、燐青銅板のような有弾性の金属にフッ素系樹脂を被覆したクリーニングブレードであるため、ブレードが非常に硬い。このため、クリーニングブレードは歪みやスティックスリップ現象を起こす可能性は極めて低いが、ブレードに金属を使用しているため、像担持体に摺擦傷が入りやすく、帯電特性の低下や、画像品質の低下は避けられず、像担持体の交換も余儀なくされる。また、感光体への密着性が稀薄になり早期のクリーニング不良は避けられない。
特許文献2に開示の技術は、コーティングしたフッ素樹脂がシロキサンオリゴマーを取り込む必要があるため、ブレードからフッ素樹脂が剥離する必要がある。すなわち、ブレードにコーティングしたフッ素樹脂は補給しないと効果が無くなり、1回のコーティングでは持続性が無くなるという問題点がある。
請求項7記載の発明は、請求項1乃至3のうちの一つに記載のクリーニングブレードにおいて、前記潤滑層は、ブレード本体との間で化学的親和性を有する材料が塗布されて構成されていることを特徴としている。
(1)クリーニングブレード
本発明に用いられるクリーニングブレードは、複写機やプリンタあるいはファクシミリ装置や印刷機などの画像形成装置に装備されれているクリーニング装置内に収納されており、画像形成装置内でトナー像の転写後に相当する転写装置と除電装置の間に位置する。すなわち、帯電と画像露光で感光体に形成された静電潜像を、現像剤で現像して得られた可視化像(トナー像)を、コピー用紙などの被転写体に転写した後に残留するトナーや紙粉などの残留粉体を感光体上から除去するための冶具である。クリーニング装置内にはクリーニングブレードの他にクリーニングブラシが併設される場合がある。
1)感光体とクリーニングブレード間の均一かつ均等当接を十分に確保されること。
2)クリーニングブレードが当接された状態での摩擦抵抗をクリーニングに支障が起こらない程度に低減化されていること。すなわち、クリーニングブレードが感光体と摺接する部位の摩擦抵抗を低減し、ブレードに歪みを生じたり、スティックスリップ現象などが起こらないようにすること。
3)摩擦抵抗低減化手段が長期に亘って安定して維持されること。
が重要である。
本発明のクリーニングブレード71は、片持ち梁状に支持される支持体71aにブレード71dが固定されたもので、ブレード71dの側面にはフッ素樹脂を含有する熱硬化性の潤滑性塗料71eがブレードエッジ71fを除いた領域で、少なくとも、図2(B)において符号1で示す潜像担持体であるドラム状の感光体と対面する側の面に、潤滑層としてブレード71dの長手方向にわたって塗布されている。
1.5mmより小さいと、機械的耐久性の面で、3mmより厚いと厚くなるほど、ブレードに荷重が加えられてしなった時、トナーが感光体1に押しつけられる面積が広くなるため、トナーによるブレードに浮きが生じやすくなり、クリーニング不良を起こす可能性が有る。
このため、そのまま使用すると、前記したようにドラム鳴きやスティックスリップ、ブレード先端部の歪みなどによるクリーニング不良、キーキーという摺擦音(異音)の発生、感光体ロックなどの様々な不具合を生じる。そこで、画像形成を良好に維持し、摺擦音やロックなどで不快感を与えない様にするためには、感光体1もしくはブレード71dのいずれか、あるいは双方に摩擦係数を減じるような対策が必要となる。すなわち、感光体1とクリーニングブレード71間の摩擦抵抗を減ずる必要がある。
フッ素樹脂の場合はトナーより粒径が遙かに小さく、また感光体に付着して数十Å程度のきわめて薄膜になるため、クリーニング不良の要因となりうる隙間形成に対する影響は無視出来る。
塗料にはアクリル系やウレタン系、シリコーン系、フッ素系などの常温あるいは熱硬化樹脂があるが、いずれも耐久性、接着性、潤滑性、塗工性等で一長一短があり、クリーニングブレードに使用するには不適である。
低摩擦係数を達成するためには、潤滑性を有する材料を塗料中に分散させるか、別途、PTFEやPFAなどの潤滑剤をコートする方法が考えられるが、別途コート法では早期に潤滑性が失われ耐久性に問題が生じるため、塗料中に分散する方が望ましい。
ディッピングコート法の場合、感光体に対向する面を上にして、エッジにかからないようにディッピングを施すか、感光体に対向する面が潤滑性塗料71eに浸からない様に片面を浸漬させ(片面の場合ここで完了)、さらに片面を浸漬させる(両面塗布の場合)。この場合も必要に応じてシールを貼る。この後、感光体に対向する面を上に向け常温〜40℃の温度で乾燥させ、ある程度乾燥した後、100〜150℃の温度で20〜40分ほど加熱乾燥させる。
この結果、潤滑性塗料の薄膜上での摩擦係数はオイラーベルト法での測定で、0.25〜0.4の間の数値を示し、摺擦音の発生もなく、クリーニングブレードと感光体との摺擦はスムーズに行われる。
潤滑性塗料71eは、図3〜図5に図示すように、クリーニングブレード72の側面図にあるように、ブレード72dの片面もしくは両面に塗布される。
図4において符号L1は塗布幅を示しており、塗布幅L1は、感光体に当接した際に、ブレードの側面が感光体に摺擦するだけの幅があれば良く、図4にしめすように、塗布幅L1は塗工性等を考慮すれば2mm以上有れば十分である。クリーニングブレード71が作動時は25(g/cm)前後の加重(当接圧)が掛けられるため、ブレード71dの先端部(図中、符号71f1で示す端面が位置する部分)は、しなり(撓み)を持って感光体と接する。
クリーニングブレードのエッジを含む先端部は、面接触の幅が少ないほど、摩擦抵抗が低くなるため、クリーニングブレード71は線接触の方がクリーニングするのには好都合であるが、実際にはわずかに面接触している。この面接触する部位に塗料が塗布されている必要が有る。すなわち、感光体との摩擦抵抗が減じる作用が起こる。
同図において、潤滑性被膜71eが感光体1と摺接する事によって、感光体1との摩擦抵抗が低減すると共に、塗料71eに含有する一部の潤滑剤が感光体1の方に転移し、感光体1の摩擦係数も低減する。
前記測定値は東京精密社のサーフコム1400D、ピックアップ:E−DT−S02A)(JIS D0601(1982))を用い、掃引幅2.5mmでの数値である。
なお、表面粗さの下限値としてはRzが0.1μm以上、Rmaxが0.5μm以上有れば、感光体とブレード間の摩擦抵抗はクリーニング性能に支障を起こさない程度に下げることが出来、一般的に使用される4〜8(μm)のトナー粒径に付いては殆ど対処可能である。
スプリング方式の場合は、ブレードエッジが摩耗しても感光体面に追随して当接圧はほぼ一定にする事が出来るが、ブレードが振動しやすいため、トナーのブレード下に対する潜り込み、やクリーニングブレードでのトナー阻止力に少し弱い傾向がある。一方、固定方式の場合、ブレードエッジが摩耗すると、当接圧が変わる(軽くなる)可能性があるが、振動しにくいため、トナーの潜り込みに対する阻止効果には強い傾向があり、クリーニング性能の維持には有利である。固定方式の場合、取り付けユニットの強度が弱いと、性能が十分に発揮されないので、好ましくはブレード71dも含めて感光体の回転に伴う摺擦に際して、微動し難い様にすることが望ましい。すなわち、クリーニングブレード71の取り付け部は十分な強度にしておく様にする。トナーの阻止力が高いと、ブレードのみならず、感光体の摩耗も少なくなるため、耐久性的には固定式の方が上回ると考えられる。
(2)クリーニング装置および画像形成装置
図10は、電子写真法を用いた画像形成装置の一例を示す概略図である。
同図において、感光体1には帯電装置2が対向配置される。
図10に示す画像形成装置における帯電装置2は、ローラ式の帯電装置を用いる接触帯電方式であるが、本発明では帯電装置2にはコロナ帯電装置、接触帯電装置、近接帯電装置(非接触帯電装置)などのいずれの帯電装置も用いる事が出来る。しかし本発明においてはコロナ帯電装置に比べ、設置スペースが小さく、オゾンの生成が0.1〜0.3ppmと少なく、高圧電源をより小型に出来、省エネルギー、省資源、環境性に優れた接触帯電法、近接帯電法が好ましい。
非接触帯電部材では最表層面を105〜108(Ω・cm)に、接触帯電部材の場合は1012〜1014(Ω・cm)に設定される。これは帯電部材と感光体間に空隙が有ることによって、帯電開始電圧Vthが高い方にずれ、帯電性に違いが生じるためで、均一帯電を行うためには帯電部材の体積抵抗は低くする必要がある。但し、あまり下げすぎると、放電破壊の要因になるため、105Ω・cm以上有ることが望ましい。
したがって、帯電を均一に揃えやすく、潜像にほぼ忠実に現像され、また転写効率が高くなるため、シャープ性、高解像度に優れた画像が再現可能である。使用されるトナーの平均粒径は4〜8μm程度である。
このため、球形トナーを使用する場合にはクリーニング性が重要になってくる。
現像されて顕像化されたトナー像は転写装置5(図10ではローラ状であるが、コロナ帯電器やベルト状の転写装置も使用可能である)により、給紙トレイ10より搬送された被転写体(コピー用紙)11に転写され、分離装置6で感光体1より分離され定着装置9に運ばれハードコピー13とされ、排紙トレイ12にストックされる。
トナー像を転写した後の感光体1はクリーニングブレード71を配設したクリーニング装置7により清掃され、除電装置8により感光体の残留電荷が除電され複写プロセスは終了する。
クリーニングブラシ72はクリーニングブレード71の補助的役目を果たすもので、感光体1上にトナー量が多い場合に有効である。40枚程度以上のトナーの排出量が多い高速の画像形成装置には有効であり、また、クリーニング部が感光体の上部に配置された装置の場合に有効である。クリーニングブラシ72は通常ブラシが基体に密に植毛された部材が使用されるが、トナーやキャリアが繊維の間に詰まって目詰まりを起こし、クリーニング性能や、感光体を傷つけたり、摩耗を促進させたりする可能性を有する。したがって、ブラシはローラ全面に亘って密にするのではなく、図12に示すように、感光体の長手方向に繊維(カットパイルブラシ)の列を形成し、繊維の列間は2〜5(mm)程度開ける様にするのが望ましく、前記する不具合は改善される。ブラシの感光体1への食い込み量は0.5〜1.5mm程度に設定するのが好適である。
(3)プロセスカートリッジ
クリーニングブレードの機能は図10に記載の画像形成装置に搭載したときと全く同じである。
プロセスカートリッジの例を図14及び15に示す。プロセスカートリッジに本発明のクリーニングブレードを搭載する事は極めて有効である。トナークリーニング性が高くなることによって、感光体や帯電部材の耐久性が高くなり、画像品質も維持されるため、プロセスカートリッジの信頼性が高まり、交換頻度が少なくなり、コスト低減につながる。
(4)感光体の概要
本発明に使用される感光体1は基本的には図16〜図18に図示される構成のいずれも使用可能である。
図16は導電性支持体101、下引き層102、電荷発生層103、電荷輸送層104からなる機能分離型の有機系感光体である。下引き層102は2〜20μm程度、電荷発生層103は0.1〜0.5μm程度、電荷輸送層104は10〜50μmに設定される。電荷輸送層104にポリカーボネート樹脂を使用した場合、耐久枚数はA4サイズ用紙換算で4万枚〜8万枚程度である。
本発明では耐久性や感度、繰り返し安定性等の面から、図16及び図17に示す機能分離型の有機系感光体1が主に使用される。
以下、本発明で使用する機能分離型の感光体に付いて詳述する。
「1」導電性支持体(101)
感光体に使用可能な導電性支持体101としては、ジュラルミン、アルミ、銅、真鍮、ステンレスなどの金属、プラスチック材、紙管、ガラスなどの絶縁体に導電処理したもの等、多くの種類が有るが、その中でも特には、導電性支持体として要求される機械的強度、加工性(切削性)、電気特性等に優れ、軽量のJIS規定3003系のアルミニウム合金が好適である。
「2」下引き層(102)
下引き層102を形成する目的は、帯電時に導電性支持体側からの電荷注入を阻止すると共に、画像形成時の入射光が導電性支持体で反射して、感光層に再入射することを防止することによって、画像の乱れを無くし、画像形成に必要な帯電電位、静電コントラスト及び均一画像(モアレ防止、ドットパターンの再現など)を確保するためである。したがって、デジタル式の画像形成装置では必要不可欠である。一般に下引き層102は電荷注入を阻止、電子写真特性を劣化させないという観点から、膜厚は1〜10μm程度に設定されるが、好適には3〜6μmである。
「3」電荷発生層(103)
電荷発生層103は画像露光装置3より照射された光子により画像形成に必要な電子−正孔対を生成する層で、電子−正孔対の生成量が多いほど感度は高くなる傾向がある。画像露光で生成された電子又は正孔を表面、若しくは導電性支持体101の電荷に向かってスムーズに移動させるためには、電荷発生層103と接している電荷輸送層104又は下引き層102との界面の障壁は出来るだけ低い方が望ましく、この条件を満たす感光材料であれば、無機系、有機系材料を問わず、いずれの材料も使用可能である。
また、有機系の電荷発生材には金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、トリフェニールアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾ−ル系顔料などがある。
例えば、オキサゾ−ル誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニールアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることが出来る。
膜厚が薄すぎると、感度不良が生じるが、厚すぎると、空間電荷による光減衰劣化、残留電位上昇が生じ、画像濃度低下、解像度低下などの画像品質低下につながる。
「4」電荷輸送層(1)(104)
電荷輸送層(1)104は十分な帯電電位と、画像形成に必要な十分なコントラスト電位を確保するために形成される。電荷輸送層(1)104は一般的に極性依存性が少なく、1014〜1018(Ω・cm)程度の体積抵抗率を有するポリカーボネート樹脂(A型、C型、Z型など)や、スチレン樹脂、非晶質ポリオレフィン樹脂などがバインダー樹脂として使用され、さらにドナー、酸化防止剤、レベリング材などが添加される。
電荷輸送層(1)104を構成する低分子電荷輸送物質にはオキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダール誘導体、トリフェニールアミン誘導体、α−フェニールスチルベン誘導体、トニフェニールメタン誘導体、アントラセン誘導体などを使用することが出来る。
[1]主鎖および/または側鎖にカルバゾール環を有する重合体には
例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−183719号公報に記載の化合物等がある。
[2]主鎖および/または側鎖にヒドラゾン構造を有する重合体には
例えば、特開昭57−78402号公報、特開平3−50555号公報に記載の化合物等がある。
[3]ポリシリレン重合体には
例えば、特開昭63−285552号公報、特開平5−19497号公報、特開平5−70595号公報に記載の化合物等がある。
[4]主鎖および/または側鎖に第3級アミン構造を有する重合体には
例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−13061号公報、特開平1−19049号公報、特開平1−1728号公報、特開平1−105260号公報、特開平2−167335号公報、特開平5−66598号公報、特開平5−40350号公報に記載の化合物等がある。
[5]その他の重合体には
例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報に記載の化合物等がある。
本発明に使用される電子供与性基を有する重合体は、上記重合体だけでなく、公知単量体の共重合体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スタ−ポリマ−や、また、例えば特開平3−109406号公報に開示されているような電子供与性基を有する架橋重合体等を用いることも可能である。
膜厚が10μm以下では静電容量が大きくなり過ぎ、画像形成に必要な表面電位を確保することが出来難くなる。画像形成に必要なコントラスト電位として、少なくとも250V以上有ることが望ましいが、10μm以下ではコントラスト電位が確保できにくく、また、繰り返し使用により感光層が摩耗するため、実使用時間が短く実用性に乏しくなる。
さらに、膜厚が薄いと、均一な膜厚の感光層を製造することが難しく、濃度ムラやピンホールによる画像欠陥が起こり、SN比の悪い画像品質となる。
電荷輸送層(1)104の形成によって、耐久枚数は4〜8万枚、本発明のクリーニングブレードを使用するとさらに耐久性をのばすことが可能になる。
電荷輸送層(2)105は図16に図示する4層構成の感光体の耐久性を向上させる目的で形成される。
[6]電荷輸送層(2)(105)
電荷輸送層(2)105は感光体の高耐久化を狙いとして形成するものである。感光体として繰り返し使用するためには、電子写真特性を満足するものでなくてはならない。したがって、電荷輸送層(2)105には、適当な電気抵抗と良好なホール(正孔)移動性を有しかつ、高耐久性であることが要求される。
このためには、電荷輸送層105は電荷輸送層104の延長上の感光層とすることが望ましく、層形成時に両層間にはっきりした界面が形成されないように構成する事によって、繰り返し使用においても、電荷輸送層104と電荷輸送層105の界面間の障壁が低くなり、残留電位の蓄積、光減衰特性の劣化、帯電電位低下を低く抑えることが可能となる。
上記記載のフィラーの中より、撥水性を有し、体積固有抵抗は1010〜1013(Ω・cm)程度ある材料で、特にはアルミナ、酸化チタンが好ましく使用できる。塗膜法はスプレー法やディッピング法がある。
熱硬化タイプの架橋タイプの樹脂を使用する場合について説明する。
バインダー樹脂に架橋タイプの樹脂を使用する方法では、電荷輸送層105は「反応性水酸基を有する架橋性電荷輸送物質」と、「熱硬化性樹脂単量体」と、「熱硬化性界面活性剤との架橋反応によって得られる樹脂」が使用される。
架橋性電荷輸送物質としては、特開平7−228557号公報に記載のビスフェノール化合物、特開平8−198825号公報に記載のジアミン化合物、特開平9−31035号公報、特開平9−263569号公報、特開平9−268164号公報等に記載のジヒドロキシル基含有ジアミン化合物、特開平9−278723号公報、特開平10−7630号公報に記載のヒドロキシル基含有アミン化合物、特開平9−194442号公報に記載のヒドロキシル基含有スチルベン化合物、特開平10−53569号公報に記載のアミン化合物等があり、いずれも有効である。これらは高分子電荷輸送物質の原料であり、電荷輸送能力に優れた特性を示し、反応性にも優れた材料である。
(1)特開平7−68398号公報に記載のフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートを含む共重合体として、特開昭60−221410号公報、特開昭60−228588号公報に記載のフッ素を含まないビニル型モノマーと含フッ素ビニル型モノマーととから成るブロック共重合体、
(2)フッ素系グラフトポリマーとして、たとえば、特開昭60−187921号公報に記載のポリメチルメタクリレートを側鎖にもつメタクリレートマクロモノマーとフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートを共重合した櫛形グラフトポリマーなどがある。
これらの界面活性剤は単独で用いても、架橋樹脂成分としても用いても良い。
架橋樹脂成分として用いる場合、メタクリル酸エステルとアクリル酸フッ化アルキルとの共重合体は特に有効である。
これらの化合物は単独または2種以上の混合物として用いることが出来る。低分子化合物の使用量は、樹脂成分100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは、0.1〜20重量部、レベリング剤の使用量は、樹脂成分100重量部に対して0.001〜5重量部程度が適当である。
したがって、画像形成装置内で感光体を帯電する際に生成される、オゾンや窒素酸化物などのコロナ生成物が作用することによって、上昇する摩擦係数、クリーニング不良等の改善には極めて有効である。
低分子型の電荷輸送物質と架橋樹脂とを混合することが可能で有れば、低分子型の電荷輸送物質を混合しても良いが、保護層内に固定できず、低分子成分が表面に析出することがある。このようなケースに対して前述の高分子電荷輸送物質を用いることで析出を防ぎ、感度特性の向上を図ることができる。
本発明においては、耐環境性の改善のため、及び、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、保護層、中間層等の各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質を添加することが出来る。これらの化合物の代表的な材料を以下に記す。
各層に添加できる酸化防止剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)フェノ−ル系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ−ル、ブチル化ヒドロキシアニソ−ル、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノ−ル、n-オクタデシル-3-(4'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-t-ブチルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、2,2'−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、4,4'−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、4,4'−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]メタン、ビス[3,3'−ビス(4'−ヒドロキシ−3'−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロ−ル類など。
(b) パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N'−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジメチル−N,N'−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
(c) ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
(d)有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3'−チオジプロピオネ−ト、ジステアリル−3,3'−チオジプロピオネ−ト、ジテトラデシル−3,3'−チオジプロピオネ−トなど。
(e)有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
各層に添加できる可塑剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(A)リン酸エステル系可塑剤
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなど。
(B)フタル酸エステル系可塑剤
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
(C)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
(D)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなど。
(E)脂肪酸エステル誘導体
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなど。
(F)オキシ酸エステル系可塑剤
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど。
(G)エポキシ可塑剤
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
(H)二価アルコールエステル系可塑剤
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど。
(J)含塩素可塑剤
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
(K)ポリエステル系可塑剤
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
(L)スルホン酸誘導体
P-トルエンスルホンアミド、O−トルエンスルホンアミド、P−トルエンスルホンエチルアミド、O−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、P−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなど。
(M)クエン酸誘導体
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなど。
(N)その他
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなど。
(a)炭化水素系化合物
流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなど。
(b)脂肪酸系化合物
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
(c)脂肪酸アミド系化合物
ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなど。
(d)エステル系化合物
脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
(e)アルコール系化合物
セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなど。
(f)金属石鹸
ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
(g)天然ワックス
カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなど。
(h)その他
シリコーン化合物、フッ素化合物など。
各層に添加できる紫外線吸収剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)ベンゾフェノン系
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノンなど。
(b)サルシレート系
フェニルサルシレート、2,4ジ−t−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル4ヒドロキシベンゾエートなど。
(c)ベンゾトリアゾール系
(2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ3'−ターシャリブチル5'−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール
(d)シアノアクリレート系
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル2−カルボメトキシ3(パラメトキシ)アクリレートなど。
(e)クエンチャー(金属錯塩系)
ニッケル(2,2'チオビス(4−t−オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなど。
(f)HALS(ヒンダードアミン)
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
がある。
測定用の感光体を台座に固定して、幅30mm、長さ290mmにカットした厚み85μmの上質紙(リコー社製、タイプ6200ペーパー、縦目使用)をベルトとし、前記上質紙を感光体の上に乗せ、ベルト端部の一方に100grのおもりを取り付け、もう一方の片端に重量測定用のデジタル・フォース・ゲージを取り付け、デジタル・フォース・ゲージをゆっくり引き、ベルトの移動開始時の重量を読みとり、式1より(静止)摩擦係数μsを計算する。
ただし、μs:静止摩擦係数、F:読みとり荷重
W:分銅の重さ π:円周率
本実施例によるクリーニングブレードを装備したクリーニング装置が用いられる画像形成装置における評価用感光体について説明する。
(感光体作製例1)
φ30mm×340mm(肉厚0.750mm)に加工されたJIS3003系アルミニウム合金ドラムを導電性支持体として、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布した後加熱乾燥し、3.5μmの下引き層、0.3μmの電荷発生層、23μmまたは28μmの電荷輸送層を形成した。加熱乾燥の条件は下引き層が120℃20分、電荷発生層、電荷輸送層が130℃20分とした。
なお、電荷輸送層の膜厚変化は塗工糟液からの引き上げ速度を変化させる事によって行った。
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂(ベッコゾール 1307−60−EL,大日本インキ化学工業製)
10重量部
メラミン樹脂(スーパーベッカミン G−821−60,大日本インキ化学工業製)
7重量部
酸化チタン(CR−EL 石原産業社製) 40重量部
メチルエチルケトン 200重量部
〔電荷発生層用塗工液〕
下記構造のビスアゾ顔料(リコー社製) 5重量部
シクロヘキサノン 200重量部
メチルエチルケトン 80重量部
〔電荷輸送層用塗工液〕
ポリカーボネート樹脂(Zポリカ、粘度平均分子量;5万、帝人化成社製)
10重量部
下記構造の低分子電荷輸送物質 7重量部
1%シリコーンオイル(KF50−100CS信越化学工業社製)テトラヒドロフラン溶液 1重量部
(評価用感光体作製例2)
次に作製例1で作製した、電荷輸送層を23μmとする感光体1−1の上に下記電荷輸送層の塗工液を用いて、スプレー塗工を行い、170℃30分の加熱乾燥により、5μm目標の電荷輸送層2を積層した感光体を作製した。
この感光体を感光体2−1とする。
〔フッ素樹脂配合電荷輸送層用塗工液〕
下記構造の低分子電荷輸送物質 3重量部
(固形分:0.7重量部)
メラミン樹脂(スーパーベッカミン G−821−60,大日本インキ化学工業製)
10.5重量部
テトラヒドロフラン 180重量部
シクロヘキサノン 50重量部
電荷輸送層のスプレー塗工条件は次の通りである。
〔感光体最表面層の保護層塗工条件〕
塗工液吐出量: 15ml/min
塗工液吐出圧: 2.0kgf/cm2
被塗工ドラムの回転速度: 120rpm
塗工速度: 28mm/sec
スプレーヘッドと被塗工ドラムの距離:5cm
塗工回数: 2〜4回の間で適正値を選択
硬化温度:170℃30分
(クリーニングブレードの作製例1)
評価機として用意した画像形成装置(イマジオMF2200 リコー製)に搭載されるプロセスカートリッジ(クリーニングブレードは固定式)のクリーニングブレードとして肉厚が1.5mm、2mm、3mm、4mm、JIS−A硬度が57°、62°、77°、85°、88°の支持体付きウレタンゴム(北辰工業製)を用意した。
なお、摩擦係数測定用のサンプルは、別途用意した2mm厚のウレタンゴム(35mm×90mm)全面に塗布したサンプルで評価した。評価方法は30mmのドラムにサンプルを巻き付けテープで抑え、オイラーベルト法による測定方法で行った。
潤滑性塗料薄膜面の表面粗さは感光体に当接する側の、ブレードエッジより2mm上のほぼ中央部を測定したものである。
評価用の画像形成装置として、イマジオMF2200(リコー製、接触帯電方式、プロセスカートリッジ式)、感光体として感光体1−2を用意した。また、プロセスカートリッジのクリーニングブレードには表1に示すB−1(実施例1)、B−2(実施例2)、B−3(実施例3)、B−5(実施例4)、B−7(実施例5)、B−10(実施例6)を用意した。
その他の実施例2〜6については、画像品質に影響を与えるようなクリーニング不良は起こらず、高解像度の画像品質が得られた。ただし、表面粗さの少し大きいB−10のサンプルを使用した際に、摩擦抵抗が少し不十分と思われる地肌汚れが微かに見られたが、実用範囲内であった。表面粗さを小さくすることによって、改善可能である。
実用範囲内とは、一般的使用では問題ないが、詳細に画像品質を見ると、点状のトナーが見られる状態をいう。
(実施例7〜12)
クリーニングブレードの評価用に感光体2−1、クリーニングブレードにB−2(実施例7)、B−3(実施例8)、B−6(実施例9)、B−8(実施例10)、B−9(実施例11)およびB−11(実施例12)とした他は実施例1〜6に同等の条件で評価を実施した。結果を表3に示す。
(比較例1〜2)
感光体に前述した感光体1−2、感光体2−1、クリーニングブレードにイマジオMF2200(リコー製)の純正部品(潤滑性塗料塗布なし、2mm厚、当接圧23g/cm)を使用し、感光体には初期のみ潤滑剤(PTFE、L−2/ダイキン工業製)を塗布し、実施例1〜12に同様な方法でクリーニングブレードの評価をおこなった。結果を表4に示す。
(比較例3〜6)
(クリーニングブレードの作製例2)
評価機として用意した画像形成装置(イマジオMF2200 リコー製)に搭載されるプロセスカートリッジ(クリーニングブレードは固定式)のクリーニングブレードとして肉厚が2mmおよび3mm、JIS−A硬度が57°、62°、85°の支持体付きウレタンゴム(北辰工業製)を用意した。
なお、摩擦係数測定用のサンプルは、別途用意した2mm厚のウレタンゴム(35mm×90mm)全面に塗布したサンプルで評価した。評価方法は30mmのドラムにサンプルを巻き付けテープで抑え、オイラーベルト法による測定方法で行った。
この様にして得られたサンプルの内容は表5の通りである。
潤滑性塗料薄膜面の表面粗さは感光体に当接する側の、ブレードエッジより2mm上のほぼ中央部を測定したものである。
したがって、常温硬化型の1液性の塗料は耐久性の面で不十分であった。
71 クリーニングブレード
71a 支持体
71d ブレード
71f エッジ
71e 潤滑性塗料
Claims (17)
- 残留する粉体を始めとする異物をクリーニングするためのクリーニングブレードであって、
前記クリーニングブレードは、前記異物が残留する面に対して、エッジ部が圧接可能なブレード本体と、該ブレード本体表面で少なくとも前記異物が残留する面に対向する側の面に設けてある潤滑層とを備え、
前記ブレード本体は可撓性部材であり、前記潤滑層は該ブレード本体の少なくともエッジ部を除く範囲に設けてあることを特徴とするクリーニングブレード。 - 請求項1記載のクリーニングブレードにおいて、
前記潤滑層は、前記ブレード本体のエッジ部およびこれに連続する端面を除く範囲に設けてあることを特徴とするクリーニングブレード。 - 請求項1または2に記載のクリーニングブレードにおいて、
前記潤滑層は、前記異物が残留する面に対する前記ブレード本体の当接角度に応じて前記ブレード本体のエッジ部およびこの近傍面と共に該異物が残留する面に接触できる位置から塗布されていることを特徴とするクリーニングブレード。 - 請求項1乃至3のうちの一つに記載のクリーニングブレードにおいて、
前記潤滑層の厚さは、前記異物が残留する面に対する前記ブレード本体の当接角度に応じて該ブレード本体のエッジ部と該潤滑層とが同時に接触できる厚さに設定されていることを特徴とするクリーニングブレード。 - 請求項1乃至4のうちの一つに記載のクリーニングブレードにおいて、
前記ブレード本体は、厚さが1.5〜3mmに設定されていることを特徴とするクリーニングブレード。 - 請求項1乃至5のうちの一つに記載のクリーニングブレードにおいて、
前記ブレード本体は、前記異物が残留する面に対して15〜35g/cmの当接圧により圧接していることを特徴とするクリーニングブレード。 - 請求項1乃至3のうちの一つに記載のクリーニングブレードにおいて、
前記潤滑層は、ブレード本体との間で化学的親和性を有する材料が塗布されて構成されていることを特徴とするクリーニングブレード。 - 請求項7記載のクリーニングブレードにおいて、
前記潤滑層には、前記ブレード本体がウレタン系ゴムを用いる場合にフッ素樹脂を含有する熱硬化性の塗料が用いられることを特徴とするクリーニングブレード。 - 請求項7または8記載のクリーニングブレードにおいて、
前記潤滑層は、その表面粗さが10点平均粗さ(Rz)において3μm以下で最大高さRmaxが5μm以下に設定されていることを特徴とするクリーニングブレード。 - 請求項7乃至9のうちの一つに記載のクリーニングブレードにおいて、
前記潤滑層の厚さは、20〜100μmに設定されていることを特徴とするクリーニングブレード。 - 請求項1乃至10のうちの一つに記載のクリーニングブレードを用いたことを特徴とするクリーニング装置。
- 請求項11記載のクリーニング装置において、
前記クリーニングブレードは、異物が残留する面から除去した異物の回収機構を備えたカートリッジに装備されていることを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項11または12記載のクリーニング装置と感光体とを一体的に備え、画像形成装置本体に対して着脱可能としたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項11または12記載のクリーニング装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項14記載の画像形成装置において、
前記異物が残留する面は、転写対象となるトナー像を担持可能な潜像担持体であり、該潜像担持体はトナー像の転写後に前記クリーニング装置による異物回収が行われる構成であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項15記載の画像形成装置において、
前記潜像担持体は、単一若しくは複数設けられ、作像モードに応じて選択されて装備される構成であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項15または16記載の画像形成装置において、
潜像担持体が複数装備される場合には、各潜像担持体で形成された画像を順次中間転写体あるいは記録媒体に重畳転写可能な構成が用いられることを特徴とする画像形成装置。
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