JP4568538B2 - クリーニングブレードおよびクリーニング装置およびプロセスカートリッジおよび画像形成装置 - Google Patents

クリーニングブレードおよびクリーニング装置およびプロセスカートリッジおよび画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4568538B2
JP4568538B2 JP2004161437A JP2004161437A JP4568538B2 JP 4568538 B2 JP4568538 B2 JP 4568538B2 JP 2004161437 A JP2004161437 A JP 2004161437A JP 2004161437 A JP2004161437 A JP 2004161437A JP 4568538 B2 JP4568538 B2 JP 4568538B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blade
cleaning
cleaning blade
toner
image forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004161437A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005345493A (ja
Inventor
英利 紙
宏 永目
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2004161437A priority Critical patent/JP4568538B2/ja
Publication of JP2005345493A publication Critical patent/JP2005345493A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4568538B2 publication Critical patent/JP4568538B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cleaning In Electrography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Description

本発明は、クリーニングブレードおよびクリーニング装置およびプロセスカートリッジおよび画像形成装置に関し、さらに詳しくは、感光体などの潜像担持体上に残留しているトナー等の粉体を含む異物の掻き取り除去構成に関する。
電子写真法を使用した画像形成装置では電子写真感光体を中心に、帯電、画像露光、現像、転写、分離、清掃(クリーニング)及び除電の各手段が配置されている。
画像形成は、まず、高電圧が印加された帯電部材を通して、電子写真感光体(以後単に感光体と称する)表面に均一に電荷が付与(帯電)する。
次に、コピーしたい原稿やパソコン(パーソナルコンピューター)などの情報(信号)を、LD素子やLED素子アレイを光源とするドットパターンの光信号に変換して、ポリゴンミラーやシリンドリカルレンズ等を介して感光体面に照射し、静電潜像(コントラスト画像)を形成する。静電潜像は平均粒径が4〜8(μm)程度のトナーと、平均粒径が40〜60(μm)程度のキャリアと呼ばれる磁性紛とを混合した2成分系の現像剤で現像され、トナー像として顕像化される。
トナーには、粉砕法で製造される形状がいびつで不揃いな粉砕トナーと、化学的に製造される球形又はほぼ球形状の重合トナーがある。これら種類を持つトナーは、夫々一長一短があるが、高画質化の要求に伴って、粒径がほぼ揃って粒度分布が狭い、転写効率が良好、製造コストが粉砕トナーに比べて安価であるなど多くの長所を有する重合トナー(尖ったところが無く、球形状であるため球形トナーとも呼ばれる)が多く使用されてきている。
トナー像は、トナーとは逆極性の電圧が印加されたローラやベルトなどの転写手段によって被転写体(コピー用紙)に転写された後、熱や圧力等の手段により定着されハードコピーとされる。
一方、転写後の感光体には未転写のトナーが残留しているため、次の画像形成に備えるため、清掃部材(以後クリーニング部材と称する)によって感光体面が清浄化される。
ところで、クリーニング部材には繊維ブラシを使用したブラシクリーニング法、ゴムブレードを使用したブレードクリーニング法、及び両者を併用するクリーニング法が公知であるが、コンパクトな設計が出来ること、耐久性が比較的良好であること、クリーニング効率が高いこと等からブレードクリーニング法の使用が多くなっている。
ブレードクリーニングに使用されるブレードとしては、感光体に機械的ダメージを与えず、密着性良好なゴム状の弾性体が使用される。ブレードとして適用可能なゴム材にはシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴムゴム、ウレタンゴムなどがあるが、機械的耐久性、化学的安定性(たとえば耐オゾン性など)クリーニング性等に優れた特性を示すポリウレタンゴムがクリーニングブレードとしては良好に使用される。
クリーニングブレードは、板状に成形されたゴム板(ブレード)をアルミニウム板や鉄板等の支持体に固定したものであり、一定の荷重(押圧)が掛けられ、ブレードのエッジが感光体に当接するように設置される。感光体に当接する手段として、ブレードエッジが感光体に対して、カウンタ方向(感光体の回転時にブレードエッジが食い込むようになる方向=逆方向)に当接する場合と、トレーリング方向(感光体の回転時にブレードエッジがなめる(食い込みがない)方向=順方向)に当接する方法が有るが、カウンタ方向に当接する方法がクリーニング性に優れるため、カウンタ当接に設置されるのが一般的となっている。すなわち、カウンタ当接により、クリーニングブレードのエッジは感光体の回転によって食い込むように働くため、感光体とブレードエッジ間の隙間が解消され、クリーニング性を高めることになる。
一方、クリーニングブレードは、上述したように、潜像担持体の移動方向に対してカウンタとなるように先端を位置決めされて接触させたカウンタ方式が周知であるが、この構成の場合、潜像担持体表面の摩擦係数が上昇していると、ブレード先端への摩擦力が高まり、結果として、潜像担持体に引きずられやすくなることでブレード先端がめくれて反り返る現象が発生する。以下、この点について説明する。
上述したカウンタ方式のクリーニングブレードを用いた場合を図19に示すと、ドクターブレードBとしては、撓み剛性が得られやすい弾性材料が用いられ、例えば、潜像担持体としてドラムAを用いた場合、潜像担持体Aの回転方向Rに対してカウンタとなるように角度θを設定して当接させ、さらに先端を食い込み勝手(図中、符号dで示す食い込み量)に押し付けることによって潜像担持体表面に残留しているトナーを掻き取ることでクリーニングするようになっている。
しかし、この接触条件の下で、潜像担持体表面の摩擦係数が上昇すると、図20に示すように、潜像担持体Aの回転方向に沿ってドクターブレードBの先端エッジ面B1が引きずられて引っ張られる状態となり、引っ張られた位置が潜像担持体表面との間で楔状空間Cを形成する楔形状となる。
上述した接触帯電方式を用いた場合には、図20において二点鎖線で示すように、接触帯電を用いた場合などに生成される放電生成物Dが潜像担持体Aの表面に付着し、これにより、ブレードBの先端がめくれる程度が放電生成物の厚さ分だけ大きくなり、摩擦力の増加も相俟ってブレード先端B1が引きずられやすくなることが原因して楔状空間Cを大きくするような楔形状を呈する。ブレード先端にめくれが発生すると、潜像担持体との間に摺擦抵抗が発生し、潜像担持体表面を擦ることで傷つけやすくなるばかりでなく、潜像担持体の回転抵抗が増加してしまい、いわゆる、潜像担持体の動作ロックが生じる虞があり、この場合には、潜像担持体をはじめとしてその周辺部品を交換する事態を招く虞がある。
一方、ブレード先端が潜像担持体との摺擦によって発生するめくれ現象は、残留トナーの掻き取りにも悪影響を及ぼす。
近年、インクジェットプリンターの高画質化に伴って、電子写真システムにも高画像品質が要求されてきた。高画像品質に最も寄与する要因として顕像化する材料であるトナーを小粒径で球形にすることで最も精細な画質が得られる。このため、小粒径化する技術としてトナーの製造方法をこれまでのトナーの塊を砕いて微粒子化し、分級することで所望の粒径域のトナーを使用する粉砕法を行ってきた。
しかし、この方法である分布域からはずれたトナーは廃棄されたり、再溶融して再使用してきた。このやりかたであると生産性が悪く近年の省エネ化に反していた。そこで、これまでの粉砕法に代わり化学反応である重合反応による重合トナーの製法が行われ始めてきている。この重合トナー製法としては懸濁重合、乳化重合、分散重合等があるが何れも粉砕分級工程が不要で所望の粒径のトナーを高収率で得ることができる。また、重合法トナーは高い転写率が得られるので廃トナーが少ないためこの点でも省エネ効果が大きい。しかし、重合法を用いた小粒径、球形のトナーは多くの利点を有する反面、画像形成装置のプロセスでクリーニングしづらいという大きな課題を抱えている。
従来、重合トナーを採用した装置でのクリーニングは、トナー形状を変形させてブレードでクリーニングしたり、静電的に吸着するブラシクリーニングによって転写後の残トナーのクリーニングを行ってきた。この方式であると、本来の球形形状に製造できる工程に異形処理などの追加工程が必要となる。また、静電的に吸着するブラシクリーニングにおいてはブラシローラや駆動装置等の点でコストアップの要因となっている。また、ブラシローラからトナーを除去することにも信頼性の点で課題があり充分な効果が得られていない。
微粒子径化されたトナーとして、粉砕トナーを用いた場合のクリーニングにおいては、図21,22に示すように、ブレード先端B1が潜像担持体Aに引きずられて楔形状をなし、楔状空間Cに粉砕トナー(便宜上、符号T1とする)が溜まると、ブレード先端B1が潜像担持体Aに引きずられて変形した際に発生する応力に伴う弾性復元力によって元の形状(図22中、実線で示す形状)に戻る動作が生じる(図22中、符号SSで示す方向の動作)。
この現象がスティック・スリップ運動である。この運動により元の形状復帰の際のエネルギーによってトナーが弾き飛ばされることになり、潜像担持体表面からトナーが掻き取られる。
一方、微粒子径化された球形トナーを用いた場合には、図23および図24に示す現象が発生する。つまり、粉砕トナーの場合には、トナー自体にいびつなエッジが存在することでそのエッジがブレード表面に引っ掛かることができるが、球形トナー(便宜上、符号T’で示す)にはそのようなエッジがない。このため、ブレード先端に引っ掛かることがなく、楔形状部内に侵入しやすくなる。楔形状部に進入した球形トナーT’は、潜像担持体Aの移動方向とブレード先端B1との間で生起される摩擦力により接触位置を駆動源として回転モーメントを受ける。従って、この回転モーメントが生起された場合には球形トナーがブレード先端B1の楔形状部と潜像担持体表面との間をすり抜ける動きが発生し、これによってトナーの掻き取り不良が発生することになる。しかも、すり抜けようとする球形トナーT’は、ブレード先端B1と潜像担持体Aとの間の摩擦力を低減させる滑剤として機能してしまうので、ブレード先端B1でのめくれが生じにくくなり、これによって、ブレードが元の形状に戻るため、つまり、スティック・スリップ現象を生じさせるための弾性復元力が得にくくなり、弾性復元力によるトナーの掻き取り作用を有効に機能させることができなくなる虞がある。
従来、このような不具合の解消を図る目的で次のような構成が提案されている。
第1に、像担持体との摩擦が十分に小さく、この状態を長期に維持でき、常時安定したクリーニングを行うために、弾性薄板表面にフッ化カーボンを1〜25重量%含有するフッ素樹脂(フッ素樹脂が4フッ化エチレン−パーフロロアルコキシエチレン共重合体)を形成する技術(例えば、特許文献1)。
第2に、には、シリコーン製現像ローラを使用した場合にその表面に析出するシロキサンオリゴマーが感光体に付着することによって生じる白筋、文字つまりなどの画像欠陥を防止するために、ポリウレタンゴムの先端部に水性ディスパージョンで固形分20〜30重量%の4−6フッ化樹脂をコーティングする技術(例えば、特許文献2)。
第3に、クリーニングブレードのエッジがめくれないようにするために、トナー付着体に当接する部分にスプレー法を使用して、フッ素系ポリマーからなる塗布層を形成する技術(例えば、特許文献3)。
第4に、クリーニングブレードの反転を防止するために、ブレードのエッジ部およびこのエッジ部を挟んで延びる2面にフッ素含有重合膜を形成する技術(例えば、特許文献4)。
第5に、ブレードエッジの低摩擦化を実現し、ブレードめくれを防止するために、10μm以下の微粒子をディッピング法などの手段で塗布し溶媒をとばし乾燥する技術(例えば、特許文献5)。
第6に、小粒径の球形トナーであっても長期にわたって安定したクリーニングを行わせる為に、平均粒径0.1μm以上の有機微粒子、無機微粒子およびトナーの群より選ばれる微粒子を単位面積あたり1〜10mg/cmを像担持体と接触する部分に付着させ、付着させる手段としては非イオン性界面活性剤を塗布した後、微粒子を付着させ乾燥させる技術(例えば、特許文献6)。
特開平5−46056号公報(段落「0013」欄) 特開平10−326066号公報(段落「0013」欄) 特開平9−258632号公報(段落「0007」欄) 特開平8−16056号公報(段落「0004」欄) 特開2000−147972号公報(段落「0030」欄) 特開2003−280474号公報(段落「0036」欄)
上記特許文献に開示の技術には次のような問題がある。
特許文献1に開示の技術は、燐青銅板のような有弾性の金属にフッ素系樹脂を被覆したクリーニングブレードであるため、ブレードが非常に硬い。このため、クリーニングブレードは歪みやスティックスリップ現象を起こす可能性は極めて低いが、ブレードに金属を使用しているため、像担持体に摺擦傷が入りやすく、帯電特性の低下や、画像品質の低下は避けられず、像担持体の交換も余儀なくされる。また、感光体への密着性が稀薄になり早期のクリーニング不良は避けられない。
特許文献2に開示の技術は、コーティングしたフッ素樹脂がシロキサンオリゴマーを取り込む必要があるため、ブレードからフッ素樹脂が剥離する必要がある。すなわち、ブレードにコーティングしたフッ素樹脂は補給しないと効果が無くなり、1回のコーティングでは持続性が無くなるという問題点がある。
特許文献3に開示の技術は、フッ素系潤滑層とフッ素系ポリマーからなるフッ素系潤滑剤をスプレー法などで、ブレード面に塗布して乾燥させただけであることから、ウレタンブレードとの接着性が十分に得られないため、直ぐ消耗されてしまい、特性維持(耐久性)の面で不十分である。また、ブレードエッジまで塗布してしまうと、十分なエッジが確保されないため、像担持体との間に隙間を生じ、球形トナーを使用した場合など、初期よりクリーニング不良が起こる可能性が高い。
特許文献4に開示の技術は、エッジ部にフッ素樹脂重合膜を形成することによって、像担持体との摩擦抵抗は低減し、ブレードの反転防止は可能になるが、エッジ部にも塗布するために、エッジの機能が不十分となり、また像担持体との正接触性が失われるために、球形トナーのように円形度の大きいトナーの場合、隙間が出来やすくなるため、クリーニング不良を起こす可能性が大きい。また、プラズマ重合法で作製するためコストの大幅なアップとなる。
特許文献5に開示の技術は、表面薄層が2層になるため、像担持体にエッジが当接するとエッジが浮き、特に球形トナーをクリーニングする場合、クリーニング不良になる可能性がある。また、接着層の上に固体潤滑層を塗布しても、両層間は十分な接着性が得られにくいため、長期的な特性維持が図られないため、早期に効果が薄れる可能性がある。
特許文献6に開示の技術は、ブレード表面に付着させただけでは、使用している内に微粒子がとれて失われる。したがって、初期の間は効果が見られるが、像担持体の摩擦係数を下げるには不十分で、使用している間に比較的早く像担持体との摩擦抵抗が増大し、ブレードエッジに局部的にゆがみを生じる様になるため、クリーニング不良を起こしやすくなり効果の持続性が低下し、長期安定性に欠ける。
本発明の目的は、上記従来のクリーニングブレードおよびこれを用いる画像形成装置における問題に鑑み、第1に、球形トナーであっても画像品質に悪影響を与えない程度に良好なクリーニングが行え、さらにその性能を維持し、第2に、ブレードエッジの耐久性が維持され、第3に感光体にスクラッチなどの擦り傷を起こし難くして、長期に亘って安定した画像形成が行えるクリーニングブレード、及びそれを使用したクリーニング装置およびプロセスカートリッジおよび画像形成装置を提供することにある。
請求項1記載の発明は、残留する粉体を始めとする異物をクリーニングするためのクリーニングブレードであって、前記クリーニングブレードは、前記異物が残留する面に対して、エッジ部が圧接可能なブレード本体と、該ブレード本体表面で少なくとも前記異物が残留する面に対向する側の面に設けてある潤滑層とを備え、前記ブレード本体は可撓性部材であり、前記潤滑層は該ブレード本体の少なくともエッジ部を除く範囲に設けてあることを特徴としている。
請求項記載の発明は、請求項1記載のクリーニングブレードにおいて、前記潤滑層は、前記ブレード本体のエッジ部およびこれに連続する端面を除く範囲に設けてあることを特徴としている。
請求項記載の発明は、請求項1または2に記載のクリーニングブレードにおいて、前記潤滑層は、前記異物が残留する面に対する前記ブレード本体の当接角度に応じて前記ブレード本体のエッジ部およびこの近傍面と共に該異物が残留する面に接触できる位置から塗布されていることを特徴としている。
請求項記載の発明は、請求項1乃至のうちの一つに記載のクリーニングブレードにおいて、前記潤滑層の厚さは、前記異物が残留する面に対する前記ブレード本体の当接角度に応じて該ブレード本体のエッジ部と該潤滑層とが同時に接触できる厚さに設定されていることを特徴としている。
請求項記載の発明は、請求項1乃至のうちの一つに記載のクリーニングブレードにおいて、前記ブレード本体は、厚さが1.5〜3mmに設定されていることを特徴としている。
請求項記載の発明は、請求項1乃至のうちの一つに記載のクリーニングブレードにおいて、前記ブレード本体は、前記異物が残留する面に対して15〜35g/cmの当接圧により圧接していることを特徴としている。
請求項記載の発明は、請求項1乃至のうちの一つに記載のクリーニングブレードにおいて、前記潤滑層は、ブレード本体との間で化学的親和性を有する材料が塗布されて構成されていることを特徴としている。
請求項記載の発明は、請求項710記載のクリーニングブレードにおいて、前記潤滑層には、前記ブレード本体がウレタン系ゴムを用いる場合にフッ素樹脂を含有する熱硬化性の塗料が用いられることを特徴としている。
請求項記載の発明は、請求項または記載のクリーニングブレードにおいて、前記潤滑層は、その表面粗さが10点平均粗さ(Rz)において3μm以下で最大高さRmaxが5μm以下に設定されていることを特徴としている。
請求項10記載の発明は、請求項乃至のうちの一つに記載のクリーニングブレードにおいて、前記潤滑層の厚さは、20〜100μmに設定されていることを特徴としている。
請求項11記載の発明は、請求項1乃至10のうちの一つに記載のクリーニングブレードをクリーニング装置に用いたことを特徴としている。
請求項12記載の発明は、請求項11記載のクリーニング装置において、前記クリーニングブレードは、異物が残留する面から除去した異物の回収機構を備えたカートリッジに装備されていることを特徴としている。
請求項13記載の発明は、請求項11または12記載のクリーニング装置と感光体とを一体的に備えたプロセスカートリッジを画像形成装置本体に対して着脱可能としたことを特徴としている。
請求項14記載の発明は、請求項11または12記載のクリーニング装置を画像形成装置に用いたことを特徴としている。
請求項15記載の発明は、請求項14記載の画像形成装置において、前記異物が残留する面は、転写対象となるトナー像を担持可能な潜像担持体であり、該潜像担持体はトナー像の転写後に前記クリーニング装置による異物回収が行われる構成であることを特徴としている。
請求項16記載の発明は、請求項15記載の画像形成装置において、前記潜像担持体は、単一若しくは複数設けられ、作像モードに応じて選択されて装備される構成であることを特徴としている。
請求項17記載の発明は、請求項15または16記載の画像形成装置において、潜像担持体が複数装備される場合には、各潜像担持体で形成された画像を順次中間転写体あるいは記録媒体に重畳転写可能な構成が用いられることを特徴としている。
請求項1,および,6記載の発明によれば、異物が残留している面に自由端が圧接可能なブレード本体においてブレード本体とこのエッジ部を除く範囲で設けてある潤滑層とが同時に圧接するようになっているので、エッジ部での圧接力を高めて異物の掻き取り性を向上させる一方、圧接力の増加による摺擦抵抗の増加を潤滑層の接触によって緩和することができる。これにより、エッジ部をすり抜けようとする例えば球形トナーなどの異物に対する堰き止め作用の強化による掻き取り効率の向上と摺擦抵抗増加による機械的負荷の増加を抑制することが可能となり、機械的負荷の増加による異音などの発生も防止することが可能となる。
請求項記載の発明によれば、潤滑層がブレード本体のエッジ部およびこれに連続する端面、特に請求項4記載の発明においては異物が残留する面の移動方向上流側に位置する端面を除いて設けてあるので、エッジ部の食い込みを可能にすることにより異物の掻き取りこの端面に連続する端面での堰き止めによって異物の除去が確実に行えることになる。
請求項記載の発明によれば、ブレード本体の厚さが1.5〜3mmに設定されているので、撓み合成を確保することによりエッジ部が浮き上がるような事態を防止でき異物のすり抜けを確実に防止することが可能となる。
請求項記載の発明によれば、潤滑層がブレード本体と化学的親和性を有する材料を塗布することにより構成されているので、貼り付けや接合などと違ってブレード本体への密着性を確保することができ、ブレード本体の摺擦抵抗の緩和を確実に行うことが可能となる。
請求項記載の発明によれば、潤滑層の表面粗さが10点平均粗さ(Rz)において3μm以下で最大高さRmaxが5μm以下に設定されているので、潤滑性塗料の薄膜が感光体を摺擦する際に、感光体表面にほぼ不均一にならないように接するために、感光体表面の摩擦係数が良好に低減される。従って、印物が残留する面とクリーニングブレードとの間の摩擦抵抗が小さくなることにより、ブレードエッジに歪みやスティックスリップ現象が起こりにくくしてクリーニング性を向上させることが可能となる。
請求項10記載の発明によれば、クリーニングブレードのエッジを除く側面に塗布する潤滑性塗料の薄膜の厚みを20μm〜100μmにすることによって、薄膜塗布によるブレードエッジの機能が阻害されることなく、ブレード本体が接触する面での摩擦係数を低減化することができ、これにより、ブレードエッジをすり抜けやすい形状である球形の異物が存在していても良好なクリーニングを長時間にわたって維持させることが可能となる。
請求項1112および13記載の発明によれば、クリーニングブレードによる掻き取り効率と摩擦抵抗の軽減の両方を同時に達成することが可能となる。
請求項1415記載の発明によれば、異物が残留する面として潜像担持体を用いた場合においても、担持体表面に残留するトナーに対する掻き取り効率の向上および掻き取り効率の向上に際して発生する摩擦抵抗を軽減して潜像担持体側への負荷増加を抑制することができる。これにより、機構部品の破損等を防止して部品の長寿命化が可能となる。
請求項1617記載の発明によれば、潜像担持体が作像モードに応じて選択され、特に請求項17記載の発明においては、複数の潜像担持体を設けることで複数の色画像の形成を行う際に、クリーニング性を向上させて混色などの不良画像の発生を確実に防止することが可能となる。
本発明は、以下に各項目別に説明するクリーニングブレードおよびこれを用いた画像形成装置の構成により実施される。
(1)クリーニングブレード
本発明に用いられるクリーニングブレードは、複写機やプリンタあるいはファクシミリ装置や印刷機などの画像形成装置に装備されれているクリーニング装置内に収納されており、画像形成装置内でトナー像の転写後に相当する転写装置と除電装置の間に位置する。すなわち、帯電と画像露光で感光体に形成された静電潜像を、現像剤で現像して得られた可視化像(トナー像)を、コピー用紙などの被転写体に転写した後に残留するトナーや紙粉などの残留粉体を感光体上から除去するための冶具である。クリーニング装置内にはクリーニングブレードの他にクリーニングブラシが併設される場合がある。
クリーニングブレードを使用して良好なクリーニング性能を長期に亘って維持し続けるためには、
1)感光体とクリーニングブレード間の均一かつ均等当接を十分に確保されること。
2)クリーニングブレードが当接された状態での摩擦抵抗をクリーニングに支障が起こらない程度に低減化されていること。すなわち、クリーニングブレードが感光体と摺接する部位の摩擦抵抗を低減し、ブレードに歪みを生じたり、スティックスリップ現象などが起こらないようにすること。
3)摩擦抵抗低減化手段が長期に亘って安定して維持されること。
が重要である。
クリーニングブレードの形態例を図1及び図2に示す。
本発明のクリーニングブレード71は、片持ち梁状に支持される支持体71aにブレード71dが固定されたもので、ブレード71dの側面にはフッ素樹脂を含有する熱硬化性の潤滑性塗料71eがブレードエッジ71fを除いた領域で、少なくとも、図2(B)において符号1で示す潜像担持体であるドラム状の感光体と対面する側の面に、潤滑層としてブレード71dの長手方向にわたって塗布されている。
支持体71aには感光体1との摺接によっても振動しない、もしくは、し難い材質、および適当な厚みを有する材料が使用される。材質としては鉄板やアルミ、ステンレスなどの金属又は金属合金が使用され、厚みは材質によって異なるが、約2〜5mm程度の肉厚のものが使用できる。なお、必要に応じて制振部材を支持体の側面に使用することができる。
支持体71aの形状は、図1(A)に示すようにコの字型のホルダー形式(一体構成でも2種類の形状の部材を合わせたものでも良い)、あるいは、図2に示すようにL字型状、さらには図示していないが単に長方形にカットした板状のもの等が使用される。支持体には取り付け穴71b、位置決め穴71cが施されており、プロセスカートリッジユニットや、クリーニング装置ユニットの取り付け位置にネジ止めされて片持ち梁状に支持され、ブレード71dを自由端に位置させている。
本発明で使用するクリーニング用ブレード71dの材質には、可撓性を持つウレタンゴム(又はポリウレタンゴム)が好適である。クリーニング部材として使用されるウレタンゴムの肉厚は、機械的耐久性、感光体に対する押圧強度、感光体1にトナーが挟まれる面積(小さいほど好ましい)等によって決定される。
潤滑層を構成するために潤滑性塗料を塗布してクリーニングブレード71において使用する際に潤滑性塗料71eの塗膜厚さとして望ましい肉厚は1.5〜3mmである。
1.5mmより小さいと、機械的耐久性の面で、3mmより厚いと厚くなるほど、ブレードに荷重が加えられてしなった時、トナーが感光体1に押しつけられる面積が広くなるため、トナーによるブレードに浮きが生じやすくなり、クリーニング不良を起こす可能性が有る。
一方、クリーニングを良好に行うために、クリーニングブレード71のエッジ71fは出来るだけ線接触で有ることが望ましいが、ブレードエッジに欠損が生じた場合、クリーニング不良が生じる危険性が高まるため、クリーニングブレードに荷重(当接圧)が掛けられたとき、ブレードにはある程度のしなりが必要である。すなわち、ブレードは適当な硬度のウレタンゴムである事が必要である。ゴム硬度はJIS−A硬度で60°〜85°のものが望ましい。60°以下ではしなりが大きくなり、トナーが感光体に圧接され、ブレードエッジが浮き、トナーのブレード下への潜り込みを起こし、クリーニング不良に陥りやすい。一方、85°以上では線接触は良好になり、初期のうちは良好なクリーニング性を示すが、ブレードエッジが欠損したとき、トナーのクリーニング余裕度が低くなり、トナー抜け(不良)が起こりやすくなる。
ウレタンゴムは耐オゾン性に優れ、機械的耐久性が高く、硬度などの経時変化が少なく、クリーニング性に優れる等のいくつかの優れた特性を有する。しかしながら、有機感光体のクリーニング部材として使用した場合、摩擦抵抗が極めて大きい。
このため、そのまま使用すると、前記したようにドラム鳴きやスティックスリップ、ブレード先端部の歪みなどによるクリーニング不良、キーキーという摺擦音(異音)の発生、感光体ロックなどの様々な不具合を生じる。そこで、画像形成を良好に維持し、摺擦音やロックなどで不快感を与えない様にするためには、感光体1もしくはブレード71dのいずれか、あるいは双方に摩擦係数を減じるような対策が必要となる。すなわち、感光体1とクリーニングブレード71間の摩擦抵抗を減ずる必要がある。
クリーニングブレード71と感光体1間の摩擦抵抗を減ずる手段として、ブレードエッジ71fにトナーやフッ素樹脂を塗す方法が知られている。この方法はクリーニングブレード71と感光体間にトナーやフッ素樹脂を挟み込み、ブレード71dのエッジ71fを含む先端部の摩擦抵抗を減じ(緩和)させるものである。フッ素樹脂の場合、常時補給しないと、感光体の方になめされて、枯渇してしまい、現像やクリーニングで失われ早急に効果が小さくなる。
一方、トナーの場合には現像で常時補給されるため枯渇する心配はいらないが、ブレード先端部に塗布時、トナーがクリーニングブレードと感光体間に挟み込まれているため、わずかながら隙間を生じ、1μm前後のトナーの潜り込む要因になり、また常時トナーが押さえつけられているため、感光体にフィルミングを起こすきっかけにもなる。わずかな隙間は球形トナーの潜り込みにも影響を与え、クリーニング不良の要因となる危険性を有する。したがって、クリーニングブレードへの初期のトナー塗しは、大粒径のトナー(たとえば粒径8μmとか10μm)を使用する場合以外はあまり好ましい方法とは言えない。
フッ素樹脂の場合はトナーより粒径が遙かに小さく、また感光体に付着して数十Å程度のきわめて薄膜になるため、クリーニング不良の要因となりうる隙間形成に対する影響は無視出来る。
クリーニングブレードと感光体間の摩擦抵抗を減ずる手段として、本発明では潤滑性を有しかつ耐久性の有る塗料71eを、ブレード71dの側面に塗布し、かつ、潤滑性塗料71eで構成される潤滑層が、図1(B)に示すように、ブレード71dのエッジ部71fと共に同時に感光体1の表面に接触させるようにすることで課題を達成させる。
本発明に使用される塗料は長時間使用しても、低摩擦係数を維持し、経時変化が少なく、ウレタンゴムとの相性が良く、ブレード側面から剥がれず、耐摩耗性を有する塗料が好ましい。
塗料にはアクリル系やウレタン系、シリコーン系、フッ素系などの常温あるいは熱硬化樹脂があるが、いずれも耐久性、接着性、潤滑性、塗工性等で一長一短があり、クリーニングブレードに使用するには不適である。
クリーニングブレードに使用する場合、摩擦係数が低く、耐刷性があり、それらの特性の経時変化が小さい事が重要である。
低摩擦係数を達成するためには、潤滑性を有する材料を塗料中に分散させるか、別途、PTFEやPFAなどの潤滑剤をコートする方法が考えられるが、別途コート法では早期に潤滑性が失われ耐久性に問題が生じるため、塗料中に分散する方が望ましい。
本発明ではウレタンゴムに対して化学的親和性を持たせて密着性に優れ、耐摩耗性が良好なラテックス系の材料に、前出のPTFEやPFAなどのフッ素樹脂を分散した熱硬化型の塗料をブレードに塗することによって、特に優れた特性を得ることが可能となる。
PTFE塗料は乳化重合で得られたフッ素樹脂のディスパージョンとこれを分散するノニオン性の界面活性剤、および顔料を混合した塗料として上市されている。具体的にはダイキン工業よりポリフロンTFEエナメル EK−4300系、ES−5100系、ED−4139BDが挙げられる。これらは基材との密着性を改良するため下接着剤が配合される下塗り塗料を併用することが好ましい。また、PFA塗料としてはネオフロンPFA:ダイキン工業があり、溶融粘度が低い、ピンホールフリーの成膜が可能であるなど、PTFE塗料に対して加工性が改良されている。
また、バインダーにラテックスが用いられるフッ素樹脂塗料として、変性TFEの含有されるダイエルラテックスGLS−213:ダイキン工業社製が挙げられる。非粘着性、潤滑性、耐熱性、耐薬品性等の優れた耐久性を有する。
フッ素樹脂微粒子が含有された熱硬化性の潤滑性塗料をクリーニングブレード側面のエッジの際(エッジはクリーニング性確保のため非塗布とする)まで塗布する事によって、ブレードを感光体に当接させた際の摩擦抵抗は感光体の回転、クリーニングブレードのエッジが歪まない程度に軽減できると共に、クリーニングブレードの耐久性が図られ、長期的な使用にも耐えうるようになる。
潤滑性塗料を塗布する手段としては、スプレーコート法、ディッピングコート法、ノズルコート法などがあり、本発明のクリーニングブレードにはいずれの方法でも使用可能である。
スプレーコート法の場合、ブレードエッジおよび不必要な面に潤滑性塗料71eが付かないようにするために、感光体に対向する面および、塗布しない面にシールを貼りスプレーする。
ディッピングコート法の場合、感光体に対向する面を上にして、エッジにかからないようにディッピングを施すか、感光体に対向する面が潤滑性塗料71eに浸からない様に片面を浸漬させ(片面の場合ここで完了)、さらに片面を浸漬させる(両面塗布の場合)。この場合も必要に応じてシールを貼る。この後、感光体に対向する面を上に向け常温〜40℃の温度で乾燥させ、ある程度乾燥した後、100〜150℃の温度で20〜40分ほど加熱乾燥させる。
潤滑性塗料71eによる薄膜の形成は片面でも、両面でも良い、塗布することによってブレードエッジの機械的強度が高まるため、感光体表面へ確実な当接が行われる様になるが、両面に施せばさらに強固なものになり、重合トナーのように球形状のトナーや、平均粒径以下の混在微粒子の阻止向上には有効となる。ただし、ブレードの硬度や自由長、肉厚等によって考慮することが必要である。肉厚が薄い場合、硬度が小さい場合、自由長が長い場合には、両面コートが望ましい。
この結果、潤滑性塗料の薄膜上での摩擦係数はオイラーベルト法での測定で、0.25〜0.4の間の数値を示し、摺擦音の発生もなく、クリーニングブレードと感光体との摺擦はスムーズに行われる。
ブレードエッジ71fに塗料が掛かるように塗布すると、感光体と摺擦する際の摩擦抵抗は低減するが、エッジの機能が低下しトナー阻止率が低下する危険性が増し、円形度の大きい重合トナー(球形トナー)では、殆どクリーニングが出来ない状態に陥る。
ブレード72d側面への塗布範囲は、図1(B)に示すように、クリーニングブレード71が感光体1に当接する際の角度に応じてエッジ部71fと同時に潤滑性塗料71eが感光体1に接触できる位置がエッジ71f側の端部(図中、エッジ部71fからの距離Laに相当する位置)とされ、この位置から潤滑性塗料71eが塗布される。
潤滑性塗料71eの塗布範囲は、上述した条件を満足することで、エッジに掛かる直前まで有効であり、図3のL2はエッジからの塗料の非塗布幅を表し、L2は0<L2<1(mm)、特に、L2は0.05〜0.5mmで有ることが好ましい。エッジからの非塗布幅L2は狭いほど(0mmに近い)、有効性は高くなる。
潤滑性塗料71eは、図3〜図5に図示すように、クリーニングブレード72の側面図にあるように、ブレード72dの片面もしくは両面に塗布される。
図4において符号L1は塗布幅を示しており、塗布幅L1は、感光体に当接した際に、ブレードの側面が感光体に摺擦するだけの幅があれば良く、図4にしめすように、塗布幅L1は塗工性等を考慮すれば2mm以上有れば十分である。クリーニングブレード71が作動時は25(g/cm)前後の加重(当接圧)が掛けられるため、ブレード71dの先端部(図中、符号71f1で示す端面が位置する部分)は、しなり(撓み)を持って感光体と接する。
クリーニングブレードのエッジを含む先端部は、面接触の幅が少ないほど、摩擦抵抗が低くなるため、クリーニングブレード71は線接触の方がクリーニングするのには好都合であるが、実際にはわずかに面接触している。この面接触する部位に塗料が塗布されている必要が有る。すなわち、感光体との摩擦抵抗が減じる作用が起こる。
L1は、塗料はブレード71dの片面に塗れば所期性能を十分達成できるが、両面に塗ることによって、ブレード71dの機械的強度を高める事も出来るため、ブレード71dの先端部の歪みに対して、より強化アップを行うことが出来、クリーニング性向上に有効になる。
図6は、図1(B)に示した状態と同様に、ブレードエッジ71fが感光体1に摺接した状態を示している。
同図において、潤滑性被膜71eが感光体1と摺接する事によって、感光体1との摩擦抵抗が低減すると共に、塗料71eに含有する一部の潤滑剤が感光体1の方に転移し、感光体1の摩擦係数も低減する。
感光体1との摩擦抵抗を軽減し、有効性を高めるためには塗布した塗膜は感光体に出来るだけ隙間が生じ無い様にする事が重要である。すなわち10点平均粗さRzは3μm以下、最大高さRmaxは5μm以下である事が望ましい。
前記数字は数値の上では、使用されるトナー径と同等かそれより大きいが、ブレード71dは加重(当接圧)が加えられて感光体に当接するように設置されるため、実際には隙間はトナー径より小さくなり、トナーが漏れ出す(クリーニング不良)になることはない。
しかし、ブレードの側面が摺擦する際に感光体に深い溝のスクラッチが生じたり、ブレードエッジに欠損を生じると、クリーニング不良の不具合を生じる可能性が出てくるため、上記の数値内に納めることが望ましく、好ましくは、Rzは2μm以下、Rmaxは3μm以下になるように塗工するのが良い。
前記測定値は東京精密社のサーフコム1400D、ピックアップ:E−DT−S02A)(JIS D0601(1982))を用い、掃引幅2.5mmでの数値である。
図7及び図8は、肉厚2mm、JIS−A硬度68°のウレタンゴムに、塗膜の厚みが約100μm程度になるように、スプレーコート法でエッジの際から8mmの幅で、ブレードの全長さにわたって塗工し、エッジから2〜3mmの位置での表面粗さの測定例である。図7に示す結果は、Rzが0.8296μm、Rmaxは1.154μm、図8ではRzが1.2876μm、Rmaxは2.146μmであった。
クリーニングブレードとして使用した場合、ドラム鳴きは無く、球形トナー(平均円形度0.978、トナー粒径6.8μm)を使用しても1000枚程度のコピーでは初期より、全く問題ないクリーニング性能を示している。
なお、表面粗さの下限値としてはRzが0.1μm以上、Rmaxが0.5μm以上有れば、感光体とブレード間の摩擦抵抗はクリーニング性能に支障を起こさない程度に下げることが出来、一般的に使用される4〜8(μm)のトナー粒径に付いては殆ど対処可能である。
加熱乾燥後の塗膜の膜厚はウレタンゴムの硬度、肉厚、加重(当接厚)によっても左右されるが、20μm以上、100μm以下が望ましい。好ましい範囲は30〜80μm程度である。20μmより薄いと塗膜の耐摩耗性の面で、100μm以上に厚いとブレードエッジに浮きが生じ、感光体との密着性に不具合が生じ、残留粉体のクリーニング性が低下する危険性がある。
クリーニングブレード71はスプリングを使用して感光体にブレードエッジを押し当てるスプリング方式と、固定方式の2通りの方式が有るが、固定(不動)方式の方が好ましい。
スプリング方式の場合は、ブレードエッジが摩耗しても感光体面に追随して当接圧はほぼ一定にする事が出来るが、ブレードが振動しやすいため、トナーのブレード下に対する潜り込み、やクリーニングブレードでのトナー阻止力に少し弱い傾向がある。一方、固定方式の場合、ブレードエッジが摩耗すると、当接圧が変わる(軽くなる)可能性があるが、振動しにくいため、トナーの潜り込みに対する阻止効果には強い傾向があり、クリーニング性能の維持には有利である。固定方式の場合、取り付けユニットの強度が弱いと、性能が十分に発揮されないので、好ましくはブレード71dも含めて感光体の回転に伴う摺擦に際して、微動し難い様にすることが望ましい。すなわち、クリーニングブレード71の取り付け部は十分な強度にしておく様にする。トナーの阻止力が高いと、ブレードのみならず、感光体の摩耗も少なくなるため、耐久性的には固定式の方が上回ると考えられる。
クリーニングブレード71の取り付け時の感光体に対する当接は、図9に示すようにカウンター当接される。感光体に対する当接角θは良好にクリーニング性を維持する上で重要で、本発明で使用するクリーニングブレード71の当接角θは小さくても大きくても不可である。角度が小さいとトナーがすり抜けやすく、大きいと、ブレード71dの感光体に対向する面にトナーが入り込み、ブレードが浮き、クリーニング不良や、フィルミング現象の要因になる。従って、望ましくは15°〜30°、好ましくは18°〜22°である。この当接各θの範囲内においても、ブレード71dのエッジ71fと潤滑性塗料71eとは同時に感光体に当接する条件を満足させるように、エッジ71fからの塗布範囲および塗膜の厚さが規定される。
一方、当接圧に関しては、15〜35(g/cm)である。当接圧が低いと感光体やブレードエッジに傷が有る場合や、出来た場合にトナーの阻止効率が低下し、トナーがブレード下に入り込む事により、ブレード、感光体とも摩耗が促進する。一方、当接圧が高いと感光体とブレード間の隙間が押さえられ、クリーニング性能は向上するが、感光体にもブレードにも負担がかかり、耐久性の低下を引き落とし、クリーニング性能の低下につながる。従って、当接圧は好適な数値に設定する必要がある。しかるに、好ましい当接圧は15〜35(g/cm)であり、好ましくは20〜25(g/cm)である。
15g/cm以下になると、感光体の平滑性や円真度や揺れ等特性が重要になり、ブレードエッジの感光体に対する密着性にムラが生じ、密着性が不十分な領域では帯状にクリーニング不良が起こる可能性が高くなる。
一方、荷重が高くなると前記した様な不具合が生じるが、35g/cm以上大きいほど、感光体とクリーニングブレード間の摩擦抵抗が大きく関与するようになるため、25g/cmで問題なかった現象、たとえば、ブレードエッジ71fの捲れやブレード鳴き等が発生し、それに応じて感光層の摩耗が促進されるという不具合が生じる。従って、トナーのクリーニング性のみならず、感光体やクリーニングブレードの耐久性に対しても良好なバランスが維持できるような当接圧に設定する事が必要である。
(2)クリーニング装置および画像形成装置
図10は、電子写真法を用いた画像形成装置の一例を示す概略図である。
同図において、感光体1には帯電装置2が対向配置される。
図10に示す画像形成装置における帯電装置2は、ローラ式の帯電装置を用いる接触帯電方式であるが、本発明では帯電装置2にはコロナ帯電装置、接触帯電装置、近接帯電装置(非接触帯電装置)などのいずれの帯電装置も用いる事が出来る。しかし本発明においてはコロナ帯電装置に比べ、設置スペースが小さく、オゾンの生成が0.1〜0.3ppmと少なく、高圧電源をより小型に出来、省エネルギー、省資源、環境性に優れた接触帯電法、近接帯電法が好ましい。
近接帯電法は感光体に接触して帯電する方式である。一方、近接帯電法では帯電部材と感光体間を数十μm離して帯電する手段である。両者とも放電を伴う帯電方式であるため、オゾンの生成は有るが、前記したようにオゾン生成は極めて少なく、環境に配慮した帯電方式である。
接触帯電法は帯電部材のトナー汚染や、放電破壊に対する余裕度が、非接触帯電法に比べて少なくなるが、Gapが0μmである事によって、印加電圧を低めに設定できる。従って、オゾンやNOxなどのコロナ生成物の生成量が少なくなる。
近接帯電法の場合、感光体から帯電部材が離れているため、帯電部材によって生じていた摩耗が低減し、また、クリーニングブレードからのトナー抜けが有る場合、帯電部材におけるトナー汚れが少なくなり、放電破壊に対する余裕度が高くなる。
接触帯電もしくは近接帯電法では、帯電部材に直流電圧若しくは交流電圧を重畳した直流電圧が印加される。接触帯電、非接触帯電共に、パッシェンの法則に従った帯電が行われ、帯電開始電圧Vthは接触帯電の時が最も低く、Gapが大きくなるにつれ、開始電圧Vthは高くなる。感光体1の帯電電圧を−400〜−800Vにするためには−1000V〜−2000Vの直流電圧を印加するか、−450〜−900Vの直流電圧に、700V〜2000V/800〜4500Hzの交流電圧(正弦波、三角波)を重畳して印加する。交流電圧を重畳するのは、感光体と帯電部材間に隙間が有った場合に、帯電が不均一に成り、画像ムラを防止するためで有り、画像形成に必要な帯電電圧と同等、あるいは少し高めの直流電圧に、帯電開始電圧Vthの2倍以上のPeak to Peak電圧の交流電圧を重畳した直流電圧に設定する。
ローラ方式の帯電部材は、φ5〜φ15(mm)のSUS製丸棒を芯金として、弾性部材が被覆される。感光体を帯電する弾性部材には、エピクロルヒドリンゴム単体、若しくはウレタンゴムやエピクロルヒドリンゴムに、導電性カーボン、炭素繊維粉末、イオン導電剤などの抵抗制御材を添加し、必要に応じてフッ素系樹脂などの撥水剤を添加して、比抵抗を10〜1014(Ω・cm)に調整したものが使用される。具体的には、接触帯電部材と非接触帯電部材で感光体に対向する面の電気抵抗が、帯電方式によって変えられる。
非接触帯電部材では最表層面を10〜10(Ω・cm)に、接触帯電部材の場合は1012〜1014(Ω・cm)に設定される。これは帯電部材と感光体間に空隙が有ることによって、帯電開始電圧Vthが高い方にずれ、帯電性に違いが生じるためで、均一帯電を行うためには帯電部材の体積抵抗は低くする必要がある。但し、あまり下げすぎると、放電破壊の要因になるため、10Ω・cm以上有ることが望ましい。
更に帯電部材の表面粗度は接触帯電部材に比べ、10点平均粗さRzを50〜200(μm)程度にした方が均一帯電、帯電効率を高めるには有利である。硬度はJIS−A硬度で30〜90度程度の弾性部材を使用する。
接触帯電法の場合、帯電効率を高めるために、ニップ(感光体と感光体が接触した時の接触幅)を大きく取った方(1〜5mm)が望ましいため、接触帯電部材では硬度の低い弾性部材を使用するが、非接触帯電部材の場合はニップが得られない分、帯電効率が悪くなるが、使用される帯電部材の硬度に限定されないという利点がある。
帯電装置2により一様帯電された感光体1は、次に画像露光装置3により出力されたLD素子やLED素子アレイを光源とする光のドットパターンの画像情報が照射される。これにより、感光体1には明暗電位差の静電潜像が形成される。明暗電位差は少なくとも250V以上有ることが望ましく、通常は350〜600(V)ある事が好ましい。
静電潜像は現像装置4により現像され、トナー像として可視化される。現像に使用される現像剤には一成分系及び二成分系があるが、高解像の画像品質を得るのには二成分系の現像剤を使用するのが有利である。二成分系の現像剤はトナーと、キャリアと呼ばれる磁性紛から構成される。
キャリアは鉄、フェライト、ニッケルの様な磁性を有する粉体(磁性紛)に帯電性及び帯電安定性、耐久性等向上させる為にポリフッ化炭素、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の樹脂等で被覆されたものが用いられ、キャリアの平均粒径は40〜80μm程度で有る。
トナーは機械的粉砕製法による粉砕トナーと、化学的に製造される重合トナーがある。粉砕トナーは、背景技術においても説明したが、図21,22に示すように、形がいびつ(平均円形度は0.9前後)でとがったところがあるためクリーニングには有利と云われる。しかし、形状や粒径が不揃いなため転写効率や、現像忠実性には少し劣り、また、微小粒径のトナーが含まれる他、割れやすい為、リサイクルで使用を継続した場合、画像品質の低下(ラインが綺麗なラインにならず切れ切れになる、薄汚れたノイズが発生するなど)が起こりやすい傾向がある。したがって、より解像度の高い高品位画像には不十分な面があるが、6.3〜8(本/mm)の解像度は十分に解像するため、一般的な画像品質には問題は無い。
一方、重合トナーを製造する手段として懸濁重合法、分散重合法、乳化重合法、マイクロカプセル重合法、スプレードライ等がある。例えば、懸濁重合法の場合、バインダー樹脂に着色剤や帯電制御剤等の添加剤を均一化処理し、分散媒、分散剤を添加し重合して製造される。重合法は工程が簡素化されているため、粉砕法に比べ製造コストが安い。また、粒径が比較的良く揃っており、殆どがほぼ球形(平均円形度0.95〜0.995)であり、粒径もほぼ揃っている。
したがって、帯電を均一に揃えやすく、潜像にほぼ忠実に現像され、また転写効率が高くなるため、シャープ性、高解像度に優れた画像が再現可能である。使用されるトナーの平均粒径は4〜8μm程度である。
しかしその反面、形状が球形又は球形に近い為、粉砕トナーに比べ、クリーニング性能が劣るという欠点がある。
このため、球形トナーを使用する場合にはクリーニング性が重要になってくる。
トナーとキャリアはトナー濃度で3〜8重量%になるように混合される。
現像されて顕像化されたトナー像は転写装置5(図10ではローラ状であるが、コロナ帯電器やベルト状の転写装置も使用可能である)により、給紙トレイ10より搬送された被転写体(コピー用紙)11に転写され、分離装置6で感光体1より分離され定着装置9に運ばれハードコピー13とされ、排紙トレイ12にストックされる。
トナー像を転写した後の感光体1はクリーニングブレード71を配設したクリーニング装置7により清掃され、除電装置8により感光体の残留電荷が除電され複写プロセスは終了する。
図10では、クリーニング装置7はクリーニングブレード71のみを配設した形式であるが、図11に図示するように、クリーニングブラシ72を併設したクリーニング装置も使用可能である。
クリーニングブラシ72はクリーニングブレード71の補助的役目を果たすもので、感光体1上にトナー量が多い場合に有効である。40枚程度以上のトナーの排出量が多い高速の画像形成装置には有効であり、また、クリーニング部が感光体の上部に配置された装置の場合に有効である。クリーニングブラシ72は通常ブラシが基体に密に植毛された部材が使用されるが、トナーやキャリアが繊維の間に詰まって目詰まりを起こし、クリーニング性能や、感光体を傷つけたり、摩耗を促進させたりする可能性を有する。したがって、ブラシはローラ全面に亘って密にするのではなく、図12に示すように、感光体の長手方向に繊維(カットパイルブラシ)の列を形成し、繊維の列間は2〜5(mm)程度開ける様にするのが望ましく、前記する不具合は改善される。ブラシの感光体1への食い込み量は0.5〜1.5mm程度に設定するのが好適である。
クリーニングブラシにはループブラシとカットパイルブラシのいずれかである。システム条件によって使い分けを行うことが望ましいが、クリーニングのメインがクリーニングブレードであり、ブラシは補助的な役目であるため、通常はカットパイルブラシでほぼ目的は達成できる。トナーの排出量が多い場合にはループブラシを使うとよりクリーニング効果が高まる場合がある。
クリーニングブラシに使用されるブラシの材質には、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、カーボン繊維等があり、繊維メーカーはユニチカ、東レ、カネボウ、クラレ、三菱レーヨンなどがある。たとえば、ループ状のクリーニングブラシを使用する場合、ブラシに使用される繊維の繊維径は10〜20(デニール=D:デニールD=糸の重さ(g)×9000÷糸の長さ(m))、密度は24〜48フィラメント/450ループ、ループの長さ(繊維長さ)は2〜5mmである。
次に、本発明のクリーニングブレード71を装備したクリーニング装置を複数の潜像担持体である感光体を備えた画像形成装置に適用する場合を図13において説明する。この場合の画像形成装置は、感光体が画像転写体の延長方向に沿って複数並置されたタンデム方式を用いている。
従来、フルカラー方式の画像形成装置は、1つの感光体にM(マゼンタ)、C(シアン)、Y(イエロー)、Bk(ブラック)から成る4色の現像装置を配置した画像形成装置であり、3〜6(ppm)のコピースピードであったが、近年では図13に見られるような1つの画像形成装置の中に、図10に示す複写システムを4系統組み込んだ4連タンデム方式の画像形成装置(プリンタや複写機)が多く使用されるようになっている。
図13に図示する4連タンデムの画像形成装置は、フルカラーの原稿をG(グリーン)、R(レッド)、B(ブルー)に相当する光に色分解し、M(マゼンタ)、C(シアン)、Y(イエロー)、Bk(ブラック)の4色の現像剤で感光体に形成された静電潜像を現像し、中間転写ベルトに4色のトナーを重ね転写した後、被転写体(コピー用紙)に一括転写して熱定着し、ハードコピーとする。複写スピードは従来のフルカラー画像形成装置の4倍である。
フルカラーの画像形成装置では色の再現性が特に重要である。したがって、感光層の摩耗や、混色により色の再現性が低下する様な事が無いようにトナーのクリーニング性の低下や、クリーニングブレードによる摩耗促進、スクラッチ発生は起こりにくくする必要がある。したがって、クリーニングブレード71と感光体間の摩擦抵抗の増大に伴うブレード71dの振動、ブレードエッジ71fの歪み、クリーニングブレード下へのトナーやキャリアの潜り込みは十分に阻止する必要がある。すなわちクリーニングブレード71が感光体1とスムーズに摺擦する事が必要になる。
次に、本発明のクリーニングブレードが搭載されるクリーニング装置が画像形成装置に対して着脱可能なプロセスカートリッジに装備されている例を図14において説明する。
(3)プロセスカートリッジ
クリーニングブレードの機能は図10に記載の画像形成装置に搭載したときと全く同じである。
プロセスカートリッジの例を図14及び15に示す。プロセスカートリッジに本発明のクリーニングブレードを搭載する事は極めて有効である。トナークリーニング性が高くなることによって、感光体や帯電部材の耐久性が高くなり、画像品質も維持されるため、プロセスカートリッジの信頼性が高まり、交換頻度が少なくなり、コスト低減につながる。
図14は感光体1を中心に、帯電部材(帯電ローラ)2、現像装置4、クリーニングブレード71を配設したクリーニング装置7からなるプロセスカートリッジである。
図15は感光体1に帯電部材(帯電ローラ)2、クリーニングブレード71、クリーニングブラシ72を装着一体化したプロセスカートリッジの例である。
これらの部材を一体構成とし、画像形成装置に着雑可能なプロセスカートリッジとすることにより、これらの部材に関連した異常が生じた場合に、プロセスカートリッジを交換することにより、直ちに故障を回復させることが出来る。またメンテナンスを行う場合には、時間の節約が出来、コスト的に有利となる。
次に、潜像形成を行うための感光体について説明する。
(4)感光体の概要
本発明に使用される感光体1は基本的には図16〜図18に図示される構成のいずれも使用可能である。
図16は導電性支持体101、下引き層102、電荷発生層103、電荷輸送層104からなる機能分離型の有機系感光体である。下引き層102は2〜20μm程度、電荷発生層103は0.1〜0.5μm程度、電荷輸送層104は10〜50μmに設定される。電荷輸送層104にポリカーボネート樹脂を使用した場合、耐久枚数はA4サイズ用紙換算で4万枚〜8万枚程度である。
図17は繰り返し耐久性を向上させるために、電荷輸送層104の上にさらに2〜10μm程度の高耐摩耗性の保護層、又は第二の電荷輸送層105を形成したものである。耐久枚数は仕様によって異なるが、100万枚程度あるいはそれ以上の耐久性を持たせることが出来る。
図18は電荷発生層103及び電荷輸送層105の機能を一層化した感光層106を形成した感光体の構成図である。
本発明では耐久性や感度、繰り返し安定性等の面から、図16及び図17に示す機能分離型の有機系感光体1が主に使用される。
以下、本発明で使用する機能分離型の感光体に付いて詳述する。
「1」導電性支持体(101)
感光体に使用可能な導電性支持体101としては、ジュラルミン、アルミ、銅、真鍮、ステンレスなどの金属、プラスチック材、紙管、ガラスなどの絶縁体に導電処理したもの等、多くの種類が有るが、その中でも特には、導電性支持体として要求される機械的強度、加工性(切削性)、電気特性等に優れ、軽量のJIS規定3003系のアルミニウム合金が好適である。
感光体としてのアルミニウム支持体は真円度、真直度、振れなどの特性が規定値内に入るように切削され、最終的に1〜10μm程度の表面粗さになる様に表面仕上げ(超仕上げや鏡面仕上げ)が施される。
有機感光体として構成される導電性支持体101としては、肉厚は0.6〜3mm、外径は25〜100(mm)程度に加工される。導電性支持体101の電気抵抗は体積抵抗率で10Ω・cm以下であれば十分で、約10Ω・cmオーダー迄の体積抵抗率であれば、ほぼ電子写真特性を損なわないで使用できる。電気抵抗が大きくなるにつれ、感光層内の正孔の移動に支障が出るため、光減衰特性が緩やかになり、電子写真特性が悪化する。
アルミニウムでは切削直後より絶縁性の酸化膜(Al)が形成されるが、大気中で形成された酸化膜は薄く、弱く、不均一であるため電荷注入阻止膜(電荷注入層としてのブロッキング膜)としては不十分である。したがって、アルマイト処理するか、あるいは帯電時の電荷(マイナス帯電時は正孔)を現像終了までの時間(〜数十msec)を保持する程度の絶縁性を有する薄膜(後述する下引き層、中間層ともいう)が形成される。
「2」下引き層(102)
下引き層102を形成する目的は、帯電時に導電性支持体側からの電荷注入を阻止すると共に、画像形成時の入射光が導電性支持体で反射して、感光層に再入射することを防止することによって、画像の乱れを無くし、画像形成に必要な帯電電位、静電コントラスト及び均一画像(モアレ防止、ドットパターンの再現など)を確保するためである。したがって、デジタル式の画像形成装置では必要不可欠である。一般に下引き層102は電荷注入を阻止、電子写真特性を劣化させないという観点から、膜厚は1〜10μm程度に設定されるが、好適には3〜6μmである。
下引き層は1010〜1013(Ω・cm)オーダーの体積抵抗率に設定されるが、膜厚が厚くなるにしたがい、画像形成によって形成された電子が下引き層102から導電性支持体101側に移動するのに時間がかかる。したがって、繰り返し使用すると、下引き層と電荷発生層の界面に電子が蓄積し、それが残留電位となり、光減衰特性の劣化や画像部電位の上昇を起こし、コントラスト電位の低下をもたらし、画像濃度の低下や残像が発生しやすくなる。
一方、下引き層の膜厚が薄くなるにしたがい、塗工膜にはムラが形成されやすくなり、導電性支持体からの電荷注入(この場合プラス電荷(正孔))が起こり易くなるため、帯電が不十分となる一方、黒点や白点、濃度むらなどの異常画像を引き起こし、ノイズの多い画像となる。したがって、膜厚は好適には3〜6μm程度である。
下引き層に使用される樹脂には、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン、等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を分散し含有させてもよい。これらの下引き層は、適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。
更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えばゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層も有用である。
「3」電荷発生層(103)
電荷発生層103は画像露光装置3より照射された光子により画像形成に必要な電子−正孔対を生成する層で、電子−正孔対の生成量が多いほど感度は高くなる傾向がある。画像露光で生成された電子又は正孔を表面、若しくは導電性支持体101の電荷に向かってスムーズに移動させるためには、電荷発生層103と接している電荷輸送層104又は下引き層102との界面の障壁は出来るだけ低い方が望ましく、この条件を満たす感光材料であれば、無機系、有機系材料を問わず、いずれの材料も使用可能である。
無機系材料の電荷発生材としては結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコンなどがある。
また、有機系の電荷発生材には金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、トリフェニールアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾ−ル系顔料などがある。
電荷発生層103に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、ポリアリレート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることが出来る。また、必要に応じて低分子電荷輸送物質(電子輸送物質又は正孔輸送物質)を添加してもよい。
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることが出来る。
正孔輸送物質としては、以下に示される電子供与性物質が挙げられる。
例えば、オキサゾ−ル誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニールアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることが出来る。
電荷発生層103は、電荷発生物質、溶媒及び結着樹脂を主成分とするものから形成されるが、その中には、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等のいかなる添加剤が含まれていても良い。
電荷発生層103を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法などが用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成出来る。また、キャスティング法によって電荷発生層103を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならば、バインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより形成出来る。塗布は、浸漬塗工法やスプレー塗工法、ビードコート法などを用いて行うことが出来る。
以上のようにして設けられる電荷発生層103の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。通常は0.1〜0.3μmの厚さに塗布される。
膜厚が薄すぎると、感度不良が生じるが、厚すぎると、空間電荷による光減衰劣化、残留電位上昇が生じ、画像濃度低下、解像度低下などの画像品質低下につながる。
「4」電荷輸送層(1)(104)
電荷輸送層(1)104は十分な帯電電位と、画像形成に必要な十分なコントラスト電位を確保するために形成される。電荷輸送層(1)104は一般的に極性依存性が少なく、1014〜1018(Ω・cm)程度の体積抵抗率を有するポリカーボネート樹脂(A型、C型、Z型など)や、スチレン樹脂、非晶質ポリオレフィン樹脂などがバインダー樹脂として使用され、さらにドナー、酸化防止剤、レベリング材などが添加される。
電荷輸送層(1)104を構成する低分子電荷輸送物質にはオキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダール誘導体、トリフェニールアミン誘導体、α−フェニールスチルベン誘導体、トニフェニールメタン誘導体、アントラセン誘導体などを使用することが出来る。
一方、高分子電荷輸送物質としては、以下に示す公知の高分子電荷輸送材料を用いることができる。例えば、
[1]主鎖および/または側鎖にカルバゾール環を有する重合体には
例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−183719号公報に記載の化合物等がある。
[2]主鎖および/または側鎖にヒドラゾン構造を有する重合体には
例えば、特開昭57−78402号公報、特開平3−50555号公報に記載の化合物等がある。
[3]ポリシリレン重合体には
例えば、特開昭63−285552号公報、特開平5−19497号公報、特開平5−70595号公報に記載の化合物等がある。
[4]主鎖および/または側鎖に第3級アミン構造を有する重合体には
例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−13061号公報、特開平1−19049号公報、特開平1−1728号公報、特開平1−105260号公報、特開平2−167335号公報、特開平5−66598号公報、特開平5−40350号公報に記載の化合物等がある。
[5]その他の重合体には
例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報に記載の化合物等がある。
本発明に使用される電子供与性基を有する重合体は、上記重合体だけでなく、公知単量体の共重合体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スタ−ポリマ−や、また、例えば特開平3−109406号公報に開示されているような電子供与性基を有する架橋重合体等を用いることも可能である。
また本発明における高分子電荷輸送物質として、主鎖および/または側鎖にトリアリールアミン構造を有するポリカーボネートが有効に使用される。
一方、バインダー成分として用いることのできる高分子化合物としては、例えば、ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールCタイプ、ビスフェノールZタイプ或いはこれらの共重合体)、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などの熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの高分子化合物は単独または2種以上の混合物として、また、電荷輸送物質と共重合化して用いることができる。
電荷輸送層塗工液を調製する際に使用できる分散溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族類、クロロベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類等を挙げることができるが、環境破壊を考慮してハロゲン系の溶媒の使用は避けた方が望ましい。
なお、本発明では耐環境性の改善のため、及び、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、保護層、中間層等の各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質を添加することが出来る。
電荷輸送層(1)104の膜厚は10〜40μm程度の範囲に設定されるが、好適には10〜30μmの範囲で、高解像度を望む場合には15〜25μm程度に設定される。
膜厚が10μm以下では静電容量が大きくなり過ぎ、画像形成に必要な表面電位を確保することが出来難くなる。画像形成に必要なコントラスト電位として、少なくとも250V以上有ることが望ましいが、10μm以下ではコントラスト電位が確保できにくく、また、繰り返し使用により感光層が摩耗するため、実使用時間が短く実用性に乏しくなる。
さらに、膜厚が薄いと、均一な膜厚の感光層を製造することが難しく、濃度ムラやピンホールによる画像欠陥が起こり、SN比の悪い画像品質となる。
電荷輸送層(1)104の膜厚を厚くすると、静電容量が小さくなるため十分な表面電位が確保され、SN比が良好な画像品質を得る事が出来るようになる。しかし、厚くすることによって、相対的に感光層中には構造欠陥が増加するため、キャリア(ここでは正孔)の移動に支障が生じ、残像などの好ましくない現象が生じる。
電荷輸送層(1)104の形成によって、耐久枚数は4〜8万枚、本発明のクリーニングブレードを使用するとさらに耐久性をのばすことが可能になる。
本発明では、図17に示すように、電荷輸送層104の上にさらに電荷輸送層(2)105が形成された感光体も使用することが可能である。
電荷輸送層(2)105は図16に図示する4層構成の感光体の耐久性を向上させる目的で形成される。
[6]電荷輸送層(2)(105)
電荷輸送層(2)105は感光体の高耐久化を狙いとして形成するものである。感光体として繰り返し使用するためには、電子写真特性を満足するものでなくてはならない。したがって、電荷輸送層(2)105には、適当な電気抵抗と良好なホール(正孔)移動性を有しかつ、高耐久性であることが要求される。
電荷輸送層(2)105は1012〜1014Ω・cm程度の体積固有抵抗で、ホール(正孔)移動度が高く(10−5以上(cm/v・sec))、透光性を有する0.5〜10μm程度の薄膜であることが望ましい。
このためには、電荷輸送層105は電荷輸送層104の延長上の感光層とすることが望ましく、層形成時に両層間にはっきりした界面が形成されないように構成する事によって、繰り返し使用においても、電荷輸送層104と電荷輸送層105の界面間の障壁が低くなり、残留電位の蓄積、光減衰特性の劣化、帯電電位低下を低く抑えることが可能となる。
電子写真特性を電荷輸送層(1)104に同等にし、電荷輸送層105の耐摩耗性を高めるためには感光層のバインダー樹脂に平均粒径が0.1μm以下の酸化チタン、アルミナ、シリカなどのN型のフィラーを添加する方法や、電荷輸送層(2)105に架橋タイプの樹脂を使用する方法(熱硬化や光硬化など)等がある。
感光層のバインダー樹脂にフィラーを添加する感光体の場合、電荷輸送層(2)105を構成材とするバインダー樹脂中に、ドナーとともに平均粒径が0.7μm以下、0.1μm以上の粒径、好ましくは0.5μm〜0.2μmのフィラーが分散される。なお、必要に応じて特性改善剤として酸化防止剤、可塑剤が微量添加される。
フィラーには有機系フィラー(ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコ−ン樹脂粉末、アモルファスカ−ボン粉末等)、無機系フィラ−(銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをド−プした酸化錫、錫をド−プした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素など)がある。
上記記載のフィラーの中より、撥水性を有し、体積固有抵抗は1010〜1013(Ω・cm)程度ある材料で、特にはアルミナ、酸化チタンが好ましく使用できる。塗膜法はスプレー法やディッピング法がある。
一方、バインダー樹脂に架橋タイプの樹脂を使用する場合、光(紫外光)や熱硬化タイプの架橋タイプが望ましい。
熱硬化タイプの架橋タイプの樹脂を使用する場合について説明する。
バインダー樹脂に架橋タイプの樹脂を使用する方法では、電荷輸送層105は「反応性水酸基を有する架橋性電荷輸送物質」と、「熱硬化性樹脂単量体」と、「熱硬化性界面活性剤との架橋反応によって得られる樹脂」が使用される。
加熱と架橋により硬度を高め、耐摩耗性に優れた感光体を形成する。
架橋性電荷輸送物質としては、特開平7−228557号公報に記載のビスフェノール化合物、特開平8−198825号公報に記載のジアミン化合物、特開平9−31035号公報、特開平9−263569号公報、特開平9−268164号公報等に記載のジヒドロキシル基含有ジアミン化合物、特開平9−278723号公報、特開平10−7630号公報に記載のヒドロキシル基含有アミン化合物、特開平9−194442号公報に記載のヒドロキシル基含有スチルベン化合物、特開平10−53569号公報に記載のアミン化合物等があり、いずれも有効である。これらは高分子電荷輸送物質の原料であり、電荷輸送能力に優れた特性を示し、反応性にも優れた材料である。
熱硬化性樹脂単量体としては、たとえば、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、有機シラン縮合物などの縮合物又はこれらの混合物などがあり、本発明で有効に使用できる。たとえば、メラミン樹脂は自己縮合性を有する性質が有り、他の原料との配合比率の調整が容易であり、設計自由度が高い。また、エポキシ樹脂も硬化剤の材料種が多いため、設計自由度が高い。
熱硬化性界面活性剤としては、たとえば、
(1)特開平7−68398号公報に記載のフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートを含む共重合体として、特開昭60−221410号公報、特開昭60−228588号公報に記載のフッ素を含まないビニル型モノマーと含フッ素ビニル型モノマーととから成るブロック共重合体、
(2)フッ素系グラフトポリマーとして、たとえば、特開昭60−187921号公報に記載のポリメチルメタクリレートを側鎖にもつメタクリレートマクロモノマーとフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートを共重合した櫛形グラフトポリマーなどがある。
これらのフッ素系樹脂は樹脂添加量として入手が容易であり、たとえば、含フッ素ランダム共重合体は旭化成(株)より、樹脂表面改質剤SC−101,SC−105の表品名で、また、含フッ素ブロック共重合体として、フッ化アルキル基含有重合体セグメントとアクリル系重合体セグメントからなるブロック共重合体として、日本油脂(株)からモディパーFシリーズF100,F110,F200,F210,F2020等の商品名で、フッ素系グラフトポリマーとしては、東亞合成(株)よりアロンGF−150,GF−300,RESEDA GF−2000の商品名で市販されている。
これらの界面活性剤は単独で用いても、架橋樹脂成分としても用いても良い。
特開2000−119354号公報にはフッ素樹脂にシリコーン成分が化学結合された材料が記載されており、疎水性樹脂ZXシリーズZX−007C、ZX−001、ZX―017等は耐汚染性に特に優れた特性を有している。
架橋樹脂成分として用いる場合、メタクリル酸エステルとアクリル酸フッ化アルキルとの共重合体は特に有効である。
電荷輸送層を形成する際には、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤等の低分子化合物、レベリング剤を添加する事が出来る。
これらの化合物は単独または2種以上の混合物として用いることが出来る。低分子化合物の使用量は、樹脂成分100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは、0.1〜20重量部、レベリング剤の使用量は、樹脂成分100重量部に対して0.001〜5重量部程度が適当である。
フッ素系の界面活性剤の使用は、感光体の硬度アップに寄与すると同時に、感光体表層の摩擦係数を下げる。
したがって、画像形成装置内で感光体を帯電する際に生成される、オゾンや窒素酸化物などのコロナ生成物が作用することによって、上昇する摩擦係数、クリーニング不良等の改善には極めて有効である。
架橋性樹脂を用いる際には、保護層中を光誘起電荷キャリアが移動できる程度に電荷輸送性の官能基を架橋樹脂中に結合させるか、高分子電荷輸送物質を配合する必要がある。
低分子型の電荷輸送物質と架橋樹脂とを混合することが可能で有れば、低分子型の電荷輸送物質を混合しても良いが、保護層内に固定できず、低分子成分が表面に析出することがある。このようなケースに対して前述の高分子電荷輸送物質を用いることで析出を防ぎ、感度特性の向上を図ることができる。
感光層を形成する手法には、浸漬法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等があり、成膜性、コスト、製造容易性等を勘案し好適な方法が採用される。電荷輸送層105を形成する場合には、特にスプレー塗工法とリングコート法は生産上、品質の安定性を確保し易い方法であり好適である。
本発明に記載の電荷輸送層には、感光層表面のガサツキをなくして滑らかにする手段として、例えば、レベリング剤を添加する事は有効な手段である。レベリング剤としては、公知の材料を用いることができるが、微量で高い平滑性を付与することができ、静電特性に対する影響が小さい、シリコーンオイル系のレベリング剤がとくに好ましい。シリコーンオイルの例としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、アルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、高級脂肪酸含有シリコーンオイル等が挙げられる。また、塗工時の条件等によっても凹凸を低減することは可能である。例えば浸漬塗工において、感光体を引き上げた後、塗膜表面がまだウェットな状態の時に、フードで覆ったりすることで風の流れなどで表面を乱されないようにしたりすることで凹凸が低減される。また、塗膜表面付近の溶媒が急激に揮発すると表面だけが硬化して塗膜の内部が流動性を持った状態になり、この内部の塗膜がたれて凹凸が形成されることもあるので、ウェットな状態の時に感光体の周りに溶媒の蒸気層を形成し、溶媒を穏やかに揮発させることでレベリングが進行し、凹凸が低減され滑らかになる。
また、スプレー塗工においては、エアースプレーによって塗膜を形成する場合、エアーの圧力や、エアー流量を適量にコントロールすることで、塗膜が流動的な状態での表面の乱れを抑えて凹凸を抑制することが必要である。ここで、エアー圧、エアー流量が大きすぎるとエアーの流れで塗膜の表面が乱れ、逆に小さすぎると、塗工液の液滴が均一にならなかったり、微粒化が不十分になったりして、塗膜の均一性が低下する原因となる。また、電荷輸送層を形成後、回転させつつ溶媒を揮発させるが、このときの回転速度が大きすぎると、まだ溶媒を含み流動性をもっている塗膜に遠心力がかかり、凹凸が強調される。また、逆に回転速度が小さすぎると、回転によるレベリングより重力によるたれの影響が勝り、凹凸が発生する原因となってしまう。そのため、塗膜がウェットな状態での感光体の回転速度を適正な値に設定することが必要である。
さらに、スプレー塗工においては、塗工液を供給するポンプの送液が一定であることが重要となる。すなわち、液の供給が一定でなく脈動を持っていたりすると、それがダイレクトに液の吐出量に影響を与えるため、付着量にムラが生じることになる。そのため、スプレーに液を供給するポンプとしては、脈動を抑えた多連式プランジャーポンプや、シリンジ型の超精密吐出装置などを用いることが好ましい。
これらの方法は単独で用いても良いが、複数組み合わせることで、より効果的にレベリングがなされ、凹凸が低減された電荷輸送層が形成される。さらに、レベリングが不十分であった場合、電荷輸送層の凸部を摩耗してならすことも凹凸を小さくする方法として可能である。たとえば、膜厚計で凸部を検出し、その部分を研磨加工して凸部をなくすという方法が考えられる。
本発明においては、耐環境性の改善のため、及び、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、保護層、中間層等の各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質を添加することが出来る。これらの化合物の代表的な材料を以下に記す。
各層に添加できる酸化防止剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)フェノ−ル系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ−ル、ブチル化ヒドロキシアニソ−ル、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノ−ル、n-オクタデシル-3-(4'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-t-ブチルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、2,2'−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、4,4'−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、4,4'−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]メタン、ビス[3,3'−ビス(4'−ヒドロキシ−3'−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロ−ル類など。
(b) パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N'−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジメチル−N,N'−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
(c) ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
(d)有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3'−チオジプロピオネ−ト、ジステアリル−3,3'−チオジプロピオネ−ト、ジテトラデシル−3,3'−チオジプロピオネ−トなど。
(e)有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
各層に添加できる可塑剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(A)リン酸エステル系可塑剤
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなど。
(B)フタル酸エステル系可塑剤
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
(C)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
(D)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなど。
(E)脂肪酸エステル誘導体
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなど。
(F)オキシ酸エステル系可塑剤
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど。
(G)エポキシ可塑剤
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
(H)二価アルコールエステル系可塑剤
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど。
(J)含塩素可塑剤
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
(K)ポリエステル系可塑剤
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
(L)スルホン酸誘導体
P-トルエンスルホンアミド、O−トルエンスルホンアミド、P−トルエンスルホンエチルアミド、O−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、P−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなど。
(M)クエン酸誘導体
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなど。
(N)その他
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなど。
本発明では滑剤を各層に添加することが出来る。例えば、下記に示すものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(a)炭化水素系化合物
流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなど。
(b)脂肪酸系化合物
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
(c)脂肪酸アミド系化合物
ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなど。
(d)エステル系化合物
脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
(e)アルコール系化合物
セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなど。
(f)金属石鹸
ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
(g)天然ワックス
カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなど。
(h)その他
シリコーン化合物、フッ素化合物など。
各層に添加できる紫外線吸収剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)ベンゾフェノン系
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノンなど。
(b)サルシレート系
フェニルサルシレート、2,4ジ−t−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル4ヒドロキシベンゾエートなど。
(c)ベンゾトリアゾール系
(2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ3'−ターシャリブチル5'−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール
(d)シアノアクリレート系
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル2−カルボメトキシ3(パラメトキシ)アクリレートなど。
(e)クエンチャー(金属錯塩系)
ニッケル(2,2'チオビス(4−t−オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなど。
(f)HALS(ヒンダードアミン)
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
がある。
なお、本発明中に記載の摩擦係数を測定するためのオイラーベルト法は以下の方法によって測定される。
測定用の感光体を台座に固定して、幅30mm、長さ290mmにカットした厚み85μmの上質紙(リコー社製、タイプ6200ペーパー、縦目使用)をベルトとし、前記上質紙を感光体の上に乗せ、ベルト端部の一方に100grのおもりを取り付け、もう一方の片端に重量測定用のデジタル・フォース・ゲージを取り付け、デジタル・フォース・ゲージをゆっくり引き、ベルトの移動開始時の重量を読みとり、式1より(静止)摩擦係数μsを計算する。
μs=2/π×ln(F/W)・・・(式1)
ただし、μs:静止摩擦係数、F:読みとり荷重
W:分銅の重さ π:円周率
以下、本発明の実施例について説明する。
本実施例によるクリーニングブレードを装備したクリーニング装置が用いられる画像形成装置における評価用感光体について説明する。
(感光体作製例1)
φ30mm×340mm(肉厚0.750mm)に加工されたJIS3003系アルミニウム合金ドラムを導電性支持体として、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布した後加熱乾燥し、3.5μmの下引き層、0.3μmの電荷発生層、23μmまたは28μmの電荷輸送層を形成した。加熱乾燥の条件は下引き層が120℃20分、電荷発生層、電荷輸送層が130℃20分とした。
なお、電荷輸送層の膜厚変化は塗工糟液からの引き上げ速度を変化させる事によって行った。
これらの感光体のうち電荷輸送層が23μmの感光体(感光体1−1)に付いては以下記載の評価用感光体作製例2用の感光体として使用し、電荷輸送層が28μmの感光体(感光体1−2)を評価用感光体とする。
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂(ベッコゾール 1307−60−EL,大日本インキ化学工業製)
10重量部
メラミン樹脂(スーパーベッカミン G−821−60,大日本インキ化学工業製)
7重量部
酸化チタン(CR−EL 石原産業社製) 40重量部
メチルエチルケトン 200重量部
〔電荷発生層用塗工液〕
下記構造のビスアゾ顔料(リコー社製) 5重量部
Figure 0004568538
ポリビニルブチラール(XYHL、UCC社製) 1重量部
シクロヘキサノン 200重量部
メチルエチルケトン 80重量部
〔電荷輸送層用塗工液〕
ポリカーボネート樹脂(Zポリカ、粘度平均分子量;5万、帝人化成社製)
10重量部
下記構造の低分子電荷輸送物質 7重量部
Figure 0004568538
テトラヒドロフラン 100重量部
1%シリコーンオイル(KF50−100CS信越化学工業社製)テトラヒドロフラン溶液 1重量部
(評価用感光体作製例2)
次に作製例1で作製した、電荷輸送層を23μmとする感光体1−1の上に下記電荷輸送層の塗工液を用いて、スプレー塗工を行い、170℃30分の加熱乾燥により、5μm目標の電荷輸送層2を積層した感光体を作製した。
この感光体を感光体2−1とする。
〔フッ素樹脂配合電荷輸送層用塗工液〕
下記構造の低分子電荷輸送物質 3重量部
Figure 0004568538
フッ素系界面活性剤(モディパーF200、日本油脂社製) 2.3重量部
(固形分:0.7重量部)
メラミン樹脂(スーパーベッカミン G−821−60,大日本インキ化学工業製)
10.5重量部
テトラヒドロフラン 180重量部
シクロヘキサノン 50重量部
電荷輸送層のスプレー塗工条件は次の通りである。
〔感光体最表面層の保護層塗工条件〕
塗工液吐出量: 15ml/min
塗工液吐出圧: 2.0kgf/cm
被塗工ドラムの回転速度: 120rpm
塗工速度: 28mm/sec
スプレーヘッドと被塗工ドラムの距離:5cm
塗工回数: 2〜4回の間で適正値を選択
硬化温度:170℃30分
(クリーニングブレードの作製例1)
評価機として用意した画像形成装置(イマジオMF2200 リコー製)に搭載されるプロセスカートリッジ(クリーニングブレードは固定式)のクリーニングブレードとして肉厚が1.5mm、2mm、3mm、4mm、JIS−A硬度が57°、62°、77°、85°、88°の支持体付きウレタンゴム(北辰工業製)を用意した。
これらのクリーニングブレードの感光体に対向する面には、ブレードのエッジに潤滑性塗料が回り込まないように、潤滑性塗料を吸収するようなポーラスな紙(脂取り紙)を間に挟みガラス板で抑えて治具を用いて塗布装置内に立てた。
一方、ブレードの側面はエッジから幅5mmを残してシールテープを貼り潤滑性塗料が付着する防止策を行った。この様な準備が終わった後、熱硬化タイプの潤滑性塗料(ダイエルラテックス GLS−213F(A液):ダイキン工業社製)20重量部にダイエルラテックス GL−200(B液):ダイキン工業社製を1重量部配合したものをスプレーガン(PIECECOM WIDE 308:オリンポス製)を用いて、23〜25(℃)の環境のドラフトチャンバー内で、スプレー塗工を行った。塗膜の膜厚変化はスプレーガンの開口量、塗布回数(2〜5回)により実施した。35℃で約10時間乾燥を行った後、シールテープを剥がし、さらに130℃の条件で30分加熱硬化させ完全に乾燥させ、クリーニングブレードのサンプルを作製した。潤滑性塗料の成膜後、クリーニングブレードのエッジ部を光学顕微鏡(オリンパス製)で確認したところ、ブレードエッジから潤滑性塗料薄膜までの幅(図3における符号L2で示す幅に相当)は。0.1〜0.4(mm)であった。
なお、摩擦係数測定用のサンプルは、別途用意した2mm厚のウレタンゴム(35mm×90mm)全面に塗布したサンプルで評価した。評価方法は30mmのドラムにサンプルを巻き付けテープで抑え、オイラーベルト法による測定方法で行った。
この様にして得られたサンプルの内容を表1に示す。
潤滑性塗料薄膜面の表面粗さは感光体に当接する側の、ブレードエッジより2mm上のほぼ中央部を測定したものである。
Figure 0004568538
(実施例1〜5)
評価用の画像形成装置として、イマジオMF2200(リコー製、接触帯電方式、プロセスカートリッジ式)、感光体として感光体1−2を用意した。また、プロセスカートリッジのクリーニングブレードには表1に示すB−1(実施例1)、B−2(実施例2)、B−3(実施例3)、B−5(実施例4)、B−7(実施例5)、B−10(実施例6)を用意した。
感光体をプロセスカートリッジに装着する前に、フッ素樹脂微粒子(L−2,ダイキン工業製)を付着させた不織布(ハイゼガーゼ、旭化成製)で初期のみ、感光体表面全面を軽く摺擦して、摩擦係数を0.2〜0.3程度に下げた。
次に、表1に示すブレードサンプルB−1をプロセスカートリッジに装着した。プロセスカートリッジを評価機に搭載した後、帯電々位を約−800V、画像部電位を−120Vに設定した。なお、現像には懸濁重合法で作製した平均粒径が6.8μm、平均円形度が0.978の、ワックス含有量5%の球形トナー(リコー製)を使用し、A4サイズの用紙を使用し、2万枚の通紙ランニングを行い、画像品質(主には解像度と地肌汚れ)、感光層の外観及び感光層の摩耗量を測定した。
結果を表2に示す。
Figure 0004568538
初期に感光体の表面に潤滑剤を塗布することによって、感光体の駆動に全く異常なく、さらに、クリーニングブレードの側面に塗布した潤滑性塗料の低摩擦係数の効果によって、感光体は異音を発することなく正常に回転した。
クリーニングブレードに1.5mmの肉厚のウレタンゴムを使用した場合には、肉厚の効果が少し現れ、微かな地肌汚れが生じ、摩耗量も多くなる傾向が見られたが、この程度の汚れは、潤滑性塗料の膜厚を厚くすることは出来ないため、自由長を2mm程度短くすることで改善可能と思われるが、1.5mm以下では、実用的な膜厚で両面塗装しても機械的強度が不足する事が見て取れる。
その他の実施例2〜6については、画像品質に影響を与えるようなクリーニング不良は起こらず、高解像度の画像品質が得られた。ただし、表面粗さの少し大きいB−10のサンプルを使用した際に、摩擦抵抗が少し不十分と思われる地肌汚れが微かに見られたが、実用範囲内であった。表面粗さを小さくすることによって、改善可能である。
肉厚が2.0mm、硬度が85°のブレードを使用した場合に、感光体へ摺擦傷が入ったが、トナーの潜り込みは十分に防止しており、クリーニング不良が起こることは無かった。
なお、表2中で、2万枚の評価結果において、◎はクリーニング性、画像品質、感光体外観特性とも良好、○はクリーニング性、画像品質とも実用範囲内、感光体外観良好、△はクリーニング性、画像品質ともほぼ実用範囲内、感光体外観特性に少し問題有り(継続で問題が出るおそれがあり、ただし改善が可能)
実用範囲内とは、一般的使用では問題ないが、詳細に画像品質を見ると、点状のトナーが見られる状態をいう。
(実施例7〜12)
クリーニングブレードの評価用に感光体2−1、クリーニングブレードにB−2(実施例7)、B−3(実施例8)、B−6(実施例9)、B−8(実施例10)、B−9(実施例11)およびB−11(実施例12)とした他は実施例1〜6に同等の条件で評価を実施した。結果を表3に示す。
Figure 0004568538
耐摩耗性を向上させた感光体に交換することで、感光層の摩耗は約半分となり、耐久性は2倍に拡大した。しかし、トナークリーニング性に関しては良好な状態を維持し、表面粗さが特に大きいブレードサンプルB−9については、表面粗さRzが3.8μm、Rmaxが5.6μmと大きく、感光体とブレードの摩擦抵抗を十分に下げきれない為と、潤滑性塗料の膜厚が少し厚い事による不具合が画像品質(地肌汚れ)の低下となって現れた為と推測される。判定は△であるが、表面粗さを下げることにより、改善は可能である。解像度の低下は感光体にスクラッチが生じた結果によるもので、6.3本/mmの解像度は実用上において全く問題ないレベルである。サンプルB−11に付いては、若干ブレードの強度不足によるものと見られる。当接圧をあげることで改善は可能と思われる。
なお、表3中の記号◎、○、△は表2に記載内容に同じである。
(比較例1〜2)
感光体に前述した感光体1−2、感光体2−1、クリーニングブレードにイマジオMF2200(リコー製)の純正部品(潤滑性塗料塗布なし、2mm厚、当接圧23g/cm)を使用し、感光体には初期のみ潤滑剤(PTFE、L−2/ダイキン工業製)を塗布し、実施例1〜12に同様な方法でクリーニングブレードの評価をおこなった。結果を表4に示す。
Figure 0004568538
評価に使用したクリーニングブレードでは、1〜2枚目こそ、初期潤滑剤塗布効果が現れて、ほぼ球形状のトナーをクリーニングする事が出来たが、3枚目以降で徐々にクリーニング不良が生じ始めた。これは、初期のみ潤滑剤の効果で感光体とクリーニングブレード間の摩擦抵抗が小さかったために、ブレードエッジに歪みや、スティックスリップ現象は起こらなかったが、潤滑剤の膜がブレードや現像剤で削られて消失すると、潤滑剤の効果が失われ、トナーの抜けが起こり始めたものと推測される。
なお表中の×は、全く実用性が無いことを示す。
(比較例3〜6)
(クリーニングブレードの作製例2)
評価機として用意した画像形成装置(イマジオMF2200 リコー製)に搭載されるプロセスカートリッジ(クリーニングブレードは固定式)のクリーニングブレードとして肉厚が2mmおよび3mm、JIS−A硬度が57°、62°、85°の支持体付きウレタンゴム(北辰工業製)を用意した。
これらのクリーニングブレードの感光体に対向する面には、ブレードのエッジに潤滑性塗料が回り込まないように、潤滑性塗料を吸収するようなポーラスな紙(脂取り紙)を間に挟みガラス板で抑えて治具を用いて塗布装置内に立てた。
一方、ブレードの側面はエッジから幅4mmを残してシールテープを貼り潤滑性塗料が付着する防止策を行った。この様な準備が終わった後、一液性の常温硬化型の塗料(ダイエルラテックス GLP−102NR:ダイキン工業社製)にフッ素樹脂(PFA MICROPOWDER MPE−056:三井・デュポンフロロケミカル社製)を10重量%含有させて、高速液衝突分散法(アルティマイザー、スギノマシーン社製)によって20分間ミキシングを行った。この潤滑性塗料を使用して塗工する際に1−ブタノールで薄めて攪拌機でゆっくり撹拌させて、スプレーガン(PIECECOM WIDE 308:オリンポス製)を用いて、23〜25℃のドラフトチャンバー内でスプレー塗工を行った。塗膜の膜厚はスプレーガンの開口量、塗布回数を調整し、膜厚が50〜80(μm)の間に入るようにセットした。潤滑性塗料を塗布した後2時間放置した後シールテープを剥がし、さらに約30〜35℃の恒温槽に入れて25時間乾燥させ完全硬化を行い、クリーニングブレードのサンプルを作製した。潤滑塗料を成膜後、クリーニングブレードのエッジ部を光学顕微鏡(オリンパス製)で確認したところ、ブレードエッジから潤滑性塗料薄膜までの幅(図3において符号L2で示す幅)は、0.3〜0.9mmであった。
なお、摩擦係数測定用のサンプルは、別途用意した2mm厚のウレタンゴム(35mm×90mm)全面に塗布したサンプルで評価した。評価方法は30mmのドラムにサンプルを巻き付けテープで抑え、オイラーベルト法による測定方法で行った。
この様にして得られたサンプルの内容は表5の通りである。
Figure 0004568538
なお、クリーニングブレードに塗布された潤滑性塗料の薄膜の摩擦係数はおおよそ0.25〜0.38(オイラーベルト法による)の間であった。
潤滑性塗料薄膜面の表面粗さは感光体に当接する側の、ブレードエッジより2mm上のほぼ中央部を測定したものである。
感光体として、感光体1−2を用意し、評価機(イマジオMF2200、リコー製)のプロセスカートリッジに感光体を装着し、次にクリーニングブレード、帯電ローラの順にセットした。現像部には、実施例1〜12に同じ縣濁重合法で作製した平均粒径が6.8μmの球形トナー(トナー濃度:5重量%)を投入した。画像形成条件に付いても実施例1〜12に同じにして、クリーニングブレードの評価を実施し、その結果を表6に示す。
Figure 0004568538
初期においてはいずれもクリーニング性良好であったが、次第に縞状にクリーニング不良が起こるようになった。解像度は画像品質が悪化し始めて2〜3枚後の結果である。
クリーニング不良の要因を確認したところ、感光体表面ほぼ全面にわたって異物の付着が見られた。一方、クリーニングブレードの方は局部的に薄膜の剥がれが見られたことから、潤滑性薄膜が剥がれて、感光体に付着した結果クリーニング不良が生じたものと推測された。また、剥がれたことによって、ブレードエッジに歪みや、スティックスリップ現象が起こり、このこともクリーニング不良の要因になったと思われる。
したがって、常温硬化型の1液性の塗料は耐久性の面で不十分であった。
本発明によるクリーニングブレードの一例を示す図であり、(A)は全体構成を、(B)は異物が残留する面との接触状態を示している。 本発明によるクリーニングブレードの別例を示す図である。 本発明によるクリーニングブレードの要部構成の一例を示す図である。 本発明によるクリーニングブレードの要部構成の他の例を示す図である。 本発明によるクリーニングブレードの要部構成の別例を示す図である。 本発明によるクリーニングブレードの作用を示す図である。 本発明によるクリーニングブレードに用いられる潤滑性塗料の表面粗さの一例を示す線図である。 本発明によるクリーニングブレードに用いられる潤滑性塗料の表面粗さの他の例を示す線図である。 本発明によるクリーニングブレードの当接角を説明するための図である。 本発明のクリーニングブレードが用いられるクリーニング装置を装備した画像形成装置の一例を示す図である。 図10に示したクリーニング装置の構成を示す図である。 図11に示したクリーニング装置に用いられるクリーニングブラシの構成を示す図である。 図10に示した画像形成装置の別の例を示す図である。 図13に示した画像形成装置に用いられる往路セスカートリッジの構成を示す図である。 図14に示したプロセスカートリッジの別例を示す図である。 図10または図13に用いられる潜像担持体である感光体の構成を示す図である。 図10または図13に用いられる潜像担持体である感光体の別の構成を示す図である。 図10または図13に用いられる潜像担持体である感光体のさらに別の構成を示す図である。 クリーニングブレードの設置状況の従来例を示す図である。 図19に示したクリーニングブレードにおける不具合を説明するための図である。 異物に相当する微粉砕型の残留トナーの挙動を示すである。 図21に示した残留トナーのクリーニング時における問題点を説明するための図である。 異物に相当する球形トナーの挙動を示す図である。 図23に示した球形トナーのクリーニング時における不具合を説明するための図である。
符号の説明
1 感光体
71 クリーニングブレード
71a 支持体
71d ブレード
71f エッジ
71e 潤滑性塗料

Claims (17)

  1. 残留する粉体を始めとする異物をクリーニングするためのクリーニングブレードであって、
    前記クリーニングブレードは、前記異物が残留する面に対して、エッジ部が圧接可能なブレード本体と、該ブレード本体表面で少なくとも前記異物が残留する面に対向する側の面に設けてある潤滑層とを備え、
    前記ブレード本体は可撓性部材であり、前記潤滑層は該ブレード本体の少なくともエッジ部を除く範囲に設けてあることを特徴とするクリーニングブレード。
  2. 請求項1記載のクリーニングブレードにおいて、
    前記潤滑層は、前記ブレード本体のエッジ部およびこれに連続する端面を除く範囲に設けてあることを特徴とするクリーニングブレード。
  3. 請求項1または2に記載のクリーニングブレードにおいて、
    前記潤滑層は、前記異物が残留する面に対する前記ブレード本体の当接角度に応じて前記ブレード本体のエッジ部およびこの近傍面と共に該異物が残留する面に接触できる位置から塗布されていることを特徴とするクリーニングブレード。
  4. 請求項1乃至3のうちの一つに記載のクリーニングブレードにおいて、
    前記潤滑層の厚さは、前記異物が残留する面に対する前記ブレード本体の当接角度に応じて該ブレード本体のエッジ部と該潤滑層とが同時に接触できる厚さに設定されていることを特徴とするクリーニングブレード。
  5. 請求項1乃至4のうちの一つに記載のクリーニングブレードにおいて、
    前記ブレード本体は、厚さが1.5〜3mmに設定されていることを特徴とするクリーニングブレード。
  6. 請求項1乃至5のうちの一つに記載のクリーニングブレードにおいて、
    前記ブレード本体は、前記異物が残留する面に対して15〜35g/cmの当接圧により圧接していることを特徴とするクリーニングブレード。
  7. 請求項1乃至のうちの一つに記載のクリーニングブレードにおいて、
    前記潤滑層は、ブレード本体との間で化学的親和性を有する材料が塗布されて構成されていることを特徴とするクリーニングブレード。
  8. 請求項7記載のクリーニングブレードにおいて、
    前記潤滑層には、前記ブレード本体がウレタン系ゴムを用いる場合にフッ素樹脂を含有する熱硬化性の塗料が用いられることを特徴とするクリーニングブレード。
  9. 請求項7または8記載のクリーニングブレードにおいて、
    前記潤滑層は、その表面粗さが10点平均粗さ(Rz)において3μm以下で最大高さRmaxが5μm以下に設定されていることを特徴とするクリーニングブレード。
  10. 請求項7乃至9のうちの一つに記載のクリーニングブレードにおいて、
    前記潤滑層の厚さは、20〜100μmに設定されていることを特徴とするクリーニングブレード。
  11. 請求項1乃至10のうちの一つに記載のクリーニングブレードを用いたことを特徴とするクリーニング装置
  12. 請求項11記載のクリーニング装置において、
    前記クリーニングブレードは、異物が残留する面から除去した異物の回収機構を備えたカートリッジに装備されていることを特徴とするクリーニング装置
  13. 請求項11または12記載のクリーニング装置と感光体とを一体的に備え、画像形成装置本体に対して着脱可能としたことを特徴とするプロセスカートリッジ
  14. 請求項11または12記載のクリーニング装置を用いたことを特徴とする画像形成装置
  15. 請求項14記載の画像形成装置において、
    前記異物が残留する面は、転写対象となるトナー像を担持可能な潜像担持体であり、該潜像担持体はトナー像の転写後に前記クリーニング装置による異物回収が行われる構成であることを特徴とする画像形成装置
  16. 請求項15記載の画像形成装置において、
    前記潜像担持体は、単一若しくは複数設けられ、作像モードに応じて選択されて装備される構成であることを特徴とする画像形成装置
  17. 請求項15または16記載の画像形成装置において、
    潜像担持体が複数装備される場合には、各潜像担持体で形成された画像を順次中間転写体あるいは記録媒体に重畳転写可能な構成が用いられることを特徴とする画像形成装置
JP2004161437A 2004-05-31 2004-05-31 クリーニングブレードおよびクリーニング装置およびプロセスカートリッジおよび画像形成装置 Expired - Fee Related JP4568538B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004161437A JP4568538B2 (ja) 2004-05-31 2004-05-31 クリーニングブレードおよびクリーニング装置およびプロセスカートリッジおよび画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004161437A JP4568538B2 (ja) 2004-05-31 2004-05-31 クリーニングブレードおよびクリーニング装置およびプロセスカートリッジおよび画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005345493A JP2005345493A (ja) 2005-12-15
JP4568538B2 true JP4568538B2 (ja) 2010-10-27

Family

ID=35497979

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004161437A Expired - Fee Related JP4568538B2 (ja) 2004-05-31 2004-05-31 クリーニングブレードおよびクリーニング装置およびプロセスカートリッジおよび画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4568538B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5332195B2 (ja) * 2007-12-21 2013-11-06 株式会社ブリヂストン 現像ローラ及び画像形成装置
JP5319170B2 (ja) * 2008-06-11 2013-10-16 バンドー化学株式会社 クリーニングブレード及びその製造方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002244517A (ja) * 2001-02-13 2002-08-30 Canon Inc 画像形成装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002244517A (ja) * 2001-02-13 2002-08-30 Canon Inc 画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005345493A (ja) 2005-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7369807B2 (en) Cleaner, and process cartridge and image forming apparatus using the cleaner
JP4917409B2 (ja) 画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ
JP3847583B2 (ja) 電子写真装置および電子写真装置用プロセスカートリッジ
JP4928230B2 (ja) 画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ
JP5347483B2 (ja) 画像形成装置
JP2008224729A (ja) 画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ
JP3936647B2 (ja) 画像形成装置、画像形成方法およびプロセスカートリッジ
JP4138515B2 (ja) 画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2005092019A (ja) 潤滑剤塗布装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP3943476B2 (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP4568538B2 (ja) クリーニングブレードおよびクリーニング装置およびプロセスカートリッジおよび画像形成装置
JP4443837B2 (ja) 画像形成装置
JP3847584B2 (ja) 電子写真装置、電子写真装置用プロセスカートリッジ、電子写真感光体及びその製造方法
JP2006011375A (ja) クリーニングブレードを備えた画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP4559097B2 (ja) 画像形成装置
JP4493992B2 (ja) 画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP3954807B2 (ja) 画像形成方法、画像形成装置、及び感光体表面回復方法
JP4429648B2 (ja) 電子写真感光体及びその製造方法、並びにその電子写真感光体を搭載した画像形成装置
JP2004061560A (ja) 画像形成装置およびプロセスユニット
JP2009053400A (ja) 画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ
JP4073021B2 (ja) 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ
JP2006053514A (ja) 画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP4713907B2 (ja) 画像形成方法、画像形成装置、及び画像形成装置用プロセスカートリッジ
JP2004038070A (ja) 画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ
JP2004046019A (ja) 感光体表面調整装置及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070416

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100223

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100426

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100727

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100809

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130813

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees