JP4429648B2 - 電子写真感光体及びその製造方法、並びにその電子写真感光体を搭載した画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体及びその製造方法、並びにその電子写真感光体を搭載した画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、間接電子写真法で画像形成するに際して使用される電子写真感光体及びその製造方法、並びにそれを搭載した画像形成装置とプロセスカートリッジに関し、より詳しくは、帯電部材に交流電圧を重畳した直流電圧を印加して電子写真感光体を帯電する際に発生する帯電音、クリーニングブレードの摺擦に伴う摺擦音等の高周波音を効率的に抑制する制振材を内蔵した電子写真感光体及びその製造方法、並びにその電子写真感光体を搭載した画像形成装置とプロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
ファクシミリ、レーザー・プリンター、電子写真複写機などの間接電子写真法を用いたデスクトップ型あるいはフロア型の画像形成装置には、電子写真感光体を中心に、順に帯電装置、画像露光装置、現像装置、転写装置、分離装置、クリーニング装置、除電装置および定着装置が配置されている。
電子写真感光体(以下、単に感光体とも称する)には、従来、酸化亜鉛感光体(ZnO)、硫化カドミウム感光体(CdS)、セレン化カドミウム感光体(CdSe)、アモルファスセレン系感光体(例えば、a−Se、a−Se−Te、a−AsSeなど)、アモルファスシリコン系感光体(例えば、a−Si:H、a−Si:Ge:H)などが使用されてきたが、近年では作製が容易、高感度設計が可能、低コスト、無公害等の多くのメリットを有する有機系感光体が主流に使用されている。
【0003】
電子写真法を用いた画像形成においては、まず、感光体は画像形成に必要な表面電位に帯電される。感光層がホール移動型の電荷発生層、電荷輸送層を積層した機能分離型有機感光体では、通常−400〜−800Vである。
感光体の帯電方式としては、コロナ帯電法、接触帯電法、感光体と帯電部材(ローラ、ブラシ、ブレードなどの部材)間を30〜100μm程度離して帯電する非接触帯電法(若しくは近接帯電法ともいう)などが実用化されている。
【0004】
コロナ帯電法は、感光体の長さ方向にわたってシールドケース内に帳架された直径40〜80μmのタングステン線、ニッケル線などの金属線、或いはステンレス製の鋸歯状電極に、−4500〜−6500V程度の高電圧を印加して感光体を帯電する方式である。この方式では高電圧を印加するため多量のオゾンが発生する。画像形成時のオゾン発生量は10ppm前後と極めて多量であり、活性炭や活性炭素繊維などを使用したオゾン処理部材を排気ファンの位置に設置しても、十分に処理仕切れず、漏れ出たオゾンによる臭気のため不快感を感じ、また、健康被害など環境上の大きな問題となっていた。
【0005】
このオゾン発生に鑑み、オゾン生成量が極めて少ない方式として、接触帯電法(例えば、特開昭58−40566号公報、特開平6−274007号公報参照)、さらには非接触帯電法(例えば、特開平7−301973号公報、特開平9−26685号公報参照)が開発された。
前者の接触帯電法は、ローラ、ブラシ等の帯電部材を感光体に直接接触させて帯電する方式である。後者の非接触帯電法は、感光体に極近接配置された帯電部材で帯電する方式であって、接触帯電部材の欠点である帯電部材からのトナー汚染や帯電部材による感光体摩耗、感光体の放電破壊などを緩和することが出来る利点を有する。
これら二つの帯電方式においても、コロナ放電法同様に帯電時に放電が伴うが、帯電部材は感光体に接触若しくは極近接して配置されているので、印加電圧を低く設定することができ、そのためオゾンの発生量は直流電圧印加の場合で0.05〜0.1ppm、交流電圧を重畳した直流電圧を印加した場合でも0.2〜0.4ppm程度と少なく、環境上の課題をほぼクリヤーすることが出来る。
【0006】
しかし、これら二つの帯電方式はパッシェンの法則(例えば、シャファート著(井上英一訳)、電子写真、共立出版、1973年、p.514−P.519参照)に従う帯電方法であるため、感光体と帯電部材間のギャップ(空隙)が不均一であったり、湿度の影響を受けやすく帯電が不安定になるという問題を有している。
また、後者の非接触帯電法では、一般に直流電圧印加で帯電が行われるが、感光体と帯電部材間との微小ギャップで帯電が成立しているため、距離の影響を受けやすい。したがって、感光体や帯電部材に局所的な凹みや歪みがあると、距離にバラツキが生じるため帯電電位が不均一になり、画像ムラが起こりやすいという問題がある。
また、急激な環境変化(特には高湿化)が生じると、放電が不安定になり画像ムラを起こし易くなるが、この不安定な帯電特性は非接触帯電法ではさらに強く起こり易くなる。
【0007】
帯電を安定化するためには、帯電部材に交流電圧を重畳した直流電圧(例えば、直流電圧:−600〜−1200V、交流電圧:1000〜2000V、周波数:800Hz〜2500Hz)を印加する方法が好適である。交流電圧には帯電を整える作用(均一化もしくは平均化作用)があり、感光体や帯電部材に数十μm程度の凹みや歪み、或いはうねりが有っても、さらには湿度上昇を生じてもほぼ追随し、良好な画像品質が得られるように成った。
【0008】
ところで、交流電圧は、振動電流であるため、周波数に応じて変化する周期的なうなりを本質的に有している。
したがって、交流電圧を重畳した直流電圧を帯電部材に印加した場合、放電と共に帯電音が発生する。帯電部材に印加する周波数が低いと帯電を安定化する効果がない。そのため、周波数は必然的に800〜2500(Hz)に設定することになるが、この周波数帯域は人間の耳に非常に敏感に感ずる帯域であって、少しの帯電音でも気になり、音圧が高くなると共に不快感を感じる様になる。
【0009】
また、導体中に交流が流れる事によっても導体が振動する。帯電部材に交流電圧が印加されると、帯電部材の振動と同時に感光体も振動する。
帯電部材の芯材にはステンレスや真鍮製などの金属棒が使用され、その上に導電性の弾性ゴムが被覆されている。したがって、帯電部材に振動が起こっても感知されるほどの振動音にはならない。しかし、感光体の場合には、その導電性支持体にアルミウムが使用されているため、音の伝搬速度が比較的速く、しかも剛性が低いため響きやすい。したがって、大きな帯電音に成りやすい。
また、帯電音は感光体支持体の構造や形状によって分割振動を起こす場合があり、共振や付帯音を伴うため、本来の帯電音以上に音が大きく成り易い。
また、非接触帯電法の場合は、帯電部材と感光体間が離れているため必然的に印加条件を高くする必要が有り、接触帯電法に比べて帯電音が大きくなる傾向がある。
【0010】
一方、クリーニングブレードが感光体を摺擦することによって起こる摺擦音(ブレード鳴き)も、振動音同様に1000Hz前後の周波数帯域に属するため、帯電音同様に不快に感じられる。この摺擦音は、感光体とクリーニングブレードの摩擦抵抗が大きいほど起こりやすい傾向があり、感光体の使用頻度と関係なく、感光体の摩擦抵抗が高ければ初期からでも発生する。
摺擦音は、感光体の回転中に連続的或いは不連続的に発生することもあるし、回転中は気にならないが感光体の回転停止直前に急に大きくなることもある。
【0011】
また帯電音は、作像時連続的に発生する現象であることから不快感が伴い、摺擦音共々抑制改善を行うことは必要不可欠である。
なお、明細書中に帯電音、振動音、高周波音などの用語を使用するが、帯電音は感光体を帯電するときに発生する音、摺擦音はクリーニングブレードで摺擦するときに発生する音、高周波音はキーンという高周波音を伴う音であるため、帯電音、摺擦音に共通の音として取り扱っている。
【0012】
帯電部材に交流電圧を重畳した直流電圧を印加した際に起こる帯電音を改善する手段として多くの技術例が開示されている。
例えば、接触帯電部材に帯電音抑制部材を使用し改善する方法(例えば、特許第2830950号公報、特開平9−230671号公報など)、感光体支持体の剛性を高めて制振する方法(例えば、特開2000−155500号公報、特開2000−19761号公報など)、さらに、感光体内部に制振材(または充填材、消音材など)を挿入して制振性を高める方法(例えば、特開2000−98804号公報、特開平2001−13704号公報、特開2001−194954号公報、特開平11−184308号公報、特開2002―244488号公報、特開2003―29574号公報)などがある。
以下に、感光体に制振材を内蔵させ、制振効果を高める手段を記載した特許文献の例を述べる。
【0013】
特開2000−98804号公報(特許文献1)には、真鍮、鉄、ステンレス、金属粉含有のプラスチック成形材など、ブロック状の充填材を樹脂フィラーの接着剤で感光体内部に固定し課題を達成させる技術が記載されている。
帯電音などの振動を抑制するためには、高比重で有ることも重要な因子であり、感光体と一体化されていることが望ましい。比重が大きいため使用中に移動し、感光体の回転等に影響を与える可能性が有るため、発明では充填材を固定する手段として接着剤が使用されている。
この接着剤を用いる方法は制振効果を高める上で有利な手段で有るが、制振材と感光体との分離が容易でなく、感光体のみならず制振材も破壊する事になり、リサイクル性、省資源等においては問題がある。
【0014】
また、特開平2001−13704号公報(特許文献2)には、炭酸カルシウム、タルクなどを含有した熱可塑性組成物からなる円筒状の消音用充填材を感光体内に装着し、部材の緊迫力で感光体内に保持するか、接着剤で固定することによって課題を達成させる技術が記載されている。
上記される充填材を感光体内に装着することによって制振作用が発現されるが、上記された部材では、制振効果を判断する特性の1つである損失正接(tanδ)の値が大きくないため、制振効果は十分に発揮されない可能性がある。また、接着剤で固定する事によって、特許文献1同様にリサイクル性、省資源等が困難である。
【0015】
また、特開2001−194954号公報(特許文献3)には、アルミニウム、特にはアルミニウム合金からなる充填材の一端をテーパー状にして、円筒状の固定部材を前記充填材に嵌合して感光体内部に固定することによって課題を達成する技術が記載されている。アルミニウム合金を固定部材で嵌合することによって十分に固定し、制振効果を高め、かつ充填材を取り外し可能としたものである。
この技術により制振効果は得られるが、嵌合によって固定部材がアルミニウムに食い込み、取り外しが容易でなくなるという問題点があり、作業性、リサイクル性等にはまだ多くの問題がある。
また、アルミニウムを充填材に使用しているため、制振性は得られるものの十分ではなく、特に、非接触帯電法に採用した場合には振動抑止力が不足し、問題になる可能性が有る。
【0016】
さらに、特開平11−184308号公報(特許文献4)には、プラスチック材からなる円柱状部材の前後2ヶ所にOリングを装着した挿入部材を感光体内に挿入し固定することによって課題を達成させることが記載されている。
Oリングを装着した円柱状部材を感光体内に挿入し固定する方法では、挿入部材の挿入、取り出しは有利となるが、挿入部材の感光体への密着が不十分であるため、制振効果は期待できない。
【0017】
また、特開2002−244488号公報(特許文献5)には、裏打ち手段(可撓性を有する羽根構造の弾性体)を感光体内部に挿入する事によって課題を達成させる技術が記載されている。この技術は、弾性体を感光体に挿入し、その弾性体の羽根で感光体内に固定するものである。このため、弾性体の挿入、取り外しは容易であり、作業性においても、リサイクル性、省資源等においても有利な方法である。
しかし、弾性部材の羽根の部分は線接触若しくは点接触となるため、感光体内壁への押圧が十分でない。
また、羽根以外の所は空間であるため、十分な制振効果を得ることが困難である。
【0018】
また、特開2003―29574号公報(特許文献6)には、平均粒径が0.05〜10mmの金属及び/または金属酸化物粒子をアルミニウムを基体とする電子写真感光体内に投入し充填することで帯電音を抑制する技術が記載されている。金属のような比重の大きい粒子を充填材とすることで帯電音を抑制することが出来る。
しかし、鉄粉のような磁性材料を使用した場合、着磁したものがあれば現像を乱す原因にもなる。また、粒径が大きくなるほど粒子間の空隙率が大きくなるため、帯電音の減衰特性が悪化し、例えば5mmや10mm径の粒子の充填材を用いた場合には、感光体内壁に点接触し、隙間が多く成るために、帯電音の抑制効果が十分に発現せず、改善効果は得られ難い。さらに、粒子を直接感光体内に投入するため、感光体から金属粒子への振動の伝搬が十分に行われにくく、特に大きな粒径の粒子を投入した場合には、さらに問題が大きくなる。また、小粒径の充填材を使用した場合などでは、フランジを外した場合に飛び散って作業場を汚したり、粉塵が舞ったりする作業上の問題が生じる。
【0019】
上記したように、感光体の内部に充填材を挿入する方法は、帯電音やブレード鳴きなどの振動音を抑制するには有効な手段である。
充填材を感光体内に内蔵した場合の抑制効果は、帯電音の充填材への伝搬速度が大きく、速く充填材に振動が伝わり、早急に熱に変換されることで、その抑制効果が発現するというものである。すなわち、感光体の表面で生じた振動を伝搬ロス無く制振材に伝搬することによって、帯電時の帯電音やクリーニングブレードでのブレード鳴きが改善されるものである。
したがって、振動の伝搬しやすさから、制振材は感光体支持体の内壁に十分に密着することが重要である。感光体と制振材間に隙間が有る場合には、感光体と一体化するように接着剤で固定することが行われる。すなわち、単に充填材を内蔵しただけでは、感光体支持体と充填材間に隙間が生じ易く、また重量が軽い場合や、空間が多い場合には予期した通りの効果を得ることが難しい。
【0020】
制振材を使用した上記開示例の多くは、作製の容易さや取り扱い易さを考慮して、重量のあるゴムやプラスチック、金属などを、感光体の内径より0.1〜1mm程度小径の円筒状若しくは円柱状に加工し、接着剤を用いて出来るだけ隙間を埋めて固定し、感光体と一体化して使用される例が多い。
しかし、近年は環境問題が大きくクローズアップされており、省資源、省エネルギーなどで再生や再使用が可能な方法、方式が必要に成ってきている。
したがって、いかに振動抑制効果が高い方法であっても、充填材を感光体内に接着材などを使用して完全に固定するような方法では、感光体と制振材の分離が出来ず、再生、再使用が困難であり、環境破壊を招く要因にもなる。
【0021】
【特許文献1】
特開2000−98804号公報
【特許文献2】
特開平2001−13704号公報
【特許文献3】
特開2001−194954号公報
【特許文献4】
特開平11−184308号公報
【特許文献5】
特開2002―244488号公報
【特許文献6】
特開2003−29574号公報
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みて考案されたものである。すなわち、帯電部材に交流電圧を重畳した直流電圧を印加して画像形成を行う際に発生する帯電音はもとより、クリーニングブレードの摺擦音を不快に感じない程度に効率よく抑制でき、取り付けや交換性、環境(省資源、省エネルギー)等に配慮して制振材を構成し、その制振材を内蔵した電子写真感光体及びその製造方法、並びに該電子写真感光体を搭載した画像形成装置とプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明に記載の課題は鋭意検討の結果、以下の(1)〜()に記載の手段により達成出来る事が判明した。
(1)接触帯電装置又は非接触帯電装置により交流電圧を重畳した直流電圧を印加して帯電した後、光書き込みにより静電潜像を形成し、次に現像装置により反転現像して顕像化する間接電子写真法で画像形成を行うための電子写真感光体において、
粒子状制振部材を充填した袋状容器からなる制振材を該電子写真感光体の内壁に直接密着するように内蔵し、かつ、該電子写真感光体の両端に装着されるフランジ間の空間領域に対する制振材の容積占有率が74%以上であり、
該袋状容器を該電子写真感光体の長手方向の中央部に位置するように配設して、該粒子状制振部材を該袋状容器の投入口まで充填したのち、上下方向への振動を与えさらに充填して、該粒子状制振部材を十分に充填した後に該投入口を閉じ、最後にフランジを圧入装着してなることを特徴とする電子写真感光体。
(2)該粒子状制振部材の比重が、2(g/cm)以上、7(g/cm)以下であることを特徴とする前記(1)に記載の電子写真感光体。
(3)該粒子状制振部材が、ジルコンサンドであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の電子写真感光体。
)接触帯電装置又は非接触帯電装置により交流電圧を重畳した直流電圧を印加して帯電した後、光書き込みにより静電潜像を形成し、次に現像装置により反転現像して顕像化する間接電子写真法で画像形成を行うための電子写真感光体において、
粒子状制振部材を充填した袋状容器からなる制振材を該電子写真感光体の内壁に弾性部材を介して密着するように内蔵し、かつ、該電子写真感光体の両端に装着されるフランジ間の空間領域に対する制振材の容積占有率が74%以上であり、
該袋状容器を該電子写真感光体の長手方向の中央部に位置するように配設して、該粒子状制振部材を該袋状容器の投入口まで充填したのち、上下方向への振動を与えさらに充填して、該粒子状制振部材を十分に充填した後に該投入口を閉じ、最後にフランジを圧入装着してなることを特徴とする電子写真感光体。
)該粒子状制振部材の比重が、2(g/cm)以上、7(g/cm)以下であることを特徴とする前記()に記載の電子写真感光体。
)該粒子状制振部材が、ジルコンサンドであることを特徴とする前記()または()に記載の電子写真感光体。
)粒子状制振部材を充填した袋状容器からなる制振材を該電子写真感光体の内壁に弾性部材を介して密着するように内蔵し、かつ、該電子写真感光体の両端に装着されるフランジ間の空間領域に対する制振材の容積占有率が74%以上である電子写真感光体について、
シート状の該弾性部材を該電子写真感光体の内壁に沿って挿入し、引き続き該袋状容器を該電子写真感光体の長手方向の中央部に位置するように配設した後、該粒子状制振部材を該袋状容器の投入口まで充填した後、上下方向への振動を与えさらに充填して、該粒子状制振部材を十分に充填した後に該投入口を閉じ、最後にフランジを圧入装着することを特徴とする前記()〜()のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
)接触帯電装置又は近接配置された帯電装置に交流電圧重畳の直流電圧を印加して電子写真感光体に均一帯電を行い、画像露光装置からの光書き込みにより静電潜像を形成し、その静電潜像を現像装置でトナー像として顕像化し、転写装置によって被転写体に転写を行い、クリーニング装置により前記電子写真感光体上の残留粉体をクリーニングすることによって、画像形成を行い、かつ、前記(1)〜()のいずれかに記載の電子写真感光体が搭載されていることを特徴とする画像形成装置。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに具体的に説明する。
本発明で使用される間接電子写真方法を用いた複写プロセスの概略を、図1を用いて説明する。図1は、本発明の制振材を内蔵した感光体を適用した画像形成装置の一例を説明するための模式図である。
【0025】
図1に記載の画像形成装置は、1本のドラム状の感光体1に1系統の現像装置を組み合わせた単色トナーを使用した画像形成装置であり、感光体1を中心に、帯電装置2、画像露光装置3、現像装置4、転写装置5、分離装置6、クリーニング装置7が配置され、更に定着装置8及び被転写体9が配設され、感光体1の内部には制振材10が内蔵される。
【0026】
感光体1を帯電する手段として、感光体に帯電部材20を接触して帯電する接触帯電法、もしくは、帯電部材20を感光体1から30μm〜100μm(好ましくは50μm〜80μm)程度離して帯電する非接触帯電法の何れかが使用される。帯電部材20には高電圧(交流電圧を重畳した直流電圧)が印加され、感光体1は−400V〜−800Vに帯電される。
帯電部材(例えば帯電ローラ)20に印加される条件は、例えば、直流電圧が−600〜−1200V、交流電圧(正弦波若しくは三角波)が1000V〜2000V、周波数が800Hz〜2500Hz程度であり、画像形成に必要な帯電電圧と同等、あるいは少し高めの直流電圧に、帯電開始電圧Vthの2倍以上のPeak to Peak電圧(Vp−p)の交流電圧を重畳した直流電圧に設定することが望ましい。
帯電部材20を感光体1から離して一定の距離に保つ方法としては、例えば、幅5〜10mmにカットしたポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、フッ素樹脂フィルムなどのシートを帯電ローラの両端部に段差を形成しないように貼り付けるか、あるいはシリコーン(Si)系の熱収縮チューブを帯電ローラ端部に熱収縮させて、スペーサーとする方法等がある。帯電部材20は感光体1と直接、若しくは、スペーサーを介して接触しており、自重で感光体と従属回転するか、ギアを介した回転が与えられる。
【0027】
感光体1を帯電した後、デジタル複写方式ではCCD(電荷結合素子)で読みとられた原稿画像、或いはパーソナルコンピューターなどから送信されたデジタル信号を、LD(Laser Diode)素子、若しくはLED(LaserEmitting Diode)アレイ、凸レンズ、ポリゴンミラー、シリンドリカルレンズ等で構成される画像露光装置3によって、20〜60μm程度のドット画像に変換されて感光体1に照射され、入力信号に応じた静電潜像が形成される。LD素子もしくはLEDアレイは、感光体の最高感度領域若しくはその近傍の発振波長の素子が選択される。発振波長が短くなるほど、スポット径を絞り込むことが出来るため、400〜450nm程度の短波長側に発振波長を有するLD素子は1200dpiや2400dpi等の高解像度を得る場合に有利であり、本発明の画像形成装置に搭載して使用することが出来る。
【0028】
静電潜像が形成された後、例えば2成分現像剤(トナーとキャリアで構成)が投入された現像装置4(現像バイアスは、例えば−400V〜−700V)で反転現像(露光された電位が現像される)されトナー像が形成される。
2成分現像剤を構成するキャリアには、例えば、鉄、フェライト、ニッケルの様な磁性を有する粉体(磁性紛)に帯電性及び帯電安定性、耐久性等向上させる為にポリフッ化炭素、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の樹脂等で被覆されたもの等が用いられる。キャリアの粒径は30〜80μm程度である。
トナーには角張った領域を削いで球形処理された平均円形度が0.90〜0.94程度の粉砕トナー、あるいは、重合法(乳化重合法、懸濁重合法など)で製造された平均円形度が0.97〜1.0の球形トナーで、重量平均粒径が4〜8μmの重合トナーなどが、キャリアに対して2〜10(重量%)程度の割合で混合され使用される。
【0029】
現像後のトナー像は、転写装置5によりトナーの保持する電荷とは逆極性の電圧(マイナス帯電のトナーに対してはプラスの電圧)で被転写体9(コピー用紙、OHPシートなど)に転写され、被転写体9は分離装置6により感光体1より剥離され、定着装置8に送られ、ハードコピーとなる。
【0030】
一方、転写後の感光体上の残留トナーは、クリーニング装置7(ポリエチレンや、ナイロン、炭素繊維などの繊維から構成されるクリーニングブラシ、ポリウレタンゴム、シリコーンゴム、ネオプレンゴム、フッ素ゴム等の材料から成るクリーニングブレードのいずれか、あるいは両者を併用)を用いて清掃され、最後に感光体1の残留電荷が除電され、一連の複写サイクルは終了する。
【0031】
なお、図1で説明した複写プロセスは、フルカラー方式の画像形成装置にも応用可能である。図示していないが、フルカラー方式の電子写真複写機やカラーレーザープリンターでは、1本の感光体にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の4系統(色)の現像装置を配した1ドラム方式の画像形成装置、図2に示すように、画像形成装置内に4系統の複写プロセスを組み込んだタンデム方式の複写方式のレーザープリンターや電子写真複写機がある。
【0032】
また、図1に記載の感光体1、帯電装置2、現像装置4、クリーニング装置7等を、2系統、若しくはそれ以上組み合わせることによって、画像形成装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジとすることが出来る。
図3は、感光体1、帯電装置2、現像装置4及びクリーニング装置7を組み合わせたプロセスカートリッジの一例である。
プロセスカートリッジとすることにより、組み合わせた部品や装置がダウンしても、プロセスカートリッジを交換するだけで現状回復が出来る。したがって、メンテナンス時間を大幅にダウンさせることが出来、コストダウン化も果たせるという大きなメリットが生じる。
【0033】
図4および図5に有機感光体の構成例を示す。
図4は、導電性支持体1aの上に下引き層1dを介して電荷発生層1bと電荷輸送層1cから成る感光層が積層された機能分離型の感光体であり、帯電極性は通常マイナスである。
図5は、記載の感光体の電荷輸送層1cの最表層から2〜10μmの幅でフィラーを添加した電荷輸送層(フィラー分散電荷輸送層1c−2)を形成して、耐摩耗性を図った感光体構成の一例である。添加されるフィラーは、一次粒径が0.2〜1.0μm、比抵抗が1012〜1014Ωcm程度の酸化アルミ(αアルミナが望ましい)、酸化チタン、酸化錫などの金属酸化微粒子で、フィラーを分散する電荷輸送層全重量の10〜50重量%(好適には10〜35重量%)が添加される。
【0034】
本発明に使用される感光体の導電性支持体1aには、体積抵抗率が1×1010Ω・cm以下の導電性を示すものが好ましく、より好ましくは9×10Ω・cm以下である。
例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。
【0035】
ドラム状感光体では加工性、入手容易性、再生等を考慮して、アルミニウムが使用されることが多い。
一般的なアルミニウムの表面加工方法には、切削加工、ホーニング加工、ブラスト加工などがあり、目標の外径寸法に切削した後、さらに超仕上げ、鏡面仕上げ等により、表面粗度が0.1〜10μm程度になる様に加工され、十分な油膜洗浄が行われる。
導電性支持体1aの形状をドラム状とする場合、肉厚は直径や材質にも左右されるが、アルミニウム(例えばJIS規定の3003番)を使用する場合、0.5〜5mm程度のものが使用され、直径φ24〜80mmの感光体であれば0.7〜3mm程度の肉厚の導電性支持体が好適である。
【0036】
導電性支持体1aと感光層との間には、必要に応じて、下引き層1dが設けられる。下引き層1dは、支持体側からの電荷注入を阻止し帯電特性を安定化する、接着性を向上する、モアレなどを防止する、上層の塗工性を改良する、残留電位を低減するなどを目的として設けられる。
【0037】
下引き層1dは一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を、溶剤を用いて塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を分散し含有させてもよい。これらの下引き層は、適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。
【0038】
更に本発明の下引き層1dとして、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えばゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層も有用である。
この他に、本発明の下引き層1dにはAlを陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物や、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作製法にて設けたものも良好に使用できる。
下引き層1dの膜厚は0.1〜20μmが適当であり、好ましくは1〜10μmである。
【0039】
電荷発生層1bは、電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂が用いられる。
電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることが出来る。
【0040】
無機系材料の電荷発生物質には、例えば結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコンなどが挙げられる。
アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子などをドープしたものが良好に用いられる。
【0041】
一方、有機系材料の電荷発生物質としては、例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニールアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることが出来る。
【0042】
電荷発生層に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、例えばポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、ポリアリレート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることが出来る。
【0043】
また、電荷発生層1bには必要に応じて低分子電荷輸送物質を添加してもよい。
電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることが出来る。
【0044】
正孔輸送物質としては、以下に示される電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。
例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニールアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることが出来る。
【0045】
電荷発生層1bは、例えば電荷発生物質、溶媒及び結着樹脂を主成分とするものから形成されるが、その中には、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等のいかなる添加剤が含まれていても良い。
【0046】
電荷発生層1bを形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法などが用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成出来る。
また、キャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成出来る。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート法、ビードコート法などを用いて行うことが出来る。
【0047】
以上のようにして設けられる電荷発生層1bの膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。0.05μmより薄くなると感度低下や感度ムラを生じ、厚くなる程、残像などの不具合を生じやすくなる。
【0048】
電荷輸送層1cは、感光体の機械的強度(耐久性)維持、及び帯電特性や感度などの電子写真特性を確保するために形成される。
電荷輸送層1cは、通常電荷輸送成分とバインダー成分を主成分とする混合物ないし共重合体を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成出来る。
電荷輸送層1cの膜厚は、10〜50μm程度が適当であり、解像力が要求される場合、薄い方が望ましく10〜30μm程度が適当である。
【0049】
電荷輸送層1cを構成する低分子輸送材には、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダール誘導体、トリフェニールアミン誘導体、α−フェニールスチルベン誘導体、トニフェニールメタン誘導体、アントラセン誘導体などを使用することが出来る。
【0050】
また、バインダー成分として用いることのできる高分子化合物としては、例えば、ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールCタイプ、ビスフェノールZタイプ或いはこれらの共重合体)、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などの熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの高分子化合物は単独または2種以上の混合物として、また、電荷輸送物質と共重合化して用いることができる。
【0051】
電荷輸送物質として用いることのできる材料は、上述の低分子型の電子輸送物質、正孔輸送物質が挙げられる。電荷輸送物質の使用量は高分子化合物(バインダー)100重量部に対して20〜200重量部、好ましくは50〜100重量部程度である。
【0052】
電荷輸送層塗工液を調製する際に使用できる分散溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族類、クロロベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類等を挙げることができる。
【0053】
感光体1の機械的、電気的耐久性は電荷輸送層の物理特性で左右される。電荷輸送層1cの膜厚を30μm程度形成すると、5〜10(万枚)の耐久枚数を達成することが出来、一般的な使用に対してはほぼ十分な特性を有する。
しかし、使用頻度が高く、高ボリュームのユーザーにおいては、感光体の耐久性が5〜8(万枚)程度では不足する場合があるため、有機感光体は耐久化を図ることが望ましい。
有機感光体を高耐久化する手段には、感光層を高耐久化したり、感光層上に耐摩耗性の被膜を形成するなどの既知の技術を使用することが出来る。
【0054】
本発明では有機感光層上電子写真特性に支障を与えにくいフィラーを分散して感光層(フィラー分散電荷輸送層1c−2)を形成し、電子写真特性を維持しながら機械的に高耐久化を図ることができる。
電荷輸送層(図5の1c−1)上に形成するフィラー分散電荷輸送層1c−2は、体積抵抗率が1×1013〜1×1015Ω・cm、表面抵抗率が1×1015〜1×1017Ω、650nmの波長での透過率が5μmの膜厚の時90〜95%、比誘電率が2.5〜4程度の特性に成るように設定される。電荷輸送層1c−1と薄膜との比誘電率に大きな違いが生じた場合、その境界近傍でホールの移動を阻害するような障壁が形成されるため、光減衰特性の悪化が起こり、画像品質が低下する。したがって、両層間に比誘電率の差が生じない様にすることが望ましい。また、両層間に出来るだけ界面(障壁)が形成されない様な材料や、製法などの検討が必要である。比誘電率が同等であっても、完全に障壁を形成するような絶縁層は、電荷の輸送を阻害するため好ましくなく、電荷輸送層1c−1から表面に向かって移動するホール(正孔)がスムーズに薄膜を乗り越え、感光体表面の電荷と結合し消滅するような構造及び構成にする必要がある。
【0055】
電気特性および機械特性(耐摩耗性など)の両特性を同時に満足させるためには、薄膜を感光層(ここでは電荷輸送層)の延長と考えて設計するのが最も好ましい。
機械特性を向上させ、且つ電気特性(感度及び繰り返し特性)を両立させる手段としては、本発明では電荷輸送層に高硬度の無機フィラーを添加した薄膜(フィラー分散電荷輸送層とする)とするのが最良の方法である。
【0056】
電荷輸送層に添加するフィラーは、1×1012〜1×1015Ω・cm程度の体積抵抗率を有し、撥水性を有し、その機能が持続するものが望ましい。
フィラー材料は、有機性フィラー材料と無機性フィラー材料とがあり、有機性フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、アモルファスカーボン粉末等が挙げられ、無機性フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などの無機材料が挙げられる。これらのフィラーの中で、フィラーの硬度の点から無機材料を用いることが耐摩耗性の向上に対し有利である。特に、アルミナ(α型)、ついで酸化チタンの微粒子を使用するのが本発明では好ましい。これらのフィラーは単独でも、混合して使用しても良い。
【0057】
フィラー材料は、電荷輸送物質や結着樹脂、溶媒等とともに適当な分散機を用いることにより分散できる。
また、フィラーの一次粒径の平均は、電荷輸送層の透過率や耐摩耗性の点から、0.01〜1.0μmが好ましく、より好ましくは0.2〜0.5μmである。 感光層に添加するフィラー粒径が大きくなると、樹脂中に分散した時の粒径も大きくなるため、電荷の移動や、光拡散などによって解像度は低下する方向にある。また、解像度はトナーの粒径にも依存する。フィラー粒径が小さいと、耐摩耗性の効果が低くなり、大きい場合には、磨耗は抑制される方向になるが、感光層に添加したフィラーによってブレードが磨耗及び破損したり、削れたフィラーによって更に感光層が削られる現象が有る。また、粒子間にコロナ生成物が入り込み、ブレードでの削除が困難となり、画像流れが起こりやすく成りやすい。
【0058】
なお、電荷輸送層1cの最表面側が最もフィラー含有率が高く、支持体側が低くなるようにフィラー濃度傾斜を設けたり、電荷輸送層を複数層にして、支持体側から表面側に向かい、フィラー濃度が順次高くしたりするような構成にすることも出来る。フィラー分散電荷輸送層1c−2中のフィラーの添加量は、要求される耐刷枚数や、使用されるトナー等によって変わるが、通常は重量%で10%以上、40%以下、好ましくは10%以上、35%以下が望ましい。
【0059】
フィラー(無機微粒子)は酸化物で絶縁体であり、バインダー樹脂に分散した場合、粒子とバインダー樹脂との界面にトラップレベルが形成されやすい。このため、感光体を繰り返し使用した場合、残留電位が蓄積し、画像部電位の上昇を招くため、画像濃度の低下、解像度の低下が起こりやすい。したがって、分散性を良好にし感光層の均一化をはかり、トラップの形成を阻害したり、トラップ密度を軽減するような添加物を添加することも一方法である。また、感光体は感光体に近接配置した帯電装置によって帯電するが、帯電の際に発生したオゾンや窒素酸化物などのコロナ生成物が感光体表層に付着したり、感光層中に進入し、電気抵抗(体積抵抗率、表面抵抗率)を低下させ、解像度低下などの画像品質低下を起こす。これを解消するために、酸化防止剤、可塑剤を少量添加することも出来る。ただし、これらの添加物は常に必要なものではなく、電荷輸送層が薄い場合や、フィラーの添加量が少ない場合、あるいは画像システムによっては添加する必要がない場合もある。
【0060】
フィラー分散電荷輸送層1c−2は、フィラーをバインダー樹脂中に適当量分散した塗工液をスプレー法やディッピング法などの塗工法を用いて目標の膜厚に塗工する。
【0061】
本発明における電荷輸送層(1c、1c−1)及びフィラー分散電荷輸送層1c−2には、膜厚の凹凸を低減する方法として、例えば、レベリング剤を添加する方法などは有効である。
レベリング剤としては、公知の材料を用いることができるが、微量で高い平滑性を付与することができ、静電特性に対する影響が小さい、シリコーンオイル系のレベリング剤がとくに好ましい。シリコーンオイルの例としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、アルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、高級脂肪酸含有シリコーンオイル等が挙げられる。
また、塗工時の条件等によっても凹凸を低減することは可能である。例えば浸漬塗工において、感光体を引き上げた後、塗膜表面がまだウェットな状態の時に、フードで覆ったりすることで風の流れなどで表面を乱されないようにしたりすることで凹凸が低減される。
また、塗膜表面付近の溶媒が急激に揮発すると表面だけが硬化して塗膜の内部が流動性を持った状態になり、この内部の塗膜がたれて凹凸が形成されることもあるので、ウェットな状態の時に感光体の周りに溶媒の蒸気層を形成し、溶媒を穏やかに揮発させることでレベリングが進行し、凹凸が低減される。
【0062】
また、スプレー塗工においては、エアスプレーによって塗膜を形成する場合、エアの圧力や、エア流量を適量にコントロールすることで、塗膜が流動的な状態での表面の乱れを抑えて凹凸を抑制することが必要である。ここで、エア圧、エア流量が大きすぎるとエアの流れで塗膜の表面が乱れ、逆に小さすぎると、塗工液の液滴が均一にならなかったり、微粒化が不十分になったりして、塗膜の均一性が低下する原因となる。また、電荷輸送層を形成後、回転させつつ溶媒を揮発させるが、このときの回転速度が大きすぎると、まだ溶媒を含み流動性をもっている塗膜に遠心力がかかり、凹凸が強調される。また、逆に回転速度が小さすぎると、回転によるレベリングより重力によるたれの影響が勝り、凹凸が発生する原因となってしまう。そのため、塗膜がウェットな状態での感光体の回転速度を適正な値に設定することが必要である。
【0063】
また、スプレー塗工においては、塗工液を供給するポンプの送液が一定であることが重要となる。すなわち、液の供給が一定でなく脈動を持っていたりすると、それがダイレクトに液の吐出量に影響を与えるため、付着量にムラが生じることになる。そのため、スプレーに液を供給するポンプとしては、脈動を抑えた多連式プランジャーポンプや、シリンジ型の超精密吐出装置などを用いることが好ましい。
【0064】
これらの方法は単独で用いても良いが、複数組み合わせることで、より効果的にレベリングがなされ、凹凸が低減された電荷輸送層が形成される。
さらに、レベリングが不十分であった場合、電荷輸送層の凸部を摩耗してならすことも凹凸を小さくする方法として可能である。たとえば、膜厚計で凸部を検出し、その部分を研磨加工して凸部をなくすという方法が考えられる。
【0065】
本発明においては、耐環境性の改善のため、及び、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、保護層、中間層等の各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質等を添加することが出来る。これらの化合物の代表的な材料を以下に示す。
【0066】
各層に添加できる酸化防止剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0067】
(a)フェノール系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3′−ビス(4′−ヒドロキシ−3′−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコールエステル、トコフェロール類など。
【0068】
(b)パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジメチル−N,N′−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
【0069】
(c)ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
【0070】
(d)有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3′−チオジプロピオネートなど。
【0071】
(e)有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
【0072】
各層に添加できる可塑剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0073】
(a)リン酸エステル系可塑剤
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなど。
【0074】
(b)フタル酸エステル系可塑剤
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
【0075】
(c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
【0076】
(d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなど。
【0077】
(e)脂肪酸エステル誘導体
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなど。
【0078】
(f)オキシ酸エステル系可塑剤
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど。
【0079】
(g)エポキシ可塑剤
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
【0080】
(h)二価アルコールエステル系可塑剤
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど。
【0081】
(i)含塩素可塑剤
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
【0082】
(j)ポリエステル系可塑剤
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
【0083】
(k)スルホン酸誘導体
p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなど。
【0084】
(l)クエン酸誘導体
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなど。
【0085】
(m)その他
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなど。
【0086】
本発明では滑剤を各層に添加することが出来る。例えば、下記に示すものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0087】
(a)炭化水素系化合物
流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなど。
【0088】
(b)脂肪酸系化合物
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
【0089】
(c)脂肪酸アミド系化合物
ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなど。
【0090】
(d)エステル系化合物
脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
【0091】
(e)アルコール系化合物
セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなど。
【0092】
(f)金属石鹸
ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
【0093】
(g)天然ワックス
カルナウバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなど。
【0094】
(h)その他
シリコーン化合物、フッ素化合物など。
【0095】
なお、滑材を感光層(特には最表層)に添加することによる効果は不十分で、外添法によって必要に応じて供給するのが好ましい。
【0096】
各層に添加できる紫外線吸収剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0097】
(a)ベンゾフェノン系
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなど。
【0098】
(b)サルシレート系
フェニルサルシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル4ヒドロキシベンゾエートなど。
【0099】
(c)ベンゾトリアゾール系
(2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2′−ヒドロキシ5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2′−ヒドロキシ−3′−ターシャリブチル−5′−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾールなど。
【0100】
(d)シアノアクリレート系
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル−2−カルボメトキシ−3(パラメトキシ)アクリレートなど。
【0101】
(e)クエンチャー(金属錯塩系)
ニッケル(2,2′−チオビス(4−t−オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなど。
【0102】
(f)HALS(ヒンダードアミン)
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
【0103】
次に、感光体の中に内蔵する制振材について説明する。
図6は、本発明に用いる制振材10の一例を示す模式図である。
制振材10は、粒子状制振部材10Aとそれを充填する袋状容器10Bの2部材とから基本的に構成される。
図7は、図6の制振材10を内蔵した本発明の感光体の一例を示す模式図である。
図8は、図6の制振材10を弾性部材11を介して内蔵した本発明の感光体の一例を示す模式図である。
【0104】
制振材10は、感光体1を帯電する手段に交流電圧を重畳した直流電圧を印加した場合に生じる振動音(帯電音)及び、感光体1とクリーニングブレード間の摩擦抵抗が高い場合に生じる振動音(ブレード鳴き)を抑制、若しくは改善するもので、いずれも高周波音のため、不快感を伴う不整音である。但し、周波数が異なるため、同時に生じても振動音の区別が可能である。
【0105】
制振材10に粒子状制振部材10Aを使用する理由は、粒子状で取り扱いが容易であり、連続性がないため音の吸収が良く、分割振動も起こらないことにある。このため、振動音の抑制機能が十分に働き、また、制振材としての製造が容易で、リサイクルが半永久に行えるなどの多くのメリットを有する。
但し、粒子状制振部材10Aは、感光体の回転するときにその容器内で流れ、若しくは移動しないことが必要である。流れや移動がある場合には、制振効果が十分に発揮されないこともある。したがって、、袋状容器10Bに充填する場合には、流れが起こらないように、隙間が少なく十分に(密に)充填されていることが重要である。
【0106】
粒子状制振部材10Aとしては、特に無機微粒子をが本発明に好適に用いることができる。
このような無機微粒子としては、砂(1.6)、粉末状大谷石(1.65)、ガラスビーズ(石英、2.2)、珪砂(2.65)、炭酸カルシウム(2.71)、タルク(2.82)、エメリー(3.78)、アルミナ(4.0)酸化チタン(4.5)、硫酸バリウム(4.5)、ジルコンサンド(4.7)、酸化亜鉛(5.7)、酸化錫(6.9)、鉄紛(7.9)、鉛粒子(11.34)などを挙げることができるが、これら例示に限られるものではない。
なお、括弧内の数値は、粒子の比重(単位:g/cm)を表す。
【0107】
粒子の比重は制振効果を高める為の重要な因子であるが、大き過ぎるとギア等に加重が掛かり、感光体を回転させるために大きな駆動力を必要とし、駆動モーターが大きくなり、電力の消費量が大きくなる。また、ギアなどが摩滅する恐れが高くなる。粒子状制振部材10Aの比重は、2〜7(g/cm)程度が望ましく、特には3〜6(g/cm)が好ましい。
【0108】
また、粒子状制振部材10Aの粒径についても制振効果を発現させる好適な大きさがあるが、素材によって異なるため、使用する粒子状制振部材に応じて設定することが望ましい。
通常、平均粒子径は、50〜3000μm程度のものが好適に使用できる。特に好ましくは100〜2000μmの範囲のものである。平均粒子径が余り大きくなると、粒子間の空隙率が大きくなるため振動を十分に吸収できなくなり、また付帯音も発生するため効果が低下する。一方、小さすぎた場合には、製造の過程で粉塵公害が懸念されるので、あまりに小さい微粒子は入っていないことが望ましい。
【0109】
粒子の形状は、球形でも、不定形でも特に問題なく、形状係数を設定する必要性はない。したがって、粒子状制振部材に掛かるコストを低く抑えることが出来る。
【0110】
上述した粒子の中では比重が2以上の粒子を使用することが望ましく、特には比重が4.7のジルコンサンドが好適で、他の粒子に比べて格段に制振・防音特性が優れている。ジルコンサンドを用いた場合には、特に駆動系や感光体の導電性支持体への負担は少なく、適度な加重があるため、感光体が回転する際のふらつきが少なくなり、安定した回転が出来る。このことは画像がより安定化することにつながり、高品質化される。
【0111】
粒子状制振部材10Aは、厚さが0.1〜0.8mm程度のポリエチレン、塩化ビニール、ゴムなどの伸び率が0%以上の袋状容器10Bに充填される。
袋状容器10Bの外径については、ポリエチレン、塩化ビニールなどの伸び率が小さい材質の物では感光体1の内径にほぼ同じ寸法か、0.1〜1mm程度小さめに作製するのが望ましい。このことにより、比重が大きい粒子状制振部材10Aを充填させた場合に、袋状容器10Bは僅かな拡張により感光体1の内壁に密着することになり、帯電時の振動が効率良く、粒子状制振部材10Aに伝達される。伸び率が10〜1000%と大きいゴム製の袋状容器10Bの場合は、感光体内径よりもより小さいものを使用するが出来る。このようなゴム製の袋状容器の場合には、前記したポリエチレンや塩化ビニル製の袋状容器よりも、感光体の内壁に対する密着度が増すため、より振動抑制を図ることが可能である。ゴム製の袋状容器では、感光体1の内壁の表面粗さが10μmと大きくても、凹凸を吸収して、感光体内壁との密着度の低下は低く抑えることが出来る。
【0112】
粒子状制振部材10Aと袋状容器10Bからなる制振材10は直接、感光体1の内壁に密着する様に内蔵させるか、若しくは柔軟性に富んだ伸び率が高いシート状若しくは円筒状の何れかの弾性部材11が感光体1と制振材10の間に装着されるように内蔵させる。
弾性部材11を挿入する理由は、袋状容器10Bの中に充填した粒子状制振部材10Aの粒径が大きい場合、感光体1の内壁との密着性が悪くなる恐れがあるため、弾性部材11に柔らかいものを使用して粒子状制振部材10Aとの密着性を高め、振動が粒子状制振部材10Aに伝達され易くするためである。
【0113】
袋状容器10Bには粒子状弾性部材10Aを注入する投入口10B1が形成される。再使用や安全性等を考慮すると、ネジ式の投入口にするのが望ましいが、テーパー状のピンを差し込む法や投入口を折り返しテープや糸、針金等で封をする方法などがある。
【0114】
制振材10を内蔵した感光体1の製造方法の一例を次に示す。
感光体1の両端のフランジ12間に装着できる長さの袋状容器10B(例えば、天然ゴム製の風船)と平均粒径が100〜2000(μm)程度の粒子状制振部材10A(たとえばジルコンサンド)、及び感光体1の内径より1〜2mm程度小径で、厚さが10mm程度の丸板を用意する。次に感光体1の底に当たる部分の内側に丸板を入れ、感光体1を立てた後、袋状容器10Bを感光体1の中に入れ、投入口に、たとえば、漏斗を差し込んで、ジルコンサンドを流し込む。ジルコンサンドが一杯に成ったら、感光体1を上下方向に細かく動かすか、若しくは上下方向に振動するバイブレーターを使って振動させ、ジルコンサンドが詰まってあいた空間に更にジルコンサンドを流し込み、袋状容器10Bが感光体1内で移動しない事を確認した後、投入口を完全に閉じる(この操作は数回繰り返すのが望ましい)。その後、感光体1の両端にフランジ12を圧入し、本発明の感光体を完成させる。前記した丸板は制振材10が感光体1の端部(下部)に寄り固定されることを防止するもので、制振材10の長さに応じて、適宜高さを設定すれば良い。
【0115】
弾性部材11を内蔵させる場合も作製の仕方は同じで、袋状容器10Bを感光体1の中に挿入する前に弾性部材11を感光体1の内壁に沿わせて入れることが異なる程度である。
【0116】
この様にして作製した本発明の感光体の完成概略図の一例が図7及び図8である。
袋状容器10Bには、外径が14mm及び20mmの天然ゴム製のゴム風船を使用し、粒子状制振部材10Aに重量平均粒径が約120μmのジルコンサンドを十分に充填して投入口を縛った制振材10が内蔵されたもので、制振材10は丁度フランジ12で抑えられる程度の長さを有する。
ポリエチレンや塩化ビニールのようにゴムに比べ若干硬く、伸び率が≒0%に近い袋状容器10Bを使用した場合には、アルミニウムのような、硬くて表面粗さが数10μm〜数100μmと大きい内壁を持つ導電性支持体に挿入すると、内壁と袋状容器10Bとの間に隙間が出来易いため、内壁に対する密着性が不十分と成り付帯音を生じ、また予期した通りの制振効果が達成できない。したがって、好ましくは感光体1の内壁の表面粗さを10μm以下に抑えることが望ましい。
【0117】
制振効果は、柔軟性に富んだ弾性部材11を感光体1の内壁と伸び率が0%に近い袋状容器10Bの間に介在させることによって隙間が改善される。このことにより、振動音の制振材への伝搬が速くなり付帯音も吸収され制振効果も向上させることが出来る。
【0118】
前記した弾性部材11は、柔軟性に富んだものであれば特に材質は問わないが、感光体1の内壁に密着するような材質のものが有効で、JIS−A硬度が20°〜60°程度の柔軟性を有するブチルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴムなどのゴム部材が好適である。その他の部材としては密度の高いウレタンフォームが使用可能(2mm以下)である。硬度は感光体1と制振材10との密着性を左右する特性で、感光体1の内壁、制振材10の外壁に密着してなじみ易いようにするために、出来るだけ柔らかい方が望ましい。硬度が大きく成る程、シート状の弾性部材を丸くして感光体1に挿入したとき、切り口がなす状に成り、袋状容器10Bの挿入に不自由を来たす他、袋状容器10Bに粒子状制振部材10Aを充填しても、感光体1の内壁に十分に密着できないため、予期した通りの制振効果が得られない場合がある。
弾性部材11として使用できるゴム硬度は60°程度で、40°以下が好ましい。通常はJIS−A硬度が30°前後のゴムを使用するのが望ましい。
【0119】
ただし、硬度は弾性部材11の厚みによっても依存し、0.5mm〜2mm程度で有れば60°以下の硬度のものが使用でき、厚くなる程丸くなりにくい為、感光体に挿入したとき、感光体1の内壁との間に隙間(特には円筒状に丸めた時に、両端部が面するカット面近傍)を生じやすくなる。
弾性部材11として使用するゴムの場合、その厚さは約0.5〜5mm程度が適当である。シリコーンゴムやクロロプレンゴムは、制振効果を表す損失正接tanδが0.1前後で低いため、厚くすると粒子状制振部材10Aまでの伝搬時間が掛かり、制振効果が低下するが、5mm程度まではほぼ許容範囲である。
【0120】
前記した損失正接tanδとは貯蔵剪断弾性率('G)と損失剪断弾性率(”G)の比[”G/'G]で表わされる特性である。損失正接tanδは材質固有の値でその材質の制振効果特性を示し、制振効果は数値が大きいほど効果は高くなる傾向がある。JISK7244−4に規定された非共振振動法(動的粘弾性測定装置などを使用)に基づいて測定される。
一方、ブチルゴムは、損失正接が0.3〜1.0程度のもの入手することが出来る。この様な特性の弾性部材を使用した場合には、厚くしても十分に制振効果を保持することが出来、5mm以上にしても制振効果という面では全く問題ない。しかし、粒子状制振部材の充填量が少なくなるため、総合的な制振効果は弾性部材が薄い場合より、若干低下する傾向にはある。また、実用上問題にはならない程度であるが、感光体の回転歪みが少し起こるようになる。材質にもよるが通常は0.1mm〜1mmのものが好適で、耐久性、再使用性を考えると0.5mm程度有る事が望ましい。
【0121】
図9に、弾性部材11としてクロロプレンゴムとブチルゴムの場合の制振効果を比較した図を示す。制振材10の感光体1内での内蔵位置は図8にほぼ同じ位置であり、フランジ12で両端より抑えるような構成に成っている。また、ゴム硬度は30〜40°で、制振材10の感光体1内での容積占有率は約97%である。
【0122】
なお、制振材10の制振効果(音圧差)の測定は例えば次の様な方法で行う。一例を示す。
台座の上に制振材10を内蔵させフランジ12を両端に装着した感光体1を浮かせて固定し、その上に非接触帯電ローラ(感光体との間隔は約62μmである)を重ねて載せて固定する。
非接触帯電ローラに交流電圧を重畳した直流電圧を印加した時の帯電音の音圧を騒音計を用いて測定する。帯電部材への電圧の印加条件は直流電圧が−730V、交流電圧が1500V、周波数が1350Hzに設定する。音圧はアコー社の騒音計(例えばタイプ6224)のプローブを、感光体1より30cm離した感光体1と非接触帯電ローラの対向した位置と同じ高さに設定する。測定環境の温湿度で放電特性が変化するため、出来るだけ一定の環境条件で測定を行うことが望ましい。
なお、図9は、測定室の暗騒音(電圧を帯電部材に印加しない状態での室内の騒音レベル)が48dBで、温湿度は温度が22〜24℃、湿度が60〜65%RHでの測定であった。
【0123】
感光体1に占める制振材10の容積によって、制振効果に差異を生じる。図10に制振材10の感光体1内での容積占有率による制振効果を見たグラフを示す。
図10は、外径が約24mmの天然ゴム製のゴム風船を袋状容器10Bに使用し、粒子状制振部材10Aに重量平均粒径が約120μmのジルコンサンドを十分に充填した制振材10が内蔵された感光体1で、弾性部材11は使用されていない。
制振材10の容積占有率で制振効果に差が生じるが、空間領域が大きくなるほど制振効果が低下する。すなわち、制振材10が密着している領域では制振効果が発現するが、それ以外の領域では制振効果の発現が無いため、総合的には制振効果の低下となる。図10では制振材10の占有率は74%を境とし、74%以下では帯電音が耳に付くようになり、不快感が増し騒音問題を引き起こす。
【0124】
なお、人間が感じる帯電音又は振動音については個人差が有るが、帯電部材に電圧を印加した場合と、印加しない場合での騒音計の音圧差が約4dB前後でほぼ分かれる。すなわち、音圧差が4dB以下で有れば、ほぼ不快に感じないレベルとなるため、本発明では4dBを効果有無の判断基準とする。
【0125】
【実施例】
以下、実施例を用いてさらに詳しく説明するが、本発明がこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は重量部を表す。
【0126】
本発明に使用する評価用感光体を以下の方法で作製した。
φ30mm、長さ340mm、厚さ0.75mmのJIS規定の3003系アルミニウム合金ドラムを導電性支持体として、下記組成の下引き層(UL)用塗工液を用いて浸漬塗工した後、120℃20分乾燥し3.5μmの下引き層、ついで、下記構造式(1)で表される電荷発生材を用いた電荷発生層(CGL)用塗工液で浸漬塗工した後、120℃20分間加熱乾燥して、0.2μmの電荷発生層を形成した。さらに、下記構造式(2)で表される電荷輸送材を使用した電荷輸送層(CTL)用塗工液に浸積塗工し、引き上げ速度条件を変化させ、電荷輸送層を塗工した後、130℃20分の加熱乾燥を行い、平均膜厚が約22μmと約28μmの膜厚の異なる2種の有機感光体を作製した。感光層の膜厚が28μmの感光体を感光体Aとする。
尚、上記の膜厚はフィッシャー社の渦電流式膜厚計(タイプmms)を使用し、端部より50mmを起点として、20mm間隔で13ポイントを測定した膜厚の平均値である。
【0127】
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂(ベッコゾール 1307−60−EL、
大日本インキ化学工業社製) 6部
メラミン樹脂(スーパーベッカミン G−821−60、
大日本インキ化学工業社製) 4部
酸化チタン(CR−EL 石原産業社製) 40部
メチルエチルケトン 200部
【0128】
〔電荷発生層用塗工液〕
下記構造式(1)で表されるのビスアゾ顔料 10部
【化1】
Figure 0004429648
ポリビニルブチラール 2部
2−ブタノン 200部
シクロヘキサノン 400部
【0129】
〔電荷輸送層用塗工液〕
ビスフェノールZ型ポリカーボネート
(帝人化成社製:Zポリカ Mv5万) 10部
下記構造式(2)の低分子電荷輸送物質 8部
テトラヒドラフラン 200部
【化2】
Figure 0004429648
【0130】
さらに、バインダー樹脂(ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂)、低分子電荷輸送物質(ドナー)、添加剤及び一次粒径が0.3μmの下記無機フィラーを用意し、前記した材料に分散助剤及び溶剤を硝子ポットに入れ、ボールミルで24時間分散させて塗工液を作り、前記方法で作製した22μmの有機感光体に、スプレー法を用いてフィラー分散電荷輸送層を塗工し、触指乾燥の後、150℃20分間加熱乾燥させて、5μmのフィラー分散電荷輸送層を有する評価用電子写真感光体を作製した。フィラー分散電荷輸送層を積層した感光体を感光体Bとする。
【0131】
[フィラー分散電荷輸送層塗工液]
ビスフェノールZ型ポリカーボネート
(帝人化成社製:Zポリカ Mv5万) 10部
下記構造式(3)の電荷輸送物質 7部
アルミナフィラー(住友化学工業製AA−03 α型、
平均一次粒径:0.3μm) 5.7部
テトラヒドロフラン 400部
シクロヘキサノン 200部
分散助剤:(BYK−P104 ビックケミージャパン製) 0.08部
【化3】
Figure 0004429648
【0132】
帯電部材には非接触帯電ローラと接触帯電ローラの2種類を用意した。
非接触帯電ローラは、8mmの真鍮製ロッド棒にカーボンを均一分散して、比抵抗を約4×10Ω・cm(100VDC印加1分値)に調整されたエピクロルヒドリンゴムを塗布してφ14mmに成形し、その帯電部材の両端に、厚さ42μm、幅10mm、長さ43mmのPET(ポリエチレンテレフタレート)シートを張り付けたものである。
一方、接触帯電ローラは、8mmの真鍮製ロッド棒に比抵抗が6×10Ω・cmである2mmのエピクロルヒドリンゴム層を形成し、さらにエピクロルヒドリンゴムにフッ素系樹脂とシリカを分散した3×1014(Ω・cm)に調整された被覆層(表面保護層)を約1mm積層してφ14mmに加工されたものである。
【0133】
実施例1〜4
評価用の感光体に感光体A、長さが約310mmで直径が約23mm、厚みが0.36mmの天然ゴム製の袋状容器、JIS−A硬度が32°の1mm×88mm×300mmにカットしたブチルゴムシート、袋状容器の台座としてのφ26mm×10mmの木製丸板、及び平均粒径が約120μmのジルコンサンド(コイズミ無線取り扱い)、平均粒径1.2〜2.2mmの珪砂(宇部サンド工業社)を用意し、前記した製法により、弾性部材が挿入されていない感光体と、挿入した感光体の2種類の評価用感光体を完成した。製法は前記した作製例に同じである。
【0134】
これらの感光体を台座の上に載せ、前記の非接触帯電装置を該感光体上にセットし、−760Vの直流電圧に交流電圧が1500V、周波数が1350Hzの交流電圧を重畳出来る高圧電源(HV−255型、長野愛知電気社製)に接続した。
【0135】
帯電音(振動音)の評価は、感光体を評価機に装着する前の裸特性を測定することによって行った。
測定方法は、アコー社の騒音計(例えばタイプ6224)のプローブを、感光体より30cm離した感光体と非接触帯電ローラの対向した位置とほぼ同じ高さに設置して、音圧(dB)の測定を行った。なお、測定室の暗騒音(電圧を帯電部材に印加しない状態での室内の音圧)はほぼ48dBで、温湿度条件は温度が22℃、湿度が58%RHであった。帯電音の良否判定は測定された騒音より暗騒音(48dB)を引いた値で評価し、騒音として感じる音圧差4dBを基準として、音圧差が4dB以下で有れば良、4dB以上で有れば否とし、良否の判定を行った。
【0136】
評価用感光体は、音圧を測定した後、評価機として用意した電子写真複写機(イマジオMF2200機、リコー製)に搭載した。
帯電部材には非接触帯電部材を使用し、評価機に搭載されている帯電用のプリント基板に代えて、交流電圧の重畳が可能な高圧電源(HV−255型、長野愛知電気社製)を接続し、直流電圧を−680V、交流電圧を1500V/1350Hzに設定し、感光体の帯電電位が約−650Vになる様に直流電圧を微調整した。この時の画像部電位は−60〜−70(V)で、現像バイアスは−500Vとした。更にトナーには重量平均粒径が6.3μmの粉砕トナー、キャリアには重量平均粒径が約60μm(FPC−300LC、パウダーテック社製)を使用した。クリーニングブレードはカウンター当接で、当接角21°、当接圧22gf/cmであった。
【0137】
評価法は、クリーニングブレードでの振動音(ブレード鳴き)は聴覚で確認すると共に、指定のテストチャート(コダック社製図票A(JIS Z 6008)を中央部に3ヶ所貼り付けたもの)を原稿として、解像度等の画像品質を評価した。評価枚数は2万枚とした。なお、表中の判定の記号は以下の内容を示す。
◎:制振効果大(3.0dB以下)
○:制振効果中(3.1〜3.8dB)
△:制振効果小(3.9dB〜4.1dB)
×:制振効果無し(4.2dB以上)
3.0dB以下(◎)では、微かに帯電音が確認できる程度で、全く気にならないレベル、4.2dB以上(×)では明らかに帯電音が確認され、音圧の数字が高くなる毎にうるさく感じられるレベルで、10dBではかなりうるさく感じられるレベルである。
【0138】
評価結果を表1に示す。
ジルコンサンドを使用した場合には、珪砂を使用した場合に比べ、音圧差は3dBを切っており、明らかに制振効果が大きく、わずかに帯電音が認められる程度で、不快感は全く感じられなかった。
一方、珪砂を粒子状制振部材に使用した場合には約1dB悪い結果であったが、音圧差は4dBをクリヤーしており、帯電音はジルコンサンドを使用した場合に比べて明らかに高かったが、気になることはなかった。
感光体を評価機に装着して駆動させた状態でも、帯電音は確認できたが、モーターなどの駆動音にマスクされ、不快は感じなかった。
一方、感光体の回転異常は生じず滑らかな回転であり、画像品質良好で、シャープ性の良い文字画像が得られた。
さらに、感光体が停止する直前に大きくなりやすいブレード鳴きも無かった。
【0139】
【表1】
Figure 0004429648
【0140】
実施例5〜8
ジルコンサンドもしくは珪砂を粒子状制振部材とする感光体Aまたは感光体Bを、台座の上に載せ前記の非接触帯電装置に代えて、接触帯電部材を該感光体上にセットし、−730Vの直流電圧に1500Vの交流電圧、1350Hzの周波数の交流電圧を重畳した電圧を印加して、前記測定法で音圧の測定を行った。弾性部材には1mm厚のシリコーンゴム(JIS−A硬度=32°)を使用した。
評価機には実施例1〜4で使用した同じ電子写真複写機(イマジオMF2200機、リコー社製)を使用し、評価機に搭載されている帯電用のプリント基板に代えて、高圧電源(HV−255型、長野愛知電気社製)を接続し、−678〜−682Vの直流電圧に1300V/1350Hzの交流電圧を重畳した電圧を印加して、感光体の表面電位を−650Vに設定し、実施例1〜4に同様な方法で2万枚の評価を実施した。
【0141】
結果を表2に示す。
弾性部材にシリコーンゴムを使用した場合には、ブチルゴム使用時に比べて、若干音圧低下がみられるが、基準レベルの4dBはクリヤーしており、不快感を感じるほどでは無かったが、ジルコンサンドに比べて、1dB程度悪く、ジルコンサンドの方が明らかに効果が高いことがわかる。
また、画像品質も良好で、ブレード鳴きも生じなかった。
【0142】
【表2】
Figure 0004429648
【0143】
比較例1〜4
評価用感光体に感光体Aおよび感光体B、帯電部材に接触および非接触帯電部材を夫々使用した。粒子状制振部材は使用せず、制振材が内蔵されていない感光体と、制振材として、約φ28mm×307mmに加工されたクロロプレンゴム(CR)、肉厚が5mmでφ28mm×307mmに加工された塩化ビニル円筒を表3に示す様な内容で夫々内蔵させ、シアノアクリレート樹脂(商品名アロンアルファ コニシ社製)で4〜6カ所を固定した。
感光体の音圧測定およびその他の評価方法は実施例1〜8に記載の内容と同じとして、音圧の裸特性及び評価機に装着して、2万枚の通紙時の画像品質及びクリーニング鳴きの評価を実施した。
【0144】
結果を表3に示す。
制振材を挿入しない場合には、明らかに音圧が大きく、うるさい高周波音を発した。
一方、クロロプレンゴム、塩化ビニル製の制振材を挿入した場合には、制振効果は抑えられるが、音圧差は4dBを越えており、この制振材では効果は十分では無かった。
ブレード鳴きは、制振材を入れない感光体で回転が停止する直前に僅かに起こったが、画像形成中には確認できなかった。一方、制振材を内蔵させた感光体ではほぼ皆無であった。
【0145】
【表3】
Figure 0004429648
【0146】
実施例9〜11
評価に使用する感光体には感光体A、帯電部材には非接触帯電部材を使用した。また、粒子状制振部材には、ジルコンサンド(平均粒径120μm)及びエメリー(平均粒径役50μm)を用意して、長さ約310mmで直径が約23mm、厚みが0.36mmの天然ゴム製の袋状容器(風船)に、ジルコンサンドの容積占有率が夫々81%、74%、エメリーの容積占有率が約75%となる様に十分に充填して、フランジを装着し感光体を作製した。
制振材の制振効果を評価する音圧測定等の評価は実施例1〜4に同じ方法で行った。
【0147】
評価結果を表4に示す。
制振効果は、ジルコンサンドの容積占有率が74%では音圧差が3.9dB、エメリーの容積占有率が75%では4.1dBとなり、僅かに気になる程度の振動音が確認された。
これらの感光体を評価機に装着して、画像形成を行った時の帯電音は気になるか成らない程度の振動音であった。
なお、画像品質、その他の特性に関して異常は生じなかった。
【0148】
【表4】
Figure 0004429648
【0149】
実施例12
評価用の感光体として、感光体Bを、粒子状制振部材として、平均粒径約120μmのジルコンサンド、及び外径が28.3〜28.5mmになる様に、片側解放の袋状に加工した長さが315mmのポリエチレンフィルムを4本分用意した(張り合わせには厚さ50μmのテフロンテープを使用した)。感光体の中に皺が生じないように、袋状に加工したポリエチレンフィルムを挿入し、開口部よりジルコンサンドを流し込み、手で、感光体を持ち上下に振る(約1往復/秒)事でジルコンサンドの充填度を高めて、制振材が感光体内で固定されていることを確認した後、投入口をテープで固く縛り、フランジを装着して評価用の感光体を作製した。なお、ジルコンサンドが充填された領域の制振材の有効長さは約280mm、容積占有率は約91%であった。
作製した感光体は実施例1〜4の方法に従って、制振効果を確認した。次に、タンデム方式のレーザープリンター(イプシオカラー8100、28cpm、交流電圧重畳直流電圧印加−非接触帯電方式、リコー製)のマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの各プロセスカートリッジに評価用の感光体を夫々装着し、評価用とする前記レーザープリンターに搭載した。
感光体の帯電電位は−600Vに設定し、画像部電位は−90〜−100(V)とした。現像バイアスは−480Vとして2万枚の通紙ランニングを行った。
【0150】
結果を表5に示す。
振動音の初期裸特性は少しバラツキが有るが、音圧差はほぼ3.1〜3.2dBを示し良好な結果であった。画像評価はパーソナルコンピューターから送り込んだテストチャートで行ったが、1ドットパターンは十分に解像しており、ムラも殆ど無く、色再現性とも良好で、シャープ性の良い画像品質であった。帯電時の振動音(帯電音)は微かに聞こえる程度で、また、音調も柔らかいため全く問題なかった。また、ブレード鳴きは発生しなかった。
【0151】
【表5】
Figure 0004429648
【0152】
【発明の効果】
請求項1に関しては、粒子状制振部材を充填した袋状容器を感光体の内壁に直接、若しくは弾性部材を介して密着内蔵させることによって、交流電圧を重畳した直流電圧を感光体に印加することによって生じる振動音(帯電音)および、感光体とクリーニングブレード間の摩擦抵抗が大きいときに発生しやすい振動音(ブレード鳴き)を、不快を感じない程度に効果的に抑制させることが可能である。
制振材を粒子状とすることで、製造や交換が容易になり、また感光体が寿命になり感光体をリサイクルする場合においても、粒子状制振材を抜き出すことで、容易に感光体と制振材が分離でき、また、感光体に接着剤などの異物付着が無いため、金属としての再生が容易である。
【0153】
請求項2に関しては、比重が2(g/cm)以上、7(g/cm)以下の粒子状制振部材を使用することによって、交流電圧を重畳した直流電圧を感光体に印加することによって生じる振動音(帯電音)および、感光体とクリーニングブレード間の摩擦抵抗が大きいときに発生しやすい振動音(ブレード鳴き)を、不快を感じない程度に効果的に抑制させることができ、また、密度の大きい制振材を内蔵させることによって、感光体の回転安定性が増し不要な振動が回避される。このため画像はより安定した品質となることが期待出来る。
【0154】
請求項3に関しては、粒子状制振部材に制振性、防音性に優れた特性を有するジルコンサンド採用することによって、帯電部材と感光体間で生じた振動音は、即座に粒子状制振部材に伝搬し熱になって放出する為、クロロプレンなどのゴム材やプラスチック等を使用した制振部材よりも高い制振性が達成される。また、ジルコンサンドは比重が4.7g/cmと大きいため、感光体の回転安定性が増し不要な振動が回避される。このため画像はより安定した品質となることが期待出来る。
【0155】
請求項4に関しては、弾性部材が電子写真感光体の内壁を被覆する長さを有するカットシート状、若しくは筒状のいずれか1種であり、膜厚が0.5mm以上、5mm以下であることによって、密着性を上げることができるとともに、耐久性と再使用性を併せ持たせることができる。
【0156】
請求項5に関しては、感光体と制振材の袋状容器間に好適な厚みのJIS−A硬度が20〜60°の弾性部材(ゴム部材)を介在させることによって、粒子状弾性部材の粒径が大きい場合の凹凸を吸収してなじみが生じるため、振動音を効果的に粒状制振部材に伝搬させることが出来る。したがって、帯電音やブレード鳴きなどの振動音を効果的に吸収し、不快感を感じさせなくすることが可能である。
【0157】
請求項6に関しては、弾性部材を装着しない状態では、帯電音やブレード鳴きなどの振動音を、不快を感じない状態にするためには、感光体内の制振材の容積占有率を約74%以上にすることにより達成することが出来る。
【0158】
請求項7、8に関しては、まず、袋状容器の口を持って感光体に挿入し、若しくは、弾性部材を感光体内壁に沿って挿入したあと袋状容器を挿入し、粒子状制振部材を袋状容器の投入口より十分に充填した後、感光体に数回上下方向の振動を与え、粒子状制振部材の空いた透き間にさらに充填を行って、粒子状制振材を十分に充填し、制振材が感光体内壁に直接若しくは弾性部材を介して密着固定されたことを確認して投入口を閉じ、最後にフランジを装着することによって、感光体の十分なる制振効果を達成することが出来る。
【0159】
請求項9に関しては、粒子状制振部材(特にはジルコンサンド)と袋状容器から構成される制振材を回壁に密着内蔵された感光体を画像形成装置に搭載することによって、帯電音やブレード鳴きなどの振動音が抑えられる為に、従来、コピーする度に感じていた不快感さを無くすことが出来る。
【0160】
請求項10に関しては、粒子状制振部材(特にはジルコンサンド)と袋状容器から構成される制振材を内蔵した感光体と、帯電部材、現像装置およびクリーニング装置の内、少なくともいずれか一つの装置と組み合わせてプロセスカートリッジを構成することによって、帯電音、ブレード鳴きが抑制された静粛性に優れたプロセスカートリッジとなすことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制振材を内蔵した感光体を適用した画像形成装置の一例を説明するための模式図である。
【図2】本発明の制振材を内蔵した感光体を適用した4系統色の複写プロセスを搭載したタンデム方式のフルカラー画像形成装置の一例を説明するための模式図である。
【図3】本発明の制振材を内蔵した感光体を適用した画像形成装置を搭載したプロセスカートリッジの一例を説明するための模式図である。
【図4】本発明に用いる感光体の感光層の構成の一例を説明するための模式図である。
【図5】本発明に用いる感光体の感光層の構成の他の一例を説明するための模式図である。
【図6】本発明に用いる制振材の一例を説明するための模式図である。
【図7】本発明に用いる制振材を内蔵した感光体の一例を説明するための模式図である。
【図8】本発明に用いる制振材を弾性部材を介して内蔵した感光体の一例を説明するための模式図である。
【図9】本発明に用いる制振材を弾性部材を介して内蔵した感光体の制振効果を比較した説明図の一例である。
【図10】本発明における制振材の感光体内での容積占有率と制振効果の関係を説明するための図である。
【符号の説明】
1 感光体
1a 導電性支持体
1b 電荷発生層
1c 電荷輸送層
1c−1電荷輸送層
1c−2フィラー分散電荷輸送層
1d 下引き層
2 帯電装置
3 画像露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 分離装置
7 クリーニング装置
7−1 ブラシ
7−2 クリーニングブレード
8 定着装置
9 被転写体
10 制振材
10A 粒子状制振部材
10B 袋状容器
10B1投入口
11 弾性部材
12 フランジ
20 帯電部材

Claims (8)

  1. 接触帯電装置又は非接触帯電装置により交流電圧を重畳した直流電圧を印加して帯電した後、光書き込みにより静電潜像を形成し、次に現像装置により反転現像して顕像化する間接電子写真法で画像形成を行うための電子写真感光体において、
    粒子状制振部材を充填した袋状容器からなる制振材を該電子写真感光体の内壁に直接密着するように内蔵し、かつ、該電子写真感光体の両端に装着されるフランジ間の空間領域に対する制振材の容積占有率が74%以上であり、
    該袋状容器を該電子写真感光体の長手方向の中央部に位置するように配設して、該粒子状制振部材を該袋状容器の投入口まで充填したのち、上下方向への振動を与えさらに充填して、該粒子状制振部材を十分に充填した後に該投入口を閉じ、最後にフランジを圧入装着してなることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 該粒子状制振部材の比重が、2(g/cm)以上、7(g/cm)以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 該粒子状制振部材が、ジルコンサンドであることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 接触帯電装置又は非接触帯電装置により交流電圧を重畳した直流電圧を印加して帯電した後、光書き込みにより静電潜像を形成し、次に現像装置により反転現像して顕像化する間接電子写真法で画像形成を行うための電子写真感光体において、
    粒子状制振部材を充填した袋状容器からなる制振材を該電子写真感光体の内壁に弾性部材を介して密着するように内蔵し、かつ、該電子写真感光体の両端に装着されるフランジ間の空間領域に対する制振材の容積占有率が74%以上であり、
    該袋状容器を該電子写真感光体の長手方向の中央部に位置するように配設して、該粒子状制振部材を該袋状容器の投入口まで充填したのち、上下方向への振動を与えさらに充填して、該粒子状制振部材を十分に充填した後に該投入口を閉じ、最後にフランジを圧入装着してなることを特徴とする電子写真感光体。
  5. 該粒子状制振部材の比重が、2(g/cm)以上、7(g/cm)以下であることを特徴とする請求項に記載の電子写真感光体。
  6. 該粒子状制振部材が、ジルコンサンドであることを特徴とする請求項またはに記載の電子写真感光体。
  7. 粒子状制振部材を充填した袋状容器からなる制振材を該電子写真感光体の内壁に弾性部材を介して密着するように内蔵し、かつ、該電子写真感光体の両端に装着されるフランジ間の空間領域に対する制振材の容積占有率が74%以上である電子写真感光体について、
    シート状の該弾性部材を該電子写真感光体の内壁に沿って挿入し、引き続き該袋状容器を該電子写真感光体の長手方向の中央部に位置するように配設した後、該粒子状制振部材を該袋状容器の投入口まで充填した後、上下方向への振動を与えさらに充填して、該粒子状制振部材を十分に充填した後に該投入口を閉じ、最後にフランジを圧入装着することを特徴とする請求項のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
  8. 接触帯電装置又は近接配置された帯電装置に交流電圧重畳の直流電圧を印加して電子写真感光体に均一帯電を行い、画像露光装置からの光書き込みにより静電潜像を形成し、その静電潜像を現像装置でトナー像として顕像化し、転写装置によって被転写体に転写を行い、クリーニング装置により前記電子写真感光体上の残留粉体をクリーニングすることによって、画像形成を行い、かつ、請求項1〜のいずれかに記載の電子写真感光体が搭載されていることを特徴とする画像形成装置。
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