JP2005092127A - 潜像担持体、その製造方法、画像形成装置、プロセスカートリッジおよびリサイクル方法 - Google Patents

潜像担持体、その製造方法、画像形成装置、プロセスカートリッジおよびリサイクル方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 薄肉の円筒体を潜像担持体として用いた場合に、騒音の発生を防止できると共に帯電装置との対向間隔が変化するのを防止して帯電特性の変化を生じさせずに異常画像の発生も防止できる構成を備えた潜像担持体、その製造方法、画像形成装置およびプロセスカートリッジを提供する。また、この潜像担持体を容易に生産、また環境負荷の低減(資源の有効活用)のため容易にリサイクルすることのできる技術も提供する。
【解決手段】 円筒状導電性基体上に感光層を有し、該円筒状導電性基体内側に、弾性材料より構成される円筒状部材を更にその内側に風船構造の円筒状部材を挿入し、該風船構造の円筒状部材内部に液体又は気体を圧入し外径を拡張させることにより、該円筒状導電性基体内側に弾性材料より構成される円筒状部材を密着固定していることを特徴とする潜像担持体。
【選択図】 図5

Description

本発明は、制振部材を内側に配置した潜像担持体、その製造方法、画像形成装置、プロセスカートリッジおよびリサイクル方法に関するものである。
複写機、ファクシミリ、プリンタ、印刷機等の画像形成装置には、紙などの記録媒体上に転写されて担持されている未定着画像を定着して複写物や印刷出力とすることがある。
画像形成装置において実行される画像形成処理の一つに帯電処理がある。この処理は、潜像担持体である感光体に対して一様な電荷を帯電させる処理であるが、その帯電方式として、コロナ放電による帯電あるいは接触帯電がある。コロナ放電は感光体との間に所定間隔を設けてコロナチャージャを配置し、チャージャワイヤに対して高電圧を印加することにより放電を行なう方式である。
この方式では、放電時にオゾンや窒素酸化物などの放電生成物が発生し、この生成物が環境悪化を招くため、近年では、低電圧の印加が可能で上述した不具合を発生させない接触帯電方式が採用されるようになっている。
接触帯電方式は導電性のローラやブラシあるいはブレードを感光体に接触させ、両者間に電圧を印加して感光体への電荷注入を行なう方式である。
接触帯電方式の場合には、低電圧の印加で済ませることができ、放電生成物の発生がないものの、帯電部材が感光体と直接接触するため、感光体上に残留したトナー等の付着物が逆転移しやすい。
しかも、長時間放置されたままになると、感光体に接触している帯電部材の一部が永久歪みを発生して変形し、再度帯電処理を行なう場合には感光体との間の接触状態が変化することがある。
この結果、感光体に対する一様接触が損なわれることにより帯電ムラを招く不具合があった。
上記接触方式における不具合を解消するために、感光体と帯電部材との間に微小な所定間隔を維持させて、所謂、感光体と帯電部材との間に非接触な状態の帯電範囲を形成する方法が提案されている。この方法に用いられる構成の一つに、例えば、帯電部材をローラとした場合、帯電ローラの軸方向両側周面に所定厚さのフィルムを捲装し、フィルムの厚さにより微小間隔の隙間を設ける構成がある。
上記微小間隔の隙間は所定寸法で維持されることが帯電特性を変化させない上で重要となる。つまり、上記隙間が維持されていることを前提とした場合、比較的設定が容易なDC電圧を印加することにより一様帯電できるが、その隙間が所定間隔よりも大きくなるように変化した場合には、その大きくなる変化に応じて帯電電位が変化する。このため、従来では、DC電圧に対してAC電圧を重畳して隙間変化が生じた場合でも一様な帯電特性が得られるようにすることが行なわれている。
一方、電子写真方式において潜像担持体に使用される感光体としてはセレンやアモルファスシリコン等の無機系半導体材料を使用したもの、有機系半導体材料を使用したもの、或いはその両者を組み合わせたもの等、種々知られているが、近年では、コストの低さ、感光体設計の自由度の高さ、無公害性等から有機系感光体が広く利用されるようになってきている。
有機系の電子写真感光体には、ポリビニルカルバゾール(PVK)に代表される光導電性樹脂、PVK−TNF(2,4,7−トリニトロフルオレノン)に代表される電荷移動錯体型、フタロシアニン−バインダーに代表される顔料分散型、電荷発生物質と電荷輸送物質とを組み合わせて用いる機能分離型の感光体などが知られており、特に機能分離型の感光体が注目されている。
この機能分離型の感光体における静電潜像形成のメカニズムは、感光体を帯電した後光照射すると、光は透明な電荷輸送層を通過し、電荷発生層中の電荷発生物質により吸収され、光を吸収した電荷発生物質は電荷担体を発生し、この電荷担体は電荷輸送層に注入され、帯電によって生じている電界にしたがって電荷輸送層中を移動し、感光体表面の電荷を中和することにより静電潜像を形成するものである。
機能分離型感光体においては、主に紫外部に吸収を持つ電荷輸送物質と、主に可視部に吸収を持つ電荷発生物質とを組み合わせて用いることが知られており、かつ有用である。
一方、有機系の電子写真感光体の弱点として、機械的な耐久性に乏しいという点が知られている。即ち、電荷輸送物質は多くが低分子化合物として開発されているが、低分子化合物は単独で製膜性がないため、通常、不活性高分子に分散・混合して用いられる。
しかるに、低分子電荷輸送物質と不活性高分子からなる電荷輸送層は一般に柔らかく、機械的耐久性に乏しく、電子写真プロセスにおいては繰り返し使用による種々接触部材(現像・転写紙・クリーニングブラシ・クリーニングブレード等)から受ける機械的な負荷により、膜削れを生じやすい。
近年、電子写真プロセスの高速化、小型化が進むなか、感光体に対して長期繰返し使用に際しても高画質を保つことのできる信頼性及び高耐久化が強く要求される様になってきている。
感光体は、電子写真プロセスにおいて、様々な機械的、化学的負荷を受けている。このような負荷により、感光体は摩耗し、膜厚減少による異常画像が発生する。この感光体の耐久性を向上させる手段として、感光体にフィラーを添加する技術、感光層表面にフィラーを分散させた表面保護層を設ける技術が、特開平1−205171号公報、特開平7−333881号公報、特開平8−15887号公報、特開平8−123053号公報、特開平8−146641号公報等に開示されている。
潜像担持体としての感光体の支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理をした管などを使用することができる。
また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものも、本発明の導電性支持体として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。
また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。
このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロンなどの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体として良好に用いることができる。
最近の電子写真方式を採用した複写機、プリンター、ファクシミリ等においては小型軽量化が進んでおり、潜像担持体の支持体に関しても小径、薄肉の軽量な物が多く採用されるようになってきている。
前述のように感光体の構成としては、比較的軽量材質で導電性を有する芯金が用いられ、具体的にはアルミニウム等を薄肉構成とした円筒が軽量化、低コスト化を狙いとして主に用いられている。
このような構成の感光体では、稼働中に騒音を発生する場合がある。つまり、感光体には、帯電、書き込み、現像、転写およびクリーニングの各処理を行なう装置が対向して配置されている。
これら装置のうちで、特に、帯電装置とクリーニング装置は、感光体の騒音発生源となることが多い。
帯電装置は、前述した帯電条件からも明らかなように、DC電圧に重畳させてAC電圧が印加されるため、AC電圧の印加時に薄肉の円筒部が共振しやすくなり、この共振が原因して周辺部に騒音を伝搬する。
クリーニング装置では、一般的に感光体表面を清掃するために感光体表面に接触するブレードが設けられており、ブレードが感光体の移動に伴う引きずりと元位置への復帰を繰り返すことにより薄肉の円筒部で振動し、感光体が共鳴して騒音を発生することになる。
特に、電子写真プロセスの高速化が進む中、クリーニング特性を確保するためにクリーニングブレードの感光体当接圧力等を高く設定する必要があり、この感光体の共鳴現象がより発生しやすくなっている。
さらに、電子写真プロセスを応用した画像型性装置の印字品質をさらに高画質するために、トナーの微粒子化、球形化という技術も開発されているが、これらもクリーニングブレードによる感光体の共鳴現象に対しては不利な方向へクリーニングブレード条件を設定せざるを得ないという課題を有している。
加えて、省エネルギーの観点からトナーの定着エネルギーを低下させる技術も開発されており、これもまた感光体の共鳴現象に対しては不利な方向へクリーニングブレード条件を設定せざるを得ないという課題を有している。
これらの感光体共鳴現象を抑制するための技術としては、たとえば実開平7−39054号公報(特許文献1)においては感光体支持体内部に梁構造を設ける技術が記載されているが、共振周波数の変化によりクリーニングブレードによる共鳴現象には効果が認められるものの、帯電のAC周波数による共鳴には効果が少ないという問題がある。
実公平5−46023号公報(特許文献2)には支持体内周面に支持体肉厚の不均一部分を形成する技術が記載されているが、これもAC周波数による共鳴抑制効果が低いと共に、感光体全体を回転使用させているため、高速プロセスで使用された場合、重心が偏心しているため、周速が不安定になりやすく、安定した画像を形成する上で不利である。
また、特開2000−19761号公報(特許文献3)には支持体の両端のインロー加工部分以外の肉厚を1.9mm以上とすることにより、AC帯電による共鳴を防ぐ技術が記載されている。これはAC音への効果はあるものの、支持体の重量が大きくなり、感光層を塗工製造する際のハンドリングの点で不利(支持体チャッキング治具の新規導入、チャッキング圧力の増加等)になり、また、支持体コストも高くなるという問題がある。特開2000−155500号公報(特許文献4)も同様な技術であり、同様の問題がある。
特開平5−35048号公報(特許文献5)には潜像担持体内側に比重が0.5以上の物質を内包して、帯電音を抑制する技術が記載されている。しかし、実施例で記載されているところの水やエタノールをポリ塩ビ製の袋に入れた状態で内包させる技術は、不凍液の混入で氷点下での凍結を防止させているにはいるが、保管環境が予想もしない低温にさらされた場合(飛行機輸送)などで万が一破裂した場合、高電圧をいくつもの課程で使用する電子写真プロセスにおいて非常に危険をもたらす問題があり、また、実施例には詳細に記載されていないが、ウレタンゴムやフッ素ゴムのような弾性体を用いる場合には感光体内径よりもこれら内包材の外径を若干大きくすることにより、感光ドラム内面との確実な接触がなされるという記載がある。たしかに、弾性体を内包させることにより帯電による共鳴を抑制する効果は期待できるものの、外径が支持体内径より若干大きい内包材を支持体内側に挿入する工法は非常に困難なはずであるにもかかわらず、液体物、粉体物を内包した塩ビ等の袋状部材の挿入は非常に容易と記載しているだけであって、そのような挿入を満足裡に行なうための具体的手段については、何の説明もない。後者(径の大きい弾性物を挿入する)は困難であり、そのための技術、設備、工数が確実に必要となり、この場合生産コスト的には不利になる。
特開平5−35167号公報(特許文献6)、特開平6−19230号公報(特許文献7)には潜像担持体内径より外径がわずかに小さい弾性体や剛体を支持体内側に挿入して接着する技術が記載されている。この場合、接着剤の硬化時の体積収縮のため、薄肉支持体を使用した場合などは像担持体外部形状の精度が(真直度、真円度)が影響を受け、微細なドット画像再現が要求されるデジタル書込みプロセスを採用した画像形成装置において問題となる場合がある。また、接着剤による固定では、内包材と支持体内側が全面にわたり密着されることが難しく、共鳴音の抑制効果の点で劣る問題もある。
特開平8−146637号公報(特許文献8)には、アルミ円柱状充填体を硬化時の体積変化の少ないエポキシ接着剤にて接着する技術が記載されているが、こちらも同様に充填体の表面全体を潜像担持体内側に全面的に接着させることが難しく、特にAC帯電による共鳴音の抑制効果の点で問題がある。また、エポキシ接着剤の硬化迄に時間を要するため、製造タクトが長くなり生産効率が低下するという問題も有している。
特開2000−321929号公報(特許文献9)、特開平6−19377号公報(特許文献10)、特開平8−54804号公報(特許文献11)、特開平11−305598号公報(特許文献12)等には断面形状がC型をしている構造体を潜像担持体内側に挿入する技術が記載されている。これらはC型とすることで、樹脂や金属のバネ力を用い支持体内側への密着をねらったものであるが、薄肉支持体を使用した場合にはこのバネ圧力によって、真円度へ影響が及び、上述のように微細ドット書き込みをされるような画像形成プロセスにおいて異常画像等の問題を引き起こす可能性がある。
特開平11−184308号公報(特許文献13)には潜像担持体内側に支持体内径より小さい円柱状部材を2つ以上のOリング状部材で固定する技術が記載されている。これは円柱状部材を支持体内側に固定する上では生産性に優れた方法であるが、実際の制振効果に関しては支持体内側への密着面積が小さいために、AC帯電による共鳴音の抑制効果は小さい。
実開平7−39054号公報 実公平5−46023号公報 特開2000−19761号公報 特開2000−155500号公報 特開平5−35048号公報 特開平5−35167号公報 特開平6−19230号公報 特開平8−146637号公報 特開2000−321929号公報 特開平6−19377号公報 特開平8−54804号公報 特開平11−305598号公報 特開平11−184308号公報
本発明の目的は、従来の潜像担持体およびこれ用いる画像形成装置における問題に鑑み、薄肉の円筒体を潜像担持体として用いた場合に、騒音の発生を防止できると共に帯電装置との対向間隔が変化するのを防止して帯電特性の変化を生じさせずに異常画像の発生も防止できる構成を備えた潜像担持体および画像形成装置を提供することにある。また、この潜像担持体を容易に生産、また環境負荷の低減(資源の有効活用)のため容易にリサイクルすることのできる技術を提供することにある。
上記課題は、本発明の(1)「円筒状導電性基体上に感光層を有し、該円筒状導電性基体内側に、弾性材料より構成される円筒状部材を更にその内部に風船構造の円筒状部材を挿入し、該風船構造の円筒状部材内部に液体又は気体を圧入し外径を拡張させることにより、該円筒状導電性基体内側に弾性材料より構成される円筒状部材を密着固定していることを特徴とする潜像担持体」、本発明の(2)「円筒状導電性基体上に感光層を有し、該円筒状導電性基体内側に、弾性材料より構成される円筒状風船部材を挿入し、該弾性材料より構成される風船構造の円筒状部材内部に液体又は気体を圧入し外径を拡張させることにより、該円筒状導電性基体内側に密着固定していることを特徴とする潜像担持体」、本発明の(3)「前記円筒基体内側に配置される円筒状部材もしくは風船状円筒部材が、損失正接tanδが0.5以上の弾性体により構成されていることを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載の潜像担持体」、本発明の(4)「前記円筒基体内側に配置される風船構造の円筒状部材がその中に液体または気体を注入する機構と注入した液体または気体を内部に保持・密封する機構を有していることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項に記載の潜像担持体」によって解決される。
また上記課題は、本発明の(5)「薄肉の円筒体上に形成された潜像担持体の内側にまず、その内径よりも小さい外径を有する弾性材料より構成される円筒状部材を挿入し、その後更にその内側に風船構造の円筒状部材を挿入し、該風船構造の円筒状部材内部に液体又は気体を注入する外径拡張工程により、潜像担持体内部に弾性材料より構成される円筒状部材を密着固定することを特徴とする、あるいは、薄肉の円筒体上に形成された潜像担持体の内側に弾性材料より構成される円筒状風船部材を挿入し、該弾性材料より構成される風船構造の円筒状部材内部に液体又は気体を注入する外径拡張工程により、潜像担持体内側に弾性材料より構成される風船構造の円筒状部材を密着固定することを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の潜像担持体の製造方法」によって解決される。
また上記課題は、本発明の(6)「帯電手段が帯電部材を感光体に接触もしくは近接配置したものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の潜像担持体を用いたことを特徴とする画像形成装置」によって解決される。
また上記課題は、本発明の(7)「少なくとも潜像担持体を具備してなる電子写真装置用プロセスカートリッジにおいて、該潜像担持体が前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の潜像担持体であることを特徴とする電子写真装置用プロセスカートリッジ」によって解決される。
また、上記課題は、本発明の(8)「潜像担持体の使用後に、薄肉の円筒体内側に前記第(5)項に記載の製造方法にて密着固定されている弾性材料により構成される円筒状部材を、その内側に挿入されている風船構造の円筒状部材からその内部に注入されている液体又は気体を抜き取る外径縮小工程により潜像担持体内側から弾性材料により構成される円筒状部材を取り外し、風船構造の円筒状部材とともに新たな潜像担持体に繰り返し使用することを特徴とする、あるいは潜像担持体の使用後に、薄肉の円筒体内側に前記第(5)項に記載の製造方法にて密着固定されている弾性材料により構成される風船状円筒状部材からその内部に注入されている液体又は気体を抜き取る外径縮小工程により潜像担持体内側から弾性材料により構成される風船状円筒状部材を取り外し、新たな潜像担持体に繰り返し使用することを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の弾性材料により構成される円筒状部材もしくは弾性材料により構成される風船状円筒状部材のリサイクル方法」によって解決される。
本発明によれば、薄肉円筒状導電性基体上に感光層を有し、該円筒状導電性基体内側に弾性材料からなる風船状円筒部材を有し、該部材中に液体又は気体を注入し、外径を拡張させることを特徴とする潜像担持体とすること、あるいは該円筒状導電性基体内側に弾性材料からなる円筒状部材と更にその内側に風船状円筒部材を有し、該風船状円筒部材中に液体又は気体を注入し、外径を拡張させることを特徴とする潜像担持体とすることにより、弾性円筒状部材の導電性支持体との密着性を確実なものとすることができ、帯電装置においてDC電圧に加えてAC電圧を印加した場合や、クリーニングブレードとの接触による導電性支持体の共振を抑制し、騒音の発生を抑制することが出来る潜像担持体を生産性が良く及びリサイクル可能な方法にて得ることができる。
また、前記円筒基体内側に配置される風船状円筒部材あるいは円筒状部材を、損失正接tanδが0.5以上の弾性体により構成することにより、潜像担持体全体の振動吸収特性を大幅に改善し、非常に優れた騒音防止効果が得られる。
加えて、前記円筒基体内側に配置される風船状円筒部材に液体又は気体を注入し外径を拡張させることにより弾性材料により構成される風船状円筒部材あるいは弾性材料よりなる円筒状部材を導電性基体内側と密着させるために該各部材を挿入する場合の挿入抵抗を低減させるとともに得られた潜像担持体の真直度や真円度等の機械精度へ及ぼす影響を小さくすることが出来、帯電、現像、転写等の均一な接触もしくは微小距離の状態を維持することができる。
また、薄肉の円筒体上に形成された潜像担持体の内側にまず、弾性材料からなる風船状円筒部材を有し、該部材中に液体又は気体を注入し、外径を拡張させることを特徴とする潜像担持体とすること、あるいは該円筒状導電性基体内側に弾性材料からなる円筒状部材と更にその内部に風船状円筒部材を有し、該風船状円筒部材中に液体又は気体を注入し、外径を拡張させて密着固定させることを特徴とする潜像担持体とすることにより、接着剤等を使用することなく弾性材料よりなる風船状円筒部材あるいは弾性材料よりなる円筒状部材を導電性支持体内側に密着させる潜像担持体の製造方法が得られる。また接着剤を用いていないことにより使用後等の際、容易に弾性材料よりなる風船状円筒部材あるいは弾性材料よりなる円筒状部材と風船状円筒部材を取り外すことができ、リサイクル可能な制振部材を得ることができる。
本発明の薄肉円筒状導電性基体上に感光層を有し、該円筒状導電性基体内側に弾性材料からなる風船状円筒部材を有し、該部材中に液体又は気体を注入し、外径を拡張させることを特徴とする潜像担持体とすること、あるいは該円筒状導電性基体内側に弾性材料からなる円筒状部材と更にその内部に風船状円筒部材を有し、該風船状円筒部材中に液体又は気体を注入し、外径を拡張させて密着固定させたことを特徴とする潜像担持体を採用することにより、帯電手段が帯電部材を感光体に接触もしくは近接配置した構成でありながら、騒音発生や微小振動の少ない画像形成装置を得ることができる。
また、本発明の薄肉円筒状導電性基体上に感光層を有し、該円筒状導電性基体内側に弾性材料からなる風船状円筒部材を有し、該部材中に液体又は気体を注入し、外径を拡張させることを特徴とする潜像担持体とすること、あるいは該円筒状導電性基体内側に弾性材料からなる円筒状部材と更にその内部に風船状円筒部材を有し、該風船状円筒部材中に液体又は気体を注入し、外径を拡張させて密着固定させたことを特徴とする潜像担持体を採用することにより、騒音発生や微小振動の少ない電子写真装置用プロセスカートリッジを得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
[画像形成プロセスについて]
図1は、フルカラー画像形成装置の構成図である。図2は、図1に示す画像形成装置における作像装置の拡大図である。図3は、図2に示す作像装置における帯電装置の正面図である。
図1において、画像形成装置(20)は、次に挙げる各装置を備えている。原稿画像に応じた各色毎の画像を形成する作像装置(21C)、(21Y)、(21M)、(21BK)と、各作像装置(21C)、(21Y)、(21M)、(21BK)に対向して配置された転写装置(22)と、各作像装置(21C)、(21Y)、(21M)、(21BK)と転写装置(22)とが対向する転写領域に各種シート状媒体を供給するシート状媒体供給手段としての手差しトレイ(23)、給紙カセット(24)、手差しトレイ(23)、給紙カセット(24)から搬送されてきたシート状媒体を作像装置(21C)、(21Y)、(21M)、(21BK)による作像のタイミングに合わせて供給するレジストローラ(30)と、転写領域において転写後のシート状媒体の定着を行なう定着装置(1)である。
画像形成装置(20)は、一般にコピー等に用いられる普通紙(以下単に普通紙という)と、OHPシートや、カード、ハガキといった90K紙、坪量約100g/m相当以上の厚紙や、封筒等の、用紙よりも熱容量が大きないわゆる特殊シート(以下単に特殊シートという)との何れをもシート状媒体として用いることが可能である。
各作像装置(21C)、(21Y)、(21M)、(21BK)は、それぞれシアン、イエロー、マゼンタ、ブラックの各色の現像を行なうものであり、用いるトナーの色が異なるが、その構成が同様であるから、作像装置(21C)の構成を各作像像装置(21C)、(21Y)、(21M)、(21BK)の代表として説明する。
作像装置(21C)は、静電潜像担持体として、外径30mm、内径27.5mm、周壁の厚さが0.75mmの薄肉円筒体で構成された感光体ドラム(25C)の回転方向Aに沿って順に配置されている帯電装置(27C)、現像装置(26C)、クリーニング装置(28C)を有し、帯電装置(27C)と現像装置(26C)との間で露光光(29C)を受ける周知の構成が用いられる。
図1に示す画像形成装置(20)は、転写装置(22)が斜めに延在させてあるので、水平方向での転写装置(22)の占有スペースを小さくすることができる。
各作像装置(21C)、(21Y)、(21M)、(21BK)は、図2に示すユニット構成とされて画像形成装置(20)内に装備されている。
図2において作像装置ユニットには、感光体ドラム(便宜上、作像装置(21C)を対象として説明するので、符号は作像装置(21C)に関連する(25C)で示す)、帯電装置(27C)、クリーニング装置(28C)が配置されている。
帯電装置(27C)は、図3に示すように、ローラ状芯金が用いられ、その軸方向両端部近傍の周面には感光体ドラム(25C)との間で所定の微小間隔を持たせるための厚さを有したフィルム(27C1)が捲装されている。帯電装置(27C)は、回転軸(27C2)に設けられているバネ(27C3)によって感光体ドラム(25C)に向けて押圧付勢されており、フィルム(27C1)が感光体ドラム(25C)の周面に当接することにより感光体ドラム(25C)の周面との間に隙間Gを設定されて対向している。
帯電装置(27C)は、芯金に対して、例えば、DC−700Vを定電圧制御により印加されるとともに、AC電圧を定電流制御により印加されることにより、感光体ドラム(25C)に対して上記隙間Gを介して気中放電による一様帯電を行なうようになっている。
図2において、クリーニング装置(28C)は、感光体ドラム(25C)に接触して残留トナーを掻き落とすクリーニングブレード(28C1)と、クリーニングブレード(28C1)によって掻き落とされたトナーを回収するブラシ(28C2)と、ブラシ(28C2)によって回収されたトナーを廃トナー収容部に向けて搬送するためのスクリューオーガからなる廃トナー搬送手段(28C3)とで構成されている。
クリーニング機構に関しては帯電装置(27C)にも設けられており、帯電装置(27C)のクリーニング機構は、芯金の軸方向両端に捲装されているフィルム(27C1)に接触するパッド部材(27C4)が用いられる。帯電装置(27C)でのクリーニングはフィルム(27C1)が感光体ドラム(25C)に常時接触している関係上、感光体ドラム(27C)に付着したトナーなどがフィルムに逆転移してしまうのを防止するための部材であり、逆転移したトナーやゴミなどによりフィルム(27C1)と感光体ドラム(25C)との接触状態が変化するのを防止して感光体ドラム(25C)と帯電装置(27C)との対向間隔を常時一定に維持するようになっている。
[静電潜像担持体について]
本発明で使用される潜像担持体としての感光体ドラム(25C)には、前述の通り種々の一般的な感光体が使用できるが、有機系感光体の場合、高信頼性、高耐久性のために感光体表面に保護層が形成されている等の耐久性向上対策が施されていることが望ましい。
感光体の導電性支持体としては前述のように電気、機械、化学的などの諸特性を満足するステンレス、銅、真鍮などの金属の他、圧縮紙や樹脂或いはガラスに、金やアルミ、白金、クロム等を蒸着或いはスパッタリングした導電層、さらにはカーボン、錫等の微粒子を分散した導電層を塗工したもの等が使用できるが、帯電及びクリーニングブレードで発生した帯電音や摺擦音等の振動音を効率よく解消するためには、振動が発生すると直ちに制振部材に伝達し、急速に減衰させるような音伝達速度の早い材料が望ましい。アルミニウム(P波速度:6420m/s(国立天文台編、丸善株式会社、理科年表に記載))やベリリウム(P波速度:12890m/s(国立天文台編、丸善株式会社、理科年表に記載))などは振動を伝達する速度が大きい材料である。この内、アルミニウムは感光体の支持体として簡単に入手できる一般的に使用され、薄肉に加工しやすい材料であるため、本発明には特に有効な感光体用の支持体として使用することができる。
アルミニウムの表面を加工する技術には、切削加工、ホーニング加工、ブラスト加工などがあり、目標の外径寸法に切削した後、さらに超仕上げ、鏡面仕上げ等により、表面粗度が0.1〜10μm程度になる様に加工され、充分に洗浄されたものが使用される。
電気抵抗は体積固有抵抗で、10Ω・cmオーダー以下の値であれば問題はない。
導電性支持体の形状はドラム状で、直径はφ20〜120mm程度が一般的に採用される。
導電性支持体の材質は、帯電で生じた帯電音、あるいはクリーニングブレードの摺擦で生じた摺擦音の振動を素早く制振部材に伝達するために、アルミニウム(例えばJIS3003系)が好適に使用できる。導電性支持体として使用されるアルミニウムの肉厚は、制振部材を内蔵して使用するため、本発明では振動の伝達を早めるためにできるだけ薄肉にするのが望ましい。しかし、余り薄いと、前記した加工時、及び感光層の乾燥時の温度(80〜160℃)や、フランジ取り付け時の厚入で変形し、真円度、真直度が保証されなくなる。φ20〜120mmの感光体であれば、導電性支持体の厚みは、0.5〜3mmが望ましく、さらには0.7〜1.5mm程度の厚みが望ましい。
前述の導電性支持体上に形成される感光層について説明する。感光層は単層でも積層でもよいが、説明の都合上、先ず電荷発生層と電荷輸送層で構成される場合から述べる。
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層である。
電荷発生層には、公知の電荷発生物質を用いることが可能であり、その代表として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられ用いられる。これら電荷発生物質は単独でも、2種以上混合してもかまわない。
中でもアゾ顔料および/またはフタロシアニン顔料が有効に用いられる。特に下記構造式(1)で表わされるアゾ顔料、およびチタニルフタロシアニン(特にCuKαの特性X線(波長1.541Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン)が有効に使用できる。
Figure 2005092127
式中、Cp、Cpはカップラー残基を表わし、同一でも異なっていても良い。R201、R202はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基のいずれかを表わし、同一でも異なっていても良い。またCp、Cpは下記(2)式で表わされ、
Figure 2005092127
式中、R203は、水素原子、メチル基、エチル基などのアルキル基、フェニル基などのアリール基を表わす。R204、R205、R206、R207、R208はそれぞれ独立して、水素原子、ニトロ基、シアノ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、トリフルオロメチル基、メチル基、エチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、水酸基を表わし、Zは置換もしくは無置換の芳香族炭素環または置換もしくは無置換の芳香族複素環を構成するのに必要な原子群を表わす。
電荷発生層は、電荷発生物質を必要に応じて結着樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。
必要に応じて電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
ここで用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良好に使用される。塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
電荷輸送物質には、電子輸送物質と正孔輸送物質とがある。電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は解像度・応答性の点から、25μm以下とすることが好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)により異なるが、5μm以上が好ましい。
ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。
本発明の感光体において電荷輸送層中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂に対して0〜30重量%程度が適当である。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいは、オリゴマーが使用され、その使用量は結着樹脂に対して、0〜1重量%が適当である。
次に、感光層が単層構成の場合について述べる。
上述した電荷発生物質を結着樹脂中に分散した感光体が使用できる。単層感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。さらに、この感光層には上述した電荷輸送材料を添加した機能分離タイプとしても良く、良好に使用できる。また、必要により、可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
結着樹脂としては、先に電荷輸送層で挙げた結着樹脂をそのまま用いるほかに、電荷発生層で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。もちろん、先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜150重量部である。単層感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を必要ならば電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコートなどで塗工して形成できる。単層感光層の膜厚は、5〜25μm程度が適当である。
本発明の感光体においては、導電性支持体と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
これらの下引き層は前述の感光層の如く適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Alを陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
本発明の感光体においては、感光層保護の目的で、表面保護層が感光層の上に設けられる。
表面保護層に使用されるバインダー樹脂としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が有効に使用される。これらのバインダ−は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
また、感光体の表面保護層にはその他、耐摩耗性を向上する目的でフィラー材料が添加される。有機性フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、a−カーボン粉末等が挙げられ、無機性フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、チタン酸カリウムなどの無機材料が挙げられる。特に、フィラーの硬度の点からは、この中でも無機材料を用いることが有利である。特に金属酸化物が良好であり、さらには、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタンが有効に使用できる。
また、フィラーの平均一次粒径は、0.01〜0.5μmであることが表面保護層の光透過率や耐摩耗性の点から好ましい。フィラーの平均一次粒径が0.01μm以下の場合は、耐摩耗性の低下、分散性の低下等を引き起こし、0.5μm以上の場合には、分散液中においてフィラーの沈降性が促進されたり、トナーのフィルミングが発生したりする可能性がある。
表面保護層中のフィラー材料濃度は、高いほど耐摩耗性が高いので良好であるが、高すぎる場合には残留電位の上昇、保護層の書き込み光透過率が低下し、副作用を生じる場合がある。従って、概ね全固形分に対して、50重量%以下、好ましくは30重量%以下程度である。
また更に、これらのフィラーは少なくとも一種の表面処理剤で表面処理させることが可能であり、そうすることがフィラーの分散性の面から好ましい。フィラーの分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さらには耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。表面処理剤としては、従来用いられている表面処理剤を使用することができるが、フィラーの絶縁性を維持できる表面処理剤が好ましい。例えば、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸等、あるいはこれらとシランカップリング剤との混合処理や、Al、TiO、ZrO、シリコーン、ステアリン酸アルミニウム等、あるいはそれらの混合処理がフィラーの分散性及び画像ボケの点からより好ましい。シランカップリング剤による処理は、画像ボケの影響が強くなるが、上記の表面処理剤とシランカップリング剤との混合処理を施すことによりその影響を抑制できる場合がある。表面処理量については、用いるフィラーの平均一次粒径によって異なるが、3〜30wt%が適しており、5〜20wt%がより好ましい。表面処理量がこれよりも少ないとフィラーの分散効果が得られず、また多すぎると残留電位の著しい上昇を引き起こす。これらフィラー材料は単独もしくは2種類以上混合して用いられる。
なお、表面保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当である。さらに1.0〜8.0μmの範囲であることが好ましい。長期的に使用される感光体は、機械的に耐久性が高く、摩耗しにくいものとする。しかし実機内では、帯電部材などから、オゾン及びNOxガスなどが発生し、感光体の表面に付着する。こららの付着物が存在すると、画像特性において、画像流れが発生する。この画像流れを防止するためには、感光層をある一定速度以上に摩耗する必要がある。そのためには、表面保護層は少なくとも1.0μm以上の膜厚であることが好ましい。また表面保護層膜厚が8.0μmよりも大きい場合は、残留電位上昇や微細ドット再現性の低下が考えられる。
これらフィラー材料は、適当な分散機を用いることにより分散できる。また、分散液中でのフィラーの平均粒径は、1μm以下、好ましくは0.5μm以下にあることが表面層の透過率の点から好ましい。
これらのフィラーは、表面保護層中に分散されている。
感光層上に表面保護層を設ける方法としては、浸漬塗工方法、リングコート法、スプレー塗工方法など用いられる。
このうち一般的な表面保護層の製膜方法としては、微小開口部を有するノズルより塗料を吐出し、霧化することにより生成した微小液滴を感光層上に付着させて塗膜を形成するスプレー塗工方法が用いられる。
ただし表面保護層の塗工方法は、スプレー塗工方法に限定されるものではない。
表面保護層には残留電位低減、応答性改良のため、電荷輸送物質を含有しても良い。電荷輸送物質は、電荷輸送層の説明のところに記載した材料を用いることができる。電荷輸送物質として、低分子電荷輸送物質を用いる場合には、保護層中における濃度傾斜を有しても構わない。耐摩耗性向上のため、表面側を低濃度にすることは有効な手段である。
また、保護層には電荷輸送物質としての機能とバインダー樹脂の機能を持った高分子電荷輸送物質も良好に使用される。これら高分子電荷輸送物質から構成される保護層は耐摩耗性に優れたものである。高分子電荷輸送物質としては、公知の材料が使用できるが、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテルのいずれか一つの重合体であり、特に、トリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートが好ましい。中でも、下記式(3)〜式(12)で表わされる高分子電荷輸送物質が良好に用いられ、これらを以下に例示し、具体例を示す。
(3)式
Figure 2005092127
式中、R、R、Rはそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、Rは水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基、R、Rは置換もしくは無置換のアリール基、o、p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k、jは組成を表わし、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表わし、5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、または下記一般式で表わされる2価有機基を表わす。
Figure 2005092127
式中、R101、R102は各々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表わす。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表わす。)または、
Figure 2005092127
(式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R103、R104は置換または無置換のアルキル基又はアリール基を表わす。)を表わす。
ここで、R101とR102、R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。
Figure 2005092127
式中、R、Rは独立して置換もしくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一又は異なるアリレン基(arylene)を表わす。X、k、jおよびnは、(3)式の場合と同じである。
Figure 2005092127
式中、R、R10は独立して置換もしくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、jおよびnは、式(3)の場合と同じである。
Figure 2005092127
式中、R11、R12は独立して置換もしくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、jおよびnは、式(3)の場合と同じである。
Figure 2005092127
式中、R13、R14は独立して置換もしくは無置換のアリール基、Ar10、Ar11、Ar12は同一又は異なるアリレン基、X、Xは独立して置換もしくは無置換のエチレン基、又は置換もしくは無置換のビニレン基を表わす。X、k、jおよびnは、式(3)の場合と同じである。
Figure 2005092127
式中、R15、R16、R17、R18は置換もしくは無置換のアリール基、Ar13、Ar14、Ar15、Ar16は同一又は異なるアリレン基、Y、Y、Yは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし、同一であっても異なってもよい。X、k、jおよびnは、式(3)の場合と同じである。
Figure 2005092127
式中、R19、R20は独立して水素原子、置換もしくは無置換のアリール基を表わし、R19とR20は環を形成していてもよい。Ar17、Ar18、Ar19は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、jおよびnは、式(3)の場合と同じである。
Figure 2005092127
式中、R21は独立して置換もしくは無置換のアリール基、Ar20、Ar21、Ar22、Ar23は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、jおよびnは、式(3)の場合と同じである。
Figure 2005092127
式中、R22、R23、R24、R25は独立して置換もしくは無置換のアリール基、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、Ar28は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、jおよびnは、式(3)の場合と同じである。
Figure 2005092127
式中、R26、R27は独立して置換もしくは無置換のアリール基、Ar29、Ar30、Ar31は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、jおよびnは、式(3)の場合と同じである。
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質およびレベリング剤を添加することができる。また、塗工液中のフィラー分散性向上のために分散安定剤を添加することができる。これらの化合物の代表的な材料を以下に記す。
各層に添加できる酸化防止剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)フェノール系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、トコフェロール類など。
(b)パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
(c)ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
(d)有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
(e)有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
各層に添加できる可塑剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)リン酸エステル系可塑剤
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなど。
(b)フタル酸エステル系可塑剤
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
(c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
(d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなど。
(e)脂肪酸エステル誘導体
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなど。
(f)オキシ酸エステル系可塑剤
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど。
(g)エポキシ可塑剤
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
(h)二価アルコールエステル系可塑剤
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど。
(i)含塩素可塑剤
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
(j)ポリエステル系可塑剤
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
(k)スルホン酸誘導体
p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−n−エチルアミド、p−トルエンスルホン−n−シクロヘキシルアミドなど。
(l)クエン酸誘導体
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなど。
(m)その他
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなど。
本発明では滑剤を各層に添加することができる。例えば、下記に示すものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(a)炭化水素系化合物
流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなど。
(b)脂肪酸系化合物
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
(c)脂肪酸アミド系化合物
ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなど。
(d)エステル系化合物
脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
(e)アルコール系化合物
セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなど。
(f)金属石鹸
ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
(g)天然ワックス
カルナウバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなど。
(h)その他
シリコーン化合物、フッ素化合物など。
各層に添加できる紫外線吸収剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)ベンゾフェノン系
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノンなど。
(b)サルシレート系
フェニルサルシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなど。
(c)ベンゾトリアゾール系
(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ3’−ターシャリブチル5’−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾールなど。
(d)シアノアクリレート系
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル2−カルボメトキシ3(パラメトキシ)アクリレートなど。
(e)クエンチャー(金属錯塩系)
ニッケル(2,2’チオビス(4−t−オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなど。
(f)HALS(ヒンダードアミン)
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
がある。
[潜像担持体騒音防止構造について]
図4に、その基本的な一例が示されるように、本発明の潜像担持体(2)は、円筒状導電性基体(3)上に、感光層(4)を有し、この円筒状導電性基体(3)の内側(胴内)に弾性材料からなる風船状円筒状部材(5A)を有している。該弾性材料より構成される風船構造の円筒状部材はその内部に液体又は気体を圧入し外径を拡張させることで、簡便かつ確実に該円筒状導電性基体(3)の内側に密着固定されている。この弾性材料からなる風船状円筒状部材(5A)を円筒状導電性基体(3)内側に挿入する場合にはその内部に液体又は気体が圧入されていないため、簡単に挿入することができ、かつ一旦液体又は気体を圧入すると別段の力を加えないかぎり安定に保持することができ、また、圧入されている液体又は気体を抜き取ることにより大きな力を要することなく弾性材料からなる風船状円筒状部材(5A)を円筒状導電性基体(3)の内側から簡単に引き抜くことができる。
また、本発明の別の一例である図5の例では円筒状導電性基体(3)の内側に弾性材料よりなる円筒状部材(5B)を有し、更にその内側に風船構造の円筒状部材(6)を挿入した構造を有している。該風船構造の円筒状部材の内部に液体又は気体を圧入し外径を拡張させることで、簡便かつ確実に該円筒状導電性基体(3)の内側に弾性材料よりなる円筒状部材(5B)が密着固定されている。この弾性材料からなる円筒状部材(5B)及び風船状円筒部材(6)を円筒状導電性基体(3)内側に挿入する場合には風船状円筒部材(6)の内部に液体又は気体が圧入されていないため、簡単に挿入することができ、かつ風船状円筒部材(6)に一旦液体又は気体を圧入すると別段の力を加えないかぎり弾性材料よりなる円筒状部材(5B)を安定に保持することができ、また、圧入されている液体又は気体を風船状円筒部材(6)から抜き取ることにより大きな力を要することなく弾性材料からなる円筒状部材(5B)、風船状円筒部材(6)ともに円筒状導電性基体(3)の内側から簡単に引き抜くことができる。
風船構造の円筒状部材にはその中に液体または気体を注入する機構と、注入した液体または気体を内部に保持・密封する機構とを有していることが必要である。
特別な逆止防止弁構造(図15、16に示すようなタイヤ等の空気注入弁類似構造)を設けたり、自己弾力性と粘着力を応用した簡便な注入・密封構造(図17、18に示すようなテニスボール、バレーボール等の空気注入口構造)等一般的に公知の技術を用いることが出来る。なお、図15〜図18はあくまでも一例であり、本発明がこの形状に限定されるものではない。また図17、18は注入&抜き取り口が一つしか存在しない例を示しているが、注入用と抜き取り用に複数の口を設けてもかまわない。
風船構造の円筒状部材内部に注入され、風船構造の円筒状部材の外径を拡張させ円筒状導電性支持体内側に密着させるための液体又は気体としては、特に限定されるものではないが、液体の場合潜像担持体が保管・輸送されるような環境にて凍結したり変質したりするものあるいは風船状円筒部材を構成する材料と接触した場合に反応したり変質させるもの等は望ましくない。
風船構造の円筒状部材の外径を拡張させ円筒状導電性支持体内側に密着させるために注入する液体の好適な例としてはシリコンオイルやフッ素オイルのように輸送時等想定される温度で凍結や沸騰せず、化学的に安定であるものが挙げられる。気体の例としては、空気、窒素ガス等無害で不活性なものならいずれも採用することが出来る。
次に、このような本発明の共鳴音抑制のために潜像担持体支持体内側に密着固定する騒音防止構造に関し、説明する。
本発明の潜像担持体は、図4あるいは図5、図6に示されるように、弾性材料より構成される風船状円筒状部材(5A)よりなる制振部材、あるいは弾性材料より構成される円筒状部材(5B)と更にその内部に風船構造の円筒状部材(6)とからなる制振部材を有する。これらを潜像担持体支持体に固定するには、図4の例の場合には図8に断面図を示すように、弾性材料より構成される風船状円筒部材(5A)を円筒状導電性基体(3)の取り付けた後に流体あるいは気体を注入口から内部に注入して円筒状導電性基体に密着させる。また図5、6の例の場合には図7に断面図を示すように、初めに弾性円筒状部材(5B)を円筒状導電性基体(3)に取り付けた後に風船状円筒部材(6)を弾性円筒状部材(5B)の胴内部に挿入してもよく、或いは初めに風船状円筒部材(6)を弾性円筒状部材(5B)の胴内部に取り付け一体化した後にこれを円筒状導電性基体(3)に取り付けてもよい。いずれの場合であっても、取り付け後に風船状円筒部材に注入口を介して液体あるいは気体を注入して円筒状導電性基体に密着させる。また図4〜6のいずれの例の場合であっても、円筒状導電性基体への挿入の際、弾性材料より構成される風船状円筒状部材(5A)や風船状円筒部材(6)の表面に対し、水又は揮発性の他の液体あるいは潤滑性粉体等により潤滑性を付与して一体化や引き抜きの場合の抵抗力を低下させることも出来る。
弾性材料より構成される風船状円筒部材(5A)あるいは弾性材料よりなる円筒状部材(5B)の材料としては、天然ゴム、合成ゴム[例:フッ素ゴム、シリコンゴム、ポリウレタンゴム、ブチルゴム等]或いはこれらを部分硬化させた弾性材料または、これらに紙、布等の繊維を混合した或いは微粉末を混合したものであってもよい。
弾性材料より構成される風船状円筒部材(5A)あるいは弾性材料よりなる円筒状部材(5B)は、必ずしも完全な円筒型である必要はなく、例えば、潜像担持体(3)への挿入、密着性及び引き抜きをより容易にするため、一部形状(外径等)や肉厚が異なる部分を有していてもよい。弾性材料より構成される風船状円筒部材(5A)あるいは弾性材料よりなる円筒状部材(5B)の外径については、円筒状導電性基体(3)の太さにもよるが、弾性材料より構成される風船状円筒部材(5A)あるいは弾性材料よりなる円筒状部材(5B)単独の挿入の際に感光体支持体(3)にスムーズな作業性を確保するためと風船状円筒部材中へ液体もしくは気体を注入した際に膨張して支持体内壁に密着する力が適正な範囲となるように、感光体支持体(3)内径に対する弾性材料より構成される風船状円筒部材(5A)あるいは弾性材料よりなる円筒状部材(5B)の外径の割合が90%〜99%であることが好ましく、特に95%〜99%の範囲であることがより好ましい。弾性材料より構成される風船状円筒部材(5A)あるいは弾性材料よりなる円筒状部材(5B)の肉厚は円筒状基体(3)の太さにもよるが、1mmから10mmであることが好ましく、特に3mmから8mmの範囲であることがより好ましい。また、弾性材料より構成される風船状円筒部材(5A)あるいは弾性材料よりなる円筒状部材(5B)の長さについては、円筒状導電性基体(3)の長さに対して比率50%以上でフランジ固定幅をマイナスした長さに対して100%以下であることが好ましい。
風船状円筒部材(6)の材質としては、内部に注入した液体や気体を密封保持することが出来るものであれば特に限定されるものではなく、弾性材料より構成される風船状円筒部材や、弾性材料よりなる円筒状部材と同様に天然ゴムや合成ゴム、さらにはポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂等も使用することが出来る。
風船状円筒部材(6)の長さは、上記記載の弾性円筒状部材(5B)の長さに合わせ円筒状導電性基体(3)の長さに対して比率50%以上でフランジ固定幅をマイナスした長さに対して100%以下であることが好ましい。
本実施態様例は、以上のような構成であるから、図9、10に示すように円筒状導電性基体(3)の内側に弾性材料より構成される風船状円筒状部材(5A)からなる制振部材、あるいは弾性材料より構成される円筒状部材(5B)と風船構造の円筒状部材(6)からなる制振部材が容易に挿入されて組み込まれる。また、取り外しの際には逆方向に引き抜くことにより容易に取り外すことができ、これら制振部材構成部品を簡単に再利用(リサイクル)することができる。
以上のように、本発明の潜像担持体においては、円筒状基体内側に弾性材料より構成される風船状円筒状部材(5A)よりなる制振部材、あるいは弾性材料より構成される円筒状部材(5B)と更にその内側に風船構造の円筒状部材(6)とからなる制振部材を有し、弾性材料より構成される風船状円筒部材(5A)あるいは風船状円筒部材(6)に注入口を介して液体あるいは気体を注入して外径を拡張させて、これらを潜像担持体支持体全体への均一な力で密着固定する様に構成したものであり、この構成により狙いの効果(弾性円筒状部材の支持体内壁への密着性、弾性部材よりなる風船状円筒部材あるいは弾性材料よりなる円筒状部材の挿入&取り出し抵抗の低減、感光体支持体の真円度・進捗度への影響防止等)を達成することができる。
そして、帯電手段(27C)が、帯電部材を感光体に接触もしくは近接配置したものである場合には、感光体又は誘電体や絶縁体であり得る円筒状基体(3)の制振のみならず、帯電を均一に行なうことができる。
そして、このような円筒状基体(3)を有する画像形成装置、または、少なくとも潜像担持体を具備してなる電子写真装置用プロセスカートリッジとすることができる。
以下、本発明が属する制振部材の必要性と要求特性について説明する。
交流電圧を重畳した直流電圧を、接触若しくは、非接触帯電装置に印加して、帯電を行なったときに発生する帯電音や、クリーニングブレードと感光体間の摩擦抵抗が大きくなったときにしばしば発生する摺擦音等、いわゆる振動音は感光体支持体に共鳴増幅されて不快な騒音として感じられる。これを防止するためには感光体支持体の共鳴を起こしにくくするためにドラム状感光体の内壁との間に空間ができないように制振部材を装着することが非常に効果がある。
本発明において、感光体支持体内壁に直接密着固定させる弾性材料よりなる風船状円筒部材あるいは弾性材料よりなる円筒状部材には、損失正接tanδのできるだけ大きい材質の弾性体を使用するのが共鳴を抑制するのに効果的である。具体的には、損失正接tanδの値として0.5以上であることが望ましい。
制振部材として適当なtanδを有する弾性体としては、ブチルゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴムなどのゴム材が挙げられる。例えば、本発明にはブチルゴムは弾性円筒状部材として好適な材料で、厚み3mm、幅3mm、長さ20mmにカットしたブチルゴムをJIS K 7244−4に規定された非共振振動法(周波数は30Hzに設定)に準じた方法で測定すると、ブチルゴムの損失正接tanδはほぼ0.8であった。
但し、ブチルゴムに限らず添加する材料や製法などによって、損失正接tanδは大きく変化するので、制振部材と使用する場合には、損失正接tanδはできるだけ大きいゴム材を選択することが望ましい。
また、ブチルゴムの他に、損失正接tanδが大きい材料としては、0.8〜2と高い数値を示すハネナイトの商品名で販売されている内外ゴム(株)の無反発ゴム部材なども振動吸収性能が高く、弾性円筒状部材の材料として好適に使用できる。
制振部材として使用可能な例としてゴム系の部材を例示したが、前記ゴム部材に限定されるものではなく、損失正接tanδが0.5以上あり、成形が容易で、経年変化がなく、形状変化のない材料であれば勿論使用可能である。
図11〜14は、本発明の制振部材を内蔵させたときの効果を説明するための図である。
すなわち図11は、支持体としてφ30mm、長さ340mm(フランジ固定幅をマイナスした長さ300mm)、肉厚0.7mm(支持体内径28.6mm)のアルミ円筒を使用した感光体の内側に、図5の構造の制振部材[弾性材料よりなる円筒状部材(肉厚4mm、外径26.6mm、内径14.6mm、長さ240mm)に風船状円筒部材(長さ240mm、外径13mm)を挿入し、かつ風船状円筒部材中にシリコンオイルを注入し外径拡張して密着固定させた構造]を内蔵し、使用する弾性円筒状部材(5B)の損失正接tanδを変化させた場合の効果を示す。
横軸は弾性円筒状部材(5B)の損失正接tanδ、縦軸に感光体から300mm離れた位置で測定した暗騒音(ここでは46dB)に対して、実施例の感光体に接触させたローラー形状の帯電部材に−800Vの直流電圧と、1.5KV/1.35KHzの交流電圧から成る交流電圧を重畳した帯電電圧を印加したときに増加したの音圧との差(音圧差)をとり、夫々プロットしたものである。音圧差が4dB以内であれば、ほぼ不快を感じない領域である。数値は低いほど望ましい。
図11から、損失正接tanδは約0.5以上あれば良いことが判る。
図12は、支持体としてφ30mm、長さ340mm(フランジ固定幅をマイナスした長さ300mm)、肉厚0.7mm(支持体内径28.6mm)のアルミ円筒を使用した感光体の内側に、図4の構造の制振部材[弾性材料よりなる風船状円筒部材(5A)(肉厚4mm、外径26.6mm、損失正接tanδ=0.83)にシリコンオイルを注入し外径拡張して密着固定させた構造]を内蔵し、この制振部材の長さ(制振部材を固定することのできる支持体の有効長さ=300mmに対する割合%)を変化させた場合の効果を示す。
横軸は制振部材の長さ(制振部材を固定することのできる支持体の有効長さ=300mmに対する割合%)、縦軸に感光体から300mm離れた位置で測定した暗騒音(ここでは46dB)に対して、実施例の感光体に接触させたローラー形状の帯電部材に−800Vの直流電圧と、1.5KV/1.35KHzの交流電圧から成る交流電圧を重畳した帯電電圧を印加したときに増加したの音圧との差(音圧差)をとり、夫々プロットしたものである。
図12から、制振部材長さは支持体の制振部材を固定できる有効長さに対し占める割合が大きくなるほど制振効果が増大し、支持体の制振部材を固定できる有効長さの50%以上であると良好な結果が得られることがわかる。
図13は、支持体としてφ30mm、長さ340mm(フランジ固定幅をマイナスした長さ300mm)、肉厚0.7mm(支持体内径28.6mm)のアルミ円筒を使用した感光体の内側に、図5の構造の制振部材で弾性材料よりなる円筒状部材(5B)(外径26.6mm、長さ240mm、損失正接tanδ=0.83)の肉厚を変化させた場合の効果を示したものである。弾性材料よりなる円筒状部材に挿入する風船状円筒部材(長さ240mm)は外径をそれぞれ弾性材料よりなる円筒状部材肉厚と内径に合わせて変化させて挿入し、それぞれシリコンオイルを内部に注入することにより密着固定させた。
横軸は弾性材料よりなる円筒状部材の肉厚、縦軸に感光体から300mm離れた位置で測定した暗騒音(ここでは46dB)に対して、実施例の感光体に接触させたローラー形状の帯電部材に−800Vの直流電圧と、1.5KV/1.35KHzの交流電圧から成る交流電圧を重畳した帯電電圧を印加したときに増加したの音圧との差(音圧差)をとり、夫々プロットしたものである。
図13から、弾性円筒状部材の肉厚は大きくなるほど制振効果が増大し、3mm以上であると良好な結果が得られることがわかる。
本発明の制振部材は更に、弾性材料より構成される風船状円筒状部材あるいは弾性材料より構成される円筒状部材に挿入された風船構造の円筒状部材から注入されている液体または気体を抜きとることで弾性体よりなる風船状円筒状部材あるいは弾性材料より構成される円筒状部材と挿入されていた風船構造の円筒状部材を簡単に取り外すことができ、再利用が容易に出来ることが特徴である。
図14は、支持体としてφ30mm、長さ340mm(フランジ固定幅をマイナスした長さ300mm)、肉厚0.7mm(支持体内径28.6mm)のアルミ円筒を使用した感光体の内側に、図6の構造の制振部材[弾性材料よりなる円筒状部材(5B)(肉厚4mm、外径26.6mm、内径14.6mm、長さ240mm、損失正接tanδ=0.83)に風船状部材(外径13mm、長さ240mm)を挿入し、かつ風船状円筒部材中にシリコンオイルを注入し外径拡張して密着固定させた構造]を内蔵した電子写真用感光体を寿命まで使用した後、風船状円筒部材に注入してあるシリコンオイルを抜き取ることにより感光体より制振部材(弾性材料よりなる円筒状部材と風船状円筒部材)を取り外し、新たな感光体に内蔵するという操作を繰り返した場合の制振効果を示したものである。
横軸は制振部材の繰り返し使用回数、縦軸に感光体から300mm離れた位置で測定した暗騒音(ここでは46dB)に対して、実施例の感光体に接触させたローラー形状の帯電部材に−800Vの直流電圧と、1.5KV/1.35KHzの交流電圧から成る交流電圧を重畳した帯電電圧を印加したときに増加したの音圧との差(音圧差)をとり、夫々プロットしたものである。
図14から、本発明の制振部材は繰り返し使用してもその制振効果が低下せず、リサイクル使用が可能であることがわかる。
ここで、損失正接tanδについて説明する。
損失正接tanδは、ある材料における応力と歪みの位相角δ(損失角)の正接を表わす。
この損失正接tanδは材料固有の値で、その材質の減衰効果を示している。すなわち、損失正接tanδの値が大きければ、より大きな減衰効果が得られる。一般的にはゴム材料の物理特性を表わすときに測定される特性だが、プラスチック、繊維、紙、セラミックス、セメントなどでも測定される。
本発明の潜像担持体を適用した画像形成装置の一例を説明するための模式図である。 図1に示した画像形成装置での作像装置ユニットを示す模式図である。 図2に示した作像装置ユニットに適用される帯電装置の構成を説明するための正面図である。 本発明の潜像担持体の一例を示す模式図である。 本発明の潜像担持体の他の一例を示す模式図である。 本発明の潜像担持体のさらに他の一例を示す模式図である。 本発明の潜像担持体の制振部材が密着する様子を説明した断面の一例を示す模式図である。 本発明の潜像担持体の制振部材が密着する様子を説明した断面の他の一例を示す模式図である。 本発明の潜像担持体の製造方法の一例を示す模式図である。 本発明の潜像担持体の製造方法の他の一例を示す模式図である。 弾性材料よりなる風船状円筒部材あるいは弾性材料よりなる円筒状部材の損失正接tanδと音圧差の関係を示す図である。 (制振部材の長さ/支持体有効長さ)×100(%)に対する音圧差を表わす図である。 感光体内に内蔵する弾性材料よりなる風船状円筒部材あるいは弾性材料よりなる円筒状部材の厚みを変えたときの音圧差を示す図である。 感光体内に内蔵する制振部材を繰り返し使用した場合の音圧差の推移を示す図である。 風船状円筒部材に液体又は気体を注入した後、液体又は気体を風船状円筒部材内部に保持、あるいは取り出すための機構の一例を示した図である。 風船状円筒部材に液体又は気体を注入した後、液体又は気体を風船状円筒部材内部に保持、あるいは取り出すための図15の機構を通して注入される液体又は気体の通過経路を示す図である。 風船状円筒部材に液体又は気体を注入した後、液体又は気体を風船状円筒部材内部に保持、あるいは取り出すための機構の他の一例を示した図である。 風船状円筒部材に液体又は気体を注入した後、液体又は気体を風船状円筒部材内部に保持、あるいは取り出すための機構の更に他の一例を示した図である。
符号の説明
1 定着装置
2 潜像担持体
3 円筒状導電性基体
4 感光層
5A 弾性材料よりなる風船状円筒状部材
5B 弾性材料よりなる円筒状部材
6 風船状円筒部材
7 注入・抜き取り口
8A トップナット
8B プランジャー
8C 虫ゴム(ゴムチューブ)
8D ボディ
8E ゴム座
20 画像形成装置
21C、21M、21Y、21BK 作像装置
22 転写装置
23 手差しトレイ
24 給紙カセット
25C、25M、25Y、25BK 潜像担持体である感光体ドラム
26C、26M、26Y、26BK 現像装置
27C、27M、27Y、27BK 帯電装置
27C1 フィルム
27C2 回転軸
27C3 バネ
27C4 パット部材
28C クリーニング装置
28C1 クリーニングブレード
28C2 ブラシ
28C3 廃トナー搬送手段
29 露光装置
29C 露光光
30 レジストローラ

Claims (8)

  1. 円筒状導電性基体上に感光層を有し、該円筒状導電性基体内側に、弾性材料より構成される円筒状部材を更にその内側に風船構造の円筒状部材を挿入し、該風船構造の円筒状部材内部に液体又は気体を圧入し外径を拡張させることにより、該円筒状導電性基体内側に弾性材料より構成される円筒状部材を密着固定していることを特徴とする潜像担持体。
  2. 円筒状導電性基体上に感光層を有し、該円筒状導電性基体内側に、弾性材料より構成される円筒状風船部材を挿入し、該弾性材料より構成される風船構造の円筒状部材内部に液体又は気体を圧入し外径を拡張させることにより、該円筒状導電性基体内側に密着固定していることを特徴とする潜像担持体。
  3. 前記円筒基体内側に配置される円筒状部材もしくは風船状円筒部材が、損失正接tanδが0.5以上の弾性体により構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の潜像担持体。
  4. 前記円筒基体内側に配置される風船構造の円筒状部材がその中に液体または気体を注入する機構と注入した液体または気体を内部に保持・密封する機構を有していることを特徴とする請求項1乃至3に記載の潜像担持体。
  5. 薄肉の円筒体上に形成された潜像担持体の内側にまず、その内径よりも小さい外径を有する弾性材料より構成される円筒状部材を挿入し、その後更にその内側に風船構造の円筒状部材を挿入し、該風船構造の円筒状部材内部に液体又は気体を注入する外径拡張工程により、潜像担持体内側に弾性材料より構成される円筒状部材を密着固定することを特徴とする、あるいは、薄肉の円筒体上に形成された潜像担持体の内側に弾性材料より構成される円筒状風船部材を挿入し、該弾性材料より構成される風船構造の円筒状部材内部に液体又は気体を注入する外径拡張工程により、潜像担持体内側に弾性材料より構成される風船構造の円筒状部材を密着固定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の潜像担持体の製造方法。
  6. 帯電手段が帯電部材を感光体に接触もしくは近接配置したものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の潜像担持体を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  7. 少なくとも潜像担持体を具備してなる電子写真装置用プロセスカートリッジにおいて、該潜像担持体が請求項1乃至4のいずれかに記載の潜像担持体であることを特徴とする電子写真装置用プロセスカートリッジ。
  8. 潜像担持体の使用後に、薄肉の円筒体内側に請求項5に記載の製造方法にて密着固定されている弾性材料により構成される円筒状部材を、その内側に挿入されている風船構造の円筒状部材からその内部に注入されている液体又は気体を抜き取る外径縮小工程により潜像担持体内側から取り外し、新たな潜像担持体に繰り返し使用することを特徴とする、あるいは潜像担持体の使用後に、薄肉の円筒体内側に請求項5に記載の製造方法にて密着固定されている弾性材料により構成される風船状円筒状部材からその内部に注入されている液体又は気体を抜き取る外径縮小工程により潜像担持体内側から取り外し、新たな潜像担持体に繰り返し使用することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の弾性材料により構成される円筒状部材もしくは弾性材料により構成される風船状円筒状部材のリサイクル方法。
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JP2014038137A (ja) * 2012-08-10 2014-02-27 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、画像形成装置およびプロセスカートリッジ

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